説明

コンピュータユニットにアクセスする方法及び装置

自身と集中型サーバ12との間に連絡を確立するように構成されるコンピュータユニット10であって、前記サーバ12とのネットワーク接続22を確立する手段と、該コンピュータユニットがオフ状態又はスリープ状態にある場合及びオプションとして該コンピュータユニットがオンである場合のウェイクアップ手段とを備える、コンピュータユニット。該コンピュータユニット10は、該コンピュータユニットがオフ状態、ハイバネーション状態、又はスリープ状態であろうと、オン状態であろうと、アクティブである移動ユニットを備えるか又は該移動ユニットに接続され、該移動ユニットは、移動体電気通信接続20を介して前記サーバ12から一意の要求を受信するように適合され、該要求が真正であると認定された場合には、該コンピュータユニット10は、前記サーバ12に新しい別個のネットワーク接続20;22を確立するように適合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータユニット自体と集中型サーバとの間に連絡を確立するように構成される該コンピュータユニット及び方法を開示し、該コンピュータユニットは、上記サーバとのネットワーク接続を確立する手段と、コンピュータユニットがオフ状態、ハイバネーション状態又はスリープ状態である場合、及びオプションとしてコンピュータユニットがオンである場合のウェイクアップ手段とを備える。
【背景技術】
【0002】
本発明はさらに、コンピュータと中央サーバとの間に連絡を確立する手順に関し、コンピュータは、ウェイクオンLAN(Wake on LAN)(ウェイクオンWAN(Wake on WAN)、ウェイクオンMAN(Wake on MAN)、及び他の類似の用語で呼ばれることもあるが、用語としてはWoLを用いることにする)用であると共に、上記サーバへのネットワーク接続を確立する、機器を組み込んでいる。
【0003】
本発明の背後にある着想は、中央でサービス提供すると共に、さまざまな市場区分(民間市場、SOHO(スモールオフィスホームオフィス)からEMB(エンタープライズ中規模企業)に至る市場、及びエンタープライズ市場)のPCサポート又は他のコンピュータユニットのサポートを中央で与える、プログラム及び機器を開発することである。この市場の大部分(EMB区分まで)は、PCサポートがほとんどないか又は全くないが、それでもその日々のビジネスにおいてそのIT基盤への依存はますます増加している。労働者がますます移動性を有するようになってきている状況において本発明のためのユーザエリアが存在するので、この解決法は、エンタープライズ市場にも拡大することができる。
【0004】
本発明はユーザ/企業のコンピュータを完全に制御する。換言すれば、ユーザは自身のコンピュータを通常通り用いるが、全てのメンテナンス及びバックアップは、ユーザの積極的な補助もなく、また使い勝手の低下も性能の低下もなく、中央で管理される。このシステムは、本発明に関しては、デスクトップ、ワークステーション、ラップトップ、及びサーバ、さらには車両、ボート、船舶、クレーンに組み込まれたコンピュータ及びデバイス、又は他の種類の内蔵型コンピュータ/デバイス等の全ての種類のコンピュータにサービス提供することができる。本発明を、シンクライアント技術に基づく従来のASP(アプリケーションサービスプロバイダ)解決法と混同してはならない。本発明は、職場、ホテル、又は自宅によって例示されるどの場所においても使用することができる。コンピュータは、休暇中であっても、旅行中であっても、又は職場においても100%メンテナンスを受けることになる。これによって、使い勝手が向上し、企業は、間違いなくユーザ及び企業をより効率的にするものである本発明を使用することによって、金銭、時間、及びリソースを節約することになる。
【0005】
一例として、ユーザが、コンピュータ又はデバイスが起動することを阻止するウィルスを有する場合、又はそれ以外で深刻な機能不良がある場合(ユーザはヘルプデスクに連絡することもあるし、多くの場合、コンピュータが援助を得るために自らサーバと連絡することができる)、システムは、問題となっているコンピュータにアクセスすることができ、起動されているWindows(登録商標)のようなオペレーティングシステムを必要とすることなく、必要ならばBIOSレベル(ハードウェアレベル)に至るまでそのコンピュータを点検し、問題を分析し、問題を修正するのに必要なタスクを実行し、コンピュータの使い勝手を修復することができる。コンピュータの制御は、その後ユーザに再び手渡される。
【0006】
特許文献1は、NIC(ネットワークインターフェースカード)を通じたウェイクアップメッセージでコンピュータにアクセスする手順を記載し、また、ネットワークカードを通じてBIOSのデータ(フラッシュメモリに再び記憶される)をどのように変更することができるのか、及びBIOSが新しい命令を得て、それにより、実行可能コードが作成されることを記載している。
