説明

ゲーム装置及び画像合成方法

【課題】 1人プレイであってもゲームを十分に楽しむことができるゲーム装置、画像合成方法を提供すること。
【解決手段】 ゲーム装置は、通信回線を介して、ホストシステム或いは他のゲーム装置との間でデータ転送を行う通信制御部と、プレーヤがゲームをプレイするためのゲーム画面を生成するゲーム画面生成部と、、プレーヤのプレイの履歴情報を1のゲームプレイにおいて記録する記録部とを含む。通信制御部が、通信回線を介して転送されてきた他のプレーヤのプレイの履歴情報を受信し、ゲーム画面生成部が、受信した他のプレーヤのプレイの履歴情報に基づいて、該履歴情報に従ってプレイする疑似プレーヤがプレーヤと共にゲームに参加してプレイするゲーム画面を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置及び画像合成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム装置においては、他のプレーヤとの対戦を行ったり、他のプレーヤと共同で共通の敵を倒す共同戦を行うことでゲームを楽しむ。この場合には、1のゲーム装置に例えば第1、第2のゲームコントローラを接続し、第1、第2のプレーヤが、各々、第1、第2のゲームコントローラを操作し、対戦或いは共同戦のゲームを行うことになる。
【0003】
一方、ゲーム装置は、プレーヤが1人の場合(1人プレイ)でも楽しめるようにする必要があり、この場合には、コンピュータプレーヤと対戦を行ったり、コンピュータプレーヤと共同で敵を倒すことでゲームを楽しむことになる。
【0004】
しかしながら、コンピュータプレーヤは、ゲームプログラム等にしたがい予め定められた動作しかできない場合が多く、対戦相手としては相手不足であり、共同戦のパートナーとしては役不足であった。このためこれまでのゲーム装置には、多人数プレイではゲームを楽しめるが、1人プレイではゲームを楽しむのが難しいという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、たとえ1人プレイであっても十分にゲームを楽しむことができるゲーム装置及び画像合成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、プレーヤがプレイするためのゲーム画面を生成するゲーム装置であって、通信回線を介して、ホストシステム或いは他のゲーム装置との間でデータ転送を行う通信制御手段と、プレーヤがゲームをプレイするためのゲーム画面を生成するゲーム画面生成手段と、プレーヤのプレイの履歴情報を1のゲームプレイにおいて記録する記録手段とを含み、前記通信制御手段が、前記通信回線を介して転送されてきた他のプレーヤのプレイの履歴情報を受信し、前記ゲーム画面生成手段が、受信した他のプレーヤのプレイの履歴情報に基づいて、該履歴情報に従ってプレイする疑似プレーヤがプレーヤと共にゲームに参加してプレイするゲーム画面を生成するゲーム装置に関係する。
【0007】
また本発明は、通信制御手段と、ゲーム画面生成手段、記録手段とを含むゲーム装置における画像合成方法であって、前記通信制御手段が、通信回線を介して、ホストシステム或いは他のゲーム装置との間でデータ転送を行い、前記ゲーム画面生成手段が、プレーヤがゲームをプレイするためのゲーム画面を生成し、前記記録手段が、プレーヤのプレイの履歴情報を1のゲームプレイにおいて記録すると共に、前記通信制御手段が、前記通信回線を介して転送されてきた他のプレーヤのプレイの履歴情報を受信し、前記ゲーム画面生成手段が、受信した他のプレーヤのプレイの履歴情報に基づいて、該履歴情報に従ってプレイする疑似プレーヤがプレーヤと共にゲームに参加してプレイするゲーム画面を生成する画像合成方法に関係する。
【0008】
また本発明では、前記履歴情報が、プレーヤがどのようなタイミングでどのようにゲームコントローラを操作したかに関する情報であってもよい。
【0009】
また本発明では、前記ゲーム画面生成手段が、前記疑似プレーヤがプレーヤと共同で敵に攻撃を加えるゲーム画面を生成するようにしてもよい。
【0010】
