説明

シャープネス補正装置及びその方法

【課題】画像の特性別にシャープネスを明確に強調することのできる最適化された鮮明度の映像を表示できる映像表示装置のシャープネス補正装置及び方法を提供する。
【解決手段】本発明のシャープネス補正装置は、輝度信号と色相信号とに分離された画像データが入力され、特定の領域内に含まれたセルの輝度信号及び色相信号を用いてエッジ状態を分析するエッジ分析部と、前記エッジ状態に応じて、設定された鮮鋭マスクと前記セルの輝度信号とをマスク演算してシャープネス補正量を算出し、算出されたシャープネス補正量と前記セルの輝度信号とを合算して前記セルの輝度信号のシャープネスを補正するシャープネス補正部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像表示装置に関し、特に映像表示装置における画像鮮明度の改善方法、さらに詳細には、シャープネス(sharpness)補正装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、映像表示装置において、LCD(Liquid Crystal Display)、OLED(Organic Light Emitting Diodes)のようなデジタル映像表示装置は、外部から入力されたTV放送信号、ビデオカード(video card)から印加された信号などを含む映像信号を表示する。また、DVD(Digital Versatile Disk)プレーヤ、セットトップボックスなどのような多様な外部入力装置を介して信号が入力されて表示することができる。
【0003】
このような映像表示装置は、ビデオ信号処理部を備えており、外部から入力される信号が表示されるために適した形態にフォーマットを変換する。ビデオ信号処理部はスケーラ部を備え、入力信号が表示装置に適合するよう解像度を調整し、入力信号をRGBまたはYCbCrに変換し、最終の出力フォーマットに入力信号フォーマットを変換する。また、映像信号のコントラスト(contrast)を向上させることでシャープネスを決定する。
【0004】
映像表示装置で出力される映像信号において、シャープネスは、ユーザが満足するレベルの画像を表示するための重要な要素となる。ユーザの立場としては、高音質のみならず、特別なノイズなく、高画質の映像を鮮明に出力させる映像表示装置を好むためである。したがって、シャープネスの優れた画像を出力することが先決課題である。シャープネスは、学術用語で鮮明度として解釈され得、映像の明暗境界部分の明確度(clearness)を示す。
【0005】
しかし、今まで公知となっていた従来技術に係るシャープネス改善方法は、全体の画像に対して一括的に適用する方法を採用しているが、このような改善方法は、画像特性ごとに改善される程度が異なり得る。画像特性は、全体画像において位置ごとに相異なり得るため、このような特性を考慮せず一括的にシャープネス改善方法を適用した場合、画像特性に応じてシャープネスの改善程度が異なることによってノイズが発生する虞がある。
【0006】
関連する技術は、例えば、韓国公開特許第10−2006−0097327号公報(特許文献1)、および、韓国公開特許第10−2006−0091637号公報(特許文献2)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2006−0097327号公報
【特許文献2】韓国公開特許第10−2006−0091637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来技術に係る問題点を解決するために提案されたものであって、その目的は、画像の特性別にシャープネスを明確に強調することのできる最適化された鮮明度の映像を表示できる映像表示装置のシャープネス補正装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するための一側面に係る本発明は、輝度信号と色相信号とに分離された画像データが入力され、特定の領域内に含まれたセルの輝度信号及び色相信号を用いてエッジ(edge)状態を分析するエッジ分析部と、前記エッジ状態に応じて、設定された鮮鋭マスクと前記セルの輝度信号とをマスク演算(mask operation)してシャープネス補正量を算出し、算出されたシャープネス補正量と前記セルの輝度信号とを合算して前記セルの輝度信号のシャープネスを補正するシャープネス補正部とを備えるシャープネス補正装置を提供する。
【0010】
また、前述した目的を達成するための他の側面に係る本発明は、輝度信号と色相信号とに分離された画像データが入力され、特定の領域内に含まれたセルの輝度信号及び色相信号を用いてエッジ(edge)状態を分析するステップと、前記エッジ状態に応じて、設定された鮮鋭マスクと前記セルの輝度信号とをマスク演算してシャープネス補正量を算出し、算出されたシャープネス補正量と前記セルの輝度信号とを合算して前記セルの輝度信号のシャープネスを補正するステップとを含むシャープネス補正方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、画像のエッジ状態に応じて特性化された鮮鋭マスクを使用してシャープネス補正量を算出し、このように算出されたシャープネス補正量を基準値とし、この基準値に応じてユーザ重み付け値を適切に付加して画像のシャープネスを改善させることによって、ノイズが発生せずにも最適化された鮮明度の映像を獲得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るシャープネス補正装置を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像処理方式に適用された特定領域を示す図である。
