説明

コンテンツ配信システム、コンテンツ配信装置、情報処理装置、コンテンツ配信方法、及びプログラム

【課題】インターネット網に接続したクライアント端末が存在する地理的位置を特定し、対象地域内に存在するクライアント端末のみにコンテンツデータを配信できるようにする。
【解決手段】インターネット網を介して通信可能に接続されるクライアント端末との接続経路情報、クライアント端末からの一意な第1のユーザー情報、携帯電話端末側からの第2のユーザー情報及び地理的情報を取得して、第1のユーザー情報と第2のユーザー情報との対応によりクライアント端末に係る地理的情報を特定し、特定された地理的情報に応じて所定の地域内でのみ再生可能なようにコンテンツデータを配信するようにして、クライアント端末が存在する地理的位置を特定し、対象地域内に存在するクライアント端末のみにコンテンツデータを配信し再生させることができるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ配信システム、コンテンツ配信装置、情報処理装置、コンテンツ配信方法、及びプログラムに関し、インターネットを介したコンテンツデータの配信技術に関する。
【背景技術】
【0002】
著作権法の改正により、IP(Internet Protocol)マルチキャスト放送による放送の同時再送信が可能となった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
IPマルチキャスト放送による放送の同時再送信においては、受信される地域が当該放送に係る放送対象地域に限定されるため、コンテンツデータを受信するユーザーの地域を特定することが必要となる。すなわち、IPマルチキャスト放送による放送の同時再送信を実現するためには、ユーザーが使用するクライアント端末(コンピュータ等)が放送対象地域内に存在することを特定し、そのクライアント端末にのみコンテンツデータを配信する仕組みが求められる。
【0004】
しかしながら、インターネット網は、地理的な位置とは独立した構造を持つため、インターネットに接続したクライアント端末が存在する地理的位置を正確に特定することは技術的に困難である。したがって、ある特定の地域内に存在するユーザーに向けたインターネットでのコンテンツデータの配信は困難であるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、インターネット網に接続したクライアント端末が存在する地理的位置を特定し、対象地域内に存在するクライアント端末のみにコンテンツデータを配信できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコンテンツ配信システムは、コンテンツ配信装置とクライアント端末とがインターネット網を介して通信可能に接続されるコンテンツ配信システムであって、前記コンテンツ配信装置は、前記クライアント端末との接続経路情報を取得する経路情報取得手段と、前記クライアント端末から送信される一意な第1のユーザー情報を受信する第1の受信手段と、前記クライアント端末と同じユーザーが使用する携帯電話端末側から送信される第2のユーザー情報及び地理的情報を受信する第2の受信手段と、前記第1のユーザー情報と前記第2のユーザー情報との対応により前記クライアント端末に係る地理的情報を特定する位置特定手段と、前記位置特定手段により特定された前記クライアント端末に係る地理的情報に応じて、所定の地域内でのみ再生可能なようにコンテンツデータを配信する配信手段とを備えることを特徴とする。
本発明のコンテンツ配信装置は、インターネット網を介してコンテンツデータを配信するコンテンツ配信装置であって、前記インターネット網を介して通信可能に接続されるクライアント端末との接続経路情報を取得する経路情報取得手段と、前記クライアント端末から送信される一意な第1のユーザー情報を受信する第1の受信手段と、前記クライアント端末と同じユーザーが使用する携帯電話端末側から送信される第2のユーザー情報及び地理的情報を受信する第2の受信手段と、前記第1のユーザー情報と前記第2のユーザー情報との対応により前記クライアント端末に係る地理的情報を特定する位置特定手段と、前記位置特定手段により特定された前記クライアント端末に係る地理的情報に応じて、所定の地域内でのみ再生可能なようにコンテンツデータを配信する配信手段とを備えることを特徴とする。
本発明の情報処理装置は、インターネット網を介して通信可能に接続されるクライアント端末から送信される一意な第1のユーザー情報を受信する第1の受信手段と、前記クライアント端末と同じユーザーが使用する携帯電話端末側から送信される第2のユーザー情報及び地理的情報を受信する第2の受信手段と、前記第1のユーザー情報と前記第2のユーザー情報との対応により前記クライアント端末に係る地理的情報を特定する位置特定手段とを備えることを特徴とする。
本発明のコンテンツ配信方法は、インターネット網を介してコンテンツデータを配信するコンテンツ配信方法であって、前記インターネット網を介して通信可能に接続されるクライアント端末との接続経路情報を取得する経路情報取得ステップと、前記クライアント端末から送信される一意な第1のユーザー情報を受信する第1の受信ステップと、前記クライアント端末と同じユーザーが使用する携帯電話端末側から送信される第2のユーザー情報及び地理的情報を受信する第2の受信ステップと、前記第1のユーザー情報と前記第2のユーザー情報との対応により前記クライアント端末に係る地理的情報を特定する位置特定ステップと、前記位置特定ステップにて特定された前記クライアント端末に係る地理的情報に応じて、所定の地域内でのみ再生可能なようにコンテンツデータを配信する配信ステップとを有することを特徴とする。
本発明のプログラムは、インターネット網を介してコンテンツデータを配信する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記インターネット網を介して通信可能に接続されるクライアント端末との接続経路情報を取得する経路情報取得ステップと、前記クライアント端末から送信される一意な第1のユーザー情報を受信する第1の受信ステップと、前記クライアント端末と同じユーザーが使用する携帯電話端末側から送信される第2のユーザー情報及び地理的情報を受信する第2の受信ステップと、前記第1のユーザー情報と前記第2のユーザー情報との対応により前記クライアント端末に係る地理的情報を特定する位置特定ステップと、前記位置特定ステップにて特定された前記クライアント端末に係る地理的情報に応じて、所定の地域内でのみ再生可能なようにコンテンツデータを配信する配信ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、クライアント端末からの第1のユーザー情報と、携帯電話端末側からの第2のユーザー情報及び地理的情報とに基づいて、クライアント端末に係る地理的情報が特定され、特定されたクライアント端末に係る地理的情報に応じて、所定の地域内でのみ再生可能なようにコンテンツデータが配信されるので、インターネット網に接続したクライアント端末が存在する地理的位置を特定でき、対象地域内に存在するクライアント端末のみにコンテンツデータを配信し再生させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による地域指定型コンテンツ配信システムの構成例を示すブロック図である。
