説明

コード処理システム、センタサーバ、クライアント端末、コード処理方法、コンピュータプログラム、及び、記録媒体

【課題】 コードの利用価値をより高め、かつ、新たなビジネスの創出が可能なコード処理システム及びその関連技術を提供することである。
【解決手段】 ゲームプログラム5は、バーコードリーダ3が読み込んだバーコード13を利用した処理を実行し、処理結果に応じて、出力手段(LCDパネル120及びスピーカ118)に出力するメインコンテンツの進行を制御する(S33)。ゲームプログラム5は、バーコードリーダ3が読み込んだバーコード13をセンタサーバ7へ送信する(S35)。ゲームプログラム5は、センタサーバ7から、バーコード13に対応するサブコンテンツデータを受信したとき、サブコンテンデータに基づくサブコンテンツを、出力手段に出力する(S41)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コードリーダが読み込んだコード(例えばバーコード)を処理してコンテンツを提供するコード処理システム及びその関連技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1のカードゲーム玩具は、バーコードによりカードの持つデータを読み取り、そのデータに従って、カードとカードとを対戦させて、勝敗判定を行なう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−193074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記玩具では、バーコードは、ゲームのためだけに利用される。バーコードが、ゲームに利用されると同時に、他の目的にも利用することができれば、よりバーコードの利用価値を高めることができるし、また、新たなビジネスを創出できる場合もある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、コードの利用価値をより高め、かつ、新たなビジネスの創出が可能なコード処理システム及びその関連技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点によると、コード処理システムは、コードを読み込むコードリーダと、前記コードリーダが読み込んだ前記コードを利用した処理を実行し、処理結果に応じて、出力手段に出力するメインコンテンツの進行を制御するメインコンテンツ制御手段と、前記コードリーダが読み込んだ前記コードを送信する第1送信手段と、前記第1送信手段が送信した前記コードを、ネットワークを介して受信する第1受信手段と、コードとサブコンテンツデータとを関連付けたデータベースと、前記データベースにアクセスして、前記第1受信手段が受信した前記コードに関連付けられた前記サブコンテンツデータを取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段が取得した前記サブコンテンツデータを送信する第2送信手段と、前記第2送信手段が送信した前記サブコンテンツデータを、前記ネットワークを介して受信する第2受信手段と、前記第2受信手段が前記サブコンテンデータを受信したとき、受信した前記サブコンテンデータに基づくサブコンテンツを、前記出力手段に出力するサブコンテンツ制御手段と、を備え、前記コードリーダ、前記メインコンテンツ制御手段、前記第1送信手段、前記第2受信手段、及び、前記サブコンテンツ制御手段は、クライアント端末に実装され、前記第1受信手段、前記データベース、前記データ取得手段、及び、前記第2送信手段は、サーバに実装され、前記クライアント端末と前記サーバとは、前記ネットワークを介して接続される。
【0007】
この構成によれば、クライアント端末でコードを利用したメインコンテンツを実行しつつも、クライアント端末はコードに対応したサブコンテンツをサーバから取得して出力手段(例えば、表示装置及び/又はスピーカ)に出力する。
【0008】
このように、読み込まれたコードは、メインコンテンツで利用されるだけでなく、サブコンテンツを提供するためにも利用される。つまり、コードが、メインコンテンツとサブコンテンツとで共用される。従って、コードがメインコンテンツのみに利用される場合と比較して、コードの利用価値をより高めることができる。
【0009】
また、サブコンテンツは、メインコンテンツと関係があってもよいし、なくてもよく、任意のものとすることができるので、サブコンテンツとして様々な付加的な情報をユーザに提供できる。このサブコンテンツの提供に対して、サーバを運営する事業者は、他の事業者から代金を得ることもできる。この場合、サーバを運営する事業者の売り上げに貢献できる。このように、新たなビジネスを創出することができる。
【0010】
例えば、サブコンテンツを広告宣伝情報とすることができる。そうすると、サーバを運営する事業者は、広告宣伝料金を広告主から得ることができる。一方、ユーザは、メインコンテンツを実行しながら、サブコンテンツとしての広告宣伝を見たり聞いたりできるので便宜である。また、販売目的のサブコンテンツだけでなく、ユーザに直接役に立つ情報をサブコンテンツとして提供することにより、好感度を向上し、結果的に優れた広告宣伝として利用することもできる。この場合、ユーザの立場からすれば、そのサブコンテンツは無駄な情報ではないので、メインコンテンツを妨げるものとは考えず、心証を害することはない。
【0011】
ここで、本明細書及び特許請求の範囲において、「実装」とは、組み込まれることだけでなく、外部から接続されることも含む用語として使用する。
【0012】
上記コード処理システムにおいて、例えば、前記クライアント端末は、携帯電話機又は通信端末であり、前記出力手段は、映像を表示する表示手段及び/又は音声を出力するスピーカである。
【0013】
上記コード処理システムにおいて、前記メインコンテンツは、ゲームである。
【0014】
この構成によれば、ユーザは、メインコンテンツのゲームをプレイしながら、サブコンテンツとして付加的な情報も受け取れるので便宜である。
【0015】
上記コード処理システムにおいて、前記コードは、バーコードである。
【0016】
この構成によれば、世の中に数多く普及したバーコードを利用した様々なメインコンテンツを提供できる。
【0017】
本発明の第2の観点によれば、サーバは、上記第1の観点によるコード処理システムのサーバである。
【0018】
この構成によれば、上記第1の観点によるコード処理システムに好適なサーバを提供できる。
【0019】
本発明の第3の観点によれば、クライアント端末は、上記第1の観点によるコード処理システムのクライアント端末である。
【0020】
この構成によれば、上記第1の観点によるコード処理システムに好適なクライアント端末を提供できる。
【0021】
本発明の第4の観点によれば、コード処理方法は、コードリーダが読み込んだコードを利用した処理を実行し、処理結果に応じて、出力手段に出力するメインコンテンツの進行を制御するステップと、前記コードリーダが読み込んだ前記コードをサーバへ送信するステップと、前記サーバから、前記コードに対応するサブコンテンツデータを受信するステップと、前記サブコンテンデータを受信したとき、受信した前記サブコンテンデータに基づくサブコンテンツを、前記出力手段に出力するステップと、を含む。
【0022】
この構成によれば、上記第1の観点によるコード処理システムと同様の効果を奏する。
【0023】
本発明の第5の観点によれば、コンピュータプログラムは、コードリーダが読み込んだコードを利用した処理を実行し、処理結果に応じて、出力手段に出力するメインコンテンツの進行を制御するステップと、前記コードリーダが読み込んだ前記コードをサーバへ送信するステップと、前記サーバから、前記コードに対応するサブコンテンツデータを受信するステップと、前記サブコンテンデータを受信したとき、受信した前記サブコンテンデータに基づくサブコンテンツを、前記出力手段に出力するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0024】
この構成によれば、上記第1の観点によるコード処理システムと同様の効果を奏する。
【0025】
本発明の第6の観点によれば、記録媒体は、上記第5の観点によるコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【0026】
この構成によれば、上記第1の観点によるコード処理システムと同様の効果を奏する。
【0027】
なお、記録媒体には、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、CD(CD−ROM、Video−CDを含む)、DVD(DVD−Video、DVD−ROM、DVD−RAMを含む)、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きのRAMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジ等を含む。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態によるコード処理システムの全体構成を示す図である。
【図2】(a)図1のセンタサーバ7の電気的構成を示す図である。(b)図2(a)のHDD61に格納されたプログラム格納部81及びデータベース87の説明図である。
【図3】図1の携帯電話機1の電気的構成を示す図である。
【図4】図1の携帯電話機1及びセンタサーバ7による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図5】LCDパネル120に表示されるメインコンテンツ4及びサブコンテンツ2の例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付してその説明を援用する。
【0030】
