説明

サーモロールの端部

本発明の目的は、サーモロールの端部に係る。熱媒体のフォワード・フローは、フォワード・フロー・パッセージを介して、サーモロール・シェルのフォワード・パッセージへと配置され、熱媒体のリターン・フローは、リターン・フロー・パッセージを介して、シェルのリターン・パッセージから配置される。端部の少なくともいくつかのフォワード・フロー・パッセージ、及び/又は、端部の少なくともいくつかのリターン・フロー・パッセージは、端部本体の外側に蒸着され、端部本体は軸受ジャーナル及びフランジを有する。端部はフォワード・フロー/リターン・フローとシェルのフォワード/リターン・パッセージとの間に配置された接続構成要素を有する。そのため、接続構成要素を使用することによって、フォワード・フローは、夫々単一の端部のフォワード・フロー・パッセージから、シェルの少なくとも2つのパッセージへと分配される。接続構成要素を使用することによって、リターン・フローは、夫々単一の端部のリターン・フロー・パッセージへとシェルの少なくとも2つのリターン・パッセージで組み合わされる。追加的に、本発明の目的は、サーモロールの端部を製造する方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイバー・ウェブ機、望ましくは紙、パルプ、及びボードの機械に係る。
【0002】
本発明は、サーモロールの端部に係る。そこで、熱媒体のフォワード・フローは、フォワード・フロー・パッセージを介して、サーモロール・シェルのフォワード・パッセージへと配置され、熱媒体のリターン・フローは、リターン・フロー・パッセージを介して、シェルのリターン・パッセージから配置される。
【0003】
本発明はまた、サーモロールの端部を作る方法に係る。そこで、熱媒体のフォワード・フローは、端部のフォワード・フロー・パッセージを介して、サーモロール・シェルのフォワード・パッセージへと配置され、熱媒体のリターン・フローは、リターン・フロー・パッセージは、シェルのリターン・パッセージから配置される。
【背景技術】
【0004】
マルチニップカレンダの速度は、過去数年間で非常に上昇してきている。要求されたカレンダリング効果を得るよう、サーモロールの表面温度は、200℃乃至250℃まで上昇されるよう要求されている。サーモロールの高い表面温度と相まった高速は、サーモロールから運ばれた熱容量が非常に高いことを意味する。即ち、新しい工程では、典型的には200kW/mである。これに加え、カレンダの前の水湿潤を使用することがより一般的になっており、このことが、また、要求される熱容量を上昇させる。
【0005】
サーモロールは、通常、ロール・シェルに有されているパッセージを介して加熱/冷却される。将来、要求された熱容量に達するよう、パッセージは、サーモロールの表面に非常に近く配置されなければならない。続いて、表面温度の周辺方向上のパッセージの効果、及びサーモロールの変位の動径成分のプロファイル(所謂、波動効果)は、非常に活発に上昇する。表面温度の変化は、紙の質に対して問題を引き起こし得、また、変異の動径成分の変化は、その部分に関する限り、妨害する(barring)問題を引き起こし得る。これらの悪影響を最低限化するよう、パッセージの数は非常に増加されなければならず、その寸法は、夫々より小さくされなければならない。
【0006】
周知の通り、熱媒体のフローは、ロールの端部に与えられたフロー・パッセージ/ボアを介して、サーモロール・シェルに通される。これらのボアは、端部に配置された分配構成要素から始まり、シェルでフロー・パッセージ/ボアと相互接続する。配置の中には、端部の分配構成要素からシェルの各ボアに到達する個別の端部パッセージ/ボアがあるものがあり、他の配置では、分配構成要素からでるフォワード・フロー・ボアは、端部の周辺で2つのシェルのフォワード・パッセージへと分割される。
【0007】
現行のフロー・パッセージの数(約15乃至50)を伴い、テンディング(tendingu)側の端部は、まだ比較的に作るのが容易である。フロー・パッセージの数が100近くまである際、それらを、端部とシェルとを接続するのに必要とされるボルト穴を伴って現行の端部に適合させるのは、不可能ではないが非常に困難となる。
【0008】
従来の端部の構造は、非常に保守を行ない易いものでは決してない。新しいカレンダリング工程では、オイル温度が高い。即ち、封及び絶縁ブッシングの耐用年数は、サーモロール自体の耐用年数よりも推定上は短いため、上述の部分をサーモロールの保守対象とする。例えば、フロー・パッセージを確認し、シールを変更し、又はシェルの絶縁ブッシングを変更するよう、端部全体が取り外されなければならない。端部を取り外し及び取り付けた後、ロール・シェルは研磨されなければならず、サーモロールは平衡を保たれなければならない。通常は、サーモロール製造者のみが特にバランシング(釣り合わせ)を実行でき、サーモロールは、場合によっては非常に単純な保守業務で数キロメートルにわたって輸送され得る。
【0009】
水、蒸気、又はオイル等の熱媒体で加熱され、終端フランジ及び軸受ジャーナルを有する既知のロールの端部は、異なる方向に多数の止まり穴のボアを有するため、製造が複雑でコスト高である。製造中、フロー・パッセージは、止まり穴ボアとして、又は、接続されているボア及び特別な精度を要求するボアを介して、典型的には与えられている。止まり穴ボアード・パッセージのシステムにおける1つの課題は、鋭角によって構成される点である。該鋭角は、そこに製造され、媒体のフローの観点からすると最適ではないが、ドリルあけにおいては避けられ得ないものである。
【0010】
サーモロールのロール・ベアリングは、多大な熱負荷を受ける。これは特に、現時点で熱媒体から要求される高温のためであり、熱いベアリングを潤滑することは困難である。ロール・ベアリングの熱負荷を低減させるよう、特別な真空絶縁スリーブが、軸受ジャーナルの内部に使用されることがあり、かかるスリーブを製造することはまた、追加的コストを招く。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述の問題及び脆弱性を解消、又は少なくとも非常に低減すること、及び、多数のフロー・パッセージを伴ったサーモロールの端部構造の製造を可能な限り容易にすることを全体的な目的とする。本発明の追加的な目的は、上述の熱媒体パッセージの形状を示すフロー・パッセージのシステム及びその構成部品の保守を促進することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の目的は、本発明によって与えられ、その特別な特徴は添付の請求項で定義付けられる。
