説明

シェービング剤組成物

【課題】剃り心地が良く、剃毛後のかさつきを抑え、肌への負担が少ないシェービング剤組成物を提供すること。
【解決手段】(A)アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー 0.05〜1質量%、
(B)非イオン界面活性剤 0.05〜0.5質量%、
(C)油剤 1〜10質量%、
(D)数平均分子量が10万以上である高重合ポリエチレンオキサイド 0.01〜0.3質量%、
(E)水 70〜98.89質量%
を含有し、成分(A)、(B)および(C)の質量割合において、
(A)/(B)=0.3〜3、
(C)/((A)+(B))=4〜15であるシェービング剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、髭やむだ毛等の体毛を剃刀で剃る際に使用するシェービング剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
剃刀で髭や体毛を剃る際には、シェービング剤が用いられる。シェービング剤には、脂肪酸石鹸を主基剤としたものが多くあり、例えば、一般的な石鹸のほか、シェービングソープ、シェービングクリーム、エアゾール型シェービングフォーム、後発泡ゲルクリーム等がある(非特許文献1)。また、非発泡性のゲル状シェービング剤も知られている(特許文献1〜3)。
【0003】
剃刀で髭や体毛を剃る際には、肌の古い角質層も削り取られるため、刺激等の影響を受けやすいと考えられる。従って、シェービング剤自体が、肌に対する影響が小さいことが好ましい。
さらに、20歳代の若年世代を中心に、男性でもスキンケア意識が高まってきており、シェービング剤に対しても肌に負担の少ないものが求められている。
【0004】
一般的なシェービング剤において主基剤として用いられている脂肪酸石鹸は、肌に対する影響が比較的大きいため、脂肪酸石鹸を主基剤としたシェービング剤を用いて剃毛した場合、かさつき、つっぱり感、剃刀負け等を起こす懸念がある。また、水中のカルシウムイオンと反応して皮膚上に吸着することで、急速に剃刀滑りを低下させるため、剃り心地が悪く、刃先で肌を傷つけやすくなるという問題もあった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「新化粧品学」、南山堂、第2版、2001年、p.392−396
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−132516号公報
【特許文献2】特開平10−87454号公報
【特許文献3】特開2005−206464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、剃り心地が良く、剃毛後のかさつきを抑え、肌への負担が少ないシェービング剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー、非イオン界面活性剤、油剤及び特定の高重合ポリエチレンオキサイドを特定の割合で組み合わせて用いれば、前記課題を解決したシェービング剤組成物が得られることを見出した。
【0009】
本発明は、
(A)アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー 0.05〜1質量%、
(B)非イオン界面活性剤 0.05〜0.5質量%、
(C)油剤 1〜10質量%、
(D)数平均分子量が10万以上である高重合ポリエチレンオキサイド 0.01〜0.3質量%、
(E)水 70〜98.89質量%
を含有し、成分(A)、(B)および(C)の質量割合において、
(A)/(B)=0.3〜3、
(C)/((A)+(B))=4〜15であるシェービング剤組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のシェービング剤組成物は、泡立てずにそのまま皮膚に塗布することができ、且つ、垂れ落ちにくいものである。また、水分を豊富に含むため、塗布した場所から垂れ落ちずに髭等の体毛や皮膚に十分な量の水分を供給でき、髭等の体毛と皮膚を十分に柔らかくすることができる。さらに、本発明のシェービング剤組成物は、剃刀の滑り性も良好なため、きわめて良い剃り心地が得られ、剃刀で肌を傷つけにくい。そして、剃毛中に肌に供給される水分と油剤のバランスが良く、剃り心地が優れており、剃毛後の肌上に油剤を残すことでかさつきを抑えることができる。
【0011】
