説明

コンテンツ再生装置、コンテンツ再生方法、プログラム及び記録媒体

【課題】 利用者がコンテンツの進行のために入力した選択内容に応じた自由で多彩な楽曲を自動的に生成する。
【解決手段】 構成要素情報記憶手段12に、楽曲の構成要素情報を行動履歴情報に関連付けて格納しておく。また、コンテンツの内容を動的に変化させるための選択情報を入力手段13に入力し、入力された選択情報を利用者情報記憶手段14に格納する。そして、行動履歴情報特定手段15において、利用者情報記憶手段に格納された選択情報を用いて行動履歴情報を特定し、検索手段16において行動履歴情報に対応する構成要素情報を構成要素情報記憶手段12から抽出する。その後、この構成要素情報を用い、楽曲生成手段17において楽曲を生成し、出力手段18において出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力される選択情報によって内容が動的に変化するコンテンツを再生するコンテンツ再生装置、コンテンツ再生方法、プログラム及びそれを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、業務用及び家庭用として、様々なコンピュータゲームコンテンツが提供されている。
通常、コンピュータゲームコンテンツは、ゲームキャラクタ、背景及び文字等のゲームシナリオを構成する画像データ、及びその背景音楽等の楽曲データ、ゲームの進行を制御するプログラム等から構成される。そして、このようなコンピュータゲームコンテンツがコンピュータに読み込まれ、実行されることにより、そのゲームシナリオが進行する。つまり、利用者がキーボード等を用いて入力した入力情報に基づき、ゲーム進行やシナリオが選択され、それに応じた画像や背景音楽等が、コンピュータに接続されたディスプレイやスピーカから出力される。
【0003】
しかし、通常、コンピュータゲームコンテンツに含まれる楽曲データは、コンピュータゲームコンテンツ作成時に固定的に設定される。そして、そのゲーム進行のなかで、場面に応じて背景音楽を変化させたり、入力データに応じて効果音を出力したりすることはあっても、それらはコンピュータゲームコンテンツ作成時に予め設定されていたものである。また、利用者の選択により背景音楽を設定できる場合もあるが、この場合も選択できる楽曲は、予め設定されていたものに限られる。
これに対し、特許文献1において、サウンドトラックをゲームシステム内で作成する方法が提唱されている。
【0004】
この方法では、オーディオデータ(またはオーディオトラック)を1つまたは複数のオーディオソース(オーディオCD、オンラインソース等)からコピーし、それによって楽曲(サウンドトラック)データを生成する。そして、生成された楽曲データは、コンピュータゲームコンテンツを実行するコンピュータのハードディスクドライブに格納され、このコンピュータは、ゲームの進行情報に応じ、この楽曲データを抽出して出力する。
【特許文献1】特開2002−306842号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の方法の場合、ゲームシステム内で作成される楽曲データは、既存の楽曲そのものを組み合わせたものに限られ、それ以上に自由で多彩な楽曲を構成することはできない。
また、特許文献1の方法の場合、利用者の選択によって背景音楽となる楽曲を生成することはできても、利用者がゲーム進行のために入力した選択内容に応じ、自動的に楽曲を構成することはできない。
このような問題点は、コンピュータゲームコンテンツに限らず、利用者の入力内容によってシナリオ展開が変化するコンテンツ(例えば、利用者の選択によってストーリー展開が変化する映画コンテンツ等)についても同様にいえることである。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、利用者がコンテンツの進行のために入力した選択内容に応じた自由で多彩な楽曲を、自動的に生成する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するために、本発明では、まず、構成要素情報記憶手段に、楽曲の構成要素である構成要素情報を、選択情報によって特定される行動履歴情報に関連付けて格納しておく。また、コンテンツの内容を動的に変化させるための選択情報の入力を、入力手段において受け付け、入力された選択情報を利用者情報記憶手段に格納していく。
そして、行動履歴情報特定手段において、利用者情報記憶手段に格納された選択情報を用いて行動履歴情報を特定し、検索手段において、この特定された行動履歴情報に対応する構成要素情報を構成要素情報記憶手段から抽出する。さらに、抽出された構成要素情報を用い、楽曲生成手段において楽曲を生成し、生成された楽曲を、出力手段において出力する。
【発明の効果】
【0008】
以上のように発明において生成される楽曲は、入力された選択情報をもとに自動的に生成されるものである。さらに、その楽曲は、楽曲の構成要素である構成要素情報の組み合わせによって構成されるものである。そのため、本発明では、利用者がコンテンツの進行のために入力した選択内容に応じた自由で多彩な楽曲を自動的に生成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
〔第1の実施の形態〕
まず、本発明における第1の実施の形態について説明する。
<構成>
図1は、本形態におけるコンテンツ再生装置10の構成を例示したブロック図である。なお、この例のコンテンツ再生装置10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスク装置等から構成される公知のコンピュータに、所定のプログラムを実行させることにより構築されるものである。
図1に例示するように、本形態のコンテンツ再生装置10は、コンテンツ記憶手段11、構成要素情報記憶手段12、入力手段13、利用者情報記憶手段14、行動履歴情報特定手段15、検索手段16、楽曲生成手段17、出力手段18及びシナリオ管理手段19を有しており、利用者によって入力される選択情報によって内容が動的に変化するコンテンツの再生を行う。
【0010】
[コンテンツ記憶手段]
この例のコンテンツ記憶手段11は、利用者の選択情報によってストーリー展開が変化するコンテンツを記憶したメモリである。なお、「コンテンツ」とは、画像データ、音声データ、楽曲データ、各種パラメータ、及びそれらを利用してシナリオを構築するプログラム等から構成されるマルチメディア情報である。また、この「コンテンツ」の具体例としては、コンピュータゲームコンテンツ、利用者がストーリーを選択できる映画コンテンツ等を例示できる。
また「選択情報」とは、利用者の意思によって入力され、コンテンツのシナリオ展開を左右する可能性がある情報を意味する。例えば、コンピュータゲーム空間(仮想空間)において登場キャラクタの行動(例えば、コンピュータゲーム空間におけるキャラクタの進路の決定、意思決定、店舗の選択、商品の売買等)を指示するための情報や、コンテンツのストーリー選択ための情報等が、この選択情報に該当する。
【0011】
[構成要素情報記憶手段]
この例の構成要素情報記憶手段12は、楽曲の構成要素である構成要素情報を、選択情報によって特定される行動履歴情報に関連付けて格納したメモリである。なお「構成要素情報」としては、例えば、楽曲の音質、歌唱表現、伴奏、歌詞、メロディ等を例示できる。また、第1の実施の形態における「行動履歴情報」とは、1以上の選択情報からなる情報である。
【0012】
図2は、構成要素情報記憶手段12に格納されたデータの構成を例示した図である。
図2に例示するように、この構成要素情報記憶手段12には、音質データ12a、歌唱表現データ12b、伴奏データ12c、歌詞データ12d及びメロディデータ12eが格納されている。
図3及び図4は、この構成要素情報記憶手段12に格納された各データの構成を例示した概念図である。
図3及び図4に例示する通り、この例の音質データ12a、歌唱表現データ12b、伴奏データ12c、歌詞データ12d、及びメロディデータ12eは、各構成要素情報と各行動履歴情報との対応表である。
【0013】
図3の(a)に例示するように、音質データ12aの構成要素情報は、音質を特定する情報である。この例の場合、行動履歴情報である「選択肢A」「選択肢B and C」「それ以外」に対し、構成要素情報である「音質1」「音質2」「音質3」がそれぞれ対応付けられている。なお、ここでの「選択肢A」「選択肢B」等が、上述の「選択情報」に相当する。
また、図3の(b)に例示するように、歌唱表現データ12bの構成要素情報は、歌唱表現内容を特定する情報である。この例の場合、行動履歴情報である「選択肢A」「選択肢B and C」「それ以外」に対し、構成要素情報である「歌唱表現1(元気にはつらつと)」「歌唱表現2(しっとりと落ち着いて)」「歌唱表現3(脱力して投げやりに)」がそれぞれ対応付けられている。
