説明

コーティング装置

本発明は、噴霧された流体で中空体(49)の内面(51)にコーティングするための次のようなコーティング装置(1)に関する。すなわちこのコーティング装置(1)は、噴霧流路(11)を包む少なくとも1本の噴霧管(5)を有し、そして霧化されていない流体を噴霧するため、正圧がかかっているプロペラントガスをこの噴霧管に導くことができ、そしてこの噴霧管が少なくとも1つの流出口(9)を有する。またこのコーティング装置は、吐出口(15)を有する少なくとも1本の中空針(13)を霧化されていない流体のために備え、この中空針が噴霧流路(11)と協働し、そして噴霧流路とほぼ同軸に配置されている。この場合、噴霧管(5)と中空針(13)とによってベンチュリ配置(19)を形成することを意図する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載するコーティング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のコーティング措置は公知である。しばしば、中空体の内面が噴霧流体でコーティングされるが、その際、開口を有する中空体が噴霧ノズルの上に保持される。噴霧ノズルが流体を噴霧し、こうしてエアロゾルを、すなわちプロペラントガスたとえば空気と、この流体から形成された浮遊微粒子または流体液滴とからなる混合物を生じる。このエアロゾルは、開口を通して中空体の中に吹き込まれると、エアロゾル中に含まれる流体液滴を中空体内面に沈着させることができる。この場合、ノズルによる流体の噴霧は、中空体内面に流体液滴を均一に分布させるために非常に重要であるが、これがしばしば成功していない。
【発明の概要】
【0003】
したがって本発明の目的は、請求項1のプリアンブルに記載の特徴を持つコーティング装置であって、中空体内面における噴霧流体の均一な分布を可能にするもの、とくに流体噴霧を改善することによってこれを可能にするものを得ることである。
【0004】
上記の目的を解決するため、請求項1に挙げた諸特徴を有するコーティング装置を提案する。このコーティング装置が優れているところは、噴霧流路を包む少なくとも1本の噴霧管を持ち、この噴霧管に正圧のかかったプロペラントガスを導いて、霧化されていない流体を導くことができ、またこの噴霧管は少なくとも1つの流出口を有する。このコーティング装置は、霧化されていない流体のため、吐出口を有する少なくとも1本の中空針を含み、この中空針は、噴霧流路と協働し、そして噴霧流路とほぼ同軸に配置されている。この場合、噴霧管と中空針とはベンチュリ配置を形成する。したがって圧力のかかったプロペラントガスは、噴霧管または噴霧管中に配置された噴霧流路に導かれる。霧化されていない流体は、噴霧流路と協働する中空針を経由して送り込まれる。これが意味するのは、霧化されていない流体が、噴霧流路と中空針の協働によって噴霧されるということである。このことは主として、噴霧管または噴霧流路を通って流れるプロペラントガスによって達成される。この場合、霧化されていない流体のプロペラントガスに対する量比は任意とすることができるが、好ましくは流体より多くのプロペラントガスが、コーティング装置に送り込まれるものとする。霧化されていない流体は、中空針の吐出口から流出する。吐出口は、中空針と噴霧流路の協働によって流体が噴霧され得るように配置する。中空針は、噴霧流路にほぼ同軸に配置されている。したがってコーティング装置は、非常に細い構造とすることができ、とくに断面の狭いものとすることができる。流体の噴霧によって、エアロゾル、すなわちプロペラントガスと霧状流体または流体液滴からなる混合物が存在する。このエアロゾルは、噴霧管を通って流れ、流出口に達し、そして噴霧管から流出することができる。噴霧管の流出口は、噴霧された流体の中空体内面における均一な分布が得られるように配置されている。
【0005】
このコーティング用の配置は、噴霧管と中空針がベンチュリ配置を形成する点で優れている。これが意味するのは、ベンチュリノズルまたはベンチュリ管の原理による配置が行われているということである。したがって中空針の吐出口は、噴霧管の断面がもっとも狭い領域に配置されているか、またはこのもっとも狭い断面を、中空針が噴霧管と共同して形成する。この場合、ここで挙げた断面もまた、このもっとも狭い断面の領域をただ1つ形成できるだけであり、あるいは、局部的にもっとも狭い断面、またはそのような断面の領域であり得る。このことは、ベンチュリ配置の領域が全体として、もっとも狭い断面、とくに噴霧管のもっとも狭い断面を形成しなければならない、ということを意味しない。
【0006】
ベンチュリ配置の領域では、プロペラントガスの高い流速が存在する。このプロペラントガス流は、霧化されていない流体を、吐出口を通して中空針から奪い取る。すなわち、プロペラントガスと霧化されていない流体との間には、運動量の交換が存在する。これにより、霧化されていない流体は加速される。この加速と、これにより高くなった速度とによって負圧が生じ、この負圧は、霧化されていない流体に吸引作用をおよぼす。したがって、中空針で霧化されていない流体を搬送するのに必要な搬送圧は、ベンチュリ配置の領域に存在する圧力より小さくすることができる。ベンチュリ配置に続いて、すなわちエアロゾルの流れ方向の下流で、たとえば断面積拡幅によって、流体をふたたび減速することができる。噴霧流路または噴霧管にプロペラントガスの連続的流れを設け、霧化されていない流体の連続的な流れを、中空針を通して送り込むことが意図されている。プロペラントガスと混合された霧化された流体、すなわちエアロゾルが、ベンチュリ配置の下流側で、噴霧管の流出口から流出すると、このエアロゾルは圧力解除されて大気圧を持つ。この圧力解除プロセスが進行する間、流出口領域では、エアロゾルが非常に高い流速に達し得る。とくに噴霧された量の流体微粒子は、超音速領域まで加速され得る。本発明のコーティング装置によれば、プロペラントガスと、噴霧された流体とくに非常に小さい流体液滴との、非常に良好な混合を得ることができる。エアロゾルが流出口から流出するときの非常に高い流出速度と組み合わせて、中空体内面における流体液滴分布の均一性を明らかに改善できる。
