説明

コンテンツ暗号化方法、これを利用したネットワークによるコンテンツ提供システム及びその方法

【課題】本発明はコンテンツ暗号化方法、これを利用するネットワークを通じたコンテンツ提供システム及びその方法に関するものである。ネットワークを通じてコンテンツをより安定的に提供するために、1つ以上のコンテンツ及び関連メタデータを再帰的に一度以上多重暗号化して提供する。特に、コンテンツの暗号化された位置及び関連解読情報をメタデータで表現しながら、メタデータが多重暗号化に使用された各暗号化ツールに対するパラメータ情報、各暗号化ツールを適用した順、暗号化ツールの位置、代替暗号化ツール目録を含む。そして、このようなメタデータをコンテンツ提供の時に共に提供する。したがって、コンテンツ提供側と受信側ではコンテンツ関連解読情報を含むメタデータをより安全で体系的に管理できるようにし、マルチメディアコンテンツの保護及び管理、そして制御を効果的に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンテンツ提供システム及びその方法に関し、さらに詳しくは、コンテンツ暗号化方法と、これを利用してネットワークを通じてコンテンツをより安定的に提供することができるシステム及びその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近ネットワーク技術発展に伴って多様な形態のコンテンツがネットワークを通じて伝播されている。しかし、ネットワークを通じて提供されるコンテンツは簡単に複製して伝播できる特徴を持っているため、このようなコンテンツに対する著作権を保護することが難しいのが現実である。著作権を保護するために最近は使用者が判読できないイメージをコンテンツに挿入してコンテンツの真偽を判別するウォーターマーキング(water marking)技法、コンテンツを暗号化して配布し、許可を受けた使用者にのみ解読キーを伝達して使用できる方法などが使用されている。
【0003】
従来コンテンツを暗号化して伝送する場合、一般に対象となるデジタルコンテンツをそのまま暗号化したり部分的に暗号化したりして伝送し、受信側では暗号化キーを使用してコンテンツを解読して使用した。例えば、コンテンツAを伝送する場合、コンテンツAとこれの暗号化に使用された情報を記録したメタデータ(主にテキスト形式のXMLデータ)を共に暗号化して伝送する。
【0004】
このような従来方式は一次元的形態の単純なデジタルデータ暗号化によるコンテンツ保護方式で、コンテンツ及びメタデータの多重暗号化のための体系的な方法を提示せず、さらに暗号化適用関連情報を体系的に表現していない。
【0005】
暗号化適用関連情報が体系的に表現されない場合には、使用権限を有する受信側で暗号化されたコンテンツを解読するのに要する時間が長く、場合によってはコンテンツを完全に解読できなくて正常に使用することができない問題が発生したりもする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が目的とする技術的課題は従来の問題点を解決するためのもので、1つ以上のデジタルコンテンツ及びそれによるメタデータを再帰的方法で暗号化してより安全にコンテンツを保護及び管理することにある。
【0007】
また、本発明が目的とする技術的課題は、再帰的に暗号化されたコンテンツに対する暗号化関連情報をメタデータに体系的に実現して暗号化されたコンテンツに対する効率的な管理及び使用を行うことにある。
【0008】
また、本発明の他の技術的課題は、再帰的に暗号化されたコンテンツと暗号化関連情報を体系的に示すメタデータをネットワークを通じて提供することによって、安定的且つ効率的なコンテンツ使用を行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような技術的課題を達成するための本発明の1つの特徴によるコンテンツ暗号化方法は、コンテンツを設定された第1暗号化方式によって暗号化し、暗号化遂行に関する情報を含む第1暗号メタデータを生成する第1暗号化段階と、直前段階で暗号化されたコンテンツと、それに関するメタデータを設定された第2暗号化方式によって暗号化し、暗号化遂行に関する情報を含む第2暗号メタデータを生成する第2暗号化段階と、第2暗号化段階を設定された回数だけ行って最終暗号化コンテンツ及び最終暗号メタデータを生成する最終段階とを含む。
【0010】
本発明の他の特徴によるコンテンツ提供システムは、使用者端末器にコンテンツを提供するシステムにおいて、コンテンツを暗号化して貯蔵及び管理し、暗号化による暗号メタデータを生成して貯蔵及び管理するコンテンツ暗号化部と使用者端末器から伝送されるコンテンツサービス要請データを受信するユーザインタフェース部と、コンテンツ暗号化部から提供され、コンテンツサービス要請データに対応する暗号化されたコンテンツ、そしてコンテンツに関する暗号メタデータを伝送可能なコンテンツ情報で処理して使用者端末器に伝送するコンテンツ伝送部を含み、コンテンツ暗号化部はコンテンツを設定された第1暗号化方式によって暗号化し、暗号化遂行に関する情報を含む第1暗号メタデータを生成する第1暗号化段階を行った後、設定された暗号回数によって直前段階で暗号化されたコンテンツとそれに関するメタデータを設定された第2暗号化方式によって暗号化し、暗号化遂行に関する情報を含む第2暗号メタデータを生成する第2暗号化段階を少なくとも1回以上行う。
【0011】
また、本発明の他の特徴によるコンテンツ提供方法は、使用者端末器にコンテンツを提供するシステムのコンテンツ提供方法において、a)システムがコンテンツを暗号化し、暗号化の時に使用される暗号化情報に基づいて暗号メタデータを生成し、暗号化されたコンテンツと暗号メタデータを統合して統合コンテンツを生成する段階と、b)システムがコンテンツに対して著作権及び使用権限情報に基づいて著作権メタデータを生成する段階と、c)システムが使用者端末器から伝達されるコンテンツサービス要請データによってこれに対応する統合コンテンツを選択する段階と、d)システムが選択された統合コンテンツ及び著作権メタデータを獲得する段階と、e)システムが統合コンテンツ、そしてメタデータらを伝送可能なコンテンツ情報で処理して使用者端末器に伝送する段階を含む。この場合、a)段階は、コンテンツを設定された第1暗号化方式によって暗号化し、暗号化遂行に関する情報を含む第1暗号メタデータを生成する第1暗号化段階を行った後、設定された暗号回数によって直前段階で暗号化されたコンテンツと、それに関するメタデータを設定された第2暗号化方式によって暗号化し、暗号化遂行に関する情報を含む第2暗号メタデータを生成する第2暗号化段階を少なくとも1回以上行う。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施例によると、1つ以上のデジタルコンテンツ及び著作権情報を含むコンテンツ保護メタデータを再帰的方法で暗号化することによって、ネットワークを通じて安全にコンテンツを提供することができ、さらに、コンテンツを安全に保護及び管理することができる。