図1は、本発明の実施の形態によるコード処理システムの全体構成を示す図である。図1を参照して、このシステムは、クライアント端末としての携帯電話機1、ネットワーク11、及び、センタサーバ7を含む。センタサーバ7は、データベース87を含む。データベース87は、バーコード13とサブコンテンツ(画像、音声、テキスト、若しくは、アドレス情報(例えばURL)、又は、それらの任意の組合せ)とを関連付けたものである。携帯電話機1には、ゲームプログラムがインストールされ、また、バーコードリーダ3を備える。
【0031】
以下、本発明の概要を図1を参照しながら簡単に説明する。ステップS31にて、バーコードリーダ3がバーコード13をスキャンすると、対応するバーコード13がゲームプログラム5に与えられる。すると、ステップS33にて、ゲームプログラム5は、受け取ったバーコード13に応じて、ゲーム処理を実行し、メインコンテンツの進行を制御し、表示装置としてのLCDパネル120(後述)に映像(例えば、図5のメインコンテンツの画像4)を表示し、及び、スピーカ118(後述)から音声を出力する。
【0032】
また、ステップS35にて、ゲームプログラム5は、バーコード13をネットワーク11を介してセンタサーバ7へ送信する。すると、ステップS37にて、センタサーバ7は、受信したバーコード13に基づいて、データベース87を検索し、そのバーコード13に関連付けられたサブコンテンツを取得する。そして、ステップS39にて、センタサーバ7は、サブコンテンツをネットワーク11を介して携帯電話機1に送信する。すると、ステップS41にて、ゲームプログラム5は、メインコンテンツと共に、受信したサブコンテンツを、LCDパネル120に表示する。例えば、ゲームプログラム5は、メインコンテンツであるゲーム画面(例えば、図5のメインコンテンツの画像4)をLCDパネル120に表示すると共に、その画面の一部にサブコンテンツを表す画像(例えば、図5のサブコンテンツの画像2)を表示する。図5の例では、食料品に付されたバーコード13がスキャンされた例を示しており、サブコンテンツの画像2として、その食料品の製造メーカと消費カロリが表示されている。
【0033】
ここで、ゲームプログラム5は、例えば、対戦ゲームであり、各種の商品に付随しているバーコードを読み取り、読み取ったバーコードに基づいてゲームのキャラクタを作成し、作成したキャラクタを用いてゲームを行う。この場合、プレイヤが、コンピュータプレイヤと対戦するものであってもよいし、他のプレイヤと通信して、対戦するものであってもよい。
【0034】
ここで、バーコードとは、バーコード情報及びバーコードパターンを包括した表現であって、これらを厳密に区別する必要のないときは、単にバーコードなる用語を使用する。別の観点から、バーコードとは、物(物品・不動産などの有体物、情報(映像、音声、プログラム、データを含む。)・サービスなどの無体物、商品、人・動物などの生物を含む。)、その他の何らかの手段により識別可能なものに割り当てられたコードのことである。
【0035】
バーコード情報とは、数字、文字、及び記号等のキャラクタ列を意味する。バーコードパターンとは、バーコード情報を黒色バーと白色スペースとの組み合わせにより表現したパターンを意味する。なお、バーコード、バーコード情報、及びバーコードパターンには、同じ参照符合「13」を付する。
【0036】
次に、サブコンテンツが広告宣伝情報である場合の例を挙げる。広告主は、所望のバーコード13に関連付けて、所望のサブコンテンツ、つまり、広告宣伝情報を、データベース87に登録する。この場合、サブコンテンツは、例えば、画像、音声、テキスト、若しくは、アドレス情報(例えば、URL)、又は、それらの任意の組合せにより作成された広告宣伝情報である。図5の例のように、サブコンテンツとして、単なる販売のための広告宣伝だけでなく、商品の消費カロリ等、ユーザに直接役に立つ情報を与えることにより、ユーザのメリットの向上を図ることができる。また、広告主(例えば製造メーカ)により、広告宣伝情報が登録されるので、例えば、バーコードが示す商品に関する正確な情報がサブコンテンツとして登録され、それをユーザに提供するので、ユーザにとって有用である。
【0037】
携帯電話機1のユーザが、バーコード13を利用するゲームプログラム5を実行すると、バーコード13の処理結果を利用したメインコンテンツ、つまり、ゲームが実行され、LCDパネル120及びスピーカ118に出力される。一方、ゲームプログラム5は、バーコード13をセンタサーバ7へ送信して、センタサーバ7から、そのバーコード13に対応するサブコンテンツを取得する。そして、ゲームプログラム5は、そのサブコンテンツ、つまり、広告主の広告宣伝情報を、LCDパネル120に表示する。例えば、ゲームプログラム5は、メインコンテンツであるゲーム画面をLCDパネル120に表示すると共に、その画面の一部にサブコンテンツである広告宣伝情報を表示する。その結果、広告主は、ユーザ(ゲームプレイヤ)に対して、ゲーム中に、広告宣伝を提供できる。
