説明

コンテナ、及びコンテナの製造方法

【課題】コンテナの内部と外部との間で無線通信ができるようにする。
【解決手段】一端が開口する導電性筒状の本体部11と、開口を塞ぐべく本体部11に装着される導電性の蓋部12と、蓋部12を本体部11に装着するための導電性の装着具13と、蓋部12が本体部11に装着された状態でこれらの間に介在される絶縁性のパッキン21と、その内部に収容される電波発信部26とを有し、本体部11と蓋部12とが装着具13によって通電され、パッキン21、本体部11、蓋部12、及び装着具13によってスロットが形成されるコンテナであって、電波発信部26から発射される電波R1により本体部11または蓋部12に電力が供給され、スロットが、供給される上記電力を電波R2に変換してコンテナ10の外部に送出するスロットアンテナとして機能する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナ、及びコンテナの製造方法に関し、とくにコンテナの内部と外部との間で無線通信を行えるようにする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電磁波を遮断するコンテナの壁面に中継器を組み込み、コンテナ内部に存在するIDタグの電波を中継器によって中継することにより、IDタグの情報をコンテナの外部において読取/書込可能にすることが記載されている。
特許文献2には、マンホール内の無線機から地上への電波の効率良い送信を可能にすべく、鋳鉄製のマンホールの蓋受け部に電気絶縁性部材を介してマンホール蓋を載置することが記載されている。
特許文献3には、内容物の温度調節機能を有する、臓器や薬品の運搬に用いられるコンテナが記載されている。
【特許文献1】特開平8−48337号公報
【特許文献2】特開平11−61867号公報
【特許文献3】特表2001−524657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に記載の方法では、コンテナの壁面に中継器を組み込む必要があるため、コンテナの構造が複雑になってしまう。またコンテナごとに中継器を設ける必要があるため製造コストも嵩む。さらに密閉性が要求されるコンテナの場合、中継器を設けることにより密閉性が損なわれぬように配慮する必要もある。
【0004】
一方、特許文献2に記載の方法は、マンホールに関するものであるため、密閉性が要求されるコンテナにそのまま適用することができない。また同文献によればマンホールの内壁面に電波吸収体を設けているため、全体が導電性の素材で構成されるコンテナには適用できない。
【0005】
本発明は以上を背景としてなされたもので、その内部と外部との間で無線通信を行うことが可能なコンテナ、及びコンテナの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明のうちの主たる発明は、
コンテナであって、
一端が開口する導電性筒状の本体部と、
前記開口を塞ぐべく前記本体部に装着される導電性の蓋部と、
前記蓋部を前記本体部に装着するための導電性の装着具と、
前記蓋部が前記本体部に装着された状態でこれらの間に介在される絶縁性のパッキンと、
当該コンテナの内部に収容される電波発信部と
を有し、
前記本体部と前記蓋部が前記装着具によって通電され、
前記パッキン、前記本体部、前記蓋部、及び前記装着具によりスロットが形成され、
前記電波発信部から発射される電波によって前記本体部または前記蓋部に電力が供給され、
前記スロットが、前記供給される電力を電波に変換するスロットアンテナとして機能するものである。
本発明によれば、コンテナの密閉性や恒温性を確保しつつ、コンテナの内部と外部との間で無線通信を行うことが可能となり、例えばコンテナの外部において、温度や湿度といったコンテナの内部の状態を監視することができる。
【0007】
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明の実施の形態の欄、及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、その内部と外部との間で無線通信を行うことが可能なコンテナ、及びコンテナの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0010】
<コンテナの構成>
図1に第1実施例として説明するコンテナ10の斜視図を示している。同図に示すコンテナ10は、細胞や臓器、薬品等の物品の搬送に用いられる恒温装置である。コンテナ10は、一端が開口する導電性筒状の本体部11、本体部11の開口を塞ぐべく本体部11に装着される蓋部12、及び蓋部12を本体部11に装着するための一つ以上の装着具13を備えている。本体部11、蓋部12、及び装着具13は、いずれも金属等の導電性の素材(例えば厚さ0.8[mm]のステンレス(SUS304))からなる。
【0011】
