説明

コンバイン

【課題】土の取り込みを防止しつつ水平制御を行うことができる3つ以上の対地高さ検出用ソリ体を備えたコンバインを提供する。
【解決手段】コンバイン150は、対地高さ検出用ソリ体を少なくとも3個以上有し、それぞれが独立して対地高さを検出する。そして、左右端に位置する対地高さ検出用ソリ体36L、36Rは、畝に対する水平制御用の検出機能を保持し、また、中間に位置する対地高さ検出用ソリ体36Cは、刈り高さ制御用の検出機能を保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対地高さ検出用ソリ体を備えたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、根菜等(例えば、大豆)を収穫し処理するコンバインにおいては、圃場面に対して接地して刈取部の高さを検出する対地高さ検出用ソリ体が刈取部下方に配設されている。
かかる対地高さ検出用ソリ体は、左右に各々独立して設けられ、刈取部の左右の対地高さを検出して走行部の左右クローラの昇降制御を行い、本機と一体固定の刈取部を圃場面の左右傾斜あるいは左右凹凸に沿って圃場面に平行な姿勢に制御する(例えば、特許文献1、特許文献2)。
【0003】
かかるコンバインにおいては、対地高さ検出用ソリ体が2つであるため、3条以上の畝の刈取りを行う場合、中央の畝に対して両方の対地高さ検出用ソリ体が接地するため、正確な対地高さ検出動作が行うことができず、圃場面に平行な姿勢に制御することができないおそれがある。また、中央の畝が左右の畝よりも高い場合は、左右いずれかの対地高さ検出用ソリ体が検出した対地高さに基いてコンバインを傾斜させるため、上方に傾いた側の畝の根菜等は高刈されてしまうことになる。
【0004】
かかる欠点を解消すべく、特許文献3では、左右の対地高さ検出用ソリ体の中間にも対地高さ検出用ソリ体を配設する提案がなされた。当該特許文献3では、畝の形状に応じて当該中間の対地高さソリ体を、左右の対地高さ検出用ソリ体のいずれかに従属させたり、自由揺動状態とすることで、対地高さ検出動作を安定させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−46540号公報
【特許文献2】特開平11−75465号公報
【特許文献3】特開2005−211011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献3のコンバインにおいては、中央の対地高さ検出用ソリ体は、左右の対地高さ検出用ソリ体とは独立して対地高さ検出を行わないため、中央の畝の高さを検知することができず、その結果、刈取部が土を取り込んでしまうおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決することができるコンバインを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、機体の前部に設けられた刈取部と、前記刈取部の下方に装着し、接地体として機能する複数の対地高さ検出用ソリ体と、該複数の対地高さ検出用ソリ体にそれぞれ連動連結した検知手段として機能する複数の検出部と、該複数の検出部からの信号により前記機体の左右の走行機構の昇降制御を行い対地高さを設定する設定手段と、を有するコンバインにおいて、前記複数の対地高さ検出用ソリ体を前記刈取部の左右方向に独立して少なくとも3個以上別々に配設し、前記複数の対地高さ検出用ソリ体のうち左右端に位置する対地高さ検出用ソリ体は、畝に対する水平制御用の検出機能を保持し、前記複数の対地高さ検出用ソリ体のうち中間に位置する対地高さ検出用ソリ体は、刈り高さ制御用の検出機能を保持することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、請求項1のコンバインであって、前記少なくとも3個以上の対地高さ検出用ソリ体のうち、前記中間に位置する対地高さ検出用ソリ体の検出による刈り高さ制御を、前記左右端の対地高さ検出用ソリ体の検出による水平制御よりも優先して行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、対地高さ検出用ソリ体を少なくとも3個以上別々に配設し、それぞれが独立して対地高さを検出する。そして、左右端に位置する対地高さ検出用ソリ体は、畝に対する水平制御用の検出機能を保持し、また、中間に位置する対地高さ検出用ソリ体は、刈り高さ制御用の検出機能を保持するので、コンバインを圃場面に平行な姿勢に制御することができ、かつ、刈取部における土の取り込みを防止することができる。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、中間に位置する対地高さ検出用ソリ体の検出による刈り高さ制御を、前記左右端の対地高さ検出用ソリ体の検出による水平制御よりも優先して行うことにより、刈取部における土の取り込みをより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態に係るコンバインの全体構成を示す側面図である。
【図2】図1に示すコンバインの全体構成を示す平面図である。
【図3】図1に示す刈取部の底面図である。
【図4】第1実施形態に係る連動リンク機構の底面拡大図ある。
【図5】第1実施形態に係る連動リンク機構の左側側面図である。
【図6】第1実施形態に係る連動リンク機構のうち中支軸等の連結動作を説明するための図である。
【図7】第1実施形態に係る連動リンク機構のうち左ソリ体用枢支パイプ等の連結動作を説明するための図である。
【図8】第1実施形態に係る連動リンク機構の底面拡大図である。
【図9】第1実施形態に係る連動リンク機構の右側側面図である。
【図10】第1実施形態に係る連動リンク機構の底面拡大図である。
【図11】第2実施形態に係る連動リンク機構の底面拡大図である。
【図12】第2実施形態に係る連動リンク機構の右側側面図である。
【図13】第2実施形態に係る連動リンク機構の左側側面図である。
【図14】第2実施形態に係る連動リンク機構のうち中央ソリ体用枢支パイプ等の連結動作を説明するための図である。
【図15】第2実施形態に係る連動リンク機構のうち右支軸等の連結動作を説明するための図である。
【図16】第2実施形態に係る連動リンク機構のうち左ソリ体用枢支パイプ等の連結動作を説明するための図である。
【図17】第2実施形態に係る連動リンク機構の底面拡大図である。
【図18】第3実施形態に係る連動リンク機構の底面拡大図である
【図19】第3実施形態に係る連動リンク機構の底面拡大図である
【図20】コントローラ等のブロック図である。
【図21】対地高さ制御処理のフローチャートである。
【図22】第1制御処理のフローチャートである。
【図23】各畝の状態を示す説明図である。
【図24】第2制御処理のフローチャートである。
【図25】各畝の状態を示す説明図である。
【図26】対地高さ制御処理(その他の形態)のフローチャートである。
【図27】第3制御処理のフローチャートである。
【図28】各畝の状態を示す説明図である。
【図29】各畝の状態を示す説明図である。
【図30】第5制御処理のフローチャートである。
【図31】各畝の状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[1.第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係るコンバインについて図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0014】
[1−1.コンバインの全体構成]