【0010】
図1に示すように、第1の実施形態による地域指定型コンテンツ配信システムは、コンテンツ配信装置10A、携帯電話端末20A、携帯電話基地局30、及びクライアント端末40を有する。コンテンツ配信装置10Aとクライアント端末40はインターネット50を介して通信可能に構成され、同様にコンテンツ配信装置10Aと携帯電話基地局30はインターネット50を介して通信可能に構成されている。携帯電話端末20Aは、携帯電話基地局30と通信可能に構成されている。携帯電話端末20Aとクライアント端末40は、ある特定のユーザーに所有され操作される。
【0011】
<コンテンツ配信装置>
コンテンツ配信装置10Aの構成について説明する。コンテンツ配信装置10Aは、図2に示すように、通信部101、入力部102、及び処理部103を有する。図2は、コンテンツ配信装置10Aの構成例を示すブロック図である。
【0012】
通信部101は、コンテンツ配信装置10Aをインターネットに対して接続するための通信インターフェースなどにより構成される。通信部101は、処理部103での処理の実行結果に基づく情報を、インターネット50を介して外部の装置に送信する。また、通信部101は、インターネット50を介してコンテンツ配信装置宛てに送られてきた情報を受信して処理部103に出力する。
【0013】
入力部102は、コンテンツ情報を処理部103に入力するためのものである。ここで、コンテンツ情報には、コンテンツ配信装置10Aにより配信するコンテンツデータと、その配信地域の情報を含む。また、コンテンツデータは、図示しない受信装置等により受信された放送番組に係るコンテンツデータであっても良いし、図示しない蓄積装置に蓄積されているコンテンツデータであっても良い。例えば、図示しない受信装置等により受信された放送番組に係るコンテンツデータを入力部102より入力することで、コンテンツ配信装置10Aによって、いわゆる放送の同時再送信を実現するようにしても良い。
【0014】
処理部103は、CPU、ROM、RAM、及びハードディスク等により構成され、CPUが、ROMなどに記憶されている処理プログラムを読み出して実行することにより、コンテンツ配信装置10Aにおける各種処理動作を制御する。
【0015】
処理部103は、表示情報生成部104、端末地理情報取得部105、ネットワーク経路情報取得部106、ユーザー情報登録部107、ユーザーデータベース108、ユーザー情報取得部109、ユーザー情報認証部110、コンテンツ入力部111、コンテンツキー生成部112、コンテンツデータ暗号化部113、コンテンツデータ送信部114、アクティベーションキー生成部115、及びアクティベーションキー送信部116、コンテンツキー暗号化部117、及びコンテンツキー送信部118を有する。
【0016】
表示情報生成部104は、処理部103内で実行された処理の結果に基づいて、クライアント端末40もしくは携帯電話端末20Aに供給する情報を生成し、通信部101に出力する。
【0017】
端末地理情報取得部105は、携帯電話端末20Aに係る携帯電話端末地理情報が通信部101を介して入力される。携帯電話端末地理情報には、携帯電話端末20Aを所有するユーザー情報と携帯電話端末20Aの具体的な位置情報が含まれている。また、携帯電話端末地理情報として、携帯電話端末20Aを特定する識別情報をさらに含んでも良い。
【0018】
ネットワーク経路情報取得部106は、クライアント端末40に係るネットワーク経路情報が通信部101を介して入力される。ネットワーク経路情報には、クライアント端末40からコンテンツ配信装置10Aまでのインターネット上のネットワーク経路情報、及びクライアント端末40を所有するユーザー情報が含まれている。
【0019】
ユーザー情報登録部107は、端末地理情報取得部105を介して入力される携帯電話端末地理情報と、ネットワーク経路情報取得部106を介して入力されるネットワーク経路情報を、所有するユーザー情報に基づき結びつけ、一つの登録データとしてユーザーデータベース108に登録する。ユーザーデータベース108に登録される登録データには、ネットワーク経路情報と携帯電話端末地理情報が含まれる。
【0020】
ユーザー情報取得部109は、クライアント端末40からの通信要求が通信部101を介して入力される。通信要求には、クライアント端末40を所有するユーザー情報が含まれる。
【0021】
ユーザー情報認証部110は、ユーザー情報取得部109を介して入力されたユーザー情報に基づき、そのユーザー情報に対応するクライアント端末40の所有者の登録データをユーザーデータベース108から取得するとともに、ネットワーク経路取得部106を介してクライアント端末40のネットワーク経路情報を取得する。ユーザー情報認証部110は、登録データに含まれるクライアント端末40のネットワーク経路情報と、ネットワーク経路取得部106を介して取得したネットワーク経路情報とが合致するか認証する。
【0022】
コンテンツ入力部は、入力部102を介してコンテンツ情報が入力され、入力されたコンテンツ情報をアクティベーションキー生成部115、コンテンツキー生成部112、及びコンテンツデータ暗号化部113に出力する。
【0023】
コンテンツキー生成部112は、コンテンツキー入力部111からのコンテンツ情報に含まれる配信地域の情報に基づき、一意なコンテンツキーを生成して、コンテンツデータ暗号化部113及びコンテンツキー暗号化部117に出力する。
【0024】
コンテンツデータ暗号化部113は、供給されるコンテンツキーに基づいて、コンテンツキー入力部111からのコンテンツ情報に含まれるコンテンツデータを一意に暗号化する。そして、コンテンツデータ暗号化部113は、暗号化されたコンテンツデータをコンテンツデータ送信部114に出力する。コンテンツデータ送信部114は、暗号化されたコンテンツデータを通信部101を介して送信する。
【0025】
アクティベーションキー生成部115は、ユーザー情報認証部110による認証結果と、登録データに含まれる地域情報に基づき、クライアント端末40にコンテンツを配信するか否かを判断する。判断の結果、コンテンツを配信する場合には、アクティベーションキー生成部115は、クライアント端末40に固有のアクティベーションキーを生成して、アクティベーションキー送信部116及びコンテンツキー暗号化部117に出力する。アクティベーションキー送信部116は、供給されるアクティベーションキーを通信部101を介して送信する。
