コンバイン
【課題】蓋部材が機体フレームの下方に落ち込まないように構成して、蓋部材や機体フレームの破損を防止するようにしたコンバインを提供することを目的とする。
【解決手段】機体フレーム2に水平方向に回転自在に支持され、穀粒を受け入れる作用姿勢P1と、機外に開放されて作用姿勢から外れたメンテナンス姿勢P2とに姿勢切り換え可能に構成されたグレンタンク13が設けられたコンバイン100において、前記グレンタンク13の下部には、タンク内部と連通するように開口された掃除口23と、一端側がグレンタンク13外壁に連結部材を介して取り付けられ掃除口23を開閉する蓋部材25とが設けられ、前記機体フレーム2には、グレンタンクが作用姿勢P1にある状態で、前記蓋部材25が機体フレーム2より下方に回動しない位置で当接する横フレーム2cが設けられる。
【解決手段】機体フレーム2に水平方向に回転自在に支持され、穀粒を受け入れる作用姿勢P1と、機外に開放されて作用姿勢から外れたメンテナンス姿勢P2とに姿勢切り換え可能に構成されたグレンタンク13が設けられたコンバイン100において、前記グレンタンク13の下部には、タンク内部と連通するように開口された掃除口23と、一端側がグレンタンク13外壁に連結部材を介して取り付けられ掃除口23を開閉する蓋部材25とが設けられ、前記機体フレーム2には、グレンタンクが作用姿勢P1にある状態で、前記蓋部材25が機体フレーム2より下方に回動しない位置で当接する横フレーム2cが設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機体フレームに対して水平回動可能に支持されたグレンタンクを備えたコンバインに関し、より詳細には、グレンタンクの下部に開口された掃除口を開閉する蓋部材が設けられたコンバインの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジン後方の機体フレームにグレンタンクを水平回動自在に支持したコンバインの構成が公知であり、この種のコンバインのグレンタンクは、機体フレームに位置固定された作用姿勢と、作用姿勢から機外側方へ回動させたメンテナンス姿勢とに姿勢切換可能に構成されている。
【0003】
グレンタンクが作用姿勢にある状態では、コンバインの脱穀部で選別された精粒がグレンタンクのタンク内部に搬送されて貯溜され、またグレンタンクの底部に前後方向に配設された排出コンベアが回転駆動されてグレンタンク内の穀粒が排出オーガを介してトラック等へ排出される。一方、グレンタンクがメンテナンス姿勢にある状態では、本機内部側に配置した駆動系や油圧系が開放されてこれらのメンテナンスが行われ、グレンタンク内部の掃除等が行われる。
【0004】
また、このような従来のグレンタンクには、例えば特許文献1に開示されるように、グレンタンクの下部にタンク内部と連通するように掃除口が開口されて、この掃除口からグレンタンクの内下部に残る穀粒が取り出され、排出コンベアのメンテナンスが行えるように構成されている。そして、この掃除口には開口部を覆うように蝶番を介して蓋部材(掃除蓋)が開閉自在に取り付けられている(特許文献1参照)。
【特許文献1】実公平6−27086号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示されるような従来のコンバインでは、グレンタンクが作用姿勢にある状態で、蓋部材を回動操作して掃除口を開放すると、蓋部材が機体フレームの下方へ自重によって落ち込む構造であった。そのため、機体フレーム下方のクローラに蓋部材が接触して破損したり、この状態のままグレンタンクが作用姿勢からメンテナンス姿勢に切り換えられて、機体フレームに蓋部材が引っ掛かって破損したりする場合があった。特に、通常メンテナンス作業を行う際には、グレンタンクをメンテナンス姿勢に切り換えてから蓋部材を回動操作して掃除口を開放するが、誤って蓋部材が開放されたままの状態でグレンタンクをメンテナンス姿勢から作用姿勢に切り換えることのないように注意を要し、煩わしかった。
【0006】
そこで、本発明においては、コンバインに関し、前記従来の課題を解決するもので、蓋部材が機体フレームの下方に落ち込まないように構成して、蓋部材や機体フレームの破損を防止するようにしたコンバインを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
すなわち、請求項1においては、機体フレームに水平方向に回転自在に支持され、穀粒を受け入れる作用姿勢と、機外に開放されて作用姿勢から外れたメンテナンス姿勢とに姿勢切り換え可能に構成されたグレンタンクが設けられたコンバインにおいて、前記グレンタンクの下部には、タンク内部と連通するように開口された掃除口と、一端側がグレンタンク外壁に連結部材を介して取り付けられ掃除口を開閉する蓋部材とが設けられ、前記機体フレームには、グレンタンクが作用姿勢にある状態で、前記蓋部材が機体フレームより下方に回動しない位置で当接するストッパ部材が設けられるものである。
【0009】
請求項2においては、前記ストッパ部材は、前記機体フレームの横フレームが兼用されるものである。
【0010】
請求項3においては、前記連結部材は、グレンタンクが作用姿勢にある状態で、機体フレーム内方に配置され、前記蓋部材が機体側方に向けて回動されるものである。
【0011】
請求項4においては、前記ストッパ部材は、前記掃除口が開口された状態で、グレンタンクがメンテナンス姿勢から作用姿勢に切り換えられると、前記蓋部材に当接しながら前記掃除口を閉止する方向に回動させるものである。
【0012】
請求項5においては、前記機体フレームは、前記グレンタンクがメンテナンス姿勢にある状態で、前記蓋部材を回動操作して前記掃除口を開口しても、該蓋部材と当接しないように形成されるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0014】
請求項1に示す構成としたので、蓋部材が機体フレームより下方に落ち込むことがないため、グレンタンク13が作用姿勢にある状態や姿勢切り換えされる際に、蓋部材や機体フレーム等が破損するのを防止できる。
【0015】
請求項2に示す構成としたので、部品点数を低減できるとともに、従来の装置構成に容易に採用することができ、組立も容易である。
【0016】
請求項3に示す構成としたので、既存の機体フレームを構成する一部をストッパ部材として容易に用いることができる。
【0017】
請求項4に示す構成としたので、作業者が掃除口を閉じ忘れた場合であっても、グレンタンクの回動に伴って蓋部材が上方に自動的に回動されるため、蓋部材が機体フレームに引っ掛かって破損することがない。
【0018】
請求項5に示す構成としたので、蓋部材を下方に大きく完全に回動させて掃除口を広く開放することができ、グレンタンク内部のメンテナンス作業が容易となって作業性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係るコンバインの全体的な構成を示した側面図、図2は同じく図1のコンバインの平面図、図3はコンバインの右後方部の平面図、図4は作用姿勢のグレンタンクの平面図、図5は作用姿勢のグレンタンクの右側面図、図6はグレンタンクの正面図、図7はグレンタンク下部の正面断面図、図8は作用姿勢にあるグレンタンク前方下部の斜視図、図9はグレンタンク駆動部及び動力伝達機構の構成を表すスケルトン図、図10は駆動ケース前部の補強支持部の斜視図、図11は出力軸の取り付け状態を表す斜視図、図12は動力伝達機構の入力軸、出力軸及びジョイント部の配置を表す正面図、図13は係合ピンと受け部材とが係合する様子を表す図、図14はジョイント部を軸心方向から見た図、図15は蓋部材が下方に回動された状態と閉めた状態とを表す図、図16はグレンタンクの姿勢切り換えの様子を表す図である。
なお、以下の説明において、図2中の矢印方向を、コンバイン100の機体進行方向に対する左右方向とする。また、図5中の矢印方向を、グレンタンク13の前後方向とする。
【0020】
まず、本実施例のコンバイン100の全体構成ついて、以下に説明する。
図1及び図2に示すように、本実施例のコンバイン100は、クローラ式走行装置1上に機体フレーム2が載置され、機体フレーム2の前端に刈取部3が昇降可能に配設されている。刈取部3の前端に穀稈を分草するための分草板4が突出され、分草板4の後部に引起しケース5(引起し装置)が立設されている。引起しケース5にはタイン6が突出されており、タイン6が引起しケース5の周りを回動することにより穀稈が引き起こされ、分草板4後部に配設された刈刃7により穀稈の株元が刈り取られる。
【0021】
コンバイン100の機体フレーム2は、右側で機体前後方向に沿って延設された右フレーム2aと、右フレーム2aの最後部から機体左方向に延設された後フレーム2bと、右フレーム2aの中途部から平面視で運転席14とグレンタンク13との間に位置するように機体左方向に延設された横フレーム2c等とで構成されており、各フレーム2a・2b・2c等が同一平面上に位置するようにして連結されている(図4参照)。
【0022】
刈取部3で刈り取られた穀稈は、下部搬送装置、上部搬送装置、縦搬送装置8により後方へ搬送され、縦搬送装置8の後上端から株元がフィードチェン9に受け継がれ、脱穀部12内に搬送される。フィードチェン9の後端に排藁チェン10が配設され、この排藁チェン10の後部下方に排藁カッター装置、拡散コンベア等からなる排藁処理部11が形成されている。この排藁処理部11により、排藁が切断されて藁片にされ、この藁片を拡散しながら圃場に均一放出し、あるいは排藁を切断せずに放出するようにしている。なお、この排藁処理部11は、その右前部に設けられた回動支点11aを中心として機体後方に向けて回動可能に構成されている(図3参照)。
【0023】
脱穀部12の側方には、選別後の精粒を貯溜するグレンタンク13が配設され、グレンタンク13の前方に運転室14が配設され、後方に排出オーガ15の縦オーガ15aが立設され、運転室14の下方にエンジン30が配設されている。グレンタンク13は、縦オーガ15aを回動中心として機体側方へ回動自在とされ、グレンタンク13の内底部には、排出コンベア16が機体前後方向に配設され、エンジン30の駆動が排出コンベア16を介して排出オーガ15(縦送りコンベア26等)にまで伝達される(図9参照)。なお、グレンタンク13の詳細は、後述する。
