説明

コンテンツ提供方法

【課題】 タグコンテンツの提供にあたり、タグコンテンツが不正に使用されるのを防止し、コンテンツ提供サーバ側でコンテンツ提供先の管理ができるコンテンツ提供システムを提供する。
【解決手段】 本実施の形態に係るコンテンツ提供システム1は、ネットワーク50を介して接続されたコンテンツ提供サーバ10、ユーザ端末20及びウェブサーバ30とから構成される。コンテンツ提供サーバ10は、正規のユーザによって認証されたコンテンツ用タグが挿入されたウェブページのURLを、ユーザIDに関連づけて認証URLとして管理するURL認証管理DB155を備えている。コンテンツ提供サーバは、URL認証管理DB155に記録されている認証URLのウェブページにのみ、タグコンテンツを配信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータに対して、楽曲、映像、仮想コミュニティ等のコンテンツを提供するコンテンツ提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークを介して、クライアント端末のパソコンに種々の音楽や映像コンテンツを配信し、パソコン上でストリーミング再生させる音楽や映像の配信システムが数多く提案されている。
【0003】
しかし、従来のコンテンツ提供システムは、専用のアプリケーションをユーザ端末上で実行したり、コンテンツ提供業者の専用ウェブページにアクセスしたりしなければ、コンテンツを楽しむことができず、利便性に欠けていた。
【0004】
そこで、近年では、ブログや個人のホームページ等のウェブページを構築するHTMLデータ内に、コンテンツを提供するサーバへのアクセス情報をタグにより埋め込むことで、ウェブページ内にタグコンテンツを実装し、ウェブページにアクセスした端末上にコンテンツを提供するコンテンツ提供システムも提供されている。
【0005】
このようなタグ形式のタグコンテンツが実装されたウェブページにアクセスしたユーザ端末においては、ユーザ端末のブラウザがHTMLデータを解析することで、ウェブページ提供サーバからウェブページを構成するデータがユーザ端末に送信されると共に、HTMLデータ内のコンテンツタグを解析することで、ユーザ端末がコンテンツサーバにアクセスし、コンテンツサーバからユーザ端末へとコンテンツが配信される。よって、ユーザ端末上では、ウェブページ内にコンテンツが実装された状態でディスプレイ上に表示されることとなる。
【0006】
したがって、このようなタグコンテンツを用いれば、ユーザは自分でコンテンツを準備しなくても、コンテンツ提供者が提供する種々のコンテンツを自分のウェブページに実装できるといったメリットがあり、コンテンツ提供者も、多くのユーザにコンテンツを提供できるといったメリットがある。
【0007】
例えば、下記特許文献1には、個人ウェブページ内にタグ形式の仮想コミュニティを実装する仮想コミュニティシステムが開示されている。
【特許文献1】特許第3617651号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、ウェブページのHTML内に挿入されるコンテンツタグには、コンテンツサーバのアドレス情報等が含まれているが、ウェブページを閲覧した者は、ブラウザの機能を使って通常そのHTMLソースを容易に見ることができる。したがって、あるサイトに挿入されているコンテンツタグを、他のサイトのHTMLデータ内にコピーすれば、他のサイトにおいても同様のコンテンツを提供することができてしまう可能性がある。この問題は、著作権管理をしながら楽曲コンテンツを提供するサービス業者にとっては、大きな問題である。
【0009】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、タグコンテンツの提供にあたり、タグコンテンツが不正に使用されるのを防止し、コンテンツ提供サーバ側でコンテンツ提供先の管理ができるコンテンツ提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係るコンテンツ提供システムは、ネットワークを介して接続されたコンテンツ提供サーバ、ユーザ端末及びウェブサーバを備え、ウェブページ内にタグコンテンツを実装するコンテンツ提供システムであって、前記コンテンツ提供サーバは、コンテンツを提供するためのプログラムを格納するプログラムデータベースと、前記タグコンテンツが実装されているウェブページのURLをユーザ識別子に関連づけて格納するURL管理データベースと、前記URL管理データベースに格納されているURLのウェブページにアクセスしたユーザ端末に対してのみタグコンテンツを配信する制御手段と、を備え、前記ウェブサーバは、ウェブページ内にタグコンテンツを実装するためのコンテンツ用タグであって、前記コンテンツ提供サーバのアドレス情報が含まれるコンテンツ用タグが挿入されたHTMLデータを記憶する記憶手段を備え、前記ユーザ端末は、前記タグコンテンツが実装されているウェブページにアクセスした際に、前記コンテンツ用タグを解析し、前記コンテンツ提供サーバにアクセスすることでウェブページ内にタグコンテンツを実装する制御手段を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るコンテンツ提供方法は、ネットワークを介してコンテンツ提供サーバに接続されたユーザ端末に対して、ウェブページ内のタグコンテンツを提供するコンテンツ提供方法であって、前記コンテンツ提供サーバにおいて、コンテンツ用タグが挿入されたウェブページであって、正規のユーザによって認証されたウェブページのアドレス情報を、認証アドレス情報として記憶手段に記録する認証アドレス記録工程と、前記コンテンツ提供サーバにおいて、コンテンツ用タグが挿入されたウェブページにアクセスして、コンテンツ用タグを解析することで前記コンテンツ提供サーバにアクセスしてきたユーザ端末から、当該ウェブページのアドレス情報を取得するアドレス情報取得工程と、前記コンテンツ提供サーバにおいて、前記アドレス情報取得工程で取得したアドレス情報が、前記記憶手段に認証アドレス情報として記録されているアドレス情報であるか否かをチェックするチェック工程と、前記コンテンツ提供サーバにおいて、前記チェック工程において、前記アドレス情報取得工程で取得したアドレス情報が認証アドレス情報であると認められた場合に、前記ユーザ端末へタグコンテンツを配信する配信工程と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るコンテンツ提供プログラムは、ネットワークを介してユーザ端末に接続されたコンピュータに、前記ユーザ端末に対してウェブページ内のタグコンテンツを提供させるためのコンテンツ提供プログラムであって、コンテンツ用タグが挿入されたウェブページであって、正規のユーザによって認証されたウェブページのアドレス情報を、認証アドレス情報として記憶手段に記録する認証アドレス記録ステップと、コンテンツ用タグが挿入されたウェブページにアクセスして、コンテンツ用タグを解析することで前記コンテンツ提供サーバにアクセスしてきたユーザ端末から、当該ウェブページのアドレス情報を取得するアドレス情報取得ステップと、前記アドレス情報取得ステップで取得したアドレス情報が、前記記憶手段に認証アドレス情報として記録されているアドレス情報であるか否かをチェックするチェックステップと、前記チェックステップにおいて、前記アドレス情報取得工ステップで取得したアドレス情報が認証アドレス情報であると認められた場合に、前記ユーザ端末へタグコンテンツを配信する配信ステップと、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るコンテンツ提供システムによれば、タグコンテンツを提供するウェブページのアドレス情報をコンテンツ提供サーバ側で認識することができるので、正規のユーザによって認証されたウェブページにのみコンテンツを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明する。本実施形態では、コンテンツとして楽曲を提供する場合を例に挙げて説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態に係るコンテンツ提供システム1の概略構成を示す図である。同図に示すように、コンテンツ提供システム1は、コンテンツを提供するための種々のデータが格納されているコンテンツ提供サーバ10と、コンテンツを利用するユーザが使用するパソコン等の複数のユーザ端末20と、コンテンツがタグ形式で公開される個人サイトやブログ(Blog)等のウェブページを構築するHTMLデータが格納されているウェブサーバ30と、を備えている。これらコンテンツ提供サーバ10、ユーザ端末20及びウェブサーバ30は、インターネット等のネットワーク50を介して接続されており、それぞれの通信インターフェースを介して、互いにデータの送受信が可能である。
【0016】
本実施形態に係るコンテンツ提供システム1では、コンテンツが公開されるウェブページを構築するHTML(Hypertext Markup Language)データ内に、コンテンツ提供サーバ10にアクセスして楽曲を再生するため、コンテンツ提供サーバ10のアドレス情報を含むHTMLタグが埋め込まれている。したがって、ユーザが当該ウェブページにアクセスした際に、ユーザ端末20上では、ウェブサーバ30から提供される当該ウェブページ自体のコンテンツが表示されると共に、コンテンツ提供サーバ10から提供される楽曲プレイヤーモジュール及び楽曲データ等により、楽曲コンテンツが再生されることとなる。
