説明

コントローラユニット、及びコントローラユニットの制御方法

【課題】ユーザ毎に適した機能を有する画像処理装置を提供する。
【解決手段】コントローラユニットは、原稿画像を読み取るスキャナユニットUN5を有する画像処理装置を制御するコントローラユニットUN1であって、スキャナユニットUN5により読み取られた画像データを正規化された画像データへ変換するスキャナ特性補正部2aと、スキャナ特性補正部2aが変換した画像データに対して、縮小処理を行うコントローラ画像処理部3を着脱可能な増設インタフェース部ZZと、コントローラ画像処理部3が挿着されていない場合に限り、スキャナ特性補正部2aが変換した画像データに対して、コントローラ画像処理部3より簡易な縮小処理を行う簡易縮小画像生成部2cと、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿画像を読み取るスキャナユニットを有するコントローラユニット、及びコントローラユニットの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、コピー機能、プリンタ機能、および、ファクシミリ機能を有する画像形成装置(以下、「複合機」という)は、ユーザの用途により、高機能、高速なものから単純な機能で低価格なものまで幅広いニーズがある。
【0003】
一般に、複写機能を有する複合機などの画像形成装置(画像処理装置)を安価に製作すること、開発労力を抑えること、及び処理速度の向上を図ることは相反する側面があり、これら全て実現することは非常に困難である。
【0004】
一方、近年、画像形成装置には、同じ機種シリーズで機能が小さいものから大きいものまで複数段階にラインナップされた製品構成が求められている。複合機には、スキャナ処理機能、画像処理機能、出力機能などを備えた画像処理装置が必要であるが、高機能なものに合わせた仕様にすると低価格な複合機のコストが高くなってしまうという不具合を生じる。
【0005】
それに対し、コストを最適化するために高機能なものと単純な機能なものを完全に別な構成とすると、昨今の複合機で求められている機能の拡張性に対応することが出来ないという別の不具合を生じる。
【0006】
そこで、特許文献1においては、プロッタ機能である画像形成装置にスキャナ機能および蓄積機能である画像処理装置を増設し、読み取った原稿データの蓄積機能を用いて一旦蓄積することで、処理速度を早く、しかも安価に複写機能を提供する方法が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、この従来技術では、プリンタから複合機への拡張は可能であるが、蓄積を行う高機能な構成に対応したものとなっており、蓄積機能のない低価格の複合機の構成から拡張を行う場合にそのまま適用することができない。これは、蓄積機能のない低価格の複合機の構成は、単に蓄積機能の制御を行う構成を外せばよいわけではない為である。例えば、一旦画像をRGBで蓄積してから、その画像をモノクロデータへ変換するような自動カラー判定機能などを、蓄積機能を使用せずに作成する場合、画像処理の手順を大きく変更する必要がありそれ以外の部分の共通化を図ることが困難となる。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、機能拡張を容易に行うことができるコントローラユニット、及びコントローラユニットの制御方法を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるコントローラユニットは、原稿画像を読み取るスキャナユニットを有する画像処理装置を制御するコントローラユニットであって、前記スキャナユニットにより読み取られた画像データを正規化された画像データへ変換するスキャナ特性補正手段と、前記スキャナ特性補正手段が変換した前記画像データに対して第1の所定の画像処理を行うコントローラ画像処理手段を着脱可能な着脱手段と、前記着脱手段に前記コントローラ画像処理手段が挿着されていない場合に限り、前記スキャナ特性補正手段で変換された前記画像データに対して、前記第1の所定の画像処理を代替する第2の所定の画像処理を行う簡易画像処理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかるコントローラユニットの制御方法は、原稿画像を読み取るスキャナユニットを有する画像処理装置を制御するコントローラユニットの制御方法であって、前記コントローラユニットが、前記画像データに対して第1の所定の画像処理を行うコントローラ画像処理手段を着脱可能な着脱手段を備え、スキャナ画像処理手段が、前記スキャナユニットにより読み取られた画像データを、正規化された画像データに変換するスキャナ特性補正ステップと、簡易画像処理手段が、前記着脱手段に前記コントローラ画像処理手段が挿着されていない場合に限り、前記スキャナ特性補正手段で変換された前記画像データに対して、前記第1の所定の画像処理を代替する第2の所定の画像処理を行う簡易画像処理ステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、コントローラ画像処理手段を着脱手段に挿着するか否かに基づいて、提供する機能を切り替えるため、ユーザ毎に当該ユーザが所望する機能を備えた画像処理装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置(画像処理装置)の一例を示したブロック図である。
【図2】図2は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置におけるコントローラユニットの最大構成の一例を示したブロック図である。
【図3】図3は、コントローラユニットの増設インタフェース部と、増設インタフェース部に接続するオプションボードと、を示した構成図である。
【図4】図4は、コントローラユニットの増設インタフェース部のハードウェア形状を示した図である。
【図5】図5は、バイパスボード上の配線によりコネクタを介して接続されるスキャナ画像処理LSI及びCPUメモリバスの構成を示す図である。
【図6】図6は、オプションボード上の配線によりコネクタを介して接続されるスキャナ画像処理LSI、コントローラ画像処理LSI、及びCPUメモリバスの構成を示す図である。
【図7】図7は、最大構成時の画像データの処理の一例を示したブロック図である。
【図8】図8は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置におけるコントローラユニットUN1の最小構成の一例を示したブロック図である。
【図9】図9は、最小構成時の画像データの処理の一例を示したブロック図である。
【図10】図10は、第1の実施の形態にかかるスキャナ画像処理部の構成例を示したブロック図である。
【図11】図11は、第1の実施の形態にかかる簡易縮小画像生成部の構成と、データの入出力と、を示した説明図である。
【図12】図12は、第1の実施の形態にかかる縮小画像生成部の構成と、データの入出力と、を示した説明図である。
【図13】図13は、第1の実施の形態にかかるコントローラユニットが、装置構成を判断する際に行う処理を示したフローチャートである。
【図14】図14は、第2の実施の形態にかかる画像処理装置におけるコントローラUN11の最大構成の一例を示したブロック図である。
【図15】図15は、第2の実施の形態にかかる最大構成時の画像データの処理の一例を示したブロック図である。
【図16】図16は、第2の実施の形態にかかる画像処理装置におけるコントローラユニット最小構成の一例を示したブロック図である。
【図17】図17は、第2の実施の形態にかかる最小構成時の画像データの処理の一例を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるコントローラユニット、及びコントローラユニットの制御方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置(画像処理装置)の一例を示している。
【0015】
この画像形成装置は、装置を構成する各ユニットの動作などを制御するためのコントローラユニットUN1、ユーザがこの画像形成装置を操作するためのユーザインタフェースを構成する操作表示ユニットUN2、この画像形成装置の各ユニットへ電源を供給する電源ユニットUN3、外部装置やネットワークと接続し、外部装置と種々の情報をやりとりしたり、ネットワークを介して他の端末装置等の間で種々の情報をやりとりするための通信ユニットUN4、原稿画像を読み取って画像データを形成するためのスキャナユニットUN5、および、複写画像や印刷画像等を記録用紙に記録出力するためのプロッタユニットUN6からなる。
【0016】
また、画像形成装置を構成する各ユニットのうち、スキャナユニットUN5とプロッタユニットUN6は着脱自在に構成され、また、所定のインタフェース規約(物理的要件を定めたものや信号入出力要件を定めたものなどがある)に従うならば、複数種類のものを適宜に交換して接続することができる。例えば、スキャナユニットUN5には、ADF(自動原稿搬送装置)を備えたもの、モノクロ読取機能を備えたもの、カラー読取機能を備えたものなどがある。また、プロッタユニットUN6には、記録紙の後処理機能(ソート機能、ステープル機能、フォールド機能など)を備えたもの、モノクロ印刷機能を備えたもの、カラー印刷機能を備えたものなどがある。
