説明

コネクタ

【課題】シール剤の内部にボイドが発生することを抑制し、シール部におけるシール性を確保する。
【解決手段】インサート成形によって、金属製の導電板20と合成樹脂製のコネクタハウジング50とが一体に成形された端子台10であって、導電板20におけるコネクタハウジング50に埋設された部分に設けられ、導電板20とコネクタハウジング50とを接着するシール部80を備え、シール部80には、接着剤を塗布することで、導電板20とコネクタハウジング50との間を全周に亘って接着する接着層82が複数条形成されており、この接着層82は、同接着層82が形成されている方向である周方向と交差する方向に間隔を空けて並んで配されているところに特徴を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、インサート成形によって金属製の導電体と合成樹脂製のコネクタハウジングとが一体化されたコネクタとして、特許文献1に記載のものが知られている。このものは、導電体のうち、コネクタハウジング内に埋設される部分にシール部が設けられている。このシール部には、接着剤が塗布され、導電体とコネクタハウジングとの間の隙間を接着剤によって塞ぐことで、導電体とコネクタハウジングとの間の隙間がシールされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−31233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、接着剤などのシール剤は、有機溶剤と混ぜた後、シール部に塗布され、乾燥工程によって有機溶剤を揮発させた後、インサート成形されることで導電体とコネクタハウジングとの間の隙間をシールする。
ところが、シール部に塗布するシール剤の量が多く、シール剤が厚塗り状態になると、有機溶剤の量も多くなるため、乾燥工程において有機溶剤を揮発させる際に、シール剤の内部にボイドが発生する虞がある。シール剤の内部にボイドが発生すると、導電体とコネクタハウジングとの間のシール性を十分確保することができず、防水性が低下してしまう。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、シール剤の内部にボイドが発生することを抑制し、シール部におけるシール性を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための手段として本発明は、インサート成形によって、金属製の導電体と樹脂製のコネクタハウジングとが一体に成形されたコネクタであって、前記導電体における前記コネクタハウジングに埋設された部分に設けられ、前記導電体と前記コネクタハウジングとを接着するシール部を備え、前記シール部には、シール剤を付着させることで、前記導電体と前記コネクタハウジングとを全周に亘って接着する分割シール部が複数条形成されており、前記分割シール部は、同分割シール部の周方向と交差する方向に間隔を空けて並んで配されているところに特徴を有する。
このような構成によると、分割シール部がシール部に間隔を空けて複数条形成されているので、シール部に付着させるシール剤の量を低減することができ、有機溶剤の量も低減させることができる。これにより、シール剤によって形成された分割シール部の内部にボイドが発生することを抑制し、導電体とコネクタハウジングとの間のシール性を十分確保することができる。
また、シール部には、複数の分割シール部が同分割シール部の周方向と交差する方向に並んで形成されているので、例えば、水や油などの液体が一つ目の分割シール部を乗り越えたとしても、二つ目の分割シール部によって液体の浸入を阻止するなど、複数の分割シール部で液体の浸入を阻止することができるので、シール部全体を一括してシール剤で覆うことで一箇所のシールにより液体の浸入を阻止するものに比べて、導電体とコネクタハウジングとの隙間から液体が浸入することを確実に防止することができる。これにより、導電体とコネクタハウジングとの間のシール性を更に向上させることができる。
【0007】
本発明の実施の態様として、以下の構成が好ましい。
前記シール部における隣り合う前記分割シール部の間には、前記コネクタハウジングを成形する成形金型内に射出された樹脂を逃がす溝状の凹溝が形成されている構成としてもよい。
