説明

コーティングされた磁性粒子及びその応用

半田接合部、バンプ、バイア、ボンドリング、及びその他を含む構造を堆積させるためにコーティング及び/又は磁性粒子を使用する方法。粒子は、半田付け可能な材料によりコーティングしてよい。半田接合部については、リフロ後、半田材料は、マトリクス内に未融解粒子を備えてよく、これにより、接合部の強度を増加させ、接合部の配列のピッチを低減する。粒子及びコーティングは、より融点の高い合金を形成し、その後の複数のリフロステップを可能にしてよい。粒子及び/又はコーティングは、磁性を有してよい。外部磁場は、粒子積載量及び堆積位置を正確に制御するために、堆積中に加えてよい。これにより、不適合な電極電位を有する元素を、単一のステップで電着し得る。こうした磁場の使用により、構造の完全なシード金属化を必要とすることなく、バイア等、高アスペクト比の構造の充填が可能となる。更に、触媒材料によりコーティングされた磁性粒子で構成された触媒は、随意的に、中間層を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の説明>
本願は、2002年12月5日提出の米国仮特許出願第60/431,315号「印刷可能半田ペースト用固体核半田粒子」と、2003年2月12日提出の米国仮特許出願第60/447,175号「電気化学デバイス及びプロセス」と、2003年11月12日提出の米国仮特許出願第60/519,813号「粒子共電着」の出願の利益を主張する。本願は、2001年5月31日提出の米国特許出願第09/872,214号「電気化学プロセス及び装置によるサブミクロン及びナノサイズ粒子のカプセル化」の一部継続出願である。列記した各出願の明細書は、出典を明示することによりその開示内容全体を本願明細書の一部とする。
【0002】
本発明は、基板又は表面に粒子を堆積させる前に所望の材料によりコーティングした磁性又は非磁性粒子に関する。コーティングは、各粒子と密接に接触し、結果として、化学量的制御と酸化の最小化とを強化する。コーティングは、限定はされないが、半田材料又は触媒材料を含む、任意の望ましい材料にしてよい。核粒子及び/又はコーティングが磁性を有する場合、外部磁界は、堆積速度を増進するのに使用してよく、或いは、粒子を特定の位置へ方向付けるのに使用して、基板の不要な区域での堆積を最小化してよい。電着、スクリーン印刷、及びフォトステンシルバンピング等、多数のタイプの堆積プロセスを使用してよい。本発明は、更に、半導体のバイア又はバンプのような他の構造の特性を修正するための、非コーティング磁性又は非磁性粒子の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
以下の説明では、多数の刊行物を(複数の)著者及び刊行年別に参照しており、特定の刊行物は、最近の刊行日であるため、本発明に対する従来技術とはみなされないことに留意されたい。こうした刊行物の説明は、本明細書において、より完全な化学原理の背景として提示されるものであり、特許性の決定を目的として、こうした刊行物が従来技術であることを承認するものではない。
【0004】
ウェーハバンピング技術は、最近、ハイエンドコンピューティング及びネットワーキング市場において大きな注目を集めており、これは、こうした技術が高密度MPU、ASIC、及びメモリデバイス構造での高い性能を可能にしてきたためである。フリップチップボールグリッドアレイ(FCBGA)は、半田バンピング相互接続を使用すると同時に、エリアアレイ構成を可能にするパッケージタイプである。これは、従来のペリフェラルワイヤボンディング相互接続よりも遙かに優れた信号及び電力/接地の完全性を確保する。
【0005】
携帯電話等の商品又は消費者製品について、パッケージサイズは、極めて重要となる。チップスケールパッケージ(CSP)は、既に業界で広く認められている。しかしながら、真のチップサイズパッケージであるウェーハレベルCSP(WL−CSP)等、更に小さなソリューションの探究は、依然として続いている。別の例として、フリップチップオンボード(FCOB)組立体用のバンプ付きダイも、製品の最終サイズを低減できる。
【0006】
三つの主要なウェーハパンピングプロセスが存在し、これらは、蒸着、電気メッキ、及びスクリーン印刷である。蒸着法は、資本設備における大きな投資が必要であり、通常は、高い所有コストを伴う。電気メッキ法は、より微細なバンプピッチの傾向を促進することで知られているが、電気メッキ槽の制約のため、一部の半田材料は適していない。スクリーン印刷法は、通常、最も費用効率に優れているが、バンプピッチが200ミクロン未満である時、深刻なバンプ高さの制限が存在する可能性がある。本発明に従って有用となる堆積プロセスには、更に、電着と、電気泳動と、フォトステンシルバンピングと、その他とが含まれる。
【0007】
第四の、最近開発された先進的な印刷(フォトステンシルバンピング)バンプ法は、感光性レジスト膜を使用し、消費者向けから非常にハイエンドまで、あらゆる範囲の用途に対処できる。これは、部分的には、電気メッキ法に匹敵するバンプ高さと、標準的なスクリーン印刷に競合する原価構造との両方を可能にする先進的なスクリーン印刷バンピングプロセスの利点によるものである。この方法は、ウェーハ「シャトル」サービス、即ち、一ユーザ又は初期ツーリングコストを共有する多数のユーザ向けの、単一のウェーハ上での異なるデバイスの製造にとって理想的である。「シャトル」ウェーハは、個別のユーザ又は顧客への出荷前に単一化する必要があるため、単一チップ半田バンピングは、各デバイスに別々にバンプを与えるための効果的な方法となる。フォトステンシルバンピングは、100マイクロメートルの低さのバンプピッチと、100ミクロンの薄さのウェーハ上でのバンピングとを達成している。こうした進歩により、FCOBは、システムの小型化にとって非常に重要なソリューションとなっている。必然的に、最適なソリューションでは、更に、バンピング、基板、パッケージング、組立、試験、及びボードレベルの組立の総費用を考慮する必要がある。フォトステンシルバンピングは、より均一な微細ピッチバンプのための現在の能力を拡張する。フォトステンシルバンピングを使用して製造されるバンプの高さは、電気メッキを使用することで可能となるものと同様であり、コストは代表的なスクリーン印刷法に競合する。例えば、フォトステンシルバンピングは、高さ105のバンプを200ミクロンのピッチで製造可能であり、電気メッキは高さ100ミクロンのバンプを製造し、スクリーン印刷は僅か75ミクロンの高さのバンプを発生させる。この技術の重要な一態様は、パターン形成における傑出した特性と、アルカリ溶媒による剥離に依然として良好に反応する一方で、バンプ形成に必要な高温に耐えることができる事実とにより選択された、独自の感光性レジスト膜の使用である。更に、パターン形成における乾燥膜開口部の使用により、バンプの高さ均一性が大幅に改善される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の全てを含め、任意の堆積方法で使用してよい。
