サイフォン管付き耐圧容器
【課題】 本発明はサイフォン管の先端部を耐圧容器本体の内底面に確実に位置させて液化ガスを全量取り出すことができるとともに、耐圧容器本体の内底面を損傷させたり、サイフォン管の取付けに手数がかかったりすることのないサイフォン管付き耐圧容器を得るにある。
【解決手段】 圧力流体を収容することができる耐圧容器本体の口部に着脱可能に取付けられたサイフォン管付き容器弁を備えたサイフォン管付き耐圧容器において、前記サイフォン管に軸心方向の押し圧力で軸心方向の寸法が収縮するように少なくとも2箇所以上の曲げ部を形成してサイフォン管付き耐圧容器を構成している。
【解決手段】 圧力流体を収容することができる耐圧容器本体の口部に着脱可能に取付けられたサイフォン管付き容器弁を備えたサイフォン管付き耐圧容器において、前記サイフォン管に軸心方向の押し圧力で軸心方向の寸法が収縮するように少なくとも2箇所以上の曲げ部を形成してサイフォン管付き耐圧容器を構成している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主に液化炭酸混合ガスを収容するサイフォン管付き耐圧容器に関する。
【背景技術】
【0002】
液化酸化エチレンと液化二酸化炭素を混合した殺菌ガスや、エチルアルコールと液化二酸化炭素を混合した食品保存ガスは、有効成分が液化二酸化炭素に溶解しているため、液体の状態で取り出さなければならない。また冷却用に使う二酸化炭素の場合は、液体の二酸化炭素が気化する際に気化潜熱で冷却するため、液体の二酸化炭素を取り出す必要がある。このため、高圧ガス容器に充填された、これらの液化ガスは、容器を直立した状態で、サイフォン管のついた容器弁を用いて液体の状態で取り出している。
二酸化炭素を充填するときは、充填圧力が4〜8MPaと非常に高い圧力がサイフォン管にかかることから、金属のパイプが用いられている。また、充填するガスや液体の性状により腐食や重合、化学反応、サビ、パーティクル等の発生を防ぐため、近年ステンレス製のパイプが用いられている。
【0003】
このため、サイフォン管は高圧ガス容器の底部まで届いていることが重要であり、例えばサイフォン管が短いと容器内より全量液を取り出すことができず、また長いと容器弁を取付ける際、サイフォン管が容器底に支えてキチンと容器弁が取付けできなかったり、過度にサイフォン管先端に圧力がかかり、高圧ガス容器内面の保護膜や、容器本体をキズ付け、その部分から腐食や錆を起こす恐れがある。
高圧ガス容器は同じメーカーの同じ内容積でも、容器の高さに差があるため、容器ごとにサイフォン管の長さを調整して取付けなければならないが、この作業は非常に手間がかかる。
また、サイフォン管先端に長さを調整できるノズルを装着する方法もある。しかし二酸化炭素は潤滑油等を極めてよく溶かすため、先端に装着したノズルとサイフォン管の接続部に潤滑剤が使えない。このため、摩擦抵抗でスムーズにサイフォン管が縮まり難く、容器内面保護膜をキズつけたり、接続部の隙間から液が漏れる現象が見られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−4998号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、サイフォン管の先端部を耐圧容器本体の内底面に確実に位置させて液化ガスを全量取り出すことができるとともに、耐圧容器本体の内底面を損傷させたり、サイフォン管の取付けに手数がかかったりすることのないサイフォン管付き耐圧容器を提供することを目的としている。
【0006】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は圧力流体を収容することができる耐圧容器本体の口部に着脱可能に取付けられたサイフォン管付き容器弁を備えたサイフォン管付き耐圧容器において、前記サイフォン管に軸心方向の押し圧力で軸心方向の寸法が収縮するように少なくとも2箇所以上の曲げ部を形成してサイフォン管付き耐圧容器を構成している。
【発明の効果】
【0008】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【0009】
(1)サイフォン管に軸心方向の押し圧力で、軸心方向の寸法が収縮するように少なくとも2箇所以上の曲げ部を形成したので、耐圧容器本体の内底面に接触する状態から耐圧容器本体の口部にサイフォン管付き容器弁を取付けることにより、取付け時のサイフォン管に加わる押し圧力によって、サイフォン管の先端部が耐圧容器本体の内底面に接触した状態で少なくとも2箇所以上の曲げ部で曲がり、収縮させることができる。
したがって、サイフォン管の先端部が耐圧容器本体の内底面に位置するため、耐圧容器本体内の液化ガスを全量取り出すことができる。
【0010】