【0013】
サーモロールの端部は、端部のフォワード・フロー・パッセージの少なくともいくつかは、及び/又は、端部のリターン・フロー・パッセージの少なくともいくつかは、端部本体の外側に蒸着され、端部本体は軸受ジャーナル及びフランジを有することを特徴とする。
【0014】
続いて、フォワード側の接続構成要素は、望ましくは、端部本体の外側でフォワード・フロー・パッセージとなるよう配置され、及び/又は、リターン側の接続構成要素は、リターン・フロー・パッセージとなるよう配置される。接続構成要素は、チューブ又はパイプで作られ、望ましくは取外し可能なように配置されている。
【0015】
本発明の適用によれば、フォワード側では、望ましくは軸受ジャーナルの周辺に放射状のパッセージとなるよう配置される第1のフォワード・フロー・パッセージは、軸受ジャーナルに与えられる。他の適用によれば、望ましくは直線状のパッセージとして形成された第1のフォワード・フロー・パッセージは、フランジに与えられ、端部の外側で、フォワード・パッセージを介して熱媒体のフォワー・フローを方向付けするようにされる。
【0016】
本発明の適用によれば、望ましくは直線状のパッセージとして形成された第2のフォワード・フロー・パッセージは、フランジに配置され、熱媒体のフォワード・フローを端部の外側からサーモロール・シェルのフォワード・パッセージへと方向付けるようにされる。
【0017】
本発明の適用によれば、リターン側では、望ましくは直線状のパッセージとして形成された第1のリターン・フロー・パッセージは、フランジに与えられ、熱媒体のフローをサーモロール・シェルのリターン・パッセージから端部へと、及び、端部外側の前方へと方向付けるようにされる。
【0018】
本発明の適用によれば、望ましくは直線状のパッセージとして形成された第2のリターン・フロー・パッセージはフランジに与えられ、また、他の適用によれば、望ましくは軸受ジャーナルの周辺に放射状のパッセージとして形成された第2のリターン・フロー・パッセージは軸受ジャーナルに与えられ、熱媒体のリターン・フローを、端部の外側から端部へ、及び、リターン・パッセージへと前方へ方向付けるようにされる。
【0019】
本発明の他の適用によれば、フォワード・フロー・パッセージ及び/又はリターン・フロー・パッセージになるよう配置された接続構成要素は、もっとも便利には、熱絶縁性パイプ等の熱絶縁性材料の外層で絶縁される。
【0020】
本発明の適用によれば、パイプ又はチューブで作られたフォワード側の接続構成要素等であり、端部の本体の外側に配置されたフォワード・フロー・パッセージ、及び/又は、パイプ又はチューブで作られたリターン側の接続構成要素等であり、端部の本体の外側に配置されたリターン・フロー・パッセージは、監視装置を備えられる。該監視装置は、熱媒体、望ましくは特に温度、圧力又はフロー速度等に関してするフロー・パッセージを監視し、又は、熱媒体のフロー、望ましくは特にフロー・パッセージを制御する。
【0021】
本発明の適用によれば、接続構成要素を保護するよう、保護カバーが端部に配置される。保護カバーは、望ましくは取外し可能である。
【0022】
サーモロールの端部の特徴は、端部がフォワード・フロー/リターン・フローとシェルのフォワード/リターン・パッセージとの間に配置された接続構成要素を有することである。そのため、接続構成要素を使用することによって、フォワード・フローは、夫々単一の端部のフォワード・フロー・パッセージから、シェルの少なくとも2つのパッセージへと分配される。接続構成要素を使用することによって、リターン・フローは、夫々単一の端部のリターン・フロー・パッセージへとシェルの少なくとも2つのリターン・パッセージで組み合わされる。
【0023】
本発明の適用によれば、接続構成要素は、チューブ又はパイプで作られる。
【0024】
本発明の適用によれば、接続構成要素を保護するよう、保護カバーが端部に配置される。
【0025】
本発明の適用によれば、保護カバーは取外し可能である。
【0026】
本発明の適用によれば、端部のフォワード・フロー・パッセージ及びリターン・フロー・パッセージは、ボアである。
【0027】
本発明の適用によれば、端部のフォワード・フロー・パッセージ及びリターン・フロー・パッセージは、端部の同一の周辺に方向付けられた部分平面上に配置される。
【0028】
本発明に従った方法の主な特長は、端部の少なくともいくつかのフォワード・フロー・パッセージ、及び/又は、端部の少なくともいくつかのリターン・フロー・パッセージは、端部本体の外側に蒸着され、端部本体は軸受ジャーナル及びフランジを有することである。
【0029】
本発明の適用によれば、フォワード側の接続構成要素は、端部本体の外側でフォワード・フロー・パッセージとなるよう配置され、及び/又は、リターン側の接続構成要素は、端部本体の外側でリターン・フロー・パッセージとなるよう配置される。接続構成要素は、チューブ又はパイプで作られ、望ましくは取外し可能にされる。
【0030】
本発明の適用によれば、フォワード・パッセージから端部外側で熱媒体のフォワード・フローを方向付けるよう、第1のフォワード・フロー・パッセージが軸受ジャーナルに与えられ、望ましくは軸受ジャーナルの周辺で放射状のパッセージとしてそれらを配置する。
【0031】
本発明の適用によれば、フォワード・パッセージから端部外側で熱媒体のフォワード・フローを方向付けるよう、第1のフォワード・フロー・パッセージがフランジに与えられ、望ましくは直線状のパッセージとなるようそれらを配置する。
【0032】
本発明の適用によれば、熱媒体のフォワード・フローを端部の外側からサーモロール・シェルのフォワード・パッセージへと方向付けるよう、第2のフォワード・フロー・パッセージが与えられ、望ましくは直線状のパッセージとなるようそれらを配置する。
【0033】
本発明の適用によれば、熱媒体のリターン・フロー・パッセージをサーモロール・シェルのリターン・パッセージから端部及び端部外側の前方へと方向付けるよう、第1のリターン・フロー・パッセージはフランジ構成要素に与えられ、望ましくは直線状のパッセージとなるようそれらを配置する。
【0034】
本発明の適用によれば、熱媒体のリターン・フロー・パッセージをサーモロール・シェルのリターン・パッセージから端部及び端部外側の前方へと方向付けるよう、第2のリターン・フロー・パッセージはフランジに与えられ、望ましくは直線状のパッセージとなるようそれらを配置する。
【0035】