【0009】
半田バンピングにおける主要な材料、設計、及びプロセスの考慮事項は、次の通りである。
【0010】
1)バンプ材料は、理想的には、高温で共晶を形成し、無鉛となるべきである。
【0011】
2)バンプピッチは、基板の互換性を考慮して、可能な限り小さくするべきである(ビスマレイミドトリアジン[BT]、ビルドアップ、高熱膨張ガラスセラミック、その他)。
【0012】
3)バンプ高さは、第一のレベルの信頼線を確保するのに十分となるべきである。
【0013】
4)バンプ構成は、エリアアレイ(MPU/ASIC)又はペリフェラル(メモリ/アナログ)にしてよい。
【0014】
5)バンププロセスは、ウェーハレベル(蒸着、電気メッキ、及びスクリーン印刷)又は単一のダイ(ディンプルプレート)にしてよい。
【0015】
6)複数のリフロ処理ステップに対応するために、融点を調整することが望ましい。
【0016】
7)組立の前後に電気接触試験を行う必要がある。
【0017】
8)バンプは、一部の用途で発生する可能性がある機械的衝撃、振動、クリープ、及び疲労に耐える十分な強度を有し、したがって、長期的な信頼性を確保するべきである。
【0018】
9)材料には、リフロの前後で空隙が存在するべきではない。
【0019】
10)コストは、最小化する必要がある。
【0020】
欧州での電気電子機器廃棄物リサイクル指令(WEEE)及び特定有害物質使用制限指令(ROHS)の提案のため、無鉛バンピング材料の需要は増加している。更に、無鉛バンプは、システムオンチップ(SoC)デバイスにおけるメモリマクロでのアルファ粒子効果を最小化する。銅配線上で無鉛バンプを使用して、単一のダイにおいて、153ミクロンのバンプピッチで11,000ほどのバンプを製造できる。
【0021】
上で説明した特徴を有する新しい半田材料の必要性が存在する。こうした特徴を改善する試みにおいて、既存の半田組成に元素粒子が追加されている(S. Jadhav et al., J. Electronic Materials 30 (9) 1197 (2002)、F. Guo et al., J. Electronic Materials 30 (9) 1073 (2001)、S. Hwang et al., J. Electronic Materials 31 (11) 1304 (2002)、S. Chol et al., J. Electronic Materials 28 (11) 1209 (1999)参照、全て出典を明示することによりその開示内容全体を本願明細書の一部とする)。非コーティング粒子は、マトリクス又はフィルタ材料と共に電着されてきた。しかしながら、こうしたアプローチは、多数の処理工程を必要とし、複雑性及びコストを増加させる。
【0022】
加えて、半田ペーストは、元素粉末からブレンドされるが、短い保管寿命と、ペーストの層化(均一性、したがって信頼性を大幅に低下させる)と、一部の用途に適合しない有機結合剤の使用という不利点を有する。
【0023】
本発明は、更に、ブラインドバイアの充填を必要とする半導体製造手法に関し、柱形又は球形の終端デバイスの製造には、金属の加速堆積が必要となる。既存のプロセスは、電着、無電解メッキ、プラズマ蒸着を利用し、場合によっては、金属化スクリーン印刷インク及びペーストを利用する。
【0024】
一般的な手法は、フォトレジスト又はフォトリソグラフィによって定められた特徴の電気メッキ充填である。基板の金属化によって電着が発生し、その後、従来の電着ステップに基づいて、電気化学堆積のプロセスにより、充填の堆積を制御するアンペア分の要件が満たされるまで、定められた特徴内に金属堆積物が蓄積される。こうしたタイプの手法の実時間のプロセスは、完全な密度の構造を犠牲にする特徴内の閉塞又はピンチを回避するために、二時間から10又は12時間程度までに変化する。
【0025】
このプロセスに伴う時間は、化学的又は費用効率に優れた処理につながらない。結果的な特徴は、電着を実行するための電流バスフローを提供するために、非常に複雑なシード金属化を必要とする。このプロセスは、シード金属層の複雑なプラズマ蒸着を必要とする。このシード金属層は、バイア特徴のアスペクト比が1対10を越える時、達成するのが非常に複雑になる。現行の実践では、更に複雑なクロススパッタリング方法を使用するが、得られる結果は、高品質で費用効率に優れたプロセスを保証するのに十分ではない。
【0026】
本発明は、更に、触媒作用のための磁性材料の使用に関する。膜電極組立体(MEA)の製造には、活性の高い触媒層を提供するPEM及び触媒の適切な相互浸透のための可溶性ナフィオンと、熱と、圧力との正しい組み合わせを達成するために、専有である場合の多い大量の技術が関与し、その多くは試行錯誤によって開発されてきた。通常は、懸濁貴金属の黒色インク又は炭素支持貴金属のインクを、炭素フェルト電極にブラシで塗るか、或いは、テフロン(登録商標)面での触媒インクの蒸着によって触媒デカールの形にして、その後、PEM層への圧力転写を行う。
【0027】
触媒作用を強化するための磁性材料の使用は公知である。Leddyらが行った電極製造のアプローチは、炭素に支持されポリマに覆われた磁性粒子を、可用性ナフィオンと共に混合してインクを形成することに依存しており、結果として、磁性粒子の多量の塊状化と、分離した電気触媒材料面(Pt等)との接触の減少が生じた。この方法では、磁性面と触媒面との間の距離の広範な分布を含む触媒層が生成されるが、試験結果は、非常に魅力的であり、対照と比較して出力レベルの三倍の改善を実証している。こうした結果の定量的分析は、磁気的に修飾された触媒層の微細構造に関する十分な知識の欠如により、複雑なものとなるが、COが存在する時、触媒の約25%のみが活性化されると推定される。
【0028】
