説明

サーバ補助装置とそのプログラム

【課題】更新サーバの処理負荷を軽減して更新処理の効率向上を可能にする。
【解決手段】ユーザ端末TMから補助サーバASVに向け、発信元電話番号及びソフトウエアの現在のバージョン番号をボディ部に挿入したMESSAGEリクエストメッセージをSIPサーバSSVを介して転送する。そして、補助サーバASVにおいて、上記MESSAGEリクエストメッセージに挿入された現在のバージョン番号を、最新バージョン番号格納レジスタ3に記憶されている最新バージョン番号と比較して更新の要否を判定し、更新が必要な場合には上記MESSAGEリクエストメッセージに挿入された発信元電話番号をキーとして更新サーバリスト格納メモリ6を検索することによりユーザ端末の現在位置に対応する更新サーバUSV1のURLを読み出し、この更新サーバUSV1のURLをMESSAGEリクエストメッセージを用いて要求元のユーザ端末TMに通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ユーザ端末が保持するソフトウエアやファイルを更新サーバがネットワークを介して遠隔地から更新するシステムにおいて、前記更新サーバの処理動作を補助するために設けられるサーバ補助装置とこの補助装置で使用されるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナル・コンピュータや携帯端末等の情報端末では、インストールされたソフトウエアやファイルのバージョンが古くなった場合に、そのバージョンを更新する処理が必要となる。バージョンを更新する手法には、例えばCD−ROMやメモリカード等の記憶媒体から新バージョンのソフトウエアやファイルを読み込んで書き換えるものと、通信ネットワークを介して更新サーバにアクセスし、この更新サーバから新バージョンのソフトウエアやファイルをダウンロードして書き換えるものがある(例えば、特許文献1を参照。)。このうち、更新サーバを利用する手法は、バージョンの更新処理を簡単かつ迅速に効率良く行うことができるのできわめて便利である。
【0003】
【特許文献1】特開平07−225724号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、更新サーバを利用する従来の手法は、一般にユーザ端末から更新サーバに対し直接更新要求を送信し、更新サーバにおいて更新の有無を判定して、更新が必要と判定した場合に要求元のユーザ端末に新バージョンのソフトウエア又はファイルをダウンロードするものとなっている。このため、限られた時間帯に多数のユーザ端末からの更新要求が集中すると、更新サーバの処理負荷が増大して、個々のユーザ端末に対する更新処理時間が長くなると云う問題があった。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、更新サーバの処理負荷を軽減して更新処理の効率向上を可能にするサーバ補助装置とそのプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためにこの発明の一観点は、保持するソフトウエア又はファイルの現在のバージョンを表す情報を含む更新要求を送信する機能を有するユーザ端末と、このユーザ端末から送信された更新要求をIP(Internet Protocol)網を介して受信し、この受信された更新要求に応答して更新後のソフトウエア又はファイルを要求元のユーザ端末に向け上記IP網を介して送信する機能を有する更新サーバとを備えるシステムの、上記ユーザ端末との間でSIP(Session Initiation Protocol)サーバを介して通信可能なサーバ補助装置にあって、上記更新サーバが保存するソフトウエア又はファイルの最新のバージョンを表す情報を記憶する第1のメモリを備える。そして、上記ユーザ端末からSIPを用いて送信されたのち上記SIPサーバを介して転送される更新要求を受信した場合に、この受信された更新要求に含まれる現在のバージョンを表す情報を、上記第1のメモリに記憶された該当するソフトウエア又はファイルの最新のバージョンを表す情報と比較して、更新の要否を判定する。そして、更新が必要と判定された場合に、予め記憶してある上記更新サーバのアドレス情報を要求元のユーザ端末に向け送信するように構成したものである。
【0006】
したがって、ユーザ端末から送信された更新要求は先ずサーバ補助装置に送られて更新の要否が判定され、更新が必要な場合に更新サーバのアドレス情報がユーザ端末に送信される。すなわち、更新の要否の判定処理がサーバ補助装置により代行され、更新が必要な要求に対してのみ更新サーバのアドレス情報がユーザ端末に通知されることになる。このため、ユーザ端末から送信される更新要求を更新サーバに直接送信する場合に比べ、更新サーバに送信される更新要求の数が制限され、これにより更新サーバの処理負荷を軽減することができる。また、ユーザ端末から送信された更新要求はSIPサーバを介してサーバ補助装置に送られる。このため、更新要求は、SIPサーバが持つ認証機能によりその正当性が確認されたもののみがサーバ補助装置に転送され、正当性が確認されないものは破棄されることになり、これによりサーバ補助装置に認証機能を設けることなく成り済まし等の不正アクセスを拒絶することができる。
【0007】
また、この発明の一観点は以下のような特徴的構成要素を備えることも特徴とする。
第1の特徴的構成要素は、上記システムが、サービスエリア別に設置された複数の更新サーバを備え、かつ上記ユーザ端末が、保持するソフトウエア又はファイルの現在のバージョンを表す情報と自端末の現在位置を表す情報とを含む更新要求を送信する機能を有する場合に、ユーザ端末の位置を表す情報に対応付けて当該位置を含むサービスエリアに設置された上記更新サーバのアドレス情報を記憶した第2のメモリを設ける。そして、更新が必要と判定された場合に、上記受信された更新要求に含まれるユーザ端末の現在位置を表す情報をもとに、当該現在位置を含むサービスエリアに設置されている更新サーバのアドレス情報を上記第2のメモリから選択的に読み出し、この読み出されたアドレス情報を要求元のユーザ端末に向け送信するものである。