【図3】図2に示された3×3領域を示す図である。
【図4A】本発明の実施形態に係る画像のエッジ状態を説明するために示す図である。
【図4B】本発明の実施形態に係る画像のエッジ状態を説明するために示す図である。
【図4C】本発明の実施形態に係る画像のエッジ状態を説明するために示す図である。
【図4D】本発明の実施形態に係る画像のエッジ状態を説明するために示す図である。
【図4E】本発明の実施形態に係る画像のエッジ状態を説明するために示す図である。
【図4F】本発明の実施形態に係る画像のエッジ状態を説明するために示す図である。
【図4G】本発明の実施形態に係る画像のエッジ状態を説明するために示す図である。
【図4H】本発明の実施形態に係る画像のエッジ状態を説明するために示す図である。
【図5】図1に示されたシャープネス補正部130を示す構成図である。
【図6】図1に示されたシャープネス補正部130を示す構成図である。
【図7】図1に示されたシャープネス補正部130を示す構成図である。
【図8】本発明の実施形態に係る鮮鋭マスクを示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係るマスク演算を説明するために示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係るシャープネス補正方法を説明するために示すフローチャートである。
【図11A】本発明の実施形態に係るネガティブユーザ重み付け値及びポジティブユーザ重み付け値を説明するために示す図である。
【図11B】本発明の実施形態に係るネガティブユーザ重み付け値及びポジティブユーザ重み付け値を説明するために示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明の技術的な思想を容易に実施できる程度で詳説するために、本発明の最も好ましい実施形態を添付した図面を参照して説明する。また、明細書の全体にわたって同じ図面符号(または、参照符号)に表記された部分は同じ要素を示す。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係るシャープネス補正装置を説明するために示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、本発明の実施形態に係るシャープネス補正装置は、輝度信号と色相信号とに分離された画像データの入力を受け取って、特定の領域内に含まれたセルの輝度信号及び色相信号を用いてエッジ(edge)状態を分析するエッジ分析部120と、エッジ状態に応じて設定された鮮鋭マスク(sharpen mask)及びセルの輝度信号をマスク演算(mask operation)してシャープネス補正量を算出し、算出されたシャープネス補正量とセルの輝度信号を合算し、セルの輝度信号のシャープネスを補正して出力するシャープネス補正部130とを備える。
【0016】
また、本発明の実施形態に係るシャープネス補正装置は、RGB画像データRGB_INが入力され、RGB画像データRGB_INを輝度信号と色相信号とに分離された画像データに変換する第1色空間変換部110と、シャープネス補正部130を介してシャープネス補正された輝度信号、及び第1色空間変換部110から出力された色相信号をRGB画像データRGB_OUTに変換して出力する第2色空間変換部140とを更に備える。
【0017】
輝度信号と色相信号とに分離された画像データは、YCbCr、HSVおよびHSI画像データのいずれか1つであり得る。例えば、YCbCr画像データにおいて、輝度信号はY信号になり、色相信号はC信号(Chrominance signal)となる。輝度信号は、カラーテレビまたはビデオシステムで画像の明暗を示す電気信号を意味し、カラーテレビまたはビデオシステムでは、伝送信号の周波数の帯域幅を節減するため、輝度信号に色情報を示す信号を重複して伝送する。このとき、明るさ情報を示す信号をY信号といい、色情報を示す信号成分をC信号という。
【0018】
以下、説明の便宜のためにYCbCr画像データを一例に挙げて説明する。
【0019】
エッジ分析部120は、特定セルと、この特定セルに左右方向(X軸方向)に隣接して配置された少なくとも1つのセルとの輝度信号Yレベルの差異を用いて1次微分値及び2次微分値を算出し、算出された1次微分値及び2次微分値を用いてエッジ状態が垂直ライン(vertical line)であるかを判別する。
【0020】
また、エッジ分析部120は、特定セルと、この特定セルに上下方向(Y軸方向)に隣接して配置された少なくとも1つのセルとの輝度信号Yレベルの差異を用いて1次微分値及び2次微分値を算出し、算出された1次微分値及び2次微分値を用いてエッジ状態が水平ライン(horizontal line)であるかを判別する。
【0021】
また、エッジ分析部120は、特定セルと、この特定セルに対角線方向に隣接して配置された少なくとも1つのセルとの輝度信号Yレベルの差異を用いて1次微分値を算出し、算出された1次微分値を用いてエッジ状態が対角線ライン(diagonal line)であるかを判別する。
【0022】