【0026】
コンテンツキー暗号化部117は、供給されるアクティベーションキーに基づき、コンテンツキーを暗号化してコンテンツキー送信部118に出力する。コンテンツキー送信部118は、暗号化されたコンテンツキーを通信部101を介して送信する。
【0027】
<クライアント端末>
次に、クライアント端末40の構成について説明する。クライアント端末40は、入力部41、出力部42、処理部43、及び通信部44を有する。
【0028】
入力部41は、例えばキーボードなどにより構成されるインターフェース装置である。クライアント端末41のユーザーは、入力部41を介して処理を実行させるための指示入力を行う。
【0029】
出力部42は、例えば液晶ディスプレイ、CRT、スピーカーなどにより構成されるインターフェース装置である。出力部42は、処理部43で実行された処理結果に係る情報を、クライアント端末40のユーザーに伝える機能を有する。
【0030】
処理部43は、CPU、ROM、RAM、及びハードディスク等により構成され、CPUが、ROMなどに記憶されている処理プログラムを読み出して実行することにより、クライアント端末40における各種処理動作を制御する。なお、処理部43の機能構成については後述する。
【0031】
通信部44は、クライアント端末40をインターネットに対して接続するためのインターフェースなどにより構成される。通信部44は、処理部43での処理の実行結果に基づく情報をインターネット50に送信する。また、通信部43は、インターネット50を介してクライアント端末宛に配信された情報を受信して処理部43に出力する。
【0032】
図3は、処理部43の機能構成例を示す図である。
処理部43は、ユーザー情報送信部201、アクティベーションキー取得部202、コンテンツキー取得部203、コンテンツキー復号部204、コンテンツデータ取得部205、コンテンツデータ復号部206、再生部207、及び情報表示部208を有する。
【0033】
ユーザー情報送信部201は、入力部41を介して処理部43に入力されたユーザー情報を通信部44に出力する。ユーザー情報には、クライアント端末の所有者を一意に表す情報、例えばユーザーIDとそれを保護するためのパスワード等が含まれる。ユーザー情報送信部201へのユーザー情報の入力は、入力部41を介して入力するのではなく、処理部43内に保存されているユーザー情報が入力されるようにしても良い。
【0034】
アクティベーションキー取得部202は、アクティベーションキーが通信部44を介して入力され、入力されたアクティベーションキーをコンテンツキー復号部204に出力する。コンテンツキー取得部203は、暗号化されたコンテンツキーが通信部44を介して入力され、入力される暗号化されたコンテンツキーをコンテンツキー復号部204に出力する。
【0035】
コンテンツキー復号部204は、アクティベーションキーを用いて、暗号化されたコンテンツキーを復号する。そして、コンテンツキー復号部204は、復号されたコンテンツキーをコンテンツデータ復号部206に出力する。コンテンツデータ取得部205は、暗号化されたコンテンツデータが通信部44を介して入力され、入力される暗号化されたコンテンツデータをコンテンツデータ復号部206に入力する。
【0036】
コンテンツデータ復号部206は、コンテンツキー復号部204により復号されたコンテンツキーに基づき、暗号化されたコンテンツデータを復号する。そして、コンテンツデータ復号部206は、復号されたコンテンツデータを再生部207に出力する。再生部207は、コンテンツデータ復号部206により復号されたコンテンツデータに基づき、情報を出力部42に出力する。
【0037】
情報表示部208は、通信部44を介して受信した情報、もしくは処理部43で実行された処理の結果に基づく情報を、出力部42に出力する。
【0038】
<携帯電話端末>
次に、携帯電話端末20Aの構成について説明する。携帯電話端末20Aは、入力部21、出力部22、処理部23、通信部24、GPS部25を有する。
【0039】
入力部21は、例えばボタン、カメラ、マイクなどにより構成されるインターフェース装置である。携帯電話端末20Aのユーザーは、入力部21を介して携帯電話端末20Aで処理を実行させるための情報を入力する。
【0040】
出力部22は、例えばスピーカーや携帯電話端末の本体などに埋め込まれた液晶ディスプレイなどにより構成されるインターフェース装置である。出力部22は、処理部23で実行された処理結果に基づく情報を、携帯電話端末20Aのユーザーに伝える機能を有する。
【0041】
処理部23は、CPU、ROM、RAMなどにより構成され、CPUが、ROMなどに記憶されている処理プログラムを読み出して実行することにより、携帯電話端末20Aにおける各種処理動作を制御する。
【0042】
通信部24は、携帯電話端末20Aを携帯電話基地局30に対して接続するための通信インターフェースや、アンテナなどにより構成される。通信部24は、処理部23での処理の実行結果に基づく情報を携帯電話基地局30に送信する。また、通信部24は、携帯電話基地局30から携帯電話端末宛に送信された情報を受信して処理部23に出力する。
【0043】
GPS部25は、GPS衛星からの電波信号を受け取る通信インターフェースなどにより構成され、携帯電話端末20Aの地理的情報を特定し、処理部23にこの地理的情報を出力する。
【0044】
次に、第1の実施形態における所有者の位置(クライアント端末40が存在する位置)を示す位置情報を取得する位置情報取得処理の一例を、図4を参照して説明する。
【0045】
まず、ステップSA1にて、クライアント端末40は、ユーザー情報をコンテンツ配信装置10Aに送信する。次に、ステップSA2にて、コンテンツ配信装置10Aのユーザー情報取得部109は、クライアント端末40から送信されたユーザー情報を取得する。ステップSA3にて、コンテンツ配信装置10Aのネットワーク経路情報取得部106は、ユーザー情報を送信したクライアント端末40のネットワーク経路情報を取得する。
【0046】
次に、ステップSA4にて、コンテンツ配信装置10Aのユーザー情報登録部107は、ステップSA2において取得したユーザー情報と、ステップSA3において取得したクライアント端末40のネットワーク経路情報とをユーザーデータベース108に登録する。
【0047】
続く、ステップSA5にて、コンテンツ配信装置10Aの表示情報生成部104は、携帯電話端末用のアクセスページ情報をクライアント端末40に送信する。このアクセスページ情報には、クライアント端末40を所有するユーザーの携帯電話端末20Aが、コンテンツ配信装置10Aにインターネット50を介して接続するための情報(例えば、QRコードなどのバーコード情報等)と、クライアント端末40を所有するユーザーのユーザー情報が含まれる。