このようにすると、ユーザ端末からの更新要求の送信先を、ユーザ端末の現在位置に応じて複数の更新サーバに分散させることが可能となり、これにより更新サーバごとの処理負荷をさらに軽減することが可能となる。さらに、ユーザ端末はその現在位置を含むサービスエリアに設置されている更新サーバからソフトウエア又はファイルをダウンロードできるため、遠方の更新サーバからダウンロードする場合に比べ、ダウンロード時間の短縮及びネットワークトラフィック負荷の軽減が可能となる。
【0008】
第2の特徴的構成要素は、ユーザ端末が、自端末の現在位置を表す情報として自端末に割り当てられた電話番号を上記更新要求に含めて送信する場合に、上記第2のメモリに、上記電話番号に対応付けて当該電話番号が割り当てられた地域を含むサービスエリアに設置された上記更新サーバのアドレス情報を記憶させておく。そして、更新が必要と判定された場合に、上記受信された更新要求に含まれるユーザ端末の電話番号をもとに、当該電話番号が割り当てられた地域を含むサービスエリアに設置されている更新サーバのアドレス情報を上記第2のメモリから読み出し、この読み出されたアドレス情報を要求元のユーザ端末に向け送信するものである。
このようにすると、ユーザ端末は自端末の位置情報を取得する手段を別途設けることなく自端末の位置を表す情報をサーバ補助装置に通知することが可能となる。
【0009】
第3の特徴的構成要素は、更新が不要と判定された場合には、更新の必要がない旨の通知情報を要求元のユーザ端末に向け送信するものである。
このようにすると、ユーザ端末は更新が不要であることを確認することができ、これにより同一内容の更新要求が繰り返し送信される不具合を防止して通信ネットワークのトラフィックを低く抑えることができる。
【0010】
第4の特徴的構成要素は、ユーザ端末から送信されるSIPにより規定されたMESSAGEリクエストメッセージをSIPサーバを介して受信し、この受信されたMESSAGEリクエストメッセージのボディ部から更新要求を抽出するものである。
このようにすると、SIPの呼接続処理により通信セッションを確立する必要がなく、これにより更新要求に対するサーバ補助装置の処理負荷を軽減し、かつ処理時間も短縮することが可能となる。
【0011】
第5の特徴的構成要素は、ユーザ端末からの接続要求に応じて当該ユーザ端末との間でSIPによる通信セッションを確立するための呼接続処理を実行し、上記通信セッションが確立された状態で上記ユーザ端末から送信されるデータを受信して、この受信されたデータのペイロード部から更新要求を抽出するものである。
このようにすると、SIPのMESSAGEリクエストメッセージを利用する場合に比べサーバ補助装置の処理負荷及び処理時間は増加するが、実際の通信サービスにおいて通信費用を安価にすることが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
要するにこの発明によれば、更新サーバの処理負荷を軽減して更新処理の効率向上を可能にするサーバ補助装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この発明に係わるサーバ補助装置の一実施形態である補助サーバを備える、ネットワークを使用する更新システムの概略構成図である。
この更新システムは、異なる複数のサービスエリアに対応して配置された複数の更新サーバ(例えば3個)USV1〜USV3を備えている。そして、これらの更新サーバUSV1〜USV3に対し、IPネットワークINWを介してユーザ端末TMを接続可能としている。また、それと共に、上記ユーザ端末TMを上記IPネットワークINWを介してSIPサーバSSVに接続可能とし、さらにこのSIPサーバSSVから補助サーバASVに接続可能としたものである。
【0014】
更新サーバUSV1〜USV3は例えばWebサーバからなり、バージョンが管理されたソフトウエア及びファイルを格納している。そして、補助サーバASVはユーザ端末TMから更新要求が送られた場合に、当該更新要求に含まれるバージョン情報を上記管理されている最新のバージョン情報と比較して、更新の要否を判定する。そして、更新が必要と判定された場合に、要求元のユーザ端末に最新バージョンのソフトウエア又はファイルを格納している更新サーバのアドレス情報を要求元のユーザ端末に向け送信する機能を備える。
【0015】
ユーザ端末TMは、例えば家庭やオフィスに設置されたパーソナル・コンピュータからなり、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)又はUDP/IP(User Datagram Protocol/Internet Protocol)を用いて上記更新サーバUSV1〜USV3との間でパケット通信を行う通信インタフェース機能と、このTCP/IP又はUDP/IP上で、SIP(Session Initiation Protocol)を用いて補助サーバASVとの間でメッセージ及びデータの送受信を行う通信インタフェース機能を備えている。
【0016】
SIPサーバSSVは、上記ユーザ端末TMと補助サーバASVとの間でSIPによるデータ転送処理を行う。この転送処理には、ユーザ端末TMから送信されたSIPのMESSAGEリクエストメッセージに含まれる回線ID又は発信元電話番号をもとにユーザ認証を行う機能が含まれる。
【0017】