磁性の高い粒子から触媒層を形成する試みでは平滑で物理的に安定した層が得られないことから、このアプローチは、比較的弱い磁性粒子の使用に限定されてきた。磁場の強い粒子は、ベッド層成形体を破砕及び変形させることで電極の完全性に影響を与える望ましくない力をもたらす。インクにおける磁性粒子の導入は、供給中、及び供給したインクの乾燥後、磁力が粒子を互いに引き寄せる間に、薄層を付与し安定させる方法等、新たな問題を持ち込む。例えば、Leddyらの米国特許第5,817,221号、第5,928,804号、第6,001,248号、第6,303,242号、第6,322,676号、及び第6,479,176号を参照されたく、これらの明細書は出典を明示することによりその開示内容全体を本願明細書の一部とする。Leddyらの方法は、最終生産物の不均一性と複雑な製造プロセスとを発生させる各成分の分離を含め、その他の不利点を有する。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明は、コーティング及び/又は磁性粒子を使用した構造を堆積させる方法と、結果として生じる構造との両方である。堆積方法は、一部として、電着、電気泳動、電気メッキ、蒸着、スクリーン印刷、及びフォトステンシルバンピングを含む。
【0030】
本発明の主要な利点は、コーティングと粒子との密接な接触により、結果として生じる構造の化学量が他の方法を使用して堆積させた構造よりも均一になることである。
【0031】
本発明の主要な利点は、粒子及びコーティング材料を同時に堆積させることで、酸化物汚染が最小化されることである。
【0032】
本発明の主要な目的は、基板上にコーティング粒子を堆積させ、粒子をリフロさせて、半田接合部を形成する方法を提供することである。コーティングは、好ましくは、半田付け可能な材料である。結果として生じる半田は、固化マトリクス内に未融解粒子を備えてよい。こうした粒子の存在は、半田を強化し、圧縮及び剪断応力に対する耐性を高める。粒子は、更に、半田バンプ又は同様の構造の表面張力を変更し、達成可能なバンプピッチを低減し、高いバンプ密度を可能にする。粒子及びコーティングは、合金を形成するためのリフロ中に、部分的又は完全に反応してよい。合金は、好ましくは、コーティングより高い融点を有し、その後の複数のリフロステップを可能にする。
【0033】
本発明の主要な目的は、磁性のある粒子、或いは磁性材料によりコーティングされた粒子を堆積させることである。粒子は、インク又はペースト中に懸濁させてよい。代替として、粒子は、電解液において共堆積させてよい。磁場は、粒子積載量を制御すると共に、粒子の堆積位置を正確に制御するために使用される。加えて、適合しない電極電位を有する材料を、一ステップで堆積させ得る。
【0034】
本発明の主な目的は、構造の完全なシード金属化の必要なく、バイアの充填等、高アスペクト比構造の堆積を可能にすることである。磁場は、以前に金属化された表面を越えて、伝導性粒子を方向付けるために利用してよく、これにより、電気接触を形成し、完了まで堆積を継続できる。
【0035】
本発明は、更に、触媒材料によりコーティングされた磁性粒子を備えた触媒に関する。磁場の存在は、触媒の性能を改善することが知られている。粒子上での制御されたコーティング形状は、表面の磁場が更に容易に制御されることを意味する。粒子は、随意的に、粒子と外部コーティングとの間に少なくとも一つの中間層を有し、中間層は、拡散障壁として機能し、磁性粒子が触媒を汚染するのを防止する
本発明のその他の目的、利点、新たな特徴、及び応用性の更なる範囲は、添付図面と併せて、以下の詳細な説明において一部が述べられており、以下を検討することで当業者には一部が明らかとなり、或いは、本発明の実践により学習され得よう。本発明の目的及び利点は、付記した特許請求の範囲において特に指摘した手段及び組み合わせを用いて、実現及び達成し得る。
【0036】
添付図面は、明細書に組み込まれ、その一部を形成するものであり、本発明のいくつかの実施形態を例示し、説明と共に、本発明の原理を明らかにする役割を果たす。図面は、本発明の好適な実施形態を例示する目的のものに過ぎず、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明は、コーティング粒子を使用して製造された半田材料に関する。明細書及び請求項全体での使用において、「半田材料」とは、金属フィラ、粒子接合材料、構造接合材料、蝋付け材料、溶接材料、及びその他も意味する。
【0038】
コーティング粉末は、好ましくは、錫、錫/鉛、錫/銀、又は電子部品の接合に適したその他の組成といった、半田付け可能な金属又は合金によって、随意的に電気メッキによってコーティングされた、例えば、ニッケル又は銅の金属元素核を備える。核粉末は、数ミクロン、或いは更にサブミクロンを含む任意のサイズにしてよく、したがって、任意の製造プロセスに適合させることが可能である。核材料は、カプセル化堆積物の融点より高い融点を有するニッケル、銅、又はその他の伝導性粉末にしてよい。半田材料は、共晶を形成してよい。コーティングステップは、凝集なしで達成し得る。コーティング粉末は、必要に応じて、基板に電着させ得る。代替として、コーティング粉末は、従来のフォトステンシルを介してウェーハに印刷可能な、即ち、スクリーン印刷可能な、ペースト又はインクに混合し、例えば、フリップチップボンディング用の強化された球形バンプを作成するためにリフロさせてよい。
【0039】
この実施形態において、リフロ中、半田材料は融解し、核粒子全体及び基板表面上を湿潤させて広がり、半田バンプを形成する。固化すると、半田コーティングは、個別の粒子を共に結合させ、基板に接合する。固化したバンプは、埋め込まれた未融解の元素核粒子を含む。図1は、二種類のFCBGAパッケージ構成を表しており、図1Aは、リフロ前のガラスセラミック基板用のバンプを表し、図1Bは、リフロ後の同じバンプを示す。図1Cは、リフロ前の積層基板上に堆積したバンプを表し、図1Dは、エッチング及びリフロ後のバンプを示している。図1C及び1Dは、未融解粒子を備える複合半田バンプを示している。
【0040】
結果的に生じる構造は、何らかの粒子を含有しない半田に比べ大幅に高い圧縮及び剪断強度を備えた複合又は凝集材料となる。機械的衝撃、振動、及びその他に対する耐性だけでなく、高温であっても、結果として生じるバンプが半田と基板との熱膨張係数の不一致による剪断応力に耐えられるほどに強いことから、この強化は、信頼性を高める。これにより、アンダフィルの必要性が排除され、コストと製造ステップとが節減される。