【0017】
図2及び図3を参照して、コンテンツ提供サーバ10の構成について詳細に説明する。図2は、コンテンツ提供サーバ10の構成を示す概略図である。本実施形態において、コンテンツ提供サーバ10は、楽曲コンテンツを提供する者が運営するサーバであるが、コンテンツ提供者以外の者が提供するレンタルサーバを、コンテンツ提供者が利用するケース等も想定される。
【0018】
図2に示すように、コンテンツ提供サーバ10は、各種演算を行う演算手段としてのCPU11と、演算手段の一時的な作業領域や記憶領域として使用されるメモリ12と、各種情報を記憶しておく記憶手段としてのHDD(Hard Disk Drive)13と、を有している。HDD13内には、タグコンテンツの提供にあたって必要なデータが格納されたDB(Database)15が記憶されており、DB15には、楽曲DB151、ユーザ情報DB152、ステーションDB153、プレイリストDB154、URL認証管理DB155、プログラムDB158が含まれている。
【0019】
楽曲DB151は、コンテンツ提供サービスにおいて提供される楽曲の素材データを格納するDBである。楽曲DB151内の各楽曲レコードには、各楽曲を識別するための「楽曲ID」、「楽曲データ」、「アーティスト名」、「楽曲名」、「楽曲ジャンル」等の情報が含まれている。本実施形態では、楽曲DB151内の楽曲データとして、MP3形式のデータを採用しているが、これに限られるものではなく、WMA、AAC等、適宜他の形式の音楽ファイルを採用しても良い。
【0020】
ユーザが設定した設定情報を保持するデータベースであるユーザ情報DB152〜プレイリストDB154については、図3を参照しながら説明する。図3は、ユーザ情報DB152、ステーションDB153、プレイリストDB154、URL認証管理DB155に記録されている各レコードの内容を示す図である。
【0021】
ユーザ情報DB152は、タグコンテンツを利用する、すなわち自己のウェブページにタグコンテンツを貼り付けている登録ユーザに関する情報を格納するDBである。図3に示すように、ユーザ情報DB152の各ユーザレコードには、各ユーザを識別するための「ユーザID」、「ログインID」、「パスワード」の情報が格納されている。このパスワードは、タグコンテンツ提供サービスの登録ユーザがサービスにログインする際のログイン認証で使用されるものであり、登録時にユーザが設定したものである。また、本実施形態では、「ログインID」として、メールアドレスを使用しているが、ユーザが任意に設定したログインID等、他の形式のログインIDを用いても良い。
【0022】
ステーションDB153の各レコードには、「ステーションID」、「ユーザID」、「ステーション名」の情報が格納されている。「ステーションID」は、ユーザによってステーションの登録が行われる度に、各ステーションに設定されるIDであり、当該ステーションを登録したユーザの「ユーザID」及びユーザによって設定された「ステーション名」と共に、ステーションDB153に格納されている。
【0023】
ステーションの登録は、ユーザがユーザ端末20からコンテンツ提供サーバ10へアクセスして、後述するURL認証を行う際に行われる。また、ステーションの設定内容は、適宜変更可能である。このステーションIDは、ウェブページに提供するコンテンツの内容を特定するためのコンテンツ特定情報であり、各ウェブページには、このステーションIDに従って楽曲コンテンツが配信される。
【0024】
プレイリストDB115内の各レコードには、「ユーザID」、「ステーションID」、「楽曲ID」の情報が格納されている。楽曲プレイリストとは、各ステーションにおいて、再生される楽曲のリストを表すものである。「楽曲ID」には、楽曲DB111に格納されている曲の中からユーザが選択した楽曲IDが演奏される順に保持されている。
【0025】
URL認証管理DB155内の各レコードには、「ユーザID」、「ステーションID」、「認証URL」の情報が格納されている。後述するように、ユーザが楽曲プレイヤーを所望のウェブページに実装して最初にアクセスした際に、当該ウェブページのプレイヤーに設定するステーションの登録が行われる。このステーション登録に際して、コンテンツ提供サーバ10により、正規のユーザによって行われているか否かの認証が行われ、正規のユーザによる登録であれば、「認証URL」に、当該ステーションが登録されたウェブページのURLが記録される。
【0026】
