説明

サービス・レイヤにより支援する、マルチメディア・ストリーム・アクセス配信の変更

ストリーミング・サーバが、ハイブリッド・ユニキャスト−ブロードキャスト配信ネットワークにより配信のためのマルチメディア・ストリームを移動端末に送る。かかる移動端末がアクセス配信をユニキャストからブロードキャストに変更することを支援するために、ストリーミング・サーバは、マルチメディア・ストリームのコンテンツにおける1つ以上の隙間を示すマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を送る。移動端末は、ユニキャストによりマルチメディア・ストリームを受信すると、そのようなマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を受信する。移動端末は、同じマルチメディア・ストリームがまたブロードキャストにより利用できることを決定するけれども、移動端末は隙間中にユニキャストからブロードキャストへの変更を開始する。移動端末はアクセス変更を隙間まで遅らせるので、アクセス変更に起因するどのようなデータ損失も、マルチメディア・コンテンツの加入者体験にわずかな影響を与えるだけである。さらに、隙間がよく生じて、そのような変更が大して遅れることなく、そしてこのようにして、ブロードキャストの使用も大して遅れないであろうということを保証する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は広く、ハイブリッド・ユニキャスト−ブロードキャスト配信ネットワークにおけるマルチメディア・ストリームのアクセス配信を変更するための方法および装置に関するものであり、詳しくはマルチメディア・ストリームのコンテンツにおける隙間(interstice)にユニキャスト配信からブロードキャスト配信に変更することに関する。
【背景技術】
【0002】
移動体ネットワークでのマルチメディア・コンテンツ(たとえば、移動体テレビ)の配信に対する需要が増大しており、ブロードキャスト技術を用いてマルチメディア・コンテンツを配信する要請が強まってきている。ブロードキャスト技術は、より効率的なネットワーク利用を保証するブロードキャスト・ベアラ・サービス、たとえば、デジタル映像放送−ハンドヘルド(DVB−H)およびマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)などの使用を伴う。加入者が同じ地域で同じマルチメディア・コンテンツを要求していても、各加入者に1つのリンクを消費する、ユニキャスト・ベアラ・サービス(たとえば、3Gでのパケット交換ストリーミング)とは違って、ブロードキャスト・ベアラ・サービスは、加入者がかかる同じマルチメディア・コンテンツに対して単一のリンクを共用することを可能にする。しかしながら、マルチメディア・コンテンツを要求する加入者の数が減少するにつれて、ブロードキャスト配信の効率も低下する。したがって、ネットワーク運用会社は、あるマルチメディア・コンテンツのブロードキャスト配信を、いつでもどこでも利用できるようにすることを拒否する場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ハイブリッド・ユニキャスト−ブロードキャスト配信ネットワークでは、ユニキャスト配信は、あるマルチメディア・ストリームに対するブロードキャストのサービスエリアが有効でない場所および時間に、ブロードキャスト配信を補完する。すなわち、移動端末は、あるマルチメディア・ストリームのブロードキャスト配信が利用できなくなる場合を検出し、そしてマルチメディア・ストリームに対してユニキャスト配信を用いるように変更する。そのような変更は、ブロードキャストのサービスエリアを欠くにも係らず、配信を可能にするが、移動端末は、ブロードキャストのサービスエリアが再度利用できるようになると、より効率的なブロードキャスト配信を用いるように戻るべきである。
【0004】
移動端末がブロードキャスト配信を用いるように戻る時間は、しかしながら、ネットワーク利用の効率と加入者のマルチメディア体験の双方に影響する場合がある。ブロードキャストサービスエリアが安定しないうちに、移動端末がブロードキャスト配信を用いるように戻ると、たとえば、ユニキャスト配信とブロードキャスト配信との間でのピンポン効果が、重大なデータ損失および加入者のマルチメディア体験の中断をもたらす場合がある。他方、移動端末が、潜在的にかなりの量の時間(たとえば、加入者がマルチメディア・チャネルを変更するまで)変更を遅らせることにより、この中断を回避すると、ネットワーク利用が著しくより非効率になる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書で教示される方法および装置は、ネットワーク・リソースを効率的に利用するとともに、ユーザのマルチメディア体験における中断を最小限にしながら、移動端末がマルチメディア・ストリームのアクセス配信をユニキャスト配信からブロードキャスト配信に変更するのを、都合よく可能にする。ブロードキャスト配信が利用できるようになると直ぐにそのような変更を開始する代わりに、マルチメディア・ストリームのコンテンツにおける1つ以上の隙間を示すマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報に従って移動端末が変更を開始する。そのような隙間中での変更に起因するデータ損失はいずれも、加入者のマルチメディア体験にわずかしか影響を与えない。さらに、隙間がよく生じて、そのような変更が大して遅れることなく、そしてこのようにして、ブロードキャスト配信の使用により実現されるネットワーク利用効率の増加も遅れないであろうことを保証する。
【0006】
より詳しくは、移動端末が、ユニキャスト・ベアラでユニキャスト配信によるマルチメディア・ストリームだけでなく、かかるマルチメディア・ストリームのコンテンツにおける1つ以上の隙間を示すマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を受信する。マルチメディア・ストリームのコンテンツが、1つ以上のマルチメディア・プログラムおよび1つ以上の商業広告を備えると、たとえば、そのようなコンテンツにおける隙間が、各マルチメディア・プログラム(たとえば、商業広告)間の合間(breaks)、またはマルチメディア・プログラムと商業広告との間の合間を含む場合がある。あるいは、マルチメディア・ストリームのコンテンツは、映画フィルムすなわち映画を備える場合があり、そしてそのようなコンテンツにおける隙間がその中に1つ以上のシーン・カットを含む場合がある。したがって、移動端末はその後、同じマルチメディア・ストリームがブロードキャスト・ベアラでブロードキャスト配信により利用できるようになるのを決定するけれども、移動端末は、マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報に示された隙間中に、ユニキャスト配信からブロードキャスト配信への変更を選択的に開始する。
【0007】
