説明

サスペンション装置

【課題】サスペンション装置の製造コストの低減および製造工程数の削減を可能にする技術を提供する。
【解決手段】サスペンション装置1は、チャンバ102を有する空気ばね部と、シリンダおよびピストンロッド204を有するショックアブソーバと、空気ばね部およびショックアブソーバを車体側に連結する連結部300とを備える。連結部300は、ブシュ収容筒110に収容され、チャンバ102とピストンロッド204を連結するブシュ302と、アウターレース304aとインナーレース304bとを有し、チャンバ102を車体に対して相対回転可能に支持するベアリング304と、リバウンド側ストッパ部材306とを備える。インナーレース304bは、ピストンロッド204側に延びるフランジ部304b1を有し、リバウンド側ストッパ部材306がフランジ部304b1に当接している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サスペンション装置に関する。特に車両用のサスペンション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車体と車輪との間に設けられ、路面から受ける振動を吸収するためのサスペンション装置として、エアチャンバ内の空気圧によってばね力を発生させるエアばねを備えたサスペンション装置が知られている。一般にこのようなサスペンション装置には、エアばねの振動に対して減衰力を発生させるショックアブソーバが設けられている。ショックアブソーバは、車輪側に連結されるシリンダと、シリンダ内に挿入されるとともに車体側に連結されるピストンロッドとを有する。
【0003】
例えば特許文献1に示すエアサスペンション装置では、弾性体を有する連結機構を介してエアばねおよびショックアブソーバが車体側に連結されている。具体的には、この連結機構は、ピストンロッドとエアばねのチャンバを連結するための弾性変形可能なブシュ、およびピストンロッドとチャンバの相対変位量を制限するリバウンド側ストッパおよびバウンド側ストッパを含むアッパーサポートと、チャンバを車体に相対回転可能に連結するためのベアリングを含むインシュレータとを有する。ショックアブソーバのピストンロッドは、アッパーサポートを介してエアばねのチャンバに連結され、エアばねのチャンバは、インシュレータを介して車体側に連結されている。また、特許文献2には、サスペンション装置に適用される他の連結機構の構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−143474号公報
【特許文献2】特開2003−254377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に車両には、製造コストや製造工程数の削減が求められている。したがって、車両に用いられるエアサスペンション装置にも製造コストや製造工程数の削減が当然に求められる。このような状況において、従来のエアサスペンション装置には製造コストおよび製造工程数の削減を図る余地があった。
【0006】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、サスペンション装置の製造コストおよび製造工程数の削減を可能にする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のサスペンション装置は、空気室を構成するチャンバを有する空気ばね部と、シリンダおよび当該シリンダに挿入されたピストンロッドを有する振動緩衝部と、前記空気ばね部および前記振動緩衝部を振動受け部側に連結するための連結部と、を備えたサスペンション装置であって、前記連結部は、前記チャンバのブシュ収容部に収容され、内周面がロッドの外周面に接し、外周面がブシュ収容部の内周面と接して、前記チャンバと前記ピストンロッドの相対変位を許容しながら前記チャンバと前記ピストンロッドとを連結するブシュと、外輪部と内輪部とを有し、前記ブシュ収容部の外周部に嵌め込まれ、前記外輪部が振動受け部側に固定され、前記内輪部がチャンバ側に固定されて、前記チャンバを振動受け部に対して相対回転可能に支持するための連結環と、前記ピストンロッドと前記チャンバの相対変位を制限するためのストッパ部材と、を備え、前記連結環の内輪部は、ピストンロッド側に延びるフランジ部を有し、前記ストッパ部材は、前記ピストンロッドと前記チャンバの相対変位を制限する際に前記連結環を嵌め込み方向に押圧するように前記フランジ部に当接していることを特徴とする。
【0008】
この態様によれば、サスペンション装置の製造コストおよび製造工程数の削減が可能となる。
【0009】
上記態様において、前記連結部は、前記ピストンロッドと前記チャンバの相対変位を制限するための他のストッパ部材を前記ブシュの上方に備え、前記フランジ部は、前記ブシュ収容部の内周面よりも前記ピストンロッド側に延び、一方の面に前記ストッパ部材が当接し、当該一方の面に対向する他方の面に前記他のストッパ部材が当接するように構成されてもよい。この態様によれば、サスペンション装置の製造コストおよび製造工程数のさらなる削減が可能となる。
【0010】
また、上記態様において、前記フランジ部は、前記ブシュ収容部の内周面よりも前記ピストンロッド側に延び、一方の面に前記ストッパ部材が当接し、当該一方の面に対向する他方の面に前記ブシュが当接してもよい。この態様によれば、サスペンション装置の製造工程数のさらなる削減が可能となる。
【0011】