さらに、図3の(c)に例示するように、伴奏データ12cの構成要素情報は、伴奏内容を特定する情報である。この例の場合、行動履歴情報である「選択肢A」「選択肢B and C」「それ以外」に対し、構成要素情報である「伴奏1(生楽器による演奏)」「伴奏2(電子楽器による演奏)」「伴奏3(雅楽器による演奏)」がそれぞれ対応付けられている。
【0014】
また、図4の(a)に例示するように、歌詞データ12dの構成要素情報は、歌詞内容を特定する情報である。この例の場合、行動履歴情報である「選択肢A」「選択肢B」「選択肢C」「選択肢D」「選択肢E」「選択肢F」「選択肢G」「選択肢H」「選択肢I」に対し、構成要素情報である「Aさんと」「Bさんと」「Cさんと」「Dさんと」「Fさんと」「恋に落ちた」「けんかした」「すれ違った」がそれぞれ対応付けたれている。
さらに、図4の(b)に例示するように、メロディデータ12eの成要素情報は、メロディを特定する情報である。この例の場合、行動履歴情報である「選択肢A」「選択肢B」「選択肢C」「選択肢D」「選択肢E」「選択肢F」「選択肢G」「選択肢H」「選択肢I」に対し、構成要素情報である「メロディA」「メロディB」「メロディC」「メロディE」「メロディF」「メロディG」「メロディH」「メロディI」がそれぞれ対応付けられている。
【0015】
[入力手段]
この例の入力手段13は、キーボード、マウス、ジョイスティック等の入力デバイスや入力インタフェース等から構成され、選択情報の入力を受け付ける。
【0016】
[利用者情報記憶手段]
この例の利用者情報記憶手段14は、入力された選択情報を格納するメモリである。
図5は、この利用者情報記憶手段14に格納された利用者情報14aのデータ構成を例示した図である。
この図に例示するように、利用者情報14aは、コンテンツの各シナリオ分岐点において入力された選択情報の履歴から構成される。ここで「シナリオ分岐点」とは、コンテンツのストーリー展開に影響を与える選択情報の入力時点を示す。例えば、ゲームシナリオの進行に影響を与える、コンピュータゲーム空間上でのゲームキャラクタの進路決定時等が、この「シナリオ分岐点」に相当する。
図5の例の利用者情報14aの場合、各シナリオ分岐点で入力された選択情報「選択肢B」「選択肢C」「選択肢B」「選択肢D」「選択肢A」「選択肢D」「選択肢B」「選択肢D」「選択肢I」「選択肢B」「選択肢D」「選択肢I」が、それぞれのシナリオ分岐点を示す「1」〜「12」という数字に対応付けられている。
【0017】
[行動履歴情報特定手段]
この例の行動履歴情報特定手段15は、利用者情報記憶手段14に格納された選択情報を用い、行動履歴情報を特定する。
[検索手段]
この例の検索手段16は、行動履歴情報特定手段15において特定された行動履歴情報に対応する構成要素情報を、構成要素情報記憶手段12から抽出する。
図6は、構成要素情報記憶手段12、検索手段16及び楽曲生成手段17の詳細構成を例示したブロック図である。この図に例示するように、この例の検索手段16は、声質検索手段16a、歌唱表現検索手段16b、伴奏検索手段16c、歌詞検索手段16d及びメロディ検索手段16eを有している。
【0018】
[楽曲生成手段]
この例の楽曲生成手段17は、検索手段16において抽出された構成要素情報を用い、楽曲を生成する。
図6に例示するように、この例の楽曲生成手段17は、歌詞自動生成手段17a、歌詞テキスト解析手段17b、素片検索手段17c、音声合成手段17d及びミキシング手段17eを有している。
[出力手段]
この例の出力手段18は、生成された楽曲をコンテンツとともに出力する出力インタフェース、ディスプレイ及びスピーカである。
【0019】
[シナリオ管理手段]
この例のシナリオ管理手段19は、コンテンツ記憶手段11に格納されているコンテンツの実行の制御を行う。
<処理>
図7は、本形態におけるコンテンツ再生装置10の処理動作の流れを例示した図である。以下、図7及び前述の図1から図6の図を用いて、本形態におけるコンテンツ再生装置10の処理動作について説明する。なお、以下ではコンピュータゲームコンテンツを例にとって説明する。
【0020】
[前処理]
前処理として、構成要素情報記憶手段12に、構成要素情報と行動履歴情報とを関連付けて格納する。すなわち、構成要素情報記憶手段12に、音質データ12a、歌唱表現データ12b、伴奏データ12c、歌詞データ12d及びメロディデータ12eを格納する(図2から図4)。また、同じく前処理として、コンテンツ記憶手段11に、コンピュータゲームコンテンツ(コンテンツ)を記憶させる。
【0021】
[ステップS1]
シナリオ管理手段19において、コンテンツ記憶手段11に格納されているコンテンツを抽出し、映像・音声・テロップ等の提示によって、このコンテンツのコンピュータゲームシナリオを進行する。具体的には、この例のシナリオ管理手段19は、コンテンツ記憶手段11に格納されているコンテンツを構成するプログラムを順次抽出し、このプログラムに従い、コンテンツ記憶手段11に格納されているコンテンツを構成する画像データや音声データ等を順次抽出する。そして、シナリオ管理手段19は、抽出した画像データや音声データ等によって構成される映像・音声・テロップ等の情報を順次出力手段18に送り、出力手段18は、送られた映像・音声・テロップ等の情報を出力する。
なお、シナリオ管理手段19は、利用者が入力手段13に入力し、シナリオ管理手段19に送られた選択情報に基づき、コンピュータゲームコンテンツの進行を決定する。すなわち、シナリオ管理手段19によって構成されるコンピュータゲームコンテンツの進行は、入力される選択情報によって動的に変化する。
【0022】
[ステップS2]
シナリオ管理手段19において、ステップS1のように進行されたゲームシナリオが終了したか否かを判断する。ここで、ゲームシナリオが終了したと判断された場合には処理を終了し、まだ終了していないと判断された場合には、ステップS3に進む。
[ステップS3]
シナリオ管理手段19において、ゲームシナリオが処理前のシナリオ分岐点に達しているか否かを判断する。ここで、処理前のシナリオ分岐点に達していると判断された場合には、ステップS4に進み、まだ処理前のシナリオ分岐点に達していないと判断された場合には、ステップS1に戻ってゲームシナリオの進行を継続する。
【0023】
[ステップS4]
シナリオ管理手段19において、例えば、現時点でのシナリオ分岐点における行動選択肢(ゲームシナリオ内での行動を選択するための選択肢)を示すテロップ情報をコンテンツ記憶手段11から抽出する。抽出されたテロップ情報は、出力手段18に送られ、出力手段18は、これによって特定されるテロップ(行動選択肢)を表示し、ステップS5に進む。
[ステップS5]
利用者は、出力手段18において表示された行動選択肢を閲覧し、コンピュータゲーム空間内での行動を選択する。つまり、利用者は、入力手段13に利用者が選択した選択肢を示す選択情報を入力し、入力手段13は、この選択情報の入力を受け付ける。そして、ステップS6に進む。
【0024】
[ステップS6]
入力手段13は、入力された選択情報を、利用者情報記憶手段14及びシナリオ管理手段19に送る。利用者情報記憶手段14は、受け取った選択情報を、それに対応するシナリオ分岐点に関連付けて(前述のように)格納する(図5)。
[ステップS7]
また、シナリオ管理手段19は、受け取った選択情報に従ってシナリオを選択し、ステップS8に進む。
【0025】
[ステップS8]
シナリオ管理手段19において、処理前の音声合成イベントに達したか否かを判断する。ここで「音声合成イベント」とは、ゲームシナリオ中において音声合成を行うように定められている事柄をいう。例えば「コンピュータゲーム空間においてあるキャラクタが位置Aに達した場合に音声合成を行う」とコンテンツ内のプログラムで定められていた場合、この「キャラクタが位置Aに達した」ということが「音声合成イベント」となる。
ここで、シナリオ管理手段19において、処理前の音声合成イベントに達したと判断された場合には、ステップS9に進み、まだ処理前の音声合成イベントに達していないと判断された場合には、ステップS1に戻ってシナリオ進行を続行する。
【0026】
[ステップS9]
行動履歴情報特定手段15において、利用者情報記憶手段14に格納された選択情報を用い、行動履歴情報を特定する。
この例の場合、行動履歴情報特定手段15は、シナリオ分岐点「1」「2」の選択情報(図5)を音質データ12aの検索に用いる行動履歴情報とし、シナリオ分岐点「3」「4」の選択情報を歌唱表現データ12bの検索に用いる行動履歴情報とし、シナリオ分岐点「5」「6」の選択情報を伴奏データ12cの検索に用いる行動履歴情報とし、シナリオ分岐点「7」「8」「9」の選択情報を歌詞データ12dの検索に用いる行動履歴情報とし、シナリオ分岐点「10」「11」「12」の選択情報をメロディデータ12eの検索に用いる行動履歴情報とする。このように特定された行動履歴情報は、検索手段16に送られる。