【0024】
脱穀部12の下方には、脱穀部12から流下される穀粒や藁屑等(処理物)から穀粒を選別する選別部(図略)が配設され、この選別部によって選別された穀粒が、グレンタンク13の左側方に上下方向に配置された揚穀コンベア18へ搬送される。グレンタンク13の上部であって脱穀部12に対面する側部に受入口20が開口されており、揚穀コンベア18から搬送された穀粒が、グレンタンク13内部へと送り込まれ貯溜される。
【0025】
排出オーガ15は、下端が排出コンベア16と連通され穀粒を縦送りする縦オーガ15aと、この縦オーガ15aの上端に連通されて穀粒を横送りする横オーガ15bと、グレンタンク13の下部(駆動ケース21)と接続される連結部15cとで構成されている(図5参照)。縦オーガ15aは、グレンタンク13の後側に機体フレーム2に対して旋回可能に枢着され、縦送りコンベア26が内設されるとともに、上端に横オーガ15bの基端側が上下回動可能に枢着されている。
【0026】
連結部15cは、機体フレーム2に対して図示せぬ軸受け部材を介して回動自在に支持され、この連結部15cに縦オーガ15aが回動自在に連通されている。この連結部15cにおいて、排出コンベア16と縦送りコンベア26とが連動連結されており、グレンタンク13内の穀粒が排出コンベア16と縦送りコンベア26によって縦オーガ15aに搬送されて、横オーガ15b先端の排出口より機外に放出されるように構成されている。そして、グレンタンク13は、タンク部13aの後壁に設けられた回動部材27が縦オーガ15aの外側に回動自在に支持されることで、縦オーガ15a及び連結部15cを回動中心として水平回動自在に支持されている。
【0027】
図3に示すように、本実施例のグレンタンク13は、機体フレーム2に位置固定された作用姿勢P1と、作用姿勢から機外側方へ回動させたメンテナンス姿勢P2とに姿勢切り換え可能に構成されている。グレンタンク13が作用姿勢P1にある状態では、脱穀部12で選別された精粒がグレンタンク13のタンク内部に搬送されて貯溜され、またグレンタンク13の底部に配設された排出コンベア16が回転駆動されてグレンタンク13内の穀粒が排出オーガ15を介してトラック等へ排出される。一方、グレンタンク13がメンテナンス姿勢P2にある状態では、本機内部側に配置した駆動系や油圧系が開放されてこれらのメンテナンスが可能とされ、またグレンタンク13内部の掃除等を可能としている。
【0028】
縦オーガ15aの外側方と後方は、縦オーガカバー19にて覆われている。この縦オーガカバー19は、平面視略L字状に形成され、一端が排藁処理部11の右側壁に到達され、他端がグレンタンク13の後壁に到達されるように構成されている。具体的には、縦オーガカバー19は、グレンタンク13の後方に立設された後部縦フレーム(図略)に着脱可能に取り付けられ、この後部縦フレームに取り付けられた状態で縦オーガ15aの側方と後方が完全に覆われる。
【0029】
本実施例では、縦オーガカバー19は、後部が排藁処理部11の回動支点11aよりも前方に配置され、上述した後部縦フレームに取り付けられた状態で、排藁処理部11の回動操作を妨げない位置に取り付けられている。そのため、排藁処理部11を開閉する際に、縦オーガカバー19を着脱する必要がなく、排藁カッター装置や拡散コンベア等のメンテナンスが容易となる。一方で、縦オーガカバー19を後部縦フレームから一旦取り外さなければグレンタンク13を回動操作できないように構成されており、縦オーガカバー19が自動的に開閉して不用意に脱落しないように構成されている。
【0030】
以下、グレンタンク13及びグレンタンク13の周辺構造について、順に説明する。
図4乃至図7に示すように、グレンタンク13は、タンク部13aと、タンク部13aの内部下方に配置された排出コンベア16と、この排出コンベア16を回転駆動可能に支持する駆動ケース21と、駆動ケース21の一側に設けられ機体本体からの回転駆動を伝達する駆動ギアケース22等とで構成されている。
【0031】
タンク部13aは、グレンタンク13が作用姿勢P1にある状態で、上部が機体内部側及び前方に広く、下部が狭くなるように形成され、より詳細には、前上部と機体左上部が略台形状に膨出形成され、容量ができるだけ大きくなるように形成されている。また、このタンク部13aは、底部がすり鉢状に形成されるとともに前後方向に開口されている。タンク部13aの開口下端に、上述した駆動ケース21が下方から接続されて、駆動ケース21に支持された排出コンベア16がタンク部13aの底部に配置される。
【0032】
駆動ケース21は、上述したタンク部13aの底部に沿って取り付けられる底プレート部21aと、底プレート部21aの前後両端に垂直方向に取り付けられる補強支持部21b・21c等とで構成されている。そして、この底プレート部21aと補強支持部21b・21cとがタンク部13aの底部に当接して図示せぬボルト等で固定されている。
【0033】
底プレート部21aには、タンク部13aの内部と連通するように開口された掃除口23が機体下方に向けて開口され、掃除口23の前後方向の幅はタンク部13aの下部の前後幅と略同等長さとしている。この掃除口23の周縁にヒンジ部材24の一端が取り付けられ、ヒンジ部材24に掃除口23を開閉する蓋部材25の一端が取り付けられている。ヒンジ部材24は、前後方向に沿って複数(本実施例では2箇所)設けられ、ヒンジ部材24と接続された蓋部材25が機体外方側(右側方)から開閉操作可能となるように構成されている。また、蓋部材25は、遊端側がボルトまたはワンタッチ係止具等の締結部材28によって駆動ケース21に締結される。そして、グレンタンク13がメンテナンス姿勢P2にある状態で蓋部材25が下方に回動され、掃除口23からタンク部13aの内部に取り出すことができず残留している籾や塵埃等を取り出してメンテナンス作業が行われる。
【0034】
補強支持部21b・21cは、グレンタンク13下部の前面及び後面に取り付けられ、補強支持部21bによって排出コンベア16の前端が支持されている。なお、排出コンベア16の後端は、上述した連結部15cにて支持されている。グレンタンク13の前面に取り付けられる補強支持部21bには、ベベルギア機構32(図9参照)が内設された駆動ギアケース22が設けられており、補強支持部21bから突出された排出コンベア16の突出端がベベルギア機構32と接続されている。また、グレンタンク13の後面に取り付けられる補強支持部21cには、上述した連結部15cが接続され、補強支持部21cから突出された排出コンベア16の突出端が、連結部15c内部で縦オーガ15aの縦送りコンベア26とベベルギアを介して連動連結されている。このような構成とすることで、駆動ギアケース22を介して排出コンベア16に伝達されたエンジン30の回転駆動が、縦送りコンベア26へと伝達されるように構成されている。
【0035】
補強支持部21bには、駆動ギアケース22の他にグレンタンク13を作用姿勢P1で位置決めして固定する位置決め機構35が構成されている(図10及び図12参照)。この位置決め機構35は、枢軸ボルト36によって補強支持部21bに上下回動自在に取り付けられたフック状の係合部材37と、一端が係合部材37と連結され長手方向中途部がばね部材38を介して補強支持部21bに接続された操作レバー39等とで構成されている。係合部材37は、操作レバー39を介してばね部材38によって先端が下方(係合方向)に回動される方向に付勢されている。そして、操作レバー39を揺動操作することで、ばね部材38の付勢力に抗して枢軸ボルト36を中心に係合部材37を解除方向に回動させることができる。
【0036】
このような構成とすることで、グレンタンク13が作用姿勢P1にある状態で、機体フレーム2(横フレーム2cの上面)に設けられた位置決め孔40(図12)に係合部材37が自動的に係合され、グレンタンク13の回動操作が規制されて位置決めされる。また、操作レバー39を揺動操作することで、係合部材37と位置決め孔40との係合を容易に解消させることができ、グレンタンク13が回動自在とされて姿勢切り換えを行うことができる。
【0037】
図4乃至図8に示すように、コンバイン100は、グレンタンク13が機体フレーム2に対して回動支点位置(縦オーガ15a)で回動自在に支持される構成としていることから、自重によって下方に傾斜するグレンタンク13の遊端側を機体フレーム2に支持するための支持構造が設けられている。具体的には、グレンタンク13の底部であって、遊端側の補強支持部21bに取り付けられた駆動ギアケース22が、補強支持部21bよりも下方に突出して、グレンタンク13が姿勢切り換えされる際に機体フレーム2(右フレーム2a及び横フレーム2c)の上面と摺接するように構成されている。
【0038】
駆動ギアケース22は、正面視略矩形に形成され、後面側に形成したフランジ部22aの周囲が補強支持部21bにボルト51・51・・・によって着脱可能に取り付けられている。このフランジ部22aは、下縁部に水平面を有し、補強支持部21bに取り付けられた状態で補強支持部21bの下縁部よりもフランジ部22aが下方に突出されている。このフランジ部22aは、グレンタンク13が姿勢切り換えされる際に、縦オーガ15aを回動支点として略円弧軌道に沿って機体フレーム2(右フレーム2a及び横フレーム2c)の上面を摺接される。また、フランジ部22aは、グレンタンク13が作用姿勢P1にある状態では、機体フレーム2(横フレーム2c)上で停止されて、グレンタンク13の反回動支点側を支持するように構成されている。
【0039】