そのような変更を補助するために、マルチメディア・ストリームを移動端末に送るストリーミング・サーバが、このマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を決定する。ストリーミング・サーバは、たとえば、マルチメディア・ストリームのコンテンツ自身を、たとえば、商業広告または他の映像素材がマルチメディア・プログラムに追加されている時間を自律的に識別することによるなどで、解析する場合がある。あるいは、ストリーミング・サーバは、マルチメディア・コンテンツにおける隙間の表示を、対応するコンテンツ・プロバイダから受信する場合がある。いずれにしても、ストリーミング・サーバは、このマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を移動端末に送る。ストリーミング・サーバは、たとえば、移動端末の要求に応答して、またはそのような情報が付加されていることを移動端末により知られているメッセージにそのような情報を付加することによって、そのような情報を送る。勿論、本発明は上記の特徴および利点に限定されない。実際、当業者は、以下の詳細な明細書を読むと、そして添付図面を見ると、さらなる特徴および利点を認めるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明が用いられる場合があるマルチメディア・システムのブロック図である。
【図2】図2は、本発明のストリーミング・サーバの1つの実施形態を説明するブロック図である。
【図3】図3は、移動端末がアクセス配信をユニキャスト配信からブロードキャスト配信に変更するのを補助するための、ストリーミング・サーバにおける方法の論理フロー図である。
【図4】図4は、本発明の移動端末の1つの実施形態を説明するブロック図である。
【図5】図5は、アクセス配信をユニキャスト配信からブロードキャスト配信に変更するための、移動端末における方法の論理フロー図である。
【図6A】、
【図6B】、
【図6C】図6Aから図6Cまでは、マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報をRTSPによってストリーミング・サーバに要求することで、移動端末がDVB−Hでユニキャスト配信からブロードキャスト配信に変更する手順を説明する呼フロー図である。
【図7】図7は、マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報が追加されることを知られている、ストリーミング・サーバのRTSP PLAY応答を復号することで、移動端末がDVB−Hでユニキャスト配信からブロードキャスト配信に変更する手順を説明する呼フロー図の一部である。
【図8】図8は、マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報が追加されることを知られている、ストリーミング・サーバのRTSP SET_PARAMETERメッセージを復号することで、移動端末がDVB−Hでユニキャスト配信からブロードキャスト配信に変更する手順を説明する呼フロー図の一部である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明が採用される場合があるマルチメディア・システム10を説明している。マルチメディア・システム10は、サービス・レイヤ20および、移動端末40にマルチメディア・ストリームを配信するためのハイブリッド・ユニキャスト−ブロードキャスト配信ネットワーク30を備える。
【0010】
マルチメディア・ストリームをそのような配信に利用できるようにするために、サービス・レイヤ20は、1つ以上のコンテンツ・プロバイダ22、IPネットワーク24およびストリーミング・サーバ50を備える。1つ以上のコンテンツ・プロバイダ22は各々、マルチメディア・コンテンツ、たとえば、移動体テレビのための音響/映像プログラムおよび商業広告または映画フィルムすなわち映画などを準備する。移動端末40にストリーミングするためにマルチメディア・コンテンツを適切なフォーマットに符号化してから、各コンテンツ・プロバイダ22は、このコンテンツをIPネットワーク24によって、ストリーミング・サーバ50に送る。
【0011】
ストリーミング・サーバ50は、1つ以上のコンテンツ・プロバイダ22から送られるコンテンツに対する多くのマルチメディア・ストリームを構築する。各マルチメディア・ストリームは、他のマルチメディア・ストリームと異なるコンテンツを有し、移動端末40に、あるマルチメディア・コンテンツを受信するために、いずれのマルチメディア・ストリームを受信するべきかを知るように求める。このようにして、サービス・レイヤ20は、各コンテンツ・プロバイダ22から送られるコンテンツに関する情報を電子サービス・ガイド(ESG)に集約しており、ESGは、ハイブリッド・ユニキャスト−ブロードキャスト配信ネットワーク30で配信される、あるマルチメディア・ストリームによって、あるマルチメディア・コンテンツをどのように受信するかを移動端末40に説明する。
【0012】
ハイブリッド・ユニキャスト−ブロードキャスト配信ネットワーク30には、ストリーミング・サーバ50により提供されるマルチメディア・ストリームのブロードキャスト配信に用いられるブロードキャスト配信リソース34(たとえば、ブロードキャスト・ベアラ・サービス)がある。ブロードキャスト・ベアラ・サービスの例には、たとえば、デジタル映像放送−ハンドヘルド(DVB−H)およびマルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス(MBMS)がある。特定のブロードキャスト・ベアラ・サービスに係らず、ハイブリッド・ユニキャスト−ブロードキャスト配信ネットワーク30は、かかるマルチメディア・ストリームのコンテンツの人気によっては、特定のマルチメディア・ストリームをブロードキャスト配信によって提供可能である。そうであると、ブロードキャスト配信によってかかるマルチメディア・ストリームを受信するために、移動端末40は、ESGの説明に従ってブロードキャスト・ベアラ・サービスに同調する。DVB−Hが利用される場合、たとえば、移動端末40は、ストリーミング・サーバ50がマルチメディア・ストリームをプッシュ配信するIPポートであるとしてESGに挙げられている、あるIPポートにローカル参加する。
【0013】
マルチメディア・ストリームのブロードキャスト配信は、しかしながら、ある時間に、ある地域でのブロードキャストサービスエリアを欠くために、利用できなくなる場合がある(たとえば、DVB−Hが利用されていると、信号強度が、一定のサービス品質には不十分である場合がある)。したがって、ESGはまた、ブロードキャスト配信が利用できなくなるような場合に、かかるマルチメディア・ストリームをユニキャスト配信によってどのように受信するかを、移動端末40に説明する。ユニキャスト配信のために、ハイブリッド・ユニキャスト−ブロードキャスト配信ネットワーク30には、ユニキャスト配信リソース32(たとえば、ユニキャスト・ベアラ・サービス)がある。ユニキャスト・ベアラ・サービスの例には、たとえば、3Gでのパケット交換ストリーミングまたは汎用移動体通信システム(GSM)がある。ユニキャスト配信によってマルチメディア・ストリームを受信するように変更を開始するために、移動端末40は、ブロードキャスト配信によってマルチメディア・ストリームを受信するのを停止し、そしてストリーミング・サーバ50からのマルチメディア・ストリームのユニキャスト・フローを開始するのに、ESGにおけるURIにより識別されるように、アプリケーション・レベル・プロトコルを利用する。実時間ストリーミング・プロトコル(RTSP)は、たとえば、このようにストリーミング・サーバ50を制御するために用いられる場合がある。
【0014】
しかしながら、マルチメディア・ストリームのユニキャスト配信は、マルチメディア・ストリームのブロードキャスト配信よりも効率を下げてネットワーク・リソースを利用するので、移動端末40は、ブロードキャスト配信が再び利用できるようになると、ブロードキャスト配信を用いるように戻す変更を選択的に開始する。けれども、移動端末40がこのアクセス変更を開始する特定の時間は、ブロードキャスト配信の可用性ばかりでなく、そのような変更がマルチメディア・ストリームのコンテンツの加入者視聴に及ぼす恐れのある影響にも依存する。
