説明

ゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体

【課題】楽曲に合わせた操作タイミングにおいて、種々の形態の操作を指示することができるゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体を提供すること。
【解決手段】楽曲に応じたプレーヤの操作タイミングのみならず、操作タイミングにおける位置指定操作による操作位置をも基準データと比較判定して、これを評価したり操作に応じた演出を行うなど種々のゲーム演算を行うことができる。特に、基準領域データKRDの基準位置KIを楽曲に合わせて設定することにより、楽曲に合わせた種々の態様の位置指定操作をプレーヤに行わせることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、楽曲の進行に合わせたタイミングでボタンなどのON/OFF操作を行わせる音楽ゲーム装置が知られている。かかる音楽ゲーム装置では、表示領域において所定のマークが楽曲の進行に合わせたタイミングで所定の基準線に位置するようにマークを移動させることにより、プレーヤに楽曲の進行に合わせた操作タイミングを指示している。そしてかかる音楽ゲーム装置には、ゲーム性を高めるために、操作タイミングにおいて操作すべきボタンの種類を指示するものもある。特に、プレーヤが足で踏むことにより入力を行うことができるマット状のコントローラに複数種類のボタンを設け、楽曲に応じた操作タイミングにおいて踏むべきボタンの種類を指示するものがある(特許文献1)。
【特許文献1】特開2006−192157号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし従来の音楽ゲーム装置では、プレーヤに対してON/OFF操作のタイミングと、決まった数のボタンの中から操作タイミングにおいて操作を行うボタン種類とを指示するにとどまっていた。従って従来の音楽ゲーム装置では、楽曲に合わせた操作タイミングにおける操作のバリエーションを増やすことができなかった。
【0004】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、楽曲に合わせた操作タイミングにおいて、種々の形態の操作を指示することができるゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明は、
プレーヤに所与の表示領域における位置を指定する位置指定操作を、楽曲に合わせて行わせるゲーム装置であって、
前記位置指定操作を行うべき前記楽曲に応じた基準タイミングと、前記基準タイミングにおいて前記位置指定操作を行うべき基準位置とをプレーヤに認知させる表示を行う指示表示制御部と、
楽曲データと、前記基準タイミングを含む基準期間を示す基準期間データと、前記基準期間における前記基準位置を含む基準領域を示す基準領域データとを記憶する記憶部と、
前記楽曲データの再生を行う楽曲再生部と、
プレーヤの前記位置指定操作に基づいて、前記位置指定操作を行った操作タイミングを示す操作タイミングデータと、前記操作タイミングにおいて前記位置指定操作を行った操作位置を示す操作位置データとを取得する操作データ取得部と、
前記基準期間データと前記操作タイミングデータとを比較判定するとともに、前記操作タイミングにおける前記基準領域を示す基準領域データと前記操作位置データとを比較判定する比較判定部と、
前記比較判定部の比較判定結果に応じてゲーム演算を行うゲーム演算部とを含み、
前記指示表示制御部が、
前記所与の表示領域における線を形成する線形成操作を行うべき前記楽曲に応じた特殊基準期間と、前記特殊基準期間において前記線形成操作を行うべき所与の線に沿った特殊基準領域とをプレーヤに認知させる表示を行い、
前記記憶部が、
前記特殊基準期間を示す特殊基準期間データと、前記特殊基準領域を示す特殊基準領域データとを記憶し、
前記操作データ取得部が、
プレーヤの前記線形成操作に基づいて、前記線形成操作を行った操作期間を示す操作期間データと、前記線形成操作を行った操作軌跡を示す操作軌跡データとを取得し、
前記比較判定部が、
前記特殊基準期間データと前記操作期間データとを比較判定するとともに、前記特殊基準領域データと前記操作軌跡データとを比較判定することを特徴とするゲーム装置に関係する。
【0006】
また本発明は、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムに関係する。また本発明は、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムを記憶(記録)した情報記憶媒体に関係する。
【0007】
本発明において、「位置指定操作」とは、例えば接触操作を検出する操作領域を表示領域とするタッチパネルディスプレイに対する接触操作や、表示領域における指示位置を検出可能なポインティングデバイスによる指示操作や、操作デバイスの移動方向、移動量、移動速度などを検出して表示領域における任意の位置を指定可能なマウスやトラックボールなどによる移動操作などとすることができる。
【0008】
また「線形成操作」とは、連続的に「位置指定操作」を行うことにより指定した位置の集合が線を形成する操作とすることができる。例えば接触操作を検出する操作領域を表示領域とするタッチパネルディスプレイに対する接触操作や、表示領域における指示位置を検出可能なポインティングデバイスによる指示操作や、操作デバイスの移動方向、移動量、移動速度などを検出して表示領域における任意の位置を指定可能なマウスやトラックボールなどによる移動操作などによる位置指定操作を任意の範囲で連続的に行うこととすることができる。また本発明において「線」とは、直線のみならず、方向の異なる直線の組合せによる線、開曲線、閉曲線、それらの任意の組合せにより構成される線など、種々の線とすることができる。
【0009】
本発明によれば、プレーヤに位置指定操作のみならず線形成操作を行わせることにより、楽曲に応じた種々の態様の操作を行わせることができる。例えばクラシック音楽用の特殊基準領域データを、滑らかな曲線に沿った領域のものとすれば、線形成操作をクラシック音楽の進行に合わせて滑らかに行わせることができる。一方、ハードロック音楽用の特殊基準領域データを、鋭角を形成する線(ギザギザ形状の線)に沿った領域のものとすれば、線形成操作をハードロック音楽の進行に合わせて激しく行わせることができる。
【0010】
またクラシック音楽用の特殊基準期間データを、相対的に長い期間のものとすれば、線形成操作をクラシック音楽の進行に合わせてゆっくり行わせることができる。一方、ハードロック音楽用の特殊基準期間データを、相対的に短い期間のものとすれば、線形成操作をハードロック音楽の進行に合わせて素早く行わせることができる。
【0011】
このように本発明によれば、楽曲の進行に合わせて特殊基準領域、特殊基準期間を設定することにより、その楽曲を演奏しているかのような、或いは楽曲の演奏を指揮しているかのような新たな操作感をプレーヤに与えることができる。
【0012】
(2)また本発明は、
プレーヤに所与の表示領域における位置を指定する位置指定操作を、楽曲に合わせて行わせるゲーム装置であって、
前記位置指定操作を行うべき前記楽曲に応じた基準タイミングと、前記基準タイミングにおいて前記位置指定操作を行うべき基準位置とをプレーヤに認知させる表示を行う指示表示制御部と、
楽曲データと、前記基準タイミングを含む基準期間を示す基準期間データとを記憶する記憶部と、
前記基準期間における前記基準位置を含む基準領域を示す基準領域データを前記基準期間ごとにランダムな領域に設定する基準領域データ設定部と
前記楽曲データの再生を行う楽曲再生部と、
プレーヤの前記位置指定操作に基づいて、前記位置指定操作を行った操作タイミングを示す操作タイミングデータと、前記操作タイミングにおいて前記位置指定操作を行った操作位置を示す操作位置データとを取得する操作データ取得部と、
前記基準期間データと前記操作タイミングデータとを比較判定するとともに、前記操作タイミングにおける前記基準領域を示す基準領域データと前記操作位置データとを比較判定する比較判定部と、
前記比較判定部の比較判定結果に応じてゲーム演算を行うゲーム演算部とを含むことを特徴とするゲーム装置に関係する。
【0013】
また本発明は、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムに関係する。また本発明は、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムを記憶(記録)した情報記憶媒体に関係する。
【0014】
本発明によれば、各基準タイミングにおける基準位置がランダムな位置に設定されるので、基準タイミングは楽曲の進行に合わせたものとしつつも、基準位置はゲームプレイする度に異なるようにすることができる。従って本発明によれば、楽曲の進行に合わせた操作タイミングと、操作タイミングにおける瞬時の判断力と反射神経とが要求されるゲーム装置を実現することができる。
【0015】
(3)また本発明に係るゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体では、
前記比較判定部が、
