説明

コネクタ識別システム、このシステムで用いられる制御装置及びコネクタ識別プログラム

【課題】架空用光コネクタを容易に識別することが可能なコネクタ識別システム、このシステムで用いられる制御装置及びコネクタ識別プログラムを提供する。
【解決手段】RFIDタグ10は、コネクタ100を特定可能な固有シリアル番号を予め記憶する。そして、RFIDタグ10は、RFIDリーダ/ライタ30により搬送されたシリアル番号が固有シリアル番号と一致する場合、発光素子11を発行させる。また、PC60は、RFIDタグ10の撮像映像を、発光素子の発行位置にシリアル番号、コネクタの設備情報及びお客様情報を付してCRT50に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバを用いた通信サービス提供時に、光ファイバ同士を接続するコネクタを識別するコネクタ識別システム、このシステムで用いられる制御装置及びコネクタ識別プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
光サービスを契約者に提供するため、作業者は、架空接続部(架空用光クロージャ)の光スプリッタ側の光ファイバと、契約者宅とつながっているドロップファイバとを架空用光コネクタで接続するための接続作業を行う(例えば、非特許文献1参照)。
架空用光クロージャ内において、光スプリッタの下部には、複数個の架空用光コネクタが取り付けられている。作業指示書には、ドロップファイバが接続されるべき架空用光コネクタのコネクタ番号が記載されている。作業者は、作業指示書のコネクタ番号を参照し、該当する架空用光コネクタに対してドロップファイバを接続する。
【0003】
また、サービス変更時及びサービス廃止時には、架空用光コネクタとドロップファイバとの接続を外す必要がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「光サービスの経済化・即応化に貢献するR&D」、NTT技術ジャーナル2006年12月号、p.53−57
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、架空用光クロージャ内には複数の光スプリッタが収容されていることもあり、開通時に光スプリッタ側のどの架空用光コネクタにドロップファイバを取り付けるか判別が困難なことがある。
加えて、サービス変更時及びサービス廃止時に光スプリッタ側のどの架空用光コネクタを外すべきか判別が困難なこともある。
【0006】
これらの対策として、個々の架空用光コネクタに対して荷札を取り付けて、番号で管理を行うこともあるが、複数の架空用光コネクタの中から対象となるコネクタを探し出すため、非常に手間がかかる。
また、誤って異なる架空用光コネクタを外してしまい、サービスに対して影響を与えてしまうこともある。
【0007】
この発明は上記事情によりなされたもので、その目的は、架空用光コネクタを容易に識別することが可能なコネクタ識別システム、このシステムで用いられる制御装置及びコネクタ識別プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係るコネクタ識別システムは、コネクタに取り付けられ、前記コネクタを特定可能な固有情報を予め記録するRFIDタグと、前記固有情報を予め記録する記録装置と、前記RFIDタグに対して電波を照射するRFIDリーダ/ライタと、外部から入力された入力情報により指定された指定固有情報を前記記録装置から読み出し、前記RFIDリーダ/ライタに前記電波により前記指定固有情報を搬送させる制御装置とを具備し、前記RFIDタグは、発光素子を備え、前記RFIDリーダ/ライタからの電波を受信した場合、前記指定固有情報と、自身の固有情報とを比較し、一致した場合、前記発光素子を発光させることを特徴とする。
【0009】
上記構成のコネクタ識別子システムでは、RFIDリーダ/ライタから送信される固有情報と、RFIDタグの固有情報とが一致する場合、RFIDタグの発光素子が発光する。これにより、作業者は、複数のコネクタから作業対象のコネクタを極めて容易に見つけることが可能となる。
【0010】
また、前記RFIDタグは、前記コネクタのコネクタ種別に応じて予め設定される、前記発光素子の発光規則を予め記録し、前記指定固有情報と、自身の固有情報とが一致した場合、前記発光素子を前記発光規則に従って発光させることを特徴とする。
これにより、コネクタ識別システムは、コネクタ種別が異なるコネクタに取り付けられたRFIDタグの発光素子をそれぞれ発光させることが可能となる。
【0011】
また、前記RFIDタグは、点灯及び点滅を含む発光パターンを前記発光規則として予め記録することを特徴とする。
これにより、コネクタ識別システムは、RFIDタグに設置される発光素子が一つである場合において、コネクタ種別を識別して発光素子を発光させることが可能となる。
【0012】
また、前記RFIDタグは、複数の発光素子を備え、前記複数の発光素子における発光数を前記発光規則として予め記録することを特徴とする。
これにより、コネクタ識別システムは、RFIDタグに設置される発光素子が複数である場合においても、コネクタ種別を識別して発光素子を発光させることが可能となる。
【0013】
また、前記RFIDタグは、複数の発光素子を備え、前記複数の発光素子による十字型及びX字型を含む発光形状を前記発光規則として予め記録することを特徴とする。
これにより、コネクタ識別システムは、RFIDタグに設置される発光素子が複数である場合においても、コネクタ種別を識別して発光素子を発光させることが可能となる。
【0014】
また、コネクタ識別システムは、前記RFIDタグを撮像し、映像データを前記制御装置へ出力する撮像装置と、前記映像データが前記制御装置により加工された加工映像データを表示する表示装置とをさらに備え、前記記録装置は、前記コネクタに関する設定情報を、前記固有情報と対応付けて予め記録し、前記制御装置は、前記入力情報により指定された指定固有情報及び指定設定情報を前記記録装置から読み出し、前記撮像装置からの映像データに基づいて前記発光素子の発光位置を認識し、前記映像データにおける前記発光位置に、前記指定固有情報及び指定設定情報を重ね合わせることで前記加工映像データを作成し、前記加工映像データを前記表示装置へ出力することを特徴とする。
【0015】
これにより、コネクタ識別システムは、発光しているRFIDタグが取り付けられたコネクタの固有情報及び設定情報を、表示装置に表示させることが可能となる。
また、コネクタ識別システムは、前記RFIDタグを撮像し、映像データを前記制御装置へ出力する撮像装置と、前記映像データが前記制御装置により加工された加工映像データを表示する表示装置とをさらに備え、前記記録装置は、前記コネクタに関する設定情報を、前記固有情報と対応付けて予め記録し、前記制御装置は、前記入力情報により指定された指定固有情報及び指定設定情報を前記記録装置から読み出し、前記撮像装置からの映像データに基づいて前記発光素子の発光位置及び発光規則を認識し、前記発光規則に基づいて、前記コネクタのコネクタ種別を判別し、前記映像データにおける前記発光位置に、前記コネクタ種別に対応した指定固有情報及び指定設定情報を重ね合わせることで前記加工映像データを作成し、前記加工映像データを前記表示装置へ出力することを特徴とする。