本発明の適用によれば、熱媒体のリターン・フローを端部外側から端部へ、及びリターン・パッセージへと前方へ方向付けるよう、第2のリターン・フロー・パッセージが軸受ジャーナルに与えられ、望ましくは放射状のパッセージとなるようそれらを軸受ジャーナルの周辺に配置する。
【0036】
本発明の適用によれば、接続構成要素は、フォワード・フロー・パッセージ、及び/又はリターン・フロー・パッセージとなるよう配置され、最も便利には、熱絶縁性パイプ等の熱絶縁性材料の外側熱的絶縁層で絶縁される。
【0037】
本発明の適用によれば、パイプ又はチューブで作られたフォワード側の接続構成要素等であり、端部の本体の外側に配置されたフォワード・フロー・パッセージ、及び/又は、パイプ又はチューブで作られたリターン側の接続構成要素等であり、端部の本体の外側に配置されたリターン・フロー・パッセージは、監視装置を備えられる。該監視装置は、熱媒体、望ましくは特に温度、圧力又はフロー速度等に関してフロー・パッセージを監視し、又は、熱媒体のフロー、望ましくは特にフロー・パッセージを制御する。
【0038】
本発明の適用によれば、接続構成要素を保護するよう、保護カバーが端部に配置される。保護カバーは、望ましくは取外し可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
本発明の他の特徴及び利点に関しては、請求項のうち従属項及び以下の説明の特別な部分が参照されるべきである。詳細の説明は、本発明の複数の望ましい実施例及びそれらの適用について、単なる一例としてなされる。
【0040】
本発明は、添付の図面を参照して以下に説明される。図面は、本発明に従ったサーモロールの端部を例示するが、本発明を図面に示すものだけに制限するものではない。
【0041】
サーモロールの端部のフロー・パッセージに対する既知の配置の一例を、図1、2、及び3に図示する。サーモロール1の他の他端の端部2を図示し、端部2は、外径20a及び内径20bを備えたシェル20に取り付けられる。熱媒体のフローは、フォワード分配構成要素17を介してサーモロール1の端部2に与えられ、同様に、熱媒体のフローは、リターン分配構成要素18を介して端部2から与えられる。分配構成要素17及び18は、端部2に接続されたカバー19によって所定の位置に保持される。
【0042】
フローは、サーモロール1の端部2から、直接サーモロール・シェル20へ、つまり、中間構成要素無しで、端部2のフロー・パッセージ/ボア3及び4から、シェル20のフロー・パッセージ21、22へと方向付けられ、またその逆もある。例示の構造では、フォワード・フロー・パッセージ3及びリターン・フロー・パッセージ4は、端部2の外部部分を除いて、同一の周辺方向に平行な部分的平面上で組にされる。その場合、ボルト穴5には周辺方向により空間が与えられる。端部2の外部部分、即ち端部2の周縁区分のフォワード・フロー・パッセージ3及びリターン・フロー・パッセージ4の配列のより特定的な例示は、図2及び図3に断面図で与えられる。例示の構造のフローは、各フォワード・フロー・パッセージ3が夫々リターン・フロー・パッセージ4を有するようにされる。続いて、フォワード・フローを端部2の1つのフォワード・ボア3から分配することと、フォワード分配構成要素17からシェル20の複数のフォワード・ボア21へと出てくること、及び、シェル20の複数のリターン・ボア22からでるリターン・フローを、端部2の1つのリターン・ボア4へ及びリターン分配構成要素18へ組み合わせることとは、実際的に不可能である。これが自然と可能になるのは、分配構成要素17,18に接続されたフォワード及びリターンのボアが、異なる分配半径を備えた複数のボアに分配される場合である。しかしながら、分配半径間の相違は、比較的大きくあるべきであり、これは実際には、フォワード又はリターンのパッセージのうちのいずれかの分割が、ボルト穴5の分配半径内で発生すべきであることを意味する。この場合、分配からの利点は、部分的に犠牲とされる。つまり、端部2とシェル20とを接続するボルト穴5に必要とされる空間が使用される。フロー・パッセージ21,22の数が非常に大きいとき、これは単純に可能ではない。
【0043】
図2中に図示する図1の断面I−I、及び図2中に図示する図1の断面II−IIは、フロー・パッセージ3及び4、即ち21及び22とボルト穴5の配列を例示する。
【0044】
図4、5及び6は、本発明に従った構造の望ましい一実施例を図示する。この新しい構造では、製造のおける問題及び端部12の空間についての問題は、フローを、端部の夫々単一のフォワード・フロー・パッセージ13からシェル20の複数のフォワード・パッセージ21へと分配することによって、また、同様に、フローを、シェルの複数のリターン・パッセージから端部の夫々単一のリターン・フロー・パッセージ14へと組み合わせることによって、チューブ又はパイプ等の別個の接続構成要素13a及び14aを使用して排除される。接続構成要素13a,14aにより、実際の端部12の外径は、シェル20の外径より非常に小さく、160mmの範囲にある。接続構成要素13a,14aは、取外し可能な保護カバー12’で保護され、端部12に接続される。その構造は、ここでは更に詳しくは定義されない。保護カバー12a’によって保護される実際の端部12の面12aは固定されない。
【0045】
実際の端部12の構造は、図4,5,及び6によれば、非常に簡易である。端部12のフォワード・フロー/リターン・フローのパッセージ/ボア13,14は、直線状のボアとして作られ得るため、作るのが容易である。故に、端部12のフォワード・フロー・パッセージ及びリターン・フロー・パッセージ13,14は、図1に例示された既知の技術に従った端部2にある通りの複数のボアから組み合わせることによっては形成されない。本発明に従った構造から最大の利点が有されうるのは、端部12のフロー・パッセージ13,14が、図4に図示する通り、同一の周方向の断面平面上に配置されるときであるが、これは必須ではない。
【0046】
図4乃至図6に例示された配置では、フローは、チューブ又はパイプ等の別個の接続構成要素13a,14aを使用して、実際の端部12からシェル20へ、及びその逆へと方向付けられる。続いて、フローを、端部12の夫々単一のフォワード・フロー・パッセージ13からシェル20の複数のフォワード・パッセージ21へと分配すること、また、同様に、フローを、シェル22の複数のリターン・パッセージ22から端部の夫々単一のリターン・フロー・パッセージ14へと組み合わせることは、容易である。端部12と保護カバー12’との間の空間Sは、放射方向に十分大きく、端部12のフォワード・フロー13の接続構成要素13a,14aとリターン・フロー・パッセージ14とを接続し重畳できるようでなければならない。これらの場所では、接続構成要素13a,14aは、放射方向に僅かにより薄く作られ得、故に空間が節約される。