ところで、補助サーバASVは次のように構成される。図2はその機能構成を示すブロック図である。すなわち、補助サーバASVは、入力部1と、制御ユニットと、記憶ユニットとを備えている。制御ユニットは、入力制御部2と、ソフトウエア更新判定部4と、ソフトウエア更新サーバ検索部5と、ソフトウエア更新要求処理部7と、通信プロトコル処理部8と、ネットワークインタフェース部10を備える。これらの機能部はいずれもアプリケーション・プログラムを図示しないCPU(Central Processing Unit)に実行させることにより実現される。記憶ユニットは、最新バージョン番号格納レジスタ3と、更新サーバリスト格納メモリ6と、現在バージョン番号格納レジスタ11を備える。これらのうち更新サーバリスト格納メモリ6はフラッシュメモリ又はハードディスクにより構成され、また各レジスタ3,11はRAMにより構成される。
【0018】
入力部1は、オペレータが、ソフトウエアリストに記載された各ソフトウエアの最新バージョン番号と、更新サーバUSV1〜USV3のリストを入力する際に使用するもので、例えばキーボードやマウス等の入力デバイスにより構成される。入力制御部2は、上記入力部1により入力されたソフトウエアの最新バージョン番号を上記最新バージョン番号格納レジスタ3に格納すると共に、入力された更新サーバUSV1〜USV3のリスト情報を更新サーバリスト格納メモリ6に格納する。
【0019】
図5は、この更新サーバリスト格納メモリ6に記憶される更新サーバUSV1〜USV3のリスト情報の一例を示すものである。同図に示すように、更新サーバUSV1〜USV3のリスト情報は、エントリ番号61に、「電話番号起点」62、「電話番号終点」63及び「更新サーバのURL;Uniform Resource Locator(ドメイン名)」64を対応付けたものから構成される。
【0020】
ネットワークインタフェース部10は、補助サーバASVとIPネットワークINWとの間でIPパケットを送受信する。通信プロトコル処理部8は、ネットワークインタフェース部10により受信されたIPパケットに対しTCP/IP又はUDP/IPで規定された通信プロトコル処理を実施し、これにより上位レイヤメッセージ(SIPのMESSAGEリクエストメッセージ)を取り出してソフトウエア更新要求処理部7へ送る処理と、ソフトウエア更新要求処理部7から出力された上位レイヤメッセージ(SIPのMESSAGEリクエストメッセージ等)に対しTCP/IP又はUDP/IPで規定された通信プロトコル処理を実施し、これによりIPパケットを生成してネットワークインタフェース部10へ送る処理を実行する。
【0021】
ソフトウエア更新要求処理部7は、通信プロトコル処理部8から送られたSIPのMESSAGEリクエストメッセージのボディ部から、「発信元電話番号」と、更新を要求しようとするソフトウエアの「現在のバージョン番号」を抽出し、この抽出した情報をソフトウエア更新判定部4に送って更新の要否を判定させる処理と、ソフトウエア更新判定部4から更新不要の判定結果を表す情報を受け取るか、又はソフトウエア更新サーバ検索部5から更新サーバのURLを受け取り、この受け取った判定結果を表す情報又は更新サーバのURLをSIPのMESSAGEリクエストメッセージのボディ部に挿入し、このSIPのMESSAGEリクエストメッセージを通信プロトコル処理部8へ送る処理を実行する。
【0022】
ソフトウエア更新判定部4は、上記ソフトウエア更新要求処理部7から「発信元電話番号」及び「現在のバージョン番号」を受け取ると、これらを現在バージョン番号格納レジスタ11に格納する処理と、最新バージョン番号格納レジスタ3から更新を要求されたソフトウエアの「最新のバージョン番号」を読み出して上記「現在のバージョン番号」と比較する処理と、両バージョン番号が一致していれば「更新の必要がない」旨の情報を上記ソフトウエア更新要求処理部7に送る処理と、上記両バージョン番号が不一致であれば現在バージョン番号格納レジスタ11に格納した上記「発信元電話番号」をソフトウエア更新サーバ検索部5に送る処理を実行する。
【0023】
ソフトウエア更新サーバ検索部5は、上記ソフトウエア更新判定部4から受け取った「発信元電話番号」をキーにして更新サーバリスト格納メモリ6を検索し、これにより対応する「更新サーバのURL(ドメイン名)」64を読み出してソフトウエア更新要求処理部7に送る処理を実行する。
【0024】
次に、以上のように構成された補助サーバASVの動作を説明する。
図3及び図4はその処理手順と処理内容を示すフローチャート、図6は補助サーバASV、ユーザ端末TM、SIPサーバSSV及び更新サーバUSV1間における通信シーケンスを示す図である。
【0025】
ユーザ端末TMは、ソフトウエアを更新しようとする際に、自端末の電話番号(例えば03-xxxx-xxxx)と、更新を要求するソフトウエアの現在のバージョン番号(Current Version 1.1)を、SIPのMESSAGEリクエストメッセージのボディ部に挿入し、このMESSAGEリクエストメッセージを含むIPパケットを、更新要求として補助サーバASV宛てに送信する。このIPパケットは、IPネットワークINWを介してSIPサーバSSVに伝送される(図1の(1) 及び図6の(1) )。
【0026】
SIPサーバSSVは、ユーザ端末TMからIPパケットが伝送されると、このIPパケットに挿入されたSIPのMESSAGEリクエストメッセージから回線ID又は発信元電話番号を抽出し、この回線ID又は発信元電話番号をもとにユーザ認証を行う。そして、このユーザ認証により送信元のユーザの正当性が確認されると、上記IPパケットを補助サーバASVに向け転送する(図1の(2) 及び図6の(2) )。なお、上記ユーザ認証により発信元のユーザの正当性が確認されなかった場合には、当該IPパケットを破棄する。すなわち、SIPサーバSSVにおいてユーザ端末TMの正当性が確認された場合にのみ、上記ユーザ端末TMから送信されたIPパケットは補助サーバASVに転送される。
【0027】