【0038】
図2(a)は、図1のセンタサーバ7の電気的構成を示す図である。図2(b)は、図2(a)のHDD61に格納されたプログラム格納部81及びデータベース87の説明図である。
【0039】
図2(a)を参照して、センタサーバ7は、CPU(中央演算処理装置)51、メインメモリ53、チップセット55、GPU(グラフィックスプロセシングユニット)57、SPU(サウンドプロセシングユニット)59、HDD(ハードディスクドライブ)61、ドライブ63、及び通信部65を含む。
【0040】
CPU51は、HDD61に格納されたコンピュータプログラムを実行して各種演算を行う。メインメモリ53は、CPU51から直接読み書きが行われる高速のメモリである。GPU57は、グラフィックス処理を実行し、モニタ67に映像信号を与える。SPU59は、サウンド処理を実行し、スピーカ69に音声信号を与える。HDD61は、OSやアプリケーションソフトウェア等のコンピュータプログラム並びにこれらが用いるデータを書き込むために用いる補助記憶装置である。ドライブ63は、リムーバブル記録媒体75からデータを読み込んだり、書き込んだりする装置である。通信部65は、ネットワーク11への接続を司るLANカードやUSBコントローラなどを含み(図示せず)、通信を制御する。
【0041】
CPU51、GPU57、SPU59、HDD61、ドライブ63、通信部65、キーボード71、及びマウス73といった機能ユニットは、チップセット55に接続される。チップセット55は、これに接続される機能ユニット間のデータの受け渡しを管理する。
【0042】
図2(b)を参照して、センタサーバ7のHDD61は、プログラム格納部81及びデータベース87を備えている。
【0043】
データベース87は、バーコード13とサブコンテンツとを関連付けたものであり、バーコード13に基づいて、それに関連付けられたサブコンテンツを読み出すことができる。
【0044】
プログラム格納部81は、通信制御部83及びデコーダ85を含む。これらは、図4のフローチャートを用いて後述される。
【0045】
図3は、図1の携帯電話機1の電気的構成を示す図である。図3を参照して、携帯電話機1は、コミュニケーションプロセッサ100、アプリケーションプロセッサ124、ROM104,106、RAM108,110、RF処理回路112、スピーカ114,118、LCDパネル120、キースイッチ122、カメラ126、及び、リーダ/ライタ128を含む。
【0046】
RF処理回路112には、アンテナ127が接続される。コミュニケーションプロセッサ100は、スピーカ114およびマイク116に接続される。また、コミュニケーションプロセッサ100には、ROM104及びRAM108が接続される。ROM104には、コミュニケーションプロセッサ100で実行されるプログラム、つまり、通信制御プログラムが予め格納される。RAM108は、コミュニケーションプロセッサ100のワーキングメモリ及びプログラムメモリとして使用される。
【0047】
アプリケーションプロセッサ124には、ROM106及びRAM110が接続される。ROM106には、アプリケーションプロセッサ124で実行されるプログラム、LCDパネル120に表示する複数の画面に対応するグラフィックデータ(画面データ)およびスピーカ118から出力する複数の音楽(着信メロディを含む。)に対応するサウンドデータ(音楽データ)が予め格納される。また、ROM106は、メモリダイアル情報、ダウンロードしたコンテンツ情報、電子メール、および、携帯電話機1の機能設定などの様々な情報を記憶する。RAM110は、アプリケーションプロセッサ124のワーキングメモリ及びプログラムメモリとして使用される。
【0048】
ここで、メモリダイアル情報とは、通話相手或いは通信相手の氏名、電話番号および電子メールアドレスをいう。また、コンテンツ情報とは、音楽データ、画像データ、テキストデータ、及び、アプリケーションプログラム(例えば、ゲームプログラム)などをいう。
【0049】
また、アプリケーションプロセッサ124は、スピーカ118を駆動し、着信メロディを再生したり、プログラム実行時における音楽/音声を再生したり、コンテンツ情報の表示或いは実行時における音楽/音声を再生したりする。さらに、アプリケーションプロセッサ124は、LCDパネル120を駆動し、LCDパネル120に文字、図形、記号或いは画像などを表示する。また、キースイッチ122の操作に応じた操作信号がアプリケーションプロセッサ124に与えられ、この操作信号に応じてアプリケーションプロセッサ124が各種処理を実行する。
【0050】
ユーザがダイアルキー(キースイッチ122に含まれる。)を操作して、通話相手の電話番号を入力し、通話キー(キースイッチ122に含まれる。)を操作すると、これに応じて、アプリケーションプロセッサ124の命令により、コミュニケーションプロセッサ100は、発呼処理を実行し、通話相手の電話機(図示せず)との間で接続状態を確立する。コミュニケーションプロセッサ100は、接続状態を確立すると、通話処理を実行する。