ここで、駆動ギアケース22は、機体フレーム2とは異なる素材により形成されている。この駆動ギアケース22の素材は、特に限定するものではないが、機体フレーム2に対して駆動ギアケース22(フランジ部22a)の摩擦係数が低い素材が好ましく用いられる。通常、機体フレーム2が鉄鋼管又は鉄板より成型されるため、例えば、機体フレーム2に対して硬度の異なる鉄系の素材や、ステンレス・銅・アルミとその合金等の素材や、さらにはポリアセタール等の高分子樹脂系の素材により形成されたものが用いられる。また、駆動ギアケース22の全体をこれらの素材より形成する必要はなく、少なくとも前記フランジ部22aがこのような素材(機体フレーム2と異なる素材)より形成されればよい。さらに、鉄板より成型された駆動ギアケース22に対して、表面に樹脂系の素材をコーティング処理したものを用いてもよい。
【0040】
以上のように、本実施例のコンバイン100は、グレンタンク13の底部に取り付けられた駆動ケース21に、機体フレーム2とは異なる素材により形成されグレンタンク13の姿勢が切り換えられる際に右フレーム2a及び横フレーム2cの上面と摺接されるフランジ部22aが設けられているため、グレンタンク13の水平回動操作を容易かつスムーズに行うことができる。そして、駆動ケース21に設けられたフランジ部22aが、グレンタンク13のすらし部材を兼ねるように構成されているため、グレンタンク13を支持するためのすらし部材を別途設ける必要がなく、コンバイン100の組立工程を低減して、部品点数を削減できる。
【0041】
特に、本実施例では、上述したフランジ部22aが、駆動ケース21に取り付けられた駆動ギアケース22に設けられるため、駆動ギアケース22の一部をフランジ部22aとして兼用でき部品点数を低減できる。また、このフランジ部22aが駆動ギアケース22の下縁部よりも下方に突出されるため、駆動ギアケース22やグレンタンク13を構成するその他の部材が機体フレーム2に摺接されることがなく、グレンタンク13をよりスムーズに回動操作できるとともに、機体フレーム2に接触して破損等するのを防止できる。さらに、このフランジ部22aは、グレンタンク13の反回動支点側の下端部に形成されるため、グレンタンク13を支持する際の安定性が向上する。
【0042】
なお、フランジ部22aは、駆動ギアケース22の下端に設けられるだけでなく、例えば、駆動ケース21を構成する補強支持部21bの下端に設けてもよい。この場合には、フランジ部22aと駆動ケース21を同一部材により形成すれば、容易に製作することができる。また、フランジ部22aを設ける位置も、必ずしもグレンタンク13の反回動支点側の端部に設ける必要はなく、グレンタンク13を安定に回動操作できるように支持できる位置であればよい。
【0043】
図9乃至図14に示すように、本実施例のコンバイン100は、エンジン30の動力が動力伝達機構31を介して排出コンベア16に伝達されて、排出コンベア16が回転駆動されるように構成されている。この動力伝達機構31は、上述したグレンタンク13の反回動支点側に設けられ駆動ギアケース22を介して排出コンベア16と連結される入力軸41と、機体フレーム2に支持されてエンジン30によって回転駆動される出力軸42と、入力軸41の一端と出力軸42の一端とをカップリングさせて出力軸42の回転駆動を入力軸41に伝達させるジョイント部43等とで構成されている。
【0044】
入力軸41は、駆動ギアケース22に回転可能に支持されており、排出コンベア16の軸心に対して直交する方向、すなわち機体横幅方向であってグレンタンク13の左方に向けて突出されている。つまり、入力軸41に伝達された動力が駆動ギアケース22によって伝動向きが90度変更されるように構成されている。この入力軸41の駆動ギアケース22内部の一端は、ベベルギア機構32(図9参照)を介して排出コンベア16と連結されている。また、入力軸41の突出端は、図13に示すように、先端に向けて半径方向長さが徐々に小さくなるようにテーパ状に形成され、先端から駆動ギアケース22よりの位置に係合ピン44が軸心方向に対して直角にかつ外周面から突設するように貫通されている。ただし、この係合ピン44は、入力軸41の外周面から一方に突出して設けられてもよい。
【0045】
出力軸42は、機体本体側であって運転室14の後方かつグレンタンク13の前方空間に配置され、機体横幅方向に横設されている。出力軸42の一端に伝動プーリ45が固設されており、エンジン30の出力軸46に固設された出力プーリ47との間でベルトテンション式のクラッチ機構48が構成されている。このクラッチ機構48を介してエンジン30の駆動が出力軸42に伝達されて、出力軸42が回転駆動される。また、出力軸42の他端すなわちクラッチ機構48より機体側方に向けて延出された端部には、受け部材49が設けられており、支持部材50によって機体フレーム2に対して回動自在に支持されている。
【0046】
ジョイント部43は、上述した係合ピン44と受け部材49とで構成され、受け部材49に係合ピン44が係合(カップリング)されることで、入力軸41と出力軸42とが一体的に回転されるように構成されている。受け部材49について詳述すると、この受け部材49は、断面略円筒状に形成され、中心部に穿設され入力軸の先端が挿入される導入孔49aと、側壁に軸心方向に沿って溝切りされて係合ピン44が係合される係合溝49bと、受け部材49の先端から係合溝49bまで円周方向に沿って側壁が滑らかに面取りされて形成されたガイド部49c等とが構成されている。
【0047】
ジョイント部43は、係合ピン44と受け部材49とがグレンタンク13の姿勢切り換えに応じて係脱されるように構成されている。すなわち、グレンタンク13は、上述したように排出オーガ15(縦オーガ15a)を回動支点として姿勢切り換え可能に構成されており、グレンタンク13がメンテナンス姿勢P2から作用姿勢P1に切り換えられると、係合ピン44と受け部材49とがカップリングされて、出力軸42と入力軸41とが一体回転可能な状態(カップリングされた状態)で連結される。一方で、グレンタンク13が作用姿勢P1からメンテナンス姿勢P2に姿勢切り換えされると、係合ピン44が受け部材49から脱離されてカップリングが解消される。
【0048】
図13及び図14を参照して、受け部材49に係合ピン44が係合される機構について説明すると、まず、グレンタンク13の回動に伴って、係合ピン44が出力軸42の軸心方向に沿って受け部材49に近づき、やがて受け部材49のガイド部49cに当接される。ガイド部49cは、上述したように係合溝49bまで円周方向に面取りされているため、入力軸41の先端が導入孔49aに挿入されるにつれて、係合ピン44がガイド部49cに摺接して、ガイド部49cの形状に沿って入力軸41(若しくは出力軸42)が僅かに回動されていく。該ガイド部49cの傾斜は、係合ピン44がガイドされて入力軸41が回動するとき、排出コンベア16が排出方向とは逆の方向(逆転方向とする)するように構成されている。つまり、従来では正逆どちらに回動するかは判らなかったが、本実施例のごとく、ジョイントを結合するとき、ガイド部49cの傾斜により排出コンベア16は常に逆転方向に回動する。
【0049】
そして、係合ピン44が係合溝49bに到達すると、入力軸41の先端が導入孔49aに完全に挿入されるとともに、係合ピン44が係合溝49bの最奥部まで到達される。このような状態が、入力軸41と出力軸42がカップリングされた状態である。かかる状態では、入力軸41と出力軸42とジョイント部43とが同一軸心上に位置されている。このように配置することで、動力伝達機構31をコンパクトに形成しつつ、動力の伝達効率を向上させることができる。
【0050】
特に、本実施例では、入力軸41が駆動ギアケース22よりわずかに突出され、出力軸42の受け部材49が作用姿勢P1にある状態のグレンタンク13に近接するように延出されて、ジョイント部43がグレンタンク13の近傍で形成されている(図12参照)。つまり、グレンタンク13が作用姿勢P1にある状態で、ジョイント部43がグレンタンク13に近傍し、駆動ギアケース22の回動軌道上に近接する位置に形成されている。このように構成することで、ジョイント部34において出力軸42に対して入力軸41を直線運動に近い方向から係合させることができ、これらを確実に係合させることができる。また、ジョイント部43での遊びを減らして、エンジン30の駆動を出力軸42から入力軸41に確実に伝達できるようにしている。
【0051】
以上のように、本実施例のコンバイン100は、動力伝達機構31において、エンジン30からの回転駆動を入力軸41と出力軸42とを介して排出コンベア16まで伝達させるとともに、グレンタンク13が回動される際には、ジョイント部43にて入力軸41と出力軸42とが軸心方向に沿って係脱されて、グレンタンク13の姿勢切り換えを行うように構成されている。そのため、グレンタンク13の姿勢切り換え時には、ジョイント部43を手動操作することなく入力軸41と出力軸42とを係脱させることができ、より簡易な構成で、グレンタンク13の姿勢切り換えをスムーズに行うことができるように構成されている。
【0052】
特に、上述したジョイント部43のように構成することで、ジョイント部43での係合時に、入力軸41と出力軸42とが軸心方向に対して上下方向若しくは左右方向に多少ずれていても、自動的に位置合わせされて、確実に係合させることができる。なお、ジョイント部43を構成する係合ピン44及び受け部材49の構成は、これに限定されず、係合ピン44が係合溝49bにガイドされることで入力軸41と出力軸42とがカップリングできるような構成であればよく、例えば、受け部材49として係合溝49b及び/又はガイド部49cが複数設けられてもよい。また、入力軸41及び出力軸42のいずれか一方に、係合ピン44及び受け部材49がそれぞれ設けられればよい。
【0053】
上述したように、コンバイン100には、グレンタンク13の下部に開口された掃除口23を開閉する蓋部材25が設けられており、この蓋部材25は、ヒンジ部材24を介して駆動ケース21の下面に機体右側方から回動操作可能に取り付けられている。そして、本実施例では、グレンタンク13が作用姿勢P1にある状態で機体フレーム2より下方に落ち込まないように蓋部材25の回動を規制する構造と、グレンタンク13がメンテナンス姿勢P2にある状態で機体フレーム2と接触しないように蓋部材25の自由回動を許容する構造とがそれぞれ設けられている。
【0054】