【0016】
これにより、コネクタ識別システムは、発光しているRFIDタグが取り付けられたコネクタの固有情報及び設定情報を、コネクタ種別毎に対応させて表示することが可能となる。
また、前記RFIDタグは、スピーカをさらに備え、前記指定固有情報と、自身の固有情報とが一致した場合、前記スピーカから信号音を発生させることを特徴とする。
【0017】
これにより、コネクタ識別システムは、光に加え音によってもコネクタを識別させることが可能となる。
また、前記RFIDタグは、バイブレータをさらに備え、前記指定固有情報と、自身の固有情報とが一致した場合、前記バイブレータを振動させることを特徴とする。
【0018】
これにより、コネクタ識別システムは、光に加え振動によってもコネクタを識別させることが可能となる。
また、本発明に係る制御装置は、コネクタに取り付けられ、前記コネクタを特定可能な固有情報を予め記録するRFIDタグと、前記固有情報を予め記録する記録装置と、前記RFIDタグに対して電波を照射するRFIDリーダ/ライタと、外部から入力された入力情報に基づいて前記RFIDリーダ/ライタを制御する制御装置とを具備するコネクタ識別システムに用いられる制御装置であって、前記入力情報により指定された指定固有情報を前記記録装置から読み出し、前記RFIDリーダ/ライタに前記電波により前記指定固有情報を搬送させる読出し部を具備することを特徴とする。
【0019】
これにより、制御装置は、RFIDタグへ、指定固有情報を含んだ電波を照射することが可能となる。
また、前記RFIDタグが発光素子を備え、前記RFIDリーダ/ライタからの電波により搬送された指定固有情報と、自身の固有情報とを比較し、一致した場合に、前記発光素子を発光させるものであり、前記記録装置が前記コネクタに関する設定情報を、前記固有情報と対応付けて予め記録するものである場合、前記読出し部は、前記入力情報により指定された指定固有情報及び指定設定情報を前記記録装置から読み出し、前記制御装置は、前記RFIDタグを撮像する撮像装置からの映像データを取り込む映像取込部と、前記映像データに基づいて前記発光素子の発光位置を認識する発光認識部と、前記映像データにおける前記発光位置に、前記指定固有情報及び指定設定情報を重ね合わせることで加工映像データを作成する映像加工部と、前記加工映像データを外部へ出力する映像出力部とをさらに具備することを特徴とする。
【0020】
これにより、制御装置は、発光しているRFIDタグが取り付けられたコネクタの固有情報及び設定情報を、表示装置に表示させることが可能となる。
また、前記RFIDタグが、前記コネクタのコネクタ種別に応じて予め設定される、前記発光素子の発光規則を予め記録し、前記指定固有情報と、自身の固有情報とが一致した場合に、前記発光素子を前記発光規則に従って発光させるものである場合、前記発光認識部は、前記発光素子の発光規則をさらに認識し、前記発光規則に基づいて、前記コネクタのコネクタ種別を判別し、前記映像加工部は、前記映像データにおける前記発光位置に、前記コネクタ種別に対応した指定固有情報及び指定設定情報を重ね合わせることで前記加工映像データを作成することを特徴とする。
【0021】
これにより、制御装置は、発光しているRFIDタグが取り付けられたコネクタの固有情報及び設定情報を、コネクタ種別毎に対応させて表示装置に表示させることが可能となる。
また、本発明に係るコネクタ識別プログラムは、コネクタに取り付けられ、前記コネクタを特定可能な固有情報を予め記録したRFIDタグであって、所定の条件で搭載された発光素子が発光するRFIDタグと、前記固有情報と、前記コネクタに関する設定情報とを互いに対応付けて予め記録する記録装置と、前記RFIDタグに対して電波を照射するRFIDリーダ/ライタと、前記RFIDタグを撮像し、映像データを取得する撮像装置と、外部から入力された入力情報に基づいて前記RFIDリーダ/ライタを制御し、前記映像データを加工して加工映像データを作成する制御装置と、前記加工映像データを表示する表示装置とを具備するコネクタ識別システムに用いられるコネクタ識別プログラムであって、前記入力情報により指定された指定固有情報及び指定設定情報を前記記録装置から読み出す処理と、前記RFIDリーダ/ライタに前記電波により前記指定固有情報を搬送させる処理と、前記撮像装置からの映像データを取り込む処理と、前記映像データに基づいて前記発光素子の発光位置と発光規則とを認識する処理と、前記発光規則に基づいて、前記コネクタのコネクタ種別を判別する処理と、前記映像データにおける前記発光位置に、前記コネクタ種別に対応した指定固有情報及び指定設定情報を重ね合わせることで前記加工映像データを作成する処理とを前記制御装置のコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0022】
これにより、コネクタ識別プログラムによれば、RFIDリーダ/ライタから送信される固有情報と、RFIDタグの固有情報とが一致する場合、RFIDタグの発光素子を発光させることが可能となる。そして、RFIDタグを撮像し、その発光を認識することで、発光しているRFIDタグが取り付けられたコネクタの固有情報及び設定情報を、表示装置に表示させることが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、コネクタを容易に識別することが可能なコネクタ識別システム、このシステムで用いられる制御装置及びコネクタ識別プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るコネクタ識別システムの機能構成を示すブロック図である。
【図2】図1のRFIDタグの構成を示す図である。
【図3】図2のRFIDチップの機能構成を示すブロック図である。
【図4】図1のPCの機能構成を示すブロック図である。
【図5】図1のCRTの表示例を示す図である。
【図6】図1のRFIDタグの取り付け例を示す図である。
【図7】図1のPCがRFIDタグに対して電波を照射する際のシーケンス図である。
【図8】図6に示すRFIDタグのRFIDチップが発光素子を発光させる際のフローチャートである。
【図9】図1のCRTにコネクタの情報を表示させる際のシーケンス図である。
【図10】図1のCRTの表示例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係わるRFIDチップの機能構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係るPCの機能構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係るRFIDタグの取り付け例を示す図である。
【図14】図12のPCがRFIDタグに対して電波を照射する際のシーケンス図である。
【図15】図13のRFIDタグのRFIDチップが発光素子を発光させる際のフローチャートである。
【図16】図13のコネクタの情報をCRTに表示させる際のシーケンス図である。
【図17】本発明の第2の実施形態に係るCRTの表示例を示す模式図である。
【図18】本発明の第2の実施形態の変形例1に係わるRFIDチップの機能構成を示すブロック図である。
