コンバイン
【課題】排出時の穀粒の損傷率を低減可能なコンバインを提供する。
【解決手段】作業切替ダイヤルが稲位置の際に排出スイッチがオンされると(タイミングP)、マイコンは、排出クラッチを接続すると共に、エンジンの回転速度を定格回転速度として、穀粒の排出を開始する(タイミングP〜R)。一方、種子用の穀粒を排出する場合には、作業切替ダイヤルは、種子位置に設定されており(タイミングS)、この状態で排出スイッチがオンされると、マイコンは、エンジン回転速度を、定格回転速度よりも低い種子回転速度に設定し、このエンジン回転速度にて排出オーガを駆動する(タイミングU〜W)。
【解決手段】作業切替ダイヤルが稲位置の際に排出スイッチがオンされると(タイミングP)、マイコンは、排出クラッチを接続すると共に、エンジンの回転速度を定格回転速度として、穀粒の排出を開始する(タイミングP〜R)。一方、種子用の穀粒を排出する場合には、作業切替ダイヤルは、種子位置に設定されており(タイミングS)、この状態で排出スイッチがオンされると、マイコンは、エンジン回転速度を、定格回転速度よりも低い種子回転速度に設定し、このエンジン回転速度にて排出オーガを駆動する(タイミングU〜W)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グレンタンクに貯留された穀粒を排出する排出装置を備えたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、コンバインは、圃場を走行しながら穀稈を刈取り、この刈取った穀稈を脱穀する通常の収穫作業と、機体を停止した状態で、穀稈を脱穀する脱穀部及び該脱穀部によって脱穀された穀粒を選別する選別部を駆動させ、穀粒の脱穀選別のみを行う手扱ぎ作業と、収穫された穀粒を機外に排出する排出作業と、の3つの作業を行えるようになっている。
【0003】
従来、このようなコンバインにおいて、消費燃料を低減する目的で、上記収穫作業及び手扱ぎ作業に比して作業負荷の小さな排出作業の際には、エンジンの回転速度を作業時の回転速度である定格回転速度よりも低く設定するようにしたものが案出されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−72068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、上記グレンタンクには、稲の他に、麦、大豆、そばなどの様々な品種の穀粒が貯留される可能性があると共に、通常の穀粒とは別に種子用として収穫された穀粒が貯留されている場合がある。そして、グレンタンクに貯留されていた穀粒が大豆のように、排出時に傷つきやすい穀粒であったり、種子用として収穫された穀粒であったりした場合、上記特許文献1に記載のコンバインのように、常に一定の排出速度で穀粒を排出していると、他の穀粒では問題が無かったとしても、排出作業中に傷ついて、商品価値が落ちてしまったり、発芽率が低下して種子として使用できなくなってしまう可能性があった。
【0006】
そこで、本発明は、コンバインが収穫する対象を設定する収穫対象設定手段を設け、この収穫対象設定手段の設定に応じて、グレンタンクから穀粒を排出する際の排出速度を変更することによって、上記課題を解決したコンバインを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、穀稈を刈り取る前処理部(5)と、該前処理部(5)により刈り取られた穀稈を脱穀する脱穀部(7)と、該脱穀部(7)により脱穀された穀粒を選別する選別部(10)と、該選別部(10)により選別された穀粒を貯留するグレンタンク(12)と、該グレンタンク(12)に貯留された穀粒を排出する排出装置(13)と、を備えたコンバイン(1)において、
前記コンバイン(1)が収穫する穀粒の種類に応じて切換えられる収穫対象設定手段(60)と、
前記グレンタンク(12)から穀粒を排出する際に、前記収穫対象設定手段(60)の設定に応じて前記排出装置(13)の排出速度を変更する制御部(70,71)と、を備えた、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記排出装置は、エンジン(45)の回転に連動して駆動する搬送ラセン(36,37,39)を有し、
前記制御部(70,71)は、前記収穫対象設定手段(60)の設定に応じて、収穫作業時のエンジン回転速度を制御すると共に、穀粒排出時のエンジン回転速度を制御して前記排出装置(13)の排出速度を変更する、ことを特徴とする。
【0009】
更に、本発明は、前記制御部(70,71)は、前記収穫対象設定手段(60)の設定に応じて、前記選別部(10)のフィン開度を変更する、ことを特徴とする。
【0010】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何ら影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によると、作業者は、収穫する穀粒の種類に応じて収穫対象設定手段を切換えて収穫対象を設定すると共に、制御部は、この収穫作業設定手段の設定によってグレンタンクに貯留されている穀粒の種類を判別し、排出作業の際に、この穀粒の種類に応じて排出速度を変更する。これにより、排出装置の排出速度を穀粒の種類に適した速度に変更することができ、排出時の穀粒の損傷率を低減して、収穫効率を向上することができると共に、種子用の穀粒の発芽率を向上させることができる。
【0012】
請求項2に係る発明によると、収穫する穀粒の種類に応じて作業時のエンジン回転速度を制御することによって、エンジンの回転速度を穀粒の種類に応じて変更することができる。また、特に、エンジンからの回転が伝達されて駆動する搬送ラセンを備え、排出速度が高いと搬送ラセンによって穀粒が損傷する虞のある排出装置においても、制御部が穀粒の種類に応じてエンジンの回転速度を変更し、排出速度を制御することによって、穀粒の損傷率を低減することができる。更に、作業開始時に収穫作業設定手段にて収穫する穀粒の種類を設定することによって、排出時に自動的に穀粒の排出速度が変更されるため、エンジンコントロールレバーなどによってエンジンの回転数を設定する必要がなく、作業効率が向上する。
【0013】
請求項3に係る発明によると、収穫対象設定手段の設定に応じて、選別部のフィン開度を変更することにより、穀粒の種類に応じた選別を行うことができ、できるだけ損傷させたくない穀粒については、選別精度よりもグレンタンクへの回収を優先して、損傷率の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るコンバインの側面図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るコンバインの平面図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る脱穀部及び選別部を示す模式図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る排出装置を示す模式図。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るコンバインの運転操作部を示す平面図。
【図6】図5に示す運転座席のスイッチパネルを示した拡大図。
【図7】本発明の第1の実施形態に係るコンバインの制御ブロック図。
【図8】本発明の第1の実施形態に係るコンバインの収穫作業時のタイミングチャート。
【図9】本発明の第1の実施形態に係るコンバインの収穫作業時のタイミングチャート。
【図10】本発明の第1の実施形態に係るコンバインの収穫作業時のタイミングチャート。
【図11】本発明の第1の実施形態に係るコンバインの収穫作業時のタイミングチャート。
【図12】本発明の第1の実施形態に係るコンバインの排出作業時のタイミングチャート。
【図13】本発明の第2の実施形態に係るコンバインの運転座席のスイッチパネルを示した拡大図。
【図14】本発明の第2の実施形態に係るコンバインの排出作業時のタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に沿って本発明に係るコンバインの実施形態について説明をする。
【0016】
<第1の実施形態>
[コンバインの構成]
図1及び図2に示すように、コンバイン1は、左右一対のクローラ走行装置2によって支持された機体3を有しており、該機体3の前方には、穀稈を刈取り取ると共に、刈取った穀稈を機体後方へと搬送してフィードチェン6に受け渡す前処理部5が昇降自在に設けられている。また、前処理部5の後方側には、フィードチェン6によって搬送された穀稈を脱穀する脱穀部7、排稈を処理するための後処理部9が設けられていると共に、該脱穀部7の下方には、脱穀部7の受網から漏下した被選別物(脱穀された穀粒と夾雑物との混合物)を選別する選別部10が設けられている(図3も合わせて参照)。
【0017】
一方、前処理部5の側方には、作業者が着座して運転操作する運転操作部11が設けられていると共に、該運転操作部11の後方側かつ脱穀部7の側方には、上記選別部10によって選別された穀粒を貯留するグレンタンク12が配設されている。グレンタンク12に貯留された穀粒は、排出装置としての排出オーガ13によって機体外に排出されるようになっている。
【0018】