まず、図4、図8及び図15に示すように、蓋部材25の前端を下方に折り曲げ、または、プレートを上下に固設して前端部25aを形成し、該前端部25aの下端の位置が機体フレーム2の上面と略一致するように構成している。つまり、フランジ部22aの下端と略同じ高さとしている。コンバイン100は、グレンタンク13が作用姿勢P1にある状態で、蓋部材25の前端部25aが平面視において横フレーム2cと重なるように、蓋部材25の前端部25aの直下方位置に横フレーム2cが配置されている。
【0055】
通常、横フレーム2cの上面から蓋部材25の回動支点であるヒンジ部材24までの上下高さ(長さ)は、蓋部材25の幅方向長さよりも短く構成されることから、蓋部材25が下方に回動されると前端部25aが横フレーム2cの上面に当接して、蓋部材25は半開き状態となるが、本実施例の如く構成することで、前端部25a下端が横フレーム2c上面に当接して、下方へは回動できないのである。すなわち、グレンタンク13が作用姿勢P1にある状態では、蓋部材25が機体フレーム2(横フレーム2c)より下方に落ち込むことがない。
【0056】
図15(a)に示すように、蓋部材25の前端部25aの直下方位置に横フレーム2cなどの蓋部材25の回動を規制する部材(ストッパ部材)がない状態では、蓋部材25が自重によってヒンジ部材24から垂下される。特に、グレンタンク13が作用姿勢P1にある状態で、蓋部材25がこのように垂下されると、機体フレーム2の下方に配設されたクローラ式走行装置1に蓋部材25が接触して汚れたり、かかる状態でグレンタンク13がメンテナンス姿勢に姿勢切り換えようとすると、右フレーム2aに蓋部材25が接触して蓋部材25や機体フレーム2等が破損等する場合がある。
【0057】
一方で、図15(b)に示すように、蓋部材25の前端部25aの直下方位置に横フレーム2c(ストッパ部材)が配置されることで、蓋部材25が横フレーム2cの上面に当接されて下方への回動が規制される。つまり、上述したように蓋部材25が機体フレーム2より下方に落ち込むことがないため、グレンタンク13が作用姿勢P1にある状態や姿勢切り換えされる際に、蓋部材25や機体フレーム2等が破損するのを防止できる。また、グレンタンク13内に穀粒を大量に収納した状態で、誤って締結部材28を外しても蓋部材25は大きく開くことがなく、穀粒をこぼすことがないのである。また、蓋部材25が機体側方に向けて回動されるように設けられているため、既存の機体フレーム2を構成する横フレーム2cをこのようなストッパ部材として容易に用いることができる。
【0058】
特に、本実施例では、蓋部材25の下方の回動を規制するストッパ部材として横フレーム2cを兼用しているので、部品点数を低減できるとともに、蓋部材25の前端部25aの形状を変更等すれば従来の装置構成に容易に採用することができ、組立も容易である。ただし、ストッパ部材として、機体フレーム2を構成する横フレーム2cを兼用するのではなく、蓋部材25の下面に当接するストッパ部材を別途設けるようにしてもよい。この場合には、ストッパ部材は、必ずしも前端部25aの直下方位置に配置されなくてもよく、また、グレンタンク13が作用姿勢P1にある状態で、蓋部材25の下方回動を規制するように、機体フレーム2よりも上方位置で蓋部材25と当接するようにしてもよい。
【0059】
また、図3、図4及び図16に示すように、コンバイン100は、機体フレーム2の機体右後方、すなわち右フレーム2aと後フレーム2bとの連結部2dにおいて、右フレーム2aの後端部が機体左斜後方へと面取りされて、グレンタンク13がメンテナンス姿勢P2にある状態で、蓋部材25と機体フレーム2(連結部2d)とが接触せずに蓋部材25の自由回動を可能となるように構成されている。
【0060】
図16(a)に示すように、グレンタンク13がメンテナンス姿勢P2にある状態では、グレンタンク13は縦オーガ15aから機体側方に向けて機体前後方向に対して略直角となるようにして停止されている。このような状態で、右フレーム2aと後フレーム2bとの連結部2dが、平面視において蓋部材25と重ならないように機体内側に傾斜するようにして形成されている。かかる状態においては、蓋部材25は、下方に回動されても機体フレーム2(連結部2d)に当接しないため、自在に回動操作が可能であり、グレンタンク13内部のメンテナンス等を行うことができる。
【0061】
図16(b)に示すように、グレンタンク13がメンテナンス姿勢P2から作用姿勢P1に姿勢切り換えされる際には、グレンタンク13が縦オーガ15aを回動支点として機体内方へ向けて反時計回りに回動され、図16(c)に示すように、グレンタンク13が完全に作用姿勢P1で停止された状態では、上述したように、平面視で蓋部材25の前端部25aが横フレーム2cと重なるように構成されており、蓋部材25の下方への回動が規制されている。
【0062】
ここで、本実施例では、上述した掃除口23が開口された状態、すなわち蓋部材25が下方に回動された(自重により垂下された)状態で、グレンタンク13がメンテナンス姿勢P2から作用姿勢P1へと姿勢切り換えされると、下方へ回動された(垂下された)蓋部材25の遊端側が機体フレーム2に当接しながら、掃除口23を閉止する方向(上方)に徐々に回動されるように構成されている。具体的には、グレンタンク13の回動に伴って、平面視において右フレーム2a及び連結部2dが蓋部材25と徐々に重なるように構成されている(図16(b)参照)。つまり、右フレーム2a及び連結部2dが、蓋部材25の回動を規制するストッパ部材として作用するように構成されている。
【0063】
このような構成とすることで、グレンタンク13の姿勢を切り換える際に、作業者が掃除口23を閉じ忘れた場合であっても、グレンタンク13の回動に伴って蓋部材25が上方に自動的に回動されるため、蓋部材25が機体フレーム2に引っ掛かって破損するようなことがない。なお、グレンタンク13が作用姿勢P1にあって、蓋部材25が横フレーム2cの上面に係止された状態から、グレンタンク13をメンテナンス姿勢P2に姿勢を切り換えると、上述した過程とは逆に、グレンタンク13の回動に伴って蓋部材25が自動的に下方に回動される。
【0064】
以上のように、機体フレーム2を、グレンタンク13がメンテナンス姿勢P2にある状態で、蓋部材25を下方に回動させても蓋部材25と当接しないように、右フレーム2aと後フレーム2bとの連結部2dを斜めに面取りするように形成することで、蓋部材25を下方に大きく完全に回動させて、掃除口23を広く開放することができ、グレンタンク13内部のメンテナンス作業が容易となって作業性が向上する。また、掃除口23及び蓋部材25を長手方向(グレンタンク13の前後方向)に大型化することができ、かかるメンテナンス作業をより容易に行うことができる。さらに、機体右後方が斜めに面取りされることで、コンバイン100をよりコンパクトに形成することができる。
【0065】
なお、上述した蓋部材25の回動規制構造を設けたコンバイン100において、例えば、グレンタンク13の回動操作に応じて蓋部材25が上下回動されるように構成すれば、掃除口23をグレンタンク13の姿勢切り換えに応じて自動的に開閉させることができる。本実施例では、蓋部材25の遊端側がボルト28によって駆動ケース21にネジ締め固定されるが、このような構成によれば、ボルト28が不要となり、蓋部材25の開閉操作を手動でする必要がなくなり、メンテナンス等の作業性がより向上される。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施例に係るコンバインの全体的な構成を示した側面図。
【図2】同じく図1のコンバインの平面図。
【図3】コンバインの右後方部の平面図。
【図4】作用姿勢のグレンタンクの平面図。
【図5】作用姿勢のグレンタンクの右側面図。
【図6】グレンタンクの正面図。
【図7】グレンタンク下部の正面断面図。
【図8】作用姿勢にあるグレンタンク前方下部の斜視図。
【図9】グレンタンク駆動部及び動力伝達機構の構成を表すスケルトン図。
【図10】駆動ケース前部の補強支持部の斜視図。
【図11】出力軸の取り付け状態を表す斜視図。
【図12】動力伝達機構の入力軸、出力軸及びジョイント部の配置を表す正面図。
【図13】係合ピンと受け部材とが係合する様子を表す図。
【図14】ジョイント部を軸心方向から見た図。
【図15】蓋部材が下方に回動された状態と閉めた状態とを表す図。
【図16】グレンタンクの姿勢切り換えの様子を表す図。
【符号の説明】
【0067】
2 機体フレーム
2c 横フレーム
13 グレンタンク
16 排出コンベア
21 駆動ケース
23 掃除口
24 ヒンジ部材
25 蓋部材
25a 前端部
100 コンバイン
P1 作用姿勢
P2 メンテナンス姿勢
【技術分野】
【0001】
本発明は、機体フレームに対して水平回動可能に支持されたグレンタンクを備えたコンバインに関し、より詳細には、グレンタンクの下部に開口された掃除口を開閉する蓋部材が設けられたコンバインの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジン後方の機体フレームにグレンタンクを水平回動自在に支持したコンバインの構成が公知であり、この種のコンバインのグレンタンクは、機体フレームに位置固定された作用姿勢と、作用姿勢から機外側方へ回動させたメンテナンス姿勢とに姿勢切換可能に構成されている。
【0003】
グレンタンクが作用姿勢にある状態では、コンバインの脱穀部で選別された精粒がグレンタンクのタンク内部に搬送されて貯溜され、またグレンタンクの底部に前後方向に配設された排出コンベアが回転駆動されてグレンタンク内の穀粒が排出オーガを介してトラック等へ排出される。一方、グレンタンクがメンテナンス姿勢にある状態では、本機内部側に配置した駆動系や油圧系が開放されてこれらのメンテナンスが行われ、グレンタンク内部の掃除等が行われる。
【0004】
また、このような従来のグレンタンクには、例えば特許文献1に開示されるように、グレンタンクの下部にタンク内部と連通するように掃除口が開口されて、この掃除口からグレンタンクの内下部に残る穀粒が取り出され、排出コンベアのメンテナンスが行えるように構成されている。そして、この掃除口には開口部を覆うように蝶番を介して蓋部材(掃除蓋)が開閉自在に取り付けられている(特許文献1参照)。