【図19】図18の発光素子の発光形状とコネクタ種別との対応関係の例を示す。
【図20】本発明の第2の実施形態の変形例2に係わるRFIDチップの機能構成を示すブロック図である。
【図21】図20の発光素子の発光パターンの例を示す図である。
【図22】図20の発光素子の発光パターンとコネクタ種別との対応関係の例を示す図である。
【図23】本発明のその他の実施形態に係るRFIDタグの構成を示す模式図である。
【図24】図23のRFIDチップの機能構成を示すブロック図である。
【図25】図24のRFIDチップが発光素子を発光させる際のフローチャートである。
【図26】本発明のその他の実施形態に係るRFIDタグの構成を示す模式図である。
【図27】図26のRFIDチップの機能構成を示すブロック図である。
【図28】図27のRFIDチップが発光素子を発光させる際のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら本発明に係るコネクタ識別システム、このシステムで用いられる制御装置及びコネクタ識別プログラムの実施の形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るコネクタ識別システムの機能構成を示すブロック図である。図1におけるコネクタ識別システムは、RFIDタグ10、データベース(DB)20、RFIDリーダ/ライタ30、ビデオカメラ40、CRT(Cathode Ray Tube)50、PC(Personal Computer)60及びキーボード等の操作入力部70を具備する。
【0026】
RFIDタグ10は、コネクタ100の先端に取り付けられている。RFIDタグ10は、LED(Light Emitted Diode)等の発光素子11を備える。RFIDタグ10には、コネクタ100を特定可能なシリアル番号が予め記録されている。
【0027】
データベース20、RFIDリーダ/ライタ30、ビデオカメラ40、CRT50及び操作入力部70は、PC60に接続されている。
PC60は、操作入力部70からユーザの指示を受信する。ユーザは、操作入力部70に対して設備情報及びお客様情報等の情報を入力する。ここで、設備情報とはコネクタ100の製造年月日及び製造会社等を示す情報であり、お客様情報とはサービス種別及びお客様名等を示す情報のことである。PC60は、操作入力部70からの指示に基づいて、データベース20に記憶されているシリアル番号を読み出す。データベース20には、設備情報及びお客様情報等とシリアル番号とが関連付けて記憶されている。
【0028】
また、PC60は、データベース20から読み出したシリアル番号をRFIDリーダ/ライタ30へ出力する。RFIDリーダ/ライタ30は、PC60からのシリアル番号で無線周波数帯の電波を変調し、その電波をRFIDタグ10へ照射する。
RFIDタグ10は、電波を介して受信したシリアル番号が、自身が有するシリアル番号と一致する場合、発光素子11を発光させる。ビデオカメラ40は、RFIDタグ10の発光状態を撮像し、映像データをPC60へ出力する。
【0029】
PC60は、ビデオカメラ40からの映像データに対して、所定の処理を施した後、この映像をCRT50に表示させる。
図2は、本発明の第1の実施形態に係るRFIDタグ10の構成を示す概略図である。図2におけるRFIDタグ10は、発光素子11、RFIDチップ12及び受信用アンテナ13を備える。
【0030】
受信用アンテナ13は、RFIDタグ10内でループ状となるように形成される。受信用アンテナ13は、RFIDリーダ/ライタ30からの電波を受信すると、受信信号をRFIDチップ12へ伝送する。また、受信用アンテナ13は、RFIDリーダ/ライタ30からの電波により電磁誘導を起こし、RFIDチップ12に対して電力を供給することが可能である。
【0031】
図3は、本発明の第1の実施形態に係るRFIDチップ12の機能構成を示すブロック図である。図3におけるRFIDチップ12は、シリアル受信部121、判定部122、記憶部123及びLED起動部124の機能を有する。
シリアル受信部121は、電波を介して送信されたシリアル番号を受信し、判定部122へ転送する。
【0032】
記憶部123には、コネクタ100が特定可能な固有のシリアル番号が予め記憶されている。記憶部123は、判定部122からの指示により、判定部122へ固有シリアル番号を出力する。
判定部122は、シリアル受信部121からシリアル番号を受信すると、記憶部123に対して固有シリアル番号を返すように指示を出す。判定部122は、シリアル受信部121からシリアル番号と、記録部123から固有シリアル番号とを比較し、これらのシリアル番号が一致するか否かを判断する。判定部122は、これらのシリアル番号が一致する場合、一致通知をLED起動部124へ出力する。
【0033】
LED起動部124は、判定部122からの一致通知に応じて、発光素子11を発光させる。
図4は、本発明の第1の実施形態に係るPC60の機能構成を示すブロック図である。図4におけるPC60は、検索部61、映像取込部62、映像加工部63及び発光認識部64を備える。
【0034】
検索部61は、外部入力IF65を介して設備情報及びお客様情報のうち少なくともいずれかが入力されると、その入力情報に対応する設備情報、お客様情報及びシリアル番号を検索する。検索部61は、DB送受信IF66を介して入力情報をデータベース20へ転送し、入力情報に対応した設備情報、お客様情報及びシリアル番号をデータベース20に応答させる。これにより、入力情報により指定された設備情報、お客様情報及びシリアル番号がデータベース20から読み出される。なお、データベース20には、例えば図4に示すように、設備情報とシリアル番号とが対応付けられたテーブル1と、お客様情報とシリアル番号とが対応付けられたテーブル2とが格納されている。
【0035】
検索部61は、データベース20から読み出したシリアル番号を、RFIDリーダ/ライタIF67を介してRFIDリーダ/ライタ30へ出力する。また、検索部61は、データベース20から読み出した設備情報、お客様情報及びシリアル番号を発光認識部64へ出力する。なお、検索部61は、設備情報及びお客様情報のうち少なくともいずれか一方を発光認識部64へ出力するようにしても良い。
【0036】
映像取込部62は、ビデオカメラ40で撮像された映像データをビデオカメラIF68を介して取り込む。映像取込部62は、映像データを発光認識部64へ出力する。また、映像取込部62は、発光認識部64から認識通知があった場合、映像加工部63へ映像データを出力する。
【0037】
発光認識部64は、映像取込部62からの映像データに対して画像解析を行い、映像中に発光素子による発光があるか否かを判断する。発光認識部64は、発光を認識した場合、発光素子による発光があったと判断し、映像取込部62に対して、認識通知を出力する。また、発光認識部64は、発光を認識した場合、設備情報、お客様情報及びシリアル番号を映像加工部63へ出力する。このとき、発光認識部64は、これらの情報を映像中の発光位置に合わせて表示するように、映像加工部63に対して表示位置に関する指示を出す。なお、発光認識部64は、設備情報及びお客様情報のうち少なくともいずれか一方を映像加工部63へ出力するようにしても良い。