上記前処理部5は、その前部に複数設けられて穀稈を分草するデバイダ15、デバイダ15の後方で分草された穀稈を引起す引起装置16、穀稈を刈取るレシプロ式の刈刃を有する刈取り部17、及び刈取り部17によって刈取られた穀稈を搬送してフィードチェン6に受け渡す穀稈搬送装置19、などから構成されており、該前処理部5の未刈地側には、機体側方に張り出して植立穀稈を分草案内する作業姿勢(図2点線位置)と、機体側に引き寄せた格納姿勢(図2実線位置)と、に切換え可能に構成されたナローガイド20が設けられている。
【0019】
また、図3に示すように、前処理部5によって刈取られた穀稈を脱穀する脱穀部7は、扱室内に回転自在に支持された扱胴21と、その下方に設けられた受網22と、から構成されており、該扱胴21と受網22との間で穀稈が扱がれることにより脱穀されるようになっていると共に、該受網22の下方には、選別部10の揺動流板23が配設されている。
【0020】
上記脱穀部7の下方に配設された選別部10は、機体前後に揺動して揺動選別を行う揺動選別装置25と、排塵選別室26内に選別風を送風する唐箕ファン27と、排塵選別室内から排塵を吸引する吸引ファン29とを有しており、これら揺動選別装置25及び唐箕ファン27によって選別された穀粒は、1番ラセン32を介して揚穀ラセン31によってグレンタンク12に回収されると共に、選別不十分のものは2番ラセン33を介して還元ラセン35によって排塵選別室内に還流されるように構成されている。
【0021】
上記揺動選別装置25は、揺動流板23と、該揺動流板23の後方に連設されたチャフシーブ30と、チャフシーブ30の下方において前後の揺動及び選別風によって篩選別をするグレンシーブ34とを備えており、チャフシーブ30は開度を調整可能な多数の選別フィン30aを有していると共に、そのフィン開度を選別フィン制御モータ78により調節することによって、被選別物の漏下量を調節しかつ、選別風の通風量を制御可能に構成されている(図7も合わせて参照)。
【0022】
また、図4に示すように、選別部10で選別された穀粒が貯留されるグレンタンク12は、漏斗状に下方に行くほど幅狭に形成されており、該グレンタンク12の底部には、機体前後方向に延設された横ラセン36が設けられている。
【0023】
グレンタンク内の穀粒を排出する排出オーガ13は、上記横ラセン36と、グレンタンク12の後方側で上下に延設されると共に、横ラセン36によって搬送された穀粒が受け渡される縦ラセン37と、該縦ラセン37の上端部で穀粒が受け渡され、水平方向に排出口へと穀粒を搬送する排出ラセン39と、これら縦ラセン37及び排出ラセン39を収納するオーガ筒40a,40bと、から構成されている(図1も合わせて参照)。
【0024】
これら横ラセン36、縦ラセン37及び排出ラセン39は、それぞれラセン軸36a,37a,39aの周囲にラセン羽根36b,37b,39bが巻着されて構成されていると共に、横ラセン軸36aの搬送上流側端部には、エンジンからの動力が伝達される駆動プーリ41が設けられている。また、横ラセン軸36a、縦ラセン軸37a及び排出ラセン軸39aの端部には、それぞれベベルギヤ42a,42bが互いに噛合する形で設けられており、上記駆動プーリ(横ラセン軸)41に入力されたエンジンからの回転が、ベベルギヤ42a,42bを介して、各ラセン軸36a,37a,39aに伝達されることによって排出オーガ13は、駆動するように構成されている。即ち、上記横ラセン36、縦ラセン37及び排出ラセン39によって、穀粒を機外に搬送する搬送ラセンが形成されていると共に、これら搬送ラセンは、エンジン45の回転に連動して駆動するように構成されている。
【0025】
ついで、運転操作部11の構成について説明をする。図5に示すように、運転操作部11の中央には運転座席43が配設されており、該運転座席43の下方には、コモンレール式のエンジン45が配設されている。また、運転座席43の前方には、該エンジン45を始動させるイグニッションキー46が設けられており、イグニッションキー46の機体右側方には機体3の左右旋回及び前処理部5の昇降を操作するマルチステアリングレバー47が設けられている。
【0026】
一方、運転座席43の側方には、機体3を変速操作する主変速レバー49と、作業目的や刈取り条件に応じて、低速位置(車輌積降し・倒伏)、中速位置(標準)、高速位置(走行)及び中立位置に切換えられる副変速レバー50と、各種の自動スイッチ群からなるスイッチパネル51と、が設けられている。
【0027】
更に、運転座席43の後方には、排出オーガ13を自動で旋回及び収納させるオーガ自動スイッチ52と、穀粒の排出を始動もしくは停止させる排出スイッチ53と、排出オーガ13を手動で操作するオーガ手動レバー55と、が設けられている。
【0028】
図6に示すように、上記スイッチパネル51には、収穫する穀粒の種類や作業に応じて切換えられる作業切替ダイヤル(収穫対象設定手段)60、選別フィン30aの開度を調整する選別ダイヤル61、ナローガイド20を作業姿勢と格納姿勢とに切換えるナローガイドスイッチ62、機体3の水平自動制御の入切を行う水平制御スイッチ63、脱穀クラッチ82及び刈取りクラッチ83の断接を操作するパワークラッチスイッチ65などが配設されている。
【0029】
上記作業切替ダイヤル60は、積載作業時に設定される積載位置、種子用穀粒の収穫時に設定される種子位置、麦収穫時に設定される麦位置、手扱ぎ作業時に設定される手扱ぎ位置及び稲収穫時に設定される稲位置を有しており、これら各作業位置にダイヤルを合わせることによって、エンジン45の回転速度が自動的に制御されるように構成されている。また、作業切替えダイヤル60は、ダイヤルプッシュ式のダイヤルであり、このダイヤルを押すことによって、作業自動スイッチ67が入切され、上記エンジン回転速度の自動制御がオン・オフされる。なお、エンジン回転速度の自動制御がオフ(切)の場合、ダイヤル位置の目盛りに応じてエンジン回転速度が制御される(図7も併せて参照)。
【0030】
また、選別ダイヤル61も作業切替ダイヤル60と同様に、ダイヤルプッシュ式のダイヤルであり、このダイヤルを押すことによって、選別自動スイッチ69が入切され、自動モードのときには、上記作業機切替ダイヤル60で設定された穀粒の種類に応じて選別フィン30aの開度を自動的に調整すると共に、自動制御が切のときには、ダイヤル位置の目盛りに応じた開度に選別フィン30aが固定される。なお、自動モードの際にも、ダイヤル位置に応じて標準位置から選別フィン30aの開度を微調整することができる。
【0031】
更に、パワークラッチスイッチ65は、シーソー型のスイッチであり、(+)側65aを押して行くと脱穀クラッチ82、刈取りクラッチ83の順で接続し、(−)側65bを押して行くと刈取りクラッチ83、脱穀クラッチ82の順で切断され、押している指を離せば中立位置に復帰するように構成されている。
【0032】
なお、上記脱穀クラッチ82は、エンジン45からの動力を脱穀部7に伝達するクラッチであり、刈取りクラッチ83は、該脱穀クラッチ82の伝動後流側に設けられて、エンジン45からの動力を前処理部5に伝達している。また、これら脱穀クラッチ82と刈取りクラッチ83との間には、搬送HST85が設けられており、該搬送HST85を介してエンジン45からの動力がフィードチェン6及び前処理部5に伝達される。
【0033】
[制御部の構成]
ついで、本実施形態の制御部の構成について説明をする。図7は、コンバイン1の制御ブロック図であり、コンバイン1の動作を制御する制御部を構成するマイコン70の入力側には、上述した作業切替ダイヤル60、作業自動スイッチ67、パワークラッチスイッチ65、選別ダイヤル61、選別自動スイッチ69、ナローガイドスイッチ62及び排出スイッチ53が接続されていると共に、主変速レバー49の操作位置を検出する主変速レバーポテンショメータ72、搬送HST85の回転を検出する搬送HST回転センサ76、副変速レバー50が作業位置(低速位置及び中側位置)にいるか走行位置(走行位置、中立位置)にいるかを検知する副変速スイッチ73、コンバイン1の移動速度を検出する車速センサ75などが接続されている。
【0034】
一方、マイコン70の出力側には、該マイコン70と共に制御部を形成し、エンジン45を制御するエンジン制御マイコン71、脱穀クラッチ82及び刈取りクラッチ83を断接(オン・オフ)させるための脱穀・刈取りクラッチ制御モータ77、チャフシーブ30(選別フィン30a)の開度を調整する選別フィン制御モータ78、ナローガイド20を作業姿勢と格納姿勢とに切換えるナローガイド制御モータ79、搬送HST85の回転を制御する搬送HST制御モータ80、及びエンジン45から排出オーガ13への伝動を断接する排出クラッチ86を入切する排出クラッチ制御モータ81が接続されている。
【0035】
<動作>
次に、コンバイン1の動作を図8乃至図12に示すタイムチャートに基づいて説明する。
【0036】
<収穫作業時の動作>
[稲を収穫する場合]
作業者は、コンバイン1の運転操作部11に乗込むと、まず、収穫する穀粒に合わせて作業切替ダイヤル60を稲位置に合わせ、エンジン45を始動する(図8のタイミングa)。
【0037】
そして、作業を開始するにあたり、パワークラッチスイッチ(+)65aを押操作すると、マイコン70は、脱穀・刈取クラッチ制御モータ77を駆動して脱穀クラッチ82を接続し、エンジン45からの動力を脱穀部7に伝動可能な状態にすると共に、選別フィン制御モータ78を駆動させて選別フィン30aを稲標準の開度にする(図8のタイミングb〜c)。
【0038】
また、マイコン70は、上記脱穀クラッチ82を接続すると、エンジン制御マイコン71に電気指令を出力してエンジン45の回転速度を定格回転速度にする(図8のタイミングb〜c)。
【0039】