【0051】
通話相手の音声に対応する音声データ(以下、「通話音声データ」という。)は、図示しない無線基地局を介して送信され、アンテナ127で受信される。アンテナ127で受信された通話音声データは、RF処理回路112に与えられ、増幅およびフィルタリングなどの処理を施される。このような処理を施された通話音声データはコミュニケーションプロセッサ100に与えられる。コミュニケーションプロセッサ100のベースバンド処理部(図示せず)は、通話音声データを復調する。復調された通話音声データは、コミュニケーションプロセッサ100の音声コーデック(図示せず)でアナログの音声信号に変換された後、スピーカ114から出力される。
【0052】
一方、携帯電話機1のユーザが発する音声は、マイク116からコミュニケーションプロセッサ100へ入力され、音声コーデックでディジタルの音声データに変換され、ベースバンド処理部で変調された後、RF処理回路112でフィルタリングおよび増幅などの処理が施され、アンテナ127から無線基地局に送信される。このように、通話処理が実行される。
【0053】
また、通話相手(他)の電話機からの着呼があると、これに応じて、コミュニケーションプロセッサ100は、アプリケーションプロセッサ124に着呼を通知する。すると、アプリケーションプロセッサ124は、ROM106に記憶されている着信メロディの音楽データ(スコアデータ)を読み出し、RAM110を用いて展開した後、必要な処理を施し、着信メロディをスピーカ118から出力する。
【0054】
これに応じて、ユーザが通話キー(キースイッチ122に含まれる。)を操作すると、アプリケーションプロセッサ124は、その旨をコミュニケーションプロセッサ100に通知する。すると、コミュニケーションプロセッサ100は、通話相手の電話機との間で接続状態を確立し、上述したような通話処理を実行する。
【0055】
また、携帯電話機1では、モード切換キー(キースイッチ122に含まれる。)を操作すると、アプリケーションプロセッサ124は、インターネット接続モードを設定する。続いて、アプリケーションプロセッサ124は、ROM106からインターネット接続モードのメニュー画面(図示せず)に対応する画面データを読み出し、RAM110を用いて展開し、必要な処理を施して、LCDパネル120にインターネット接続モードのメニュー画面を表示する。
【0056】
たとえば、メニュー画面では、ROM106に登録してあるWWWサイトのURLアドレス(以下、「URL」という。)を選択したり、URLを直接入力したりする入力方法を選択することができる。ユーザが、キースイッチ122を用いてURLを入力し、たとえば、通話キー(キースイッチ122に含まれる。)を操作すると、アプリケーションプロセッサ124は入力されたURLに対応するデータ(URLデータ)をコミュニケーションプロセッサ100およびRF処理回路112を介してアンテナ127からたとえば電話事業者が運営するゲートウェイサーバ(図示せず)に送信する。
【0057】
ゲートウェイサーバは、URLデータを受信し、URLデータが示すインターネットサイト(ホームページ)にインターネット(図示せず)を介してアクセスする。また、ゲートウェイサーバは、アクセスしたホームページの画面データやユーザが取得要求した音楽データや画像データなどのコンテンツデータ(コンテンツ情報)を携帯電話機1に送信する。
【0058】
このように、携帯電話機1では、インターネット接続モードで、ゲートウェイサーバを介して所望のWWWサイトにアクセスすることができ、所望のコンテンツ情報を取得することができる。WWWサイトのコンテンツ情報は、アンテナ127で受信され、RF処理回路112およびコミュニケーションプロセッサ100を介してアプリケーションプロセッサ124に与えられる。
【0059】
アプリケーションプロセッサ124は、WWWサイトのコンテンツ情報を受信すると、RAM110を用いて展開した後、必要な処理を施して、WWWサイトの画面をLCDパネル120に表示する。
【0060】
また、アプリケーションプロセッサ124は、たとえばファイルの拡張子などのファイルの属性情報に基づいて、コンテンツ情報の種類を判断(解釈)した後、コンテンツ情報を再生または実行する。たとえば、音楽データを再生する場合には、アプリケーションプロセッサ124は、RAM110に展開された音楽データに基づき、スピーカ118に出力する。また、画像データを再生する場合には、アプリケーションプロセッサ124は、RAM110に展開された画像データに基づき、LCDパネル120に出力する。
【0061】
さらに、携帯電話機1では、電子メールの送受信が可能である。さらにまた、アプリケーションプロセッサ124は、電卓、スケジュール、電話帳(ダイアルメモリ)など、携帯電話機1に備えられた機能を実行する。
【0062】