【0017】
同様に、通信ユニットUN4についても装置構成に伴って複数種類から選択して接続することができる。例えば、パーソナルコンピュータ装置などのホスト装置に接続するホストI/Fとネットワークに接続するためのネットワークI/Fを備えたものと、ホストI/Fのみを備えたものの2種類を適宜に接続することが可能である。また、画像形成装置の構成によっては、通信ユニットUN4を接続しない場合もある(いわゆる、スタンドアローンの構成(複写機など))。
【0018】
例えば、スキャナユニットUN5とプロッタユニットUN6がともに接続されている場合には、複写機能、プリンタ機能、ネットワークプリンタ機能、ファクシミリ機能、ネットワークファクシミリ機能、ネットワークスキャナ機能などを備えた画像形成装置を実現することができる。また、画像形成装置が備える機能に応じて、適宜な機能を備えた通信ユニットUN4が接続される。
【0019】
また、プロッタユニットUN6のみが接続されている場合には、プリンタ機能およびネットワークプリンタ機能を備えた画像形成装置を実現することができる。この場合も、同様にして、画像形成装置が備える機能に応じて、適宜な機能を備えた通信ユニットUN4が接続される。
【0020】
コントローラユニットUN1は、オプションボードが接続可能な増設インタフェース部ZZを備えているものとする。当該増設インタフェース部ZZにオプションボードが接続された場合に、当該オプションボードに搭載された機能により、画像処理等が可能となる。本実施の形態では、コントローラ画像処理部が搭載されたオプションボードを接続する例について説明する。
【0021】
ここで、本実施例の画像形成装置における複写機能(複写アプリケーション)では、ユーザが複写原稿をスキャナユニットUN5にセットして、スタートキーなどを押下して複写開始を指令すると、スキャナユニットUN5による原稿画像の読取が開始され、操作表示ユニットUN2の表示画面に、複写画像を縮小表示するプレビュー画面が表示される。プレビュー画面に表示する縮小画像は、例えば、元のサイズの1/4程度の大きさである。
【0022】
ユーザは、このプレビュー画面を見て、複写物のできあがりを予測し、複写動作を継続するか否かを決定し、複写動作を継続する場合には、複写動作を行う旨を指令する。そして、プレビュー画面の表示後に、ユーザが複写動作を指令すると、スキャナユニットUN5で読み取った画像データをプロッタユニットUN6に転送し、プロッタユニットUN6により複写物を記録出力する。
【0023】
このようにして、本実施例では、複写機能の場合、プロッタユニットUN6に転送する印刷データと、操作表示ユニットUN2に転送するプレビュー画像データを作成する必要がある。特に、プレビュー画像データは、プロッタユニットUN6の印刷動作に先立ち、ユーザが複写実行を決定する際に必要なものであるので、迅速に形成する必要がある。
【0024】
また、本実施例の画像形成装置におけるファクシミリ機能(ファクシミリアプリケーション)やネットワークファクシミリ機能(ネットワークファクシミリアプリケーション)では、ユーザが複写原稿をスキャナユニットUN5にセットして、スタートキーなどを押下して送信開始を指令すると、スキャナユニットUN5による原稿画像の読取が開始され、操作表示ユニットUN2の表示画面に、送信原稿画像を縮小表示するプレビュー画面が表示される。
【0025】
ユーザは、このプレビュー画面を見て、送信原稿の内容を確認し、ファクシミリ送信を継続するか否かを決定し、送信を継続する場合には、送信動作を行う旨を指令する。そして、プレビュー画面の表示後に、ユーザが送信動作を指令すると、スキャナユニットUN5で読み取った画像データを通信ユニットUN4に転送し、ファクシミリ通信(またはネットワークファクシミリ通信)により、原稿画像を宛先へ送信する。
【0026】
このようにして、本実施例では、ファクシミリ機能の場合、通信ユニットUN4に転送する送信画像データと、操作表示ユニットUN2に転送するプレビュー画像データを作成する必要がある。特に、プレビュー画像データは、通信ユニットUN4の通信動作に先立ち、ユーザが複写実行を決定する際に必要なものであるので、迅速に形成する必要がある。
【0027】
図2は、スキャナユニットUN5とプロッタユニットUN6をともに接続した構成を備えた画像形成装置におけるコントローラユニットUN1の概略構成、特に、画像処理部分についての構成の一例を示している。以下、この構成を第1の実施の形態における「最大構成」という。図2に示す例では、コントローラユニットUN1の増設インタフェース部ZZに、コントローラ画像処理部3が搭載されたオプションボードが接続された例とする。
【0028】
同図において、スキャナユニットUN5の画像読取部1から出力される画像データは、スキャナ画像処理部2に加えられる。ここで、このスキャナ画像処理部2は、第1の実施の形態における「最大構成」の場合、簡易画像処理部2bと簡易縮小画像生成部2c、入力データ選択部2dは無効にするため、これらの説明は後述する。
【0029】
このスキャナ画像処理部2の構成要素のうち、最大構成の際に有効となるのは、入力される画像データを正規化された画像データへ変換するスキャナ特性補正部2aと、このスキャナ画像処理部2から出力する画像データを選択する出力制御部2eである。また、スキャナ画像処理部2の構成・特性を後述するコントローラCPU5が確認する際に参照する識別情報(ID)を記憶したレジスタ2fを備えるとともに、次段へのデータ転送のためのDMAC(ダイレクト・メモリ・アクセス・コントローラ)2gも備えている。
【0030】
ここで、スキャナ特性補正部2aが実行する画像処理(正規化された画像データへの変換処理)は、例えば、シェーディング補正や、γ変換、フィルタ処理、色変換などである。ただし、ここで行う色変換は、RGBからCMYKの変換ではなく、RGBからRGBへの変換であり、主に、接続されているスキャナユニットUN5の画像読取特性のバラツキを解消するような変換処理(周知処理)である。
【0031】
簡易画像処理部2b、及び簡易縮小画像生成部2cは、増設インタフェース部ZZにコントローラ画像処理部3が挿着されていない場合に限り、スキャナ特性補正部2aで変換された画像データに対して、コントローラ画像処理部3が行う画像処理を代替する、画像処理及び縮小画像の生成処理を行う。
【0032】
本実施の形態にかかる簡易画像処理部2bは、スキャナ特性補正部2aで変換された画像データに対して、複数種類の画像処理のうちいずれか一つ以上を行う。なお、画像処理の詳細については後述する。
【0033】
入力データ選択部2dは、簡易縮小画像生成部2cで作成する縮小画像データの種別(後述)にしたがって、画像データに対して、簡易画像処理部2bにより行われる、いずれか一つ以上の画像処理を選択する。
【0034】
これらの簡易画像処理部2bの動作、入力データ選択部2dの動作、簡易縮小画像生成部2cの動作、および、出力制御部2eの動作は、また、後述するエンジンCPU9からの指定により制御される。
【0035】
ここで、コントローラ画像処理部3は、ASICにより構成され、本実施例では、増設インタフェース部ZZに着脱自在に設けられる。
【0036】
このコントローラ画像処理部3は、スキャナ画像処理部2から出力される画像データを入力制御部3aを介して入力する。ここで、上述したように、コントローラ画像処理部3が増設インタフェース部ZZに挿着されない場合(後述)があり、その場合、コントローラ画像処理部3に入力される画像データは、直接増設インタフェース部ZZの出力ポートへ送られるので、コントローラ画像処理部3の入力制御部3aはブリッジ構成となっている。
【0037】
また、コントローラ画像処理部3は、さらに、入力制御部3aを介して入力された画像データの圧縮を行う圧縮処理部3b、データの伸張を行う伸張処理部3c、外部記憶ユニット(例えば、磁気ディスク装置など)4への蓄積や外部記憶ユニット4からのデータの読み出しを行う蓄積制御部3f、出力形態にあった画像データを作成する画像処理部3d、入力された画像データに所定の縮小処理を適用して、所定の縮小画像(例えば、プレビュー画像やサムネイル画像など)の画像データを生成する縮小画像生成部3eから構成されている。
【0038】
また、画像処理部3dは、RGBからCMYKへの色変換や、高度な階調処理を適用してカラー画像データをモノクロ画像データへ変換する階調を行う。画像処理部3d以降は、CMYKの画像データで処理される。
【0039】
また、入力制御部3a、圧縮処理部3b、伸張処理部3c、蓄積制御部3f、および、画像処理部3dには、それぞれ次段へのデータ転送のためのDMAC3iが内蔵されている。なお、入力制御部3a、圧縮処理部3b、伸張処理部3c、蓄積制御部3f、および、画像処理部3dの次段へのデータ転送には、DMA転送ではなく、直接転送を採用することもできる。
【0040】
また、コントローラ画像処理部3には、画像転送全体の制御を行うコントローラCPU5とデータをやりとりするためのインタフェース回路(図示略)が設けられているとともに、次段へのデータ転送のためのDMAC3jが設けられている。なお、図ではDMAC3jが使う画像データ用のI/FとコントローラCPU5用のI/Fが共用となっているが、専用に設けても構わない。さらに、コントローラ画像処理部3には、コントローラ画像処理部3の構成・特性をコントローラCPU5が確認する際に参照する識別情報(ID)を記憶したレジスタ3gも設けられている。
【0041】
ROM6は、コントローラCPU5が実行するためのプログラムなどのデータを記憶する。ROM6は、コントローラソフトウェア6aを記憶する。このプログラムをコントローラCPU5が読み込むことで、各構成を制御するための機能を実現する。
【0042】
コントローラCPU5は、起動時にコントローラソフトウェア6aを読み込んだ後、コントローラユニットUN1の動作などを制御する。
【0043】
次に、着脱可能とする増設インタフェース部ZZと、オプションボード30aについて説明する。
【0044】
図3は、UNIT1の増設インタフェース部ZZと、増設インタフェース部ZZに接続するオプションボード30aを示した構成図である。オプションボード30a上のコントローラ画像処理LSI30は、コントローラ画像処理部3の機能を実現するLSIであり、スキャナ画像処理LSI20は、スキャナ画像処理部2の機能を実現するLSIとする。そして、コントローラCPU5と、スキャナ画像処理LSI20との間には、CPUメモリバス51と、増設インタフェース部ZZとが備えられている。
【0045】
増設インタフェース部ZZは、接続口(ZZa,ZZb,ZZc)を3つ有し、スキャナ画像処理LSI20とCPUメモリバス51は前記増設インタフェース部ZZの2つの接続口ZZa,ZZcを介して接続される。増設インタフェース部ZZの残りの接続口ZZbには、最小構成時にはバイパスボード40が接続され、機能拡張時にはコントローラ画像処理LSI30が搭載されたオプションボード30aが接続される。図4は、増設インタフェース部ZZのハードウェア形状を示した図である。図4に示すように、接続口ZZbが、コントローラ画像処理LSI30を備えるオプションボード30aを接続可能な開口部となっている。
【0046】
図4に示すように、増設インタフェース部ZZは、紙面水平方向の左右に2口(ZZa,ZZc)、左右の口の中央部に垂直に1口(ZZb)の接続口が設けられている。
【0047】
まず、最小構成時の増設インタフェース部ZZについて説明する。図5は、最小構成時における、バイパスボード上の配線によりコネクタを介して接続されるスキャナ画像処理LSI及びCPUメモリバスの構成を示す図である。最小構成時は、増設インタフェース部ZZの接続口ZZbに装着されたバイパスボード40上の配線により、図5のようにスキャナ画像処理LSI20とCPUメモリバス51とのデータ信号が直結される。これにより、コントローラCPU5が、CPUメモリバス51を介して、スキャナ画像処理LSI20に対して、動作モード値を直接送信できる。
【0048】
まず、次に最大構成時の増設インタフェース部ZZについて説明する。図6は、最大構成時(オプションボード接続時)における、オプションボード上の配線によりコネクタを介して接続されるスキャナ画像処理LSI、コントローラ画像処理LSI、及びCPUメモリバスの構成を示す図である。オプションボード接続時は、増設インタフェース部ZZの接続口ZZbに装着されたオプションボード30a上の配線により、図6のようにCPUメモリバス51とコントローラ画像処理LSI30とを、さらにスキャナ画像処理LSI20とコントローラ画像処理LSI30とを、それぞれ接続する。そして、CPUメモリバス51とコントローラ画像処理LSI30との間、及びスキャナ画像処理LSI20とコントローラ画像処理LSI30との間は、それぞれPCIeXpressでデータの送受信を行う。
【0049】
つまり、コントローラユニットUN1は、コントローラ画像処理部3が接続されていない場合、コントローラCPU5は、スキャナ画像処理部2と直接通信可能となり、コントローラ画像処理部3が接続された場合、コントローラCPU5は、スキャナ画像処理部2の代わりにコントローラ画像処理部3と直接通信可能となると共に、スキャナ画像処理部2がコントローラ画像処理部3と直接通信可能となる、構造を有していることになる。
【0050】
また、最初のオプションボード接続時に、ROM6に格納されたプログラムの更新が行われる。これにより、ROM6にコントローラ画像処理LSI30を制御するオプション制御プログラムが追加される。
【0051】
オプションボード30a及びバイパスボード40は、図3では平板状に形成され、図では下端部に設けられたコネクト部分を増設インタフェース部ZZに挿入するようになっている。しかし、実装する場合には、オプションボード30aのコネクト部分とコントローラ画像処理LSI30の実装部分が直交するように、言い換えれば鉤形の形状に形成し、増設インタフェース部ZZの図において上方のスペースを有効に使用するように構成することもできる。
【0052】
図2に戻り、RAM7は、コントローラCPU5が実行する際に使用するワークエリアを構成するとともに、種々のデータを一時蓄積するバッファエリアなどを構成するものである。
【0053】
プロッタ画像処理部8は、CMYKのそれぞれの色成分の画像データを、別々のタイミングでプロッタユニットUN6の画像書込部10へ送信する出力制御部8bと、コントローラCPU5とエンジンCPU9との間の通信を行うための通信制御部8aから構成されている。また、通信制御部8aには、DMAC8dが内蔵されている。
【0054】
また、プロッタ画像処理部8には、画像転送全体の制御を行うコントローラCPU5のI/Fが設けられている。図では画像データとコントローラCPU5のIFが共用となっているが、専用に設けても構わない。さらに、プロッタ画像処理部8には、プロッタ画像処理部8の構成・特性をコントローラCPU5が確認する際に参照する識別情報(ID)を記憶したレジスタ8cも設けられている。
【0055】
エンジンCPU9は、コントローラCPU5からの指令に従って、スキャナ画像処理部2の動作モードを設定するとともに、プロッタユニットUN6のプロッタエンジンユニット11とスキャナユニットUN5のスキャナ機構部12の動作を制御するものである。
【0056】
また、エンジンCPU9は、コントローラ画像処理部3が接続されている場合、スキャナ画像処理部2に対して、コントローラ画像処理部3に画像データを出力するための設定を行う。このための設定としては、出力制御部2eに対して出力先としてダミーアドレスを設定する等が考えられる。そして、スキャナ画像処理部2は、直接接続されているコントローラ画像処理部3に対して、ダミーアドレスを出力先とした画像データを送信することになる。そして、コントローラ画像処理部3は、ダミーアドレスが付与された画像データが入力された場合、コントローラ画像処理部3自体が処理を行う画像データとして認識する。
【0057】
図7は、図2の、第1の実施の形態における最大構成の場合の画像データの処理の一例を示している。
【0058】
まず、この場合、コントローラCPU5は、コントローラ画像処理部3とプロッタ画像処理部8へアクセスすることができるが、直接、スキャナ画像処理部2へはアクセスすることができない。したがって、この場合、コントローラCPU5は、コントローラ画像処理部3のレジスタ3g、および、プロッタ画像処理部8のレジスタ8cをそれぞれアクセスして、レジスタ3g,8cに保存されているIDを読み込む。
【0059】
そして、コントローラ画像処理部3のレジスタ3gから読み込んだIDを調べる。この場合には、IDの値がコントローラ画像処理部3をあらわす値に一致するので、コントローラCPU5は、装置構成が最大構成であると認識する。
【0060】
そして、コントローラCPU5は、プロッタ画像処理部8の通信制御部8aを介し、エンジンCPU9に対して、スキャナ画像処理部2の動作モードとして、簡易画像処理部2bと簡易縮小画像生成部2c、入力データ選択部2dの動作を無効にし、かつ、出力制御部2eにより簡易画像処理部2bの出力データ(すなわち、スキャナ特性補正部2aの出力データ)のみを選択する動作モードを設定するように指示する。
【0061】
これにより、エンジンCPU9は、スキャナ画像処理部2の動作モードを設定するコントロールレジスタ(図示略)に、簡易画像処理部2bと簡易縮小画像生成部2c、入力データ選択部2dの動作を無効にし、かつ、出力制御部2eにより簡易画像処理部2bの出力データのみを選択する動作モードを設定する。
【0062】
このような動作モードが設定された後、図7の動作が行われる。すなわち、画像読取部1から読取出力される画像データは、スキャナ特性補正部2aに加えられて、シェーディング補正や、γ変換、フィルタ処理、色変換がそれぞれなされ、出力制御部2eにより、コントローラ画像処理部3の入力制御部3aへと出力される。
【0063】