【0041】
この実施形態において、核材料は融解しないが、核粒子とコーティングとの間の反応は存在してもよい。リフロ中、核粒子とコーティングとの間の界面では、それぞれの原子の相互拡散により、固溶体又は金属間化合物が形成されてよい。この拡散は、半田が液体である時に発生する場合があり、結果として、界面の液体では組成上の変化が生じ、この場合、反応は、一時的液相接合として知られている。代替として、半田コーティングの融点未満の温度でリフロが実行される場合、反応は、固体状態拡散接合と呼ばれる。いずれの場合でも、結果として生じる界面化合物は、元の半田コーティングより高い融解温度を有し得るため、特に、全ての半田材料が核材料と反応した場合、材料は、元の半田材料の融点より高い温度での複数のリフロサイクルに耐えることが可能となる。この接合は、半田接合部の強度を劇的に増加させる役割を果たす。複数の元素粉末で構成された従来の半田ペーストは、反応物質の密接ではない接触による不均一性の問題を有する。したがって、こうしたペーストは、事前の不完全な成分の反応により二次的なリフロを受けるため、複数のリフロサイクルに耐えられない。多重リフロ能力は、システムと組み合わせる際にデバイスを更に半田付けし、マザーボードの基板又は電子基板に接合する必要があることから、電子デバイスのレベル1の半田付けにとって重要な態様となる。
【0042】
別の実施形態では、リフロ中に融解しない核粒子を使用するのではなく、融解する粉末材料を選択してよく、これにより、リフロ中、コーティングとの合金を形成する。合金は、共晶にしてよい。例えば、銀及び銅粒子が、錫によりコーティングされる。コーティング粒子は、基板に向けてスクリーニングされる。両方の元素金属の温度より高い温度でのリフロ中、共晶合金半田が形成される。こうした合金は公知だが、この方法の利点は、こうした材料を経済的に堆積できることである。多数の合金のためには、電解液の不適合性のため、合金の構成要素を形成する元素粉末のそれぞれを別個のステップで電着させる(即ち、イオン的に送給する)必要があることから、製造時間及びコストが増加する。加えて、各元素を堆積させるためにウェーハを多数のメッキセル間で移動させる必要があるため、既に堆積させた粉末の表面の酸化のリスクが大きくなる。何らかの酸化物の形成は、元素の反応を阻害する。別の方法には、後で反応させる元素多層の蒸着が伴うが、しかしながら、このプロセスは、非常に低速及び高価である。こうした方法は、不完全な反応と反応元素の密接ではない接触とによる最終生産物の不均一な化学量という欠点を有する。別の従来の方法では、事前に合金にした材料を堆積させており、こうした材料は非常に高いリフロ温度を必要とし、半田付け能力を大幅に低減し、高温に耐えられない他のデバイスコンポーネントに悪影響を与える可能性がある。全ての実施形態において、本発明のコーティング粉末は、単一のステップで電着させてよく、これにより、上記の問題を回避し、コスト及び製造時間を低減する。コーティング及び各粉末は常に密接に接触するため、湿潤が大幅に強化され、酸化は起こり得ない。
【0043】
本発明のコーティング粉末は、任意のタイプの相互接続で使用可能であり、例えば、フリップチップ半田バンプ、ワイヤボンド、又はステッチボンドといったレベル1又はチップレベル相互接続、或いは、表面実装又はスルーホール構成を含む従来のプリント回路基板の半田接合部であるレベル2相互接続で使用できる。
【0044】
コーティング及び各粉末の化学的及び物理的特性を一致させることで、必要に応じて、パッケージの冷却を強化する高い熱伝導率、及び電流容量又は高いインダクタンスのような改善された電気的特性等、最終的な材料でのその他の望ましい特性を達成できる。更に、粒子の追加により、融解した半田の表面張力が変化するため、高い粒子積載量(即ち、粒子濃度又は密度)において、低いバンプピッチ(即ち、増加したバンプ密度)を達成できる。リフロ中に球形を形成するのではなく、バンプは、球形のように横方向に同じ程度まで広がらない急峻な側面を備えた楕円形状を形成可能であり、これにより、バンプを互いに接近して配置できる。これは図2に例示されており、図2は、図1のリフロ半田バンプに対する粒子積載量の影響を概略的に表している。図2Aは、図1Dと同一であり、粒子積載量を増加させると、バンプ形状は、球形から、狭小な側面を有するものへ変化する(図2B)。
【0045】
加えて、材料の最終的な化学組成は、例えば、純粋な錫等の半田材料のエレクトロマイグレーションのような特性の安定性を強化するために選択できる。これにより、特に、電子コンポーネント全体の障害を発生させることが分かっている固体状態の樹状突起の形成を防止することで、半田接合部の信頼性を増加させる。こうした特性は、半田バンプ、ボンドリング、及びバイアを一部として含む、本発明に従って形成された任意の構造に当てはまる。
【0046】
磁性を有する核粒子を選択することで、外部磁場を利用して、電着、フォトステンシルバンピング、及びスクリーン印刷の方法を使用することを一部として含め、半田の堆積を強化できる。こうした粒子、或いは粒子を含むペースト又はインクは、より精密に、所望の堆積位置へ正確に方向付けることができる。粒子積載量は、更に正確に制御できる。加えて、ニッケル等の元素又は合金で作成された磁性核粒子の独自の特性は、磁場の強化及びバンプ付きダイの電気試験を使用した新たな製造手法においても重要となる可能性がある。例えば、磁場は、半田材料の表面張力と、湿潤その他の特性とを変更し得る半田内の粉末の空間分布を制御するために、リフロ中に加えてよい。
【0047】
好ましくは磁性を有する粒子の共堆積は、バイア等のその他の微細加工構造の製造プロセス及び最終的な材料特性も改善できる。上記の利点の多くは、こうした他の構造に当てはまる。粒子は、磁性又は非磁性の非コーティング粒子又はコーティング粒子にしてよい。コーティング粒子は、磁気特性が望ましい場合、ニッケル等の磁性核を有してよい。代替として、磁性材料でコーティングされた非磁性核を備えてもよい。磁場を随意的に使用することで、より正確に粒子を所望の堆積位置へ方向付けることができる。更に、異種材料、例えば、大幅に異なる電極電位又は不適合な電解溶液を有するものを、一ステップで共堆積させてよく、時間及び製造コストが節減され、プロセスステップ間で発生する酸化物汚染の可能性が排除される。加えて、堆積材料の粒子積載量は、磁気の支援を用いて、より正確に制御し得る。最終的な材料は、堆積材料のマトリクスに埋め込まれた粒子で構成されてよい。粒子及び/又は粒子上のコーティングは、更なる処理ステップ中に、マトリクス材料と反応してよい。
