説明

コンバージドマルチメディア環境におけるリソースのアービトレーション

1つまたは複数のパラメータに従って、ネットワーク上で1つまたは複数のUE(ユーザ装置)デバイスにネットワークリソースを割り当てるためにネットワーク上に配置された、UEから遠隔にあるアクセス制御エージェントを含む、データ通信システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバージドマルチメディア環境におけるリソースのアービトレーションに関する。詳細には、本発明は、どのタイプのマルチメディアコンテンツがユーザに提示されるか、およびこれがどのようにネットワークによって処理されるかに関して、決定されることができるアービトレーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
マルチメディアサービスおよび通信サービスをユーザのライフスタイルに適合することができる、コンバージドデータシステムおよび情報システムの必要性が増している。たとえば、デバイスのユーザは、単一のデバイスまたはユーザ装置(UE)から、電子メール、SMSを受信しそれに返答すること、友達リスト(buddy list)からコールを開始すること、従来のテレビサービスまたはビデオオンデマンド(VoD)を見ること、ゲームをすることなどができることを一般に要求する。
【0003】
多くの異なるタイプの通信サービスおよび情報サービスが、IPTV UEに配信されることができる。これらのサービスには、たとえば、SMS、MMS、IMS−IM、VOIPコール、IMSフィーチャ、RSSフィード、電子メール、カレンダ機能、ISM、Googleトークなどのさまざまなタイプのインスタントメッセージングサービス、インターネット通知、ゲーム、およびその他多数が含まれる。サービス事業者は、ユーザが、数多くのこれらの異なるサービスを受けることができるコンバージドソリューションを提供することに特に関心がある。コンバージドソリューションでは、UEが、複数の同時発生によるマルチメディアセッション、たとえば、SIPコール、VODセッション、および電子メールプレゼンテーションに直面したときに、UEは、共有リソースへのアクセスをアービトレートし、共有する必要がある。これらのリソースは、たとえば、TVまたは他のディスプレイスクリーン、メディアデコーダ、スピーカ、記憶手段などであってよい。
【0004】
共有UEリソースへのアクセスをアービトレートするための方法が必要とされている。
【0005】
これに対する現在のソリューションは、すべてのUEデバイスの完全な制御を前提とすることができる、UE上のIPTVアプリケーションを最も一般的に使用する。既存の「コンバージド」ソリューションは、通知ソースまたは情報ソースからゲートウェイを使用する。ゲートウェイは、IPTV UEに通知を配信する。UEは、サービスのタイプごとの複数のイネーブラと、共通API(アプリケーションプログラミングインターフェース)のアブストラクション層を介してデバイスへのアクセスを共有するアプリケーションとを含む。各アプリケーションは、提示可能な管理されたやり方でアクセスを共有するように、他のアプリケーションを認識しなければならない。たとえば、TV上で提供される電子メールの場合、電子メールは、POP3、IMAP、SMTP、またはその他を使用して、直接、またはゲートウェイを介してのいずれかでUEに配信されることができ、UE上の組込み電子メールクライアントは、共通APIを介して、スクリーン上で映像の上にテキストをオーバーレイするための許可を要求する。別の例は、IMS SIP(セッション開始プロトコル)コールが、IPTV UEにかけられる場合である。UE上の組込みコールクライアントを介してセッション設定がネゴシエートされ、オーディオが配信されるときに、組込みコールクライアントは、共通APIを介して、UEシステム上のスピーカを排他的に、または調和させて使用することを要求する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このタイプのシステムによる問題は、UE上で提供されることになる、およびUEの共通リソース(デバイス)にアクセスするためのルールについて認識する、サービスタイプごとの別個のサービスを必要とすることである。これにより、いくつかの制約が設けられる:
ポリシー、プレゼンス、プロファイル、およびアクティビティなどの外部の固定的でない要因は、リソースがどのように割り当てられるべきかという決定に考慮されることができない。たとえば、フットボール試合観戦について友達チャットから来るVOIPコールを処理するためのルールは、オフィスまたは他の職場環境からの着信VOIコールを処理するためのルールとは、非常に異なることがある。前者は、話し合いの進行中、バックグラウンドにフットボール試合の実況放送を含むよう望むことがあるが、後者はそうではないであろう。
【0007】
たとえ基礎的な配信メカニズムが同じであっても、UEにおいて、新たなサービスタイプごとに、新たなクライアントおよび処理ロジカルが必要とされる。
【0008】
アプリケーションは、互いの知識を用いて書かれる必要がある。また、
アプリケーションがUEに配置された後に、ルールをカスタマイズし、変更する簡単なやり方はない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、改良されたアービトレーションシステムを提供するための試みにおいて生じたものである。
【0010】
本発明によれば、1つまたは複数のパラメータに従って、ネットワーク上で1つまたは複数のUE(ユーザ装置)デバイスにネットワークリソースを割り当てるためにネットワーク上に配置された、UEから遠隔にあるアクセス制御エージェントを含む、データ通信システムが提供される。
【0011】
好ましくは、アクセス制御エージェントは、要求されるリソースのタイプおよび性質に従って、ならびにプロファイル、プレゼンス、パーソナリゼーション、ポリシー、または他の情報のうちの1つまたは複数に従って、リソースを割り当てる。
【0012】
UEは、(たとえば閉じたIPネットワーク、もしくはインターネットに接続されていてよい)IPTV装置、あるいは、無線(たとえばGPRS、UMTS、もしくは他の無線)ネットワーク、もしくは固定回線ネットワークに接続されて、他のデバイスと通信するように構成された任意の移動体端末または固定端末であってよい。
【0013】
本発明は、アクセス制御エージェントが、ネットワーク内に、またはネットワークのバックエンドにおいて「ローカルで」提供され、それにより、UEにおいて利用可能なUE使用が、さまざまなタイプのマルチメディアまたは他のコンテンツにどのように使用されるべきかに関する初期の決定論理を作成する機能を、UEが有するための要件を解除することを可能にする。
【0014】
リソースがどのように使用されることができるかに関する決定は、アクセス制御エージェントに委ねられることができる。必要であれば、エージェントは、所与のマルチメディアセッションのためのリソースの割当てに先立って、プロファイル情報、プレゼンス情報、UEのユーザに関連付けられた友達リストを含むパーソナリゼーション、一般的なまたは特定のポリシー、および標準のまたは特定のインターフェースを介した情報にアクセスして、それらを評価することができる。
【0015】
UEは、ディスプレイ装置、スピーカ、マイクロフォンまたはマイクロフォン入力、さまざまなデータ入力/出力デバイスの使用、その他などの利用可能ないくつかのリソースを有することができる。これらのリソースのうちのいずれの制御も、少なくとも部分的には、アクセス制御エージェントによって割り当てられることができる。
【0016】
さらに、共有リソース(UE物理的デバイス)へのアクセスは、共通のUE APIのアブストラクション層を介して再利用されることができる。
【0017】
初期データの要求/送信についての通知をUEに提供するための通知エージェントが、やはり好ましくはUEから遠隔でネットワークにおいて提供されてよく、通知エージェントは、同時係属出願の代理人参照番号15351EPに開示されているようなものでよく、その通知エージェントは、複数のソースから通知を受信することができ、複数のソースそれぞれは特定のプロトコルを使用し、共通のプロトコルを通じかつ共通のルックアンドフィールによって、これらの通知をUEに提供する。通知エージェントは、アクセス制御エージェントにリンクされる、またはアクセス制御エージェントの一部を形成することができ、それにより、中央ネットワークリソースまたはローカルネットワークリソースが最大限活用され、UEにおいて必要とされる論理リソースおよびソフトウエアリソースが最小限にされる。
【0018】
本発明は、ネットワーク上で提供されるUEのリソース使用をアービトレートし、割り当てる方法をさらに提供し、方法は、1つまたは複数のリソースを使用する要求が生じたときに、1つまたは複数のパラメータに従って、UEから遠隔で提供されるアクセス制御エージェントに、UEにおけるリソース使用を割り当てさせ、アービトレートさせるステップを含む。
【0019】
