説明

シリカ粒子、反射粒子及び少なくとも1つの特定ポリマーを含む化粧用組成物、調製法及び使用

【課題】粒子が沈降する傾向のない、シリカ粒子と反射粒子を含む油相を含有する皮膚のメーキャップ及び/又はケア化粧用組成物の提供。
【解決手段】a)少なくとも1つのヘテロ原子を含む炭化水素反復単位を有するポリマー骨格と、b)任意に官能基化され、炭素原子6〜120個を有し且つこれらの炭化水素単位に結合している任意に少なくとも1つのペンダント脂肪鎖及び/又は少なくとも1つの末端脂肪鎖を含有する、質量平均分子量が100,000未満、好ましくは50,000未満のポリマーを含む油相を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚のメーキャップ及び/又はケアの分野、より詳しくはシリカ粒子を含有する油相を含む皮膚のメーキャップ及び/又はケア組成物の分野に関する。
本特許出願は、シリカ粒子が主なゲル化系として特に用いられ、これらの組成物において追加されたゲル化剤の存在を除外しない組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
顔の外観を変えるために、特に頬骨を強調し或いは口唇をメークするために、ゲル化又は構造化油相、例えば、メーキャップファンデーション、ほお紅、アイシャドー、口紅を含む皮膚のメーキャップ及び/又はケア組成物が一般に用いられる。
現在、これらの皮膚のメーキャップ及び/又はケア組成物は、特にそれらの製造の間、たいてい剪断に感受性があり、これらの組成物が懸濁粒子を含む場合、剪断に対する感受性はこれらの粒子が貯蔵中に沈殿する傾向があることを意味する。
特に、ゲル化又は構造化された油相を含むこれらの組成物は、相のゲル化が乳白光系を生じるので、グロスタイプの口唇のメーキャップ組成物に用いることができる。この透明性は、油相の油の屈折率が口唇上で光沢のある付着物を可能にするように選ばれた場合には更に興味を起こさせる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、油相、特に、シリカ粒子によってゲル化又は構造化された油相を含む皮膚のメーキャップ及び/又はケア組成物であって、これらの組成物が改良された均一性と改良された安定性を有する前記組成物が求められている。特に、これらの組成物が懸濁粒子を含む場合、粒子懸濁液の安定性を改善することが求められている。即ち、粒子が沈降する傾向のない組成物が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
驚くべきことに、また、有利には、これらの組成物の安定性の問題が特定のポリマー、即ち、a)少なくとも1つのヘテロ原子を含む炭化水素反復単位を有するポリマー骨格と、b)任意に官能基化され、炭素原子6〜120個を有し且つこれらの炭化水素単位に結合している任意に少なくとも1つのペンダント脂肪鎖及び/又は少なくとも1つの末端脂肪鎖を含有する、質量平均分子量が100,000未満、好ましくは50,000未満のポリマーを用いることにより解決することができることを出願人は発見した。
本特許出願の第1の主題は、懸濁シリカ粒子と反射粒子を含む油相及び質量平均分子量が100,000未満、好ましくは50,000未満の少なくとも1つのポリマーであって、このポリマーがa)少なくとも1つのヘテロ原子を含む炭化水素反復単位を有するポリマー骨格と、b)任意に官能基化され、炭素原子6〜120個を有し且つこれらの炭化水素単位に結合している任意に少なくとも1つのペンダント脂肪鎖及び/又は少なくとも1つの末端脂肪鎖を含有する前記ポリマーを含有する皮膚のメーキャップ及び/又はケア化粧用組成物である。
本特許出願の第2の主題は、シリカ粒子、反射粒子、及びa)少なくとも1つのヘテロ原子を含む炭化水素反復単位を有するポリマー骨格と、b)任意に官能基化され、炭素原子6〜120個を有し且つこれらの炭化水素単位に結合している任意に少なくとも1つのペンダント脂肪鎖及び/又は少なくとも1つの末端脂肪鎖を含有する質量平均分子量が100,000未満の少なくとも1つのポリマーを混合することを含む本化粧用組成物の調製方法からなる。
本特許出願の1つの利点は、透明な組成物を得ることが可能であることである。この特性は、前記組成物がグロスを製造するために用いられる場合に、この場合に用いられる物質、例えば、油相の油又は反射粒子の光沢特性が保存され又は改善さえもされることから、最も興味深いものである。
従って、本特許出願の第3の主題は、本化粧用組成物を含むグロスからなる。
本特許出願の第4の主題は、光沢のある付着物を得るための本化粧用組成物の使用からなる。
本発明の他の特性、特徴、主題及び利点は、以下の説明及び例を読むことによりさらに明瞭に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
好ましくは、本特許出願による組成物の油相はゲル化又は構造化される。
本特許出願に関して、“ゲル化油相”は、前記相がゲル、即ち、相当量の溶媒をそのメッシュで保持する分子の三次元網目構造の形にあることを意味していると理解される。
このような網目の形成は前記相のゲル化を構成する。
本特許出願に関して、“構造化油相”は、前記相がカップ又はスティックの形の硬質ゲルであることを意味していると理解される。
本特許出願による組成物において用いられるゲル化又は構造化相は、室温における動的粘度が30〜60Pa.s、好ましくは40〜60Pa.sである。
組成物の動的粘度は、METTLER RM 180粘度計によって測定される。METTLER RM 180装置(Rheomat)は、測定するために所望される粘度の大きさの程度に従って異なるスピンドルを備えていることができる。8〜122Pa.sの粘度については、装置はno. 5のスピンドルを備えている。スピンドルの回転数は200rpmである。
【0006】
1つの有利な変形においては、本特許出願による組成物は透明であり、この透明性は10μm層厚に基づいて視覚的に評価される。この厚みは、例えば、メーキャップファンデーション又は口紅、好ましくはグロスタイプの口紅で得られるメーキャップの付着物の厚みにほぼ対応する。
“グロス”は、口唇に適用されるものであるとともに、例えば、アプリケータを備えた容器にパッケージされている製品を意味し、このアプリケータは容器を閉じるためのキャップとしても握りやすい部品を有している。
本発明による組成物は、生理的に許容しうる媒体、即ち、人間の皮膚、口唇又は表面の成長部位に適用することができる非毒性媒体を含んでいる。