【0007】
本発明の1つの発展形は、中空針の少なくとも一部領域を、噴霧流路の中に配置することを意図する。すなわち、中空針の一部が、噴霧流路の中に、または噴霧管を通って延びるものとする。中空針の吐出口も同様に、噴霧流路の中に設けることができる。この場合、ベンチュリ配置は、噴霧流路で実現されている。中空針は噴霧流路の内部に延びるが、ベンチュリ配置は噴霧流路中に設けないことを意図することもできる。中空針は、噴霧流路中の中心位置で延びるのが好ましい。
【0008】
本発明のもう1つの発展形は、噴霧流路にテーパ部を設けることを意図する。すなわち噴霧流路は、内部断面積の減少部を有する。このテーパ部を設けて、たとえば、プロペラントガスをベンチュリ配置の領域で、またはベンチュリ配置の下流で加速し、これにより静圧を降下させることができる。この場合テーパ部は、その少なくとも一部分がもっとも狭い断面を形成して、ベンチュリ配置の一部を形成する。複数のテーパ部を設けることもでき、とくには噴霧流路の全体的テーパづけを、複数の部分で行うことができる。
【0009】
本発明の1つの発展形は、中空針の吐出口をテーパ部の領域に配置することを意図する。この場合吐出口を、テーパ部の上流領域にでも、下流領域にでも配置することができる。好ましくは、噴霧管と、テーパ部の領域に配置された中空針吐出口とが、ベンチュリ配置を形成するものとする。
【0010】
本発明の1つの発展形は、上記吐出口を流出口の領域に設けることを意図する。すなわちこの吐出口は、―噴霧管または噴霧流路の全長を基準にすると―流出口近くの領域に配置されている。このようにして、ベンチュリ配置領域におけるエアロゾルの高い流速を利用して、中空体内面に噴霧流体をコーティングすることができる。したがってとくにさらなる設計上の措置を行って、エアロゾルの流速をさらに高める必要はない。むしろ、ベンチュリ配置の下流に吹き出し口を設けて、この吹き出し口を、流速を減速しながらも、流体をさらに効果的に噴霧するのに用いることを、意図することができる。
【0011】
本発明の1つの発展形は、少なくとも1つの流出口を、噴霧管のフロント側に設けることを意図する。これは、流出口が、コーティング装置のもっとも下流側領域に形成されているということを意味する。この流出口は、噴霧流路を周囲環境と流体技術的に接続する。噴霧管または噴霧流路を流れるプロペラントガス、および/またはエアロゾルは、したがって流出口を通って流出できる。好ましくは、エアロゾルまたは噴霧された流体は、流出口を通って、噴霧管のほぼ軸方向に、または噴霧管の軸方向に向かう流出物の円錐として流出するものとする。
【0012】
本発明の1つの発展形は、少なくとも1つの流出口を噴霧管の外壁に設けることを意図する。この場合、エアロゾルの流出は、噴霧管の半径方向に行うことができる。しかしエアロゾルを、半径方向に1つの角度を加えて流出させることもできる。
【0013】
本発明の1つの発展形は、流出口を少なくとも2つ設け、これら流出口は、噴霧管の外壁に設けられていて、かつ噴霧管の円周上に分布され、とくにはたがいに直径を挟んで向かい合って配置されているものとする。噴霧管の円周上に流出口を分布させることにより、流出口から流出するエアロゾルの中空体内面における分布に影響をあたえることができる。とくに内面領域において、コーティングのためのエアロゾルの量を多くしたり、少なくしたりできる。この目的のため、流出口は、噴霧管の円周上に不規則に分布させることができる。流出口の均一な配置、とくに直径を挟んで向かい合う配置も可能である。たとえば、流出口を十分に多い数とすることによって、中空体内面のコーティングの均質性の改善を、意図することができる。
【0014】
本発明の1つの発展形は、少なくとも1つの流出口が、1つの変位装置を用いて、中空体内面の軸方向長さの少なくとも一部分に沿って変位可能とすることを意図する。すなわち流出口を、中空体内部のさまざまなポジションに配置することができる。これが意味するのはとくに、コーティング装置または噴霧管の少なくとも一部領域が、中空体の中に送り込まれるということである。好ましくは、コーティングプロセスの間、流出口を中空体内部で変位させることを意図するものとする。この場合、中空体に入る変位も、そこから出て来る変位も可能である。後者の場合、流出口をまず中空体内部の1つの軸上ポジションに持って来る。このポジションは、中空体の開口とは反対側に位置するものとする。またこの開口とは、そこを通って、噴霧管の少なくとも一部分が中空体の中に送り込まれる箇所である。続いて内面のコーティングが開始され、コーティングプロセスの間、流出口が中空体の開口に向かって変位される。コーティングプロセス中の流出口の変位は、均一な速度で行われるのが好ましい。
【0015】
