説明

シャント抵抗器およびそれを備える電源装置

【課題】バッテリセルに流れる電流を正確に測定することができるとともに取り付け性が向上されたシャント抵抗器およびそれを備える電源装置を提供する。
【解決手段】第1バスバー41は、1つのバッテリセル10のプラス電極10aと他のバッテリセル10のマイナス電極10bとに接続され、ベース部50と一対の取付片43とを備える。ベース部50には、1つのバッテリセル10のプラス電極10aおよび他のバッテリセル10のマイナス電極10bをそれぞれ挿入可能な電極接続孔44a,44bが形成されている。ベース部50においては、一方端子部51と他方端子部52との間の間隙54により電極接続孔44a,44b間の領域ARでの電流の流れが阻止され、電極接続孔44a,44b間の領域を迂回する電流経路が形成される。一対の取付片43は、ベース部50に形成される電流経路に互いに間隔をおいて設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャント抵抗器およびそれを備える電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車等の移動体の駆動源として、充放電が可能な電源装置が用いられる。このような電源装置は、例えば複数の電池(バッテリセル)が直列または並列に接続された構成を有する。電源装置を備える移動体の使用者は各電池容量の残量(充電量)を把握する必要がある。また、電源装置の充放電に際しては、各電池の過充電および過放電を防止する必要がある。そのために、電源装置の状態として複数の電池に流れる電流を検出する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−117045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子回路に流れる電流を測定するためにシャント抵抗器が用いられる。例えば、特許文献1には、自動車に搭載されるアクチュエータに流れる電流を測定するためのシャント抵抗器が記載されている。特許文献1のシャント抵抗器は、金属板から形成され、長方形状の抵抗部分、2つの電流端子部分および2つの電圧端子部分を備える。
【0005】
シャント抵抗器の2つの電流端子部分は、パワー基板に接続される。シャント抵抗器の抵抗部分が、2つの電流端子部分およびパワー基板を介してアクチュエータに直列に接続される。一方、シャント抵抗器の2つの電圧端子部分は制御回路基板に接続される。制御回路基板は、2つの電圧端子部分間の電位差を測定することにより、アクチュエータに流れる電流を間接的に測定する。
【0006】
このようなシャント抵抗器を上記の電源装置に設ける場合には、シャント抵抗器をパワー基板および制御回路基板に接続し、シャント抵抗器が接続されたパワー基板および制御回路基板を電源装置に設ける必要がある。この場合、電源装置へのシャント抵抗器の取り付け作業が煩雑となる。
【0007】
本発明の目的は、バッテリセルに流れる電流を正確に測定することができるとともに取り付け性が向上されたシャント抵抗器およびそれを備える電源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)第1の発明に係るシャント抵抗器は、第1の端子と第2の端子とに接続されるシャント抵抗器であって、第1および第2の端子がそれぞれ挿入可能な第1および第2の端子孔を有する導電性部材と、第1および第2の端子部とを備え、導電性部材は、第1および第2の端子孔間の領域での電流の流れを阻止することにより第1および第2の端子孔間の領域を迂回する電流経路が形成されるように電流を規制する第1の電流規制部を有し、第1および第2の端子部は、導電性部材に形成される電流経路に互いに間隔をおいて設けられるものである。
【0009】
シャント抵抗器の第1および第2の端子孔に第1および第2の端子がそれぞれ挿入されることにより、シャント抵抗器が第1および第2の端子に容易に取り付けられる。この状態で、導電性部材を通して第1の端子と第2の端子との間に電流を流すことができる。この場合、導電性部材の第1の電流規制部により第1および第2の端子孔間の領域での電流の流れが阻止され、第1および第2の端子孔間の領域を迂回する電流経路が形成される。
【0010】
第1および第2の端子孔間の領域を迂回する電流経路における電流分布は、第1および第2の端子孔に挿入される第1および第2の端子の位置ずれが生じてもほとんど変化しない。そのため、電流経路の抵抗値は、第1および第2の端子孔に挿入される第1および第2の端子の位置ずれによらずに一定である。したがって、電流経路に設けられる第1および第2の端子部間の電圧を検出することにより、シャント抵抗器を流れる電流を正確に測定することができる。
【0011】
これらの結果、第1の端子と第2の端子との間に流れる電流が正確に測定されるとともに第1の端子および第2の端子への取り付け性が十分に向上する。
【0012】
(2)導電性部材は、互いに対向する第1および第2の辺を有し、第1および第2の端子孔は第1の辺に平行な方向に並ぶように設けられ、電流経路は第1の辺に沿って延びるように形成され、第1および第2の端子部は第1の辺に設けられ、第1の電流規制部は第2の辺から第1の辺に向かって電流経路まで延びてもよい。
【0013】
この場合、第1および第2の端子のうち一方の端子からの電流が導電性部材において第1の辺に向かって流れ、さらに第1の辺に沿って流れた後、第1の辺から他方の端子に向かって流れる。
【0014】
このようにして、第1の辺に沿って電流経路が形成されるので、第1の辺に設けられる第1および第2の端子部により電流経路内の2つの位置間の電圧を容易に検出することができる。
【0015】
(3)導電性部材は、第1の電流規制部から第1の端子孔と第1の辺との間の位置まで延びる領域および第1の電流規制部から第2の端子孔と第1の辺との間の位置まで延びる領域における電流の流れを抑制する第2の電流規制部をさらに有してもよい。
【0016】
この場合、第1および第2の端子部のうち一方の端子からの電流が導電性部材において第1の端子孔と第1の辺との間の位置で第2の電流規制部を迂回するように第1の辺に向かって流れ、さらに第1の辺に沿って流れた後、第1の辺から第2の端子孔と第1の辺との間の位置で第2の電流規制部を迂回するように他方の端子に向かって流れる。
【0017】
このようにして、第1の辺に沿って形成される電流経路を長くすることができる。これにより、第1および第2の端子部の間の距離を電圧の検出が可能な程度に大きく設定することができる。その結果、第1および第2の端子部により電流経路内の2つの位置間の電圧をより正確に検出することができる。
【0018】
(4)第1の電流規制部は、第1の辺に平行な方向において幅を有し、第1および第2の端子部の内側の端縁は第1の電流規制部の幅以内に位置してもよい。
【0019】
第1の電流規制部と第1の辺との間の電流経路部分は、第1の電流規制部の幅に相当する長さを有する。この電流経路部分における電流分布は、第1および第2の端子孔に挿入される第1および第2の端子の位置ずれが生じても変化しない。そのため、第1の電流規制部と第1の辺との間の電流経路部分の抵抗値は、第1および第2の端子孔に挿入される第1および第2の端子の位置ずれによらずに一定である。
【0020】
第1および第2の端子部の内側の端縁が第1の電流規制部の幅以内に位置することにより、第1および第2の端子の位置ずれによらずに一定の抵抗値を有する電流経路の部分の2つの位置間の電圧を正確に検出することができる。それにより、検出された電圧および電流経路の部分の2つの位置間の抵抗値に基づいて、シャント抵抗器を流れる電流を正確に測定することができる。