好ましくは、化粧用組成物は屈折率が1.47〜1. 51の油相を含み、比較的強い光沢が得られる。本発明による組成物の前記油相はシリカ粒子を含んでいる。好ましくは、油相はシリカ粒子によってゲル化又は構造化されている。
【0007】
シリカ粒子は、特に、表面上が任意に疎水化された焼成シリカより選ぶことができ、粒径は1μm未満である。実際に、シリカの表面に存在するシラノール基の数を減少させる化学的反応によって化学的にシリカの表面を修飾することが可能である。特に、シラノール基を疎水基に置き換えて、疎水性シリカを得ることが可能である。疎水基は以下の基であり得る。
・トリメチルシロキシ基、特にヘキサメチルジシラザンの存在下で焼成シリカを処理することによって得られる。このようにして処理されたシリカは、CTFA (6th edition, 1995)に従って“シリル化シリカ”と呼ばれている。例えば、DECUSSAからAerosil R812(登録商標)、CABOTからCAB-O-SIL TS-530(登録商標)の参照として市販されている。
・ジメチルシロキシ基又はポリジメチルシロキサン基、特に、ポリジメチルシロキサン又はジメチルジクロロシランの存在下で焼成シリカを処理することによって得られる。このようにして処理されたシリカは、CTFA (6th edition, 1995)に従って“ジメチルシリル化シリカ”と呼ばれている。例えば、DEGUSSAからAerosil R972(登録商標)、Aerosil R974(登録商標)、CABOTからCAB-O-SlL TS-610(登録商標)、CAB-o-SIL TS-720(登録商標)の参照として市販されている。
特に、疎水性焼成シリカは、ナノメートル〜マイクロメートル、例えば、約5〜200 nmの範囲であり得る粒径を有する。
シリカ粒子の量は、組成物の全質量に基づいて0.1〜l2%、好ましくは0.5〜10%、特に好ましくは6〜8質量%であり得る。
【0008】
用いられる反射粒子は、化粧品における使用と適合しなけなければならず、生理的に許容しうる媒体において存続することができなければならない。特に、該粒子は溶解してはならず、いずれにせよ前記媒体に完全に溶解してはならない。
好ましくは、少なくとも1つの金属の少なくとも1つの層で少なくとも部分的に被覆される天然基質又は合成基質を有する粒子、少なくとも1つの金属化合物、特に金属酸化物の少なくとも1つの層で少なくとも部分的に被覆される合成基質を有する粒子、屈折率の異なる少なくとも2層、特に2層のポリマーの積み重ねから形成される粒子、及び金属酸化物の粒子を含む群より選ばれる。
反射粒子は、好ましくは、均一に分散することによって、例えば、特に口唇に適用することを意図している組成物については、組成物の全質量に基づいて、0.1%〜20%、好ましくは1%〜15質量%、特に好ましくは1%〜10質量%の範囲にある割合、例えば、約2%で組成物に存在することができる。
反射粒子の割合は、特に、化粧用組成物を受容することを意図している基質の種類に、また、生理的に許容しうる媒体の種類や反射粒子の種類とサイズに左右されるものである。反射粒子の割合は、好ましくは、極端に光沢のあるスポットがメーキャップ/助長すべき表面上に別々に分配されるような方法で選ばれる。反射粒子は、化粧品組成物が口唇のような基質に適用される場合、複数の過度に光沢のあるスポット、例えば、約10を超える、又は約50を超える、又はより多く、例えば、約100又は数100を超えるスポットを同時に認めることが可能である充分な量であり得る。
【0009】
それらのサイズは、過度に光沢のあるスポットを生じるのに充分な強度を有する可視光(400 - 700nm)の鏡面反射の出現と適合し、組成物の平均光沢度が考慮される。このサイズは、粒子の化学的性質、可視光の鏡面反射に関するそれらの形状やそれらの性能により変えることができる。
本発明で使用し得る反射粒子の一部は、式Δ= [L*SCI - L*SCE] / L*SCEによって定義される相対的移動Δ、0.25以上を示すことができる。比較すれば、反射粒子として適切でないある真珠光沢製品の係数Δは0.25未満である。上記式において、L*SCIは“含まれた鏡面成分”と呼ばれる方法でMINOLTA CM-2002分光比色計を用いて測定した透明度L*を示し、L*SCEは“除外された鏡面成分”と呼ばれる方法で同じ装置を用いて測定した透明度L*を示す。測定を行うために、試験粒子の5質量%分散液を従来の組成物(本質的にはニトロセルロース、樹脂、可塑剤)の透明なマニキュア液が調製され、形成した組成物の300μmの厚さの層を対比カードのブラック背景の上に流体状態で広げる。
分光比色計のSCI/SCE機能は、L*SCI及びL*SCEを測定するために、d/8の形状により用いられる。
【0010】
一例として、褐色酸化鉄で被覆されたガラス基質を含有する、ENGELHARDから市販されているREFLECKS(登録商標)反射粒子について測定された相対的移動Δは0.7を超えたが、同じ会社から市販されている真珠光沢製品のFLAMENCO(登録商標)について測定された相対的移動は0.2未満であった。
反射粒子の寸法は、好ましくは少なくとも10μm、例えば、約20μm〜約80μmである。
“寸法”は、統計的粒子径分布による集団の半分の寸法を示し、D50と呼ばれる。反射粒子のサイズは、それらの表面状態に左右されるものである。これが反射するほど、寸法は先験的に小さく、その逆も同じである。
美的観点から、過度に光沢のあるスポットを生じるように光らせる場合を除き、反射粒子は、好ましくは全く認識できず、その基質に適用される組成物の表面上で肉眼には簡単に認識できない。反射粒子は、また、基質上に不快な感覚を生じるような寸法でないことが望ましい。このように、サイズが250μm以下、好ましくは150μm以下、例えば、100μm未満の粒子の使用が好ましい。粒径は、また、組成物が適用されることを意図している基質の種類に左右されるものであり、例えば、体又は顔のある部分は、不快を生じずに他の部分より簡単により大きい寸法を許容することができる。
【0011】
反射粒子は、種々の形状を有することができる。特に、ウェハー又はペレット、特に球状ペレットの形であり得る。
“ウェハーの形で”という表現は、最大寸法と厚みとの比が5又はl0以上、好ましくは20である粒子を意味する。ウェハーの形の粒子の厚みは、例えば、約0.5μm〜約5μmある。
ほぼ平坦な外面を有する粒子は、それらのサイズ、構造及び表面状態がそれを可能にする場合には強い鏡面反射をより簡単に引き起こすことができることから、特に非常に適切である。“ミラー効果”という表現が用いられる。
