説明

サイロ

【課題】貯留対象物の性状が変動する場合であっても、確実に架橋の発生を防止できる柔軟性の高い架橋防止構造を備えたサイロを提供する。
【解決手段】断面円形の筒状側壁2と、切出し用の開口3が形成された底壁4と、掻き羽根6を前記筒状側壁2の軸心P周りに回転させて貯留物を前記開口3から落下供給する切出し装置とを備え、上部から投入された資源再生用の廃材を貯留するサイロであって、前記軸心P方向に向けて下方に傾斜する受圧面9を備えた複数の受圧機構8が、前記筒状側壁2の内側面に、その周方向及び高さ方向に位置を異ならせて配設され、前記受圧面9が鉛直線となす角度、及び、または、前記受圧面9の仮想水平面への投影面積が可変である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、資源再生用の廃材を貯留するサイロに関する。
【背景技術】
【0002】
再生利用が困難な古紙及びプラスチックは、高温で加圧処理して塊状の固形燃料であるRPF(Refuse Paper and Plastic Fuel)に加工され、化石燃料の代替燃料として用いられている。
【0003】
そのため、回収された古紙及びプラスチックは、破砕機で破砕された後、サイロに貯留され、その後、サイロから切り出されて、スクリューフィーダでペレットミルに定量搬送され、固形燃料に成型処理される。
【0004】
当該サイロは、断面円形の筒状側壁と、切出し用の開口が形成された底壁と、押圧羽根を筒状側壁の軸心周りに回転させて貯留物を開口から落下供給する切出し装置とを備えている。
【0005】
このようなサイロには、破砕されて粉粒体となった古紙及びプラスチックのような、性状が不定期に変動する資源再生用の廃材が大量に貯留されると、内部に架橋が発生して切り出すことができなくなるという問題があった。
【0006】
圧縮性を持つ粉粒体をサイロで貯留する場合、上部に積まれた粉粒体の自重や投入時の落下衝撃により下部の粉粒体が圧密され、その集合体がある程度の強度を持つようになる。サイロの形状や内壁と粉粒体との摩擦等の影響で発生するせん断力よりも集合体の強度が上回る場合に架橋が発生し、底部からの粉粒体を排出することができなくなるのである。
【0007】
特許文献1には、少なくとも貯蔵槽のシリンダ装置寄りの側壁の下部及びシリンダ装置と対向する側壁の下部に、傾斜部及び底部を有する断面略三角形状の固着防止材を配設したサイロが提案されている。
【0008】
しかし、特許文献1に記載された断面略三角形状の固着防止材は、スライディングフレームの繰り返し往復移動によってチップなどから樹液が滲み出てチップなどとともに凝り固まり、この固まりが成長して貯蔵槽内に投入されたチップなどの降下を妨げることを防止するための構造であり、破砕された古紙やプラスチック等の粉粒体が貯留されたサイロに発生する架橋を回避できるような構成ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平10−45256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、サイロに貯留される粉粒体に適した角度、サイズの受圧板をサイロの内壁に設置して、この受圧板で上部に積まれた粉粒体の自重や落下衝撃を受けて、サイロ下部の粉粒体の圧密化を緩和することによって、架橋の発生を防止することが考えられるが、破砕されて粉粒体となった古紙及びプラスチックのような、性状が不定期に変動する資源再生用の廃材が貯留対象となるようなサイロでは、適切な受圧板の角度やサイズが変動するため、効果的に架橋の発生を回避できる構成を実現することができなかった。
【0011】
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、貯留対象物の性状が変動する場合であっても、確実に架橋の発生を防止できる柔軟性の高い架橋防止構造を備えたサイロを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の目的を達成するため、本発明によるサイロの第一特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、筒状側壁と、切出し用の開口と、掻き羽根を前記筒状側壁の軸心周りに回転させて貯留物を前記開口から落下供給する切出し装置とを備え、上部から投入された資源再生用の廃材を貯留するサイロであって、下方に傾斜する受圧面を備えた複数の受圧機構が、前記筒状側壁の内側面に、その周方向及び高さ方向に位置を異ならせて配設され、前記受圧面が鉛直線となす角度、及び、または、前記受圧面の仮想水平面への投影面積が可変である点にある。