また、上記態様において、前記ブシュ収容部は、一枚の円筒プレートを有し、当該円筒プレートの内周面に前記ブシュが接し、当該円筒プレートの外周面に前記連結環の内輪部が接してもよい。この態様によれば、ベアリングの小径化が可能となるため、サスペンション装置の製造コストの削減が可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、サスペンション装置の製造コストおよび製造工程数の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態1に係るサスペンション装置の概略断面図である。
【図2】実施形態1に係るサスペンション装置の連結部近傍の概略断面図である。
【図3】従来のサスペンション装置の連結部近傍の概略断面図である。
【図4】実施形態2に係るサスペンション装置の連結部近傍の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
【0015】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るサスペンション装置の概略断面図である。図1に示すように、本実施形態に係るサスペンション装置1は、車体(振動受け部)と車輪との間に設けられ、車体と車輪の接近離間にともなって伸縮して路面から受ける振動を吸収するための装置である。サスペンション装置1は、車体と車輪の接近離間に対するばね力を発生させるための空気ばね部100と、車体と車輪の接近離間に対する減衰力を発生させるためのショックアブソーバ200(振動緩衝部)と、空気ばね部100およびショックアブソーバ200を車体側に連結するための連結部300とを備える。
【0016】
空気ばね部100は、筒状に形成されたチャンバ102と、チャンバ102の内部に出入可能に設けられた筒状のピストン筒104と、チャンバ102とピストン筒104とを連結するダイヤフラム106とを含む。ダイヤフラム106は、可撓性材料からなる筒状部材であり、その一端がチャンバ102の下端部に気密に連結され、その他端がピストン筒104の上端部に気密に連結されている。ダイヤフラム106は、チャンバ102の内部にピストン筒104が出入りするときに、チャンバ102およびピストン筒104に密着した状態でその出入りに応じて変形することができる。
【0017】
チャンバ102は、上面の中心部に開口102aを有する。この開口102aには、環状のベアリング支持部108が固定されている。また、ベアリング支持部108の内側にはブシュ収容筒110(ブシュ収容部)が挿通され、ブシュ収容筒110はベアリング支持部108に固定されている。ブシュ収容筒110には、ショックアブソーバ200のピストンロッド204が挿通され、また、ピストンロッド204の外周面とブシュ収容筒110の内周面との間の空間に連結部300のブシュ302およびバウンド側ストッパ部材308が収容されている。また、ピストン筒104の内部には、ショックアブソーバ200のシリンダ202がピストン筒104の下端部を貫くようにして設けられている。ピストン筒104の下端部は、シリンダ202の外周面に気密に当接している。チャンバ102、ピストン筒104、ダイヤフラム106、ベアリング支持部108、およびブシュ収容筒110によって、ショックアブソーバ200の周囲に空気室112が形成されている。
【0018】
サスペンション装置1が縮む方向、すなわち車輪と車体がバウンド方向に相対移動すると、ピストン筒104およびシリンダ202とチャンバ102とが接近して、空気室112の容積が減少し、空気室112の空気圧が上昇する。一方、サスペンション装置1が伸びる方向、すなわち車輪と車体がリバウンド方向に相対移動すると、ピストン筒104およびシリンダ202とチャンバ102とが離間して、空気室112の容積が増大し、空気室112の空気圧が低下する。したがって、空気ばね部100は、サスペンション装置1の伸縮動作によって変動する空気室112の空気圧に応じたばね力を発生させることができる。
【0019】
ショックアブソーバ200は、その中心軸が空気ばね部100の中心軸と一致するようにして、空気室112を貫くように配置されている。ショックアブソーバ200は、筒状のシリンダ202と、シリンダ202に進入退出可能に挿入されたピストンロッド204とを含む。ピストンロッド204は、シリンダ202の内部から上方に延び出して、ブシュ収容筒110を貫いて連結部300を介して車体側へ連結されている。また、ピストンロッド204の上端部は、サスペンション装置1の上方に位置する減衰力調整用のアクチュエータ(図示せず)に連結されている。シリンダ202の下端部には取付ブシュ206が固定されており、シリンダ202は、取付ブシュ206を介して車輪側に連結されている。
【0020】
シリンダ202の内部には、フリーピストン208がシリンダ202の軸方向に摺動可能に設けられており、フリーピストン208によってシリンダ202の内部は上下2つの空間に分割されている。シリンダ202の内部は、フリーピストン208より下方の空間が気体の充填されたガス室210とされ、フリーピストン208より上方の空間が作動液の充填された液室212とされている。また、ピストンロッド204の下端部にはピストン214が固定されており、ピストン214によって液室212はさらに上下2つの空間に分割されている。ピストン214には、ピストン214より上方の空間と下方の空間をつなぐ貫通孔(図示せず)が設けられており、液室212に充填されている作動液がこの貫通孔を通って2つの空間を往来可能となっている。
【0021】
