サーバ装置
【課題】電話端末とデータ端末とを連動させるシステムにあって、セッション確立されたデータ端末間の通信帯域を各ユーザが意識することなく最適な通信帯域に設定し得るサーバ装置を提供する。
【解決手段】VCSサーバSVAにおいて、複数のデータ端末をネットワーク環境に応じてグループ化してこのグループと複数のデータ端末とを対応付けたグループテーブル134と、各グループの組み合わせとセッション確立される複数のデータ端末間で利用可能な帯域値とを対応付けた通信帯域テーブル135とを設け、主装置から呼情報イベントを受信した場合に、制御部12の帯域割当制御部123によりグループテーブル134及び通信帯域テーブル135を参照して、セッション確立されるデータ端末に対しグループ単位で通信帯域の割り当てを行なうようにしている。
【解決手段】VCSサーバSVAにおいて、複数のデータ端末をネットワーク環境に応じてグループ化してこのグループと複数のデータ端末とを対応付けたグループテーブル134と、各グループの組み合わせとセッション確立される複数のデータ端末間で利用可能な帯域値とを対応付けた通信帯域テーブル135とを設け、主装置から呼情報イベントを受信した場合に、制御部12の帯域割当制御部123によりグループテーブル134及び通信帯域テーブル135を参照して、セッション確立されるデータ端末に対しグループ単位で通信帯域の割り当てを行なうようにしている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば電話交換装置に対し通信路を介してサーバ装置を接続し、音声信号に加え映像信号やコンピュータデータ等も取り扱えるようにしたビジュアルコミュニケーションシステムのサーバ装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスや事業所では、構内ネットワークシステムが用いられている。この構内ネットワークシステムは、例えば電話機を構内交換装置(PBX:Private Branch Exchange)やボタン電話装置といった電話交換装置に内線端末として収容し、内線端末と公衆網等の外部通信網との間及び内線端末相互間を電話交換装置により交換接続して通話を可能にしている。
【0003】
また、最近では、テレビ電話端末やパーソナル・コンピュータ等のデータ端末を接続したサーバを伝送路を介して電話交換装置に接続し、電話交換装置を用いた音声通信系と、サーバを用いたデータ通信系とを連動させるシステムも提案されている。
【0004】
ところで、上記のような電話交換装置とサーバとの並列型のシステムにあっては、データ端末間のデータ通信接続を電話端末の呼状態に連動させて、テレビ会議等を構築するといったビジュアルコミュニケーションシステムについても強く望まれている。ところで、サーバと複数のデータ端末との間の通信ネットワークにあっては、使用時間帯や使用環境等によって処理負荷やトラフィック負荷が大きくなる場合があり、データ端末間のセッション確立にエラーが発生することもある。
【0005】
なお、従来では、サーバにてセッション確立を行うデータ端末の品質情報(使用可能なコーデック/帯域情報)をそれぞれから取得し、最適な帯域を算出してそれぞれのデータ端末へ通知することにより、データ端末間で最適な帯域にてセッションを確立させる手法も提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−129981公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記手法では、データ端末の品質情報の取得からデータ端末間のセッション確立までの処理をサーバで実行しているため、サーバにおける処理負荷が大きくなる。このことは、システムの規模が大きくなればなるほど顕著となる。
【0007】
そこで、この発明の目的は、電話端末とデータ端末とを連動させるシステムにあって、セッション確立されたデータ端末間の通信帯域を各ユーザが意識することなく最適な通信帯域に設定し得るサーバ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上記目的を達成するために、以下のように構成される。
呼接続が行なわれる複数の電話端末を特定する電話IDを含む呼情報イベントを受信し、複数の電話端末の電話IDにそれぞれ関連付けられ、かつデータIDが割り当てられた複数のデータ端末における通信接続を呼接続に連動させるサーバ装置において、複数のデータ端末を分割して構成したグループと、これらグループに属するデータ端末のデータIDとの対応関係を表すグループテーブルを記憶する第1の記憶手段と、複数のグループの組み合わせと、通信接続が行なわれる複数のデータ端末間で利用可能な帯域との対応関係を表す帯域テーブルを記憶する第2の記憶手段と、呼情報イベント受信時に、呼情報イベントに含まれる電話IDに関連付けられたデータIDに基づいて、グループテーブル及び帯域テーブルを参照し、この参照結果に基づいてデータIDに対応したデータ端末間の通信接続を実行し、これらデータ端末に対し帯域を割り当てる制御手段とを備えるようにしたものである。
【0009】
この構成によれば、複数のデータ端末をネットワーク環境に応じてグループ化してこのグループと複数のデータ端末とを対応付けたグループテーブルと、各グループの組み合わせと通信接続が行なわれる複数のデータ端末間で利用可能な帯域とを対応付けた帯域テーブルとを用意したことにより、呼情報イベントを受信した場合に、グループテーブル及び帯域テーブルを参照して、通信接続されるデータ端末に対しグループ単位で通信帯域の割り当てを行なうことができる。
【0010】
従って、例えば複数の会社や複数の部署、個人が1つのシステムを共用する場合に、各会社、各部署または個人ごとに利用可能な通信帯域を割り当てることができ、これによりシステムを利用するユーザは自身の環境を意識することなく、最適な形でビデオ通信を行なうことができる。また、データ端末単位で通信帯域を割り当てる場合に比べてメモリ容量を圧迫することなく、さらに処理負荷も軽減できる。
【0011】
第2の記憶手段が、互いに異なる複数の帯域テーブルを記憶している場合に、予め決められた条件に基づいて複数の帯域テーブルのうちの1つを選択的に有効状態に設定する設定切替制御手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、例えば時間帯や通信トラフィック等に応じて最適な帯域テーブルを選択設定して通信帯域の割り当て制御を行うことが可能となり、また設定を行なう保守者の負担は最小限に抑えられる。