【0027】
[ステップS10]
検索手段16において、行動履歴情報特定手段15で特定された行動履歴情報に対応する構成要素情報を、構成要素情報記憶手段12から抽出する。
すなわち、検索手段16の音質検索手段16aにおいて(図6)、シナリオ分岐点「1」「2」の選択情報に対応する構成要素情報(音質)を音質データ12aから抽出し、歌唱表現検索手段16bにおいて、シナリオ分岐点「3」「4」の選択情報に対応する構成要素情報(歌唱表現)を歌唱表現データ12bから抽出し、伴奏検索手段16cにおいて、シナリオ分岐点「5」「6」の選択情報に対応する構成要素情報(伴奏)を伴奏データ12cから抽出する。また、歌詞検索手段16dにおいて、シナリオ分岐点「7」「8」「9」の選択情報に対応する構成要素情報(歌詞)を歌詞データ12dから抽出し、メロディ検索手段16eにおいて、シナリオ分岐点「10」「11」「12」の選択情報に対応する構成要素情報(メロディ)をメロディデータ12eから抽出する。
【0028】
図8及び図9は、このような各構成要素情報の抽出処理を例示した概念図である。
図8の(a)は、音質の構成要素情報の抽出処理についての例である。
この例の場合、シナリオ分岐点「1」「2」の選択情報は、それぞれ「選択肢B」「選択肢C」であり、これらの組が音質の構成要素情報を特定する構成履歴情報となる。その場合、音質検索手段16aは、音質データ12aにおいて「選択肢BandC」に対応する「音質2」を、音質の構成要素情報として抽出する。そして、音質検索手段16aは、この音質の構成要素情報を楽曲生成手段17の素片選択手段17cに送る。
【0029】
図8の(b)は、歌唱表現の構成要素情報の抽出処理についての例である。
この例の場合、シナリオ分岐点「3」「4」の選択情報は、それぞれ「選択肢B」「選択肢D」であり、これらの組が歌唱表現の構成要素情報を特定する構成履歴情報となる。その場合、歌唱表現検索手段16bは、歌唱表現データ12bにおいて「それ以外」に対応する「歌唱表現3(脱力して投げやりに)」を、歌唱表現の構成要素情報として抽出する。そして、歌唱表現検索手段16bは、この歌唱表現の構成要素情報を楽曲生成手段17の音声合成手段17dに送る。
【0030】
図8の(c)は、伴奏の構成要素情報の抽出処理についての例である。
この例の場合、シナリオ分岐点「5」「6」の選択情報は、それぞれ「選択肢A」「選択肢D」であり、これらの組が伴奏の構成要素情報を特定する構成履歴情報となる。その場合、伴奏検索手段16cは、伴奏データ12cにおいて「選択肢A」に対応する「伴奏1(生楽器による演奏)」を、伴奏の構成要素情報として抽出する。そして、伴奏検索手段16cは、この伴奏の構成要素情報を楽曲生成手段17のミキシング手段17eに送る。
【0031】
図9の(a)は、歌詞の構成要素情報の抽出処理についての例である。
この例の場合、シナリオ分岐点「7」「8」「9」の選択情報は、それぞれ「選択肢B」「選択肢D」「選択肢I」であり(図5)、これらがそれぞれ歌詞の構成要素情報を特定する構成履歴情報となる。そして、歌詞検索手段16dは、歌詞データ12dにおいて「選択肢B」に対応する「Bさんと」と、「選択肢D」に対応する「Dさんと」と、「選択肢I」に対応する「すれ違った」とを、歌詞の構成要素情報として抽出する。このように抽出された歌詞の構成要素情報は、楽曲生成手段17の歌詞自動生成手段17aに送られる。
【0032】
図9の(b)は、メロディの構成要素情報の抽出処理についての例である。
この例の場合、シナリオ分岐点「10」「11」「12」の選択情報は、それぞれ「選択肢B」「選択肢D」「選択肢I」であり(図5)、これらがそれぞれメロディの構成要素情報を特定する構成履歴情報となる。そして、メロディ検索手段16eは、メロディデータ12eにおいて「選択肢B」に対応する「メロディB」と、「選択肢D」に対応する「メロディD」と、「選択肢I」に対応する「メロディI」を、メロディの構成要素情報として抽出する。このように抽出されたメロディの構成要素情報は、楽曲生成手段17の素片選択手段17cに送られる。
【0033】
[ステップS11]
楽曲生成手段17において、検索手段16で抽出された構成要素情報を用い、楽曲を自動生成する。
すなわち、まず楽曲生成手段17の歌詞自動生成手段17aにおいて、歌詞検索手段16から送られた歌詞の構成要素情報「Bさんと」「Dさんと」「すれ違った」を用い、歌詞を自動生成する。生成された歌詞は、歌詞テキスト解析手段17bに送られ、歌詞テキスト解析手段17bは、この歌詞を公知の方法によりテキスト解析する。このテキスト解析により得られた音素列は素片選択手段17cに送られ、素片選択手段17cは、この音素列と、音声検索手段から送られた音質の構成要素情報「音質2」と、メロディ検索手段16eから送られたメロディの構成要素情報「メロディB」「メロディD」「メロディI」と用い、公知の方法により素片を生成する。生成された素片は、音声合成手段17dに送られ、音声合成手段17dは、この素片と、歌唱表現検索手段16bから送られた歌唱表現の構成要素情報「歌唱表現3(脱力して投げやりに)」とを用い、公知の方法(例えば特開平7−146695の方法等)により、合成音声を生成する。生成された合成音声は、ミキシング手段17eに送られ、ミキシング手段17eは、この合成音声と、伴奏検索手段16cから送られた伴奏の構成要素情報「伴奏1(生楽器による演奏)」が示す伴奏とをミキシングし、楽曲を生成する。そして、生成された楽曲は出力手段18に送られる。
【0034】
[ステップS12]
楽曲生成手段17において生成された楽曲を受け取った出力手段18は、この楽曲を、シナリオ管理手段19から送られる音声・映像・テロップ等とともに出力する。
【0035】
<本形態の特徴>
以上説明した通り、本形態の楽曲生成手段17において生成される楽曲は、コンピュータゲームコンテンツの進行途中のシナリオ分岐点において利用者によって入力された選択情報をもとに、自動的に生成されるものである。さらに、その楽曲は、この選択情報に対応する構成要素情報の組み合わせによって構成されるものである。そのため、本形態では、ゲームコンテンツのシナリオ進行に応じた自由で多彩な楽曲を生成・出力することができる。
【0036】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明における第2の実施の形態について説明する。
本形態は、第1の実施の形態の変形例であり、選択情報に応じて付与される行動履歴得点の累積加算値を行動履歴情報とする点が第1の実施の形態と相違する。以下では、第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、第1の実施の形態と共通する事項については、説明を省略する。
【0037】
<構成>
図10は、本形態におけるコンテンツ再生装置110の構成を例示したブロック図である。なお、この例のコンテンツ再生装置110は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク装置等から構成される公知のコンピュータに、所定のプログラムを実行させることにより構築されるものである。また、図10において、図1と共通する機能構成については第1の実施の形態と同じ符号を付した。
図10に例示するように、本形態のコンテンツ再生装置110は、コンテンツ記憶手段11、構成要素情報記憶手段112、入力手段13、利用者情報記憶手段114、行動履歴情報特定手段115、検索手段16、楽曲生成手段17、出力手段18及びシナリオ管理手段119を有しており、利用者によって入力される選択情報によって内容が動的に変化するコンテンツの再生を行う。
【0038】
[構成要素情報記憶手段]
この例の構成要素情報記憶手段112も、第1の実施の形態における構成要素情報記憶手段12と同様、構成要素である構成要素情報を、選択情報によって特定される行動履歴情報に関連付けて格納したメモリである。ただし、本形態における「行動履歴情報」は、選択情報に応じて付与される行動履歴得点の累積加算値である(詳細は後述)。
【0039】
図11は、構成要素情報記憶手段112に格納されたデータの構成を例示した図である。
図11に例示するように、この構成要素情報記憶手段112には、音質データ112a、歌唱表現データ112b、伴奏データ112c、歌詞データ112d及びメロディデータ112eが格納されている。
図12及び図13は、この構成要素情報記憶手段112に格納された各データの構成を例示した概念図である。
【0040】
図12及び図13に例示する通り、第1の実施の形態と同様、この例の音質データ112a、歌唱表現データ112b、伴奏データ112c、歌詞データ112d、及びメロディデータ112eも各構成要素情報と各行動履歴情報との対応表である。ただし、この例の行動履歴情報は行動履歴得点の累積加算値である(詳細は後述)。