サスペンション装置1が縮むとピストンロッド204がシリンダ202に進入する方向に相対変位し、サスペンション装置1が伸びるとピストンロッド204がシリンダ202から退出する方向に相対変位する。これにより、ピストン214がシリンダ202内を移動し、液室212内の作動液がピストン214に設けられた貫通孔を通過してピストン214で隔てられた2つの空間を往来する。ショックアブソーバ200は、作動液が貫通孔を通過する際の流動抵抗により減衰力を発生させることができる。また、ピストンロッド204のシリンダ202内への進入、あるいはシリンダ202内からの退出にともなって、液室212内の液圧が変動し、液室212の液圧とガス室210の気圧との間に差圧が生じる。フリーピストン208は、この差圧に応じてシリンダ202内を移動し、液室212とガス室210の圧力バランスを調整する。なお、ショックアブソーバ200は、ピストンロッド204の上端部に連結されたアクチュエータによって、その減衰力を調整することができる。
【0022】
ブシュ収容筒110の底面には、ゴムなどの弾性体からなるバウンドストッパ216が設けられている。バウンドストッパ216は、シリンダ202とピストンロッド204がバウンド方向に相対変位したときに、シリンダ202の上端部に突き当たるように構成されている。これにより、シリンダ202とピストンロッド204の相対変位量を制限することができる。バウンドストッパ216には、ピストンロッド204の直径よりも大きい直径の貫通孔216aが設けられており、ピストンロッド204が貫通孔216aに挿通されている。
【0023】
連結部300は、ブシュ302と、ベアリング304(連結環)と、リバウンド側ストッパ部材306(ストッパ部材)と、バウンド側ストッパ部材308(他のストッパ部材)と、を備える。ブシュ302は、ブシュ収容筒110に収容され、その内周面がピストンロッド204の外周面に接し、その外周面がブシュ収容筒110の内周面と接して、チャンバ102とピストンロッド204の相対変位を許容しながらチャンバ102とピストンロッド204とを連結する。ベアリング304は、アウターレース304a(外輪部)とインナーレース304b(内輪部)とを有し、ブシュ収容筒110の外周部に設けられ、アウターレース304aが車体側に固定され、インナーレース304bがチャンバ102側に固定されて、チャンバ102を車体に対して相対回転可能に支持する。リバウンド側ストッパ部材306は、ピストンロッド204のチャンバ102に対するリバウンド方向の相対変位を制限し、バウンド側ストッパ部材308は、ピストンロッド204のチャンバ102に対するバウンド方向の相対変位を制限する。
【0024】
以下、本実施形態に係るサスペンション装置1における連結部300近傍の構成を、従来の一般的なサスペンション装置の連結部近傍の構成と比較しながら詳細に説明する。図2は、実施形態1に係るサスペンション装置の連結部近傍の概略断面図である。
【0025】
図2に示すように、ピストンロッド204は、ブシュ収容筒110の下端よりも上方の部分が当該下端よりも下方の部分よりも直径が小さくなっており、大径部と小径部の境界には段差が形成されている。この段差部には、カラー310が嵌め込まれている。カラー310は、その下部の内径がピストンロッド204の大径部の直径と略等しく、その上部の内径がピストンロッド204の小径部の直径と略等しい形状を有し、ピストンロッド204の段差部において、ピストンロッド204に係止されている。
【0026】
カラー310の上方には、ブシュ302が設けられている。ブシュ302は、内周部を形成する内筒302aと、外周部を形成する外筒302bと、ゴムなどの弾性体からなり、内筒302aおよび外筒302bを連結するブシュゴム302cとで構成されている。ブシュ302は、内筒302a、外筒302b、およびブシュゴム302cが一体となった状態でピストンロッド204に嵌め込まれ、ピストンロッド204の外周面とブシュ収容筒110の内周面との間に圧入されてブシュ収容筒110内に収容される。この状態で、内筒302aの内周面がピストンロッド204の外周面に圧着され、外筒302bの外周面がブシュ収容筒110の内周面に圧着されて、ピストンロッド204とブシュ収容筒110とがブシュ302により連結されている。ピストンロッド204とブシュ収容筒110とは、ブシュゴム302cが弾性変形することで相対変位が許容されている。なお、ブシュ302によりブシュ収容筒110内での空気室112と外部との連通が遮断されている。すなわち、ブシュ302により空気室112内の空気がブシュ収容筒110内を通って外部に漏れることを防いでいる。
【0027】
ブシュ収容筒110内において、ブシュ302の上方では環状のバウンド側ストッパ部材308がピストンロッド204に嵌め込まれている。バウンド側ストッパ部材308は、環状のバウンド側ストッパ円板308aと、バウンド側ストッパ円板308aの周縁部の上面に設けられた環状のバウンド側ストッパゴム308bとで構成されている。バウンド側ストッパ部材308の上方では、筒状のカラー312がピストンロッド204に嵌め込まれている。カラー312の上方では、ピストンロッド204の外周面に形成されたねじ部(図示せず)にナット314が螺合している。したがって、カラー310、内筒302a、バウンド側ストッパ円板308a、およびカラー312は、ナット314によって押さえつけられることで、ピストンロッド204の外周面に固定されている。
【0028】