【0021】
(5)第1の電流規制部は、導電性部材の第2の辺から第1の辺に向かって電流経路まで延びる切り欠きであってもよい。
【0022】
この場合、第1および第2の端子孔間の領域での電流の流れが切り欠きにより確実に阻止される。したがって、第1および第2の端子孔間の領域を迂回する電流経路をより確実に形成することができる。
【0023】
(6)第2の発明に係る電源装置は、バッテリセルと、バッテリセルに流れる電流を測定するための第1の発明に係るシャント抵抗器とを備えるものである。
【0024】
その電源装置においては、シャント抵抗器の第1および第2の端子孔に第1および第2の端子が挿入されることにより、シャント抵抗器が第1の端子および第2の端子に容易に取り付けられる。この状態で、シャント抵抗器に、第1の端子および第2の端子を介してバッテリセルからの電流が流れる。第1の発明に係るシャント抵抗器によれば、第1および第2の端子部間の電圧を検出することにより、シャント抵抗器を流れる電流を正確に測定することができる。したがって、電源装置の信頼性が向上するとともに電源装置の組み立てが容易となる。
【0025】
(7)バッテリセルは、複数設けられ、シャント抵抗器の第1の端子孔に複数のバッテリセルのうち1つのバッテリセルの電極端子が第1の端子として挿入され、シャント抵抗器の第2の端子孔に他のバッテリセルの電極端子が第2の端子として挿入され、シャント抵抗器には、第1の端子および第2の端子を介して複数のバッテリセルからの電流が流れてもよい。
【0026】
この場合、シャント抵抗器の第1の端子孔に複数のバッテリセルのうち1つのバッテリセルの電極端子が第1の端子として挿入され、シャント抵抗器の第2の端子孔に他のバッテリセルの電極端子が第2の端子として挿入されることにより、シャント抵抗器が第1の端子および第2の端子に容易に取り付けられる。この状態で、シャント抵抗器には、第1の端子および第2の端子を介して複数のバッテリセルからの電流が流れる。
【0027】
この場合、シャント抵抗器が複数のバッテリセルの2つの電極端子間に直接接続される。したがって、電源装置にシャント抵抗器を取り付けるための他の端子を設ける必要がない。その結果、電源装置の構成が単純化するとともに電源装置の大型化が抑制される。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、バッテリセルに流れる電流を正確に測定することができるとともにシャント抵抗器の取り付け性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電源装置の構成を示す平面図である。
【図2】第1バスバーの外観斜視図である。
【図3】第1バスバーの平面図である。
【図4】第1バスバーによる効果を説明するための図である。
【図5】第1バスバーの第1の変形例を示す平面図である。
【図6】第1バスバーの第2の変形例を示す平面図である。
【図7】第1バスバーの第3の変形例を示す平面図である。
【図8】第1バスバーの第4の変形例を示す平面図である。
【図9】第1バスバーの第5の変形例を示す平面図である。
【図10】第1バスバーの第6の変形例を示す平面図である。
【図11】第6の変形例に係る第1バスバーのより好ましい寸法を示す平面図である。
【図12】第1バスバーの第7の変形例を示す平面図である。
【図13】第1バスバーの第8の変形例を示す図である。
【図14】第1バスバーの第9の変形例を示す平面図である。
【図15】第1バスバーの第10の変形例を示す平面図である。
【図16】取り付け誤差による抵抗値のばらつき評価試験を説明するための図である。
【図17】取り付け誤差による抵抗値のばらつき評価試験結果を示すグラフである。
【図18】実施例3,4,5に係るバスバーを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施の形態に係るシャント抵抗器およびそれを備える電源装置について図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態に係る電源装置は、電力を駆動源とする電動車両(例えば電動自動車)に搭載される。
【0031】
(1)電源装置
図1は、本発明の一実施の形態に係る電源装置の構成を示す平面図である。図1において、矢印X,Y,Zで示すように、互いに直交する三方向をX方向、Y方向およびZ方向と定義する。本例では、X方向およびY方向が水平面に平行な方向であり、Z方向が水平面に直交する方向である。また、上方向は矢印Zが向く方向である。
【0032】
図1に示すように、電源装置100においては、扁平な略直方体形状を有する複数(本例では6個)のバッテリセル10がX方向に積層されている。各バッテリセル10は、例えばリチウムイオン電池またはニッケル水素電池等の二次電池である。複数のバッテリセル10は、一対のエンドプレート92a,92bの間に配置されている。一対のエンドプレート92a,92bは扁平な略直方体形状を有し、YZ平面に平行に配置されている。
【0033】
各エンドプレート92a,92bは、隣のバッテリセル10に対向する一面および隣のバッテリセル10と反対側の他面を有するとともにXY平面に平行な上面を有する。一方のエンドプレート92aの他面のY方向における両端部近傍には、一対の側部固定部材93の一端部を接続するための接続部が形成されている。同様に、他方のエンドプレート92bの他面のY方向における両端部近傍には、一対の側部固定部材93の他端部を接続するための接続部が形成されている。一対の側部固定部材93は、X方向に延びるように配置されている。本実施の形態で用いられるエンドプレート92a,92bおよび側部固定部材93は絶縁性樹脂により形成される。
【0034】
一対のエンドプレート92a,92bの間に複数のバッテリセル10が配置された状態で、一対のエンドプレート92a,92bの接続部に一対の側部固定部材93がねじ94を用いて取り付けられる。これにより、複数のバッテリセル10が、X方向に並ぶように配置された状態で一体的に固定される。
【0035】
各バッテリセル10は、Y方向に沿って並ぶように上面部分にプラス電極10aおよびマイナス電極10bを有する。各電極10a,10bは、円柱形状を有し、上方に向かって突出するように設けられている。
【0036】
以下の説明においては、一方のエンドプレート92aに隣り合うバッテリセル10から他方のエンドプレート92bに隣り合うバッテリセル10までを1番目〜6番目のバッテリセル10と呼ぶ。
【0037】
各バッテリセル10は、隣り合うバッテリセル10間でY方向におけるプラス電極10aおよびマイナス電極10bの位置関係が互いに逆になるように配置される。また、複数のバッテリセル10のプラス電極10aおよびマイナス電極10bのうち一方がX方向に沿って一列に並び、複数のバッテリセル10のプラス電極10aおよびマイナス電極10bのうち他方がX方向に沿って一列に並ぶ。それにより、隣り合うバッテリセル10間では、一方のバッテリセル10のプラス電極10aと他方のバッテリセル10のマイナス電極10bとが隣り合い、一方のバッテリセル10のマイナス電極10bと他方のバッテリセル10のプラス電極10aとが隣り合う。この状態で、隣り合う2つの電極に2つの電極接続孔が形成されたバスバー40が取り付けられる。これにより、複数のバッテリセル10が直列接続される。
【0038】