【0013】
また、暗号化されたコンテンツに対する暗号化関連情報をメタデータに体系的に実現し、特に、適用した各暗号化ツールに対するパラメータ情報及び暗号化適用順、暗号化ツールの位置、代替暗号化ツール、コンテンツ保護メタデータに対するデジタル署名情報、二進化された暗号化ツール及びコンテンツ著作権情報を少なくとも1つ以上含む樹構造形態の記述をした。その結果、暗号化されたコンテンツに対する効率的な使用が行われ、特に暗号化されたコンテンツの迅速な復号が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施例について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は多様で相異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施例に限られない。図面で本発明を明確に説明するために説明上不要な部分は省略した。
【0015】
また、ある部分がある構成要素を‘含む'とする場合、これは特に反対になる記載のない限り他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことを意味する。
【0016】
また、本明細書で記載したモジュールという用語は特定の機能や動作を処理する1つの単位を意味し、これはハードウェアやソフトウェアまたはハードウェア及びソフトウェアの結合で実現することができる。
【0017】
本発明の実施例では1つ以上のコンテンツ及び関連メタデータを再帰的に1回以上暗号化してコンテンツ及びメタデータをより安全に提供する。
【0018】
特に、メタデータがコンテンツを暗号化するのに関する情報を体系的に記述する。具体的に、コンテンツに適用した暗号化ツールに対するパラメータ情報、暗号化適用順、暗号化ツールの位置、代替暗号化ツール、二進化された暗号化ツール及びコンテンツ著作権情報のうちの少なくとも1つを含むように体系的に実現し、コンテンツ保護情報の無欠性を立証するためにデジタル署名情報を含む構造で実現する。
【0019】
再帰的構造で何回も暗号化されたコンテンツを使用者端末上で効率的に解読するために、メタデータをコンテンツ暗号化関連情報を含むノードが複数個からなる樹構造形態に実現する。そして、樹構造を形成するそれぞれのノードに対して暗号化ツールをそれぞれ適用する。したがって、使用者端末側ではこのようなメタデータに基づいて暗号化を行う前に解読ツールを準備することができる。
【0020】
また、コンテンツ全体に対して暗号化を遂行する場合、処理時間が多くかかって使用者端末側でも多くの復号(解読)時間を招来することを解決するために、暗号化過程の時にコンテンツ全体に対する暗号化を行わずに部分的に暗号化を行うことができる。部分的暗号化を行う時、使用暗号ツール(アルゴリズム)、暗号化に使用されたパラメータ、暗号化キー、キー長さ、暗号化が適用されたコンテンツ内の位置などに対する情報をメタデータで表現し、これを暗号化されたコンテンツ(暗号文)と共に使用者端末に伝達することによって安全なコンテンツ配布を可能にすることができる。
【0021】
また、1つのコンテンツに複数の暗号化アルゴリズム使用を許容することで部分符号化の時により安全なコンテンツ保護を可能にすることができる。
【0022】
図1にこのようなコンテンツ提供を実現するための本発明の実施例によるネットワークを通じたコンテンツ提供システムの構造が示されている。
【0023】
本発明の実施例によるネットワークを通じたコンテンツ提供システム(以下、コンテンツ提供システムと命名する)100は、添付した図1に示されているように、ネットワーク(インターネット、無線通信網、フューチャーネットワークなどすべての有無線ネットワークを含む)200を通じて複数の使用者端末器(310,,,,30N:以下、便宜上‘300’を付与する)と連結されている。
【0024】
使用者端末器300にコンテンツを提供する本発明の実施例によるシステム100は、図1に示されているように大きく提供しようとする複数のコンテンツが貯蔵されているコンテンツ貯蔵部110、提供しようとするコンテンツに使用権限を示すコンテンツ処理部110、処理されたコンテンツを暗号化するコンテンツ暗号化部130、暗号化されたコンテンツをネットワーク200を通じて使用者端末器300に提供するコンテンツ伝送部140、ユーザ認証を行う認証部150、サービス管理部160、そして管理者インタフェース部170を有する。
【0025】
コンテンツ貯蔵部110はシステム100で自体製作されたコンテンツまたはネットワーク上の他のシステムから提起されるコンテンツ、使用者から提供されるコンテンツなど多様な経路を通じて提供されるコンテンツが貯蔵されている。管理の便宜性のためにコンテンツを所定分野別に分類して貯蔵及び管理することができる。
【0026】
サービス管理部160はネットワーク200を通じて接続する使用者端末器300から伝達されるコンテンツサービス要請データを解析し、解析結果によって所定コンテンツを伝送するために、コンテンツ処理部110、コンテンツ暗号化部130、そしてコンテンツ伝送部140を動作する。
【0027】
認証部150はコンテンツを要請した使用者がシステムを通じてコンテンツの提供を受けられる使用者であるかどうかを判断する認証処理を行う。このために認証部150は使用者関連情報が貯蔵されている使用者データベース151を含むことができる。使用者データベース151には本発明の実施例によるコンテンツ提供システム100に登録された使用者に対する情報が貯蔵されている。例えば、使用者に付与された識別番号に対応してID、パスワードと共に性別、年齢、職業、趣味などの性向情報などを貯蔵することができる。
【0028】
管理者インタフェース部170は本発明の実施例によるシステムの管理者がサービスするコンテンツに対して著作権及び使用権限の設定、或いは暗号化パラメータの設定を可能にする。
【0029】
コンテンツ処理部110はコンテンツに対して著作権及び使用権限情報に対するメタデータを生成する。特に、管理者インタフェース部170を通じて行われた著作権及び使用権限によってメタデータを生成して管理する。
【0030】
一方、図2には図1に示されたコンテンツ暗号化部130の詳細構造が示されている。
【0031】