図2及び図3を結びつけてエッジ分析部120の動作特性に対して具体的に説明する。
【0023】
図2は、1つのフレーム画像データを示す図面であって、図3は、図2に示された3×3領域を示す図面である。図2において、X_SIZEは、1つのフレーム内でX軸方向に配置されたセルの個数であって、解像度に応じて決定される。例えば、解像度が240×120である場合、X_SIZEは240になる。図3において、3×3領域は画像処理のための特定領域であって、制限がない。例えば、5×5領域または7×7領域で画像処理することもできる。ただし、領域が大きければ大きいほどハードウェア(hardware)のサイズが増加するため、ハードウェア面を考慮して可能であれば小さな領域で画像処理を行なうことが好ましい。ここでは、一例として3×3領域で画像処理を行う方法に対して説明する。
【0024】
エッジ分析部120は、入力される3×3領域のY信号の入力を受け取って、3×3領域内に存在するY信号を用いてエッジ状態を分析する。エッジ状態は、エッジの存在有無及びエッジの形態を含む。例えば、エッジの形態は大きく、ライン性のエッジ及び非ライン性のエッジに分離される。ライン性のエッジは、水平ライン、垂直ライン、及び対角線ラインに更に分離され、エッジの強度に応じて薄いライン(thin line)及び厚いライン(thick line)に分離される。
【0025】
図4は、エッジの形態を示している。同図において、「W」は明るい領域であり、「B」は暗い領域を示す。図4A、図4B、図4C、図4D、図4G、及び図4Hは、ライン性のエッジに該当し、図4E及び図4Fは、方向性のない非ライン性のエッジに該当する。ライン性のエッジで図4A及び図4Gは水平ラインであり、図4Bおよび図4Hは垂直ラインであり、図4C及び図4Dは対角線ラインに該当する。また、図4A、図4B、図4C、及び図4Dは、ライン性のエッジにおける薄いラインに該当し、図4G及び図4Hは厚いラインに該当する。
【0026】
エッジの有無及び形態を分析するときには、画像の1次微分値及び2次微分値を利用する。
【0027】
3×3領域において、Y信号を利用した1次微分値及び2次微分値は、下記の数式により求め得る。下記の数式は、図3に示された3×3領域においてX、Y座標を基本とする。
【0028】
X軸の1次微分値をFDX、X軸の2次微分値をSDX、Y軸の1次微分値をFDY、Y軸の2次微分値をSDY、左上右下対角線の1次微分値をFDLR、右上左下対角線の1次微分値をFDRLとする。また、下記数式において、Yは輝度信号であり、X_SIZEは入力される画像のX軸解像度であり、i及びjは重心座標であって、iはX軸座標、jはY軸座標、kは[(j×X_SIZE)+(i)]を示す。
【0029】
【数1】

【0030】
【数2】

【0031】
【数3】

【0032】
前記数1、数2、数3の内容は類似している。ただし、X軸、Y軸の1次微分値及び2次微分値の算出において、参照するセルが異なるように表現したものである。
【0033】
一例として、数1においてX軸の1次微分値及び2次微分値を用いて垂直ラインの有無を判別し、Y軸の1次微分値及び2次微分値を用いて水平ライン有無を判別する。同様に、左上右下/右上左下対角線の1次微分値を用いて対角線ラインの有無を判別する。そして、X軸/Y軸の1次/2次微分値と、左上右下/右上左下対角線の1次微分値とをあらかじめ設定した複数の閾値(threshold value)と比較してエッジの有無及び形態を判別し、これを用いてエッジの強度、すなわち厚いラインであるか、または薄いラインであるかを判別する。
【0034】
下記の表1は数1において、1次/2次微分値を用いてエッジ状態を分析した結果を示す。
【0035】
【表1】

【0036】
前記表1で示す条件は例示であって、条件の個数は制限されずに加減され得る。
【0037】
本例示においては、エッジ状態の特性による画像の区別を合計5つに分けている。ここで、条件1が最も高い優先順位を有し、条件5が最も低い優先順位を有する。すなわち、条件1、条件2、条件3、条件4、条件5に行くほど優先順位が低くなる。かかるエッジ状態の分析結果にしたがって、シャープネス補正方法が異なってくる。
【0038】
表1において、条件は、あらかじめ設定された複数の閾値を用いて分離する。ここで、閾値は相異なるレベル値に設定され、条件の個数に対応するように5つのレベル値に分離され得る。各閾値は、数1で算出された1次/2次微分値と比較され、その比較結果に応じて、エッジの有無及び形態に対応して条件が整合される。
【0039】
条件1は、エッジ状態が強い境界(強いエッジ)であって、厚いラインよりも高いエッジ成分値を有する。条件2は、薄いラインエッジに該当する。条件3は、極度に安定化した領域及び肌色に該当する。極度に安定化した領域は、境界のない領域に該当する。肌色は色相信号を用いて分離し、その基準は、第1色空間変換部110において使用している色座標系により異なり得る。本実施形態で例示したYCbCrの場合には、該当セルの輝度信号及び色相信号Cb、Crにより決定される。例えば、90<Cb<135、85<Cr<175を満足すれば肌色に該当するものとみなす。条件4は、安定化した領域に該当する。安定化した領域は、非ライン性のエッジであって、様々な方向性エッジを含むが、比較的にエッジ成分値の小さな安定化した領域を示す。条件5は、厚いラインエッジまたは非ライン性のエッジを含むが、比較的エッジ成分値の大きい領域を示す。
【0040】