噴霧管の流出口は、変位する際、コーティングプロセスの間その大きな領域にわたって、中空体内面に対して等しい距離を取る。これにより中空体内面に、とくに均一なコーティングが得られる。流出口の変位は、たとえば中空体に対する噴霧管の変位によって、または噴霧管に対する中空体の変位によって得られる。流出口を細い中空体にも挿入できるようにするには、コーティング装置、またはコーティング装置のうち中空体に挿入される部分、たとえば噴霧管の断面積を、小さくする必要がある。これは、上記に述べたように、ベンチュリ配置を用いることによって得られる。なぜならば、このベンチュリ配置は、中空体内面のコーティングに必要な機能を、非常に小さいスペースで実現するからである。ベンチュリ配置によって、流出口を出るエアロゾルの高い流出速度が得られるので、中空体のコーティングされるべき内面の全領域にわたって、流出口を変位させる必要はない。好ましくは、流出口の変位が行われる領域を、中空体内面のコーティングされるべき領域と、コーティング装置の噴霧特性とに適合させるものとする。噴霧特性とは、たとえば流出速度、および/または噴霧された流体の液滴の特徴的なサイズと理解することができる。コーティングに用いられた流体の特性、たとえばこの流体の粘性もまた、考慮されるべきである。
【0016】
本発明の1つの発展形は、コーティングの間、中空体を保持装置によって保持することを意図する。中空体は、たとえばコーティング前に保持装置で把握され、または保持装置に挿入される。このような方法で、コーティング中、中空体を、安定して、とくに振動を生じないで保持することができる。中空体は、コーティング中は保持装置に保持され、コーティングプロセスの後は保持装置から取り出され、または保持装置から離れ落ちる。好ましくはこの保持装置が、クリップ状に形成されているものとすることができる。これは、中空体が保持装置に保持されている間、中空体の少なくとも一部領域が保持装置に把握されていることを意味する。
【0017】
本発明の1つの発展形は、中空体を保持装置の中にクリップ式固定可能とすること、またはクリップ作用によって保持装置の中に保持することを意図する。好ましくは中空体が、保持装置の弾性領域でこの保持装置にクリップ式固定可能とすることを意図する。これは、中空体が保持装置の中に押し込まれ、その際、保持装置の弾性的に形成された領域が後退することを意味する。中空体が保持装置内に位置決めされたら、この変形した領域が、弾性的に形成されていることにより、少なくともほぼ当初のポジションにふたたび戻り、これにより、中空体は保持装置の中にクリップ式固定される。このクリップ作用によって、中空体は保持装置の中に固定保持され、とくには軸方向および/または半径方向に移動不可能な状態(保持装置を基準とする)で保持される。クリップ作用によって中空体を保持装置の中に保持することにより、保持装置を、機械的に動かされる部品なしに、したがって非常に安価に形成することが可能となる。別な方法として、このクリップ作用は、保持装置の可動状態で支持された領域、とくに旋回可動状態で支持された領域に対するスプリング力によって得られる。
【0018】
本発明の1つの発展形は、中空体を保持装置によって、旋回可能かつ/または変位可能な状態で保持することを意図する。この場合中空体は、とくに横方向に変位可能、すなわち、保持装置の縦軸に垂直な面において変位可能とする。横方向の変位可能性とは独立して、中空体を垂直方向に、すなわち保持装置の縦軸と平行方向に変位させることを、意図することもできる。たとえば保持装置による中空体の垂直方向変位によって、中空体を、噴霧管の流出口に対して動かし、または変位させることができる。この保持装置は、中空体の旋回運動、とくに保持装置の縦軸を中心とする旋回運動を許容する。縦軸を中心とする保持装置の旋回運動または回転運動だけを許容し、そのほかの軸を中心とする保持装置の旋回運動または回転運動は行わせないことを、意図することもできる。
【0019】
本発明の1つの発展形は、噴霧管を、センタリング装置によって、中空体の縦軸を基準として中空体の中でセンタリング可能とすることを意図する。中空体の内面において、噴霧された流体のできるだけ均一な分布を得るためには、中空体の内面から噴霧管またはその流出口までの間隔を、均一に保たなければならない。これはとくに、半径方向に流出口から中空体内面までの間隔が、内面の円周にそってほぼ等しくなければならないことを意味する。このセンタリング装置は、噴霧管が、中空体の縦軸を基準としてその中心に配置されるようにするものである。センタリングは、中空体を基準とする噴霧管のセンタリングによって、または噴霧管に対する中空体の位置合わせによって得られる。したがって、中空体の縦軸を基準とする噴霧管の中心配置を得るため、噴霧管または中空体の変位が行われる。このセンタリングは、好ましくは機械的手段によって行うが、センサーに接続された制御装置または調整装置を用いて行い、これらの装置がアクチュエーターを介して、噴霧管および/または中空体を変位させることもできる。
【0020】
本発明の1つの発展形は、保持装置によって、中空体の縦軸を、センタリング装置のセンタリング軸に位置合わせすること、とくに軸平行に位置合わせすることを意図する。すなわち保持装置は、中空体をセンタリング装置に対して変位させるため、または旋回させるために用いることができる。好ましくは、中空体をセンタリング装置に導くために、保持装置を用いる。この場合とくに、中空体の縦軸を、センタリング装置のセンタリング軸に、軸平行に位置合わせすることを意図する。これにより、中空体内で流出口を変位させる間、流出口または噴霧管から中空体の内面までの間隔を、均一に保つことができる。別な方法として、同様にセンタリング装置を、保持装置に対して変位させて、前記の位置合わせを達成することもできる。
【0021】
本発明の1つの発展形は、変位装置をセンタリング装置に設けることを意図する。これは、変位装置とセンタリング装置とが1つのユニットを形成することを意味する。この発展形には、意図せずして変位装置に対するセンタリング装置の変位が生じることはあり得ないという利点がある。なぜならば、好ましい方法として、変位装置とセンタリング装置との間に、機械的結合が形成されているからである。
