説明

コーティング組成物

【課題】高誘電性でかつ低誘電損失で、薄膜化が可能であり、しかも巻付き性(可撓性)にも優れたフィルムコンデンサの高誘電性フィルムとして好適なフィルムを提供する。
【解決手段】(A)熱可塑性の非フッ素系ポリマー、(B)無機強誘電体粒子、(C)カップリング剤、界面活性剤またはエポキシ基含有化合物の少なくとも1種からなる親和性向上剤、ならびに(D)溶剤を含むコーティング組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばフィルムコンデンサの高誘電性フィルム形成用のコーティング組成物および該コーティング組成物から形成される高誘電性のフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プラスチック絶縁体は、絶縁抵抗が高く、周波数特性に優れ、柔軟性にも優れるという特徴を有しているため、通信用、電子機器用、電力用、中・低圧進相用、インバータ用などのフィルムコンデンサや、圧電素子、焦電素子、転写体担持用誘電体などの膜材料として期待されている。
【0003】
フィルムコンデンサは通常、誘電性ポリマーフィルムの表面にアルミニウムまたは亜鉛を蒸着した構造のフィルム、またはアルミニウム箔と誘電性ポリマーフィルムを多層に積層したフィルムから構成されており、近年、金属蒸着により誘電性ポリマーフィルム上に電極を形成したものも多用されている。
【0004】
フィルムコンデンサ用フィルムの誘電性ポリマーとしては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイドなどの炭化水素系ポリマーが検討されているが、これらのフィルム単独では誘電率が2.3〜3程度しかない。
【0005】
フィルムコンデンサの容量は使用するフィルムの誘電率に比例し、フィルムの膜厚に反比例することが知られている。
【0006】
そこで、フィルムを薄膜化することが検討されてきたが、薄膜化しすぎると製膜が困難になるほか耐電圧の低下が認められるため、薄膜化には限界がある。
【0007】
フィルム自体の高誘電率化の方向として、ポリマーとして高誘電性のポリフッ化ビニリデン系重合体やシアノエチル化したプルランが検討されているが、いずれのフィルムも誘電率は20以下であり、しかも薄膜化は困難な材料である。
【0008】
近年、さらにフィルムコンデンサの小型化・大容量化が進み、コンデンサフィルムの更なる高誘電率化が強く求められてきている。
【0009】
コンデンサフィルムの高誘電率化の手段の1つとして、特に誘電率の高い無機粒子とポリマーを複合化し、フィルム化することが提案されている。
【0010】
この無機強誘電体粒子とポリマーの混合とフィルム化の方法として、(1)溶融混練法と(2)コーティング法が知られている。
【0011】
溶融混練法(1)は、ポリマーと無機強誘電体粒子をポリマーの溶融温度以上で混練したのち、溶融押出法またはインフレーション法によりフィルム化し、要すれば延伸処理を施す方法である。この方法にはポリフェニレンサルファイドやポリプロピレン、ポリエステルなどの炭化水素系ポリマーを用いるケース(特許文献1〜2)とフッ化ビニリデン系ポリマーを用いるケース(たとえば特許文献3〜5)が知られているが、ボイドが少なく薄膜化された高誘電率のフィルムの製造は難しい。
【0012】
コーティング法(2)は、ポリマーを溶剤に溶解し、これに無機強誘電体粒子を添加混合してコーティング組成物とし、コーティング法によりフィルムを製造する方法である。
【0013】
コーティング法(2)には芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、エポキシ樹脂などの耐熱性や機械的強度に優れる炭化水素系熱硬化性ポリマーまたは前躯体を使用するケース(特許文献6〜10)とフッ化ビニリデン系ポリマーを用いるケース(特許文献11)が知られている。
【0014】
炭化水素系熱硬化性ポリマーを使用する場合、機械的強度が高く薄いフィルムは製造可能であるが、フィルムの誘電損失が大きいほか、硬いフィルムとなり優れた巻付き性(可撓性)が要求されるフィルムコンデンサ用のフィルムとしては好適とはいえない。特に無機強誘電体粒子を添加混合した系は非常に硬く、その硬いという性質を活かしてエンベッディドキャパシタ用途に用いられている。
【0015】
また、ポリイミドの前躯体を使用する場合は200〜400℃で20分間という熱処理が必要になり、生産性が低下してしまう。
【0016】
フッ化ビニリデン系ポリマーを使用するケースでは、無機強誘電体粒子がフッ化ビニリデン系ポリマー中に均一に充填されたフィルムを得ることが難しく、薄膜化と誘電率の向上に更なる改善が求められる。
【0017】
また、無機強誘電体粒子をフッ化ビニリデン系ポリマーで被覆した複合粒子をプレス成形して、無機強誘電体粒子が高充填されたシートを製造することも提案されている(特許文献12)。しかし、膜厚は150μmと厚く、優れた巻付き性(可撓性)が要求されるフィルムコンデンサ用のフィルムとしては好適とはいえない。