【特許文献1】実公平6−27086号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示されるような従来のコンバインでは、グレンタンクが作用姿勢にある状態で、蓋部材を回動操作して掃除口を開放すると、蓋部材が機体フレームの下方へ自重によって落ち込む構造であった。そのため、機体フレーム下方のクローラに蓋部材が接触して破損したり、この状態のままグレンタンクが作用姿勢からメンテナンス姿勢に切り換えられて、機体フレームに蓋部材が引っ掛かって破損したりする場合があった。特に、通常メンテナンス作業を行う際には、グレンタンクをメンテナンス姿勢に切り換えてから蓋部材を回動操作して掃除口を開放するが、誤って蓋部材が開放されたままの状態でグレンタンクをメンテナンス姿勢から作用姿勢に切り換えることのないように注意を要し、煩わしかった。
【0006】
そこで、本発明においては、コンバインに関し、前記従来の課題を解決するもので、蓋部材が機体フレームの下方に落ち込まないように構成して、蓋部材や機体フレームの破損を防止するようにしたコンバインを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
すなわち、請求項1においては、機体フレームに水平方向に回転自在に支持され、穀粒を受け入れる作用姿勢と、機外に開放されて作用姿勢から外れたメンテナンス姿勢とに姿勢切り換え可能に構成されたグレンタンクが設けられたコンバインにおいて、前記グレンタンクの下部には、タンク内部と連通するように開口された掃除口と、一端側がグレンタンク外壁に連結部材を介して取り付けられ掃除口を開閉する蓋部材とが設けられ、前記機体フレームには、グレンタンクが作用姿勢にある状態で、前記蓋部材が機体フレームより下方に回動しない位置で当接するストッパ部材が設けられるものである。
【0009】
請求項2においては、前記ストッパ部材は、前記機体フレームの横フレームが兼用されるものである。
【0010】
請求項3においては、前記連結部材は、グレンタンクが作用姿勢にある状態で、機体フレーム内方に配置され、前記蓋部材が機体側方に向けて回動されるものである。
【0011】
請求項4においては、前記ストッパ部材は、前記掃除口が開口された状態で、グレンタンクがメンテナンス姿勢から作用姿勢に切り換えられると、前記蓋部材に当接しながら前記掃除口を閉止する方向に回動させるものである。
【0012】
請求項5においては、前記機体フレームは、前記グレンタンクがメンテナンス姿勢にある状態で、前記蓋部材を回動操作して前記掃除口を開口しても、該蓋部材と当接しないように形成されるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0014】
請求項1に示す構成としたので、蓋部材が機体フレームより下方に落ち込むことがないため、グレンタンク13が作用姿勢にある状態や姿勢切り換えされる際に、蓋部材や機体フレーム等が破損するのを防止できる。
【0015】
請求項2に示す構成としたので、部品点数を低減できるとともに、従来の装置構成に容易に採用することができ、組立も容易である。
【0016】
請求項3に示す構成としたので、既存の機体フレームを構成する一部をストッパ部材として容易に用いることができる。
【0017】
請求項4に示す構成としたので、作業者が掃除口を閉じ忘れた場合であっても、グレンタンクの回動に伴って蓋部材が上方に自動的に回動されるため、蓋部材が機体フレームに引っ掛かって破損することがない。
【0018】
請求項5に示す構成としたので、蓋部材を下方に大きく完全に回動させて掃除口を広く開放することができ、グレンタンク内部のメンテナンス作業が容易となって作業性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係るコンバインの全体的な構成を示した側面図、図2は同じく図1のコンバインの平面図、図3はコンバインの右後方部の平面図、図4は作用姿勢のグレンタンクの平面図、図5は作用姿勢のグレンタンクの右側面図、図6はグレンタンクの正面図、図7はグレンタンク下部の正面断面図、図8は作用姿勢にあるグレンタンク前方下部の斜視図、図9はグレンタンク駆動部及び動力伝達機構の構成を表すスケルトン図、図10は駆動ケース前部の補強支持部の斜視図、図11は出力軸の取り付け状態を表す斜視図、図12は動力伝達機構の入力軸、出力軸及びジョイント部の配置を表す正面図、図13は係合ピンと受け部材とが係合する様子を表す図、図14はジョイント部を軸心方向から見た図、図15は蓋部材が下方に回動された状態と閉めた状態とを表す図、図16はグレンタンクの姿勢切り換えの様子を表す図である。
なお、以下の説明において、図2中の矢印方向を、コンバイン100の機体進行方向に対する左右方向とする。また、図5中の矢印方向を、グレンタンク13の前後方向とする。
【0020】
まず、本実施例のコンバイン100の全体構成ついて、以下に説明する。
図1及び図2に示すように、本実施例のコンバイン100は、クローラ式走行装置1上に機体フレーム2が載置され、機体フレーム2の前端に刈取部3が昇降可能に配設されている。刈取部3の前端に穀稈を分草するための分草板4が突出され、分草板4の後部に引起しケース5(引起し装置)が立設されている。引起しケース5にはタイン6が突出されており、タイン6が引起しケース5の周りを回動することにより穀稈が引き起こされ、分草板4後部に配設された刈刃7により穀稈の株元が刈り取られる。
【0021】
コンバイン100の機体フレーム2は、右側で機体前後方向に沿って延設された右フレーム2aと、右フレーム2aの最後部から機体左方向に延設された後フレーム2bと、右フレーム2aの中途部から平面視で運転席14とグレンタンク13との間に位置するように機体左方向に延設された横フレーム2c等とで構成されており、各フレーム2a・2b・2c等が同一平面上に位置するようにして連結されている(図4参照)。
【0022】
刈取部3で刈り取られた穀稈は、下部搬送装置、上部搬送装置、縦搬送装置8により後方へ搬送され、縦搬送装置8の後上端から株元がフィードチェン9に受け継がれ、脱穀部12内に搬送される。フィードチェン9の後端に排藁チェン10が配設され、この排藁チェン10の後部下方に排藁カッター装置、拡散コンベア等からなる排藁処理部11が形成されている。この排藁処理部11により、排藁が切断されて藁片にされ、この藁片を拡散しながら圃場に均一放出し、あるいは排藁を切断せずに放出するようにしている。なお、この排藁処理部11は、その右前部に設けられた回動支点11aを中心として機体後方に向けて回動可能に構成されている(図3参照)。
【0023】
脱穀部12の側方には、選別後の精粒を貯溜するグレンタンク13が配設され、グレンタンク13の前方に運転室14が配設され、後方に排出オーガ15の縦オーガ15aが立設され、運転室14の下方にエンジン30が配設されている。グレンタンク13は、縦オーガ15aを回動中心として機体側方へ回動自在とされ、グレンタンク13の内底部には、排出コンベア16が機体前後方向に配設され、エンジン30の駆動が排出コンベア16を介して排出オーガ15(縦送りコンベア26等)にまで伝達される(図9参照)。なお、グレンタンク13の詳細は、後述する。
【0024】
脱穀部12の下方には、脱穀部12から流下される穀粒や藁屑等(処理物)から穀粒を選別する選別部(図略)が配設され、この選別部によって選別された穀粒が、グレンタンク13の左側方に上下方向に配置された揚穀コンベア18へ搬送される。グレンタンク13の上部であって脱穀部12に対面する側部に受入口20が開口されており、揚穀コンベア18から搬送された穀粒が、グレンタンク13内部へと送り込まれ貯溜される。
【0025】
排出オーガ15は、下端が排出コンベア16と連通され穀粒を縦送りする縦オーガ15aと、この縦オーガ15aの上端に連通されて穀粒を横送りする横オーガ15bと、グレンタンク13の下部(駆動ケース21)と接続される連結部15cとで構成されている(図5参照)。縦オーガ15aは、グレンタンク13の後側に機体フレーム2に対して旋回可能に枢着され、縦送りコンベア26が内設されるとともに、上端に横オーガ15bの基端側が上下回動可能に枢着されている。
【0026】
連結部15cは、機体フレーム2に対して図示せぬ軸受け部材を介して回動自在に支持され、この連結部15cに縦オーガ15aが回動自在に連通されている。この連結部15cにおいて、排出コンベア16と縦送りコンベア26とが連動連結されており、グレンタンク13内の穀粒が排出コンベア16と縦送りコンベア26によって縦オーガ15aに搬送されて、横オーガ15b先端の排出口より機外に放出されるように構成されている。そして、グレンタンク13は、タンク部13aの後壁に設けられた回動部材27が縦オーガ15aの外側に回動自在に支持されることで、縦オーガ15a及び連結部15cを回動中心として水平回動自在に支持されている。
【0027】
図3に示すように、本実施例のグレンタンク13は、機体フレーム2に位置固定された作用姿勢P1と、作用姿勢から機外側方へ回動させたメンテナンス姿勢P2とに姿勢切り換え可能に構成されている。グレンタンク13が作用姿勢P1にある状態では、脱穀部12で選別された精粒がグレンタンク13のタンク内部に搬送されて貯溜され、またグレンタンク13の底部に配設された排出コンベア16が回転駆動されてグレンタンク13内の穀粒が排出オーガ15を介してトラック等へ排出される。一方、グレンタンク13がメンテナンス姿勢P2にある状態では、本機内部側に配置した駆動系や油圧系が開放されてこれらのメンテナンスが可能とされ、またグレンタンク13内部の掃除等を可能としている。
【0028】
縦オーガ15aの外側方と後方は、縦オーガカバー19にて覆われている。この縦オーガカバー19は、平面視略L字状に形成され、一端が排藁処理部11の右側壁に到達され、他端がグレンタンク13の後壁に到達されるように構成されている。具体的には、縦オーガカバー19は、グレンタンク13の後方に立設された後部縦フレーム(図略)に着脱可能に取り付けられ、この後部縦フレームに取り付けられた状態で縦オーガ15aの側方と後方が完全に覆われる。
