説明

シート処理制御システム及びシート処理制御プログラム並びにシート処理装置の制御方法

【課題】ユーザの利便性を向上したシート処理制御システム及びシート処理制御プログラム並びにシート処理装置の制御方法を提供する。
【解決手段】シートを処理するシート処理装置と、シート処理装置が接続された状態でシート処理装置の動作を制御する情報処理装置とを備えたシート処理制御システムに関し、シート処理装置は、シートの有無を検知するシート検知手段と、シート検知手段での検知結果又は当該検知結果に基づく制御情報を情報処理装置に伝達するための伝達手段とを有する一方、情報処理装置は、シート検知手段での検知結果又は制御情報に基づいて情報処理装置内の記憶部からシート処理装置を制御するための制御プログラムを起動制御する制御部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを処理するためのシート処理制御システム及びシート処理制御プログラム並びにシート処理装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シート処理装置の一例であるスキャナやプリンタ等の周辺装置は、一般的に、コンピュータに接続され、コンピュータからの指示に基づいて制御される。コンピュータは、例えば、周辺装置を制御するためのドライバがインストールされることで、周辺装置の制御が可能となる。コンピュータに接続される周辺装置を簡易に利用可能とするための技術としては、周辺装置がコンピュータの接続ポートに接続された場合に、周辺装置を所定種類の装置と認識させるための識別信号をコンピュータに出力し、コンピュータのオートラン機能を起動させて、コンピュータに汎用ドライバをインストールさせる技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−115427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術においては、コンピュータに汎用ドライバをインストールする手間を簡略化する利点がある。しかしながら、ユーザが周辺装置を使う場合においては、ユーザが専用又は汎用のアプリケーションを起動し、その後、インストール済みの汎用ドライバを使って周辺装置の制御を行わなければならない。このため、ユーザが周辺装置を使うときは、コンピュータ側で専用又は汎用のアプリケーションを立ち上げる必要があり、このような操作手順はユーザにとって煩雑な場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、上述した事情に鑑み、ユーザの利便性を向上したシート処理制御システム及びシート処理制御プログラム並びにシート処理装置の制御方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るシート処理制御システムは、シートを処理するシート処理装置と、前記シート処理装置が接続された状態で前記シート処理装置の動作を制御する情報処理装置とを備え、前記シート処理装置は、シートの有無を検知するシート検知手段と、前記シート検知手段での検知結果又は当該検知結果に基づく制御情報を前記情報処理装置に伝達するための伝達手段とを有する一方、前記情報処理装置は、前記シート検知手段での検知結果又は前記制御情報に基づいて前記情報処理装置内の記憶部から前記シート処理装置を制御するための制御プログラムを起動制御する制御部とを有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るシート処理制御プログラムは、シート処理装置に接続される情報処理装置の制御部で実行されることにより前記情報処理装置から前記シート処理装置を制御可能とするシート処理制御プログラムであって、前記シート処理装置において生成されるシートの有無を検知した検知結果又は当該検知結果に基づく制御情報の検出により前記情報処理装置内の記憶部から起動されて前記情報処理装置を前記シート処理装置の制御手段として機能させることを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明に係るシート処理装置の制御方法は、シート処理装置に接続される情報処理装置の制御部において前記シート処理装置を制御するための制御プログラムを実行することにより前記情報処理装置から前記シート処理装置を制御可能な状態とするに際し、前記シート処理装置において生成されるシートの有無を検知した検知結果又は当該検知結果に基づく制御情報の検出により前記情報処理装置内の記憶部から前記制御プログラムを起動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、シート処理装置側でシートがある旨を検知した場合において、情報処理装置側でシート処理装置を制御するための制御プログラムを起動制御するようにしたので、ユーザによる情報処理装置側での制御プログラムの起動操作を省略することができて、ユーザの利便性を格段に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施例に係る情報処理装置として例示したコンピュータと、画像読み取り装置としてのスキャナ装置とを示した斜視図。