また本発明では、前記ゲーム画面生成手段が、前記疑似プレーヤがプレーヤの競争相手としてゲームに参加するゲーム画面を生成するようにしてもよい。
【0011】
また本実施形態は、プレーヤがプレイするためのゲーム画面を生成する画像合成方法であってプレーヤのプレイに関する履歴情報を1のゲームプレイにおいて記録し、該1のゲームプレイとは異なる他のゲームプレイにおいて該履歴情報を再生し、プレーヤのゲーム結果に影響を与えるプレイを前記再生された履歴情報に基づいて行う疑似プレーヤを、プレーヤと共に該他のゲームプレイに参加させるゲーム画面を生成することを特徴とする。
【0012】
本実施形態によれば、プレイの履歴情報にしたがって動作する疑似プレーヤが参加するゲームプレイを楽しむことができる。疑似プレーヤは、ゲームプログラム等により予め定められた動作ではなく、プレーヤのテクニック、癖等が反映されたリアルな動作を行う。更に本実施形態では、疑似プレーヤの行ったプレイが、プレーヤのゲーム結果に影響を与える。従って本実施形態によれば、プレーヤは、たとえ1人プレイであっても、あたかも他のプレーヤと対戦しているような感覚、あるいは他のプレーヤをパートナーとする共同戦を行っているような感覚を味合うことができ、ゲームの面白味を倍増できる。
【0013】
また本実施形態は、プレーヤがプレイするためのゲーム画面を生成する画像合成方法であって、プレーヤのプレイに関する履歴情報を1のゲームプレイにおいて記録し、該1のゲームプレイとは異なる他のゲームプレイにおいて該履歴情報を再生し、プレーヤのプレイを補助するプレイを前記再生された履歴情報に基づいて行う疑似プレーヤを、プレーヤと共に該他のゲームプレイに参加させるゲーム画面を生成することを特徴とする。
【0014】
本実施形態によれば、プレーヤの履歴情報にしたがって動作する疑似プレーヤを、補助のプレーヤとしてゲームプレイに参加させることができるため、プレーヤは、ゲームをより有利に進めることができる。特に、疑似プレーヤは、プレーヤのテクニック、癖等が反映された動作をするため、予め定められた動作しかしない補助コンピュータプレーヤと異なり、プレーヤをイライラさせることが少なく、プレーヤのゲームへの没頭度を高めることができる。
【0015】
また本実施形態は、プレーヤが攻撃物を用いて所与の標的をシューティングするゲーム画面を生成する画像合成方法であって、シューティングの位置及び方向の少なくとも一方とシューティングタイミングとを特定するための履歴情報を1のゲームプレイにおいて記録し、該1のゲームプレイとは異なる他のゲームプレイにおいて該履歴情報を再生し、該再生された履歴情報に基づいて標的に対するシューティングを行う疑似プレーヤを、プレーヤと共に該他のゲームプレイに参加させるゲーム画面を生成することを特徴とする。
【0016】
本実施形態によれば、履歴情報に含まれるシューティングの位置、方向、タイミングを特定する情報に基づいてシューティングを行う疑似プレーヤを、ゲームプレイに参加させることができる。これにより、プレーヤは、この疑似プレーヤとのシューティングゲームを楽しむことが可能となる。なおシューティングの位置、方向を特定する情報は、シューティングを行う移動体の位置、方向を特定するものであってもよいし、照準の位置、方向を特定するもの等であってもよい。更に、位置、方向のいずれか一方のみを特定してもよい。
【0017】
また本実施形態は、複数のプレーヤのシューティングエリアが予め決められている場合において、前記履歴情報と共に、プレーヤのシューティングエリアを特定するための情報を記録することを特徴とする。このようにすれば、例えば第1のシューティングエリア(プレーヤの操作する移動体の動くエリア等)でのプレイを記憶した履歴情報を再生する際には、疑似プレーヤを第1のシューティングエリアでプレイさせることが可能となる。
【0018】
また本実施形態は、記録された前記履歴情報を、情報記憶媒体又は通信回線を介して他のプレーヤのゲーム装置に転送することを特徴とする。このようにすることで、自分のプレイの履歴情報に基づいてプレイする疑似プレーヤのみならず、他のプレーヤのプレイの履歴情報に基づいてプレイする疑似プレーヤをゲームに参加させることが可能となる。
