説明

コネクタ

【課題】並列して電気的に配線接続される電線の端子を備えた雄型ハウジングと雌型ハウジングとの一対を凹凸対応させる着脱部分に、その凹凸対応部の内方空間に対してロック手段を設けることにより、高さ方向を抑制して薄型化を可能にした構造を有するコネクタを提供することを目的とする。
【解決手段】並列する電線が接続された雄型ハウジングと雌型ハウジングとの互いの端子を電気的に接合対応させて、前記雄型ハウジングと雌型ハウジングとを凹凸対応させて着脱自在に設けたコネクタであって、前記雄型ハウジングと雌型ハウジングとが嵌合されている両ハウジングの嵌合状態をロック・ロック解除させるロック手段を設け、該ロック手段の形成位置を、前記両ハウジング内で並列して接合対応する端子の並列方向の空間領域に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばパチンコ機の金属球検知センサに備えられるようなコネクタに関し、さらに詳しくは電線を配線接続するコネクタ部分の高さ方向の薄型化を可能にしたコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、機器本体の高さ方向の薄型化を図る場合に、この機器本体の電気的な配線接続部分であるコネクタの接合構造が原因になって満足できる薄型化が得られなかった。
【0003】
例えば、先行出願の特許文献1に開示されている技術では、プリント基板に切欠き形成されたコ形部にコネクタハウジングを介在させ、該コネクタハウジングを若干沈み込ませた状態に取付けることによって、該コネクタハウジングの高さを抑えて電子スイッチの薄型化を図っている。
【0004】
この場合、コネクタハウジングの取付け高さを低くすれば、電子スイッチの高さ方向を薄型化することには貢献できるが、コネクタハウジング自体の薄型化は図れなかった。また、プリント基板とコネクタハウジングとの接合力が乏しく、現状ではプリント基板にコネクタハウジングを、はんだ付けすることで、電気的な接続を兼ねて接合している。
【0005】
ところが、このような接合では、接合面間の強度を十分に確保できないため、衝撃的な外力を受けた場合に外れてしまうことがあった。例えば、コネクタハウジングに対して外部より挿脱されるコネクタ(ソケット)の取扱いによって、該コネクタハウジングがプリント基板の上方に引っ張られ、プリント基板より浮き上がってはんだ付け部分が外れてしまうことがある。また、一時的に外力を受けて外れた後は、元に戻っても、はんだ付け部分が僅かに外れた時点で電気的に断線が生じ、使用不可になってしまう。
【0006】
このようなことからプリント基板とコネクタハウジングとの小さな部品間同士の接合でも強固な接合を確保することや、コネクタハウジングからコネクタを引き抜いて取外す時に引抜力が加わり難い構造とすることが要望されている。
【0007】
ことに、コネクタ部の接合に際して、特許文献1では、コネクタハウジングとコネクタとを接合する場合に、コネクタに形成した係合突起をコネクタハウジング側に押し込んで接合している。
【0008】
しかし、この場合はコネクタの係合突起が押し込まれた時に、該係合突起の接触抵抗が高まることで、コネクタハウジングとコネクタとを一体に接合している。この場合、強固な接合を要するため、コネクタを挿入させて接合する場合にコネクタの挿入方向に大きな加圧力を要し、また取外し時においても、引抜き抵抗が大きく、コネクタハウジングにコネクタを着脱する場合には好ましくなかった。
【0009】
それゆえ、コネクタハウジングに対するコネクタ(ソケット)の着脱を容易にするコネクタ接合構造の一例として、接合面間の一方に設けたロックレバーを弾性変位させることで、該ロックレバーをコネクタの接合部に係止させて接合面間をロック・ロック解除している。これにより、両コネクタ間を接合するだけでなく、その接合面間を着脱できるようにしたコネクタが知られている(例えば特許文献2参照)。
【0010】
しかし、この場合はコネクタハウジングとコネクタとが接合される両コネクタの接合部分は、上部側にロック構造が形成されることになり、下部側に配線接続用の端子が形成されることになる。このため、ロック構造と配線接続用の端子とが上下に重なって、両コネクタの接合部分の高さ方向が高くなり、コネクタの高さ方向の薄型化が図れなかった。
【0011】