入力制御部3aでは、入力した画像データを圧縮処理部3bへ転送するとともに、縮小画像生成部3eへ転送する。圧縮処理部3bは、所定の圧縮処理を適用して画像データを圧縮し、圧縮後の画像データをRAM7へいったん保存する。また、この圧縮後の画像データは、蓄積制御部3fにより外部記憶ユニット4に適宜に蓄積される。
【0064】
また、縮小画像生成部3eは、プレビュー画像の縮小画像データ(プレビュー画像データ)を作成し、RAM7へ保存する。このプレビュー画像データは、コントローラCPU5を介して、他のユニット(この場合は、操作表示ユニットUN2)へ転送される。
【0065】
このプレビュー画像データは操作表示ユニットUN2で迅速に表示をする為に作成する荒い画像のプレビューデータである。詳細なプレビューデータが必要なときや異なるモードでのプレビューデータを表示するときには、外部記憶ユニット4に蓄積した圧縮された画像データを伸張し、必要な画像処理を行ってから縮小画像生成部3eで最適なプレビューデータを作成し、改めて操作表示ユニットUN2へ送信する。例えば、ユーザからの拡大操作等により詳細なプレビュー画像データが必要になる場合のほか、徐々に詳細なプレビュー画像データを表示する場合(プログレッシブ表示モード)でもよい。
【0066】
また、外部記憶ユニット4に保存した画像の一覧を表示する際に作成するサムネイル画像(元の1/16程度のサイズの画像)を作成する場合についても、同様に後から作成される。ただし荒いプレビュー画像データの代わりにサムネイル画像を最初から作ることもできる。
【0067】
1ページ分、または、所定データ量の圧縮画像データを外部記憶ユニット4に蓄積すると、蓄積制御部3fは、蓄積した圧縮画像データを外部記憶ユニット4から読み出して、RAM7を経由して、伸張処理部3cへ転送する。
【0068】
伸張処理部3cでは、入力された圧縮画像データを元の画像データへ変換し(伸張処理)、その変換後の画像データを画像処理部3dに転送する。画像処理部3dは、受信した画像データに対して、色変換処理を適用した後に、その後の画像データ(CMYKの印刷データ)をRAM7へ転送する。
【0069】
RAM7に印刷データが1ページ分、あるいは、所定データ量蓄積されると、コントローラCPU5は、プロッタ画像処理部8の出力制御部8bに対して、画像データ(CMYKの印刷データ)を転送する。
【0070】
それにより、出力制御部8bは、画像書込部10の印刷タイミングに同期して、受信したCMYKの印刷データを転送する。そして、画像書込部10が用紙に印刷データの画像を記録し、排紙される。
【0071】
さて、コントローラ画像処理部3のDMAC3j、およびスキャナ画像処理部2のDMAC2gが、メモリのアドレスを生成しながらデータを転送することによって、コントローラCPU5に接続されるRAM7へデータを格納する。もしくはRAM7のデータへアクセスを行う。DMAC2g、3jは、連続したデータをメモリへ分割して格納させたり、メモリ上に分割して存在するデータを自動的にチェーンしてアクセスするディスクリプタ方式をとることにより、コントローラソフトウェア6a(コントローラCPU5上で動作)のOS(オペレーティングソフト;基本ソフト)でメモリ管理や画像の管理が可能となる。コントローラソフトウェア6aのOSが決めた値を設定するため、DMAC2g、3jへのアドレス設定は、コントローラソフトウェア6aが行う。
【0072】
図8は、スキャナユニットUN5およびプロッタユニットUN6をともに接続した構成を備えた画像形成装置におけるコントローラユニットUN1の概略構成、特に、画像処理部分についての構成の他の例を示している。以下、この構成を、第1の実施の形態における「最小構成」という。なお、同図において、図2と同一部分および相当する部分には、同一符号を付して、既に説明済みであればその説明を省略する。
【0073】
この場合、増設インタフェース部ZZにコントローラ画像処理部3を挿着していない構成となる。また、増設インタフェース部ZZでは、入力ポート、すなわち、スキャナ画像処理部2の出力ポートと、出力ポート、すなわち、コントローラCPU5のI/Fが信号線ZYで連結される態様となる。それにより、この場合には、コントローラCPU5は、スキャナ画像処理部2へのアクセスが可能となる。
【0074】
図9は、図8の最小構成の場合の画像データの処理の一例を示している。
【0075】
そして、図10は、第1の実施の形態にかかるスキャナ画像処理部の構成例を示したブロック図である。図10に示すように、簡易画像処理部2bは、スキャナ特性補正部2aの出力データについて、画像特性を調整するための周知のフィルタ処理を行うフィルタ処理部2baと、フィルタ処理部2baの出力データについて、画像に含まれる地肌汚れなどを除去する周知の地肌除去処理を行うための地肌除去処理部2bbと、地肌除去処理部2bbの出力データについて、RGBからCMYKなど出力形態に合わせた色変換処理を行う色補正処理部2bcと、色補正処理部2bcの出力データについて、簡易な階調処理(周知処理)を実行するための簡易階調処理部2bdからなる。
【0076】
ここで、簡易階調処理部2bdが実行する簡易階調処理と、画像処理部3dが実行する階調処理(以下、「高度階調処理」という)の相違点は、例えば、次のようなものである。まず、簡易階調処理では、処理後のデータが2ビットで階調数が4なのに対して、高度階調処理では処理後のデータが4ビットで階調数が16である。よって、簡易階調処理の場合は画像処理部3dより画質が落ちることになるが、第1の実施の形態における「最小構成」で使用する機械で求める能力を満足できれば良い。
【0077】
また、入力データ選択部2dは、簡易縮小画像生成部2cで作成する縮小画像データの種別(後述)にしたがって、フィルタ処理部2baの出力データ、または、地肌除去処理部2bbの出力データ、または、色補正処理部2bc、または、簡易階調処理部2bdの出力データのいずれかを選択して、簡易縮小画像処理部2cへ出力する。
【0078】
まず、この場合、コントローラCPU5は、スキャナ画像処理部2、および、プロッタ画像処理部8へアクセスすることができる。したがって、この場合、コントローラCPU5は、スキャナ画像処理部2のレジスタ2f、および、プロッタ画像処理部8のレジスタ8cをそれぞれアクセスして、レジスタ2f,8cに保存されているIDを読み込む。
【0079】
そして、スキャナ画像処理部2のレジスタ2cから読み込んだIDを調べる。この場合には、IDの値がスキャナ画像処理部2をあらわす値に一致するので、コントローラCPU5は、装置構成が最小構成であると認識する。
【0080】
それにより、コントローラCPU5は、スキャナ画像処理部2の簡易画像処理部2b、入力データ選択部2d、および、簡易縮小画像生成部2cの動作を有効に設定するために、プロッタ画像処理部8の通信制御部8aを介し、エンジンCPU9に対して、スキャナ画像処理部2の動作モードとして、簡易画像処理部2b、入力データ選択部2d、および、簡易縮小画像生成部2cを使用する動作モードを設定するように指示する。
【0081】
これにより、エンジンCPU9は、スキャナ画像処理部2の動作モードを設定するコントロールレジスタ(図示略)に、簡易画像処理部2b、入力データ選択部2d、および、簡易縮小画像生成部2cを使用する動作モードを設定する。
【0082】
このような動作モードが設定された後、図9の動作が行われる。すなわち、画像読取部1から読取出力される画像データは、スキャナ特性補正部2aに加えられて、シェーディング補正や、γ変換、フィルタ処理、色変換がそれぞれなされ、簡易画像処理部2bに転送される。簡易画像処理部2bは、受信した画像データに対して、図10に示したような、フィルタ処理部2ba、地肌除去処理部2bb、色補正処理部2bc、および、簡易階調処理部2bdの各処理を適用する。
【0083】
また、入力データ選択部2dは、簡易画像処理部2bのフィルタ処理部2ba、地肌除去処理部2bb、色補正処理部2bc、および、簡易階調処理部2bdのいずれかの出力データを選択して、簡易縮小画像生成部2cへ出力する。例えば、複写機能で地肌除去無しの画像プレビューが選択されているときには、入力データ選択部2dは、フィルタ処理部2baの出力を簡易縮小画像生成部2cへ出力する。また、複写機能で地肌除去有りの画像プレビューが選択されているときには、入力データ選択部2dは、地肌除去処理部2bbの出力を簡易縮小画像生成部2cへ出力する。また、ファクシミリ機能(ネットワークファクシミリ機能)で多値画像(階調処理前)の画像プレビューが選択されているときには、入力データ選択部2dは、色補正処理部2bcの出力を簡易縮小画像生成部2cへ出力する。また、ファクシミリ機能(ネットワークファクシミリ機能)で少値画像(階調処理後)の画像プレビューが選択されているときには、入力データ選択部2dは、簡易階調処理部2bdの出力を簡易縮小画像生成部2cへ出力する。このような入力データ選択部2dのデータ切替動作についても、コントローラCPU5により設定される。
【0084】
ここで、「最小構成」では、外部記憶ユニット4を備えていないために、画像データを一度蓄積して後からプレビュー画像データを生成することができない。そのために、簡易画像処理部2bで必要な画像処理が終わった画像データを、入力データ選択部2dが動作モードまたは表示モードに応じて選択して抽出し、簡易縮小画像生成部2cに出力する必要がある。それとともに、簡易縮小画像生成部2cは荒い画像データではなく最初からプレビューに必要な解像度に縮小する必要がある。