【0013】
筒状側壁の内側面に、周方向及び高さ方向に位置を異ならせて配設された受圧機構に備えた受圧面によって、上部に積まれた粉粒体(廃材)の自重や落下衝撃が受け止められ、サイロ下部の粉粒体の圧密化が緩和される。当該受圧面は、鉛直線となす角度、及び、または、仮想水平面への投影面積が可変であるので、貯留対象物の性状が変動する場合であってもそれに対応した受圧面に設定することで、確実に架橋の発生を防止できるようになる。受圧面が鉛直線となす角度を調整すると、該角度と仮想水平面への投影面積が変わるので、受圧面の可変範囲が広くできる。
【0014】
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一特徴構成に加えて、前記受圧機構は、上縁が前記筒状側壁の内側面と当接する状態で前記筒状側壁に固定された弧状基部と、前記弧状基部の下端部に水平軸周りに回動可能に軸支された延出部を備え、前記延出部の回動角度により前記受圧面の仮想水平面への投影面積を調整可能に構成されている点にある。
【0015】
弧状基部の下端部に水平軸周りに回動可能に軸支された延出部の上面が受圧面として機能し、延出部の回動角度により受圧面の仮想水平面への投影面積が調整される。延出部の回動角度(延出部が鉛直線となす角度)を小さくすると、受圧面の傾斜角度が小さくなって仮想水平面への投影面積が小さくなり、延出部の回動角度(延出部が鉛直線となす角度)を大きくすると、受圧面の傾斜角度が大きくなって仮想水平面への投影面積が大きくなる。つまり、延出部の回動角度を小さくすると、粉粒体の自重や落下衝撃を受ける作用が相対的に弱くなり、延出部の回動角度を大きくすると、粉粒体の自重や落下衝撃を受ける作用が相対的に強くなる。従って、貯留対象物である粉粒体の性状によって受圧面による受圧能力を容易に調整することができるようになる。尚、筒状側壁の内側面に沿って落下する粉粒体は弧状基部でも一部受け止められる。
【0016】
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第二特徴構成に加えて、前記受圧機構は、前記筒状側壁の外側から前記延出部の回動角度を調節可能な操作部を備えている点にある。
【0017】
サイロに貯留対象物が入ったままの状態では、作業者が閉空間であるサイロ内部に進入して延出部の回動角度を手作業で調整することが不可能である。しかし、このような構成によれば、操作部を介して筒状側壁の外側から延出部の回動角度が調整できるので、延出部の回動角度が貯留対象物である粉粒体に適合しない場合であっても、貯留対象物が入ったままで調整できるようになる。作業者は、サイロ内部に進入する必要がないので、サイロ内に充満している粉塵やガスの影響を受けずに作業できるようになる。
【0018】
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一特徴構成に加えて、前記受圧機構は、上縁が前記筒状側壁の内側面と当接する状態で前記筒状側壁に固定された弧状基部と、延出長さが異なる複数の延出部を備え、前記弧状基部の下端部に延出長さが異なる複数の延出部の何れかを取り付ける取付け部を備えている点にある。
【0019】
上述の構成によれば、延出長さが貯留対象物である粉粒体に適合した延出部を選択して弧状基部の下端部に取り付けることによって、受圧面による受圧能力を貯留対象物である粉粒体の性状に適合させることが容易に行なえる。
【0020】
同第五の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述の第一から第四の何れかの特徴構成に加えて、前記切出し装置は、前記底壁からの離隔距離が異なる上下二段の掻き羽根を備え、上段の掻き羽根で廃材を攪拌し、下段の掻き羽根で廃材を掻くように構成されている点にある。
【0021】
貯留対象物である粉粒体がある程度圧密化されている場合でも、上段の掻き羽根によって粉粒体が攪拌され、その後、下段の掻き羽根によって粉粒体が掻かれて開口から落下供給されるようになる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明した通り、本発明によれば、貯留対象物の性状が変動する場合であっても、確実に架橋の発生を防止できる柔軟性の高い架橋防止構造を備えたサイロを提供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】サイロの側断面図
【図2】(a)はサイロの底壁に備えた切出し装置の平面図、(b)は同側断面図
【図3】(a)は延出部が回動する方式の受圧機構の平面図、(b)は延出部が回動する方式の受圧機構の側断面図、(c)は同受圧機構の正面図