特にこのような粒子については、本質的には、反射面に対して垂直に、これらの粒子が過度に光沢のあるスポットとして現れることを可能にするこの垂直に入射光によって形成されるものと同一の角度を生じる向きに反射した光であり、他の向きに拡散した光ではない。
【0012】
反射粒子は拡散性でなくマットでないことが望ましい。
反射粒子は実質的に化粧用組成物の色合いが変化し得ないことが望ましい。
この点で、入射光の金属反射を可能にする反射粒子が特に適している。このことは、特に、それらの形状にかかわりなく、反射粒子が金属、例えば銀の層上で反射を可能にするときの場合である。このような粒子は、組成物の色に関して比較的灰色である。
本発明に使用し得る金属光沢又は白色光沢を有する反射粒子は、1以上の波長をほとんど吸収せずに、例えば、全ての可視成分において光を反射することができる。これらの反射粒子の分光反射率は、範囲400-700nm(可視)において、例えば、70%を超え、好ましくは少なくとも80%、又は90%、又は95%でさえあり得る。
反射粒子によって反射される光は、特に金属光沢の場合、非虹色であり得る。
【0013】
それらの形状にかかわりなく、反射粒子は多層構造であってもなくてもよい。多層構造の場合には、例えば、一様な厚さの、特に反射物質の、少なくとも1つの層であり得る。
反射粒子が多層構造でない場合には、その状態、例えば、マットでなくかつ拡散性でない状態が化粧用組成物の中で過度に光沢のあるスポットを生じるのに充分な光の鏡面反射を可能にするほぼ平らな表面を有するように、合成によって得られる、例えば、金属酸化物、例えば、酸化チタン又は酸化鉄から構成され得る。
反射粒子が多層構造である場合には、金属のような少なくとも1つの反射物質の少なくとも1つの層で少なくとも部分的に被覆されている、例えば、天然又は合成基質、特に合成基質をもつことができる。
反射粒子の形状にかかわりなく、合成の場合、基質は、コーティング後、特に反射物質層の付着後、反射面の形成を支持する形状とともに得ることができる。例えば、基質は平面を有することができ、反射物質層は実質的に一様な厚みをもち得る。
基質は、1以上の物質からなることができ、中実又は中空であり得る。有機でも無機でもあり得る。基質は天然であり得るが、上で示した理由のために合成基質を用いることが好ましい。
【0014】
基質は、ガラス、セラミック、グラファイト、金属酸化物、アルミナ、シリカ、ケイ酸塩特にアルミノケイ酸塩及びホウケイ酸塩、及び合成雲母より選ぶことができるがこれらに限定されない。
反射物質は、金属又は金属化合物の層を含有することができる。
金属又は金属化合物の層は基質を被覆しても全体として被覆しなくてもよく、金属層は他の物質、例えば、透明材料の層で少なくとも部分的に被覆することができる。金属又は金属化合物の層は、直接又は間接的に、即ち、少なくとも1つの金属層又は非金属中間層を間に入れて全体として基質を被覆することができることが好ましい。
金属は、例えば、Ag、Au、Cu、Al、Ni、Sn、Mg、Cr、Mo、Ti、Pt、Va、Rb、W、Zn、Ge、Te、Se及びそれらの合金より選ぶことができる。Ag、Au、Al、Zn、Ni、Mo、Cr、Cu及びそれらの合金(例えば青銅、黄銅)が好ましい金属である。
特に基質が銀又は金で被覆された粒子の場合、金属層は粒子の全質量の、例えば、0.1〜50%、又は1〜20%の割合で存在することができる。
金属層で被覆されたガラス粒子は、寸法が、例えば、10μm〜300μm、好ましくは25μm〜150μmの範囲であり得る。これらの粒子がウェハーの形の場合には、厚みは、例えば、0.1μm〜25μm、好ましくは約0.5μm〜約10μm、特に好ましくは約0.5μm〜約5μmであり得る。これらの粒子が球の形の場合には、寸法が、例えば、約10〜100μmの範囲であり得る。
【0015】
金属層で被覆されたガラス粒子は、特に日本特許公報特開平09-188830、特開平10-158450、特開平10-l58541、特開平07-258460、特開平05-017710に記載されている。
金属層で被覆された鉱物基質を有する反射粒子を挙げることができる他の例は、“白色真珠光沢製品”とも呼ばれる、銀で被覆されたホウケイ酸塩基質を有する粒子である。
銀で被覆されたガラス基質を有するウェハー形の粒子は、TOYALからMICROGLASS METASHINE REFSX 2025 PSの名前で販売されている。ニッケル/クロム/モリブデン合金で被覆されたガラス基質を有する粒子は、同社からCRYSTAL STAR GF 550やGF 2525の名前で販売されている。
【0016】
それらの形状にかかわりなく、反射粒子は、また、少なくとも1つの金属化合物、特に、例えば、酸化チタン、特にTiO2、酸化鉄、特にFe2O3、酸化スズ、酸化クロム、硫酸バリウム、以下の化合物:MgF2、CrF3、ZnS、ZnSe、Si02、Al2O3、MgO、Y2O3、SeO3、SiO、HfO2、ZrO2、CeO2、Nb2O5、Ta2O5、MoS2及びそれらの混合物又は合金より選ばれる金属酸化物の少なくとも1つの層で少なくとも部分的に被覆されている合成基質を有する粒子より選ぶことができる。
挙げることができるこのような粒子の例は、二酸化チタンで被覆された合成雲母基板を有する粒子又は褐色酸化鉄、酸化チタン、酸化スズ又はそれらの混合物で被覆されるガラスの粒子、例えば、ENGELHARDから商標REFLECKS(登録商標)として販売されている粒子である。
【0017】
本発明に適した他の色素は、NIPPON SHEET GLASS CO. LTDから市販されているMETASHINE範囲のもの、例えば、参照MC 1120、1080、1040、1020、ME 2040、MC 2080である。日本特許公報特開2001-11340により詳しくは記載されているこれらの色素は、65%〜72%のSiO2を含みルチル型の酸化チタン(TiO2)の層で被覆されたC-GLASSウェハーである。これらのガラスウェハーの平均厚さは1ミクロンメートル、平均サイズは80ミクロンメートル、即ち、平均サイズ/平均厚さの比率は80である。それらは、TiO2層の厚みによって、青色、緑色、黄色又は銀色の光沢を示している。
挙げることができる他の粒子は、粒子の全質量のl2%である二酸化チタンで被覆された合成雲母基板(フルオロフロゴパイト)を有し、NIHON KOKENから名称PROMINENCEとして販売されている、寸法が80〜100μmのものである。
反射粒子は、また、屈折率の異なる少なくとも2層の積み重ねから形成された粒子から選ぶことができる。
これらの層は、重合体の性質又は金属の性質を有することができ、特に、少なくとも1つのポリマー層を含むことができる。