ことに、コネクタは並列する電線を内部に引き込んで接続するため、並列する電線の存在によりコネクタを薄型化するには限界があり、コネクタ自体が電線の外径寸法以上の接合構造を要して高くなり、さらにこのコネクタが差し込まれるコネクタハウジングにあっても、高さ方向が局部的に大きくなり、機器本体の薄型化を図るには限界が生じていた。
【0012】
【特許文献1】特開平10−308265号公報。
【特許文献2】特開2005−100962号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこでこの発明は、並列して電気的に配線接続される電線の端子を備えた雄型ハウジングと雌型ハウジングとの一対を凹凸対応させる着脱部分に、その凹凸対応部の内方空間に対してロック手段を設けることにより、高さ方向を抑制して薄型化を可能にした構造を有するコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は、並列する電線の端子を挿入させて固定する固定孔を外端面側に有し、内端面側に、前記固定孔と連通して前記電線の端子に接続される固定端子を前記固定孔とは反対面側より挿入させる固定端子挿入孔を有する雄型ハウジングと、前記雄型ハウジングの内端面側と対応し、その対応する内端面側より雄型ハウジングを端子接続方向に挿入させる凹部を有し、該凹部内に前記電線の端子と接続対応する固定端子を有する雌型ハウジングとを設け、前記雄型ハウジングと雌型ハウジングとの互いの端子を電気的に接合対応させて、前記雄型ハウジングと雌型ハウジングとを凹凸対応させて着脱自在に設けたコネクタであって、前記雄型ハウジングと雌型ハウジングとが嵌合されている両ハウジングの嵌合状態をロック・ロック解除させるロック手段を設け、該ロック手段の形成位置を、前記両ハウジング内で並列して接合対応する端子の並列方向の空間領域に設けたコネクタであることを特徴とする。
【0015】
ここで、雄型ハウジングの外端面側とは、並列する電線を引き込んで接続する側であり、これとは反対面側の内端面側とは、雌型ハウジングの凹部に嵌合させて接続される側である。
【0016】
この発明の態様として、並列する電線の端子を挿入させて固定する固定孔を外端面側に有し、内端面側に、前記固定孔と連通して前記電線の端子に接続される固定端子を前記固定孔とは反対面側より挿入させる固定端子挿入孔と、ハウジングロック用に設けられる可動ロック部と、該可動ロック部をロック方向に弾性変位させるロックレバーとを備えた雄型ハウジングと、前記雄型ハウジングの内端面側と対応し、その対応する内端面側より雄型ハウジングを端子接続方向に挿入させる凹形状の開放空間部を有し、該凹形状の開放空間部内に前記電線の端子と接続対応する固定端子と、前記可動ロック部と対応してロックされる固定ロック部とを備えた雌型ハウジングとを設け、前記両ハウジングの互いの端子を接合させ、且つ前記ロックレバーの弾性変位に基づいて前記可動ロック部と固定ロック部とを係脱させて、前記雄型ハウジングと前記雌型ハウジングとを着脱自在に接合するコネクタであって、前記可動ロック部と前記固定ロック部とがロック対応する位置を、前記端子の並列方向の空間領域に設けて構成することができる。
【0017】
この発明の態様として、前記雌型ハウジングは、該雌型ハウジングの凹部形成された開放空間部の前記固定端子の並列方向と直交する壁面のうち、片方の壁面を開放して構成することができる。
【0018】
この発明の態様として、前記可動ロック部と前記固定ロック部とがロック対応する位置を、並列して設けられる両側の端子間の中央に形成して構成することができる。
【0019】
この発明の態様として、前記可動ロック部と前記固定ロック部とがロック対応する位置を、前記並列して設けられる両側の端子の少なくとも一側の端子より並列方向の外側位置に形成して構成することができる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、コネクタを構成する雄型ハウジングと雌型ハウジングとの嵌合状態をロック・ロック解除させるロック手段を、雄型ハウジングの内部空間に向けて設けることにより、該コネクタを薄型化することができる。
【実施例】
【0021】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて説明する。
[実施例1]
図面はコネクタの接合構造を示し、図1はコネクタベース11とソケット12との着脱対応状態を示す斜視図、図2はコネクタベース11とソケット12との着脱対応状態を下面側から見た斜視図である。
