説明

コンテンツ記録処理システム

【課題】記録処理システムにコンテンツの記録先を制御する機能を持たせることにより、記録処理システムに接続された携帯型再生装置にコンテンツを記録する際の利便性を高めることを可能とする。
【解決手段】コンテンツを記録するNAS10は、コンテンツを記録する第1の蓄積部と、コンテンツを記録する第2の蓄積部を備える携帯型映像再生装置30を接続する第1の接続部と、コンテンツの記録予約情報を第1の蓄積部に保存させる記録予約情報保存処理部と、保存された記録予約情報に基づいて、コンテンツを受信する受信処理部と、受信されたコンテンツである受信コンテンツを、第1の蓄積部と第1の接続部に接続された携帯型映像再生装置30に備えられた第2の蓄積部とのいずれに記録するか選択する記録処理部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツの記録先を制御する機能とコンテンツの記録予約機能とを有する記録処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ブルーレイディスクやDVD(Digital Versatile Disc)などの可搬可能な記録メディアやHDD(Hard Disk Drive)などの内蔵型記録メディアに、デジタルチューナーによって受信されたデジタル映像コンテンツを録画する録画装置が普及している。また、内蔵又は外付けされたデジタルチューナーを有するパーソナルコンピュータに備えられたHDD等の記録メディアに、デジタルチューナーによって受信されたデジタル映像コンテンツを録画することも一般化してきている。デジタル映像コンテンツの録画は、録画装置の録画予約機能又はパーソナルコンピュータの録画予約アプリケーションを用いて行われることが多い。
【0003】
録画装置又はパーソナルコンピュータの記録メディアに一旦録画されたデジタル映像コンテンツを、携帯型映像再生装置に内蔵されたHDD等の記録メディアにコピー(複製)又はムーブ(移動)し、屋外などで視聴し楽しむことも可能である。
【0004】
また、デジタル放送受信装置(録画装置)において、デジタル映像コンテンツの録画予約機能に加えて、携帯プレーヤなどの外部装置(携帯型映像再生装置)への移動予約機能を一連の操作によって行うことができる技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−55129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した技術では、デジタル映像コンテンツの録画予約機能と移動予約機能とを一連の操作によって行うことにより、デジタル放送受信装置を利用する際の利便性を高めている。
【0007】
しかしながら、デジタル映像コンテンツは一旦デジタル放送受信装置に録画された後、携帯プレーヤなどの外部装置へ移動される。また、一般的に、デジタル映像コンテンツのデータ量は大きい。従って、ユーザが、デジタル映像コンテンツを外部装置に録画したい場合であっても、映像コンテンツは必ず一旦デジタル放送受信装置に録画されるため、デジタル放送受信装置の記録メディアは、データ量の大きいデジタル映像コンテンツを格納可能な容量を確保していなければならず、また、外部装置の記録メディアに録画する時間が余分にかかることにもなる。
【0008】
また、ARIB(社団法人 電波産業会)よって、デジタル映像コンテンツを特定装置の記録メディアに録画する際には、特定装置によりデジタル映像コンテンツに対してローカル暗号化が施されなければならない旨が規定されている。従って、上述した技術では、デジタル放送受信装置と携帯プレーヤなどの外部装置とにおいて、2度にわたってローカル暗号化が施されなければならないため、その時間も余分に必要となる。
【0009】
上記問題点に鑑み、本発明は、記録処理システムにコンテンツの記録先を制御する機能を持たせることにより、記録処理システムに接続された携帯型再生装置にコンテンツを記録する際の利便性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。
【0011】
本発明の特徴は、コンテンツを記録する記録処理システム(NAS10)であって、前記コンテンツを記録する第1の蓄積部(蓄積装置400)と、前記コンテンツを記録する第2の蓄積部を備える携帯型再生装置(携帯型映像再生装置30)を接続する第1の接続部(I/O I/F300)と、前記コンテンツの記録予約情報を前記第1の蓄積部に保存させる記録予約情報保存処理部(録画予約情報保存処理部105)と、前記記録予約情報保存処理部によって保存された前記記録予約情報に基づいて、前記コンテンツを受信する受信処理部(受信処理部107)と、前記受信処理部によって受信された前記コンテンツである受信コンテンツを、前記第1の蓄積部と前記第1の接続部に接続された前記携帯型再生装置に備えられた前記第2の蓄積部とのいずれかに選択的に記録させる記録処理部(録画処理部109)とを備えることを要旨とする。
