説明

コネクタ

【課題】第1のコンタクトの第1電極接触部と第1接続対象物の電極との間の接触圧を確保するための技術を提供する。
【解決手段】レセプタクルコンタクト8は、レセプタクル側基板2の電極パッド12に対して接触可能な電極接触部13と、電極接触部13から延びる第1アーム14及び第2アーム15とを備える。第1アーム14及び第2アーム15の夫々は、プラグ側基板4のプラグコンタクト10に対して接触可能な第1挟持部14f及び第2挟持部15fと、電極接触部13から離れるにつれて第1アーム14と第2アーム15との間の隙間を次第に狭める第1傾斜部14b及び第2傾斜部15bとを有している。レセプタクルハウジング6には、プラグ側基板4に設けられるプラグコンタクト10によってレセプタクルコンタクト8が押し広げられた際に、第1傾斜部14b及び第2傾斜部15bが接触する第1鍔部20a及び第2鍔部20bが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術として、特許文献1は、本願の図30に示すように、第一回路部材50と第二回路部材51とを電気的に相互接続するための代替相互接続組立品52を開示している。この代替相互接続組立品52は、ハウジング53と、ハウジング53に係合された多数の接続部材54と、を含んで構成されている。ハウジング53には一対の貫通孔55が形成されている。一方、各接続部材54は、中央部分56においてつながっている一対のビーム57を有する概ねU字型の構造となっている。そして、各接続部材54は、一対のビーム57を一対の貫通孔55に挿入することで、ハウジング53にスナップ嵌めの関係で係合されるようになっている。特許文献1において各接続部材54の中央部分56の第二境界部分58は、第二回路部材51に対して、例えば半田、圧縮力、又はそれらの組み合わせを用いて電気的に係合するとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2008−527649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の代替相互接続組立品52には、接続部材54の中央部分56の第二境界部分58と、第二回路部材51との電気的な係合に関して改善の余地が残されている。
【0005】
本願発明の目的は、第1のコンタクト(接続部材54に相当。)の第1電極接触部(中央部分56に相当。)と第1接続対象物(第二回路部材51に相当。)の電極との間の接触圧を確保するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明の第1の観点によれば、第1接続対象物に搭載される第1のハウジングと、前記第1のハウジングを貫通するように前記第1のハウジングに形成されたコンタクト収容室に収容される第1のコンタクトと、を有し、前記第1接続対象物と第2接続対象物との電気的接続を実現するためのコネクタは、以下のように構成されている。即ち、前記第1のコンタクトは、前記第1接続対象物に形成された電極に対して接触可能な第1電極接触部と、前記第1電極接触部から延びる第1の腕部及び第2の腕部とを備えて構成される。前記第1の腕部及び前記第2の腕部の夫々は、前記第2接続対象物の第2のコンタクトに対して接触可能な第2電極接触部と、前記第1電極接触部から離れるにつれて前記第1の腕部と前記第2の腕部との間の隙間を次第に狭める傾斜部とを有する。前記第1のハウジングには、前記第2接続対象物に設けられる第2のコンタクトによって前記第1のコンタクトが押し広げられた際に、前記傾斜部が接触する鍔部が形成されている。
【0007】
好ましくは、前記コンタクト収容室の内壁面には、前記第1の腕部と前記第2の腕部との間に配置されるコンタクト保持部が形成されている。
【0008】
好ましくは、前記コンタクト保持部は、前記第1のコンタクトの前記第1電極接触部が、前記コンタクト保持部を乗り越えることができるように形成されている。
【0009】
好ましくは、前記コンタクト収容室には、前記第1のコンタクトが複数収容されている。
【0010】
好ましくは、前記複数の第1のコンタクトは、相互に連結されている。
【0011】
好ましくは、前記複数の第1のコンタクトは、相互に電気的に連結されている。
【0012】
好ましくは、前記第1のコンタクトは、断面略円形状である。
【0013】
好ましくは、前記第1のコンタクトは、断面略矩形状である。
【0014】
好ましくは、前記第1接続対象物は基板である。
【0015】
好ましくは、前記第2接続対象物は基板である。
【0016】
本願発明の第2の観点によれば、第1接続対象物に搭載される第1のハウジングと、前記第1のハウジングを貫通するように前記第1のハウジングに形成されたコンタクト収容室に収容される第1のコンタクトと、を有する第1のコネクタと、第2接続対象物に搭載される第2のハウジングと、前記第2のハウジングに支持される第2のコンタクトと、を有する第2のコネクタと、を備え、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタを結合することで、前記第1接続対象物と前記第2接続対象物との電気的接続を実現するコネクタシステムは、以下のように構成されている。即ち、前記第1のコンタクトは、前記第1接続対象物に形成された電極に対して接触可能な第1電極接触部と、前記第1電極接触部から延びる第1の腕部及び第2の腕部とを備えて構成される。前記第1の腕部及び前記第2の腕部の夫々は、前記第2接続対象物の第2のコンタクトに対して接触可能な第2電極接触部と、前記第1電極接触部から離れるにつれて前記第1の腕部と前記第2の腕部との間の隙間を次第に狭める傾斜部とを有する。前記第1のハウジングには、前記第2のコンタクトによって前記第1のコンタクトが押し広げられた際に、前記傾斜部が接触する鍔部が形成されている。
【0017】
好ましくは、前記第2のコンタクトは、前記第1のコンタクトの前記第1の腕部と前記第2の腕部との間に挿入可能な略ピン形状である。