まず、実施形態に係るコンバイン150の全体構成について、図1〜図2を参照しつつ説明する。図1は実施形態に係るコンバイン150の全体構成を示す側面図であり、図2はコンバイン150の全体構成を示す平面図であり、図3はコンバイン150の刈取部4の底面図である。
【0015】
図1に示すように、クローラ式走行装置1上には機体フレーム10が搭載され、機体フレーム10上には脱穀部2が搭載され、脱穀部2の前方にはフィーダハウス3を介して刈取部4が連設されると共に、脱穀部2の横側方には穀粒タンク5が搭載され、穀粒タンク5の前方側には運転部6が連設されている。
【0016】
また、脱穀部2の下方には揺動選別装置9が配置され、揺動選別装置9の下方に横設された一番コンベアよりバケット式の揚穀コンベアを介して、揺動選別装置9で選別された一番物などの精粒が穀粒タンク5に搬送されて貯留できるように構成されている。穀粒タンク5の下部にはスクリュー式の搬出コンベアが軸装され、該搬出コンベアの終端部は、その後部に立設した穀粒排出装置13下部に受継ぎケースを介して連通されている。
【0017】
穀粒排出装置13はバケット式昇降機として、上部に排出口を設け、該排出口より中継搬送装置14を介してコンベア式排出装置15の基部に連通され、コンベア式排出装置15により穀粒タンク5内の穀粒を排出できるように構成されている。また、コンベア式排出装置15は、昇降回動及び旋回可能に構成されている。
【0018】
クローラ式走行装置1は左右一対に配設されて、ミッションケースより伝動された動力により駆動される駆動スプロケット20、トラックフレーム24L、24Rの後部にテンション機構を介して取り付けられる従動スプロケット21、トラックフレーム24L、24R上に複数配置される遊転輪22・22・・・、駆動スプロケット20と従動スプロケット21と遊転輪22間に巻回されるクローラベルト23等から構成されている。
【0019】
左右それぞれのトラックフレーム24L、24Rと機体フレーム10との間に、機体支持高さ昇降駆動手段となる油圧シリンダ25L、25Rと揺動リンク機構と車高検知手段26が配設され、該油圧シリンダ25L、25Rは後述するコントローラ100の制御により伸縮する。
【0020】
そして、油圧シリンダ25L、25Rを伸長させることにより、揺動リンク機構を構成する前後のベルクランクが回動されて、トラックフレーム24L、24Rが平行に下方に移動されて機体を上昇させることができる。逆に油圧シリンダ25L、25Rを縮小すると、トラックフレーム24L、24Rが上方に移動されて機体を下降させることができる。
【0021】
刈取部4は、フィーダハウス3の先端部に走行機体の全幅にわたって左右に延びた前方と下方を開放した略方形箱状のプラットホーム30を配設し、プラットホーム30内に掻込オーガ35を架設し、プラットホーム30の前下部には左右長手状に伸延したバリカン状の刈刃装置31を設けている。
【0022】
また、プラットホーム30の前上方に走行機体の全幅にわたって前転可能に取り付けた掻込リール33を昇降可能に配置し、掻込リール33の全幅方向に一定間隔で掻込タインを多数設けている。掻込リール33、刈刃装置31、及び掻込オーガ35は、不図示の原動機部からの動力を伝達する伝動軸などからなる伝動機構を介して駆動される。
【0023】
掻込オーガ35の円周面には、フィーダハウス3の開口部分を残して、互いに反対の旋回方向となるようにスクリュー状掻板(不図示)を設けている。また、スクリュー状掻板が設けられていない掻込オーガ35の軸方向中央部分には、掻込棒41が出没自在に設けられている。また、刈刃装置31の左右両側部の前方には、左右一対の分草体32が前方に突出して配されている。
【0024】
また、前記プラットホーム30と掻込リール33の間には、リール昇降シリンダ39が配置され、掻込リール33を昇降可能としている。また、フィーダハウス3の下部と機体フレーム10の間には、刈取部4の昇降駆動手段として油圧シリンダ27が配設されている。
【0025】
刈取部4は以上のように構成されているので、掻込リール33で後方に引き倒された穀稈を刈刃装置31で刈取り、掻込オーガ35により寄せ集められる。刈取られた穀稈は、掻込オーガ35に設けたスクリュー状掻板によりプラットホーム30の上を横方向に送られ、掻込棒により掻込まれ、フィーダハウス3の前端開口部においてフィーダハウス3内に設けたチェーンコンベア38に受け継がれて脱穀部に搬送される。
【0026】
また、刈刃装置31の後方には、コンバイン150の対地高さを検出するための対地高さ検出用ソリ体36L、36C、36Rが配設されている(図3参照)。また、刈取部4に設けられた3つの対地高さ検出用ソリ体36L、36C、36Rは、湾曲したソリ状の平板であり、その前端部81R、81C、81Lを中心にして揺動することにより、圃場面の凹凸や隆起沈降を検出するものである。
【0027】
これらの対地高さ検出用ソリ体36L、36C、36Rは独立して揺動することができ、しかも、左右の対地高さ検出用ソリ体36L、36Rは畝に対する水平制御に用いられ、中央の対地高さ検出用ソリ体36Cは刈り高さ制御に用いられる。また、それぞれの対地高さ検出用ソリ体36L、36C、36Rの揺動は、各連動リンク機構によって、ポテンショメータ52L、52C、52Rにそれぞれ伝達される。
【0028】
[1−2.ソリ体支持軸]
各ソリ体36L、36C、36Rを軸支するために、プラットホーム30の左右側壁83L、83Rには、ソリ体支持軸360が架設されている。
ソリ体支持軸360は、右側の対地高さ検出用ソリ体36Rを回動自在に支持するための右支軸40Rと、中央の対地高さ検出用ソリ体36Cを回動自在に支持するための中支軸40Cと、左側の対地高さ検出用ソリ体36Lを回動自在に支持するための中空パイプ状の左支軸40Lとにより構成されている。
【0029】
右支軸40Rの左側端は、プラットホーム30の内壁面に突設したブラケット191に、ボス111を介して回動自在に軸支されているとともに、右支軸40Rの右側端は、プラットホーム30の右側壁83Rに軸支されて外側方へ突出されている。
【0030】
なお、右支軸40Rの外周面に突設した断面略コ字状のブラケット211の天井部に対地高さ検出用ソリ体36Rの前端縁部361を重ねてボルト85とナット185で両者を固定することにより、右支軸40Rに対地高さ検出用ソリ体36Lを一体に連設している。
【0031】
したがって、右側の対地高さ検出用ソリ体36Rが圃場面の凹凸に対応して揺動すれば、その回動トルクは右支軸40Rに伝達されて、右支軸40Rが右側の対地高さ検出用ソリ体36Rの揺動を検出することになる。
【0032】
また、右支軸40Rの右側端は、前述のように回動可能な状態でプラットホーム30の右側壁83Rから外方へ突出されており、しかも、突出した軸端は、ボス91を介して検出部としてのポテンショメータ52R(後述)に連動リンク機構175(後述)を介して連動連結されている。
【0033】
一方、中支軸40Cの右側端は、右支軸40Rの軸芯と同一軸芯でブラケット191にボス113を介して回動自在に軸支されていると共に、中支軸40Cの左側端は、プラットホーム30の左側壁に軸支されて外側方へ突出されている。なお、中支軸40Cの右軸端は、右支軸40Rとは縁切りされているので、右支軸40Rと中支軸40Cとは独立して回動可能である。
【0034】
また、左支軸40Lは、中空パイプ状に形成されて、中支軸40Cと同一軸芯で中支軸40Cの外周を囲繞した状態で架設されており、右側端はプラットホーム30内壁面に突設したブラケット192にボス112を介して回動自在に軸支されており、左側端はプラットホーム30の左側壁に突出されており、しかもプラットホーム30の左側壁においては、パイプ状の左支軸40Lと共に、左支軸40L中を挿貫して外方に突出した中支軸40Cが設けられている。