【0018】
【特許文献1】特表2000−501549号公報
【特許文献2】特開2000−294447号公報
【特許文献3】特開昭59−43039号公報
【特許文献4】特開昭60−185303号公報
【特許文献5】特開昭58−69252号公報
【特許文献6】特開2001−106977号公報
【特許文献7】特開平1−248404号公報
【特許文献8】特開平4−160705号公報
【特許文献9】特開平2−206623号公報
【特許文献10】特開2002−356619号公報
【特許文献11】特開昭54−129397号公報
【特許文献12】特開昭61−224205号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、高誘電性、低誘電損失でかつ薄膜化が可能であり、しかも巻付き性(可撓性)にも優れた高誘電性のフィルム、およびフィルムコンデンサの高誘電性フィルム形成用に好適なコーティング組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
すなわち本発明は、
(A)熱可塑性の非フッ素系ポリマー、
(B)無機強誘電体粒子、
(C)カップリング剤、界面活性剤またはエポキシ基含有化合物の少なくとも1種からなる親和性向上剤、ならびに
(D)溶剤
を含むコーティング組成物に関する。
【0021】
かかるコーティング組成物はフィルムコンデンサの高誘電性フィルム形成用に好適である。
【0022】
また本発明は、かかるコーティング組成物を基材に塗布し、乾燥してフィルムを形成した後、該フィルムを基材から剥離して得られるフィルム、特にフィルムコンデンサの高誘電性フィルムにも関する。
【発明の効果】
【0023】
本発明のコーティング組成物を用いて製造されるフィルムは、誘電率が高く、低誘電損失であり、かつ薄膜化が可能であり、巻付き性(可撓性)にも優れており、フィルムコンデンサの高誘電性フィルムとしての要求特性を充足しており、しかもコーティング組成物を用いて簡便な方法で容易に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明のコーティング組成物は、
(A)熱可塑性の非フッ素系ポリマー、
(B)無機強誘電体粒子、
(C)カップリング剤、界面活性剤またはエポキシ基含有化合物の少なくとも1種からなる親和性向上剤、ならびに
(D)溶剤
を含む。
【0025】
各成分について説明する。
【0026】
(A)熱可塑性の非フッ素系ポリマー
フィルムのベースポリマーとなるものであり、誘電率(周波数10kHz、20℃で測定。特に断らない限り、本件明細書では同様)が2.0以上、さらには2.5以上の熱可塑性の非フッ素系ポリマーが、フィルムの高誘電率化に寄与することから好ましい。熱可塑性の非フッ素系ポリマーの誘電率の上限は通常、6.0程度である。
【0027】
また、フィルムを形成しやすいことから、溶剤(D)に易溶解性のものが好ましい。
【0028】
熱可塑性の非フッ素系ポリマーは、熱可塑性であることからフィルムとしたときに可撓性や柔軟性が良好で、フィルムコンデンサの高誘電性フィルムとするときの巻付き性に優れ、また非フッ素系であることから溶解性に優れ、溶剤の選択範囲や濃度の調整が容易で、加工性にすぐれたものになる。さらには、フッ素系の溶剤溶解性ポリマーに比べて機械的強度に優れる。
【0029】
好ましい熱可塑性の非フッ素系ポリマーとしては、たとえばポリカーボネート、セルロース、ポリフェニレンエーテル、ポリシクロオレフィン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなどがあげられ、これらのうち成膜性、耐熱性に優れている点から、ポリカーボネート、セルロース、ポリフェニレンエーテル、ポリシクロオレフィン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンが好ましい。
【0030】
ポリカーボネートとしては、たとえば三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製のユーピロン(商品名)、ノバレックス(商品名)などがあげられ、優れた耐熱性、寸法安定性、機械的強度を与える。
【0031】
セルロースとしては、たとえば酢酸セルロース、ニトロセルロースなどがあげられ、無機強誘電体微粒子との相溶性に優れ、また優れた機械的強度を与える。
【0032】
ポリフェニレンエーテルとしては、たとえば三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製のルピエース(商品名)、レマロイ(商品名)などがあげられ、低誘電損失と優れた耐熱性を与える。
【0033】