図12の(a)に例示するように、音質データ112aの構成要素情報は、音質を特定する情報である。この例の場合、行動履歴情報「70〜100」「30〜69」「0〜29」に対し、構成要素情報である「音質1」「音質2」「音質3」がそれぞれ対応付けられている。
【0041】
また、図12の(b)に例示するように、歌唱表現データ112bの構成要素情報は、歌唱表現内容を特定する情報である。この例の場合、行動履歴情報「70〜100」「30〜69」「0〜29」に対し、構成要素情報である「歌唱表現1(元気にはつらつと)」「歌唱表現2(しっとりと落ち着いて)」「歌唱表現3(脱力して投げやりに)」がそれぞれ対応付けられている。
さらに、図12の(c)に例示するように、伴奏データ112cの構成要素情報は、伴奏内容を特定する情報である。この例の場合、行動履歴情報「70〜100」「30〜69」「0〜29」に対し、構成要素情報である「伴奏1(生楽器による演奏)」「伴奏2(電子楽器による演奏)」「伴奏3(雅楽器による演奏)」がそれぞれ対応付けられている。
【0042】
また、図13の(a)に例示するように、歌詞データ112dの構成要素情報は、歌詞内容を特定する情報である。この例の場合、フレーズ「α」の歌詞内容として、行動履歴情報「70〜100」「30〜69」「0〜29」に対し、構成要素情報である「とめどなくあふれる」「はらはらと流れる」「ぽたぽたとこぼれる」がそれぞれ対応付けられている。また、フレーズ「β」の歌詞内容として、行動履歴情報「70〜100」「30〜69」「0〜29」に対し、構成要素情報である「あなたは拭いもせず」「拭うこともできず」「ほったらかしのままで」がそれぞれ対応付けられている。さらに、フレーズ「γ」の歌詞内容として、行動履歴情報「70〜100」「30〜69」「0〜29」に対し、構成要素情報である「たちつくすだけ」「たっているだけ」「つったっている」がそれぞれ対応付けられている。
さらに、図13の(b)に例示するように、メロディデータ112eの成要素情報は、メロディを特定する情報である。この例の場合、行動履歴情報「70〜100」「30〜69」「0〜29」に対し、構成要素情報である「メロディA」「メロディB」「メロディC」がそれぞれ対応付けられている。
【0043】
[利用者情報記憶手段]
この例の利用者情報記憶手段114は、入力された選択情報を格納するメモリである。
図14は、この利用者情報記憶手段114に格納された利用者情報114aのデータ構成を例示した図である。
この図に例示するように、利用者情報114aは、コンテンツ中における各行動に対応する選択情報の履歴から構成される。ここで「行動」とは、入力された選択情報によって決定される、コンテンツに登場するキャラクタの行動を意味する。例えば、コンピュータゲーム空間上でのゲームキャラクタの移動、売買行為等が、この「行動」に相当する。
図14の例の利用者情報114aの場合、各行動に係る選択情報「選択肢B」「選択肢C」「選択肢B」「選択肢D」「選択肢A」「選択肢D」「選択肢B」「選択肢D」「選択肢I」「選択肢B」「選択肢D」「選択肢I」が、それぞれの行動を示す「1」〜「12」という数字に対応付けられている。
【0044】
[行動履歴情報特定手段]
この例の行動履歴情報特定手段115は、利用者情報記憶手段114に格納された選択情報を用い、行動履歴情報を特定する。
図15は、この例の行動履歴情報特定手段115の詳細構成を例示したブロック図である。
図15に例示するように、この例の行動履歴情報特定手段115は、得点表記憶手段115a、行動履歴得点抽出手段115b及び行動履歴得点加算手段115cを有している。また、得点表記憶手段115aには、各選択情報に対して付される得点(行動履歴得点)が、選択情報に対応付けられて格納されている。図15の例の場合、選択情報「選択肢A」「選択肢B」「選択肢C」「選択肢D」「選択肢E」「選択肢F」「選択肢G」「選択肢H」「選択肢I」に対し、行動履歴得点「5」「10」「15」「10」「5」「20」「5」「15」「10」が対応付けられて格納されている。
【0045】
[シナリオ管理手段]
この例のシナリオ管理手段119も、第1の実施の形態と同様、コンテンツ記憶手段11に格納されているコンテンツの実行の制御を行う。ただし、シナリオ管理手段119は、行動履歴得点の累積加算値(行動履歴情報)に応じてシナリオ選択を行う成績評価手段119aを有している点が第1の実施の形態と相違する。
<処理>
図16は、本形態におけるコンテンツ再生装置110の処理の概略を示した概念図である。
この図に示すように、行動履歴情報特定手段115の行動履歴得点抽出手段115bは、コンテンツ内での各行動に伴い入力手段13から入力された選択情報200‐1〜12に対応する行動履歴得点201‐1〜12を抽出し、行動履歴得点加算手段115cは、これらの累積加算値を行動履歴情報としてシナリオ管理手段119及び検索手段16に送る。
【0046】
そして、シナリオ管理手段119は、成績評価手段119aを用い、行動履歴情報に基づき、その後のシナリオ進行(「シナリオ1」〜「シナリオn」)を決定し、検索手段16は、送られた行動履歴情報に対応する構成要素情報を構成要素情報記憶手段112から抽出し、楽曲生成手段17に送る。楽曲生成手段17は、送られた構成要素情報に基づき楽曲(「楽曲1」〜「楽曲n」)を生成する。
図17は、本形態におけるコンテンツ再生装置110の処理動作の流れを例示した図である。以下、図17及び前述の図10から図15の図を用いて、本形態におけるコンテンツ再生装置110の処理の詳細について説明する。なお、以下ではコンピュータゲームコンテンツを例にとって説明する。
【0047】
[前処理]
前処理として、構成要素情報記憶手段112に、構成要素情報と行動履歴情報とを関連付けて格納する。すなわち、構成要素情報記憶手段112に、音質データ112a、歌唱表現データ112b、伴奏データ112c、歌詞データ112d及びメロディデータ112eを格納する(図11から図13)。
また、同じく前処理として、コンテンツ記憶手段11に、コンピュータゲームコンテンツ(コンテンツ)を記憶させる。
【0048】
[ステップS21]
第1の実施の形態と同様、シナリオ管理手段119において、コンテンツ記憶手段11に格納されているコンテンツを抽出し、映像・音声・テロップ等の提示によって、このコンテンツのコンピュータゲームシナリオを進行する。
ただし、この例のシナリオ管理手段119は、利用者が入力手段13から送られた選択情報に基づき、コンピュータゲームコンテンツの進行を決定する他、行動履歴情報特定手段から送られた行動履歴情報(行動履歴得点累積加算値)に基づき成績評価手段119aがシナリオ選択を行う。すなわち、シナリオ管理手段119によって構成されるコンピュータゲームコンテンツの進行は、入力される選択情報によって動的に変化する。
【0049】
[ステップS22]
入力手段13において、利用者による行動の選択、すなわち選択情報の入力を受け付ける。
[ステップS23]
入力手段13において入力された選択情報は利用者情報記憶手段114に送られ、そこで格納される(図14)。すなわち、入力手段13において入力された各選択情報には行動番号が付され、利用者情報記憶手段114には、各行動番号に各選択情報が関連付けられて格納される。
【0050】
[ステップS24]
シナリオ管理手段119において、進行されてきたゲームシナリオが終了したか否かを判断する。ここで、ゲームシナリオが終了したと判断された場合には処理を終了し、まだ終了していないと判断された場合には、ステップS25に進む。
[ステップS25]
シナリオ管理手段119において、ゲームシナリオが処理前のシナリオ分岐点に達しているか否かを判断する。ここで、処理前のシナリオ分岐点に達していると判断された場合には、ステップS26に進み、まだ処理前のシナリオ分岐点に達していないと判断された場合には、ステップS21に戻ってゲームシナリオの進行を継続する。
【0051】
[ステップS26]
行動履歴情報特定手段115において、利用者情報記憶手段114から一連の選択情報を抽出し、これらを用いて行動履歴情報を特定する。以下、図15を用い、この処理を説明する。
まず、利用者情報記憶手段114から抽出された一連の選択情報は、行動履歴得点抽出手段115bに送られる。行動履歴得点抽出手段115bは、送られた各選択情報をキーとし、得点表記憶手段115aに格納されている得点表115aaを検索し、この検索キーに対応する行動履歴得点を抽出する。例えば、行動履歴得点抽出手段115bに送られた選択情報が「選択肢B」であった場合、行動履歴得点抽出手段115bは、得点表115aaにおいて「選択肢B」に関連付けられている「10」の行動履歴得点を、得点表記憶手段115aから抽出する。
【0052】