【0048】
ステップSA6にて、クライアント端末40の情報表示部208は、ステップSA5において供給されたアクセスページ情報を、クライアント端末40の出力部42を介して出力する。
【0049】
ステップSA7にて、ユーザー操作により携帯電話端末20Aの入力部21を介して、アクセスページ情報が携帯電話端末20Aに入力される。なお、アクセスページ情報の入力方法に関しては、携帯電話端末20Aの入力部21を操作して入力する他、携帯電話端末20Aの電子メール機能を用いて入力する手法なども含まれる。
【0050】
ステップSA8にて、携帯電話端末20Aの処理部23は、入力されたアクセスページ情報からユーザー情報を読み取って、通信部24を介してコンテンツ配信装置10Aに送信する。
【0051】
ステップSA9にて、コンテンツ配信装置10Aのユーザー情報取得部109は、携帯電話端末20Aからのユーザー情報を読み取る。また、コンテンツ配信装置10Aの表示情報生成部104は、携帯電話端末20Aの地理的情報を取得するための地理情報取得ページを生成する。この地理情報取得ページ情報には、ユーザー情報と携帯電話端末20AのGPS部25を制御するコードが含まれる。
【0052】
ステップSA10にて、コンテンツ配信装置10Aは、生成した地理情報取得ページ情報を、通信部101を介して携帯電話端末20Aに送信する。
【0053】
ステップSA11にて、携帯電話端末20Aは、GPS部25を介して携帯電話端末20Aの地理的情報を取得する。続くステップSA12にて、携帯電話端末20Aは、ステップSSA11において取得した地理的情報と、地理情報取得ページ情報に含まれるユーザー情報とを、コンテンツ配信装置10Aに送信する。
【0054】
ステップSA13にて、コンテンツ配信装置10Aのユーザー情報登録部107は、ユーザー情報に基づいて、ステップSA4において登録したクライアント端末40のネットワーク情報と、ステップSA12で送信された携帯電話端末20Aの地理的情報とを結びつけてユーザーデータベース108に登録する。
【0055】
以上のステップSA1〜SA13の処理を実行することにより、ある特定のユーザーのクライアント端末40が存在する地理的な位置を特定することができる。
【0056】
なお、上述した説明では、クライアント端末40のネットワーク経路情報をコンテンツ配信装置10Aに登録した後に、携帯電話端末20Aを介して地理的情報をコンテンツ配信装置10Aに登録するようにしているが、携帯電話端末20Aを介して地理的情報をコンテンツ配信装置10Aに登録した後に、クライアント端末40のネットワーク経路情報をコンテンツ配信装置10Aに登録するようにしても良い。すなわち、ステップSA7〜SA12の処理を実行することにより、携帯電話端末を介して利用者の地理的情報を登録した後、ステップSA2〜SA5の処理を実行することによりクライアント端末40のネットワーク経路情報に結びつけるようにしても良い。
【0057】
また、上述した説明では、まず、所有者がクライアント端末を介して一意に特定するユーザー情報を入力するようにしているが、ユーザー情報の入力は、この例に限らず様々な局面で可能である。例えば、ステップSA2〜SA4の間に、コンテンツ配信装置10A内部で、規則的もしくは乱数的にユーザー情報を生成し、それをクライアント端末40に送信するようにしても良い。
【0058】
次に、図5〜図7を参照して、第1の実施形態におけるコンテンツ配信システムにより地域を指定してコンテンツデータを配信する方法について説明する。
【0059】
図5は、コンテンツデータの配信を開始する際の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップSB1にて、ユーザーがクライアント端末40の入力部41を介してユーザー情報を入力する。続いて、ステップSB2にて、クライアント端末40のユーザー情報送信部201は、入力されたユーザー情報を通信部44を介してコンテンツ配信装置10Aに送信する。
【0060】
ステップSB3にて、コンテンツ配信装置10Aは、図4に示した位置情報取得処理を実行する。
【0061】
ステップSB4にて、コンテンツ配信装置10Aのアクティベーションキー生成部115は、ステップSB3において取得された位置情報に基づいて、クライアント端末40が存在する地理的位置が、コンテンツ入力部111を介して入力されたコンテンツ情報に含まれている配信地域の情報に含まれるか判定する。
【0062】
その結果、配信地域の情報に含まれる地域にクライアント端末40が存在している場合には、ステップSB5に進み、そうでない場合には、ステップSB8に進み、表示情報生成部104で対象地域でないメッセージを生成してクライアント端末40に送信し、クライアント端末40の出力部42に出力させる。
【0063】
ステップSB5にて、コンテンツ配信装置10Aのアクティベーションキー生成部115は、クライアント端末40のユーザーに一意なアクティベーションキーを生成し、アクティベーションキー送信部116を介してクライアント端末40に送信する。
【0064】
ステップSB6にて、クライアント端末40のアクティベーションキー取得部202は、クライアント端末40の通信部44を介してアクティベーションキーを受信する。そして、ステップSB7にて、クライアント端末40は、コンテンツ配信装置10Aからのコンテンツデータの受信を開始する。
【0065】
以上のステップSB1〜ステップSB8の処理を実行することにより、クライアント端末40の地理的情報に基づいたアクティベーションキーの配信を行うことができる。なお、アクティベーションキーの配信は、コンテンツの再生を開始する毎に行われる他、一定期間クライアント端末内に保存される場合も含まれる。
【0066】
次に、図6を参照しながら、コンテンツデータの再生処理について説明する。
まず、コンテンツデータの受信を開始する(ステップSC1)と、ステップSC2にて、クライアント端末40はコンテンツキーの取得を行う。ここで、クライアント端末40の処理部43は、コンテンツキー取得部203を介して、コンテンツ配信装置10Aのコンテンツキー送信部118から送信された暗号化されたコンテンツキーを取得する。
【0067】
次に、ステップSC3にて、クライアント端末40のコンテンツキー復号部204は、図5に示したステップSB6において取得したアクティベーションキーを用いて、ステップSC2において取得した暗号化されたコンテンツキーを復号する。
【0068】
ステップSC4にて、クライアント端末40の処理部43は、コンテンツデータ取得部205を介して、コンテンツ配信装置10Aのコンテンツデータ送信部114から送信された暗号化されたコンテンツデータを取得する。