【0035】
なお、左支軸40Lの外周面に突設した断面略コ字状のブラケット213の天井部に対地高さ検出用ソリ体36Lの前端縁部363を重ねてボルト86とナット186で両者を固定することにより、左支軸40Lに対地高さ検出用ソリ体36Lを一体に連設している。同様に、中支軸40Cの右側外周面に突設した断面略コ字状のブラケット212の天井部に対地高さ検出用ソリ体36Cの前端縁部362を重ねてボルト89とナット189で両者を固定することにより、中支軸40Cに対地高さ検出用ソリ体36Cを一体に連設している。
【0036】
したがって、左側の対地高さ検出用ソリ体36Lが圃場面の凹凸に対応して揺動すれば、その回動トルクは左支軸40Lに伝達されて、左支軸40Lが左側の対地高さ検出用ソリ体36Lの揺動を検出することになる。同様に、中央の対地高さ検出用ソリ体36Cが圃場面の凹凸に対応して揺動すれば、その回動トルクは中支軸40Cに伝達されて、中支軸40Cが中央の対地高さ検出用ソリ体36Cの揺動を検出することになる。
【0037】
かかる中空パイプ状の左支軸40Lの左側端と内軸としての中支軸40Cの左側端とは、共に同芯軸として遊嵌された状態でプラットホーム30の左側壁83Lから外方へ突出されている。しかも、各突出した軸端は、検出部としてのポテンショメータ52C、52L(後述)に各連動リンク機構75C、75L(後述)を介してそれぞれ連動連結されている。
【0038】
以上のように構成することにより、対地高さ検出用ソリ体36L、36C、36Rのそれぞれは独立して揺動することができると共に、中支軸40Cと左支軸40Lとが内外層の同芯軸構成となっているために強度が向上し、その結果、刈取時の不測の負荷にも耐久し得る。また、3つの対地高さ検出用ソリ体36L、36C、36Rの前端縁を幅員方向に同一軸線上に配置しているので、省スペース化を図ることができる。
【0039】
[1−3.連動リンク機構の具体的構成]
次に、各支軸に伝達された各対地高さ検出用ソリ体の揺動をソリ体支持軸360を介して各ポテンショメータに伝達するための各連動リンク機構について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
本実施形態では、図4に示すように、左側及び中央の対地高さ検出用ソリ体36L、36Cの各連動リンク機構75L、75Cをそれぞれ左側壁83L側に配設し、右側の対地高さ検出用ソリ体36Rの右側連動リンク機構75Rを右側壁83R側に配設することで、3つの対地高さ検出用ソリ体36L、36C、36Rの各連動リンク機構を刈取部4の左右側に分散して配設している。
【0040】
まず、中央の対地高さ検出用ソリ体36Cの中央連動リンク機構75Cについて説明する。
中央連動リンク機構75Cは、図5及び図6に示すように、基端を中支軸40Cの軸端に連設した作動アーム42aと、スプリング70aと、プラットホーム30の左側壁83Lに突設したセンサアーム用枢支軸48に中央部を枢着した中央センサアーム46と、センサアーム用枢支軸48に中央部を枢着し両端にポテンショメータ52C、52Lを取りつけた調節プレート51と、調節プレート51に連設した対地高さ切換レバー98と、調節プレート51の一部に中央センサアーム46を当接させて調節プレート51の反時計回りの回動に連動する構造とするためのセンサアーム受体55とより構成される。
【0041】
図6に示すように、中支軸40Cの端部に連設した作動アーム42aは、中支軸40Cの回転に応じて上下に回動し、その回動は押し応力または引張り応力としてスプリング70aを介して中央センサアーム46を回動させる。なお、中支軸40Cと作動アーム42aとの連設部分にはトルクバネ221が介設されており、中央の対地高さ検出用ソリ体36Cが接地する側へ回動付勢している。
【0042】
したがって、機体を後進させた際に対地高さ検出用ソリ体36Cが圃場面に引っかかり対地高さ検出用ソリ体36Cが規定以上の下方回動をし、或いはトルクバネ221によって規定以上の下方回動をし、その結果、作動アーム42aが過回動してスプリング70aを下方に大きく引っ張っても、スプリング70aが下方に伸延するのみであるため、中央センサアーム46に大きな負荷がかからない。
【0043】
また、図8に示すように、センサアーム用枢支軸48は、プラットホーム30の左側壁83Lから外方に突設されており、センサアーム用枢支軸48には、中央センサアーム46連設用の先端ボス232と左センサアーム66連設用の中央ボス234と調節プレート51連設用のプレート用ボス233が並列して遊嵌されている。
【0044】
また、図6に示すように、調節プレート51は略方形状であり、対角線上の両端部には前述のとおりポテンショメータ52C、52Lを設けており、中央をセンサアーム用枢支軸48の基端部分に遊嵌したプレート用ボス233に連設し、当該ボスを介してセンサアーム用枢支軸48を中心に回動変位自在としている。なお、調節プレート51は、後述する対地高さ切換レバー98の操作によって回動する。
【0045】
また、図6に示すように、中央の対地高さ検出用ソリ体36C用の中央センサアーム46は、長方形状であり、中央にセンサアーム用枢支軸48の先端部分に遊嵌した先端ボス232を連設し、当該ボスを介してセンサアーム用枢支軸48を中心に回動変位自在としている。そして、中央センサアーム46は、対地高さ検出用ソリ体36Cに連動連設した作動アーム42aの回動に従って、スプリング70aを介して、センサアーム用枢支軸48を中心として回転運動を行う。
【0046】
そして、中央の対地高さ検出用ソリ体36C用のポテンショメータ52Cの検出アーム53aには、中央センサアーム46の左端部に突設したピン54aが当接し、中央の対地高さ検出用ソリ体36Cの揺動運動に連動して中央センサアーム46が回動運動すると、ピン54aが対地高さ検出用ソリ体36Cの下降距離に比例して検出アーム53aに作用する。
【0047】
さらに、ポテンショメータ52Cは、初期設定位置からの移動量に基いて、中央の対地高さ検出用ソリ体36Cの揺動距離を検出し、後述するようにコントローラ100が中央の対地高さ検出用ソリ体36Cの揺動を検知して、機体の刈り高さ制御を行う。
【0048】
また、調節プレート51の前部上端縁には、センサアーム受体55が突設されており、センサアーム用枢支軸48を中心に回動する中央センサアーム46の上端縁がセンサアーム受体55の下端に当接することにより、中央センサアーム46の回動範囲、すなわち対地高さ検出用ソリ体36Cの下降距離(揺動範囲)を規制している。なお、センサアーム受体55と中央センサアーム46とを直接接触させないように中央センサアーム46との当接部に弾性体を設け、異音や衝撃を軽減させるように構成してもよい。
【0049】
次に、左側の対地高さ検出用ソリ体36Lの左側連動リンク機構75Lについて説明する。
図7に示すように、左側連動リンク機構75Lは、中央連動リンク機構75Cと同様に、基端を左支軸40Lの軸端に連設した作動アーム42bと、スプリング70bと、プラットホーム30の左側壁83Lに突設したセンサアーム用枢支軸48に中央部を枢着した左センサアーム66と、センサアーム用枢支軸48に中央部を枢着し両端にポテンショメータ52C、52Lを取りつけた調節プレート51と、調節プレート51に連設した対地高さ切換レバー98と、調節プレート51の一部に中央センサアーム46を当接させて調節プレート51の反時計回りの回動に連動する構造とするためのセンサアーム受体55とより構成される。
【0050】
また、調節プレート51と対地高さ切換レバー98とセンサアーム受体55は、前述の中央連動リンク機構75Cと共有することにより、構造を簡略化している。