このように、ステーションID毎に認証URLを管理しておけば、登録したユーザ以外の者によって、他のウェブページで勝手にこのユーザが設定した楽曲コンテンツが使用されることを防止できる。なお、ユーザは、同一のステーションを複数のウェブページに実装することも可能であり、この場合には、一つのステーションが複数の認証URLと関連づけられてURL認証DB155内に記録されることになる。また、コンテンツ特定情報であるステーションIDを変えることで、ユーザは、URL毎に配信するコンテンツの内容を異ならせることも可能である。
【0027】
プログラムDB158は、本コンテンツ提供サービスを提供するために必要な各種プログラムを格納するDBである。例えば、上述したプレイヤーのプログラムモジュールや、ユーザのサービス登録処理、サービスにログインするユーザの認証等を行う際のプログラムが格納されている。なお、本実施形態に係るステーションは、Flash(登録商標)を利用したFlashプレイヤーであるが、Java(登録商標)、ActiveX(登録商標)等を利用して実装するようにしても良い。
【0028】
ユーザ端末A20−1、ユーザ端末B20−2、…、は、本コンテンツ提供サービスを利用するユーザが使用するパソコン等の端末であり、ディスプレイ、PC本体、入力装置としてのキーボードやマウス等を備えており、PC本体は、図示しない演算装置や記憶装置を備えている。もちろん、ユーザ端末としては、PCに限らず、プレイヤーモジュールを実行でき、ネットワークに接続してコンテンツ提供サーバ10と通信できる端末であれば、PDA、携帯電話、ゲーム端末等、その他のコンピュータであっても良い。
【0029】
ウェブサーバA30−1、ウェブサーバB30−2、…、は、ホームページやブログを開設しているユーザの加入するプロバイダ(ISP)が所有するサーバや、ユーザが自宅に設置しているWebサーバ等である。この、ウェブサーバ30は、図示しない演算装置や記憶装置を備えており、この記憶装置内には、ブログ等のウェブページを構築するHTMLデータが保存されている。なお、本実施形態では、ユーザ端末20とウェブサーバ30を別々のコンピュータで構成したものとして説明しているが、ユーザが自宅のパソコンをWebサーバとして使用している場合等、単一のコンピュータに、ユーザ端末及びウェブサーバとしての機能を持たせるようにしても良い。
【0030】
このウェブページを構築するHTMLデータ内には、楽曲プレイヤーをユーザのウェブページ内に実装してコンテンツを利用するためのコンテンツ用タグが埋め込まれている。このコンテンツ用タグは、例えば、下記のように記述される。
<script
type="text/javascript" language="javascript"
src="http://fogma.net/ID001000000005"></script>
この「ID001000000005」が、ユーザIDである。
【0031】
また、ウェブページ内に実装されるステーションの大きさ等を規定して、下記のようなコンテンツ用タグとしても良い。
<object WIDTH="168"
HEIGHT="256">
<param name="movie"
value="http://fogma.net/ID001000000005.swf">
<embed name="obp"
src="http://fogma.net/ID001000000005.swf" WIDTH="168"
HEIGHT="256"></embed>
</object>
【0032】
このように、このコンテンツ用タグには、コンテンツ提供サーバ10のアドレス、コンテンツ用タグの発行を要求したユーザのユーザIDが記述されている。なお、このコンテンツ用タグは、ユーザが最初にコンテンツ提供サーバ10にアクセスして、ユーザ登録した際に、コンテンツ提供サーバ10によって発行される。ユーザ登録において、ユーザが入力したログインID及びパスワードは、上述したユーザ情報DB152に記録される。コンテンツ用タグの発行の形態は、コンテンツ提供サーバ10が提供する登録ページ上に表示されるようにしても良いし、ユーザに対してこのコンテンツ用タグが記載されたメールを送信するようにしても良い。これらの処理は、プログラムDB158内の所定のプログラムをコンテンツ提供サーバ10のCPU11が実行することで実現される。
【0033】
コンテンツ用タグを取得したユーザは、自分が公開しているウェブページを構築するHTMLデータ内に、このタグを挿入記述する。このコンテンツ用タグが挿入されたHTMLデータは、ウェブサーバ30内の記憶装置に格納され、当該Webページにアクセスしたユーザのユーザ端末20上には、所定のステーションによって楽曲再生を行う楽曲プレイヤーが実装された、すなわち楽曲コンテンツが実装されたページが表示されることになる。