【0048】
好ましくは、充填物の電着中に、より正確に粒子を所望の位置へ方向付ける磁気の支援により、粒子を共堆積させることで、PVD(プラズマ蒸着)によって実行される事前のシード層金属化中に形成するべき完全な膜に関する現在の要件を緩和できる。したがって、バイアの基部を金属のない状態にすることが可能であり、磁場によって引き込まれる粒子は、バイア内へと続くショルダ金属化部と接触して、電流バスをバイアの基部へ延長する。図3は、シリコン又はセラミック基板300内のバイアの断面を示している。図3Aは、完全であり、バイアの三次元形状全体の壁を覆うPVDシード金属化部310を示している。図3Bは、不完全であり、バイアの基部に向かって次第に減少し、基部と、恐らくはバイアの長さの三分の一乃至三分の二とを、シード金属化部が存在しない状態にするPVD金属化部320を有する同じバイア形状を表している。
【0049】
充填物の電着中に、好ましくは磁気の支援により、伝導性で、好ましくは磁性を有する粒子330を後でバイア内へ共堆積させることで、粒子330は、非金属化バイアの基部へ電流の流れを延長し、電気的連続性をもたらし、一貫した信頼性及び再現性を有するバイアの電着充填物を提供することから、完全な金属化部は必要なくなる。
【0050】
粒子を電解質に導入し、好ましくは、磁気的にバイア内へ方向付けることで、バイアの充填速度は、広い範囲の粒子濃度に渡って直線的に加速可能であり、例えば、粒子サイズ及び積載の速度に応じて、60%の固体濃度により、堆積速度を60%増加し得る。電着のための粒子の通常の体積比は約1対3だが、その他の比も可能となる。図3Cに示したように、結果的な充填物340は、完全に緻密化した電着物マトリクス内で区切られた粒子350で構成される。こうした粒子を共堆積させることで、プロセスの堆積及び緻密化の両方を加速可能な、より有利な電流条件が形成される。
【0051】
図3Dによれば、ウェーハ又は基板360は、その後、裏側370をプラズマエッチングして、基板材料を除去し、ウェーハ基板裏面において、バイア相互接続を介して形成されたバンプ380を露出してよい。エッチングの速度と、除去される基板の量とは、ウェーハ裏側の結果的なバンプのアスペクト比及び高さを含む形状を定義する。バイア充填プロセスにおける上記の改良に加え、粒子、好ましくはニッケル粒子の存在は、更に、バイアの熱伝導率の感知可能な改善を提供し、一貫した半田付け可能な表面を提供する。図3の図面は概略的であり、粒子及びバイアの特定の相対的サイズ、或いは特定の粒子濃度を表す意図はないことに留意されたい。
【0052】
本発明に従って堆積させ得る別の構造は、通常、錫−金共晶半田で構成されるボンドリングである。好ましくは、1乃至2ミクロンのニッケル粒子を錫でコーティングし、金の電解質内で懸濁させ、単一のステップで金と一緒に共堆積させる。具体的なサイズの範囲を開示しているが、構造の特性を最適化するために、任意の粒子サイズを利用してよい。外部磁場の大きさ及び持続時間は、堆積させた構造における充填物の割合及び最終的な組成を部分的に決定する。その後の反応の後、錫−金組成が形成可能であり、好ましくは、80:20共晶組成となる。ニッケル粒子は、ボンドリングを機械的に補強する。代替として、同じく所望の共晶組成を製造する目的で、金の電解質中に懸濁させた純粋な錫粒子を、金と共に共堆積させてよい。後者の実施形態において、磁場は、共堆積を支援するために利用されない。
【0053】
触媒、電子的、又はその他の特性のために、コーティング又は非コーティングの様々な粒子材料を選択することで、本発明は、微細加工プロセス中に、基板に埋め込まれた受動コンポーネントデバイスを作成するために使用できる。こうしたデバイスには、一部として、レジスタ、キャパシタ、及びインダクタが含まれる。粒子、随意的なコーティング、及び電解質材料の選択は、例えば、電子部品、水素貯蔵フィールド、誘導又は磁気トランスデューサの特性を定義するのに有用となり得る。
【0054】
実施例−磁気核触媒粒子
コーティング磁気核粉末の使用の例は、一部として燃料電池を含む用途のための電気触媒材料の製造におけるものである。磁気核粉末の使用は、デバイスの製造可能性を改善するだけでなく、効率も強化する。本発明は、好ましくは金属であり、好ましくは白金である触媒材料により、好ましくはNiである磁性粒子をコーティングすることを含む。随意的に、ルテニウムのような他の元素を表面に追加し、粒子全体をカプセル化するか、或いは表面を部分的にコーティングして、触媒の機械的、電気化学的、電子的、及び/又は磁気的特性を調整してよい。部分的コーティングは、追加元素の分離した島を備えてよい。ルテニウムは、随意的に酸化させてよい。
【0055】
触媒電極における磁性材料の使用は、改良された触媒特性を発生させる。核粒子の磁気モーメントは、デバイスの効率を改善し、汚染に対する触媒の耐性を高める。電気触媒を磁気粒子の表面に固定して、事実上、距離の分布ではなく、磁性材料から触媒表面までの単一の距離を提供することで、触媒表面における、或いは触媒表面を介した局所的磁場の推定に対する妥当な確実性が提供され、CO耐性に対する磁気の影響について、定量的な関係を確立できる。これは、既存の技術に対する別の利点となる。
【0056】
本発明の一実施形態は、強い自己誘引力を及ぼすNd−Fe−B等の磁場の強い材料を利用した時でも、安定した均一な触媒積載量と、活性の高い電極を備えた膜電極組立体(MEA)とを提供するために、信頼性の高い予測可能な形でイオノマ膜に投与又は圧入可能な磁性電極材料の製造である。本発明は、優れたMEA性能と、改質炭化水素からの水素中に存在するCOレベルに対する耐性とを提供し、更に、改良された耐摩耗性を提供する。随意的な保護界面層は、核粒子を触媒反応に関して不活性にすることが可能であり、磁場が最も強い各カプセル化磁気粒子に、好ましくはPt及び/又はPt/Ru触媒層の追加にとって理想的である堅牢な界面を直接提供する。非腐食金属接合層により完全にカプセル化した磁気粒子に貴金属層を予備形成することで、電気触媒は、MEAを形成する後続の処理ステップに関係なく、磁気材料の表面に可能な限り接近して配置される。保護Ni層又はNi−Pd層によるカプセル化のケースでは、優れた耐食性が必要な場合、保護障壁金属も磁性を有し、磁気効果を強化するべきである。