(2)前記(1)によって、サイフォン管は容器弁の取付け時の押し圧力で曲がるので、取付け時にサイフォン管を長めに設定しておくことにより、耐圧容器本体の内底面にサイフォン管が接触した状態で取付けることができる。
したがって、サイフォン管付きの容器弁の耐圧容器本体への取付け作業を、誰でもが楽に行なうことができる。
【0011】
(3)前記(1)により、サイフォン管に少なくとも2箇所以上の曲げ部を形成しているので、高圧でつぶれることのないサイフォン管でも容易に軸心方向に曲がり、収縮させることができる。
したがって、耐圧容器本体の内底面をサイフォン管の先端部で損傷させるのを効率よく阻止させることができる。
【0012】
(4)請求項2も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られるとともに、3箇所以上の曲げ部を形成することにより、従来の耐圧容器に使用されていたサイフォン管と同一材質、同一内外径寸法のものを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明を実施するための第1の形態の縦断面図。
【図2】本発明を実施するための第1の形態のサイフォン管の説明図。
【図3】本発明を実施するための第1の形態の容器弁の取付け初めの状態を示す説明図。
【図4】図3のA部拡大図。
【図5】本発明を実施するための第1の形態の容器弁が取付けられた状態の説明図。
【図6】図5のB部拡大図。
【図7】本発明を実施するための第1の形態のサイフォン管本体の説明図。
【図8】本発明を実施するための第2の形態の縦断面図。
【図9】本発明を実施するための第2の形態のサイフォン管の説明図。
【図10】図8の要部説明図。
【図11】本発明を実施するための第3の形態の縦断面図。
【図12】本発明を実施するための第3の形態のサイフォン管の説明図。
【図13】図11の要部説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
【0015】
図1ないし図7に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は液化二酸化炭素単体、あるいは液化二酸化炭素に液化酸化エチレンやエチルアルコール等の有効成分を溶解させた液化二酸化炭素混合ガス等の圧力流体2を収容する本発明のサイフォン管付き耐圧容器で、このサイフォン管付き耐圧容器1は前記圧力流体2を収容することができる、一般に使用されている耐圧容器本体3と、この耐圧容器本体3の口部4に着脱可能に取付けられた、一般的に使用されている容器弁5と、この容器弁5に螺合固定された前記耐圧容器本体3内の圧力流体2を、該容器弁2を介して外部へ導くサイフォン管6とで構成されている。
【0016】
前記サイフォン管6は高い圧力が加わるとともに、充填されるガス・液体の性状により、腐食や膨潤、溶解を防止できるようにステンレス、アルミ、アルミ合金等の金属材で、外径が8mmあるいは外径が10mm以下のものが用いられ、前記耐圧容器本体3の内底面3aと前記容器弁5の下端部との間の寸法よりも、該容器弁5への取付部7を除く部位の寸法が長い寸法となるように、内側の角度が120度〜170度となる3箇所以上、本発明の実施の形態では3箇所の曲げ部8、8、8が形成され、先端部を傾斜面9のサイフォン管本体10、このサイフォン管本体10の上部に溶接固定された、前記容器弁5のねじ孔11へ螺合固定される外周部にねじ部12が形成された取付部材13とで構成されている。
【0017】
上記構成のサイフォン管付き耐圧容器1は耐圧容器本体3およびサイフォン管付き容器弁5を洗浄した後、耐圧容器本体3内へ口部4よりサイフォン管本体10を挿入し、口部4に容器弁5を手でねじ込み、その後トルクレンチで螺合固定させる。
この容器弁5の耐圧容器本体3の口部4への螺合固定により、耐圧容器本体3の内底面3aに当接しているサイフォン管本体10に容器弁5の下方への移動で軸心方向への押し圧力が生じて、3箇所以上の曲げ部8、8、8に曲がりが生じてサイフォン管本体10や耐圧容器本体3の内底面3aを損傷させることなく、耐圧容器本体3の口部4に容器弁5を取付けることができる。
しかる後、容器弁5を介して耐圧容器本体3内に圧力流体2が充填され、容器弁5を介して耐圧容器本体3内の圧力流体2が外部へ取り出されるが、サイフォン管本体10の先端部が耐圧容器本体3内の内底面3aに当接しているため、耐圧容器本体3内の圧力流体2を全量取り出すことができる。
なお、耐圧容器本体3を洗浄して再使用する場合には、サイフォン管6のサイフォン管本体10の曲げ部8、8、8を少し伸ばした状態で使用することによりサイフォン管本体10の先端部が耐圧容器本体3の内底面3aに確実に当接させることができる。
なお、サイフォン管6の寸法誤差や耐圧容器本体3の寸法誤差による不具合も確実に防止することができる。