【0018】
好ましくは、前記第1のコンタクトは、前記コンタクト収容室内における位置又は姿勢を変化させることができるように前記コンタクト収容室内に収容されている。
【発明の効果】
【0019】
本願発明によれば、前記第2のコンタクトによって前記第1のコンタクトが押し広げられると、前記傾斜部が前記鍔部に対して接触する。この接触で前記傾斜部が前記鍔部から受ける反作用力によって、前記第1電極接触部は前記第1接続対象物の前記電極に向かって押し付けられる。従って、以上の構成によれば、前記第2のコンタクトによって前記第1のコンタクトが押し広げられた際に、前記第1電極接触部と前記第1接続対象物の前記電極との間に接触圧が発生する構成が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本願発明の第1実施形態に係るレセプタクルコネクタの結合側から見た斜視図である。
【図2】図2は、基板対基板コネクタの結合状態を示す斜視図である。
【図3】図3(a)はレセプタクルコンタクトの斜視図であり、図3(b)はレセプタクルハウジングの結合側から見た斜視図である。
【図4】図4(a)はレセプタクルコンタクトの斜視図であり、図4(b)はレセプタクルコンタクトの正面図である。
【図5】図5は、レセプタクルハウジングの結合側から見た一部切り欠き斜視図である。
【図6】図6(a)は図5の6A-6A線矢視断面図であり、図6(b)は図5の6B-6B線矢視断面図である。
【図7】図7(a)は図6(a)の部分図であり、図7(b)は図6(b)の部分図である。図7(a)及び図7(b)は何れも、レセプタクルコネクタの組立説明図である。
【図8】図8(a)は図6(a)の部分図であり、図8(b)は図6(b)の部分図である。図8(a)及び図8(b)は何れも、レセプタクルコネクタの組立説明図である。
【図9】図9(a)は図6(a)の部分図であり、図9(b)は図6(b)の部分図である。図9(a)及び図9(b)は何れも、レセプタクルコネクタの組立説明図である。
【図10】図10(a)は図6(a)の部分図であり、図10(b)は図6(b)の部分図である。図10(a)及び図10(b)は何れも、レセプタクルコネクタの組立説明図である。
【図11】図11(a)はレセプタクルハウジングの結合側から見た一部切り欠き斜視図であり、図11(b)はレセプタクルコネクタの結合側から見た斜視図である。
【図12】図12は、プラグコネクタの結合側から見た斜視図である。
【図13】図13(a)はプラグコンタクトの斜視図であり、図13(b)はプラグハウジングの結合側から見た斜視図である。
【図14】図14(a)は図12の14A-14A線矢視断面図であり、図14(b)は図11(b)の14B-14B線矢視断面図である。
【図15】図15は、基板対基板コネクタの結合状態を示す断面図である。
【図16】図16は、図15の部分拡大図である。
【図17】図17(a)はプラグコンタクトとレセプタクルコンタクトとの結合状態を示す斜視図であり、図17(b)は図17(a)の17B-17B線矢視断面図である。
【図18】図18は、本願発明の第2実施形態に係るレセプタクルコネクタの断面図である。
【図19】図19は、本願発明の第3実施形態に係るレセプタクルコネクタの結合側から見た斜視図である。
【図20】図20は、レセプタクルコンタクトの斜視図である。
【図21】図21は、レセプタクルハウジングの結合側から見た一部切り欠き斜視図である。
【図22】図22(a)及び図22(b)は、レセプタクルコネクタの組立説明図である。
【図23】図23(a)及び図23(b)、図23(c)は、本願発明の第4実施形態に係るレセプタクルコネクタの組立説明図である。
【図24】図24は、本願発明の第5実施形態に係るレセプタクルコネクタの結合側から見た斜視図である。
【図25】図25は、本願発明の第6実施形態に係るレセプタクルコネクタの結合側から見た斜視図である。
【図26】図26は、本願発明の第7実施形態に係るプラグコンタクトの斜視図である。
【図27】図27は、基板対基板コネクタの断面図である。
【図28】図28は、基板対基板コネクタの作動説明図である。
【図29】図29は、基板対基板コネクタの作動説明図である。
【図30】特許文献1の図11に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
以下、図1〜17を参照しつつ、本願発明の第1実施形態を説明する。
【0022】
図1及び図2に示すように、本実施形態において基板対基板コネクタ1(コネクタシステム)は、例えばPCB(Printed Circuit Board)やPWB(Printed Wiring Board)、FPC(Flexible Printed Circuits)、FFC(Flexible Flat Cable)などのレセプタクル側基板2(第1接続対象物)に搭載されて用いられるレセプタクルコネクタ3(コネクタ、第1のコネクタ)と、例えばPCBやPWB、FPC、FFCなどのプラグ側基板4(第2接続対象物)に搭載されて用いられるプラグコネクタ5(第2のコネクタ)とを備え、レセプタクルコネクタ3とプラグコネクタ5を結合することで、レセプタクル側基板2とプラグ側基板4との電気的接続を実現するものである。
【0023】
図1及び図2に示すように、レセプタクルコネクタ3は、レセプタクル側基板2に搭載されるレセプタクルハウジング6(第1のハウジング)と、レセプタクル側基板2のコネクタ搭載面2aと略直交する方向でレセプタクルハウジング6を貫通するようにレセプタクルハウジング6に形成されたコンタクト収容室7に収容されるレセプタクルコンタクト8(第1のコンタクト)とを有して構成されている。
【0024】
図2に示すように、プラグコネクタ5は、プラグ側基板4に搭載されるプラグハウジング9(第2のハウジング)と、プラグハウジング9に支持されるプラグコンタクト10(第2のコンタクト)とを有して構成されている。