コネクタハウジングを成形金型内で成形する際には、シール剤を付着させた状態の導電体を成形金型内にセットして、成形金型内に樹脂を射出することで、コネクタハウジングを成形するが、樹脂の射出圧の影響で導電体から接着剤が剥離してしまう虞がある。ところが、上記の構成によると、シール部における分割シール部の間には、溝状の凹溝が形成されているので、成形金型内に射出された樹脂が凹溝を通過することで、樹脂の流れに対するシール部の抵抗を低減させることができる。これにより、シール部に凹溝が形成されていない場合に比べて、樹脂の射出圧によってシール部の接着剤が剥離することを抑制する事ができる。
【0008】
前記導電体には、前記シール部の周縁に目印が形成されている構成としてもよい。このような構成によると、シール部におけるシール剤の付着状態を目視検査する際に、シール部の場所を容易に認識することができ、目視検査の作業効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、シール剤の内部にボイドが発生することを抑制し、シール部におけるシール性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に係る端子台の斜視図
【図2】同正面図
【図3】同平面図
【図4】端子台にシールドシェルを取り付けた状態を示す斜視図
【図5】図2のV−V線断面図
【図6】図3のVI−VI線断面図
【図7】図2のVII−VII線断面図
【図8】三つの中子を接触して並べた状態を示す斜視図
【図9】三つの中子を接触して並べた状態を示す正面図
【図10】左側に位置する中子の側面図
【図11】図10のXI−XI線断面図
【図12】図2のXII−XII線における要部拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
本発明の実施形態について、図1乃至図12の図面を参照して説明する。
本実施形態は、コネクタの一例として、モータを内部に収容した金属製のモータケース(図示せず)に取り付けられる端子台10を例示している。
端子台10は、図1に示すように、モータケースに取り付け固定される金属板30と、この金属板30に一体に成形されたコネクタハウジング50と、金属板30をその板厚方向に貫通した状態でコネクタハウジング50に保持された三本の導電板(本発明の「導電体」の一例)20とを備えている。なお、以下の説明において、上下方向とは図2における上下方向を基準とし、左右方向とは図2における左右方向を基準とし、前後方向とは図7における左右方向を基準とし、図示左側を前側として説明する。
【0012】
各導電板20は、導電性の良い金属製の平板をプレス加工することにより形成されている。導電板20は、図7に示すように、この導電板20の主体部分を構成する端子主体部21と、端子主体部21の上端から前方に向かって延出された電線側締結部22と、端子主体部21の下端部に設けられた機器側締結部23とを備えて構成されている。
【0013】
導電板20の機器側締結部23は、モータケースの内部に設けられた複数の機器側バスバー(図示せず)にボルト締結されることで導通可能に接続される。一方、インバータなどの電力を供給する電源供給装置には、モータケースに向けて複数の電線が配設されており、これらの電線の端末部には、電線側コネクタ(図示せず)が設けられている。この電線側コネクタの内部には、電線の端末に接続された電線側端子(図示せず)が設けられており、この電線側端子が導電板20の電線側締結部22にボルト締結されることで導通可能に接続される。
【0014】
三本の導電板20は、図2及び図3に示すように、左右方向に並んで配置されている。端子主体部21は、図2に示すように、その途中位置において左右方向に僅かにクランク状に屈曲した形態をなしている。電線側締結部22および機器側締結部23には、締結ボルト(図示せず)が挿通可能なボルト挿通孔24がそれぞれ形成されている。
【0015】
三本の導電板20のうち中央に配された導電板20の端子主体部21は、図7に示すように、上下方向に延びるほぼフラットな形状とされている。三本の導電板20のうち左右両側に位置する両導電板20の両端子主体部21は、図10に示すように、各端子主体部21が同端子主体部21の上下方向略中央部から電線側締結部22と対向するように前方に向かって屈曲された対向部25を有し、この対向部25の前端が電線側締結部22の前端とほぼ同じ位置で下方に向かって屈曲した形状とされている。
【0016】
金属板30は、図5に示すように、金属製の平板材を母材としてその板材の板厚方向に貫通して形成された開口部31を有している。また、金属板30の外周縁部には、複数の取付孔32が設けられており、この取付孔32に図示しない固定ボルトを挿通させて、モータケースに締め付けることで、端子台10をモータケースに取り付け固定することができるようになっている。
【0017】