行動履歴得点抽出手段115bにおいて順次抽出された行動履歴得点は、行動履歴得点加算手段115cに送られ、行動履歴得点加算手段115cは、送られた行動履歴得点を累積加算する。例えば、「10」「15」「10」「10」「5」という行動履歴得点が送られてきた場合、行動履歴得点加算手段115cは、10+15+10+10+5のような加算を行う。
行動履歴情報特定手段115において算出された行動履歴情報(行動履歴得点累積加算値)は、シナリオ管理手段119に送られ、成績評価手段119aにおけるシナリオ選択に利用される他、検索手段16に送られる。
【0053】
[ステップS27]
検索手段16において、行動履歴情報特定手段115で特定された行動履歴情報に対応する構成要素情報を、構成要素情報記憶手段112から抽出する。
図18及び図19は、このような各構成要素情報の抽出処理を例示した概念図である。なお、以下では、行動履歴情報(行動履歴得点累積加算値)が65点である場合を例にとって説明する。
図18の(a)は、音質の構成要素情報の抽出処理についての例である。
この例の場合、行動履歴情報は65点であるため、検索手段16は、構成要素情報記憶手段112の音質データ112aから、30〜69点の行動履歴情報に対応する「音質2」を音質の構成要素情報として抽出する。抽出された音質の構成要素情報は、楽曲生成手段17に送られる。
【0054】
図18の(b)は、歌唱表現の構成要素情報の抽出処理についての例である。
この例の場合、行動履歴情報は65点であるため、検索手段16は、構成要素情報記憶手段112の歌唱表現データ112bから、30〜69点の行動履歴情報に対応する「歌唱表現2(しっとりと落ち着いて)」を歌唱表現の構成要素情報として抽出する。抽出された歌唱表現の構成要素情報は、楽曲生成手段17に送られる。
【0055】
図18の(c)は、伴奏の構成要素情報の抽出処理についての例である。
この例の場合、行動履歴情報は65点であるため、検索手段16は、構成要素情報記憶手段112の伴奏データ112cから、30〜69点の行動履歴情報に対応する「伴奏2(電子楽器による演奏)」を伴奏の構成要素情報として抽出する。抽出された伴奏の構成要素情報は、楽曲生成手段17に送られる。
【0056】
図19の(a)は、歌詞の構成要素情報の抽出処理についての例である。
この例の場合、行動履歴情報は65点であるため、検索手段16は、歌詞データ112dから、フレーズαの構成要素情報「はらはらと流れる」、フレーズβの構成要素情報「拭うこともできず」及びフレーズγの構成要素情報「たっているだけ」を抽出する。抽出された歌詞の構成要素情報は、楽曲生成手段17に送られる。
図19の(b)は、メロディの構成要素情報の抽出処理についての例である。
この例の場合、行動履歴情報は65点であるため、検索手段16は、構成要素情報記憶手段112のメロディデータ112eから、30〜69点の行動履歴情報に対応する「メロディB」をメロディの構成要素情報として抽出する。抽出されたメロディの構成要素情報は、楽曲生成手段17に送られる。
【0057】
[ステップS28]
楽曲生成手段17において、検索手段16で抽出された構成要素情報を用い、第1の実施の形態と同様に楽曲を自動生成する。生成された楽曲は、出力手段18に送られる。
[ステップS29]
出力手段18は、送られた楽曲を、シナリオ管理手段119から送られる音声・映像・テロップ等とともに出力する。
<本形態の特徴>
以上説明した通り、本形態の楽曲生成手段17において生成される楽曲は、コンピュータゲームコンテンツにおけるキャラクタの行動を決定するために入力された選択情報をもとに、自動的に生成されるものである。さらに、その楽曲は、この選択情報に対応する構成要素情報の組み合わせによって構成されるものである。そのため、本形態では、ゲームコンテンツのシナリオ進行に応じた自由で多彩な楽曲を生成・出力することができる。
【0058】
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明における第3の実施の形態について説明する。
本形態は、第2の実施の形態の変形例である。第2の実施の形態との相違点は、コンテンツが時系列的に区分される複数のセクションを有する点、行動履歴情報特定手段が各セクションのコンテンツの出力時に入力された選択情報を用いて当該セクション毎の行動履歴情報を特定する点、検索手段がセクション毎の行動履歴情報に対応するセクション毎の構成要素情報を構成要素情報記憶手段から抽出する点、楽曲生成手段がセクション毎の構成要素情報を用い楽曲を生成する点である。以下では、第2の実施の形態との相違点を中心に説明し、第2の実施の形態と共通する事項については、説明を省略する。
<構成>
本形態におけるコンテンツ再生装置の全体構成は、図10に例示した第2の実施の形態の構成と同様である。ただし、前処理において構成要素情報記憶手段112にメロディデータ112eが格納される代わりに、図20に例示するメロディデータ312eが格納される点が第2の実施の形態と相違する。
【0059】
<処理>
図21は、本形態におけるコンテンツ再生装置の処理の概略を示した概念図である。
この図における横軸はコンテンツの時系列を示しており、この図に示すように、この例のコンテンツは、シナリオ分岐点(シナリオ分岐点0,1,2…)で時系列的に区分される複数のセクション(第1セクション,第2セクション、第3セクション…)を有している。
本形態において入力手段13(図10)に入力された各選択情報400−1〜m,…,403−1〜m…は、セクション毎に利用者情報記憶手段114に格納され、この選択情報に応じてシナリオの進行が決定される。
【0060】
そして、行動履歴情報特定手段115(図10)は、利用者情報記憶手段114に格納された各セクションの選択情報(各セクションのコンテンツの出力時に入力された選択情報)を用い、当該セクション毎の行動履歴得点410−1〜m,…,413−1〜m…(「行動履歴情報」に相当)を特定する。
特定されたセクション毎の行動履歴得点は検索手段16に送られ、検索手段16は、セクション毎の行動履歴得点に対応するセクション毎の構成要素情報を、構成要素情報記憶手段112から抽出し、楽曲生成手段17に送る。そして、楽曲生成手段17は、受け取ったセクション毎の構成要素情報を用いて楽曲を生成し、出力手段18においてコンテンツとともに出力される。
【0061】
<構成要素情報の抽出処理の例示>
次に、構成要素情報の抽出処理を概念的に説明する。
図22は、検索手段16(図10)が構成要素情報記憶手段112から各構成要素情報を抽出する処理を例示した概念図である。以下の例では、第1〜3セクションの行動履歴情報(行動履歴得点累積加算値)が、それぞれ65点、72点、25点であるものとする。
図22の(a)は、歌詞に係る構成要素情報の抽出処理を示している。
【0062】
この例の場合、第1セクションにおける行動履歴情報が65点であるため、検索手段16は、構成要素情報記憶手段112の歌唱表現データ112b(図13(a))から、フレーズαの30〜69点の行動履歴情報に対応する「はらはらと流れる」を、フレーズαの歌詞の構成要素情報として抽出する。また、第2セクションにおける行動履歴情報が72点であるため、検索手段16は、構成要素情報記憶手段112の歌唱表現データ112bから、フレーズβの70〜100点の行動履歴情報に対応する「あなたは拭いもせず」をフレーズβの歌詞の構成要素情報として抽出する。さらに、第3セクションにおける行動履歴情報が25点であるため、検索手段16は、構成要素情報記憶手段112の歌唱表現データ112bから、フレーズγの0〜29点の行動履歴情報に対応する「つったっている」をフレーズγの歌詞の構成要素情報として抽出する。
そして、フレーズαの歌詞とβの歌詞との間に定型歌詞「涙を」を、フレーズβの歌詞とγの歌詞との間に定型歌詞「ただ」を、それぞれ挟んだ「はらはらと流れる涙をあなたは拭いもせず、ただつったっている」が歌詞の構成要素情報として楽曲生成手段17に送られる。
【0063】
図22の(b)は、メロディに係る構成要素情報の抽出処理を示している。
この例の場合、第1セクションにおける行動履歴情報が65点であるため、検索手段16は、構成要素情報記憶手段112のメロディデータ312e(図20)から、30〜69点の行動履歴情報に対応する「メロディB」をフレーズαに対応するメロディの構成要素情報として抽出する。また、第2セクションにおける行動履歴情報が72点であるため、検索手段16は、構成要素情報記憶手段112のメロディデータ312eから、70〜100点の行動履歴情報に対応する「メロディD」をフレーズβに対応するメロディの構成要素情報として抽出する。さらに、第3セクションにおける行動履歴情報が25点であるため、検索手段16は、構成要素情報記憶手段112のメロディデータ312eから、0〜29点の行動履歴情報に対応する「メロディI」をフレーズγに対応するメロディの構成要素情報として抽出する。
