説明

サングラス型睡眠検出及び防止装置

【課題】本発明は、睡眠を検出及び防止するためのサングラス型装置及び検出及び防止するための方法に関し、このような装置及び方法の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、(a)眼鏡と、(b)前記眼鏡のフレームに取り付けられた基準電極と、(c)前記眼鏡のフレームに取り付けられた脳電図入力電極と、(d)前記眼鏡のフレームに取り付けられた眼電図入力電極と、(e)前記眼鏡のフレームに取り付けられた刺激電極と、を具備したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、睡眠の検出及び防止のためのサングラス型装置、及び睡眠の検出及び防止のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の長期の生理学的な信号の検出システムは、伝統的な有線伝送技術に基づいている。多くの電極は、テスタ上に配置されることを必要としており、アナログ/ディジタル信号変換とさらなるディジタル信号処理のために、有線によって増幅器へ接続されている。それは、現実的には、多数の有線アプリケーション及びテスタの制限された動作となるので、むしろ不便である。従って、現在の生理学的信号検出システムは、毎日の生活の中で警告装置として役立つことが難しい。
【0003】
多くの検出方法は、操作が容易ではない。これらは、通常は、すべての生理学的実験を円滑に完成するための長期の訓練を伴う専門的な技能を要求する。それは、現在の生理学的信号検出システムが取り扱うことが容易ではない理由である。
【0004】
近年、いくつかの無線システムが、製造業者によって開発されてきた。しかしながら、ほとんどの無線システムは、有線の制限を取り除くことができない。ほとんどのシステムについて、電極は、有線によって主機構へ接続されることをいまだ必要としている。信号増幅及びディジタル信号処理の後で、マイクロコントローラは、ディジタル信号を無線で送信できる。システム全体は、接続のための有線をいまだ必要としている。それは、利便性が向上するが、しかし、それは、利用者の制限された動作という問題をなおも持っている。それ以外では、有線それ自体が、雑音源でもあり、ほとんどの機器の寸法はあまりにも大きいので、持ち歩くことができない。
【0005】
ほとんどの現在の記録装置の一つの欠点は、それが患者の健康状態を実時間でモニタできないことである。換言すれば、現在の記録装置は、記録期間中のリアルタイムの警告機能を持っていない。それは、睡眠の警告及び防止のために用いることが困難であろう。
【0006】
一般に、睡眠の防止及び検出を行う装置は、2つの部品、即ち、センサと、ディジタル信号プロセッサとを有する。センサの開発は、このテクノロジの上流源(upstream source)である。適切なセンサなしでは、優れたディジタル信号プロセッサでさえ、役に立たない。しかしながら、不便な操作を伴う正確なセンサは、利用者に対する利便性および快適性の要求をいずれも満たさない。従って、機能と快適性と利便性とを兼ね備えたセンサを設計するための手法は、かかるテクノロジ開発のための重要因子である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的の一つは、睡眠を検出及び防止するためのサングラス型装置を提供することにある。
また、本発明の目的の一つは、睡眠を検出及び防止するための方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の装置の一つは、睡眠を検出及び防止するためのサングラス型装置であって、(a)眼鏡と、(b)前記眼鏡のフレームに取り付けられた基準電極と、(c)前記眼鏡のフレームに取り付けられた脳電図入力電極と、(d)前記眼鏡のフレームに取り付けられた眼電図入力電極と、(e)前記眼鏡のフレームに取り付けられた刺激電極とを具備したことを特徴としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