コンテンツ暗号化部130はコンテンツ貯蔵部110から暗号化するコンテンツを引き出すコンテンツ引出モジュール131、コンテンツを多重暗号化するコンテンツ多重暗号化モジュール132、多重暗号化されたコンテンツに対する暗号メタデータを生成するメタデータ生成モジュール133、多重暗号化されたコンテンツ及びこれに対する暗号メタデータを1つの統合コンテンツで統合処理する統合コンテンツ生成モジュール134、統合コンテンツを貯蔵する統合コンテンツ貯蔵モジュール135を含む。そして、統合コンテンツ貯蔵モジュール135に貯蔵された統合コンテンツはコンテンツ貯蔵部110に貯蔵されて管理される。
【0032】
本発明の実施例によると、コンテンツ暗号化部130はコンテンツの安全性を高めるために再帰的暗号化を行う。このために設定された再帰暗号回数によってコンテンツ多重暗号化モジュール132、メタデータ生成モジュール133を動作させて再帰暗号回数だけ再帰的に暗号化された情報を生成する。これによって、コンテンツ多重暗号化モジュール132はコンテンツのみを暗号化する第1暗号化段階を行い、暗号化されたコンテンツとこれに関するメタデータを共に暗号化する第2暗号化段階を行う。この場合、メタデータ生成モジュール133は各暗号化段階を行うたびに暗号化関連情報を記述したメタデータを生成する。このような暗号化については以下の動作説明でより具体的に説明する。一方、本発明の実施例ではサービス管理部160によってコンテンツ暗号化部130の暗号化動作が制御されるが、これに限定されず、コンテンツ暗号化部130が別途の制御モジュールを含んで暗号化動作が制御される形態で構成されてもよい。
【0033】
一方、ネットワークを通じて連結されている使用者端末器300は上述したような構造からなるシステム100からコンテンツの提供を支援する通信装置であり、具体的に有線でネットワーク200に接続できるコンピュータ、インターネット接続可能なテレビなどを含む有線端末器または無線でネットワーク200に接続できる携帯電話、PSC、PDA、IMT-2000、PDAフォン、スマートフォンなどを含む無線端末器であり得る。
【0034】
図3に本発明の実施例による使用者端末器300の構造が示されている。添付した図3に示されているように、本発明の実施例による使用者端末器300はユーザインタフェース部31、使用者端末管理部32、暗号コンテンツ及びメタデータ受信部33、メタデータ構文解析及びレンダリング制御部34、暗号コンテンツ解読部35及びコンテンツレンダリング部36を含む。
【0035】
ユーザインタフェース部31は使用者が多様なコンテンツを要請することができ、要請されたコンテンツを使用者が利用できるようにする手段で、例えば、キーパッド、マウスなどの入力手段と、モニター、LCDなどの多様な出力手段を含む。
【0036】
使用者端末管理部32はユーザインタフェース部から伝達される使用者のコンテンツ要請によって相当するコンテンツサービス要請データを生成してシステム100に伝達する。
【0037】
暗号コンテンツ及びメタデータ受信部33はコンテンツサービス要請データによってシステム100から伝達される情報を受信し、受信された情報から暗号コンテンツ、暗号メタデータ、著作権及び使用権限メタデータを判別及び分離する。
【0038】
メタデータ構文解析及びレンダリング制御部34は著作権及び使用権限メタデータを構文解析した後、使用者のコンテンツ著作権及び使用権限を確認する。使用者(または使用者端末)に使用権限が付与された場合、暗号メタデータを構文解析する。
【0039】
暗号コンテンツ解読部35は暗号メタデータの構文解析結果に基づいて暗号コンテンツを解読し、コンテンツレンダリング部36は解読されたコンテンツを処理して使用したりまたはユーザインタフェース部31を通じて使用者が確認できるようにする。一方、メタデータ構文解析及びレンダリング制御部34はコンテンツの使用権限を著作権に明示された条件下で利用できるようにコンテンツレンダリング部36を制御する。
【0040】
次に、このような構造に基づいて本発明の実施例によるコンテンツ提供システムの動作について説明する。
【0041】
まず、コンテンツを暗号化し、それによる暗号メタデータを生成する方法について説明する。
【0042】
本発明の実施例ではネットワークを通じて提供されるコンテンツに対する安定性を向上させるために再帰的暗号化を行う。図4に本発明の実施例による暗号化概念が示されている。
【0043】
本発明の実施例では再帰的暗号化を行い、再帰的暗号化は図4に示されているように伝送しようとする1つのコンテンツに対して第1暗号化方式を利用して暗号化を行い、第1暗号化方式を使用する時には設定された暗号化パラメータに基づいて第1メタデータを生成する第1暗号化段階を行う。そして、第1暗号化段階で暗号化された第1コンテンツと第1メタデータを第2暗号化方式を利用して暗号化を行い、第2暗号化方式を使用する時には設定された暗号化パラメータに基づいて第2メタデータを生成する第2暗号化段階を行う。ここで、第2暗号化段階は複数回行うことができる。つまり、直前段階で暗号化されたコンテンツとメタデータが現在段階で設定された暗号化方式によって共に暗号化され、このような暗号化に関する暗号化パラメータに基づいくメタデータが新たに生成される第2暗号化段階が設定された再帰暗号回数に応じて複数回行われる。ここで、第1暗号化段階では設定された暗号化方式によってコンテンツのみ暗号化されるが、第2暗号化段階で設定された暗号化方式によってコンテンツとメタデータが共に暗号化される。その結果、図4でのように伝送しようとする元来のコンテンツとそれに関するメタデータが多重で暗号化され、最終的に行われた第2暗号化段階では前段階まで行われた暗号化関連情報を記述したメタデータと、そしてコンテンツが共に暗号化された最終暗号化コンテンツと、現在段階(最終暗号化段階)で行われた暗号化関連情報を記述した最終メタデータが得られる。
【0044】
したがって、このように多重で暗号化されたコンテンツ(最終暗号化コンテンツ及び最終メタデータ)の提供を受ける受信側では、まるで玉ねぎの皮を1枚ずつはがしていくように、暗号化段階を逆順に行うと原本コンテンツを得ることができる。
【0045】
図5にこのような再帰的暗号化を行う本発明の実施例によるコンテンツ暗号化過程が具体的に示されている。
【0046】
添付した図5に示されているように、サービス管理部160はまず設定された暗号化制御情報を分析し、それに基づいてコンテンツ多重暗号化モジュール132及びメタデータ生成モジュール133を動作させて暗号化を行う(S100)。
【0047】