【0025】
(レセプタクルコネクタ3)
以下、図3(a)〜図11(b)を参照しつつ、レセプタクルコネクタ3を説明する。図3(b)や図5、図6(a)、図6(b)に示すように、レセプタクルハウジング6には、合計で10個のコンタクト収容室7が2列を成して形成されている。そして、各コンタクト収容室7には、図1や図3(a)、図4(a)、図11(a)、図11(b)に示すように、3本のレセプタクルコンタクト8が収容されている。
【0026】
(レセプタクルコンタクト8)
図4(a)及び図4(b)に示すように、各レセプタクルコンタクト8は、例えば直径が0.2〜2.0mm程度のマイクロワイヤを折り曲げて形成されており、レセプタクル側基板2のコネクタ搭載面2aに形成された電極パッド12(電極)に対して接触可能な電極接触部13(第1電極接触部)と、電極接触部13に接続され、レセプタクル側基板2のコネクタ搭載面2aから離れる方向へ延びる第1アーム14(第1の腕部)及び第2アーム15(第2の腕部)とを備えて構成されている。
【0027】
第1アーム14は、第1挿入ガイド部14aと、第1傾斜部14bと、第1プラグコンタクトガイド部14cと、第1フック部14dとから構成されている。同様に、第2アーム15は、第2挿入ガイド部15aと、第2傾斜部15bと、第2プラグコンタクトガイド部15cと、第2フック部15dとから構成されている。
【0028】
第1挿入ガイド部14aと第2挿入ガイド部15aは、電極接触部13を挟むように電極接触部13に接続し、レセプタクル側基板2のコネクタ搭載面2aから離れるにつれて第1アーム14と第2アーム15との間の隙間を次第に広げるように略V字状に傾斜して形成されている。
【0029】
第1傾斜部14b及び第2傾斜部15bは、第1挿入ガイド部14a及び第2挿入ガイド部15aに対して夫々接続し、レセプタクル側基板2のコネクタ搭載面2aから離れるにつれて第1アーム14と第2アーム15との間の隙間を次第に狭めるように略逆V字状に傾斜して形成されている。
【0030】
図4(b)に示すように、電極接触部13と第1挿入ガイド部14a、第2挿入ガイド部15a、第1傾斜部14b、第2傾斜部15bは、レセプタクルコンタクト8の正面視で略菱形状に配置されている。
【0031】
第1プラグコンタクトガイド部14c及び第2プラグコンタクトガイド部15cは、第1傾斜部14b及び第2傾斜部15bに対して夫々接続し、レセプタクル側基板2のコネクタ搭載面2aから離れるにつれて第1アーム14と第2アーム15との間の隙間を次第に広げるように傾斜して形成されている。
【0032】
第1フック部14d及び第2フック部15dは、第1プラグコンタクトガイド部14c及び第2プラグコンタクトガイド部15cに対して夫々接続し、互いに離れる方向へ延びて形成されている。
【0033】
従って、図4(a)及び図4(b)に示すように、レセプタクルコンタクト8は、略ひ字型状(略逆Ω字型状)に形成されていると言える。
【0034】
以下、説明の便宜上、第1挿入ガイド部14aと第1傾斜部14bとの境界部を第1隆起部14eと称する。第2挿入ガイド部15aと第2傾斜部15bとの境界部を第2隆起部15eと称する。第1傾斜部14bと第1プラグコンタクトガイド部14cとの境界部を第1挟持部14f(第2電極接触部)と称する。第2傾斜部15bと第2プラグコンタクトガイド部15cとの境界部を第2挟持部15f(第2電極接触部)と称する。第1プラグコンタクトガイド部14cと第1フック部14dとの境界部を頂部14gと称する。第2プラグコンタクトガイド部15cと第2フック部15dとの境界部を頂部15gと称する。
【0035】
(レセプタクルハウジング6)
図1や図2、図3(b)に示すように、レセプタクルハウジング6の四方には、レセプタクルハウジング6をレセプタクル側基板2のコネクタ搭載面2aに固定するための半田付け端子16がインサートモールド成形により設けられている。各半田付け端子16は、図2に示すようにレセプタクル側基板2のコネクタ搭載面2aに形成された固定パッド17に対して半田付けにより固定される。また、図1及び図3(b)、図5に示すように、レセプタクルハウジング6の上面6aには、レセプタクルコネクタ3とプラグコネクタ5との位置決め用の位置決めピン18が2つ形成されている。
【0036】
図5に示すように各コンタクト収容室7は、図5及び図6(a)、図6(b)に示すように、幅広な第1幅広内壁面7a(内壁面)と、第1幅広内壁面7aの対向面である第2幅広内壁面7bと、第1幅広内壁面7a及び第2幅広内壁面7bに対して直交する第1幅狭内壁面7c及び第2幅狭内壁面7dとによって構成されている。
【0037】
そして、図5、図6(b)、図8(a)に示すように、コンタクト収容室7の第1幅広内壁面7aには、第1アーム14と第2アーム15との間に配置されるバンプ19(コンタクト保持部)が形成されている。詳しくは、バンプ19は、コンタクト収容室7の第1幅広内壁面7aから第2幅広内壁面7bに向かって突出する。このバンプ19は、図8(a)に示すように、レセプタクルコンタクト8の第1アーム14と第2アーム15との間に突出している。また、図6(b)に示すように、バンプ19は、第1幅広内壁面7aに接続する傾斜面19aと、傾斜面19aに接続し、第2幅広内壁面7bに対して平行な垂直面19bと、垂直面19bと第1幅広内壁面7aに対して接続し、レセプタクルハウジング6の上面6aと平行な水平面19cと、を有する。更に、バンプ19は、図7(b)及び図8(b)に示すようにレセプタクルコンタクト8の電極接触部13が、レセプタクル側基板2のコネクタ搭載面2aと略直交する方向(即ち、レセプタクルハウジング6の上面6aと略直交する方向)で、バンプ19を乗り越えることができるように形成されている。具体的には、コンタクト収容室7の第1幅広内壁面7aの対向面である第2幅広内壁面7bとバンプ19との間には、レセプタクルコンタクト8の電極接触部13が通過可能な隙間gが形成されている。