ナット314の上方では、環状のリバウンド側ストッパ部材306がピストンロッド204に嵌め込まれている。リバウンド側ストッパ部材306は、環状のリバウンド側ストッパ円板306aと、リバウンド側ストッパ円板306aの周縁部の下面に設けられた環状のリバウンド側ストッパゴム306bとで構成されている。リバウンド側ストッパ部材306の上方では、減衰力調整用のアクチュエータのブラケット316がピストンロッド204に嵌め込まれている。ブラケット316の上方では、ピストンロッド204の外周面に形成されたねじ部(図示せず)にナット318が螺合しており、これによりリバウンド側ストッパ円板306aおよびブラケット316がピストンロッド204に固定されている。
【0029】
ブシュ収容筒110の外周面には、環状のベアリング支持部108が固定されている。ベアリング支持部108は、環状部108aと、環状部108aの下端で外側に拡がる鍔部108bとで構成されている。環状部108aの内周面はブシュ収容筒110の外周面に固定され、鍔部108bの外周面はチャンバ102の開口102aの側面に固定されている。鍔部108bは、ブシュ収容筒110の周囲でチャンバ102の開口102aを覆っている。ベアリング支持部108とチャンバ102との接合部分、あるいはベアリング支持部108とブシュ収容筒110との接合部分は、空気室112内の空気が外部に漏れ出ないように気密に接合されている。
【0030】
ブシュ収容筒110の外周部には、ベアリング304が嵌め込まれている。本実施形態では、ブシュ収容筒110の外周に設けられたベアリング支持部108を介して、ブシュ収容筒110の外周部にベアリング304が嵌め込まれている。ベアリング304は、アウターレース304aと、インナーレース304bと、アウターレース304aとインナーレース304bに挟持されて両者の相対回転を許容するベアリングボール304cとで構成されている。インナーレース304bは、その内周面が環状部108aの外周面に当接し、その下面が鍔部108bの上面に当接して、ベアリング支持部108に支持されている。アウターレース304aは、アウターレース把持金具320に固定されている。アウターレース把持金具320の上面にはインシュレータゴム322が固定されている。また、インシュレータゴム322の上面には、ボルト324によって車体側に固定される上金具326が固定されている。したがって、チャンバ102は、ベアリング支持部108およびベアリング304を介して車体側に連結されている。また、ベアリングボール304cを介したアウターレース304aとインナーレース304bの相対回転によって、インナーレース304bに固定されたチャンバ102はアウターレース304aに固定された車体に対して回転することができる。
【0031】
ベアリング304のインナーレース304bは、ピストンロッド204側に延びるフランジ部304b1を有する。フランジ部304b1の上面(一方の面)には、リバウンド側ストッパ部材306のリバウンド側ストッパゴム306bが当接している。また、本実施形態では、フランジ部304b1がブシュ収容筒110の内周面よりもピストンロッド204側に延びている。そして、フランジ部304b1のうち、ブシュ収容筒110の内周面よりもピストンロッド204側に延びた部分の下面(一方の面に対向する他方の面)に、バウンド側ストッパ部材308のバウンド側ストッパゴム308bが当接している。
【0032】
車体と車輪とが接近離間するとショックアブソーバ200により減衰力が発生する。このとき、この減衰力の反力によってピストンロッド204とチャンバ102とはブシュ302のブシュゴム302cを変形させながらピストンロッド204の軸方向に相対変位する。したがって、ブシュゴム302cには、ピストンロッド204の軸方向にせん断応力が発生する。ここで、車体と車輪がバウンド方向に相対変位して接近すると、ピストンロッド204がチャンバ102に対して軸方向上向きに変位する。ピストンロッド204が軸方向上向きに変位すると、バウンド側ストッパ部材308のバウンド側ストッパゴム308bがフランジ部304b1の下面を押圧する。一方、車体と車輪がリバウンド方向に相対変位して離間すると、ピストンロッド204がチャンバ102に対して軸方向下向きに変位する。ピストンロッド204が軸方向下向きに変位すると、リバウンド側ストッパ部材306のリバウンド側ストッパゴム306bがフランジ部304b1の上面を押圧する。そのため、リバウンド側ストッパ部材306およびバウンド側ストッパ部材308によって、ピストンロッド204とチャンバ102の相対変位量が制限される。これにより、ブシュゴム302cに過度のせん断応力が発生することを防ぐことができる。
【0033】
図3は、従来のサスペンション装置の連結部近傍の概略断面図である。なお、従来のサスペンション装置の構成については、本実施形態に係るサスペンション装置1の特徴を明らかにするために必要な部分のみについて説明し、その他の部分の説明を省略する。
【0034】
図3に示すように、従来の一般的なサスペンション装置1000では、筒状のチャンバ1102の上端部に、中心部に開口1103aを有するチャンバキャップ1103が固定されている。チャンバキャップ1103の開口1103aには、ブシュ収容筒1110が挿入され、ブシュ収容筒1110はチャンバキャップ1103に固定されている。ブシュ収容筒1110には、ブシュ1302が圧入され、ブシュ1302によりピストンロッド1204とブシュ収容筒1110とが連結されている。ブシュ1302の上方では、バウンド側ストッパ部材1308がピストンロッド1204に嵌め込まれている。また、バウンド側ストッパ部材1308の上方では、リバウンド側ストッパ部材1306が設けられている。