【0069】
次に、ステップSC5にて、クライアント端末40のコンテンツデータ復号部206は、ステップSC3において復号されたコンテンツキーを用いて、ステップS4において取得した暗号化されたコンテンツデータを復号する。そして、復号されたコンテンツデータを、クライアント端末40の再生部207に出力する。
【0070】
ステップSC6にて、クライアント端末40の再生部207は、復号されたコンテンツデータを再生する。
以降、ステップSC4〜SC6の処理が繰り返される。
【0071】
以上のステップSC1〜SC6を実行することにより、クライアント端末40は、クライアント端末40の地理的情報に基づいたコンテンツデータを受信して再生を行う。なお、上述した説明では、ステップSC4〜SC6の処理を繰り返すようにしているが、ステップSC2〜SC6の処理を繰り返すようにしても良い。
【0072】
上述した図5及び図6に示した処理を組み合わせることで、すべてのクライアント端末(ユーザー)に対して同一の暗号化されたコンテンツデータを配信しながら、特定の地域内に存在するユーザーにのみ暗号化されたコンテンツデータを復号するコンテンツキーを配布することが可能となる。これにより、特定の地域内に存在するクライアント端末のみにコンテンツデータを閲覧可能なように配信することができる。
【0073】
上述した説明では、図5に示したように、コンテンツデータの配信を開始する際には、その都度、図4に示した位置情報取得処理を実行するようにしているが、図7に示すように処理を実行してもよい。
【0074】
図7は、コンテンツデータの配信を開始する際の処理の他の例を示すフローチャートである。この図7において、図5に示した処理と同一の処理には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0075】
図7に示す処理では、ステップSB2に続くステップSB10にて、コンテンツ配信装置10Aのユーザー情報認証部110は、クライアント端末40から送信されたユーザー情報に基づいて、クライアント端末40の所有者の登録データをユーザーデータベース108から取り出すとともに、ネットワーク経路情報取得部106を介してクライアント端末40のネットワーク経路情報を取得する。そして、ユーザー情報認証部110は、登録データに含まれるクライアント端末40のネットワーク経路情報と、ネットワーク経路情報取得部106により取得したネットワーク経路情報が合致するか否かを判断する。
【0076】
その判断の結果、登録データに含まれるネットワーク経路情報と、ネットワーク経路情報取得部106により取得したネットワーク経路情報が合致する場合には、ステップSB4に進む。一方、合致しない場合には、ステップSB11に進み、再度図4に示した位置情報取得処理を実行してステップSB4以降の処理を行う。
【0077】
以上、図7に示した処理によれば、登録されているネットワーク経路情報と接続時のネットワーク経路情報とが一致する場合には、図4に示した位置情報取得処理を実行する必要がなく、処理を簡素化することができる。
【0078】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
上述した第1の実施形態では、携帯電話端末の地理的情報の取得にGPSを利用するようにしているが、以下に説明する第2の実施形態は、携帯電話端末が通信する携帯電話基地局の地理的情報を利用してクライアント端末の地理的な位置を特定する。
【0079】
第2の実施形態は、クライアント端末の地理的情報をコンテンツ配信装置のユーザーデータベースに登録する処理が上述した第1の実施形態と異なるだけであり、その他の構成等については同様であるので、第1の実施形態と同様の部分については、その説明を省略する。
【0080】
図8は、第2の実施形態による地域指定型コンテンツ配信システムの構成例を示すブロック図である。この図8において、図1に示したブロック等と同一の機能を有するブロック等には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0081】
図8に示すように、第2の実施形態による地域指定型コンテンツ配信システムは、コンテンツ配信装置10A、携帯電話端末20B、携帯電話基地局30、及びクライアント端末40を有する。携帯電話端末20Bとクライアント端末40は、ある特定のユーザーに所有され操作される。
【0082】
携帯電話端末20Bは、入力部21、出力部22、処理部23、及び通信部24を有しており、図1に示した携帯電話端末20Aとは、GPS部25を有していない点が異なる。
【0083】
次に、第2の実施形態における所有者の位置(クライアント端末40が存在する位置)を示す位置情報を取得する位置情報取得処理の一例を、図9を参照して説明する。
【0084】
まず、ステップSD1にて、クライアント端末40は、ユーザー情報をコンテンツ配信装置10Aに送信する。次に、ステップSD2にて、コンテンツ配信装置10Aのユーザー情報取得部109は、クライアント端末40から送信されたユーザー情報を取得する。ステップSD3にて、コンテンツ配信装置10Aのネットワーク経路情報取得部106は、ユーザー情報を送信したクライアント端末40のネットワーク経路情報を取得する。
【0085】
次に、ステップSD4にて、コンテンツ配信装置10Aのユーザー情報登録部107は、ステップSD2において取得したユーザー情報と、ステップSD3において取得したクライアント端末40のネットワーク経路情報とをユーザーデータベース108に登録する。
【0086】
続く、ステップSD5にて、コンテンツ配信装置10Aの表示情報生成部104は、携帯電話端末用のアクセスページ情報をクライアント端末40に送信する。このアクセスページ情報には、クライアント端末40を所有するユーザーの携帯電話端末20Bが、コンテンツ配信装置10Aにインターネット50を介して接続するための情報と、クライアント端末40を所有するユーザーのユーザー情報が含まれる。
【0087】
ステップSD6にて、クライアント端末40の情報表示部208は、ステップSD5において供給されたアクセスページ情報を、クライアント端末40の出力部42を介して出力する。
【0088】
ステップSD7にて、ユーザー操作によりは携帯電話端末20Bの入力部21を介して、アクセスページ情報が携帯電話端末20Bに入力される。
ステップSD8にて、携帯電話端末20Bの処理部23は、入力されたアクセスページ情報からユーザー情報を読み取って、通信部24を介してコンテンツ配信装置10Bに送信する。
【0089】