【0047】
ボルト穴15の周囲に、十分な空間が配置される。これが通常達成されるのは、内径20bで測定された端部12の厚さTが約100mの場合である。従来のサーモロールでは、シェルの最小の厚さは通常約180mmであるが、シェル20の実際の厚さが更に著しく大きいことが多い。接続構成要素13a,14aの厚さが、重畳しているところで例えば25mmである場合、端部12と保護カバー12’との間の自由空間Sは、最低50mmでなければならない。これに加えて、サーモロール1の半径の方向で保護カバー12’が例えば20mmである場合、新しい構造によれば、端部12の半径の方向の厚さは、保護カバー12’を含め、シェルの内径20bから最低170mmである。故に、放射方向ではボルト穴15に対する空間は十分残される。
【0048】
シェル20のいくつのフォワード・パッセージ21に対して、フローが端部12の単一のフォワード・フロー・パッセージ13から分配されるか、又は、シェル20のいくつのリターン・パッセージ22から、フローが端部12の単一のリターン・フロー・パッセージ14に分配され得るか、という問題が、いずれの方法によっても定まっていない。端部12のフロー・パッセージ13,14の数とシェルのパッセージ21,22との間の割合は、例えば図5及び6で例示されている通り、1:2であり、端部12のフロー・パッセージ13,14が同一の周方向の断面平面上にある場合、端部12のフロー・パッセージ13,14の間の周方向領域の長さは、シェル20のパッセージ21,22の間の周方向領域の長さと比較して既に4倍長い。殆どの場合はこれで十分である。当然のことながら、端部12のフロー・パッセージ13,14の径は、シェル20のパッセージ21,22の径よりも長くなり得、フロー速度は、略一定に保たれ得る。
【0049】
図5は、図4中のサーモロールの断面図であり、端部12の接続構成要素13a,14aを保護するの保護カバー12’無しで方向IIIからみたものである。図6は、図4の断面IV−IVを図示する。
【0050】
図4乃至図6中に例示した構造によって、フローの、端部12の各単一のフロー・パッセージ13,14からシェル20の複数のパッセージ21,22への分配が、構造上容易になる。当然のことながら、接続構成要素13a,14aを製造し、取り付け及び保持するには多くの作業が必要であるが、作業は単純である。工程の他の複数の部分にも使用され得る接続構成要素13a,14a上の保護カバー12’は、例えばボルト(図示せず)等で取り付けられ、取外し可能である場合、本発明に従った構造の大きな利点は、フロー・パッセージのシステム13,14;13a,14a;21,22の保守作業が非常により簡易になることである。保護カバー12’を取り外した後、端部12のフロー・パッセージ及びシェル20のフロー・パッセージ21,22の両方、とりわけ、接続構成要素13a,14a自体とその封、及び、端部12のボア13,14の絶縁パイプとシェル20の絶縁ブッシングの清浄度が確認され得、また、取り替えられ得る。端部12を取り外す必要は無く、シェル20を研磨する又はサーモロール1をバランスさせる必要はない。結果として、上述された保守作業は、製紙工場内の場所で実行され得る。
【0051】
発明に従った方法で製造された端部の実施例は、図7,8,9及び10に例示される。熱伝達オイル、水、又は蒸気等の熱媒体は、可能な限り熱く、サーモロールのシェル20等のアプリケーションに伝達されるべきであり、熱媒体は、可能な限り短時間、端部32の熱媒体本体内に保持されるべきである。そのため、熱は、必要とされない場所、又はロール・ベアリング等の熱が損傷を引き起こす場所に過剰に伝達されないよう、また、熱媒体の熱が無駄にされないようにされる。故に端部32は、熱伝達パッセージがロード・ベアリング及び端部32の熱媒体本体の外側に蒸着されるように、製造され得る。本発明に従ったこれらのフォワード・フロー・パッセージ及びリターン・フロー・パッセージは、端部32の外側に与えられ、望ましくは取外し可能なチューブ又はパイプである接続構成要素13a,14aを使用することによって、軸受ジャーナル32’及びフランジ32’’の外側に配置される。接続構成要素13a,14aを形成するチューブ又はパイプ等は、鋭角又は他のフローの障害を有さないよう容易に配置されるため、それらはフローに最適である。端部32での熱媒体の効果的な時間の低減、及び、ロール・ベアリングの熱応力の低減に対する最良の効果は、上述の熱媒体パッセージ13a,14aの可能な限り長い部分が、軸受ジャーナル’32及びフランジ32’’を有する端部32の本体の外側に蒸着される際である。故に、本発明は、軸受ジャーナル32’’のジャーナル(図示せず)に取り付けられたロール・ベアリングへの熱伝達を低減することによって、ロール・ベアリングの熱応力を低減し得る。これには、真空スリーブを備えられた高価且つ複雑である特別な配置が使用される必要はない。
【0052】
望ましくは、本発明によれば、端部32の本体の外側に蒸着された熱媒体のフロー・パッセージ13a,14aは、最も便利には、熱絶縁性パイプ等の熱絶縁性材料の熱的絶縁層で絶縁される。該絶縁層は、望ましくはチューブ又はパイプである接続構成要素13a,14aの外側に与えられ、フロー・パッセージの一部分となり、熱媒体が熱の放出の前にサーモロール・シェル20で不必要に冷却することを防ぎ、また、熱が近接するロール・ベアリングへと伝達することを防ぐ。本方法に従ったサーモロールの端部32のフロー・パッセージの絶縁配置は、望ましく、また、真空が配置され得るか、又は熱的絶縁性材料が与えられ得る軸受ジャーナル内部に形成された既知の空洞と比較して単純である。
【0053】
本発明を使用することにより、熱媒体が端部で冷却することが防がれ、また、熱媒体を可能な限り熱くロールシェル20部分へと伝達することをを可能にし、ファイバー・ウェブ操作の工程に役立つようにされる。これに加えて、本発明を使用することにより、ロール・シェル20および端部32自体の両方において保守をするのにロール・シェルから端部を取り外さずに済み、熱媒体のフロー・パッセージによって形成されたフロー・パッセージのシステム、及びその構成部品の保守が容易にされ得る。
【0054】
図7乃至図9によれば、熱媒体のフォワード・フローは、軸受ジャーナル32’のフォワード・パッセージ37を介してサーモロール端部32へと伝達され、したがって、リターン・フローは、軸受ジャーナル32’のリターン・パッセージ48を介して端部32から伝達される。フォワード・パッセージ47は例えば、それ自体が既知のフォワード分配構成要素に接続された軸受ジャーナル32’の内部でフォワード・パッセージの形状を成され得、リターン・パッセージ48は例えば、軸受ジャーナル32’内部でリターンパッセージに接続されたそれ自体が既知のリターン分配構成要素の形状を成し得る。