本発明は、1つまたは複数のパラメータに従って、ネットワーク上で1つまたは複数の遠隔UEデバイスに利用可能なリソースを割り当てる手段を含む、アクセス制御エージェントをさらに提供する。
【0020】
本発明はまた、本明細書で開示される、新規な特徴、特徴の組合せ、ステップ、またはステップの組合せのうちのいずれか1つまたは複数を含む、システムまたは方法を提供する。
【0021】
次に本発明の実施形態が、例のみとして、添付の概略的な図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】ネットワークの一部を概略的に示す図である。
【図2】第1の使用例の説明図を示す図である。
【図3】第2の使用例の説明図である。
【図4】第3の使用例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1を参照すると、本発明の実施形態が概略的に示されている。この場合はIPTV UE(たとえばセットトップボックスとディスプレイ)であるUE1が、ネットワークに接続されて、ネットワークから多くの異なるタイプのデータを受信する。図に示されるように、UE1は、いくつかのコンポーネントを含む。
【0024】
UE1は、UEの性質によってはプロセッサであるハードウエア2と、データ記憶ハードウエア(たとえばソリッドステートおよび/またはハードディスク)と、ディスプレイと、キーボード、タッチスクリーン、入力、マウス、タッチポインタなどの1つまたは複数の入力/出力手段と、マルチメディア使用のための、1つまたは複数のラウドスピーカ2(図2)と、マイクロフォンおよび/またはマイクロフォン入力とを含む。さまざまなレベルのソフトウエアもまた含まれる。これらのソフトウエアは、オペレーティングシステムおよびデバイスドライバ3と、デバイス制御層5と、この場合はIMS(VOIP)アプリケーションエージェント6およびIPTVアプリケーション7である、いくつかのより特定的なアプリケーションとを含むことができる。ネットワーク上に遠隔で提供される通知エージェント9から通知を受信するように構成されたさらなるエージェント8もまた含まれてよく、最も好ましくは、同時係属出願の参考文献15350EPに開示されたやり方で、これらが一緒に動作する。
【0025】
IMS(VOIP)アプリケーション6は、たとえば、セッション開始プロトコル(SIP)、リアルタイムプロトコル(RTP)、およびセッション記述プロトコル(SDP)のマルチメディアセッションを使用する、一般に音声タイプのアプリケーションに関する。データは、オーディオデータおよび/またはビデオデータであってよい。
【0026】
IPTVアプリケーションは、リアルタイムストリーミングプロトコル(RTSP)、インターネットグループ管理プロトコル(IGMP)、またはHTTPなどのプロトコルを使用することができる。このアプリケーションは、ビデオデータ、(IPマルチキャストによる)ビデオ放送、ビデオオンデマンドプログラム、またはセットトップボックス1を使用する他の素材に使用されることができる。
【0027】
他のタイプのアプリケーションレイアウトのプロトコルおよび/またはエージェントが使用されてよい。
【0028】
ネットワークレベルでは、前記通知エージェント9を含むメディエータ10が提供される。メディエータはまた、アクセス制御エージェント(ACA)11と、オーケストレーションエージェント(実際には制御装置またはワークフローエージェント)11とを含む。メディエータはまた、IMSプラットフォームおよびIPTVプラットフォーム13などのさまざまなデータ/通信プラットフォームにリンクする。メディエータはまた、UEのユーザにはっきり限定して関連されることができるか、またはより一般的な情報であってよいかのどちらかの外部情報にアクセスすることができ、たとえばこれらは、プレゼンス14、プロファイル15、友達リスト16、または他の情報17である。
【0029】
UEのVOIPアプリケーション6は、着信VOIPコール設定A、またはユーザ動作のどちらかによってトリガされたとき、共通のデバイス制御API5を介してデバイスアクセスを要求するのに先立って、メディエータ10(アクセス制御エージェント11)に対してアクセスを要求する。VOIPアプリケーション6は、ネットワークを通じてアクセス制御エージェント11にコンタクトする。このアプリケーションは、セッション/サービス初期化の間に一度だけ共有リソースへのアクセスを決定する必要があり、これは、実際のサービス配信の間にユーザ経験に対して性能低下をもたらすことにはならないことに留意されたい。
【0030】