【0007】
特許文献2は、他の機器を通じてコンピュータのブートを可能にする制御情報を有する「ウェイクオンLAN」(WoL)を記載している。また、特許文献2は、IT要員がウィルススキャンをどのように管理運営することができ、最初にシャットオフされているコンピュータで、例えば夜間に他のメンテナンスタスクをどのように行うことができるのかも記載している。特許文献2は、WOL処理の結果として、更新されたシステム情報を確実に処理することができるように、通常のブート中にネットワークカードをどのようにチェックされることができるのかも記載している。
【0008】
特許文献3は、実行モード、スリープモード、異常オフ状態の3つのステータス、及びログの読み出しに関係したBIOS及びアプリケーションを有するWOLを記載している。
【0009】
特許文献4は、セキュリティの高いアクセスを提供するドッキングステーションに追加のLANアダプタを用いて確立されるWOLを記載している。
【0010】
非特許文献1は、スリープオンLANと呼ばれる機能を記載している。しかしながら、ここでは、MACアドレス、IPアドレス、グループタグ、又はマジックパケットでコンピュータをアドレス指定することによってS1〜S5でリストされた異なるスリープ機能にアクセスするために、ネットワークカードが用いられている。ウェイクオンLAN及びPNP BIOSが述べられている。
【0011】
上述した文書のいずれも、例え、コンピュータがオフ状態にあっても、移動部がネットワーク接続を提供するようなモバイルブロードバンドを用いることにより、コンピュータを「ウェイクアップ」させる移動サービスの使用を述べていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許出願公開第20050166313号
【特許文献2】米国特許出願公開第20080028053号
【特許文献3】米国特許出願公開第20050086460号
【特許文献4】米国特許第6421782号
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】IP.COM Nr IPCOM000173706Dを有するIBMが提供している題名「スリープオンLANのための方法及び装置(A method and apparatus for Sleep on LAN)」の「技術開示書」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、コンピュータユニットの物理的なロケーションに関わらずコンピュータユニットにセキュリティの高いユーザサポートを与えると共に、コンピュータユニット自体が外部サーバ又は別のコンピュータユニットへのセキュリティの高い接続を確立する、解決法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述した目的は、独立請求項1に規定されるコンピュータユニットであって、該コンピュータユニットは、該コンピュータユニットがオフ状態、ハイバネーション状態、又はスリープ状態(若しくは類似の状態)であろうと、オン状態であろうと、アクティブである移動ユニットを備えるか又は該移動ユニットに接続され、該移動ユニットは、移動体電気通信接続を介して前記サーバから一意の要求を受信するように適合され、該要求が真正であると認定された場合には、該コンピュータユニットは、前記サーバに新しい別個のネットワーク接続を確立するように適合される、コンピュータユニットによって達成される。
【0016】
このコンピュータユニットの代替的な実施の形態は、それぞれの従属請求項で特定される。
【0017】
前記移動ユニットは、GSM、TDMA、CDMA、PDC、PHS、3G、HSDPA、WiMAX、Wifi、又は類似の技術を含むサービスである前記移動体電気通信接続を介して接続されるように構成することができる。
【0018】
前記サーバとの前記ネットワーク接続の確立についての事前にプログラムされた情報を、例えばTPMチップ等の前記コンピュータユニットのハードウェアにセキュリティの高い方法で記憶することができる。前記コンピュータユニットは、前記要求を受信すると、前記接続を解除し、前記記憶された宛先以外の宛先に外部通信を方向付けないように、前記コンピュータユニットのハードウェアにおける前記ストレージ内にプログラムされた1つ又は複数のアドレスへの新しい接続をセットアップするように構成することができる。
【0019】
代替的に、前記コンピュータユニットは、前記要求を受信すると、前記接続を拒否するように構成され、前記要求が真正であると認定された場合には、前記記憶された宛先以外の宛先に外部通信を方向付けないように、前記移動ユニット内に事前にプログラムされた1つ又は複数のアドレスへの新しい接続をセットアップするように構成される。
【0020】