【0035】
リバウンド側ストッパ部材1306のリバウンド側ストッパ円板1306aは、その内径がピストンロッド1204の外径よりも大きく、その外径がブシュ収容筒1110の内径と略等しい形状を有する。そして、リバウンド側ストッパ部材1306は、リバウンド側ストッパ円板1306aがブシュ収容筒1110内に嵌め込まれるように配置されている。ブシュ収容筒1110は、その上端部がかしめ工程によりリバウンド側ストッパ円板1306a側に折り曲げられて形成された、かしめ部1110cを有する。かしめ部1110cにより、リバウンド側ストッパ部材1306がブシュ収容筒1110に対して抜け止めされている。
【0036】
このような構成において、リバウンド側ストッパ部材1306のリバウンド側ストッパ円板1306aは、バウンド側ストッパ部材1308の入力を受けるバウンド側ストッパプレートとして機能している。また、リバウンド側ストッパ部材1306の上方では、リバウンド側ストッパ部材1306の入力を受けるリバウンド側ストッパプレート1328がピストンロッド1204に嵌め込まれている。
【0037】
チャンバキャップ1103の上面には、環状であって下端部の外周に鍔部を有するベアリング支持部1108が固定されている。ベアリング支持部1108は、ブシュ収容筒1110の外径よりも大きい内径を有し、ブシュ収容筒1110の周囲に所定の距離だけ間隔をあけて設けられている。このようにベアリング支持部1108とブシュ収容筒1110との間に所定の間隔を設けるのは、かしめ部1110cと後述するかしめ部1108cを形成するためのかしめ工程において、ブシュ収容筒1110の上端部あるいはベアリング支持部1108の上端部にかしめ用治具を当接させるために必要な空間を確保するためである。ベアリング支持部1108の外周部にはベアリング1304が嵌め込まれており、ベアリング支持部1108によってベアリング1304のインナーレースが支持されている。ベアリング支持部1108は、その上端部がかしめ工程によりベアリング1304のインナーレース側に折り曲げられて形成された、かしめ部1108cを有する。かしめ部1108cにより、ベアリング1304がベアリング支持部1108に対して抜け止めされている。
【0038】
本実施形態に係るサスペンション装置1は、このような構成を備えた従来のサスペンション装置1000に対して以下の点が異なる。すなわち、本実施形態に係るサスペンション装置1では、ベアリング304のインナーレース304bにフランジ部304b1を設け、フランジ部304b1にリバウンド側ストッパ部材306を当接させている。ここで、リバウンド側ストッパ部材306は、チャンバ102とピストンロッド204の相対変位を制限する際にベアリング304が嵌め込まれた方向にベアリング304を押圧するように、フランジ部304b1に当接している。具体的には、ベアリング304は、ベアリング支持部108の外周部に上方から下方に向けて嵌め込まれている。そのため、リバウンド側ストッパ部材306は、チャンバ102およびピストンロッド204がリバウンド方向に相対変位した際にフランジ部304b1を下方に押圧するように設けられている。
【0039】
これにより、フランジ部304b1をリバウンド側ストッパ部材306からの入力を受けるリバウンド側ストッパプレートとして機能させることができる。そのため、従来の構成のようにリバウンド側ストッパプレート1328を設ける必要がなくなるため、従来の構成に比べて部品点数を削減することができ、よって製造コストを削減することができる。また、これにより、リバウンド側ストッパ部材306により製造過程におけるベアリング304の抜け止めを行うことができる。そのため、ベアリング支持部1108の上端部を折り曲げてかしめ部1108cを形成するかしめ工程を省略することができ、したがって、サスペンション装置1の製造工程数を減らすことができる。
【0040】
また、本実施形態に係るサスペンション装置1では、ブシュ収容筒110の外部にリバウンド側ストッパ部材306を配置している。そのため、従来の構成に比べてリバウンド側ストッパ部材306を設ける空間の自由度が高まり、リバウンド側ストッパ部材306を大きくすることができる。これにより、リバウンド側ストッパ部材306の耐久性を向上させることができる。
【0041】
上述したように本実施形態に係るサスペンション装置1では、リバウンド側ストッパ部材306をフランジ部304b1の上面に当接させるように配置している。ここで、従来の構成においてリバウンド側ストッパ部材1306の配置を本実施形態のように変更した場合、バウンド側ストッパ部材1308からの入力を受けるプレートとして機能するリバウンド側ストッパ部材1306が移動するため、バウンド側ストッパ部材1308の上方には新たにバウンド側ストッパプレートを設ける必要がある。そして、このバウンド側ストッパプレートをブシュ収容筒1110に固定するために、ブシュ収容筒1110の上端部にかしめ部1110cを形成する必要がある。これに対し、本実施形態に係るサスペンション装置1では、フランジ部304b1がブシュ収容筒110の内周面よりもピストンロッド204側に延び、フランジ部304b1にバウンド側ストッパ部材308を当接させている。これにより、フランジ部304b1をバウンド側ストッパ部材308からの入力を受けるバウンド側ストッパプレートとして機能させることができる。その結果、バウンド側ストッパプレートを別部材として設ける必要がなくなるため、従来の構成に比べて部品点数を削減することができ、よって製造コストを削減することができる。また、バウンド側ストッパプレートをブシュ収容筒1110に固定するためのかしめ部1110cを形成する必要がなくなるため、サスペンション装置の製造工程数を減らすことができる。