前記基準期間データに前記操作タイミングデータが含まれており、かつ前記操作タイミングにおける前記基準領域データに前記操作位置データが含まれている場合に、前記位置指定操作を有効な操作と判定するようにしてもよい。
【0016】
本発明によれば、プレーヤに対して操作タイミングと操作位置の双方の正確性を要求することができる。
【0017】
(4)また本発明に係るゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体では、
前記記憶部が、
前記特殊基準期間データとして、前記基準期間が連続又は一部重複する複数の基準期間を示す複数の基準期間データから構成された連続基準期間データと、
前記特殊基準領域データとして、前記複数の基準期間の各基準期間において前記線形成操作を行うべき基準領域であって、各基準領域が隣接又は一部重複する複数の基準領域を示す複数の基準領域データから構成された連続基準領域データと、
を記憶し、
前記比較判定部が、
前記連続基準期間データを構成する前記基準期間データごとに前記基準期間データと前記操作期間データとを比較判定するとともに、前記連続基準領域データを構成する前記基準領域データごとに前記基準領域データと前記操作軌跡データとを比較判定するようにしてもよい。
【0018】
本発明によれば、線形成操作を比較判定するための特殊基準期間データ及び特殊基準領域データを、位置指定操作を比較判定するための基準期間データ及び基準領域データを用いて構成することができるので、線形成操作を比較判定するための処理と位置指定操作を比較判定するための処理とで、アルゴリズムを共通化することができる。しかも本発明によれば、特殊基準期間を構成する各基準期間において、特殊基準領域を構成する各基準領域のうち基準期間に対応する基準領域に線形成操作を行っているか否か比較判定することができるので、楽曲に合わせた厳密な線形成操作をプレーヤに要求することができる。
【0019】
(5)また本発明に係るゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体では、
前記表示制御部が、
前記複数の基準領域の各基準領域に前記線形成操作を行うべき複数の基準期間の各基準期間と、前記複数の前記基準領域の各基準領域とをプレーヤに認知させる表示を行うようにしてもよい。
【0020】
本発明によれば、連続基準期間データが示す各基準期間の区別と、連続基準領域データが示す各基準領域の区別とをプレーヤに認知させることができるので、楽曲に合わせた厳密な線形成操作をプレーヤに要求しても、プレーヤの線形成操作を補助して厳密な線形成操作をプレーヤに行わせることができる。
【0021】
(6)また本発明に係るゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体では、
前記記憶部が、
前記基準期間データとして、第1の基準期間データと第2の基準期間データとを記憶し、
前記比較判定部が、
前記第1の基準期間データについては、前記第1の基準期間データが示す第1の基準期間よりも先のタイミングから連続して前記線形成操作が行われている場合には、前記第1の基準期間データに前記操作期間データが含まれていても前記線形成操作を無効な操作と判定し、
前記第2の基準期間データについては、前記第2の基準期間データが示す第2の基準期間よりも先のタイミングから連続して前記線形成操作が行われている場合であっても、前記第2の基準期間データに前記操作期間データが含まれていれば前記線形成操作を有効な操作と判定するようにしてもよい。
【0022】
本発明によれば、第1の基準期間を線形成操作の開始時点とすべき期間とすることができ、第2の基準期間を線形成操作の継続期間或いは終了時点とすべき期間とすることができる。従って本発明によれば、第1の基準期間と第2の基準期間の設定の態様により、種々の態様の線形成操作を行わせることができる。
【0023】
(7)また本発明に係るゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体では、
前記連続基準期間データは、
前記複数の基準期間のうち最先の基準期間を示す前記第1の基準期間データと、前記最先の基準期間と連続又は一部重複する基準期間を示す少なくとも1つの第2の基準期間データとから構成されるようにしてもよい。
【0024】
本発明によれば、第1の基準期間を線形成操作の開始時点とすべき期間とし、第2の基準期間を線形成操作の継続期間或いは終了時点とすべき期間とした連続基準期間データを構成することができる。
【0025】
(8)また本発明に係るゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体では、
前記表示制御部が、
前記表示領域において第1の方向に移動する第1のマークと、前記第1の方向と交差する第2の方向に移動する第2のマークとが、前記基準期間において前記基準領域で重なるように、前記第1のマークと前記第2のマークとを移動させる表示を行うようにしてもよい。
【0026】
本発明によれば、第1のマークと第2のマークの移動の様子により、基準期間と基準期間における基準領域とを同時にプレーヤに認知させることができる。従って本発明によれば、短い期間に多くの基準期間と基準位置とを到来させても、予め基準期間と基準位置とをプレーヤに予測させ、円滑な操作を行わせることができる。
【0027】
(9)また本発明に係るゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体では、
前記表示制御部が、
前記基準期間において前記基準領域に所与のマークを出現させる表示を行うようにしてもよい。
【0028】
本発明によれば、所与のマークが出現している期間により基準期間をプレーヤに認知させ、所与のマークが出現している位置により基準領域をプレーヤに認知させることができる。従って本発明によれば、基準期間において基準領域にマークが移動する画像を予め用意せずとも、基準期間と基準領域とをプレーヤに認知させることができる。特に基準領域を基準期間ごとにランダムな領域に設定する場合であっても、簡単な処理により基準期間と基準領域とをプレーヤに認知させることができる。
【0029】
ここで例えば、基準期間よりも先のタイミングから次第にマークの透明度が濃くなるようにマークを表示させ、基準期間の間は透明度0ではっきりとマークを表示させるようにしてもよい。これにより本発明の態様においても、予め基準期間と基準位置とをプレーヤに予測させ、円滑な操作を行わせることができる。
【0030】
(10)また本発明に係るゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体では、
前記表示制御部が、
前記位置指定操作及び前記線形成操作を受付ける操作領域を前記所与の表示領域とするタッチパネルディスプレイに、前記基準タイミングと前記基準タイミングにおける基準位置、及び前記特殊基準期間と前記特殊基準期間における前記特殊基準領域をプレーヤに認知させる表示を行い、
前記操作データ取得部が、
前記タッチパネルディスプレイで受付けた前記位置指定操作に基づいて、前記操作タイミングデータと前記操作タイミングにおける前記操作位置データとを取得し、前記タッチパネルディスプレイで受付けた前記線形成操作に基づいて、前記操作期間データと前記操作期間における前記操作軌跡データとを取得するようにしてもよい。
【0031】
本発明によれば、プレーヤに種々の態様の位置指定操作及び線形成操作を行わせても、操作態様の変化に気をとられることなく、楽曲に合わせた種々の態様の操作を楽しませることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0033】
1.概要
図1に本実施形態の音楽ゲーム装置の外観図を示す。図1の例では本実施形態の音楽ゲーム装置を携帯型ゲーム装置10により構成している。図1に示すように本実施形態の携帯型ゲーム装置10は、本体上部2と本体下部4とがヒンジ部6により接合されており、本体上部2と本体下部4とがヒンジ軸回りに回動可能に形成されている。そして本体上部2には第1のディスプレイ11が設けられ、本体下部4には、第2のディスプレイ12が設けられている。また本体下部4には、十字キー14、操作ボタン16などの操作部や、プレーヤが音入力(音声入力)を行うための音入力装置40(マイク)が設けられている。更に携帯型ゲーム装置10の裏面には、図示しないが音楽ゲームで用いる楽曲などを出力するためのスピーカが設けられている。
【0034】
ここで本実施形態では、第2のディスプレイ12は、画像を表示する液晶ディスプレイと接触位置を検出できるタッチパネルとが積層されたタッチパネルディスプレイとされており、第2のディスプレイ12の表示領域におけるプレーヤの接触操作位置を検出できるようになっている。本実施形態では、プレーヤにタッチペン30を操作させ、タッチペン30の先端部を第2のディスプレイ12に接触させることにより、第2のディスプレイ12の表示領域における任意の位置を指定する操作を行わせ、その操作位置を検出する。
【0035】