【0012】
本発明の特徴は、前記記録処理部は、前記第1の接続部に前記携帯型再生装置が接続されている場合は、前記受信コンテンツを前記第1の蓄積部に記録させることを省略し、前記第2の蓄積部に記録させ、前記第1の接続部に前記携帯型再生装置が接続されていない場合は、前記受信コンテンツを前記第1の蓄積部に記録させることを要旨とする。
【0013】
このような記録処理システムによれば、携帯型再生装置が第1の接続部に接続されている場合は、記録処理システムの第1の蓄積装置はデータ量の大きいコンテンツを格納可能な容量を確保する必要がない。
【0014】
また、コンテンツは、記録処理システムの第1の蓄積装置に記録されず、携帯型再生装置の第2の蓄積装置に記録されるのみであるため、従来と比べ、携帯型再生装置の第2の蓄積装置に記録される時間が短縮される。
【0015】
また、コンテンツは、記録処理システムの第1の蓄積装置に記録されず、携帯型再生装置の第2の蓄積装置に記録されるのみであるため、記録処理システムの第1の蓄積装置に記録する際のローカル暗号化が行われず、その時間が短縮される。
【0016】
本発明の特徴は、前記第1の蓄積部と前記第2の蓄積部とは、電源供給の有無にかかわらず記憶された情報を保持する不揮発性記憶装置であることを要旨とする。
【0017】
本発明の特徴は、前記記録処理システムと通信を行う端末装置(携帯型映像再生装置30)を接続する第2の接続部(I/O I/F300)と、前記第2の接続部に接続された前記端末装置によって作成された前記記録予約情報を、前記端末装置から受信する第1の記録予約情報受信処理部(録画予約情報受信処理部101)とを備えることを要旨とする。
【0018】
本発明の特徴は、ネットワークを介して、前記コンテンツの記録予約サービスを提供するウェブサーバ(ウェブサーバ40)と通信を行う端末装置(携帯型映像再生装置30)が、前記ウェブサーバの記録予約サービス機能を用いて作成した前記記録予約情報を、前記ウェブサーバから受信する第2の記録予約情報受信処理部(録画予約情報受信処理部101)を備えることを要旨とする。
【0019】
このような記録処理システムによれば、端末装置に対するユーザの操作を行うことにより、ネットワークを介して、記録予約情報が記載されたファイルを作成することが可能であるため、記録予約を行うために端末装置を記録処理システムに接続する必要がない。
【0020】
本発明の特徴は、ネットワークを介して、前記記録処理システムと通信を行う端末装置(携帯型映像再生装置30)からの前記記録予約情報を用いて、前記記録予約情報保存処理部によって保存される前記記録予約情報を作成する記録予約情報作成処理部(録画予約情報作成処理部103)を備えることを要旨とする。
【0021】
このような記録処理システムによれば、端末装置に対するユーザの操作を行うことにより、ネットワークを介して、記録予約情報が記載されたファイルを作成することが可能であるため、記録予約を行うために端末装置を記録処理システムに接続する必要がない。
【0022】
本発明の特徴は、前記受信処理部は、複数の前記コンテンツを同時に受信可能であり、前記第2の記録処理部は、複数の前記コンテンツを同時に記録可能であることを要旨とする。
【0023】
このような記録処理システムによれば、コンテンツを1つづつ受信及び記録する場合と比べて、携帯型再生装置の第2の蓄積装置に記録される時間が短縮される。また、同時刻に放送される複数のコンテンツのいずれかを選択することなく、当該複数のコンテンツを受信及び記録することが可能となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、記録処理システムにコンテンツの記録先を制御する機能を持たせることにより、記録処理システムに接続された携帯型再生装置にコンテンツを記録する際の利便性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係る通信システムの全体概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係るNASの構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係るNASにおける第1の録画予約の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係るNASにおける第2の録画予約の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係るNASにおける第3の録画予約の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係るNASの録画の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係るNAS又は形態端末が有する録画予約アプリケーションの画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。