【0029】
本実施例では、縦オーガカバー19は、後部が排藁処理部11の回動支点11aよりも前方に配置され、上述した後部縦フレームに取り付けられた状態で、排藁処理部11の回動操作を妨げない位置に取り付けられている。そのため、排藁処理部11を開閉する際に、縦オーガカバー19を着脱する必要がなく、排藁カッター装置や拡散コンベア等のメンテナンスが容易となる。一方で、縦オーガカバー19を後部縦フレームから一旦取り外さなければグレンタンク13を回動操作できないように構成されており、縦オーガカバー19が自動的に開閉して不用意に脱落しないように構成されている。
【0030】
以下、グレンタンク13及びグレンタンク13の周辺構造について、順に説明する。
図4乃至図7に示すように、グレンタンク13は、タンク部13aと、タンク部13aの内部下方に配置された排出コンベア16と、この排出コンベア16を回転駆動可能に支持する駆動ケース21と、駆動ケース21の一側に設けられ機体本体からの回転駆動を伝達する駆動ギアケース22等とで構成されている。
【0031】
タンク部13aは、グレンタンク13が作用姿勢P1にある状態で、上部が機体内部側及び前方に広く、下部が狭くなるように形成され、より詳細には、前上部と機体左上部が略台形状に膨出形成され、容量ができるだけ大きくなるように形成されている。また、このタンク部13aは、底部がすり鉢状に形成されるとともに前後方向に開口されている。タンク部13aの開口下端に、上述した駆動ケース21が下方から接続されて、駆動ケース21に支持された排出コンベア16がタンク部13aの底部に配置される。
【0032】
駆動ケース21は、上述したタンク部13aの底部に沿って取り付けられる底プレート部21aと、底プレート部21aの前後両端に垂直方向に取り付けられる補強支持部21b・21c等とで構成されている。そして、この底プレート部21aと補強支持部21b・21cとがタンク部13aの底部に当接して図示せぬボルト等で固定されている。
【0033】
底プレート部21aには、タンク部13aの内部と連通するように開口された掃除口23が機体下方に向けて開口され、掃除口23の前後方向の幅はタンク部13aの下部の前後幅と略同等長さとしている。この掃除口23の周縁にヒンジ部材24の一端が取り付けられ、ヒンジ部材24に掃除口23を開閉する蓋部材25の一端が取り付けられている。ヒンジ部材24は、前後方向に沿って複数(本実施例では2箇所)設けられ、ヒンジ部材24と接続された蓋部材25が機体外方側(右側方)から開閉操作可能となるように構成されている。また、蓋部材25は、遊端側がボルトまたはワンタッチ係止具等の締結部材28によって駆動ケース21に締結される。そして、グレンタンク13がメンテナンス姿勢P2にある状態で蓋部材25が下方に回動され、掃除口23からタンク部13aの内部に取り出すことができず残留している籾や塵埃等を取り出してメンテナンス作業が行われる。
【0034】
補強支持部21b・21cは、グレンタンク13下部の前面及び後面に取り付けられ、補強支持部21bによって排出コンベア16の前端が支持されている。なお、排出コンベア16の後端は、上述した連結部15cにて支持されている。グレンタンク13の前面に取り付けられる補強支持部21bには、ベベルギア機構32(図9参照)が内設された駆動ギアケース22が設けられており、補強支持部21bから突出された排出コンベア16の突出端がベベルギア機構32と接続されている。また、グレンタンク13の後面に取り付けられる補強支持部21cには、上述した連結部15cが接続され、補強支持部21cから突出された排出コンベア16の突出端が、連結部15c内部で縦オーガ15aの縦送りコンベア26とベベルギアを介して連動連結されている。このような構成とすることで、駆動ギアケース22を介して排出コンベア16に伝達されたエンジン30の回転駆動が、縦送りコンベア26へと伝達されるように構成されている。
【0035】
補強支持部21bには、駆動ギアケース22の他にグレンタンク13を作用姿勢P1で位置決めして固定する位置決め機構35が構成されている(図10及び図12参照)。この位置決め機構35は、枢軸ボルト36によって補強支持部21bに上下回動自在に取り付けられたフック状の係合部材37と、一端が係合部材37と連結され長手方向中途部がばね部材38を介して補強支持部21bに接続された操作レバー39等とで構成されている。係合部材37は、操作レバー39を介してばね部材38によって先端が下方(係合方向)に回動される方向に付勢されている。そして、操作レバー39を揺動操作することで、ばね部材38の付勢力に抗して枢軸ボルト36を中心に係合部材37を解除方向に回動させることができる。
【0036】
このような構成とすることで、グレンタンク13が作用姿勢P1にある状態で、機体フレーム2(横フレーム2cの上面)に設けられた位置決め孔40(図12)に係合部材37が自動的に係合され、グレンタンク13の回動操作が規制されて位置決めされる。また、操作レバー39を揺動操作することで、係合部材37と位置決め孔40との係合を容易に解消させることができ、グレンタンク13が回動自在とされて姿勢切り換えを行うことができる。
【0037】
図4乃至図8に示すように、コンバイン100は、グレンタンク13が機体フレーム2に対して回動支点位置(縦オーガ15a)で回動自在に支持される構成としていることから、自重によって下方に傾斜するグレンタンク13の遊端側を機体フレーム2に支持するための支持構造が設けられている。具体的には、グレンタンク13の底部であって、遊端側の補強支持部21bに取り付けられた駆動ギアケース22が、補強支持部21bよりも下方に突出して、グレンタンク13が姿勢切り換えされる際に機体フレーム2(右フレーム2a及び横フレーム2c)の上面と摺接するように構成されている。
【0038】
駆動ギアケース22は、正面視略矩形に形成され、後面側に形成したフランジ部22aの周囲が補強支持部21bにボルト51・51・・・によって着脱可能に取り付けられている。このフランジ部22aは、下縁部に水平面を有し、補強支持部21bに取り付けられた状態で補強支持部21bの下縁部よりもフランジ部22aが下方に突出されている。このフランジ部22aは、グレンタンク13が姿勢切り換えされる際に、縦オーガ15aを回動支点として略円弧軌道に沿って機体フレーム2(右フレーム2a及び横フレーム2c)の上面を摺接される。また、フランジ部22aは、グレンタンク13が作用姿勢P1にある状態では、機体フレーム2(横フレーム2c)上で停止されて、グレンタンク13の反回動支点側を支持するように構成されている。
【0039】
ここで、駆動ギアケース22は、機体フレーム2とは異なる素材により形成されている。この駆動ギアケース22の素材は、特に限定するものではないが、機体フレーム2に対して駆動ギアケース22(フランジ部22a)の摩擦係数が低い素材が好ましく用いられる。通常、機体フレーム2が鉄鋼管又は鉄板より成型されるため、例えば、機体フレーム2に対して硬度の異なる鉄系の素材や、ステンレス・銅・アルミとその合金等の素材や、さらにはポリアセタール等の高分子樹脂系の素材により形成されたものが用いられる。また、駆動ギアケース22の全体をこれらの素材より形成する必要はなく、少なくとも前記フランジ部22aがこのような素材(機体フレーム2と異なる素材)より形成されればよい。さらに、鉄板より成型された駆動ギアケース22に対して、表面に樹脂系の素材をコーティング処理したものを用いてもよい。
【0040】
以上のように、本実施例のコンバイン100は、グレンタンク13の底部に取り付けられた駆動ケース21に、機体フレーム2とは異なる素材により形成されグレンタンク13の姿勢が切り換えられる際に右フレーム2a及び横フレーム2cの上面と摺接されるフランジ部22aが設けられているため、グレンタンク13の水平回動操作を容易かつスムーズに行うことができる。そして、駆動ケース21に設けられたフランジ部22aが、グレンタンク13のすらし部材を兼ねるように構成されているため、グレンタンク13を支持するためのすらし部材を別途設ける必要がなく、コンバイン100の組立工程を低減して、部品点数を削減できる。
【0041】
特に、本実施例では、上述したフランジ部22aが、駆動ケース21に取り付けられた駆動ギアケース22に設けられるため、駆動ギアケース22の一部をフランジ部22aとして兼用でき部品点数を低減できる。また、このフランジ部22aが駆動ギアケース22の下縁部よりも下方に突出されるため、駆動ギアケース22やグレンタンク13を構成するその他の部材が機体フレーム2に摺接されることがなく、グレンタンク13をよりスムーズに回動操作できるとともに、機体フレーム2に接触して破損等するのを防止できる。さらに、このフランジ部22aは、グレンタンク13の反回動支点側の下端部に形成されるため、グレンタンク13を支持する際の安定性が向上する。
【0042】
なお、フランジ部22aは、駆動ギアケース22の下端に設けられるだけでなく、例えば、駆動ケース21を構成する補強支持部21bの下端に設けてもよい。この場合には、フランジ部22aと駆動ケース21を同一部材により形成すれば、容易に製作することができる。また、フランジ部22aを設ける位置も、必ずしもグレンタンク13の反回動支点側の端部に設ける必要はなく、グレンタンク13を安定に回動操作できるように支持できる位置であればよい。
【0043】
図9乃至図14に示すように、本実施例のコンバイン100は、エンジン30の動力が動力伝達機構31を介して排出コンベア16に伝達されて、排出コンベア16が回転駆動されるように構成されている。この動力伝達機構31は、上述したグレンタンク13の反回動支点側に設けられ駆動ギアケース22を介して排出コンベア16と連結される入力軸41と、機体フレーム2に支持されてエンジン30によって回転駆動される出力軸42と、入力軸41の一端と出力軸42の一端とをカップリングさせて出力軸42の回転駆動を入力軸41に伝達させるジョイント部43等とで構成されている。