【0085】
そのため、「最小構成」のときに生成するプレビュー画像データは、「最大構成」のときに生成する荒い画像のプレビューデータよりも生成に時間がかかることがあり、また、後に生成する詳細なプレビュー画像データと同じ解像度のプレビュー画像データを生成するのは困難である。
【0086】
しかしながら、コントローラ画像処理部3を装着しない「最小構成」は、主に廉価な機械に使用される構成のため、操作表示ユニットUN2の解像度や要求される速度が低いことも多く、実際上、そのような問題が発生しない。逆に、「最大構成」の場合のように、コントローラ画像処理部3で行うとオーバースペックとなりコスト増加になるだけの可能性も高い。また、「最小構成」では、外部記憶ユニット4を備えていないために、蓄積した画像を一覧表示するような用途のサムネイルは使用しない。
【0087】
そして、簡易縮小画像生成部2cが生成したプレビュー画像データと簡易画像処理部2bの出力データは、出力制御部2eによりアービトレーションされ、RAM7へいったん保存される。
【0088】
また、簡易画像処理部2bの出力データについては、RAM7に印刷データが1ページ分、あるいは、所定データ量蓄積されると、コントローラCPU5は、プロッタ画像処理部8の出力制御部8bに対して、画像データ(CMYKの印刷データ)を転送する。
【0089】
それにより、出力制御部8bは、画像書込部10の印刷タイミングに同期して、受信したCMYKの印刷データを転送する。そして、画像書込部10が用紙に印刷データの画像を記録し、排紙される。
【0090】
次に、簡易縮小画像生成部2cのデータの入出力について説明する。
【0091】
簡易画像処理部2bでは地肌除去処理部2bbまではRGBで画像データが出力されるが、色補正処理部2bc以降はCMYKで画像データが出力される。よって、簡易縮小画像生成部2cはRGBとCMYKの両方の画像データを縮小することができるよう構成されている。
【0092】
図11は、簡易縮小画像生成部2cにおける処理を説明した図である。図11の(a)は、簡易縮小画像生成部2cの構成を示している。そして、(b)に示すように、簡易縮小画像生成部2cには、RGBZ(Zは0値)またはCMYK各8ビットの32ビットデータの画素順次画像データが入力される。そして、簡易縮小画像生成部2cが処理した後の出力データは、(c)に示すように、RGBZ(Zは0値)またはCMYK各8ビットの64ビットデータの画素順次画像データとなる。
【0093】
また、入力データは、ラインメモリ制御部2caにより、各色成分別に、R/Cラインメモリ2cb、G/Mラインメモリ2cc、B/Yラインメモリ2cd、および、Z/Kラインメモリ2ceに保存される。
【0094】
また、簡易縮小画像生成演算を行う演算処理部2cfの要求により、ラインメモリ制御部2caは、R/Cラインメモリ2cb、G/Mラインメモリ2cc、B/Yラインメモリ2cd、および、Z/Kラインメモリ2ceに保存したデータを適宜に読み出して、演算処理部2cfへ転送する。
【0095】
演算処理部2cfの演算結果は、出力制御部2cgに送られ、この出力制御部2cgにより、上述した出力データに変換されて、次段へと出力される。
【0096】
ここで、CMYK画像をそのままプレビュー画像として使用することはできないが、ファクシミリで使用するプレビューである為、Kだけ使用すればよいことになる。
【0097】
次に、縮小画像生成部3eのデータ入出力について説明する。
【0098】
縮小画像生成部3eはCMYKの画像データが入力されることは無いが、スキャナ特性補正部2aの補正後のデータである為に線順次の画像データを処理できるように構成されている。また、プレビュー画像データはディスプレイに表示可能な画素順次画像データで出力される。
【0099】
図12は、縮小画像生成部3eにおける処理を説明した図である。図12の(a)は、縮小画像生成部3eの構成を示している。そして、(b)に示すように、縮小画像生成部3eには、RGB各8ビットの64ビットデータの線順次画像データが入力される。そして、縮小画像生成部3eが処理した後の出力データは、(c)に示すようにRGBZ(Zは0値)各8ビットの64ビットデータの画素順次画像データとなる。
【0100】
また、入力データは、ラインメモリ制御部3eaにより、各色成分別に、Rラインメモリ3eb、Gラインメモリ3ec、および、Bラインメモリ3edに保存される。
【0101】
また、縮小画像生成演算を行う演算処理部3eeの要求により、ラインメモリ制御部3eaは、Rラインメモリ3eb、Gラインメモリ3ec、および、Bラインメモリ3edに保存したデータを適宜に読み出して、演算処理部3eeへ転送する。
【0102】
演算処理部3eeは、単純間引法やOR間引法、平均化法など複数の縮小方法が可能であり、速度優先で荒いプレビュー画像データを生成する場合や、サムネイルなど変倍率の高い縮小を行う場合など、作成する画像に応じて縮小方法を選択することもできる。
【0103】
演算処理部3eeの演算結果は、出力制御部3efに送られ、この出力制御部3efにより、上述した出力データに変換されて、次段へと出力される。
【0104】
図13は、コントローラユニットUN1が、装置構成を判断する際に行う処理を示したフローチャートである。
【0105】
コントローラソフトウェアは電源が投入されると、コントローラ画像処理部3側に接続されている装置のIDを調査する。これにより、コントローラソフトウェアは、コントローラ画像処理部3が接続されているか否かを判定する(ステップS1301)。
【0106】
そして、コントローラソフトウェア6aは、IDがコントローラ画像処理部3のものであれば、複写機の最大構成(コントローラ画像処理部3が接続されていると)と判断し(ステップS1301:Yes)、エンジンCPU9に対して最大構成である旨を通知する(ステップS1302)。これにより、エンジンCPU9が、簡易画像処理部2b、簡易縮小画像生成部2c、及び入力データ選択部2dを無効にする。
【0107】
その後、コントローラソフトウェアは、コントローラ画像処理部3及びプロッタ画像処理部8を制御対象とする(S1303)。
【0108】
一方、コントローラソフトウェアは、IDがスキャナ画像処理部2のものであれば、複写機の最小構成である(コントローラ画像処理部3が接続されていない)と判断し(ステップS1301:No)、エンジンCPU9に対して最小構成である旨を通知する(ステップS1307)。その後、コントローラソフトウェアは、スキャナ画像処理部2及びプロッタ画像処理部8を制御対象とする(ステップS1308)。
【0109】
なお、本実施の形態では、外部記憶ユニット4に蓄積する画像データは、所定の圧縮処理により圧縮された状態の画像データであったが、例えば、さらに、暗号化処理を適用することもできる。このように暗号化処理を適用することによって、例えば、外部記憶ユニット4が持ち去られたような場合、外部記憶ユニット4に蓄積されている画像データを他人が悪意で利用するような事態を回避することができる。
【0110】
また、本実施の形態では、縮小画像としてプレビュー画像を形成する場合について説明したが、例えば、外部記憶ユニット4に保存した画像の一覧を表示する際に作成するサムネイル画像(元の1/16程度のサイズの画像)を作成する場合についても、本実施の形態と同様にして適用することができる。
【0111】
本実施の形態にかかる画像形成装置においては、コントローラ画像処理部3が挿着されている場合と、挿着されていない場合と、に応じて、機能を提供する構成を切り替えることができるので、ユーザの要求に応じて実行する機能を異ならせる画像処理装置を容易に提供できる。また、複数種類の画像処理装置を提供する際に、開発者の開発負担を軽減できる。
【0112】
本実施の形態にかかる画像形成装置では、コントローラ画像処理部3や、様々なユニット(例えば、スキャナユニットUN5、プロッタユニットUN6又は通信ユニットUN4)の着脱が容易になる。これにより、ユーザの要求に応じて構成を異ならせた画像形成装置の提供が容易になる。また、様々な画像形成装置を提供する場合に、画像形成装置の構成が異なる場合でも、画像形成装置の制御を行うプログラム(例えばコントローラソフトウェア)が同一、又は少しの修正で良いため、開発負担を軽減できる。
【0113】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態においては、コントローラ画像処理部3の接続の有無に応じて、画像データを縮小する構成を変更する例について説明した。しかしながら、コントローラ画像処理部3の接続の有無に応じて、他の構成が実行する処理を変更してもよい。
【0114】
第2の実施の形態にかかる画像処理装置は、図1に示した第1の実施の形態の画像形成装置と比べて、コントローラユニットUN1とは処理が異なるコントローラユニットUN11に変更された点とする。なお、第2の実施の形態においては、画像データの出力先が通信ユニットUN4の場合とする。出力先が通信ユニットUN4の画像処理装置としては、例えば通信スキャナ装置などが考えられる。そして、説明を容易にするため、本実施の形態においては、プロッタユニットUN6に関する構成及び説明を省略するが、プロッタユニットUN6の接続の有無についてどちらでもよい。