【0022】
まず、コネクタベース11は、図示しない機器本体への搭載面側に開放面13を有し、内方には一側面が開放された断面コ型状の内方空間部14を有して配線基板に一体に搭載される。この内方空間部14の断面コ型の奥部から外方の開放部に向けて左右に並列するコネクタピン15の一対が突設されている。
【0023】
これらの並列するコネクタピン15は基端側がコネクタベース11の奥部を貫通して導電金属片16に接続され、この導電金属片16が機器本体の配線基板上の配線に接続される。そして、コネクタピン15の先端側が、ここに着脱される後述するソケット12のコンタクト17(図4参照)と接触対応して電気的に接続される。
【0024】
さらに、左右に並列するコネクタピン15間の中央部下面に、内方空間部14に向けて凹型状の固定ロック溝18が形成されている。この固定ロック溝18に後述するソケット12の可動ロック部としてのロックレバー19が係脱することにより、コネクタベース11にソケット12が着脱自在にロック・ロック解除される。また、該コネクタベース11の内方空間部14の両側には、ソケット12を水平に差し込んで取付けるときに、そのソケット12の両側面を挿入ガイドする挿入ガイド溝14aを有している。さらに、コネクタベース11の開放端側の両外側面には位置決め突部14bを外向きに突設しており、コネクタベース11を機器に位置決め固定する場合に、この位置決め突部14bが位置決めされて取付けられる。
【0025】
図3はソケット12の正面図、図4はソケット12と電線20との対応状態を示す斜視図、図5はソケット12とコンタクト17と電線20との対応状態を示す斜視図である。このソケット12は、コネクタベース11の断面コ型状の内方空間部14に挿脱自在に設けられた横長の長方体を有している。この長方体の挿入面側を内端面側とし、これとは反対面側の長方体の電線接続側である外端面側より並列する電線20が引き込まれて接続される。従って、この外端面側には電線20の各先端部に接続されたコンタクト17を挿通させるためのコンタクト挿通孔21をそれぞれ開口している。そして、これらの両側のコンタクト挿通孔21間に、該ソケット12をコネクタベース11に固定するためのロックレバー19を介在させている。
【0026】
前記コンタクト挿通孔21は、前記コネクタピン15と対応する位置に並列して貫通されている。これらの貫通されている外端側に対しては、コンタクト17を先端部に有する電線20を圧入固定させるための十字形に開口する圧入固定孔21aを有し、内端側には逆方向からコネクタベース11のコネクタピン15を挿通させるための小さなコネクタピン挿通孔21bを開口している。そして、このコンタクト挿通孔21へは電線20及びコンタクト17が外方から引き込まれ、ここでコンタクト17は圧入固定されてソケット12に一体に取付けられる。また、ソケット12の差込方向の両側面には着脱ガイド用の挿入ガイド部22を有しており、これらの挿入ガイド部22が前記コネクタベース11の両側の挿入ガイド溝14aに挿入ガイドされることにより円滑に嵌合され、また円滑に取外される。
【0027】
前記ロックレバー19は、該コンタクト挿通孔21と同方向に形成されている。その形成位置はコンタクト挿通孔21間の中央部であって、この中央部には該ロックレバー19を配置するための凹型状の中央空間領域23を有し、この中央空間領域23の内端側(コネクタピン挿通孔21b側)より該ロックレバー19を立上らせ、中央空間領域23内で略水平状態に片持ち支持した逆L型状を有して、レバー外端側を中央空間領域23より外方に突出させている。
【0028】
この場合、ロックレバー19は、レバー内端部を弾性支点にして、該ロックレバー19の外端側を上下方向に弾性変位許容させて設け、ソケット12が単体の嵌合待機状態では水平な状態にある。また、レバー外端部は、外方に突出させて外方より指先で押下操作できるように突出させている。特に、ロックレバー19を凹型状の中央空間領域23に形成することにより、ソケット12内に沈み込ませて設けることができる。従って、ロックレバー19を設けても、高さ方向に局部的に大きくならず、ソケット12の高さ方向を十分に低くすることができる。
【0029】
このように、並列する電線20の中間に生じる中央空間領域23をロックレバー19の配設空間部位に有効利用することで、ロックレバー19は両側に平行する左右一対のコンタクト挿通孔21と略同高さを有して配設することができる。この結果、中央空間領域23に設けられるロックレバー19の位置を低く配置してソケット12の薄型化を図ることができる。