具体的には、1番目のバッテリセル10のプラス電極10aと2番目のバッテリセル10のマイナス電極10bとに共通のバスバー40が取り付けられる。また、2番目のバッテリセル10のプラス電極10aと3番目のバッテリセル10のマイナス電極10bとに共通のバスバー40が取り付けられる。同様にして、各奇数番目のバッテリセル10のプラス電極10aとそれに隣り合う偶数番目のバッテリセル10のマイナス電極10bとに共通のバスバー40が取り付けられる。各偶数番目のバッテリセル10のプラス電極10aとそれに隣り合う奇数番目のバッテリセル10のマイナス電極10bとに共通のバスバー40が取り付けられる。1番目のバッテリセル10のマイナス電極10bおよび6番目のバッテリセル10のプラス電極10aにはバスバー40は取り付けられない。
【0039】
各バッテリセル10のプラス電極10aおよびマイナス電極10bには雄ねじが形成されている。隣り合うプラス電極10aおよびマイナス電極10bが各バスバー40に形成された2つの電極接続孔にそれぞれ嵌め込まれる。この状態で、ナットNaがプラス電極10aおよびマイナス電極10bの雄ねじに取り付けられる。
【0040】
一方のエンドプレート92aに隣り合う1番目のバッテリセル10のマイナス電極10bは、電源装置100における最も低電位を有する。他方のエンドプレート92bに隣り合う6番目のバッテリセル10のプラス電極10aは、電源装置100における最も高電位を有する。
【0041】
1番目のバッテリセル10のマイナス電極10bには、電源線501の一端に設けられた端子501tが接続される。具体的には、1番目のバッテリセル10のマイナス電極10bが電源線501の端子501tに形成された電極接続孔に嵌め込まれる。この状態で、ナットNaがマイナス電極10bの雄ねじに取り付けられる。
【0042】
同様に、6番目のバッテリセル10のプラス電極10aにも、電源線501の一端に設けられた端子501tが接続される。具体的には、6番目のバッテリセル10のプラス電極10aが電源線501の端子501tに形成された電極接続孔に嵌め込まれる。この状態で、ナットNaがプラス電極10aの雄ねじに取り付けられる。
【0043】
1番目のバッテリセル10および6番目のバッテリセル10に接続された2本の電源線501の他端を負荷200に接続する。これにより、複数のバッテリセル10の電力を負荷200に供給すること、および負荷200により発生された回生電力に基づいて複数のバッテリセル10を充電することが可能となる。
【0044】
本実施の形態において、電源装置100に用いられる複数のバスバー40は、2種類のバスバー41,42を含む。2種類のバスバー41,42の形状および材料は互いに異なる。以下の説明では、2種類のバスバー41,42を容易に区別できるようにバスバー41,42をそれぞれ第1バスバー41および第2バスバー42と呼ぶ。
【0045】
図1の例では、複数のバスバー40のうち2番目のバッテリセル10のプラス電極10aと3番目のバッテリセル10のマイナス電極10bとを接続するバスバー40として第1バスバー41が用いられる。他の複数のバスバー40としては、第2バスバー42が用いられる。
【0046】
第2バスバー42はX方向に延びる略楕円形状の金属プレートからなる。第2バスバー42は、例えばタフピッチ銅の表面にニッケルめっきが施された構成を有する。
【0047】
第1バスバー41は、後述する2つの取付片43を有する。第1バスバー41の2つの取付片43にそれぞれ導体線111の一端がはんだ付けにより接続される。2本の導体線111の他端は、電流検出部110に接続される。
【0048】
電流検出部110は、例えばCPU(中央演算処理装置)およびメモリを含む。電流検出部110のメモリには、予め第1バスバー41における2つの取付片43間の後述するシャント抵抗RS(後述する図2および図3参照)の抵抗値が記憶されている。
【0049】
電流検出部110は、第1バスバー41における2つの取付片43間の電圧を検出する。また、電流検出部110は、検出された2つの取付片43間の電圧をメモリに記憶されたシャント抵抗RSの抵抗値で除算することにより第1バスバー41に流れる電流の値を算出する。このようにして、複数のバッテリセル10間に流れる電流の値が検出される。検出された電流の値は、電動車両の主制御部等の外部装置に出力される。
【0050】
(2)第1バスバーの詳細
図2は第1バスバー41の外観斜視図であり、図3は第1バスバー41の平面図である。図2および図3に示すように、第1バスバー41は、ベース部50および2つの取付片43を備える。第1バスバー41のベース部50および一対の取付片43は、例えば銅マンガン合金または銅ニッケル合金の表面にニッケルめっきが施された構成を有し、例えばプレス加工により一体的に成形される。
【0051】
ベース部50は、略長方形の一方端子部51、略長方形の他方端子部52および長方形の連結部53から構成される。一方端子部51は、互いに対向する一対の長辺51a,51bおよび互いに対向する一対の短辺51c,51dを有する。他方端子部52は、互いに対向する一対の長辺52a,52bおよび互いに対向する一対の短辺52c,52dを有する。連結部53は、一方端子部51の長辺51bと他方端子部52の長辺52bとが平行かつ対向するように一方端子部51と他方端子部52とを連結する。この連結部53は、互いに対向する長辺53L,53Mを有する。連結部53の長辺53Mは、一方端子部51の短辺51dおよび他方端子部52の短辺52dと同一の直線上に延びる。連結部53の長辺53Lは、一方端子部51の長辺51bと他方端子部52の長辺52bとの間に間隙54が形成されるように長辺51bおよび長辺52bに対して垂直に延びる。図3の例では、一方端子部51の短辺51cおよび他方端子部52の短辺52cは、中央部がそれぞれ突出するように湾曲しているが、一方端子部51の短辺51cおよび他方端子部52の短辺52cが直線状に形成されてもよい。
【0052】
一方端子部51の略中央部には、ほぼ真円の電極接続孔44aが形成されている。他方端子部52の略中央部には、短辺52c,52dに平行な長軸を有する長円の電極接続孔44bが形成されている。
【0053】
一方端子部51には、長辺51bから電極接続孔44aと短辺51dとの間の領域まで延びるスリット51sが形成されている。スリット51sは、連結部53の長辺53Lと同一の直線上に位置するように一方端子部51の長辺51bに垂直に設けられる。スリット51sは形成されなくてもよい。
【0054】
他方端子部52には、長辺52bから電極接続孔44bと短辺52dとの間の領域まで延びるスリット52sが形成されている。スリット52sは、連結部53の長辺53Lと同一の直線上に位置するように他方端子部52の長辺52bに垂直に設けられる。スリット52sは形成されなくてもよい。
【0055】
一方の取付片43は、一方端子部51の短辺51dから長辺51bの延長線に沿って突出するようにベース部50に設けられる。他方の取付片43は、他方端子部52の短辺52dから長辺52bの延長線に沿って突出するようにベース部50に設けられる。各取付片43は、幅狭部43aおよび幅広部43bを有する。一方端子部51の短辺51dおよび他方端子部52の短辺52dの方向において幅狭部43aの長さは幅広部43bの長さよりも短い。一方の取付片43の幅狭部43aは、幅広部43bと一方端子部51とを連結するように形成される。他方の取付片43の幅狭部43aは、幅広部43bと他方端子部52とを連結するように形成される。各取付片43は、幅狭部43aおよび幅広部43bを有さなくてもよい。すなわち、各取付片43は、一方端子部51の短辺51dおよび他方端子部52の短辺52dの方向において一定の長さを有してもよい。
【0056】