そして本実施形態では、第1のディスプレイ11に、指揮者キャラクタCCを表示させるとともに、第2のディスプレイ12に、楽曲の進行状況に合わせて表示領域の右側から左方向に移動する第1のマークFMと、表示領域の上側から下方向に移動する第2のマークSMとを表示させる。この第1のマークFMと第2のマークSMとは、プレーヤが第2のディスプレイ12に対して位置指定操作を行うべき基準タイミングと、その基準タイミングにおいて位置指定操作を行うべき基準位置とをプレーヤに認知させるための表示である。本実施形態では、第1のマークFMと第2のマークSMとが重なったタイミングを基準タイミングとし、第1のマークFMと第2のマークSMとが重なった位置を基準位置としている。
【0036】
そして、プレーヤがかかる基準タイミングにおいて基準位置に位置指定操作を行うことができると、スピーカから楽曲が順調に出力されるとともに、得点が加算されていく。一方、基準タイミングにおいて基準位置に位置指定操作を行うことができないと、スピーカから不快な音が出力されるとともに、第1のディスプレイ11において指揮者キャラクタCCが怒りだす画像が表示される。
【0037】
こうして本実施形態では、プレーヤは、第1のマークFMと第2のマークSMの移動状況を観察することにより基準タイミングと基準位置を把握して、基準タイミングにおいて基準位置に、第2のディスプレイ12の表示領域に対して位置指定操作を行うゲームを楽しむ。
【0038】
2.本実施形態の手法
次に、図2(A)〜(C)を用いて本実施形態の手法について説明する。図2(A)〜(C)は、本実施形態の携帯ゲーム装置10の第2のディスプレイ12の表示領域DAに表示させる一連の画像の一例である。図2(A)〜(C)に示すように本実施形態では、楽曲の再生に連動させて、第1のマークFM1〜FM5を表示領域DAにおいて右側から左方向に一定速度で移動させるとともに、第2のマークSM1〜SM5を表示領域DAにおいて上側から下方向に一定速度で移動させる。本実施形態では、位置指定操作を行うべき基準タイミングKTと基準位置KIとが楽曲に応じて予め定められており、例えば第1のマークFM1に対応する基準タイミングKT1が到来したときに、第1のマークFM1と第2のマークSM1とが、第1のマークFM1に対応する基準位置KI1に移動するように、第1のマークFM1〜FM5と第2のマークSM1〜SM5の表示制御を行う。
【0039】
図2(A)の例は、第1のマークFM1に対応する基準タイミングKT1が到来した時点において表示領域DAに表示される画像を示したものである。図2(A)のタイミングでは、第1のマークFM1と第2のマークSM1とが重なっているため、そのタイミングにおけるその位置を、第1のマークFM1についての基準タイミングKT1における基準位置KI1としてプレーヤに認知させることができる。そして図2(A)に示す基準タイミングKT1において基準位置KI1に、プレーヤがタッチペン30の先端を接触させる位置指定操作を行うと、図2(B)に示すように、第1のマークFM1と第2のマークSM1とを消滅させる表示制御を行う。
【0040】
図2(B)の例は、図2(A)において第1のマークFM1の右上に位置する第1のマークFM2に対応する基準タイミングが到来した時点において表示領域DAに表示される画像を示したものである。図2(B)のタイミングでは、図2(A)に比して第1のマークFM2が左方向に移動し、第2のマークSM2が下方向に移動することにより、第1のマークFM2と第2のマークSM2とが重なっているため、そのタイミングにおけるその位置を、第1のマークFM2についての基準タイミングKT2における基準位置KI2としてプレーヤに認知させることができる。そして図2(B)に示す基準タイミングKT2において基準位置KI2に、プレーヤがタッチペン30の先端を接触させる位置指定操作を行うと、図2(C)に示すように、第1のマークFM1と第2のマークSM1とを消滅させる表示制御を行う。
【0041】
同様に図2(C)のタイミングでは、図2(B)に比して第1のマークFM3が左方向に移動し、第2のマークSM3が下方向に移動することにより、第1のマークFM3と第2のマークSM3とが重なっているため、そのタイミングにおけるその位置を、第1のマークFM3についての基準タイミングKT3における基準位置KI3としてプレーヤに認知させることができる。こうして本実施形態では、第1のマークFM1〜FM5と第2のマークSM1〜SM5とを、それぞれの基準タイミングKT1〜KT5において基準位置KI1〜KI5に移動させる表示制御を行うことにより、表示領域DAにおけるあらゆる位置を、プレーヤが位置指定操作を行うべき基準位置KIとすることができる。例えば図2(A)〜(C)の例では、表示領域DAの左下の位置である基準位置KI1から、表示領域DAの右上の位置である基準位置KI5まで、楽曲が進行するにつれて次第に右上方向に基準位置KIが移動するように、各基準タイミングKT1〜KT5における基準位置KI1〜KI5を設定することができる。
【0042】
次に図3(A)〜(C)を用いて、上述した基準タイミングKTと基準位置KIとを楽曲に応じて予め定めておく手法について説明する。図3(A)〜(C)は、楽曲の再生開始を0とする時間Tの進行と、表示領域DAにおける第1のマークFMの表示位置と、位置指定操作を行うべき基準位置KIとの関係を説明するための図である。図3(A)〜(C)に示すように本実施形態では、楽曲の再生に連動して表示領域DAにスクロール表示される横長の画像であって、楽曲に応じた位置に第1のマークFMが配置された譜面画像SPを予め形成しておく。この譜面画像SPは、対応する楽曲の実際の譜面における音符から、楽曲の中でも特徴的な音に対応する音符を抽出し、抽出した音符の譜面における位置を譜面画像SPにおける第1のマークFMとすることにより形成したものである。
【0043】
そして本実施形態では、楽曲データが再生されていない状態、即ち楽曲データの再生開始から0秒後の状態では、図3(A)に示すように、横長の譜面画像SPのうち第2のディスプレイ12に表示される領域を示す表示領域DAは、表示領域DAの左端LEが0秒の位置にある。そして楽曲データの再生が開始されると、時間Tが経過するにつれて譜面画像SPに対して表示領域DAを図中右方向に相対的に移動させる。これにより図2において説明したように、表示領域DAの右側から左方向に第1のマークFMが移動する画像を表示させる。例えば図3(B)では、表示領域DAの左端LEが5秒の位置にある。従って図3(B)における表示領域DA内に対応する譜面画像SPは、楽曲データの再生開始から5秒後に表示領域DAに表示される譜面画像SPを示している。
【0044】
ここで図3(B)では、表示領域DA内に第1のマークFM1〜FM5が位置している。そこで図3(B)のタイミングにおいて第1のマークFM1の位置に位置指定操作を行わせるようにしたければ、図3(B)のタイミングである再生開始から5秒後を基準タイミングKT1として設定するとともに、図3(B)のタイミング(開始5秒後)における第1のマークFM1の位置に対応する表示領域DAにおける位置を、基準位置KI1として設定する。なお、図3(B)のタイミングを基準タイミングKT1として設定するが、基準位置KI1を第1のマークFM1以外の位置に設定したい場合には、表示領域DA内の任意の位置に基準位置KI1を設定するとともに、基準位置KI1を設定した位置に第1のマークFM1を変更設定すればよい。
【0045】
同様に図3(C)のタイミングにおいて第1のマークFM2の位置に位置指定操作を行わせるようにしたければ、図3(C)のタイミングである再生開始から5.5秒後を基準タイミングKT2として設定するとともに、図3(C)のタイミング(開始5.5秒後)における第1のマークFM2の位置に対応する表示領域DAにおける位置を、基準位置KI2として設定する。こうして他の第1のマークFM3〜FM5についても、基準タイミングKT3〜KT5を設定するとともに、それぞれのタイミングにおける第1のマークFM3〜FM10の位置に対応する表示領域DAにおける位置を、基準位置KI3〜KI5として設定する。
【0046】
図4(A)は、このようにして設定した基準タイミングKT1〜KT5と、各基準タイミングKT1〜KT5における基準位置KI1〜KI5との関係を示す図である。本実施形態では、プレーヤが位置指定操作を行うべき基準タイミングKTを所定の時点とし、基準位置KIを所定の点として設定したのでは、ゲームがあまりに難しくなりすぎてしまうので、図4(A)に示すように、基準タイミングKT1を含む所定期間の基準期間KK1を判定期間として設定し、基準位置KI1を含む所定領域の基準領域KR1を判定領域として設定している。同様にして、基準タイミングKT2〜KT5のそれぞれを含む判定期間として基準期間KK2〜KK5を設定し、基準位置KI2〜KI5のそれぞれを含む判定領域として基準領域KR2〜KR5を設定している。なお本実施形態では、基準期間KKは、第2のマークSMが第1のマークFMに接触してから通過するまでの時間を示す期間データとして設定し、基準領域KRは第1のマークFMと同様の大きさ(範囲)を示す領域データとして設定している。
【0047】
図4(B)は本実施形態で記憶している基準期間KK1〜KK5を示す基準期間データKKDと、基準領域KR1〜KR5を示す基準領域データKRDのデータ構造を説明するための図である。本実施形態では図4(B)に示すように、基準期間データKKDと基準領域データKRDとはテーブルデータ形式で対応付けられて記憶されている。例えば基準期間KK1を示す基準期間データKKDが基準領域KR1を示す基準領域データKRDに、基準期間KK2を示す基準期間データKKDが基準領域KR2を示す基準領域データKRDに、というように、基準期間KK1〜KK5を示す基準期間データKKDと、基準領域KR1〜KR5を示す基準領域データKRDとが対応付けられている。