補助サーバASVは、IPパケットの受信待ち状態において、通信プロトコル処理部8によりIPパケットの転送を監視している。この状態で、上記SIPサーバSSVからIPパケットが転送されると、通信プロトコル処理部8は当該IPパケットをネットワークインタフェース部10を介して受信する(ステップS31)。IPパケットを受信すると通信プロトコル処理部8は、この受信されたIPパケットからSIPのMESSAGEリクエストメッセージを取り出し、この取り出したMESSAGEリクエストメッセージをソフトウエア更新要求処理部7へ送る(ステップS32)。
【0028】
ソフトウエア更新要求処理部7は、上記送られたMESSAGEリクエストメッセージのボディ部から、「発信元電話番号」と、更新を要求するソフトウエアの「現在のバージョン番号」を抽出し、これらをソフトウエア更新判定部4に送る(ステップS33)。ソフトウエア更新判定部4は、上記送られた「発信元電話番号」及び「現在のバージョン番号」を、先ず現在バージョン番号格納レジスタ11に格納する(ステップS34)。そして、最新バージョン番号格納レジスタ3から更新を要求されたソフトウエアの「最新のバージョン番号」を読み出し、この読み出した「最新のバージョン番号」を上記受信した「現在のバージョン番号」と比較する(ステップS35)。
【0029】
続いてソフトウエア更新判定部4は、上記比較の結果、上記読み出した「最新のバージョン番号」と上記受信した「現在のバージョン番号」とが一致したか否かをステップS41で判定する。この判定の結果、両バージョン番号が一致しなければ、更新が必要であると判断し、ソフトウエア更新判定部4は、現在バージョン番号格納レジスタ11に格納された上記「発信元電話番号」をソフトウエア更新サーバ検索部5に送る(ステップS42)。
【0030】
ソフトウエア更新サーバ検索部5は、上記ソフトウエア更新判定部4から受け取った「発信元電話番号」をキーにして更新サーバリスト格納メモリ6を検索し、これにより対応する「更新サーバのURL(ドメイン名)」64を読み出す(ステップS43)。例えば、いま図1及び図6に示したように「発信元電話番号」が“03-xxxx-xxxx”であれば、更新サーバリスト格納メモリ6からは、図5に示すように「東京」に配置された更新サーバUSV1のURL“http://www.koushin.tokyo.co.jp”が読み出される。そして、この読み出された更新サーバUSV1のURL“http://www.koushin.tokyo.co.jp”をソフトウエア更新要求処理部7に送る(ステップS44)。
【0031】
ソフトウエア更新要求処理部7は、ソフトウエア更新サーバ検索部5から更新サーバのURLを受け取り、この受け取った更新サーバのURLをSIPのMESSAGEリクエストメッセージのボディ部に挿入し、このSIPのMESSAGEリクエストメッセージを通信プロトコル処理部8へ送る(ステップS45)。通信プロトコル処理部8は、ソフトウエア更新要求処理部7から送られたSIPのMESSAGEリクエストメッセージに対しTCP/IP又はUDP/IPで規定されるヘッダを付加し、このIPパケットをネットワークインタフェース部10から更新要求元のユーザ端末TMに向けて送信する(ステップS46)。
【0032】
上記補助サーバASVから送信されたIPパケットは、先ず図1の(3) 及び図6の(3) に示すようにSIPサーバSSVに送られ、さらにこのSIPサーバSSVから図1の(4) 及び図6の(4) に示すように、IPネットワークINWを介して更新要求元のユーザ端末TMに転送される。
【0033】
ユーザ端末TMは、上記IPパケットを受信すると、このIPパケットからMESSAGEリクエストメッセージを取り出す。そして、このMESSAGEリクエストメッセージから更新サーバのURL“http://www.koushin.tokyo.co.jp”を抽出し、この抽出したURL“http://www.koushin.tokyo.co.jp”をもとに、TCP/IP又はUDP/IPに従い「東京」の更新サーバUSV1に対し、図1の(5) 及び図6の(5) に示すように更新要求を送信する。
【0034】
更新サーバUSV1は、上記更新要求を受信すると、先ずこの更新要求に記載された更新希望のソフトウエアのバージョン番号から更新の要否を判定し、更新が必要であれば該当する最新のソフトウエアをデータベースから読み出して、要求元のユーザ端末TMに向け図1の(6) 及び図6の(6) に示すようにダウンロードする。なお、本実施形態では補助サーバASVにより事前に更新の要否が判定され、更新が必要な更新要求のみがユーザ端末TMから更新サーバUSV1に送信される。このため、更新サーバUSV1による上記更新の要否判定は実質的には不要であるが、何らかの事情により補助サーバASVによる更新の要否判定が行えなかった場合に備え、更新サーバUSV1にも更新の要否判定機能を残してある。
【0035】
一方、上記ステップS41による判定の結果、最新バージヨン番号格納レジスタ3から読み出した「最新のバージョン番号」と、上記受信した「現在のバージョン番号」とが一致したとする。この場合ソフトウエア更新判定部4は、更新の必要がないと判断し、「更新の必要がない」旨の通知情報を生成し、この生成された通知情報をソフトウエア更新要求処理部7に送る(ステップS47)。ソフトウエア更新要求処理部7は、上記ソフトウエア更新判定部4から「更新の必要がない」旨の通知情報を受け取り、この受け取った「更新の必要がない」旨の通知情報をSIPのMESSAGEリクエストメッセージのボディ部に挿入し、このSIPのMESSAGEリクエストメッセージを通信プロトコル処理部8へ送る(ステップS48)。通信プロトコル処理部8は、ソフトウエア更新要求処理部7から送られたSIPのMESSAGEリクエストメッセージに対しTCP/IP又はUDP/IPで規定されるヘッダを付加し、このIPパケットをネットワークインタフェース部10から更新要求元のユーザ端末TMに向けて送信する(ステップS49)。