【0038】
図6(a)に示すように、レセプタクルハウジング6の上面6a近傍には、第1幅狭内壁面7cから第2幅狭内壁面7dへ向かって突出して形成される第1鍔部20aが形成されている。同様に、レセプタクルハウジング6の上面6a近傍には、第2幅狭内壁面7dから第1幅狭内壁面7cへ向かって突出して形成される第2鍔部20bが形成されている。
【0039】
次に、図7(a)〜図11(b)を参照しつつ、レセプタクルコネクタ3について説明する。
【0040】
先ず、図7(a)及び図7(b)に示すようにレセプタクルコンタクト8を電極接触部13側からコンタクト収容室7の上面6a側開口に挿入していく。すると、図7(a)に示す第1挿入ガイド部14aと第2挿入ガイド部15aが第1鍔部20aと第2鍔部20bに夫々接触し、第1アーム14と第2アーム15が近接するようにレセプタクルコンタクト8が弾性変形する。レセプタクルコンタクト8をコンタクト収容室7へ更に挿入していくと、やがて、第1隆起部14e及び第2隆起部15eが第1鍔部20a及び第2鍔部20bを夫々乗り越えて、図8(a)に示すようにレセプタクルコンタクト8はコンタクト収容室7に収容される。このとき、図7(b)に示すように第2幅広内壁面7bとバンプ19との間には十分な隙間gが形成されているので、レセプタクルコンタクト8の電極接触部13は、問題なく、第2幅広内壁面7bとバンプ19との間を通過する。
【0041】
図8(a)及び図8(b)に示すようにレセプタクルコンタクト8がコンタクト収容室7内に収容された状態で、レセプタクルコンタクト8の電極接触部13はコンタクト収容室7外へ若干はみ出ており、レセプタクルコンタクト8の第1フック部14d及び第2フック部15dは、コンタクト収容室7外に位置している。
【0042】
また、図8(a)に示すようにレセプタクルコンタクト8は、コンタクト収容室7内における位置又は姿勢を変化させることができるようにコンタクト収容室7内に収容されている。具体的には、レセプタクルコンタクト8は、コンタクト収容室7内に収容された状態で、レセプタクル側基板2のコネクタ搭載面2aの面方向(即ち、レセプタクルハウジング6の上面6aの面方向)や、レセプタクル側基板2のコネクタ搭載面2aに対して略直交する方向(即ち、レセプタクルハウジング6の上面6aに対して略直交する方向)に位置を若干変化させることができるようになっている。また、レセプタクルコンタクト8は、コンタクト収容室7内に収容された状態で、バンプ19まわりに僅かに回転できるようになっている。端的に言えば、レセプタクルコンタクト8は、コンタクト収容室7内に遊びを持って収容されている。
【0043】
なお、図8(b)に示すように、コンタクト収容室7に収容したレセプタクルコンタクト8は、極力、コンタクト収容室7の第1幅広内壁面7aに寄せておく。
【0044】
次に、図9(a)及び図9(b)に示すように、図7(a)及び図7(b)と全く同じ要領で、2本目のレセプタクルコンタクト8を電極接触部13側からコンタクト収容室7の上面6a側開口に挿入していく。
【0045】
そして、図10(a)及び図10(b)に示すように、一つのコンタクト収容室7に3つのレセプタクルコンタクト8を挿入する。
【0046】
図11(a)には、コンタクト収容室7に3つのレセプタクルコンタクト8が収容された状態が斜視図で示されている。図11(b)に示すようにすべてのコンタクト収容室7に夫々3本ずつレセプタクルコンタクト8を収容した時点でレセプタクルコネクタ3が完成する。図11(a)に示すように、バンプ19は、一度コンタクト収容室7に収容したレセプタクルコンタクト8の抜け止めとしての役割を有する。
【0047】
(プラグコネクタ5)
以下、図12〜図13(b)を参照しつつ、プラグコネクタ5を説明する。図12や図13(a)、図13(b)に示すように、プラグハウジング9には、合計で10個のプラグコンタクト10が2列を成してインサートモールド成形により設けられている。各プラグコンタクト10は、略円柱状(略ピン形状)に形成されており、先端に丸みを帯びている。また、プラグハウジング9には、レセプタクルコネクタ3とプラグコネクタ5との位置決め用の位置決め孔21が2つ形成されている。更に、プラグハウジング9の四方には、プラグハウジング9をプラグ側基板4のコネクタ搭載面4a(図14(a)参照)に固定するための半田付け端子22がインサートモールド成形により設けられている。
【0048】
(作動)
以下、図14(a)〜図17(b)を参照しつつ、基板対基板コネクタ1の作動を説明する。
【0049】
先ず、図14(a)に示すようにプラグ側基板4のコネクタ搭載面4aにプラグコネクタ5を搭載すると共に、図14(b)に示すようにレセプタクル側基板2のコネクタ搭載面2aにレセプタクルコネクタ3を搭載する。図14(b)に示す状態で、レセプタクルコンタクト8の電極接触部13は、レセプタクル側基板2のコネクタ搭載面2aに形成されている電極パッド12に対してレセプタクルコンタクト8の自重によって軽く接触している。
【0050】
次に、図1に示す位置決めピン18を図12に示す位置決め孔21に挿入してプラグコネクタ5をレセプタクルコネクタ3に対して位置決めした上で、図15に示すように、ピン形状のプラグコンタクト10をコンタクト収容室7に挿入する。すると、図15に示すようにプラグコンタクト10によってレセプタクルコンタクト8が押し広げられ、図16に示すように第1傾斜部14b及び第2傾斜部15bが第1鍔部20a及び第2鍔部20bに対して夫々接触する。詳しくは、第1傾斜部14b及び第2傾斜部15bは、第1鍔部20a及び第2鍔部20bに対して、バンプ19から第1鍔部20a及び第2鍔部20bに向かって、夫々接触する。更に、プラグコンタクト10をコンタクト収容室7へ挿入すると、第1挟持部14fと第2挟持部15fがプラグコンタクト10に対して接触し、第1挟持部14fと第2挟持部15fによってプラグコンタクト10が挟持されると共に、第1傾斜部14b及び第2傾斜部15bが第1鍔部20a及び第2鍔部20bに対して夫々強く接触する。この結果、第1傾斜部14b及び第2傾斜部15bは、第1鍔部20a及び第2鍔部20bから反作用力Fを受ける。反作用力Fは、レセプタクル側基板2のコネクタ搭載面2aの面方向に対して平行な水平反作用力F1と、レセプタクル側基板2のコネクタ搭載面2aに対して直交する垂直反作用力F2とに分解することができる。このうち、垂直反作用力F2によって、レセプタクルコンタクト8の電極接触部13は、レセプタクル側基板2の電極パッド12に向かって押付力F3(=垂直反作用力F2×2)で押し付けられる。