なお、この定格回転速度は、作業時に使用される回転速度であり、エンジンのトルク曲線上の最大トルク付近の回転速度である。
【0040】
[麦を収穫する場合]
一方、麦を収穫する際には、作業者は、運転操作部11に乗込むと、まず、作業切替ダイヤル60を麦位置に合わせ、エンジン45を始動する(図8のタイミングd)。
【0041】
そして、作業を開始するにあたり、パワークラッチスイッチ(+)65aを押操作すると、上記稲作業時と同様に、マイコン70は、脱穀・刈取クラッチ制御モータ77を駆動して脱穀クラッチ82を接続し、エンジン45からの動力を脱穀部7に伝動可能な状態にすると共に、選別フィン制御モータ78を駆動させて選別フィン30aを麦標準の開度にする(図8のタイミングe〜f)。
【0042】
また、マイコン70は、上記脱穀クラッチ82を接続すると、エンジン制御マイコン71に電気指令を出力してエンジン45の回転速度を定格回転速度にする(図8のタイミングe〜f)。
【0043】
[種子を収穫する場合]
また、種子用の穀粒を収穫する際には、作業者は、運転操作部11に乗込むと、まず、作業切替ダイヤル60を種子位置に合わせ、エンジン45を始動する(図8のタイミングg)。
【0044】
そして、作業を開始するにあたり、パワークラッチスイッチ(+)65aを押操作すると、上記稲及び麦作業時と同様に、マイコン70は、脱穀・刈取クラッチ制御モータ77を駆動して脱穀クラッチ82を接続し、エンジン45からの動力を脱穀部7に伝動可能な状態にすると共に、選別フィン制御モータ78を駆動させて選別フィン30aを種子標準の開度にする(図8のタイミングh〜i)。
【0045】
更に、マイコン70は、上記脱穀クラッチ82を接続すると、エンジン制御マイコン71に電気指令を出力してエンジン45の回転速度を種子回転速度にする(図8のタイミングh〜i)。
【0046】
なお、上記種子回転速度は、定格回転速度よりも低く、かつアイドリング回転速度よりも高い回転速度であり、種子を損傷させずに収穫作業が可能な回転速度に設定される。
【0047】
また、上記選別フィン30aの開度は、全開位置>種子標準位置>稲標準位置>麦標準位置>全閉位置の順番で小さくなるように設定されており、種子用の穀粒を収穫する場合、発芽率を出来る限り高めるため、選別フィン30aを開き側に設定して選別よりも損傷率の少なさを優先している。即ち、選別フィン30aの開度を大きくすることによって、出来る限り穀粒を1番ラセン32に落としてグレンタンク12に回収し、2番ラセン33及び還元ラセン35によって排塵選別室内に還流する間に穀粒が損傷することを最小限に留めている。
【0048】
なお、脱穀クラッチ82が接続された状態で、パワークラッチスイッチ(−)65bが押操作されると、フィン開度30aは維持されたまま、エンジン45の回転速度だけアイドリング回転速度となり、イグニッションキー46が切位置にされるとエンジン45が停止すると共に、フィン開度も全閉位置となる(図8のタイミングc〜d、タイミングf〜g、タイミングi)。
【0049】
そして、作業者は、図9に示すように、上記脱穀クラッチ82が接続された状態からパワークラッチスイッチ(+)65aを、更にもう1回、押操作すると、マイコン70は、脱穀・刈取クラッチ制御モータ77を駆動して刈取りクラッチ83を接続し、エンジン45からの動力を前処理部5にも伝動可能の状態にする(図9のタイミングj)。
【0050】
なお、刈取りクラッチ83が接続されても上記フィン開度及びエンジン回転速度は、作業切換えダイヤル60の設定に応じた位置に保持されると共に、エンジン回転速度は、エンジン制御マイコン71によって、上記作業切替ダイヤル60の設定位置に基づいた回転速度に自動的に制御され、例え、作業負荷が増大してもその回転速度がほとんど変動しないように制御される。
【0051】
[稲収穫作業時]
この状態で主変速レバー49が増速操作されると、搬送HST85の回転速度が停止状態から最高回転速度となると共に(図9のタイミングk〜l)、機体の車速が作業時の最高速度となり(図9のタイミングk〜m)、コンバイン1は圃場を走行しつつ稲を収穫する(図9のタイミングk〜n)。そして、収穫作業が終了すると、作業者は、主変速レバーを減速操作し(図9のタイミングn〜p)、車輌を停止すると共に、搬送HST85も停止する。
【0052】
[種子収穫作業時]
一方、種子用の穀粒を収穫する場合(図9のタイミングq)においても、脱穀クラッチ82及び刈取りクラッチ83が接続された状態で主変速レバー49を増速操作すると、稲収穫作業時と同様に車速が最高速となると共に、搬送HST85の回転速度も最高回転速度となるが(図9のタイミングr〜s)、マイコン70は、搬送HST制御モータ80に出力する電気指令を稲収穫作業時とは変更して、主変速レバー49の操作量に対する搬送HST85の回転速度を変更している。
【0053】
即ち、マイコン70が主変速レバーポテンショ72によって同じ量の主変速レバー49の操作量を検出したとしても、種子収穫作業時では、通常の設定割合で搬送HST85を増速させて行く稲収穫作業時よりも高い割合で搬送HST85を増速させる。これにより、種子収穫作業時には、フィードチェン6の搬送速度が速くなり、穀稈の搬送速度が速くなるため、扱胴21の扱歯21aに穀粒が当たる回数が少なくなり、脱穀作業時の穀粒の損傷を低減することができる。
【0054】
また、作業者は、収穫作業時に畦際の未刈地を手刈すると、作業切替ダイヤル60を手扱ぎ位置に変更する(図9のタイミングx)。すると、マイコン70は、刈取りクラッチ83を切断すると共に、搬送HST85の回転速度を最高回転速度よりも低い手扱ぎ回転速度にする。そして、フィードチェン6から穀稈を供給して手扱ぎ作業を行う。
【0055】
これにより、作業者は、収穫作業から容易に手扱ぎ作業に移行することができ、作業効率が向上する。
【0056】
なお、上記収穫作業時に作業切替ダイヤル60が麦位置にあった場合、麦は稲よりも穀稈のボリュームが大きいため、マイコン70は種子作業時と同様に、稲作業時よりも搬送HST85の回転速度の上昇を速くする。また、種子収穫作業は、稲収穫作業や麦収穫作業時の途中で、作業切替ダイヤル60を種子位置に切替えて行っても良い。この場合、エンジン45の回転速度及び選別フィン30aの開度は、そのまま種子収穫作業時の設定に移行する。更に、他の収穫作業から手扱ぎ作業へと切替える場合、車速センサ75により車輌が停止したことを検知してから刈取りクラッチ83を切断しても良い。
【0057】
ついで、上述した収穫作業時におけるナローガイド20などの動作について、図10に基づいて説明をする。作業者により、パワークラッチスイッチ(+)65aが押操作され、刈取りクラッチ83が接続されると、マイコン70は、ナローガイド制御モータ79に電気指令を出力し、それまで格納姿勢に保持していたナローガイド20を、作業姿勢へと切換える(図10のタイミングA〜B、C〜D)。
【0058】
また、この状態からパワークラッチスイッチ(―)65bを押操作すると、マイコン70は、刈取りクラッチ83を切断すると共に、ナローガイド20を作業姿勢から格納姿勢へと変更する(図10のタイミングB〜C)。
【0059】
一方、上述したように、収穫作業時に作業切替ダイヤル60が手扱ぎ位置になると、上記刈取りクラッチ83が切断されると共に、ナローガイド20も格納姿勢となる(図10のタイミングD〜F)。また、副変速レバー50が作業位置から走行位置に操作されたことを副変速スイッチ73によって検出すると、マイコン70は、刈取りクラッチ83及び脱穀クラッチ82を切断すると共に、ナローガイド20を収納位置とする(図10のタイミングG)。
【0060】
なお、別途作業入切スイッチを設け、この作業入切スイッチが切状態にある際や、作業切替ダイヤル60が積載位置にある際に、自動的に、上記ナローガイド20を収納位置にすると共に、脱穀及び刈取りクラッチ82,83を切断状態にし、かつ副変速スイッチ73を走行状態としても良い。また、非作業状態の際には、エンジン45の回転速度は、最も燃費の良いアイドリング回転速度に設定しても良い。
【0061】
一方、図11に示すように、上述した副変速スイッチ73が走行位置にある際には、マイコン70は、車速センサ75によってコンバイン1の車速が、所定の車速になったことを検知するまでは、エンジン制御マイコン71によってエンジン45の回転速度をアイドリング回転速度に維持する(図11のタイミングH〜I)。
【0062】
コンバイン1の車速が所定車速以上になると、マイコン70は、エンジン制御マイコン71に電気指令を出力し、エンジン回転速度を定格回転速度とする(図11のタイミングI〜J)。
【0063】
作業者は、車速を上げて一定時間走行した後、主変速レバー49を減速操作すると、それに連動して車速も減速する(図11のタイミングK〜L)。そして、マイコン70は、コンバイン1の車速が所定車速以下になったことを検知しても(図11のタイミングL)、エンジン回転速度をアイドリング回転速度にすることを所定時間T(例えば3〜5秒)待機し(図11のタイミングL〜M)、その間に車速が所定速度以上に回復した場合には、エンジン回転速度を定格回転速度に維持する(図11のタイミングM〜N)。
【0064】
一方、コンバイン1の車速が所定速度以下になって、所定時間Tが経過すると(図11のタイミングN〜O)、マイコン70は、エンジン制御マイコン71に電気指令を出力し、エンジン回転速度をアイドリング回転速度とする。
【0065】
<排出作業時の動作>
ついで、図12に基づいて排出作業時の作業について説明をする。
【0066】
[稲の場合]