【0055】
フォワード・フローは、例えば図7乃至図9で例示されたように、第1のフォワード・フロー・パッセージ47’を備えた軸受ジャーナルの外側で軸受ジャーナル32’のフォワード・パッセージ47から方向付けられる。第1のフォワード・フロー・パッセージは、適切な相対空間を備え、且つ、軸受ジャーナル32’強度を妥協せずに、軸受ジャーナル32’の周辺に放射状のパッセージとなるよう配置されている。これらの第1のフォワード・フロー・パッセージ47’は、単純に、軸受ジャーナル32’の区分にタブ32の径に対して平行なストレート穴をドリルあけすることによって、フロー・パッセージとして作られ得る。該区分は、望ましくは、端部のフランジ32’’と軸受ジャーナル32’’のベアリング・ジャーナル(図示せず)との間に蒸着される。端部32の外側で、フォワード・フローは、望ましくは取外し可能であり、且つ、図8に従って望ましくは参照符号49で絶縁された例えばチューブ又はパイプであるフォワード側の接続構成要素13aを使用して、フランジ32’’に方向付けられる。フランジ32’’を介して、第2のフォワード・フロー・パッセージ47’’が、望ましくはフランジを介してドリルあけされて与えられ、フローを、サーモロール・シェル20に与えられたフォワード・パッセージ21へと方向付けるようにされる。続いてフォワード・フローは、第2のフォワード・フロー・パッセージ47’’を使用して、フランジ32’’内の比較的短い距離を方向付けられる。フォワード・フロー・パッセージ47’’は、望ましくは、例えば、サーモロール・シェル20上の周縁ボア等の、熱媒体のフォワード・パッセージ21に対して対応する場所で位置付けられる。端部32のフォワード・パッセージ47からのフォワード・フローは、夫々単一の非不均衡なフロー・パッセージによって、図7乃至図10中に例示される通りに、夫々単一のシェル20フォワード・パッセージ21へと配置される。該フロー・パッセージは、第1のフォワード・フロー・パッセージ47’、接続構成要素13a、及び、第2のフォワード・フロー・パッセージ47’’を有する。しかしながら、フォワード・フローは、例えばロール・シェル20のフロー・パッセージの数が百にまで増加した際の空間の不足のために、例えば夫々のフォワード・フローをフォワード側の接続構成要素13aで分散することによって、夫々単一の第1のフォワード・フロー・パッセージ47’から複数の例えば2つの第2のフォワード・フロー・パッセージ47’’へと分散されるように配置され得る。
【0056】
リターン・フローは、図7乃至図9中に例示されるように、サーモロールシェル20の熱媒体のリターン・パッセージ22から、端部32のフランジ32’’を介してリターン・パッセージ22から方向付けられる。リターン・フローは、従って、第1のリターン・フロー・パッセージ48’を使用して、フランジの熱伝達材料の外側で、フランジ32’’内の比較的短い距離間を方向付けられる。第1のリターン・フロー・パッセージ48’は、フランジ32’’の周縁近くに位置され、且つ望ましくは直線状のドリルあけによって製造されたフロー・パッセージであり、また、サーモロール・シェル20の周縁ボア等の熱媒体のリターン・パッセージ22に対応する位置に、望ましくは位置決めされる。端部の32の外側で、取外し可能であり、図8に従って、望ましくは参照符号39で絶縁された、チューブ又はパイプ等を備えたリターン側の接続構成要素14aを使用して、第1のリターン・フロー・パッセージ48’から第2のリターン・フロー・パッセージ48’’へと方向付けられ、図7乃至図9中例示される実施例では、軸受ジャーナル32’がフランジ32’’に接続されている区分の近くのフランジ32’’にある。第2のリターン・フロー・パッセージ48’’は、フランジ32’’等の端部32に与えられ、端部32のリターン・パッセージ48に繋がる単純に軸方向に整列された直線状のボアとなるようにされ、既知の方法で端部32に接続される分配構成要素と、軸受ジャーナル32’の内部に位置決めされ、分配構成要素に接続された軸方向に整列されたリターン・フロー・パッセージを使用して与えられる。シェル20の夫々単一のリターン・パッセージ22からのリターン・フローは、端部32のリターン・パッセージ48へと、夫々単一の不均衡なフロー・パッセージを伴って配置され、第1のリターン・フロー・パッセージ48’、接続構成要素14a、及び第2のリターン・フロー・パッセージ48’’を有する。しかしながら、リターン・フローは、例えばロール・シェル20のフロー・パッセージの数が百にまで増加した際の空間の不足のために、例えばリターン側の接続構成要素14aで夫々のリターン・フローを組み合わせることによって、夫々複数の例えば第1のリターン・フロー・パッセージ48’のうち2つから単一の第2のリターン・フロー・パッセージ48’’へと配置され得る。シェル20のいくつの第2のフォワード・フロー・パッセージ47’’及び前方のフォワード・パッセージ21へと、フローが端部32の単一の第1のフォワード・フロー・パッセージ47’から分配され得るのか、又は、シェル20及び第1のリターン・フロー・パッセージ48’の先のいくつのリターン・パッセージ22から、フローが、端部32の夫々単一のの第2のリターン・フロー・パッセージ48’’へと組み合され得るか、という問題が、いずれの方法によっても定まっていない。
【0057】
端部32、及び特にそのフランジ32’’は、既知のフロー・パッセージの配置を有する端部よりも塾方向に短く且つより大きくなく形成され得る。それは、本発明の望ましい適用では、フォワード・フロー・パッセージの極く短い部分が、フランジ32’’部分で配置されているためであり、従って端部32で熱媒体のヒート・ロスを低減する。更に、例えば図1中に例示されたリターン・フロー・パッセージ4等の多数の傾斜放射状ボアは、フランジ32’’の部分に配置される。本発明の方法に従って製造された端部32の実施例では、フランジ32’は、複雑な止まり穴ボア又は接続されたボアを与えられないため、端部32の強度を妥協することなく、軸方向に短いフランジ32’を形成することが可能である。更に、フロー・パッセージは、フロー及び製造に関して、最適に直線状であり且つ端部32の軸方向で製造される。故に、図10中に例示されたボルト穴35の蒸着もまた単純であり、その周りの軸方向に十分空間がある。本発明に従って製造された特定の数のパッセージを備えた端部は、望ましくは、複数の異なるロール・シェルのフロー・パッセージ配置と関連されて使用され得る。ロール・シェル中のフォワード・パッセージ及びリターン・パッセージの数は、フォワード・フローの接続構成要素13aの数及びリターン・フローの接続構成要素14aの数を変更すること、及び、端部32の外側を接続する方法によって、自由に変更され得る。第1のフォワード・フロー・パッセージ47’及び第2のリターン・フロー・パッセージ48’’の蒸着は、図7乃至図10に従って実行される必要はない。複数の第1のフォワード・フロー・パッセージ47’又は全ての第1のフォワード・フロー・パッセージ47’がフランジ32’’部分に蒸着されることも可能であり、また、複数の第2のリターン・フロー・パッセージ48’’又は全ての第2のリターン・フロー・パッセージ48’’が軸受ジャーナル32’部分に蒸着されることも可能であり、常に端部32より要求される強度を可能にしている。