第1バスバー41の各部の寸法は、例えば以下のように定められる。以下の説明では、一方端子部51の短辺51dおよび他方端子部52の短辺52dに平行な方向をX方向と呼び、一方端子部51の長辺51a,51bおよび他方端子部52の長辺52a,52bに平行な方向をY方向と呼ぶ。
【0057】
電極接続孔44aの中心と電極接続孔44bの中心との間の距離aは、図1の電源装置100において互いに隣り合う2つのバッテリセル10の隣り合うプラス電極10aおよびマイナス電極10bの中心間の距離に等しく設定される。
【0058】
X方向におけるベース部50の長さbは、距離aの1.8倍以上2.0倍以下に設定される。また、Y方向におけるベース部50の長さcは、距離aの1.0倍以上2.0倍以下に設定される。
【0059】
Y方向における電極接続孔44a,44bの内径dは、図1のバッテリセル10のプラス電極10aおよびマイナス電極10bの外径に遊びを加えた値に設定される。
【0060】
Y方向における一方端子部51と他方端子部52との間の間隙54の長さeは、Y方向における電極接続孔44a,44bの内径dよりも大きく設定される。また、間隙54は、電極接続孔44a,44b間の領域ARを横切るように形成される。Y方向における連結部53の長さfは、ベース部50の長さcと間隙54の長さeとの差(c−e)で表される。
【0061】
X方向における2つの取付片43間の距離hは、電極接続孔44aと電極接続孔44bとの間の距離gよりも小さく設定される。電極接続孔44aと電極接続孔44bとの間の距離gは、X方向における電極接続孔44aの内周面と電極接続孔44bの内周面との間の距離の最小値を表す。2つの取付片43の対向する辺が直線かつ平行でない場合には、2つの取付片43間の距離hは、X方向における2つの取付片43間の距離の最小値を表す。
【0062】
X方向における2つの取付片43間の距離hは、X方向における間隙54の幅j(一方端子部51の長辺51bと他方端子部52の長辺52bとの間の距離)と等しい。
【0063】
上記の第1バスバー41においては、連結部53の領域、一方の取付片43の幅狭部43aとスリット51sとの間の領域、および他方の取付片43の幅狭部43aとスリット52sとの間の領域のうちX方向における2つの取付片43の2つの幅狭部43aの中心間の領域に形成される抵抗が電流検出用のシャント抵抗RSとして用いられる。
【0064】
電極接続孔44aの中心と電極接続孔44bの中心との間の距離aは、例えば10mm以上20mm以下である。この場合、ベース部50の厚みは、例えば0.5mm以上2.0mm以下に設定される。また、X方向におけるスリット51sの先端部と一方端子部51側の幅狭部43aとの間の長さi、およびX方向におけるスリット52sの先端部と他方端子部52側の幅狭部43aとの間の長さiは、例えば1.0mm以上4.0mm以下に設定される。さらに、Y方向における連結部53の長さfは、例えば4.0mm以上6.0mm以下に設定される。また、2つの取付片43の2つの幅狭部43aの中心間の距離Lは、例えば4.0mm以上7.0mm以下に設定される。
【0065】
シャント抵抗RSの抵抗値は、例えば抵抗値をRとし、第1バスバー41の材料の抵抗率をσとし、シャント抵抗RSの部分の断面積(本例では、X方向における連結部53の断面積)をSとした場合に次式(1)で表すことができる。
【0066】
R≒σ×L/S ・・・(1)
断面積Sは、Y方向における連結部53の長さfとベース部50の厚みとを乗算することにより得られる。銅マンガン合金の抵抗率は、約0.45μΩm以上0.47μΩm以下である。そこで、第1バスバー41が銅マンガン合金により構成される場合、第1バスバー41の抵抗率を例えば0.46μΩmとする。
【0067】
この場合、2つの幅狭部43aの中心部間の距離Lが5.0mmに設定され、Y方向における連結部53の長さfが4.0mmに設定され、ベース部50の厚みが1.0mmに設定された場合には、シャント抵抗RSの抵抗値Rは約0.58mΩとなる。
【0068】
第1バスバー41の電極接続孔44aに図1の2番目のバッテリセル10のプラス電極10aが取り付けられ、第1バスバー41の電極接続孔44bに図1の3番目のバッテリセル10のマイナス電極10bが取り付けられた状態で、負荷200と複数のバッテリセル10との間に電流が流れる。
【0069】
この場合、図3に太い矢印で示すように、第1バスバー41においては、一方端子部51と他方端子部52との間で、間隙54および2つのスリット51s,52sを迂回しつつ連結部53を通るように電流経路cfが形成される。
【0070】
(3)効果
(3−1)本実施の形態に係る第1バスバー41においては、隣り合うプラス電極10aおよびマイナス電極10bが2つの電極接続孔44a,44bにそれぞれ嵌め込まれる。この状態で、ナットNaがプラス電極10aおよびマイナス電極10bの雄ねじに取り付けられる。このように、第1バスバー41は隣り合うプラス電極10aおよびマイナス電極10b間に容易に取り付けられる。
【0071】
(3−2)図1の電源装置100においては、電流検出部110により第1バスバー41の2つの取付片43間の電圧が検出され、検出された電圧およびシャント抵抗RSの値に基づいて第1バスバー41に流れる電流の値が算出される。
【0072】
そのため、電流検出部110に記憶されるシャント抵抗RSの抵抗値と第1バスバー41が2つのバッテリセル10間に取り付けられたときの2つの取付片43間の実際のシャント抵抗RSの抵抗値とが互いに異なると、第1バスバー41に流れる電流の値を正確に算出することはできない。
【0073】
図4は、第1バスバー41による効果を説明するための図である。図4(a)に隣り合う2つのバッテリセル10間に設けられた第1バスバー41の平面図が示され、図4(b)に隣り合う2つのバッテリセル10間に設けられた後述する第3バスバー49の平面図が示されている。図4(a)および図4(b)では、図1のナットNaの図示を省略する。
【0074】
図4(a)に示すように、各バッテリセル10において、プラス電極10aおよびマイナス電極10bの下端部には、それぞれ略長方形の支持部材10s,10tが設けられている。支持部材10s,10tはプラス電極10aおよびマイナス電極10bと同じ材料からなり、第1バスバー41を支持する。
【0075】
これにより、第1バスバー41においては、電極接続孔44aの内周面とプラス電極10aの外周面との接触部分および一方端子部51と支持部材10sとの重複部分を通って一方のバッテリセル10のプラス電極10aから一方端子部51に電流が流れ込む。一方端子部51に流れ込んだ電流は、一方端子部51からスリット51sの先端部を迂回するように短辺51dに向かって流れた後、短辺51dに沿って連結部53に流れ込む。連結部53に流れ込んだ電流は、短辺52dに沿って流れ、スリット52sの先端部を迂回するように他方端子部52に流れ込む。他方端子部52に流れ込んだ電流は、電極接続孔44bの内周面とマイナス電極10bの外周面との接触部分および他方端子部52と支持部材10tとの重複部分を通って他方のバッテリセル10のマイナス電極10bに流れ出る。
【0076】
電源装置100の組み立て時には、バッテリセル10の製造誤差または複数のバッテリセル10の組み付け誤差等によってプラス電極10aおよびマイナス電極10bの位置が設計位置からずれる場合がある。それにより、一方のバッテリセル10の支持部材10sと他方のバッテリセル10の支持部材10tとの間の距離sが変動する場合がある。
【0077】