さらに、前記コンピュータユニットのマザーボードは、前記コンピュータがオフ状態にあるときにロックすることができ、かつ/又はユーザデータ用のメインストレージ(HDD/SDD又は類似のもの)は同様にロックすることができ、かつ/又は該ユーザデータは暗号化することができる。
【0021】
前記コンピュータユニットは、PC、ノートブック型パソコン、サーバ、若しくはサーバファームの一部とすることもできるし、又は任意の車両、船舶に設置することもできるし、又はコンピュータ機器とすることもできる。
【0022】
一代替的な実施の形態では、前記コンピュータユニットは、ウェイクオンLAN(WoL)用でありかつ前記サーバとの前記ネットワーク接続を確立する機器を備えることができ、前記移動ユニットが、3G、HSDPA、Wifi、又は類似のもの等の前記移動体電気通信接続を介して前記サーバから電話要求を受信するように適合されるとき、前記移動ユニットは、前記コンピュータユニットがオフ状態にあってもアクティブであり、前記要求が真正であると認定された場合には、前記コンピュータユニットは、前記サーバへの新しい別個のネットワーク接続を確立するように構成される。
【0023】
前記目的は、独立請求項9に規定される方法であって、
一意の識別子を含むモバイルベースの要求を前記サーバから移動体電気通信接続を介して前記コンピュータユニットに送信するステップと、
前記コンピュータユニット内の移動ユニットによって前記要求を受信するステップであって、受信すると、該要求が識別される、受信するステップと、
を含み、
前記要求が真正であると認定された場合には、前記コンピュータユニットは、前記サーバへの新しい別個のネットワーク接続を確立し、そうでない場合には、前記要求は拒否される、方法によっても達成される。
【0024】
この方法の代替的な実施の形態は、それぞれの独立な方法請求項に記載されている。
【0025】
前記要求が真正であると認定されるにもかかわらず、全ての要求は好ましくは拒否される。
【0026】
前記サーバとの前記ネットワーク接続に関する情報が、前記コンピュータユニットの前記ハードウェアに記憶される。
【0027】
前記要求が真正であると認定された場合には、セキュリティ上の理由により前記初期接続を拒否することができ、その際に、前記新しい接続が確立される。
【0028】
同じ理由により、前記一意の識別子は、IMSI(国際移動加入者識別番号)、MSIN(移動局識別番号)、又は他の類似の技術/今後の技術等の、移動ネットワークにおける発呼者ID又は他の一意の識別子とすることができる。
【0029】
前記要求は、無線電気通信に基づくデジタル信号、アナログ信号、又は音声信号とすることができる。
【0030】
次に、本発明を添付図面によって説明することにする。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明を用いるシステムの図である。
【図2】用いられる原理のチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図は、ネットワーク接続22を通じてインターネット14に接続することができるコンピュータユニット10と、同様にネットワーク接続22を通じてインターネット14に接続することができるサーバ12と、例えば電気通信ライン21又は対応する接続を介してコンピュータ10及びサーバ12と通信することができる移動体電気通信ライン20とを示している。コンピュータに対する初期の接続又は発呼は、電気通信接続20を用いて確立される一方、コンピュータ10とサーバ12との間の接続の確立は、ケーブル接続及びモバイルブロードバンド接続のカバレッジに応じて、ネットワーク接続22又はライン20のいずれかを通じて行うことができる。
【0033】
当業者には、所望により、サーバをサーバファーム又は他の制御ユニットとすることができることが理解されよう。さらに、サーバは、PC、ノートブック型パソコン等の別のコンピュータユニットとすることができることも理解されなければならず、接続を開始するユニットであるが、理解を容易にするために、用語「サーバ」が明細書及び特許請求の範囲で用いられる。電話要求はさらにデジタル信号、アナログ信号、又は音声信号とすることができる。
【0034】
コンピュータ10をバックアップ又はサポートすることを可能にするには、ロケーションに関わらずコンピュータに到達することができることにかかっており、これを最良の方法で達成するためには、コンピュータが、電気通信接続20を通じて通信するモバイルブロードバンドユニット(3G/HSDPA若しくは類似/今後の技術)を装備するか又は該モバイルブロードバンドユニットに接続されることである。これは、コンピュータそれ自体がオフ(WoL)、ハイバネーション若しくはスリープ状態(若しくは類似の状態)、又はオンにされていてもコンピュータ10内の移動ユニット又はコンピュータ10に接続された移動ユニットがオンであるように適合される。解決法には、システム最適化プログラム、余分なファイルの削除、デフラグメンテーション、及びレジストリクリーンアップ等の経年変化を防止する自動化プロセスが含まれる。これは、オペレーティングシステム、コンフィギュレーション、及び今後の技術進歩に応じて変化し得る。さらに、これは、深刻な問題の場合に素早い援助を考案するために、ストレージユニット上の隠しパーティションの使用を可能にする。例は、システムパーティションの完全なイメージ、又は最も頻繁に破損若しくは感染するファイルの小さなイメージとすることができる。他のタスク及びプロセスを時間の経過と共に追加することができ、ここで述べているものは、本発明の目的及び効果のいくつかを例示するための例にすぎない。