【0058】
接続構成要素13a,14aは、図7及び図8中、取り付け可能な保護カバー12’によって保護され、端部32に接続され、その構造はここでより詳細に定義付けられない。実際の端部32の面構造32aは、保護カバー12’で保護されているが、固定されていない。保護カバー12’の目的は、異物又は作業員が接続構成要素に衝突又は巻き込まれることを防ぐことと、汚れを集めるのを防ぐことであるため、保護カバーは十分に堅固でなければならない。追加的に、保護カバーは、保守の目的のために、容易に取外し可能/取付け可能、及び可動でなければならない。
【0059】
図7乃至図10に従っての実際の端部の製造は、非常に容易である。端部32のフォワード・フロー及びリターン・フローのパッセージ/ボア47’,47’’,48’,48’’は、直線状のボアとして作られ得るため容易に作られる。故に、端部32のフォワード・フロー及びリターン・フローのパッセージ47’,47’’,48’,48’’は、図1中の従来技術の例示に従った端部2においてと同様に、相対角にあり且つ次々と接続される複数のボアの形状を成さない。
【0060】
図9は、本発明の一実施例に従ったサーモロールの端部32を備えたフロー・パッセージの配列の部分的断面図であり、熱媒体監視装置50を備えられ、また、節子ね13a,14aを保護するよう与えられた端部の保護カバー12’は備えられない。熱媒体監視装置50は、熱媒体、望ましくは特にフォワード・フロー・パッセージ、及び/又は、特にはリターン・フロー・パッセージを監視するよう与えられ、その一方で監視装置50は、熱媒体のフロー、望ましくは特にはフォワード・フロー・パッセージ、及び/又は、特にはリターン・フロー・パッセージを制御するよう使用され得る。装置50は、熱媒体の監視を実行することが出来る。即ち、該装置は、例えば温度、圧力、又はフロー速度を監視することが出来る。監視装置50は、熱媒体のフローを制御するよう操作を実行するよう配置され得、そこでは、調整可能なバルブ等も有し得る。監視装置50は、図9によれば、接続構成要素13a及び/又は14aにおいて、端部32の本体の外側に容易に蒸着され得る。いくつの接続構成要素に監視装置50が蒸着されるか、及び、接続構成要素における監視装置の分配はどちらか、に関する問題が定まっていない。漢詩装置50が備えられた接続構成要素13a,14aはまた、望ましくは図8で絶縁された絶縁49を与えられる。
【0061】
図10は、サーモロールの端部32の部分的斜視図であり、軸受ジャーナル32’及びフランジ32’’の外側に部分的に熱媒体システムを与えられ、フォワード側接続構成要素13a及びリターン側接続構成要素14aを有する。
【0062】
本発明による端部を製造する方法は、従来技術で使用されていたよりも多い数のフロー・パッセージの受容、及び、シェルを接続することを要求されたボルト穴の数の受容を促進する。当然のことながら、接続構成要素13a,14aの製造、取り付け及び保守には多くの作業があるが、作業は単純である。工程の複数の他の部分にも使用され得る接続構成要素13a,14a上の保護カバー12’が、ボルト(図示せず)で取り付けられる等で取外し可能な場合、本発明による構造の大きな利点は、フロー・パッセージのシステム47,47’,47’’;21,22;48,48’’,48の保守操作が非常に単純になることである。
【0063】
保護カバー12’を取り外した後、端部32のフロー・パッセージ及びシェル20のフロー・パッセージ21,22の両方の清浄度が確認され得、また、とりわけ、接続構成要素13a,14a自体とその封、及び端部の絶縁パイプが取り替えられ得る。端部32を取り外す必要は無く、シェル20を研磨する又はサーモロール1をバランスさせる必要はない。結果として、上述された保守作業は、製紙工場内の場所で実行され得る。
【0064】
本発明は、その望ましい実施例のいくつかのみを参照して上述されてきた。これは、本発明をいかようにも制限すべきではなく、当業者には明らかな通り、上述した実施例の特別な特徴に関する多くの代替の配置、組合せ、及び変動は、添付の請求項内に定義付けられた創意内及び範囲内で可能である。
【0065】
サーモロールの端部は、かかる説明においてはサーモロールの端部を意味しており、これを介してフローは、シェルに、又はシェルから、伝達される。これは、ロールのテンディング側の端部又はロールの駆動側の端部、あるいはその両方であり得る。ここでは、フローが同一の端部を介して導入及び伝達されている構造に焦点が置かれてきたが、しかしながら、構造は、いずれの端部もフローを導入/伝達するのに使用される状況に適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】サーモロールの端部に関連する既知のフロー・パッセージの配置の部分的断面図である。
【図2】図1の断面I−IIを図示する。
【図3】図1の断面II−IIを図示する。
【図4】本発明の望ましい一実施例に従ったサーモロールの端部に関連したフロー・パッセージの配置の部分的断面図である。
【図5】図4のサーモロール終端を端部の保護カバー無しで方向IIIから見た断面図である。
【図6】図4の断面IV−IVを図示する。
【図7】サーモロールの端部に関連した本発明の望ましい一実施例に従ったフロー・パッセージの配置の部分的断面図である。
【図8】本発明の望ましい一実施例に従ったサーモロール端部に関連した絶縁されたフロー・パッセージの配置の部分的断面図である。
【図9】サーモロールの端部に関連した本発明の一実施例に従ったフロー・パッセージの配置の部分的断面図であり、熱媒体監視装置が備えられ、且つ、端部の保護層が無い。