ステップSD9にて、コンテンツ配信装置10Aのユーザー情報取得部109は、携帯電話端末20Bからのユーザー情報を読み取る。また、コンテンツ配信装置10Aの表示情報生成部104は、携帯電話端末20Bの地理的情報を取得するための地理情報取得ページを生成する。この地理情報取得ページ情報には、ユーザー情報と携帯電話端末20Bの位置情報を携帯電話基地局30を介して送信するための制御コードが含まれる。
【0090】
ステップSD10にて、コンテンツ配信装置10Aは、生成した地理情報取得ページ情報を、通信部101を介して携帯電話端末20Bに送信する。
ステップSD11にて、携帯電話端末20Bは、地理情報取得ページ情報に含まれるユーザー情報を読み取って、このユーザー情報と端末識別情報を携帯電話基地局30に送信する。端末識別情報は、携帯電話基地局30内で携帯電話端末20Bを特定するための情報が含まれている。
【0091】
ステップSD12にて、携帯電話基地局30は、ステップSD11において携帯電話端末20Bから送信されたユーザー情報に、携帯電話基地局30の地理的な情報を付与してコンテンツ配信装置10Aに送信する。
【0092】
ステップSD13にて、コンテンツ配信装置10Aのユーザー情報登録部107は、ユーザー情報に基づいて、ステップSD4において登録したクライアント端末40のネットワーク情報と、ステップSD12において携帯電話基地局30が送信した地理的情報とを結びつけてユーザーデータベース108に登録する。
【0093】
以上のステップSD1〜SD13の処理を実行することにより、ある特定のユーザーが持つクライアント端末40が存在する地理的な位置を特定することができる。
【0094】
なお、上述した説明では、クライアント端末40のネットワーク経路情報をコンテンツ配信装置10Aに登録した後に、携帯電話基地局30を介して地理的情報をコンテンツ配信装置10Aに登録するようにしているが、携帯電話基地局30を介して地理的情報をコンテンツ配信装置10Aに登録した後に、クライアント端末40のネットワーク経路情報をコンテンツ配信装置10Aに登録するようにしても良い。すなわち、ステップSD7〜SD13の処理を実行することにより、携帯電話端末を介して利用者の地理的情報を登録した後、ステップSD2〜SD5の処理を実行することによりクライアント端末40のネットワーク経路情報に結びつけるようにしても良い。
【0095】
また、第1の実施形態と同様に、ユーザー情報をシステムに入力する局面は、この例に限らず様々な局面も可能である。例えば、ステップSD2〜SD4の間に、コンテンツ配信装置10A内部で、規則的もしくは乱数的にユーザー情報を生成し、それをクライアント端末40に送信するようにしても良い。
【0096】
なお、第2の実施形態におけるコンテンツデータの配信は、第1の実施形態と同様であるので、説明は書略する。
以上のように、携帯電話基地局30を介して利用者の地理的情報を取得しても、第1の実施形態と同様に、特定の地域内に存在するクライアント端末のみにコンテンツデータを閲覧可能なように配信することができる。
【0097】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、携帯電話事業者が提供する電話発呼者の発信地域指定技術を利用する。
【0098】
図10は、第3の実施形態による地域指定型コンテンツ配信システムの構成例を示すブロック図である。この図10において、図1及び図8に示したブロック等と同一の機能を有するブロック等には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0099】
図10に示すように、第3の実施形態による地域指定型コンテンツ配信システムは、コンテンツ配信装置10B、携帯電話端末20B、携帯電話基地局30、クライアント端末40を有する。コンテンツ配信装置10Bとクライアント端末40はインターネット50を介して通信可能に構成されている。また、携帯電話端末20Bは、携帯電話基地局30と通信可能に構成され、携帯電話基地局30とコンテンツ配信装置10Bの間は電話回線網60を介して通信可能に構成されている。
【0100】
第3の実施形態は、コンテンツ配信装置10Bと携帯電話端末20Bの通信態様が上述した第1及び第2の実施形態と異なるだけであり、その他の構成等については同様であるので、第1及び第2の実施形態と同様の部分については、その説明を省略する。
【0101】
第3の実施形態におけるコンテンツ配信装置10Bの構成について説明する。
図11は、コンテンツ配信装置10Bの構成例を示すブロック図である。この図11において、図2に示したブロック等と同一の機能を有するブロック等には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0102】
図11に示すように、コンテンツ配信装置10Bは、通信部101、入力部102、処理部103、及び電話回線網通信部121を有する。
電話回線網通信部121は、コンテンツ配信装置10Bを電話回線網60に対して接続するためのターミナルアダプタなど通信インターフェースなどにより構成される。電話回線網通信部121は、電話回線網60を介してコンテンツ配信装置宛に送られてきた情報を受信して処理部103に出力する。
【0103】
処理部103は、表示情報生成部104、ネットワーク経路情報取得部106、ユーザー情報登録部107、ユーザーデータベース108、ユーザー情報取得部109、ユーザー情報認証部110、コンテンツ入力部111、コンテンツキー生成部112、コンテンツデータ暗号化部113、コンテンツデータ送信部114、アクティベーションキー生成部115、及びアクティベーションキー送信部116、コンテンツキー暗号化部117、コンテンツキー送信部118、及び電話番号取得部122を有する。
【0104】
電話番号取得部122は、電話回線網通信部121を介して、携帯電話端末20Bからの接続を受け付け、発信先となる回線番号、付与されたサブアドレス、及び発信者番号を読み取る。
【0105】
次に、第3の実施形態における所有者の位置(クライアント端末40が存在する位置)を示す位置情報を取得する位置情報取得処理の一例を、図12を参照して説明する。
【0106】
まず、ステップSE1にて、クライアント端末40は、ユーザー情報をコンテンツ配信装置10Bに送信する。このユーザー情報には、クライアント端末40を所有するユーザーを一意に示すための情報と、ステップSE5で生成される電話番号情報のための地域情報が含まれる。
【0107】
次に、ステップSE2にて、コンテンツ配信装置10Bのユーザー情報取得部109は、クライアント端末40から送信されたユーザー情報を取得する。ステップSE3にて、コンテンツ配信装置10Bのネットワーク経路情報取得部106は、ユーザー情報を送信したクライアント端末40のネットワーク経路情報を取得する。
【0108】