上記特許文献1には、アクリル酸メタクリル酸アルキルコポリマーの記載は無く、また、その他の構成成分の含有量や含有割合も本発明と大きく異なっている。また、特許文献2、および3は本発明の構成要件である、アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー、非イオン界面活性剤、油剤、高重合ポリエチレンオキサイド及び水を開示するものであるが、その含有量や含有割合は本発明と大きく異なり、また、本発明の含有量や含有割合を示唆するものでもない。
本発明は、アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー、非イオン界面活性剤、油剤、高重合ポリエチレンオキサイド及び水を特定の割合で含有させることではじめて、製剤の安定性、剃毛時のすべり、剃毛後のかさつき防止を達成したものである。この効果発現のメカニズムは必ずしも明らかではないが、特定量のアクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマーと非イオン界面活性剤の相互作用によって、少ない乳化剤で油剤を安定に乳化させることができ、それがさらにすすぎ時のショックにより油剤を大量に残留させることを可能にしたものと推察される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明で用いる成分(A)のアクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマーとしては、例えば、下記式(1):
−(CH2CH(COOH))l−(CH2CCH3(COOR))m− (1)
(式中、Rはアルキル基、好ましくは炭素数8〜30のアルキル基を示し、l及びmはそれぞれ1,000〜60,000の数である。)
で表される構造を有するポリマーが挙げられる。また、成分(A)のアクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマーは、微量の架橋がされたものであっても良い。
【0013】
具体的には、ペムレンTR−1、ペムレンTR−2、カーボポールETD2020、カーボポール1382(以上、Lubrizol Advanced Materials社)などの市販品を使用することができる。これらのうち、安定性、使用感の点から、ペムレンTR−1、ペムレンTR−2及びカーボポールETD2020が好ましい。
【0014】
成分(A)のアクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマーのシェービング剤組成物中の含有量は、0.05〜1質量%であり、好ましくは0.1〜0.9質量%、より好ましくは0.15〜0.8質量%である。成分(A)の含有量を0.05質量%以上とすることにより、シェービング剤組成物に含まれる他の成分を安定に配合することができ、1質量%以下とすることにより、塗布時に延ばしやすく、髭を剃っている際には刃の目詰まりが生じにくく、さらには、剃刀に付着したシェービング剤を洗い落としやすいものとなる。
【0015】
上記アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマーを中和する塩基は限定されないが、例えば、アルカノールアミンや塩基性アミノ酸等の有機化合物、水酸化アルカリ金属等の無機化合物が挙げられる。具体的には、アルカノールアミンとして、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等;塩基性アミノ酸として、アルギニン、リジン、ヒスチジン等;水酸化アルカリ金属として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
【0016】
成分(B)の非イオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリル脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のポリオキシエチレン付加型界面活性剤、ポリグリセリン型界面活性剤等が挙げられる。この中でも、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等が好ましい。
【0017】
本発明においては、非イオン界面活性剤のうち、HLBが5以上、更にHLB7以上の非イオン界面活性剤を用いると、剃り心地の良さ、洗い流し性、しっとりとした仕上がり性に優れたシェービング剤組成物が得られるので好ましい。ここで、HLB(親水性・親油性バランス)は、以下のグリフィンの式により計算されるものである。
【0018】
【数1】