ポリシクロオレフィンとしては、たとえば日本ゼオン(株)製のゼオノア(商品名)などがあげられ、低誘電損失と優れた耐熱性を与える。
【0034】
ポリスルホンとしては、たとえばソルベイアドバンスドポリマー社製のユーデル(商品名)などがあげられ、優れた耐熱性と高温での優れた機械的強度を与える。
【0035】
ポリエーテルスルホンとしては、たとえば住友化学工業(株)製のスミカエクセル(商品名)などがあげられ、優れた耐熱性と高温での優れた機械的強度を与える。
【0036】
(B)無機強誘電体粒子
高誘電性材料に配合される公知の無機の強誘電性(誘電率が100以上)の材料、たとえば金属酸化物、その複合体、固溶体、ゾルゲル体などの粒子が使用できる。具体的には、たとえばチタン酸バリウム、チタン酸ジルコニウム、チタン酸亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸鉛、チタン酸マグネシウム、酸化チタンなどのチタン系酸化物;アンチモン酸バリウム、アンチモン酸ストロンチウム、アンチモン酸カルシウム、アンチモン酸鉛、アンチモン酸マグネシウムなどのアンチモン系酸化物;スズ酸バリウム、スズ酸ストロンチウムなどのスズ系酸化物などの粒子が例示できる。
【0037】
なかでもチタン酸バリウム系酸化物粒子またはチタン酸ジルコン酸鉛系酸化物(PZT)粒子は、代表的な無機強誘電体粒子であり、それらの誘電率は500以上である。特にチタン酸バリウム系酸化物粒子が、1500を超える高い誘電率をもち、かつ微粒子化が容易な点から好ましい。
【0038】
無機強誘電体粒子(B)の粒子径は、平均粒子径で2μm以下、さらには1.2μm以下、特に0.01〜0.5μm程度であることが、フィルムの表面平滑性や均一分散性に優れる点から好ましい。
【0039】
無機強誘電体粒子(B)の配合量は、ポリマー(A)100質量部に対して、10質量部以上、好ましくは30質量部以上、特に好ましくは50質量部以上である。少なすぎるとフィルムの誘電率の向上効果が小さくなる。上限は500質量部である。多くなりすぎるとフィルムとしての強度の点、表面荒れの点で問題が生じる。好ましい上限は400質量部、さらには200質量部である。
【0040】
(C)カップリング剤、界面活性剤またはエポキシ基含有化合物の少なくとも1種からなる親和性向上剤
親和性向上剤(C)は、ポリマー(A)と無機強誘電体粒子(B)との親和性を高め、両者を均一に分散させると共に、無機強誘電体粒子(B)とポリマー(A)をフィルム中でしっかり結合させる役割を果たす成分である。この成分(C)がないと、フィルム中にボイドが発生しやすくなり、誘電率が低下する。また、成分(C)は後述するフィルム形成用組成物において、無機強誘電体粒子をポリマー(A)と均一に分散させる働きもする。
【0041】
親和性向上剤(C)としては、カップリング剤(C1)、界面活性剤(C2)またはエポキシ基含有化合物(C3)が有効である。
【0042】
カップリング剤(C1)としては、たとえばチタン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤などが例示できる。
【0043】
チタン系カップリング剤としては、たとえばモノアルコキシ型、キレート型、コーディネート型などがあげられ、特に無機強誘電体粒子(B)との親和性が良好な点からモノアルコキシ型、キレート型が好ましい。
【0044】
シラン系カップリング剤としては、たとえば高分子型、低分子型があり、また官能基の数の点からモノアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、ダイポーダルアルコキシシランなどがあげられ、特に無機強誘電体粒子(B)との親和性が良好な点から低分子型のアルコキシシランが好ましい。
【0045】
ジルコニウム系カップリング剤としては、たとえばモノアルコキシジルコニウム、トリアルコキシジルコニウムなどがあげられる。
【0046】
ジルコアルミネート系カップリング剤としては、たとえばモノアルコキシジルコアルミネート、トリアルコキシジルコアルミネートなどがあげられる。
【0047】
界面活性剤(C2)としては、高分子型、低分子型があり、官能基の種類の点から非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤があり、これらが使用でき、熱安定性が良好な点から高分子型の界面活性剤が好ましい。
【0048】
非イオン性界面活性剤としては、たとえばポリエーテル誘導体、ポリビニルピロリドン誘導体、アルコール誘導体などがあげられ、特に無機強誘電体粒子(B)との親和性が良好な点からポリエーテル誘導体が好ましい。
【0049】
アニオン性界面活性剤としては、たとえばスルホン酸やカルボン酸、およびそれらの塩を含有するポリマーなどがあげられ、特にポリマー(A)との親和性が良好な点から具体的にはアクリル酸誘導体系ポリマー、メタクリル酸誘導体系ポリマー、無水マレイン酸系共重合体が好ましい。