【0034】
以上、本実施形態に係るコンテンツ提供システム1の構成について説明したが、続いて、各ウェブページにおいて、正規のユーザが楽曲コンテンツの提供を行っているか否かを確認するためのURL認証処理について説明する。図4は、URL認証の処理の流れを示すフローチャートである。このURL認証は、最初に一度実行されれば、認証済みのURLとして、認証URLがURL認証管理DB155に記録されるので、ユーザは、HTMLタグをHTMLデータ内に挿入した後に、一度だけURL認証を行えば良い。
【0035】
まず、ステップ11(S11)において、自己のウェブページにコンテンツ用タグを挿入した正規のユーザが、当該ページにアクセスする。すなわち、このユーザが使用するユーザ端末20が当該ウェブページを管理するウェブサーバ30にアクセスする。そうすると、S12において、ウェブサーバ30から当該ウェブページを構築するHTMLデータがユーザ端末20へと送信される。
【0036】
ユーザ端末20では、このHTMLデータを解析し(S13)、HTMLデータ内のコンテンツ用タグのアドレス情報(http://fogma.net/ID001000000005)に従って、コンテンツ提供サーバ10へとアクセスする(S14)。そして、S15において、コンテンツ提供サーバ10は、アクセスしてきたユーザ端末20に対して、コンテンツ再生用ツールであるプレイヤーのモジュールを送信する。この送信されるプレイヤーには、上記アドレス情報に基づいて、ユーザID「001000000005」が記録されている。
【0037】
ユーザ端末20の演算装置は、プレイヤーモジュールを実行し、ウェブページの所定の位置にプレイヤーが配置された画面をディスプレイ上に表示する。また、プレイヤーモジュールを実行すると、ユーザ端末20からコンテンツ提供サーバ10へ当該ウェブページのURLを送信するように設定されており、ユーザ端末20の演算装置は、当該ウェブページのURLを取得し(S16)、プレイヤーに記録されているユーザIDと共にコンテンツ提供サーバ10へと送信する(S17)。
【0038】
URL及びユーザIDを受信したコンテンツ提供サーバ10のCPU11は、受信したURLが、認証済みの認証URLとして、受信したユーザIDと関連づけられてURL認証管理DB155に格納されているか確認する。すなわち、URL認証チェックを行う(S20)。
【0039】
当該URLが既に認証URLとして記録されていた場合には、S28へと進み、CPU11は、ユーザ端末20に対してステーション配信を行うように制御する。すなわち、CPU11は、URL認証管理DB155を参照して、ステーションIDを取得し、このステーションIDに基づいて、ステーションDB153からステーション名を取得してユーザ端末20へ送信すると共に、同じくステーションIDに基づいてプレイリストDB154から楽曲IDを取得して、楽曲DB151から順次楽曲をユーザ端末20へとストリーミング配信する。これにより、ユーザに対して楽曲コンテンツが提供されることとなる(S29)。図5(c)は、ユーザ端末20に対して楽曲コンテンツが配信されている際に、プレイヤーに表示される内容を示す図である。
【0040】
逆に、S20において、まだ当該URLが認証URLとしてURL認証管理DBに記録されていない場合には、S21へ進み、コンテンツ提供サーバ10は、ユーザ端末20に対してURL認証要求を行う。
【0041】
URL認証要求を受けたユーザ端末20においては、URL認証のための処理が行われるが、まだユーザがコンテンツ提供サービスにログインしていない場合には、URL認証に先立って、ログイン処理(S22)を行う必要があるためログイン画面が表示される。図5(a)は、ユーザ端末20のディスプレイ上(プレイヤー内)に表示されるログイン画面の内容を示す図である。
【0042】
ログイン画面としては、図5(a)に示すように、ログインIDとしてのメールアドレスを入力する欄と、パスワードを入力する欄が表示される。ユーザが、ユーザ端末20の入力装置(キーボード等)を使ってログインID及びパスワードを入力すると、入力された内容がコンテンツ提供サーバ10へと送られ、コンテンツ提供サーバにおいて、ユーザ情報DB152を参照してログイン認証が行われる。コンテンツ提供サーバ10は、正しいログインID及びパスワードであれば、コンテンツ提供サーバ10からユーザ端末20へ、ログイン認証が正常に完了した旨の情報が送信され、ログイン認証が終了する。なお、一度ログイン認証が行われると、当該ログインIDに対応したユーザIDが暗号化されて、ユーザ端末20にCookieとして保存されるので、ユーザが同じ端末を使う限り、再度ログイン処理を行う必要はない。
【0043】