このような場合でも、第1バスバー41においては、上記のように間隙54および2つのスリット51s,52sを迂回しつつ連結部53を通るように電流が流れる。X方向において2つの取付片43は、スリット51sの先端部とスリット52sの先端部との間に位置する。そのため、2つの取付片43間では電流が流れる領域がほとんど変動せず、電流分布がほとんど変化しないので、2つの取付片43間の抵抗値も位置ずれによらずに一定となる。これにより、電流検出部110に記憶されるシャント抵抗RSの抵抗値と実際のシャント抵抗RSの抵抗値とが互いに等しくなる。その結果、第1バスバー41に流れる電流の値を正確に測定することが可能となる。
【0078】
これに対して、例えば間隙54およびスリット51s,52sが形成されていない点を除いて第1バスバー41と同じ構造を有するバスバー(以下、第3バスバーと呼ぶ)49を想定する。
【0079】
図4(b)に示すように、第3バスバー49においては、一方端子部51の長辺51bと他方端子部52の長辺52bとが一体的に接合されており、連結部53が設けられていない。
【0080】
この第3バスバー49においては、一方のバッテリセル10のプラス電極10aから一方端子部51に流れ込んだ電流は、主に電極接続孔44a,44b間の領域ARを通って他方端子部52に流れ込む。そのため、バッテリセル10の製造誤差または複数のバッテリセル10の組み付け誤差等により一方のバッテリセル10の支持部材10sと他方のバッテリセル10の支持部材10tとの間の距離sが変動すると、2つの取付片43間で電流が流れる領域も変動し、電流分布が変化する。そのため、2つの取付片43間の抵抗値が予め定められている場合でも、位置ずれにより、予め定められた抵抗値と実際の抵抗値との間にずれが生じる場合がある。したがって、第3バスバー49に流れる電流の値を正確に測定することは難しい。
【0081】
(3−3)本実施の形態では、一方の取付片43が一方端子部51の短辺51dから突出するようにベース部50に設けられ、他方の取付片43が他方端子部52の短辺52dから突出するようにベース部50に設けられる。このように、電流経路cfを構成する連結部53の長辺53Mの延長線上に2つの取付片43が設けられるので、2つの取付片43により電流経路cf内の2つの位置間の電圧を容易に検出することができる。
【0082】
(3−4)上記のように、一方端子部51に長辺51bから電極接続孔44aと短辺51dとの間の領域まで延びるスリット51sが形成されている。また、他方端子部52に、長辺52bから電極接続孔44bと短辺52dとの間の領域まで延びるスリット52sが形成されている。この場合、一方端子部51に流れ込んだ電流は、一方端子部51からスリット51sの先端部を迂回するように短辺51dに向かって流れた後、短辺51dに沿って連結部53に流れ込む。連結部53に流れ込んだ電流は、短辺52dに沿って流れ、スリット52sの先端部を迂回するように他方端子部52に流れ込む。
【0083】
このように、図3の第1バスバー41においては、スリット51s,52sが形成されることにより、一方端子部51の短辺51d、連結部53の長辺53Mおよび他方端子部52の短辺52dに沿って形成される電流経路を長くすることができる。これにより、2つの取付片43間の距離を電圧の検出が可能な程度に大きく設定することができる。その結果、2つの取付片43により電流経路cf内の2つの位置間の電圧を容易に検出することができる。
【0084】
(3−5)上記のように、X方向における2つの取付片43間の距離hがX方向における間隙54の幅jと等しい場合、2つの取付片43により電流経路cfを構成する連結部53の両端部間の電圧を正確に検出することができる。したがって、2つの取付片43により第1バスバー41を流れる電流を正確に測定することができる。
【0085】
(4)第1バスバーの変形例
本実施の形態に係る電源装置100には、図2および図3の第1バスバー41に代えて、以下に説明する第1バスバーを用いることもできる。
【0086】
図5は第1バスバーの第1の変形例を示す平面図である。第1の変形例に係る第1バスバー411においては、スリット51sが、連結部53の長辺53Lと同一の直線上から漸次離間するように一方端子部51の長辺51bに傾斜して設けられる。また、スリット52sが、連結部53の長辺53Lと同一の直線上から漸次離間するように他方端子部52の長辺52bに傾斜して設けられる。
【0087】
図6は第1バスバーの第2の変形例を示す平面図である。第2の変形例に係る第1バスバー412においては、スリット51sが、連結部53の長辺53Lと同一の直線上に漸次近づくように一方端子部51の長辺51bに傾斜して設けられる。また、スリット52sが、連結部53の長辺53Lと同一の直線上に漸次近づくように一方端子部52の長辺52bに傾斜して設けられる。
【0088】
図7は第1バスバーの第3の変形例を示す平面図である。第3の変形例に係る第1バスバー413においては、図2および図3のスリット51sに代えて、一方端子部51に長辺51bから電極接続孔44aと短辺51dとの間の領域まで延びる矩形の切り欠き51tが形成されている。切り欠き51tは、直線状の辺t1,t2,t3により形成される。辺t1は、連結部53の長辺53Lと同一の直線上に延びる。辺t2は、辺t1に対向するとともに長辺51bから辺t1に平行に延びる。辺t3は、辺t1,t2に対して垂直であり、辺t1の先端部および辺t2の先端部を繋ぐ。
【0089】
また、図2および図3のスリット52sに代えて、他方端子部52に長辺52bから電極接続孔44bと短辺52dとの間の領域まで延びる矩形の切り欠き52tが形成されている。切り欠き52tは、直線状の辺t11,t12,t13により形成される。辺t11は、連結部53の長辺53Lと同一の直線上に延びる。辺t12は、辺t1に対向するとともに長辺52bから辺t1に平行に延びる。辺t13は、辺t11,t12に対して垂直であり、辺t11の先端部および辺t12の先端部を繋ぐ。
【0090】
図8は第1バスバーの第4の変形例を示す平面図である。第4の変形例に係る第1バスバー414においては、図2および図3のスリット51sに代えて、一方端子部51に長辺51bから電極接続孔44aと短辺51dとの間の領域まで延びる三角形の切り欠き51uが形成されている。切り欠き51uは、直線状の辺u1,u2により形成される。辺u1は、連結部53の長辺53Lと同一の直線上に延びる。辺u2は、長辺51bの略中央部から辺u1の先端部に向かって延びる。
【0091】
また、図2および図3のスリット52sに代えて、他方端子部52に長辺52bから電極接続孔44bと短辺52dとの間の領域まで延びる三角形の切り欠き52uが形成されている。切り欠き52uは、直線状の辺u11,u12により形成される。辺u11は、連結部53の長辺53Lと同一の直線上に延びる。辺u12は、長辺52bの略中央部から辺u11の先端部に向かって延びる。
【0092】
図9は第1バスバーの第5の変形例を示す平面図である。第5の変形例に係る第1バスバー415においては、図2および図3のスリット51sに代えて、一方端子部51に長辺51bから電極接続孔44aと短辺51dとの間の領域まで延びる扇形の切り欠き51vが形成されている。切り欠き51vは、直線状の辺v1および曲線状の辺u2により形成される。辺v1は、連結部53の長辺53Lと同一の直線上に延びる。辺v2は、長辺51bの略中央部から辺v1の先端部に向かって湾曲して延びる。
【0093】