コネクタハウジング50は合成樹脂製であって、図6及び図7に示すように、開口部31を上下方向に貫通する配置で金属板30及び導電板20と一体に成形されており、金属板30よりも上側に配された電線側嵌合部51と、金属板30の高さ位置において金属板30の板面に沿うように側方に張り出す板状のフランジ52と、金属板30よりも下側に配された機器側嵌合部53とを備えて構成されている。また、コネクタハウジング50は、一次インサート成形により三本の導電板20を樹脂によって埋設して一次成形体60を形成し、この一次成形体60を中子として二次インサート成形を行うことで形成されている。
【0018】
一次成形体60の樹脂部分は、図8及び図9に示すように、大まかには左右方向に横長なブロック状をなし、各導電板20の端子主体部21における上下方向略中央部を全周に亘って覆っている。
【0019】
電線側嵌合部51は、図1に示すように、左右方向に横長な箱形状をなし、前方に開口する前端開口51Aと上方に開口する上端開口51Bとを有している。図示しない電線側コネクタは、電線側嵌合部51の前端開口51Aを通って電線側嵌合部51に嵌合可能となっている。
【0020】
電線側嵌合部51の内部には、図1及び図2に示すように、三つの電線側ナット収容部55が左右方向に並んで形成されている。これら三つの電線側ナット収容部55は、それぞれ前方および上方に開口する形態とされている。さらに、三つの電線側ナット収容部55は、前端開口51Aを通して一括して前方に臨んで配置され、かつ、上端開口51Bを通して一括して上方に臨んで配置されている。電線側ナット収容部55には、図2及び図7に示すように、ナットNの軸線が上下方向となるように、前端開口51Aを通して前方から圧入されたナットNが収容されている。
【0021】
導電板20の電線側締結部22は、図2および図3に示すように、電線側ナット収容部55の上端開口を塞ぐように配置されている。また、各導電板20は、図7に示すように、開口部31を上下方向に貫通する形態で配置され、電線側締結部22が電線側嵌合部51内においてボルト挿通孔24の周辺部を上端開口51Aから上方に臨ませた状態で配置されている一方、機器側締結部23が機器側嵌合部53の下端部にてボルト挿通孔24の周辺部を後方に臨ませた状態でコネクタハウジング50に保持されている。すなわち、電線側嵌合部51の上端開口51Bは、ボルト締結作業を行うために工具などを挿入するサービスホールであって、電線側締結部22に図示しない電線側端子を重ね合わせ、上端開口51Bから電線側嵌合部51の内部に工具を挿入してナットNに対して締結ボルトを螺合させることで、導電板20と電線側端子とが導通可能に接続されるようになっている。なお、電線側嵌合部51の上端開口51Bには、ボルト締結後に図示しないサービスカバーが装着され、サービスカバーによって上端開口51Bが塞がれるようになっている。
【0022】
電線側ナット収容部55の下方には、図2に示すように、ナットNに締結ボルトを締結した際に、ナットNを貫通した締結ボルトの先端部分を逃がす逃がし凹部56が連設されている。
【0023】
また、電線側嵌合部51には、図4に示すように、電線側嵌合部51を覆う金属製のシールドシェル70が装着される。シールドシェル70は、導電性の良い金属板をプレス加工することにより形成されている。シールドシェル70は、横長の円筒状をなす編組固定部71と、電線側嵌合部51の後面以外を覆う覆い部72と、覆い部72の左右方向両側に設けられた固定片73とを備えて構成されている。編組固定部71には、電線側コネクタに設けられた編組線がかしめリングによってかしめ付けられるようになっている。固定片73は、金属板30と共にモータケースに共締めされることで、シールドシェル70に固定されると共に、シールドシェル70とモータケースとを導通可能に接続するようになっている。
【0024】
フランジ52は、図3、図6及び図7に示すように、金属板30の外周縁部を露出させた状態で開口部31の開口縁部を全周に亘って覆う形態とされている。フランジ52は、金属板30を上下方向両側から挟みこむことにより、コネクタハウジング50を金属板30に固定している。
【0025】
また、機器側嵌合部53側に位置するフランジ52には、図7に示すように、パッキン59が装着されたパッキン装着溝54が金属板30の開口部31を全周に亘って囲むように形成されている。パッキン59は弾性部材からなり、端子台10がモータケースに固定された際に、モータケースとフランジ52とに密着して、モータケースと端子台10との間を液密状にシールすることができるようになっている。
【0026】