【0019】
また本実施形態は、前記履歴情報の内容を更新し、前記疑似プレーヤに前記1のゲームプレイでのプレイとは異なる内容のプレイを行わせることを特徴とする。このようにすることで、疑似プレーヤのプレイのバラエティを増すことができると共に、ゲームの難易度の制御等も可能となる。
【0020】
また本実施形態は、前記1のゲームプレイの途中の時点までの履歴情報を記録できることを特徴とする。このようにすれば、1のゲームプレイを終了しなくても、履歴情報を記録することが可能となる。これにより1のゲームプレイのステージ難易度が高いものであったとしても、途中時点までの履歴情報により動作する疑似プレーヤをパートナーとすることで、難易度の高いステージをクリアすることが可能となる。
【0021】
また本実施形態は、プレーヤがプレイするためのゲーム画面を生成する画像合成方法であって、プレーヤのプレイを補助する補助コンピュータプレーヤと共同でプレイを行うゲーム画面を生成し、プレーヤのゲーム結果と該補助コンピュータプレーヤのゲーム結果とを比較し、プレーヤのゲーム結果の方が優っていた場合には、該補助コンピュータプレーヤとは異なる動作をする補助コンピュータプレーヤを選択できる補助コンピュータプレーヤ選択画面を生成することを特徴とする。
【0022】
本実施形態によれば、補助コンピュータプレーヤよりもゲーム結果が優っていた場合には、プレーヤは、例えば更にテクニックの優れた補助コンピュータプレーヤとパートナーとすることができ、ゲームを有利に進めることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0024】
図1(A)、(B)は、本実施例により表示されるゲーム画面の一例である。図1(A)では、プレーヤはゲームコントローラを操作して戦闘機(移動体)10を左右に動かすと共に所与の弾(攻撃物)18によりシューティングを行う。これにより、敵22〜26からの攻撃を避けると共に敵に対して攻撃を加え、獲得ポイントを争うことになる。
【0025】
本実施例では、このような1のゲームプレイの際に、プレーヤのプレイに関する履歴情報、即ちプレーヤがどのようなタイミングでどのようにゲームコントローラを操作したか等に関する情報を記録できるようになっている。履歴情報を記録する場合には、ゲームの開始前に、例えば図2(A)に示すような選択画面により、履歴情報を記録するという選択を行う。そしてゲームをスタートして、通常の場合のようにゲームをプレイする。そして例えばゲーム終了後に図2(B)に示すような選択画面により、履歴情報をセーブするという選択を行う。この時、必要であれば履歴情報にファイル名をつけてセーブする。他のゲームプレイの際に履歴情報を再生する場合には、例えば図2(C)に示すような選択画面により再生する履歴情報を選択する。すると、図1(B)に示すように、再生された履歴情報にしたがって疑似プレーヤ(プレーヤのプレイを疑似的に行うコンピュータプレーヤ)が戦闘機12を操作し、敵22〜26に対するシューティングを行うことになる。この際、プレーヤもこのゲームプレイに参加することができ、プレーヤは戦闘機14により敵22〜26に対するシューティングを行うことになる。
【0026】
このように本実施例によれば、1のゲームプレイで記録した履歴情報に基づいてプレイする疑似プレーヤを、他のゲームプレイに参加させることができる。そして、この際、本実施例では、疑似プレーヤはプレーヤのゲーム結果に影響を与えるプレイを行う。例えば本実施例では、疑似プレーヤを、プレーヤと共同で敵に攻撃を加える補助コンピュータプレーヤとしてゲームに参加させることができる。このようにすると、例えば疑似プレーヤの戦闘機12が多くの敵を撃破すると、プレーヤの戦闘機14がそれらの敵に撃破される可能性がなくなり、プレーヤは、よりゲームを行い易くなる。これによりゲームステージをクリアできる可能性が高まる。即ち、疑似プレーヤのプレイによりプレーヤのゲーム結果が影響を受けることになる。一方、疑似プレーヤをプレーヤの競争相手としてゲームプレイに参加させた場合には、疑似プレーヤの戦闘機12が多くの敵を撃破することにより、プレーヤがそれらの敵を撃破できる可能性がなくなる。これによりプレーヤの敵撃破ポイントが減少し、この場合にも疑似プレーヤのプレイがプレーヤのゲーム結果に影響を及ぼすことになる。