【図4】(a)は受圧面の回動角度が小さく調整された状態の受圧機構の平面図、(b)は受圧面の回動角度が小さく調整された状態の受圧機構の側断面図、(c)は受圧面の回動角度が大きく調整された状態の受圧機構の平面図、(d)は受圧面の回動角度が大きく調整された状態の受圧機構の側断面図
【図5】(a)は延出部が着脱される方式の受圧機構の側断面図、(b)は同受圧機構の平面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明によるサイロの構造を説明する。
図1に示すように、サイロ1は、縦断面形状がハの字形で、横断面形状が円形の筒状側壁2と、平坦な底壁4とを備えて構成され、上部から投入された資源再生用の廃材が貯留される。
【0025】
本実施形態では、破砕機で破砕された古紙及びプラスチックの粉粒体が資源再生用の廃材としてサイロ1に貯留され、サイロ1から切り出された粉粒体が、スクリューフィーダでペレットミルに定量搬送され、加圧処理して塊状の固形燃料であるRPFに加工され、ボイラ等の燃焼機に化石燃料の代替燃料として用いられる。
【0026】
底壁4には、切出し用の開口3が形成され、掻き羽根6を筒状側壁2の軸心P周りに回転させて貯留物を開口3から落下供給する切出し装置5が設置されている。開口3の下部には、サイロ1から切り出された粉粒体をペレットミルに搬送するスクリューフィーダ7が配置されている。
【0027】
サイロ1は筒状側壁2の内側面には、軸心P方向に向けて下方に傾斜する受圧面9を備えた複数の受圧機構8が、内側面の周方向及び高さ方向に位置を異ならせて配設されている。
【0028】
2〜3基で構成される一群の受圧機構8が上下方向に位置をずらせて全体で五群配設されている。各群の受圧機構8はそれぞれ高さ方向に位置をずらせるとともに、周方向に180度ずらせて配置、つまり対向するように配置されている。隣接する群の間では、周方向にずれるように配置されている。
【0029】
各受圧機構8は、上縁が筒状側壁2の内側面と当接する状態で筒状側壁2に固定された弧状基部8aと、弧状基部8aの下端部に取り付けられた延出部8bを備え、弧状基部8aと延出部8bの上面で構成される受圧面9で、上部に積まれた粉粒体の自重や落下衝撃が受け止められ、サイロ下部の粉粒体の圧密化が緩和されるように構成されている。
【0030】
各受圧機構8には、受圧面9の仮想水平面への投影面積を可変に設定可能な調節機構10が設けられている。尚、仮想水平面とは、筒状側壁2の軸心Pに垂直な平面をいい、受圧面9の仮想水平面への投影面積とは、受圧面9を鉛直方向上から見下ろしたときの前記仮想水平面上の面積をいい、図3(b)、図4(b)、(d)では、弧状基部8a上端から延出部8b下端までの面積を仮想水平面に投影した面積Aで表している。
【0031】
一群の受圧機構8のうち、最上段から二段目までの受圧機構8は、弧状基部8aと、弧状基部8aの下端部に横軸心周りに回動可能に軸支された延出部8bを備え、延出部8bの回動角度により受圧面9の仮想水平面への投影面積を調整する調節機構10が設けられている。以下、調節機構10を詳述する。
【0032】
図3(a)、(b)、(c)に示すように、弧状基部8aの下端部に、延出部8bが横軸心S周りに回動可能に軸支されている。さらに、延出部8bの裏面には、筒状側壁2の外側から延出部8bの回動角度θ(延出部8bが鉛直線となす角度)を調節可能な操作部11を備えている。
【0033】
弧状基部8aは、金属製の弧状周部を備えた板状体81で、その背面に複数本のリブ82が設けられている。板状体81の先端が下方に傾斜する姿勢となるように、リブ82と弧状周部が金属製の筒状側壁2に溶接されている。
【0034】
操作部11は、一端側が延出部8bの裏面に回動自在に軸支され、基端側が筒状側壁2の外壁面に突出配置された操作ボルト12と、筒状側壁2の外壁面に取り付けられたベース部材13と、ベース部材13の左右両端側に設置されたブラケット14とを備えて構成され、操作ボルト12の中間位置がブラケット14でネジ固定されている。
【0035】
サイロ1の外部には点検用歩廊が付設され、作業員は点検用歩廊にのぼって筒状側壁2の外側面から操作部11を操作することができる。
【0036】
図4(a)、(b)に示すように、作業者が、操作ボルト12の基端側のナットを時計回りに回転操作することにより、延出部8bが横軸心S周りに下方に回動して、受圧面9の仮想水平面への投影面積Aが小さくなる。このとき、操作ボルト12の一端側が下方に傾斜するように、操作ボルト12が揺動可能にブラケット14に固定されている。
【0037】