機器側嵌合部53は、端子台10がモータケースに固定された際に、モータケースの内部に収容されるようになっている。また、機器側嵌合部53は、図1に示すように、導電板20の端子主体部21における金属板30よりも下側の部分を埋設した形態とされ、機器側嵌合部53の下端部には、図1に示すように、三つの機器側ナット収容部58が形成されている。これらの機器側ナット収容部58のうち、中央に位置する機器側ナット収容部58は、他の機器側ナット収容部58よりも後方に配されて形成されている。また、機器側ナット収容部58には、図7に示すように、電線側ナット収容部55と同様に、ナットNが収容されており、機器側締結部23に図示しない機器側バスバーを重ね合わせ、ナットNに対して締結ボルトを螺合させることで、機器側締結部23と機器側バスバーとが導通可能に接続されるようになっている。このように、電線側端子と機器側バスバーとが導電板20を中継端子として導通可能に接続されるようになっている。
【0027】
さて、導電板20の端子主体部21における機器側嵌合部53に埋設された部分には、導電板20と機器側嵌合部53とを接着するシール部80が形成されている。
シール部80は、図2及び図9に示すように、導電板20の延びる方向と交差するように導電板20に全周に亘って形成されており、端子主体部21におけるクランク状に屈曲した部分の上下方向略中央部に配されている。また、シール部80の周縁には、図9及び図10に示すように、導電板20の表面を全周に亘って切り欠いた二本の目印ライン81が形成されている。すなわち、シール部80は、二本の目印ライン81における内側の領域に形成されている。
【0028】
また、シール部80には、導電板20の表面に接着剤(本発明の「シール剤」の一例)を全周に亘って塗布することで、図8乃至図11に示すように、導電板20と機器側嵌合部53とを全周に亘って接着する接着層(本発明の「分割シール部」の一例)82が形成されている。これにより、導電板20と機器側嵌合部53との間は全周に亘って接着層82によって塞がれ、導電板20と機器側嵌合部53との間は液密状にシールされている。
【0029】
接着層82は、同接着層82が形成されている方向である周方向と交差する上下方向に間隔を空けて複数条(本実施形態では二条)形成されている。したがって、隣り合う接着層82の間には、図12に示すように、接着層82が形成されておらず、隣り合う接着層82の間の部分は、導電板20と機器側嵌合部53とが直接接触した状態となっている。なお、二次インサート成形を行う前の一次成形体60の状態では、図8に示すように、隣り合う接着層82の間の部分は、両側に配された接着層82よりも凹んで左右方向に延びる溝状の凹溝83とされている。
【0030】
すなわち、本実施形態によると、シール部全体に接着層が形成された従来のコネクタに比べて、シール部80に付着させる接着剤の量を低減することができ、この結果、接着剤に含まれる有機溶剤の量も低減させることができる。これにより、接着層82の内部にボイドが発生することを抑制し、導電板20と機器側嵌合部53との間のシール性を十分確保することができる。
【0031】
また、本実施形態によると、シール部80に複数条の接着層82が上下方向に並んで形成されている。これにより、導電板20と機器側嵌合部53との間から水や油などの液体が浸入して、例えば、一つ目の接着層82を乗り越えたとしても、二つ目の接着層82によって液体の浸入を阻止することができるようになっている。すなわち、シール部全体を一つの接着層で形成して一箇所でシールをしているものに比べて、導電板20と機器側嵌合部53との間のシール性をさらに向上させることができる。
【0032】
本実施形態の端子台10は上記のような構造であって、続いて二次インサート成形を行う際の作用効果を説明する。
まず、三本の導電板20を樹脂によって埋設した一次成形体60が用意され、シール部80に接着剤が塗布されることで、シール部80に接着層82が形成される。
そして、シール部80に接着層82が形成された後、シール部80における接着剤の付着状態が目視検査によってチェックされる。この時、シール部80は、二本の目印ライン81における内側の領域とされているので、シール部80の場所を容易に認識することができ、目視検査の作業性を向上させることができる。
【0033】
シール部80における接着層82の確認ができたところで、一次成形体60を図示しない二次成形用の成形金型内にセットする。この時、一次成形体60は、樹脂の射出圧の影響を極力避けるように、図9に示すように、導電板20の板面と一次成形体60の樹脂部分における長辺部分の方向とが、樹脂の射出方向X1と同じ方向となるように成形金型内にセットされる。