【0013】
予め決められた条件に基づいて、グループテーブル中の任意のデータ端末が属するグループを更新する更新手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、任意のデータ端末について企業内で使用される場合については通信帯域が広いグループに属し、家庭内で使用される場合については通信帯域が狭いグループに属する等、利用環境等に応じて最適なグループに変更することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上詳述したようにこの発明によれば、電話端末とデータ端末とを連動させるシステムにあって、セッション確立されたデータ端末間の通信帯域を各ユーザが意識することなく最適な通信帯域に設定し得るサーバ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この発明の第1の実施形態に係わるビジュアルコミュニケーションシステムを示す概略構成図である。
【0017】
このシステムは、同図に示すように、主装置BTと、VCS(Video Communication Solution)サーバSVAとを備え、これら主装置BTとVCSサーバSVAとの間をLAN(Local Area Network)1により接続している。
【0018】
主装置BTは、内線端末T11〜T1iを内線を介して収容している。また、主装置BTは公衆網NWに局線Lを介して接続されている。そして、主装置BTは、内線端末T11〜T1i相互間、もしくは内線端末T11〜T1iと公衆網NWとの間の交換処理を実行する。
【0019】
VCSサーバSVAは、複数のデータ端末PC1〜PCnをIPネットワークIPNを介して収容している。これらのデータ端末PC1〜PCnは、いずれも汎用のパーソナル・コンピュータからなり、各内線端末T11〜T1iにそれぞれ関連して動作するものである。
【0020】
上記VCSサーバSVAは、主装置BTに対する付加的機能を実行するもので、例えば映像等のメディア情報を処理する。
【0021】
図2は、上記VCSサーバSVAの機能構成を示すブロック図である。
VCSサーバSVAは、LANインタフェース(I/F)部11と、制御部12と、記憶部13と、PCインタフェース(I/F)部14とを備えている。このうち、LANインタフェース部11は、LAN1との間でインタフェース処理を行うものである。
【0022】
PCインタフェース部14は、データ端末PC1〜PCnとの間のインタフェース処理を行うものである。
【0023】
記憶部13は、上記制御部12の接続制御に必要なルーティング情報等を格納している。さらに、記憶部13には、接続情報管理テーブル131と、内線端末−VC関連付けテーブル132と、セッション情報管理テーブル133と、グループテーブル134と、通信帯域テーブル135とが設けられる。
【0024】
接続情報管理テーブル131には、図3に示す如く、内線端末T11〜T1iそれぞれの電話番号(電話ID)と、接続状態を示す状態情報との対応関係を表すデータが記憶されている。なお、t1〜t9は上記内線端末T11〜T19それぞれの電話IDを示している。ここでは、説明を簡単にするため、内線端末T11〜T19とする。
【0025】
内線端末−VC関連付けテーブル132には、図4に示すように、内線端末T11〜T1iとデータ端末(VC)PC1〜PCnとの対応関係を示すデータが記憶されている。なお、図中A〜Iは、データ端末PC1〜PC9それぞれのユーザIDを示している。
【0026】
セッション情報管理テーブル133には、図5に示すように、データ端末PC1〜PC9間のセッション状態を示す情報が記憶されている。
【0027】
グループテーブル134には、図6に示すように、ネットワーク環境に応じてデータ端末PC1〜PC9を分割して構成した複数のグループGroup1,Group2,Group3と、これらのグループGroup1,Group2,Group3に属する複数のデータ端末PC1〜PC9のユーザIDとの対応関係を表すデータが記憶されている。
【0028】
通信帯域テーブル135には、図7に示すように、グループGroup1,Group2,Group3の組み合わせと、利用帯域値との対応関係を表すデータが記憶されている。
【0029】
一方、制御部12は、データ端末PC1〜PCnの状態管理やデータ端末PC1〜PCnと内線端末T11〜T1iとの連携動作に係わる制御機能に加え、この発明に係わる新たな機能として、接続情報登録部121と、セッション制御部122と、帯域割当制御部123とを備えている。
【0030】
接続情報登録部121は、主装置BTから通知された呼情報イベントを分析することで、例えば内線端末T15と内線端末T16が通話中になったことを判断し、接続情報管理テーブル131の状態情報「t5−t6」を追加する。
【0031】
セッション制御部122は、上記状態情報に基づき、内線端末−VC関連付けテーブル132により内線端末T15はデータ端末PC5に、内線端末T16はデータ端末PC6に関連付いていることを読み出して、セッション情報管理テーブル133によりデータ端末PC5,PC6のセッション状態を検索する。例えば、これから通話を開始するような場合、データ端末PC5,PC6はセッションが開始されていないため、セッション制御部122はデータ端末PC5,PC6のセッションを開始するように制御する。そして、セッション制御部122は、データ端末PC5,PC6のセッションが確立すると、セッション情報管理テーブル133の記憶内容を更新する。
【0032】
帯域割当制御部123は、上記セッション制御部122によりセッション確立を行う場合に、グループテーブル134をもとにデータ端末PC5,PC6それぞれのグループ名を判定する。ここでは、データ端末PC5,PC6がGroup2に属するので、通信帯域テーブル135をもとに割り当てる通信帯域値を決定し、Group2−Group2間であるので、「1.5Mbps」を割り当てる。
【0033】
次に、以上のように構成されたビジュアルコミュニケーションシステムの動作を説明する。
図8は、上記データ端末PC5,PC6を内線端末T15,T16に関連付ける場合の動作を示すシーケンス図である。図9は、データ端末PC5,PC6に割り当てる通信帯域値を決定する際のVCSサーバSVAの制御処理手順を示すフローチャートである。
【0034】