【0057】
本発明の好適な実施形態による、コーティング粒子の製造プロセスの例は、次の通りである。
【0058】
1.電気メッキ水溶液中で処理するのに適した、利用可能な金属及び金属酸化物粉末から、最適な粒子形状を使用する。基準には、磁気飽和、ダイポールの感受性に関する形状のアスペクト比、サイズ/分布、及び表面形態が含まれるべきである。
【0059】
2.腐食環境に耐えられる適切な障壁コート金属を決定する。凝集のない完全な粒子のカプセル化を達成するのに必要な堆積物の重量増加を、酸性試験により検証する。
【0060】
3.報告された、以前の触媒積載量に基づいて、白金の同等の比重量を計算する。3乃至10重量パーセントの白金を提供するために、カプセル化磁性粒子上での非常に薄く均一な白金コーティングの電着のためのパラメータを決定する。
【0061】
4.高い度合いの核生成と、粒子表面上でのルテニウムの小さな島の形成とを発生させる条件下での、白金にコーティングされたカプセル化金属粒子上における部分的表面被覆となるルテニウムの随意的な堆積。
【0062】
5.安定した均一な触媒層を、膜又はガス拡散電極に付与し、ナフィオン112を使用してMEAを形成し、活性の高い電極層を実証する。
【0063】
6.ナフィオンポリマと混合して、炭素フェルトに取り付けた、磁気的に支持される粒子の均一層の堆積。
【0064】
磁気粒子の化学的及び物理的安定性を確保するために、我々は、腐食しない保護障壁によってカプセル化された磁気ビーズを提供する回転式貫流電気メッキ装置を使用する電着に基づいた、不活性金属カプセル化手法を使用する。カプセル化プロセスは、数ミクロン乃至サブミクロンの範囲の直径である粒子にコーティングを電解付与するために特別に設計された、特許取得の回転式電気メッキ装置を使用する電着に基づくものである。こうしたプロセスの一例は、2001年5月31日提出の米国特許第09/872,214号「電気化学的プロセス及び装置によるサブミクロン及びナノサイズ粒子のカプセル化」において開示されており、これは出典を明示することによりその開示内容全体を本願明細書の一部とする。このプロセスは、本発明の実施形態のいずれかによるコーティング粒子の製造に応用できる。非常に耐久性の高い白金又はパラジウム/ニッケル合金コーティングをニッケルアンダコートに付与及びアニールして、磁性材料がセルに浸出するのを防ぎ、白金又はルテニウム触媒元素を、磁場が最も高くなる可能性のある位置で表面に電着し得る。このアプローチは、PEM燃料電池、PEM電解装置、又は炭化水素改質装置におけるイオノマに基づくポリマとして不安定であることが知られているポリスチレンより堅牢で、化学的に不活性な層を提供し、MEA内の磁性粒子の有益な効果に関与する重要な微細構造の開発を進展させる。この方法は、材料の一体化された合成物を提供し、電気触媒及び磁気材料を混合する技術による不確実性を軽減する。
【0065】
粉末カプセル化プロセスに関する回転式貫流電着は、遠心力を利用して、電解陰極接点に対して、水溶液中のバルク材を密集させる。粒子材料は、上部開口部を介して積載され、メッキセルは、陰極接点に対して粉末を遠心力で投与する上で十分に高いrpmで回転させる。電気メッキ溶液は、浸漬した陽極を介して回転セルの上部開口部において継続的に導入され、セルを通って流動し、ドーム形の上部陰極接点リングと、基部プレートとの間で層を成す焼結多孔性プラスチックリングを介して退出する。電気メッキは、周期的な停止及び/又は反対回転と、セルに対するDC電源の連続的な切り替えとのサイクルにより実行され、均一な被覆と凝集(ブリッジング)の予防とのために粒子位置を循環させる。
【0066】
装置を陰極モードではなく陽極において動作させるために、陽極と陰極とは随意的に切り替え可能である。ノズルと、陽極(陽極は異なる金属の堆積を提供するために容易に取り外し及び切り替え可能である)と、排出ポートとの連続的な位置決めは、化学物質を混合することなく、メッキ中の材料を複数のステップの化学プロセスに露出する方法を提供する。更に、メッキされたワークの継続的な浸漬は、従来のバレルメッキプロセスにおいてタンクからタンクへ移動する時に基板上で通常発生する酸化を防止する。継続的浸漬は、好ましくは、プロセスの全ステップを同じセルにおいて実行することで達成される。化学溶液は、各化学溶液の個別の循環のために、多孔性リングを介して、適切な返送排出部へ連続的に戻される。その後、高速回転中に濯ぎ水を導入することで、化学溶液は、異なる比重量により、最低限の希釈で交換される。その後、後続のステップが実行される。
【0067】
個別の粒子のニッケルメッキによる電解カプセル化の好適なセルプロセスフローは(一例として)次の通りである。
【0068】
1.伝導性粉末の積載
2.濯ぎ
3.高温浸漬
4.開始/停止サイクルによるニッケル電気メッキ
5.濯ぎ
6.高温濯ぎ
7.真空乾燥
別の実施形態によれば、回転式貫流電着手法を使用して、酸化鉄(フェライト)粉末をカプセル化し、化学的に不活性の磁石核を形成し、その後、磁石核は、ニッケル障壁上に堆積させた白金層を備えた不活性永久磁石ビーズにする。この実施形態のプロセスステップは、次の通りである。
【0069】
直径3乃至5μmの粒子サイズ範囲の金属合金粉末を使用し、0.2amps/dm2未満のアンペア密度でスルファミン酸ニッケル溶液において電気メッキする
次に、更なる処理のために、この材料を濯いで、真空オーブンで乾燥させる。
【0070】
全体のアンペア時要件は、ニッケルを堆積させるために確立された物理定数を使用して、重量増加のパーセンテージによって制御され、0.91308アンペア時により、二価のニッケル金属1グラムが堆積する。
【0071】
耐化学性及び不活性を保証する重量増加のパーセンテージを決定した後、約0.4mg/cm2未満の量での活性触媒の比重量を計算することで白金の重量増加を決定する。経験則として、比表面積は、粒子半径の10倍の増加に対して、約三分の一だけ低下するため、直径1乃至5ミクロンの磁性支持部に対して20ミクロン未満の触媒層の厚さを維持するには、幾分低いPt及びRu積載量が必要となり得る。
【0072】
この付与当量は、白金金属を電着させるための物理定数によって制御され、0.54957アンペア時により、四価の白金金属1グラムが堆積する。
【0073】