そして、これらのフレーズα,β,γに対応するメロディB,D,Iがメロディの構成要素情報として楽曲生成手段17に送られる。
【0064】
<本形態の特徴>
以上説明した通り、本形態では、各セクションのコンテンツの出力時に入力された選択情報を用いて当該セクション毎の行動履歴情報を特定し、特定したセクション毎の行動履歴情報に対応するセクション毎の構成要素情報を用いて楽曲を生成することとした。これにより、さらに自由で多彩な楽曲を生成・出力することができる。
【0065】
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明における第4の実施の形態について説明する。
本形態は、第1,2の実施の形態の変形例であり、連鎖強度情報記憶手段に構成要素情報間の連鎖強度を示す連鎖強度を当該行動履歴情報に関連付けて格納しておく点、連鎖強度抽出手段が、行動履歴情報特定手段において特定された行動履歴情報に対応する連鎖強度を連鎖強度情報記憶手段から抽出する点、検索手段が、第1の構成要素情報との連鎖強度が連鎖強度抽出手段において抽出された連鎖強度となる第2の構成要素情報を、当該第1の構成要素情報に時系列的に続く構成要素情報として抽出する点が、第1,2の実施の形態と相違する。
【0066】
以下では、第1,2の実施の形態との相違点を中心に説明し、第1,2の実施の形態と共通する事項については、説明を省略する。
<構成>
図23は、本形態におけるコンテンツ再生装置510の構成を例示したブロック図である。なお、図23において、第1,2の実施の形態と共通する機能構成については図1,図10と同じ符号を付した。
図23に例示するように、本形態のコンテンツ再生装置510は、コンテンツ記憶手段11、構成要素情報記憶手段512、入力手段13、利用者情報記憶手段14、行動履歴情報特定手段515、検索手段516、楽曲生成手段17、出力手段18、シナリオ管理手段19、連鎖強度情報記憶手段520及び連鎖強度抽出手段521を有しており、利用者によって入力される選択情報によって内容が動的に変化するコンテンツの再生を行う。
【0067】
[構成要素情報記憶手段]
本形態の構成要素情報記憶手段512と第1の実施の形態における構成要素情報記憶手段12(図12)との相違点は歌詞データベースである。
図24は、本形態の構成要素情報記憶手段512に格納される歌詞データベース512dのデータ構成を例示した図である。
図24に例示するように、この例の歌詞データベース512dは、<フレーズ1>に対応する歌詞データ512daと、<フレーズ2>に対応する歌詞データ512dbとを有している。
【0068】
歌詞データ512daは、行動履歴情報α(選択情報の組合せ)と、それに対応付けた第1の構成要素情報と、その第1の構成要素情報に対応付けた複数の第2の構成要素情報と、この第1の構成要素情報と第2の構成要素情報との連鎖強度の情報とによって構成されている。図24の例の場合、行動履歴情報αとして「選択肢A」「選択肢B」「選択肢C」が設定されている。また、行動履歴情報α「選択肢A」には第1の構成要素情報「はじめて」が対応付けられており、この第1の構成要素情報「はじめて」には、第2の構成要素情報「あなたに」「かわした」「こころの」がそれぞれ連鎖強度「強」「中」「弱」として対応付けられている。また、行動履歴情報α「選択肢B」には第1の構成要素情報「くちずけ」が対応付けられており、この第1の構成要素情報「くちずけ」には、第2の構成要素情報「かわした」「あなたに」「こころの」がそれぞれ連鎖強度「強」「中」「弱」として対応付けられている。さらに、行動履歴情報α「選択肢C」には第1の構成要素情報「あの日」が対応付けられており、この第1の構成要素情報「あの日」には、第2の構成要素情報「こころの」「あなたに」「かわした」がそれぞれ連鎖強度「強」「中」「弱」として対応付けられている。
【0069】
歌詞データ512dbは、第1の構成要素情報と、その第1の構成要素情報に対応付けた複数の第2の構成要素情報と、この第1の構成要素情報と第2の構成要素情報との連鎖強度の情報とによって構成されている。図24の例の場合、第1の構成要素情報として「あなたに」「かわした」「こころの」が設定されている。そして、この第1の構成要素情報「あなたに」には、第2の構成要素情報「であって日から」「ときめきだけは」「あの日のことを」がそれぞれ連鎖強度「強」「中」「弱」として対応付けられている。また、第1の構成要素情報「かわした」には、第2の構成要素情報「あの日のことを」「ときめきだけは」「であって日から」がそれぞれ連鎖強度「強」「中」「弱」として対応付けられている。さらに、第1の構成要素情報「こころの」には、第2の構成要素情報「ときめきだけは」「であって日から」「あの日のことを」がそれぞれ連鎖強度「強」「中」「弱」として対応付けられている。
なお「連鎖強度」とは、構成要素情報間の関連性の強さを示す指標である。すなわち、第1の構成要素情報に時系列的に続く第2の構成要素情報が、この第1の構成要素情報と関連性が高いほど、第1の構成要素情報に対する第2の構成要素情報の連鎖強度が高いといえる。
【0070】
[行動履歴情報特定手段]
図25は、本形態における行動履歴情報特定手段515の構成を例示した概念図である。
この図に示すように、行動履歴情報特定手段515の構成は、第2の実施の形態の行動履歴情報特定手段115とほぼ同様である。ただし、行動履歴得点累積加算値を行動履歴情報βとして特定して出力するだけでなく、入力された選択情報の組合せ(この例では選択情報そのもの)を行動履歴情報αとして特定して出力する点が行動履歴情報特定手段115と相違する。なお、図25において第2の実施の形態の行動履歴情報特定手段115と共通する部分については、図15と同じ符号を付した。
【0071】
[連鎖強度情報記憶手段]
図26は、本形態の連鎖強度情報記憶手段520に格納された連鎖強度情報520aのデータ構成を例示した図である。
この図に例示するように、連鎖強度情報520aは、例えば、構成要素情報間の連鎖強度を示す連鎖強度を行動履歴情報β(行動履歴得点累積加算値)に関連付けたテーブルである。図26の例の連鎖強度情報520aは、「0〜29」「30〜69」「70〜100」を示す行動履歴情報βに、連鎖強度「弱」「中」「強」をそれぞれ対応付けたテーブルである。
<処理>
本形態の処理と第1,2の実施の形態の処理との相違点は、行動履歴情報特定の処理(S9,S26)と、行動履歴情報を用い、楽曲構成情報を抽出する処理(S10,S27)である。以下では、この相違点のみについて説明する。
【0072】
[行動履歴情報特定処理]
本形態では、まず、行動履歴情報特定手段515が、第1の実施の形態と同様に(ステップS9)利用者情報記憶手段14から抽出した選択情報の組合せを1つ目の行動履歴情報αとして特定する。さらに、行動履歴情報特定手段515は、第2の実施の形態と同様に(ステップS26)、行動履歴得点抽出手段115bが選択情報をもとに得点表記憶手段115aから行動履歴得点を抽出し、行動履歴得点加算手段115cにおいてそれらを加算し、行動履歴得点の累積加算値を2つ目の行動履歴情報βとして特定する。
そして、行動履歴情報特定手段515は、行動履歴情報α(選択情報の組合せ)を検索手段516に送り、行動履歴情報β(行動履歴得点累積加算値)を連鎖強度抽出手段521に送る。
【0073】
[楽曲構成情報抽出処理]
まず、連鎖強度抽出手段521が、行動履歴情報特定手段515から送られた行動履歴情報β(行動履歴得点累積加算値)をキーとして連鎖強度情報記憶手段520を検索し、この行動履歴情報βに対応する連鎖強度を連鎖強度情報記憶手段520から抽出する。例えば、行動履歴情報βが「65点」であった場合、連鎖強度抽出手段521は、行動履歴情報βが30〜69の場合に対応する連鎖強度「中」を抽出する。そして、このように抽出された連鎖強度を示す情報は検索手段516に送られる。
【0074】
次に検索手段516は、行動履歴情報特定手段515から送られた行動履歴情報α(選択情報の組合せ)及び及び連鎖強度抽出手段521から送られた連鎖強度を示す情報から楽曲の構成要素情報を選択する。なお、歌詞以外の構成要素情報の選択手順は第2の実施の形態と同様であるため(ステップS27)、ここでは説明を省略し、以下では歌詞の構成要素情報の選択処理のみについて説明する。
図27は、本形態における歌詞の構成要素情報の選択処理を説明するための概念図である。なお、この例は、行動履歴情報αが「選択肢A」であり、行動履歴情報βが「65点」の場合の例である。また、この図における最も太い矢印、中くらいの太さの矢印、細い矢印は、それぞれ、それらの矢印で結ばれる構成要素情報間の連鎖強度が「強」「中」「弱」であることを意味している。
まず、検索手段516は、行動履歴情報αをもとに、歌詞データ512daからフレーズ1の構成要素(「第1の構成要素」に相当)を特定する。この例の行動履歴情報αは「選択肢A」であるため、歌詞データ512daにおいてこの行動履歴情報α「選択肢A」に対応付けられている「はじめて」が第1の構成要素として特定される。