すなわち、各ソリ体の揺動範囲の初期設定を行うために操作する対地高さ切換レバー98を操作して回転させる調節プレート51は、中央連動リンク機構75Cも左側連動リンク機構75Lも同一のプレートとし、さらには、調節プレート51に固設したセンサアーム受体55も同一の受体としており、中央連動リンク機構75Cと左側連動リンク機構75Lでは調節プレート51と対地高さ切換レバー98とセンサアーム受体55を共用として構造の簡略化を図っている。
【0051】
なお、左側連動リンク機構75Lの作用は、前述の中央連動リンク機構75Cと基本的に同じであるので、説明を省略する。
【0052】
次に、左側及び中央の対地高さ検出用ソリ体36L、36Cの高さ調整機構について説明する。
図5等に示すように、調節プレート51の前部には、対地高さ切換レバー98の基端部が連設されている。対地高さ切換レバー98の操作により、調節プレート51の回動操作が可能である。調節プレート51が下向きに回動すれば、センサアーム受体55が中央センサアーム46と左センサアーム66に当接するので、中央センサアーム46、66も下向きに回動する。また、調節プレート51が上向きに回動すれば、中支軸40Cと作動アーム42aとの枢着部分に介設されたトルクバネ221と、左支軸40Lと作動アーム42bとの枢着部分に介設されたトルクバネ222との各作用により、中央センサアーム46と左センサアーム66も上向きに回動する。
このように構成することにより、対地高さ検出用ソリ体36L、36Cの揺動範囲の変更や、対地高さ検出用ソリ体36L、36Cの作業状態と収納状態との相互の切換えが、一つの対地高さ切換レバー98により同時に行うことができるように構成されている。
【0053】
すなわち、図5に示すように、対地高さ切換レバー98は、調節プレート51に連設した支持筒98bと、支持筒98bの筒内に挿入され進退自在に挿入されたレバーシャフト98cと、レバーシャフト98cの中途部に固定されたストッパ98dと、ストッパ98dと支持筒98b端部との間に介在したスプリング99から構成されている。
【0054】
そして、レバーシャフト98cは、ガイド板97に形成した操作溝97aに貫通されており、操作溝97aには所定の位置に複数の係合溝97bが横側方に形成され、操作溝97aに沿って対地高さ切換レバー98を移動し係合溝97bに係合固定する。なお、対地高さ切換レバー98を操作するに際しては、同レバーをスプリング99に抗して操作溝97a中に押込み摺動させて所定の位置でストッパ98dを係合溝97bに係合することにより行う。係合溝97bの位置は、コンバイン150が移動等を行うような非刈取作業状態において対地高さ検出用ソリ体36C、36Lの後側端部を上昇させて収納状態とさせる収納位置200Nと、刈取作業時において対地高さ検出用ソリ体36R、36Lの後側端部を下降させて対地高さを検出する場合の作業高状態固定位置200Hと、作業低状態固定位置200Lとの三か所の位置としている。
【0055】
なお、係合溝97bの位置は、三か所の位置とする構成に限らない。
【0056】
対地高さ切換レバー98を下方に操作することにより、センサアーム受体55と中央センサアーム46との当接構造により、調節プレート51と共に中央センサアーム46を、センサアーム用枢支軸48を中心に反時計回りに回転させる。同時に、左センサアーム66を、センサアーム用枢支軸48を中心に反時計回りに回転させる。
かかる操作は、中央及び左側の各対地高さ検出用ソリ体36C、36Lの収納作業時に行うものである。
【0057】
他方、対地高さ切換レバー98を下方位置、すなわち収納位置から上方の作業低状態固定位置に操作することにより、中央センサアーム46は、作動アーム42aの基端部に介設したトルクバネ221の付勢によってセンサアーム用枢支軸48を中心に時計回り方向に回転し、中央の対地高さ検出用ソリ体36Cの収納位置から作業低状態固定位置に変位する。同時に、左センサアーム66についても、作動アーム42bの基端部に介設したトルクバネ222の付勢によってセンサアーム用枢支軸48を中心に時計回り方向に回転し、左側の対地高さ検出用ソリ体36Lの収納位置から作業低状態固定位置に変位する。
【0058】
さらに、対地高さ切換レバー98を下方位置、すなわち作業低状態固定位置から作業高状態固定位置に操作することにより、中央センサアーム46は、トルクバネ221の更なる付勢により、センサアーム用枢支軸48を中心に更なる回動をして、作業高状態固定位置となる。同時に、左センサアーム66についても、トルクバネ222の更なる付勢により、センサアーム用枢支軸48を中心に更なる回動をして、作業高状態固定位置となる。
【0059】
このように、調節プレート51に設けたセンサアーム受体55は、中央及び左側の各センサアーム46、66に当接可能な構造としている。すなわち、一個の対地高さ切換レバー98の操作による調節プレート51の回動調節により、調節プレート51に固設したセンサアーム受体55を介して中央センサアーム46と左センサアーム66の回動の初期位置設定位置を定める。
【0060】
かかる対地高さ切換レバー98による中央センサアーム46と左センサアーム66の各初期設定位置の選択は、調節プレート51の左右端に取り付けたポテンショメータ51C、51Lの検出アーム53a、53bへの作動範囲を制御することになり、中央及び左側の対地高さ検出用ソリ体36C、36Lの各初期設定の基準設定位置からの各対地高さ検出用ソリ体36C、36Lのそれぞれの揺動範囲を各連動リンク機構75C、75Lにより検知して、機体の刈り高さ及び左右の傾きの制御に用いる。
【0061】
上記の3パターンの対地高さ切換レバー98の操作を具体的に説明すると、以下のとおりである。
【0062】
対地高さ検出用ソリ体36C、36Lを作業状態から収納状態に切換える場合には、対地高さ切換レバー98のレバーシャフト98cをスプリング99の付勢に抗して支持筒98b側に押込み、スリットの収納位置200Nにおける係止部とのストッパ98dとの係止状態を解除して、そのまま操作溝97aに沿って対地高さ切換レバー98を下方に移動させ、対地高さ切換レバー98を収納位置200Nまで移動させ保持させる。
【0063】
また、対地高さ検出用ソリ体36R、36Lを収納状態から作業状態に切換える場合には、対地高さ切換レバー98のレバーシャフト98cをスプリング99の付勢に抗して支持筒98b側に押込み、スリットの収納位置200Nにおける係止部とのストッパ98dとの係止状態を解除して、そのまま操作溝97aに沿って対地高さ切換レバー98を上方に移動させ、作業低状態固定位置200L又は作業高状態固定位置200Hに設けた係止部にストッパ98dを係止させることで行われる。
【0064】
ここで、対地高さ切換レバー98が作業高状態固定位置200Hである場合には、対地高さ検出用ソリ体36L、36Cの揺動範囲を最も大きくすることができる。すなわち、対地高さ検出用ソリ体36L、36Cの後端部の下降距離を最も大きくすることができるので、凹凸の大きな地表面における刈取部4の対地高さ制御に対応することができる。さらに、対地高さ検出用ソリ体36L、36Cの後端部の下降距離が大きいので、刈取部4と地表面との間の距離を大きく維持する制御が可能となり、刈取部4の過剰な下降を防止し、刈取部4への泥の浸入を防止して刈取った穀稈の穀粒への泥の付着を防止することができる。
【0065】
また、対地高さ切換レバー98を作業高状態固定位置200Hよりも低い位置となる作業低状態固定位置200Lで保持する場合は、対地高さ検出用ソリ体36R、36Lの揺動範囲が小さくなる。すなわち、対地高さ検出用ソリ体36L、36Cの後端部の下降距離が少なくなるので、刈取部4の対地高さをより低い範囲で制御できるようになる。
【0066】
次に、右側の対地高さ検出用ソリ体36Rの右側連動リンク機構75Rについて説明する。