また、図2および図3のスリット52sに代えて、他方端子部52に長辺52bから電極接続孔44bと短辺52dとの間の領域まで延びる扇形の切り欠き52vが形成されている。切り欠き52vは、直線状の辺v11および曲線状の辺u12により形成される。辺v11は、連結部53の長辺53Lと同一の直線上に延びる。辺v12は、長辺52bの略中央部から辺v11の先端部に向かって湾曲して延びる。
【0094】
図10は、第1バスバーの第6の変形例を示す平面図である。第6の変形例に係る第1バスバー416においては、図2および図3のスリット51s,52sが形成されていない。この場合でも、一方端子部51および他方端子部52間の間隙54が、X方向において互いに対向する電極接続孔44a,44bの間の領域AR(図3)を少なくとも横切るように形成されている。そのため、この第1バスバー416に電流が流れる場合においても、一方端子部51と他方端子部52との間では、間隙54を迂回しつつ連結部53を通るように電流経路cfが形成される。したがって、図2および図3の第1バスバー41とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0095】
図11は、第6の変形例に係る第1バスバー416のより好ましい寸法を示す平面図である。図11に示すように、第6の変形例に係る第1バスバー416においては、X方向における2つの取付片43間の距離hが、X方向における間隙54の幅j(一方端子部51の長辺51bと他方端子部52の長辺52bとの間の距離)よりも短くなるように設定されることがより好ましい。また、X方向において、2つの取付片43の内側の端縁43iは間隙54の内側に配置されるように設定されることがより好ましい。この場合、2つの取付片43により電流経路cfを構成する連結部53の両端部間の電圧をより正確に検出することができる。
【0096】
第1バスバー416に電流が流れる場合、連結部53には確実に電流が流れる。また、連結部53においては電流分布がほぼ均一となる。そのため、連結部53の抵抗値は、バッテリセル10のプラス電極10aおよびマイナス電極10bの位置ずれによらずに一定である。したがって、2つの取付片43により第1バスバー41を流れる電流をより正確に測定することができる。
【0097】
図12は、第1バスバーの第7の変形例を示す平面図である。第7の変形例に係る第1バスバー417においては、図2および図3のスリット51s,52sが形成されていないが、連結部53が連結部53以外の部分の材料と異なる材料で構成される。
【0098】
連結部53は、例えば銅マンガン合金の表面にニッケルめっきが施された構成を有する。連結部53以外の部分(一方端子部51、他方端子部52および2つの取付片43)はタフピッチ銅の表面にニッケルめっきが施された構成を有する。第1バスバー417は、例えば一方端子部51および他方端子部52を予め定められた間隔で配置し、一方端子部51と他方端子部52との間の領域に溶接により銅マンガン合金を充填することにより作製される。この第1バスバー417においては、2つの取付片43間のシャント抵抗を電圧の検出が可能な程度に大きく設定することができる。これにより、電流検出部110により2つの取付片43間の電圧を正確に検出することができる。その結果、第1バスバー41に流れる電流の値を正確に測定することができる。
【0099】
また、連結部53以外の部分で抵抗値を小さくすることができるので、第1バスバー417に電流が流れる場合に、連結部53以外の第1バスバー417の部分が発熱することが抑制される。
【0100】
図13は第1バスバーの第8の変形例を示す図である。図13(a)に第8の変形例に係る第1バスバー418の平面図が示されている。第8の変形例に係る第1バスバー418においては、図2および図3のスリット51sに代えて、一方端子部51の一面に長辺51bから電極接続孔44aと短辺51dとの間の領域まで延びる一定幅の溝部51gが形成されている。溝部51gは、連結部53の長辺53Lと同一の直線上に延びる。
【0101】
また、図2および図3のスリット52sに代えて、他方端子部52の一面に長辺52bから電極接続孔44bと短辺52dとの間の領域まで延びる一定幅の溝部52gが形成されている。溝部52gは、連結部53の長辺53Lと同一の直線上に延びる。
【0102】
図13(b)に図13(a)のQ−Q線断面が示されている。図13(b)の例では、他方端子部52の一面に溝部52gが形成されている。他方端子部52において、溝部52gの形成部分の厚みuは、他の部分の厚みtの0.1倍以上0.2倍以下に設定される。この場合、溝部52gの形成部分の抵抗値は、他方端子部52における他の部分の抵抗値に比べて高くなる。一方端子部51においても同様に、溝部51gの形成部分の厚みは、他の部分の厚みの0.1倍以上0.2倍以下に設定される。この場合、溝部51gの形成部分の抵抗値は、一方端子部51における他の部分の抵抗値に比べて高くなる。
【0103】
これにより、第8の変形例に係る第1バスバー418においても、一方端子部51と他方端子部52との間で、間隙54および2つの溝部51g,52gを迂回しつつ連結部53を通るように電流経路cfが形成される。
【0104】
図13(c)に図13(a)のQ−Q線断面の他の例が示されている。上記では、溝部51gが一方端子部51の一面に形成され、溝部52gが他方端子部52の一面に形成される例を説明した。これに限らず、図13(c)に示すように、溝部51gが一方端子部51の一面および他面の共通する位置に形成され、溝部52gが他方端子部52の一面および他面の共通する位置に形成されてもよい。
【0105】
図14は第1バスバーの第9の変形例を示す平面図である。第9の変形例に係る第1バスバー419においては、図2および図3のスリット51sに代えて、一方端子部51に長辺51bから電極接続孔44aと短辺51dとの間の領域にかけて複数の貫通孔51hが集中的に形成されている。この場合、複数の貫通孔51hが集中する領域51kの平均の抵抗値は、一方端子部51における他の部分の抵抗値に比べて高くなる。
【0106】
また、図2および図3のスリット52sに代えて、他方端子部52に長辺52bから電極接続孔44aと短辺52dとの間の領域にかけて複数の貫通孔52hが集中的に形成されている。この場合、複数の貫通孔52hが集中する領域52kの平均の抵抗値は、他方端子部52における他の部分の抵抗値に比べて高くなる。
【0107】
これにより、第9の変形例に係る第1バスバー419においても、一方端子部51と他方端子部52との間で、間隙54および2つの領域51k,52kを迂回しつつ連結部53を通るように電流経路cfが形成される。
【0108】
図15は第1バスバーの第10の変形例を示す平面図である。第10の変形例に係る第1バスバー420においては、図2および図3のスリット51sに代えて、一方端子部51の一面に長辺51bから電極接続孔44aと短辺51dとの間の領域まで延びる一定幅の溝部51gが形成されるとともに、溝部51g内に複数(本例では2つ)の貫通孔51hが形成されている。溝部51gは、連結部53の長辺53Lと同一の直線上に延びる。
【0109】
また、図2および図3のスリット52sに代えて、他方端子部52の一面に長辺52bから電極接続孔44bと短辺52dとの間の領域まで延びる一定幅の溝部52gが形成されるとともに、溝部52g内に複数(本例では2つ)の貫通孔52hが形成されている。溝部52gは、連結部53の長辺53Lと同一の直線上に延びる。
【0110】
本例においても、第8の変形例と同様に、溝部51g,52gの形成部分の抵抗値が、一方端子部51および他方端子部52の他の部分の抵抗値に比べて高くなる。これにより、第10の変形例に係る第1バスバー420においても、一方端子部51と他方端子部52との間で、間隙54および2つの溝部51g,52gを迂回しつつ連結部53を通るように電流経路cfが形成される。なお、図15では、電流経路cfの図示を省略する。