具体的には、(1)通信システムの全体概略構成、(2)NASの構成、(3)NASの動作、(4)作用・効果、(5)その他の実施形態について説明する。以下の実施形態における図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0027】
(1)通信システムの全体概略構成
図1は、本発明の実施形態に係る通信システム1の全体概略構成図である。
【0028】
図1に示すように、通信システム1は、NAS(Network Attached Storage)10と、ワンセグチューナ20と、携帯型映像再生装置30と、ウェブサーバ40と、地上デジタル放送放送局50と、インターネットやLAN等のネットワーク60とを含む。
【0029】
NAS10は、後述するチューナ接続部600に接続されたワンセグチューナ20を介して、地上デジタル放送放送局50からデジタル映像コンテンツを受信する。次に、NAS10は、後述するI/O I/F300に接続された携帯型映像再生装置30に、受信したデジタル映像コンテンツを転送する。なお、NAS10は、後述する通信I/F700を用い、ネットワーク60を介して、携帯型映像再生装置30とウェブサーバ40との通信を行う。また、NAS10は、後述する蓄積装置400に録画予約アプリケーションを保持する。
【0030】
ワンセグチューナ20は、NAS10の後述するチューナ接続部600に接続され、地上デジタル放送放送局50からデジタル映像コンテンツを受信する。なお、本発明の実施形態において、ワンセグチューナ20の代わりにフルセグチューナを用いてもよい。
【0031】
携帯型映像再生装置30は、NAS10の後述するI/O I/F300に接続される。携帯型映像再生装置30は、ワンセグチューナ20によって受信されたデジタル映像コンテンツであり、NAS10が携帯型映像再生装置30に転送したデジタル映像コンテンツを、携帯型映像再生装置30の図示されていない蓄積装置に録画する。なお、携帯型映像再生装置30の図示されていない蓄積装置はHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの不揮発性記憶装置によって構成される。また、録画の際には、転送されたデジタル映像コンテンツに対して、ARIBによって規定されたローカル暗号化が施される。また、携帯型映像再生装置30の図示されていない蓄積装置において、デジタル映像コンテンツを格納可能な容量が所定のしきい値を下回った場合は、携帯型映像再生装置30は、デジタル映像コンテンツの録画を強制的に停止する。また、携帯型映像再生装置30の図示されていない蓄積装置において、デジタル映像コンテンツを格納可能な容量が所定のしきい値を下回った場合は、携帯型映像再生装置30は、蓄積装置に録画済のデジタル映像コンテンツのうち録画日付が古いものから順に削除してもよい。また、携帯型映像再生装置30は、ネットワーク60を介して、NAS10とウェブサーバ40との通信を行う。また、携帯型映像再生装置30は、録画予約アプリケーションとウェブブラウザアプリケーションとを図示されていない蓄積装置に保持する。
【0032】
ウェブサーバ40は、ネットワーク60を介して、EPG(Electronic Program Guide:電子番組ガイド)を用いたデジタル映像コンテンツの録画予約サービスを提供する。本発明の実施形態においては、録画予約サービスを利用するために、NAS10と携帯型映像再生装置30とに関する情報が、ウェブサーバ40に登録されているものとする。
【0033】
地上デジタル放送放送局50は、デジタル映像コンテンツを配信する。
【0034】
(2)NASの構成
図2は、本発明の実施形態に係るNAS10の構成図である。
【0035】
NAS10は、CPU100と、コーデック200と、I/O I/F300と、蓄積装置400と、メモリ500と、チューナ接続部600、と通信I/F700とを含む。
【0036】
CPU100は、NAS10が具備する各種機能を制御する。
【0037】