[発明を実施するための異なる形態]
【0018】
次に、図8ないし図13に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0019】
図8ないし図10に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、サイフォン管本体10の先端部に半円弧状の凹部14を形成したサイフォン管6Aを用いた点で、このように形成されたサイフォン管6Aを用いて構成されたサイフォン管付き耐圧容器1Aにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0020】
図11ないし図13に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、先端部を軸心方向に対し水平方向となるように形成するとともに、2箇所の曲げ部8、8を形成したサイフォン管本体10Aを用いたサイフォン管6Bを用いた点で、このようなサイフォン管6Bを用いて構成したサイフォン管付き耐圧容器1Bにしても、前記本発明を実施するための第1の実施の形態と同様な作用効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は液化二酸化炭素単体、あるいは液化二酸化炭素に液化酸化エチレンやエチルアルコール等の有効成分を溶解させた液化二酸化炭素混合ガス等の圧力流体を収容するサイフォン管付き耐圧容器の製造産業で利用される。
【符号の説明】
【0022】
1、1A、1B:サイフォン管付き耐圧容器、
2:圧力流体、 3:耐圧容器本体、
4:口部、 5:容器弁、
6、6A、6B:サイフォン管、
7:取付部、 8:曲げ部、
9:傾斜面、 10:サイフォン管本体、
11:ねじ孔、 12:ねじ部、
13:取付部材、 14:凹部。
【技術分野】
【0001】
本発明は主に液化炭酸混合ガスを収容するサイフォン管付き耐圧容器に関する。
【背景技術】
【0002】
液化酸化エチレンと液化二酸化炭素を混合した殺菌ガスや、エチルアルコールと液化二酸化炭素を混合した食品保存ガスは、有効成分が液化二酸化炭素に溶解しているため、液体の状態で取り出さなければならない。また冷却用に使う二酸化炭素の場合は、液体の二酸化炭素が気化する際に気化潜熱で冷却するため、液体の二酸化炭素を取り出す必要がある。このため、高圧ガス容器に充填された、これらの液化ガスは、容器を直立した状態で、サイフォン管のついた容器弁を用いて液体の状態で取り出している。
二酸化炭素を充填するときは、充填圧力が4〜8MPaと非常に高い圧力がサイフォン管にかかることから、金属のパイプが用いられている。また、充填するガスや液体の性状により腐食や重合、化学反応、サビ、パーティクル等の発生を防ぐため、近年ステンレス製のパイプが用いられている。
【0003】
このため、サイフォン管は高圧ガス容器の底部まで届いていることが重要であり、例えばサイフォン管が短いと容器内より全量液を取り出すことができず、また長いと容器弁を取付ける際、サイフォン管が容器底に支えてキチンと容器弁が取付けできなかったり、過度にサイフォン管先端に圧力がかかり、高圧ガス容器内面の保護膜や、容器本体をキズ付け、その部分から腐食や錆を起こす恐れがある。
高圧ガス容器は同じメーカーの同じ内容積でも、容器の高さに差があるため、容器ごとにサイフォン管の長さを調整して取付けなければならないが、この作業は非常に手間がかかる。
また、サイフォン管先端に長さを調整できるノズルを装着する方法もある。しかし二酸化炭素は潤滑油等を極めてよく溶かすため、先端に装着したノズルとサイフォン管の接続部に潤滑剤が使えない。このため、摩擦抵抗でスムーズにサイフォン管が縮まり難く、容器内面保護膜をキズつけたり、接続部の隙間から液が漏れる現象が見られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−4998号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、サイフォン管の先端部を耐圧容器本体の内底面に確実に位置させて液化ガスを全量取り出すことができるとともに、耐圧容器本体の内底面を損傷させたり、サイフォン管の取付けに手数がかかったりすることのないサイフォン管付き耐圧容器を提供することを目的としている。
【0006】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は圧力流体を収容することができる耐圧容器本体の口部に着脱可能に取付けられたサイフォン管付き容器弁を備えたサイフォン管付き耐圧容器において、前記サイフォン管に軸心方向の押し圧力で軸心方向の寸法が収縮するように少なくとも2箇所以上の曲げ部を形成してサイフォン管付き耐圧容器を構成している。
【発明の効果】