【0075】
次に、検索手段516は、この第1の構成要素情報との連鎖強度が、連鎖強度抽出手段521において抽出された連鎖強度となる第2の構成要素情報を、当該第1の構成要素情報に時系列的に続く構成要素情報として抽出する。この例の場合、連鎖強度抽出手段521において抽出された連鎖強度は「中」であるため、第1の構成要素「はじめて」との連鎖強度が「中」である「かわした」が、当該第1の構成要素情報「はじめて」に時系列的に続く第2の構成要素情報として抽出される。
【0076】
次に、検索手段516は、フレーズ1の第2の構成要素情報「かわした」を、第1の構成要素情報として歌詞データ512dbを検索し、この第1の構成要素情報「かわした」との連鎖強度が、連鎖強度抽出手段521において抽出された連鎖強度「中」となる第2の構成要素情報「ときめきだけは」を、当該第1の構成要素情報「かわした」に時系列的に続く構成要素情報として抽出する。
以上により、「はじめてかわしたときめきだけは」の歌詞が特定される。
特定された楽曲の構成要素情報は楽曲生成手段17に送られ、それ以降第1の実施の形態と同様な処理が行われる。
【0077】
<本形態の特徴>
本形態では、連鎖強度という概念を導入し、選択情報から特定された連鎖強度をもとに楽曲を構成することとした。これにより、さらに自由で多彩な楽曲を生成・出力することができる。
なお、本形態では各フレーズの構成要素情報を特定する際に用いる連鎖強度を1つのみ特定したが、各フレーズに対し複数の連鎖強度を特定し、各フレーズの構成要素情報を特定する構成としてもよい。例えば、コンテンツ再生装置が出力するコンテンツが時系列的に区分される複数のセクションを有するものとし、行動履歴情報特定手段515が各セクションのコンテンツの出力時に入力された選択情報を用い、当該セクション毎の行動履歴情報を特定し、連鎖強度抽出手段521が、セクション毎に、行動履歴情報に対応する連鎖強度情報を抽出し、検索手段がセクション毎に、第2の構成要素情報を抽出することとしてもよい。
【0078】
図28は、この変形例の一例を説明するための概念図である。なお、図28の例は、行動履歴情報α(選択情報の組合せ)が「選択肢C」であり、第1セクションの行動履歴情報β(行動履歴得点累積加算値)が「65点」であり、第2セクションの行動履歴情報β(行動履歴得点累積加算値)が「72点」である場合の例である。
この変形例の場合、第1セクションの行動履歴情報βが「65点」であり、第2セクションの行動履歴情報βが「72点」であるため、連鎖強度抽出手段521(図23)は、第1セクションに対応する連鎖強度として行動履歴情報βが30〜69の場合に対応する連鎖強度「中」を、第2セクションに対応する連鎖強度として行動履歴情報βが70〜100の場合に対応する連鎖強度「強」を、それぞれ連鎖強度情報記憶手段520(図26)から抽出する。そして抽出された連鎖強度は検索手段516に送られる。
【0079】
次に、この変形例の場合、行動履歴情報αが「選択肢C」であるため、歌詞データ512da(図24)においてこの行動履歴情報α「選択肢C」に対応付けられている「あの日」が第1の構成要素として特定される。
次に、検索手段516は、この第1の構成要素情報「あの日」との連鎖強度が、連鎖強度抽出手段521において抽出された第1セクションの連鎖強度「中」となる第2の構成要素情報「あなたに」を、当該第1の構成要素情報「あの日」に時系列的に続く構成要素情報として抽出する。
【0080】
次に、検索手段516は、フレーズ1の第2の構成要素情報「あなたに」を、第1の構成要素情報として歌詞データ512dbを検索し、この第1の構成要素情報「あなたに」との連鎖強度が、連鎖強度抽出手段521において抽出された第2セクションの連鎖強度「強」となる第2の構成要素情報「であった日から」を、当該第1の構成要素情報「あなたに」に時系列的に続く構成要素情報として抽出する。
以上により、「あの日のあなたにであった日から」の歌詞が特定される。
【0081】
〔第5の実施の形態〕
本形態は、第1の実施の形態の変形例であり、構成要素情報記憶手段12に格納された各構成要素情報を更新できる形態である。なお、以下では、第1の実施の形態との相違点のみについて説明する。
図29は、本形態のコンテンツ再生システム600の構成を例示したブロック図である。なお、この図において第1の実施の形態と共通する部分については図1と同じ符号を付している。
図29に例示するように、本形態のコンテンツ再生システム600は、第1の実施の形態と同様なコンテンツ再生装置10、及び構成要素情報記憶手段12に格納された各構成要素情報の更新を行うサービス更新用遠隔管理システム620を有している。ここで、サービス更新用遠隔管理システム620は、サービス管理端末装置621及び構成要素情報更新サーバ装置622を有し、この構成要素情報更新サーバ装置622は、ネットワーク630を通じ、構成要素情報記憶手段12と通信可能なように接続されている。
【0082】
構成要素情報記憶手段12に格納された各構成要素情報の更新を行う際、サービス更新用遠隔管理システム620のオペレータは、サービス管理端末装置621に、構成要素情報の更新を指示するサービス管理情報を入力する。サービス管理端末装置621は、この情報を構成要素情報更新サーバ装置622に送り、構成要素情報更新サーバ装置622は、ネットワーク630を通じて更新後の構成要素情報を構成要素情報記憶手段12に送り、構成要素情報記憶手段12の構成要素情報を更新する。
<本形態の特徴>
本形態により、楽曲を構成するもととなる構成要素情報を容易に更新できる。
【0083】
〔第6の実施の形態〕
本形態は第5の実施の形態の変形例であり、本発明をオンラインゲーム等のネットワークを通じてコンテンツが提供される形態に適用したものである。
図30は、本形態におけるコンテンツ再生システム700の構成を例示したブロック図である。なお、この図において第1,5の実施の形態と共通する部分については、これらと同じ符号を付した。
この例の場合、コンテンツ再生装置710は、ネットワーク730に接続されたコンテンツ提供サーバであり、その利用は、ネットワーク730に接続されたパーソナルコンピュータ等の端末装置720で行われる。
【0084】
すなわち、コンテンツや楽曲の提供は、コンテンツ再生装置710が出力手段718(通信装置)からコンテンツや楽曲を送信し、これらがネットワーク730を通じて端末装置720で受信され、そこから出力されることによって行われる。また、選択情報の入力は端末装置720に対して行われ、入力された選択情報はそこからネットワーク730を通じてコンテンツ再生装置710に送信され、その入力手段713(通信装置)に入力されることにより行われる。コンテンツ再生装置710内の処理やサービス更新用遠隔管理システム620の処理については、第1の実施の形態や第5の実施の形態と同様である。
【0085】
なお、この発明は上述の実施の各実施の形態に限定されるものではない。上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。さらに、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
また、上述の構成をコンピュータによって実現する場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0086】
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよいが、具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto-Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP−ROM(Electronically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
【0087】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0088】
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
【0089】
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、本装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明により、例えば、コンピュータゲームにおいて利用者がとった行動に応じた多様な楽曲を生成し再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】第1の実施の形態におけるコンテンツ再生装置の構成を例示したブロック図である。