暗号化制御情報は本発明の実施例による暗号化のためのすべての制御情報を含み、特に再帰的暗号化のための段階別制御情報を含む。具体的に第1暗号化段階で使用する第1暗号化方式、そして関連のある暗号パラメータ、第2暗号化段階でそれぞれ使用する第2暗号化方式、そして関連のある暗号パラメータを含む。例えば、暗号化制御情報は次の表1のように構成される。
【表1】

【0048】
このような暗号化制御情報は管理者インタフェース部170を通じて管理者によって設定されたものであるかまたはプログラムで自動設定されたものであり得る。
【0049】
一方、暗号化パラメータは使用された暗号化方式(またはアルゴリズム)を利用してコンテンツを解読したり暗号化したりするために使用される条件を意味する。例えば、キー値、キー長さ、暗号化フォーマット、初期化ベクター値、動作モード(暗号化されたデータブロックを混合するためのモード情報)、パディング方式、暗号化が適用されたコンテンツの開始位置、暗号化が適用されたコンテンツの最後位置などからなることができる。このような暗号化パラメータの種類は使用された暗号化方式(アルゴリズム)に応じて異なる。
【0050】
暗号化方式(または暗号化ツールとも言う)には圧縮ビットストリームデータに対して対称キーまたは非対称キーに基づくデータ暗号化規格(DES)、Triple-DES、リベストーシャミアーエーデルマン暗号化規格(RSA)、次世代暗号化規格(AES)、デジタル署名規格(DSS)、MD5、SHA、楕円曲線暗号化、素因數分解基盤暗号化を含む対称暗号化または非対称暗号化方式を使用して原本データを変形する方式のうちの1つを使用することができ、その他にも当業界に使用可能な他の暗号化方式が使用される。
【0051】
暗号化制御情報分析結果によってまず第1暗号化段階を行う。
【0052】
具体的にコンテンツ多重暗号化モジュール132はまず第1暗号化段階で設定された第1暗号化パラメータを分析し、その結果に基づいて第1暗号化方式を利用してコンテンツ暗号化を行う(S110)。特に、本発明の実施例によるコンテンツ暗号化部130のコンテンツ多重暗号化モジュール132は暗号化パラメータによって部分暗号化が設定された場合、コンテンツ引出モジュール131によってコンテンツ貯蔵部110から引き出されて提供されるコンテンツ、つまり、暗号化対象となるコンテンツで暗号化パラメータによって所定領域に相当する部分だけを抽出した後、抽出された部分を設定された暗号化方式によって暗号化する(S120)。そして、行われた暗号化方式、暗号化されたコンテンツの領域に対する位置値などを含む情報をメタデータ生成モジュール133に伝達する。
【0053】
次のメタデータ生成モジュール133は伝達される情報に基づいて暗号メタデータを生成し、特に使用された暗号化方式、使用した暗号パラメータ値、動作モード、データパディング方式、コンテンツ内暗号化されたコンテンツ領域に対する情報、使用された暗号を解析するために必要な復号情報(キー、キー長さなど)のうちの少なくとも1つを含むメタデータを生成する(S130)。
【0054】
一方、1つのコンテンツに対して互いに異なる暗号化方式を適用することができる。つまり、コンテンツを構成する各領域別に互いに異なる暗号化方式を適用して暗号化を行うことができ、この場合、メタデータ生成モジュール133は1つのコンテンツに対して各領域別に暗号化方式、復号情報などが互いに異ならせて付与されているメタデータを生成することができる。
【0055】
暗号化パラメータによって1つのコンテンツを全体暗号化する場合、コンテンツ多重暗号化モジュール132はコンテンツ全体を設定された1つの方式で暗号化し、メタデータ生成モジュール133は使用された暗号化方式、使用したパラメータ値、動作モード、データパディング方式、使用された暗号を解析ために必要な復号情報のうちの少なくとも1つを含むメタデータを生成する。
【0056】
このように第1暗号化段階で暗号化されたコンテンツを“第1暗号コンテンツ”と命名し、生成されたメタデータを“第1メタデータ”と命名する。で記述したように生成された第1メタデータはコンテンツ別に対応して貯蔵及び管理される(S140)。
【0057】
第1暗号化段階が行われると、暗号制御情報に設定されている再帰暗号回数によって第2暗号化段階を少なくとも1回以上行う。
【0058】
第2暗号化段階を行う時、サービス管理部160の制御によってコンテンツ多重暗号化モジュール132はまず直前暗号化段階(ここでは第1暗号化段階であるが、以下では複数回遂行される第2暗号化段階の中で直前に行われた第2暗号化段階で得られた結果物であり得る)で得られた暗号化された結果物(ここでは第1暗号化段階で得られた第1暗号コンテンツであるが、以下では複数回行われる第2暗号化段階の中で直前に行われた第2暗号化段階で得られた結果物であり得る)に相当するメタデータと共に暗号化する。例えば、暗号化制御情報の中で第2-1暗号化段階に相当する第2暗号化パラメータを分析し、その結果に基づいて第2暗号化方式を利用して第1暗号化段階の結果物である第1暗号コンテンツと第1メタデータを暗号化する(S150〜S160)。以下では暗号化されたコンテンツとメタデータが共に暗号化されて得られた結果物を“第2暗号コンテンツ”と命名し、第2暗号化段階が行われるたびにこのような第2暗号コンテンツが得られる。もちろん、このような第2暗号化段階でも部分暗号化を行われてもよい。
【0059】
次に、メタデータ生成モジュール133は第2暗号化段階遂行によってコンテンツ多重暗号化モジュール132から伝達される情報に基づいて段階のように暗号メタデータを生成する(S170)。以下では第2暗号化段階で生成されたメタデータを“第2メタデータ”と命名する。特に、第2メタデータは現在まで行われた全ての暗号化段階で適用された暗号化方式(暗号化ツール)の目録、そして暗号化方式が適用された順、代替暗号化方式目録を含む形態で構成される。
【0060】
このような第2メタデータもコンテンツ別に対応して貯蔵及び管理される(S180)。したがって、メタデータ生成モジュール133には原本コンテンツに付与された識別番号に対応して第1メタデータ、そして少なくとも1つ以上の第2メタデータが貯蔵される。
【0061】
上述したように、第2暗号化段階が行われるとコンテンツ暗号化部9130は暗号制御情報の再帰暗号回数によって第2暗号化段階の再遂行可否を確認する(S190)。再帰暗号回数だけ第2暗号化段階を全て行ると暗号化処理を終了し(S200)、そうでなければ上位段階(S150)に復帰して第2暗号化段階(S150〜S190)を再行う。
【0062】
したがって、図4に例示したように伝送しようとするコンテンツはメタデータと共に再帰暗号回数に応じて多重暗号化される。
【0063】