【0036】
上記補助サーバASVから送信されたIPパケットは、先に述べた更新サーバのURLをMESSAGEリクエストメッセージにより通知する場合と同様に、図1の(3) 及び図6の(3) に示すようにSIPサーバSSVに送られ、さらにこのSIPサーバSSVから図1の(4) 及び図6の(4) に示すように、IPネットワークINWを介して更新要求元のユーザ端末TMに転送される。このIPパケットにより送られた「更新の必要がない」旨の通知情報はユーザ端末TMにおいて表示部に表示される。したがって、ユーザ端末TMにおいて、上記更新要求を再送信する動作は行われない。
【0037】
以上述べたように第1の実施形態では、ユーザ端末TMから補助サーバASVに向け、「発信元電話番号」及びソフトウエアの「現在のバージョン番号」をボディ部に挿入したSIPのMESSAGEリクエストメッセージをSIPサーバSSVを介して転送する。そして、補助サーバASVにおいて、上記MESSAGEリクエストメッセージに挿入された「現在のバージョン番号」を、最新バージョン番号格納レジスタ3に記憶されている「最新バージョン番号」と比較して更新の要否を判定し、更新が必要な場合には上記MESSAGEリクエストメッセージに挿入された「発信元電話番号」をキーとして更新サーバリスト格納メモリ6を検索することによりユーザ端末の現在位置に対応する更新サーバUSV1のURLを読み出し、この更新サーバUSV1のURLをMESSAGEリクエストメッセージを用いて要求元のユーザ端末TMに通知するようにしている。
【0038】
したがって、更新の要否の判定処理が補助サーバASVにより代行され、更新が必要な場合にのみ更新サーバUSV1のURLがユーザ端末TMに通知されることになる。このため、ユーザ端末TMから更新サーバUSV1へ更新要求を直接送信する場合に比べ、更新サーバUSV1に送信される更新要求の数が制限され、これにより更新サーバUSV1の処理負荷を軽減することができる。
【0039】
また、ユーザ端末TMからMESSAGEリクエストメッセージを用いて送信された更新要求はSIPサーバSSVを介して補助サーバASVに転送される。このため、更新要求は、SIPサーバSSVが持つ認証機能によりその正当性が確認されたもののみが補助サーバASVに転送され、正当性が確認されないものは破棄されることになり、これにより補助サーバASVに認証機能を設けることなく成り済まし等の不正アクセスを排除することができる。
【0040】
さらに、MESSAGEリクエストメッセージに挿入された「発信元電話番号」をキーとして、更新サーバリスト格納メモリ6からユーザ端末の現在位置に対応する更新サーバUSV1のURLを検索してユーザ端末TMに通知するようにしたので、ユーザ端末TMからの更新要求の送信先を、ユーザ端末TMの現在位置に応じて複数の更新サーバUSV1〜USV3に分散させることが可能となり、これにより更新サーバUSV1〜USV3ごとの処理負荷をさらに軽減することが可能となる。しかも、ユーザ端末の現在位置を表す情報として、ユーザ端末TMに予め割り当てられている電話番号を使用したので、ユーザ端末TMには位置情報を取得する手段を別途設ける必要がなくなる。さらに、ユーザ端末TMはその現在位置を含むサービスエリアに設置されている更新サーバUSV1からソフトウエア又はファイルをダウンロードできるため、遠方の更新サーバからダウンロードする場合に比べ、ダウンロード時間の短縮及びネットワークトラフィック負荷の軽減が可能となる。
【0041】
さらに、ユーザ端末TMから補助サーバASVへ、SIPのMESSAGEリクエストメッセージを利用して更新要求を送るようにしたので、通信セッションを確立する呼接続処理を行う必要がなくなり、これにより更新要求に対する補助サーバASVの処理負荷を軽減し、かつ処理時間も短縮することができる。
【0042】
(第2の実施形態)
この発明の第2の実施形態は、ユーザ端末から補助サーバへSIPサーバを介して更新要求を送信する際に、ユーザ端末と補助サーバとの間でSIPによる呼接続制御を実行してSIPセッションを確立し、この状態でユーザ端末から補助サーバへ更新要求を挿入したデータを送信するようにしたものである。
【0043】
図7及び図8はこの発明の第2の実施形態に係わる補助サーバASVの処理手順及び処理内容を説明するためのフローチャート、図9は補助サーバASV、ユーザ端末TM、SIPサーバSSV及び更新サーバUSV1間における通信シーケンスを示す図である。なお、これらの図において、前記図3、図4及び図6と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。また、更新システムの構成及び補助サーバASVの構成についても、前記図1及び図2と基本構成が同一なので、図1及び図2を延用して説明を行う。
【0044】
ユーザ端末TMは、ソフトウエアを更新しようとする際に、図9に示すように先ずSIPセッションの確立を要求するINVITEリクエストメッセージを含むIPパケットを補助サーバASVに向け送信する。SIPサーバSSVは、ユーザ端末TMから補助サーバASV宛てのIPパケットが伝送されると、このIPパケットを補助サーバASVへ転送する。
【0045】
補助サーバASVは、IPパケットの受信待ち状態において、通信プロトコル処理部8によりIPパケットの転送を監視している。この状態で、上記SIPサーバSSVからIPパケットが転送されると、通信プロトコル処理部8は当該IPパケットをネットワークインタフェース部10を介して受信する(ステップS31)。IPパケットを受信すると通信プロトコル処理部8は、この受信されたIPパケットからSIPのINVITEリクエストメッセージを取り出し、この取り出したINVITEリクエストメッセージをソフトウエア更新要求処理部7へ送る(ステップS71)。