【0044】
入力軸41は、駆動ギアケース22に回転可能に支持されており、排出コンベア16の軸心に対して直交する方向、すなわち機体横幅方向であってグレンタンク13の左方に向けて突出されている。つまり、入力軸41に伝達された動力が駆動ギアケース22によって伝動向きが90度変更されるように構成されている。この入力軸41の駆動ギアケース22内部の一端は、ベベルギア機構32(図9参照)を介して排出コンベア16と連結されている。また、入力軸41の突出端は、図13に示すように、先端に向けて半径方向長さが徐々に小さくなるようにテーパ状に形成され、先端から駆動ギアケース22よりの位置に係合ピン44が軸心方向に対して直角にかつ外周面から突設するように貫通されている。ただし、この係合ピン44は、入力軸41の外周面から一方に突出して設けられてもよい。
【0045】
出力軸42は、機体本体側であって運転室14の後方かつグレンタンク13の前方空間に配置され、機体横幅方向に横設されている。出力軸42の一端に伝動プーリ45が固設されており、エンジン30の出力軸46に固設された出力プーリ47との間でベルトテンション式のクラッチ機構48が構成されている。このクラッチ機構48を介してエンジン30の駆動が出力軸42に伝達されて、出力軸42が回転駆動される。また、出力軸42の他端すなわちクラッチ機構48より機体側方に向けて延出された端部には、受け部材49が設けられており、支持部材50によって機体フレーム2に対して回動自在に支持されている。
【0046】
ジョイント部43は、上述した係合ピン44と受け部材49とで構成され、受け部材49に係合ピン44が係合(カップリング)されることで、入力軸41と出力軸42とが一体的に回転されるように構成されている。受け部材49について詳述すると、この受け部材49は、断面略円筒状に形成され、中心部に穿設され入力軸の先端が挿入される導入孔49aと、側壁に軸心方向に沿って溝切りされて係合ピン44が係合される係合溝49bと、受け部材49の先端から係合溝49bまで円周方向に沿って側壁が滑らかに面取りされて形成されたガイド部49c等とが構成されている。
【0047】
ジョイント部43は、係合ピン44と受け部材49とがグレンタンク13の姿勢切り換えに応じて係脱されるように構成されている。すなわち、グレンタンク13は、上述したように排出オーガ15(縦オーガ15a)を回動支点として姿勢切り換え可能に構成されており、グレンタンク13がメンテナンス姿勢P2から作用姿勢P1に切り換えられると、係合ピン44と受け部材49とがカップリングされて、出力軸42と入力軸41とが一体回転可能な状態(カップリングされた状態)で連結される。一方で、グレンタンク13が作用姿勢P1からメンテナンス姿勢P2に姿勢切り換えされると、係合ピン44が受け部材49から脱離されてカップリングが解消される。
【0048】
図13及び図14を参照して、受け部材49に係合ピン44が係合される機構について説明すると、まず、グレンタンク13の回動に伴って、係合ピン44が出力軸42の軸心方向に沿って受け部材49に近づき、やがて受け部材49のガイド部49cに当接される。ガイド部49cは、上述したように係合溝49bまで円周方向に面取りされているため、入力軸41の先端が導入孔49aに挿入されるにつれて、係合ピン44がガイド部49cに摺接して、ガイド部49cの形状に沿って入力軸41(若しくは出力軸42)が僅かに回動されていく。該ガイド部49cの傾斜は、係合ピン44がガイドされて入力軸41が回動するとき、排出コンベア16が排出方向とは逆の方向(逆転方向とする)するように構成されている。つまり、従来では正逆どちらに回動するかは判らなかったが、本実施例のごとく、ジョイントを結合するとき、ガイド部49cの傾斜により排出コンベア16は常に逆転方向に回動する。
【0049】
そして、係合ピン44が係合溝49bに到達すると、入力軸41の先端が導入孔49aに完全に挿入されるとともに、係合ピン44が係合溝49bの最奥部まで到達される。このような状態が、入力軸41と出力軸42がカップリングされた状態である。かかる状態では、入力軸41と出力軸42とジョイント部43とが同一軸心上に位置されている。このように配置することで、動力伝達機構31をコンパクトに形成しつつ、動力の伝達効率を向上させることができる。
【0050】
特に、本実施例では、入力軸41が駆動ギアケース22よりわずかに突出され、出力軸42の受け部材49が作用姿勢P1にある状態のグレンタンク13に近接するように延出されて、ジョイント部43がグレンタンク13の近傍で形成されている(図12参照)。つまり、グレンタンク13が作用姿勢P1にある状態で、ジョイント部43がグレンタンク13に近傍し、駆動ギアケース22の回動軌道上に近接する位置に形成されている。このように構成することで、ジョイント部34において出力軸42に対して入力軸41を直線運動に近い方向から係合させることができ、これらを確実に係合させることができる。また、ジョイント部43での遊びを減らして、エンジン30の駆動を出力軸42から入力軸41に確実に伝達できるようにしている。
【0051】
以上のように、本実施例のコンバイン100は、動力伝達機構31において、エンジン30からの回転駆動を入力軸41と出力軸42とを介して排出コンベア16まで伝達させるとともに、グレンタンク13が回動される際には、ジョイント部43にて入力軸41と出力軸42とが軸心方向に沿って係脱されて、グレンタンク13の姿勢切り換えを行うように構成されている。そのため、グレンタンク13の姿勢切り換え時には、ジョイント部43を手動操作することなく入力軸41と出力軸42とを係脱させることができ、より簡易な構成で、グレンタンク13の姿勢切り換えをスムーズに行うことができるように構成されている。
【0052】
特に、上述したジョイント部43のように構成することで、ジョイント部43での係合時に、入力軸41と出力軸42とが軸心方向に対して上下方向若しくは左右方向に多少ずれていても、自動的に位置合わせされて、確実に係合させることができる。なお、ジョイント部43を構成する係合ピン44及び受け部材49の構成は、これに限定されず、係合ピン44が係合溝49bにガイドされることで入力軸41と出力軸42とがカップリングできるような構成であればよく、例えば、受け部材49として係合溝49b及び/又はガイド部49cが複数設けられてもよい。また、入力軸41及び出力軸42のいずれか一方に、係合ピン44及び受け部材49がそれぞれ設けられればよい。
【0053】
上述したように、コンバイン100には、グレンタンク13の下部に開口された掃除口23を開閉する蓋部材25が設けられており、この蓋部材25は、ヒンジ部材24を介して駆動ケース21の下面に機体右側方から回動操作可能に取り付けられている。そして、本実施例では、グレンタンク13が作用姿勢P1にある状態で機体フレーム2より下方に落ち込まないように蓋部材25の回動を規制する構造と、グレンタンク13がメンテナンス姿勢P2にある状態で機体フレーム2と接触しないように蓋部材25の自由回動を許容する構造とがそれぞれ設けられている。
【0054】
まず、図4、図8及び図15に示すように、蓋部材25の前端を下方に折り曲げ、または、プレートを上下に固設して前端部25aを形成し、該前端部25aの下端の位置が機体フレーム2の上面と略一致するように構成している。つまり、フランジ部22aの下端と略同じ高さとしている。コンバイン100は、グレンタンク13が作用姿勢P1にある状態で、蓋部材25の前端部25aが平面視において横フレーム2cと重なるように、蓋部材25の前端部25aの直下方位置に横フレーム2cが配置されている。
【0055】
通常、横フレーム2cの上面から蓋部材25の回動支点であるヒンジ部材24までの上下高さ(長さ)は、蓋部材25の幅方向長さよりも短く構成されることから、蓋部材25が下方に回動されると前端部25aが横フレーム2cの上面に当接して、蓋部材25は半開き状態となるが、本実施例の如く構成することで、前端部25a下端が横フレーム2c上面に当接して、下方へは回動できないのである。すなわち、グレンタンク13が作用姿勢P1にある状態では、蓋部材25が機体フレーム2(横フレーム2c)より下方に落ち込むことがない。
【0056】
図15(a)に示すように、蓋部材25の前端部25aの直下方位置に横フレーム2cなどの蓋部材25の回動を規制する部材(ストッパ部材)がない状態では、蓋部材25が自重によってヒンジ部材24から垂下される。特に、グレンタンク13が作用姿勢P1にある状態で、蓋部材25がこのように垂下されると、機体フレーム2の下方に配設されたクローラ式走行装置1に蓋部材25が接触して汚れたり、かかる状態でグレンタンク13がメンテナンス姿勢に姿勢切り換えようとすると、右フレーム2aに蓋部材25が接触して蓋部材25や機体フレーム2等が破損等する場合がある。
【0057】
一方で、図15(b)に示すように、蓋部材25の前端部25aの直下方位置に横フレーム2c(ストッパ部材)が配置されることで、蓋部材25が横フレーム2cの上面に当接されて下方への回動が規制される。つまり、上述したように蓋部材25が機体フレーム2より下方に落ち込むことがないため、グレンタンク13が作用姿勢P1にある状態や姿勢切り換えされる際に、蓋部材25や機体フレーム2等が破損するのを防止できる。また、グレンタンク13内に穀粒を大量に収納した状態で、誤って締結部材28を外しても蓋部材25は大きく開くことがなく、穀粒をこぼすことがないのである。また、蓋部材25が機体側方に向けて回動されるように設けられているため、既存の機体フレーム2を構成する横フレーム2cをこのようなストッパ部材として容易に用いることができる。
【0058】
特に、本実施例では、蓋部材25の下方の回動を規制するストッパ部材として横フレーム2cを兼用しているので、部品点数を低減できるとともに、蓋部材25の前端部25aの形状を変更等すれば従来の装置構成に容易に採用することができ、組立も容易である。ただし、ストッパ部材として、機体フレーム2を構成する横フレーム2cを兼用するのではなく、蓋部材25の下面に当接するストッパ部材を別途設けるようにしてもよい。この場合には、ストッパ部材は、必ずしも前端部25aの直下方位置に配置されなくてもよく、また、グレンタンク13が作用姿勢P1にある状態で、蓋部材25の下方回動を規制するように、機体フレーム2よりも上方位置で蓋部材25と当接するようにしてもよい。