設定された再帰暗号回数によって第2暗号化段階が行われると、統合コンテンツ生成モジュール134は最終的な第2暗号化段階(例:第2-N暗号化段階、N=1,2,3…)で得られた結果物である第2暗号コンテンツ(直前段階で得られた暗号化結果物と当該メタデータが暗号化された結果物)を最終暗号コンテンツとし、このような最終第2暗号コンテンツ生成に関する情報からなる第2メタデータを最終メタデータとし、このような最終暗号コンテンツと最終メタデータを統合して統合コンテンツを生成する。このように生成された統合コンテンツがその後使用者端末器に伝送される。ここではコンテンツ及びデータ管理の便利のために統合コンテンツを生成したが、本発明はこれに限定されず、最終暗号コンテンツと最終メタデータが統合処理されずに個別的に貯蔵及び管理され、その後使用者要請によって所定暗号コンテンツとメタデータが使用者端末器に伝送されてもよい。
【0064】
次に、再帰的暗号化によって行われる本発明の実施例によるメタデータ、つまり、第2メタデータの構造について説明する。
【0065】
上述したように本発明の実施例によると、第1及び第2暗号化段階が行われ、特に第2暗号化段階が少なくとも1回以上行われることで多重化された暗号コンテンツが得られる。したがって、このような多重化された暗号コンテンツ(最終暗号コンテンツ)を受信側で解読する場合、まるで玉ねぎ皮を1枚ずつはがしていくように暗号化段階を逆順に行わなければならない。したがって、使用者端末器に提供される最終メタデータは最終暗号コンテンツを生成するまでどのような暗号化方式をどのように適用したかが分かるようにする情報が含まれていなければならない。本発明の実施例では暗号メタデータが使用された暗号化ツール(暗号化方式)の目録、各暗号化ツールに対するパラメータ情報、そして暗号化ツールが適用された順、代替暗号化ツール目録を含む。
【0066】
図6に本発明の実施例による暗号メタデータの構造が例示されている。
【0067】
再帰的構造で幾重にも暗号化されたコンテンツを使用者端末上で効率的に解読するために、暗号メタデータは多重コンテンツ保護のために適用した各暗号化ツールに対するパラメータ情報、各暗号化ツールを適用した順、暗号化ツールの位置、代替暗号化ツール目録などを含む図6に示された樹構造形態で構成される。そして、暗号メタデータはその他にもコンテンツ保護メタデータに対するデジタル署名情報、二進化された暗号化ツール及びコンテンツ著作権情報を樹構造形態の再帰的方法で叙述する。
【0068】
特に、図6はデジタル著作権管理(DRM)叙述文書構造の一例を示す。DRMはウェブを通じた有料コンテンツの安全な配布を保障し、より重要なことは不法配布を防止するために開発されたサーバーソフトウェアの一種類である。‘Digital Rights Management’の略字でデジタル著作権管理を意味する。コンテンツ提供者の権利と利益を安全に保護し、不法複製を防止して使用料賦課と決済代行など、コンテンツの生成から流通及び管理までを一括的に支援する技術である。
【0069】
また、本発明の実施例による暗号メタデータは1つ以上の部分ノードを保護することができる構造を有し、保護されたノードの暗号化ツール情報をメタデータに提供することができる構造からなる。
【0070】
具体的に図6を参照すると、本発明の実施例による暗号メタデータは樹構造形態を有し、多様なノード(例:暗号コンテンツ、ツール情報、暗号コンテンツキー情報、ツールライセンス情報、デジタル署名など)で構成される。各ノードは暗号化されたコンテンツに対するそれぞれの情報を含むが、これらノードの中で特に“暗号コンテンツキー情報”ノードは暗号コンテンツを解くキーを持っている非常に敏感で重要な情報で、このノードのメタデータのみ部分的に暗号化することができる。つまり、樹構造の暗号メタデータを全体的に暗号化せず、“暗号コンテンツキー情報”ノードのみ選択して暗号化することができる。この場合、より効果的に暗号メタデータを暗号化するために、例えばツール目録を示す“ツール情報”ノードと“暗号コンテンツキー情報”ノードのメタデータ情報のみ暗号化することもできる。
【0071】
各暗号化段階で得られた暗号メタデータが下階から順次に位置されると、例えば、1次暗号化段階で得られた1次暗号メタデータが最下位層(N1、N2、N3、N4、N5ノード)に、そして2次暗号メタデータが最下位層の上側に位置し、このような方式でN-1次暗号データがN-1次暗号化階層(N6、N7、N8、N9、N10、N11)と、N次暗号データがN次暗号化階層(N12、N13、N14、N15、N16、N17)に位置して全体的に暗号メタデータがボトムアップ形態で構成される。
【0072】
暗号メタデータがこのような構造に形成されることによって、逆暗号化する時に最も最近の暗号化によって得られたN次暗号化階層からトップダウン方向に順次に逆暗号化が行われながら、最初暗号化を行ったメタデータを含む最下位1次暗号化)階層まで逆暗号化が行われることができる。つまり、外側から玉ねぎの皮をはがす構造のように暗号メタデータの逆暗号化が行われることができる。
【0073】
一方、暗号メタデータが最上位ノードN20の下に暗号化遂行に使用されたツール目録を含むツール目録ノードN19を有することによって、アプリケーションの立場では使用されたツール目録ノードN19のみ解析しても現在解読対象である暗号化コンテンツを解くのに必要な解読ツールを直ちに準備することができる。その後、“情報”ノードN15から下のトップ−ダウン(top-down)方向にN18→N15→N9→...に降りながら構文解析する。最下の暗号化階層は最初に暗号化を行った1次暗号化階層であるので“情報”ノードを有しない。
【0074】
このように本発明の実施例による暗号メタデータが体系的な構造を有することによって、このような暗号メタデータを利用して再帰的構造で何回も暗号化されたコンテンツを効率的に解読することができる。
【0075】
図7及び図8は本発明の実施例の暗号化パラメータによる暗号メタデータの一例を示す。
【0076】
図7では暗号化アルゴリズムとしてDESが使用され、暗号化を解くために必要なキー値は“nfEoH/5M+yDLaxaJ+XpJ5Q==”であり、キー長さは“64”ビットで、暗号化のために適用したDESアルゴリズムの動作モードは“ECB”で、使用したパディング方式は“PCK#5”、初期化ベクター値は“asBefes”である。
【0077】