ディジタル診断技術の分野は、近年、多くのブレークスルー及び革新を手に入れた。電子技術は、電子デバイスを小型化および省エネルギー化するために、向上している。近年、睡眠解析システムが、睡眠期間中の脳電図及び眼電図の変化を観察することによって、脳電図及び眼電図信号を基盤にして開発されてきた。現在の睡眠に関する療法の一つの重要な問題点は、勤務時間中に居眠りしている運転者又は危険な仕事を実行する人々による事故をいかに避けるかである。本発明は、脳電図及び眼電図といった2つの生理学的信号を計測することと、遠隔地点の解析システムへ無線により信号を伝送することとを可能とする、便利で且つ苦痛のないセンサを設計するためのものである。これらの信号は、増幅及びろ過の後、後段のディジタル信号処理の適切な解析及び応答のための源として役立つことができる。計器及び眼鏡の全体にわたる適切な調整は、ユーザが、眼鏡を着用するほど容易に睡眠検知及び防止システムを活用することを可能とする。本発明は、基準電極と脳電図入力電極と眼電図入力電極と刺激電極といった4つの電極を具備し、眼鏡フレームとともに合体した、検知及び刺激を行うシステムに関する。利用者の脳電図及び眼電図は、利用者が睡眠中か睡眠しそうかを区別するために計測され、信号は、適切な解析及び応答のために、遠隔地点の受信機へ無線で伝送される。利用者が、居眠り中又は居眠りしそうなとき、車を止め又は更なる応答のために利用者を起床させるために、眼鏡上の刺激装置は、弱い電気を送信し、又はブザーから音響を発生し、或いは、遠隔受信機は、警察又は関係部局へ信号を送信することができる。
【0010】
この眼鏡型睡眠検出及び防止装置は、容易に操作されるばかりでなく、運転者又は危険作業を実行する人々が居眠りしようとしているかどうかを監視することができるとともに、遅れずに彼らを起床させることができる。運転者又は危険作業を行う人々は、不恰好又は不便な装置或いはいかなる配線を備える必要が無く、ただ、眼鏡型睡眠検出及び防止装置を備えていればよい。作業中に油断をしてはならない作業者達のために、将来の応用のための特別な制限は無い。一方、この眼鏡型睡眠検出及び防止装置は、煩わしくないとともに、これは、利用者の生物学的状態を苦痛無しで、監視できる。この眼鏡型睡眠検出及び防止装置は、さらに、個人対応した生物学的監視をすべての人に対して適用可能である。各個人は、さらなる訓練無しで家庭でこの装置を使用することができる。眼鏡のデザインは、多様であるとともに、様々なデザインの眼鏡とともに結合されたこの装置は、サングラスのように、その応用を向上することが可能である。この装置が利用者が居眠りしていることを検知するとき、このセンサは、信号を受信機へ送信するとともに、入力電極からの信号は、受信機へ送信され、この受信機は、どのコンピュータ又はポータルコンピュータシステム(セルフォン、PDA、又は、特化したコンピュータシステム)へも、実時間解析及び重要な刺激のために、接続される。刺激信号が、本発明の刺激装置へ送信され、刺激装置は、利用者を起床させるために、又は、利用者に運転を停止させるために、警告又は警鐘を発生し、又は、信号を警察又は関係部局へ送信する。
【0011】
従って、本発明は、睡眠を検出及び防止するためのサングラス型装置を提供するものであり、
(a)眼鏡と、
(b)眼鏡のフレームへ取り付けられた基準電極と、
(c)眼鏡のフレームへ取り付けられた脳電図入力電極と、
(d)眼鏡のフレームへ取り付けられた眼電図入力電極と、
(e)眼鏡のフレームへ取り付けられた刺激電極と
を具備している。
【0012】
好ましい実施形態においては、脳電図入力電極は、信号増幅及びろ過の後のさらなるディジタル信号処理のための源として耳後部から弱い脳電信号を検知する。他の好ましい実施形態においては、眼電図入力電極は、信号増幅及びろ過の後のさらなるディジタル信号処理のための源として鼻梁の側面から弱い眼電図信号を検知する。
【0013】
本発明は、
(a)脳電図信号及び眼電図信号を同時に検出及び計算するために、利用者に、基準電極と脳電図入力電極と眼電図入力電極と刺激電極として4つの電極が取り付けられたサングラスを具備する装置を装着する段階と、
(b)刺激電極を活性化するために、脳電図及び眼電図の両方の減少とともに、アルファ波の増大を検出する段階と、
(c)刺激電極によって利用者を起床させる段階と
を具備する、睡眠を検出及び防止するための方法も提供する。
【0014】
本発明は、さらに、
(a)脳電図信号及び眼電図信号を同時に検出及び計算するために、利用者に、基準電極と脳電図入力電極と眼電図入力電極と刺激電極として4つの電極が取り付けられたサングラスを具備する装置を装着する段階と、
(b)刺激電極を活性化するために、脳電図及び眼電図の両方が減少するものの、アルファ波が増加しない段階と、
(c)刺激電極によって利用者を起床させる段階と
を具備する、睡眠を検出及び防止するための方法を提供する。
【0015】
以下の事例は、本発明を説明するとともに、同じものに限定されない。
【0016】
・実施形態
実施形態1:本発明におけるセンサ