既にユーザがログインしていた場合、及び上記ログイン認証が終了すると、URL認証処理に進み、まず、S23においてユーザIDチェックが行われる。これは、あるウェブページにおけるURL認証を、コンテンツ用タグをそのウェブページに挿入したユーザだけに行わせるためである。
【0044】
具体的には、ユーザ端末20の演算装置が、プレイヤーに記録されているユーザIDと、Cookieに保存されているログインユーザのユーザIDとを比較し、一致していれば、OKとしてS24のURL認証画面表示に進み、URL認証処理が行われるが、一致していない場合には、NGとしてS25のエラー画面表示に進み、URL認証は行われない。このように、プレイヤーの所有者(当該ウェブページにコンテンツ用タグを実装したユーザ)だけが、URL認証の実行を行うことができ、もってそのウェブページへのコンテンツ配信が実行されるように構成しておけば、ユーザが勝手に他人のコンテンツを無断で自分のウェブページに実装して配信するといった不正な行為を防止することができる。なお、プレイヤーの所有者のユーザIDを、コンテンツ用HTMLタグから取得するようにしても良い。
【0045】
S24においては、プレイヤーモジュールの設定に従い、プレイヤー内にURL認証画面が表示される(S24)。図5(b)は、ユーザ端末20のディスプレイ上に表示されるURL認証画面の内容を示す図である。URL認証においては、図5(b)に示すように、プレイヤーモジュールが取得した当該ウェブページのURLが画面内のURL欄に表示されるので、ユーザは「OK」ボタンをクリックするだけで良い。また、この際、ユーザはステーションの設定(配信する楽曲の設定)を行うことができる。ステーションの設定のために、図5(b)に示すように、ステーションの選択肢が表示されるので、ユーザは希望する選択肢を選択することで、ステーション設定を行うことができる。ここでは、「Rock&Pops Station」、「Jazz Station」、「Classic「Station」、「HipPop
Station」が、ステーション設定の選択肢として表示されている。
【0046】
ユーザが「OK」ボタンをクリックすると、Cookieに保存されているユーザID、上記URL及び設定したステーションIDが、コンテンツ提供サーバ10へと送信される(S26)。例えば、ユーザIDが「00100000001」で、URLが「http://corecolors.com/music/」の場合には、「http://fogma.net/checkstation?id=00100000001&url=http://corecolors.com/music/
HTTP/1.1」の情報が送信される。
【0047】
一方、S23のユーザIDチェックにおいて、NGとなってS25に進んだ場合には、図5(d)に示すエラー画面「設定する権利がありません」が、ユーザ端末20に表示され、そのプレイヤーには楽曲コンテンツが提供されない。
【0048】
S27においては、コンテンツ提供サーバ10が、S26で受信したユーザID及びステーションIDと共に、認証URLをURL認証管理DB155に記録する。
【0049】
続いて、S28において、コンテンツ提供サーバ10が、ステーションDB153及びプレイリストDB154を参照し、上記ユーザID及びステーションIDに関連づけられたステーションをユーザ端末20に配信する。すなわち、上記ステーションに設定されている楽曲をユーザ端末20に対して配信し、ユーザ端末20上で、楽曲コンテンツが再生される(S29)。図5(d)は、ユーザ端末20上で楽曲コンテンツが提供されている際のプレイヤーの表示内容を示す図である。
【0050】
以上、URL認証処理について詳細に説明したが、ユーザ端末20側の処理は、プレイヤーモジュール内に実装されているURL認証プログラムやログインプログラムをユーザ端末20の演算装置が実行することで実現され、コンテンツ提供サーバ10側の処理は、CPU11がプログラムDB158内の所定のプログラムを実行することで実現される。
【0051】
続いて、URL認証されていないウェブページに、当該ウェブページにコンテンツ用タグ(ユーザAのユーザIDが記述されている)を挿入したユーザA以外のユーザBがアクセスした際の処理の流れについて説明する。ユーザBが自分のユーザ端末20を使ってユーザAのウェブページにアクセスした際も、図4に示したフローと同様に、S11、S12、S13、S14、S15、S16、S17、S20、S21、(S22)、S23までは同様に行われる。しかし、S23のユーザIDチェックは、プレイヤーのユーザID(ユーザA)と、Cookieから取得したユーザID(ユーザB)とが異なるため、S25へと進み、ユーザ端末20には、図5(d)のエラー画面が表示され、コンテンツがユーザ端末20に配信されることはない。