コンテナ10の本体部11側面には、蓋部12を本体部11に装着するための3つの装着具13が設けられている。各装着具13は、装着具13を本体部11に固定するための台座部131、係止部132、及びレバー部133を有している。
【0012】
本体部11の一端(上端)は開口し、本体部11の全体は略円筒状を呈する。蓋部12の一端(下端)は開口し、蓋部12の全体は本体部11よりもやや大径の扁平な円筒状を呈する。蓋部12の上面にはその周縁に沿って環状の凸部121が形成されている。後述するように、蓋部12を本体部11に装着する場合には、係止部132の一端がこの凸部121に係止される。
【0013】
図2Aは蓋部12が本体部11から離脱している状態を示すコンテナ10の断面図であり、図2Bは蓋部12が本体部11に装着されている状態を示すコンテナ10の断面図である。これらの図に示すように、本体部11の開口する側の周縁端部113には、絶縁性の素材からなるパッキン21が設けられている。パッキン21には柔軟性・弾性が高く変形が容易なシリコンゴムを素材とするものを用いている。
【0014】
蓋部12を本体部11に装着する場合には、装着具13のレバー部133を本体部11の底面側に倒すように操作する。この操作により係止部132が下方に引っ張られてパッキン21が圧縮され、蓋部12が本体部11に密着して装着される。これによりコンテナ10の内部は外部から遮断され、コンテナ10の内部は密閉状態となる。
【0015】
本体部11及び蓋部12の内周面は、熱放射によるコンテナ10内外の熱の出入りを防ぐべく、鏡面に加工されている。
【0016】
本体部11及び蓋部12の内周面のうちパッキン21が設けられる部分を除く部分には、真空断熱材24,25が敷設されている。蓋部12側の真空断熱材25の外径はパッキン21の内径にほぼ一致し、本体部11に蓋部12を装着した際、蓋部12側の真空断熱材25がパッキン21の内側に嵌合される。
【0017】
真空断熱材24,25は、いずれも形状維持のための繊維状のコア部材の周囲をフィルムで密封して内部を真空引きしたものである。また上記コア部材は多層にしたグラスウール繊維(とくに配向グラスウール)を高圧圧縮して形成したものである。また上記フィルム材は合成樹脂を薄い膜状に成型したものである。
【0018】
図2A又は図2Bに示すように、コンテナ10の内部には、2つの蓄熱容器22が上下に並べて配置されている。これらの蓄熱容器22には潜熱蓄熱材(リン酸ナトリウム、パラフィン、水等)が充填されている。
【0019】
コンテナ10の内部の2つの蓄熱容器22の間には、当該コンテナ10によって搬送される物品が格納される格納容器23が配置されている。格納容器23はほぼ同一形状の上蓋部と箱部とを有する。上蓋部と箱部との合わせ面は伸縮可能な膜(不図示)で覆われる。
【0020】
コンテナ10によって搬送される物品は、上記膜によって形成される空間内に保持される。膜上面と上蓋部との間にできる空間、及び膜下面と箱部との間にできる空間には、蓄熱材(不図示)が設けられる。蓄熱材は、例えば潜熱蓄熱材(リン酸ナトリウム、パラフィン、水等)である。格納容器23内での偏りを防止すべく、潜熱蓄熱材はプラスチック袋などに小分けして封入するようにしてもよい。
【0021】
ここで熱伝導の法則(フーリエの法則)によれば、単位時間当たりに壁から放出される熱量をQ[J/s]、壁の両側の温度差をΔt[K]、壁の面積をA[m]、壁の厚さをδ[m]、壁の熱伝導率をλ[W/mK]とした場合、次式が成り立つ。

【0022】
このため、真空断熱材24,25の表面積をA、真空断熱材24,25の厚さをδ、コンテナ10内外の温度差をΔtとして上式から熱量Qを求め、これをコンテナ10を監視する時間で積算すれば蓄熱容器22、格納容器23に予め蓄熱しておくべき熱量を求めることができる。
【0023】
コンテナ10内部の所定位置には電波発信部26が設けられている。電波発信部26にはセンサが付帯している。センサはコンテナ10内部の状態(温度、湿度等)を測定し、電波発信部26はセンサから出力される測定値をのせた電波を発射する。センサと電波発信部26は一体であってもよいし、これらの間がケーブル等を介して接続されていてもよい。
【0024】
電波発信部26から発射された電波は次の仕組みによりコンテナ10の外部へと送出される。即ちまず電波発信部26から発射された電波(以下、電波R1とする。)は、コンテナ10の内部の空間を進み本体部11の内周や蓋部12の内周に到達する。すると本体部11又は蓋部12の素材中の自由電子が振動して本体部11又は蓋部12に電流が流れる。つまり電波R1によって本体部11又は蓋部12に電力が供給される。
【0025】
ここで本体部11、蓋部12、パッキン21、及び装着具13は、スロットアンテナを構成している。即ち蓋部12を本体部11に装着した状態では、パッキン21の介在により蓋部12と本体部11の間に一様な環状の隙間が形成され、この隙間が装着具13によって仕切られることによりスロットが形成される。一方、コンテナ10の内部はこのスロットの背後に形成された導波管(キャビティ)とみなすことができる。