図1に示すように、このセンサは、眼鏡に組み込まれた4つの電極を具備する。参照(Ref, 50)は、共通の基準電極であり、脳電図(EEG, 60)は、脳電図入力電極であり、眼電図(EOG, 70)は、眼電図入力電極であり、刺激(STI, 80)は、利用者の目を覚まさせるための弱い信号を生成するための刺激電極である。電池又は増幅器/受信機のいずれかが、眼鏡の一方側上に設けられている。すべての電極、及び増幅器、及びバッテリは、眼鏡に完全に結合している。
【0017】
実施形態2:本発明の操作方法
図1に示すように、このセンサは、鼻梁及び耳後部に着用する通常の眼鏡として使用することができる。眼鏡の両側は、電池及び増幅器/ブザーである。入力電極からのすべての信号は、受信機へ無線で送信され、この受信機は、あらゆるコンピュータ又は可搬型のコンピュータシステム(セルフォン、PDA、又は特別なコンピュータシステム)へ接続される。コンピュータシステムからの生物学的信号は、実時間解析のために、(有線又は無線伝送によって)インターネットを経由して、他のコンピュータへ送信される。実時間解析が、利用者が居眠り中又は居眠りしそうであることを示す場合、コンピュータは、利用者を起こす電気を生成するために、信号を刺激電極へ返送するであろう。
【0018】
実施形態3:脳電図及び眼電図信号の収集
眼鏡の端の上の電極は、脳電図信号を収集できるとともに、この信号を増幅器へ送信できる。この脳電図信号は、信号解析のために遠隔受信コンピュータへ無線で送信される。このシステムが、利用者が居眠り中或いは居眠りしそうであることを検出した場合、前記信号は、センサへ送信されるとともに、刺激信号は、利用者を目覚めさせるために、鼻梁上の刺激電極によって、生成される。鼻梁近傍の入力電極は、眼電図信号を効果的に収集するとともに、これを増幅器へ送信することができる。無線送信は、データ解析のために、眼電図信号を遠隔コンピュータへ送信することができる。システムが、利用者が居眠りしようとしていることを検出した場合、鼻梁上の刺激電極は、利用者を目覚めさせるための信号を生成することができる。図4に示すように、120秒期間以内には、被験者は、0〜40秒の間の起床状態であり、被験者は、略42秒の静かな休息状態に入るとともに、被験者は、脳電図の明らかな変化及びアルファ波の明瞭な出現を伴って、略53秒自身の目を閉じる。これは、電気刺激を伴って利用者が起床している間の参照数の変化も示す。
【0019】
実施形態4:睡眠検出及び防止方法のフローチャート
図3に示すように、本発明の方法は、
(1)個人別のパワー(EEGp,EOGp)を計算するためのEEG及びEOGのスペクトル解析と、
(2)EEG信号に対する、アルファ波パワー(8〜13Hz)の詳細な解析とを具備し、
(3)EEGp又はEOGp信号が強い場合に、これは、利用者が起きていることを意味する運動又は強い眼球運動からのノイズ信号を示し、
(4)EEGp及びEOGp信号が低減する場合、これは、利用者が睡眠中であることを意味し、
(5)第4の状態の下で、アルファ波信号が立ち上がり中の場合、これは、利用者の眼が閉じていることを意味し、
(6)第4及び5の状態の下で、睡眠検出及び防止装置である本発明は、利用者を起床させるために、適切な警告を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】4つの電極を具備した睡眠検出及び防止のためのサングラス型装置の構造図である。Ref(50)は共通の基準電極であり、EEG(60)は脳電図入力電極であり、EOG(70)は眼電図入力電極であり、STI(80)は、利用者に刺激を与え又は起床させるための弱い信号を生成するための刺激電極である。
【図2】本発明の内部無線生物学的信号受信機の一例のブロック図である。
【図3】本発明の睡眠検出及び防止方法のフローチャートである。
【図4】2つの耳後部電極からの脳電図と、耳後部及び鼻梁からの眼電図の周波数解析図である。
【符号の説明】
【0021】
10 本発明のサングラス型部品
20 眼鏡
30 電池
40 増幅器/受信機/ブザー
50 共通の基準電極
60 脳電図入力電極
70 眼電図入力電極
80 刺激電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)眼鏡と、
(b)前記眼鏡のフレームに取り付けられた基準電極と、
(c)前記眼鏡のフレームに取り付けられた脳電図入力電極と、
(d)前記眼鏡のフレームに取り付けられた眼電図入力電極と、
(e)前記眼鏡のフレームに取り付けられた刺激電極と
を具備したことを特徴とする睡眠を検出及び防止するためのサングラス型装置。
【請求項2】