図5ないし図7は、シャープネス補正部130の構成を説明するために示す構成図である。
【0041】
図5に示すように、シャープネス補正部130は、エッジ分析部120を介して分析されたエッジ状態に応じて設定された鮮鋭マスクを選択する鮮鋭マスク選択部131と、選択された鮮鋭マスク及びエッジ分析部120から入力されるセルの輝度信号Y_INを一対一のマスク演算し、セルの輝度信号Y_INに対するシャープネス補正量を算出するシャープネス補正量算出部132と、シャープネス補正量に設定された初期重み付け値PD_RATIOを付加する初期重み付け値付加部133と、初期重み付け値PD_RATIOが付加されたシャープネス補正信号YENH及びセルの輝度信号Y_INを合算して出力する合算部134とを備える。
【0042】
また、図6に示すように、シャープネス補正部130Bは、初期重み付け値付加部133と合算部134との間に初期重み付け値PD_RATIOが付加されたシャープネス補正量をシャープネス基準値として設定し、シャープネス基準値に応じてシャープネス基準値に対して設定されたネガティブユーザ重み付け値及びポジティブユーザ重み付け値UD_N_RATIO、UD_P_RATIOを付加するユーザ重み付け値付加部234と、シャープネス基準値とネガティブユーザ重み付け値及びポジティブユーザ重み付け値UD_N_RATIO、UD_P_RATIOが付加されたシャープネス基準値のいずれか1つを選択してシャープネス補正信号YENHとして出力する選択部235とを更に備え得る。
【0043】
また、図7に示すように、シャープネス補正部130は、初期重み付け値付加部133と合算部134との間に初期重み付け値PD_RATIOが付加されたシャープネス補正量をシャープネス基準値として設定し、シャープネス基準値に設定されたネガティブユーザ重み付け値UD_N_RATIOを付加するネガティブ重み付け値付加部334と、シャープネス基準値及びネガティブユーザ重み付け値UD_N_RATIOが付加されたシャープネス基準値のいずれか1つを選択して出力する第1選択部335と、第1選択部335により選択されたシャープネス基準値にポジティブユーザ重み付け値UD_P_RATIOを付加するポジティブ重み付け値付加部336と、第1選択部335により選択されたシャープネス基準値及びポジティブユーザ重み付け値UD_P_RATIOが付加されたシャープネス基準値のいずれか1つを選択してシャープネス補正信号YENHとして出力する第2選択部337とを更に備え得る。
【0044】
図5ないし図7において、鮮鋭マスク選択部131は、エッジ状態をあらかじめ勘案して設定された鮮鋭マスクの中から、入力されるエッジ状態に応じていずれか1つを選択する。
【0045】
鮮鋭マスクは、図8に示すように、特定領域のセルと一対一で対応する係数を有するマトリックスからなる。例えば、3×3領域の場合、3×3マトリックスからなる。マトリックスの形態は制限されず、特定領域のサイズに応じて決定される。例えば、3×3形態、5×5形態、7×7形態のマトリックスが使用可能である。また、マトリックスを構成している係数は加減が可能であり、これらの合計は「0」となる。
【0046】
シャープネス補正量算出部132は、入力されるセルの輝度信号Y_INと選択された鮮鋭マスクとを一対一でマスク演算し、シャープネス補正量を算出する。図9は、マスク演算の例示を示している。同図に示すように、Yに対するマスク演算が行なわれると仮定すると、Yに対するシャープネス補正量NEW_Yは下記の数4の通りである。
【0047】
【数4】

【0048】
ここで、Y〜Yは、各セルの輝度信号Y_INのレベル値であり、m〜mは、鮮鋭マスクのマトリックス係数である。
【0049】
シャープネス補正量算出部132を介して算出されたシャープネス補正量のみではシャープネス補正が安定的に行われず、画像に応じて希望しない結果を招く虞がある。これに伴い、シャープネス補正量に初期重み付け値PD_RATIOを付加することが好ましく、初期重み付け値PD_RATIOを付加して画像に含まれている境界面を強く表現する。
【0050】
初期重み付け値付加部133は、シャープネス補正量に初期重み付け値PD_RATIOを乗算してシャープネス基準値を算出する。ここで、シャープネス基準値はポジティブ値(正の値)、またはネガティブ値(負の値)であり得る。このとき、初期重み付け値PD_RATIOは0〜1間の値を有する。
【0051】
例えば、図11Aに示すように、上下部に各々境界面(円形の点線参照)が存在している画像に対し、初期重み付け値PD_RATIOを付加すると、11Bに示すように、画像の境界面がA_POS、B_POS、A_NEG、及びB_NEGのように拡張する。ここで、A_POS、B_POSはポジティブ値に該当し、A_NEG、B_NEGはネガティブ値に該当する。すなわち、ポジティブ値の場合、ポジティブ改善(positive enhancement)に該当し、ネガティブ値の場合、ネガティブ改善(negative enhancement)に該当する。
【0052】
図6において、ユーザ重み付け値付加部234は、シャープネス基準値に応じて選択的にネガティブユーザ重み付け値及びポジティブユーザ重み付け値UD_N_RATIO、UD_P_RATIOを付加する。ネガティブユーザ重み付け値及びポジティブユーザ重み付け値UD_N_RATIO、UD_P_RATIOは、重み付け値レベルを相違にして様々なステップに分けられる。
【0053】