【0048】
そして本実施形態では図4(B)に示すように、基準期間データKKDは、それぞれ基準期間KK1〜KK5の始点と終点の時間Tを示すデータから構成され、基準領域データKRDは、それぞれ基準領域KR1〜KR5が含む表示領域DAにおける座標値から構成されている。そして本実施形態では、ゲームが開始され楽曲データの再生が開始されると、楽曲データの再生開始時点を0として経過時間Tをカウントし、経過時間Tが基準期間データKKDが示す期間が到来すると、基準期間データKKDに対応する基準領域データKRDが示す座標値を参照し、当該座標値について位置指定操作が行われたか否か監視する。こうして本実施形態によれば、図2に示すように、予め定めた基準タイミングKTを含む基準期間KKにおいて、対応する基準位置KIを含む基準領域KRについて、位置指定操作が行われたか否かを比較判定することができる。
【0049】
図5は、上述のように設定した基準タイミングKTにおいて基準位置KIに、第2のマークSMを移動させる表示を行うアルゴリズムを説明するための図である。図5において、上部の矩形領域は第1のディスプレイ11の表示領域DA1を示し、下部の矩形領域は第2のディスプレイ12の表示領域DA2を示しており、本実施形態では、表示領域DA1と表示領域DA2とは一連の表示領域として形成されている。
【0050】
まず、楽曲データの再生開始を0とするカウント時間Tが、例えば基準位置KI1についての基準タイミングKT1の所定時間前となると、図5に示すように、基準位置KI1を中心とした円のうち基準位置KI1の上方に形成される円弧AS1上のランダムな位置に、第2のマークSM1を発生させる。ここで第2のマークSM1を発生させるタイミングは、第2のマークSM1を発生させてから第2のマークSM1が基準位置KI1に到達するまでの時間を逆算して定めてある。そして、円弧AS1上に発生させた第2のマークSM1を、予め定められた速度で基準位置KI1に向けて移動させる。
【0051】
またカウント時間Tが、例えば基準位置KI5についての基準タイミングKT5の所定時間前となると、図5に示すように、基準位置KI5を中心とした円のうち基準位置KI5の上方に形成される円弧AS5上のランダムな位置に、第2のマークSM5を発生させる。そして、円弧AS5上に発生させた第2のマークSM5を、予め定められた速度で基準位置KI5に向けて移動させる。
【0052】
こうして本実施形態によれば、第2のマークSMの発生位置をある程度ランダムにして、第2のマークSMの移動経路をランダムにしつつも、基準タイミングKTにおいて基準位置KIに第2のマークSM1を位置させるようにすることができる。なお第2のマークSMの移動経路は直線的な経路のみならず、蛇行させるなど種々の態様の経路とすることができる。また第2のマークSMについても第1のマークFMと同様に、楽曲の再生に連動して表示領域DAにスクロール表示される縦長の画像であって、楽曲に応じた位置に第2のマークSMが配置された譜面画像として予め形成しておくようにしてもよい。
【0053】
3.特殊基準期間と特殊基準領域
次に本実施形態に特徴的な、表示領域DAに対して線を形成する線形成操作をプレーヤに行わせる態様について説明する。本実施形態では、第2のディスプレイ12をタッチパネルディスプレイにより構成しているので、表示領域DAに対する位置指定操作を連続的に行わせることにより、即ちタッチペン30を表示領域DAに接触させたままタッチペン30を移動させることにより、表示領域DAにおける線を形成する線形成操作を検出することができる。
【0054】
そこで本実施形態では、図2(A)〜(C)に示すように第1のマークFM1〜FM5を所与の間隔を空けて断続的に配置する他、図6(A)に示すように第1のマークFM11〜FM15を、各第1のマークFMが所与の線に沿った領域において隣接又は一部重複するように配置するとともに、第2のマークSM11〜SM15も各第2のマークSMが連続するように表示する。そして図6(A)に示すように、第1のマークFM11〜FM15に対応する基準位置KI11〜KI15も、各基準位置KIが所与の線に沿った領域において連続するように設定するとともに、各基準位置KI11〜KI15に対応する基準タイミングKT11〜KT15がほぼ同時となるように、各基準タイミングKTが連続するように設定する。
【0055】
従ってかかる連続的に設定された基準タイミングKT11〜KT15がほぼ同時に到来すると、図6(B)に示すように、第1のマークFM11〜FM15と第2のマークSM11〜SM15とがほぼ同時に重なるように表示される。これにより本実施形態では、そのタイミングにおけるその位置を、第1のマークFM11〜FM15についての基準タイミングKT11〜KT15における基準位置KI11〜KI15としてプレーヤに認知させることができる。そして本実施形態では、かかる連続的な基準タイミングKT11〜KT15における基準位置KI11〜KI15については、プレーヤがタッチペン30の先端を第2のディスプレイ12に接触させながら移動させる線形成操作を受付ける。
【0056】
そして図6(C)に示す基準タイミングKT11〜KT15において、基準位置KI11〜KI15にプレーヤが線形成操作を行うと、図6(C)に示すように、線形成操作に応じて第1のマークFM11〜FM15と第2のマークSM11〜SM15とを連続的に消滅させる表示制御を行う。
【0057】
図7(A)は、連続的に設定した基準タイミングKT11〜KT15と、各基準タイミングKT11〜KT15における基準位置KI11〜KI15との関係を示す図である。図7(A)に示すように本実施形態では、基準タイミングKT11を含む所定期間を基準期間KK11として設定し、同様にして、基準タイミングKT12〜KT15のそれぞれを含む所定期間を基準期間KK12〜KK15として設定している。即ち基準期間KK11〜KK15を、各基準期間KKが連続又は一部重複する連続基準期間CKK(特殊基準期間SKK)として設定している。また基準位置KI11を含む所定領域を基準領域KR11として設定し、同様にして、基準位置KI12〜KI15のそれぞれを含む所定領域を基準領域KR12〜KR15として設定している。即ち基準領域KR11〜KR15を、各基準領域KRが隣接又は一部重複する連続基準領域CKR(特殊基準領域SKR)として設定している。
【0058】
図7(B)は本実施形態で記憶している連続基準期間CKK(特殊基準期間SKK)を示す連続基準期間データCKKD(特殊基準期間データSKKD)と、連続基準領域CKR(特殊基準領域SKR)を示す連続基準領域データCKRD(特殊基準領域データSKRD)のデータ構造を説明するための図である。本実施形態では図7(B)に示すように、連続基準期間データCKKDと連続基準領域データCKRDとはテーブルデータ形式で対応付けられて記憶されている。例えば基準期間KK11を示す基準期間データKKDが基準領域KR11を示す基準領域データKRDに、基準期間KK12を示す基準期間データKKDが基準領域KR12を示す基準領域データKRDに、というように、連続基準期間CKKを構成する各基準期間KK11〜KK15を示す基準期間データKKDと、連続基準領域CKRを構成する各基準領域KR1〜KR5を示す基準領域データKRDとが対応付けられている。
【0059】
そして本実施形態では図7(B)に示すように、連続基準期間データCKKDは、基準期間KK11〜KK15ごとの始点と終点の時間Tを示すデータから構成され、連続基準領域データCKRDは、基準領域KR11〜KR15それぞれが含む表示領域DAにおける座標値から構成されている。即ち本実施形態の連続基準期間データCKKDは、基準期間KKが連続又は一部重複する複数の基準期間KK11〜KK15を示す複数の基準期間データKKD11〜KKD15から構成されている。そして連続基準領域データCKRDは、複数の基準期間KK11〜KK15の各基準期間KKにおいて線形成操作を行うべき基準領域KRであって、各基準領域KRが隣接又は一部重複する複数の基準領域KR11〜KR15を示す複数の基準領域データKRD11〜KRD15から構成されている。
【0060】
そして本実施形態では、連続基準期間データCKKDを構成する基準期間データKKD11〜KKD15ごとに基準期間データKKDと操作期間データとを比較判定するとともに、連続基準領域データCKRDを構成する基準領域データKRD11〜KRD15ごとに基準領域データKRDと操作軌跡データとを比較判定する。詳細には本実施形態では、ゲームが開始され楽曲データの再生が開始されると、楽曲データの再生開始時点を0として経過時間Tをカウントし、経過時間Tが連続基準期間データCKKDが示す期間となると、連続基準期間データCKKDに対応する連続基準領域データCKRDが示す座標値を参照し、当該座標値について線形成操作が行われたか否か監視する。こうして本実施形態によれば、図6に示すように、基準期間KKが連続する連続基準期間CKKにおいて、基準領域KRが連続する連続基準領域CKRについて、線形成操作が行われたか否かを比較判定することができる。