【0022】
本発明の1つの発展形は、センタリング装置が少なくとも1つのセンタリング部材を含み、このセンタリング部材の外周を、ほぼ円錐台形または円錐形とすることを意図する。この少なくとも1つのセンタリング部材は、センタリング装置の外周の少なくとも一部領域を決定する。この外周は、中空体のセンタリングに用いられる。好ましくはこのセンタリング部材は、ほぼ円錐台形または円錐形の外周を有するものとする。この目的のため、センタリング部材は、半径方向に斜面を持つ形状を有する。これらセンタリング部材は、センタリング装置の外周諸領域のうち、中空体のセンタリングに用いられる領域を、円周上の中断のないものとして形成する必要はない。たとえば、このセンタリング部材は、センタリング装置の表面からの突出物となり、それにより外周を決定するものとなることを、意図することができる。ほぼ円錐台形または円錐形の外周を形成する際、センタリング部材もまた、円錐台または円錐の底面または上面を形成する必要はない。むしろ、センタリング部材が円錐台または円錐の側面の領域にだけ設けられているものを、意図することができる。
【0023】
本発明のもう1つの発展形は、センタリング部材を少なくとも2つ、好ましくは3つ設けて、これらセンタリング部材は、センタリング装置の円周上に配分配置されたセンタリングアームとして形成されているものを意図する。これらセンタリングアームは、たとえば半径方向に、センタリング装置の半径方向断面の少なくとも一部領域を把握する。好ましくは、これらセンタリングアームまたはセンタリング部材が斜面を有し、この斜面に中空体が支持され、したがってセンタリング可能である。これらセンタリングアームは、好ましくはこの場合、センタリング装置の円周上を均一に配分されていて、センタリング装置に対する中空体の正確なセンタリングが得られるものとする。同じ理由から、センタリング部材は3個設けるのが好ましい。
【0024】
本発明のもう1つの発展形は、センタリング装置を主として、流出口から流出する噴霧された流体の流れの外に設けることを意図する。これは、噴霧管を基準とすると、センタリング装置が、流出口から流出する流体の流れ、すなわちエアロゾルの流れが、センタリング装置に衝突しないようにして、配置されていることを意味する。中空体の内面におけるエアロゾルの配分は、したがって損なわれない。場合によっては、(噴霧された)流体がセンタリング装置に接触することがあるが、これが生じるのは、流出口から流出した直後ではなく、また噴霧された流体が中空体の内面に衝突する直前でもない。
【0025】
本発明の1つの発展形は、噴霧管に、中空体の軸方向長さにほぼ相当する長さを持たせることを意図する。中空体の内面のできるだけ大きな領域に均一なコーティングを得られるよう、流出口は、好ましくは中空体のできるだけ大きな領域にわたって変位可能であるものとする。この目的のため、噴霧管は中空体とほぼ同じ長さ、とくに中空体の内面のコーティングされる領域の軸方向長さとする。
【0026】
本発明の1つの発展形は、プロペラントガスを空気または窒素とすることを意図する。両者のガスとも、取り扱いが簡単である。これらのガスは、大量に入手可能であって、安価でもある。
【0027】
本発明の1つの発展形は、この流体をポリマー、とくにシリコーンオイルとし、またはポリマーを含むものとする。ポリマーのほか、別の方法では、ポリマーを含むエマルジョン、たとえばシリコーンオイルエマルジョンを用いることができる。
【0028】
本発明の1つの発展形は、中空体を注射器またはカルプーレとすることを意図する。とくに好ましくは、したがってこのコーティング装置を、注射器および/またはカルプーレに使用できるものとする。これら両者ともその長さに比較して直径が小さい。したがって1つには、中空体の開口からエアロゾルを吹き込むことによって、内面に均一なコーティングを得るのが難しい。もう1つには、中空体の直径が小さいので、中空体の中にコーティング装置を変位させるのが難しい。これらの問題は、上記のコーティング装置によって解決される。ベンチュリ配置を用いることによって、このコーティング装置は、最小限の必要スペースで実現できる。これにより、コーティング装置または噴霧管の中空体の中への変位と、中空体内面の均一なコーティングが可能となる。
【0029】
本発明の1つの発展形は、この中空体をガラスからなるものとすることを意図する。
【0030】
下記では図面を用いて本発明をさらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】コーティング装置の断面図である。
【図2】コーティング装置の流出口領域の細部の図である。
【図3a】センタリングプロセスおよびコーティングプロセス前におけるコーティング装置とコーティングされる中空体とを示す。
【図3b】センタリング中におけるコーティング装置と中空体を示す。