上述した収穫作業によりグレンタンク内が穀粒で一杯になると、作業者は、排出スイッチ53を押圧して、排出作業を開始する。該押圧操作によって排出スイッチ53がオンされると、マイコン70により排出クラッチ制御モータ81が駆動されて、排出クラッチ86が接続され、エンジン45からの動力が排出オーガ13の各ラセン軸36a,37a,39aに伝達可能となる(図12のタイミングP)。
【0067】
また、この状態において、マイコン70は、エンジン制御マイコン71に、作業切替ダイヤル60の稲位置に応じた電気指令を出力し、エンジンの回転速度を定格速度とする(図12のタイミングP〜Q)。これにより、排出オーガ13が駆動され、グレンタンク内の穀粒が、横ラセン36、縦ラセン37及び排出ラセン39によって搬送され、排出オーガ13の排出口13aから機外に排出される。
【0068】
そして、上記排出スイッチ53が再度、押圧されてオフされると(図12のタイミングQ)、排出クラッチ86が切断されると共に、エンジン回転速度がアイドリング回転速度まで減速され、排出オーガ13が停止することによって、排出作業が終了する(図12のタイミングQ〜R)。
【0069】
なお、作業切替ダイヤル60が麦位置の場合は、上記稲位置の場合と同様の動作であるため、その説明を省略する。
【0070】
[種子の場合]
一方、収穫した穀粒が種子用の穀粒であった場合(図12のタイミングS)、排出スイッチ53がオンされると(図12のタイミングT)、上記稲の場合と同様に排出クラッチ86が接続されて、エンジン45からの回転が排出オーガ13に伝達可能な状態となる。また、作業切替ダイヤル60が種子位置に設定されているため、この作業切替ダイヤル60の設定位置に合わせて、マイコン70はエンジン制御マイコン71に電気信号を出力して、エンジン45の回転速度を種子回転速度にする(図12のタイミングT〜U)。
【0071】
これにより、駆動プーリ41を介してエンジン45からの回転が直接出力される排出オーガ13の各ラセン軸36a,37a,39aが、定格回転速度よりも低い種子回転速度で回転し、稲や麦に比してゆっくりとした排出速度で、排出口13aから排出される(図12のタイミングU〜V)。
【0072】
そして、上記排出スイッチ53が再度、押圧されてオフされると(図12のタイミングV)、排出クラッチ86が切断されると共に、エンジン回転速度がアイドリング回転速度まで減速され、排出オーガ13の駆動が停止することによって、排出作業が終了する(図12のタイミングV〜W)。
【0073】
上述したように、収穫する穀粒の種類に応じて切替られる作業切替ダイヤル60を設け、該作業切替ダイヤル60に設定された穀粒の種類に応じて、穀粒排出時のエンジン回転速度を変更するように構成したことによって、エンジン45と連動して駆動する排出オーガ13の排出速度を穀粒の種類に応じた適切な値に制御することができる。即ち、種子用の穀粒などを排出する場合、通常の稲や麦を排出する場合に比して排出速度を遅くすることによって、排出時に排出オーガ13の搬送ラセン36,37,39によって損傷することを防止することができ、発芽率が低減することを防止することができる。また、作業切替ダイヤル60を収穫する穀粒の種類に合わせておけば、排出スイッチ53を操作するだけで、排出オーガ13の排出速度がその穀粒の種類に応じて自動的に変更されるので、作業効率が向上する。
【0074】
更に、収穫作業時も作業切替ダイヤル60によって設定された穀粒の種類に応じて、エンジン45の回転速度を変更するため、穀粒の選別精度を向上させることができる。
【0075】
また、上記作業切替ダイヤル60の設定が、種子位置の場合には、選別フィン30aの開度を稲と比較して開き側に設定するため、種子用の穀粒が排塵選別室内に還流する間に損傷する可能性を低減することができる。
【0076】
更に、作業切替ダイヤル60の設定が、種子位置の場合には、穀稈の搬送速度を、稲よりも速くしたため、種子用の穀粒が扱歯によって傷つく可能性を低減することができる。
【0077】
また、作業機切替ダイヤル60の品種設定の機能を、エンジン回転速度の調整ダイヤルと兼用したことによって、選別フィン30aの開度を、作業機切替ダイヤル60により設定された穀粒に応じた標準位置から、選別ダイヤル61によって微調整することができる。なお、この品種設定機能は、選別ダイヤル61に付与しても良く、その場合には、エンジン回転速度を、穀粒の種類から微調整することができる。
【0078】
更に、走行状態では、自動的に、エンジン回転速度を自動で合わせかつ、各クラッチ82,83、ナローガイド20などの作業機が作業状態にならないようにしたことによって、操作が容易になると共に誤操作を防止することができる。また、走行時に車速が所定回転速度以下になっても、すぐにアイドリング回転速度とせずに、所定の遅延時間Tを設けたため、エンジン回転速度が頻繁に上下することを防止することができ、燃費向上に寄与することができる。
【0079】
なお、上記実施形態では、穀粒の排出装置として搬送ラセン式の排出オーガ13を使用したが、コンベア式など他の形式であっても良いと共に、この排出装置は、エンジンから独立して独自の駆動モータを備えたものでも良い。この場合、マイコン70は、この排出装置用の駆動源を制御して、排出速度を変更する。
【0080】
<第2の実施形態>
ついで、本発明に係る第2の実施形態について説明をする。この第2の実施形態は、本発明を汎用コンバインに適用したものであり、収穫する穀粒に応じて作業切替ダイヤル60に大豆位置が追加されている点で相異している。また、上記第1の実施形態のような自脱型コンバインとは、前処理部としてグレンプラットフォームを有している点や、脱穀部が軸流型の扱胴からなる点などでも相異しているが、このような一般的な相違点については、周知の事項であるため、詳しい説明は、省略する。更に、以下の説明においては、上記第1の実施形態と同様の構成については同一の名称及び参照符号を使用すると共に、第1の実施形態との相違点のみを説明する。
【0081】
図13に示すように、作業機切替ダイヤル60は、上述した積載位置、種子位置、麦位置、手扱ぎ位置及び稲位置の他に、積載位置と種子位置の間に、大豆を収穫する際に設定される大豆位置が追加されている。また、作業機切替ダイヤル60に手扱ぎ位置を設けずに、新たに手扱ぎスイッチ64を追加し、この手扱ぎスイッチ64がオン(入)された場合には、前処理部5のリールが上昇し、そこに穀稈を放り込むとフィーダによって搬送されて手扱ぎ作業が可能となる。
【0082】
図14に示すように、作業機切替ダイヤル60が大豆位置に設定された状態で(図14のタイミングX)、排出スイッチ53がオンされると(図14のタイミングY)、排出クラッチ86が接続されて、エンジン45からの回転が排出オーガ13に伝達可能な状態となる。また、作業切替ダイヤル60が大豆位置に設定されているため、この作業切替ダイヤル60の設定位置に合わせて、マイコン70はエンジン制御マイコン71に電気信号を出力して、エンジンの回転速度を大豆回転速度にする。
【0083】
これにより、駆動プーリを介してエンジンからの回転が直接出力される排出オーガの各ラセン軸が、種子回転速度よりも更に低い大豆回転速度で回転し、種子よりもゆっくりとした排出速度で、排出口13aから排出される(図14のタイミングY〜Z)。
【0084】
そして、上記排出スイッチ53が再度、押圧されてオフされると(図14のタイミングZ)、排出クラッチ86が切断されると共に、エンジン回転速度がアイドリング回転速度まで減速され、排出オーガ13の駆動が停止することによって、排出作業が終了する。
【0085】
このように、損傷を受けやすい大豆などの穀粒を排出する場合、エンジン45の回転速度を、種子用の穀粒を排出するよりも更に遅い大豆回転速度としたことによって、排出速度を種子時よりも更に遅くし、ラセンによって傷つきやすい豆類などの穀粒であっても、排出時に損傷することを防止することができる。
【0086】
なお、選別フィン30aは、作業切替ダイヤル60が大豆位置にある場合には、種子用の穀粒の場合と同様の開度となる。
【0087】
また、上記第1の実施形態で適用されたどのような制御も、第2の実施形態に適用することができると共に、これら第1及び第2の実施形態において、上述した制御をどのように組み合わせてコンバイン1を制御しても良い。
【符号の説明】
【0088】
1 コンバイン
5 前処理部
7 脱穀部
10 選別部
12 グレンタンク
13 排出装置(排出オーガ)
36 搬送ラセン(横ラセン)
37 搬送ラセン(縦ラセン)
39 搬送ラセン(排出ラセン)
45 エンジン
60 収穫対象設定手段(作業切替ダイヤル)
70 制御部(マイコン)
71 制御部(エンジン制御マイコン)
【技術分野】
【0001】
本発明は、グレンタンクに貯留された穀粒を排出する排出装置を備えたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、コンバインは、圃場を走行しながら穀稈を刈取り、この刈取った穀稈を脱穀する通常の収穫作業と、機体を停止した状態で、穀稈を脱穀する脱穀部及び該脱穀部によって脱穀された穀粒を選別する選別部を駆動させ、穀粒の脱穀選別のみを行う手扱ぎ作業と、収穫された穀粒を機外に排出する排出作業と、の3つの作業を行えるようになっている。
【0003】