【0035】
移動ユニットは、コンピュータユニットと統合することもできるし、例えばUSB接続、赤外線(IR)、又はブルートゥースによってコンピュータユニットに接続することができる別個のユニットとすることができる。
【0036】
移動体電気通信接続は、GSM、TDMA、CDMA、PDC、PHS、3G、HSDPA、WiMAX、Wifi、又は類似の技術を含むサービスとすることができる。
【0037】
問題が何であり得ようとも、サポートは、もちろん、顧客とサービスとの間の接点として機能する。サポートセンタは、コンピュータ10にサービス提供している間に用いられるサーバ12を有し、コンピュータに接続して、ウィルススキャン、経年変化防止対策、バックアップ、若しくは他のタスク等の積極的なサポートを行うか、又は起動することを拒否しているコンピュータ等の問題に伴い、ユーザを受動的に助けるするために、ユーザからは独立している。
【0038】
セキュリティの技術的説明
1.セキュリティの高いローカルコンピュータ 最も高いセキュリティレベルの例
a.バックアップ、システムメンテナンス等の目的のため、これは、サーバが、GSM、TDMA、CDMA、PDC、PHS、3G、HSDPA、WiMAX、Wifi、又は類似の今後の技術のような移動通信デバイスを装備するコンピュータへの移動体電気通信サービスを通じて、一意の識別子(例えば電話番号又はオープン移動ネットワークを介して一意の識別子を提供する他の任意の技術等)を用いてコンピュータに要求を送信することにより外部から開始することができる。この要求は、移動受信機、すなわちコンピュータ内の移動ユニット又はコンピュータに接続された移動ユニットによって受信され、移動受信機において、要求が識別され(例えばTPMチップに記憶されて)、識別が一致するものである場合、コンピュータユニットは呼を拒否し、該コンピュータユニットに利用可能なネットワークを用いてサーバへの新しい接続をセットアップする。これを行うことによって、通信を操作してトラフィックの向きを変更することが不可能になる。
b.サーバファーム等との全ての通信を暗号化することができる。
c.コンピュータがオフ状態にあるとき、マザーボードがロックされる。
d.コンピュータがオフ状態にあるとき、ストレージデバイス(複数可)(HDD、SDD等)がロックされる。
e.ストレージデバイス(複数可)又はユーザデータエリアが暗号化される。
f.コンピュータへのログインが、バイオメトリックデバイス(指紋、顔認識等)を用いることによってセキュリティを高くする。
g.窃盗及び内蔵されるか又は別個のトラッキングデバイスを阻止するために、特殊なラベル(例えば「極度にセキュリティの高いコンピュータ」又は類似のもの)並びに他の可視マーキング及び隠しマーキングでコンピュータをマーキングすることができる。
h.リスクを低減するために、管理レベルがロックされる。
i.バックアップがスケジュール通りに行われない場合はログ記録及びアラームを行うと共に、コンピュータが紛失又は盗難された場合のデータ喪失のリスクを最小にするために変更部分(例え、連続的であっても)を頻繁にバックアップする。
j.例えばスパイウェア、アドウェア、ウィルス、及び時間と共に変化する他の脅威のような脅威の削除の機能、システムメンテナンスの機能、及びシステム若返りの機能を自動的に実行し、システム内にログ記憶することができる。
【0039】
より低いセキュリティが望まれている場合には、機能a〜jの1つ又は複数を省略することができる。或いは、追加の機能を修正することができる。
【0040】
この解決法の独自性は主として2つの事項である。
1.コンピュータがどこに位置していても、移動体電気通信技術(GSM、TDMA、CDMA、PDC、PHS、3G、HSDPA、WiMAX、Wifi、又は同じ原理に基づく類似の今後の技術)を一意の識別子(発呼者ID又は移動ネットワークにおける他の一意の識別子)と共に用いることによるもの。唯一の必要条件は、コンピュータが位置する場所に利用可能な接続があるということである。