また、アプリケーションプロセッサ124は、ROM106に格納されたバーコードデコードプログラムを実行して、カメラ126によって撮影されたバーコード13を解析し、バーコード情報を取得する。つまり、図1のバーコードリーダ3は、アプリケーションプロセッサ124、カメラ126、及び、バーコードデコードプログラムにより構成される。また、ゲームプログラム5は、ROM106又はリムーバブル記録媒体130に格納され、アプリケーションプロセッサ124が、それを実行することにより、ゲーム処理が行なわれる。なお、リムーバブル記録媒体130に格納された情報は、リーダ/ライタ128により読み込まれ、アプリケーションプロセッサ124に与えられる。また、アプリケーションプロセッサ124の制御の下、リーダ/ライタ128により、リムーバブル記録媒体130に情報を書き込むこともできる。リムーバブル記録媒体130は、例えば、半導体メモリである。
【0063】
図4は、図1の携帯電話機1及びセンタサーバ7による処理の流れの一例を示すフローチャートである。図4を参照して、ステップS1にて、携帯電話機1のアプリケーションプロセッサ124は、ゲームプログラム5を起動する。ステップS3では、そのゲームプログラム5は、ゲーム処理を実行し、メインコンテンツを制御し、LCDパネル120及びスピーカ118に映像及び音声を出力する。
【0064】
ステップS5にて、ゲームプログラム5は、バーコード13が入力されたか否かを判断し、入力された場合ステップS7に進み、それ以外はステップS3に戻る。ステップS7では、ゲームプログラム5は、バーコード13を処理し、メインコンテンツに反映する。ステップS9にて、ゲームプログラム5は、バーコード13をセンタサーバ7に送信する。
【0065】
一方、ステップS21にて、センタサーバ7の通信制御部83は、バーコード13を受信したか否かを判断し、受信した場合ステップS23に進み、それ以外はステップS21に戻る。ステップS23にて、センタサーバ7のデコーダ85は、データベース87にアクセスして、受信したバーコード13に関連付けられたサブコンテンツを取得する。ステップS25にて、センタサーバ7の通信制御部83は、サブコンテンツを、携帯電話機1に送信する。
【0066】
すると、ステップS11にて、携帯電話機1は、サブコンテンツを受信する。そして、ステップS13にて、ゲームプログラム5は、受信したサブコンテンツを、LCDパネル120に出力して、ステップS3に戻る。
【0067】
さて、以上のように、本実施の形態によれば、携帯電話機1でバーコード13を利用したメインコンテンツを実行しつつも、携帯電話機1はバーコード13に対応したサブコンテンツをセンタサーバ7から取得して、LCDパネル120に表示する。
【0068】
このように、読み込まれたバーコード13は、メインコンテンツで利用されるだけでなく、サブコンテンツを提供するためにも利用される。つまり、バーコード13が、メインコンテンツとサブコンテンツとで共用される。従って、バーコード13がメインコンテンツのみに利用される場合と比較して、バーコード13の利用価値をより高めることができる。
【0069】
また、サブコンテンツは、メインコンテンツと関係があってもよいし、なくてもよく、任意のものとすることができるので、サブコンテンツとして様々な付加的な情報をユーザに提供できる。このサブコンテンツの提供に対して、センタサーバ7を運営する事業者は、他の事業者から代金を得ることもできる。この場合、センタサーバ7を運営する事業者の売り上げに貢献できる。このように、新たなビジネスを創出することができる。
【0070】
例えば、サブコンテンツを広告宣伝情報とすることができる。そうすると、センタサーバ7を運営する事業者は、広告宣伝料金を広告主から得ることができる。一方、携帯電話機1のユーザは、メインコンテンツを実行しながら、サブコンテンツとしての広告宣伝を見たり聞いたりできるので便宜である。また、販売目的のサブコンテンツだけでなく、ユーザに直接役に立つ情報をサブコンテンツとして提供することにより、好感度を向上し、結果的に優れた広告宣伝として利用することもできる。この場合、ユーザの立場からすれば、そのサブコンテンツは無駄な情報ではないので、メインコンテンツを妨げるものとは考えず、心証を害することはない。
【0071】
また、本実施の形態では、メインコンテンツは、ゲームである。このため、携帯電話機1のユーザは、メインコンテンツのゲームをプレイしながら、サブコンテンツとして付加的な情報も受け取れるので便宜である。
【0072】
さらに、本実施の形態では、利用するコードとして、バーコードを採用する。このため、世の中に数多く普及したバーコードを利用した様々なメインコンテンツを提供できる。
【0073】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば、以下のような変形も可能である。
【0074】