【図2】第1の実施の形態における構成要素情報記憶手段に格納されたデータの構成を例示した図である。
【図3】第1の実施の形態における構成要素情報記憶手段に格納された各データの構成を例示した概念図である。
【図4】第1の実施の形態における構成要素情報記憶手段に格納された各データの構成を例示した概念図である。
【図5】第1の実施の形態における利用者情報記憶手段に格納された利用者情報のデータ構成を例示した図である。
【図6】第1の実施の形態における構成要素情報記憶手段、検索手段及び楽曲生成手段の詳細構成を例示したブロック図である。
【図7】第1の実施の形態におけるコンテンツ再生装置の処理動作の流れを例示した図である。
【図8】第1の実施の形態における各構成要素情報の抽出処理を例示した概念図である。
【図9】第1の実施の形態における各構成要素情報の抽出処理を例示した概念図である。
【図10】第2の実施の形態におけるコンテンツ再生装置の構成を例示したブロック図である。
【図11】第2の実施の形態における構成要素情報記憶手段に格納されたデータの構成を例示した図である。
【図12】第2の実施の形態における構成要素情報記憶手段に格納された各データの構成を例示した概念図である。
【図13】第2の実施の形態における構成要素情報記憶手段に格納された各データの構成を例示した概念図である。
【図14】第2の実施の形態における利用者情報記憶手段に格納された利用者情報のデータ構成を例示した図である。
【図15】第2の実施の形態における行動履歴情報特定手段の詳細構成を例示したブロック図である。
【図16】第2の実施の形態におけるコンテンツ再生装置の処理の概略を示した概念図である。
【図17】第2の実施の形態におけるコンテンツ再生装置の処理動作の流れを例示した図である。
【図18】第2の実施の形態における各構成要素情報の抽出処理を例示した概念図である。
【図19】第2の実施の形態における各構成要素情報の抽出処理を例示した概念図である。
【図20】第3の実施の形態における構成要素情報記憶手段に格納されるメロディデータの構成を例示した図である。
【図21】第3の実施の形態におけるコンテンツ再生装置の処理の概略を示した概念図である。
【図22】第3の実施の形態における検索手段が構成要素情報記憶手段から各構成要素情報を抽出する処理を例示した概念図である。
【図23】第4の実施の形態におけるコンテンツ再生装置の構成を例示したブロック図である。
【図24】第4の実施の形態における構成要素情報記憶手段に格納される歌詞データベースのデータ構成を例示した図である。
【図25】第4の実施の形態における行動履歴情報特定手段の構成を例示した概念図である。
【図26】第4の実施の形態における連鎖強度情報記憶手段に格納された連鎖強度情報のデータ構成を例示した図である。
【図27】第4の実施の形態における歌詞の構成要素情報の選択処理を説明するための概念図である。
【図28】第4の実施の形態の変形例の一例を説明するための概念図である。
【図29】第5の実施の形態におけるコンテンツ再生システムの構成を例示したブロック図である。
【図30】第6の実施の形態におけるコンテンツ再生システムの構成を例示したブロック図である。
【符号の説明】
【0092】
10,110,510,710 コンテンツ再生装置
11 コンテンツ記憶手段
12,112,512 構成要素情報記憶手段
13,713 入力手段
14,114 利用者情報記憶手段
15,515 行動履歴情報特定手段
16,516 検索手段
17 楽曲生成手段
18,718 出力手段
119 シナリオ管理手段
520 連鎖強度情報記憶手段
521 連鎖強度抽出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される選択情報によって内容が動的に変化するコンテンツを再生するコンテンツ再生装置であって、
楽曲の構成要素である構成要素情報を、前記選択情報によって特定される行動履歴情報に関連付けて格納した構成要素情報記憶手段と、
前記選択情報の入力を受け付ける入力手段と、
前記選択情報を格納する利用者情報記憶手段と、
格納された前記選択情報を用い、行動履歴情報を特定する行動履歴情報特定手段と、
特定された前記行動履歴情報に対応する構成要素情報を、前記構成要素情報記憶手段から抽出する検索手段と、
抽出された前記構成要素情報を用い、楽曲を生成する楽曲生成手段と、
生成された前記楽曲を出力する出力手段と、
を有することを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項2】
請求項1記載のコンテンツ再生装置であって、
前記コンテンツは、
コンピュータゲームコンテンツであり、
前記選択情報は、
コンピュータゲーム空間においてキャラクタの行動を指示するための情報である、
ことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項3】
請求項1或いは2記載のコンテンツ再生装置であって、
前記行動履歴情報は、
1以上の前記選択情報からなる情報である、
ことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項4】
請求項1或いは2記載のコンテンツ再生装置であって、
前記行動履歴情報は、
前記選択情報に応じて付与される行動履歴得点の累積加算値である、
ことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れかに記載のコンテンツ再生装置であって、
前記コンテンツは、
時系列的に区分される複数のセクションを有し、
前記行動履歴情報特定手段は、
各セクションの前記コンテンツの出力時に入力された前記選択情報を用い、当該セクション毎の前記行動履歴情報を特定し、
前記検索手段は、
前記セクション毎の前記行動履歴情報に対応するセクション毎の構成要素情報を、前記構成要素情報記憶手段から抽出し、
前記楽曲生成手段は、
前記セクション毎の前記構成要素情報を用い、前記楽曲を生成する、
ことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項6】
請求項1から4の何れかに記載のコンテンツ再生装置であって、
前記構成要素情報間の連鎖強度を示す連鎖強度を、行動履歴情報に関連付けて格納した連鎖強度情報記憶手段と、
前記行動履歴情報特定手段において特定された前記行動履歴情報に対応する前記連鎖強度を、前記連鎖強度情報記憶手段から抽出する連鎖強度抽出手段と、
をさらに有し、
前記検索手段は、
第1の構成要素情報との連鎖強度が、前記連鎖強度抽出手段において抽出された前記連鎖強度となる第2の構成要素情報を、当該第1の構成要素情報に時系列的に続く前記構成要素情報として抽出する、
ことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項7】
請求項6記載のコンテンツ再生装置であって、
前記コンテンツは、
時系列的に区分される複数のセクションを有し、
前記行動履歴情報特定手段は、
各セクションの前記コンテンツの出力時に入力された前記選択情報を用い、当該セクション毎の前記行動履歴情報を特定し、
前記連鎖強度抽出手段は、
前記セクション毎に、前記行動履歴情報に対応する前記連鎖強度を抽出し、
前記検索手段は、
前記セクション毎に、前記第2の構成要素情報を抽出する、
ことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項8】
入力される選択情報によって内容が動的に変化するコンテンツを再生するコンテンツ再生方法であって、
構成要素情報記憶手段において、楽曲の構成要素である構成要素情報を、前記選択情報によって特定される行動履歴情報に関連付けて格納しておき、
入力手段において、前記選択情報の入力を受け付け、
利用者情報記憶手段において、前記選択情報を格納し、
格納された前記選択情報を用い、行動履歴情報特定手段において、行動履歴情報を特定し、
特定された前記行動履歴情報に対応する構成要素情報を、検索手段において、前記構成要素情報記憶手段から抽出し、
楽曲生成手段において、前記検索手段において抽出された前記構成要素情報を用いて楽曲を生成し、
生成された前記楽曲を出力手段において出力する、
ことを特徴とするコンテンツ再生方法。
【請求項9】
請求項1から7の何れかに記載のコンテンツ再生装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9記載のプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2006−296791(P2006−296791A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−123700(P2005−123700)
【出願日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】