【0019】
かかる非イオン界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとして、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンテトラオレエート等;ポリオキシエチレングリセリル脂肪酸エステルとして、ポリオキシエチレングリセリルモノイソステアレート、ポリオキシエチレングリセリルトリイソステアレート等;ポリエチレングリコール脂肪酸エステルとして、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノイソステアレート等;ポリオキシエチレンアルキルエーテルとして、ポリオキシエチレンヘキシルデシルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等;ポリグリセリン型界面活性剤として、デカグリセリンモノラウレート、ヘキサグリセリンモノラウレート、デカグリセリンモノオレート、ヘキサグリセリンモノオレート、デカグリセリンモノステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステルや、ポリグリセリンアルキルエーテルなどが挙げられる。
これらの非イオン界面活性剤は、単独又は2種以上を適宜組み合わせて含有させることができる。
【0020】
成分(B)の非イオン界面活性剤のシェービング剤組成物中の含有量は、0.05〜0.5質量%であり、好ましくは0.1〜0.4質量%、より好ましくは0.15〜0.3質量%である。成分(B)の含有量を0.05質量%以上とすることにより、シェービング剤組成物に含まれる他の成分を安定に配合することができ、0.5質量%以下とすることにより、剃り心地が向上し、且つ、剃毛後のかさつきを抑えられる。
【0021】
本発明のシェービング剤組成物においては、成分(A)と成分(B)の質量割合が、(A)/(B)=0.3〜3であり、好ましくは0.4〜2.5である。(A)/(B)をこの範囲にすることで、製剤の安定性、良好な剃り心地、が得られ、剃毛後のかさつき抑制を高度に達成することができる。
【0022】
成分(C)の油剤としては、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されず、例えば、アーモンド油、アンズ油、アボガド油、グレープシード油、ゴマ油、小麦胚芽油、コメヌカ油、コーン油、サフラワー油、シアバター、水添ナタネ油アルコール、大豆油、ハトムギ油、ピーナッツ油、ひまわり油、綿実油、馬油、オリーブ油、ホホバ油、ラノリン、ヒマシ油、カカオ油、ミンク油等の天然動植物油;ワセリン、セレシン、固体パラフィン、流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素類;ミリスチン酸オクチルドデシル、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、イソノナン酸イソノニル等の合成エステル油;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油;セタノール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;コレステロールやセラミドなどの細胞間脂質及びそれらの類似化合物等を挙げることができる。これらのうち、良好なスキンケア効果を得やすい点から、オリーブ油、ホホバ油、ミンク油等の天然動植物油、スクワラン、流動パラフィン等の炭化水素が好ましい。
【0023】
成分(C)の油剤のシェービング剤組成物中の含有量は、1〜10質量%であり、好ましくは2〜8質量%、より好ましくは3〜6質量%である。成分(C)の含有量を1質量%以上とすることにより、皮膚が乾燥することを防ぎ、皮膚の適度な湿潤状態を保持して、洗い流した後の皮膚をしっとりとした好ましい感触のものとするスキンケア効果を付与することができ、10質量%以下とすることにより、べたつきが抑えられる。
【0024】
本発明のシェービング剤組成物においては、成分(A)、(B)および(C)の質量割合が、(C)/((A)+(B))=4〜15であり、好ましくは5〜10である。(C)/((A)+(B))をこの範囲にすることで、髭を十分柔軟化させ、高い剃り心地を得ることができる。
【0025】
成分(D)の高重合ポリエチレンオキサイドの数平均分子量は10万以上であり、好ましくは40万〜650万、より好ましくは200万〜400万である。数平均分子量が10万未満であると、剃刀の滑り性が不十分となる。
【0026】
成分(D)の高重合ポリエチレンオキサイドのシェービング剤組成物中の含有量は、0.01〜0.3質量%であり、好ましくは0.05〜0.2質量%である。成分(D)の含有量を0.01質量%以上とすることにより、剃刀の滑り性が十分に改善され、0.3質量%以下とすることにより、剃刀の上滑りが発生せず深剃りしやすくなり、ベタツキや糸曳きが発生せず使用感が良好となる。
【0027】
成分(E)の水のシェービング剤組成物中の含有量は、髭や皮膚の柔軟化の観点から、70〜98.89質量%であり、好ましくは80〜98質量%である。
【0028】