【0015】
加入者の視聴体験の中断を最小にする時間で、移動端末40がユニキャスト配信からブロードキャスト配信に変更するのを支援するために、ストリーミング・サーバ50は図2に従って構成される。図2では、ストリーミング・サーバ50は、ネットワーク・インタフェース回路52および、ストリーム処理回路56および隙間決定回路58を含む、1つ以上の処理回路54を備える。ストリーム処理回路56は、ネットワーク・インタフェース回路52により、移動端末40を含めて1つ以上の移動端末にマルチメディア・ストリームを送るためにマルチメディア・ストリームを構築し、そして管理するように構成される。たとえば、ストリーム処理回路56は、マルチメディア・ストリームのユニキャスト配信を開始するために、上記のプロトコル、たとえばRTSPなどに従って、マルチメディア・ストリームを管理する場合がある。
【0016】
ストリーミング・サーバ50は、しかしながら、隙間決定回路58により決定され、そしてネットワーク・インタフェース回路52により移動端末40に送られるマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報に従って、移動端末40がユニキャスト配信から変更するのを支援する。そのようなマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報は、マルチメディア・ストリームのコンテンツにおける1つ以上の隙間を示す。そのようなマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を移動端末40に提供する際、ストリーミング・サーバ50は、移動端末40がマルチメディア・コンテンツにおける隙間中にユニキャスト配信からブロードキャスト配信への変更を選択的に開始できるようにし、そしてそれによって、変更により引き起こされるマルチメディア・コンテンツにおけるどのような中断も最小限にする。さらに、隙間がよく生じて、そのような変更が大して遅れることなく、そしてこのようにして、ブロードキャスト配信の使用により実現されるネットワーク利用効率の増加も遅れないであろうことを保証する。
【0017】
1つの実施形態では、たとえば、マルチメディア・ストリームのコンテンツは、1つ以上のマルチメディア・プログラムおよび1つ以上の商業広告を含む。この場合、そのようなコンテンツにおける隙間は、マルチメディア・プログラムと商業広告との間に存在する切れ目の時点を含むことがある。あるいは、隙間には、マルチメディア・プログラム間の切れ目が、たとえば商業広告中などに存在する時間間隔を含む場合がある。注目すべきは、しかしながら、ユニキャストで配信されるマルチメディア・ストリームの商業広告は、移動端末40に個別化されており、したがって、同じ時間中にブロードキャストで配信されるマルチメディア・ストリームの商業広告とは異なる場合がある。隙間決定回路58は、したがって、マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報において、マルチメディア・ストリームのコンテンツがユニキャストとブロードキャストとの双方で同じである隙間のみ(すなわち、その間のアクセス配信変更が適切であろう隙間のみ)を示すように構成される場合がある。隙間決定回路58は、代替の方法では、マルチメディア・ストリームのコンテンツにおけるすべての隙間を示すように、しかしある隙間(たとえば、その間のコンテンツがユニキャストとブロードキャストとの双方で同じでないような隙間)中にアクセス配信変更が禁止されることをまた示すように構成される場合がある。本発明は、しかしながら、マルチメディア・ストリームの特定のコンテンツに限定されない。
【0018】
他の実施形態では、たとえば、マルチメディア・ストリームのコンテンツがそのなかにシーン・カットを含めて、映画フィルムすなわち映画を含むことを考慮している。この例では、そのようなコンテンツにおける隙間には、映画フィルムすなわち映画にあるシーン・カットの時点を含む。そのようなコンテンツにおける隙間はまた、映画クレジットなどが存在する時間間隔を含む場合がある。当業者は、したがって、そのような隙間の正確な特質が本発明を限定しないこと、そして隙間にはまたマルチメディア・ストリームのコンテンツにおける類似したどのような合間をも含む場合があることを十分理解するであろう。さらに、当業者は、隙間が様々なフォーマット、たとえば標準再生時間(Normal Play Time)(npt)、絶対時間(abs)で、またはネットワーク時間プロトコル(NTP)に従って、示される場合があることを正しく理解するであろう。
【0019】
当業者はまた容易に、隙間決定回路58がマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を決定する仕方により本発明が限定されないことを、正しく理解するであろう。1つの実施形態では、たとえば、隙間決定回路58は、たとえば、商業広告、シーン・カット、クレジット、または他の映像素材がマルチメディア・プログラムまたは映画フィルムすなわち映画に追加されている時間を自律的に識別することによるなどで、マルチメディア・ストリーム自身のコンテンツを解析する。代替の実施形態では、しかしながら、隙間決定回路58は、対応するコンテンツ・プロバイダ22から、マルチメディア・コンテンツにおける隙間の表示を受信する。そのようなタイミング情報が決定される仕方に係らず、したがって、ストリーミング・サーバ50はそれにも係わらず、マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を移動端末40に送る。
【0020】
当業者はまた容易に、ネットワーク・インタフェース回路52が、マルチメディア・セッションにおける任意時点でこのマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を送るように構成される場合があることを理解するであろう。しかしながら、ネットワーク・インタフェース回路52が、ある隙間に対応するマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を、移動端末40がかかる隙間を発見する前のある時点で送ると、移動端末40は、その隙間中にアクセス配信における変更を開始するだけの場合がある。マルチメディア・ストリームのコンテンツがマルチメディア生番組を含む場合にそのようにするために、たとえば、ストリーミング・サーバ50はさらに、遅延バッファ(図示されていない)を備える場合がある。マルチメディア・ストリームの送信を(たとえば、1秒間)遅らせることにより、遅延バッファは、ある隙間を示すマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報が、移動端末40がかかる隙間を発見する前に、送られるようにできる。しかも、マルチメディア・ストリームのコンテンツがマルチメディア生番組を含むかどうかに係らず、移動端末40は、ネットワーク・インタフェース回路52がマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を送るかどうか、そしていつ送るかを制御可能である。
【0021】