【0046】
ソフトウエア更新要求処理部7は、上記送られたINVITEリクエストメッセージに従い、発呼元のユーザ端末TMとの間でSIPセッションを確立するための処理を以下のように実行する。すなわち、先ずINVITEリクエストメッセージに記載されているユーザ端末TMの「発信元電話番号」(例えば、03-xxxx-xxxx)をもとに電話番号認証を行う。そして、発信元電話番号の正当性が確認されると、続いて発信元のユーザ端末TMに向けて200 OKメッセージを返送する。この200 OKメッセージはSIPサーバSSVを介してユーザ端末TMへ転送される。かくして、ユーザ端末TMと補助サーバASVとの間にはSIPセッションが確立される。この動作により補助サーバASVは、以降ユーザ端末TMからの更新要求を受け付けることが可能となる。
【0047】
SIPセッションが確立されると、ユーザ端末TMは自端末の電話番号(03-xxxx-xxxx)と、更新を要求するソフトウエアの現在のバージョン番号(Current Version 1.1)を挿入したデータを生成し、この生成したデータを更新要求として補助サーバASVに向け送信する。このデータ(更新要求)は、図9に示すようにSIPサーバSSVを介さずに直接補助サーバASVに転送される。
【0048】
補助サーバASVのソフトウエア更新要求処理部7は、上記SIPセッションの確立後に、上記ユーザ端末TMから送信されたデータをネットワークインタフェース部10及び通信プロトコル処理部8を介して受け取ると、この受け取ったデータから「発信元電話番号」と、更新を要求するソフトウエアの「現在のバージョン番号」を抽出し、これらをソフトウエア更新判定部4に送る(ステップS72)。なお、上記データ内に「発信元電話番号」が格納されていない場合には、SIPの呼接続制御においてユーザ端末TMから受信したINVITEリクエストメッセージのメッセージヘッダから「発信元電話番号」を取り出して、ソフトウエア更新判定部4に送るようにしてもよい。また、SIPセッションを確立していないユーザ端末からのデータは受け付けない。
【0049】
ソフトウエア更新判定部4は、上記送られた「発信元電話番号」及び「現在のバージョン番号」を、先ず現在バージョン番号格納レジスタ11に格納する(ステップS34)。そして、最新バージョン番号格納レジスタ3から更新を要求されたソフトウエアの「最新のバージョン番号」を読み出し、この読み出した「最新のバージョン番号」を上記受信した「現在のバージョン番号」と比較する(ステップS35)。
【0050】
続いてソフトウエア更新判定部4は、上記比較の結果、上記読み出した「最新のバージョン番号」と上記受信した「現在のバージョン番号」とが一致したか否かをステップS41で判定する。この判定の結果、両バージョン番号が一致しなければ、ソフトウエア更新判定部4は、更新が必要と判断し、現在バージョン番号格納レジスタ11に格納された上記「発信元電話番号」をソフトウエア更新サーバ検索部5に送る(ステップS42)。
【0051】
ソフトウエア更新サーバ検索部5は、上記ソフトウエア更新判定部4から受け取った「発信元電話番号」をキーにして更新サーバリスト格納メモリ6を検索し、これにより対応する「更新サーバのURL(ドメイン名)」64を読み出す(ステップS43)。例えば、いま図1及び図6に示したように「発信元電話番号」が“03-xxxx-xxxx”であれば、更新サーバリスト格納メモリ6からは、図5に示すように「東京」に配置された更新サーバUSV1のURL“http://www.koushin.tokyo.co.jp”が読み出される。そして、この読み出された更新サーバUSV1のURL“http://www.koushin.tokyo.co.jp”をソフトウエア更新要求処理部7に送る(ステップS44)。
【0052】
ソフトウエア更新要求処理部7は、ソフトウエア更新サーバ検索部5から更新サーバのURLを受け取り、この受け取った更新サーバのURLを記載したデータを生成し、この生成されたデータを通信プロトコル処理部8へ送る(ステップS81)。通信プロトコル処理部8は、ソフトウエア更新要求処理部7から送られたデータに対しTCP/IP又はUDP/IPで規定されるヘッダを付加し、このIPパケットをネットワークインタフェース部10から更新要求元のユーザ端末TMに向けて送信する(ステップS82)。
上記補助サーバASVから送信されたIPパケットは、図9に示すようにSIPサーバSSVを介さずにIPネットワークINWを介して更新要求元のユーザ端末TMに転送される。
【0053】
ユーザ端末TMは、上記IPパケットを受信すると、このIPパケットからデータを取り出す。そして、このデータから更新サーバのURL“http://www.koushin.tokyo.co.jp”を抽出する。続いて、この抽出したURL“http://www.koushin.tokyo.co.jp”をもとに、TCP/IP又はUDP/IPに従い「東京」の更新サーバUSV1に対し、図1の(5) に示すように更新要求を送信する。
【0054】
更新サーバUSV1は、上記更新要求を受信すると、先ずこの更新要求に記載された更新希望のソフトウエアのバージョン番号から更新の要否を判定し、更新が必要であれば該当する最新のソフトウエアをデータベースから読み出して、要求元のユーザ端末TMに向け図1の(6) に示すようにダウンロードする。
【0055】