【0115】
図14は、スキャナユニットUN5と通信ユニットUN4をともに接続した構成を備えたスキャナ装置におけるコントローラユニットUN11の概略構成、特に、画像処理部分についての構成の一例を示している。以下、この構成を、第2の実施の形態における「最大構成」という。
【0116】
同図において、スキャナユニットUN5の画像読取部1から出力される画像データは、スキャナ画像処理部102に加えられる。このスキャナ画像処理部102は、入力される画像データを正規化された画像データへ変換するスキャナ特性補正部2aと、スキャナ特性補正部2aから出力される補正後の画像データに基づいて、原稿がカラーかモノクロかを判別する自動カラー判別部102b、主に入力RGB画像データから出力RGB画像データやモノクロ画像データなどの出力形態に合わせた色変換を行う色補正処理部102dと、簡易的な階調処理(周知処理)を行う簡易階調処理部102cと、このスキャナ画像処理部102から次段へデータを出力するための出力制御部2eを備えている。以下の説明では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
【0117】
色補正処理部102dは、増設インタフェース部ZZにコントローラ画像処理部103が装着されていない場合に限り、スキャナ特性補正部2aにより変換された画像データのカラー画像データとモノクロ画像データとを生成する。
【0118】
自動カラー判別部102bは、スキャナ特性補正部2aで変換された画像データ、すなわち画像読取部1が読み取った原稿が、カラーであるかモノクロであるかを判別する。そして、コントローラCPU5が、増設インタフェース部ZZにコントローラ画像処理部103が装着されていない場合、自動カラー判別部102bによる判別結果に基づいて、色補正処理部102dが生成したカラー画像データ及び前記モノクロ画像データのうちいずれか一方を通信制御部109に出力制御を行う。
【0119】
コントローラ画像処理部103は、さらに、入力制御部3aを介して入力された画像データの圧縮を行う圧縮処理部3b、データの伸張を行う伸張処理部3c、主に入力RGB画像データから出力RGB画像データやモノクロ画像データなどの出力形態に合わせた色変換を行う色補正処理部103dと、高度な階調処理(周知処理)を行う階調処理部103eと、外部記憶ユニット(例えば、磁気ディスク装置など)4への蓄積や外部記憶ユニット4からのデータの読み出しを行う蓄積制御部3fから構成されている。
【0120】
ROM6は、コントローラソフトウェア106aを記憶する。コントローラソフトウェア106aは、コントローラユニットUN11の動作などの制御が異なるものとする。
【0121】
コントローラソフトウェア106aを読み込んだコントローラCPU5は、コントローラユニットUN11の動作などを制御するとともに、通信ユニットUN4の通信制御部109に対して、出力画像データを送信する。
【0122】
エンジンCPU108は、コントローラCPU5からの指令に従って、スキャナ画像処理部102の動作モードを設定したり、スキャナ画像処理部102の自動カラー判別部102bから出力されるカラー判定結果をあらわす割込信号の内容をコントローラCPU5へ通知するとともに、スキャナユニットUN5のスキャナ機構部12の動作を制御するものである。
【0123】
ここで、簡易階調処理部102cが実行する簡易階調処理と、階調処理部103eが実行する階調処理(以下、「高度階調処理」という)の相違点は、例えば、次のようなものである。まず、簡易階調処理では、処理後のデータが1画素あたり2ビットで階調数が4、または、1画素あたり1ビットで階調数が2なのに対して、高度階調処理では処理後のデータが1画素あたり1ビットで階調数が2から1画素あたり4ビットで階調数が16までの階調処理が可能である。したがって、高度階調処理の場合、設定によって、簡易階調処理よりもより階調性が高く、再現性の良好な画像データを得ることができる。
【0124】
図15は、第2の実施の形態における最大構成の場合の画像データの処理の一例を示している。
【0125】
まず、この場合、コントローラCPU5は、コントローラ画像処理部103のレジスタ3gにアクセスして、レジスタ3gに保存されているIDを読み込む。
【0126】
そして、コントローラ画像処理部103のレジスタ3gから読み込んだIDを調べる。この場合には、IDの値がコントローラ画像処理部103をあらわす値に一致するので、コントローラCPU5は、装置構成が最大構成であると認識する。
【0127】
それにより、コントローラCPU5は、コントローラ画像処理部103の色補正処理部103dと、階調処理部103eを使用するためにスキャナ画像処理部102の簡易階調処理部102cおよび色補正処理部102dの動作を無効にする設定する。そして、コントローラCPU5は、自動カラー判別部102bから出力されるカラー判別結果をあらわす割込信号をエンジンCPU108が受信するように設定する。
【0128】
このため、コントローラCPU5は、エンジンCPU108に対して、スキャナ画像処理部102の動作モードとして、簡易階調処理部102cおよび色補正処理部102dの動作を無効にする動作モードを設定するように指示するとともに、自動カラー判別部102bから出力される割込信号をエンジンCPU108が受信して、コントローラCPU5へ通知するように指示する。
【0129】
これにより、エンジンCPU108は、スキャナ画像処理部102の動作モードを設定するコントロールレジスタ(図示略)に、簡易階調処理部102cおよび色補正処理部102dの動作を無効にする動作モードを設定する値をセットする。
【0130】
このような動作モードが設定された後、図15の動作が行われる。すなわち、画像読取部1から読取出力される画像データは、スキャナ特性補正部2aに加えられて、シェーディング補正や、γ変換、フィルタ処理、色変換がそれぞれなされ、スキャナ特性補正部2aの出力データは、自動カラー判別部102bに入力されるとともに、出力制御部2eにより、コントローラ画像処理部103の入力制御部3aへと出力される。また、このとき出力制御部2eは、RGB線順次データにパッキングした状態で、画像データを出力する。
【0131】
入力制御部3aは、スキャナ画像処理部102からの画像データを入力処理し、入力処理した画像データを圧縮処理部3bへ転送する。圧縮処理部3bは、所定の圧縮処理を適用して画像データを圧縮し、圧縮後の画像データをRAM7へいったん保存する。また、この圧縮後の画像データは、蓄積制御部3fにより外部記憶ユニット4に適宜に蓄積される。
【0132】
1ページ分の圧縮後の画像データがRAM7へ蓄積されると、自動カラー判別部102bは、入力された1ページ分の画像データのカラー判別結果を、割込信号として出力し、その割込信号は、エンジンCPU108が受信する。そして、エンジンCPU108は、受信した割込信号の内容をコントローラCPU5へ通知する。
【0133】
それにより、コントローラCPU5は、色補正処理部103dおよび階調処理部103eに対して、読み取った画像データの判別結果がカラー画像であるかモノクロ画像であるかを通知する。
【0134】
これは、1ページ分画像データを読み取った後に、自動カラー判別部102bによってカラー判別を行う方が容易だからである。例えば、ページの先端部にカラー画像が存在する場合は画像読取部1で原稿を読み取っている最中でも自動カラー判別部102bがカラー原稿であることを判断することができるが、大部分がモノクロ画像でページの後端部にカラー画像が存在する場合は、画像読取部1で原稿を読み終わる頃にようやく自動カラー判別部102bがカラー原稿であることが判断できる。
【0135】
そのため、原稿がカラー原稿であるかモノクロ原稿であるか判断できないうちは、一旦RGBの画像データで蓄積しておき、自動カラー判別部102bが判断できた後でモノクロ画像や所定のRGBデータに変換することになる。
【0136】
そして、外部記憶ユニット4に適宜に蓄積した圧縮後の画像データは、伸張処理部3cに転送され、伸張処理部3cは、入力された圧縮画像データを元の画像データへ変換し(伸張処理)、色補正処理部103dへ転送する。
【0137】
色補正処理部103dは、コントローラCPU5から画像データの判別結果としてカラー画像が通知されている場合には、入力される画像データを出力形態に合わせた所定のRGBデータ(カラー画像データ)へ変換し、階調処理部103eへ出力する。この場合、階調処理部103eは、色補正処理部103dから入力したカラー画像データについては、階調処理を適用せずに、そのままRAM7へ蓄積する。
【0138】
また、色補正処理部103dは、コントローラCPU5から画像データの判別結果としてモノクロ画像が通知されている場合には、入力される画像データをモノクロ画像データへ変換し、階調処理部103eへ出力する。この場合、階調処理部103eは、色補正処理部103dから入力したモノクロ画像データについて、階調処理を適用し、例えば、2階調のモノクロ画像データ(二値画像データ)を形成して、RAM7へ蓄積する。