【0051】
また、図17(a)に示すように本実施形態において1つのコンタクト収容室7には3つのレセプタクルコンタクト8が収容されている。また、3つのレセプタクルコンタクト8は、相互に全く連結されておらず、コンタクト収容室7内で別個独立して自在に弾性変形できるようになっている。従って、図17(a)に示すようにプラグコンタクト10をレセプタクルコンタクト8の第1アーム14と第2アーム15の間に挿入すると、図17(b)に示すように、3つの第1挟持部14fと3つの第2挟持部15fがプラグコンタクト10を包み込むようにプラグコンタクト10の外周面に対して接触することになる。
【0052】
(まとめ)
(1)以上説明したように本実施形態において、レセプタクル側基板2に搭載されるレセプタクルハウジング6と、レセプタクル側基板2のコネクタ搭載面2aと略直交する方向でレセプタクルハウジング6を貫通するようにレセプタクルハウジング6に形成されたコンタクト収容室7に収容されるレセプタクルコンタクト8と、を有し、レセプタクル側基板2とプラグ側基板4との電気的接続を実現するためのレセプタクルコネクタ3は、以下のように構成されている。即ち、図4(b)及び図16に示すように、レセプタクルコンタクト8は、レセプタクル側基板2のコネクタ搭載面2aに形成された電極パッド12に対して接触可能な電極接触部13と、電極接触部13に接続され、レセプタクル側基板2のコネクタ搭載面2aから離れる方向へ延びる第1アーム14及び第2アーム15とを備えて構成されている。第1アーム14及び第2アーム15の夫々は、プラグ側基板4のプラグコンタクト10に対して接触可能な第1挟持部14f及び第2挟持部15fと、レセプタクル側基板2のコネクタ搭載面2aから離れるにつれて第1アーム14と第2アーム15との間の隙間を次第に狭める第1傾斜部14b及び第2傾斜部15bとを有している。レセプタクルハウジング6には、プラグ側基板4に設けられるプラグコンタクト10によってレセプタクルコンタクト8が押し広げられた際に、第1傾斜部14b及び第2傾斜部15bが接触する第1鍔部20a及び第2鍔部20bが形成されている。◆以上の構成で、プラグコンタクト10によってレセプタクルコンタクト8が押し広げられると、第1傾斜部14b及び第2傾斜部15bが第1鍔部20a及び第2鍔部20bに対して夫々接触する。この接触で第1傾斜部14b及び第2傾斜部15bが第1鍔部20a及び第2鍔部20bから受ける反作用力Fによって、電極接触部13はレセプタクル側基板2の電極パッド12に向かって押し付けられる。従って、以上の構成によれば、プラグコンタクト10によってレセプタクルコンタクト8が押し広げられた際に、電極接触部13とレセプタクル側基板2の電極パッド12との間に接触圧が発生する構成が実現される。
【0053】
(2)また、図11(a)に示すように、コンタクト収容室7の第1幅広内壁面7aには、第1アーム14と第2アーム15との間に配置されるバンプ19が形成されている。◆以上の構成によれば、コンタクト収容室7内におけるレセプタクルコンタクト8のバタツキが抑制される。
【0054】
(3)また、図17(a)に示すように、コンタクト収容室7には、レセプタクルコンタクト8が複数収容されている。◆以上の構成によれば、複数のレセプタクルコンタクト8と、プラグコンタクト10との間で複数の接触点が形成されるので、レセプタクル側基板2とプラグ側基板4との電気的接続が一層高い信頼性で実現される。
【0055】
(4)また、図8(b)に示すように、レセプタクルコンタクト8は、コンタクト収容室7内における位置又は姿勢を変化させることができるようにコンタクト収容室7内に収容されている。◆以上の構成によれば、レセプタクルコネクタ3とプラグコネクタ5とを結合する際にレセプタクルコンタクト8とプラグコンタクト10とが多少芯ズレしていても、レセプタクルコンタクト8のコンタクト収容室7内における位置又は姿勢の変化により、上記の芯ズレを吸収して解消することができる。
【0056】
以上に本願発明の好適な第1実施形態を説明したが、上記第1実施形態は例えば以下のように変更できる。
【0057】
上記第1実施形態においてレセプタクルコンタクト8は、断面略円形状のマイクロワイヤとしたが、これに代えて、断面略矩形状のマイクロワイヤとしてもよい。マイクロワイヤは、全体が絶縁体によって被覆されており必要に応じて部分的に金属肌が露出するように構成してもよいし、一切被覆せず全体に亘って金属肌が露出するように構成してもよい。マイクロワイヤを絶縁体で被覆する前者の場合においては、レセプタクルハウジング6を樹脂製に限らず金属製とすることができる。
【0058】
(第2実施形態)
次に、図18を参照しつつ、本願発明の第2実施形態を説明する。ここでは、本実施形態が上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、重複する説明は適宜省略する。また、上記第1実施形態の各構成要素に対応する構成要素には原則として同一の符号を付すこととする。
【0059】