1つの実施形態では、たとえば、ネットワーク・インタフェース回路52は、1つ以上の移動端末の要求、たとえば移動端末40の要求などに応答して、マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を送る。そのような要求は、移動端末40へのユニキャスト配信中の任意の時点で移動端末40によりなされる場合がある。RTSP GET_PARAMETER法によって移動端末40により要求される場合、たとえば、ネットワーク・インタフェース回路52は、マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報をGET_PARAMETER応答の本体内に含める。
【0022】
代替の実施形態では、しかしながら、ネットワーク・インタフェース回路52は、マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を、そのような情報が付加されていることを移動端末により知られているメッセージに付加することにより送るように構成される。ネットワーク・インタフェース回路52は、たとえば、移動端末40がブロードキャスト配信からユニキャストに変更する場合、自動的に(すなわち、ブロードキャストサービスエリアが利用できるようになることを予期して)マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を送る場合がある。この実施形態でユニキャスト配信がRTSPを用いて設定されると、ネットワーク・インタフェース回路52は自動的に、マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報をRTSP PLAY応答に付加する場合がある。あるいは、ネットワーク・インタフェース回路52は、マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報をRTSP SET_PARAMETERメッセージに付加する場合がある。他の例には、マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報をESGに、または任意のDVB通知メッセージに付加することを含む。
【0023】
勿論、本発明のストリーミング・サーバ50は、マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を移動端末40に送るために、一定のプロトコルを用いることに何ら限定されない。実際、ストリーミング・サーバ50は、マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を、たとえば、RTSPメッセージ、実時間トランスポート・プロトコル・パケット、または一方向トランスポートでのファイル配信(FLUTE)パケットを利用して送る場合がある。
【0024】
ストリーミング・サーバ50の変形および実装の上記要点を考慮に入れて、当業者は、本発明のストリーミング・サーバ50が広く、図3で説明されている方法を行うことを正しく理解するであろう。図3に従って、ネットワーク・インタフェース回路52は、ハイブリッド・ユニキャスト−ブロードキャスト配信ネットワーク30により、ユニキャスト配信およびブロードキャスト配信のためのマルチメディア・ストリームを、移動端末40を含めて、1つ以上の移動端末に送る(ブロック100)。かかるマルチメディア・ストリームのアクセス配信をユニキャスト配信からブロードキャスト配信に変更する際に、それらの移動端末を補助するために、隙間決定回路58は、マルチメディア・ストリームのコンテンツにおける1つ以上の隙間を示すマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を決定する(ブロック110)。ネットワーク・インタフェース回路52はその後、そのようなマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を、ネットワーク30からマルチメディア・ストリームを受信する、移動端末40を含めて、1つ以上の移動端末に送る(ブロック120)。
【0025】
加入者の視聴体験への中断を最小限にする時間でユニキャスト配信からブロードキャスト配信に変更するためにストリーミング・サーバ50により送られるマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を利用するように、移動端末40は、図4に従って構成される。図4で、移動端末40は、受信機42および1つ以上の処理回路44を備える。
【0026】
受信機42は、移動端末40をストリーミング・サーバ50と通信できるように連結する。ストリーミング・サーバ50と移動端末40との間の通信は、ハイブリッド・ユニキャスト−ブロードキャスト配信ネットワーク30によって生じるので、受信機42は、ユニキャスト配信かブロードキャスト配信のどちらかによって、ストリーミング・サーバ50からマルチメディア・ストリームを受信するように構成される。前述のように、たとえば、受信機42は、ESGに挙げられている一定のIPポートへの地域参加が、それによってブロードキャスト配信による受信を容認できるように、構成される場合がある。アクセス配信に係らず、しかしながら、受信機42は、今度は1つ以上の処理回路44に通信できるように連結される。
【0027】
1つ以上の処理回路44は、上述のように、マルチメディア・ストリームのアクセス配信をユニキャスト配信からブロードキャスト配信に変更するように構成される。より詳しくは、1つ以上の処理回路44はストリーミング・サーバ50からマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を受信するように構成される。再度、このマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報は、マルチメディア・ストリームのコンテンツにおける1つ以上の隙間を示し、そしてマルチメディア・プログラム間の合間、マルチメディア・プログラムと商業広告との間の合間、シーン・カット、クレジット、またはコンテンツにおける同様な合間を含む場合がある。1つ以上の処理回路44はさらに、同じマルチメディア・ストリームがまた、ストリーミング・サーバ50からブロードキャスト/マルチキャスト配信により利用できることを決定するように構成される。しかしながら、1つ以上の処理回路44は、マルチメディア・ストリームが利用できるようになると直ぐに、ブロードキャスト配信への変更を必ずしも開始する必要はない。むしろ、1つ以上の処理回路44は、前に受信したマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報に基づいてアクセス変更を選択的に開始する。すなわち、1つ以上の処理回路44は、隙間のうちの対応する1つの間に、マルチメディア・ストリームのユニキャスト配信からブロードキャスト配信への変更を選択的に開始する。1つ以上の処理回路44は、たとえば、次にやってくる隙間中にブロードキャスト配信に変更する場合がある。マルチメディア・コンテンツにおける隙間中にユニキャスト配信からブロードキャスト配信に変更する際に、移動端末40はそれにより、マルチメディア・コンテンツにおける、変更により引き起こされる可能性のある中断をいずれも最小限にする。さらに、これらの隙間がよく生じて、そのような変更が大して遅れることなく、そしてそのようにして、ブロードキャスト配信の使用により実現されるネットワーク利用効率の増加も遅れないであろうことを保証する。
【0028】