コーデック200は、チューナ接続部600に接続されたワンセグチューナ20が、地上デジタル放送放送局50から受信したデジタル映像コンテンツ(MPEG2−TS)のエンコード(符号化)とデコード(復号化)とを行う。具体的には、コーデック200は、動画の非可逆圧縮の規格であるMPEG−2やH.264に従って、後述する蓄積装置400に録画されるデジタル映像コンテンツの圧縮や伸張を行う。なお、本発明の実施形態においては、ワンセグに係るデジタル映像コンテンツについて説明するが、デジタル映像コンテンツはフルセグ係るデジタル映像コンテンツであってもよい。その場合、コーデック200は、フルセグに係るデジタル映像コンテンツであり、B−CAS方式に基づいて暗号化されたデジタル映像コンテンツの復号を行う。なお、コーデック200がエンコード、デコード及び復号できるデジタル映像コンテンツに係る規格は、上記MPEG−2、H.264及びB−CAS方式に限定されない。
【0038】
I/O I/F300は、携帯型映像再生装置30をNAS10に直接接続するためのインターフェースである。なお、本発明の実施形態においては、I/O I/F300はUSB(Universal Serial Bus)コネクタであるが、I/O I/F300はUSBコネクタに限定されるものではない。
【0039】
蓄積装置400は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ又はSDカードなどの不揮発性記憶装置によって構成される。蓄積装置400は、NAS10に内蔵されていてもよい。また、蓄積装置400は、NAS10の外部に位置し、USB等によって接続されていてもよい。
【0040】
メモリ500は、例えば、RAM(Randam Access Memory)などの揮発性記憶装置によって構成され、NAS10における制御などに用いられる各種情報を記憶する。また、メモリ500は、ワンセグチューナ20によって受信されたデジタル映像コンテンツの一部を一時的に保持するバッファとして利用される。一方で、蓄積装置400はバッファとしては利用されない。
【0041】
チューナ接続部600は、ワンセグチューナ20をNAS10に直接接続するためのインターフェースである。本発明の実施形態におけるNAS10は、チューナ接続部600にワンセグチューナ20が接続された場合、接続されたワンセグチューナ20を認識し、接続されたワンセグチューナ20を使用可能な状態にするよう構成されている。なお、本発明の実施形態においては、チューナ接続部600はUSB(Universal Serial Bus)コネクタであるが、チューナ接続部600はUSBコネクタに限定されるものではない。
【0042】
通信I/F700は、ネットワーク60を介して、携帯型映像再生装置30とウェブサーバ40との通信を行う。
【0043】
CPU100は、録画予約情報受信処理部101と、録画予約情報作成処理部103と、録画予約情報保存処理部105と、受信処理部107と、録画処理部109とを含む。
【0044】
録画予約情報受信処理部101は、携帯型映像再生装置30が、携帯型映像再生装置30に保持された録画予約アプリケーションを実行して作成したファイルであり、デジタル映像コンテンツの録画予約情報が記載されたファイルを、携帯型映像再生装置30から、I/O I/F300を介して、受信する。具体的には、携帯型映像再生装置30は、携帯型映像再生装置30に保持された録画予約アプリケーションを実行することにより、図7に示すような録画予約画面を、携帯型映像再生装置30の図示されていない表示部に表示する。携帯型映像再生装置30は、表示された録画予約画面に対するユーザの操作により、録画予約情報が記載されたファイルを作成し、携帯型映像再生装置30の図示されていない蓄積装置に保持する。なお、ユーザによる操作は以下の順で行われる。ユーザは、日時指定1001又は毎週1003のいずれかを選択し、日時指定1001を選択した場合は録画予約日時を、毎週1003を選択した場合は、曜日を1つ以上選択する。次にユーザは、チャンネル1005及び時刻1007(開始時刻と終了時刻)を入力する。最後にユーザが、OKボタン1009を押下することにより、録画予約情報が記載されたファイルが作成される。一方、ユーザが、キャンセルボタン1011を押下すると、録画予約情報が記載されたファイルは作成されない。録画予約情報受信処理部101は、携帯型映像再生装置30がI/O I/F300に接続されたことをトリガーとして、録画予約情報が記載されたファイルを携帯型映像再生装置30から受信する。なお、録画予約情報受信処理部101が携帯型映像再生装置30からファイルを受信するためのトリガーは、携帯型映像再生装置30又はNAS10に対するユーザの操作であってもよい。また、ファイルはテキストファイルでもよく、他のファイル形式によるものでもよい。
【0045】