【0027】
このように本実施例では、プレーヤのゲーム結果に影響を及ぼす疑似プレーヤを参加させているため、プレーヤが1人でゲームを行っている場合でも、あたかも他のプレーヤとゲームを行っているような感覚をプレーヤに与えることが可能となる。これにより、たとえ1人プレイであっても、ゲームの面白味を倍増させることができる。
【0028】
次に、本実施例を実現することができるゲーム装置の構成の一例について図3を用いて説明する。本体装置100には、プレーヤの操作を入力するためのゲームコントローラ120、122(操作手段)、プレーヤに関する情報等が記憶される第1の情報記憶媒体128(ICカード130、132)、ゲームプログラム等が記憶される第2の情報記憶媒体140が着脱自在となっている。本体装置100により生成された画像及び音声は、表示装置116、音声出力装置118に出力され、これによりプレーヤはゲームを楽しむことができる。
【0029】
本体装置100は、CPU102、画像合成部104、音声合成部106、RAM108、通信制御部110、インターフェース112、コントローラ114、115を含む。ここでCPU102は、ゲームコントローラ120、122からインターフェース112を介して入力される情報、第1の情報記憶媒体128からコントローラ114を介してロードされる情報、第2の情報記憶媒体140からコントローラ115を介してロードされるゲームプログラム等に基づいて、ゲーム演算等の各種の演算処理を行うものである。また画像合成部104、音声合成部106は、CPU102により行われたゲーム演算等の結果に基づき、ゲーム画面、ゲーム音声を合成し、これらを出力するものである。またRAM108は、CPU102等の作業用メモリとなるものである。更に通信制御部110はモデム等の機能を有し、通信回線を介して、ホストシステム或いは他のゲーム装置等との間でデータ転送を行うためのものである。
【0030】
図1(A)、(B)〜図2(A)〜(C)等に示す画面の表示処理は、ゲームコントローラ120、122からの情報、第2の情報記憶媒体140からのゲームプログラム等により動作するCPU102、画像合成部104等により実行されることになる。
【0031】
なお第1の情報記憶媒体128としては、ICカード以外にも、書き込み可能な情報記憶媒体、例えば光磁気ディスク、ハードディスク、磁気ディスク等の種々のものを用いることができる。また第2の情報記憶媒体140としては、CDROM、ゲームカセット等の種々のものを用いることができる。また第1の情報記憶媒体128がゲームプログラム等を格納できる容量を有している場合には、第2の情報記憶媒体140は必要ない。
【0032】
さて履歴情報の記録を行う場合、本実施例では、ゲームスタート時から所与の時までのプレーヤの操作情報等が履歴情報としてRAM108上にスタックされる。そして、図2(B)に示すような画面で履歴情報のセーブを指示すると、スタックされた履歴情報が第1の情報記憶媒体128に記憶されることになる。そして履歴情報を再生する際には、第1の情報記憶媒体128に記憶された履歴情報を再度RAM108上にロードすることになる。
【0033】
図4に、履歴情報のフォーマットの一例を示す。この履歴情報はヘッダ情報、シューティング位置・方向情報、シューティングタイミング情報を含み、ヘッダ情報はシューティングエリア情報等を含む。ここでシューティングエリア情報は、図1(A)、(B)におけるシューティングエリア1、2を特定するための情報である。例えば図1(A)、(B)では、プレーヤがシューティングを行うエリアが予め定められている。このような場合に、シューティングエリア1でシューティングするプレーヤの履歴情報を記録し、記録時と同様にして敵を撃破させるためには、再生時においてもシューティングエリア1でシューティングを行わせる必要がある。このため、本実施例では、記録時においてどのシューティングエリアでプレイしたのかを認識するための情報を履歴情報に含ませている。