【0038】
映像加工部63は、映像取込部62からの映像データを、発光認識部64から指示された位置に発光認識部64からの情報を表示するように加工する。映像加工部63は、加工後の映像をCRT IF69を介してCRT50へ出力する。図5は、CRT50の表示例を示す模式図である。発光素子11が発光している場合、CRT50には、コネクタ100のシリアル番号、設備情報である製造年月日及び製造会社、お客様情報であるサービス種別及びお客様名が表示される。
【0039】
次に、上記構成における動作を説明する。ここでは、図6に示すように、光スプリッタ200側の光ファイバにコネクタ100−1〜100−4が取り付けられ、コネクタ100−1,100−2には、ドロップファイバ側のコネクタ100−5,100−6がそれぞれ接続される場合を説明する。コネクタ100−1〜100−6には、それぞれRFIDタグ10−1〜10−6が取り付けられている。
【0040】
図7は、本発明の第1の実施形態に係るPC60がRFIDタグ10−1〜10−6に対して電波を照射する際のシーケンス図である。
図7において、まず、ユーザは、操作入力部70により検索したい設備情報及びお客様情報のうち少なくともいずれか一方を入力する。図7においては、お客様情報であるお客様名が入力された場合を例に説明する。
【0041】
外部入力IF65は、ユーザが入力したお客様名を受信する(S71)。外部入力IF65は、このお客様情報を検索部61へ転送する(S72)。検索部61は、お客様名をDB送受信IF66を介して(S73)、データベース20へ送信する(S74)。
【0042】
データベース20は、テーブル1及びテーブル2を参照して、入力されたお客様名に対応した設備情報、お客様情報及びシリアル番号を読み出す。データベース20は、これらの情報をDB送受信IF66を介して(S75)、検索部61へ返す(S76)。検索部61は、シリアル番号をRFIDリーダ/ライタIF67を介して(S77)、RFIDリーダ/ライタ30へ出力する(S78)。また、検索部61は、設備情報、お客様情報及びシリアル番号を発光認識部64へ出力する。これにより、シリアル番号がRFの電波により、RFIDリーダ/ライタ30からRFIDタグ10−1〜10−6へ送信される。
【0043】
図8は、図6に示すRFIDタグ10−1のRFIDチップ12が発光素子11−1を発光させる際のフローチャートである。
まず、シリアル受信部121は、RFIDリーダ/ライタ30からの電波により搬送されたシリアル番号を受信する(S81)。シリアル受信部121は、シリアル番号を判定部122へ転送する。
【0044】
判定部122は、シリアル受信部121からのシリアル番号と、記録部123に記憶された固有シリアル番号とが一致するか否かを判断する(S82)。判定部122は、これらのシリアル番号が一致する場合(S82のYes)、一致通知をLED起動部124へ出力する。
【0045】
LED起動部124は、判定部122からの一致通知を受けると、発光素子11−1を発光させ(S83)、処理は終了する。
また、S82において、シリアル番号が一致しない場合(S82のNo)、処理は終了する。
これにより、コネクタ100−1に取り付けられたRFIDタグ10−1の発光素子11−1が発光することとなる。
【0046】
図9は、CRT50にコネクタ100−1の情報を表示させる際のシーケンス図である。
ビデオカメラ40は、コネクタ100−1〜100−6を常時撮像し、その映像データをPC60へ出力する。
ビデオカメラIF68は、ビデオカメラで撮像された映像データを受信する(S91)。ビデオカメラIF68は、この映像データを映像取込部62へ転送する(S92)。映像取込部62は、ビデオカメラIF68からの映像データを発光認識部64へ転送する(S93)。
【0047】
発光認識部64は、映像取込部62からの映像データに対して画像解析を行い、映像データ中に発光素子11−1〜11−6による発光があるか否かを判断する。発光認識部64は、発光素子11−1の発光を認識した場合、映像取込部62に対して、認識通知を出力する(S94)。また、発光認識部64は、発光素子11−1の発光を認識した場合、検索部61から出力された、設備情報、お客様情報及びシリアル番号を映像加工部63へ出力すると共に、発光素子11−1の位置にこれらの情報を表示するように映像加工部63に対して指示を出す(S95)。
【0048】
映像取込部62は、発光認識部64からの認識通知に応じて、映像データを映像加工部63へ出力する(S96)。映像加工部63は、映像取込部62からの映像データに上記情報を表示した加工映像を生成し、この加工映像をCRT IF69を介して(S97)、CRT50へ出力する(S98)。
【0049】
図10は、CRT50の表示例を示す模式図である。発光素子11−1が発光している場合、CRT50には、コネクタ100−1のシリアル番号、設備情報である製造年月日及び製造会社、お客様情報であるサービス種別及びお客様名が表示される。
以上のように、上記第1の実施形態では、RFIDタグ10は、コネクタ100を特定可能な固有シリアル番号を予め記憶する。そして、RFIDタグ10は、RFIDリーダ/ライタ30により搬送されたシリアル番号が固有シリアル番号と一致する場合、発光素子11を発行させるようにしている。このため、特に架空用光クロージャのように極めて狭い範囲に複数のコネクタがある場合には、多数ある光ファイバが収容されている中、該当するRFIDタグのみが発光することとなる。これにより、作業者は、複数のコネクタから作業対象のコネクタを極めて容易に見つけることが可能となる。また、誤って別のコネクタを外すことを避けることが可能となるだけでなく、RFIDタグの探索時に誤って通信中の光ファイバに損失を与えることを特徴とする請求項1記載の避ける事が可能となる。つまり、通信に影響を与える可能性が低くなる。さらに、本実施形態に係るコネクタ識別システムは、コネクタの架空用光クロージャ内での相対位置が固定されていないような場合であっても、発光位置をもってコードの位置を認識することが可能であるため、多くのシーンで利用することが可能となる。
【0050】
また、上記第1の実施形態では、CRT上における発光素子の表示位置に、コネクタのシリアル番号、設備情報及びお客様情報を表示するようにしている。これにより、コネクタ識別システムは、精度の高い情報を表示することが可能となる。
また、上記第1の実施形態では、発光認識部64で、RFIDタグ10に搭載された発光素子11の発光を認識することで、コネクタを識別するようにしている。これにより、映像データに基づいて容易に該当コネクタを検出することが可能となり、ビデオカメラ40で取り込んだ映像データをPC60上で処理することも極めて容易となる。したがって、PC60に対する要求スペックが緩和できる。
【0051】
また、上記第1の実施形態では、発光位置を契機にして、CRT50上に映像を表示する方式を採用している。これにより、本実施形態に係るコネクタ識別システムでは、架空クロージャ内のコネクタの相対的な位置及び座標等を示し、さらには一般的な画像認識で必要なマーカ等が不要となるため、システムの構築が容易となる。
【0052】