また、録画予約情報受信処理部101は、ウェブサーバ40が、ウェブサーバ40によって提供されるデジタル映像コンテンツの録画予約サービスを実行して作成したファイルであり、デジタル映像コンテンツの録画予約情報が記載されたファイルを、ウェブサーバ40から、通信I/F700を介して、受信する。具体的には、ウェブサーバ40は、ウェブサーバ40によって提供されるデジタル映像コンテンツの録画予約サービスを実行し、ネットワーク60を介して、携帯型映像再生装置30の図示されていない表示部にEPGに係る番組表をウェブ設定ページとして表示させる。ウェブサーバ40は、携帯型映像再生装置30に表示された番組表に記載されたデジタル映像コンテンツを選択するユーザの操作により、録画予約情報が記載されたファイルを作成し、ウェブサーバ40の図示されていない蓄積装置に保持する。なお、ウェブサーバ40の図示されていない蓄積装置は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの不揮発性記憶装置によって構成される。
【0046】
録画予約情報受信処理部101は、一定の時間間隔でウェブサーバ40の図示されていない蓄積装置にアクセスし、録画予約情報が記載されたファイルの有無を確認する。録画予約情報受信処理部101は、ウェブサーバ40の図示されていない蓄積装置がファイルを有する場合は、ウェブサーバ40からファイルを受信する。なお、録画予約情報受信処理部101がファイルを受信するためのトリガーは、ネットワーク60に接続された携帯型映像再生装置30又はNAS10に対するユーザの操作であってもよい。また、ファイルはテキストファイルでもよく、他のファイル形式によるものでもよい。
【0047】
録画予約情報作成処理部103は、NAS10の蓄積装置400に保持された録画予約アプリケーションを実行し、デジタル映像コンテンツの録画予約情報が記載されたファイルを作成する。具体的には、録画予約情報作成処理部103は、NAS10の蓄積装置400に保持された録画予約アプリケーションを実行し、ネットワーク60を介して、図7に示すような録画予約画面を、ウェブ設定ページとして、携帯型映像再生装置30の図示されていない表示部に表示させる。録画予約情報作成処理部103は、表示された録画予約画面に対するユーザの操作により、録画予約情報が記載されたファイルを作成する。なお、ユーザによる操作は以下の順で行われる。ユーザは、日時指定1001又は毎週1003のいずれかを選択し、日時指定1001を選択した場合は録画予約日時を、毎週1003を選択した場合は、曜日を1つ以上選択する。次にユーザは、チャンネル1005及び時刻1007(開始時刻と終了時刻)を入力する。最後にユーザが、OKボタン1009を押下することにより、録画予約情報が記載されたファイルが作成される。一方、ユーザが、キャンセルボタン1011を押下すると、録画予約情報が記載されたファイルは作成されない。なお、ファイルはテキストファイルでもよく、他のファイル形式によるものでもよい。
【0048】
録画予約情報保存処理部105は、録画予約情報受信処理部101によって受信されたファイルであり、デジタル映像コンテンツの録画予約情報が記載されたファイルを、NAS10の蓄積装置400に保存する。また、録画予約情報保存処理部105は、録画予約情報作成処理部103が、NAS10の蓄積装置400に保持された録画予約アプリケーションを実行して作成したファイルであり、デジタル映像コンテンツの録画予約情報が記載されたファイルを、NAS10の蓄積装置400に保存する。なお、録画予約情報保存処理部105は、ファイルをNAS10の蓄積装置400に保存する際に、録画予約が行われたデジタル映像コンテンツに係る電波の受信感度を確認し、確認結果に応じて録画予約が行われたデジタル映像コンテンツの録画を行わなくてもよい。
【0049】
受信処理部107は、録画予約情報保存処理部105によってNAS10の蓄積装置400に保存されたファイルであり、デジタル映像コンテンツの録画予約情報が記載されたファイルの内容に従って、ワンセグチューナ20を介して、地上デジタル放送放送局50からデジタル映像コンテンツを受信する。
【0050】
なお、受信開始時にデジタル映像コンテンツの受信感度が悪い場合は、受信処理部107は、デジタル映像コンテンツの受信を終了し、NAS10の図示されていないスピーカやLED等を通じてユーザに録画予約の実行失敗を通知してもよい。
【0051】
録画処理部109は、携帯型映像再生装置30がI/O I/F300に接続されているか否かを判断する。録画処理部109が、I/O I/F300に携帯型映像再生装置30が接続されていると判断した場合は、録画処理部109は、メモリ500に受信処理部107によって受信されたデジタル映像コンテンツの一部を一時的にバッファリングするが、受信処理部107によって受信されたデジタル映像コンテンツを、蓄積装置400に録画することなく、I/O I/F300に接続された携帯型映像再生装置30に転送する。一方、録画処理部109が、I/O I/F300に携帯型映像再生装置30が接続されていないと判断した場合は、録画処理部109は、受信処理部107によって受信されたデジタル映像コンテンツを、蓄積装置400に録画する。なお、蓄積装置400に録画する際には、受信されたデジタル映像コンテンツに対して、ARIBによって規定されたローカル暗号化が施される。また、録画処理部109が、携帯型映像再生装置30にデジタル映像コンテンツを転送するためのトリガーは、携帯型映像再生装置30又はNAS10に対するユーザの操作であってもよい。