【0061】
ここで連続基準期間データCKKDは、複数の基準期間のうち最先の基準期間を示す第1の基準期間データKKD1と、最先の基準期間と連続又は一部重複する基準期間を示す少なくとも1つの第2の基準期間データKKD2とから構成されている。そして第1の基準期間データKKD1については、第1の基準期間データKKD1が示す第1の基準期間よりも先のタイミングから連続して線形成操作が行われている場合には、第1の基準期間データに操作期間データが含まれていても線形成操作を無効な操作と判定し、第2の基準期間データKKD2については、第2の基準期間データKKD2が示す第2の基準期間よりも先のタイミングから連続して線形成操作が行われている場合であっても、第2の基準期間データKKD2に操作期間データが含まれていれば線形成操作を有効な操作と判定する。これにより第1の基準期間を線形成操作の開始時点とすべき期間とすることができ、第2の基準期間を線形成操作の継続期間或いは終了時点とすべき期間とすることができる。
【0062】
こうして本実施形態によれば、プレーヤに位置指定操作のみならず線形成操作を行わせることにより、楽曲に応じた種々の態様の操作を行わせることができる。しかも本実施形態によれば、線形成操作を比較判定するための連続基準期間データCKKD及び連続基準領域データCKRDを、位置指定操作を比較判定するための基準期間データKKD及び基準領域データKKDを用いて構成することができるので、線形成操作を比較判定するための処理と位置指定操作を比較判定するための処理とで、アルゴリズムを共通化することができる。しかも本実施形態によれば、連続基準期間CKKを構成する各基準期間KKにおいて、連続基準領域CKRを構成する各基準領域KRのうち基準期間KKに対応する基準領域KRに線形成操作を行っているか否か比較判定することができるので、楽曲に合わせた厳密な線形成操作をプレーヤに要求することができる。
【0063】
4.構成
次に、図8を用いて本実施形態におけるゲーム装置の構成について説明する。図8は、本実施形態における携帯ゲーム装置10の機能ブロック図の一例である。なお、本実施形態のゲーム装置は、図8の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0064】
操作部160は、プレーヤが操作データを入力するためのものであり、その機能は、レバー、ボタン、ステアリング、マイク、タッチパネル型ディスプレイ、或いは筺体などにより実現できる。
【0065】
特に本実施形態では、図1に示す第2のディスプレイ12が、液晶ディスプレイと、プレーヤの接触位置を検出するためのタッチパネルとが積層された構成となっている。従って本実施形態では、第2のディスプレイ12が操作部160として機能するとともに表示部190としても機能する。ここでタッチパネルとしては、例えば抵抗膜方式(4線式、5線式)、静電容量結合方式、超音波表面弾性波方式、赤外線走査方式などの種々のタッチパネルを用いることができる。なお第2のディスプレイ12への接触操作は、図1に示すタッチペン30などの入力機器を用いて行っても良いし、指先を用いて行ってもよい。
【0066】
また操作部160を、表示部190の表示領域における指示位置を検出可能なポインティングデバイスにより実現したり、操作デバイスの移動方向、移動量、移動速度などを検出して表示部190の表示領域における任意の位置を指定可能なマウスやトラックボールなどにより実現してもよい。即ち本実施形態の操作部160は、表示領域における位置を指定する位置指定操作を行うことができる種々のデバイスにより実現することができる。
【0067】
音入力装置162は、プレーヤが音声や手拍子などの音を入力するためのものであり、その機能はマイクなどにより実現できる。プレーヤは音入力装置162に音声を入力することによって、位置指定操作を行うことができるようにしてもよい。
【0068】
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(VRAM)などにより実現できる。そして、本実施形態の記憶部170は、ワーク領域として使用される主記憶部171と、最終的な表示画像等が記憶されるフレームバッファ172と、オブジェクトのモデルデータが記憶されるオブジェクトデータ記憶部173と、各オブジェクトデータ用のテクスチャが記憶されるテクスチャ記憶部174と、オブジェクトの画像の生成処理時にZ値が記憶されるZバッファ176と、を含む。なお、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0069】
特に本実施形態の記憶部170には、複数種類の楽曲の楽曲データを記憶する楽曲データ記憶部177と、位置指定操作を行うべき基準タイミングを含む基準期間を示す基準期間データと、基準期間における基準位置を含む基準領域を示す基準領域データとを記憶する基準データ記憶部178とを含む。本実施形態では基準データ記憶部178では、基準期間データKKDと基準領域データKRDとがテーブルデータ形式で対応付けられて記憶されている。同様に、連続基準期間データCKKDと連続基準領域データCKRDとがテーブルデータ形式で対応付けられて記憶されている。そして基準データ記憶部178に記憶されているテーブルデータは、複数の楽曲データの各楽曲データに応じて異なるテーブルデータが関連付けられている。即ち本実施形態では、楽曲データごとに基準データのテーブルデータが用意されている。
【0070】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。
【0071】
この情報記憶媒体180には、処理部100において本実施形態の種々の処理を行うためのプログラム(データ)が記憶されている。即ち、この情報記録媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶されている。
【0072】
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などにより実現できる。特に本実施形態では表示部190は、第1のディスプレイ11と第2のディスプレイ12とを含み、第2のディスプレイ12は、タッチパネルディスプレイを用いることによりプレーヤがゲーム操作を行う操作部160としても機能する。
【0073】
なお2つのディスプレイを有する場合には、少なくとも第2のディスプレイ12をタッチパネルディスプレイとして構成すればよい。また1つのディスプレイに第1の表示領域と第2の表示領域とを設け、少なくとも第2の表示領域を、接触操作位置を検出する検出領域として機能させるようにしてもよい。
【0074】
音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。特に本実施形態では、ゲームが開始され楽曲データが再生されると、楽曲を出力する。
【0075】
携帯型情報記憶装置194には、プレーヤの個人データやゲームのセーブデータなどが記憶されるものであり、この携帯型情報記憶装置194としては、メモリカードや携帯型ゲーム装置などがある。
【0076】
通信部196は、外部(例えばホスト装置や他の画像生成システム)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0077】
なお、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、ホスト装置(サーバー)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部196を介して情報記憶媒体180(記憶部170)に配信してもよい。このようなホスト装置(サーバー)の情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含めることができる。
【0078】
処理部100(プロセッサ)は、操作部160からの操作データやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、或いは音生成処理などの処理を行う。ここで、ゲーム処理としては、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、キャラクタやマップなどのオブジェクトを配置する処理、オブジェクトを表示する処理、ゲーム結果を演算する処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などがある。この処理部100は記憶部170をワーク領域として各種処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0079】
特に、本実施形態の処理部100は、表示制御部110、基準領域データ設定部112、楽曲再生部114、操作データ取得部116、比較判定部118、ゲーム演算部120と、を含む。なお、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0080】