また、過度な改善(enhancement)を防止するために、シャープネス基準値の範囲を参照してネガティブユーザ重み付け値及びポジティブユーザ重み付け値UD_N_RATIO、UD_P_RATIOを乗算する。
【0054】
ユーザ重み付け値付加部234は、ネガティブ重み付け値付加部234−1及びポジティブ重み付け値付加部234−2を備える。ネガティブ重み付け値付加部234−1は、シャープネス基準値にネガティブユーザ重み付け値UD_N_RATIOを付加する。ポジティブ重み付け値付加部234−2は、ポジティブユーザ重み付け値UD_P_RATIOを付加する。このとき、ポジティブユーザ重み付け値UD_P_RATIO及びネガティブユーザ重み付け値UD_N_RATIOは、0〜1間の値を有する。
【0055】
図11Bにおいて、シャープネス基準値がB_NEGに該当する場合、ネガティブユーザ重み付け値UD_N_RATIOを付加してA_NEGに改善させ、シャープネス基準値がB_POSに該当する場合、ポジティブユーザ重み付け値UD_P_RATIOを付加してA_POSに改善させることができる。
【0056】
例えば、ネガティブ改善条件は[絶対値(絶対値(シャープネス基準値)−Y_IN)<THD]であれば、0〜1間の値を有するネガティブユーザ重み付け値UD_N_RATIOを適用し、それ以外では「1」を適用する。ポジティブ改善条件は、[(シャープネス基準値)>THB]であれば、0〜1間の値を有するポジティブユーザ重み付け値UD_P_RATIOを適用し、それ以外では「1」を適用する。ここで、THDは、ブラック領域(暗い領域(darkarea))の閾値、THBは、ホワイト領域(明るい領域(bright area))の閾値を意味する。例えば、THDは50であり、THBは40であり得る。
【0057】
図6において、選択部235は、シャープネス基準値に応じてユーザ重み付け値の付加されたシャープネス基準値と、ユーザ重み付け値が付加されていないシャープネス基準値(または、ユーザ重み付け値「1」が付加されたシャープネス基準値)とのうち、いずれか1つを選択する。選択部235は、輝度信号Y_INとシャープネス基準値とを比較して、入力されるシャープネス基準値のいずれか1つを選択する。
【0058】
図7において、ネガティブ重み付け値付加部334は、初期重み付け値付加部133を介して出力されるシャープネス補正量にネガティブユーザ重み付け値UD_N_RATIOを付加する。第1選択部335は、ネガティブ改善信号N_ENHCに応答し、ネガティブユーザ重み付け値UD_N_RATIOが付加されたシャープネス基準値、及びネガティブユーザ重み付け値UD_N_RATIOが付加されないシャープネス基準値(または、ネガティブユーザ重み付け値「1」が付加されたシャープネス基準値)のいずれか1つを選択して出力する。
【0059】
ポジティブ重み付け値付加部336は、第1選択部335を介して出力されるシャープネス基準値にポジティブユーザ重み付け値UD_P_RATIOを付加する。第2選択部337は、ポジティブ改善信号P_ENHCに応答し、ポジティブユーザ重み付け値UD_P_RATIOが付加されたシャープネス基準値、及びポジティブユーザ重み付け値UD_P_RATIOが付加されないシャープネス基準値(または、ポジティブユーザ重み付け値「1」が付加されたシャープネス基準値)のうち、いずれか1つを選択して出力する。
【0060】
ネガティブ改善信号N_ENHCは、初期重み付け値付加部133から出力されるシャープネス基準値及び輝度信号Y_INに応じて決定され、ポジティブ改善信号P_ENHCは、第1選択部335から出力されるシャープネス基準値及び輝度信号Y_INに応じて決定される。
【0061】
図10は、エッジ状態分析及びマスク演算までの動作を示すフローチャートである。
【0062】
図10に示すように、まずは、エッジ状態を分析する(S101)。エッジ状態の分析後、優先的に現セルのエッジ状態が表1において条件1に該当するかを判断する(S102)。判断の結果、条件1に該当する場合(S102:はい)、入力された輝度信号Y_INをバイパス(by pass)させる(S103)。条件1に該当せず(S103:いいえ)条件2に該当する場合(S104:はい)、図8に示されたPROC1に該当する鮮鋭マスクを用いてマスク演算を行う(S105)。
【0063】
条件2に該当せず(S104:いいえ)条件3に該当する場合(S106:はい)、入力される輝度信号Y_INをバイパスさせる(S107)。条件3に該当せず(S106:いいえ)条件4に該当する場合(S108:はい)、図8に示されたPROC1に該当する鮮鋭マスクを用いてマスク演算を行う(S109)。条件4にも該当しない場合(S108:いいえ)、条件5であるとみなし、図8に示されたPROC2に該当する鮮鋭マスクを用いてマスク演算を行う(S110)。
【0064】
以上で説明したように、本発明の技術的な思想は、好ましい実施形態から具体的に記述されたが、前記した実施形態はその説明のためのものであって、その制限のためのものでないことを注意すべきである。特に、より良い画質を獲得するためには、図1に示されたエッジ分析部120の前にノイズ・フィルタ(noise filtering)技法を利用することができ、第2色空間変換部140の前に多様なクリップ(clipping)技法を利用することもできる。また、本発明は、TFTLCDまたはOLED表示装置のみならず、その他の映像表示装置にも適用可能であることが分かる。このように、この技術分野の通常の専門家であれば本発明の技術思想の範囲内で多様な実施形態が可能であることを理解することができるのである。