【図3c】センタリングプロセスの後、かつコーティングプロセスの前における、中空体の中に変位された噴霧管を持つコーティング装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1はコーティング装置1を示し、この装置は基盤部材3と噴霧管5とを有する。噴霧管5は、取入口7と、噴霧される液体またはエアロゾルのための流出口9を備える。ここに示す例では、取入口7も流出口9も、噴霧管5の末端に配置されている。噴霧管5の取入口7と流出口9は、噴霧管5内部に延びる噴霧流路11によって、流体技術的に結合されている。これが意味するのは、取入口7を通って噴霧管5に流入する流体は、噴霧流路11を流れて、噴霧管5の取入口7とは離れている側で流出口9から流出するということである。噴霧流路11の内部ではその少なくとも一部領域に中空針13が延び、この中空針は噴霧流路11と同軸に配置されている。中空針13はフロント側に吐出口15を備え、この吐出口は流出口9の領域に設けられている。中空針13によって、霧化されていない流体がコーティング装置1に供給される。吐出口15の領域では、噴霧管5またはその中に配置された噴霧流路11がテーパ部17を有し、このテーパ部の領域で、噴霧流路11の内部断面が、流出口9にいたるまで次第に小さくなる。テーパ部17と中空針13の吐出口15との相互の位置決めは、噴霧管5と中空針13とがベンチュリ配置19を形成するように行われている。このベンチュリ配置19とは、霧化されていない流体の吐出口15が、噴霧流路11の断面が局部的にもっとも小さくなる領域21に配置されている、このような配置をいう。図1に示す例では、中空針13がテーパ部17といっしょにその領域21を形成する。すなわち、中空針13の外径がテーパ部17とともに、噴霧流路11の断面を減少させて、局部的にもっとも小さい断面とする。吐出口15もこの領域21に位置する。
【0033】
流出口9を噴霧管5のフロント側に配置するのとは異なる方法として、少なくとも1つの流出口9を、噴霧管5の外壁23に設けることができる(ここには図示しない)。たとえば少なくとも2つの流出口9を外壁23に設けることができ、この場合、1つの好ましい配置として、流出口9を2つずつたがいに直径を挟んで向かい合わせる。2つ以上を外壁23の円周に―好ましくは均等に―設けることも可能である。
【0034】
コーティング装置1の基盤部材3は、接続体25と、噴霧管5を保持するねじ込み部材27とを有する。噴霧管5はこの場合、ねじ込み部材27に長手方向に設けられた穴に保持されている。これはたとえば次のようにして実現できる。すなわち、ねじ込み部材27をクランプ体として形成し、このクランプ体が、接続体25のネジ山31にねじ込まれることにより、クランプ作用または圧着作用を噴霧管5に加え、これにより噴霧管を固定する。接続体25には、2つのパイプコネクタ33、35が設けられている。パイプコネクタ33を介して、コーティング装置1を、ここには図示しないプロペラントガス供給装置に接続する。他方、パイプコネクタ35を介して、霧化されていない流体を供給できる。パイプコネクタ33は、プレナムチャンバ37と流体接続関係にあり、このプレナムチャンバは、プロペラントガスがプレナムチャンバ37と結合された取入口7を経由して噴霧管5に流入する前は、このプロペラントガスを静止させる静止チャンバとして用いられる。パイプコネクタ35はプレナムチャンバ39と結合状態にあり、このチャンバを介して中空針13との結合を生じる。プレナムチャンバ37、39は、プラグ41として形成された分離部材によってたがいに分離されている。これが意味するのは、プレナムチャンバ37とプレナムチャンバ39との間には流体接続が存在せず、したがってプロペラントガスがまず霧化されていない流体と接触する可能性はないということである。コーティング装置1はさらに保持装置43を有し、この保持装置は、接続体に設けられていて、そのほかのここには図示しない諸部品に固定するのに用いられる。
【0035】
図2は、コーティング装置1の細部の図であって、流出口9またはベンチュリ配置19の領域を示す。ベンチュリ配置19が流出口9の領域に配置されているのは明らかである。これは、ベンチュリ配置19が、噴霧管5の全長を基準として見ると、流出口9の近くに配置されていることを意味する。噴霧管5のうち、中空針13が配置されている領域に、プロペラントガスが貫流可能な断面が存在する。ベンチュリ配置19の領域、すなわちテーパ部17と中空針13の吐出口15とが配置されている領域では、上記の上流側に位置する断面と比べて、断面が小さくなっている。したがってプロペラントガスは加速され、そしてプロペラントガスの静圧が降下する。さらに上流では、中空針13によって噴霧流路11の断面を減少させる必要がなくなり、これにより断面はさらに拡大される。これは吐出口15が断面のもっとも小さい領域に配置されていることを意味する。もっとも狭い断面とは、局部的にもっとも小さい断面だけをいう。噴霧流路11に、ベンチュリ配置19から離れたところで、さらに小さい断面を持たせることは、まったく可能である。断面がもっとも小さい領域に吐出口15を配置することは、この箇所で圧力が減少していることを意味する。これはたとえばベルヌーイの式から推論される。圧力が小さいことによって、霧化していない流体は、吐出口15を通って中空針13から流出することができるが、その際、霧化していない流体に高い圧力をかける必要はない。ベンチュリ配置19の領域には、断面積の相違によって、噴霧流路11の縮小部とそれにつながる吹き出し口が存在する。この流路の過程で断面積はふたたび拡大される。ベンチュリ配置19は、プロペラントガスを用いて、霧化されていない流体から微細な噴霧を生じる。
【0036】