データ端末PC5,PC6は、VCSサーバSVAへのログオン時に、ユーザ名(ユーザID)、関連付け電話番号をVCSサーバSVAへ送信し、受け取ったVCSサーバSVAはその情報をクライアント情報として記憶部13の内線端末−VC関連付けテーブル132に登録、保持する(図8(1))。
【0035】
例えば内線端末T16においてユーザが、内線端末T15への通話を要求する操作を行なったとする。そうすると内線端末T16からその要求信号が主装置BTに送られる。この通信確立要求信号を受信すると主装置BTは、着信先の内線端末T15を呼び出す。そして、これに対し内線端末T15が応答すると、内線端末T15と内線端末T16との間に通信リンクを形成し(図8(2))、内線端末T15,T16間が通話中である旨を示す呼情報イベントをVCSサーバSVAに送信する(図8(3))。
【0036】
VCSサーバSVAは、呼情報イベントを受信すると(ステップST9a)、まずこの呼情報イベントに含まれる内線端末T15,T16の電話ID(t5,t6)を対応付けて接続情報管理テーブル131に記憶する。
【0037】
そして、VCSサーバSVAは、内線端末−VC関連付けテーブル132を参照して、内線端末T15,T16にそれぞれ関連付けられたデータ端末PC5,PC6が存在するか否かの判定を行なう(ステップST9b)。ここでは、存在しているので、VCSサーバSVAはデータ端末PC5,PC6が属するグループ「Group2」をグループテーブル134から読み出し(ステップST9c)、通信帯域テーブル135を参照して、「Group2−Group2」に対応する最適帯域値「1.5MHz」を決定し(ステップST9e)、決定した帯域値を用いてデータ端末PC5,PC6へ制御信号を送信する(ステップST9e)。以後、データ端末PC5、PC6は受け取った帯域値を用いてビデオ通信を開始する。
【0038】
なお、データ端末PC1〜PCnは様々なネットワーク環境に位置することが考えられ、利用可能なネットワーク帯域の大きさも異なる。あらゆる環境間でビデオ通信を行う可能性があるため、通信に用いる帯域値は環境に応じた適切な値を用いる必要がある。
【0039】
そこで、ネットワーク環境を考慮したグループ化を行い、グループ間毎の最適な利用帯域の設定を可能とする。例えばGroup1は利用可能帯域が低く、Group2、Group3はある程度余裕のある環境であると想定する。各データ端末PC1〜PCnをどのグループとするかは、保守者が保守端末よりデータ端末PC1〜PCn毎に設定可能とし、VCSサーバSVAはその情報を保持する。各グループ間での利用帯域値も保守者が設定し、通話開始に至った際にそれぞれのデータ端末PC1〜PCnがどのグループに属するかを把握し、最適な帯域値を決定する。通信帯域テーブル135により、Group1−Group2間、Group1−Group3間では低い帯域とし、Group2−Group3間ではある程度大きな帯域値を利用する。
【0040】
以上のように上記第1の実施形態では、VCSサーバSVAにおいて、複数のデータ端末PC1〜PCnをネットワーク環境に応じてグループ化してこのグループ(Group1,Group2,Group3)と複数のデータ端末PC1〜PCnとを対応付けたグループテーブル134と、各グループの組み合わせとセッション確立される複数のデータ端末PC1〜PCn間で利用可能な帯域値とを対応付けた通信帯域テーブル135とを設け、主装置BTから呼情報イベントを受信した場合に、グループテーブル134及び通信帯域テーブル135を参照して、セッション確立されるデータ端末PC5,PC6に対しグループ単位で通信帯域の割り当てを行なうようにしている。
【0041】
従って、例えば複数の会社や複数の部署、個人が1つのシステムを共用する場合に、各会社、各部署または個人ごとに利用可能な通信帯域を割り当てることができ、これによりシステムを利用するユーザは自身の環境を意識することなく、最適な形でビデオ通信を行なうことができる。
【0042】
また、データ端末PC1〜PCn単位で通信帯域を割り当てる場合に比べて記憶部13の容量を圧迫することなく、さらに制御部12における処理負荷も軽減できる。
【0043】
(第2の実施形態)
図10は、この発明の第2の実施形態として、VCSサーバSVBの機能構成を示すブロック図である。なお、図10において、上記図2と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0044】
記憶部13には、スケジュールテーブル136が設けられている。このスケジュールテーブル136には、図11に示すように、時間帯(開始時刻及び終了時刻)と、複数の通信帯域テーブル135の識別子との対応関係を表すデータが記憶されている。
【0045】
一方、制御部12は、テーブル切替制御部124を備えている。テーブル切替制御部124は、スケジュールテーブル136を参照して、図12に示す複数の通信帯域テーブル135のうちの1つを選択的に有効状態に設定する。
【0046】
次に、上記構成における運用について説明する。
上記システムを運用する中で、1日のうちである決まった時間帯ごとに設定を変えることでより柔軟な設定が可能となる。この場合、スケジューリングを行うことで自動で設定を変更することができれば、保守者の負担を軽減することができる。
【0047】
そこで、先に記述した通信帯域テーブル135を複数設け、保守者が時間帯に応じて必要な通信帯域テーブル135の識別子をスケジュールテーブル136に予め登録しておくことで、スケジューリングによる自動設定を実現する。
【0048】
すなわち、VCSサーバSVBは、例えば時刻が17:00になると、通信帯域テーブル135をテーブル1からテーブル2に切り替え、20:00になるとテーブル2からテーブル3に切り替え、12:00になるとテーブル3からテーブル1に切り替える。
【0049】
以上のように上記第2の実施形態であれば、例えば時間帯に応じて通信帯域テーブル135を自動的に変更することが可能となり、また設定を行なう保守者の負担は最小限に抑えられる。なお、上記通信帯域テーブル135の切替条件としては、時間帯以外に例えば通信トラフィック等を用いることが可能である。
【0050】
(第3の実施形態)
図13は、この発明の第3の実施形態として、VCSサーバSVCの機能構成を示すブロック図である。なお、図13において、上記図2と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0051】