【0050】
カチオン性界面活性剤としては、たとえばアミン系化合物やイミダゾリンなどの含窒素系複合環を有する化合物やそのハロゲン化塩があげられるが、ポリマー(A)への攻撃性が低い点から、含窒素系複合環を有する化合物が好ましい。塩型としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどのハロゲンアニオンを含むアンモニウム塩があげられる。誘電率が高い点からハロゲンアニオンを含むアンモニウム塩が好ましい。
【0051】
エポキシ基含有化合物(C3)としては、エポキシ化合物またはグリシジル化合物などがあげられ、低分子量化合物でも高分子量化合物でもよい。なかでも、ポリマー(A)との親和性が特に良好な点からエポキシ基を1個有する低分子量の化合物が好ましい。なお、カップリング剤に分類されるエポキシ基含有カップリング剤(たとえばエポキシシランなど)は、本発明ではエポキシ基含有化合物(C3)には含めず、カップリング剤(C1)に含める。
【0052】
エポキシ基含有化合物(C3)の好ましい例としては、特にポリマー(A)との親和性に優れている点から、式(C3):
【化1】

(式中、Rは水素原子、または酸素原子、窒素原子もしくは炭素−炭素二重結合を含んでいてもよい炭素数1〜10の1価の炭化水素基または置換基を有していてもよい芳香環;lは0または1;mは0または1;nは0〜10の整数)で示される化合物があげられる。
【0053】
具体例としては、
【化2】

などのケトン基またはエステル基を含むものが好適にあげられる。
【0054】
成分(C)の配合量は、ポリマー(A)100質量部に対して、0.01質量部以上、好ましくは0.1質量部以上、特に好ましくは1質量部以上である。少なすぎると均一に分散させることが難しくなる。上限は30質量部である。多くなりすぎると得られるフィルムの誘電率が低下するという問題が出てくる。好ましい上限は25質量部、さらには20質量部である。
【0055】
成分(C)としては、無機強誘電体粒子(B)との親和性が良好な点からカップリング剤(C1)およびエポキシ基含有化合物(C3)が好ましく、特にチタン系カップリング剤またはシラン系カップリング剤が、ポリマー(A)および無機強誘電体粒子(B)の両方への親和性が良好な点から特に好ましい。
【0056】
また、カップリング剤(C1)およびエポキシ基含有化合物(C3)は無機強誘電体粒子(B)と化学的な結合を形成する(反応性基を有する)ので、より一層しっかりした親和性向上作用を発揮する。
【0057】
(D)溶剤
溶剤(D)はポリマー(A)を分散または溶解し、コーティング組成物を調製できるものが好ましく、無機溶剤(水など)でも有機溶剤でもよいが、ポリマー(A)の種類に応じて選定すればよい。
【0058】
たとえば、ポリカーボネートに対しては、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤;クロロホルム、クレゾールなどの無極性溶剤;ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶剤;メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤などがあげられ、特に混合溶剤としたときの安定性が良好な点からエーテル系溶剤、アミド系溶剤、ケトン系溶剤が好ましい。
【0059】
セルロースに対しては、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤;酢酸エチルなどのエステル系溶剤;ジオキサンなどのエーテル系溶剤;ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶剤などがあげられ、特に混合溶剤としたときの安定性が良好な点からエーテル系溶剤、アミド系溶剤、ケトン系溶剤が好ましい。
【0060】
ポリフェニレンエーテルに対しては、ケトン系溶剤、トルエン、メシチレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、クロロホルム、シクロメタンなどの塩素化炭化水素系溶剤などがあげられ、特に塗布性が良好な点からケトン系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が好ましい。
【0061】
ポリシクロオレフィンに対しては、ケトン系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、塩素化炭化水素系溶剤などがあげられ、特に塗布性が良好な点から芳香族炭化水素系溶剤が好ましい。
【0062】
ポリスルホンに対しては、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール系溶剤、ケトン系溶剤、塩素化炭化水素系溶剤などがあげられ、特に塗布性が良好な点からアルコール系溶剤、ケトン系溶剤が好ましい。