表示制御部110は、表示部190に表示出力される表示物(オブジェクト)の表示制御を行う。具体的には、表示物(ゲームキャラクタ、背景、標的、車、ボール、アイテム、建物、樹木、柱、壁、マップ)を発生させたり、表示物の表示位置を指示したり、表示物を消滅させたりするなどの表示制御を行う。即ち発生した表示物を表示物リストに登録したり、表示物リストを描画処理部等に転送したり、消滅した表示物を表示物リストから削除したりするなどの表示制御を行う。
【0081】
特に本実施形態では表示制御部110は、位置指定操作を行うべき楽曲に応じた基準タイミングと、基準タイミングにおいて位置指定操作を行うべき基準位置とをプレーヤに認知させる表示を行う。更に表示制御部110は、線形成操作を行うべき楽曲に応じた特殊基準期間と、特殊基準期間において線形成操作を行うべき所与の線に沿った特殊基準領域とをプレーヤに認知させる表示を行う。具体的には、表示制御部110は、楽曲データに合わせて予め定められた第1のマークFMごとの基準タイミングにおいて、第1のマークFMごとの基準位置に、複数の第1のマークFMの各第1のマークFMが位置するように、複数の第1のマークFMを所定の移動経路上で移動させる移動表示制御処理を行う。
【0082】
例えば、複数の第1のマークFMを楽曲データの再生状況に合わせて任意の位置に配置した譜面画像を、各第1のマークFMに対応する基準タイミングにおいて各第1のマークFMが基準位置に位置するように、スクロール表示させる。本実施の形態では、複数の第1のマークFMを横方向に配置した横長の画像を、第2のディスプレイ12の表示領域DAに対して右から左に移動させる。
【0083】
また表示制御部110は、各第1のマークFMに対応する第2のマークSMを、第1のマークFMごとの基準タイミングにおいて、第1のマークFMごとの基準位置に、各第2のマークSMが位置するように、複数の第2のマークSMを所与の移動経路上で移動させる移動表示制御処理を行う。例えば表示制御部110は、表示領域において第1の方向に移動する第1のマークFMと、第1の方向と交差する第2の方向に移動する第2のマークSMとが、基準期間において基準領域で重なるように、第1のマークFMと第2のマークSMとを移動させる表示を行う
ここで基準領域データ設定部112を設けて、基準期間における基準位置を含む基準領域を示す基準領域データを基準期間ごとにランダムな領域に設定するようにしてもよい。具体的には、第2のディスプレイ12の表示領域DAの位置座標をランダムに抽出するアルゴリズムにより、基準タイミングごとに基準位置を設定し、基準位置を中心とする領域に基準領域を設定する。このようにすれば、基準期間において基準領域にマークが移動する譜面画像を予め用意せずとも、基準期間と基準領域とをプレーヤに認知させることができる。この場合には表示制御部110は、基準タイミングごとに設定された基準位置に、所与のマークを出現させる表示を行う。
【0084】
楽曲再生部114は、楽曲データ記憶部177に記憶された楽曲データの再生を行い、音出力部192から楽曲を出力させる。
【0085】
操作データ取得部116は、プレーヤの位置指定操作に基づいて、位置指定操作を行った操作タイミングを示す操作タイミングデータと、操作タイミングにおいて位置指定操作を行った操作位置を示す操作位置データとを取得する。特に本実施形態では、タッチパネルディスプレイで受付けた位置指定操作に基づいて、操作タイミングデータと操作タイミングにおける操作位置データとを取得する。また操作データ取得部116は、プレーヤの線形成操作に基づいて、線形成操作を行った操作期間を示す操作期間データと、線形成操作を行った操作軌跡を示す操作軌跡データとを取得する。
【0086】
比較判定部118は、基準期間データと操作タイミングデータとを比較判定するとともに、操作タイミングにおける基準領域を示す基準領域データと操作位置データとを比較判定する。また比較判定部118は、基準期間データに操作タイミングデータが含まれており、かつ操作タイミングにおける基準領域データに操作位置データが含まれている場合に、位置指定操作を有効な操作と判定する。また比較判定部118は、特殊基準期間データと操作期間データとを比較判定するとともに、特殊基準領域データと操作軌跡データとを比較判定するようにしてもよい。特に本実施形態では、比較判定部118は、連続基準期間データを構成する基準期間データごとに基準期間データと操作期間データとを比較判定するとともに、連続基準領域データを構成する基準領域データごとに基準領域データと操作軌跡データとを比較判定する。
【0087】
ゲーム演算部120は、比較判定部118の比較判定結果に応じて種々のゲーム演算を行う。例えば比較判定結果に応じたゲーム成績を演算したり、比較判定結果に応じた画像演出を行うことによりプレーヤを評価する。また比較判定結果が悪い場合には、楽曲データの音量を消音する或いは小さくして、不快な効果音データを再生出力させる。
【0088】
4.本実施形態の処理
次に、本実施形態の処理について説明する。図9は、本実施形態の携帯ゲーム装置10で行われる処理の概略を示すフローチャートである。図9に示すように本実施形態では、まずゲームが開始されると、楽曲データの再生を開始する(ステップS10)。すると楽曲データの再生を開始した時点を0として経過時間Tをカウントし(ステップS12)、第1のマークFMと第2のマークSMとを移動表示させる(ステップS14)。そして、第2のディスプレイ12に対する接触操作を監視し(ステップS16)、接触操作を受付けない場合には(ステップS16のN)、経過時間Tが楽曲に応じて設定された基準期間に達したか判定し(ステップS18)、基準期間に達した場合には(ステップS18のY)、操作を失敗したことを示す失敗演出を行い(ステップS20)、基準期間に達しない場合には(ステップS18のN)、ステップS12に戻りステップS12からステップS18までの処理を繰り返す。
【0089】
一方、接触操作を受付けた場合には(ステップS16のY)、接触操作を受付けた時点における経過時間T(カウント値)を操作タイミングデータとして取得するとともに、第2のディスプレイ12の検出領域(表示領域DA)における接触操作を受付けた座標値を操作位置データとして取得する(ステップS22)。すると、操作タイミングデータに基づいて、基準データ記憶部178の基準期間データのテーブルデータを参照し(ステップS24)、操作タイミングデータが基準期間データに含まれるか否か判定する(ステップS26)。ここで操作タイミングデータが基準期間データに含まれない場合には(ステップS26のN)、操作を失敗したことを示す失敗演出を行う(ステップS20)。一方、操作タイミングデータが基準期間データに含まれる場合には(ステップS26のY)、当該基準期間データに対応する基準領域データを参照し(ステップS28)、操作位置データが基準領域データに含まれるか否か判定する(ステップS30)。
【0090】
ここで操作位置データが基準領域データに含まれない場合には(ステップS30のN)、操作を失敗したことを示す失敗演出を行う(ステップS20)。一方、操作位置データが基準領域データに含まれる場合には(ステップS30のY)、当該操作タイミングデータが基準期間データの中でも基準タイミングに近い第1の範囲のタイミングか否か判定する(ステップS32)。ここで操作タイミングデータが第1の範囲のタイミングでない場合には(ステップS32のN)、操作が良かったことを示す良演出を行う(ステップS34)。一方、操作タイミングデータが第1の範囲のタイミングに含まれる場合には(ステップS32のY)、当該操作位置データが基準領域データの中でも基準位置に近い第1の範囲の領域か否か判定する(ステップS36)。ここで操作位置データが第1の範囲の領域でない場合には(ステップS36のN)、操作が良かったことを示す良演出を行う(ステップS34)。一方、操作位置データが第1の範囲の領域に含まれる場合には(ステップS36のY)、操作が優れていたことを示す優演出を行う(ステップS38)。
【0091】
こうして本実施形態では、ステップS12からステップS38までの処理を、1/30秒ごとに繰り返す。即ち、本実施形態では画像更新レートを1/30秒としており、画像更新ごと(1フレームごと)に、経過時間Tをカウントするとともに、第1のマークと第2のマークとを移動表示させ、期間経過の監視と操作データ受付の監視を行っている。
【0092】
5.ハードウェア構成
図10に本実施形態を実現できるハードウェア構成の例を示す。メインプロセッサ900は、メモリカード982に格納されたプログラム、通信インターフェース990を介してダウンロードされたプログラム、或いはROM950に格納されたプログラムなどに基づき動作し、ゲーム処理、画像処理、音処理などを実行する。コプロセッサ902は、メインプロセッサ900の処理を補助するものであり、マトリクス演算(ベクトル演算)を高速に実行する。例えばオブジェクトを移動させたり動作(モーション)させる物理シミュレーションに、マトリクス演算処理が必要な場合には、メインプロセッサ900上で動作するプログラムが、その処理をコプロセッサ902に指示(依頼)する。
【0093】
ジオメトリプロセッサ904は、メインプロセッサ900上で動作するプログラムからの指示に基づいて、座標変換、透視変換、光源計算、曲面生成などのジオメトリ処理を行うものであり、マトリクス演算を高速に実行する。データ伸張プロセッサ906は、圧縮された画像データや音データのデコード処理を行ったり、メインプロセッサ900のデコード処理をアクセレートする。これにより、オープニング画面やゲーム画面において、MPEG方式等で圧縮された動画像を表示できる。