また、図4(c)、(d)に示すように、作業者が、操作ボルト12の基端側のナットを反時計回りに回転操作することにより、延出部8bが横軸心S周りに上方に回動して、受圧面9の仮想水平面への投影面積Aが大きくなる。同様に、このとき、操作ボルト12の一端側が上方に傾斜する。
【0038】
つまり、弧状基部8aの下端部に横軸心S周りに回動可能に軸支された延出部8bの上面が受圧面9として機能し、延出部8bの回動角度により受圧面9の仮想水平面への投影面積が調整される。
【0039】
延出部8bの回動角度θを小さくすると、受圧面の傾斜角度が小さくなって仮想水平面への投影面積が小さくなり、延出部8bの回動角度θを大きくすると、受圧面9の傾斜角度が大きくなって仮想水平面への投影面積が大きくなる。つまり、延出部8bの回動角度θを小さくすると、粉粒体の自重や落下衝撃を受ける作用が相対的に弱くなり、延出部8bの回動角度θを大きくすると、粉粒体の自重や落下衝撃を受ける作用が相対的に強くなる。受圧面9が鉛直線となす角度を調整すると、該角度と仮想水平面への投影面積が変わるので、受圧面9の可変範囲が広くできる。
【0040】
従って、貯留対象物である粉粒体の性状によって受圧面9による受圧能力を容易に調整することができるようになる。尚、筒状側壁2の内側面に沿って落下する粉粒体は弧状基部8aでも一部受け止められる。
【0041】
このような構成によれば、操作部11を介して筒状側壁2の外側から延出部8bの回動角度θが調整できるので、延出部8bの回動角度θが貯留対象物である粉粒体に適合しない場合であっても、粉粒体が投入された後にその粉粒体に適合するように調整できるようになる。また、作業者が閉空間であるサイロ内部に進入して延出部8bの回動角度θを手作業で調整する必要が無くなる。
【0042】
また、操作部11を介して筒状側壁2の外側から延出部8bの回動角度θを調整することで、サイロ1内に形成されたブリッジを壊すこともできる。
【0043】
操作部11は、最上段から二段目までの受圧機構8のみに備える構成とすることで、全段の受圧機構8に操作部11を備える場合に比べて、筒状側壁2への操作ボルト12の挿通孔の加工を少なくすることができる。
【0044】
図1に戻り、一群の受圧機構8のうち、最上段から三段目以降の受圧機構8は、弧状基部8aと、延出長さが異なる複数の延出部8bを備え、弧状基部8aの下端部に延出長さが異なる複数の延出部8bの何れかを取り付ける取付け部15を備えている。
【0045】
図5(a),(b)に示すように、弧状基部8aの下端部先端に、延出部8bがボルトとナットを介して着脱自在に取り付けられている。
【0046】
弧状基部8aは、金属製の弧状周部を備えた板状体81で、その背面中央に一本のリブ82が設けられている。板状体81の先端が下方に傾斜する姿勢となるように、リブ82と弧状周部が金属製の筒状側壁2に溶接されている。
【0047】
延出長さが異なる複数種類の延出部8bが予め準備され、貯留対象物である粉粒体に適合した延出部8bを選択して弧状基部8aの下端部に取り付けることによって、受圧面9による受圧能力を貯留対象物である粉粒体の性状に適合させることが容易に行なえる。
【0048】
弧状基部8aの先端側及び延出部8bの基端側には、幅方向に沿って8箇所のボルト挿通孔が形成され、延出部8bの裏面には幅方向に3本のリブが形成されている。これら8箇所のボルト挿通孔、及び各リブの端部に形成されたボルト挿通孔を介して、弧状基部8aの先端に延出部8bがボルトとナットで締め付けられている。つまり、これらボルト挿通孔とボルトとナットで取付け部15が構成されている。
【0049】
従って、延出長さが貯留対象物である粉粒体に適合した延出部8bを選択して弧状基部8aの下端部に取り付けることによって、受圧面9による受圧能力を貯留対象物である粉粒体の性状に適合させるように調整機構10が構成されている。
【0050】
図2(a),(b)に示すように、切出し装置5は、油圧モータまたは電動モータで駆動されて軸心P周りに回転するロータ50が設けられ、ロータ50には、底壁4からの離隔距離、つまり高さが異なる上下二段の掻き羽根6(6a,6b)が取り付けられている。
【0051】
上段の掻き羽根6aの羽根の長さが下段の掻き羽根6bの羽根の長さより短くなるように構成され、上段と下段には回転軸心Pを挟んで二枚の掻き羽根が180度の角度で取り付けられ、上段と下段の掻き羽根が90度の角度で取り付けられている。
【0052】
貯留対象物である粉粒体がある程度圧密化されている場合でも、上段の長さの短い掻き羽根6aによって貯留された粉粒体が攪拌され、その後、下段の長さの長い掻き羽根6bによって粉粒体が掻かれて開口3から落下供給されるようになる。