【0052】
(3)NASの動作
次に、NAS10の動作を説明する。図3乃至図6は、NAS10の動作を示すフローチャートである。
【0053】
まず、図3を用いて、NAS10が、デジタル映像コンテンツの録画予約を行う第1の動作について説明する。
【0054】
ステップS101において、録画予約情報受信処理部101は、携帯型映像再生装置30が、携帯型映像再生装置30に保持された録画予約アプリケーションを実行して作成したファイルであり、デジタル映像コンテンツの録画予約情報が記載されたファイルを、携帯型映像再生装置30から、I/O I/F300を介して、受信する。具体的には、携帯型映像再生装置30は、携帯型映像再生装置30に保持された録画予約アプリケーションを実行することにより、図7に示すような録画予約画面を、携帯型映像再生装置30の図示されていない表示部に表示する。携帯型映像再生装置30は、表示された録画予約画面に対するユーザの操作により、録画予約情報が記載されたファイルを作成し、携帯型映像再生装置30の図示されていない蓄積装置に保持する。録画予約情報受信処理部101は、携帯型映像再生装置30がI/O I/F300に接続されたことをトリガーとして、録画予約情報が記載されたファイルを携帯型映像再生装置30から受信する。
【0055】
ステップS103において、録画予約情報保存処理部105は、録画予約情報受信処理部101によって受信されたファイルであり、デジタル映像コンテンツの録画予約情報が記載されたファイルを、NAS10の蓄積装置400に保存する。
【0056】
次に図4を用いて、NAS10が、デジタル映像コンテンツの録画予約を行う第2の動作について説明する。
【0057】
ステップS201において、録画予約情報受信処理部101は、ウェブサーバ40が、ウェブサーバ40によって提供されるデジタル映像コンテンツの録画予約サービスを実行して作成したファイルであり、デジタル映像コンテンツの録画予約情報が記載されたファイルを、ウェブサーバ40から、通信I/F700を介して、受信する。具体的には、ウェブサーバ40は、ウェブサーバ40によって提供されるデジタル映像コンテンツの録画予約サービスを実行し、ネットワーク60を介して、携帯型映像再生装置30の図示されていない表示部に、EPGに係る番組表をウェブ設定ページとして表示させる。ウェブサーバ40は、携帯型映像再生装置30に表示された番組表に記載されたデジタル映像コンテンツを選択するユーザの操作により、録画予約情報が記載されたファイルを作成し、ウェブサーバ40の図示されていない蓄積装置に保持する。録画予約情報受信処理部101は、一定の時間間隔でウェブサーバ40の図示されていない蓄積装置にアクセスし、録画予約情報が記載されたファイルの有無を確認する。録画予約情報受信処理部101は、ウェブサーバ40の図示されていない蓄積装置がファイルを有する場合は、ウェブサーバ40からファイルを受信する。
【0058】
ステップS203において、録画予約情報保存処理部105は、録画予約情報受信処理部101によって受信されたファイルであり、デジタル映像コンテンツの録画予約情報が記載されたファイルを、NAS10の蓄積装置400に保存する。
【0059】
次に図5を用いて、NAS10が、デジタル映像コンテンツの録画予約を行う第3の動作について説明する。
【0060】
ステップS301において、録画予約情報作成処理部103は、NAS10の蓄積装置400に保持された録画予約アプリケーションを実行し、デジタル映像コンテンツの録画予約情報が記載されたファイルを作成する。具体的には、録画予約情報作成処理部103は、NAS10の蓄積装置400に保持された録画予約アプリケーションを実行し、ネットワーク60を介して、図7に示すような録画予約画面を、ウェブ設定ページとして、携帯型映像再生装置30の図示されていない表示部に表示させる。録画予約情報作成処理部103は、表示された録画予約画面に対するユーザの操作により、録画予約情報が記載されたファイルを作成する。
【0061】
ステップS303において、録画予約情報保存処理部105は、録画予約情報作成処理部103が、NAS10の蓄積装置400に保持された録画予約アプリケーションを実行して作成したファイルであり、デジタル映像コンテンツの録画予約情報が記載されたファイルを、NAS10の蓄積装置400に保存する。