【0063】
ポリエーテルスルホンに対しては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、塩素化炭化水素系溶剤などがあげられ、特に塗布性が良好な点からアルコール系溶剤、ケトン系溶剤が好ましい。
【0064】
本発明のコーティング組成物には、さらに任意成分として、フッ素系ポリマーなどの他のポリマーのほか、補強用フィラーや帯電防止用のフィラーなどの各種フィラー、相溶化剤などの添加剤を含ませてもよい。
【0065】
フッ素系のポリマーとしては、たとえば高誘電率のポリフッ化ビニリデン(PVdF)系ポリマー、フッ化ビニル系ポリマー、フルオロエチレン/ビニルエーテル共重合体などがあげられる。これらのフッ素系ポリマーは、本発明の目的を損なわない範囲で配合してもよい。
【0066】
また、補強用フィラーとしては、たとえば炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化マグネシウム、チタン酸カリウム、ガラス、アルミナ、硼素化合物の粒子または繊維があげられ、相溶化剤としては、たとえば官能基変性ポリオレフィン、スチレン改質ポリオレフィン、官能基変性ポリスチレン、ポリアクリル酸イミド、クミルフェノールなどがあげられ、本発明の目的を損なわない範囲で配合してもよい。
【0067】
また、高誘電性有機化合物、たとえば銅フタロシアニン4量体なども、本発明の目的を損なわない範囲で配合してもよい。
【0068】
本発明のコーティング組成物は、粘度が0.01〜3Pa・sとなるように溶剤(D)で調整することが、塗工性が良好な点、均一で平滑なフィルムが得られる点から好ましい。特には1.5Pa・s以下であることが表面粗さを抑制する点から好ましい。粘度測定には、東海八神株式会社製のコーンプレート粘度計VISCONE CVシリーズを用いる。測定条件は、室温、回転数94rpmでNo.2コーン(10p)を用い測定を行う。
【0069】
コーティング組成物の形態としては、エマルション型のもの(溶剤が水など)でもよい。しかし、ポリマーの有機溶剤の溶液とし、その溶液に(B)成分を分散させることが、均一な組成物を調整でき、均質なフィルムが得られやすいことから好ましい。
【0070】
コーティング組成物には、溶剤(D)のほか、フィルム中には存在しない(フィルム形成時に消失する)成分または、存在していても高誘電性フィルムが目的としている効果(高誘電率、可撓性、薄膜化)に本質的な影響を与えない成分として、消泡剤、分散剤、湿潤剤、レベリング剤、流展剤などを添加してもよい。
【0071】
コーティング組成物の調製は、ポリマー(A)の溶剤(D)の溶液を調製し、ついでこれらに残余の成分を適宜添加し、攪拌、好ましくは加熱攪拌して分散させることにより行われる。より具体的には、つぎの方法がある。
【0072】
(1)(B)成分と(C)成分を予め溶剤(D)に混合し攪拌分散させ、得られた分散混合物とポリマー(A)溶液とを充分に攪拌し分散させる方法:
この方法において、親和性向上剤(C)が化学反応性の親和性向上剤であるカップリング剤(C1)またはエポキシ基含有化合物(C3)である場合、(C)成分と(B)成分とを反応させたのち攪拌分散させてもよいし、(B)成分と(C)成分とを溶剤(D)に加えて反応と攪拌分散を同時に行ってもよいし、両者を併用してもよい(この処理を(B)成分の表面処理ということもある)。親和性向上剤が界面活性剤(C2)である場合は、反応は生じないので、(B)成分と(C)成分とを溶剤(D)に加えて反応と攪拌分散を同時に行うことが簡便である。
【0073】
また、(B)成分と(C)成分の分散混合物の安定性を高めるためには、(B)成分と(C)成分の攪拌分散時にポリマー(A)溶液を少量共存させておくことが望ましい。
【0074】
(2)(A)成分の溶剤(D)溶液に、(B)成分および(C)成分を一括でまたは順次に添加し攪拌分散処理する方法:
順次添加する場合、添加順序は特に限定されず、また、1つの成分を添加した都度、攪拌分散処理を行ってもよい。
【0075】
上記(1)および(2)の方法のいずれにおいても、(B)成分は、予め表面の吸着水を熱処理などで除去しておくことが、均一分散性がさらに向上するので望ましい。この(B)成分の予備的熱処理または表面処理を施すことにより、平均粒径が大きな(B)成分であっても均一分散が容易になる。好ましくは、予備的熱処理および表面処理の両方を施すことが望ましい。
【0076】
また、各成分はいずれも、所定量を一括添加してもよいし、分割して添加してもよい。さらに分割して添加する場合には、たとえば(B)成分と(C)成分の混合時に(A)成分の一部を添加しておき、混合後に残りの(A)成分を添加し、さらに(C)成分を追加的に添加混合するというように、添加順序と分割添加を自由に組み合わせてもよい。
【0077】