【0026】
このように、本実施例のコンテナ10は、その構造自体がスロットアンテナとして機能するので、電波発信部26から発射された電波R1によって給電された電力は上記スロットアンテナによって電波R2に変換され、コンテナ10の外部に効率よく送出されることになる。
【0027】
尚、スロットアンテナの動作原理によれば、スロットの長辺の長さ、即ち隣接する装着具13間のコンテナ10周上の距離は電波発信部26から発射される電波の波長の約1/2(半波長)とすることが好ましい。さらに上記スロットアンテナから電波R2が送出されるようにするためには、いわゆる遮断周波数を考慮する必要がある。即ち本体部11及び蓋部12によって構成される円筒を導波管とみなし、コンテナ10の半径(本体部11又は蓋部12の半径)をr[m]、電波発信部26から発射される電波の周波数をf[Hz]とすれば、上記スロットアンテナから電波R2が送出されるためには、上記半径rと周波数fは次式の関係を満たす必要がある。

上式において、c[m/s]は光速度、πは円周率である。上式によれば、例えば、周波数fが2.45[GHz]である場合、半径rは0.047[m]以上に設定する必要がある。
【0028】
スロットの短辺の長さはパッキン21の厚さによって決まるが、パッキン21として用いるシリコンゴムの熱伝導率λは、0.149〜0.167[W/mK]であり、真空断熱材24,25の素材として用いた配向グラスウールの熱伝導率0.0017[W/mK]よりも高く、パッキン21の量はなるべく少ない方が好ましい。このため、例えばスロットアンテナの特性から電波R2を送出させるためにスロットの短辺の長さを波長の1/100以上に設定する必要がある場合には、パッキン21の厚さはその最低値である波長の1/100程度に設定することが好ましい。但し、本体部11と蓋部12に挟持されて圧縮される分を考慮する必要があるので実際には波長の1/100よりもやや厚めに設定する。またパッキン21をあまり薄くしてしまうと本体部11と蓋部12の圧力によりパッキン21が変形・破損して、本体部11と蓋部12の密着性が損なわれてしまうので、パッキン21の厚さを決める際はパッキン21の密着性も考慮する。
【0029】
<受信側の構成>
電波受信部27は、上記スロットアンテナから送られてくる電波を受信すると、受信した電波に含まれている測定値を情報処理装置30に入力する。図3Aは、電波受信部27が受信した情報を利用する情報処理装置30のハードウエアの一例である。情報処理装置30は、中央処理装置31(CPU(Central Processing Unit)等)、主記憶装置32(RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory))、補助記憶装置33(ハードディスク等)、ユーザの操作入力を受け付ける入力装置34(キーボードやマウス等)、出力装置35(液晶モニタ等)、他の装置との間の通信を実現する通信インタフェース36(NIC(Network Interface Card)、USBデバイス(USB : Universal Serial Bus)等)を備えている。
【0030】
図3Bに情報処理装置30の機能及びデータを示している。同図に示すように、情報処理装置30は、データ取得部311、データ解析部312、警告発生部313を機能として備えている。また情報処理装置30は監視データベース314を管理している。尚、上記の各機能は情報処理装置30のハードウエアの機能により、もしくは情報処理装置30の中央処理装置31が、主記憶装置32に格納されているプログラムを実行することにより実現される。
【0031】
データ取得部311は、電波受信部27から受信した電波R2に含まれている、電波発信部26から発射された電波に含まれている測定値が記載されたデータを取得し、このデータを監視データベース314に格納する。データ解析部312は、監視データベース314に格納されているデータと、監視データベース314等に予め格納されている閾値とを比較する。警告発生部313は、データ解析部312が上記データと閾値を比較した結果に応じて出力装置35に警告情報を出力する。
【0032】
以上に説明したように、本実施例のコンテナ10にあっては、コンテナ10の構造自体がスロットアンテナとして機能するため、コンテナ10の内部に設けた電波発信部26から発射された電波をコンテナ10の外部に効率よく送出することができる。このため、例えばコンテナ10の外部に設けられる電波受信部27によって電波発信部26から発射された電波を確実に受信できるようになり、コンテナ10の内部の状態をコンテナ10の外部において把握することが可能になる。
【実施例2】
【0033】
図4に第2実施例として説明するコンテナ50の斜視図を示している。このコンテナ50は恒温装置であり中空の本体部51からなる。本体部51は金属等の導電性の素材(例えば厚さ0.8[mm]のステンレス(SUS304))からなる。