制御部12は、グループ更新制御部125を備えている。グループ更新制御部125は、例えばデータ端末PC2が企業から家庭に移動された場合に、グループテーブル134中のデータ端末PC2が属するグループを更新する。
【0052】
次に、上記構成における運用について説明する。
システムを利用するユーザが、社内のデータ端末PC1からログオンする場合もあれば、自宅のデータ端末PC1からログオンする場合も考えられる。つまり、同一クライアントがその利用環境を変更することが想定される。環境の違いはIPアドレス体系の違いとして現れることが多く、またユーザがログオンした際、VCSサーバSVCはログオンを行ったデータ端末PC1のIPアドレスがわかるため、予め保守者によりIPアドレス体系とグループの関連付けを設定しておき、その環境に応じてデータ端末PC1に対するグループを変更することも可能となる。これにより、同一クライアントによる利用環境の変更に対応することができる。
【0053】
なお、使用場所以外に、例えば通信トラフィックや時間帯等を条件に用いて、データ端末PC1〜PCnに対するグループ変更を行なうようにしてもよい。
【0054】
(その他の実施形態)
この発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。例えば上記各実施形態では、主装置とVCSサーバとを別々に設ける例について説明したが、VCSサーバ内に主装置の機能を組み込むようにしてもよい。
【0055】
その他、VCSサーバの構成及び種類、電話交換装置の種類(主装置に限らずPBXでもよい)や内線端末の種類、データ端末の種類、各種テーブルの記憶内容、データ端末間のセッション制御方法やグループ変更方法等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】この発明の第1の実施形態に係わるビジュアルコミュニケーションシステムを示す概略構成図。
【図2】図1に示したVCSサーバの機能構成を示すブロック図。
【図3】上記図2に示した接続情報管理テーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図4】上記図2に示した内線端末−VC関連付けテーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図5】上記図2に示したセッション情報管理テーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図6】上記図2に示したグループテーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図7】上記図2に示した通信帯域テーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図8】同第1の実施形態において、データ端末を内線端末に関連付ける場合の動作を示すシーケンス図。
【図9】データ端末に割り当てる通信帯域値を決定する際のVCSサーバの制御処理手順を示すフローチャート。
【図10】この発明の第2の実施形態として、VCSサーバの機能構成を示すブロック図。
【図11】上記図10に示したスケジュールテーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図12】上記図10に示した通信帯域テーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図13】この発明の第3の実施形態として、VCSサーバSVCの機能構成を示すブロック図。
【図14】同第3の実施形態における同一のデータ端末を違う環境へ移動した際の動作を説明するために示す図。
【符号の説明】
【0057】
1…LAN(Local Area Network)、11…LANインタフェース(I/F)部、12…制御部、13…記憶部、14…PCインタフェース(I/F)部、121…接続情報登録部、122…セッション制御部、123…帯域割当制御部、124…テーブル切替制御部、125…グループ更新制御部、131…接続情報管理テーブル、132…内線端末−VC関連付けテーブル、133…セッション情報管理テーブル、134…グループテーブル、135…通信帯域テーブル、136…スケジュールテーブル、T11〜T1i…内線端末、L…局線、NW…公衆網、BT…主装置、PC1〜PCn…データ端末、SVA,SVb,SVC…VCSサーバ、IPN…IPネットワーク。
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば電話交換装置に対し通信路を介してサーバ装置を接続し、音声信号に加え映像信号やコンピュータデータ等も取り扱えるようにしたビジュアルコミュニケーションシステムのサーバ装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスや事業所では、構内ネットワークシステムが用いられている。この構内ネットワークシステムは、例えば電話機を構内交換装置(PBX:Private Branch Exchange)やボタン電話装置といった電話交換装置に内線端末として収容し、内線端末と公衆網等の外部通信網との間及び内線端末相互間を電話交換装置により交換接続して通話を可能にしている。
【0003】
また、最近では、テレビ電話端末やパーソナル・コンピュータ等のデータ端末を接続したサーバを伝送路を介して電話交換装置に接続し、電話交換装置を用いた音声通信系と、サーバを用いたデータ通信系とを連動させるシステムも提案されている。
【0004】
ところで、上記のような電話交換装置とサーバとの並列型のシステムにあっては、データ端末間のデータ通信接続を電話端末の呼状態に連動させて、テレビ会議等を構築するといったビジュアルコミュニケーションシステムについても強く望まれている。ところで、サーバと複数のデータ端末との間の通信ネットワークにあっては、使用時間帯や使用環境等によって処理負荷やトラフィック負荷が大きくなる場合があり、データ端末間のセッション確立にエラーが発生することもある。
【0005】
なお、従来では、サーバにてセッション確立を行うデータ端末の品質情報(使用可能なコーデック/帯域情報)をそれぞれから取得し、最適な帯域を算出してそれぞれのデータ端末へ通知することにより、データ端末間で最適な帯域にてセッションを確立させる手法も提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−129981公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記手法では、データ端末の品質情報の取得からデータ端末間のセッション確立までの処理をサーバで実行しているため、サーバにおける処理負荷が大きくなる。このことは、システムの規模が大きくなればなるほど顕著となる。