一方、上記ステップS41による判定の結果、最新バージヨン番号格納レジスタ3から読み出した「最新のバージョン番号」と、上記受信した「現在のバージョン番号」とが一致したとする。この場合ソフトウエア更新判定部4は、更新の必要がないと判断し、「更新の必要がない」旨の通知情報を生成し、この生成された通知情報をソフトウエア更新要求処理部7に送る(ステップS47)。ソフトウエア更新要求処理部7は、上記ソフトウエア更新判定部4から「更新の必要がない」旨の通知情報を受け取り、この受け取った「更新の必要がない」旨の通知情報を記載したデータを生成し、この生成されたデータを通信プロトコル処理部8へ送る(ステップS83)。通信プロトコル処理部8は、ソフトウエア更新要求処理部7から送られたデータに対しTCP/IP又はUDP/IPで規定されるヘッダを付加し、このIPパケットをネットワークインタフェース部10から更新要求元のユーザ端末TMに向けて送信する(ステップS84)。
【0056】
上記補助サーバASVから送信されたIPパケットは、先に述べた更新サーバのURLをデータにより通知する場合と同様に、SIPサーバSSVを介さずにIPネットワークINWを介して更新要求元のユーザ端末TMに転送される。このIPパケットにより送られた「更新の必要がない」旨の通知情報はユーザ端末TMにおいて表示部に表示される。したがって、ユーザ端末TMにおいて、上記更新要求を再送信する動作は行われない。
【0057】
以上述べたように第2の実施形態では、ユーザ端末TMから補助サーバASVへ更新要求を送信する際に、先ずユーザ端末TMと補助サーバASVとの間でSIPによる呼接続制御を実行してSIPセッションを確立し、この状態でユーザ端末TMから補助サーバASVへ更新要求を挿入したデータを送信するようにしている。
したがって、SIPのMESSAGEリクエストメッセージを利用する場合に比べ、補助サーバASVの処理負荷及び処理時間は増加するが、実際の通信サービスにおいて通信費用を安価にすることが可能となる。
【0058】
(その他の実施形態)
前記第1及び第2の実施形態では、ユーザ端末の現在位置を表す情報として、ユーザ端末TMに予め割り当てられている電話番号を使用した。しかし、それに限定されるものではなく、例えばユーザ端末にGPS(Global Positioning System)測位機能が設けられている場合や、携帯端末のように基地局から位置情報を取得する機能を備える場合には、これらの機能により取得した位置情報を補助サーバへ送信するようにしてもよい。
【0059】
また、更新サーバリスト格納メモリ6として連想メモリを使用してもよい。連想メモリを使用すると更新サーバのURL(ドメイン名)の検索に要する時間を短縮することが可能となる。その他、サーバ補助装置の構成や処理手順及び処理内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0060】
要するにこの発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】この発明に係わるサーバ補助装置の第1の実施形態である補助サーバを備える、ネットワークを使用する更新システムの概略構成図である。
【図2】図1に示したシステムで使用される補助サーバの機能構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示した補助サーバによる処理手順と処理内容の前半部分を示すフローチャートである。
【図4】図2に示した補助サーバによる処理手順と処理内容の後半部分を示すフローチャートである。
【図5】図2に示した補助サーバに設けられる更新サーバリスト格納メモリに記憶される情報の一例を示す図である。
【図6】図1に示した補助サーバ、ユーザ端末、SIPサーバ及び更新サーバ間における通信シーケンスを示す図である。
【図7】この発明の第2の実施形態に係わる補助サーバによる処理手順と処理内容の前半部分を示すフローチャートである。
【図8】この発明の第2の実施形態に係わる補助サーバによる処理手順と処理内容の後半部分を示すフローチャートである。
【図9】この発明の第2の実施形態に係わる補助サーバ、ユーザ端末、SIPサーバ及び更新サーバ間における通信シーケンスを示す図である。
【符号の説明】
【0062】
USV1〜USV3…更新サーバ、TM…ユーザ端末、SSV…SIPサーバ、ASV…補助サーバ、INW…IPネットワーク、1…入力部、2…入力制御部、3…最新バージョン番号格納レジスタ、4…ソフトウエア更新判定部、5…ソフトウエア更新サーバ検索部、6…更新サーバリスト格納メモリ、7…ソフトウエア更新要求処理部、8…通信プロトコル処理部、10…ネットワークインタフェース部、11…現在バージョン番号格納レジスタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持するソフトウエア又はファイルの現在のバージョンを表す情報を含む更新要求を送信する機能を有するユーザ端末と、このユーザ端末から送信された更新要求をIP(Internet Protocol)網を介して受信し、この受信された更新要求に応答して更新後のソフトウエア又はファイルを要求元のユーザ端末に向け前記IP網を介して送信する機能を有する更新サーバとを備えるシステムの、前記ユーザ端末との間でSIP(Session Initiation Protocol)サーバを介して通信を行うサーバ補助装置であって、
前記更新サーバが保存するソフトウエア又はファイルの最新のバージョンを表す情報を記憶する第1のメモリと、
前記ユーザ端末からSIPを用いて送信されたのち前記SIPサーバを介して転送される更新要求を受信する受信手段と、
前記受信された更新要求に含まれる現在のバージョンを表す情報を、前記第1のメモリに記憶された該当するソフトウエア又はファイルの最新のバージョンを表す情報と比較して、更新の要否を判定する判定手段と、
前記判定手段により更新が必要と判定された場合に、予め記憶してある前記更新サーバのアドレス情報を要求元のユーザ端末に向け送信する送信手段と
を具備することを特徴とするサーバ補助装置。
【請求項2】
前記システムが、サービスエリア別に設置された複数の更新サーバを備え、かつ前記ユーザ端末が、保持するソフトウエア又はファイルの現在のバージョンを表す情報と、自端末の現在位置を表す情報とを含む更新要求を送信する場合に、