図4に示すように、右側の対地高さ検出用ソリ体36Rの右側連動リンク機構75Rは、プラットホーム30の右側壁83Rの外方に配設している。
【0067】
また、図9及び図10に示すように、右側の対地高さ検出用ソリ体の右側連動リンク機構75Rは、基端を右支軸40Rの軸端に連設した作動アーム42cと、スプリング70cと、プラットホーム30の右側壁83Rに突設したセンサアーム用枢支軸148に中央部を枢着した右センサアーム146と、センサアーム用枢支軸148に中央部を枢着し下端にポテンショメータ52Rを取りつけた調節プレート151と、調節プレート151に連設した対地高さ切換レバー198と、調節プレート151の一部に右センサアーム146を当接させて調節プレート151の時計回りの回動に連動する構造とするためのセンサアーム受体56とより構成される。
【0068】
また、センサアーム用枢支軸148は、プラットホーム30の右側壁83Rから外方に突設されており、センサアーム用枢支軸148には、右センサアーム146連設用の先端ボス236と調節プレート151連設用のプレート用ボス235が並列して遊嵌されている。
【0069】
なお、上記のように構成される右側連動リンク機構75Rの作用は、前述の中央連動リンク機構75C等と基本的に同じであるので、説明を省略する。
【0070】
また、対地高さ切換レバー198は、図9に示すように、調節プレート151に連設した支持筒198bと、支持筒198bの筒内に挿入され進退自在に挿入されたレバーシャフト198cと、レバーシャフト198cの中途部に固定されたストッパ198dと、ストッパ198dと支持筒198b端部との間に介在したスプリング199から構成されている。
なお、対地高さ切換レバー198の作用は、前述の中央及び左側の各連動リンク機構75C、75Lの対地高さ切換レバー98と基本的に同じであるので、説明を省略する。
【0071】
以上説明した本発明の第1実施形態によれば、支軸の各軸端に設けた連動リンク機構を刈取部の左右側に分散して配設したので、各対地高さ検出用ソリ体と各検出部とを連動連結する複数の連動リンク機構の構造を単純化することができる。なお、上述した第1実施形態では、機体の左側に各連動リンク機構75L、75Cをそれぞれ配置し、かつ右側に右側連動リンク機構75Rを配置したが、左右逆に配置してもよい。
【0072】
[2.第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。第2実施形態では、各対地高さ検出用ソリ体を軸支するためのソリ体支持軸360の構成は上述した第1実施形態と基本的に同じであるが、第2実施形態では、ソリ体支持軸360と別個に連結軸277をソリ体支持軸360と並行にプラットホーム30の左右側壁83L、83Rの間に架設し、右側の対地高さ検出用ソリ体36Rの揺動をプラットホーム30の右側壁83Rから連結軸277を介してプラットホーム30の左側壁83L外方に迂回して伝達するように構成している。
このように構成することにより、左側と右側と中央の3つの対地高さ検出用ソリ体36L、36R、36Cの揺動を検知するための各連動リンク機構175L、175R、175Cを、プラットホーム30の左側壁83Lの外方にのみ配設することができる。
【0073】
図11及び12に示すように、右支軸40Rの右軸端と連結軸277の右軸端との間には、プラットホーム30の右側壁83Rの外方において、平行リンク機構279を介設し、右支軸40Rの回転を連結軸277に伝達するように構成している。
そして、平行リンク機構279は、作動リンク片272、遊動リンク片273、受動リンク片275をそれぞれ枢支して、略平行四辺形に構成している。
かかる構成により、右側の対地高さ検出用ソリ体36Rの揺動を、左側壁83L側に伝達することができる。
【0074】
次に、プラットホーム30の左側壁83Lの外方に突出した3本の支軸、すなわち、中支軸40Cと、中支軸40Cの外周に遊嵌したパイプ状の左支軸40Lと、プラットホーム30の右側壁83Rから迂回した連結軸277のそれぞれの軸端にポテンショメータ52C及び52L及び52Rをそれぞれ連動連結する各連動リンク機構375C及び375L及び375Rについて、それぞれ図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0075】
まず、中央の対地高さ検出用ソリ体36Cの中央連動リンク機構375Cについて説明する。
図13及び図14に示すように、中央連動リンク機構375Cは、前述した第1実施形態の中央連動リンク機構75Cと同様に、基端を中支軸40Cの軸端に連設した作動アーム142aと、スプリング170aと、プラットホーム30の左側壁に突設したセンサアーム用枢支軸248に中央部を枢着した中央センサアーム246と、センサアーム用枢支軸248に中央部を枢着し下端にポテンショメータ52Cを取りつけた調節プレート251と、調節プレート251に連設した対地高さ切換レバー298と、調節プレート51の一部に中央センサアーム246を当接させて調節プレート251の反時計回りの回動に連動する構造とするためのセンサアーム受体255とより構成される。
【0076】
また、図17に示すように、センサアーム用枢支軸248は、プラットホーム30の左側壁83Lから外方に突設されており、センサアーム用枢支軸248には、中央センサアーム連設用の先端ボス332と中央プレート連設用のボス333と右センサ連設用のボス334と左センサ連設用のボス335と左右プレート連設用のボス336が並列してそれぞれ遊嵌されている。
【0077】
中央連動リンク機構375Cの作用は、前述の第1実施形態の中央連動リンク機構75C等と基本的に同じであるので、説明を省略する。また、対地高さ切換レバー298の構造及び作用は、前述の第1実施形態の対地高さ切換レバー98等と基本的に同じであるので、説明を省略する。
【0078】
次に、右側及び左側の各対地高さ検出用ソリ体36R、36Lの各連動リンク機構375R、375Lについて説明する。
図15に示すように、右連動リンク機構375Rは、前述した第1実施形態の右側連動リンク機構75Rと同様に、基端を連結軸277の軸端に連設した作動アーム142cと、スプリング170cと、プラットホーム30の左側壁83Lに突設したセンサアーム用枢支軸248に中央部を枢着した右センサアーム266と、センサアーム用枢支軸248に中央部を枢着し両端にポテンショメータ52R、52Lを取りつけた調節プレート351と、調節プレート351に連設した対地高さ切換レバー398と、調節プレート351の一部に右センサアーム266を当接させて調節プレート351の反時計回りの回動に連動する構造とするためのセンサアーム受体355とより構成される。
【0079】
一方、図16に示すように、左側連動リンク機構375Lは、前述した第1実施形態の左側連動リンク機構75Lと同様に、基端を連結軸277の軸端に連設した作動アーム142bと、スプリング170bと、プラットホーム30の左側壁に突設したセンサアーム用枢支軸248に中央部を枢着した左センサアーム346と、センサアーム用枢支軸248に中央部を枢着し両端にポテンショメータ52R、52Lを取りつけた調節プレート351と、調節プレート351に連設した対地高さ切換レバー398と、調節プレート351の一部に左センサアーム346を当接させて調節プレート351の反時計回りの回動に連動する構造とするためのセンサアーム受体355とより構成される。
【0080】
ここで、連動リンク機構375Rと連動リンク機構375Lとは、調節プレート351と対地高さ切換レバー398とセンサアーム受体355とを一個で共有する構成としている。したがって、調節プレート351に設けたセンサアーム受体355は、左右両方のセンサアーム266、346に当接可能な構造としている。