図4で説明されている1つの実施形態では、移動端末40はさらに、クライアント・アプリケーション・プログラム47を格納するためのメモリ46を備える。この実施形態では、1つ以上の処理回路44は、クライアント・アプリケーション・プログラムを実行することによって上述のようにアクセス配信を変更し、それによってクライアント・アプリケーション45を創り出すように構成される。クライアント・アプリケーション45は、たとえば、移動端末40における多くのアプリケーションの1つまたは、移動端末40におけるそれらの多くのアプリケーションに利用できる共通の機能を提供する、アプリケーション領域に存在する高レベル論理を備える場合がある。とにかく、クライアント・アプリケーション45は、通信する1つ以上のミドルウェアAPIレイヤのサービス、たとえばマルチメディア・プレイヤなどを利用し、そしてサービス・レイヤ20においてストリーミング・サーバ50からのマルチメディア・ストリームの受信を達成する場合がある。さらに、上述のように、マルチメディア・ストリームのアクセス配信をユニキャスト配信からブロードキャスト配信に変更するために、1つの実施形態では、クライアント・アプリケーション45は機能的に、配信受取コントローラ62、配信選択タイミング・コントローラ64、配信利用コントローラ66、および配信選択コントローラ68を備える。
【0029】
配信受取コントローラ62は、ストリーミング・サーバ50から送られるマルチメディア・ストリームを、ユニキャスト・ベアラでユニキャスト配信により受信するように構成される。配信利用コントローラは、同じマルチメディア・ストリームがまた、ストリーミング・サーバ50からブロードキャスト・ベアラでブロードキャスト配信により利用できることを決定するように構成されるけれども、移動端末40は、ブロードキャスト配信が利用できるようになると直ぐに、必ずしもブロードキャスト配信に変更するとは限らない。むしろ、配信選択タイミング・コントローラ64は、上述のようにストリーミング・サーバ50により送られるマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を受信し、そして配信選択コントローラ68は、そのようなタイミング情報に基づいてアクセス変更を選択的に開始する。したがって、配信選択コントローラ68は、隙間のうちの対応する1つの間にマルチメディア・ストリームのユニキャスト配信からブロードキャスト配信への変更を選択的に開始する。
【0030】
当業者は、ストリーミング・サーバ50における上述の変形に伴う場合がある、移動端末40での対応する変形を正しく理解するであろう。1つの実施形態では、たとえば、1つ以上の処理回路44はさらに、マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報をストリーミング・サーバ50に要求するように構成される。そのような実施形態では、1つ以上の処理回路44は、そのようなタイミング情報を要求するためにRTSP GET_PARAMETER法を利用する場合がある。代替の実施形態では、1つ以上の処理回路44は、マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報が付加されていることを知られているメッセージを復号するように構成される。
【0031】
1つ以上の処理回路44は、たとえば、RTSP PLAY法に対するストリーミング・サーバ50の応答を復号することによって、またはストリーミング・サーバ50により送られるRTSP SET_PARAMETERメッセージを復号することにより、タイミング情報を受信する場合がある。他の例には、マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報をESGにまたは任意のDVB通知メッセージに付加する工程を含む。しかも本発明の移動端末40は、マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を受信するために、一定のプロトコルを用いることに何ら限定されない。実際、移動端末40は、マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を、たとえば、RTSPメッセージ、実時間トランスポート・プロトコル・パケット、または一方向トランスポートでのファイル配信(FLUTE)パケットを復号することにより受信可能である。
【0032】
他の変形が、しかしながら、移動端末40の特定の実装を伴う場合がある。1つの実施形態では、1つ以上の処理回路44は、マルチメディア・ストリームがまた、マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報により示される隙間の直前の時間で、ブロードキャスト配信により利用できるかどうかを調べるだけである。すなわち、1つ以上の処理回路44は、同じマルチメディア・ストリームがまた、隙間が生じる直前にブロードキャスト配信により利用できることを決定し、そしてかかる隙間中にユニキャスト配信からブロードキャスト配信への変更を選択的に開始する。
【0033】
さらに、いずれの隙間中にアクセス変更を選択的に開始すべきかについて、1つ以上の処理回路44によりなされる決定がまた、(たとえば、アクセス配信タイプ間でのピンポン効果を防止するために、)より知的になされる場合がある。1つの実施形態では、たとえば、1つ以上の処理回路44は、マルチメディア・ストリームがある最小限の期間にわたってユニキャスト配信により受信されていると、変更を開始することにより、ユニキャスト配信からブロードキャスト配信への変更を選択的に開始する。1つの実施形態では、たとえば、1つ以上の処理回路44は、ブロードキャスト配信からユニキャスト配信にごく最近変更されたアクセス配信を含めて、マルチメディア・ストリームに対するアクセス配信変更時間の履歴を維持する場合がある。この場合、1つ以上の処理回路44は、このごく最近のアクセス配信変更時間以来、最小限の時間が過ぎていると、ユニキャスト配信からブロードキャスト配信への変更を選択的に開始する場合がある。特定の実装に係らず、しかしながら、この実施形態における1つ以上の処理回路44は、アクセス配信タイプ間での潜在的なピンポン効果を防止する。
【0034】
再度、移動端末40の変形および実装の上記要点を考慮に入れて、当業者は、本発明の移動端末40が広く、図5に説明されている方法を行うことを正しく理解するであろう。図5に従って、受信機42は、マルチメディア・ストリームをユニキャスト・ベアラでユニキャスト配信により受信する(ブロック130)。移動端末40が加入者の視聴体験への中断を最小限にする時間で、このユニキャスト配信からブロードキャスト配信に変更できるようにするために、1つ以上の処理回路44は、マルチメディア・ストリームのコンテンツにおける1つ以上の隙間を示すマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を受信する(ブロック140)。同じマルチメディア・ストリームがまた、ブロードキャスト・ベアラでブロードキャスト配信により利用できることを、1つ以上の処理回路44が決定して(ブロック150)からの時点で、1つ以上の処理回路44は、隙間のうちの対応する1つの隙間中にマルチメディア・ストリームのユニキャスト配信からブロードキャスト配信への変更を選択的に開始する(ブロック160)。
【0035】