結果的に生じる電気メッキ粒子は、完全で均一なPt堆積を検証するために、走査型電子顕微鏡と、Pt表面被覆率を測定する電気メッキ白金堆積物のEPMAマッピングとを使用して検査される。Niカプセル化したフェライトに基づく磁性材料が必要なものより低い安定性を示す場合、異なる合金を障壁層として使用してよく、或いは、貴金属を高い積載量で付与してよく、或いは、Ni−Fe又はAl−Ni−Co等、代替の磁性材料を使用してよい。
【0074】
コーティング粒子が設計仕様を満たすと判断した後、粒子は、アルニコ及びバリウムフェライト磁性材料を飽和可能な、中間エネルギ(440ジュール)低電圧コンデンサ放電式マグネタイザにより、粉末として永久磁石にすることができる。
【0075】
この実施形態にしたがって製造された通常直径3乃至5μmのコーティング粒子は、図4において、概略的に断面が図示されている。粒子は、磁気を帯びており、陰極又は陽極で触媒電極として配置するために、インクに混合する準備ができている。粒子は、用途の要件に応じて、サブミクロンから百ミクロン超まで、任意の直径にしてよいことに留意されたい。
【0076】
粒子サイズの分布、形状、及び多孔性の度合いは、複合BETによって判定してよく、エネルギ分散型X線分析と組み合わせた走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して、触媒堆積の深度と、付与した白金触媒層の純度とを確認してよい。
【0077】
コーティングの品質は、核から鉄が浸出するかを判定するために、硝酸等の酸の中に粒子を配置することで評価される。粒子が完全な状態を維持し、溶液の顕著な黄色化が観察されない場合、粒子は、15%までの積載量で、ガラス状炭素電極上のナフィオン膜に組み込まれる。
【0078】
次に、触媒を電極に付与する必要がある。標準的なアプローチである電極に対する触媒層の直接付与は、大量生産プロセスの要求に適合することから、商業的な観点から魅力的となる。非接着ベラムに最初に投与したインク層のデカール転写のような、実験室において考案された方法は、現実の世界ではコストが高すぎる可能性がある。一方、多孔性ガス拡散電極への触媒溶液の直接的なブラシ塗布のような単純な付与方法は、定義が不明確であり、再現可能な形で実行して、最良の度合いの積載量、浸透、及び均一性を得るのが困難となる可能性がある。単純な直接的付与方法では、狭小なサイズ分布が関与する時、相対的粒子サイズの一致によって導かれる、細孔内への粒子の自発的な自己集合を発生させることが可能である。触媒層は、PEM層と接触する触媒粒子の緻密層を形成するために、Leddyら、前掲の方法に従った形のように、本文献において説明された市販のソースから取得された膜又はカーボン紙電極上で、インクとして堆積させてよい。触媒層の厚さ及び均一性に関する厳しい許容誤差は、ナフィオンの濃度によって制御されるインク溶液の粘性を制御することで達成し得る。
【0079】
触媒層のスラリは、微細孔層が形成された電極上でテープキャスティングによってコーティングされた溶媒置換ナフィオン溶液において、陽極のためのカーボンブラックVulcan XC72Rにより触媒コーティング磁性粒子を分散させることで準備してよい。粒子の分布は、キャスティング面の裏側の強い磁場によって保証される。
【0080】
本発明の利点の一つは、MEA上で粒子の単層を堆積させる際に磁場を使用する能力である。これにより、表面に位置しない白金が最小化又は排除され、したがって、フローストリームと直接的に接触しなくなり、デバイスのコストは大幅に低減される。加えて、磁場は、スクリーン印刷中に、触媒粒子の堆積を方向付け、フローストリームが従うパターンのみに限定するのに使用してよい。したがって、粒子は、使用されない場所には堆積せず、ここでもコストが劇的に低減される。本実施形態では、堆積方法は、好ましくはスクリーン印刷である。
【0081】
燃料電池に加えて、本発明は、充電式電池を含む電池、水素に基づくエネルギ発生装置、電子機器、及びMEMSに応用可能であり、充電サイクルの迅速化、長寿命、高出力、及び小型化を実現する。
【0082】
本発明の更なる実施形態は、多層又は階層組成を形成することであり、一つの層には、ターゲット材料を共堆積させ、その後、反応材料と共に第二の層を共堆積させることが可能であり、基板上に堆積した固体電池フィールドを形成する能力を提供する。階層化層を堆積させる能力を有することで、燃料電池膜を含む多くの電気化学デバイスは、組成の化学物質がこの分野の通常の電気化学セルの対極特性を示すように選択された層状の組成で製造できる。
【0083】
以上、本発明について好適な実施形態を特に参照して詳細に説明してきたが、その他の実施形態も同じ結果を達成し得る。本発明の変更及び変形は当業者には自明であり、本発明はこうした全ての変形例及び均等物を包含するものである。上で引用した全ての特許及び刊行物の開示内容全体は、出典を明示することにより本願明細書の一部とする。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】図1A〜図1Dは、リフロ前後のFCBGAパッケージ構成を示す図
【図2】図2A〜図2Bは、バンプ形状に対する粒子積載量の影響を示す図
【図3】図3Aは、バイアのPVDシード金属化部を示す図、図3B〜3Dは、本発明に従って製造されたバイアの部分的PVDシード金属化部と、その後の充填及びエッチングとを示す図
【図4】内部保護層を備えたコーティング触媒粉末の概略断面図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半田接合部を形成する方法であって、
少なくとも一つのコーティングを表面に備えた粒子を堆積させるステップと、
前記コーティングを少なくとも部分的に融解させるために前記粒子をリフロするステップと、を備え、これにより、実質的に連続した固化半田材料を形成する方法。
【請求項2】