【0111】
第1バスバー41は、上記の第1〜第10の変形例の他、以下の構成を有してもよい。
【0112】
一方端子部51と他方端子部52との間には、必ずしも間隙54が形成されなくてもよい。例えば、図2および図3の第1バスバー41の間隙54の部分には、絶縁性の材料が充填されてもよい。間隙54の部分に絶縁性樹脂が充填されることにより第1バスバー41の機械的強度が向上する。また、一方端子部51と他方端子部52との間に間隙54を設ける代わりに、間隙54の部分に複数の貫通孔を形成してもよい。この場合においても、一方端子部51と他方端子部52との間で複数の貫通孔が形成された部分を迂回するように電流経路cfを形成することができる。
【0113】
上記の図2〜図15の第1バスバー41,411〜420においては、2つの取付片43が一方端子部51の短辺51dおよび他方端子部52の端辺52dからベース部50の一面側に屈曲して延びる。これに限らず、2つの取付片43は、ベース部50に対して屈曲することなく面一で形成されてもよい。この場合、第1バスバー41,411〜420の構造が簡単になる。
【0114】
(5)バッテリセルの他の例
上記の実施の形態では電源装置100を構成するバッテリセル10として、扁平な略直方体形状を有するバッテリセル10が用いられるが、これに限らず、上記実施の形態と同様にねじ止めによって電極端子に第1バスバー41が取り付けられる構成であれば、円柱形状を有するバッテリセルまたはラミネート型のバッテリセルが用いられてもよい。
【0115】
ラミネート型のバッテリセルは例えば次のように作製される。まず、セパレータを挟んで正極および負極が配置された電池要素を樹脂製のフィルムからなる袋内に収容する。続いて、電池要素が収容された袋を密閉し、形成された密閉空間に電解液を注入することにより作製される。
【0116】
(6)実施例および比較例
(6−1)取り付け誤差による抵抗値のばらつき評価試験
実施例1および2として、図10の第6の変形例に係る第1バスバー416を2つ作製した。また、比較例として、図4(b)の第3バスバー49を作製した。
【0117】
作製された各バスバーを隣り合う2つのバッテリセル10間に取り付け、取り付け誤差による2つの取付片43間の抵抗値のばらつきを評価する試験を行った。
【0118】
図16は、取り付け誤差による抵抗値のばらつき評価試験を説明するための図である。図16(a)に隣り合う2つのバッテリセル10間に設けられた実施例1および実施例2に係る第1バスバー416の平面図が示されている。図16(b)に隣り合う2つのバッテリセル10間に設けられた第3バスバー49の平面図が示されている。
【0119】
図4(a)および図4(b)の例と同様に、本例の各バッテリセル10においても、プラス電極10aおよびマイナス電極10bの下端部には、それぞれ略長方形の支持部材10s,10tが設けられている。
【0120】
実施例1に係る第1バスバー416について、一方端子部51と他方端子部52との間に既知の電流を流すとともに2つの取付片43間の電圧を検出した。第1バスバー416に流した電流と検出された2つの取付片43間の電圧とに基づいて2つの取付片43間の抵抗値を算出する。この試験を一方のバッテリセル10の支持部材10sと他方のバッテリセル10の支持部材10tとの間の距離sを変化させつつ繰り返した。実施例2に係る第1バスバー416および比較例に係る第3バスバー49についても、実施例1に係る第1バスバー416と同様の試験を行った。
【0121】
図17は、取り付け誤差による抵抗値のばらつき評価試験結果を示すグラフである。図17のグラフにおいては、縦軸が2つの取付片43間の抵抗値を示し、横軸が図16の距離sを示す。なお、縦軸が示す抵抗値は、基準値に対する相対比で表される。
【0122】
図17に示すように、ばらつき評価試験の結果、実施例1および実施例2に係る2つの第1バスバー416は、距離sの大きさにかかわらず抵抗値がほぼ1.0であった。一方、比較例に係る第3バスバー49は、距離sが1.3mmから4.5mmまで変化することにより、抵抗値が約0.8から約1.05までの範囲でばらついた。
【0123】
これらの結果、実施例1および実施例2の第1バスバー416においては、取り付け誤差が生じる場合でも2つの取付片43間の抵抗値のばらつきが十分に低減されることが明らかになった。
【0124】
(6−2)図3のスリット51s,52sによる効果に関する試験
上述のように、図3の第1バスバー41においては、一方端子部51に長辺51bから電極接続孔44aと短辺51dとの間の領域まで延びるスリット51sが形成され、他方端子部52に長辺52bから電極接続孔44bと短辺52dとの間の領域まで延びるスリット52sが形成されている。
【0125】
これらのスリット51s,52sによる効果を確認するために、実施例3、4および5に係る第1バスバー41a,41b,41cを作製した。図18は、実施例3,4,5に係る第1バスバー41a,41b,41cを示す平面図である。図18(a)に実施例3に係る第1バスバー41aが示され、図18(b)に実施例4に係る第1バスバー41bが示され、図18(c)に実施例5に係る第1バスバー41cが示される。
【0126】
図18(a)に示すように、実施例3に係る第1バスバー41aは、図3の第1バスバー41とほぼ同じ構造を有する。第1バスバー41aにおいて、一方端子部51の長辺51bからのスリット51sの深さはw1であり、他方端子部52の長辺52bからのスリット52sの深さはw1である。
【0127】
図18(b)に示すように、実施例4に係る第1バスバー41bは、図3の第1バスバー41とほぼ同じ構造を有する。第1バスバー41bにおいて、一方端子部51の長辺51bからのスリット51sの深さはw2であり、他方端子部52の長辺52bからのスリット52sの深さはw2である。図18(b)のスリット51s,52sの深さw2は、図18(a)のスリット51s,52sの深さw1よりも小さい。
【0128】
図18(c)に示すように、実施例5に係る第1バスバー41cは、図10の第6の変形例に係る第1バスバー416とほぼ同じ構造を有する。第1バスバー41cにおいては、一方端子部51および他方端子部52のいずれにも図3のスリット51s,52sに相当するスリットは形成されていない。
【0129】
上記のように作製された3つの第1バスバー41a,41b,41cについて、それぞれ共通の位置に6つの測定点p1〜p6を設定した。3つの測定点p1,p2,p3は、一方端子部51において電極接続孔44aを取り囲むように配置される。3つの測定点p4,p5,p6は、他方端子部52において電極接続孔44bを取り囲むように配置される。
【0130】
実施例3に係る第1バスバー41aにおいて、測定点p1,p4間に既知の電流を流すとともに2つの取付片43間の電圧を検出し、流した電流の値と検出された電圧とに基づいて2つの取付片43間の抵抗値を算出した。同様に、測定点p1,p5間、測定点p1,p6間、測定点p2,p4間、測定点p2,p5間、測定点p2,p6間、測定点p3,p4間、測定点p3,p5間および測定点p3,p6間にもそれぞれ既知の電流を流すとともに2つの取付片43間の電圧を検出し、2つの取付片43間の抵抗値を算出した。
【0131】
算出された複数の抵抗値について、最大の抵抗値を基準とした場合に、複数の抵抗値の平均値はほぼ1.00であり、複数の抵抗値の最小値は0.99であった。これにより、複数の抵抗値は、最大の抵抗値を基準として1%以下の範囲内でばらついた。