【0042】
さらに、上述のようにベアリング支持部1108およびブシュ収容筒1110の上端部を折り曲げるためのかしめ工程が不要となるため、かしめ用治具をこれらの上端部に当接させるための空間を省略することができる。したがって、従来の構成に比べてベアリング支持部108の径を小さくすることができ、これによりベアリング304の径を小さくすることができる。その結果、より低価格のベアリング304を採用することができるため、サスペンション装置1の製造コストを削減することができる。
【0043】
以上、本実施形態に係るサスペンション装置1では、ベアリング304のインナーレース304bにフランジ部304b1が設けられ、リバウンド側ストッパ部材306がフランジ部304b1に当接している。これにより、フランジ部304b1をリバウンド側ストッパ部材306からの入力を受けるプレートとして機能させることができるため、部品点数を削減することができ、その結果、サスペンション装置1の製造コストを削減することができる。また、リバウンド側ストッパ部材306をベアリング304の抜け止め部材として機能させることができるため、ベアリング304を固定するためのかしめ部を形成するかしめ工程を省略することができる。そのため、サスペンション装置1の製造工程数を削減することができる。
【0044】
(実施形態2)
実施形態2に係るサスペンション装置1は、バウンド側ストッパ部材308をベアリング支持部の下方に配置し、ブシュ収容筒にベアリング支持機能をもたせたものである。以下、本実施形態について説明する。なお、実施形態1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明および図示は適宜省略する。
【0045】
本実施形態に係るサスペンション装置1は、車体と車輪との間に設けられ、車体と車輪の接近離間にともなって伸縮して路面から受ける振動を吸収するための装置である。本実施形態に係るサスペンション装置1は、実施形態1に係るサスペンション装置1と同様に、車体と車輪の接近離間に対するばね力を発生させるための空気ばね部と、車体と車輪の接近離間に対する減衰力を発生させるためのショックアブソーバと、空気ばね部およびショックアブソーバを車体側に連結するための連結部とを備える。
【0046】
図4は、実施形態2に係るサスペンション装置の連結部近傍の概略断面図である。図4に示すように、本実施形態に係るサスペンション装置1において、ピストンロッド204の段差部には、カラー310が嵌め込まれている。カラー310は、ピストンロッド204の段差部においてピストンロッド204に係止されている。
【0047】
カラー310の上方には、環状のバウンド側ストッパ部材308がピストンロッド204に嵌め込まれている。バウンド側ストッパ部材308は、環状のバウンド側ストッパ円板308aと、バウンド側ストッパ円板308aの周縁部の上面に設けられた環状のバウンド側ストッパゴム308bとで構成されている。バウンド側ストッパ円板308aは、中心部が上方に突出した形状を有し、周縁部の下面がバウンドストッパ216の上面に当接し、中心部の上面がバウンド側ストッパゴム308bの頂部面よりも若干低い高さとなっている。
【0048】
チャンバ102の上面に設けられた開口102aには、ブシュ収容筒110が設けられている。本実施形態のブシュ収容筒110は、筒状部110aと鍔部110bとで構成されている。ブシュ収容筒110は、鍔部110bの外周面が開口102aの側面に固定されることで、チャンバ102に連結されている。ブシュ収容筒110の筒状部110aには、ピストンロッド204が挿通されている。ブシュ収容筒110は、バウンド側ストッパ部材308の上方に配置されており、鍔部110bの下面にバウンド側ストッパゴム308bが当接している。
【0049】
また、バウンド側ストッパ部材308の上方には、ブシュ302が設けられている。ブシュ302は、内筒302aと、外筒302bと、ゴムなどの弾性体からなり、内筒302aおよび外筒302bを連結するブシュゴム302cとで構成されている。ブシュ302は、内筒302a、外筒302b、およびブシュゴム302cが一体となった状態でピストンロッド204に嵌め込まれ、ピストンロッド204の外周面と筒状部110aの内周面との間に圧入されてブシュ収容筒110内に収容される。ブシュ302は、内筒302aの下面がバウンド側ストッパ円板308aの中央部の上面に当接する位置までブシュ収容筒110内に圧入されている。この状態で、内筒302aの内周面がピストンロッド204の外周面に圧着され、外筒302bの外周面が筒状部110aの内周面に圧着されて、ピストンロッド204とブシュ収容筒110とがブシュ302により連結されている。ピストンロッド204とブシュ収容筒110とは、ブシュゴム302cが弾性変形することで相対変位が許容されている。ブシュ収容筒110の鍔部110bが開口102aの側面に気密に当接し、筒状部110aの内周面とブシュ302の外周面、およびブシュ302の内周面とピストンロッド204の外周面とがそれぞれ気密に当接することで、空気室112内と外部との連通が遮断されている。
【0050】