【符号の説明】
【0065】
110 第1色空間変換部
120 エッジ分析部
130 シャープネス補正部
140 第2色空間変換部
131 鮮鋭マスク選択部
132 シャープネス補正量算出部
133 初期重み付け値付加部
134 合算部
234 ユーザ重み付け値付加部
235 選択部
334 ネガティブ重み付け値付加部
335 第1選択部
336 ポジティブ重み付け値付加部
337 第2選択部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
輝度信号と色相信号とに分離された画像データが入力され、特定の領域内に含まれたセルの輝度信号及び色相信号を用いてエッジ(edge)状態を分析するエッジ分析部と、
前記エッジ状態に応じて設定された鮮鋭マスクと前記セルの輝度信号とをマスク演算してシャープネス補正量を算出し、算出された前記シャープネス補正量と前記セルの輝度信号とを合算して前記セルの輝度信号のシャープネスを補正するシャープネス補正部と、
を備えることを特徴とするシャープネス補正装置。
【請求項2】
前記画像データは、YCrCb、HSV、およびHSI画像データの中から選択されたいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載のシャープネス補正装置。
【請求項3】
前記エッジ分析部は、特定セルと、該特定セルに左右方向に隣接するよう配置された少なくとも1つのセルとの輝度信号レベルの差を用いて1次微分値及び2次微分値を算出し、算出された1次微分値及び2次微分値を用いて前記エッジ状態が垂直ラインであるかを判別することを特徴とする請求項1に記載のシャープネス補正装置。
【請求項4】
前記エッジ分析部は、特定セルと、該特定セルに上下方向に隣接するよう配置された少なくとも1つのセルとの輝度信号レベルの差を用いて1次微分値及び2次微分値を算出し、算出された1次微分値及び2次微分値を用いて前記エッジ状態が水平ラインであるかを判別することを特徴とする請求項1に記載のシャープネス補正装置。
【請求項5】
前記エッジ分析部は、特定セルと、該特定セルに対角線方向に隣接するよう配置された少なくとも1つのセルとの輝度信号レベルの差を用いて1次微分値を算出し、算出された1次微分値を用いて前記エッジ状態が対角線ラインであるかを判別することを特徴とする請求項1に記載のシャープネス補正装置。
【請求項6】
前記エッジ分析部は、特定セルと、該特定セルに左右方向及び上下方向に隣接するよう配置された少なくとも1つのセルとの輝度信号レベルの差を用いて1次微分値及び2次微分値を各々算出し、前記特定セルと、該特定セルに対角線方向に隣接するよう配置された少なくとも1つのセルとの輝度信号レベルの差の差を用いて1次微分値を算出し、算出された1次微分値及び2次微分値を用いて前記エッジ状態を判別することを特徴とする請求項1に記載のシャープネス補正装置。
【請求項7】
前記エッジ分析部は、前記算出された1次微分値及び2次微分値と、予め設定された複数の基準値とを各々比較し、前記エッジ状態がライン性のエッジまたは非ライン性のエッジであるかを判別することを特徴とする請求項6に記載のシャープネス補正装置。
【請求項8】
前記エッジ分析部は、前記算出された1次微分値及び2次微分値と、予め設定された複数の基準値とを各々比較し、前記エッジ状態が強い境界、薄いライン、肌色、極度に安定化した領域、安定化領域、厚いライン、及びその他の領域のいずれに該当するかを判別することを特徴とする請求項6に記載のシャープネス補正装置。
【請求項9】
前記エッジ分析部は、前記複数の基準値を用いて、前記強い境界、前記薄いライン、前記肌色、前記極度に安定化した領域、前記安定化領域、前記厚いライン、及びその他の領域の順の優先順位で判別することを特徴とする請求項8に記載のシャープネス補正装置。
【請求項10】
前記シャープネス補正部は、前記エッジ状態が前記強い境界、前記肌色、及び前記極度に安定化した領域のいずれかに該当する場合、該当セルの輝度信号をバイパスさせて出力することを特徴とする請求項8に記載のシャープネス補正装置。
【請求項11】
前記シャープネス補正部は、前記エッジ状態が前記薄いラインまたは前記安定化領域に該当する場合、前記マスク演算時において、前記エッジ状態が前記厚いライン及び前記その他の領域に該当する場合に比べて、前記鮮鋭マスクのマトリックス内に存在する係数のうち、「0」でない係数の数を少なくしてシャープネスを補正することを特徴とする請求項8に記載のシャープネス補正装置。
【請求項12】
前記鮮鋭マスクは、前記セルと一対一で対応する係数を有するマトリックスからなることを特徴とする請求項1に記載のシャープネス補正装置。
【請求項13】
前記係数の合計は、「0」であることを特徴とする請求項12に記載のシャープネス補正装置。
【請求項14】
前記シャープネス補正部は、
前記エッジ状態に応じて設定された鮮鋭マスクを選択する鮮鋭マスク選択部と、
選択された鮮鋭マスク及び前記セルの輝度信号を一対一でマスク演算し、前記セルの輝度信号に対するシャープネス補正量を算出するシャープネス補正量算出部と、
前記シャープネス補正量に設定された初期重み付け値を付加する初期重み付け値付加部と、
前記初期重み付け値が付加されたシャープネス補正量と前記セルの輝度信号とを合算して出力する合算部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のシャープネス補正装置。