前記脳電図入力電極は、信号増幅及びろ過後のさらなるディジタル信号処理の源として、耳後部からの弱い脳電図信号を検出することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記眼電図入力電極は、信号増幅及びろ過後のさらなるディジタル信号処理の源として、鼻梁の側面からの弱い眼電図信号を検出することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記刺激電極は、利用者を起床させるとともに利用者の注意喚起を維持するために、弱い電気又は音響を生成することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記音響は、ブザーによって生成されることを特徴とする請求項4に記載の装置
【請求項6】
(a)利用者に、4つの電極が取り付けられたサングラスを具備した装置を着用させる段階であって、該4つの電極は、脳電図及び眼電図信号を同時に検出及び計算するための、基準電極と脳電図入力電極と眼電図入力電極と刺激電極であり、
(b)刺激電極を活性化するために、脳電図(electroencephalogram)及び眼電図(electrooculogram)の両方が減少するとともにアルファ波が増加することを検出する段階と、
(c)刺激電極によって、利用者を起床させる段階と
を具備したことを特徴とする睡眠の検出及び防止のための方法。
【請求項7】
サングラス型睡眠検出及び防止装置によって生成される前記信号は、無線で受信機へ送信されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記受信機は、実時間解析のため或いは警察又は関係部局へ信号を送信するために、いずれかのコンピュータ又は可搬型コンピュータシステムへ接続されていることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記可搬型コンピュータシステムは、セルフォン又はPDA又は特化したコンピュータシステムを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記刺激電極が生成する起床又は警告応答は、弱い電気又は音響を含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記刺激電極は、利用者を起床させる又は注意喚起をすることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記刺激電極は、ブザーによって音響を生成することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
(a)利用者に、4つの電極が取り付けられたサングラスを具備した装置を装着させる段階であって、該4つの電極は、脳電図及び眼電図信号を同時に検出及び計算するための、基準電極及び脳電図入力電極及び眼電図入力電極及び刺激電極であり、
(b)刺激電極を活性化するために、脳電図及び眼電図の両方が減少するものの、アルファ波が減少しない段階と、
(c)刺激電極によって利用者を起床させる段階と
を具備したことを特徴とする睡眠を検出及び防止するための方法。
【請求項14】
サングラス型睡眠検出及び防止装置によって生成される前記信号は、無線で受信機へ送信されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記受信機は、実時間解析或いは警察又は関係部局へ信号を送信するために、いずれかのコンピュータ又は可搬型コンピュータシステムに接続されていることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記可搬型コンピュータシステムは、セルフォン又はPDA又は特化したコンピュータシステムを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記刺激電極が生成した起床又は警告応答は、弱い電気又は音響を含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
刺激電極は、利用者を起床させる又は注意喚起をすることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記刺激電極は、ブザーによって音響を生成することを特徴とする請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−264551(P2008−264551A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−109495(P2008−109495)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【出願人】(501078579)ナショナル・ヤン・ミン・ユニヴァーシティ (3)
【Fターム(参考)】