【0030】
さらに、ロックレバー19のレバー中間部には、前記固定ロック溝18と対向する小さなロック突起24を突設しており、このロック突起24が固定ロック溝18に凹凸対応して一体化し、この凹凸対応が係脱されることでロック・ロック解除される。このロック対応するタイミングはソケット12をコネクタベース11に差し込んで嵌合した場合、その嵌合完了する位置でロック突起24が固定ロック溝18に凹凸対応するように設定している。
【0031】
また、ロック突起24の形状は、ソケット12が挿入される挿入時のガイド面となる傾斜面と固定ロック溝18の垂直な凹型端面で係止される垂直面とからなる逆レ型状の突起に形成している。
【0032】
次に、ソケット12とコネクタベース11との着脱動作を図6の動作説明図を参照して説明する。
図6(A)はソケット12とコネクタベース11との接合前の対応状態を示している。この接合前の対応状態から、図6(B)に示すように、コネクタベース11の内方空間部14に向けてソケット12を差し込むと、ソケット12の挿入ガイド部22とコネクタベース11の挿入ガイド溝14aとが挿入方向に摺動対応して円滑に挿入される。このとき、ソケット12と一体に前進するロックレバー19のロック突起24が固定ロック溝18の開口縁部18aに押し下げられながら押し込まれる。その後、該ソケット12の嵌合完了時点でロックレバー19が固定ロック溝18内で弾性復帰することにより凹凸対応してロックされる。これにより、ソケット12がコネクタベース11に一体に取付けられる。
【0033】
一方、コネクタベース11からソケット12を取外す場合は、図6(C)に示すように、ロックレバー19の外端部を指先で押下すれば、凹凸対応していた固定ロック溝18からロック突起24が外れてロック解除され、その状態でソケット12をコネクタベース11から引き抜けば、引き抜き力が加えられたソケット12は該ソケット12の挿入ガイド部22がコネクタベース11の挿入ガイド溝14aに摺動ガイドされて、ソケット12を円滑に取外すことができる。
【0034】
このロックレバー19の形成位置は、コネクタの薄型化を図るためにソケット12の中央空間領域23に形成し、この中央空間領域23の空間領域を有効利用することにより、ソケット12の上下面が厚くならずに済み、該ソケット12を薄くしてコネクタベース11に挿入することが可能になり、ソケット12及びコネクタベース11の上下部が突出してしまうようなロック構造を有しなくなる。このため、コネクタベース11及びソケット12の高さ方向を短縮した薄型のコネクタとなる。従って、コネクタにロック構造を設けても、該コネクタの高さ方向を抑えることができ、ひいては機器本体の薄型化を図ることができる。
【0035】
このように構成されたコネクタの接合構造を金属球検知センサに適用した場合を次に説明する。
図7は金属球検知センサ71にソケット12が接続された使用状態を示す斜視図、図8は金属球検知センサ71の裏側を示す斜視図、図9は金属球検知センサ71のソケット12の接合部分を一部断面して示す側面図である。
【0036】
この金属球検知センサ71は横長の長方体状に設けられ、その横長の長方体状の一側に金属球(以下球と称す)の通過を検知するセンサ部72を有し、中間部に前記センサ部72に接続してなるセンサ回路や電子部品を実装した配線基板73を有し、他側に配線基板73に電気的に配線接続されるコネクタベース11を有している。
【0037】
金属球検知センサ71は、長方体状を有する凹型状のケース74と、該ケース74の凹型面を閉鎖する平板状のカバー75とで、球検知用の貫通孔を有するセンサ部72と配線基板73とコネクタベース11とを保持している。
【0038】
前記コネクタベース11は外端側の一側面を開放した箱形状を有し、その外周囲がケース74及びカバー75に保持されている。そして、このコネクタベース11を取付けたときの一側面の開放端側にコネクタピン15が並列して対向し、ここにソケット12が差し込まれて電気的に接続される。
【0039】
この金属球検知センサ71の使用状態について説明すると、コネクタベース11にソケット12が差し込まれ、金属球検知センサ71に電源が供給されると、センサ部72に内蔵されている図示しないコイル巻線が励磁され、センサ部72の検知位置として貫設されている貫通孔に向けて磁束を発生させることになる。これにより、金属球検知センサ71は、貫通孔で球の通過を検知する検知待機状態になる。この検知待機状態で、貫通孔に上方から下方に向けて球が通過すると、コイル巻線の磁束が乱れることに基づいて球1個の通過を検知する。