【0052】
もちろん、URL認証が行われたユーザAのウェブページに他のユーザBがアクセスした場合には、既にURL認証済みのウェブページであるから、S20からS28へと進み、ユーザBのユーザ端末20にコンテンツが配信・再生(S29)されることになる。
【0053】
なお、本実施形態では、認証したURLの下位URLも認証URLとして取り扱われるように設定されている。例えば、「http://corecolors.com/kiko/」を認証URLとして登録した場合には、「http://corecolors.com/kiko/page1.html」、「http://corecolors.com/kiko/page2.html」、「http://corecolors.com/kiko/dir1/」、「http://corecolors.com/kiko/dir2/」等もURL認証済みとして扱われ、ステーションも上位URLと同じステーションIDが設定されているものとして扱われる。
【0054】
但し、下位のURLに対して、単独でURL認証を行い、別のステーションを設定した場合には、当然、下位のURLに対して設定されたステーションが配信される。すなわち、本実施形態では、下位のURLで設定されたステーションが優先される。
【0055】
以上、詳細に説明した本実施形態によれば、楽曲コンテンツを配信するウェブページをコンテンツ提供サーバ側で認識することができるので、正規のユーザによって認証されたURLのウェブページ、すなわちコンテンツ配信を許可しているウェブページにのみコンテンツを提供し、不正にコンテンツ用タグを貼り付けた無許可のウェブページにはコンテンツを提供しないように制御することができる。特に、楽曲コンテンツのように著作権の問題が絡むコンテンツの場合には、コンテンツ配信を許可しているウェブページを管理できることは、コンテンツの不正利用を防止でき、メリットが大きい。
【0056】
また、本実施形態においては、認証されたウェブページ毎に、コンテンツ特定情報であるステーションIDを関連づけてURL認証管理DB155に記録しているので、同一のユーザであっても、ウェブページ毎に提供するコンテンツの内容を変更することが可能である。
【0057】
なお、本発明の実施形態は、上述した形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、本実施形態では、提供するコンテンツとして、楽曲を例に挙げて説明したが、もちろんこれに限定されるものではなく、タグ形式で各ウェブページに提供できるコンテンツであれば、種々のコンテンツを提供することができる。
【0058】
例えば、特許文献1に開示したような仮想コミュニティをコンテンツとして、ウェブページに提供しても良い。この場合、コンテンツ特定情報としては、仮想コミュニティ内におけるユーザの住所情報等が想定される。この場合には、仮想コミュニティのマップの中からユーザの住所近辺の一部のエリアが切り出され、仮想タグコミュニティとして、ウェブページに提供されることになる。
【0059】
さらに、映像、ニュース、テレビ番組、電子掲示板等のコンテンツを提供することもできる。ニュースコンテンツの場合には、ウェブページ毎にコンテンツ特定情報として別々のチャンネルを設定すれば、ページ毎に異なるジャンルのニュースを提供することができる。
【0060】
また、本実施形態では、認証URLをユーザIDに関連づけて管理しているが、ユーザIDに限らず、ユーザを識別できるユーザ識別子であれば、ログインID等を用いて認証URLを管理しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1は、本実施形態に係るコンテンツ提供システムの概略構成を示す図である。
【図2】図2は、本実施形態に係るコンテンツ提供サーバの概略構成を示す図である。
【図3】図3は、本実施形態に係るユーザ情報DB、ステーションDB、プレイリストDB、URL認証管理DBに記録されているレコードの内容を示す図である。
【図4】図4は、本実施形態に係るURL認証の処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図5は、本実施形態に係るコンテンツプレイヤーに表示される画面の内容を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1 コンテンツ提供システム
10 コンテンツ提供サーバ
11 CPU
12 メモリ
13 HDD
15 DB
151 楽曲DB
152 ユーザ情報DB
153 ステーションDB
154 プレイリストDB
155 URL認証管理DB
158 プログラムDB
20 ユーザ端末