【0034】
シューティング位置・方向情報は、シューティングの位置、方向を特定するための情報である。本実施例では、図1(A)に示すように戦闘機のシューティング方向は一定となっているため、戦闘機の位置座標がシューティング位置・方向情報となっている。そして本実施例では1フレーム=1/15秒となっており、1フレーム毎の戦闘機の位置座標が記録される。具体的には図4のC、Dの位置にはフレーム1、2での戦闘機の位置座標が記録される。なお例えば画面上に照準を表示し、この照準を動かすことでシューティングを行う場合には、この照準の位置座標がシューティング位置・方向情報として記録されることになる。
【0035】
シューティングタイミング情報は、シューティングのタイミングを特定するための情報である。本実施例では、各フレーム毎にシューティングしたか否かを記録している。具体的には、フレーム1〜4ではシューティングを行い、フレーム5〜8ではシューティングを行わなかった場合には、図4のEの位置には(11110000)というデータが記録されることになる(シューティングを行った場合に1を記録し、行わなかった場合に0を記録する)。
【0036】
なおシューティング位置・方向情報、シューティングタイミング情報の最後には、履歴情報がこれ以上存在しないことを示す終了フラグが記録されている。
【0037】
さて本実施例では、記録された履歴情報を、情報記憶媒体又は通信回線を介して他のプレーヤのゲーム装置に転送できるようになっている。例えば図5に示すように、第1のプレーヤのゲーム装置の本体装置100にICカード130を装着して履歴情報を記憶した場合、このICカード130を第2のプレーヤのゲーム装置の本体装置101に装着すれば、第1のプレーヤのプレイを再現する疑似プレーヤを第2のプレーヤのゲーム装置上でプレイさせることができる。履歴情報を、通信制御部110、通信回線150を介して第2のプレーヤのゲーム装置に転送しても同様である。このようにすることで、本実施例によれば、自分のプレイの履歴情報に基づいて動作する疑似プレーヤのみならず、他のプレーヤの履歴情報に基づいて動作する疑似プレーヤとの対戦あるいは共同戦を楽しむことがことが可能となる。これにより1人プレイでの遊び方のバラエティを広げることができ、ゲームの面白味を倍増できる。
【0038】
また本実施例では、記録した履歴情報をそのまま再生せず、履歴情報の内容を更新して、疑似プレーヤに、記録時のゲームプレイとは異なる内容のプレイを行わせることも可能である。履歴情報の更新としては種々のものが考えられる。例えば図6(A)、(B)に示すように、記録時には1連射であった弾を、再生時には3連射とすることもできる。このようにすることで、この疑似プレーヤを共同戦のパートナーとした場合には、プレーヤの戦いを有利な方向に導くことが可能となる。またこの疑似プレーヤを対戦相手とした場合には、ゲームの難易度をより高めることが可能となる。また図6(C)に示すように、記録時にはなかったバリア30を再生時に生じさせるようにしてもよい。このようにすることによっても、プレーヤを有利に導いたり、ゲームの難易度を変更したりすることが可能となる。
【0039】
また本実施例には、ゲームプレイの途中の時点までの履歴情報を記録できるという特徴もある。例えば図2(A)の画面で履歴情報の記録を開始し、ゲームプレイの途中でポーズをかけ、図2(B)の画面で履歴情報をセーブすれば、ゲーム開始からポーズをかけた時点までの履歴情報が記録される。この場合には、ポーズの時点までのゲームプレイ、即ち図4の終了フラグが検出される時点までのゲームプレイが再生されることになる。また履歴情報を記録している際に、記録しているプレーヤの戦闘機が破壊され消滅してしまった場合においても、消滅時点までの履歴情報が記録される。ゲームプレイ(ゲームステージ)の最後まで達しない限り履歴情報を記録できないようにすると、難易度の高いゲームステージにおいては履歴情報を記録するのが難しくなるという問題が生じる。本実施例によれば、ゲームプレイの途中の時点までの履歴情報を記録できるため、このような問題が生じない。パートナーとなる疑似プレーヤがゲームプレイの途中までしかプレーヤを補助してくれなくても、少なくともその途中の時点まではプレーヤはゲームを有利に進めることができ、難易度の高いゲームステージをクリアすることも容易となる。