【0040】
このとき、コイル巻線側からは配線基板73の図示しない発振回路、検波回路及び出力回路等からなるセンサ回路へと導かれ、これよりソケット12を介して球検知信号が図示しない制御部へと出力され、球1個が通過されたことを確認する。この場合、コネクタベース11とソケット12との高さ方向の寸法を短縮しているため、該金属球検知センサ71の薄型化に際しても、確実に金属球検知センサ71の薄型化を実現できる。
【0041】
[実施例2]
このコネクタは実施例1のコネクタと比較して、ロック構造の位置が横方向(着脱幅方向)に異なるだけで、他の構成は同じであるため、同一の構成については同一の符号を用いて、その説明を省略する。
【0042】
図10はコネクタベース101とソケット102との着脱対応状態を示す斜視図、図11はコネクタベース101とソケット102との着脱対応状態を下面側から見た斜視図である。
【0043】
このコネクタのロック構造は、凹凸対応してロック・ロック解除する実施例1のロック構造と同じであり、コネクタに設けられるロック構造の位置と配線側の位置とを左右に分けて設けたものである。つまり、ロックレバー19と固定ロック溝18とがロック対応する位置を、着脱幅方向の一側の側方空間領域103に有し、他側の領域にコネクタピン15と、これらに対応して挿脱する左右一対のコンタクト挿通孔21を設けている。この実施例では、ロックレバー19と固定ロック溝18とがロック対応するロック構造を、並列するコンタクト挿通孔21の外側の位置(図10では右側)に形成したものである。
【0044】
この場合、コネクタベース101の内方空間部14の一側に、並列するコネクタピン15を突設させ、内方空間部14の他側に固定ロック溝18を形成している。また、コネクタベース101に挿入されるソケット102は、該ソケット102の一側に並列するコンタクト挿通孔21を形成し、他側にロックレバー19を形成している。これにより、ロック構造を配線接続部の外側に設けることができる。
【0045】
この場合も、ロック構造がコンタクト挿通孔21の側方空間領域103に形成され、ロック構造が上下方向に形成されないため、コネクタは高さ方向が短縮されて薄型になる。また、実施例1で示したコネクタと、実施例2で示したコネクタとのロック構造の位置が異なる2種類のコネクタを提供できるため、これらのコネクタを使い分けることができ、用途に適したコネクタを選択させることができる。
【0046】
[実施例3]
このコネクタは実施例1のコネクタと比較して、コネクタベースの内方空間部14の開放面13を閉鎖した点が異なるだけで、他の構成は同じであるため、同一の構成については同一の符号を用いて、その説明を省略する。
【0047】
図12はコネクタベース121とソケット12との着脱対応状態を示す斜視図である。実施例1ではコネクタベース11の内方空間部14に開放面13を形成した例を示したが、この実施例3のように開放面を閉鎖してなる閉鎖壁面122を備えて構成することもできる。この場合は、コネクタベース121の内方空間部14の上下左右の四方の周囲が閉鎖され、コネクタピンの保護性能とコネクタベース121の強度が高まる。
【0048】
この発明の構成と、上述の一実施例の構成との対応において、
この発明の電線の端子は、実施例のコンタクト17に対応し、
以下同様に、
固定孔は、圧入固定孔21aに対応し、
固定端子は、コネクタピン15に対応し、
固定端子挿入孔は、コネクタピン挿通孔21bに対応し、
雄型ハウジングは、ソケット12に対応し、
雌型ハウジングは、コネクタベース11,101に対応し、
可動ロック部は、ロック突起24に対応し、
固定ロック部は、固定ロック溝18に対応に対応するも、
この発明は上述の実施例のみに限定されるものではなく、請求項に記載された技術思想に基づいて応用することができる。
【0049】
例えば、前記実施例ではコネクタを貫通型の金属球検知センサに用いた例を示したが、これに限らず、他のセンサや機器に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施例1のコネクタベースとソケットとの着脱対応状態を示す斜視図。