成分(B)の均一分散が難しい場合、強制的に攪拌分散させることが望ましい。この分散処理が不充分な場合、(B)成分などの固形分が容易に沈降し、コーティング自体が困難になったり、コーティング膜を乾燥して形成する際に内部に相分離が生じてしまったりすることがあり、均一で機械的特性に優れ、ムラのない誘電特性をもつフィルムを形成できなくなることがある。なお、この撹拌分散処理は、一旦調製した組成物に対し、コーティング直前に行ってもよい。
【0078】
撹拌分散の目安は、撹拌分散後の組成物が、室温(25℃)で7日間静置しても相分離が起こらない(溶液濁度の変化がわずか(10%以下)である)ことであり、予備実験をすることにより設定できる。
【0079】
好ましい撹拌分散装置としては、ボールミル、サンドミル、アトライト、ビスコミル、ロールミル、バンバリーミキサ、ストーンミル、バイブレータミル、ディスパージンミル、ディスクインペラー、ジェットミル、ダイーノミルなどがあげられる。これらのうち、不純物が入りにくく、かつ連続生産が可能な点から、ジェットミル、ロールミル、ダイーノミルが好ましい。
【0080】
限定的ではない撹拌分散条件としては、たとえばつぎの範囲が例示できる。
装置:サンドミル
撹拌条件:
撹拌速度:100〜10,000rpm
撹拌時間:5〜120分間
その他:ガラスビーズを入れる。
【0081】
本発明のコーティング組成物は、基材に塗布(コーティング)し、乾燥してフィルムを形成した後、該フィルムを基材から剥離することにより、高誘電性のフィルムを製造できる。
【0082】
コーティング方法としては、ナイフコーティング法、キャストコーティング法、ロールコーティング法、グラビアコーティング法、ブレードコーティング法、ロッドコーティング法、エアドクタコーティング法、カーテンコーティング法、ファクンランコーティング法、キスコーティング法、スクリーンコーティング法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、押出コーティング法、電着コーティング法などが使用できるが、これらのうち操作性が容易な点、膜厚のバラツキが少ない点、生産性に優れる点からロールコーティング法、グラビアコーティング法、キャストコーティング法が好ましい。
【0083】
乾燥はヤンキーシリンダ、カウンタフロー、熱風噴射、エアフローシリンダ、エアスルー、赤外線、マイクロ波、誘導加熱などを利用した方法で行うことができる。たとえば熱風噴射法では、130〜200℃で1分間以内という条件が好適に採用できる。
【0084】
本発明の高誘電性フィルムは、いわゆる被膜として基材上に残してもよいが、フィルムコンデンサの高誘電性フィルムとする場合などは、基材から剥離して単独フィルムとするため、基材としてはポリマー(A)が剥離しやすい材料、たとえばステンレススチール、銅などの金属板;ガラス板;ITOやZnOを蒸着したポリマーフィルム;離型処理を施したポリマーフィルムなどが好ましい。なかでも、離型処理を表面に施したポリマーフィルムが剥離しやすく生産性も高い点から好ましい。離型処理としては、各種離型剤を塗布する処理、プラズマ処理、離型性フィルムを積層する処理などが例示できる。基材としては表面自由エネルギー(単位:J/m2)が30以上であることが好ましく、また対水接触角が110度以下であることが好ましい。
【0085】
得られたフィルムはそのままでもよいが、さらに定法により延伸してもよく、その場合の延伸倍率は2〜6倍程度が望ましい。
【0086】
そのほか、フィルムコンデンサの高誘電性フィルムとして用いる場合、得られたフィルムに対して、電極用のアルミニウムの蒸着を容易にするためにさらに別種のポリマーで表面処理してもよいしフィルムの表面にプラズマ処理やコロナ放電処理を施してもよい。また、フィルムの表面荒れを抑制するために別種のポリマーを表面コートしてもよいし、強度改善のために紫外線や電子線、放射線による架橋処理を施してもよい。
【0087】
かくして得られる本発明のフィルムは、膜厚を9μm以下、好ましくは6μm以下、さらには5μm以下にすることができる。膜厚の下限はポリマーの種類や(B)成分の粒子径や配合量などによって異なるが、機械的強度の維持の点から約2μmである。
【0088】
本発明のフィルムでは、(A)の種類、無機強誘電体粒子(B)の種類と充填率により異なるが、膜厚を9μm以下にした場合でも誘電率を9以上、さらには12以上にすることができる。たとえば、ポリカーボネートにチタン酸バリウムを175質量%の充填率で配合した場合、膜厚3μmのフィルムで誘電率は9〜20であり、セルロースにチタン酸バリウムを175質量%の充填率で配合した場合、膜厚3μmのフィルムで誘電率は15〜25であり、ポリフェニレンエーテルにチタン酸バリウムを175質量%の充填率で配合した場合、膜厚3μmのフィルムで誘電率は9〜20であり、ポリシクロオレフィンにチタン酸バリウムを175質量%の充填率で配合した場合、膜厚3μmのフィルムで誘電率は9〜20であり、ポリスルホンにチタン酸バリウムを175質量%の充填率で配合した場合、膜厚3μmのフィルムで誘電率は10〜25であり、ポリエーテルスルホンにチタン酸バリウムを175質量%の充填率で配合した場合、膜厚3μmのフィルムで誘電率は10〜25である。