【請求項15】
前記シャープネス補正部は、
前記エッジ状態に応じて設定された鮮鋭マスクを選択する鮮鋭マスク選択部と、
選択された鮮鋭マスク及び前記セルの輝度信号を一対一でマスク演算し、前記セルの輝度信号に対するシャープネス補正量を算出するシャープネス補正量算出部と、
前記シャープネス補正量に設定された初期重み付け値を付加する初期重み付け値付加部と、
前記初期重み付け値が付加されたシャープネス補正量をシャープネス基準値として設定し、前記シャープネス基準値に応じて前記シャープネス基準値に対して設定されたユーザ重み付け値を付加するユーザ重み付け値付加部と、
前記シャープネス基準値及び前記ユーザ重み付け値が付加されたシャープネス基準値のいずれか1つを選択して出力する選択部と、
該選択部により選択されたシャープネス基準値と前記セルの輝度信号とを合算して出力する合算部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のシャープネス補正装置。
【請求項16】
前記シャープネス補正部は、
前記エッジ状態に応じて設定された鮮鋭マスクを選択する鮮鋭マスク選択部と、
選択された鮮鋭マスク及び前記セルの輝度信号を一対一でマスク演算し、前記セルの輝度信号に対するシャープネス補正量を算出するシャープネス補正量算出部と、
前記シャープネス補正量に設定された初期重み付け値を付加する初期重み付け値付加部と、
前記初期重み付け値が付加されたシャープネス補正量をシャープネス基準値として設定し、シャープネス基準値として設定されたネガティブユーザ重み付け値を付加するネガティブ重み付け値付加部と、
前記シャープネス基準値及び前記ネガティブユーザ重み付け値が付加されたシャープネス基準値のいずれか1つを選択して出力する第1選択部と、
該第1選択部により選択されたシャープネス基準値にポジティブユーザ重み付け値を付加するポジティブ重み付け値付加部と、
前記第1選択部により選択されたシャープネス基準値及び前記ポジティブユーザ重み付け値が付加されたシャープネス基準値のいずれか1つを選択して出力する第2選択部と、
該第2選択部により選択されたシャープネス基準値と前記セルの輝度信号とを合算して出力する合算部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のシャープネス補正装置。
【請求項17】
前記初期重み付け値は、0ないし1の間の値を有することを特徴とする請求項14ないし16のいずれか1項に記載のシャープネス補正装置。
【請求項18】
前記ネガティブユーザ重み付け値及び前記ポジティブユーザ重み付け値は、0ないし1の間の値を有することを特徴とする請求項16に記載のシャープネス補正装置。
【請求項19】
RGB画像データが入力され、前記RGB画像データを前記輝度信号と色相信号とに分離された画像データに変換する第1色空間変換部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のシャープネス補正装置。
【請求項20】
前記シャープネス補正部を介して出力された輝度信号及び前記色相信号をRGB画像データに変換して出力する第2色空間変換部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のシャープネス補正装置。
【請求項21】
輝度信号と色相信号とに分離された画像データが入力され、特定の領域内に含まれたセルの輝度信号及び色相信号を用いてエッジ(edge)状態を分析するエッジ状態分析ステップと、
前記エッジ状態に応じて設定された鮮鋭マスクと前記セルの輝度信号とをマスク演算してシャープネス補正量を算出し、算出されたシャープネス補正量と前記セルの輝度信号とを合算して前記セルの輝度信号のシャープネスを補正するシャープネス補正ステップと、
を含むことを特徴とするシャープネス補正方法。
【請求項22】
前記画像データは、YCrCb、HSV、及びHSI画像データの中から選択されたいずれか1つであることを特徴とする請求項21に記載のシャープネス補正方法。
【請求項23】
前記エッジ状態分析ステップでは、特定セルと、該特定セルに左右方向に隣接するよう配置された少なくとも1つのセルとの輝度信号レベルの差を用いて1次微分値及び2次微分値を算出し、算出された1次微分値及び2次微分値を用いて前記エッジ状態が垂直ラインであるかを判別することを特徴とする請求項21に記載のシャープネス補正方法。
【請求項24】
前記エッジ状態分析ステップでは、特定セルと、該特定セルに上下方向に隣接するよう配置された少なくとも1つのセルとの輝度信号レベルの差を用いて1次微分値及び2次微分値を算出し、算出された1次微分値及び2次微分値を用いて前記エッジ状態が水平ラインであるかを判別することを特徴とする請求項21に記載のシャープネス補正方法。
【請求項25】
前記エッジ状態分析ステップでは、特定セルと、該特定セルに対角線方向に隣接するよう配置された少なくとも1つのセルとの輝度信号レベルの差異の差を用いて1次微分値を算出し、算出された1次微分値を用いて前記エッジ状態が対角線ラインであるかを判別することを特徴とする請求項21に記載のシャープネス補正方法。
【請求項26】