【0139】
なお、画像読取部1で画像データを読み取る処理は、これらの処理と比較して途中で止めることが困難であるため、画像読取部1の読み取りを優先して動作させ、処理の合間や余裕を利用して蓄積した画像データを変換すればよい。
【0140】
そして、RAM7に保存されたカラー画像データまたはモノクロ画像データは、コントローラCPU5により、通信制御部109へと転送される。
【0141】
本実施の形態においては、コントローラ画像処理部103がDMAC3jを有し、スキャナ画像処理部102がDMAC2gを有している。そして、どの経路でこれらDMACを用いたデータ転送を行うのかは、適宜に設定することができるので、具体的な説明は省略する。
【0142】
図16は、スキャナユニットUN5および通信ユニットUN4をともに接続した構成を備えたスキャナ装置におけるコントローラユニットUN11の概略構成、特に、画像処理部分についての構成の他の例を示している。以下、この構成を第2の実施の形態における「最小構成」という。なお、同図において、図14と同一部分および相当する部分には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0143】
この場合、増設インタフェース部ZZにコントローラ画像処理部103を装着していない構成となる。また、増設インタフェース部ZZでは、入力ポート、すなわち、スキャナ画像処理部102の出力ポートと、出力ポート、すなわち、コントローラCPU5のI/Fが信号線ZYで連結される態様となる。それにより、この場合には、コントローラCPU5は、スキャナ画像処理部102へのアクセスが可能となる。
【0144】
図17は、第2の実施の形態における最小構成の場合の画像データの処理の一例を示している。
【0145】
まず、この場合、コントローラCPU5は、スキャナ画像処理部102へアクセスすることができる。したがって、この場合、コントローラCPU5は、スキャナ画像処理部102のレジスタ2fをアクセスして、レジスタ2fに保存されているIDを読み込む。
【0146】
そして、スキャナ画像処理部102のレジスタ2fから読み込んだIDを調べる。この場合には、IDの値がスキャナ画像処理部102をあらわす値に一致するので、コントローラCPU5は、装置構成が最小構成であると認識する。
【0147】
それにより、コントローラCPU5は、スキャナ画像処理部102の簡易階調処理部102cおよび色補正処理部102dの動作を有効に設定し、自動カラー判別部102bから出力されるカラー判別結果をあらわす割込信号をコントローラCPU5が受信するように設定する。
【0148】
そして、コントローラCPU5は、エンジンCPU108に対して、スキャナ画像処理部102の動作モードとして、簡易階調処理部102cおよび色補正処理部102dの動作を有効にする動作モードを設定するように指示するとともに、自動カラー判別部102bから出力される割込信号を、コントローラCPU5が受信するように指示する。
【0149】
これにより、エンジンCPU108は、スキャナ画像処理部102の動作モードを設定するコントロールレジスタ(図示略)に、簡易階調処理部102cおよび色補正処理部102dの動作を有効にすると共に、コントローラCPU5に出力する割込信号を有効にする動作モードを設定する値をセットする。
【0150】
このような動作モードが設定された後、図17の動作が行われる。すなわち、画像読取部1から読取出力される画像データは、スキャナ特性補正部2aに加えられて、シェーディング補正や、γ変換、フィルタ処理、色変換がそれぞれなされ、スキャナ特性補正部2aの出力データは、自動カラー判別部102bに入力されるとともに、色補正処理部102dへ入力される。
【0151】
このとき、色補正処理部102dは、入力される画像データを出力形態に合わせた所定のRGBデータ(カラー画像データ)とモノクロ画像データの2種類の画像データを一度に変換し、その変換後のカラー画像データおよびモノクロ画像データを簡易階調処理部102cへ出力する。
【0152】
簡易階調処理部102cでは、入力されるカラー画像データについては階調処理を適用せずに出力制御部2eへ出力し、また、入力されるモノクロ画像データについては階調処理を適用して1画素あたり1ビットの二値画像データに変換し、出力制御部2eへ出力する。
【0153】
そして、出力制御部2eは、簡易階調処理部102cから入力したカラー画像データと、モノクロ画像データの2種類の画像データを、それぞれRAM7へ転送して保存する。
【0154】
このようにして、1ページ分のカラー画像データとモノクロ画像データがRAM7へ保存されると、自動カラー判別部102bは、入力された1ページ分の画像データのカラー判別結果を、割込信号として出力し、その割込信号は、コントローラCPU5に入力される。
【0155】
次に、コントローラCPU5は、画像データの判別結果としてカラー画像が通知されている場合には、RAM7に保存されているモノクロ画像データを破棄し、カラー画像データを通信制御部109へ転送する。画像データの判別結果としてモノクロ画像が通知されている場合には、RAM7に保存されているカラー画像データを破棄し、モノクロ画像データ(二値画像データ)を通信制御部109へ転送する。
【0156】
このような処理をする必要があるのは、「最小構成」の場合コントローラ画像処理部103が装着されていないので、外部記憶ユニット4に画像データを蓄積することができないからである。
【0157】
つまり、画像読取部1で画像データの読み取り処理を途中で止めることが困難であるがRAM7に保存できる画像データの量は少なく大量の画像データを蓄積することができない。そこで、一旦RGB蓄積をして後から変換するのではなく、最初からカラー画像データとモノクロ画像データの2種類を作成し、カラー原稿であるかモノクロ原稿であるかが判断できた時点で一方を選択して後の処理を行う。
【0158】
外部記憶ユニット4に画像を蓄積しないので画像データの再利用することがなく、選択した画像データは所定の処理が終われば破棄することが可能である。また他方のデータを即座に破棄することで、RAM7に多くの画像データを保存することはない。よって次々と画像データを処理することが可能である(代わりに1原稿を処理するのに必要なメモリサイズは一時的に増加することになる)。
【0159】
コントローラユニットUN11が、装置構成を判断する際に行う処理については、図13と同様として説明を省略する。
【0160】
また、本実施の形態で示した複合機に限らず、画像読取機能を備えた画像処理装置であれば、同様にして適用することができる。このとき最小構成であれば、CMYKのカラー画像データとモノクロ画像データを同時に作成すればよい。最大構成であれば一旦RGB蓄積をしてから、CMYKのカラー画像データとモノクロ画像データのいずれか一方の画像データを作成すればよい。
【0161】
したがって、第2の実施の形態にかかる画像処理装置においては、第1の実施の形態で示した効果の他に、最小構成の場合において、カラー画像データ及びモノクロ画像データのいずれの画像データであっても、再度画像処理を行わずに提供できる。これにより、利便性が向上する。
【0162】
なお、上述した実施の形態にかかる画像処理装置(又は画像形成装置)の制御を行うプログラム(例えばコントローラソフトウェア)は、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0163】
上述した実施の形態にかかる画像処理装置(又は画像形成装置)の制御を行うプログラム(例えばコントローラソフトウェア)は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0164】
さらに、上述した実施の形態にかかる画像処理装置(又は画像形成装置)の制御を行うプログラム(例えばコントローラソフトウェア)を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、上述した実施の形態にかかる画像処理装置(又は画像形成装置)の制御を行うプログラム(例えばコントローラソフトウェア)をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0165】
上述した実施の形態にかかる画像処理装置(又は画像形成装置)の制御を行うプログラム(例えばコントローラソフトウェア)は、様々な処理を行う構成を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはコントローラCPU5が、ROM6等から制御を行うためのプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置(RAM7)上にロードされ、各構成が主記憶装置(RAM7)上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0166】
UN1、UN11 コントローラユニット
UN2 操作表示ユニット
UN3 電源ユニット
UN4 通信ユニット