従来、このようなコンバインにおいて、消費燃料を低減する目的で、上記収穫作業及び手扱ぎ作業に比して作業負荷の小さな排出作業の際には、エンジンの回転速度を作業時の回転速度である定格回転速度よりも低く設定するようにしたものが案出されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−72068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、上記グレンタンクには、稲の他に、麦、大豆、そばなどの様々な品種の穀粒が貯留される可能性があると共に、通常の穀粒とは別に種子用として収穫された穀粒が貯留されている場合がある。そして、グレンタンクに貯留されていた穀粒が大豆のように、排出時に傷つきやすい穀粒であったり、種子用として収穫された穀粒であったりした場合、上記特許文献1に記載のコンバインのように、常に一定の排出速度で穀粒を排出していると、他の穀粒では問題が無かったとしても、排出作業中に傷ついて、商品価値が落ちてしまったり、発芽率が低下して種子として使用できなくなってしまう可能性があった。
【0006】
そこで、本発明は、コンバインが収穫する対象を設定する収穫対象設定手段を設け、この収穫対象設定手段の設定に応じて、グレンタンクから穀粒を排出する際の排出速度を変更することによって、上記課題を解決したコンバインを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、穀稈を刈り取る前処理部(5)と、該前処理部(5)により刈り取られた穀稈を脱穀する脱穀部(7)と、該脱穀部(7)により脱穀された穀粒を選別する選別部(10)と、該選別部(10)により選別された穀粒を貯留するグレンタンク(12)と、該グレンタンク(12)に貯留された穀粒を排出する排出装置(13)と、を備えたコンバイン(1)において、
前記コンバイン(1)が収穫する穀粒の種類に応じて切換えられる収穫対象設定手段(60)と、
前記グレンタンク(12)から穀粒を排出する際に、前記収穫対象設定手段(60)の設定に応じて前記排出装置(13)の排出速度を変更する制御部(70,71)と、を備えた、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記排出装置は、エンジン(45)の回転に連動して駆動する搬送ラセン(36,37,39)を有し、
前記制御部(70,71)は、前記収穫対象設定手段(60)の設定に応じて、収穫作業時のエンジン回転速度を制御すると共に、穀粒排出時のエンジン回転速度を制御して前記排出装置(13)の排出速度を変更する、ことを特徴とする。
【0009】
更に、本発明は、前記制御部(70,71)は、前記収穫対象設定手段(60)の設定に応じて、前記選別部(10)のフィン開度を変更する、ことを特徴とする。
【0010】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何ら影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によると、作業者は、収穫する穀粒の種類に応じて収穫対象設定手段を切換えて収穫対象を設定すると共に、制御部は、この収穫作業設定手段の設定によってグレンタンクに貯留されている穀粒の種類を判別し、排出作業の際に、この穀粒の種類に応じて排出速度を変更する。これにより、排出装置の排出速度を穀粒の種類に適した速度に変更することができ、排出時の穀粒の損傷率を低減して、収穫効率を向上することができると共に、種子用の穀粒の発芽率を向上させることができる。
【0012】
請求項2に係る発明によると、収穫する穀粒の種類に応じて作業時のエンジン回転速度を制御することによって、エンジンの回転速度を穀粒の種類に応じて変更することができる。また、特に、エンジンからの回転が伝達されて駆動する搬送ラセンを備え、排出速度が高いと搬送ラセンによって穀粒が損傷する虞のある排出装置においても、制御部が穀粒の種類に応じてエンジンの回転速度を変更し、排出速度を制御することによって、穀粒の損傷率を低減することができる。更に、作業開始時に収穫作業設定手段にて収穫する穀粒の種類を設定することによって、排出時に自動的に穀粒の排出速度が変更されるため、エンジンコントロールレバーなどによってエンジンの回転数を設定する必要がなく、作業効率が向上する。
【0013】
請求項3に係る発明によると、収穫対象設定手段の設定に応じて、選別部のフィン開度を変更することにより、穀粒の種類に応じた選別を行うことができ、できるだけ損傷させたくない穀粒については、選別精度よりもグレンタンクへの回収を優先して、損傷率の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るコンバインの側面図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るコンバインの平面図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る脱穀部及び選別部を示す模式図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る排出装置を示す模式図。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るコンバインの運転操作部を示す平面図。
【図6】図5に示す運転座席のスイッチパネルを示した拡大図。
【図7】本発明の第1の実施形態に係るコンバインの制御ブロック図。
【図8】本発明の第1の実施形態に係るコンバインの収穫作業時のタイミングチャート。
【図9】本発明の第1の実施形態に係るコンバインの収穫作業時のタイミングチャート。
【図10】本発明の第1の実施形態に係るコンバインの収穫作業時のタイミングチャート。
【図11】本発明の第1の実施形態に係るコンバインの収穫作業時のタイミングチャート。
【図12】本発明の第1の実施形態に係るコンバインの排出作業時のタイミングチャート。
【図13】本発明の第2の実施形態に係るコンバインの運転座席のスイッチパネルを示した拡大図。
【図14】本発明の第2の実施形態に係るコンバインの排出作業時のタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に沿って本発明に係るコンバインの実施形態について説明をする。
【0016】
<第1の実施形態>
[コンバインの構成]
図1及び図2に示すように、コンバイン1は、左右一対のクローラ走行装置2によって支持された機体3を有しており、該機体3の前方には、穀稈を刈取り取ると共に、刈取った穀稈を機体後方へと搬送してフィードチェン6に受け渡す前処理部5が昇降自在に設けられている。また、前処理部5の後方側には、フィードチェン6によって搬送された穀稈を脱穀する脱穀部7、排稈を処理するための後処理部9が設けられていると共に、該脱穀部7の下方には、脱穀部7の受網から漏下した被選別物(脱穀された穀粒と夾雑物との混合物)を選別する選別部10が設けられている(図3も合わせて参照)。
【0017】
一方、前処理部5の側方には、作業者が着座して運転操作する運転操作部11が設けられていると共に、該運転操作部11の後方側かつ脱穀部7の側方には、上記選別部10によって選別された穀粒を貯留するグレンタンク12が配設されている。グレンタンク12に貯留された穀粒は、排出装置としての排出オーガ13によって機体外に排出されるようになっている。
【0018】
上記前処理部5は、その前部に複数設けられて穀稈を分草するデバイダ15、デバイダ15の後方で分草された穀稈を引起す引起装置16、穀稈を刈取るレシプロ式の刈刃を有する刈取り部17、及び刈取り部17によって刈取られた穀稈を搬送してフィードチェン6に受け渡す穀稈搬送装置19、などから構成されており、該前処理部5の未刈地側には、機体側方に張り出して植立穀稈を分草案内する作業姿勢(図2点線位置)と、機体側に引き寄せた格納姿勢(図2実線位置)と、に切換え可能に構成されたナローガイド20が設けられている。
【0019】
また、図3に示すように、前処理部5によって刈取られた穀稈を脱穀する脱穀部7は、扱室内に回転自在に支持された扱胴21と、その下方に設けられた受網22と、から構成されており、該扱胴21と受網22との間で穀稈が扱がれることにより脱穀されるようになっていると共に、該受網22の下方には、選別部10の揺動流板23が配設されている。
【0020】
上記脱穀部7の下方に配設された選別部10は、機体前後に揺動して揺動選別を行う揺動選別装置25と、排塵選別室26内に選別風を送風する唐箕ファン27と、排塵選別室内から排塵を吸引する吸引ファン29とを有しており、これら揺動選別装置25及び唐箕ファン27によって選別された穀粒は、1番ラセン32を介して揚穀ラセン31によってグレンタンク12に回収されると共に、選別不十分のものは2番ラセン33を介して還元ラセン35によって排塵選別室内に還流されるように構成されている。
【0021】
上記揺動選別装置25は、揺動流板23と、該揺動流板23の後方に連設されたチャフシーブ30と、チャフシーブ30の下方において前後の揺動及び選別風によって篩選別をするグレンシーブ34とを備えており、チャフシーブ30は開度を調整可能な多数の選別フィン30aを有していると共に、そのフィン開度を選別フィン制御モータ78により調節することによって、被選別物の漏下量を調節しかつ、選別風の通風量を制御可能に構成されている(図7も合わせて参照)。
【0022】
また、図4に示すように、選別部10で選別された穀粒が貯留されるグレンタンク12は、漏斗状に下方に行くほど幅狭に形成されており、該グレンタンク12の底部には、機体前後方向に延設された横ラセン36が設けられている。
【0023】