メディエータ(アクセス制御エージェント)は次いで、共有リソースへのアクセスレベルを決定する前に、外部情報14から17にアクセスすることができる。エージェントは、UEにではなく、ネットワーク内部に位置するため、同じアクセス制御エージェント11が、複数のクライアントまたはUEの間で共有され、アクセスインターフェースを再利用し、キャッシュを可能にすることができる。たとえば、フットボール試合を見ているTV上でビデオコールまたはチャットセッションを設定しようとしている複数のUEから要求されたときに、ユーザプロファイル、プレゼンス、およびいくつかのサービスデータがキャッシュされ、再利用されることができる。
【0031】
アクセス制御エージェント11は、いくつかの条件ステップが要求される場合に、外部の構成可能なワークフロー、またはプラグ可能な決定論理を使用して、デバイスアクセスを決定することができる。UE上でのオーケストレーションの低価格実装が達成されることができる。たとえば、初期のVOIPコールAまたは電子メールの要求に応答して、アクセス制御エージェント11は、IPTVプラットフォーム13に、あらかじめUEに送信されているストリーミングビデオを一時停止する、またはタイムシフト機能を開始するよう要求することができる。
【0032】
アクセス制御エージェントは、アクセス許可およびアクセスレベルをアプリケーション6または7に戻す。UEアプリケーションは次いで、承諾されたアクセスレベルによってUEデバイスへのアクセスを要求する。次に、これを明らかにするための例が与えられることになるが、これらの例は、本発明の多くの異なる例および実施形態のうちの例示にすぎない。
【0033】
第1の一組のシナリオが、図2および図3に示される。これは、ユーザがディスプレイ上でフットボール試合20を見ていて、試合の実況放送が一組のラウドスピーカ3を通して中継されている場合の着信VOIPコールに関する。アクセス制御エージェントは、異なるタイプのVOIPコールの異なる処理を可能にすることができる。
【0034】
第1の例では、IPTVアプリケーションが、(同時係属出願15350EPにより詳細に説明されるような)通知エージェント9から着信コールを受け入れるためのユーザ選択オプションを有する。SIP inviteが到着し、たとえば、オーディオがRTPを介してUEに配信される。初期の設定時間の間、アプリケーションは、ACA11に対して、UE上の特定のリソース、とりわけオーディオスピーカ3およびマイクロフォンへのアクセスを要求するよう要請する。ACAはプレゼンス14を確認し、すなわち、VOIPコールの発信者のプレゼンスを確認する。ACAが、着信コールはその特定のUE1のユーザの「友達リスト」16の誰かからであり、その発信者が同じフットボール試合を見ていることを特定すると、たとえば、共有アクセスを承諾することができる。これは、実際には、VOIPコールからの着信オーディオがオーバーレイされる間、リアルタイムでフットボール試合がまだ見られており、実況放送が聞かれていてよいことを意味する。したがって、アプリケーションは、バックグラウンドの(減衰された)試合の実況放送の上に、オーディオをオーバーレイする。これは、図2の第2の部分に示されており、ここでは、スピーカ3が発するサウンドが、実況放送とVOIPオーディオを表す。実況放送は、VOIPオーディオがよりはっきりと聞かれることができるように、通常減衰されることになる。
【0035】
あるいは、着信VOIPコールが、たとえば、ユーザの職場から、または学校にいるユーザの子供から来ていることが特定されると、ユーザがそのメッセージに十分な注意を注ぐことがより重要であることがある。この場合は、オーディオおよびマイクロフォンへの排他的なアクセスが承諾される。これは図3に示される。最初は、フットボール試合20が見られ、実況放送21がスピーカから出力される。
【0036】
上記に特定されたこれらのより重要な状況では、VOIPオーディオ22は次いで、実況放送なしに、単独22でスピーカから出力される。フットボール試合または他のIPTVプログラムは、オプションでキャンセルされる、またはプロファイルのプレゼンスに基づいて一時停止されることができる。図3は、その第2の部分において、フットボール試合がどのようにしてスクリーンからキャンセルされて、それによりユーザがVOIPコールに十分な注意を払うことができるかを示す。しかしながら、代替として、試合はスクリーン上で単に一時停止されてもよい。オプションで、ACAは、オーケストレーションをトリガして、追加の情報、たとえばウェブページ、またはコールする人のコンタクトの詳細を含むウェブページへの参照、コールする人に関連付けられた記録などを、コールの間に配信することができる。