本実施形態においてバンプ19は、第1幅広内壁面7aに接続する傾斜梁23と、傾斜梁23に接続し、レセプタクルハウジング6の上面6aの面方向に対して平行に延びる水平梁24とによって構成されている。図18の(a)〜(e)にレセプタクルコネクタ3の組立の様子を示している。図18の(b)に示すように本実施形態のバンプ19は弾性変形できるようになっている。なお、第1幅広内壁面7aには、バンプ19が図18の(b)に示すように弾性変形した際に水平梁24が進入可能な進入孔25が形成されている。この構成によりレセプタクルコンタクト8がバンプ19と第2幅広内壁面7bの間を通過する際挿入が容易となり取り外しが困難となるため、レセプタクルコンタクト8の抜け防止となる。また、第1実施形態で説明したレセプタクルコンタクト8の電極接触部13の接触圧や、レセプタクルコンタクト8自身のバタツキ抑制に関する効果は、本実施形態においても問題なく発揮される。
【0060】
(第3実施形態)
次に、図19〜図22を参照しつつ、本願発明の第3実施形態を説明する。ここでは、本実施形態が上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、重複する説明は適宜省略する。また、上記第1実施形態の各構成要素に対応する構成要素には原則として同一の符号を付すこととする。
【0061】
図19にはレセプタクルコネクタ3の斜視図を示し、図20には1つのコンタクト収容室7に収容される3本のレセプタクルコンタクト8を斜視で示している。
【0062】
上記第1実施形態では、1つのコンタクト収容室7に収容される3本のレセプタクルコンタクト8は相互に全く連結されていないとした。しかし、本実施形態において、図20に示す3本のレセプタクルコンタクト8は、夫々溶接等の接続手段により相互に電気的に連結されている。
【0063】
また、図21に示すように、本実施形態のプラグハウジング9には、図5に示すバンプ19が一切形成されていない。
【0064】
以上の構成のレセプタクルコネクタ3を組み立てるには、図22(a)及び図22(b)に示すように、予め相互に連結した3本のレセプタクルコンタクト8をコンタクト収容室7に電極接触部13側から強く押し込んで挿入すればよい。
【0065】
(まとめ)
(5)以上説明したように本実施形態において複数のレセプタクルコンタクト8は、相互に連結されている。◆以上の構成によれば、コンタクト収容室7内における複数のレセプタクルコンタクト8のバタツキを抑制することができる。
【0066】
(第4実施形態)
次に、図23(a)〜図23(c)を参照しつつ、本願発明の第4実施形態を説明する。ここでは、本実施形態が上記第3実施形態と異なる点を中心に説明し、重複する説明は適宜省略する。また、上記第3実施形態の各構成要素に対応する構成要素には原則として同一の符号を付すこととする。
【0067】
本実施形態のレセプタクルハウジング6には、相互に連結された3本のレセプタクルコンタクト8がレセプタクル側基板2から離れる方向へコンタクト収容室7から抜け出てしまうのを防止する抜去阻止片26が形成されている。この抜去阻止片26は、コンタクト収容室7の第1幅広内壁面7aから突出してレセプタクル側基板2側へ傾いて形成されている。図23(a)には、相互に連結された3本のレセプタクルコンタクト8をコンタクト収容室7に挿入している途中の状態を示している。図23(b)には、相互に連結された3本のレセプタクルコンタクト8が抜去阻止片26を乗り越える様子を示している。図23(b)に示すように、相互に連結された3本のレセプタクルコンタクト8が抜去阻止片26を乗り越えるとき、抜去阻止片26は弾性変形し、抜去阻止片26とコンタクト収容室7の第2幅広内壁面7bとの間の隙間が広がるようになっている。図23(c)には、相互に連結された3本のレセプタクルコンタクト8をコンタクト収容室7に挿入し終えた様子を示している。
【0068】
(第5実施形態)
次に、図24を参照しつつ、本願発明の第5実施形態を説明する。ここでは、本実施形態が上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、重複する説明は適宜省略する。また、上記第1実施形態の各構成要素に対応する構成要素には原則として同一の符号を付すこととする。
【0069】
上記第1実施形態において1つのコンタクト収容室7に収容されるレセプタクルコンタクト8は3本であるとした。しかし、これに代えて、本実施形態では、1つのコンタクト収容室7に収容されるレセプタクルコンタクト8は2本としている。なお、1つのコンタクト収容室7に収容されるレセプタクルコンタクト8を相互に連結するか否かは任意に決定することができる。
【0070】
(第6実施形態)
次に、図25を参照しつつ、本願発明の第6実施形態を説明する。ここでは、本実施形態が上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、重複する説明は適宜省略する。また、上記第1実施形態の各構成要素に対応する構成要素には原則として同一の符号を付すこととする。
【0071】
上記第1実施形態において1つのコンタクト収容室7に収容されるレセプタクルコンタクト8は3本であるとした。しかし、これに代えて、本実施形態では、1つのコンタクト収容室7に収容されるレセプタクルコンタクト8は1本としている。
【0072】
(第7実施形態)
次に、図26〜図29を参照しつつ、本願発明の第7実施形態を説明する。ここでは、本実施形態が上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、重複する説明は適宜省略する。また、上記第1実施形態の各構成要素に対応する構成要素には原則として同一の符号を付すこととする。
【0073】
上記第1実施形態において、基板対基板コネクタ1は、図2に示すようにレセプタクルコネクタ3とプラグコネクタ5によって構成されているとした。しかし、これに代えて、本実施形態では、図26に示すようにプラグ側基板4にはプラグコネクタ5が搭載されておらず、図27に示すように基板対基板コネクタ1は、レセプタクルコネクタ3のみによって構成されている。
【0074】