すなわち、各ソリ体の揺動範囲の初期設定を行うために操作する対地高さ切換レバー398を操作して回転させる調節プレート351は、中央連動リンク機構375Cも左側連動リンク機構375Lも同一のプレートとし、さらには、調節プレート351に固設したセンサアーム受体355も同一の受体としており、中央連動リンク機構375Cと左側連動リンク機構375Lでは調節プレート351と対地高さ切換レバー398とセンサアーム受体355を共用として構造の簡略化を図っている。
【0081】
なお、右連動リンク機構375R及び左側連動リンク機構375Lの作用は、前述の第1実施形態の右側連動リンク機構75R等と基本的に同じであるので、説明を省略する。
【0082】
また、対地高さ切換レバー398は、図15及び図16に示すように、調節プレート351に連設した支持筒398bと、支持筒398bの筒内に挿入され進退自在に挿入されたレバーシャフト398cと、レバーシャフト398cの中途部に固定されたストッパ398dと、ストッパ398dと支持筒398b端部との間に介在したスプリング399から構成されている。
なお、対地高さ切換レバー398の作用は、前述の第1実施形態の対地高さ切換レバー98等と基本的に同じであるので、説明を省略する。
【0083】
以上説明した本発明の第2実施形態によれば、支軸の各軸端に設けた連動リンク機構を刈取部の一側にのみ配設したので、各ソリ体に連設した支軸の軸端に連動する連動リンク機構を刈取部の一側で集中して管理及びメンテナンスを行うことができるので、作業性が向上する。さらに、各対地検出用ソリ体の各連動リンク機構において共用できる部材の個数が多いので、構造を簡略化して連動リンク機構自体をコンパクト化することができる。なお、上述した第2実施形態では、機体の左側に連動リンク機構375を配置したが、右側に配置してもよい。
【0084】
[3.第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。第3実施形態では、上述の第2実施形態と同様、機体の一側のみに3個の連動リンク機構を設ける構成であるが、各対地高さ検出用ソリ体を軸支するためのソリ体支持軸の軸構成が異なる。第3実施形態では、芯軸140R、中軸140C、外軸140Lの3軸の同軸構成により、各対地高さ検出用ソリ体36L、36C、36Rの揺動を、左側壁83L側に配設された各連動リンク機構475L、475C、475Rにそれぞれ伝達している。
【0085】
図18に示すように、右支軸として機能する芯軸140Rをプラットホーム30の左右側壁83L、83Rの間に軸架し、芯軸140Rの右軸端は、ボス84を介してプラットホーム30の右側壁83Rに回動可能に枢支されている。
【0086】
また、芯軸140Rの左側及び中央部分の外周面には、中支軸として機能するパイプ状の中軸140Cを遊嵌している。なお、中軸140Cの右軸端は、プラットホーム30の内壁面に突設したブラケット191に、ボス111を介して回動可能に枢支されている。さらに、中軸140Cの左側部分の外周面には、左支軸として機能するパイプ状の外軸140Lを遊嵌している。
【0087】
なお、外軸140Lの右軸端は、プラットホーム30の内壁面に突設したブラケット192にボス112を介して回動可能に枢支され、外軸140Lの左軸端は、ボス88を介してプラットホーム30の左側壁83Lに回動可能に枢支されている。
【0088】
したがって、左側の対地高さ検出用ソリ体36L、36C、36Rがそれぞれ圃場面の凹凸に対応して揺動すれば、その回動トルクはそれぞれ外軸140L、中軸140C、芯軸140Rに伝達されて、外軸140L、中軸140C、芯軸140Rがそれぞれ各連動リンク機構475R、475C、475Lを介して左側、中央、右側の対地高さ検出用ソリ体36Lの揺動を検出することになる。
【0089】
すなわち、対地高さ検出用ソリ体36L、36C、36Rのそれぞれは独立して揺動することができると共に、芯軸140R、中軸140C、外軸140Lとが内外層の同軸構成(3軸構成)としているために強度が向上し、その結果、刈取時の不測の負荷にも耐久し得る。また、3つの対地高さ検出用ソリ体36L、36C、36Rを機体の幅方向に同一線上に配置しているので、省スペース化を図ることができる。
【0090】
また、図18及び図19に示すように、右支軸として機能する芯軸140Rと、中支軸として機能する中軸140Cと、左支軸として機能する外軸140Lの各左側端は、共に同軸で遊嵌された状態でプラットホーム30の左側壁83Lから外方へ突出されている。しかも、各突出した軸端は、各ポテンショメータ52R、52C、52Lに、各連動リンク機構475R、475C、475Lを介してそれぞれ連動連結されている。
【0091】
そして、図19に示すように、中央及び左側の各対地高さ検出用ソリ体36C、36Lの揺動範囲の初期設定を行うために操作する対地高さ切換レバー(不図示)を操作して回転させる調節プレート351は、中央連動リンク機構475Cも左側連動リンク機構475Lも同一のプレートとし、さらには、調節プレートに固設したセンサアーム受体(不図示)も同一の受体としており、中央連動リンク機構475Cと左側連動リンク機構475Lでは調節プレートと対地高さ切換レバーとセンサアーム受体を共用として構造の簡略化を図っている。
【0092】
なお、各連動リンク機構475R、475C、475Lの作用は、前述の第2実施形態の各連動リンク機構と基本的に同じであるので、説明を省略する。
【0093】
以上説明した本発明の第3実施形態によれば、支軸の各軸端に設けた連動リンク機構を刈取部の一側にのみ配設したので、各ソリ体に連設した支軸の軸端に連動する連動リンク機構を刈取部の一側で集中して管理及びメンテナンスを行うことができるので、作業性が向上する。さらに、さらに、各対地検出用ソリ体の各連動リンク機構において共用できる部材の個数が多いので、構造を簡略化して連動リンク機構自体をコンパクト化することができる。さらに、3つの軸を同軸構成としたので構造が簡便となるとともに、強度も向上するので刈取時の不測の負荷にも耐久し得る。なお、上述した第3実施形態では、機体の左側に連動リンク機構475を配置したが、右側に配置してもよい。
【0094】
[4.コンバインの対地高さ制御処理]
次に、コンバインの対地高さ制御処理について具体的に説明する。本実施形態に係るコンバイン150の対地高さ制御処理は、コンバイン150内部に配置されているコントローラ100によって行われる。なお、対地高さ制御処理は、上述した第1〜第3実施形態のいずれの実施形態においても実現可能である。
【0095】
コントローラ100は、図20に示すように、CPU(Central Processing Unit)101と作業用RAM(Random Access Memory)102と各種プログラムを記録するROM103等から構成され、コントローラ100は、CPU101がROM103に記憶された各種プログラムを読み出して実行することにより、コンバイン150の動作全体を統括制御し、対地平行制御を行う水平制御手段及び刈取部4の昇降制御を行う刈り高さ制御手段として機能する。
【0096】
また、各ポテンショメータが検出した電圧値(各検出アームの回転量に対応)は、所定のインタフェースを介して、RAM102に書き込まれる。コントローラ100は、当該電圧値に基いて、機体の左側・中央・右側の対地高さを検出することができる。
【0097】
また、コントローラ100には、制御用電磁弁25a及び25bが所定のインタフェースを介して接続されている。そして、コントローラ100は、制御用電磁弁25a及び25bを制御することにより油圧シリンダ25L及び25Rの伸縮量が制御し、その結果、畝に対する水平制御や機体の昇降制御を行うことができる。
【0098】