グレンタンク内の穀粒を排出する排出オーガ13は、上記横ラセン36と、グレンタンク12の後方側で上下に延設されると共に、横ラセン36によって搬送された穀粒が受け渡される縦ラセン37と、該縦ラセン37の上端部で穀粒が受け渡され、水平方向に排出口へと穀粒を搬送する排出ラセン39と、これら縦ラセン37及び排出ラセン39を収納するオーガ筒40a,40bと、から構成されている(図1も合わせて参照)。
【0024】
これら横ラセン36、縦ラセン37及び排出ラセン39は、それぞれラセン軸36a,37a,39aの周囲にラセン羽根36b,37b,39bが巻着されて構成されていると共に、横ラセン軸36aの搬送上流側端部には、エンジンからの動力が伝達される駆動プーリ41が設けられている。また、横ラセン軸36a、縦ラセン軸37a及び排出ラセン軸39aの端部には、それぞれベベルギヤ42a,42bが互いに噛合する形で設けられており、上記駆動プーリ(横ラセン軸)41に入力されたエンジンからの回転が、ベベルギヤ42a,42bを介して、各ラセン軸36a,37a,39aに伝達されることによって排出オーガ13は、駆動するように構成されている。即ち、上記横ラセン36、縦ラセン37及び排出ラセン39によって、穀粒を機外に搬送する搬送ラセンが形成されていると共に、これら搬送ラセンは、エンジン45の回転に連動して駆動するように構成されている。
【0025】
ついで、運転操作部11の構成について説明をする。図5に示すように、運転操作部11の中央には運転座席43が配設されており、該運転座席43の下方には、コモンレール式のエンジン45が配設されている。また、運転座席43の前方には、該エンジン45を始動させるイグニッションキー46が設けられており、イグニッションキー46の機体右側方には機体3の左右旋回及び前処理部5の昇降を操作するマルチステアリングレバー47が設けられている。
【0026】
一方、運転座席43の側方には、機体3を変速操作する主変速レバー49と、作業目的や刈取り条件に応じて、低速位置(車輌積降し・倒伏)、中速位置(標準)、高速位置(走行)及び中立位置に切換えられる副変速レバー50と、各種の自動スイッチ群からなるスイッチパネル51と、が設けられている。
【0027】
更に、運転座席43の後方には、排出オーガ13を自動で旋回及び収納させるオーガ自動スイッチ52と、穀粒の排出を始動もしくは停止させる排出スイッチ53と、排出オーガ13を手動で操作するオーガ手動レバー55と、が設けられている。
【0028】
図6に示すように、上記スイッチパネル51には、収穫する穀粒の種類や作業に応じて切換えられる作業切替ダイヤル(収穫対象設定手段)60、選別フィン30aの開度を調整する選別ダイヤル61、ナローガイド20を作業姿勢と格納姿勢とに切換えるナローガイドスイッチ62、機体3の水平自動制御の入切を行う水平制御スイッチ63、脱穀クラッチ82及び刈取りクラッチ83の断接を操作するパワークラッチスイッチ65などが配設されている。
【0029】
上記作業切替ダイヤル60は、積載作業時に設定される積載位置、種子用穀粒の収穫時に設定される種子位置、麦収穫時に設定される麦位置、手扱ぎ作業時に設定される手扱ぎ位置及び稲収穫時に設定される稲位置を有しており、これら各作業位置にダイヤルを合わせることによって、エンジン45の回転速度が自動的に制御されるように構成されている。また、作業切替えダイヤル60は、ダイヤルプッシュ式のダイヤルであり、このダイヤルを押すことによって、作業自動スイッチ67が入切され、上記エンジン回転速度の自動制御がオン・オフされる。なお、エンジン回転速度の自動制御がオフ(切)の場合、ダイヤル位置の目盛りに応じてエンジン回転速度が制御される(図7も併せて参照)。
【0030】
また、選別ダイヤル61も作業切替ダイヤル60と同様に、ダイヤルプッシュ式のダイヤルであり、このダイヤルを押すことによって、選別自動スイッチ69が入切され、自動モードのときには、上記作業機切替ダイヤル60で設定された穀粒の種類に応じて選別フィン30aの開度を自動的に調整すると共に、自動制御が切のときには、ダイヤル位置の目盛りに応じた開度に選別フィン30aが固定される。なお、自動モードの際にも、ダイヤル位置に応じて標準位置から選別フィン30aの開度を微調整することができる。
【0031】
更に、パワークラッチスイッチ65は、シーソー型のスイッチであり、(+)側65aを押して行くと脱穀クラッチ82、刈取りクラッチ83の順で接続し、(−)側65bを押して行くと刈取りクラッチ83、脱穀クラッチ82の順で切断され、押している指を離せば中立位置に復帰するように構成されている。
【0032】
なお、上記脱穀クラッチ82は、エンジン45からの動力を脱穀部7に伝達するクラッチであり、刈取りクラッチ83は、該脱穀クラッチ82の伝動後流側に設けられて、エンジン45からの動力を前処理部5に伝達している。また、これら脱穀クラッチ82と刈取りクラッチ83との間には、搬送HST85が設けられており、該搬送HST85を介してエンジン45からの動力がフィードチェン6及び前処理部5に伝達される。
【0033】
[制御部の構成]
ついで、本実施形態の制御部の構成について説明をする。図7は、コンバイン1の制御ブロック図であり、コンバイン1の動作を制御する制御部を構成するマイコン70の入力側には、上述した作業切替ダイヤル60、作業自動スイッチ67、パワークラッチスイッチ65、選別ダイヤル61、選別自動スイッチ69、ナローガイドスイッチ62及び排出スイッチ53が接続されていると共に、主変速レバー49の操作位置を検出する主変速レバーポテンショメータ72、搬送HST85の回転を検出する搬送HST回転センサ76、副変速レバー50が作業位置(低速位置及び中側位置)にいるか走行位置(走行位置、中立位置)にいるかを検知する副変速スイッチ73、コンバイン1の移動速度を検出する車速センサ75などが接続されている。
【0034】
一方、マイコン70の出力側には、該マイコン70と共に制御部を形成し、エンジン45を制御するエンジン制御マイコン71、脱穀クラッチ82及び刈取りクラッチ83を断接(オン・オフ)させるための脱穀・刈取りクラッチ制御モータ77、チャフシーブ30(選別フィン30a)の開度を調整する選別フィン制御モータ78、ナローガイド20を作業姿勢と格納姿勢とに切換えるナローガイド制御モータ79、搬送HST85の回転を制御する搬送HST制御モータ80、及びエンジン45から排出オーガ13への伝動を断接する排出クラッチ86を入切する排出クラッチ制御モータ81が接続されている。
【0035】
<動作>
次に、コンバイン1の動作を図8乃至図12に示すタイムチャートに基づいて説明する。
【0036】
<収穫作業時の動作>
[稲を収穫する場合]
作業者は、コンバイン1の運転操作部11に乗込むと、まず、収穫する穀粒に合わせて作業切替ダイヤル60を稲位置に合わせ、エンジン45を始動する(図8のタイミングa)。
【0037】
そして、作業を開始するにあたり、パワークラッチスイッチ(+)65aを押操作すると、マイコン70は、脱穀・刈取クラッチ制御モータ77を駆動して脱穀クラッチ82を接続し、エンジン45からの動力を脱穀部7に伝動可能な状態にすると共に、選別フィン制御モータ78を駆動させて選別フィン30aを稲標準の開度にする(図8のタイミングb〜c)。
【0038】
また、マイコン70は、上記脱穀クラッチ82を接続すると、エンジン制御マイコン71に電気指令を出力してエンジン45の回転速度を定格回転速度にする(図8のタイミングb〜c)。
【0039】
なお、この定格回転速度は、作業時に使用される回転速度であり、エンジンのトルク曲線上の最大トルク付近の回転速度である。
【0040】
[麦を収穫する場合]
一方、麦を収穫する際には、作業者は、運転操作部11に乗込むと、まず、作業切替ダイヤル60を麦位置に合わせ、エンジン45を始動する(図8のタイミングd)。
【0041】
そして、作業を開始するにあたり、パワークラッチスイッチ(+)65aを押操作すると、上記稲作業時と同様に、マイコン70は、脱穀・刈取クラッチ制御モータ77を駆動して脱穀クラッチ82を接続し、エンジン45からの動力を脱穀部7に伝動可能な状態にすると共に、選別フィン制御モータ78を駆動させて選別フィン30aを麦標準の開度にする(図8のタイミングe〜f)。
【0042】
また、マイコン70は、上記脱穀クラッチ82を接続すると、エンジン制御マイコン71に電気指令を出力してエンジン45の回転速度を定格回転速度にする(図8のタイミングe〜f)。
【0043】
[種子を収穫する場合]
また、種子用の穀粒を収穫する際には、作業者は、運転操作部11に乗込むと、まず、作業切替ダイヤル60を種子位置に合わせ、エンジン45を始動する(図8のタイミングg)。
【0044】
そして、作業を開始するにあたり、パワークラッチスイッチ(+)65aを押操作すると、上記稲及び麦作業時と同様に、マイコン70は、脱穀・刈取クラッチ制御モータ77を駆動して脱穀クラッチ82を接続し、エンジン45からの動力を脱穀部7に伝動可能な状態にすると共に、選別フィン制御モータ78を駆動させて選別フィン30aを種子標準の開度にする(図8のタイミングh〜i)。
【0045】
更に、マイコン70は、上記脱穀クラッチ82を接続すると、エンジン制御マイコン71に電気指令を出力してエンジン45の回転速度を種子回転速度にする(図8のタイミングh〜i)。
【0046】
なお、上記種子回転速度は、定格回転速度よりも低く、かつアイドリング回転速度よりも高い回転速度であり、種子を損傷させずに収穫作業が可能な回転速度に設定される。
【0047】