前記堆積させるステップは、電着、電気泳動、電気メッキ、蒸着、スクリーン印刷、及びフォトステンシルバンピングで構成されたグループから選択されたプロセスによって堆積させるステップを備える、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記堆積させるステップは、前記粒子をペースト又はインクに混合するステップを備える、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記堆積させるステップは、不適合な電極電位を備えた少なくとも二つの材料を一つの堆積ステップで電着させるステップを備える、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記半田材料は、固化マトリクス内の未融解粒子を備える、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記未融解粒子は、前記半田材料の少なくとも一つの強度を増加させる、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記強度は、剪断強度及び圧縮強度で構成されたグループから選択される、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記半田材料は、前記未融解粒子によって強化される、請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記リフロするステップは、合金を形成するステップを備える、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記リフロするステップは、前記粒子の前記コーティングの実質的に全てを含む合金を形成するステップを備える、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記合金は、前記コーティングより実質的に高い融解温度を有する、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記半田材料は、実質的に均一な化学量の分布を含む、請求項9記載の方法。
【請求項13】
前記半田材料は、組成において実質的に均一である、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記堆積させるステップは、前記粒子の濃度を制御するステップを備え、これにより、基板表面に平行な方向での前記半田接合部のサイズを低減する、請求項1記載の方法。
【請求項15】
更に、前記基板上の半田接合部のピッチを減少させるステップを備える、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記粒子は、磁性を有する、請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記堆積させるステップは、少なくとも一つの外部磁場により、粒子積載量を制御するステップを備える、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記堆積させるステップは、少なくとも一つの外部磁場により、堆積位置を制御するステップを備える、請求項16記載の方法。
【請求項19】
前記リフロするステップは、少なくとも一つの外部磁場により、前記半田接合部内の粒子の分布を制御するステップを備える、請求項16記載の方法。
【請求項20】
基板上に堆積させる前にコーティングされた粒子を備える半田材料。
【請求項21】
粒子を共堆積させる方法であって、
懸濁液中で前記粒子を懸濁させるステップと、
前記流体に少なくとも一つの磁場を付加するステップと、
前記懸濁液の少なくとも一つの構成要素と共に前記粒子を共堆積させるステップと、
所望の構造を形成するステップと、を備える方法。
【請求項22】
前記付加するステップは、前記粒子の少なくとも一つの堆積位置を制御するステップを備える、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記付加するステップは、粒子積載量を制御するステップを備える、請求項21記載の方法。
【請求項24】
前記粒子は、磁性を有する、請求項21記載の方法。
【請求項25】
前記粒子は、少なくとも一つのコーティングにより覆われている、請求項22記載の方法。
【請求項26】
前記コーティングは、磁性を有する、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記懸濁させるステップは、前記粒子を電解液中で懸濁させるステップを備える、請求項21記載の方法。
【請求項28】
前記共堆積させるステップは、不適合な電極電位を備えた少なくとも二つの材料を一つの堆積ステップで共堆積させるステップを備える、請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記懸濁させるステップは、前記粒子をインク又はペースト内に懸濁させるステップを備える、請求項21記載の方法。
【請求項30】
前記形成するステップは、バイアを充填するステップを備える、請求項22記載の方法。
【請求項31】
前記形成するステップは、粒子の積載量を制御することで充填速度を加速するステップを備える、請求項30記載の方法。
【請求項32】
前記形成するステップは、更に、少なくとも一つの外部磁場により、粒子位置を制御するステップを備え、これにより、事前シード金属化部が前記バイア表面全体には存在しない状態で、前記バイア内での充填電着を可能にする、請求項30記載の方法。
【請求項33】
バイアを作成する方法であって、
前記バイアの表面の一部のみにシード金属化部を提供するステップと、
伝導性粒子を備える材料により前記バイアを充填するステップと、を備える方法。
【請求項34】
バイアの表面を部分的にのみコーティングするシード金属化層を備える前記バイア。
【請求項35】
少なくとも一つの触媒材料によりコーティングされた磁気粒子を備える触媒。
【請求項36】
請求項35の前記触媒を使用して堆積させた少なくとも一つの表面層を備える電極。
【請求項37】
更に、前記粒子の第一のコーティングを備え、当該第一のコーティングは、前記粒子を含む元素の前記触媒材料への拡散を防止するために安定した障壁を備える、請求項35記載の触媒。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−513041(P2006−513041A)
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−508466(P2005−508466)
【出願日】平成15年12月5日(2003.12.5)
【国際出願番号】PCT/US2003/038614
【国際公開番号】WO2004/052547
【国際公開日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(505208455)サーフェクト テクノロジーズ インク. (4)
【Fターム(参考)】