【0053】
上述した実施形態では、一群の受圧機構8のうち、最上段から二段目までの受圧機構8が、延出部の回動角度により受圧面の仮想水平面への投影面積を調整可能に構成され、最上段から三段目以降の受圧機構8が、弧状基部8aの下端部に延出長さが異なる複数の延出部8bの何れかを取り付ける取付け部15を備えた例を説明したが、このような構成に限るものではなく、全ての受圧機構8が、延出部の回動角度により受圧面の仮想水平面への投影面積を調整可能に構成されていてもよいし、全ての受圧機構8が、弧状基部8aの下端部に延出長さが異なる複数の延出部8bの何れかを取り付ける取付け部15を備えた構成であってもよい。
【0054】
また、延出部8bの回動角度θにより受圧面9の仮想水平面への投影面積を調整するための調節機構10に、筒状側壁2の外側から延出部8bの回動角度θを調節可能な操作部11を備えた例を説明したが、必ずしも筒状側壁2の外側から操作する構成に限るものではなく、筒状側壁2の内側で調節可能な操作部を備えていてもよい。その場合の構造は基本的に図3(a)、(b)、(c)に示す調節機構10と相違するものではなく、筒状側壁2の内側面に設置されたブラケットに操作ボルト12の基端側が支持され、ナットを回動操作することにより、延出部8bの回動角度θが調整可能に構成されればよい。
【0055】
図1では、最上段から二段目までの受圧機構8に筒状側壁2の外側から操作可能な調整機構を備え、三段目から下の受圧機構8に延出長さが異なる複数の延出部8bを取り付けて調整する調整機構を備えた例を説明したが、下側に設置された受圧機構8に筒状側壁の外側から操作可能な調整機構を備え、上側の受圧機構8に延出長さが異なる複数の延出部8bを取り付けて調整する調整機構を備えてもよい。
【0056】
上述した実施形態は本発明の一態様であり、該記載により本発明が限定されるものではなく、各部の具体的構成や制御態様は本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変更設計可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0057】
1:サイロ
2:筒状側壁
3:開口
4:底壁
5:切出し装置
6:掻き羽根
6a:上側の掻き羽根
6b:下側の掻き羽根
7:スクリューフィーダ
8:受圧機構
8a:弧状基部
8b:延出部
9:受圧面
10:調節機構
11:操作部
12:操作ボルト
13:ベース部材
14:ブラケット
15:取付け部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状側壁と、切出し用の開口と、掻き羽根を前記筒状側壁の軸心周りに回転させて貯留物を前記開口から落下供給する切出し装置とを備え、上部から投入された資源再生用の廃材を貯留するサイロであって、
下方に傾斜する受圧面を備えた複数の受圧機構が、前記筒状側壁の内側面に、その周方向及び高さ方向に位置を異ならせて配設され、前記受圧面が鉛直線となす角度、及び、または、前記受圧面の仮想水平面への投影面積が可変であるサイロ。
【請求項2】
前記受圧機構は、上縁が前記筒状側壁の内側面と当接する状態で前記筒状側壁に固定された弧状基部と、前記弧状基部の下端部に水平軸周りに回動可能に軸支された延出部を備え、前記延出部の回動角度により前記受圧面の仮想水平面への投影面積を調整可能に構成されている請求項1記載のサイロ。
【請求項3】
前記受圧機構は、前記筒状側壁の外側から前記延出部の回動角度を調節可能な操作部を備えている請求項2記載のサイロ。
【請求項4】
前記受圧機構は、上縁が前記筒状側壁の内側面と当接する状態で前記筒状側壁に固定された弧状基部と、延出長さが異なる複数の延出部を備え、前記弧状基部の下端部に延出長さが異なる複数の延出部の何れかを取り付ける取付け部を備えている請求項1記載のサイロ。
【請求項5】
前記切出し装置は、前記底壁からの離隔距離が異なる上下二段の掻き羽根を備え、上段の掻き羽根で廃材を攪拌し、下段の掻き羽根で廃材を掻くように構成されている請求項1から4の何れかに記載のサイロ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−210995(P2012−210995A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77089(P2011−77089)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(595011238)クボタ環境サ−ビス株式会社 (19)
【Fターム(参考)】