以下、対地高さ制御処理について、図21のフローチャートを用いて説明する。以下の説明では、所望の対地高さが既に設定されているものとし、当該所望の対地高さを「hd」とする。
【0099】
S101において、コントローラ100は、ポテンショメータ52Cが検出した電圧値に基いて、中央の畝の対地高さ「h0」を検出する。
S102において、コントローラ100は、中央の畝の対地高さが、刈取部4が土を取り込まないと想定される適正高さ「hm」以上か否かを判断する。この処理において、中央の畝の対地高さ「h0」が適正対地高さ「hm」以上であると判断した場合は(S102:YES)、コントローラ100は、処理をS103に移行させる。
S103において、コントローラ100は、第1制御処理を実行する。
【0100】
以下、第1制御処理について、図22のフローチャートを用いて説明する。
S111において、コントローラ100は、ポテンショメータ52Lが検出した電圧値に基いて、左側の畝の対地高さを検出する。
S112において、コントローラ100は、ポテンショメータ52Rが検出した電圧値に基いて、右側の畝の対地高さを検出する。
S113において、コントローラ100は、中央の畝の対地高さが適正高さ「hm」以上となる状態を保ちつつ、コンバイン150の水平制御のために制御用電磁弁25a及び25bに制御信号を出力する。これにより、コンバイン150は、左右の畝の対地高さが等しくなるように水平制御される。
【0101】
このとき、図23(A)に示すように、左右の畝の対地高さを所望の対地高さ「hd」とした場合の中央の畝の対地高さ「h0」が、適正高さ「hm」以上の場合は、左右の畝の対地高さが「hd」となるように、コンバイン150の水平制御が行われる。
しかしながら、図23(B)に示すように、左右の畝の対地高さを所望の対地高さ「hd」とした場合の中央の畝の対地高さ「h0」が、適正高さ「hm」よりも小さい場合は、中央の畝の対地高さ「h0」を「hm」と等しくなるような制約下において、コンバイン150の水平制御が行われる。そのため、左右の畝の対地高さが「h1」となるため、左右の畝に対しては設定高さ「hd」よりも高刈されることになるが、刈取部4が中央の畝の土を取り込むことを防ぐことができる。
【0102】
説明を図21に戻す。
S102において、中央の畝の対地高さ「h0」が適正対地高さ「hm」以上であると判断していない場合は(S102:NO)、コントローラ100は、処理をS104に移行させる。
S104において、コントローラ100は、第2制御処理を実行する。
【0103】
以下、第2制御処理について、図24のフローチャートを用いて説明する。
S121において、中央の畝の対地高さが適正高さ「hm」となるように、コンバイン150の昇降制御のために制御用電磁弁25a及び25bに制御信号を出力する。これにより、コンバイン150は、中央の畝の対地高さが適正高さ「hm」となるまで、昇降制御される(図25(A)参照)。
以上のように、中央の対地高さ検出用ソリ体36Cに基く対地高さ制御を、左右の対地高さ検出用ソリ体36L、36Rに基く対地高さ制御よりも優先して行うことにより、刈取部4が中央の畝の土を取り込むことを防ぐことができる。
【0104】
S122において、コントローラ100は、ポテンショメータ52Lが検出した電圧値に基いて、左側の畝の対地高さを検出する。
S123において、コントローラ100は、ポテンショメータ52Rが検出した電圧値に基いて、右側の畝の対地高さを検出する。
S124において、コントローラ100は、中央の畝の対地高さが適正高さ「hm」以上となる状態を保ちつつ、コンバイン150の水平制御のために制御用電磁弁25a及び25bに制御信号を出力する。これにより、コンバイン150は、左右の畝の対地高さが等しくなるように水平制御される。
【0105】
このとき、図25(B)に示すように、左右の畝の対地高さを所望の対地高さ「hd」とした場合の中央の畝の対地高さ「h0」が、適正高さ「hm」以上の場合は、左右の畝の対地高さが「hd」となるように、コンバイン150の水平制御が行われる。
しかしながら、図25(C)に示すように、左右の畝の対地高さを所望の対地高さ「hd」とした場合の中央の畝の対地高さ「h0」が、適正高さ「hm」よりも小さい場合は、中央の畝の対地高さ「h0」を「hm」と等しくなるような制約下において、コンバイン150の水平制御が行われる。そのため、左右の畝の対地高さが「h1」となるため、左右の畝に対しては設定高さ「hd」よりも高刈されることになるが、刈取部4が中央の畝の土を取り込むことを防ぐことができる。
【0106】
以上説明した対地高さ制御処理によれば、左側・中央・右側の畝の高さの大小関係に応じた水平制御及び昇降制御が可能となるので、刈取部4が畝の土を取り込むことを効果的に防ぐことができる。
【0107】
[5.対地高さ制御処理のその他の形態]
次に、対地高さ制御処理のその他の形態について、図26のフローチャートを用いて説明する。以下の説明では、所望の対地高さが既に設定されているものとし、当該所望の対地高さを「hd」とする。
【0108】
S201において、コントローラ100は、ポテンショメータ52Lが検出した電圧値に基いて、左側の畝の対地高さを検出する。
S202において、コントローラ100は、ポテンショメータ52Cが検出した電圧値に基いて、中央の畝の対地高さを検出する。
S203において、コントローラ100は、ポテンショメータ52Rが検出した電圧値に基いて、右側の畝の対地高さを検出する。
なお、S201〜S203の処理の順序は単なる一例であり、これらの処理の順序(すなわち、対地高さを検出する順序)は適宜変更可能である。
【0109】
S204において、コントローラ100は、中央の畝の対地高さが最も小さいか(すなわち、中央の畝が最も高いか)否かを判断する。この処理において、中央の畝が最も高いと判断した場合は(S204:YES)、コントローラ100は、処理をS205に移行させる。
S205において、コントローラ100は、第3制御処理を行う。
【0110】
以下、第3制御処理について、図27のフローチャートを用いて説明する。
S211において、コントローラ100は、左右を設定高さ「hd」とした場合の中央の想定対地高さ「h0」を算出する。
【0111】
S212において、コントローラ100は、中央の想定対地高さ「h0」が、刈取部が土を取り込まないと想定される適正対地高さ「hm」以上か否かを判断する。この処理において、想定対地高さ「h0」が適正対地高さ「hm」以上であると判断した場合は(S212:YES)、コントローラ100は、処理をS213に移行させる。図28(A)は、想定高さ「h0」が適正対地高さ「hm」よりも大きい様子を示している。
【0112】
S213において、コントローラ100は、左右の畝に対する対地高さが「hd」となるように、制御用電磁弁25a及び25bに制御信号を出力する。これにより、左右の畝に対する刈取高さが等しくなると共に、刈取部4が中央の畝の土を取り込むことを防ぐことができる。
【0113】
一方、S212において、想定対地高さ「h0」が適正対地高さ「hm」以上ではないと判断した場合は(S212:NO)、コントローラ100は、処理をS214に移行させる。図28(B)は、想定高さ「h0」が適正対地高さ「hm」よりも小さい様子を示している。図28(B)では、図28(A)よりも中央の畝が高いため、想定高さ「h0」が適正対地高さ「hm」よりも小さくなっている。
【0114】
S214において、コントローラ100は、中央の畝に対する対地高さが適正対地高さ「hm」となるように、制御用電磁弁25a及び25bに制御信号を出力する。これにより、コンバイン150は、中央の畝に対して刈取部が土を取り込まない高さまで昇降制御されることになる。
【0115】