【0007】
そこで、この発明の目的は、電話端末とデータ端末とを連動させるシステムにあって、セッション確立されたデータ端末間の通信帯域を各ユーザが意識することなく最適な通信帯域に設定し得るサーバ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上記目的を達成するために、以下のように構成される。
呼接続が行なわれる複数の電話端末を特定する電話IDを含む呼情報イベントを受信し、複数の電話端末の電話IDにそれぞれ関連付けられ、かつデータIDが割り当てられた複数のデータ端末における通信接続を呼接続に連動させるサーバ装置において、複数のデータ端末を分割して構成したグループと、これらグループに属するデータ端末のデータIDとの対応関係を表すグループテーブルを記憶する第1の記憶手段と、複数のグループの組み合わせと、通信接続が行なわれる複数のデータ端末間で利用可能な帯域との対応関係を表す帯域テーブルを記憶する第2の記憶手段と、呼情報イベント受信時に、呼情報イベントに含まれる電話IDに関連付けられたデータIDに基づいて、グループテーブル及び帯域テーブルを参照し、この参照結果に基づいてデータIDに対応したデータ端末間の通信接続を実行し、これらデータ端末に対し帯域を割り当てる制御手段とを備えるようにしたものである。
【0009】
この構成によれば、複数のデータ端末をネットワーク環境に応じてグループ化してこのグループと複数のデータ端末とを対応付けたグループテーブルと、各グループの組み合わせと通信接続が行なわれる複数のデータ端末間で利用可能な帯域とを対応付けた帯域テーブルとを用意したことにより、呼情報イベントを受信した場合に、グループテーブル及び帯域テーブルを参照して、通信接続されるデータ端末に対しグループ単位で通信帯域の割り当てを行なうことができる。
【0010】
従って、例えば複数の会社や複数の部署、個人が1つのシステムを共用する場合に、各会社、各部署または個人ごとに利用可能な通信帯域を割り当てることができ、これによりシステムを利用するユーザは自身の環境を意識することなく、最適な形でビデオ通信を行なうことができる。また、データ端末単位で通信帯域を割り当てる場合に比べてメモリ容量を圧迫することなく、さらに処理負荷も軽減できる。
【0011】
第2の記憶手段が、互いに異なる複数の帯域テーブルを記憶している場合に、予め決められた条件に基づいて複数の帯域テーブルのうちの1つを選択的に有効状態に設定する設定切替制御手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、例えば時間帯や通信トラフィック等に応じて最適な帯域テーブルを選択設定して通信帯域の割り当て制御を行うことが可能となり、また設定を行なう保守者の負担は最小限に抑えられる。
【0013】
予め決められた条件に基づいて、グループテーブル中の任意のデータ端末が属するグループを更新する更新手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、任意のデータ端末について企業内で使用される場合については通信帯域が広いグループに属し、家庭内で使用される場合については通信帯域が狭いグループに属する等、利用環境等に応じて最適なグループに変更することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上詳述したようにこの発明によれば、電話端末とデータ端末とを連動させるシステムにあって、セッション確立されたデータ端末間の通信帯域を各ユーザが意識することなく最適な通信帯域に設定し得るサーバ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この発明の第1の実施形態に係わるビジュアルコミュニケーションシステムを示す概略構成図である。
【0017】
このシステムは、同図に示すように、主装置BTと、VCS(Video Communication Solution)サーバSVAとを備え、これら主装置BTとVCSサーバSVAとの間をLAN(Local Area Network)1により接続している。
【0018】
主装置BTは、内線端末T11〜T1iを内線を介して収容している。また、主装置BTは公衆網NWに局線Lを介して接続されている。そして、主装置BTは、内線端末T11〜T1i相互間、もしくは内線端末T11〜T1iと公衆網NWとの間の交換処理を実行する。
【0019】
VCSサーバSVAは、複数のデータ端末PC1〜PCnをIPネットワークIPNを介して収容している。これらのデータ端末PC1〜PCnは、いずれも汎用のパーソナル・コンピュータからなり、各内線端末T11〜T1iにそれぞれ関連して動作するものである。
【0020】
上記VCSサーバSVAは、主装置BTに対する付加的機能を実行するもので、例えば映像等のメディア情報を処理する。
【0021】
図2は、上記VCSサーバSVAの機能構成を示すブロック図である。
VCSサーバSVAは、LANインタフェース(I/F)部11と、制御部12と、記憶部13と、PCインタフェース(I/F)部14とを備えている。このうち、LANインタフェース部11は、LAN1との間でインタフェース処理を行うものである。
【0022】
PCインタフェース部14は、データ端末PC1〜PCnとの間のインタフェース処理を行うものである。
【0023】
記憶部13は、上記制御部12の接続制御に必要なルーティング情報等を格納している。さらに、記憶部13には、接続情報管理テーブル131と、内線端末−VC関連付けテーブル132と、セッション情報管理テーブル133と、グループテーブル134と、通信帯域テーブル135とが設けられる。
【0024】
接続情報管理テーブル131には、図3に示す如く、内線端末T11〜T1iそれぞれの電話番号(電話ID)と、接続状態を示す状態情報との対応関係を表すデータが記憶されている。なお、t1〜t9は上記内線端末T11〜T19それぞれの電話IDを示している。ここでは、説明を簡単にするため、内線端末T11〜T19とする。
【0025】