本発明のシェービング剤組成物は、実質的に高級脂肪酸塩を含まないことが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲で含有していてもよい。高級脂肪酸塩は、その強い界面活性剤作用によって肌上への油剤の効果を打ち消すだけでなく、肌に対する影響が比較的大きいため、かさつき、つっぱり感、剃刀負け等を起こす懸念がある。また、水中のカルシウムイオンと反応して皮膚上に吸着することで、急速に剃刀滑りを低下させるため、刃先で肌を傷つけやすくなる。
高級脂肪酸塩の許容しうる含有量は、成分(A)、(B)、(C)との相対的な量で変わるが、概ね0.1質量%未満であるのが好ましく、0.05質量%未満がより好ましい。
【0029】
さらに、本発明のシェービング剤組成物には、化粧料に使用される一般的なその他の成分、例えば、粘度調整剤、抗炎症剤、紫外線吸収剤、清涼剤、色素、香料などを含有させることができ、これらを含有することにより、剤型の感触調整、清涼感、香りを楽しむことができる。
また、殺菌剤を配合すれば、剃刀使用前にシェービング剤を塗布した段階で、肌を清浄にできるので、皮膚への病菌の侵入を防止できる。
【0030】
本発明のシェービング剤組成物は、常法により製造することができる。ローション、ゲル等の水系混合物からなる流動物の形態をもつシェービング剤組成物とすることができ、ゲル状とするのがより好ましい。
例えば、中和用塩基の水溶液が入った配合槽に、(A)アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー、(B)非イオン界面活性剤、(C)油剤、(D)高重合ポリエチレンオキサイド、(E)水、さらに必要に応じて化粧料に適したその他の有効成分を順次添加することにより製造することができる。
【0031】
本発明のシェービング剤組成物は、その粘度が、ブルックフィールド粘度(30℃)で、1,000〜70,000mPa・sの範囲であることが好ましく、5,000〜60,000mPa・s、更に10,000〜50,000mPa・sであることがより好ましい。シェービング剤組成物の粘度がこの範囲内であれば、髭や皮膚に対する付着性が良好であり、塗布部で延びやすく且つ塗布部に当てた剃刀が皮膚に密着して上滑りしないので好ましい。
ここで、ブルックフィールド粘度は、B型粘度計(トキメック社、T−A型ローター、ローター回転速度5r/min、測定時間60秒、測定温度30℃)により測定することができる。
【0032】
本発明のシェービング剤組成物を使用する際には、当該シェービング剤組成物を手のひらに取り、これを泡立てずにそのまま皮膚に塗布し、剃刀で髭等の体毛を剃った後、水で洗い流せばよい。
【0033】
以上に述べたように、本発明のシェービング剤組成物は、剃り心地が良く、剃毛後のかさつきを抑え、肌への負担が少ないものである。
【実施例】
【0034】
実施例1〜13、比較例1〜6
表1及び表2に示す組成のシェービング組成物を常法により製造し、組成物の粘度、剃刀の滑り性、剃り心地の良さ、剃毛後のかさつき感の少なさ及び剃刀の洗い流しやすさを評価した。結果を表1及び表2に併せて示す。粘度は、ブルックフィールド粘度は、B型粘度計(トキメック社、T−A型ローター、ローター回転速度5r/min、測定時間60秒、測定温度30℃)により測定した。
【0035】
(評価方法)
各シェービング剤組成物を用いて、10名の成人男性パネルに髭剃りをさせ、「剃刀の滑り性」、「剃り心地の良さ」、「剃毛後のかさつき感の少なさ」、「剃刀に付着した剤の洗い流しやすさ」の評価項目について、以下の評価基準に従って官能評価させた。なお、髭剃りは、洗顔し、タオルで水気をふき取った後、恒温恒湿度(20℃、65%RH)条件下で、シェービング剤組成物を手で髭に適用し、2枚刃の安全剃刀を用いて行った。
【0036】
(1)剃刀の滑り性:
A:剃刀の滑り性が良好と評価したパネルの人数が9名以上。
B:剃刀の滑り性が良好と評価したパネルの人数が7〜8名。
C:剃刀の滑り性が良好と評価したパネルの人数が5〜6名。
D:剃刀の滑り性が良好と評価したパネルの人数が3〜4名。
E:剃刀の滑り性が良好と評価したパネルの人数が2名以下。
【0037】
(2)剃り心地の良さ:
A:剃り心地が良いと評価したパネルの人数が9名以上。
B:剃り心地が良いと評価したパネルの人数が7〜8名。
C:剃り心地が良いと評価したパネルの人数が5〜6名。
D:剃り心地が良いと評価したパネルの人数が3〜4名。
E:剃り心地が良いと評価したパネルの人数が2名以下。
【0038】
(3)剃毛後のかさつき感の少なさ:
A:剃毛後のかさつき感が少ないと評価したパネルの人数が9名以上。
B:剃毛後のかさつき感が少ないと評価したパネルの人数が7〜8名。
C:剃毛後のかさつき感が少ないと評価したパネルの人数が5〜6名。
D:剃毛後のかさつき感が少ないと評価したパネルの人数が3〜4名。
E:剃毛後のかさつき感が少ないと評価したパネルの人数が2名以下。
【0039】
(4)剃刀の洗い流しやすさ:
A:剃刀に付着した剤が洗い流しやすいと評価したパネルの人数が9名以上。
B:剃刀に付着した剤が洗い流しやすいと評価したパネルの人数が7〜8名。
C:剃刀に付着した剤が洗い流しやすいと評価したパネルの人数が5〜6名。
D:剃刀に付着した剤が洗い流しやすいと評価したパネルの人数が3〜4名。
E:剃刀に付着した剤が洗い流しやすいと評価したパネルの人数が2名以下。
【0040】
【表1】