【0040】
なお本実施例では、1人プレイでのゲームの面白味を高めるために次のような工夫も行っている。即ち、まずプレーヤは、パートナーとなって敵と戦う補助コンピュータプレーヤを選んでプレイすることができる。そして、1つのゲームプレイが終わって、そのゲームプレイにおいてプレーヤの方が補助コンピュータプレーヤよりも高得点を獲得した場合に、プレーヤは、より強い新たな補助コンピュータプレーヤを選択できるようになる。図7(A)に、この場合の処理を表すフローチャートを示す。まず補助コンピュータプレーヤと共同でプレイを行う(ステップS1)。この場合の補助コンピュータプレーヤの選択は、図7(B)に示すような選択画面により行う。図7(B)の選択画面には、2人の補助コンピュータプレーヤのみが映し出されている。次に、プレーヤと補助コンピュータプレーヤのゲーム結果を比較し(ステップS2)、プレーヤが優っている場合には、新たな補助コンピュータプレーヤを選択画面上に発生させる(ステップS3、S4、S5)。即ち、図7(C)に示すように、補助コンピュータプレーヤ40、42より強い新たな補助コンピュータプレーヤ44を発生させる。プレーヤは、より強くなったこの補助コンピュータプレーヤ44とパートナーを組むことで、その後のプレイを有利に運ぶことができ、より面白いゲームを実現できる。なお新たな補助コンピュータプレーヤを発生させた場合、旧い補助コンピュータプレーヤは選択できないようにしてもよいし、選択できるようにしてもよい。また新たな補助コンピュータプレーヤは、旧い補助コンピュータプレーヤの性質等をある程度受け継ぐようにしてもよいし、全く新種の補助コンピュータプレーヤを発生するようにしてもよい。
【0041】
なお、本発明は、上記実施例で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。
【0042】
例えば本発明は、上記実施例で説明したもの以外の種々のゲームに適用できる。例えば画面上に現れる標的の射撃を競い合う或いは共同で行う射撃ゲームにも適用できる。あるいは第1のプレーヤが車を運転しその車上で第2のプレーヤが射撃を行うゲームにおいて、第1、第2プレーヤのどちらか一方を疑似プレーヤとすることもできる。あるいはゴルフゲームにおいて、前回の自分のプレイの履歴情報にしたがってゴルフを行う疑似プレーヤとマッチプレイを行うようにしてもよい。またアイテム拾いゲーム、あるいは陸上競技ゲーム、スキーゲーム等のスポーツゲームにも本発明は適用できる。
【0043】
また本実施例では、履歴情報の再生時に、1人の疑似プレーヤと1人のプレーヤをゲーム参加させる場合について説明した。しかしながら、本発明には、複数人の疑似プレーヤ或いは複数人のプレーヤを参加させる場合も含まれる。
【0044】
また履歴情報の形態も本実施例で説明したものに限られるものではなく、ゲーム装置の構成も図3に示すもの以外の種々のものを採用できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1(A)、(B)は、本実施例により表示されるゲーム画面の一例を示す図である。
【図2】図2(A)、(B)、(C)は、履歴情報の記録、セーブ、再生のための選択画面の一例を示す図である。
【図3】本実施例のゲーム装置の構成の一例を示す図である。
【図4】履歴情報のフォーマットの一例を示す図である。
【図5】情報記憶媒体又は通信回線を介した履歴情報の転送について説明するための図である。
【図6】図6(A)、(B)、(C)は、履歴情報の更新について説明するための図である。
【図7】図7(A)、(B)は、新たな補助コンピュータプレーヤの出現について説明するための図である。
【符号の説明】
【0046】
10、12、14 戦闘機(移動体)
18 弾(攻撃物)
22、23、24、25、26 敵