図26に示すようにプラグ側基板4のコネクタ搭載面4aには、合計10個の電極パッド27(第2のコンタクト)が2列に並んで形成されている。各電極パッド27は、図27及び図28に示すように、対応するレセプタクルコンタクト8の頂部14g(第2電極接触部)及び頂部15g(第2電極接触部)と接触できるように幅広に形成されている。この構成で、図28に示すように電極パッド27をレセプタクルコンタクト8に対して押し付けると、頂部14gは電極パッド27から荷重F5を受け、頂部15gは電極パッド27から荷重F6を受ける。このようにレセプタクルコンタクト8が電極パッド27から荷重F5及び荷重F6を受けることで、レセプタクルコンタクト8の電極接触部13は、押付力F7(=F5+F6)で電極パッド12に対して押し付けられることになる。
【0075】
続けて、電極パッド27をレセプタクルコンタクト8に対して押し付けると、図28において太線矢印で示すようにレセプタクルコンタクト8は押し広げられ、やがて、図29に示すように第1傾斜部14b及び第2傾斜部15bが第1鍔部20a及び第2鍔部20bに対して夫々強く接触する。この結果、第1傾斜部14b及び第2傾斜部15bは、第1鍔部20a及び第2鍔部20bから反作用力Fを受ける。反作用力Fは、レセプタクル側基板2のコネクタ搭載面2aの面方向に対して平行な水平反作用力F1と、レセプタクル側基板2のコネクタ搭載面2aに対して直交する垂直反作用力F2とに分解することができる。このうち、垂直反作用力F2によって、レセプタクルコンタクト8の電極接触部13は、レセプタクル側基板2の電極パッド12に向かって押し付けられる。即ち、レセプタクルコンタクト8の電極接触部13は、レセプタクル側基板2の電極パッド12に向かって、押付力F8(=F2+F2+F5+F6)によって強力に押し付けられることになる。
【0076】
以上に本願発明の好適な実施形態を説明したが、上記各実施形態は例えば以下のように変更できる。
【0077】
即ち、コンタクト収容室7の総数や列数については適宜に増減することができる。
【0078】
また、第1実施形態において、第7実施形態の電極パッド27を追加してもよい。
【0079】
また、第1実施形態において、第1接続対象物はレセプタクル側基板2とし、第2接続対象物はプラグ側基板4とした。しかし、これに代えて、第1接続対象物は電極板やコンタクトであってもよい。同様に、第2接続対象物は電極板やコンタクトであってもよい。
【0080】
また、第1実施形態に係る構成によれば、以下の作用効果が奏されるとした。即ち、例えば図16に示すように、プラグコンタクト10によってレセプタクルコンタクト8が押し広げられると、第1傾斜部14b及び第2傾斜部15bが第1鍔部20a及び第2鍔部20bに対して夫々接触する。この接触で第1傾斜部14b及び第2傾斜部15bが第1鍔部20a及び第2鍔部20bから受ける反作用力Fによって、電極接触部13はレセプタクル側基板2の電極パッド12に向かって押し付けられる。従って、以上の構成によれば、プラグコンタクト10によってレセプタクルコンタクト8が押し広げられた際に、電極接触部13とレセプタクル側基板2の電極パッド12との間に接触圧が発生する構成が実現される。また、第1実施形態は、例えば図2に示すように、第1接続対象物としてのレセプタクル側基板2と、第2接続対象物としてのプラグ側基板4とが、若干の間隔をあけて互いに向かい合っていることを前提とした実施形態である。しかし、これに代えて、第1接続対象物としてのレセプタクル側基板2と、第2接続対象物としてのプラグ側基板4とが互いに向かい合うことなく、略同一平面上に若干の間隔をあけて面方向に隣り合っている場合であっても、第1実施形態によって奏される上記の作用効果は同様に問題なく発揮されることになる。この場合は、レセプタクル側基板2とプラグ側基板4とが略同一平面上に隣り合うこととの兼ね合いから、前記のレセプタクルコンタクト8のレセプタクル側基板2に対する姿勢は、図16に例示の姿勢とは別の姿勢とすることが考えられる。即ち、図16においてレセプタクルコンタクト8は、第1挟持部14fと第2挟持部15fによって特定できるレセプタクルコンタクト8の開口部が、電極接触部13を基準として、レセプタクル側基板2のコネクタ搭載面2aに対して略直交し且つレセプタクル側基板2のコネクタ搭載面2aから離れる方向に配置されるような姿勢となっている。これに代えて、レセプタクルコンタクト8は、第1挟持部14fと第2挟持部15fによって特定できるレセプタクルコンタクト8の開口部が、電極接触部13を基準として、レセプタクル側基板2のコネクタ搭載面2aの面方向において離れた位置に配置されるような姿勢とすることが考えられる。この後者の姿勢においては、更に、レセプタクルコンタクト8の第1挟持部14fと第2挟持部15fとが、レセプタクル側基板2のコネクタ搭載面2aの面方向において対向する場合と、レセプタクル側基板2のコネクタ搭載面2aに対して略直交する方向において対向する場合とが考えられる。
【符号の説明】
【0081】
1 基板対基板コネクタ(コネクタシステム)
2 レセプタクル側基板(第1接続対象物)
2a コネクタ搭載面
3 レセプタクルコネクタ(コネクタ、第1のコネクタ)
4 プラグ側基板(第2接続対象物)
5 プラグコネクタ(第2のコネクタ)
6 レセプタクルハウジング(第1のハウジング)
7 コンタクト収容室
7a 第1幅広内壁面(内壁面)
7b 第2幅広内壁面(対向面)
8 レセプタクルコンタクト(第1のコンタクト)
9 プラグハウジング(第2のハウジング)
10 プラグコンタクト(第2のコンタクト)
12 電極パッド(電極)
13 電極接触部(第1電極接触部)
14 第1アーム(第1の腕部)
15 第2アーム(第2の腕部)
14b 第1傾斜部(傾斜部)
14f 第1挟持部(第1〜6実施形態における第2電極接触部)
14g 頂部(第7実施形態における第2電極接触部)
15b 第2傾斜部(傾斜部)
15f 第2挟持部(第1〜6実施形態における第2電極接触部)