内線端末−VC関連付けテーブル132には、図4に示すように、内線端末T11〜T1iとデータ端末(VC)PC1〜PCnとの対応関係を示すデータが記憶されている。なお、図中A〜Iは、データ端末PC1〜PC9それぞれのユーザIDを示している。
【0026】
セッション情報管理テーブル133には、図5に示すように、データ端末PC1〜PC9間のセッション状態を示す情報が記憶されている。
【0027】
グループテーブル134には、図6に示すように、ネットワーク環境に応じてデータ端末PC1〜PC9を分割して構成した複数のグループGroup1,Group2,Group3と、これらのグループGroup1,Group2,Group3に属する複数のデータ端末PC1〜PC9のユーザIDとの対応関係を表すデータが記憶されている。
【0028】
通信帯域テーブル135には、図7に示すように、グループGroup1,Group2,Group3の組み合わせと、利用帯域値との対応関係を表すデータが記憶されている。
【0029】
一方、制御部12は、データ端末PC1〜PCnの状態管理やデータ端末PC1〜PCnと内線端末T11〜T1iとの連携動作に係わる制御機能に加え、この発明に係わる新たな機能として、接続情報登録部121と、セッション制御部122と、帯域割当制御部123とを備えている。
【0030】
接続情報登録部121は、主装置BTから通知された呼情報イベントを分析することで、例えば内線端末T15と内線端末T16が通話中になったことを判断し、接続情報管理テーブル131の状態情報「t5−t6」を追加する。
【0031】
セッション制御部122は、上記状態情報に基づき、内線端末−VC関連付けテーブル132により内線端末T15はデータ端末PC5に、内線端末T16はデータ端末PC6に関連付いていることを読み出して、セッション情報管理テーブル133によりデータ端末PC5,PC6のセッション状態を検索する。例えば、これから通話を開始するような場合、データ端末PC5,PC6はセッションが開始されていないため、セッション制御部122はデータ端末PC5,PC6のセッションを開始するように制御する。そして、セッション制御部122は、データ端末PC5,PC6のセッションが確立すると、セッション情報管理テーブル133の記憶内容を更新する。
【0032】
帯域割当制御部123は、上記セッション制御部122によりセッション確立を行う場合に、グループテーブル134をもとにデータ端末PC5,PC6それぞれのグループ名を判定する。ここでは、データ端末PC5,PC6がGroup2に属するので、通信帯域テーブル135をもとに割り当てる通信帯域値を決定し、Group2−Group2間であるので、「1.5Mbps」を割り当てる。
【0033】
次に、以上のように構成されたビジュアルコミュニケーションシステムの動作を説明する。
図8は、上記データ端末PC5,PC6を内線端末T15,T16に関連付ける場合の動作を示すシーケンス図である。図9は、データ端末PC5,PC6に割り当てる通信帯域値を決定する際のVCSサーバSVAの制御処理手順を示すフローチャートである。
【0034】
データ端末PC5,PC6は、VCSサーバSVAへのログオン時に、ユーザ名(ユーザID)、関連付け電話番号をVCSサーバSVAへ送信し、受け取ったVCSサーバSVAはその情報をクライアント情報として記憶部13の内線端末−VC関連付けテーブル132に登録、保持する(図8(1))。
【0035】
例えば内線端末T16においてユーザが、内線端末T15への通話を要求する操作を行なったとする。そうすると内線端末T16からその要求信号が主装置BTに送られる。この通信確立要求信号を受信すると主装置BTは、着信先の内線端末T15を呼び出す。そして、これに対し内線端末T15が応答すると、内線端末T15と内線端末T16との間に通信リンクを形成し(図8(2))、内線端末T15,T16間が通話中である旨を示す呼情報イベントをVCSサーバSVAに送信する(図8(3))。
【0036】
VCSサーバSVAは、呼情報イベントを受信すると(ステップST9a)、まずこの呼情報イベントに含まれる内線端末T15,T16の電話ID(t5,t6)を対応付けて接続情報管理テーブル131に記憶する。
【0037】
そして、VCSサーバSVAは、内線端末−VC関連付けテーブル132を参照して、内線端末T15,T16にそれぞれ関連付けられたデータ端末PC5,PC6が存在するか否かの判定を行なう(ステップST9b)。ここでは、存在しているので、VCSサーバSVAはデータ端末PC5,PC6が属するグループ「Group2」をグループテーブル134から読み出し(ステップST9c)、通信帯域テーブル135を参照して、「Group2−Group2」に対応する最適帯域値「1.5MHz」を決定し(ステップST9e)、決定した帯域値を用いてデータ端末PC5,PC6へ制御信号を送信する(ステップST9e)。以後、データ端末PC5、PC6は受け取った帯域値を用いてビデオ通信を開始する。
【0038】
なお、データ端末PC1〜PCnは様々なネットワーク環境に位置することが考えられ、利用可能なネットワーク帯域の大きさも異なる。あらゆる環境間でビデオ通信を行う可能性があるため、通信に用いる帯域値は環境に応じた適切な値を用いる必要がある。
【0039】
そこで、ネットワーク環境を考慮したグループ化を行い、グループ間毎の最適な利用帯域の設定を可能とする。例えばGroup1は利用可能帯域が低く、Group2、Group3はある程度余裕のある環境であると想定する。各データ端末PC1〜PCnをどのグループとするかは、保守者が保守端末よりデータ端末PC1〜PCn毎に設定可能とし、VCSサーバSVAはその情報を保持する。各グループ間での利用帯域値も保守者が設定し、通話開始に至った際にそれぞれのデータ端末PC1〜PCnがどのグループに属するかを把握し、最適な帯域値を決定する。通信帯域テーブル135により、Group1−Group2間、Group1−Group3間では低い帯域とし、Group2−Group3間ではある程度大きな帯域値を利用する。
【0040】
以上のように上記第1の実施形態では、VCSサーバSVAにおいて、複数のデータ端末PC1〜PCnをネットワーク環境に応じてグループ化してこのグループ(Group1,Group2,Group3)と複数のデータ端末PC1〜PCnとを対応付けたグループテーブル134と、各グループの組み合わせとセッション確立される複数のデータ端末PC1〜PCn間で利用可能な帯域値とを対応付けた通信帯域テーブル135とを設け、主装置BTから呼情報イベントを受信した場合に、グループテーブル134及び通信帯域テーブル135を参照して、セッション確立されるデータ端末PC5,PC6に対しグループ単位で通信帯域の割り当てを行なうようにしている。