このように反射粒子は、多層重合膜から誘導される粒子であり得る。
このような粒子は、特に国際出願第99/36477号、米国特許第6 299 919号、同第6 387 498号に記載されている。
【0018】
多層構造の異なる層を製造することができる物質の具体例として、以下のリスト: ポリエチレンナフタレート(PEN)及びその異性体、例えば、2,6-、1,4-、1,5-、2,7-及び2,3-PEN、ポリアルキレンテレフタラート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、アタクチックポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアルキルメタクリレート及びアクリレート、シンジオタクチックポリスチレン(sPS)、シンジオタクチックポリ-α‐メチルスチレン、シンジオタクチックポリジクロロスチレン、これらのポリスチレンコポリマー及び混合物、セルロース誘導体、ポリアルキレンポリマー、フッ素化重合体、塩素化ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリエーテルアミド、アイオノマー樹脂、エラストマー及びポリウレタンを挙げることができるがこれらに限定されない。コポリマーもまた、適切であり、例は、PENコポリマー(例えば、ナフタレン-2,6-、-1,4-、-1,5-、-2.7-及び/又は-2,3-ジカルボン酸又はそのエステルと(a)テレフタル酸又はそのエステル、(b)イソフタル酸又はそのエステル、(c)フタル酸又はそのエステル、(d)アルカングリコール、(e)シクロアルカングリコール(例えば、シクロヘキサンジメタノールジオール)、(f)アルカンジカルボン酸及び/又は(g)シクロアルカンジカルボン酸とのコポリマー)、ポリアルキレンテレフタレートコポリマー及びスチレンコポリマーである。その上、個々の層は2つ以上の上記のポリマー又はコポリマーの混合物を含むことができる。
【0019】
多層構造の異なる層を占めることを意図する物質が、形成される粒子に所望の反射する外観を与えるように選ばれることは当然のことである。
ポリマーの少なくとも2つの層を含有する反射粒子が3MからMIRROR GLITTERの名前で市販されている。これらの粒子は、2,6-PENとポリメチルメタクリレートの層を80/20の質量比で含有する。このような粒子は、米国特許第5 825 643号に記載されている。
変形として又は追加して、反射粒子の光沢は、また、入射光が生じる媒体と比較して屈折率が十分に大きい粒子の物質の層上での光反射によるものであり得る。
本発明による化粧用組成物が、本発明の枠組みの外に行かずに異なるタイプの反射粒子を含有し得ることは当然のことである。
【0020】
本発明による組成物の油相は、a)少なくとも1つのヘテロ原子を含む反復炭化水素単位を有するポリマー骨格と、b)任意に官能基化され、炭素原子6〜120個を有し且つこれらの炭化水素単位に結合している任意に少なくとも1つのペンダント脂肪鎖及び/又は少なくとも1つの末端脂肪鎖を含有する、100,000未満、好ましくは50,000未満の質量平均分子量を有する少なくとも1つのポリマーを含んでいる。
本発明に関して、“官能基化された鎖”は、特にアミド基、ヒドロキシル基、エーテル基及びオキシアルキレン基又はポリオキシアルキレン基、フッ素化又は過フッ素化基を含むハロゲン基、及びエステル、シロキサン及びポリシロキサン基より選ばれる1つ以上の官能基又は反応性基を含有するアルキル鎖の意味として理解される。また、1つ以上の脂肪鎖の水素原子は、フッ素原子に少なくとも部分的に置き換えることができる。
本発明によれば、これらの鎖は、直接又はエステル基又は過フッ素化基を経てポリマー骨格に結合することができる。
【0021】
本発明に関して、“ポリマー”は、少なくとも2反復単位、好ましくは少なくとも3反復単位を有する化合物の意味として理解される。
本発明に関して、“炭化水素反復単位”は、炭素原子2〜80個、好ましくは炭素原子2〜60個を有し且つ水素原子と任意に酸素原子をもつ単位の意味として理解され、前記単位は、直鎖、分枝鎖又は環状であること、また、飽和又は不飽和であることが可能である。また、これらの単位は、各々有利にはペンダントでなくポリマー骨格に位置している1つ以上のヘテロ原子を含んでいる。これらのヘテロ原子は、窒素原子、硫黄原子及びリン原子及びその会合体より選ばれ、任意に1つ以上の酸素原子と会合する。好ましくは、単位は少なくとも1つの窒素原子、特にペンダントでない窒素原子を含有する。これらの単位は、また、有利にはカルボニル基を含有する。
特に、ヘテロ原子を含有する単位は、ポリアミドタイプの骨格を形成するアミド単位、又はポリウレタン、ポリ尿素及び/又はポリ尿素-ウレタン骨格を形成するカルバメート及び/又は尿素単位である。好ましくは、これらの単位はアミド単位である。有利には、ペンダント鎖は、ポリマー骨格のヘテロ原子の少なくとも1つに直接結合する。
【0022】
このポリマーは、炭化水素単位間にシリコーン単位又はオキシアルキレン単位を含むことができる。
その上、本発明の組成物のこのポリマーは、有利には、ヘテロ原子と脂肪鎖を含有する全単位数に基づいて、40〜98%、好ましくは50〜95%の脂肪鎖を含んでいる。ヘテロ原子を含有する単位の種類と割合は、油相の種類に左右され、特に、油相の極性と同様である。従って、ヘテロ原子を含有する単位の極性が大きいほど、また、このポリマーにおけるそれらの割合が高いほど-いくつかのヘテロ原子の存在に対応する-極性油に対するこのポリマーの親和性が大きくなる。逆に、ヘテロ原子を含有する単位(無極性でさえあってもよい)の極性が小さいほど又はそれらの割合が小さいほど、無極性油に対するこのポリマーの親和性は大きい。
【0023】
このポリマーは、有利にはポリアミドである。それ故、本発明は、更に、美容的に許容しうる媒体中に、a)アミド反復単位を有するポリマー骨格と、b)任意に官能基化され、炭素原子8〜120個を有し且つこれらのアミド単位に結合している任意に少なくとも1つのペンダント脂肪鎖及び/又は少なくとも1つの末端鎖を含有する、質量平均分子量が100,000未満の少なくとも1つのポリアミドポリマーを含有する組成物に関する。
好ましくは、ペンダント脂肪鎖は、このポリマーのアミド単位の窒素原子の少なくとも1つに結合している。
特に、このポリアミドの脂肪鎖は、アミド単位と脂肪鎖の合計数の40〜98%、好ましくは50〜95%である。