【図2】パーソナルコンピュータとして例示するコンピュータとスキャナのハードウエアブロック図。
【図3】第1の実施例に係るコンピュータとスキャナ装置とのソフトウエアブロック図。
【図4】第1の実施例に係るコンピュータからキャプチャアプリケーションを利用してスキャナ装置で画像読み取りを行う処理のフローチャート図。
【図5】第1の実施例に係るドライブレターを割り当てられたディスクドライブ(スキャナ装置)をファイル管理ソフトで開いた様子を示す図。
【図6】第1の実施例に係るキャプチャアプリケーションが起動したときに表示されるユーザインターフェースの一例を示した図。
【図7】第1の実施例に係る操作ボタンに対応するイベント監視モジュールの動作説明図。
【図8】第1の実施例に係る原稿検知に対応するイベント監視モジュールの動作説明図。
【図9】第1の実施例に係る非表示状態で待機しているキャプチャアプリケーションの動作を示したフローチャート図。
【図10】第1の実施例に係るイベント監視モジュールの動作を示したフローチャート図。
【図11】第2の実施例に係る画像読取装置の外観図、概略断面図。
【図12】第2の実施例に係る画像読取装置の平面図。
【図13】第2の実施例に係る画像読取装置の概略図、概略断面図。
【図14】第2の実施例に係る画像読取装置の動作説明図。
【図15】第3の実施例に係る画像読取装置の斜視図。
【図16】第3の実施例に係る画像読取装置及びコンピュータの接続状態図。
【図17】第3の実施例に係る画像読取装置の内部構成を示す図。
【図18】第3の実施例に係る画像読取装置における画像読取部の内部構成を示す図。
【図19】第3の実施例に係るイベント管理モジュールのシーケンスを示した図。
【図20】第3の実施例に係る画像読取装置の原稿検出方法を示すシーケンス図。
【図21】第3の実施例に係る画像読取装置の画像読取部を所定位置に移動させた図。
【図22】第3の実施例に係る画像読取装置の上面図。
【図23】第3の実施例に係る画像読取装置の画像読取部を所定位置に移動させた図。
【図24】第3の実施例に係る画像読取装置の受光レベルと走査方向との関係図。
【図25】第3の実施例に係る画像読取装置で原稿を読み取っているときの図。
【図26】第3の実施例に係る画像読取装置の受光レベルと走査方向との関係図。
【図27】第3の実施例に係る画像読取装置の受光レベルと走査方向との関係図。
【図28】第3の実施例に係る画像読取装置の受光レベルと走査方向との関係図。
【図29】他の実施例に係るシート検知手段の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1の実施例>
【0012】
以下に本発明の実施例の例を示す。以下で説明される個別の実施例は、本発明の上位概念、中位概念および下位概念など種々の概念を理解するために役立つであろう。また、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施例によって限定されるわけではない。
【0013】
図1は、本発明の第1の実施例に係る情報処理装置として例示したコンピュータ100と、シート処理装置の一例である画像読み取り装置としてのスキャナ装置110とを接続したシート処理制御システムの構成を示した概略斜視図である。なお、本発明は、シート処理装置を利用するための制御プログラムを情報処理装置で実行するに際し、シート処理装置側でシートの有無を検知した場合において情報処理装置内側で制御プログラムを起動することに1つの特徴がある。そのため、シート処理装置は、例えば、画像読取装置や画像形成装置等に限定されず、種々の周辺装置であってもよい。
【0014】
シート処理装置の一例である本実施例のスキャナ装置110には、原稿(シート)を積載する給紙トレイ112が装置本体111に対してヒンジ部を介して開閉可能に支持されている。給紙トレイ112は、閉じた状態で原稿の給紙口113を覆い、開放された状態で積載面114に原稿が積載される。そして、給紙トレイ112に載置される原稿は、1枚ずつ給送されるようになっている。例えば、給紙トレイ112に積載された複数枚の原稿は、フィードローラと分離パッドとによって最も下の原稿から1枚ずつ搬送路に分離給送される。搬送路に給送された原稿は、搬送ローラ対により下流側に搬送される。さらに原稿は、読取センサにより表裏両面の画像が読み取られ、その後、搬送ローラ対により排紙口116から排紙される。