図3aは1つのコーティング装置1を示し、このコーティング装置は、噴霧管5および基盤部材3のほか、保持装置45およびセンタリング装置47を有する。保持装置45には、中空体49、この例では注射筒が保持されている。この中空体49は、内面51および開口53を有する。保持装置45は、図3aの例では2つのクランプトレイ55,55’を有する。これらクランプトレイはそれぞれ1つのポケット57、57’を有し、これらポケットは、それぞれ2本ずつの固定ラグ59a、59b、59’a、59’bに、少なくともその一部をかこまれている。ポケット57には、中空体49が保持されている。固定ラグ59a、59b、59’a、59’bそれぞれは、弾性固定ラグとして形成されていて、ポケット57、57’の半径方向に向かう力を受けると、外側に変形することができる。この弾性固定ラグ59a、59b、59’a、59’bによって、中空体49をポケット57、57’に挿入し、続いてこの中空体49を保持することができる。両者のクランプトレイ55、55’は、たがいに垂直方向に間隔を取って配置されている。保持装置45は、穴61を用いて、たとえばここには図示しない隣接する装置のやはりここには図示しないピンの上に配置することができる。穴61の中心を、保持装置45の縦軸63が通る。この保持装置は、縦軸63を中心とする中空体49の自由な旋回を許容する。そのほか、この中空体49を保持装置45によって横方向に、ということは縦軸63に垂直な1つの平面内で、変位可能とすることを意図する。保持装置45は中空体49を保持するが、その際、中空体の縦軸65が保持装置の縦軸63と平行に延びるようにする。保持装置45の縦軸63と、中空体の縦軸65とが、センタリング装置47のセンタリング軸67に平行に延びる状態で、保持装置45を配置することも意図する。
【0037】
センタリング装置47は3つのセンタリング部材69を有し、これらセンタリング部材はここではセンタリングアームとして形成されている。センタリング部材69a、69b、69cを配置するに当たっては、これらの部材が、噴霧管5の流出口9から流出する噴霧流体の流れの内部のいかなるポジションにも、位置しないようにする。これにより、センタリング装置47が、噴霧流体の流れと、中空体49の内面51の均一なコーティングとに影響をおよぼすのが、防止される。センタリング装置47またはセンタリング部材69a、69b、69cを用いて、中空体49を、センタリング軸47と中空体49の縦軸65とが一致するように、配置することができる。この場合、噴霧管5の流出口9もまた、中空体49の中心に位置決めされている。中空体49の位置決めは、センタリング部材69の斜面71a、71b、71cを介して行われる。これらの斜面は、センタリング軸67を基準にすると、軸方向に内側かつ上側に向かって延び、したがってセンタリング装置47の円錐台形または円錐形の外周を形成する。図示の例の場合、斜面71a、71b、71cは単なる断片として、センタリング軸67または噴霧管5に向かって延びる。すなわち、センタリング装置47の円錐台形外周が形成されるが、この場合円錐台の底面または上面はない。斜面71a、71b、71cは、内側に向かって次のように延びる。すなわち、センタリング部材69a、69b、69c末端の相互の間隔が、中空体49の開口53の直径よりも小さくなるようにする。これにより、センタリングプロセスの間、中空体49の開口53のエッジ73を、センタリング装置47の斜面71a、71b、71cまたはセンタリング部材69a、69b、69cと接触させ、これらに載せることができる。
【0038】
下記では、図3a、3b、3cによって、コーティング装置1の機能を説明する。図3aは、センタリングプロセスとコーティングプロセス前における、コーティング装置1とコーティングされる中空体49とを示す。最初にコーティング装置1と中空体49とを準備し、その際、中空体49をポケット57にクリップ式に固定する。これは、固定ラグ59a、59b、59’a、59’bに閉じられていない領域から、中空体49を押し込むことによって行う。これにより中空体49は、斜めな表面75、75’を介して、半径方向の力を固定ラグ59a、59b、59’a、59’bに作用させる。そうするとこれら固定ラグは後退し、中空体49をポケット57、57’に挿入することができる。固定ラグ59a、59b、59’a、59’bを弾性的に形成することにより、またはここには図示しないスプリングのスプリング力により、固定ラグは、中空体49が挿入された後、ふたたびそのスタートポジションに戻される。これにより、中空体49は、少なくともその一部分が、固定ラグ59a、59b、59’a、59’bによって、ポケット57、57’に収められ、クリップ作用によってそこに保持される。これにより中空体49は、その縦軸65が、保持装置45の縦軸63と、センタリング装置47のセンタリング軸67とに平行に延びるように配置されている。したがって中空体49の縦軸65は、すでに噴霧管5にほぼ平行に配置されている。コーティング装置1は、スタートポジション時に、図3aに示す状態にある。これは、噴霧管5が、ここには図示しない変位装置によってはまだ変位されておらず、次のように配置されていることを意味する。すなわち、流出口9が垂直方向においてセンタリング装置47のほぼ最大長さの高さにある、このような配置である。これは流出口9がセンタリング装置47より上には位置していないことを意味する。中空体49は、保持装置45によって、保持装置45の縦軸63を中心に回転可能な状態で支持されている。
【0039】
下記では中空体49が、保持装置45によって、センタリング装置47の方向に変位されるので、中空体49の縦軸65はセンタリング軸67と近似的に一致する。別な方法として、保持装置45を動かさず、したがって上記の位置合わせをせずに、センタリング装置47を変位させることもできる。それに続いて、保持装置45を降下させるか、またはセンタリング装置47を上昇させる。これにより図3bに示す状態が得られる。
【0040】