図6Aから図6Cまでの実施形態は、クライアント・アプリケーション45によってアクセス配信を変更する1つ以上の処理回路44に従って実装される移動端末40の特定の例を説明している。特に、クライアント・アプリケーション45は、移動体テレビ・マルチメディア・ストリームを受信するために上述したような方法を行うように構成される。図6Aから図6Cまででは、クライアント・アプリケーション45は、通信するミドルウェアAPIレイヤのサービス、TVプレーヤー70およびBC HW受信機74を利用し、そしてストリーミング・サーバ50からのマルチメディア・ストリームの受信を達成する。したがって、TVプレーヤー70は、クライアント・アプリケーション45に、移動体テレビの受信およびレンダリングに関連するサービスだけでなく、IPスタック72によってストリーミング・サーバ50との通信も提供する。IPスタック72は、マルチメディア・ストリームを搬送するためにRTP/UDP/IPを、そしてマルチメディア・ストリームを受信することに関連する制御メッセージを搬送するためにRTSP/TCP/IPを用いて、IPに基づく搬送を提供する。マルチメディア・ストリームをIPスタック72に提供することに加えて、BC HW受信機は、クライアント・アプリケーション45が信号強度表示APIによってブロードキャスト配信の可用性の表示を受信できるようにする。移動端末40のそのような典型的な実装が本発明を説明するのに有用であるが、当業者は、用いられる特定の実装が本発明を限定しないことを正しく理解するであろう。
【0036】
次に図6Aの呼フロー図を参照すると、クライアント・アプリケーション45は、マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報をストリーミング・サーバ50にRTSPによって要求することにより、DVB−Hでユニキャスト配信からブロードキャスト配信に変更する。特に、ESGに含まれるマルチメディア・コンテンツのリストが与えられると、加入者は、一定のマルチメディア・コンテンツを視聴することを選択する(工程1)。ESGはまた、RTSP URIおよび、ユニキャスト配信とブロードキャスト配信との両方で選択されたマルチメディア・コンテンツに対応するマルチメディア・ストリームをどのように受信するかをクライアント・アプリケーション45に説明する、BCセッション記述プロトコル(SDP)を含む。本明細書に基づいて、クライアント・アプリケーション45は、マルチメディア・ストリームに対してRTSP URIおよびBC SDPを用いてTVプレーヤー70からTVセッションを創り出し(工程2)、そしてマルチメディア・トラック(たとえば、音響および映像)が描画されるように選ぶ(工程3)。クライアント・アプリケーション45により選ばれたマルチメディア・トラックが与えられると、TVプレーヤー70は、RTSPによって、ユニキャスト配信のためのセッションを設定する(工程4)だけでなく、ブロードキャスト配信のために並列セッションを設定する(工程5)。
【0037】
ユニキャスト配信かブロードキャスト配信のいずれかによってマルチメディア・ストリームを受信するように決める際、クライアント・アプリケーション45は、好適なブロードキャスト配信が利用できるかどうかを判定する。そうするために、クライアント・アプリケーション45は、DVB−Hに対する信号強度を調べるために、BC HW受信機74からの信号強度APIを用いる(工程6)。この例では、信号強度は一定のサービス品質に対する要件を満たし、そしてこのようにして、図6Bに示されているように、クライアント・アプリケーション45は、ブロードキャスト配信によってマルチメディア・ストリームを受信するように要求する(工程7)。TVプレーヤー70が、ブロードキャスト配信のために、ESGに挙げられているIPポートに地域参加してから、TVプレーヤー70は、ブロードキャスト配信によってレンダリングのためのマルチメディア・ストリームを受信する(工程8)。
【0038】
しばらくすると、しかしながら、クライアント・アプリケーション45は、マルチメディア・ストリームの好適なブロードキャスト配信には、IPパケット到着率が不十分であることを示す報告を受信する。ブロードキャストのサービスエリアを離れると、クライアント・アプリケーション45は、ブロードキャスト配信からユニキャスト配信に変更するように決める(工程9)。したがって、クライアント・アプリケーション45は、以前に設定したユニキャスト・セッションを用いてユニキャスト配信によってマルチメディア・ストリームを受信するように要求する(工程10)。そのような変更を達成するために、TVプレーヤー70は、ブロードキャスト配信を終わらせ、そしてRTSP PLAY法によってユニキャスト配信を開始する(工程11)。ストリーミング・サーバ50は、RTSP PLAY要求に応答("OK")を提供し、するとすぐに、TVプレーヤー70は、ユニキャスト配信によってレンダリングのためのマルチメディア・ストリームを受信する。
【0039】
上述したように、しかしながら、クライアント・アプリケーション45は、利用できるのであれば、ブロードキャスト配信によってマルチメディア・ストリームを受信し勝ちである。したがって、利用できるならば、その場合には、ブロードキャスト配信に変更することに備えて、クライアント・アプリケーション45は、マルチメディア・コンテンツの加入者視聴での中断を最小限にする時間中にそのような変更を達成するために、マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報(たとえば、切り替え時間のリスト)を要求する(工程12)。切り替え時間のリストは、前述のように、マルチメディア・プログラム間の合間、マルチメディア・プログラムと商業広告との間の合間、シーン・カット、クレジット、またはコンテンツにおける同様な合間のような、マルチメディア・ストリームのコンテンツにおける隙間を備える。RTSP GET_PARAMETER法を用いてTVプレーヤー70によってなされる要求に応答して、ストリーミング・サーバ50は、要求されたマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を提供する。
【0040】
マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報により示される(工程13)隙間の直前に、クライアント・アプリケーション45は、図6Cで示されているように、DVB−Hに対する信号強度を調べることにより、好適なブロードキャスト配信が利用できるかどうかを判定する(工程14)。この例では、信号強度は、ブロードキャスト配信のために一定のサービス品質に対する要件を満たす(工程15)。クライアント・アプリケーション45は、したがって、マルチメディア・コンテンツの加入者視聴で中断を最小限にするように隙間で好適なブロードキャスト配信への変更を選択的に開始する場合がある。そうするために、クライアント・アプリケーションは、ブロードキャスト配信によってマルチメディア・ストリームを受信するように要求し(工程16)、するとすぐに、TVプレーヤー70は、マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報に示されている隙間でブロードキャスト配信を用いるように変更する(工程17)。
【0041】
上記の例は、勿論、マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を、そのような情報が付加されていることを知られているメッセージを復号することにより、クライアント・アプリケーション45が受信することを説明するように修正可能である。図6Bにおける上述の工程10から工程12までは、たとえば、図7で説明されている工程10から工程12までと置き換え可能である。図7では、ストリーミング・サーバ50は、クライアント・アプリケーション45のRTSP PLAY要求に対する応答("OK")を送り(工程10)、そして切り替え時間のリストをかかる応答に自動的に付加する(工程11)。したがって、クライアント・アプリケーション45は、切り替え時間のリストが付加されていることを知られているこの応答を復号する。この応答を復号することにより、切り替え時間のリストを既に受信していて、クライアント・アプリケーション45は、図6Bで説明されている工程12におけるように、リストを特に要求する必要がない。むしろ、クライアント・アプリケーション45は、ユニキャスト配信によってマルチメディア・ストリームを単に受信可能である(工程12)。