【0094】
描画プロセッサ910は、ポリゴンや曲面などのプリミティブ面で構成されるオブジェクトの描画(レンダリング)処理を実行する。オブジェクトの描画の際には、メインプロセッサ900は、DMAコントローラ970を利用して、描画データを描画プロセッサ910に渡すと共に、必要であればテクスチャ記憶部924にテクスチャを転送する。すると描画プロセッサ910は、描画データやテクスチャに基づいて、Zバッファなどを利用した隠面消去を行いながら、オブジェクトをフレームバッファ922に描画する。また描画プロセッサ910は、αブレンディング(半透明処理)、デプスキューイング、ミップマッピング、フォグ処理、バイリニア・フィルタリング、トライリニア・フィルタリング、アンチエリアシング、シェーディング処理なども行う。1フレーム分の画像がフレームバッファ922に書き込まれるとその画像はディスプレイ912に表示される。
【0095】
サウンドプロセッサ930は、多チャンネルのADPCM音源などを内蔵し、BGM、効果音、音声などのゲーム音を生成し、スピーカ932を介して出力する。ゲームコントローラ942やメモリカード944からのデータはシリアルインターフェース940を介して入力される。
【0096】
ROM950にはシステムプログラムなどが格納される。業務用ゲームシステムの場合にはROM950が情報記憶媒体として機能し、ROM950に各種プログラムが格納される。なおROM950の代わりにハードディスクを利用してもよい。RAM960は各種プロセッサの作業領域となる。DMAコントローラ970は、プロセッサ、メモリ間でのDMA転送を制御する。コネクタ980は、プログラム、画像データ、或いは音データなどが格納されるメモリカード982にアクセスする。通信インターフェース990はネットワーク(通信回線、高速シリアルバス)を介して外部との間でデータ転送を行う。
【0097】
なお本実施形態の各部(各手段)の処理は、その全てをハードウェアのみにより実現してもよいし、情報記憶媒体に格納されるプログラムや通信インターフェースを介して配信されるプログラムにより実現してもよい。或いは、ハードウェアとプログラムの両方により実現してもよい。
【0098】
そして本実施形態の各部の処理をハードウェアとプログラムの両方により実現する場合には、情報記憶媒体には、ハードウェア(コンピュータ)を本実施形態の各部として機能させるためのプログラムが格納される。より具体的には、上記プログラムが、ハードウェアである各プロセッサ902、904、906、910、930に処理を指示すると共に、必要であればデータを渡す。そして、各プロセッサ902、904、906、910、930は、その指示と渡されたデータとに基づいて本発明の各部の処理を実現する。
【0099】
6.変形例
なお本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0100】
また図7(A)、(B)に示した連続基準期間データCKKD及び連続基準領域データCKRDは、図7(A)、(B)に示した期間及び領域の配置以外の配置とすることができる。例えば図11(A)に示すように、鋭角を形成する線に沿って複数の基準領域データKRDが配列されるようにしてもよい。この場合でも、図中左端に位置する基準領域データKRDに対応する基準期間データKKDを最先の基準期間データKKDとして、左から右に向けて各基準領域データKRDに対して線形成操作を行わせるようにしてもよいし、図中右端に位置する基準領域データKRDに対応する基準期間データKKDを最先の基準期間データKKDとして、右から左に向けて各基準領域データKRDに対して線形成操作を行わせるようにしてもよい。また図11(B)に示すように、円環状の閉曲線に沿って複数の基準領域データKRDが配列されるようにしてもよい。この場合には、いずれの基準領域データKRDに対応する基準期間データKKDを最先の基準期間データKKDとしてもよい。
【0101】
また上記実施形態では、図7(A)、(B)に示すように、特殊基準期間データSKKDを連続基準期間データCKKDとして構成し、特殊基準領域データSKRDを連続基準領域データCKRDとして構成した例を挙げて説明したが、図12(A)、(B)に示すように、特殊基準期間データSKKDを1つの期間の始点と終点とを示す基準期間データKKDにより構成し、特殊基準領域データSKRDを所与の線に沿った形状の1つの領域の座標値群から構成される基準領域データCKRDとして構成してもよい。この場合には、比較判定部118は、特殊基準期間データSKKDと操作期間データとを全体として比較判定するとともに、特殊基準領域データCKRDと操作軌跡データとを全体として比較判定する。なおこの場合でも、特殊基準領域データCKRDと操作軌跡データとの一致度を全体として比較判定し、一致度に応じた比較判定結果を出力するようにしてもよい。
【0102】
また本発明は種々の画像生成システムに適用できる。種々の移動体オブジェクトが移動する画像を生成するシミュレーションシステムにも適用することができる。また本発明は、業務用ゲームシステム、家庭用ゲームシステム、多数のプレーヤが参加する大型アトラクションシステム、シミュレータ、マルチメディア端末、ゲーム画像を生成するシステムボード、携帯電話、視力装置、医療機器等の種々の画像生成システムに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本実施形態のシステムの概略外観の一例を示す図。
【図2】図2(A)〜(C)は、本実施形態の位置指定操作を説明するための図。
【図3】図3(A)〜(C)は、本実施形態の手法を説明するための図。
【図4】図4(A)、(B)は、本実施形態のデータ構造を説明するための図。
【図5】本実施形態の手法を説明するための図。
【図6】図6(A)〜(C)は、本実施形態の線形成操作を説明するための図。
【図7】図7(A)、(B)は、本実施形態のデータ構造を説明するための図。
【図8】本実施形態の機能ブロックの一例を示す図。
【図9】本実施形態の処理の流れの一例を示すフローチャート図。
【図10】本実施形態を実現できるハードウェアの構成の一例を示す図。
【図11】図11(A)、(B)は、本実施形態の変形例を示す図。
【図12】図12(A)、(B)は、本実施形態の変形例を示す図。
【符号の説明】
【0104】
FM 第1のマーク、SM 第2のマーク、KT 基準タイミング、KI 基準位置、DA 表示領域、SP 譜面画像、KK 基準期間、KR 基準領域、KKD 基準期間データ、KRD 基準領域データ、CKK 連続基準期間、SKK 特殊基準期間、CKKD 連続基準期間データ、SKKD 特殊基準期間データ、CKR 連続基準領域、SKR 特殊基準領域、CKRD 連続基準領域データ、SKRD 特殊基準領域データ、11 第1のディスプレイ、12 第2のディスプレイ、30 タッチペン、100 処理部、110 表示制御部、112 基準領域データ設定部、114 楽曲再生部、116 操作データ取得部、118 比較判定部、120 ゲーム演算部、160 操作部、162 音入力装置、170 記憶部、171 主記憶部、177 楽曲データ記憶部、178 基準データ記憶部、180 情報記憶媒体、190 表示部、192 音出力部、194 携帯型情報記憶装置、196 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤに所与の表示領域における位置を指定する位置指定操作を、楽曲に合わせて行わせるゲーム装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記位置指定操作を行うべき前記楽曲に応じた基準タイミングと、前記基準タイミングにおいて前記位置指定操作を行うべき基準位置とをプレーヤに認知させる表示を行う指示表示制御部と、
楽曲データと、前記基準タイミングを含む基準期間を示す基準期間データと、前記基準期間における前記基準位置を含む基準領域を示す基準領域データとを記憶する記憶部と、
前記楽曲データの再生を行う楽曲再生部と、
プレーヤの前記位置指定操作に基づいて、前記位置指定操作を行った操作タイミングを示す操作タイミングデータと、前記操作タイミングにおいて前記位置指定操作を行った操作位置を示す操作位置データとを取得する操作データ取得部と、
前記基準期間データと前記操作タイミングデータとを比較判定するとともに、前記操作タイミングにおける前記基準領域を示す基準領域データと前記操作位置データとを比較判定する比較判定部と、
前記比較判定部の比較判定結果に応じてゲーム演算を行うゲーム演算部としてコンピュータを機能させ、
前記指示表示制御部が、
前記所与の表示領域における線を形成する線形成操作を行うべき前記楽曲に応じた特殊基準期間と、前記特殊基準期間において前記線形成操作を行うべき所与の線に沿った特殊基準領域とをプレーヤに認知させる表示を行い、
前記記憶部が、
前記特殊基準期間を示す特殊基準期間データと、前記特殊基準領域を示す特殊基準領域データとを記憶し、
前記操作データ取得部が、
プレーヤの前記線形成操作に基づいて、前記線形成操作を行った操作期間を示す操作期間データと、前記線形成操作を行った操作軌跡を示す操作軌跡データとを取得し、