【0034】
図5にコンテナ50の断面図を示している。本体部51の一部には開口部52が設けられ、この開口部52には、当該開口部52を閉塞するように、絶縁性のパッキン53が嵌め込まれている。パッキン53としてシリコンゴムを素材とするものを用いている。
【0035】
本体部51の内周面には、開口部52周辺を除き、その全体にわたって真空断熱材54が敷設されている。尚、真空断熱材54は第1実施例と同様である。本体部51の内周面は、熱放射によるコンテナ50内外の熱の出入りを防ぐべく鏡面に加工されている。
【0036】
第1実施例と同様、コンテナ10の内部には2つの蓄熱容器22が上下に並べて配置されており、これら蓄熱容器22には、潜熱蓄熱材(リン酸ナトリウム、パラフィン、水等)が充填されている。これら蓄熱容器22の間には、当該コンテナ10によって搬送される物品が格納される格納容器23が配置されている。コンテナ50内部の所定位置には、第1実施例と同様のセンサ付きの電波発信部26が設けられている。
【0037】
電波発信部26から発射された電波は次の仕組みによってコンテナ10の外部に送出される。まず電波発信部26から発射された電波R1は、コンテナ10の内部を進み本体部51の内周に到達する。すると本体部51の素材中の自由電子が振動し、本体部51に電流が流れる。つまり電波R1によって本体部51に電力が供給される。
【0038】
ここで本体部51、開口部52、及びパッキン53を含む構造は、スロットアンテナを構成している。即ち開口部52はスロットとして機能し、一方、本体部51はこのスロットの背後に形成された導波管(キャビティ)とみなすことができる。
【0039】
このように、本実施例のコンテナ50は、その構造自体がスロットアンテナとして機能するので、電波発信部26から発射された電波R1によって給電された電力は、上記スロットアンテナによって電波R2に変換され、コンテナ50の外部に効率よく送出される。
【0040】
尚、第1実施例で説明したように、スロットアンテナの動作原理によれば、スロットの長辺、即ち開口部52の長辺の長さは、電波発信部26から発射される電波の波長の約1/2(半波長)とすることが好ましい。また上記スロットアンテナから電波R2が送出されるためには、遮断周波数を考慮する必要がある。また第1実施例と同様に、スロットの短辺の長さは、スロットアンテナの特性やコンテナ50の熱的性質を考慮して決定する必要がある。尚、本実施例では、パッキン53は開口部52を塞ぐ必要があるので、パッキン53の厚さは開口部52の形状に応じて決定される。
【0041】
以上に説明したように、第2実施例のコンテナ50にあっては、コンテナ50の構造自体がスロットアンテナとして機能するため、コンテナ50内部に設けられた電波発信部26から発射された電波をコンテナ50の外部に効率よく送出することができる。このため、例えばコンテナ50の外部に設けられる電波受信部27によって、電波発信部26から発射された電波を確実に受信することができ、コンテナ50内部の状態をコンテナ50の外部において把握できるようになる。
【0042】
以上、本発明の実施の形態について、その実施の形態に基づき具体的に説明したが、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0043】
例えばセンサによって測定される状態は、温度や湿度に限られず、例えば、コンテナ10,50に加わる衝撃、加速度、速度、コンテナ10,50の内部の気圧、照度、コンテナ10,50内に収容される物品に加わる圧力、歪み、ねじれ、コンテナ10,50の傾斜等、他の状態であってよい。また監視対象物の固有ID等を電波発信部26から発射される電波にのせてコンテナ10、50の外部に通知するようにしてもよい。
【0044】
また以上では、電波受信部27がセンサ付き電波発信部26から発射された電波を受信する場合について説明したが、例えば、読取装置27から測定指示をのせた第1の電波を送信し、電波発信部26が第1の電波を受信してその測定指示に応じてコンテナ10,50内の状態を測定し、測定値をのせた第2の電波を電波受信部27に出力するようにしてもよい。即ちこの場合、前述のスロットアンテナは受信アンテナとしても機能する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】第1実施例として説明するコンテナ10の斜視図である。
【図2A】蓋部12が本体部11から離脱している状態を示すコンテナ10の断面図である。
【図2B】蓋部12が本体部11に装着されている状態を示すコンテナ10の断面図である。
【図3A】情報処理装置30のハードウエアの一例である。
【図3B】情報処理装置30の機能及びデータである。
【図4】第2実施例として説明するコンテナ50の斜視図である。
【図5】第2実施例として説明するコンテナ50の断面図である。
【符号の説明】
【0046】
10 コンテナ
11 本体部
12 蓋部
13 装着具
131 台座部