前記エッジ状態分析ステップでは、特定セルと、該特定セルに左右方向及び上下方向に隣接するよう配置された少なくとも1つのセルとの輝度信号レベルの差を用いて1次微分値及び2次微分値を各々算出し、前記特定セルと、該特定セルに対角線方向に隣接するよう配置された少なくとも1つのセルとの輝度信号レベルの差を用いて1次微分値を算出し、算出された1次微分値及び2次微分値を用いて前記エッジ状態を判別することを特徴とする請求項21に記載のシャープネス補正方法。
【請求項27】
前記エッジ状態分析ステップでは、前記算出された1次微分値及び2次微分値と、設定された複数の基準値とを各々比較し、前記エッジ状態がライン性のエッジまたは非ライン性のエッジであるかを判別することを特徴とする請求項26に記載のシャープネス補正方法。
【請求項28】
前記エッジ状態分析ステップでは、前記算出された1次微分値及び2次微分値と、あらかじめ設定された複数の基準値とを各々比較し、前記エッジ状態が強い境界、薄いライン、肌色、極度に安定化した領域、安定化領域、厚いライン、及びその他の領域のいずれに該当するかを判別することを特徴とする請求項26に記載のシャープネス補正方法。
【請求項29】
前記エッジ状態分析ステップでは、前記複数の基準値を用いて、前記強い境界、前記薄いライン、前記肌色、前記極度に安定化した領域、前記安定化領域、前記厚いライン、及びその他の領域の順の優先順位で判別することを特徴とする請求項28に記載のシャープネス補正方法。
【請求項30】
前記シャープネス補正ステップでは、前記エッジ状態が前記強い境界、前記肌色、及び前記極度に安定化した領域のいずれか1つに該当すると、該当セルの輝度信号をバイパスさせて出力することを特徴とする請求項29に記載のシャープネス補正方法。
【請求項31】
前記シャープネス補正ステップでは、前記エッジ状態が薄いラインまたは前記安定化領域に該当する場合、前記マスク演算時において、前記エッジ状態が前記厚いライン及び前記その他の領域に該当する場合に比べて、前記鮮鋭マスクのマトリックス内に存在する係数のうち、「0」でない係数の数を少なくしてシャープネスを補正することを特徴とする請求項29に記載のシャープネス補正方法。
【請求項32】
前記鮮鋭マスクは、前記セルと一対一で対応する係数を有するマトリックスからなることを特徴とする請求項21に記載のシャープネス補正方法。
【請求項33】
前記係数の合計は、「0」であることを特徴とする請求項32に記載のシャープネス補正方法。
【請求項34】
前記シャープネス補正ステップは、
前記エッジ状態に応じて鮮鋭マスクを設定するステップと、
設定された鮮鋭マスク及び前記セルの輝度信号を一対一でマスク演算し、前記セルの輝度信号に対するシャープネス補正量を算出するステップと、
前記シャープネス補正量に設定された初期重み付け値を付加するステップと、
前記初期重み付け値が付加されたシャープネス補正量と前記セルの輝度信号とを合算して出力するステップと、
を含むことを特徴とする請求項21に記載のシャープネス補正方法。
【請求項35】
前記シャープネス補正ステップは、
前記エッジ状態に応じて鮮鋭マスクを設定するステップと、
設定された鮮鋭マスク及び前記セルの輝度信号を一対一でマスク演算し、前記セルの輝度信号に対するシャープネス補正量を算出するステップと、
前記シャープネス補正量に設定された初期重み付け値を付加するステップと、
前記初期重み付け値が付加されたシャープネス補正量をシャープネス基準値として設定し、前記シャープネス基準値に対して設定されたユーザ重み付け値を付加するステップと、
前記シャープネス基準値及び前記ユーザ重み付け値が付加されたシャープネス基準値のいずれか1つを選択するステップと、
選択されたシャープネス基準値と前記セルの輝度信号とを合算して出力するステップと、
を含むことを特徴とする請求項21に記載のシャープネス補正方法。
【請求項36】
前記初期重み付け値は、0ないし1の間の値を有することを特徴とする請求項34または35に記載のシャープネス補正方法。
【請求項37】
前記エッジ状態分析ステップの前に、RGB画像データが入力され、前記RGB画像データを前記輝度信号と色相信号とに分離された画像データに変換するステップを更に含むことを特徴とする請求項21に記載のシャープネス補正方法。
【請求項38】
前記シャープネス補正ステップの後に、前記シャープネス補正が完了した輝度信号及び前記色相信号をRGB画像データに変換して出力するステップを更に含むことを特徴とする請求項21に記載のシャープネス補正方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図4D】
image rotate

【図4E】
image rotate

【図4F】
image rotate

【図4G】
image rotate

【図4H】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate


【公開番号】特開2010−113709(P2010−113709A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226379(P2009−226379)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(505087780)マグナチップセミコンダクター有限会社 (125)
【氏名又は名称原語表記】MAGNACHIP SEMICONDUCTOR LTD
【住所又は居所原語表記】1 Hyangjeong−dong,Heungduk−gu,Cheongju City,Chung Cheong Bok−do,Korea
【Fターム(参考)】