【0062】
次に図6を用いて、NAS10が、デジタル映像コンテンツの録画を行う動作について説明する。
【0063】
ステップS401において、受信処理部107は、録画予約情報保存処理部105によってNAS10の蓄積装置400に保存されたファイルであり、デジタル映像コンテンツの録画予約情報が記載されたファイルの内容に従って、ワンセグチューナ20を介して、地上デジタル放送放送局50からデジタル映像コンテンツを受信する。
【0064】
ステップS403において、録画処理部109は、携帯型映像再生装置30がI/O I/F300に接続されているか否かを判断する。録画処理部109が、I/O I/F300に携帯型映像再生装置30が接続されていると判断した場合は、ステップS405に進む。一方、録画処理部109が、I/O I/F300に携帯型映像再生装置30が接続されていないと判断した場合は、ステップS407に進む。
【0065】
ステップS405において、録画処理部109は、メモリ500に受信処理部107によって受信されたデジタル映像コンテンツの一部を一時的にバッファリングするが、受信処理部107によって受信されたデジタル映像コンテンツを、蓄積装置400に録画することなく、I/O I/F300に接続された携帯型映像再生装置30に転送し、携帯型映像再生装置30は、転送されたデジタル映像コンテンツを携帯型映像再生装置30の図示されていない蓄積装置に録画する。
【0066】
ステップS407において、録画処理部109は、受信処理部107によって受信されたデジタル映像コンテンツを、蓄積装置400に録画する。
【0067】
(4)作用・効果
本発明の実施形態において、NAS10が、携帯型映像再生装置30はI/O I/F300に接続されていると判断した場合、ワンセグチューナ20を介して、地上デジタル放送放送局50から受信したデジタル映像コンテンツは、NAS10の蓄積装置400に録画されることなく、携帯型映像再生装置30に転送され、携帯型映像再生装置30の蓄積装置に録画される。
【0068】
このようなNAS10によれば、携帯型映像再生装置30がI/O I/F300に接続されている場合は、NAS10の蓄積装置400はデータ量の大きいデジタル映像コンテンツを格納可能な容量を確保する必要がない。
【0069】
また、デジタル映像コンテンツは、NAS10の蓄積装置400に録画されず、携帯型映像再生装置30の蓄積装置に録画されるのみであるため、従来と比べ、携帯型映像再生装置30の蓄積装置に録画される時間が短縮される。
【0070】
また、デジタル映像コンテンツは、NAS10の蓄積装置400に録画されず、携帯型映像再生装置30の蓄積装置に録画されるのみであるため、NAS10の蓄積装置400に録画する際のローカル暗号化が行われず、その時間が短縮される。
【0071】
また、携帯型映像再生装置30に対するユーザの操作を行うことにより、ネットワーク60を介して、録画予約情報が記載されたファイルを作成することが可能であるため、録画予約を行うために携帯型映像再生装置30がNAS10に接続される必要がない。
【0072】
(5)その他の実施形態
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0073】
上述した実施形態では、ワンセグチューナ20は、NAS10のチューナ接続部600に接続されるが、NAS10に内蔵されていてもよい。また、ワンセグチューナ20は、NAS10のチューナ接続部600に2つ以上接続されてもよく、その場合、NAS10は、複数のデジタル映像コンテンツを同時に受信可能であり、NAS10は、複数のデジタル映像コンテンツを携帯型映像再生装置30の蓄積装置に同時に録画可能である。その際、携帯型映像再生装置30は、複数のデジタル映像コンテンツ(MPEG2−TS)それぞれのヘッダ情報を解析し、複数のデジタル映像コンテンツそれぞれを他から識別することにより、複数のデジタル映像コンテンツを同時に録画することを可能とする。
【0074】
また、上述した実施形態では、NAS10は、デジタル映像コンテンツを録画するが、アナログ映像コンテンツを録画してもよい。また、NAS10は、映像コンテンツではなく、音声コンテンツを録音してもよい。
【0075】
また、上述した実施形態では、携帯型映像再生装置30をI/O I/F300に直接接続することにより、NAS10は、携帯型映像再生装置30が、携帯型映像再生装置30に保持された録画予約アプリケーションを実行して作成したファイルであり、デジタル映像コンテンツの録画予約情報が記載されたファイルを受信することが可能である。従って、NAS10は、ネットワーク60を介することなく、デジタル映像コンテンツの録画予約と録画とが可能であるため、通信I/F700を有していなくともよい。また、携帯型映像再生装置30も、ネットワーク60を介して、NAS10等と通信する機能を有していなくてもよい。