(1)メインコンテンツは、映像のみとしてLCDパネル120に出力してもよいし、音声のみとしてスピーカ118に出力してもよいし、その双方をLCDパネル120及びスピーカ118に出力してもよい。この点は、サブコンテンツについても同様である。
【0075】
また、サブコンテンツは、画像、音声、テキスト、及び、アドレス情報(例えば、URL)のいずれかでもよいし、また、それらの任意の組合せでもよい。もちろん、サブコンテンツは、これらに限定されない。さらに、サブコンテンツそのものを、センタサーバ7から携帯電話機1に送信してもよいし、その格納先を送信してもよい。
【0076】
さらに、サブコンテンツは、それに関連付けられたバーコードが示す商品と関係があるものであってもよいし、関係のないものでもよいし、それら双方を含んでもよい。また、サブコンテンツの例として、広告宣伝情報を挙げたが、サブコンテンツはこれに限定されない。例えば、サブコンテンツは、バーコードが示す商品に関する情報(値段、消費カロリ、消費期限、新製品情報など)やクーポン画像等でもよい。なお、上記では(図5)、商品情報を広告宣伝情報の一部として扱っている。いずれにせよ、サブコンテンツは、データベース87にサブコンテンツを登録する事業者が、任意に決定でき、ユーザにどんな情報を発信したいかによる。
【0077】
(2)上記では、メインコンテンツを実行するアプリケーションプログラムの例としてゲームを実行するゲームプログラム5を挙げたが、メインコンテンツはゲームに限定されない。なお、ゲームプログラム5等のアプリケーションプログラムは、ネットワーク11を介してダウンロードされたものでもよいし、リムーバブル記録媒体130から取得したものでもよいし、最初からインストールされていてもよい。また、アプリケーションプログラムは、携帯電話機1にインストールされたものであってもよいし、ブラウザ上で動作するものであってもよい。
【0078】
(3)上記では、サブコンテンツは、センタサーバ7が有していたが、サブコンテンツは、他のサーバに置かれていてもよい。
【0079】
(4)上記では、クライアント端末の例として携帯電話機1を挙げた。ただし、クライアント端末は、その他の携帯端末であってもよいし、固定端末であってもよい。固定端末等、クライアント端末によっては、リムーバブル記録媒体130として、半導体メモリ(ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きのRAMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、及び、不揮発性RAMカートリッジ等)の他、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、CD(CD−ROM、Video−CDを含む)、及び、DVD(DVD−Video、DVD−ROM、DVD−RAMを含む)等を利用できる。
【0080】
また、バーコードリーダ3は、必ずしも、クライアント端末に内蔵している必要はなく、外付けであってもよい。
【0081】
(5)上記では、コードの例として、バーコード13を採用したが、これに限定されない。例えば、RFID(Radio Frequency Identification System)タグ等の電子タグ(ICタグ)を利用できる。ただし、この場合には、バーコードリーダ3に代えて、電子タグリーダ(ICタグリーダ)で電子タグに格納された情報(コード)を読み込む。
【0082】
また、上記では、一次元コードである一次元バーコードを利用したが、二次元コードである二次元バーコードやQRコード等を利用することもできる。また、二次元コードとして、人間には見え難いドットパターンにより表されたコードを利用することもできる。
【0083】
(6)バーコード13は、例えば、JAN(Japanese Article Number)コード、EAN(European Article Number)コード、及び、UPC(Universal Product Code)コード等の共通商品コードであってもよいし、クライアント端末で実行されるアプリケーションプログラムに専用のものであってもよい。要するに、どのようなバーコード13を利用するかは、アプリケーションプログラムに依存する。
【0084】
(7)クライアント端末で動作するゲームプログラム5等のアプリケーションプログラムは、ユーザが単独で行なうメインコンテンツを提供するものであってもよいし、他のユーザと通信して、複数人で行なうメインコンテンツを提供するものであってもよい。
【0085】
(8)センタサーバ7は、物理的に1つのコンピュータで構成することもできるし、処理を複数のコンピュータに分散させて構成することもできる。もちろん、分散処理する場合の各コンピュータの設置場所は、同一国内でもよいし、複数国に分散して設置してもよい。なお、センタサーバ7は、ハードウェア及びソフトウェアを含む概念として使用している。
【0086】