図3bは、センタリングプロセス中のコーティング装置1と中空体49とを示す。センタリング装置47の上昇または保持装置45の降下によって、中空体のエッジ73は、センタリング装置47の斜面71a、71b、71cと接触して支持される。センタリング装置47または保持装置45は横方向に運動可能、すなわち、センタリング軸67または縦軸63に垂直な1つの平面で運動可能である。これにより中空体49は、そのエッジ73がセンタリング部材69a、69b、69cに載せられるとすぐ位置合わせされて、その縦軸65がセンタリング軸67と一致する。この位置合わせは、重力によって生じ、または保持装置45によって垂直方向の下方向に加えられる力、またはセンタリング装置47によって垂直方向の上方向に加えられる力によって生じる。この場合エッジ73は、センタリング部材69a、69b、69cの斜面71a、71b、71cに沿ってスライドする。
【0041】
すべてのセンタリング部材69a、69b、69cの面がエッジ73に接触するとただちに、中空体49の希望の配置が得られたと、想定することができる。これは、中空体49の縦軸65が、センタリング軸67または噴霧管5の縦軸と一致するよう、中空体が位置合わせされているということを意味する。中空体49の内面51で1つの垂直面に配置された各点への流出口9からの距離は、すべての点について等しい。このようにして、後続するコーティングプロセスの間、内面51に対するとくに均一なコーティングが得られる。図3bに記載するセンタリングプロセスが終了すると、ただちに中空体49の内面51のコーティングが行われる。
【0042】
そのため、図3cに示すように、まず噴霧管5または流出口9を、中空体59の中に変位させる。続いてコーティングプロセスをスタートする。すなわち、プロペラントガスおよび霧化されていない流体を、コーティング装置1に送り込む。コーティングプロセスの間、流出口9を垂直方向に下方に向かって動かし、噴霧管5を中空体49の外に動かす。したがってコーティングプロセスの間、または中空体49から噴霧管5が引き出される間、内面51の各点の大部分は、流出口9までの間隔が等しい。
【0043】
別な方法として、噴霧管5を中空体49に送り込みながらコーティングプロセスを実行することも、意図することができる。すなわち、最初は噴霧管5を中空体49の中に変位させないで、引き出す過程で初めてコーティングを施す。複数のコーティングプロセスを行うこともできる。コーティングは、たとえば噴霧管5を中空体49に送り込む間でも、引き出す間でも行うことができる。コーティングプロセスの間、好ましくは保持装置45とセンタリング装置47が相互に固定されているものとする。これにより、噴霧管5または流出口9を基準とする、中空体49の確実な固定が得られる。コーティングプロセスに続いて、噴霧管5を中空体49から取り外し、そして保持装置45を上方に動かすか、またはセンタリング装置47を下方に動かすかして、中空体49のセンタリング装置47との結合状態を解除する。続いて中空体49を保持装置45から取り外す。この取り外しは、中空体49の固定ラグ59a、59b、59’a、59’bに捕捉されていない領域の方向に、ふたたび力を加えることによって行う。続いてこの中空体49に、さらなる加工工程を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴霧された流体で中空体(49)の内面(51)にコーティングするためのコーティング装置(1)であって、
噴霧流路(11)を包む少なくとも1本の噴霧管(5)を備え、霧化されていない流体を噴霧するため、正圧がかかっているプロペラントガスをこの噴霧管に導くことができ、そしてこの噴霧管が少なくとも1つの流出口(9)を有することと、
吐出口(15)を有する少なくとも1本の中空針(13)を霧化されていない流体のために備え、この中空針が前記噴霧流路(11)と協働し、そして前記噴霧流路とほぼ同軸に配置されていることと、この場合、
前記噴霧管(5)と前記中空針(13)とがベンチュリ配置(19)を形成することと、
を特徴とする、コーティング装置。
【請求項2】
前記中空針(13)の少なくとも一部領域が、前記噴霧流路(11)の中に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のコーティング装置。
【請求項3】
前記噴霧流路(11)にテーパ部(17)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜2のいずれか一項または複数項に記載のコーティング装置。
【請求項4】
前記中空針(13)の吐出口(15)が、前記テーパ部(17)の領域に配置されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項または複数項に記載のコーティング装置。
【請求項5】
前記吐出口(15)が前記流出口(9)の領域に設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項または複数項に記載のコーティング装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの流出口(9)が前記噴霧管(5)のフロント側に設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項または複数項に記載のコーティング装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの流出口(9)が前記噴霧管(5)の外壁(23)に設けられていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項または複数項に記載のコーティング装置。
【請求項8】