【0008】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【0009】
(1)サイフォン管に軸心方向の押し圧力で、軸心方向の寸法が収縮するように少なくとも2箇所以上の曲げ部を形成したので、耐圧容器本体の内底面に接触する状態から耐圧容器本体の口部にサイフォン管付き容器弁を取付けることにより、取付け時のサイフォン管に加わる押し圧力によって、サイフォン管の先端部が耐圧容器本体の内底面に接触した状態で少なくとも2箇所以上の曲げ部で曲がり、収縮させることができる。
したがって、サイフォン管の先端部が耐圧容器本体の内底面に位置するため、耐圧容器本体内の液化ガスを全量取り出すことができる。
【0010】
(2)前記(1)によって、サイフォン管は容器弁の取付け時の押し圧力で曲がるので、取付け時にサイフォン管を長めに設定しておくことにより、耐圧容器本体の内底面にサイフォン管が接触した状態で取付けることができる。
したがって、サイフォン管付きの容器弁の耐圧容器本体への取付け作業を、誰でもが楽に行なうことができる。
【0011】
(3)前記(1)により、サイフォン管に少なくとも2箇所以上の曲げ部を形成しているので、高圧でつぶれることのないサイフォン管でも容易に軸心方向に曲がり、収縮させることができる。
したがって、耐圧容器本体の内底面をサイフォン管の先端部で損傷させるのを効率よく阻止させることができる。
【0012】
(4)請求項2も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られるとともに、3箇所以上の曲げ部を形成することにより、従来の耐圧容器に使用されていたサイフォン管と同一材質、同一内外径寸法のものを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明を実施するための第1の形態の縦断面図。
【図2】本発明を実施するための第1の形態のサイフォン管の説明図。
【図3】本発明を実施するための第1の形態の容器弁の取付け初めの状態を示す説明図。
【図4】図3のA部拡大図。
【図5】本発明を実施するための第1の形態の容器弁が取付けられた状態の説明図。
【図6】図5のB部拡大図。
【図7】本発明を実施するための第1の形態のサイフォン管本体の説明図。
【図8】本発明を実施するための第2の形態の縦断面図。
【図9】本発明を実施するための第2の形態のサイフォン管の説明図。
【図10】図8の要部説明図。
【図11】本発明を実施するための第3の形態の縦断面図。
【図12】本発明を実施するための第3の形態のサイフォン管の説明図。
【図13】図11の要部説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
【0015】
図1ないし図7に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は液化二酸化炭素単体、あるいは液化二酸化炭素に液化酸化エチレンやエチルアルコール等の有効成分を溶解させた液化二酸化炭素混合ガス等の圧力流体2を収容する本発明のサイフォン管付き耐圧容器で、このサイフォン管付き耐圧容器1は前記圧力流体2を収容することができる、一般に使用されている耐圧容器本体3と、この耐圧容器本体3の口部4に着脱可能に取付けられた、一般的に使用されている容器弁5と、この容器弁5に螺合固定された前記耐圧容器本体3内の圧力流体2を、該容器弁2を介して外部へ導くサイフォン管6とで構成されている。
【0016】
前記サイフォン管6は高い圧力が加わるとともに、充填されるガス・液体の性状により、腐食や膨潤、溶解を防止できるようにステンレス、アルミ、アルミ合金等の金属材で、外径が8mmあるいは外径が10mm以下のものが用いられ、前記耐圧容器本体3の内底面3aと前記容器弁5の下端部との間の寸法よりも、該容器弁5への取付部7を除く部位の寸法が長い寸法となるように、内側の角度が120度〜170度となる3箇所以上、本発明の実施の形態では3箇所の曲げ部8、8、8が形成され、先端部を傾斜面9のサイフォン管本体10、このサイフォン管本体10の上部に溶接固定された、前記容器弁5のねじ孔11へ螺合固定される外周部にねじ部12が形成された取付部材13とで構成されている。
【0017】
上記構成のサイフォン管付き耐圧容器1は耐圧容器本体3およびサイフォン管付き容器弁5を洗浄した後、耐圧容器本体3内へ口部4よりサイフォン管本体10を挿入し、口部4に容器弁5を手でねじ込み、その後トルクレンチで螺合固定させる。
この容器弁5の耐圧容器本体3の口部4への螺合固定により、耐圧容器本体3の内底面3aに当接しているサイフォン管本体10に容器弁5の下方への移動で軸心方向への押し圧力が生じて、3箇所以上の曲げ部8、8、8に曲がりが生じてサイフォン管本体10や耐圧容器本体3の内底面3aを損傷させることなく、耐圧容器本体3の口部4に容器弁5を取付けることができる。