(9)本明細書及び特許請求の範囲において、手段とは必ずしも物理的手段を意味するものではなく、各手段の機能が、ソフトウェアによって実現される場合も包含する。さらに、一つの手段の機能が、二つ以上の物理的手段により実現されても、若しくは、二つ以上の手段の機能が、一つの物理的手段により実現されてもよい。この点、センタサーバ7についても同様である。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、例えば、バーコード、QRコード、ICタグに格納されたコード、及び、ドットパターンで表されたコード等を処理して、メインコンテンツとして利用するアプリケーションプログラム、並びに、それを実装した機器及びシステムの分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0088】
1…携帯電話機、3…バーコードリーダ、5…ゲームプログラム、7…センタサーバ、11…ネットワーク、87…データベース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コードを読み込むコードリーダと、
前記コードリーダが読み込んだ前記コードを利用した処理を実行し、処理結果に応じて、出力手段に出力するメインコンテンツの進行を制御するメインコンテンツ制御手段と、
前記コードリーダが読み込んだ前記コードを送信する第1送信手段と、
前記第1送信手段が送信した前記コードを、ネットワークを介して受信する第1受信手段と、
コードとサブコンテンツデータとを関連付けたデータベースと、
前記データベースにアクセスして、前記第1受信手段が受信した前記コードに関連付けられた前記サブコンテンツデータを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段が取得した前記サブコンテンツデータを送信する第2送信手段と、
前記第2送信手段が送信した前記サブコンテンツデータを、前記ネットワークを介して受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段が前記サブコンテンデータを受信したとき、受信した前記サブコンテンデータに基づくサブコンテンツを、前記出力手段に出力するサブコンテンツ制御手段と、を備え、
前記コードリーダ、前記メインコンテンツ制御手段、前記第1送信手段、前記第2受信手段、及び、前記サブコンテンツ制御手段は、クライアント端末に実装され、
前記第1受信手段、前記データベース、前記データ取得手段、及び、前記第2送信手段は、サーバに実装され、
前記クライアント端末と前記サーバとは、前記ネットワークを介して接続される、コード処理システム。
【請求項2】
前記クライアント端末は、携帯電話機又は通信端末であり、
前記出力手段は、映像を表示する表示手段及び/又は音声を出力するスピーカである、請求項1記載のコード処理システム。
【請求項3】
前記メインコンテンツは、ゲームである、請求項1又は2記載のコード処理システム。
【請求項4】
前記コードは、バーコードである、請求項1から3のいずれかに記載のコード処理システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一に記載のサーバ。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一に記載のクライアント端末。
【請求項7】
コードリーダが読み込んだコードを利用した処理を実行し、処理結果に応じて、出力手段に出力するメインコンテンツの進行を制御するステップと、
前記コードリーダが読み込んだ前記コードをサーバへ送信するステップと、
前記サーバから、前記コードに対応するサブコンテンツデータを受信するステップと、
前記サブコンテンデータを受信したとき、受信した前記サブコンテンデータに基づくサブコンテンツを、前記出力手段に出力するステップと、を含むコード処理方法。
【請求項8】
コードリーダが読み込んだコードを利用した処理を実行し、処理結果に応じて、出力手段に出力するメインコンテンツの進行を制御するステップと、
前記コードリーダが読み込んだ前記コードをサーバへ送信するステップと、
前記サーバから、前記コードに対応するサブコンテンツデータを受信するステップと、
前記サブコンテンデータを受信したとき、受信した前記サブコンテンデータに基づくサブコンテンツを、前記出力手段に出力するステップと、をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項9】
請求項8記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−238188(P2011−238188A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111478(P2010−111478)
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(396025861)新世代株式会社 (138)
【Fターム(参考)】