少なくとも2つの流出口(9)が設けられていて、これら流出口は前記噴霧管(5)の外壁(23)に設けられており、そして前記噴霧管(5)の円周の上に配分されて、とくにはたがいに直径を挟んで向かい合って、配置されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項または複数項に記載のコーティング装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの流出口(9)が、前記中空体(49)の内面(51)の軸方向長さの少なくとも一部分にそって、変位装置により変位可能であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項または複数項に記載のコーティング装置。
【請求項10】
前記中空体(49)が、コーティング中、1つの保持装置に、とくにはクリップ状の保持装置(45)に保持されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項または複数項に記載のコーティング装置。
【請求項11】
前記中空体(49)が、前記保持装置(45)の中にクリップ式固定可能であり、またはクリップ作用によって前記保持装置の中に保持されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項または複数項に記載のコーティング装置。
【請求項12】
前記中空体(49)が前記保持装置(45)によって旋回可能および/または変位可能な状態で保持されていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項または複数項に記載のコーティング装置。
【請求項13】
前記噴霧管(5)が、センタリング装置(47)によって、前記中空体(49)の縦軸(65)を基準として、この中空体の中でセンタリング可能であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項または複数項に記載のコーティング装置。
【請求項14】
前記保持装置(45)によって、前記中空体(49)の縦軸(65)が、前記センタリング装置(47)のセンタリング軸(67)に位置合わせされていること、とくには軸平行に位置合わせされていることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項または複数項に記載のコーティング装置。
【請求項15】
前記変位装置が前記センタリング装置(47)に設けられていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項または複数項に記載のコーティング装置。
【請求項16】
前記センタリング装置(47)が少なくとも1つのセンタリング部材(69)を有し、このセンタリング部材は、ほぼ円錐台形または円錐形の外周を形成することを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項または複数項に記載のコーティング装置。
【請求項17】
センタリング部材(69a、69b、69c)が少なくとも2つ、好ましくは3つ設けられていて、これらセンタリング部材は、前記センタリング装置(47)の円周上に配分されて配置されたセンタリングアームとして形成されていることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項または複数項に記載のコーティング装置。
【請求項18】
前記センタリング装置(47)が、前記流出口(9)から流出する噴霧流体の流れのほぼ外側に位置することを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項または複数項に記載のコーティング装置。
【請求項19】
前記噴霧管(5)が、前記中空体(49)の軸方向長さにほぼ相当する長さを有することを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項または複数項に記載のコーティング装置。
【請求項20】
前記プロペラントガスが空気または窒素であることを特徴とする、請求項1〜19のいずれか一項または複数項に記載のコーティング装置。
【請求項21】
前記流体がポリマー、とくにはシリコーンオイルであり、またはポリマーを含むことを特徴とする、請求項1〜20のいずれか一項または複数項に記載のコーティング装置。
【請求項22】
前記中空体(49)が注射器またはカルプーレであることを特徴とする、請求項1〜21のいずれか一項または複数項に記載のコーティング装置。
【請求項23】
前記中空体(49)がガラスからなることを特徴とする、請求項1〜22のいずれか一項または複数項に記載のコーティング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【公表番号】特表2011−525145(P2011−525145A)
【公表日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513949(P2011−513949)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際出願番号】PCT/EP2009/004386
【国際公開番号】WO2009/153040
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(503299192)アーツナイミッテル・ゲーエムベーハー・アポテーカー・フェッター・ウント・コンパニー・ラフェンスブルク (19)
【氏名又は名称原語表記】Arzneimittel Gmbh Apotheker Vetter & Co. Ravensburg
【Fターム(参考)】