図8は1つのコンテンツに暗号化ツールをどのように適用したかに対する情報を示すメタデータを示す例である。図8で、第1指示子である<IPMPInfo:IPMPToolID>タグによってどんな暗号化ツールが適用されたのかが分かり、第2指示子である<IPMPInfo:Tool>タグによって適用された暗号化ツールの適用順が分かる。つまり、図8で<IPMPInfo:Tool refID=“2” order=“1”>の意味は参照ID2の暗号化ツールが第1(order=“1”)で使用されたことを意味する。そして、参照ID2の暗号化ツールを適用する時、図7のように暗号化パラメータに対するメタデータは<IPMPInfo:InitializationSrttings>タグ内に位置する。
【0078】
次に、ネットワークを通じて上述されたように再帰的に暗号化されたコンテンツを提供することについて説明する。
【0079】
図9に本発明の実施例によるネットワークを通じたコンテンツ提供方法が順次に示されている。
【0080】
ここでは上述されたように本発明の実施例によるコンテンツが多重暗号化(特に、再帰的に暗号化されたコンテンツ)され、多重暗号化されたコンテンツとこれに関する暗号化関連メタデータが統合コンテンツとして生成され貯蔵されていて、またコンテンツ関連著作権メタデータが生成及び貯蔵されていることを前提としてコンテンツ提供が行われることを記述する。しかし、本発明はこれに限定されず、使用者のコンテンツ要請によって上述した ようなコンテンツ暗号化及びメタデータが生成される過程が行われた後、これに基づいくコンテンツ提供が行われてもよい。
【0081】
添付した図9に示されているように、使用者が端末器300上でインタフェース部31を通じて所定のコンテンツ提供を要請すると、使用者端末管理部32は要請によるコンテンツサービス要請データを生成してシステム100に伝達する(S300)。ここで、コンテンツサービス要請データは端末器のディスプレイサイズ、カラー深さ、符号器及び復号器特性、バッテリー寿命、運営体制、プログラム実行環境、暗号コンテンツ解読器(暗号コンテンツ逆暗号化処理モジュール)の中で少なくとも1つを含む。
【0082】
ネットワーク200を通じてコンテンツサービス要請データが伝達されると、システム100の認証部150がまずコンテンツ提供が可能な使用者であるのかを確認する。例えば、認証部150の要請によって使用者がID、パスワードなどを入力すると、認証部150は使用者データベース151に入力されたID、パスワードの貯蔵有無、入力されたIDとパスワードが貯蔵されている場合と同一にマッチングしているかどうかに基づいてユーザ認証を行う(S310)。
【0083】
要請データを提供した端末器300の使用者にコンテンツ提供ができる適法な使用者として認証されると、認証部150は認証結果を使用者端末器300に伝達し、コンテンツ処理部120及びコンテンツ暗号化部130は要請されたコンテンツを処理して伝送部140に伝達する。
【0084】
具体的に、サービス管理部160はネットワーク200を通じて伝達されるコンテンツサービス要請データを解析して使用者が要請したコンテンツがどのようなものであるかを確認し、その結果をコンテンツ暗号化部130及びコンテンツ処理部120に伝達する(S320)。
【0085】
コンテンツ暗号化部130は統合コンテンツ貯蔵モジュール135から要請されたコンテンツが多重暗号化され、これに関するメタデータが統合されている統合コンテンツを引出して、伝送部140に伝達する。引出された統合コンテンツは設定された再帰回数によって多重暗号化された最終暗号コンテンツと最終メタデータが統合されたコンテンツである。
【0086】
また、著作権及び使用権限メタデータ引出モジュール136は統合コンテンツに対して設定されている著作権及び使用権限によるメタデータを引出して伝送部140に伝達する(S330〜S340)。
【0087】
次に、コンテンツ伝送部140は統合コンテンツと著作権及び使用権限メタデータを伝送フォーマットに合わせて符号化(変調)した後、ネットワーク200を通じて使用者端末器300に伝送する(S350)。この時、コンテンツ伝送部140は端末器の効率的であったコンテンツ処理のためにコンテンツサービス要請データによってコンテンツ情報を処理する端末器ディスプレイサイズ、カラー深さ、符号器及び復号器特性、バッテリー寿命、運営体制、プログラム実行環境、暗号コンテンツ読取器の中で少なくとも1つを考慮してコンテンツ暗号化部130から適した統合コンテンツと、そして著作権及び使用権限メタデータを獲得及び処理して使用者端末器300に伝送することができる。以下では説明の便宜上、変調されて伝送された統合コンテンツと著作権及び使用権限メタデータを“コンテンツ情報”と命名する。
【0088】
これに応答して使用者端末器300の暗号コンテンツ及びメタデータ受信部33は伝送されたコンテンツ情報を復号(逆変調)して暗号コンテンツと暗号メタデータ、著作権及び使用権限メタデータに分離した後、それぞれを暗号コンテンツ解読部35とメタデータ構文解析及びレンダリング制御部34に入力する(S360)。
【0089】
メタデータ構文解析及びレンダリング制御部34はまず著作権及び使用権限メタデータを構文解析して使用者のコンテンツ著作権及び使用権限を確認する(S370)。著作権及び使用権限メタデータにはコンテンツ使用条件である時間、日付、指定端末、指定使用者、再生回数、指定コンテンツが含まれていることができ、またコンテンツ使用組み合わせによる使用権限、つまり、コンテンツ使用順序による使用権限が含まれていてもよい。したがって、メタデータ構文解析及びレンダリング制御部34は確認結果使用者(または使用者端末)に使用権限が付与されている場合、暗号メタデータを構文解析した後、その結果を暗号コンテンツ解読部35に伝達する。
【0090】
暗号コンテンツ解読部35は入力された暗号メタデータを利用してメタデータ構文解析及びレンダリング制御部34から伝達された暗号コンテンツを解読し、その結果をコンテンツレンダリング部36に伝達する(S380〜S390)。
【0091】
一方、このような本発明の実施例でコンテンツ暗号化部130はそれぞれの第1及び第2暗号化段階の時にコンテンツを全て暗号化せず、部分的に暗号化することができる。つまり、コンテンツ多重暗号化モジュール132は暗号化パラメータによって部分暗号化が設定された場合、暗号化パラメータによって暗号化対象となるコンテンツで所定の領域のみを抽出した後、抽出された領域を設定された暗号化技法によって暗号化する。そして、行われた暗号化技法、暗号化されたコンテンツの領域に対する位置値を含む情報に基づいて暗号メタデータが生成され、このような暗号メタデータは特にコンテンツ内に暗号化されたコンテンツ領域に対する情報を含む。このような部分暗号化によってコンテンツ暗号化に所要される処理時間を減少させることができ、使用者端末側でも復号(解読)するのに所要される時間を減少させることができる。
【0092】