【0041】
【表2】

【0042】
表1の結果より、成分(A)〜(E)を特定の割合で含有する本発明のシェービング剤組成物はいずれも、「剃刀の滑り」、「剃り心地の良さ」で良好な結果が得られることがわかる。ただし、実施例1〜4、は成分(B)の含有量が若干少なく、実施例12、13では成分(B)の含有量が若干多いために、「剃り心地の良さ」、及び他の評価項目に影響を及ぼした。さらに、実施例5〜9では、成分(A)〜(C)の含有比率によって「剃り心地の良さ」、及び他の評価項目に影響を及ぼした。
【0043】
一方、表2の結果より、比較例1は、成分(B)、成分(C)を含有していないため、「剃り心地の良さ」、「かさつき感の少なさ」、「剃刀の洗い流しやすさ」が不十分なものとなった。
比較例2及び3は、実施例5〜9と関連しており、成分(A)〜(C)の質量割合が本発明の範囲を外れるために、「剃り心地の良さ」、及び他の評価項目に影響を及ぼした。
比較例4は、成分(D)を含有していないため「剃刀の滑り」が悪かった。
比較例5は、成分(A)、(C)が過剰量含有されているため、「剃り心地の良さ」、及び他の評価項目に影響を及ぼした。
比較例6は、成分(A)を含有していないため、「かさつきの少なさ」以外の評価が悪くなった。
【0044】
実施例14〜88
表3〜表11に示す組成のシェービング組成物を常法により製造し、実施例1〜13と同様にして、剃刀の滑り性、剃り心地の良さ、剃毛後のかさつき感の少なさ及び剃刀の洗い流しやすさを評価した。結果を表3〜表12に併せて示す。
【0045】
【表3】

【0046】
【表4】

【0047】
【表5】

【0048】
【表6】

【0049】
【表7】

【0050】
【表8】

【0051】
【表9】

【0052】
【表10】

【0053】
【表11】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー 0.05〜1質量%、
(B)非イオン界面活性剤 0.05〜0.5質量%、
(C)油剤 1〜10質量%、
(D)数平均分子量が10万以上である高重合ポリエチレンオキサイド 0.01〜0.3質量%、
(E)水 70〜98.89質量%
を含有し、成分(A)、(B)および(C)の質量割合において、
(A)/(B)=0.3〜3、
(C)/((A)+(B))=4〜15であるシェービング剤組成物。
【請求項2】
高級脂肪酸塩の含有量が0.1質量%未満である、請求項1に記載のシェービング剤組成物。

【公開番号】特開2011−26316(P2011−26316A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151134(P2010−151134)
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】