有利には、本発明による組成物のこのポリマー、特にこのポリアミドの質量平均分子量は、100,000未満(特に1000〜100,000の範囲にある)、特に50,000未満(特に1000〜50,000の範囲にある)、より詳しくは1000〜30,000、好ましくは2000〜20,000、特に好ましくは2000〜10.000の範囲にある。
このポリマー、特にこのポリアミドは、特に25℃において、水に溶解しない。特に、イオン基を含有しない。
【0024】
本発明に使用し得る好ましいポリマーとして、炭素原子6〜120個、好ましくは8〜20個、特に炭素原子12〜68個を有するペンダント脂肪鎖及び/又は末端脂肪鎖によって枝分かれしたポリアミドであって、各々の末端脂肪鎖が少なくとも1つの結合基、特にエステル基によってポリアミド骨格に結合されている前記ポリアミドを挙げることができる。好ましくは、これらのポリマーは、ポリマー骨格、特にポリアミド骨格の各端で脂肪鎖を有する。挙げることができる他の結合基は、エーテル基、アミン基、尿素基、ウレタン基、チオエステル基、チオ尿素基及びチオウレタン基である。
これらのポリマーは、好ましくは、炭素原子を少なくとも32個(特に炭素原子32〜44個)有するジカルボン酸と、炭素原子を少なくとも2つ有するジアミン(特に炭素原子2〜36個)及び炭素原子を少なくとも2つ(特に炭素原子2〜36個)有するトリアミンより選ばれるアミンとの重縮合反応から生じるポリマーである。二酸は、好ましくは、炭素原子を少なくとも16個、好ましくは炭素原子を16〜24個を有するエチレン系不飽和脂肪酸、例えば、オレイン酸、リノール酸又はリノレン酸から誘導される二量体である。ジアミンは好ましくはエチレンジアミン、ヘキシレンジアミン又はヘキサメチレンジアミンである。トリアミンは、例えば、エチレントリアミンである。1つ又は2つの末端カルボン酸基を含有するポリマーは、有利には、炭素原子を少なくとも4個、好ましくは炭素原子を10〜36個、特に好ましくは12〜24個、特に非常に好ましくは炭素原子を16〜24個、例えば、炭素原子を18個有するモノアルコールでエステル化する。
【0025】
これらのポリマーは、特に、Union Campの名義の米国特許出願第5783657号の文書に記載されているものである。特に、これらのポリマーの各々は下記式(I)に対応する。
【化1】

(式中、nは、エステル基の数がエステル基とアミド基の合計数の10%〜50%であるようなアミド単位の全数であり; R1は、各々独立して炭素原子を少なくとも4個、特に炭素原子を4〜24個を有するアルキル基又はアルケニル基であり; R2は、各々独立してC4〜C42炭化水素基であるが、基R2の50%がC30〜C42炭化水素基であり; R3は、各々独立して少なくとも2つの炭素原子、水素原子及び任意に1つ以上の酸素原子又は窒素原子を含む有機基であり; R4は、各々独立して水素原子、C1〜C10アルキル基又はR3とR4が共に結合している窒素原子がR4-N-R3で定義される複素環式構造の一部を形成するようなR3又はもう一つのR4への直接結合であり、基R4の少なくとも50%が水素原子である。)
【0026】
式(I)の具体的な場合においては、本発明に関する任意に官能基化された末端脂肪鎖は、ポリアミド骨格の最後ヘテロ原子、この場合窒素に結合した末端鎖である。
特に、本発明に関して末端及び/又はペンダント脂肪鎖の部分を形成する式(I)のエステル基は、エステル基とアミド基の合計数の15〜40%、好ましくは20〜35%である。更にまた、nは、有利には1〜5の範囲にあり、好ましくは2を超える整数である。R1は、好ましくはC12〜C22アルキル基、特に好ましくはC16〜C22アルキル基である。有利には、R2は、C10〜C42(アルキレン)炭化水素基であり得る。基R2の好ましくは少なくとも50%、特に好ましくは少なくとも75%は、炭素原子30〜42個を有する基である。その他の基R2は、C4〜C19、C4〜C12の水素添加された基である。好ましくは、R3はC2〜C36炭化水素基又はポリオキシアルキレン基であり、R4は水素原子である。好ましくは、R3はC2〜C12炭化水素基である。
炭化水素基は、飽和又は不飽和の直鎖基、環状基又は分枝鎖基であり得る。また、アルキル基やアルキレン基は、飽和又は不飽和の直鎖又は分枝鎖基であり得る。
【0027】
一般に、式(I)のポリマーは、ポリマーの混合物の形をとり、これらの混合物はnが0である式(I)の化合物、即ち、ジエステルに対応する合成生成物を含有することが可能である。
本発明による組成物に使用し得るポリマーを挙げることができる例は、Arizona ChemicalからUniclear 80やUniclear 100の名前で販売されている商品である。それぞれ、鉱油中80%(活性物質)ゲル、100%(活性物質)ゲルの形で販売されている。88〜94℃の軟化点を有する。これらの商品は、質量平均分子量が約6000の、エチレンジアミンと縮合したC36二酸のコポリマーの混合物である。末端エステル基は、セチルアルコール、ステアリルアルコール又はその混合物による残存する末端酸基のエステル化から生じる(また、セチルステアリルアルコールと呼ばれる)。
【0028】
本発明による組成物に使用し得る他のポリマーとして、脂肪族ジカルボン酸とジアミンの縮合から得られたポリアミド樹脂(2つを超えるカルボニル基と2つのアミン基を有する化合物を含む)であって、隣接の個々の単位のカルボニル基とアミン基が縮合されてアミド結合を形成する前記ポリアミド樹脂を挙げることができる。これらのポリアミド樹脂は、特に、General Mills, Inc.やHenkel Corp.から商標Versamid(登録商標) (Versamid 930、744又は1655)として又はOlin Mathieson Chemical Corp.から標識Onamid(登録商標)、特にOnamid S又はCとして販売されているものである。これらの樹脂の質量平均分子量は、6000〜9000の範囲にある。これらのポリアミドに関する情報については、更に、米国特許出願第3645705号、同第3148125号の文書を参照することができる。Versamid(登録商標) 930又は744が、特に用いられる。
【0029】
参照Uni-Rez(2658、2931、2970、2621、2613、2624、2665、1554、2623、2662)としてArizona Chemicalから販売されているポリアミドや参照Macromelt 6212としてHenkelから販売されている製品を用いることも可能である。これらのポリアミドに関する情報については、更に、米国特許第5500209号の文書を参照することができる。