また、上記第1の実施形態では、受信アンテナ13で発生する電磁誘導により、RFIDチップ12への給電を行うようにしている。これにより、RFIDリーダ/ライタ30からの電波を用いて発光素子11を発光させることが可能となるため、RFIDタグ10に電池をのせる必要がない。このため、電池をのせる場合と比較して安価にRFIDタグ10を製造できる。また、電池の放電等を考慮する必要がないため、より長期間、RFIDタグ10を使用することが期待できる。
【0053】
[第2の実施形態]
図11は、本発明の第2の実施形態に係わるRFIDチップ12の機能構成を示すブロック図である。なお、図11において図3と共通する部分には同じ符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
図11におけるRFIDチップ12には、3つの発光素子111〜113が接続されている。RFIDチップ12は、シリアル受信部121、判定部122、記憶部125及びLED起動部126の機能を有する。
【0054】
記憶部125には、特定可能な固有のシリアル番号が予め記憶されている。また、記憶部125には、発光させるべき発光素子の発光数が予め記憶されている。この発光数は、例えば、取り付けられるコネクタのコネクタ種別に応じて設定することが可能である。例えば、コネクタ種別がプラグである場合には発光数を「1」とし、コネクタ種別がソケットである場合には発光数「3」と設定することが可能である。記憶部125は、判定部122からの指示により、判定部122へ固有シリアル番号を出力すると共に、LED起動部126へ発光数を通知する。
【0055】
LED起動部126は、判定部122からの一致通知を受け取ると、発光素子111〜113のうち記憶部125からの発光数に応じた数の発光素子を発光させる。
図12は、本発明の第2の実施形態に係るPC60の機能構成を示すブロック図である。図12において図4と共通する部分には同じ符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。図12におけるPC60は、検索部610、映像取込部62、映像加工部611及び発光認識部612を備える。
【0056】
検索部610は、外部入力IF65を介して設備情報及びお客様情報のうち少なくともいずれかが入力されると、その入力情報に対応する設備情報、お客様情報及びシリアル番号を検索する。検索部610は、DB送受信IF66を介して入力情報御をデータベース20へ転送し、入力情報に対応した設備情報、お客様情報及びシリアル番号をデータベース20に応答させる。これにより、入力情報により指定された設備情報、お客様情報及びシリアル番号がデータベース20から読み出される。データベース20には、例えば図12に示すように、設備情報とシリアル番号とが対応付けられたテーブル1と、お客様情報とシリアル番号とが対応付けられたテーブル2とが格納されている。
【0057】
本実施形態では、入力情報に応じて、設備情報、お客様情報及びシリアル番号が、プラグ及びソケット等のコネクタ種別毎に読み出されるものとする。以下では、ソケットに関する情報を設備情報1、お客様情報1及びシリアル番号1とし、プラグに関する情報を設備情報2、お客様情報2及びシリアル番号2とする。
【0058】
検索部610は、設備情報1,2、お客様情報1,2及びシリアル番号1,2がデータベース20から応答されると、シリアル番号1,2を、RFIDリーダ/ライタIF67を介してRFIDリーダ/ライタ30へ出力する。また、検索部610は、データベース20からの設備情報1,2、お客様情報1,2及びシリアル番号1,2を発光認識部612へ出力する。なお、検索部610は、設備情報及びお客様情報のうち少なくともいずれか一方を発光認識部612へ出力するようにしても良い。
【0059】
発光認識部612は、映像取込部62からの映像データに対して画像解析を行い、映像中に発光素子による発光があるか否かを判断する。発光認識部612は、発光を認識した場合、発光素子による発光があったと判断し、映像取込部62に対して、認識通知を出力する。
【0060】
また、発光認識部612は、発光素子の発光数に応じて、コネクタのコネクタ種別を判別する。例えば、発光認識部612は、発光素子が三つ発光していると認識した場合、そのコネクタのコネクタ種別がソケットであると判断する。また、発光認識部612は、発光素子が一つ発光していると認識した場合、そのコネクタのコネクタ種別がプラグであると判断する。
【0061】
発光認識部612は、発光を認識した場合、設備情報1,2、お客様情報1,2及びシリアル番号1,2を映像加工部611へ出力する。このとき、発光認識部612は、設備情報1、お客様情報1及びシリアル番号1を、コネクタ種別がソケットであるコネクタに対応した位置に表示するように、映像加工部611に対して指示を出す。また、発光認識部612は、設備情報2、お客様情報2及びシリアル番号2を、コネクタ種別がプラグであるコネクタに対応した位置に表示するように、映像加工部611に対して指示を出す。なお、発光認識部612は、設備情報及びお客様情報のうち少なくともいずれか一方を映像加工部611へ出力するようにしても良い。
【0062】
映像加工部611は、映像取込部62からの映像データを、発光認識部612から指示された位置に発光認識部612からの情報を表示するように加工する。映像加工部611は、加工後の映像をCRT IF69を介してCRT50へ出力する。
次に、上記構成における動作を説明する。ここでは、図13に示すように、光スプリッタ200側の光ファイバにコネクタ100−1〜100−4が取り付けられ、コネクタ100−1,100−2には、ドロップファイバ側のコネクタ100−5,100−6がそれぞれ接続される場合を説明する。コネクタ100−1〜100−6には、それぞれRFIDタグ10−1〜10−6が取り付けられている。
【0063】
図14は、本発明の第2の実施形態に係るPC60がRFIDタグ10−1〜10−6に対して電波を照射する際のシーケンス図である。
図14において、まず、ユーザは、操作入力部70により検索したい設備情報及びお客様情報のうち少なくともいずれか一方を入力する。ここで、図7においては、お客様情報であるお客様名が入力された場合を例に説明する。
【0064】
外部入力IF65は、ユーザが入力したお客様名を受信する(S141)。外部入力IF65は、このお客様名を検索部610へ転送する(S142)。検索部610は、お客様名をDB送受信IF66を介して(S143)、データベース20へ送信する(S144)。
【0065】
データベース20は、テーブル1及びテーブル2を参照して、入力されたお客様名に対応した設備情報1,2、お客様情報1,2及びシリアル番号1,2を読み出す。なお、ここでは、コネクタ種別がソケットであるコネクタに関する情報を、設備情報1、お客様情報1及びシリアル番号1とし、コネクタ種別がプラグであるコネクタに関する情報を設備情報2、お客様情報2及びシリアル番号2とする。
【0066】
データベース20は、これらの情報をDB送受信IF66を介して(S145)、検索部610へ返す(S146)。検索部610は、シリアル番号1,2をRFIDリーダ/ライタIF67を介して(S147)、RFIDリーダ/ライタ30へ出力する(S148)。また、検索部610は、設備情報1,2、お客様情報1,2及びシリアル番号1,2を発光認識部612へ出力する。これにより、シリアル番号1,2がRFの電波により、RFIDリーダ/ライタ30からRFIDタグ10−1〜10−6へ送信される。