120、122 ゲームコントローラ
100 本体装置
102 CPU
104 画像合成部
106 音声合成部
108 RAM
110 通信制御部
112 インターフェース
114、115 コントローラ
116 表示装置
118 音声出力装置
128 第1の情報記憶媒体
130、132 第1、第2のICカード
140 第2の情報記憶媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤがプレイするためのゲーム画面を生成するゲーム装置であって、
通信回線を介して、ホストシステム或いは他のゲーム装置との間でデータ転送を行う通信制御手段と、
プレーヤがゲームをプレイするためのゲーム画面を生成するゲーム画面生成手段と、
プレーヤのプレイの履歴情報を1のゲームプレイにおいて記録する記録手段とを含み、
前記通信制御手段が、
前記通信回線を介して転送されてきた他のプレーヤのプレイの履歴情報を受信し、
前記ゲーム画面生成手段が、
受信した他のプレーヤのプレイの履歴情報に基づいて、該履歴情報に従ってプレイする疑似プレーヤがプレーヤと共にゲームに参加してプレイするゲーム画面を生成することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記履歴情報が、プレーヤがどのようなタイミングでどのようにゲームコントローラを操作したかに関する情報であることを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記ゲーム画面生成手段が、
前記疑似プレーヤがプレーヤと共同で敵に攻撃を加えるゲーム画面を生成することを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1又は2において、
前記ゲーム画面生成手段が、
前記疑似プレーヤがプレーヤの競争相手としてゲームに参加するゲーム画面を生成することを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
通信制御手段と、ゲーム画面生成手段、記録手段とを含むゲーム装置における画像合成方法であって、
前記通信制御手段が、通信回線を介して、ホストシステム或いは他のゲーム装置との間でデータ転送を行い、
前記ゲーム画面生成手段が、プレーヤがゲームをプレイするためのゲーム画面を生成し、
前記記録手段が、プレーヤのプレイの履歴情報を1のゲームプレイにおいて記録すると共に、
前記通信制御手段が、前記通信回線を介して転送されてきた他のプレーヤのプレイの履歴情報を受信し、
前記ゲーム画面生成手段が、受信した他のプレーヤのプレイの履歴情報に基づいて、該履歴情報に従ってプレイする疑似プレーヤがプレーヤと共にゲームに参加してプレイするゲーム画面を生成することを特徴とする画像合成方法。
【請求項6】
請求項5において、
前記履歴情報が、プレーヤがどのようなタイミングでどのようにゲームコントローラを操作したかに関する情報であることを特徴とする画像合成方法。
【請求項7】
請求項5又は6において、
前記ゲーム画面生成手段が、
前記疑似プレーヤがプレーヤと共同で敵に攻撃を加えるゲーム画面を生成することを特徴とする画像合成方法。
【請求項8】
請求項5又は6において、
前記ゲーム画面生成手段が、
前記疑似プレーヤがプレーヤの競争相手としてゲームに参加するゲーム画面を生成することを特徴とする画像合成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−223879(P2006−223879A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−81670(P2006−81670)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【分割の表示】特願2004−146956(P2004−146956)の分割
【原出願日】平成8年2月29日(1996.2.29)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】