S215において、コントローラ100は、左右の畝に対する対地高さが「hd+(hm−h0)」(「以下、「h1」という。」)となるように、制御用電磁弁25a及び25bに制御信号を出力する(図28(C)参照)。これにより、左右の畝に対しては設定高さよりも高刈されることになるが、刈取部4が中央の畝の土を取り込むことを防ぐことができる。
【0116】
なお、上述のS214及びS215の処理を同時に行うように構成してもよい。
【0117】
以上のように、中央の対地高さ検出用ソリ体36Cに基く対地高さ制御を、左右の対地高さ検出用ソリ体36L、36Rに基く対地高さ制御よりも優先して行うことにより、刈取部4が中央の畝の土を取り込むことを防ぐことができる。
【0118】
説明を図26に戻す。
S204において、中央の畝が最も高いと判断していない場合は(S204:NO)、コントローラ100は、処理をS206に移行させる。
S206において、コントローラ100は、中央の対地高さが最も大きいか(すなわち、中央の畝が最も低いか)否かを判断する。この処理において、中央の畝が最も低いと判断した場合は(S205:YES)、コントローラ100は、処理をS207に移行させる。
【0119】
S207において、コントローラ100は、第4制御処理を行い、左右の畝に対する対地高さが「hd」となるように、制御用電磁弁25a及び25bに制御信号を出力する。これにより、左右の畝に対する刈取高さが設定高さとなり、かつ中央の畝の対地高さがh3(>hm)となるので刈取部4が中央の畝の土を取り込む恐れがない(図29参照)。
【0120】
説明を図26に戻す。S206において、中央の畝が最も低いと判断していない場合は(S206:NO)、コントローラ100は、処理をS208に移行させる。
S208において、コントローラ100は、第5制御処理を行う。
【0121】
以下、第5制御処理について、図30のフローチャートを用いて説明する。
S221において、コントローラ100は、左右を設定高さ「hd」とした場合の中央の想定対地高さh0を求める。
【0122】
S222において、コントローラ100は、中央の想定対地高さ「h0」が、刈取部が土を取り込まないと想定される適正対地高さ「hm」以上か否かを判断する。この処理において、想定対地高さ「h0」が適正対地高さ「hm」以上であると判断した場合は(S222:YES)、コントローラ100は、処理をS223に移行させる。図31(A)は、想定高さ「h0」が適正対地高さ「hm」よりも大きい様子を示している。
【0123】
S223において、コントローラ100は、左右の畝に対する対地高さが「hd」となるように、制御用電磁弁25a及び25bに制御信号を出力する。これにより、左右の畝に対する刈取高さが等しくなると共に、刈取部が中央の畝の土を取り込むことを防ぐことができる。
【0124】
一方、S222において、想定対地高さ「h0」が適正対地高さ「hm」以上ではないと判断した場合は(S222:NO)、コントローラ100は、処理をS224に移行させる。図31(B)は、想定高さ「h0」が適正対地高さ「hm」よりも小さい様子を示している。図31(B)では、図31(A)よりも中央の畝が高いため、想定高さ「h0」が適正対地高さ「hm」よりも小さくなっている。
【0125】
S224において、コントローラ100は、中央の刈取高さが適正対地高さ「hm」となるように、制御用電磁弁25a及び25bに制御信号を出力する。これにより、コンバイン150は、中央の畝に対して刈取部が土を取り込まない高さまで昇降制御されることになる。
【0126】
S225において、コントローラ100は、左右の畝に対する対地高さが「hd+(hm−h4)」(「以下、「h5」という。」)となるように、制御用電磁弁25a及び25bに制御信号を出力する(図31(C)参照)。これにより、左右の畝に対しては設定高さよりも高刈されることになるが、刈取部4が中央の畝の土を取り込むことを防ぐことができる。
【0127】
なお、上述のS224及びS225の処理を同時に行うように構成してもよい。
【0128】
以上のように、中央の対地高さ検出用ソリ体36Cに基く対地高さ制御を、左右の対地高さ検出用ソリ体36L、36Rに基く対地高さ制御よりも優先して行うことにより、刈取部4が中央の畝の土を取り込むことを防ぐことができる。
【0129】
以上説明した対地高さ制御処理によれば、左側・中央・右側の畝の高さの大小関係に応じた水平制御及び昇降制御が可能となるので、刈取部4が畝の土を取り込むことを効果的に防ぐことができる。
なお、第3制御処理と第5制御処理の内容は基本的に同じであるので、1つの処理として構成してもよい。
【0130】
以上説明したとおり、本発明のコンバイン150によれば、対地高さ検出用ソリ体を少なくとも3個以上別々に配設し、それぞれが独立して対地高さを検出する。そして、左右端に位置する対地高さ検出用ソリ体36L、36Rは、畝に対する水平制御用の検出機能を保持し、また、中間に位置する対地高さ検出用ソリ体36Cは、刈り高さ制御用の検出機能を保持するので、コンバインを圃場面に平行な姿勢に制御することができ、かつ、刈取部における土の取り込みを防止することができる。
【0131】
本発明に係る実施の一形態について具体的に説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述した実施形態では、対地高さ検出用ソリ体を3枚としたが、4枚以上で構成してもよい。
また、上述した各フローチャートは単なる一例であり、該各フローチャートの処理と同等の結果を得ることができるものであれば、他のフローチャートによって処理を実現してもよい。
【符号の説明】
【0132】
1 クローラ式走行装置
4 刈取部
30 プラットホーム
36L 対地高さ検出用ソリ体
36C 対地高さ検出用ソリ体
36R 対地高さ検出用ソリ体
40L 左支軸
40C 中支軸
40R 右支軸
140L 外軸
140C 中軸
140R 芯軸
52L ポテンショメータ
52C ポテンショメータ
52R ポテンショメータ
100 コントローラ
150 コンバイン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体の前部に設けられた刈取部と、
前記刈取部の下方に装着し、接地体として機能する複数の対地高さ検出用ソリ体と、
該複数の対地高さ検出用ソリ体にそれぞれ連動連結した検知手段として機能する複数の検出部と、
該複数の検出部からの信号により前記機体の左右の走行機構の昇降制御を行い対地高さを設定する設定手段と、を有するコンバインにおいて、
前記複数の対地高さ検出用ソリ体を前記刈取部の左右方向に独立して少なくとも3個以上別々に配設し、
前記複数の対地高さ検出用ソリ体のうち左右端に位置する対地高さ検出用ソリ体は、畝に対する水平制御用の検出機能を保持し、
前記複数の対地高さ検出用ソリ体のうち中間に位置する対地高さ検出用ソリ体は、刈り高さ制御用の検出機能を保持する、
ことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記少なくとも3個以上の対地高さ検出用ソリ体のうち、前記中間に位置する対地高さ検出用ソリ体の検出による刈り高さ制御を、前記左右端の対地高さ検出用ソリ体の検出による水平制御よりも優先して行う、
ことを特徴とする請求項1のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2011−4719(P2011−4719A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−154236(P2009−154236)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】