15g 頂部(第7実施形態における第2電極接触部)
19 バンプ(コンタクト保持部)
20a 第1鍔部(鍔部)
20b 第2鍔部(鍔部)
27 電極パッド(第2のコンタクト)
g 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1接続対象物に搭載される第1のハウジングと、
前記第1のハウジングを貫通するように前記第1のハウジングに形成されたコンタクト収容室に収容される第1のコンタクトと、
を有し、
前記第1接続対象物と第2接続対象物との電気的接続を実現するためのコネクタであって、
前記第1のコンタクトは、前記第1接続対象物に形成された電極に対して接触可能な第1電極接触部と、前記第1電極接触部から延びる第1の腕部及び第2の腕部とを備えて構成され、
前記第1の腕部及び前記第2の腕部の夫々は、前記第2接続対象物の第2のコンタクトに対して接触可能な第2電極接触部と、前記第1電極接触部から離れるにつれて前記第1の腕部と前記第2の腕部との間の隙間を次第に狭める傾斜部とを有し、
前記第1のハウジングには、前記第2接続対象物に設けられる第2のコンタクトによって前記第1のコンタクトが押し広げられた際に、前記傾斜部が接触する鍔部が形成されている、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタであって、
前記コンタクト収容室の内壁面には、前記第1の腕部と前記第2の腕部との間に配置されるコンタクト保持部が形成されている、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項3】
請求項2に記載のコネクタであって、
前記コンタクト保持部は、前記第1のコンタクトの前記第1電極接触部が、前記コンタクト保持部を乗り越えることができるように形成されている、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載のコネクタであって、
前記コンタクト収容室には、前記第1のコンタクトが複数収容されている、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項5】
請求項4に記載のコネクタであって、
前記複数の第1のコンタクトは、相互に連結されている、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項6】
請求項5に記載のコネクタであって、
前記複数の第1のコンタクトは、相互に電気的に連結されている、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載のコネクタであって、
前記第1のコンタクトは、断面略円形状である、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項8】
請求項1〜6の何れかに記載のコネクタであって、
前記第1のコンタクトは、断面略矩形状である、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項9】
請求項1〜8の何れかに記載のコネクタであって、
前記第1接続対象物は基板である、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項10】
請求項1〜9の何れかに記載のコネクタであって、
前記第2接続対象物は基板である、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項11】
第1接続対象物に搭載される第1のハウジングと、前記第1のハウジングを貫通するように前記第1のハウジングに形成されたコンタクト収容室に収容される第1のコンタクトと、を有する第1のコネクタと、
第2接続対象物に搭載される第2のハウジングと、前記第2のハウジングに支持される第2のコンタクトと、を有する第2のコネクタと、
を備え、
前記第1のコネクタと前記第2のコネクタを結合することで、前記第1接続対象物と前記第2接続対象物との電気的接続を実現するコネクタシステムであって、
前記第1のコンタクトは、前記第1接続対象物に形成された電極に対して接触可能な第1電極接触部と、前記第1電極接触部から延びる第1の腕部及び第2の腕部とを備えて構成され、
前記第1の腕部及び前記第2の腕部の夫々は、前記第2接続対象物の第2のコンタクトに対して接触可能な第2電極接触部と、前記第1電極接触部から離れるにつれて前記第1の腕部と前記第2の腕部との間の隙間を次第に狭める傾斜部とを有し、
前記第1のハウジングには、前記第2のコンタクトによって前記第1のコンタクトが押し広げられた際に、前記傾斜部が接触する鍔部が形成されている、
ことを特徴とするコネクタシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のコネクタシステムであって、
前記第2のコンタクトは、前記第1のコンタクトの前記第1の腕部と前記第2の腕部との間に挿入可能な略ピン形状である、
ことを特徴とするコネクタシステム。
【請求項13】
請求項12に記載のコネクタシステムであって、
前記第1のコンタクトは、前記コンタクト収容室内における位置又は姿勢を変化させることができるように前記コンタクト収容室内に収容されている、
ことを特徴とするコネクタシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate


【公開番号】特開2012−3913(P2012−3913A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136950(P2010−136950)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【出願人】(000231073)日本航空電子工業株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】