植物から誘導されるポリアミド樹脂、例えば、米国特許出願第5783657号や同第5998570号に記載されるものを用いることも可能である。
本発明による組成物に存在するポリマーは、有利には軟化点が65℃より高く、190℃までの範囲にあることがことができる。その軟化点は、好ましくは70〜130℃、特に好ましくは80〜105℃の範囲である。第1ポリマーは、特にろう質でないポリマーである。
1つ又は複数のそれらの脂肪鎖によって、本発明に従って使用し得る1つ又は複数のポリマーは油における良好な溶解性が良好であり、従って、ポリマー含量が高い(少なくとも25%)場合さえ、肉眼的に均一な組成物が得られる。
このポリマーは、組成物の全質量に基づいて、0.01%〜10質量%、好ましくは0.05%〜5質量%、特に好ましくは0.1%〜3質量%の範囲にある割合で本発明による組成物に存在させることができる。
一実施態様においては、ポリマーとシリカ粒子との質量比は、1:1000〜1:1、好ましくはl:100〜1:10、特に好ましくは5:1000〜5:100の範囲にある。
【0030】
好ましくは、油相は室温で液体である油相、例えば、化粧品に慣用的に用いられるものを含んでいる。この油相は、極性油及び/又は無極性油を含有することができる。
特に、本発明の極性油は以下のものである。
- 脂肪酸の鎖長がC4〜C24に変わり得るグリセロールの脂肪酸エステルであって、前記鎖が直鎖又は分枝鎖で飽和又は不飽和であることが可能である前記脂肪酸エステルからなる高含量のトリグリセリド; これらの油は、特に小麦麦芽油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、カリテ油、キャスタ油、スイートアーモンド油、マカダミア油、アプリコット油、大豆油、綿実油、アルファルファ油、ポピー油、カボチャ油、ゴマ油、ヒョウタン油、ナタネ油、アボカド油、ヘイゼルナッツ油、グレープシード油又はクロスグリの種の油、オオマツヨイグサ油、キビ油、オオムギ油、キノア油、オリーブ油、ライ麦油、紅花油、ククイノキ油、 トケイソウ油又はマスカットローズ油である; 又はカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えば、Stearineries Duboisから販売されているもの又はDynamit NobelからMiglyol 8l0、812、818の名前で販売されているものによる炭化水素植物油;
- 式RaCOORb (式中、Raは炭素原子l〜40個を有する直鎖又は分枝鎖脂肪酸の残基であり、Rbは、炭素原子1〜40個を有する炭化水素鎖、特に分枝鎖炭化水素鎖であるが、Ra + Rb ≧10である。)の合成油又は合成エステル、例は、パーセリン油(セトステアリルオクタノエート)、イソノニルイソノナノエート、C12〜C15アルコールのベンゾエート、イソプロピルミリステート、2-エチルヘキシルパルミテート、イソステアリルイソステアレート、アルコール又は多価アルコールのオクタノエート、デカノエート又はリシノレート、ヒドロキシル化エステル、例えば、イソステアリルラクテートやジイソステアリルマレート、ペンタエリスリトールエステルである;
- 炭素原子10〜40個を有する合成エーテル;
- C8〜C26脂肪アルコール、例えば、オレイルアルコール;
- C8〜C26脂肪酸、例えば、オレイン酸、リノレン酸、リノール酸、及び
- それらの混合物。
【0031】
本発明による無極性油は、特にシリコーン油、例えば、室温で液体である揮発性又は不揮発性直鎖又は環状ポリジメチルシロキサン(PDMS); 横方向及び/又は末端アルキル基又はアルコキシ基を含有するポリジメチルシロキサン、前記基は各々炭素原子2〜24個を有する; フェニル化シリコン、例えば、フェニルトリメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート; 合成又は鉱物由来の揮発性又は不揮発性直鎖又は分枝鎖炭化水素、例えば、揮発性パラフィン油(イソドデカンのようなイソパラフィン)又は不揮発性パラフィン油、それらの誘導体、ワセリン、液体ラノリン、ポリデセン、水素添加ポリイソブテン、例えば、Parleam油、スクアラン又はアラタ油;その混合物である。
好ましくは、油は、無極性油であり、特にアルカン、例えば、Parleam油、イソパラフィン、例えば、イソドデカン、スクアラン及びそれらの混合物より選ばれる、特に鉱物又は合成由来の炭化水素油、又はこのような油の混合物である。有利には、これらの油は、1以上のフェニル化シリコーン油を伴っている。
好ましくは、液体油相は、特に、鉱物、植物又は合成由来、合成エステル又はエーテル、シリコーン油及びそれらの混合物の炭化水素油より選ばれる少なくとも1つの不揮発性油を含有する。
実際には、全液体油相は、組成物の全質量の5〜99.95%、好ましくはl0〜80%、特に好ましくは20〜75%である。
【0032】
本特許出願による組成物は、また、色素、真珠光沢製品及び/又はレーキを含むことができる。
色素は、白色又は着色の、無機又は有機の、被覆された又は被覆されていない粒子を意味するものとして理解される。挙げることができる例は、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム又は二酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄又は酸化クロム、紺青、クロム水和物、カーボンブラック、群青(アルミノケイ酸塩ポリスルフィド)、マンガンバイオレット、ピロリン酸マンガン、ある種の金属粉、例えば、銀粉又はアルミニウム粉、それらの混合物である。
真珠光沢製品は、白色の真珠光沢顔料、例えば、酸化チタン又はオキシ塩化ビスマスで被覆された雲母、着色した真珠光沢顔料、例えば、酸化鉄、紺青又は酸化クロム、又は沈殿するタイプの有機顔料で被覆されたチタン雲母の意味として理解される。
本発明の組成物に使用し得るレーキは、例えば、カルミンに基づくものであり、又はカルシウム、バリウム、アルミニウム、ストロンチウム又はジルコニウム塩、酸性着色剤、それらの混合物に基づくものである。
本発明による化粧用組成物は、色素、レーキ及び真珠光沢製品より選ばれる1つ又は複数の物質の化粧用組成物の全質量に基づいて、一般的には0.05%〜20質量%、好ましくは0.1〜15質量%を含有する。
【0033】