前記比較判定部が、
前記特殊基準期間データと前記操作期間データとを比較判定するとともに、前記特殊基準領域データと前記操作軌跡データとを比較判定することを特徴とするプログラム。
【請求項2】
プレーヤに所与の表示領域における位置を指定する位置指定操作を、楽曲に合わせて行わせるゲーム装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記位置指定操作を行うべき前記楽曲に応じた基準タイミングと、前記基準タイミングにおいて前記位置指定操作を行うべき基準位置とをプレーヤに認知させる表示を行う指示表示制御部と、
楽曲データと、前記基準タイミングを含む基準期間を示す基準期間データとを記憶する記憶部と、
前記基準期間における前記基準位置を含む基準領域を示す基準領域データを前記基準期間ごとにランダムな領域に設定する基準領域データ設定部と
前記楽曲データの再生を行う楽曲再生部と、
プレーヤの前記位置指定操作に基づいて、前記位置指定操作を行った操作タイミングを示す操作タイミングデータと、前記操作タイミングにおいて前記位置指定操作を行った操作位置を示す操作位置データとを取得する操作データ取得部と、
前記基準期間データと前記操作タイミングデータとを比較判定するとともに、前記操作タイミングにおける前記基準領域を示す基準領域データと前記操作位置データとを比較判定する比較判定部と、
前記比較判定部の比較判定結果に応じてゲーム演算を行うゲーム演算部としてコンピュータを機能させ、
前記指示表示制御部が、
前記所与の表示領域における線を形成する線形成操作を行うべき前記楽曲に応じた特殊基準期間と、前記特殊基準期間において前記線形成操作を行うべき所与の線に沿った特殊基準領域とをプレーヤに認知させる表示を行い、
前記記憶部が、
前記特殊基準期間を示す特殊基準期間データと、前記特殊基準領域を示す特殊基準領域データとを記憶し、
前記操作データ取得部が、
プレーヤの前記線形成操作に基づいて、前記線形成操作を行った操作期間を示す操作期間データと、前記線形成操作を行った操作軌跡を示す操作軌跡データとを取得し、
前記比較判定部が、
前記特殊基準期間データと前記操作期間データとを比較判定するとともに、前記特殊基準領域データと前記操作軌跡データとを比較判定することを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項1、2のいずれかにおいて、
前記比較判定部が、
前記基準期間データに前記操作タイミングデータが含まれており、かつ前記操作タイミングにおける前記基準領域データに前記操作位置データが含まれている場合に、前記位置指定操作を有効な操作と判定することを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記記憶部が、
前記特殊基準期間データとして、前記基準期間が連続又は一部重複する複数の基準期間を示す複数の基準期間データから構成された連続基準期間データと、
前記特殊基準領域データとして、前記複数の基準期間の各基準期間において前記線形成操作を行うべき基準領域であって、各基準領域が隣接又は一部重複する複数の基準領域を示す複数の基準領域データから構成された連続基準領域データと、
を記憶し、
前記比較判定部が、
前記連続基準期間データを構成する前記基準期間データごとに前記基準期間データと前記操作期間データとを比較判定するとともに、前記連続基準領域データを構成する前記基準領域データごとに前記基準領域データと前記操作軌跡データとを比較判定することを特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項4において、
前記表示制御部が、
前記複数の基準領域の各基準領域に前記線形成操作を行うべき複数の基準期間の各基準期間と、前記複数の前記基準領域の各基準領域とをプレーヤに認知させる表示を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項4、5のいずれかにおいて、
前記記憶部が、
前記基準期間データとして、第1の基準期間データと第2の基準期間データとを記憶し、
前記比較判定部が、
前記第1の基準期間データについては、前記第1の基準期間データが示す第1の基準期間よりも先のタイミングから連続して前記線形成操作が行われている場合には、前記第1の基準期間データに前記操作期間データが含まれていても前記線形成操作を無効な操作と判定し、
前記第2の基準期間データについては、前記第2の基準期間データが示す第2の基準期間よりも先のタイミングから連続して前記線形成操作が行われている場合であっても、前記第2の基準期間データに前記操作期間データが含まれていれば前記線形成操作を有効な操作と判定することを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項6において、
前記連続基準期間データは、
前記複数の基準期間のうち最先の基準期間を示す前記第1の基準期間データと、前記最先の基準期間と連続又は一部重複する基準期間を示す少なくとも1つの第2の基準期間データとから構成されることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかにおいて、
前記表示制御部が、
前記表示領域において第1の方向に移動する第1のマークと、前記第1の方向と交差する第2の方向に移動する第2のマークとが、前記基準期間において前記基準領域で重なるように、前記第1のマークと前記第2のマークとを移動させる表示を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれかにおいて、
前記表示制御部が、
前記基準期間において前記基準領域に所与のマークを出現させる表示を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかにおいて、
前記表示制御部が、
前記位置指定操作及び前記線形成操作を受付ける操作領域を前記所与の表示領域とするタッチパネルディスプレイに、前記基準タイミングと前記基準タイミングにおける基準位置、及び前記特殊基準期間と前記特殊基準期間における前記特殊基準領域をプレーヤに認知させる表示を行い、
前記操作データ取得部が、
前記タッチパネルディスプレイで受付けた前記位置指定操作に基づいて、前記操作タイミングデータと前記操作タイミングにおける前記操作位置データとを取得し、前記タッチパネルディスプレイで受付けた前記線形成操作に基づいて、前記操作期間データと前記操作期間における前記操作軌跡データとを取得することを特徴とするプログラム。
【請求項11】
コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、請求項1〜10のいずれかのプログラムを記憶したことを特徴とする情報記憶媒体。
【請求項12】
プレーヤに所与の表示領域における位置を指定する位置指定操作を、楽曲に合わせて行わせるゲーム装置であって、
前記位置指定操作を行うべき前記楽曲に応じた基準タイミングと、前記基準タイミングにおいて前記位置指定操作を行うべき基準位置とをプレーヤに認知させる表示を行う指示表示制御部と、
楽曲データと、前記基準タイミングを含む基準期間を示す基準期間データと、前記基準期間における前記基準位置を含む基準領域を示す基準領域データとを記憶する記憶部と、
前記楽曲データの再生を行う楽曲再生部と、
プレーヤの前記位置指定操作に基づいて、前記位置指定操作を行った操作タイミングを示す操作タイミングデータと、前記操作タイミングにおいて前記位置指定操作を行った操作位置を示す操作位置データとを取得する操作データ取得部と、
前記基準期間データと前記操作タイミングデータとを比較判定するとともに、前記操作タイミングにおける前記基準領域を示す基準領域データと前記操作位置データとを比較判定する比較判定部と、
前記比較判定部の比較判定結果に応じてゲーム演算を行うゲーム演算部とを含み、
前記指示表示制御部が、
前記所与の表示領域における線を形成する線形成操作を行うべき前記楽曲に応じた特殊基準期間と、前記特殊基準期間において前記線形成操作を行うべき所与の線に沿った特殊基準領域とをプレーヤに認知させる表示を行い、
前記記憶部が、
前記特殊基準期間を示す特殊基準期間データと、前記特殊基準領域を示す特殊基準領域データとを記憶し、
前記操作データ取得部が、
プレーヤの前記線形成操作に基づいて、前記線形成操作を行った操作期間を示す操作期間データと、前記線形成操作を行った操作軌跡を示す操作軌跡データとを取得し、
前記比較判定部が、
前記特殊基準期間データと前記操作期間データとを比較判定するとともに、前記特殊基準領域データと前記操作軌跡データとを比較判定することを特徴とするゲーム装置。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図1】
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【公開番号】特開2008−200295(P2008−200295A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−40058(P2007−40058)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】