次に、ステップSE4にて、コンテンツ配信装置10Bのユーザー情報登録部107は、ステップSE2において取得したユーザー情報と、ステップSE3において取得したクライアント端末40のネットワーク経路情報とをユーザーデータベース108に登録する。
【0109】
続く、ステップSE5にて、コンテンツ配信装置10Bの表示情報生成部104は、地域特定のための電話番号情報をクライアント端末40に送信する。この電話番号情報は、地理的情報によって一意に決定され、特定地域内に存在する携帯電話基地局からの発呼のみ受け付けるように予め配信者により携帯電話事業者に設定されている。電話番号情報には、コンテンツ配信装置10Bが持つ電話回線網通信部121の電話番号と、ユーザー情報から一意に生成されるサブアドレス情報が含まれる。
【0110】
ステップSE6にて、クライアント端末40の情報表示部208は、ステップSE5において供給された地域特定のための電話番号情報を、クライアント端末40の出力部42を介して出力する。
【0111】
ステップSE7にて、携帯電話端末20Bの所有者は、ステップSE6において表示された電話番号情報を携帯電話端末20Bに入力する。ステップSE8にて、携帯電話端末が操作され前記番号への発呼が行われる。
【0112】
ステップSE9にて、携帯電話端末20Bが接続した携帯電話基地局30が、配信者が設定した発呼を許可する指定地域に含まれているか、携帯電話事業者により判断される。携帯電話端末20Bが接続した携帯電話基地局30が指定地域に含まれている場合には、電話回線網60を通じて、携帯電話端末20Bはコンテンツ配信装置10Bに接続が許可され、ステップSE10に進む。一方、携帯電話端末20Bが接続した携帯電話基地局30が指定地域に含まれていない場合には、ステップSSE11にて、携帯電話事業者より携帯電話端末20Bに向けて接続できない旨のメッセージが配信され、処理を終了する。
【0113】
ステップSE10にて、コンテンツ配信装置10Bの電話番号取得部122は、ステップSE5において設定したクライアント端末40のユーザー情報を示すサブアドレス部を認識し、クライアント端末40と回線番号毎に設定された地域を結びつけて、ユーザーデータベース108に登録する。
【0114】
ステップSE1〜SE11の処理を実行することにより、電話回線網60を通じて携帯電話端末20Bの所有者とクライアント端末40の所有者とを一意に結びつけ、地域の特定を行う。
【0115】
なお、第3の実施形態におけるコンテンツデータの配信は、第1の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
以上のように、第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、特定の地域内に存在するクライアント端末のみにコンテンツデータを閲覧可能なように配信することができる。
【0116】
(本発明の他の実施形態)
なお、以上に説明したコンテンツ配信装置10A、10Bは、コンピュータのCPUあるいはMPU、RAM、ROMなどで構成されるものであり、RAMやROMに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。したがって、コンピュータが前記機能を果たすように動作させるプログラムを、例えばCD−ROMのような記録媒体に記録し、コンピュータに読み込ませることによって実現できるものである。前記プログラムを記録する記録媒体としては、CD−ROM以外に、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、不揮発性メモリカード等を用いることができる。
また、コンピュータが供給されたプログラムを実行することにより上述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実施形態の機能が実現される場合や、供給されたプログラムの処理の全てあるいは一部がコンピュータの機能拡張ボードや機能拡張ユニットにより行われて上述の実施形態の機能が実現される場合も、かかるプログラムは本発明の実施形態に含まれる。
また、本発明をネットワーク環境で利用するべく、全部あるいは一部のプログラムが他のコンピュータで実行されるようになっていても良い。例えば、画面入力処理は、遠隔端末コンピュータで行われ、各種判断、ログ記録等は他のセンターコンピュータ等で行われるようにしても良い。
【0117】
なお、前記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】第1の実施形態における地域指定型コンテンツ配信システムの構成例を示す図である。
【図2】第1の実施形態におけるコンテンツ配信装置の構成例を示す図である。
【図3】第1の実施形態におけるクライアント端末の構成例を示す図である。
【図4】第1の実施形態における位置情報取得処理の一例を示す図である。
【図5】第1の実施形態におけるコンテンツデータの配信を開始する際の処理を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態におけるコンテンツデータの再生処理を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態におけるコンテンツデータの配信を開始する際の処理の他の例を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施形態における地域指定型コンテンツ配信システムの構成例を示す図である。
【図9】第2の実施形態における位置情報取得処理の一例を示す図である。
【図10】第3の実施形態における地域指定型コンテンツ配信システムの構成例を示す図である。
【図11】第3の実施形態におけるコンテンツ配信装置の構成例を示す図である。
【図12】第3の実施形態における位置情報取得処理の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0119】
10A、10B コンテンツ配信装置
20A、20B 携帯電話端末
21 入力部
22 出力部
23 処理部
24 通信部
25 GPS部
30 携帯電話基地局
40 クライアント端末
41 入力部
42 出力部
43 処理部
44 通信部
50 インターネット網
60 電話回線網
101 通信部
102 入力部
103 処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ配信装置とクライアント端末とがインターネット網を介して通信可能に接続されるコンテンツ配信システムであって、
前記コンテンツ配信装置は、
前記クライアント端末との接続経路情報を取得する経路情報取得手段と、
前記クライアント端末から送信される一意な第1のユーザー情報を受信する第1の受信手段と、
前記クライアント端末と同じユーザーが使用する携帯電話端末側から送信される第2のユーザー情報及び地理的情報を受信する第2の受信手段と、