30 ウェブサーバ
50 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続されたコンテンツ提供サーバ、ユーザ端末及びウェブサーバを備え、ウェブページ内にタグコンテンツを実装するコンテンツ提供システムであって、
前記コンテンツ提供サーバは、
コンテンツを提供するためのプログラムを格納するプログラムデータベースと、
前記タグコンテンツが実装されているウェブページのURLをユーザ識別子に関連づけて格納するURL管理データベースと、
前記URL管理データベースに格納されているURLのウェブページにアクセスしたユーザ端末に対してのみタグコンテンツを配信する制御手段と、を備え、
前記ウェブサーバは、ウェブページ内にタグコンテンツを実装するためのコンテンツ用タグであって、前記コンテンツ提供サーバのアドレス情報が含まれるコンテンツ用タグが挿入されたHTMLデータを記憶する記憶手段を備え、
前記ユーザ端末は、前記タグコンテンツが実装されているウェブページにアクセスした際に、前記コンテンツ用タグを解析し、前記コンテンツ提供サーバにアクセスすることでウェブページ内にタグコンテンツを実装する制御手段を備えることを特徴とするコンテンツ提供システム。
【請求項2】
前記URL管理データベースは、格納されているURL毎にコンテンツ特定情報をさらに関連づけて記録しており、前記コンテンツ提供サーバの制御手段は、前記コンテンツ特定情報に基づき、前記ユーザ端末へとタグコンテンツを配信するように制御することを特徴とする請求項1記載のコンテンツ提供システム。
【請求項3】
ネットワークを介してコンテンツ提供サーバに接続されたユーザ端末に対して、ウェブページ内のタグコンテンツを提供するコンテンツ提供方法であって、
前記コンテンツ提供サーバにおいて、コンテンツ用タグが挿入されたウェブページであって、正規のユーザによって認証されたウェブページのアドレス情報を、認証アドレス情報として記憶手段に記録する認証アドレス記録工程と、
前記コンテンツ提供サーバにおいて、コンテンツ用タグが挿入されたウェブページにアクセスして、コンテンツ用タグを解析することで前記コンテンツ提供サーバにアクセスしてきたユーザ端末から、当該ウェブページのアドレス情報を取得するアドレス情報取得工程と、
前記コンテンツ提供サーバにおいて、前記アドレス情報取得工程で取得したアドレス情報が、前記記憶手段に認証アドレス情報として記録されているアドレス情報であるか否かをチェックするチェック工程と、
前記コンテンツ提供サーバにおいて、前記チェック工程において、前記アドレス情報取得工程で取得したアドレス情報が認証アドレス情報であると認められた場合に、前記ユーザ端末へタグコンテンツを配信する配信工程と、
を備えたことを特徴とするコンテンツ提供方法。
【請求項4】
前記配信工程は、前記コンテンツ提供サーバ内の記憶手段に各ウェブページのアドレス情報に関連づけて記録されているコンテンツ特定情報に基づき、前記ユーザ端末がアクセスしたウェブページのアドレス情報に関連づけられた内容のコンテンツを配信する配信工程であることを特徴とする請求項3記載のコンテンツ提供方法。
【請求項5】
ネットワークを介してユーザ端末に接続されたコンピュータに、前記ユーザ端末に対してウェブページ内のタグコンテンツを提供させるためのコンテンツ提供プログラムであって、
コンテンツ用タグが挿入されたウェブページであって、正規のユーザによって認証されたウェブページのアドレス情報を、認証アドレス情報として記憶手段に記録する認証アドレス記録ステップと、
コンテンツ用タグが挿入されたウェブページにアクセスして、コンテンツ用タグを解析することで前記コンテンツ提供サーバにアクセスしてきたユーザ端末から、当該ウェブページのアドレス情報を取得するアドレス情報取得ステップと、
前記アドレス情報取得ステップで取得したアドレス情報が、前記記憶手段に認証アドレス情報として記録されているアドレス情報であるか否かをチェックするチェックステップと、
前記チェックステップにおいて、前記アドレス情報取得工ステップで取得したアドレス情報が認証アドレス情報であると認められた場合に、前記ユーザ端末へタグコンテンツを配信する配信ステップと、を前記コンピュータに実行させることを特徴とするコンテンツ提供プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−192075(P2008−192075A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−28457(P2007−28457)
【出願日】平成19年2月7日(2007.2.7)
【出願人】(500173608)コアカラーズ株式会社 (4)
【Fターム(参考)】