【図2】実施例1のコネクタベースとソケットとの着脱対応状態を下面側から見た斜視図。
【図3】実施例1のソケットの正面図。
【図4】実施例1のソケットと電線との対応状態を示す斜視図。
【図5】実施例1のソケットとコンタクトと電線との対応状態を示す分解斜視図。
【図6】実施例1のソケットとコネクタベースとの着脱動作を示す動作説明図。
【図7】実施例1の金属球検知センサにソケットを差し込んだ嵌合状態を示す斜視図。
【図8】実施例1の金属球検知センサを示す外観斜視図。
【図9】実施例1の金属球検知センサのコネクタ部分の一部断面側面図。
【図10】実施例2のコネクタベースとソケットとの着脱対応状態を示す斜視図。
【図11】実施例2のコネクタベースとソケットとの着脱対応状態を下面側から見た斜視図。
【図12】実施例3のコネクタベースとソケットとの着脱対応状態を示す斜視図。
【符号の説明】
【0051】
11,101,121…コネクタベース
12,102…ソケット
13…開放面
14…内方空間部
15…コネクタピン
17…コンタクト
18…固定ロック溝
19…ロックレバー
20…電線
21…コンタクト挿通孔
23,103…空間領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列する電線の端子を挿入させて固定する固定孔を外端面側に有し、内端面側に、前記固定孔と連通して前記電線の端子に接続される固定端子を前記固定孔とは反対面側より挿入させる固定端子挿入孔を有する雄型ハウジングと、
前記雄型ハウジングの内端面側と対応し、その対応する内端面側より雄型ハウジングを端子接続方向に挿入させる凹部を有し、該凹部内に前記電線の端子と接続対応する固定端子を有する雌型ハウジングとを設け、
前記雄型ハウジングと雌型ハウジングとの互いの端子を電気的に接合対応させて、前記雄型ハウジングと雌型ハウジングとを凹凸対応させて着脱自在に設けたコネクタであって、
前記雄型ハウジングと雌型ハウジングとが嵌合されている両ハウジングの嵌合状態をロック・ロック解除させるロック手段を設け、
該ロック手段の形成位置を、前記両ハウジング内で並列して接合対応する端子の並列方向の空間領域に設けた
コネクタ。
【請求項2】
並列する電線の端子を挿入させて固定する固定孔を外端面側に有し、内端面側に、前記固定孔と連通して前記電線の端子に接続される固定端子を前記固定孔とは反対面側より挿入させる固定端子挿入孔と、ハウジングロック用に設けられる可動ロック部と、該可動ロック部をロック方向に弾性変位させるロックレバーとを備えた雄型ハウジングと、
前記雄型ハウジングの内端面側と対応し、その対応する内端面側より雄型ハウジングを端子接続方向に挿入させる凹形状の開放空間部を有し、該凹形状の開放空間部内に前記電線の端子と接続対応する固定端子と、前記可動ロック部と対応してロックされる固定ロック部とを備えた雌型ハウジングとを設け、
前記両ハウジングの互いの端子を接合させ、且つ前記ロックレバーの弾性変位に基づいて前記可動ロック部と固定ロック部とを係脱させて、前記雄型ハウジングと前記雌型ハウジングとを着脱自在に接合するコネクタであって、
前記可動ロック部と前記固定ロック部とがロック対応する位置を、前記端子の並列方向の空間領域に設けた
コネクタ。
【請求項3】
前記雌型ハウジングは、該雌型ハウジングの凹部形成された開放空間部の前記固定端子の並列方向と直交する壁面のうち、片方の壁面を開放してなる
請求項1または2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記可動ロック部と前記固定ロック部とがロック対応する位置を、並列して設けられる両側の端子間の中央に形成した
請求項2または3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記可動ロック部と前記固定ロック部とがロック対応する位置を、前記並列して設けられる両側の端子の少なくとも一側の端子より並列方向の外側位置に形成した
請求項2または3に記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−220422(P2007−220422A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−38191(P2006−38191)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】