前記送信手段は、
前記ユーザ端末の位置を表す情報に対応付けて、当該位置を含むサービスエリアに設置された前記更新サーバのアドレス情報を記憶した第2のメモリと、
前記判定手段により更新が必要と判定された場合に、前記受信された更新要求に含まれるユーザ端末の現在位置を表す情報をもとに、当該現在位置を含むサービスエリアに設置されている更新サーバのアドレス情報を前記第2のメモリから読み出し、この読み出されたアドレス情報を要求元のユーザ端末に向け送信するアドレス情報送信手段と
を備えることを特徴とする請求項1記載のサーバ補助装置。
【請求項3】
前記ユーザ端末が、自端末の現在位置を表す情報として自端末に割り当てられた電話番号を前記更新要求に含めて送信する場合に、
前記第2のメモリは、前記電話番号に対応付けて、当該電話番号が割り当てられた地域を含むサービスエリアに設置された前記更新サーバのアドレス情報を記憶し、
前記アドレス情報送信手段は、前記判定手段により更新が必要と判定された場合に、前記受信された更新要求に含まれるユーザ端末の電話番号をもとに、当該電話番号が割り当てられた地域を含むサービスエリアに設置されている更新サーバのアドレス情報を前記第2のメモリから読み出し、この読み出されたアドレス情報を要求元のユーザ端末に向け送信することを特徴とする請求項2記載のサーバ補助装置。
【請求項4】
前記送信手段は、
前記判定手段により更新が不要と判定された場合には、更新の必要がない旨の通知情報を要求元のユーザ端末に向け送信する手段を
さらに備えることを特徴とする請求項1記載のサーバ補助装置。
【請求項5】
前記受信手段は、前記ユーザ端末から送信されるSIPにより規定されたMESSAGEリクエストメッセージを前記SIPサーバを介して受信して、この受信されたMESSAGEリクエストメッセージのボディ部から更新要求を抽出することを特徴とする請求項1記載のサーバ補助装置。
【請求項6】
前記受信手段は、前記ユーザ端末からの接続要求に応じて当該ユーザ端末との間でSIPによる通信セッションを確立するための呼接続処理を実行し、前記通信セッションが確立された状態で前記ユーザ端末から送信されるデータを受信して、この受信されたデータのペイロード部から更新要求を抽出することを特徴とする請求項1記載のサーバ補助装置。
【請求項7】
保持するソフトウエア又はファイルの現在のバージョンを表す情報を含む更新要求を送信する機能を有するユーザ端末と、このユーザ端末から送信された更新要求をIP(Internet Protocol)網を介して受信し、この受信された更新要求に応答して更新後のソフトウエア又はファイルを要求元のユーザ端末に向けIP網を介して送信する機能を有する更新サーバとを備えるシステムの、前記ユーザ端末との間でプロセッサの制御の下でSIP(Session Initiation Protocol)サーバを介して通信を行うサーバ補助装置で使用されるプログラムであって、
前記ユーザ端末からSIPを用いて送信されたのち前記SIPサーバを介して転送される更新要求を、通信インタフェース部により受信させる受信制御処理と、
前記受信された更新要求に含まれる現在のバージョンを表す情報を、第1のメモリに予め記憶された対応するソフトウエア又はファイルの最新のバージョンを表す情報と比較して、更新の要否を判定する判定処理と、
前記判定処理により更新が必要と判定された場合に、予め記憶してある前記更新サーバのアドレス情報を要求元のユーザ端末に向け通信インタフェース部から送信させる送信制御処理と
を、前記プロセッサに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
前記システムが、サービスエリアを分けて設置された複数の更新サーバを備え、かつ前記ユーザ端末が、保持するソフトウエア又はファイルの現在のバージョンを表す情報と、自端末の現在位置を表す情報とを含む更新要求を送信する場合に、
前記送信制御処理は、
前記判定処理により更新が必要と判定された場合に、前記ユーザ端末の位置を表す情報に対応付けて当該位置を含むサービスエリアに設置された前記更新サーバのアドレス情報を記憶した第2のメモリから、前記受信された更新要求に含まれるユーザ端末の現在位置を表す情報をもとに、当該現在位置を含むサービスエリアに設置されている更新サーバのアドレス情報を読み出す処理と、
前記読み出されたアドレス情報を要求元のユーザ端末に向け前記通信インタフェース部から送信させる処理と
を備えることを特徴とする請求項7記載のプログラム。
【請求項9】
前記ユーザ端末が、自端末の現在位置を表す情報として自端末に割り当てられた電話番号を前記更新要求に含めて送信する場合に、
前記アドレス情報を読み出す処理は、前記判定処理により更新が必要と判定された場合に、前記電話番号に対応付けて当該電話番号が割り当てられた地域を含むサービスエリアに設置された前記更新サーバのアドレス情報を記憶した第2のメモリから、前記受信された更新要求に含まれるユーザ端末の電話番号が割り当てられた地域を含むサービスエリアに設置されている更新サーバのアドレス情報を読み出すことを特徴とする請求項8記載のプログラム。
【請求項10】
前記送信制御処理は、前記判定処理により更新が不要と判定された場合には、更新の必要がない旨の通知情報を要求元のユーザ端末に向け前記通信インタフェース部から送信させることを特徴とする請求項7記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−245397(P2009−245397A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−94368(P2008−94368)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】