2.説明したように、デバイスと連絡することによるもの。これによって、デバイスがオフ状態、ハイバネーション状態、又はスリープ状態(若しくは類似の状態)にある場合にWoLを行うことが可能になる。これは、以前は(例えば、外部から開始された接続のNAT又は拒否が原因で)コンピュータのローカライズ及びメンテナンスをサーバファームから開始して行うことを不可能にしていたファイアウォール/ルータ又は他のスクリーニングデバイスの背後にコンピュータがある場合であっても、オープン移動技術を用いることによって、連絡を安全に開始することができることを意味する。
【0041】
これらの2つの特徴を組み合わせて用いることによって、企業は、自身の地理的ロケーションに関わらず又は自身がどのネットワークにいるのかに関わらず、自身のコンピュータ又はデバイスを用いて他のタスクに達し、他のタスクをメンテナンスし、かつ/又は他のタスクを行うことが可能になる。これは、ホテル、自宅、訪問中の他の企業等について該当し得る。
【0042】
移動ネットワーク又は類似の技術を用いて、WoLを通じてセキュリティを高くした接続を確立するには、次の必要条件(全て強制的であるとは限らないことに留意されたい)が存在する。
・モバイル/3G又は類似のサービスを通じてコンピュータ又はデバイスと一意に連絡するとき、コンピュータは、ハードウェアにおける安全なストレージエリアの中で(例えばTPMチップにおける安全なストレージ)で証明書をチェックして、一致するものを見つける。一致した場合、接続は拒否される。技術が進歩するにつれて、安全性を保証する他の類似の手段をその時々においてここに適用することができる。
・コンピュータ又はデバイスは、「ホームに発呼して(call home)」、上述したような自身の安全なストレージ内を再び検索し、どこに接続すべきかを見つけ出す必要があることを理解する。もし一つがアクセス可能でない場合に、代替的なものとして記憶された複数のアドレスが存在する場合がある。コンピュータ又はデバイスは、次に、必要に応じて、利用可能な通信デバイスを起動し、サーバファームに戻る最も高速な接続を検索し、この接続をセットアップする。
・この接続は、暗号化方法(例えばVPN暗号化トンネル)を用いてセットアップされ、それによって、通信が高セキュリティであることが保証される。
・任意のオペレーティングシステムが起動される前に、この接続が起動される場合、ハードウェアがそのような暗号化通信をサポートすることが必要条件である。
・これは、コンピュータ自体が、暗号化されかつ十分にセキュリティを高くしたラインを用いて所定のアドレスにコールバックしない限り、イニシエータがどのポイントにおいてもコンピュータにアクセスすることができないことを意味する。
・このためのアドレス(複数可)は、ロック及び暗号化されて、外部から又は必要ならばユーザによってもアクセス不能であるハードウェア(例えばTPMチップ又は類似/今後の技術)に高いセキュリティで記憶される。
【0043】
要約すれば、(例えば、或る者が発呼したときに、移動体に番号が提示されるのと同じ方法で)要求をコンピュータ又はデバイスに送信する。(例えば移動電話が連絡リストを検索して一致するものを見つけるように)発呼者を安全なストレージにおいてチェックする。発呼者を拒否し、アドレスが他者によってもユーザによっても操作することができない所定のアドレス(複数可)への利用可能な接続を用いて、(例えば、連絡リストに有するような代替的な番号で)1つ又は複数のロケーションへのセキュリティを高くした接続をセットアップする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身と集中型サーバ(12)との間に連絡を確立するように構成されるコンピュータユニット(10)であって、該コンピュータユニットは、前記サーバ(12)とのネットワーク接続(22)を確立する手段と、該コンピュータユニットがオフ状態又はスリープ状態にある場合及びオプションとして該コンピュータユニットがオンである場合のウェイクアップ手段とを備え、
該コンピュータユニット(10)は、該コンピュータユニットがオフ状態、ハイバネーション状態、又はスリープ状態であろうと、オン状態であろうと、アクティブである移動ユニットを備えるか又は該移動ユニットに接続され、該移動ユニットは、移動体電気通信接続(20)を介して前記サーバ(12)から一意の要求を受信するように適合され、該要求が真正であると認定された場合には、該コンピュータユニット(10)は、前記サーバ(12)に新しい別個のネットワーク接続(20;22)を確立するように適合される、コンピュータユニット。
【請求項2】
前記移動ユニットは、GSM、TDMA、CDMA、PDC、PHS、3G、HSDPA、WiMAX、Wifi、又は類似の技術を含むサービスのような前記移動体電気通信接続を介して接続されるように構成される、請求項1に記載のコンピュータユニット。
【請求項3】
前記サーバとの前記ネットワーク接続(20;22)の確立についての事前にプログラムされた情報が、例えばTPMチップ等の前記コンピュータユニットのハードウェアにセキュリティの高い方法で記憶される、請求項1に記載のコンピュータユニット。
【請求項4】