【0059】
また、図3、図4及び図16に示すように、コンバイン100は、機体フレーム2の機体右後方、すなわち右フレーム2aと後フレーム2bとの連結部2dにおいて、右フレーム2aの後端部が機体左斜後方へと面取りされて、グレンタンク13がメンテナンス姿勢P2にある状態で、蓋部材25と機体フレーム2(連結部2d)とが接触せずに蓋部材25の自由回動を可能となるように構成されている。
【0060】
図16(a)に示すように、グレンタンク13がメンテナンス姿勢P2にある状態では、グレンタンク13は縦オーガ15aから機体側方に向けて機体前後方向に対して略直角となるようにして停止されている。このような状態で、右フレーム2aと後フレーム2bとの連結部2dが、平面視において蓋部材25と重ならないように機体内側に傾斜するようにして形成されている。かかる状態においては、蓋部材25は、下方に回動されても機体フレーム2(連結部2d)に当接しないため、自在に回動操作が可能であり、グレンタンク13内部のメンテナンス等を行うことができる。
【0061】
図16(b)に示すように、グレンタンク13がメンテナンス姿勢P2から作用姿勢P1に姿勢切り換えされる際には、グレンタンク13が縦オーガ15aを回動支点として機体内方へ向けて反時計回りに回動され、図16(c)に示すように、グレンタンク13が完全に作用姿勢P1で停止された状態では、上述したように、平面視で蓋部材25の前端部25aが横フレーム2cと重なるように構成されており、蓋部材25の下方への回動が規制されている。
【0062】
ここで、本実施例では、上述した掃除口23が開口された状態、すなわち蓋部材25が下方に回動された(自重により垂下された)状態で、グレンタンク13がメンテナンス姿勢P2から作用姿勢P1へと姿勢切り換えされると、下方へ回動された(垂下された)蓋部材25の遊端側が機体フレーム2に当接しながら、掃除口23を閉止する方向(上方)に徐々に回動されるように構成されている。具体的には、グレンタンク13の回動に伴って、平面視において右フレーム2a及び連結部2dが蓋部材25と徐々に重なるように構成されている(図16(b)参照)。つまり、右フレーム2a及び連結部2dが、蓋部材25の回動を規制するストッパ部材として作用するように構成されている。
【0063】
このような構成とすることで、グレンタンク13の姿勢を切り換える際に、作業者が掃除口23を閉じ忘れた場合であっても、グレンタンク13の回動に伴って蓋部材25が上方に自動的に回動されるため、蓋部材25が機体フレーム2に引っ掛かって破損するようなことがない。なお、グレンタンク13が作用姿勢P1にあって、蓋部材25が横フレーム2cの上面に係止された状態から、グレンタンク13をメンテナンス姿勢P2に姿勢を切り換えると、上述した過程とは逆に、グレンタンク13の回動に伴って蓋部材25が自動的に下方に回動される。
【0064】
以上のように、機体フレーム2を、グレンタンク13がメンテナンス姿勢P2にある状態で、蓋部材25を下方に回動させても蓋部材25と当接しないように、右フレーム2aと後フレーム2bとの連結部2dを斜めに面取りするように形成することで、蓋部材25を下方に大きく完全に回動させて、掃除口23を広く開放することができ、グレンタンク13内部のメンテナンス作業が容易となって作業性が向上する。また、掃除口23及び蓋部材25を長手方向(グレンタンク13の前後方向)に大型化することができ、かかるメンテナンス作業をより容易に行うことができる。さらに、機体右後方が斜めに面取りされることで、コンバイン100をよりコンパクトに形成することができる。
【0065】
なお、上述した蓋部材25の回動規制構造を設けたコンバイン100において、例えば、グレンタンク13の回動操作に応じて蓋部材25が上下回動されるように構成すれば、掃除口23をグレンタンク13の姿勢切り換えに応じて自動的に開閉させることができる。本実施例では、蓋部材25の遊端側がボルト28によって駆動ケース21にネジ締め固定されるが、このような構成によれば、ボルト28が不要となり、蓋部材25の開閉操作を手動でする必要がなくなり、メンテナンス等の作業性がより向上される。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施例に係るコンバインの全体的な構成を示した側面図。
【図2】同じく図1のコンバインの平面図。
【図3】コンバインの右後方部の平面図。
【図4】作用姿勢のグレンタンクの平面図。
【図5】作用姿勢のグレンタンクの右側面図。
【図6】グレンタンクの正面図。
【図7】グレンタンク下部の正面断面図。
【図8】作用姿勢にあるグレンタンク前方下部の斜視図。
【図9】グレンタンク駆動部及び動力伝達機構の構成を表すスケルトン図。
【図10】駆動ケース前部の補強支持部の斜視図。
【図11】出力軸の取り付け状態を表す斜視図。
【図12】動力伝達機構の入力軸、出力軸及びジョイント部の配置を表す正面図。
【図13】係合ピンと受け部材とが係合する様子を表す図。
【図14】ジョイント部を軸心方向から見た図。
【図15】蓋部材が下方に回動された状態と閉めた状態とを表す図。
【図16】グレンタンクの姿勢切り換えの様子を表す図。
【符号の説明】
【0067】
2 機体フレーム
2c 横フレーム
13 グレンタンク
16 排出コンベア
21 駆動ケース
23 掃除口
24 ヒンジ部材
25 蓋部材
25a 前端部
100 コンバイン
P1 作用姿勢
P2 メンテナンス姿勢
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体フレームに水平方向に回転自在に支持され、穀粒を受け入れる作用姿勢と、機外に開放されて作用姿勢から外れたメンテナンス姿勢とに姿勢切り換え可能に構成されたグレンタンクが設けられたコンバインにおいて、
前記グレンタンクの下部には、タンク内部と連通するように開口された掃除口と、一端側がグレンタンク外壁に連結部材を介して取り付けられ掃除口を開閉する蓋部材とが設けられ、前記機体フレームには、グレンタンクが作用姿勢にある状態で、前記蓋部材が機体フレームより下方に回動しない位置で当接するストッパ部材が設けられることを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記ストッパ部材は、前記機体フレームの横フレームが兼用されることを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記連結部材は、グレンタンクが作用姿勢にある状態で、機体フレーム内方に配置され、前記蓋部材が機体側方に向けて回動されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンバイン。
【請求項4】
前記ストッパ部材は、前記掃除口が開口された状態で、グレンタンクがメンテナンス姿勢から作用姿勢に切り換えられると、前記蓋部材に当接しながら前記掃除口を閉止する方向に回動させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のコンバイン。
【請求項5】
前記機体フレームは、前記グレンタンクがメンテナンス姿勢にある状態で、前記蓋部材を回動操作して前記掃除口を開口しても、該蓋部材と当接しないように形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のコンバイン。
【請求項1】
機体フレームに水平方向に回転自在に支持され、穀粒を受け入れる作用姿勢と、機外に開放されて作用姿勢から外れたメンテナンス姿勢とに姿勢切り換え可能に構成されたグレンタンクが設けられたコンバインにおいて、
前記グレンタンクの下部には、タンク内部と連通するように開口された掃除口と、一端側がグレンタンク外壁に連結部材を介して取り付けられ掃除口を開閉する蓋部材とが設けられ、前記機体フレームには、グレンタンクが作用姿勢にある状態で、前記蓋部材が機体フレームより下方に回動しない位置で当接するストッパ部材が設けられることを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記ストッパ部材は、前記機体フレームの横フレームが兼用されることを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記連結部材は、グレンタンクが作用姿勢にある状態で、機体フレーム内方に配置され、前記蓋部材が機体側方に向けて回動されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンバイン。
【請求項4】
前記ストッパ部材は、前記掃除口が開口された状態で、グレンタンクがメンテナンス姿勢から作用姿勢に切り換えられると、前記蓋部材に当接しながら前記掃除口を閉止する方向に回動させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のコンバイン。
【請求項5】
前記機体フレームは、前記グレンタンクがメンテナンス姿勢にある状態で、前記蓋部材を回動操作して前記掃除口を開口しても、該蓋部材と当接しないように形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のコンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−75000(P2007−75000A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−267356(P2005−267356)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
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