UN5 スキャナユニット
UN6 プロッタユニット
2、102 スキャナ画像処理部
2a スキャナ特性補正部
2b 簡易画像処理部
2c 簡易縮小画像生成部
2d 入力データ選択部
2e、8b 出力制御部
2f、3g、8c レジスタ
2g、3i、3j、8d DMAC
3、103 コントローラ画像処理部
4 外部記憶ユニット
3a 入力制御部
3b 圧縮処理部
3c 伸張処理部
3d 画像処理部
3e 縮小画像生成部
3f 蓄積制御部
102b 自動カラー判別部
102c 簡易階調処理部
102d 色補正処理部
4 外部記憶ユニット
5 コントローラCPU
7 RAM
8 プロッタ画像処理部
9 エンジンCPU
109 通信制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0167】
【特許文献1】特開2006−325260号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿画像を読み取るスキャナユニットを有する画像処理装置を制御するコントローラユニットであって、
前記スキャナユニットにより読み取られた画像データを正規化された画像データへ変換するスキャナ特性補正手段と、
前記スキャナ特性補正手段が変換した前記画像データに対して第1の所定の画像処理を行うコントローラ画像処理手段を着脱可能な着脱手段と、
前記着脱手段に前記コントローラ画像処理手段が挿着されていない場合に限り、前記スキャナ特性補正手段で変換された前記画像データに対して、前記第1の所定の画像処理を代替する第2の所定の画像処理を行う簡易画像処理手段と、
を備えたことを特徴とするコントローラユニット。
【請求項2】
前記スキャナ特性補正手段により変換された補正後の前記画像データに対して、第3の所定の複数の画像処理のうちいずれか一つ以上を行う第3の画像処理手段と、
前記画像データに対して、前記第3の画像処理手段により行われる前記第3の所定の複数の画像処理のうち、いずれか一つ以上の選択するデータ選択手段と、をさらに備え、
前記簡易画像処理手段は、前記第2の所定の画像処理として、前記データ選択手段により選択された、いずれか一つ以上の画像処理が行われた前記画像データから、当該画像データの縮小画像データを生成すること、
を特徴とする請求項1に記載のコントローラユニット。
【請求項3】
前記着脱手段に装着されたコントローラ画像処理手段は、前記スキャナ特性補正手段により変換された前記画像データを記憶手段に蓄積する蓄積制御手段を備え、前記スキャナ特性補正手段により変換された前記画像データ、又は前記蓄積制御手段により前記記憶手段に蓄積された前記画像データに対して、前記第1の所定の画像処理として縮小処理を行い、当該画像データの縮小画像データを生成すること、
前記簡易画像処理手段は、前記着脱手段に前記コントローラ画像処理手段が装着された場合に、縮小画像データの生成を行わないこと、
を特徴とする請求項2に記載の画像処理装置を制御するコントローラユニット。
【請求項4】
前記着脱手段に装着された前記コントローラ画像処理手段は、前記スキャナ特性補正手段で変換された前記画像データから縮小画像データを生成した後、さらに、異なる縮小条件で前記記憶手段に蓄積された前記画像データから縮小画像データを生成すること、を特徴とする請求項3に記載のコントローラユニット。
【請求項5】
前記着脱手段に装着された前記コントローラ画像処理手段は、線順次のRGB画像データを入力可能であり、画素順次のRGB画像データを出力可能であること、を特徴とする請求項3又は4に記載のコントローラユニット。
【請求項6】
前記簡易画像処理手段は、画素順次のRGBとCMYKの両方の画像データを入力可能であり、画素順次で出力可能であること特徴とする請求項2に記載のコントローラユニット。
【請求項7】
前記簡易画像処理手段は、前記コントローラ画像処理手段が行う前記第1の所定の画像処理に比べて、処理ステップ数が少ないこと、を特徴とする請求項2乃至6のいずれか一つに記載のコントローラユニット。
【請求項8】
前記着脱手段に前記コントローラ画像処理手段が装着されている場合に、前記コントローラ画像処理手段を識別するコントローラ識別情報を読み出し可能であり、当該コントローラ識別情報を読み出したか否かに基づいて、当該コントローラ画像処理手段が挿着されているか否かを判定する判定手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載のコントローラユニット。
【請求項9】
前記簡易画像処理手段は、前記着脱手段に前記コントローラ画像処理手段が装着されていない場合に限り、前記スキャナ特性補正手段により変換された前記画像データのカラー画像データとモノクロ画像データとを生成し、
前記スキャナ特性補正手段で変換された前記画像データが、カラー画像データであるかモノクロ画像データであるかを判別するカラー判別手段と、
前記カラー判別手段による判別結果に基づいて、前記前記簡易画像処理手段が生成した前記カラー画像データ及び前記モノクロ画像データのうちいずれか一つを用いて処理を行う処理手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のコントローラユニット。
【請求項10】
前記着脱手段に装着されたコントローラ画像処理手段は、前記スキャナ特性補正手段により変換された前記画像データを記憶手段に蓄積する蓄積制御手段を備え、前記第1の所定の画像処理として、前記スキャナ特性補正手段で変換された前記画像データを、前記蓄積制御手段により前記記憶手段に記憶した後、前記カラー判別手段の判別結果に基づいて、前記記憶手段に記憶された前記画像データを、カラー画像データ又はモノクロ画像データへ変換すること、
を特徴とする請求項9に記載のコントローラユニット。
【請求項11】
画像データを他の装置へ転送する通信手段をさらに備え、
前記簡易画像処理手段は、さらに、前記通信手段が前記画像データを転送する場合に限り、RGBのカラー画像データ及び前記モノクロ画像データを生成すること、
を特徴とする請求項10に記載のコントローラユニット。
【請求項12】
前記簡易画像処理手段が行う前記第2の所定の画像処理は、前記着脱手段に装着された前記コントローラ画像処理手段が行う前記第1の所定の画像処理に比べて、複雑度が小さいことを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一つに記載のコントローラユニット。
【請求項13】
原稿画像を読み取るスキャナユニットを有する画像処理装置を制御するコントローラユニットの制御方法であって、
前記コントローラユニットが、前記画像データに対して第1の所定の画像処理を行うコントローラ画像処理手段を着脱可能な着脱手段を備え、
スキャナ画像処理手段が、前記スキャナユニットにより読み取られた画像データを、正規化された画像データに変換するスキャナ特性補正ステップと、
簡易画像処理手段が、前記着脱手段に前記コントローラ画像処理手段が挿着されていない場合に限り、前記スキャナ特性補正手段で変換された前記画像データに対して、前記第1の所定の画像処理を代替する第2の所定の画像処理を行う簡易画像処理ステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項14】
第3の画像処理手段が、前記スキャナ特性補正手段により変換された補正後の前記画像データに対して、第3の所定の複数の画像処理のうちいずれか一つ以上を行う第3の画像処理ステップと、
データ選択手段が、前記画像データに対して、前記第3の画像処理手段により行われる前記第3の所定の複数の画像処理のうち、いずれか一つ以上の画像処理を選択するデータ選択ステップと、をさらに有し、
前記簡易画像処理ステップは、前記第2の所定の画像処理として、前記データ選択手段により選択された、いずれか一つ以上の画像処理が行われた前記画像データから、当該画像データの縮小画像データを生成すること、
を特徴とする請求項13に記載の制御方法。
【請求項15】
前記簡易画像処理ステップは、前記着脱手段に前記コントローラ画像処理手段が装着されていない場合に限り、前記スキャナ特性補正ステップにより変換された前記画像データのカラー画像データとモノクロ画像データとを生成し、
カラー判別手段が、前記スキャナ特性補正ステップで変換された前記画像データが、カラー画像データであるかモノクロ画像データであるかを判別するカラー判別ステップと、
処理手段が、前記カラー判別ステップによる判別結果に基づいて、前記簡易画像処理ステップが生成した前記カラー画像データ及び前記モノクロ画像データのうちいずれか一つを用いて処理を行う処理ステップと、
をさらに有することを特徴とする請求項13に記載の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−45764(P2010−45764A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−97121(P2009−97121)
【出願日】平成21年4月13日(2009.4.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】