【0067】
図15は、図13に示すRFIDタグ10−1のRFIDチップ12が発光素子111−1〜113−1を発光させる際、及び、RFIDタグ10−5のRFIDチップ12が発光素子111−5を発光させる際のフローチャートである。
まず、シリアル受信部121は、RFIDリーダ/ライタ30からの電波により搬送されたシリアル番号を受信する(S151)。シリアル受信部121は、シリアル番号を判定部122へ転送する。
【0068】
判定部122は、シリアル受信部121からのシリアル番号と、記録部125に記憶された固有シリアル番号とが一致するか否かを判断する(S152)。判定部122は、これらのシリアル番号が一致する場合(S152のYes)、一致通知をLED起動部126へ出力する。
【0069】
LED起動部126は、判定部122からの一致通知を受け取ると、発光素子111〜113のうち記憶部125からの発光数に応じた数の発光素子を発光させ(S153)、処理は終了する。
また、S152において、シリアル番号が一致しない場合(S152のNo)、処理は終了する。
【0070】
これにより、コネクタ100−1に取り付けられたRFIDタグ10−1では、記憶部125から発光数「3」がLED起動部126へ通知され、発光素子111−1〜113−1が発光する。また、100−5に取り付けられたRFIDタグ10−5では、記憶部125から発光数「1」がLED起動部126へ通知され、発光素子111−5が発光する。
【0071】
図16は、CRT50にコネクタ100−1,100−5の情報を表示させる際のシーケンス図である。
ビデオカメラ40は、コネクタ100−1〜100−6を常時撮像し、その映像データをPC60へ出力する。
ビデオカメラIF68は、ビデオカメラで撮像された映像データを受信する(S161)。ビデオカメラIF68は、この映像データを映像取込部62へ転送する(S162)。映像取込部62は、ビデオカメラIF68からの映像データを発光認識部612へ転送する(S163)。
【0072】
発光認識部612は、映像取込部62からの映像データに対して画像解析を行い、映像データ中に発光素子111〜113による発光があるか否かを判断する。発光認識部612は、発光素子111−1〜111−3,111−5の発光を認識した場合、映像取込部62に対して、認識通知を出力する(S164)。発光認識部612は、三つの発光素子が発光しているRFID10−1が取り付けられたコネクタ100−1のコネクタ種別をソケットと判断する。また、発光認識部612は、一つの発光素子が発行しているRFIDタグ100−5のコネクタ種別をプラグと判断する。
【0073】
また、発光認識部612は、発光素子111−1〜113−1,111−5の発光を認識した場合、検索部610から受け取った、設備情報1,2、お客様情報1,2及びシリアル番号1,2を映像加工部611へ出力する。このとき、発光認識部612は、設備情報1、お客様情報1及びシリアル番号1を、発光素子111−1〜113−1が発光する位置に表示するように、映像加工部611に対して指示を出す。また、発光認識部612は、設備情報2、お客様情報2及びシリアル番号2を、発光素子111−5が発光する位置に表示するように、映像加工部611に対して指示を出す(S165)。
【0074】
映像取込部62は、発光認識部612からの認識通知に応じて、映像データを映像加工部611へ出力する(S166)。映像加工部611は、映像取込部62からの映像データに上記情報を表示した加工映像を生成し、この加工映像をCRT IF69を介して(S167)CRT50へ出力する(S168)。
【0075】
図17は、CRT50の表示例を示す模式図である。発光素子111−1〜113−1が発光している位置には、コネクタ100−1のシリアル番号と、設備情報である製造年月日、製造会社及びコネクタ種別と、お客様情報であるサービス種別及びお客様名とが表示される。また、発光素子111−5が発光している位置には、コネクタ100−5のシリアル番号と、設備情報である製造年月日、製造会社及びコネクタ種別と、お客様情報であるサービス種別及びお客様名とが表示される。
【0076】
以上のように、上記第2の実施形態では、発光素子の発光数に応じて、コネクタ種別を判別するようにしている。このため、例えば、三つの発光素子が発光している場合は光スプリッタ200側のコネクタであり、一つの発光素子が発光している場合はドロップファイバ側のコネクタであると判別することが可能となる。これにより、光スプリッタ側のコネクタの情報及びドロップ側のコネクタの情報を同時にCRT50上に表示することが可能となるため、作業性がさらに向上することとなる。
【0077】
[第2の実施形態の変形例1]
図18は、本発明の第2の実施形態の変形例1に係わるRFIDチップ12の機能構成を示すブロック図である。図18のRFIDチップ12には複数の発光素子111〜11n(nは自然数)が接続されている。
記憶部127には、シリアル番号が一致した場合、どの発光素子を発光させるかが予め記憶されている。LED起動部128は、記憶部127に記憶された発光形状に従って、発光素子111〜11nを発光させる。
【0078】
発光認識部612は、発光素子の発光形状に応じて、コネクタのコネクタ種別を判別する。図19は、発光素子の発光形状とコネクタ種別との対応関係の例を示す。図19では、3×3で合計9個の発光素子が配置される。発光認識部612は、9個の発光素子が、十字型に光った場合は、コネクタ種別がソケットであると判別し、X字型に光った場合は、コネクタ種別がプラグであると判別するように予め設定されている。
【0079】
発光認識部612は、もし各々十字型・X字型の状況が確認された場合、映像加工部611に対して、設備情報1,2、若しくはお客様情報1,2あるいはその両方と検索されたシリアル番号1,2を送信する。そして、これらの情報を送信すると共に、映像中で十字型発光又はX字型発光している位置に、対応した情報を表示する指令を出す。
【0080】
以上のように、上記第2の実施形態の変形例1では、発光素子の発光形状に応じて、コネクタ種別を判別するようにしている。このため、例えば、十字型に光った場合は光スプリッタ200側のコネクタであり、X字型に光った場合はドロップファイバ側のコネクタであると判別することが可能となる。これにより、光スプリッタ側のコネクタ及びドロップ側のコネクタの情報を同時にCRT50上へ表示することが可能となる。
【0081】
[第2の実施形態の変形例2]
図20は、本発明の第2の実施形態の変形例2に係わるRFIDチップ12の機能構成を示すブロック図である。図20のRFIDチップ12には複数の発光素子111が接続されている。
記憶部129には、シリアル番号が一致した場合、発光素子をどのような発光パターンで発光させるかが予め記憶されている。発光パターンとは、例えば、図21に示すように連続して点灯し続けるか、一定の時間的間隔毎に点灯するか等のことである。LED起動部1210は、記憶部129に記憶された発光パターンに従って、発光素子111を発光させる。
【0082】