ブシュ302の上方では、環状のリバウンド側ストッパ部材306がピストンロッド204に嵌め込まれている。リバウンド側ストッパ部材306は、環状のリバウンド側ストッパ円板306aと、リバウンド側ストッパ円板306aの周縁部の下面に設けられた環状のリバウンド側ストッパゴム306bとで構成されている。リバウンド側ストッパ部材306の上方では、ピストンロッド204の外周面に形成されたねじ部(図示せず)にナット314が螺合している。したがって、カラー310、バウンド側ストッパ円板308a、内筒302a、およびリバウンド側ストッパ円板306aは、ナット314によって押さえつけられることで、ピストンロッド204の外周面に固定されている。
【0051】
ナット314の上方では、減衰力調整用のアクチュエータのブラケット316がピストンロッド204に嵌め込まれている。ブラケット316の上方では、ピストンロッド204の外周面に形成されたねじ部(図示せず)にナット318が螺合しており、これによりブラケット316がピストンロッド204に固定されている。
【0052】
ブシュ収容筒110の外周部には、ベアリング304が嵌め込まれている。ベアリング304は、アウターレース304aと、インナーレース304bと、アウターレース304aとインナーレース304bに挟持されて両者の相対回転を許容するベアリングボール304cとで構成されている。インナーレース304bは、その内周面が筒状部110aの外周面に当接し、その下面が鍔部110bの上面に当接して、ブシュ収容筒110に支持されている。したがって、本実施形態のブシュ収容筒110は、ベアリング支持部としても機能している。アウターレース304aは、アウターレース把持金具320に固定されている。アウターレース把持金具320の上面にはインシュレータゴム322が固定され、インシュレータゴム322の上面にはボルト324によって車体側に固定される上金具326が固定されている。したがって、チャンバ102は、ブシュ収容筒110およびベアリング304を介して車体側に連結されている。また、ベアリングボール304cを介したアウターレース304aとインナーレース304bの相対回転によって、インナーレース304bに固定されたチャンバ102はアウターレース304aに固定された車体に対して回転することができる。
【0053】
ベアリング304のインナーレース304bは、ピストンロッド204側に延びるフランジ部304b1を有する。フランジ部304b1の上面には、リバウンド側ストッパ部材306のリバウンド側ストッパゴム306bが当接している。また、本実施形態では、フランジ部304b1がブシュ収容筒110の内周面よりもピストンロッド204側に延びている。そして、フランジ部304b1のうち、ブシュ収容筒110の内周面よりもピストンロッド204側に延びた部分の下面に、ブシュ302の外筒302bが当接している。
【0054】
車体と車輪とが接近離間するとショックアブソーバ200により減衰力が発生する。このとき、この減衰力の反力によってピストンロッド204とチャンバ102とはブシュ302のブシュゴム302cを変形させながらピストンロッド204の軸方向に相対変位する。したがって、ブシュゴム302cには、ピストンロッド204の軸方向にせん断応力が発生する。ここで、車体と車輪がバウンド方向に相対変位して接近すると、ピストンロッド204がチャンバ102に対して軸方向上向きに変位する。ピストンロッド204が軸方向上向きに変位すると、バウンド側ストッパ部材308のバウンド側ストッパゴム308bが鍔部110bの下面を押圧する。一方、車体と車輪がリバウンド方向に相対変位して離間すると、ピストンロッド204がチャンバ102に対して軸方向下向きに変位する。ピストンロッド204が軸方向下向きに変位すると、リバウンド側ストッパ部材306のリバウンド側ストッパゴム306bがフランジ部304b1の上面を押圧する。そのため、リバウンド側ストッパ部材306およびバウンド側ストッパ部材308によって、ピストンロッド204とチャンバ102の相対変位量が制限される。これにより、ブシュゴム302cに過度のせん断応力が発生することを防ぐことができる。
【0055】
以上説明したように、本実施形態に係るサスペンション装置1では、ベアリング304のインナーレース304bにフランジ部304b1を設け、フランジ部304b1にリバウンド側ストッパ部材306を当接させている。そして、フランジ部304b1をリバウンド側ストッパ部材306からの入力を受けるプレートとして機能させ、リバウンド側ストッパ部材306により製造過程におけるベアリング304の抜け止めを行っている。そのため、実施形態1と同様に、従来の構成に比べてサスペンション装置1の部品点数および製造工程数を減らすことができる。また、リバウンド側ストッパ部材306の大径化が可能である。
【0056】
また、本実施形態に係るサスペンション装置1では、フランジ部304b1がブシュ収容筒110の内周面よりもピストンロッド204側に延び、フランジ部304b1にブシュ302が当接している。そのため、ブシュ302のブシュ収容筒110への圧入と、ベアリング304のブシュ収容筒110への嵌め込みとを同時に実施することができる。すなわち、ブシュ302をブシュ収容筒110の入口にセットした状態でベアリング304を下方に押圧することで、ブシュ302がフランジ部304b1を介して下方に押圧されてブシュ収容筒110内に圧入され、あわせてベアリング304がブシュ収容筒110の外周部に嵌め込まれる。したがって、サスペンション装置1の製造工程数の削減、あるいは製造工程の簡略化を図ることができる。
【0057】