しかる後、容器弁5を介して耐圧容器本体3内に圧力流体2が充填され、容器弁5を介して耐圧容器本体3内の圧力流体2が外部へ取り出されるが、サイフォン管本体10の先端部が耐圧容器本体3内の内底面3aに当接しているため、耐圧容器本体3内の圧力流体2を全量取り出すことができる。
なお、耐圧容器本体3を洗浄して再使用する場合には、サイフォン管6のサイフォン管本体10の曲げ部8、8、8を少し伸ばした状態で使用することによりサイフォン管本体10の先端部が耐圧容器本体3の内底面3aに確実に当接させることができる。
なお、サイフォン管6の寸法誤差や耐圧容器本体3の寸法誤差による不具合も確実に防止することができる。
[発明を実施するための異なる形態]
【0018】
次に、図8ないし図13に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0019】
図8ないし図10に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、サイフォン管本体10の先端部に半円弧状の凹部14を形成したサイフォン管6Aを用いた点で、このように形成されたサイフォン管6Aを用いて構成されたサイフォン管付き耐圧容器1Aにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0020】
図11ないし図13に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、先端部を軸心方向に対し水平方向となるように形成するとともに、2箇所の曲げ部8、8を形成したサイフォン管本体10Aを用いたサイフォン管6Bを用いた点で、このようなサイフォン管6Bを用いて構成したサイフォン管付き耐圧容器1Bにしても、前記本発明を実施するための第1の実施の形態と同様な作用効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は液化二酸化炭素単体、あるいは液化二酸化炭素に液化酸化エチレンやエチルアルコール等の有効成分を溶解させた液化二酸化炭素混合ガス等の圧力流体を収容するサイフォン管付き耐圧容器の製造産業で利用される。
【符号の説明】
【0022】
1、1A、1B:サイフォン管付き耐圧容器、
2:圧力流体、 3:耐圧容器本体、
4:口部、 5:容器弁、
6、6A、6B:サイフォン管、
7:取付部、 8:曲げ部、
9:傾斜面、 10:サイフォン管本体、
11:ねじ孔、 12:ねじ部、
13:取付部材、 14:凹部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力流体を収容することができる耐圧容器本体の口部に着脱可能に取付けられたサイフォン管付き容器弁を備えたサイフォン管付き耐圧容器において、前記サイフォン管に軸心方向の押し圧力で軸心方向の寸法が収縮するように少なくとも2個所以上の曲げ部を形成したことを特徴とするサイフォン管付き耐圧容器。
【請求項2】
サイフォン管は耐圧容器本体内の圧力でつぶれたりすることのない、外径が8mm、あるいは外径が10mm以下のステンレス材で、3箇所以上の曲げ部は内側の角度が120度〜170度になるように曲げられていることを特徴とする請求1記載の耐圧容器。
【請求項1】
圧力流体を収容することができる耐圧容器本体の口部に着脱可能に取付けられたサイフォン管付き容器弁を備えたサイフォン管付き耐圧容器において、前記サイフォン管に軸心方向の押し圧力で軸心方向の寸法が収縮するように少なくとも2個所以上の曲げ部を形成したことを特徴とするサイフォン管付き耐圧容器。
【請求項2】
サイフォン管は耐圧容器本体内の圧力でつぶれたりすることのない、外径が8mm、あるいは外径が10mm以下のステンレス材で、3箇所以上の曲げ部は内側の角度が120度〜170度になるように曲げられていることを特徴とする請求1記載の耐圧容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−190337(P2010−190337A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−36243(P2009−36243)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000187149)昭和炭酸株式会社 (60)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000187149)昭和炭酸株式会社 (60)
【Fターム(参考)】
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