そして、この成形金型内に樹脂を射出することで、コネクタハウジング50を成形する。この時、シール部80に形成された接着層82は、樹脂の射出圧の影響で剥離してしまうことが懸念される。ところが、本実施形態によると、シール部80における接着層82の間には、図9に示すように、樹脂の射出方向X1(左右方向)と同一方向に延びる凹溝83が形成されているので、シール部80に射出された樹脂は凹溝83を通過してシール部80を通過することができ、樹脂の射出圧に対するシール部80の抵抗を低減させることができる。これにより、シール部全体に接着層が形成されている場合に比べて、接着層82が剥離することを抑制する事ができるようになっている。
【0034】
以上のように、本実施形態では、シール部80における接着剤の塗布量が低減されているので、シール部全体に接着層が形成された従来のコネクタに比べて、接着層82内にボイドが発生することを抑制し、導電板20とコネクタハウジング50との間のシール性を十分確保することができる。
【0035】
また、シール部80の接着剤の塗布量を低減させるために、接着層82が間隔を空けて複数条形成されているので、導電板20と機器側嵌合部53との間が二重にシールされた状態となっている。これにより、導電板20と機器側嵌合部53との間から浸入した液体が一つ目の接着層82を乗り越えたとしても、二つ目の接着層82によって液体の浸入を阻止することができるので、導電板20とコネクタハウジング50との間のシール性を更に向上させることができる。
【0036】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0037】
(1)上記実施形態では、接着層84が二条形成された構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、接着層84を三条など、二条以上形成してもよい。
(2)上記実施形態では、一次インサート成形により一次成形体60を構成し、二次インサート成形を行うことで、端子台10を構成したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、一回のインサート成形によって端子台を成形してもよい。
(3)上記実施形態では、導電板20がインサート成形された端子台10を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、電線の端末に接続された端子金具がインサート成形されたワイヤーハーネス用のコネクタなどに適用してもよい。
(4)上記実施形態では、平板状の導電板20にシール部80を構成したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、丸ピン状の導電体にシール部を構成してもよい。
【符号の説明】
【0038】
10:端子台(コネクタ)
20:導電板(導電体)
50:コネクタハウジング
80:シール部
81:目印ライン(目印)
82:接着層(分割シール部)
83:凹溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インサート成形によって、金属製の導電体と樹脂製のコネクタハウジングとが一体に成形されたコネクタであって、
前記導電体における前記コネクタハウジングに埋設された部分に設けられ、前記導電体と前記コネクタハウジングとを接着するシール部を備え、
前記シール部には、シール剤を付着させることで、前記導電体と前記コネクタハウジングとを全周に亘って接着する分割シール部が複数条形成されており、
前記分割シール部は、同分割シール部の周方向と交差する方向に間隔を空けて並んで配されていることを特徴とすることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記シール部における隣り合う前記分割シール部の間には、前記コネクタハウジングを成形する成形金型内に射出された樹脂を逃がす溝状の凹溝が形成されていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記導電体には、前記シール部の周縁に目印が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−45510(P2013−45510A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180425(P2011−180425)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】