また、コンテンツ暗号化部130は1つのコンテンツに対して互いに異なる暗号化技法を適用することができる。つまり、コンテンツを構成する各領域別に互いに異なる暗号化技法を適用して暗号化を行うことができ、この場合、生成される暗号メタデータは1つのコンテンツに対して各領域別に暗号化技法、復号情報などが互いに異ならせて付与される。
【0093】
今まで本発明による具体的な実施例について説明したが、本発明の範囲から一脱しない限度内では多様な変形が可能である。例えば、上述した暗号化過程及びコンテンツ提供方法はコンピュータが読取り可能な記録媒体に貯蔵されるプログラム形態で実現することが出来る。記録媒体としてはコンピュータによって読取り可能なデータが貯蔵される全ての種類の記録装置が含まれることができ、例えば、CD-ROM、磁器テープ、フロッピー(登録商標)ディスクなどがあり、またキャリアウェーブ(例えば、インターネットを通した伝送)の形態で実現されるものも含む。
【0094】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、請求範囲で定義する本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形及び改良形態もまた本発明の権利範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の実施例によるコンテンツ提供システムの構造を示す図面である。
【図2】図1に示されたコンテンツ暗号化部の詳細構造図である。
【図3】本発明の実施例による使用者端末器の構造図である。
【図4】本発明の実施例によるコンテンツ暗号化概念を示す図面である。
【図5】本発明の実施例によるコンテンツ暗号化過程を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施例による暗号メタデータの構造である。
【図7】本発明の実施例による暗号メタデータを示す例である。
【図8】本発明の実施例による暗号メタデータを示す例である。
【図9】本発明の実施例によるコンテンツ提供方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0096】
31…使用者インタフェース部
32…使用者端末管理部
33…メタデータ受信部
34…レンダリング制御部
35…暗号コンテンツ解読部
36…コンテンツレンダリング部
100…コンテンツ提供システム
110…コンテンツ貯蔵部
120…コンテンツ処理部
130…コンテンツ暗号化部
131…コンテンツ引出モジュール
132…コンテンツ多重暗号化モジュール
133…メタデータ生成モジュール
134…統合コンテンツ生成モジュール
135…統合コンテンツ貯蔵モジュール
136…使用権限メタデータ引出モジュール
140…コンテンツ伝送部
150…認証部
151…使用者データベース
160…サービス管理部
170…管理者インタフェース部
200…ネットワーク
300…使用者端末器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを暗号化する方法において、
前記コンテンツを設定された第1暗号化方式によって暗号化し、前記暗号化遂行に関する情報を含む第1暗号メタデータを生成する第1暗号化段階と、
直前段階で暗号化されたコンテンツと、それに関するメタデータを設定された第2暗号化方式によって暗号化し、前記暗号化遂行に関する情報を含む第2暗号メタデータを生成する第2暗号化段階と、
前記第2暗号化段階を設定された回数だけ行って最終暗号化コンテンツ及び最終暗号メタデータを生成する最終段階
とを含むことを特徴とするコンテンツ暗号化方法。
【請求項2】
前記最終暗号化コンテンツは、最終段階に以前に行われた暗号化関連情報を記述した暗号メタデータとコンテンツが共に暗号化されていて、前記最終暗号メタデータは最終段階で行われた暗号化関連情報を含むことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ暗号化方法。
【請求項3】
前記暗号メタデータは、各暗号化ツールに対するパラメータ情報、各暗号化ツールを適用した順、暗号化ツールの位置、代替暗号化ツール目録のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ暗号化方法。
【請求項4】
前記暗号メタデータは、暗号化関連情報を含むノードが樹構造形態で連結されていることを特徴とする請求項3に記載のコンテンツ暗号化方法。
【請求項5】
前記第1暗号化段階または前記第2暗号化段階は、前記コンテンツに対して部分的に暗号化を行うことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ暗号化方法。
【請求項6】
前記暗号化による暗号メタデータは、前記コンテンツのうちの暗号化された領域に対する情報を含むことを特徴とする請求項5に記載のコンテンツ暗号化方法。
【請求項7】
前記第1暗号化段階または第2暗号化段階は、前記コンテンツを構成する各領域別に互いに異なる暗号化技法を適用して暗号化を行い、このような暗号化によって生成される暗号メタデータは前記コンテンツの各領域別に暗号化技法及び復号情報が互いに異ならせて付与されている情報を含むことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ暗号化方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1つに記載の方法をコンピュータで実行するプログラムを記録する記録媒体。
【請求項9】
使用者端末器にコンテンツを提供するシステムにおいて、
コンテンツを暗号化して貯蔵及び管理し、前記暗号化による暗号メタデータを生成して貯蔵及び管理するコンテンツ暗号化部と、
前記使用者端末器から伝送されるコンテンツサービス要請データを受信するユーザインタフェース部と、
前記コンテンツ暗号化部から提供され、前記コンテンツサービス要請データに対応する暗号化されたコンテンツ、そして前記コンテンツに関する暗号メタデータを伝送可能なコンテンツ情報で処理して前記使用者端末器に伝送するコンテンツ伝送部を含み、前記コンテンツ暗号化部は前記コンテンツを設定された第1暗号化方式によって暗号化し、前記暗号化遂行に関する情報を含む第1暗号メタデータを生成する第1暗号化段階を行った後、設定された暗号回数によって直前段階で暗号化されたコンテンツとそれに関するメタデータを設定された第2暗号化方式によって暗号化し、前記暗号化遂行に関する情報を含む第2暗号メタデータを生成する第2暗号化段階
を少なくとも1回以上行うことを特徴とするコンテンツ提供システム。
【請求項10】
前記コンテンツ暗号化部は、