【0041】
従って、例えば複数の会社や複数の部署、個人が1つのシステムを共用する場合に、各会社、各部署または個人ごとに利用可能な通信帯域を割り当てることができ、これによりシステムを利用するユーザは自身の環境を意識することなく、最適な形でビデオ通信を行なうことができる。
【0042】
また、データ端末PC1〜PCn単位で通信帯域を割り当てる場合に比べて記憶部13の容量を圧迫することなく、さらに制御部12における処理負荷も軽減できる。
【0043】
(第2の実施形態)
図10は、この発明の第2の実施形態として、VCSサーバSVBの機能構成を示すブロック図である。なお、図10において、上記図2と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0044】
記憶部13には、スケジュールテーブル136が設けられている。このスケジュールテーブル136には、図11に示すように、時間帯(開始時刻及び終了時刻)と、複数の通信帯域テーブル135の識別子との対応関係を表すデータが記憶されている。
【0045】
一方、制御部12は、テーブル切替制御部124を備えている。テーブル切替制御部124は、スケジュールテーブル136を参照して、図12に示す複数の通信帯域テーブル135のうちの1つを選択的に有効状態に設定する。
【0046】
次に、上記構成における運用について説明する。
上記システムを運用する中で、1日のうちである決まった時間帯ごとに設定を変えることでより柔軟な設定が可能となる。この場合、スケジューリングを行うことで自動で設定を変更することができれば、保守者の負担を軽減することができる。
【0047】
そこで、先に記述した通信帯域テーブル135を複数設け、保守者が時間帯に応じて必要な通信帯域テーブル135の識別子をスケジュールテーブル136に予め登録しておくことで、スケジューリングによる自動設定を実現する。
【0048】
すなわち、VCSサーバSVBは、例えば時刻が17:00になると、通信帯域テーブル135をテーブル1からテーブル2に切り替え、20:00になるとテーブル2からテーブル3に切り替え、12:00になるとテーブル3からテーブル1に切り替える。
【0049】
以上のように上記第2の実施形態であれば、例えば時間帯に応じて通信帯域テーブル135を自動的に変更することが可能となり、また設定を行なう保守者の負担は最小限に抑えられる。なお、上記通信帯域テーブル135の切替条件としては、時間帯以外に例えば通信トラフィック等を用いることが可能である。
【0050】
(第3の実施形態)
図13は、この発明の第3の実施形態として、VCSサーバSVCの機能構成を示すブロック図である。なお、図13において、上記図2と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0051】
制御部12は、グループ更新制御部125を備えている。グループ更新制御部125は、例えばデータ端末PC2が企業から家庭に移動された場合に、グループテーブル134中のデータ端末PC2が属するグループを更新する。
【0052】
次に、上記構成における運用について説明する。
システムを利用するユーザが、社内のデータ端末PC1からログオンする場合もあれば、自宅のデータ端末PC1からログオンする場合も考えられる。つまり、同一クライアントがその利用環境を変更することが想定される。環境の違いはIPアドレス体系の違いとして現れることが多く、またユーザがログオンした際、VCSサーバSVCはログオンを行ったデータ端末PC1のIPアドレスがわかるため、予め保守者によりIPアドレス体系とグループの関連付けを設定しておき、その環境に応じてデータ端末PC1に対するグループを変更することも可能となる。これにより、同一クライアントによる利用環境の変更に対応することができる。
【0053】
なお、使用場所以外に、例えば通信トラフィックや時間帯等を条件に用いて、データ端末PC1〜PCnに対するグループ変更を行なうようにしてもよい。
【0054】
(その他の実施形態)
この発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。例えば上記各実施形態では、主装置とVCSサーバとを別々に設ける例について説明したが、VCSサーバ内に主装置の機能を組み込むようにしてもよい。
【0055】
その他、VCSサーバの構成及び種類、電話交換装置の種類(主装置に限らずPBXでもよい)や内線端末の種類、データ端末の種類、各種テーブルの記憶内容、データ端末間のセッション制御方法やグループ変更方法等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】この発明の第1の実施形態に係わるビジュアルコミュニケーションシステムを示す概略構成図。
【図2】図1に示したVCSサーバの機能構成を示すブロック図。
【図3】上記図2に示した接続情報管理テーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図4】上記図2に示した内線端末−VC関連付けテーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図5】上記図2に示したセッション情報管理テーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図6】上記図2に示したグループテーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図7】上記図2に示した通信帯域テーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図8】同第1の実施形態において、データ端末を内線端末に関連付ける場合の動作を示すシーケンス図。
【図9】データ端末に割り当てる通信帯域値を決定する際のVCSサーバの制御処理手順を示すフローチャート。
【図10】この発明の第2の実施形態として、VCSサーバの機能構成を示すブロック図。
【図11】上記図10に示したスケジュールテーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図12】上記図10に示した通信帯域テーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図13】この発明の第3の実施形態として、VCSサーバSVCの機能構成を示すブロック図。