発光認識部612は、発光素子の発光パターンに応じて、コネクタのコネクタ種別を判別する。図22は、発光素子の発光パターンとコネクタ種別との対応関係の例を示す図である。発光認識部612は、発光素子111が点灯している場合には、コネクタのコネクタ種別がソケットであると判別し、点滅している場合には、コネクタ種別がプラグであると判別するように予め設定されている。
【0083】
発光認識部612は、もし各々発光・点滅の状況が確認されれば、映像加工部611に対して、設備情報1,2、若しくはお客様情報1,2あるいはその両方と検索されたシリアル番号1,2を送信する。そして、これらの情報を送信すると共に、映像中で連続発光又は点滅発光している位置に、対応した情報を表示する指令を出す。
【0084】
以上のように、上記第2の実施形態の変形例2では、発光素子の発光パターンに応じて、コネクタ種別を判別するようにしている。このため、例えば、発光素子が点灯している場合は光スプリッタ200側のコネクタであり、点滅している場合はドロップファイバ側のコネクタであると判別することが可能となる。これにより、光スプリッタ側のコネクタ及びドロップ側のコネクタの情報を同時にCRT50上へ表示することが可能となる。
【0085】
[その他の実施形態]
なお、この発明は上記各実施形態に限定されるものではない。例えば、上記各実施形態では、RFIDタグ10が発光素子11を備える例について説明したが、発光素子11以外のものを備える場合であっても構わない。
図23は、本発明のその他の実施形態に係るRFIDタグ10の構成を示す模式図である。図23におけるRFIDタグ10は、発光素子11、RFIDチップ14、受信用アンテナ13及びスピーカ15を備える。図23において図2と共通する部分には同じ符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
【0086】
図24は、本発明のその他の実施形態に係るRFIDチップ14の機能構成を示すブロック図である。また、図25は、図24に示すRFIDチップ14が発光素子11を発光させる際のフローチャートである。
図24におけるRFIDチップ14は、シリアル受信部141、判定部142、記憶部143、LED起動部144及びスピーカ起動部145の機能を有する。
【0087】
シリアル受信部141は、電波を介して送信されたシリアル番号を受信し(S251)、判定部142へ転送する。
記憶部143には、コネクタ100が特定可能な固有のシリアル番号が予め記憶されている。記憶部143は、判定部142からの指示により、判定部142へ固有シリアル番号を出力する。
【0088】
判定部142は、シリアル受信部141からのシリアル番号と、記録部143からの固有シリアル番号とを比較し、これらのシリアル番号が一致するか否かを判断する(S252)。判定部142は、これらのシリアル番号が一致する場合(S252のYes)、一致通知をLED起動部144及びスピーカ起動部145へ出力する。
【0089】
LED起動部144は、判定部142からの一致通知に応じて、発光素子11を発光させる。また、スピーカ起動部145は、判定部142からの一致通知に応じて、スピーカ15に信号音を発生させる(S253)。
上記構成により、RFIDタグ10は、固有シリアル番号が一致する場合、発光に加え、信号音を発生するようになっている。このため、作業者は、直射日光等が当たり発光素子が見えにくい状態であっても、音により判別が可能であるため、容易に作業対象のコネクタを見つけ出すことができる。
【0090】
図26は、本発明のその他の実施形態に係るRFIDタグ10の構成を示す模式図である。図26におけるRFIDタグ10は、発光素子11、RFIDチップ16、受信用アンテナ13及びバイブレータ17を備える。図26において図2と共通する部分には同じ符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
【0091】
図27は、本発明のその他の実施形態に係るRFIDチップ16の機能構成を示すブロック図である。また、図28は、図27に示すRFIDチップ16が発光素子11を発光させる際のフローチャートである。
図27におけるRFIDチップ16は、シリアル受信部161、判定部162、記憶部163、LED起動部164及び振動起動部165の機能を有する。
【0092】
シリアル受信部161は、電波を介して送信されたシリアル番号を受信し(S281)、判定部162へ転送する。
判定部162は、シリアル受信部161からのシリアル番号と、記録部163からの固有シリアル番号とを比較し、これらのシリアル番号が一致するか否かを判断する(S282)。判定部162は、これらのシリアル番号が一致する場合(S282のYes)、一致通知をLED起動部164及び振動起動部165へ出力する。
【0093】
LED起動部164は、判定部162からの一致通知に応じて、発光素子11を発光させる。また、振動起動部165は、判定部162からの一致通知に応じて、バイブレータ17に振動を発生させる(S283)。
上記構成により、RFIDタグ10は、固有シリアル番号が一致する場合、発光に加え、振動を発生するようになっている。これにより、作業者は、目視が困難な場合でも、振動による判別が可能であるため、手での接触が可能であるならば、容易に作業対象のコネクタを見つけ出すことができる。
【0094】
なお、図24及び図26では、RFIDタグ10が発光素子11を一つ備える例について説明したが、複数の発光素子を備えていても構わない。また、LED起動部164は、コネクタ種別に応じて発光素子11を点滅させるようにしても構わない。
また、本発明に係るPC60は、コンピュータとプログラムによっても実現可能である。このとき、このプログラムは記録媒体に記録して提供することも、ネットワークを介して提供することも可能である。
【0095】
さらに、この発明は、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0096】
10…RFIDタグ
11,111,112,113,11n…発光素子
12,14,16…RFIDチップ
121,141,161…シリアル受信部
122,142,162…判定部
123,125,127,129,143,163…記憶部
124,126,128,1210,144,164…LED起動部
13…受信アンテナ
145…スピーカ起動部
15…スピーカ
165…振動起動部
17…バイブレータ
20…DB
30…RFIDリーダ/ライタ
40…ビデオカメラ
50…CRT
60…PC
61,610…検索部
62…映像取込部
63,611…映像加工部
64,612…発光認識部
65…外部入力IF
66…DB送受信IF
67…RFIDリーダ/ライタIF
68…ビデオカメラIF
69…CRT IF
70…操作入力部
100…コネクタ
200…光スプリッタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタに取り付けられ、前記コネクタを特定可能な固有情報を予め記録するRFIDタグと、
前記固有情報を予め記録する記録装置と、
前記RFIDタグに対して電波を照射するRFIDリーダ/ライタと、
外部から入力された入力情報により指定された指定固有情報を前記記録装置から読み出し、前記RFIDリーダ/ライタに前記電波により前記指定固有情報を搬送させる制御装置と