前記第1のユーザー情報と前記第2のユーザー情報との対応により前記クライアント端末に係る地理的情報を特定する位置特定手段と、
前記位置特定手段により特定された前記クライアント端末に係る地理的情報に応じて、所定の地域内でのみ再生可能なようにコンテンツデータを配信する配信手段とを備えることを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項2】
インターネット網を介してコンテンツデータを配信するコンテンツ配信装置であって、
前記インターネット網を介して通信可能に接続されるクライアント端末との接続経路情報を取得する経路情報取得手段と、
前記クライアント端末から送信される一意な第1のユーザー情報を受信する第1の受信手段と、
前記クライアント端末と同じユーザーが使用する携帯電話端末側から送信される第2のユーザー情報及び地理的情報を受信する第2の受信手段と、
前記第1のユーザー情報と前記第2のユーザー情報との対応により前記クライアント端末に係る地理的情報を特定する位置特定手段と、
前記位置特定手段により特定された前記クライアント端末に係る地理的情報に応じて、所定の地域内でのみ再生可能なようにコンテンツデータを配信する配信手段とを備えることを特徴とするコンテンツ配信装置。
【請求項3】
前記配信手段は、
前記コンテンツデータを暗号化して送信する第1の送信手段と、
前記第1の送信手段より送信される暗号化されたコンテンツデータを復号するための第1のキー情報を、前記位置特定手段により特定された前記クライアント端末に係る地理的情報に応じて送信する第2の送信手段とを備えることを特徴とする請求項2記載のコンテンツ配信装置。
【請求項4】
前記第1の送信手段は、
前記コンテンツデータを配信地域に基づいて暗号化する第1の暗号化手段と、
前記第1の暗号化手段により暗号化されたコンテンツデータを復号するための第2のキー情報を、前記第1のキー情報により暗号化する第2の暗号化手段とを有し、
前記第1の暗号化手段により暗号化されたコンテンツデータ及び前記第2の暗号化手段により暗号化された前記第1のキー情報を送信することを特徴とする請求項3記載のコンテンツ配信装置。
【請求項5】
前記第2の送信手段は、前記位置特定手段により特定された前記クライアント端末に係る地理的情報に基づいて、前記クライアント端末が前記配信地域内に存在すると判断した場合には、前記第1のキー情報を前記クライアント端末に送信することを特徴とする請求項4記載のコンテンツ配信装置。
【請求項6】
予め取得した前記第1のユーザー情報、前記接続経路情報、及び前記位置特定手段により特定された前記クライアント端末に係る地理的情報が対応付けて記憶されるユーザーデータベースを備え、
前記位置特定手段は、接続時に取得される前記第1のユーザー情報及び前記接続経路情報が、前記ユーザーデータベースに記憶されている前記第1のユーザー情報及び前記接続経路情報と一致する場合には、前記ユーザーデータベースに記憶されている前記クライアント端末に係る地理的情報を用いることを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載のコンテンツ配信装置。
【請求項7】
前記第2の受信手段が受信する地理的情報は、前記クライアント端末と同じユーザーが使用する携帯電話端末から送信された情報であることを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載のコンテンツ配信装置。
【請求項8】
前記第2の受信手段が受信する地理的情報は、前記クライアント端末と同じユーザーが使用する携帯電話端末が接続した携帯電話基地局から送信された情報であることを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載のコンテンツ配信装置。
【請求項9】
インターネット網を介して通信可能に接続されるクライアント端末から送信される一意な第1のユーザー情報を受信する第1の受信手段と、
前記クライアント端末と同じユーザーが使用する携帯電話端末側から送信される第2のユーザー情報及び地理的情報を受信する第2の受信手段と、
前記第1のユーザー情報と前記第2のユーザー情報との対応により前記クライアント端末に係る地理的情報を特定する位置特定手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
インターネット網を介してコンテンツデータを配信するコンテンツ配信方法であって、
前記インターネット網を介して通信可能に接続されるクライアント端末との接続経路情報を取得する経路情報取得ステップと、
前記クライアント端末から送信される一意な第1のユーザー情報を受信する第1の受信ステップと、
前記クライアント端末と同じユーザーが使用する携帯電話端末側から送信される第2のユーザー情報及び地理的情報を受信する第2の受信ステップと、
前記第1のユーザー情報と前記第2のユーザー情報との対応により前記クライアント端末に係る地理的情報を特定する位置特定ステップと、
前記位置特定ステップにて特定された前記クライアント端末に係る地理的情報に応じて、所定の地域内でのみ再生可能なようにコンテンツデータを配信する配信ステップとを有することを特徴とするコンテンツ配信方法。
【請求項11】
インターネット網を介してコンテンツデータを配信する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記インターネット網を介して通信可能に接続されるクライアント端末との接続経路情報を取得する経路情報取得ステップと、
前記クライアント端末から送信される一意な第1のユーザー情報を受信する第1の受信ステップと、
前記クライアント端末と同じユーザーが使用する携帯電話端末側から送信される第2のユーザー情報及び地理的情報を受信する第2の受信ステップと、
前記第1のユーザー情報と前記第2のユーザー情報との対応により前記クライアント端末に係る地理的情報を特定する位置特定ステップと、
前記位置特定ステップにて特定された前記クライアント端末に係る地理的情報に応じて、所定の地域内でのみ再生可能なようにコンテンツデータを配信する配信ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−262495(P2008−262495A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−106267(P2007−106267)
【出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【出願人】(503215169)クアドラングル株式会社 (1)
【出願人】(507122526)株式会社D−SIDE (2)
【Fターム(参考)】