また、上記選別フィン30aの開度は、全開位置>種子標準位置>稲標準位置>麦標準位置>全閉位置の順番で小さくなるように設定されており、種子用の穀粒を収穫する場合、発芽率を出来る限り高めるため、選別フィン30aを開き側に設定して選別よりも損傷率の少なさを優先している。即ち、選別フィン30aの開度を大きくすることによって、出来る限り穀粒を1番ラセン32に落としてグレンタンク12に回収し、2番ラセン33及び還元ラセン35によって排塵選別室内に還流する間に穀粒が損傷することを最小限に留めている。
【0048】
なお、脱穀クラッチ82が接続された状態で、パワークラッチスイッチ(−)65bが押操作されると、フィン開度30aは維持されたまま、エンジン45の回転速度だけアイドリング回転速度となり、イグニッションキー46が切位置にされるとエンジン45が停止すると共に、フィン開度も全閉位置となる(図8のタイミングc〜d、タイミングf〜g、タイミングi)。
【0049】
そして、作業者は、図9に示すように、上記脱穀クラッチ82が接続された状態からパワークラッチスイッチ(+)65aを、更にもう1回、押操作すると、マイコン70は、脱穀・刈取クラッチ制御モータ77を駆動して刈取りクラッチ83を接続し、エンジン45からの動力を前処理部5にも伝動可能の状態にする(図9のタイミングj)。
【0050】
なお、刈取りクラッチ83が接続されても上記フィン開度及びエンジン回転速度は、作業切換えダイヤル60の設定に応じた位置に保持されると共に、エンジン回転速度は、エンジン制御マイコン71によって、上記作業切替ダイヤル60の設定位置に基づいた回転速度に自動的に制御され、例え、作業負荷が増大してもその回転速度がほとんど変動しないように制御される。
【0051】
[稲収穫作業時]
この状態で主変速レバー49が増速操作されると、搬送HST85の回転速度が停止状態から最高回転速度となると共に(図9のタイミングk〜l)、機体の車速が作業時の最高速度となり(図9のタイミングk〜m)、コンバイン1は圃場を走行しつつ稲を収穫する(図9のタイミングk〜n)。そして、収穫作業が終了すると、作業者は、主変速レバーを減速操作し(図9のタイミングn〜p)、車輌を停止すると共に、搬送HST85も停止する。
【0052】
[種子収穫作業時]
一方、種子用の穀粒を収穫する場合(図9のタイミングq)においても、脱穀クラッチ82及び刈取りクラッチ83が接続された状態で主変速レバー49を増速操作すると、稲収穫作業時と同様に車速が最高速となると共に、搬送HST85の回転速度も最高回転速度となるが(図9のタイミングr〜s)、マイコン70は、搬送HST制御モータ80に出力する電気指令を稲収穫作業時とは変更して、主変速レバー49の操作量に対する搬送HST85の回転速度を変更している。
【0053】
即ち、マイコン70が主変速レバーポテンショ72によって同じ量の主変速レバー49の操作量を検出したとしても、種子収穫作業時では、通常の設定割合で搬送HST85を増速させて行く稲収穫作業時よりも高い割合で搬送HST85を増速させる。これにより、種子収穫作業時には、フィードチェン6の搬送速度が速くなり、穀稈の搬送速度が速くなるため、扱胴21の扱歯21aに穀粒が当たる回数が少なくなり、脱穀作業時の穀粒の損傷を低減することができる。
【0054】
また、作業者は、収穫作業時に畦際の未刈地を手刈すると、作業切替ダイヤル60を手扱ぎ位置に変更する(図9のタイミングx)。すると、マイコン70は、刈取りクラッチ83を切断すると共に、搬送HST85の回転速度を最高回転速度よりも低い手扱ぎ回転速度にする。そして、フィードチェン6から穀稈を供給して手扱ぎ作業を行う。
【0055】
これにより、作業者は、収穫作業から容易に手扱ぎ作業に移行することができ、作業効率が向上する。
【0056】
なお、上記収穫作業時に作業切替ダイヤル60が麦位置にあった場合、麦は稲よりも穀稈のボリュームが大きいため、マイコン70は種子作業時と同様に、稲作業時よりも搬送HST85の回転速度の上昇を速くする。また、種子収穫作業は、稲収穫作業や麦収穫作業時の途中で、作業切替ダイヤル60を種子位置に切替えて行っても良い。この場合、エンジン45の回転速度及び選別フィン30aの開度は、そのまま種子収穫作業時の設定に移行する。更に、他の収穫作業から手扱ぎ作業へと切替える場合、車速センサ75により車輌が停止したことを検知してから刈取りクラッチ83を切断しても良い。
【0057】
ついで、上述した収穫作業時におけるナローガイド20などの動作について、図10に基づいて説明をする。作業者により、パワークラッチスイッチ(+)65aが押操作され、刈取りクラッチ83が接続されると、マイコン70は、ナローガイド制御モータ79に電気指令を出力し、それまで格納姿勢に保持していたナローガイド20を、作業姿勢へと切換える(図10のタイミングA〜B、C〜D)。
【0058】
また、この状態からパワークラッチスイッチ(―)65bを押操作すると、マイコン70は、刈取りクラッチ83を切断すると共に、ナローガイド20を作業姿勢から格納姿勢へと変更する(図10のタイミングB〜C)。
【0059】
一方、上述したように、収穫作業時に作業切替ダイヤル60が手扱ぎ位置になると、上記刈取りクラッチ83が切断されると共に、ナローガイド20も格納姿勢となる(図10のタイミングD〜F)。また、副変速レバー50が作業位置から走行位置に操作されたことを副変速スイッチ73によって検出すると、マイコン70は、刈取りクラッチ83及び脱穀クラッチ82を切断すると共に、ナローガイド20を収納位置とする(図10のタイミングG)。
【0060】
なお、別途作業入切スイッチを設け、この作業入切スイッチが切状態にある際や、作業切替ダイヤル60が積載位置にある際に、自動的に、上記ナローガイド20を収納位置にすると共に、脱穀及び刈取りクラッチ82,83を切断状態にし、かつ副変速スイッチ73を走行状態としても良い。また、非作業状態の際には、エンジン45の回転速度は、最も燃費の良いアイドリング回転速度に設定しても良い。
【0061】
一方、図11に示すように、上述した副変速スイッチ73が走行位置にある際には、マイコン70は、車速センサ75によってコンバイン1の車速が、所定の車速になったことを検知するまでは、エンジン制御マイコン71によってエンジン45の回転速度をアイドリング回転速度に維持する(図11のタイミングH〜I)。
【0062】
コンバイン1の車速が所定車速以上になると、マイコン70は、エンジン制御マイコン71に電気指令を出力し、エンジン回転速度を定格回転速度とする(図11のタイミングI〜J)。
【0063】
作業者は、車速を上げて一定時間走行した後、主変速レバー49を減速操作すると、それに連動して車速も減速する(図11のタイミングK〜L)。そして、マイコン70は、コンバイン1の車速が所定車速以下になったことを検知しても(図11のタイミングL)、エンジン回転速度をアイドリング回転速度にすることを所定時間T(例えば3〜5秒)待機し(図11のタイミングL〜M)、その間に車速が所定速度以上に回復した場合には、エンジン回転速度を定格回転速度に維持する(図11のタイミングM〜N)。
【0064】
一方、コンバイン1の車速が所定速度以下になって、所定時間Tが経過すると(図11のタイミングN〜O)、マイコン70は、エンジン制御マイコン71に電気指令を出力し、エンジン回転速度をアイドリング回転速度とする。
【0065】
<排出作業時の動作>
ついで、図12に基づいて排出作業時の作業について説明をする。
【0066】
[稲の場合]
上述した収穫作業によりグレンタンク内が穀粒で一杯になると、作業者は、排出スイッチ53を押圧して、排出作業を開始する。該押圧操作によって排出スイッチ53がオンされると、マイコン70により排出クラッチ制御モータ81が駆動されて、排出クラッチ86が接続され、エンジン45からの動力が排出オーガ13の各ラセン軸36a,37a,39aに伝達可能となる(図12のタイミングP)。
【0067】
また、この状態において、マイコン70は、エンジン制御マイコン71に、作業切替ダイヤル60の稲位置に応じた電気指令を出力し、エンジンの回転速度を定格速度とする(図12のタイミングP〜Q)。これにより、排出オーガ13が駆動され、グレンタンク内の穀粒が、横ラセン36、縦ラセン37及び排出ラセン39によって搬送され、排出オーガ13の排出口13aから機外に排出される。
【0068】
そして、上記排出スイッチ53が再度、押圧されてオフされると(図12のタイミングQ)、排出クラッチ86が切断されると共に、エンジン回転速度がアイドリング回転速度まで減速され、排出オーガ13が停止することによって、排出作業が終了する(図12のタイミングQ〜R)。
【0069】
なお、作業切替ダイヤル60が麦位置の場合は、上記稲位置の場合と同様の動作であるため、その説明を省略する。
【0070】
[種子の場合]
一方、収穫した穀粒が種子用の穀粒であった場合(図12のタイミングS)、排出スイッチ53がオンされると(図12のタイミングT)、上記稲の場合と同様に排出クラッチ86が接続されて、エンジン45からの回転が排出オーガ13に伝達可能な状態となる。また、作業切替ダイヤル60が種子位置に設定されているため、この作業切替ダイヤル60の設定位置に合わせて、マイコン70はエンジン制御マイコン71に電気信号を出力して、エンジン45の回転速度を種子回転速度にする(図12のタイミングT〜U)。
【0071】
これにより、駆動プーリ41を介してエンジン45からの回転が直接出力される排出オーガ13の各ラセン軸36a,37a,39aが、定格回転速度よりも低い種子回転速度で回転し、稲や麦に比してゆっくりとした排出速度で、排出口13aから排出される(図12のタイミングU〜V)。
【0072】