本発明の好ましい一実施例においては、化粧用組成物は、また、1つ以上の化粧用有効成分を含んでいる。本発明の組成物に使用しうる化粧用有効成分として、モイスチャライザ(グリセロールのようなポリオール)、ビタミン(C、A、E、F、B又はPP)、必須脂肪酸、精油、セラミド、スフィンゴ脂質、脂溶性サンフィルタ又はナノ粒子の形のサンフィルタ、皮膚を処置するための特定の有効成分(保護剤、抗菌剤、しわ防止剤等)を挙げることができる。これらの有効成分は、組成物の全質量に基づいて、例えば、0〜20%、特に0.001〜15%の濃度で使用し得る。
化粧用組成物は、また、化粧品に一般に用いられる成分、例えば、増粘剤、界面活性剤、微量元素、モイスチャライザ、軟化剤、封鎖剤、香料、アルカリ化剤又は酸性化剤、防腐剤、抗酸化剤、UVフィルタ又はそれらの混合物を含有することができる。
本発明は、下記の例によって示される。これらの例は、決して本発明を制限するものではない。
【0034】

用いられる手順は、以下の通りである。
色素を、三本ロールミルを用いて液体脂肪物質において摩砕する。
色素を摩砕するとき、ポリブテンを添加し、次に、その混合物を100-105℃に加熱しつつRayneriかきまぜ機によって撹拌する。混合物が均一になったとき、真珠光沢製品と香料を添加し、次に、撹拌しつつシリカを徐々に導入し、温度を100-105℃に維持する。シリカの懸濁液は、300gの生成物のための約20分間かかるにちがいない。次に、得られた生成物を熱いまま直接又は冷却した後にボイラーに注入する。
次に、ポリマーUniclear(登録商標) 100を導入する。
【0035】
例1
以下の組成物を有する口唇のメーキャップ製品を調製する。

Uniclear(登録商標) 100: ARIZONA CHEMICALから販売されている、ステアリルアルコールでエステル化された、水素添加C36二酸とエチレンジアミンとの縮合生成物(質量平均分子量:約4000)。
この製品を室温で3ヵ月間貯蔵した後、粒子(色素、真珠光沢製品、メタシャイン)の沈降は認められなかった。
【0036】
例2
以下の組成物を有する口唇のメーキャップ製品を調製する。

この製品を室温で3ヵ月間貯蔵した後、粒子(色素、真珠光沢製品、メタシャイン)の沈降は認められなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
懸濁シリカ粒子と反射粒子を含む油相を含有する皮膚のメーキャップ及び/又はケア化粧用組成物であって、油相が、a)少なくとも1つのヘテロ原子を含む炭化水素反復単位を有するポリマー骨格と、b)任意に官能基化され、炭素原子6〜120個を有し且つこれらの炭化水素単位に結合されている任意に少なくとも1つのペンダント脂肪鎖及び/又は少なくとも1つの末端脂肪鎖を含有する、100,000未満の質量平均分子量を有する少なくとも1つのポリマーを含むことを特徴とする、前記組成物。
【請求項2】
ポリマーが、a)アミドである炭化水素反復単位を有するポリマー骨格と、b)任意に官能基化され、炭素原子8〜120個を有し且つアミドであるこれらの炭化水素単位に結合されている任意に少なくとも1つのペンダント脂肪鎖及び/又は少なくとも1つの末端脂肪鎖を含有する、100,000未満の質量平均分子量を有するポリアミドである、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
脂肪鎖が、アミド単位と脂肪鎖の合計数の40〜98%であることを特徴とする、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
脂肪鎖が、アミド単位と脂肪鎖の合計数の50〜95%であることを特徴とする、請求項2又は3記載の組成物。
【請求項5】
ペンダント脂肪鎖が、アミド単位の窒素原子の少なくとも1つに直接結合されていることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
第1ポリマーの平均分子量が1000〜100,000、好ましくは1000〜50,000、特に好ましくは1000〜30,000の範囲にあることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
第1膜形成ポリマーの質量平均分子量が2000〜20,000、好ましくは2000〜10,000の範囲にあることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
1つ又は複数の末端脂肪鎖が、結合基によって骨格に結合されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
結合基がエステル基であることを特徴とする、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
1つ又は複数の脂肪鎖が、炭素原子12〜68個を有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
ポリアミドが、下記式(I):
【化1】

(式中、nは、エステル基の数がエステル基とアミド基の合計数の10%〜50%であるようなアミド単位の全数であり; R1は、各々独立して炭素原子少なくとも4個、特に炭素原子4〜24個を有するアルキル基又はアルケニル基であり; R2は、各々独立してC4〜C42炭化水素基であるが、基R2の50%がC30〜C42炭化水素基であり; R3は、各々独立して少なくとも2つの炭素原子、水素原子及び任意に1つ以上の酸素原子又は窒素原子を含む有機基であり; R4は、各々独立して水素原子、C1〜C10アルキル基又はR3とR4が共に結合している窒素原子がR4-N-R3で定義される複素環式構造の一部を形成するようなR3又はもう一つのR4への直接結合であり、基R4の少なくとも50%が水素原子である。)
に対応することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
R1が、C12〜C22アルキル基であることを特徴とする、請求項1〜11記載の組成物。
【請求項13】
基R2が炭素原子30〜42個を有することを特徴とする、請求項11又は12記載の組成物。
【請求項14】
ポリマーが、組成物の全質量に基づいて、0.01%〜10質量%、好ましくは0.05%〜5質量%、特に好ましくは0.1%〜3質量%の範囲にある割合で存在することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
シリカ粒子が、組成物の全質量に基づいて、0.l〜12%、好ましくは0.5〜10%、特に好ましくは6〜8質量%であることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
反射粒子が、少なくとも70%の可視スペクトルにおける分光反射率を有することを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