132 係止部
133 レバー部
21 パッキン
22 蓄熱容器
23 格納容器
24 真空断熱材
25 真空断熱材
26 電波発信部
27 電波受信部
30 情報処理装置
311 データ取得部
312 データ解析部
313 警告発生部
314 監視データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が開口する導電性筒状の本体部と、
前記開口を塞ぐべく前記本体部に装着される導電性の蓋部と、
前記蓋部を前記本体部に装着するための導電性の装着具と、
前記蓋部が前記本体部に装着された状態でこれらの間に介在される絶縁性のパッキンと、
当該コンテナの内部に収容される電波発信部と
を有し、
前記本体部と前記蓋部が前記装着具によって通電され、
前記パッキン及び前記装着具によりスロットが形成され、
前記電波発信部から発射される電波によって前記本体部または前記蓋部に電力が供給され、
前記スロット、前記本体部、及び前記蓋部が、前記供給される電力を電波に変換するスロットアンテナとして機能すること
を特徴とするコンテナ。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテナであって、
前記スロットの長辺の長さが、前記電波発信部から出力される電波の波長の約1/2であること
を特徴とするコンテナ。
【請求項3】
請求項1に記載のコンテナであって、
前記電波発信部は、当該コンテナ内部の状態を測定するセンサの測定値を含む電波を発射すること
を特徴とするコンテナ。
【請求項4】
請求項3に記載のコンテナであって、
前記状態は、当該コンテナの内部の温度、湿度、気圧、照度、当該コンテナの内部に収容される物品に加わる衝撃、加速度、速度、当該コンテナの傾斜のうちの少なくともいずれかであること
を特徴とするコンテナ。
【請求項5】
請求項1に記載のコンテナであって、
前記電波発信部は、当該コンテナに収容される物品を特定する識別子をのせた電波を出力すること
を特徴とするコンテナ。
【請求項6】
請求項1に記載のコンテナであって、
当該コンテナの内部に電波受信部が収容され、
前記電波受信部は、前記アンテナによって当該コンテナの外部から送られてくる第1の電波を受信し、
前記電波発信部は、前記電波受信部が前記第1の電波を受信したことに応じて、第2の電波を出力すること
を特徴とするコンテナ。
【請求項7】
請求項1に記載のコンテナであって、
前記装着具は、前記蓋部を前記本体部に装着するクリップであり、
前記本体部、及び前記蓋部の内周面に断熱材が敷設され、
前記断熱材は、配向グラスウールを含み、
前記パッキンは、シリコンゴムを素材とし、
前記本体部、及び前記蓋部の内周面が鏡面に加工されていること
を特徴とするコンテナ。
【請求項8】
その側面にスロットが形成された中空導電性の本体部と、
前記本体部の内部を密閉すべく前記スロットに設けられる絶縁性のパッキンと、
前記本体部の内部に収容される電波発信部と
を有し、
前記電波発信部から発射される電波により前記本体部に電力が供給され、
前記スロット及び前記本体部が、前記供給される電力を電波に変換するスロットアンテナとして機能すること
を特徴とするコンテナ。
【請求項9】
請求項8に記載のコンテナであって、
前記スロットの長辺の長さが、前記電波発信部から出力される電波の波長の約1/2であること
を特徴とするコンテナ。
【請求項10】
請求項8に記載のコンテナであって、
前記電波発信部は、当該コンテナ内部の状態を測定するセンサの測定値を含む電波を発射すること
を特徴とするコンテナ。
【請求項11】
請求項8に記載のコンテナであって、
前記電波発信部は、当該コンテナに収容される物品を特定する識別子をのせた電波を出力すること
を特徴とするコンテナ。
【請求項12】
請求項8に記載のコンテナであって、
当該コンテナの内部に電波受信部が収容され、
前記電波受信部は、前記アンテナによって当該コンテナの外部から送られてくる第1の電波を受信し、
前記電波発信部は、前記電波受信部が前記第1の電波を受信したことに応じて、第2の電波を出力すること
を特徴とするコンテナ。
【請求項13】
請求項1に記載の前記コンテナの製造方法であって、
前記本体部又は前記蓋部の形状を設定することにより、前記スロットアンテナの遮断周波数を設定すること
を特徴とするコンテナの製造方法。
【請求項14】
請求項1に記載の前記コンテナの製造方法であって、
前記パッキンの厚さを設定することにより、前記スロットアンテナの特性を設定すること
を特徴とするコンテナの製造方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−58811(P2010−58811A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−226314(P2008−226314)
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】