前記設定された暗号回数によって前記第1暗号化段階及び第2暗号化段階を行って前記コンテンツを多重暗号化するコンテンツ多重暗号化モジュールと、
コンテンツ多重暗号化の時に使用される暗号化情報を暗号メタデータで生成するメタデータ生成モジュールと、
前記多重暗号化されたコンテンツと暗号メタデータを統合処理して統合コンテンツを生成する統合コンテンツ生成モジュールと、
前記統合コンテンツを貯蔵及び管理する統合コンテンツ貯蔵モジュール
とを含むことを特徴とする請求項9に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項11】
コンテンツに対して著作権及び使用権限情報を示すメタデータを生成して貯蔵及び管理するコンテンツ処理部をさらに含み、
前記コンテンツ伝送部は、前記暗号化されたコンテンツと前記コンテンツに関する暗号メタデータが統合された統合コンテンツ、そして前記コンテンツ処理部から提供される前記メタデータを伝送可能なコンテンツ情報で処理して前記使用者端末器に伝送することを特徴とする請求項9または10に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項12】
前記使用者端末器は、
ユーザインタフェース部と、
前記ユーザインタフェース部を通じて入力される使用者要請によってコンテンツサービス要請データを生成して前記システムに伝送する使用者端末管理部と、
前記システムから伝送されるコンテンツ情報を受信し、前記受信された情報から暗号化されたコンテンツ、暗号メタデータ、メタデータを分離する暗号コンテンツ及びメタデータ受信部と、
前記メタデータを構文解析して前記コンテンツに対する使用権限を確認し、使用可能な場合には、前記暗号メタデータを構文解析するメタデータ構文解析及びレンダリング制御部と、
前記暗号メタデータ構文解析結果に基づいて前記暗号化されたコンテンツを解読する暗号コンテンツ解読部と、
前記解読したコンテンツを処理するコンテンツレンダリング部
とを含むことを特徴とする請求項11に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項13】
前記コンテンツサービス要請データは端末器のディスプレイサイズ、カラー深さ、符号器及び復号器特性、バッテリー寿命、運営体制、プログラム実行環境、暗号コンテンツ読取器(暗号コンテンツ逆暗号化処理モジュール)のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項12に記載のコンテンツ提供システム。
【請求項14】
前記コンテンツ伝送部は、
前記コンテンツサービス要請データに基づいて端末器のディスプレイサイズ、カラー深さ、符号器及び復号器特性、バッテリー寿命、運営体制、プログラム実行環境、暗号コンテンツ読取器(暗号コンテンツ逆暗号化処理モジュール)のうちの少なくとも1つを考慮して前記コンテンツ暗号化部から暗号化されたコンテンツ、そして前記コンテンツに関する暗号メタデータ、そして前記コンテンツ処理部からメタデータの提供を受けて処理して使用者端末器に伝送することを特徴とする請求項13に記載の多重コンテンツ提供システム。
【請求項15】
前記コンテンツ暗号化部は、前記第1暗号化段階または第2暗号化段階で前記コンテンツの所定領域に対してのみ暗号化を行い、この場合、前記暗号メタデータは前記コンテンツ内に暗号化されたコンテンツ領域に対する情報を含むことを特徴とする請求項11に記載の多重コンテンツ提供システム。
【請求項16】
使用者端末器にコンテンツを提供するシステムのコンテンツ提供方法において、
a)前記システムがコンテンツを暗号化し、前記暗号化の時に使用される暗号化情報に基づいて暗号メタデータを生成し、前記暗号化されたコンテンツと暗号メタデータを統合して統合コンテンツを生成する段階と、
b)前記システムがコンテンツに対して著作権及び使用権限情報に基づいて著作権メタデータを生成する段階と、
c)前記システムが前記使用者端末器から伝達されるコンテンツサービス要請データによってこれに対応する統合コンテンツを選択する段階と、
d)前記システムが選択した統合コンテンツ及び著作権メタデータを獲得する段階と、
e前記システムが統合コンテンツ、そしてメタデータらを伝送可能なコンテンツ情報で処理して前記使用者端末器に伝送する段階とを含み、
前記a)段階は、前記コンテンツを設定された第1暗号化方式によって暗号化し、前記暗号化遂行に関する情報を含む第1暗号メタデータを生成する第1暗号化段階を行った後、設定された暗号回数によって直前段階で暗号化されたコンテンツとそれに関するメタデータを設定された第2暗号化方式によって暗号化し、前記暗号化遂行に関する情報を含む第2暗号メタデータを生成する第2暗号化段階を少なくとも1回以上行うことを特徴とする請求項11に記載のコンテンツ提供方法。
【請求項17】
前記a)段階は、前記コンテンツを構成する各領域別に互いに異なる暗号化方式を適用して暗号化を行い、前記第1メタデータは1つのコンテンツに対して各領域別に暗号化方式、復号情報が互いに異ならせて付与されていることを特徴とする請求項16に記載のコンテンツ提供方法。
【請求項18】
前記暗号メタデータは、各暗号化ツールに対するパラメータ情報、各暗号化ツールを適用した順、暗号化ツールの位置、代替暗号化ツール目録のうちの少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする請求項16に記載のコンテンツ提供方法。
【請求項19】
前記c)段階は、前記コンテンツサービス要請データを伝送した使用者端末器に対してユーザ認証を行った後、認証された使用者である場合にのみ対応する統合コンテンツを選択することを特徴とする請求項16に記載のコンテンツ提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−516548(P2008−516548A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−536609(P2007−536609)
【出願日】平成17年10月12日(2005.10.12)
【国際出願番号】PCT/KR2005/003398
【国際公開番号】WO2006/080754
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(507119216)インフォメーション アンド コミュニケーションズ ユニバーシティ リサーチ アンド インダストリアル コーオペレーション グループ (2)
【出願人】(505139805)コリアン・ブロードキャスティング・システム (2)
【Fターム(参考)】