【0132】
実施例4に係る第1バスバー41bについても、上記と同様にして各2つの測定点間に既知の電流を流すとともに2つの取付片43間の電圧を検出し、2つの取付片43間の抵抗値を繰り返し算出した。算出された複数の抵抗値について、最大の抵抗値を基準とした場合に、複数の抵抗値の平均値は0.98であり、複数の抵抗値の最小値は0.97であった。これにより、複数の抵抗値は、最大の抵抗値を基準として3%以下の範囲内でばらついた。
【0133】
実施例5に係る第1バスバー41cについても、上記と同様にして各2つの測定点間に既知の電流を流すとともに2つの取付片43間の電圧を検出し、2つの取付片43間の抵抗値を繰り返し算出した。算出された複数の抵抗値について、最大の抵抗値を基準とした場合に、複数の抵抗値の平均値は0.93であり、複数の抵抗値の最小値は0.87であった。これにより、複数の抵抗値は、最大の抵抗値を基準として13%以下の範囲内でばらついた。
【0134】
これらの結果、一方端子部51および他方端子部52にそれぞれスリット51s,52sが形成されることにより、スリット51s,52sが形成されない場合に比べて2つの取付片43間の抵抗値に生じるばらつきを十分に小さくすることができることが明らかとなった。また、一方端子部51および他方端子部52に形成されるスリット51s,52sの深さが大きくなるにつれて、2つの取付片43間の抵抗値に生じるばらつきがさらに小さくなることが明らかとなった。
【0135】
(7)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0136】
上記実施の形態においては、プラス電極10aおよびマイナス電極10bがそれぞれ第1および第2の端子の例であり、第1バスバー41,41a,41b,41c,411〜420がシャント抵抗器の例であり、電極接続孔44aが第1の端子孔の例であり、電極接続孔44bが第2の端子孔の例であり、ベース部50が導電性部材の例である。
【0137】
また、電極接続孔44a,44b間の領域ARが第1および第2の端子孔間の領域の例であり、間隙54が第1の電流規制部の例であり、電流経路cfが電流経路の例である。
【0138】
さらに、一方端子部51の短辺51d、連結部53の長辺53Mおよび他方端子部52の短辺52dを通る辺が第1の辺の例であり、一方端子部51の短辺51cおよび他方端子部52の短辺52cを通る辺が第2の辺の例であり、スリット51s,52s、切り欠き51t,52t,51u,52u,51v,52v、溝部51g,52gおよび複数の貫通孔51h,52hが第2の電流規制部の例である。
【0139】
また、X方向における一方端子部51の長辺51bと他方端子部52の長辺52bとの間の距離jが第1の電流規制部の幅の例であり、間隙54が切り欠きの例であり、バッテリセル10がバッテリセルの例であり、電源装置100が電源装置の例である。
【0140】
さらに、バッテリセル10のプラス電極10aおよびマイナス電極10bがバッテリセルの電極端子の例である。
【0141】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0142】
本発明は、電力を駆動源とする種々の移動体、またはモバイル機器等に有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0143】
10 バッテリセル
10a,10b 電極
10s,10t 支持部材
40,41,41a,41b,41c,411〜420 第1バスバー
42 第2バスバー
49 第3バスバー
43 取付片
43a 幅狭部
43b 幅広部
43i 端縁
44a,44b 電極接続孔
50 ベース部
51 一方端子部
51a,51b,52a,52b,53L,53M 長辺
51c,51d,52c,52d 短辺
51g,52g 溝部
51k,52k 領域
51s,52s スリット
51t,51u,51v,52t,52u,52v 切り欠き
52 他方端子部
52h 貫通孔
53 連結部
54 間隙
92a,92b エンドプレート
93 側部固定部材
94 ねじ
100 電源装置
110 電流検出部
111 導体線
200 負荷
501 電源線
AR 領域
c,f,e 長さ
cf 電流経路
h,g,L,s 距離
j 幅
Na ナット
p1〜p6 測定点
RS シャント抵抗
t1,t2,t3,u1,u2,u11,u12,v1,v2,v11,v12 辺
u,t 厚み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端子と第2の端子とに接続されるシャント抵抗器であって、
前記第1および第2の端子がそれぞれ挿入可能な第1および第2の端子孔を有する導電性部材と、
第1および第2の端子部とを備え、
前記導電性部材は、前記第1および第2の端子孔間の領域での電流の流れを阻止することにより前記第1および第2の端子孔間の領域を迂回する電流経路が形成されるように電流を規制する第1の電流規制部を有し、
前記第1および前記第2の端子部は、前記導電性部材に形成される電流経路に互いに間隔をおいて設けられることを特徴とするシャント抵抗器。
【請求項2】
前記導電性部材は、互いに対向する第1および第2の辺を有し、前記第1および第2の端子孔は前記第1の辺に平行な方向に並ぶように設けられ、
前記電流経路は前記第1の辺に沿って延びるように形成され、前記第1および第2の端子部は前記第1の辺に設けられ、前記第1の電流規制部は前記第2の辺から前記第1の辺に向かって前記電流経路まで延びることを特徴とする請求項1記載のシャント抵抗器。
【請求項3】
前記導電性部材は、前記第1の電流規制部から前記第1の端子孔と前記第1の辺との間の位置まで延びる領域および前記第1の電流規制部から前記第2の端子孔と前記第1の辺との間の位置まで延びる領域における電流の流れを抑制する第2の電流規制部をさらに有することを特徴とする請求項2記載のシャント抵抗器。
【請求項4】
前記第1の電流規制部は、前記第1の辺に平行な方向において幅を有し、前記第1および第2の端子部の内側の端縁は前記第1の電流規制部の幅以内に位置することを特徴とする請求項2または3記載のシャント抵抗器。
【請求項5】
前記第1の電流規制部は、前記導電性部材の前記第2の辺から前記第1の辺に向かって前記電流経路まで延びる切り欠きである請求項2〜4のいずれかに記載のシャント抵抗器。
【請求項6】
バッテリセルと、
前記バッテリセルに流れる電流を測定するための請求項1〜5のいずれかに記載のシャント抵抗器とを備えることを特徴とする電源装置。
【請求項7】
前記バッテリセルは、複数設けられ、
前記シャント抵抗器の前記第1の端子孔に前記複数のバッテリセルのうち1つのバッテリセルの電極端子が前記第1の端子として挿入され、前記シャント抵抗器の前記第2の端子孔に他のバッテリセルの電極端子が前記第2の端子として挿入され、
前記シャント抵抗器には、前記第1の端子および前記第2の端子を介して前記複数のバッテリセルからの電流が流れることを特徴とする請求項6記載の電源装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2012−160552(P2012−160552A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18706(P2011−18706)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(500005413)セイデンテクノ株式会社 (2)
【Fターム(参考)】