【0042】
あるいは、図6Bにおける上述の工程10から工程12までは、図8に説明されている工程10から工程12までに置き換えられる場合がある。図8では、再度、クライアント・アプリケーション45は、ユニキャスト配信によってマルチメディア・ストリームを受信するように要求し(工程10)、そしてTVプレーヤー70はそれに対応して、RTSP PLAY法によってユニキャスト配信を開始する(工程11)。図7におけるように、切り替え時間のリストをRTSP PLAY応答に自動的に付加する代わりに、しかしながら、ストリーミング・サーバ50は、TVプレーヤー70が、ユニキャスト配信によってレンダリングのためにマルチメディア・ストリームを受信し始めてしばらく後に送られるRTSP SET_PARAMETERメッセージに切り替え時間のリストを自動的に付加する(工程12)。したがって、クライアント・アプリケーション45は、切り替え時間のリストが追加されていることを知られている、このメッセージを復号する。
【0043】
クライアント・アプリケーション45が、図7および図8でマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を受信する仕方に係らず、けれども、クライアント・アプリケーション45は、図6Aから図6Cまでに関して説明したのと同じ仕方で、すなわち、マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報内に示されている隙間に従って、アクセス配信の変更を開始する。
【0044】
しかしながら、当然のことながら、前述の明細書および添付の図面は、本明細書で教示されている方法および個々の装置の限定されない例を表わしている。そのようなものとして、本発明は、前述の明細書および添付の図面により限定されない。その代わりに、本発明は、以下の特許請求の範囲およびそれらの法的均等論によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッド・ユニキャスト−ブロードキャスト配信ネットワークにおいてマルチメディア・ストリームのアクセス配信をユニキャスト配信からブロードキャスト/マルチキャスト配信に変更する、移動端末における方法であって、
ユニキャスト・ベアラでユニキャスト配信により前記マルチメディア・ストリームを受信する工程と、
前記マルチメディア・ストリームの前記コンテンツにおける1つ以上の隙間を示すマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を受信する工程と、
同じマルチメディア・ストリームをまたブロードキャスト/マルチキャスト・ベアラでブロードキャスト/マルチキャスト配信により利用できることを判定する工程と、
前記隙間のうちの対応する1つの間に前記マルチメディア・ストリームのユニキャスト配信からブロードキャスト/マルチキャスト配信への変更を選択的に開始する工程と
有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記マルチメディア・ストリームのユニキャスト配信からブロードキャスト/マルチキャスト配信への変更を選択的に開始する工程が、ある最小限の期間にわたってユニキャスト配信により前記マルチメディア・ストリームが受信されていれば変更を開始する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を要求する工程をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を受信する工程が、前記マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報が付加されていることを知られているメッセージを復号する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を受信する工程が、実時間ストリーミング・プロトコル・メッセージ、実時間トランスポート・プロトコル・パケット、または一方向トランスポートでのファイル配信(FLUTE)パケットのうちの1つを復号する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報がまた前記1つ以上の隙間の各々の間でのアクセス変更が禁止されているかどうかを示しており、かつ前記マルチメディア・ストリームのユニキャスト配信からブロードキャスト/マルチキャスト配信への変更を選択的に開始する工程が前記隙間のうちの前記対応する1つの間での変更が禁止されていることを前記マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報が示さなければ、変更を開始する工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
移動端末をストリーミング・サーバと通信できるように連結するための受信器であって、ユニキャスト・ベアラでユニキャスト配信により、またはブロードキャスト/マルチキャスト・ベアラでブロードキャスト/マルチキャスト配信により、前記ストリーミング・サーバからマルチメディア・ストリームを受信するように構成された受信機と、
前記受信機に通信できるように連結され、ハイブリッド・ユニキャスト−ブロードキャスト配信ネットワークにおける前記マルチメディア・ストリームのアクセス配信をユニキャスト配信からブロードキャスト/マルチキャスト配信への変更を、
前記マルチメディア・ストリームの前記コンテンツにおける1つ以上の隙間を示すマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を前記ストリーミング・サーバから受信する工程と、
同じマルチメディア・ストリームがまたブロードキャスト/マルチキャスト配信により前記ストリーミング・サーバから利用できることを判定する工程と、
前記隙間のうちの対応する1つの間に前記マルチメディア・ストリームのユニキャスト配信からブロードキャスト/マルチキャスト配信への変更を選択的に開始する工程と
の各工程により行うように構成された1つ以上の処理回路と
を備えることを特徴とする移動端末。
【請求項8】
前記1つ以上の処理回路が、ある最小限の期間にわたってユニキャスト配信により前記マルチメディア・ストリームが受信されていれば変更を開始することにより、前記マルチメディア・ストリームのユニキャスト配信からブロードキャスト/マルチキャスト配信への変更を選択的に開始するように構成されることを特徴とする請求項7に記載の移動端末。
【請求項9】
前記1つ以上の処理回路がさらに、前記マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を前記ストリーミング・サーバに要求するように構成されることを特徴とする請求項7に記載の移動端末。
【請求項10】
前記1つ以上の処理回路が、前記マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報が付加されていることを知られているメッセージを復号することにより前記マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を受信するように構成されることを特徴とする請求項7に記載の移動端末。