また、本実施形態に係るサスペンション装置1では、バウンド側ストッパ部材308をブシュ収容筒110の下方に配置している。これにより、バウンド側ストッパ部材308の大きさを従来の構成と比べて大きくすることができる。その結果、バウンド側ストッパ部材308の耐久性を向上させることができる。また、ブシュ収容筒110の鍔部110bにバウンド側ストッパ部材308からの入力を受けるプレートとしての機能を持たせている。そのため、バウンド側ストッパプレートを別部材として設ける必要がなく、従来の構成に比べて部品点数を削減することができる。また、バウンド側ストッパプレートをブシュ収容筒1110に固定するためのかしめ部1110cを形成する必要がなくなるため、サスペンション装置1の製造工程数を減らすことができる。
【0058】
さらに、本実施形態では、ブシュ収容筒110の筒状部110aが一枚の円筒プレートからなり、筒状部110aの内周面、すなわち当該円筒プレートの内周面にブシュ302が接し、筒状部110aの外周面、すなわち当該円筒プレートの外周面にインナーレース304bが接している。このように、連結部300は、ブシュ302とベアリング304の間にプレート一枚のみが介在する構造であるため、従来の構成に比べてベアリング304の径を小さくすることができる。その結果、より低価格のベアリング304を採用することができるため、サスペンション装置1の製造コストを削減することができる。
【0059】
本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態を組み合わせたり、当業者の知識に基づいて各種の設計変更などの変形を加えることも可能であり、そのような組み合わせられ、もしくは変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれる。上述の各実施形態同士、および上述の各実施形態と以下の変形例との組合せによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
【0060】
上述の実施形態1では、ベアリング支持部108とブシュ収容筒110とが別体であるが、これらが一体となっていてもよい。すなわち、ベアリング支持部108の環状部108aおよびブシュ収容筒110の筒状部分の両方を兼ねた一枚の円筒プレートが設けられ、この円筒プレートの外周面にベアリング304が接し、内周面にブシュ302が接する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 サスペンション装置、 100 空気ばね部、 102 チャンバ、 110 ブシュ収容筒、 112 空気室、 200 ショックアブソーバ、 202 シリンダ、 204 ピストンロッド、 214 ピストン、 300 連結部、 302 ブシュ、 304 ベアリング、 304a アウターレース、 304b インナーレース、 304b1 フランジ部、 306 リバウンド側ストッパ部材、 308 バウンド側ストッパ部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気室を構成するチャンバを有する空気ばね部と、シリンダおよび当該シリンダに挿入されたピストンロッドを有する振動緩衝部と、前記空気ばね部および前記振動緩衝部を振動受け部側に連結するための連結部と、を備えたサスペンション装置であって、
前記連結部は、
前記チャンバのブシュ収容部に収容され、内周面が前記ピストンロッドの外周面に接し、外周面が前記ブシュ収容部の内周面と接して、前記チャンバと前記ピストンロッドの相対変位を許容しながら前記チャンバと前記ピストンロッドとを連結するブシュと、
外輪部と内輪部とを有し、前記ブシュ収容部の外周部に嵌め込まれ、前記外輪部が振動受け部側に固定され、前記内輪部がチャンバ側に固定されて、前記チャンバを振動受け部に対して相対回転可能に支持するための連結環と、
前記ピストンロッドと前記チャンバの相対変位を制限するためのストッパ部材と、
を備え、
前記連結環の内輪部は、ピストンロッド側に延びるフランジ部を有し、
前記ストッパ部材は、前記ピストンロッドと前記チャンバの相対変位を制限する際に前記連結環を嵌め込み方向に押圧するように前記フランジ部に当接していることを特徴とするサスペンション装置。
【請求項2】
前記連結部は、前記ピストンロッドと前記チャンバの相対変位を制限するための他のストッパ部材を前記ブシュの上方に備え、
前記フランジ部は、前記ブシュ収容部の内周面よりも前記ピストンロッド側に延び、一方の面に前記ストッパ部材が当接し、当該一方の面に対向する他方の面に前記他のストッパ部材が当接するように構成されている請求項1に記載のサスペンション装置。
【請求項3】
前記フランジ部は、前記ブシュ収容部の内周面よりも前記ピストンロッド側に延び、一方の面に前記ストッパ部材が当接し、当該一方の面に対向する他方の面に前記ブシュが当接している請求項1に記載のサスペンション装置。
【請求項4】
前記ブシュ収容部は、一枚の円筒プレートを有し、当該円筒プレートの内周面に前記ブシュが接し、当該円筒プレートの外周面に前記連結環の内輪部が接する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のサスペンション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−30610(P2012−30610A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169428(P2010−169428)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】