【0076】
また、上述した実施形態のNAS10は、I/O I/F300と蓄積装置400とチューナ接続部600とを有するサーバ、パーソナルコンピュータ、ルータ又は録画装置であってもよい。
【0077】
また、蓄積装置400は、NAS10に内蔵されていてもよい。また、蓄積装置400は、NAS10の外部に位置し、USB等によって接続されていてもよい。
【0078】
また、上述した実施形態の携帯型映像再生装置30は、携帯電話端末,パーソナルコンピュータであってもよい。また、デジタル映像コンテンツを再生せず、録画予約を行うだけであれば、携帯型映像再生装置30は、映像再生機能を有しない端末装置でもよい。
【0079】
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明の記録処理システムは、記録処理システムにコンテンツの記録先を制御する機能を持たせることにより、記録処理システムに接続された携帯型再生装置にコンテンツを記録する際の利便性を高めることが可能であり、記録処理システムとして有用である。
【符号の説明】
【0081】
1…通信システム、10…NAS、20…ワンセグチューナ、30…携帯型映像再生装置、40…ウェブサーバ、50…地上デジタル放送放送局、60…ネットワーク、100…CPU、101…録画予約情報受信処理部、103…録画予約情報作成処理部、105…録画予約情報保存処理部、107…受信処理部、109…録画処理部、200…コーデック、300…I/O I/F、400…蓄積装置、500…メモリ、600…チューナ接続部、700…通信I/F

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを記録可能である記録処理システムであって、
前記コンテンツを記録する第1の蓄積部と、
前記コンテンツを記録する第2の蓄積部を備える携帯型再生装置を接続する第1の接続部と、
前記コンテンツの記録予約情報を前記第1の蓄積部に保存させる記録予約情報保存処理部と、
前記記録予約情報保存処理部によって保存された前記記録予約情報に基づいて、前記コンテンツを受信する受信処理部と、
前記受信処理部によって受信された前記コンテンツである受信コンテンツを、前記第1の蓄積部と前記第1の接続部に接続された前記携帯型再生装置に備えられた前記第2の蓄積部とのいずれかに選択的に記録させる記録処理部とを備える記録処理システム。
【請求項2】
前記記録処理部は、
前記第1の接続部に前記携帯型再生装置が接続されている場合は、前記受信コンテンツを前記第1の蓄積部に記録させることを省略し、前記第2の蓄積部に記録させ、
前記第1の接続部に前記携帯型再生装置が接続されていない場合は、前記受信コンテンツを前記第1の蓄積部に記録させる請求項1に記載の記録処理システム。
【請求項3】
前記第1の蓄積部と前記第2の蓄積部とは、電源供給の有無にかかわらず記憶された情報を保持する不揮発性記憶装置である請求項1又は2に記載の記録処理システム。
【請求項4】
前記記録処理システムと通信を行う端末装置を接続する第2の接続部と、
前記第2の接続部に接続された前記端末装置によって作成された前記記録予約情報を、前記端末装置から受信する第1の記録予約情報受信処理部とを備える請求項1乃至3のいずれかに記載の記録処理システム。
【請求項5】
ネットワークを介して、前記コンテンツの記録予約サービスを提供するウェブサーバと通信を行う端末装置が、前記ウェブサーバの記録予約サービス機能を用いて作成した前記記録予約情報を、前記ウェブサーバから受信する第2の記録予約情報受信処理部を備える請求項1乃至3のいずれかに記載の記録処理システム。
【請求項6】
ネットワークを介して、前記記録処理システムと通信を行う端末装置からの前記記録予約情報を用いて、前記記録予約情報保存処理部によって保存される前記記録予約情報を作成する記録予約情報作成処理部を備える請求項1乃至3のいずれかに記載の記録処理システム。
【請求項7】
前記受信処理部は、複数の前記コンテンツを同時に受信可能であり、前記第2の記録処理部は、複数の前記コンテンツを同時に記録可能である請求項1乃至6のいずれかに記載の記録処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−175717(P2011−175717A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40844(P2010−40844)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(390040187)株式会社バッファロー (378)
【Fターム(参考)】