そして、上記排出スイッチ53が再度、押圧されてオフされると(図12のタイミングV)、排出クラッチ86が切断されると共に、エンジン回転速度がアイドリング回転速度まで減速され、排出オーガ13の駆動が停止することによって、排出作業が終了する(図12のタイミングV〜W)。
【0073】
上述したように、収穫する穀粒の種類に応じて切替られる作業切替ダイヤル60を設け、該作業切替ダイヤル60に設定された穀粒の種類に応じて、穀粒排出時のエンジン回転速度を変更するように構成したことによって、エンジン45と連動して駆動する排出オーガ13の排出速度を穀粒の種類に応じた適切な値に制御することができる。即ち、種子用の穀粒などを排出する場合、通常の稲や麦を排出する場合に比して排出速度を遅くすることによって、排出時に排出オーガ13の搬送ラセン36,37,39によって損傷することを防止することができ、発芽率が低減することを防止することができる。また、作業切替ダイヤル60を収穫する穀粒の種類に合わせておけば、排出スイッチ53を操作するだけで、排出オーガ13の排出速度がその穀粒の種類に応じて自動的に変更されるので、作業効率が向上する。
【0074】
更に、収穫作業時も作業切替ダイヤル60によって設定された穀粒の種類に応じて、エンジン45の回転速度を変更するため、穀粒の選別精度を向上させることができる。
【0075】
また、上記作業切替ダイヤル60の設定が、種子位置の場合には、選別フィン30aの開度を稲と比較して開き側に設定するため、種子用の穀粒が排塵選別室内に還流する間に損傷する可能性を低減することができる。
【0076】
更に、作業切替ダイヤル60の設定が、種子位置の場合には、穀稈の搬送速度を、稲よりも速くしたため、種子用の穀粒が扱歯によって傷つく可能性を低減することができる。
【0077】
また、作業機切替ダイヤル60の品種設定の機能を、エンジン回転速度の調整ダイヤルと兼用したことによって、選別フィン30aの開度を、作業機切替ダイヤル60により設定された穀粒に応じた標準位置から、選別ダイヤル61によって微調整することができる。なお、この品種設定機能は、選別ダイヤル61に付与しても良く、その場合には、エンジン回転速度を、穀粒の種類から微調整することができる。
【0078】
更に、走行状態では、自動的に、エンジン回転速度を自動で合わせかつ、各クラッチ82,83、ナローガイド20などの作業機が作業状態にならないようにしたことによって、操作が容易になると共に誤操作を防止することができる。また、走行時に車速が所定回転速度以下になっても、すぐにアイドリング回転速度とせずに、所定の遅延時間Tを設けたため、エンジン回転速度が頻繁に上下することを防止することができ、燃費向上に寄与することができる。
【0079】
なお、上記実施形態では、穀粒の排出装置として搬送ラセン式の排出オーガ13を使用したが、コンベア式など他の形式であっても良いと共に、この排出装置は、エンジンから独立して独自の駆動モータを備えたものでも良い。この場合、マイコン70は、この排出装置用の駆動源を制御して、排出速度を変更する。
【0080】
<第2の実施形態>
ついで、本発明に係る第2の実施形態について説明をする。この第2の実施形態は、本発明を汎用コンバインに適用したものであり、収穫する穀粒に応じて作業切替ダイヤル60に大豆位置が追加されている点で相異している。また、上記第1の実施形態のような自脱型コンバインとは、前処理部としてグレンプラットフォームを有している点や、脱穀部が軸流型の扱胴からなる点などでも相異しているが、このような一般的な相違点については、周知の事項であるため、詳しい説明は、省略する。更に、以下の説明においては、上記第1の実施形態と同様の構成については同一の名称及び参照符号を使用すると共に、第1の実施形態との相違点のみを説明する。
【0081】
図13に示すように、作業機切替ダイヤル60は、上述した積載位置、種子位置、麦位置、手扱ぎ位置及び稲位置の他に、積載位置と種子位置の間に、大豆を収穫する際に設定される大豆位置が追加されている。また、作業機切替ダイヤル60に手扱ぎ位置を設けずに、新たに手扱ぎスイッチ64を追加し、この手扱ぎスイッチ64がオン(入)された場合には、前処理部5のリールが上昇し、そこに穀稈を放り込むとフィーダによって搬送されて手扱ぎ作業が可能となる。
【0082】
図14に示すように、作業機切替ダイヤル60が大豆位置に設定された状態で(図14のタイミングX)、排出スイッチ53がオンされると(図14のタイミングY)、排出クラッチ86が接続されて、エンジン45からの回転が排出オーガ13に伝達可能な状態となる。また、作業切替ダイヤル60が大豆位置に設定されているため、この作業切替ダイヤル60の設定位置に合わせて、マイコン70はエンジン制御マイコン71に電気信号を出力して、エンジンの回転速度を大豆回転速度にする。
【0083】
これにより、駆動プーリを介してエンジンからの回転が直接出力される排出オーガの各ラセン軸が、種子回転速度よりも更に低い大豆回転速度で回転し、種子よりもゆっくりとした排出速度で、排出口13aから排出される(図14のタイミングY〜Z)。
【0084】
そして、上記排出スイッチ53が再度、押圧されてオフされると(図14のタイミングZ)、排出クラッチ86が切断されると共に、エンジン回転速度がアイドリング回転速度まで減速され、排出オーガ13の駆動が停止することによって、排出作業が終了する。
【0085】
このように、損傷を受けやすい大豆などの穀粒を排出する場合、エンジン45の回転速度を、種子用の穀粒を排出するよりも更に遅い大豆回転速度としたことによって、排出速度を種子時よりも更に遅くし、ラセンによって傷つきやすい豆類などの穀粒であっても、排出時に損傷することを防止することができる。
【0086】
なお、選別フィン30aは、作業切替ダイヤル60が大豆位置にある場合には、種子用の穀粒の場合と同様の開度となる。
【0087】
また、上記第1の実施形態で適用されたどのような制御も、第2の実施形態に適用することができると共に、これら第1及び第2の実施形態において、上述した制御をどのように組み合わせてコンバイン1を制御しても良い。
【符号の説明】
【0088】
1 コンバイン
5 前処理部
7 脱穀部
10 選別部
12 グレンタンク
13 排出装置(排出オーガ)
36 搬送ラセン(横ラセン)
37 搬送ラセン(縦ラセン)
39 搬送ラセン(排出ラセン)
45 エンジン
60 収穫対象設定手段(作業切替ダイヤル)
70 制御部(マイコン)
71 制御部(エンジン制御マイコン)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀稈を刈り取る前処理部と、該前処理部により刈り取られた穀稈を脱穀する脱穀部と、該脱穀部により脱穀された穀粒を選別する選別部と、該選別部により選別された穀粒を貯留するグレンタンクと、該グレンタンクに貯留された穀粒を排出する排出装置と、を備えたコンバインにおいて、
前記コンバインが収穫する穀粒の種類に応じて切換えられる収穫対象設定手段と、
前記グレンタンクから穀粒を排出する際に、前記収穫対象設定手段の設定に応じて前記排出装置の排出速度を変更する制御部と、を備えた、
ことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記排出装置は、エンジンの回転に連動して駆動する搬送ラセンを有し、
前記制御部は、前記収穫対象設定手段の設定に応じて、収穫作業時のエンジン回転速度を制御すると共に、穀粒排出時のエンジン回転速度を制御して前記排出装置の排出速度を変更する、
ことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記制御部は、前記収穫対象設定手段の設定に応じて、前記選別部のフィン開度を変更する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンバイン。
【請求項1】
穀稈を刈り取る前処理部と、該前処理部により刈り取られた穀稈を脱穀する脱穀部と、該脱穀部により脱穀された穀粒を選別する選別部と、該選別部により選別された穀粒を貯留するグレンタンクと、該グレンタンクに貯留された穀粒を排出する排出装置と、を備えたコンバインにおいて、
前記コンバインが収穫する穀粒の種類に応じて切換えられる収穫対象設定手段と、
前記グレンタンクから穀粒を排出する際に、前記収穫対象設定手段の設定に応じて前記排出装置の排出速度を変更する制御部と、を備えた、
ことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記排出装置は、エンジンの回転に連動して駆動する搬送ラセンを有し、
前記制御部は、前記収穫対象設定手段の設定に応じて、収穫作業時のエンジン回転速度を制御すると共に、穀粒排出時のエンジン回転速度を制御して前記排出装置の排出速度を変更する、
ことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記制御部は、前記収穫対象設定手段の設定に応じて、前記選別部のフィン開度を変更する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−193775(P2011−193775A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−63188(P2010−63188)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】
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