【0037】
図4に概略的に図示されたさらなるシナリオでは、IPTVシステムのユーザが再びフットボール試合を見ており、この場合では、ユーザはビデオコールすることを決める。IPTVビデオコールアプリケーションより、ユーザは自分の「友達リスト」から自分の友達にコールすることを選択する。ビデオコールアプリケーションは、その友達についてプロファイル15を検索するACA11にアクセスする。この場合、ACAは、ビデオコールおよびVODセッション(ライブのフットボール試合)の両方が、同時には処理されることができないことを判定する。したがって、ACAは、コールの間、IPTVアプリケーションからのビデオ/オーディオリソースへのアクセスを拒否する。ビデオアプリケーションはビデオを停止し、制御はビデオコールアプリケーションに排他的に渡される。このようにして、ユーザは次にビデオコール23で自分が話している相手を見ることができ、ビデオコールからのオーディオがスピーカ24を通して出力される。
【0038】
当然ながら、多くの例が明らかであるだろう。これらの例では、共有UEリソースへのアクセスは、特定のユーザ環境用に個人化されることに留意されたい。加えて、アクセス制御エージェントによってUEに与えられるアクセスレベルは、UEそのものによってではなく、ACAエージェントによって決定されるので、それぞれのアプリケーションは、互いを認識する必要が全くない。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態では、ACAが外部条件に基づいてアクセス権を提供することができる。すなわち、ACAは、ビデオアプリケーションのビデオを拒否し、オーディオを拒否し、ディスクへの正当なアクセスを拒否することなどができる。これは、特定のデバイスが、子供からのVOIPコール、SMSのプレゼンテーション、または他の目的などの、他の優先順位の高いサービスに必要とされる場合に発生することがある。特定の一例は、高帯域幅のビデオコールが発信される、または設定されるように要求される場合である。
【0040】
サービス品質(QoS)は、リソースの割当てを決定するもう1つのパラメータであってよい。たとえば、コールまたはデータ要求の発信者が「プレミアム」の顧客である場合、ACAは、自動的により高いQoSを要求することができてよく、低いプレミアムの顧客に対するよりも、UE上のハードウエアリソースおよびソフトウエアリソースへの高いアクセスを取得することができる。ユーザ設定、ビデオコールのビットレート/解像度、または単に1つのタイプのサービス要件が(さまざまな規準を介して)別のものよりも重要であるかどうかの基準など、他の要因が決定を行うのに使用されてよい。たとえば、ビデオコールのコンテンツが、いつでも見られる特定のVOD放送よりも重要である場合、コールの発信者はVODよりも重要である、などである。2つの競合するサービスがリソースを求めて対抗しているとき、アクセス制御エージェントは、これらのうちのどちらがリソースを使用するか、またはどちらが使用のより高いレベルを獲得するかを決定するのに使用されることができる。
【0041】
実際には、サービスの一定レベルを決定し、リソースの割当てを決定するための責任が、UEから解除され、ネットワーク上に遠隔で配置されたアクセス制御エージェントに移される。アクセス制御エージェントは、外部システムとの連絡を保って、これを決定する。
【0042】
多くの異なるルールおよびシナリオが明らかであろう。
【0043】
本発明の実施形態では、UEは、しばしば異なるアクセスインターフェースを必要とする異なる外部ソースの情報(プレゼンス、プロファイル、友達リストなど)に、どのようにアクセスするかを知る必要がないことに留意されたい。代わりに、UEは、単一のACAと通信する必要があり、それにより、UEからネットワークへと複雑さを移動させる。ACAは次いで、これらの通信を処理する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数のパラメータに従って、ネットワーク上で1つまたは複数のUE(ユーザ装置)デバイスにリソースを割り当てるためにネットワーク上に配置された、UEから遠隔にあるアクセス制御エージェントを含む、データ通信システム。
【請求項2】
アクセス制御エージェントが、要求されるリソースのタイプおよび性質に従って、ならびにプロファイル、プレゼンス、パーソナリゼーション、ポリシー、または他の情報のうちの1つまたは複数に従って、リソースを割り当てる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