を具備し、
前記RFIDタグは、発光素子を備え、前記RFIDリーダ/ライタからの電波を受信した場合、前記指定固有情報と、自身の固有情報とを比較し、一致した場合、前記発光素子を発光させることを特徴とするコネクタ識別システム。
【請求項2】
前記RFIDタグは、
前記コネクタのコネクタ種別に応じて予め設定される、前記発光素子の発光規則を予め記録し、
前記指定固有情報と、自身の固有情報とが一致した場合、前記発光素子を前記発光規則に従って発光させることを特徴とする請求項1記載のコネクタ識別システム。
【請求項3】
前記RFIDタグは、点灯及び点滅を含む発光パターンを前記発光規則として予め記録することを特徴とする請求項2記載のコネクタ識別システム。
【請求項4】
前記RFIDタグは、複数の発光素子を備え、前記複数の発光素子における発光数を前記発光規則として予め記録することを特徴とする請求項2記載のコネクタ識別システム。
【請求項5】
前記RFIDタグは、複数の発光素子を備え、前記複数の発光素子による十字型及びX字型を含む発光形状を前記発光規則として予め記録することを特徴とする請求項2記載のコネクタ識別システム。
【請求項6】
前記RFIDタグを撮像し、映像データを前記制御装置へ出力する撮像装置と、
前記映像データが前記制御装置により加工された加工映像データを表示する表示装置と
をさらに備え、
前記記録装置は、前記コネクタに関する設定情報を、前記固有情報と対応付けて予め記録し、
前記制御装置は、
前記入力情報により指定された指定固有情報及び指定設定情報を前記記録装置から読み出し、
前記撮像装置からの映像データに基づいて前記発光素子の発光位置を認識し、
前記映像データにおける前記発光位置に、前記指定固有情報及び指定設定情報を重ね合わせることで前記加工映像データを作成し、前記加工映像データを前記表示装置へ出力することを特徴とする請求項1記載のコネクタ識別システム。
【請求項7】
前記RFIDタグを撮像し、映像データを前記制御装置へ出力する撮像装置と、
前記映像データが前記制御装置により加工された加工映像データを表示する表示装置と
をさらに備え、
前記記録装置は、前記コネクタに関する設定情報を、前記固有情報と対応付けて予め記録し、
前記制御装置は、
前記入力情報により指定された指定固有情報及び指定設定情報を前記記録装置から読み出し、
前記撮像装置からの映像データに基づいて前記発光素子の発光位置及び発光規則を認識し、
前記発光規則に基づいて、前記コネクタのコネクタ種別を判別し、
前記映像データにおける前記発光位置に、前記コネクタ種別に対応した指定固有情報及び指定設定情報を重ね合わせることで前記加工映像データを作成し、
前記加工映像データを前記表示装置へ出力することを特徴とする請求項2記載のコネクタ識別システム。
【請求項8】
前記RFIDタグは、
スピーカをさらに備え、
前記指定固有情報と、自身の固有情報とが一致した場合、前記スピーカから信号音を発生させることを特徴とする請求項1記載のコネクタ識別システム。
【請求項9】
前記RFIDタグは、
バイブレータをさらに備え、
前記指定固有情報と、自身の固有情報とが一致した場合、前記バイブレータを振動させることを特徴とする請求項1記載のコネクタ識別システム。
【請求項10】
コネクタに取り付けられ、前記コネクタを特定可能な固有情報を予め記録するRFIDタグと、
前記固有情報を予め記録する記録装置と、
前記RFIDタグに対して電波を照射するRFIDリーダ/ライタと、
外部から入力された入力情報に基づいて前記RFIDリーダ/ライタを制御する制御装置と
を具備するコネクタ識別システムに用いられる制御装置であって、
前記入力情報により指定された指定固有情報を前記記録装置から読み出し、前記RFIDリーダ/ライタに前記電波により前記指定固有情報を搬送させる読出し部を具備することを特徴とする制御装置。
【請求項11】
前記RFIDタグが発光素子を備え、前記RFIDリーダ/ライタからの電波により搬送された指定固有情報と、自身の固有情報とを比較し、一致した場合に、前記発光素子を発光させるものであり、前記記録装置が前記コネクタに関する設定情報を、前記固有情報と対応付けて予め記録するものである場合、
前記読出し部は、前記入力情報により指定された指定固有情報及び指定設定情報を前記記録装置から読み出し、
前記制御装置は、
前記RFIDタグを撮像する撮像装置からの映像データを取り込む映像取込部と、
前記映像データに基づいて前記発光素子の発光位置を認識する発光認識部と、
前記映像データにおける前記発光位置に、前記指定固有情報及び指定設定情報を重ね合わせることで加工映像データを作成する映像加工部と、
前記加工映像データを外部へ出力する映像出力部と
をさらに具備することを特徴とする請求項10記載の制御装置。
【請求項12】
前記RFIDタグが、前記コネクタのコネクタ種別に応じて予め設定される、前記発光素子の発光規則を予め記録し、前記指定固有情報と、自身の固有情報とが一致した場合に、前記発光素子を前記発光規則に従って発光させるものである場合、
前記発光認識部は、前記発光素子の発光規則をさらに認識し、前記発光規則に基づいて、前記コネクタのコネクタ種別を判別し、
前記映像加工部は、前記映像データにおける前記発光位置に、前記コネクタ種別に対応した指定固有情報及び指定設定情報を重ね合わせることで前記加工映像データを作成することを特徴とする請求項11記載の制御装置。
【請求項13】
コネクタに取り付けられ、前記コネクタを特定可能な固有情報を予め記録したRFIDタグであって、所定の条件で搭載された発光素子が発光するRFIDタグと、
前記固有情報と、前記コネクタに関する設定情報とを互いに対応付けて予め記録する記録装置と、
前記RFIDタグに対して電波を照射するRFIDリーダ/ライタと、
前記RFIDタグを撮像し、映像データを取得する撮像装置と、
外部から入力された入力情報に基づいて前記RFIDリーダ/ライタを制御し、前記映像データを加工して加工映像データを作成する制御装置と、
前記加工映像データを表示する表示装置と
を具備するコネクタ識別システムに用いられるコネクタ識別プログラムであって、
前記入力情報により指定された指定固有情報及び指定設定情報を前記記録装置から読み出す処理と、
前記RFIDリーダ/ライタに前記電波により前記指定固有情報を搬送させる処理と、
前記撮像装置からの映像データを取り込む処理と、
前記映像データに基づいて前記発光素子の発光位置と発光規則とを認識する処理と、
前記発光規則に基づいて、前記コネクタのコネクタ種別を判別する処理と、
前記映像データにおける前記発光位置に、前記コネクタ種別に対応した指定固有情報及び指定設定情報を重ね合わせることで前記加工映像データを作成する処理と
を前記制御装置のコンピュータに実行させることを特徴とするコネクタ識別プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2011−67077(P2011−67077A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−217988(P2009−217988)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】