【請求項11】
前記1つ以上の処理回路が、実時間ストリーミング・プロトコル・メッセージ、実時間トランスポート・プロトコル・パケット、または一方向トランスポートのファイル配信(FLUTE)パケットのうちの1つを復号することにより前記マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を受信するように構成されることを特徴とする請求項7に記載の移動端末。
【請求項12】
前記マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報がまた前記1つ以上の隙間の各々の間でのアクセス変更が禁止されているかどうかを示しており、かつ前記隙間のうちの前記対応する1つの間での変更が禁止されていることを前記マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報が示していなければ変更を開始することにより前記1つ以上の処理回路が前記マルチメディア・ストリームのユニキャスト配信からブロードキャスト/マルチキャスト配信への変更を選択的に開始するように構成されることを特徴とする請求項7に記載の移動端末。
【請求項13】
ハイブリッド・ユニキャスト−ブロードキャスト配信ネットワークにおいて移動端末がマルチメディア・ストリームのアクセス配信をユニキャスト配信からブロードキャスト/マルチキャスト配信に変更することを支援する、ストリーミング・サーバにおける方法であって、
前記ネットワークによりユニキャスト配信およびブロードキャスト配信のための前記マルチメディア・ストリームを1つ以上の移動端末に送る工程と、
前記マルチメディア・ストリームの前記コンテンツにおける1つ以上の隙間を示すマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を決定する工程と、
前記ネットワークから前記マルチメディア・ストリームを受信する1つ以上の移動端末に前記マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を送る工程と
を有することを特徴とする方法。
【請求項14】
前記マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を1つ以上の移動端末に送る工程が、前記1つ以上の移動端末からの要求に応答して前記マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を送る工程を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を1つ以上の移動端末に送る工程が、前記マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報が付加されていることを前記1つ以上の移動端末に知られているメッセージに前記マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を付加する工程を備えることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を1つ以上の移動端末に送る工程が、実時間ストリーミング・プロトコル・メッセージ、実時間トランスポート・プロトコル・パケット、一方向トランスポートでのファイル配信(FLUTE)パケットのうちの1つを送る工程を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記1つ以上の隙間の各々の間でのアクセス変更が禁止されているかどうかを前記マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報の一部として示す工程をさらに有することを特徴とする
請求項13に記載の方法。
【請求項18】
ハイブリッド・ユニキャスト−ブロードキャスト配信ネットワークにおいて移動端末がマルチメディア・ストリームのアクセス配信をユニキャスト配信からブロードキャスト/マルチキャスト配信に変更することを支援するように構成されたストリーミング・サーバであって、
前記マルチメディア・ストリームを構築し、そして管理するように構成されたストリーム処理回路と、
前記マルチメディア・ストリームの前記コンテンツにおいて1つ以上の隙間を示すマルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を決定するように構成された隙間決定回路と、
ユニキャスト配信およびブロードキャスト配信のための前記マルチメディア・ストリームを前記ネットワークにより1つ以上の移動端末に送り、かつ前記ネットワークから前記マルチメディア・ストリームを受信する1つ以上の移動端末に前記マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を送るように構成されたネットワーク・インタフェース回路と
を備えることを特徴とするストリーミング・サーバ。
【請求項19】
前記ネットワーク・インタフェース回路が、前記マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を1つ以上の移動端末に前記1つ以上の移動端末からの要求に応答して送るように構成されることを特徴とする請求項18に記載のストリーミング・サーバ。
【請求項20】
前記ネットワーク・インタフェース回路が、前記マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報が付加されていることを前記1つ以上の移動端末に知られているメッセージに、前記マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を付加することにより、前記マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を1つ以上の移動端末に送るように構成されることを特徴とする請求項18に記載のストリーミング・サーバ。
【請求項21】
前記ネットワーク・インタフェース回路が、実時間ストリーミング・プロトコル・メッセージ、実時間トランスポート・プロトコル・パケット、または一方向トランスポートでのファイル配信(FLUTE)パケットのうちの1つを送ることにより前記マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報を1つ以上の移動端末に送るように構成されることを特徴とする請求項18に記載のストリーミング・サーバ。
【請求項22】
前記隙間決定回路がさらに、前記マルチメディア・コンテンツ・タイミング情報の一部として前記1つ以上の隙間の各々の間でのアクセス変更が禁止されているかどうかを示すように構成されたことを特徴とする請求項18に記載のストリーミング・サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−514362(P2012−514362A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542840(P2011−542840)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067945
【国際公開番号】WO2010/076301
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】