【図10】部分的外部熱伝達パッセージシステムを備えられたサーモロールの端部の部分的斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーモロール(1)の端部(2,32)であって、
熱媒体のフォワード・フローは、フォワード・フロー・パッセージ(3)を介して、サーモロール・シェル(20)のフォワード・パッセージへ(21)と配置され、前記熱媒体のリターン・フローは、リターン・フロー・パッセージ(4)を介して、前記シェル(20)のリターン・パッセージ(22)から配置され、
前記端部の前記フォワード・フロー・パッセージ(13a)の少なくともいくつか、及び/又は、前記リターン・フロー・パッセージ(14a)の少なくともいくつかは、前記端部(32)本体の外側に蒸着され、軸受ジャーナル(32’)及びフランジ(32’’)を有すること、を特徴とする、
端部。
【請求項2】
フォワード側の接続構成要素(13a)は、前記端部(32)本体の外側で前記フォワード・フロー・パッセージとなるよう配置され、及び/又は、リターン側の接続構成要素(14a)は、前記端部(32)本体の外側で前記リターン・フロー・パッセージとなるよう配置され、接続構成要素(13a,14a)は、チューブ又はパイプで作られ、望ましくは取外し可能であること、を特徴とする、
請求項1記載の端部。
【請求項3】
前記フォワード・パッセージ(47)から前記端部(32)外側で前記熱媒体の前記フォワード・フローを方向付けるよう、第1のフォワード・フロー・パッセージ(47’)が前記軸受ジャーナル(32’)に与えられ、望ましくは前記軸受ジャーナル(32)の周辺で放射状のパッセージとしてそれらを配置すること、を特徴とする、
請求項1又は2のいずれか記載の端部。
【請求項4】
前記フォワード・パッセージ(47)から前記端部(32)外側で前記熱媒体の前記フォワード・フローを方向付けるよう、前記第1のフォワード・フロー・パッセージ(47’)が前記フランジ(32’’)に与えられ、望ましくは直線状のパッセージとなるようそれらを配置すること、を特徴とする、
請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の端部。
【請求項5】
前記熱媒体の前記フォワード・フローを前記端部(32)の前記外側から前記サーモロール・シェル(20)の前記フォワード・パッセージ(21)へと方向付けるよう、第2のフォワード・フロー・パッセージ(47’’)が前記フランジ(32’’)に与えられ、望ましくは直線状のパッセージとなるようそれらを配置すること、を特徴とする、
請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の端部。
【請求項6】
前記熱媒体の前記リターン・フロー・パッセージを前記サーモロール・シェル(20)の前記リターン・パッセージ(22)から前記端部(32)及び前記端部外側の前方へと方向付けるよう、第1のリターン・フロー・パッセージ(48’)は前記フランジ(32’’)に与えられ、望ましくは直線状のパッセージとなるようそれらを配置すること、を特徴とする、
請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の端部。
【請求項7】
前記熱媒体の前記リターン・フロー・パッセージを前記端部(32)外側から前記端部(32)及び前記リターン・パッセージ(48)の前方へと方向付けるよう、前記第2のリターン・フロー・パッセージ(48’’)は前記フランジ(32’’)に与えられ、望ましくは直線状のパッセージとなるようそれらを配置すること、を特徴とする、
請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の端部。
【請求項8】
前記熱媒体の前記リターン・フローを前記端部(32)外側から前記端部(32)へ、及び前記リターン・パッセージ(48)へと前方へ方向付けるよう、前記第2のリターン・フロー・パッセージ(48’’)が前記軸受ジャーナル(32’)に与えられ、望ましくは放射状のパッセージとなるようそれらを前記軸受ジャーナル(32’)の周辺に配置すること、を特徴とする、
請求項1乃至7のうちいずれか一項記載の端部。
【請求項9】
前記接続構成要素(13a,14a)は、前記フォワード・フロー・パッセージ、及び/又は、前記リターン・フロー・パッセージとなるよう配置され、最も便利には、熱絶縁性パイプ等の熱絶縁性材料(49)の外側熱的絶縁層で絶縁されること、を特徴とする、
請求項2乃至8のうちいずれか一項記載の端部。
【請求項10】
パイプ又はチューブで作られた前記フォワード側の接続構成要素等(13a)であり、前記端部(32)の本体の外側に配置された前記フォワード・フロー・パッセージは、及び/又は、パイプ又はチューブで作られた前記リターン側の接続構成要素等(14a)であり、前記端部(32)の本体の外側に配置された前記リターン・フロー・パッセージは、監視装置(50)を備えられ、前記監視装置は、前記熱媒体、望ましくは特に温度、圧力又はフロー速度等に関して前記フロー・パッセージを監視し、又は、前記熱媒体のフロー、望ましくは特にフロー・パッセージを制御すること、を特徴とする、
請求項2乃至9のうちいずれか一項記載の端部。
【請求項11】
熱媒体のフォワード・フロー(3,13)は、フォワード・フロー・パッセージを介して、サーモロール・シェル(20)のフォワード・パッセージ(21)へと配置され、前記熱媒体のリターン・フローは、リターン・フロー・パッセージ(4,14)を介して、前記シェル(20)のリターン・パッセージ(22)から配置され、
前記端部(12)は、前記フォワード・フロー・パッセージ/リターン・フロー・パッセージ(13,14)と前記シェルのフォワード/リターン・パッセージ(21,22)との間に配置された接続構成要素(13a,14a)を有するため、前記接続構成要素(13a)によって、前記フォワード・フローは、前記端部の前記夫々単一のフォワード・フロー・パッセージ(13)から、前記シェルの少なくとも2つのパッセージ(21)へと分配され、前記接続構成要素(14a)によって、前記リターン・フローは、前記端部(12)の前記夫々単一のリターン・フロー・パッセージ(14)へと前記シェルの少なくとも2つのリターン・パッセージ(22)で組み合わされること、を特徴とする、
サーモロールの端部。
【請求項12】
前記接続構成要素(13a,14a)は、チューブ又はパイプで作られる、ことを特徴とする、
請求項11記載のサーモロールの端部。
【請求項13】