【図14】同第3の実施形態における同一のデータ端末を違う環境へ移動した際の動作を説明するために示す図。
【符号の説明】
【0057】
1…LAN(Local Area Network)、11…LANインタフェース(I/F)部、12…制御部、13…記憶部、14…PCインタフェース(I/F)部、121…接続情報登録部、122…セッション制御部、123…帯域割当制御部、124…テーブル切替制御部、125…グループ更新制御部、131…接続情報管理テーブル、132…内線端末−VC関連付けテーブル、133…セッション情報管理テーブル、134…グループテーブル、135…通信帯域テーブル、136…スケジュールテーブル、T11〜T1i…内線端末、L…局線、NW…公衆網、BT…主装置、PC1〜PCn…データ端末、SVA,SVb,SVC…VCSサーバ、IPN…IPネットワーク。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼接続が行なわれる複数の電話端末を特定する電話IDを含む呼情報イベントを受信し、前記複数の電話端末の電話IDにそれぞれ関連付けられ、かつデータIDが割り当てられた複数のデータ端末における通信接続を前記呼接続に連動させるサーバ装置において、
前記複数のデータ端末を分割して構成したグループと、これらグループに属するデータ端末のデータIDとの対応関係を表すグループテーブルを記憶する第1の記憶手段と、
前記複数のグループの組み合わせと、通信接続が行なわれる複数のデータ端末間で利用可能な帯域との対応関係を表す帯域テーブルを記憶する第2の記憶手段と、
前記呼情報イベント受信時に、前記呼情報イベントに含まれる前記電話IDに関連付けられたデータIDに基づいて、前記グループテーブル及び前記帯域テーブルを参照し、この参照結果に基づいて前記データIDに対応したデータ端末間の通信接続を実行し、これらデータ端末に対し帯域を割り当てる制御手段とを具備したことを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
複数の電話端末間の交換処理を実行する電話交換機を接続するインタフェースを備え、
前記制御手段は、前記電話交換機から通知される前記呼情報イベントに基づいて、前記グループテーブル及び前記帯域テーブルを参照し、この参照結果に基づいてデータ端末間の通信接続を実行し、これらデータ端末に対し帯域を割り当てることを特徴とする請求項1記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記第2の記憶手段が、互いに異なる複数の帯域テーブルを記憶している場合に、予め決められた条件に基づいて前記複数の帯域テーブルのうちの1つを選択的に有効状態に設定する設定切替制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記設定切替制御手段は、前記条件の判断に、時間帯、通信トラフィックのいずれか1つを用いることを特徴とする請求項3記載のサーバ装置。
【請求項5】
予め決められた条件に基づいて、前記グループテーブル中の任意のデータ端末が属するグループを更新する更新手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記更新手段は、前記条件の判断に、任意のデータ端末の使用場所を用いることを特徴とする請求項5記載のサーバ装置。
【請求項1】
呼接続が行なわれる複数の電話端末を特定する電話IDを含む呼情報イベントを受信し、前記複数の電話端末の電話IDにそれぞれ関連付けられ、かつデータIDが割り当てられた複数のデータ端末における通信接続を前記呼接続に連動させるサーバ装置において、
前記複数のデータ端末を分割して構成したグループと、これらグループに属するデータ端末のデータIDとの対応関係を表すグループテーブルを記憶する第1の記憶手段と、
前記複数のグループの組み合わせと、通信接続が行なわれる複数のデータ端末間で利用可能な帯域との対応関係を表す帯域テーブルを記憶する第2の記憶手段と、
前記呼情報イベント受信時に、前記呼情報イベントに含まれる前記電話IDに関連付けられたデータIDに基づいて、前記グループテーブル及び前記帯域テーブルを参照し、この参照結果に基づいて前記データIDに対応したデータ端末間の通信接続を実行し、これらデータ端末に対し帯域を割り当てる制御手段とを具備したことを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
複数の電話端末間の交換処理を実行する電話交換機を接続するインタフェースを備え、
前記制御手段は、前記電話交換機から通知される前記呼情報イベントに基づいて、前記グループテーブル及び前記帯域テーブルを参照し、この参照結果に基づいてデータ端末間の通信接続を実行し、これらデータ端末に対し帯域を割り当てることを特徴とする請求項1記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記第2の記憶手段が、互いに異なる複数の帯域テーブルを記憶している場合に、予め決められた条件に基づいて前記複数の帯域テーブルのうちの1つを選択的に有効状態に設定する設定切替制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記設定切替制御手段は、前記条件の判断に、時間帯、通信トラフィックのいずれか1つを用いることを特徴とする請求項3記載のサーバ装置。
【請求項5】
予め決められた条件に基づいて、前記グループテーブル中の任意のデータ端末が属するグループを更新する更新手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記更新手段は、前記条件の判断に、任意のデータ端末の使用場所を用いることを特徴とする請求項5記載のサーバ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−259312(P2007−259312A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−83916(P2006−83916)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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