前記コンピュータユニット(10)は、前記要求を受信すると、前記接続を拒否するように構成され、前記要求が真正であると認定された場合には、前記記憶された宛先以外の宛先に外部通信を方向付けないように、前記コンピュータユニットのハードウェアにおける前記ストレージ内にプログラムされた1つ又は複数のアドレスへの新しい接続をセットアップするように構成される、請求項3に記載のコンピュータユニット。
【請求項5】
前記コンピュータユニット(10)は、前記要求を受信すると、前記接続を拒否するように構成され、前記要求が真正であると認定された場合には、前記記憶された宛先以外の宛先に外部通信を方向付けないように、前記移動ユニット内にプログラムされた1つ又は複数のアドレスへの新しい接続をセットアップするように構成される、請求項1に記載のコンピュータユニット。
【請求項6】
前記コンピュータユニット(10)の前記マザーボードは、前記コンピュータがオフ状態にあるときにロックされ、かつ/又はユーザデータ用の前記メインストレージ(HDD/SDD又は類似のもの)は同じようにロックされ、かつ/又は該ユーザデータは暗号化することができる、請求項1に記載のコンピュータユニット。
【請求項7】
前記コンピュータユニット(10)は、PC、ノートブック型パソコン、サーバの一部であるか、又は任意の車両、船舶に設置されるか、又はコンピュータ制御された機器である、請求項1に記載のコンピュータユニット。
【請求項8】
前記コンピュータユニット(10)は、ウェイクオンLAN(WoL)用でありかつ前記サーバ(12)との前記ネットワーク接続(22)を確立する機器を備え、前記移動ユニットが、3G、HSDPA、Wifi、又は類似のもの等の前記移動体電気通信接続(20)を介して前記サーバ(12)から電話要求を受信するように適合されるとき、前記移動ユニットは、前記コンピュータユニットがオフ状態にあってもアクティブであり、前記要求が真正であると認定された場合には、前記コンピュータユニット(10)は、前記サーバ(12)への新しい別個のネットワーク接続(20;22)を確立するように構成される、請求項1に記載のコンピュータユニット。
【請求項9】
コンピュータユニット(10)と集中型サーバ(12)との間で連絡を確立する方法であって、前記コンピュータユニットは、該コンピュータユニットがオフ状態又はスリープ状態にある場合及びオプションとして該コンピュータユニットがオンである場合のウェイクアップ手段とを備え、前記サーバ(12)とネットワーク接続(22)を確立するように構成され、該方法は、
一意の識別子を含むモバイルベースの要求を前記サーバ(12)から移動体電気通信接続(20)を介して前記コンピュータユニット(10)に送信するステップと、
前記コンピュータユニット(10)内の移動ユニット又は該コンピュータユニット(10)に接続された移動ユニットによって前記要求を受信するステップであって、受信すると、該要求が識別される、受信するステップと、
を含み、
前記要求が真正であると認定された場合には、前記コンピュータユニット(10)は、前記サーバ(12)への新しい別個のネットワーク接続(20;22)を確立し、そうでない場合には、前記要求は拒否される、方法。
【請求項10】
前記要求が真正であると認定されても、全ての要求が拒否される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記サーバとの前記ネットワーク接続に関する情報が、前記コンピュータユニットの前記ハードウェアに記憶される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記要求が真正であると認定された場合には、セキュリティ上の理由により前記初期接続は終了され、終了されると、前記新しい接続が確立される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記一意の識別子は、移動ネットワークにおける発呼者ID又は他の一意の識別子である、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記要求は、無線電気通信に基づくデジタル信号、アナログ信号、又は音声信号である、請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−504364(P2012−504364A)
【公表日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−528969(P2011−528969)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【国際出願番号】PCT/NO2009/000337
【国際公開番号】WO2010/039041
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(511079115)ロスベルグ・システム・アクティーゼルスカブ (1)
【Fターム(参考)】