UEがIPTV装置である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
アクセス制御エージェントが、所与のマルチメディアセッションのためのリソースの割当てに先立って、プロファイル情報、プレゼンス情報、UEのユーザに関連付けられた友達リストを含むパーソナリゼーション、一般的なまたは特定のポリシー、および標準のまたは特定のインターフェースを介した情報のうちの1つまたは複数に基づいて決定を行う、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
リソースが、スピーカ、ディスプレイ、マイクロフォンまたはマイクロフォン入力、さまざまなデータ入力/出力デバイスの使用のうちのいずれか1つまたは複数を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
それぞれが特定のプロトコルを使用し、共通のプロトコルを通じてUEに通知を提供する複数のソースから、通知を受信するように構成された通知エージェントを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
アクセス制御エージェントが、複数のUEの間で共有され、データをキャッシュするためのキャッシュを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
UEから遠隔の外部データソースが、プロファイル、プレゼンス、パーソナリゼーション、またはポリシー情報を決定するためにアクセスされる、請求項2に記載のシステム。
【請求項9】
1つまたは複数のパラメータに従って、ネットワーク上で1つまたは複数の遠隔UEデバイスに利用可能なリソースを割り当てる手段を含む、アクセス制御エージェント。
【請求項10】
要求されるリソースのタイプおよび性質に従って、ならびにプロファイル、パーソナリゼーション、ポリシー、または他の情報のうちの1つまたは複数に従って、リソースを割り当てるように構成された、請求項1に記載のアクセス制御エージェント。
【請求項11】
1つまたは複数のリソースを使用する要求が生じたときに、1つまたは複数のパラメータに従って、UEから遠隔で提供されるアクセス制御エージェントに、UEにおけるリソース使用を割り当てさせ、アービトレートさせるステップを含む、ネットワーク上で提供されるUEのリソース使用をアービトレートし、割り当てる方法。
【請求項12】
UEがIPTVデバイスである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
パラメータが、プロファイル、プレゼンス、パーソナリゼーション、およびポリシーのうちの1つまたは複数を含み、UEに対して遠隔のソースからACAに提供される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
UEリソースへのアクセスが、共通UE APIのアブストラクション層を介して見直される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
それぞれが特定のプロファイルを使用し、共通のプロトコルを通じてUEに通知を提供する、複数の通知ソースと通信する、UEから遠隔の通知エージェントによって、UEへの初期通知が処理される、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
必要であれば、ACAが追加の情報をUEに配信するように構成された、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
追加の情報が、ウェブページまたはウェブページへの参照として配信される、請求項11に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2011−515722(P2011−515722A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−542563(P2010−542563)
【出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【国際出願番号】PCT/EP2009/000029
【国際公開番号】WO2009/092512
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】