【0089】
さらに本発明のフィルムは誘電損失(10kHz、20℃で測定。以下、特に断らない限り同様)が小さいものである。ポリマー(A)の種類にもよるが、誘電損失は、たとえばポリカーボネートの場合は0.05〜3、セルロースの場合は0.1〜4、ポリフェニレンエーテルの場合は0.1〜3、ポリシクロオレフィンの場合は0.05〜3、ポリスルホンの場合は0.05〜3、ポリエーテルスルホンの場合は0.05〜3である。
【0090】
また本発明のフィルムによれば、カップリング剤または界面活性剤の働きにより無機強誘電体粒子(B)とポリマー(A)とがしっかりと結合しており、ボイド含有量が小さい(たとえば5容量%以下、さらには1容量%以下)緻密な構造が達成され、耐電圧を高くすることができる。
【0091】
緻密であるにもかかわらず、本発明のフィルムは可撓性(巻付き性)に優れている。たとえば、膜厚を5μmのフィルムとしたとき、180度折曲試験で折り目に亀裂や折れが生じない。したがって、フィルムコンデンサとして用いる場合、加工性(巻付き性や追随性)が格段に向上する。
【0092】
また本発明のフィルムは表面平滑性に優れており、たとえば表面中心粗さが±1μm以下、さらには±0.6μm以下にすることができる。表面平滑性に優れることにより、電気特性の均質化が向上する。
【0093】
本発明の高誘電性フィルムは、フィルムコンデンサ用のフィルムとして使用する場合、電極などを表面に蒸着法などにより形成することができる。電極などの材料、形成方法、条件などは従来公知のものが採用できる。
【実施例】
【0094】
つぎに本発明を実施例などをあげて具体的に説明するが、本発明はかかる例のみに限定されるものではない。
【0095】
なお、本明細書で使用している特性値および効果は、つぎの方法で測定したものである。
【0096】
(分散安定性)
分散溶液を50mlガラス製サンプル瓶に入れ、室温にて静置し、1週間後の分散性を目視にて観察する。均一性を保ったものを○、沈殿が生じたものを×と評価する。
【0097】
(誘電率および誘電損失)
金属基板上に形成したポリマー・無機微粒子混合フィルム、またはアルミニウムを一方の面に蒸着したアルミニウム蒸着ポリマー・無機微粒子混合フィルムに、基板(またはアルミニウム蒸着面)と反対側のフィルムの表面に真空中で面積95mm2にてアルミニウムを蒸着しサンプルを作製した。このサンプルをインピーダンスアナライザ(ヒューレットパッカード社製のHP4194A)にて、室温(20℃)下で周波数10kHzでの静電容量と誘電損失を測定する。
【0098】
(膜厚)
基板に応じたゼロ点調整および2点の標準膜厚で校正した膜厚測定計(オックスフォード・インストルメンツ社製のCMI223)を用いて、基板に載せたフィルムを室温下にて測定する。
【0099】
(可撓性)
長さ20mm、幅5m、厚さ5μmのフィルムを180度に折り曲げたのち、折曲げ部の亀裂、変形を肉眼で観察する。折曲げ部に亀裂、変形がないものを○とする。
【0100】
実施例1
3Lセパラブルフラスコ中にN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)(キシダ化学(株)製)216質量部を入れ、これに酢酸セルロース(ALDRICH社製)40質量部を加えて加熱溶解させた。得られた酢酸セルロース溶液をステンレススチール基板にバーコーターで塗布し、100℃にて3分間熱風乾燥して厚さ約5.0μmのフィルムを作製した。このフィルムの誘電正接(10kHz)は2.5%であった。
【0101】
つぎに上記の酢酸セルロース溶液256質量部に平均粒子径0.1μmのチタン酸バリウム(堺化学工業(株)製のBT−01)を74質量部およびメチルイソブチルケトン(MIBK)を144質量部加え、さらにチタンカップリング剤として味の素(株)製のプレンアクトKR−55を3.7質量部加え、ロータ(AS−ONE社製のBIG−ROTOR BR−2)にて1時間攪拌分散した。
【0102】
この混合物にガラスビーズ(ポッターズ・バロテイーニ(株)製のGB503M)を2400質量部加えて水冷三筒式サンドグラインダー(AIMEX社製のA・VIEX)に入れ、室温下、回転数1500rpmで60分間分散処理を行った。分散処理後の混合物をステンレススチール製のメッシュ(真鍋工業(株)製。80メッシュ)に通してガラスビーズを取り除いて、本発明のコーティング組成物を調製した。
【0103】
この組成物について、分散安定性を調べた。結果を表1に示す。
【0104】
ついで得られた組成物をステンレススチール基板上にバーコーターで塗布し、100℃で3分間で熱風乾燥して、厚さ約5.0μmの誘電性フィルムを形成した。