前記端部(12)の前記フォワード・フロー・パッセージ(13)及び前記リターン・フロー・パッセージ(14)はボアであること、を特徴とする、
請求項11記載のサーモロールの端部。
【請求項14】
前記フォワード・フロー・パッセージ(13)及び前記リターン・フロー・パッセージ(14)は、前記端部(12)の同一の周辺に方向付けられた部分平面上に配置されること、を特徴とする、
請求項11記載のサーモロールの端部。
【請求項15】
前記接続構成要素(13a,14a)を保護するよう、保護カバー(12’)が前記端部(32)上に配置され、前記保護カバーは望ましくは取外し可能であることを、特徴とする、
請求項2乃至14記載のサーモロールの端部。
【請求項16】
熱媒体のフォワード・フローは、フォワード・フロー・パッセージ(3)を介して、サーモロール・シェル(20)のフォワード・パッセージ(21)へと配置され、前記熱媒体のリターン・フローは、リターン・フロー・パッセージ(14a)を介して、前記シェル(20)のリターン・パッセージ(22)から配置され、
前記端部(32)の前記フォワード・フロー・パッセージ(13a)の少なくともいくつか、及び/又は、前記リターン・フロー・パッセージ(14a)の少なくともいくつかは、前記端部(32)本体の外側に蒸着され、軸受ジャーナル(32’)及びフランジ(32’’)を有すること、を特徴とする、
サーモロール(1)の端部(2、32)を製造する方法。
【請求項17】
フォワード側の接続構成要素(13a)は、前記端部(32)本体の外側で前記フォワード・フロー・パッセージとなるよう配置され、及び/又は、リターン側の接続構成要素(14a)は、前記端部本体の外側で前記リターン・フロー・パッセージとなるよう配置され、接続構成要素(13a,14a)は、チューブ又はパイプで作られ、望ましくは取外し可能であること、を特徴とする、
請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記フォワード・パッセージ(47)から前記端部(32)外側で前記熱媒体の前記フォワード・フローを方向付けるよう、第1のフォワード・フロー・パッセージ(47’)が前記軸受ジャーナル(32’)に与えられ、望ましくは前記軸受ジャーナル(32’)の周辺で放射状のパッセージとしてそれらを配置すること、を特徴とする、
請求項16又は17のいずれか記載の方法。
【請求項19】
前記フォワード・パッセージ(47)から前記端部(32)外側で前記熱媒体の前記フォワード・フローを方向付けるよう、前記第1のフォワード・フロー・パッセージ(47’)が前記フランジ(32’’)に与えられ、望ましくは直線状のパッセージとなるようそれらを配置すること、を特徴とする、
請求項16乃至18のうちいずれか一項記載の方法。
【請求項20】
前記熱媒体の前記フォワード・フローを前記端部(32)の前記外側から前記サーモロール・シェル(20)の前記フォワード・パッセージ(21)へと方向付けるよう、第2のフォワード・フロー・パッセージ(47’’)が前記フランジ(32’’)に与えられ、望ましくは直線状のパッセージとなるようそれらを配置する、ことを特徴とする、
請求項16乃至19のうちいずれか一項記載の方法。
【請求項21】
前記熱媒体の前記リターン・フロー・パッセージを前記サーモロール・シェル(20)の前記リターン・パッセージ(22)から前記端部(32)及び前記端部外側の前方へと方向付けるよう、第1のリターン・フロー・パッセージ(48’)は前記フランジ(32’’)に与えられ、望ましくは直線状のパッセージとなるようそれらを配置すること、を特徴とする、
請求項16乃至20のうちいずれか一項記載の方法。
【請求項22】
前記熱媒体の前記リターン・フロー・パッセージを前記端部(32)外側から前記端部(32)及び前記リターン・パッセージ(48)の前方へと方向付けるよう、前記第2のリターン・フロー・パッセージ(48’’)は前記フランジ(32’’)に与えられ、望ましくは直線状のパッセージとなるようそれらを配置すること、を特徴とする、
請求項16乃至21のうちいずれか一項記載の方法。
【請求項23】
前記熱媒体の前記リターン・フローを前記端部(32)外側から前記端部(32)へ、及び前記リターン・パッセージ(48)へと前方へ方向付けるよう、前記第2のリターン・フロー・パッセージ(48’’)が前記軸受ジャーナル(32’)に与えられ、望ましくは放射状のパッセージとなるようそれらを前記軸受ジャーナル(32’)の周辺に配置する、ことを特徴とする、
請求項16乃至22のうちいずれか一項記載の方法。
【請求項24】
前記接続構成要素(13a,14a)は、前記フォワード・フロー・パッセージ、及び/又は、前記リターン・フロー・パッセージとなるよう配置され、最も便利には、熱絶縁性パイプ等の熱絶縁性材料()の外側熱的絶縁層で絶縁される、ことを特徴とする、
請求項17乃至23のうち(49)いずれか一項記載の方法。
【請求項25】
パイプ又はチューブで作られた前記フォワード側の接続構成要素(13a)等であり、前記端部(32)本体の外側に配置された前記フォワード・フロー・パッセージは、及び/又は、パイプ又はチューブで作られた前記リターン側の接続構成要素(14a)等であり、前記端部(32)本体の外側に配置された前記リターン・フロー・パッセージは、監視装置(50)を備えられ、前記監視装置は、前記熱媒体、望ましくは特に温度、圧力又はフロー速度等に関して前記フロー・パッセージを監視し、又は、前記熱媒体のフロー、望ましくは特にフロー・パッセージを制御する、ことを特徴とする、
請求項17乃至24のうちいずれか一項記載の方法。
【請求項26】
前記接続構成要素(13a,14a)を保護するよう、保護カバー(12’)が前記端部(32)上に配置され、前記保護カバーは望ましくは取外し可能である、ことを特徴とする、
請求項17乃至25のうちいずれか一項記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2007−505225(P2007−505225A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525157(P2006−525157)
【出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【国際出願番号】PCT/FI2004/000519
【国際公開番号】WO2005/024130
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(501249157)メッツォ ペーパー インコーポレイテッド (33)
【出願人】(505323024)
【Fターム(参考)】