反射粒子の寸法が、最大250μm、好ましくは150μm未満、特に好ましくは100μmであることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
反射粒子の寸法が、少なくとも10μmであることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
反射粒子の寸法が、20〜80μmの範囲にあることを特徴とする、請求項18記載の組成物。
【請求項20】
反射粒子が、組成物の全質量に基づいて、0.1〜20%、特に1〜15%、特に1〜10%の範囲にある割合で組成物に存在することを特徴とする、請求項1〜19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
反射粒子がウェハー又は球の形であることを特徴とする、請求項1〜20のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
反射粒子が、少なくとも1つの金属の層で少なくとも部分的に被覆されている天然基質又は合成基質を有する粒子を含むことを特徴とする、請求項1〜21記載の組成物。
【請求項23】
金属が、Ag、Au、Cu、Al、Zn、Ni、Mo、Cr及びそれらの混合物又は合金より選ばれることを特徴とする、請求項22記載の組成物。
【請求項24】
金属が、Ag又はその合金の1つであることを特徴とする、請求項14記載の組成物。
【請求項25】
基質が、1つ以上の物質、有機基質、無機基質、ガラス、セラミック、金属酸化物、アルミナ、シリカ、ケイ酸塩、特にアルミノケイ酸塩及びホウケイ酸塩、合成雲母及びそれらの混合物からなる基質より選ばれることを特徴とする、請求項22〜24のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項26】
反射粒子が、少なくとも1つの金属化合物、特に金属酸化物の少なくとも1つの層で少なくとも部分的に被覆されている合成基質を有する粒子から少なくとも部分的に構成されていることを特徴とする、請求項1〜21のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項27】
合成基質が、1つ以上の物質、有機基質、無機基質、ガラス、セラミック、金属酸化物、アルミナ、シリカ、ケイ酸塩、特にアルミノケイ酸塩及びホウケイ酸塩、合成雲母及びそれらの混合物からなる基質より選ばれることを特徴とする、請求項26記載の組成物。
【請求項28】
金属化合物が、酸化チタン、特にTiO2、酸化鉄、特にFe2O3、酸化スズ、硫酸バリウム及び以下の化合物:MgF2、CeF3、ZnS、ZnSe、SiO2、Al2O3、MgO、Y2O3、SeO3、SiO、HfO2、ZrO2、CeO2、Nb2O5、Ta2O5及びMoS2及びそれらの混合物より選ばれることを特徴とする、請求項26又は27記載の組成物。
【請求項29】
金属化合物が、酸化チタン、酸化鉄又は酸化スズ又はそれらの混合物であることを特徴とする、請求項28記載の組成物。
【請求項30】
金属化合物がTiO2であることを特徴とする、請求項29記載の組成物。
【請求項31】
反射粒子が、異なる屈折率を有する少なくとも2層の積み重ね、特に2層のポリマーから形成される粒子から少なくとも部分的に構成されていることを特徴とする、請求項1〜30のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項32】
反射粒子が、少なくとも1つの金属酸化物の粒子から少なくとも部分的に構成されていることを特徴とする、請求項1〜31のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項33】
金属酸化物が、酸化鉄及び酸化チタンより選ばれることを特徴とする、請求項32記載の組成物。
【請求項34】
反射粒子が、組成物の全質量に基づいて0.01%〜10質量%の範囲にある割合で存在する、請求項1〜33のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項35】
色素、真珠光沢製品及び/又はレーキを含有する、請求項1〜34のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項36】
モイスチャライザ、ビタミン、必須脂肪酸、精油、セラミド、スフィンゴ脂質及び脂溶性サンフィルタ又はナノ粒子の形のサンフィルタより選ばれる少なくとも1つの有効成分を含んでいる、請求項1〜35のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項37】
増粘剤、界面活性剤、微量元素、モイスチャライザ、軟化剤、封鎖剤、香料、アルカリ化剤又は酸性化剤、防腐剤、抗酸化剤、UVフィルタ及びそれらの混合物より選ばれる少なくとも1つの成分を含んでいる、請求項1〜36のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項38】
ポリマーとシリカ粒子との質量比が1:1000〜1:1、好ましくは1:100〜1:10、特に好ましくは5:1000〜5:100の範囲にある、請求項1〜37のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項39】
請求項1〜38のいずれか1項に記載の組成物の調製方法であって、シリカ粒子、反射粒子及び質量平均分子量が100,000未満の少なくとも1つのポリマーを混合し、前記ポリマーがa)少なくとも1つのヘテロ原子を含む炭化水素反復単位を有するポリマー骨格と、b)任意に官能基化され、炭素原子6〜120個を有し且つこれらの炭化水素単位に結合されている任意に少なくとも1つのペンダント脂肪鎖及び/又は少なくとも1つの末端脂肪鎖を含有していることを特徴とする、前記方法。
【請求項40】
請求項1〜38のいずれか1項に記載の化粧用組成物を含むグロス。
【請求項41】
光沢のある付着物を得るための請求項1〜38のいずれか1項に記載の化粧用組成物の使用。

【公開番号】特開2006−298928(P2006−298928A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−140834(P2006−140834)
【出願日】平成18年4月19日(2006.4.19)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】