【0105】
得られたフィルムについて、可撓性、周波数10kHzでの誘電率および誘電正接を調べた。結果を表1に示す。
【0106】
実施例2
3Lセパラブルフラスコ中にテトラヒドロフラン(THF)(キシダ化学(株)製)216質量部を入れ、これにポリカーボネート(東洋紡績(株)製)40質量部を加えて加熱溶解させた。得られたポリカーボネート溶液をステンレススチール基板にバーコーターで塗布し、100℃にて3分間熱風乾燥して厚さ約5.0μmのフィルムを作製した。このフィルムの誘電正接(10kHz)は0.8%であった。
【0107】
つぎに上記のポリカーボネート溶液256質量部に平均粒子径0.1μmのチタン酸バリウム(堺化学工業(株)製のBT−01)を74質量部およびMIBKを144質量部加え、さらにチタンカップリング剤として味の素(株)製のプレンアクトKR−55を3.7質量部加え、ロータ(AS−ONE社製のBIG−ROTOR BR−2)にて1時間攪拌分散した。
【0108】
この混合物にガラスビーズ(ポッターズ・バロテイーニ(株)製のGB503M)を2400質量部加えて水冷三筒式サンドグラインダー(AIMEX社製のA・VIEX)に入れ、室温下、回転数1500rpmで60分間分散処理を行った。分散処理後の混合物をステンレススチール製のメッシュ(真鍋工業(株)製。80メッシュ)に通してガラスビーズを取り除いて、本発明のコーティング組成物を調製した。
【0109】
この組成物について、分散安定性を調べた。結果を表1に示す。
【0110】
ついで得られた組成物をステンレススチール基板上にバーコーターで塗布し、100℃で3分間で熱風乾燥して、厚さ約5.0μmの誘電性フィルムを形成した。
【0111】
得られたフィルムについて、可撓性、周波数10kHzでの誘電率および誘電正接を調べた。結果を表1に示す。
【0112】
実施例3〜6
実施例1において、ポリカーボネートに代えて表1に記載の熱可塑性の非フッ素系ポリマーと溶剤を使用したほかは実施例1と同様にコーティング組成物を調製して分散性を調べ、さらに実施例1と同様にしてフィルムを作製して、膜厚、可撓性、誘電率および誘電正接を調べた。結果を表1に示す。
【0113】
使用した熱可塑性の非フッ素系ポリマーはつぎのものである。
ポリエーテルスルホン:住友化学工業(株)製のスミカエクセル(商品名)
ポリスルホン:ソルベイアドバンスドポリマー社製のユーデル(商品名)
ポリシクロオレフィン:日本ゼオン(株)製のゼオノール(商品名)
ポリフェニレンエーテル:三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製のルピエース(商品名)
【0114】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)熱可塑性の非フッ素系ポリマー、
(B)無機強誘電体粒子、
(C)カップリング剤、界面活性剤またはエポキシ基含有化合物の少なくとも1種からなる親和性向上剤、ならびに
(D)溶剤
を含むコーティング組成物。
【請求項2】
前記熱可塑性の非フッ素系ポリマー(A)100質量部に対して、無機強誘電体粒子(B)を10〜500質量部および親和性向上剤(C)を0.01〜30質量部含む請求項1記載のコーティング組成物。
【請求項3】
前記熱可塑性の非フッ素系ポリマー(A)が、ポリカーボネート、セルロース、ポリフェニレンエーテル、ポリシクロオレフィン、ポリスルホンまたはポリエーテルスルホンである請求項1または2記載のコーティング組成物。
【請求項4】
前記無機強誘電体粒子(B)が、チタン酸バリウム系酸化物粒子および/またはチタン酸ジルコン酸鉛系酸化物粒子である請求項1〜3のいずれかに記載のコーティング組成物。
【請求項5】
親和性向上剤(C)がカップリング剤および/または界面活性剤である請求項1〜4のいずれかに記載のコーティング組成物。
【請求項6】
前記カップリング剤がチタン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤またはジルコアルミネート系カップリング剤である請求項5記載のコーティング組成物。
【請求項7】
フィルムコンデンサの高誘電性フィルム形成用の組成物である請求項1〜6のいずれかに記載のコーティング組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載のコーティング組成物を基材に塗布し、乾燥してフィルムを形成した後、該フィルムを基材から剥離して得られるフィルム。

【公開番号】特開2008−34189(P2008−34189A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−204802(P2006−204802)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】