【0015】
ここで、このようなスキャナ装置110においては、原稿の搬送路に図示しない画像読取ユニットが配置されている。また、この画像読取ユニットでの原稿の画像読取のタイミングは、画像読取ユニットの上流側に配置されたセンサ(例えば、光学センサ等)で検出される。具体的には、原稿の先端が到達したことを検知するセンサを画像読取ユニットの上流側に配置し、センサによって原稿が到達したことを検知した後、画像読取ユニットは所定のタイミングで画像読取を開始する。さらに、本実施例では、図1に示すように、給紙トレイ112の給紙口113の略中央部に、原稿検知センサ117を設けて、給紙トレイ112にセットされる原稿の有無を検知できるようになっている。なお、本実施例では、原稿検知センサ117として、反射型の光学センサを用いた。
【0016】
なお、上述したスキャナ装置110は、USBケーブルなどの通信ケーブル101を介してコンピュータ100に接続する。情報処理装置であるコンピュータ100は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)である。
【0017】
とりわけ、本実施例のスキャナ装置110は読み書き可能なディスクドライブとしてコンピュータに認識されたまま、画像の読み取りを行い、画像データを自身の記憶装置に保存しておく。このスキャナ装置110の記憶装置は、コンピュータ100からも外付けの記憶装置としてアクセス可能である。よって、コンピュータ100は、スキャナ装置110の記憶装置を介して画像データを読み出すことができる。
【0018】
ここで、コンピュータ100は、スキャナ装置110に対する読取設定の情報や制御コマンドなどをスキャナ装置110の記憶装置に記憶された制御ファイルに書き込むよう制御する。一方、スキャナ装置110は、自己の記憶装置に書き込まれた制御ファイルから読取設定の情報や制御コマンドなどを抽出して画像の読み取りを実行するようになっている。
【0019】
また、本実施例では、スキャナ装置110の記憶領域には、スキャナ装置110を制御するための1つ又は複数のプログラムから構成されるスキャナ制御処理プログラムが記憶されている。例えば、本実施例では、スキャナ装置110を制御するための制御プログラムと、制御プログラムを管理する管理プログラムとが、スキャナ制御処理プログラムとして、スキャナ110の記憶領域に記憶されている。そして、コンピュータ100とスキャナ装置110とを通信ケーブル101により接続した際、スキャナ装置110の記憶領域から制御プログラムがコンピュータ100のメモリに送られる。コンピュータ100は、スキャナ装置110から受け取った制御プログラムを実行することで、スキャナ装置110の制御が可能となる。すなわち、本実施例においては、コンピュータ100のハードディスクドライブに制御プログラム等のソフトウエアをインストールしなくても、スキャナ装置110を利用することができる。これは操作者にとって極めて便利な反面、一旦、制御プログラムを完全終了してしまうと、再び、制御プログラムをスキャナ装置110からコンピュータ100のメモリへとロードしなければ、スキャナ装置110の制御画面を表示してその制御画面からスキャナ装置110を制御することができない。このため、上記の所謂オートラン機能を再現するためには、スキャナ装置110の電源のオフ・オンや通信ケーブル101の物理的なケーブルの抜き差し、あるいはファイルシステムを利用してコンピュータ100のメモリ内の制御プログラムを検索して再実行しなければならない。本実施例では、このようなユーザの作業負担を軽減し、ユーザの利便性を向上するものである。なお、制御画面は、表示オブジェクトの一種である。表示オブジェクトは、コンピュータ100のデスクトップに表示されるオブジェクトのことであり、ウィンドウ、ポップアップダイアログ、ボタン、チェックボックス、ラジオボタン、タスクバー、タスクトレイ、および、アイコンなどである。ユーザは、スキャナ装置110などの周辺装置を制御したり、周辺装置の動作状態を認識したりするために、オブジェクトを使用して、周辺装置の設定を実行する。
【0020】
そして、本実施例では、上述したようにスキャナ装置110の記憶領域には、制御プログラムの他に、この制御プログラムを管理する管理プログラムとが記憶されている。
【0021】
管理プログラムは、例えば、情報処理装置(本実施例ではコンピュータ100)で実行されると、当該情報処理装置において周辺装置(本実施例ではスキャナ装置110)の制御画面を表示する。このような管理プログラムは、情報処理装置での制御プログラムの使用が終了されたか否かを判断して情報処理装置の表示画面を制御するプログラムである。具体的には、管理プログラムは、ユーザ等の操作により制御プログラムの使用が終了したか否かを管理し、制御プログラムの使用状況に基づいて周辺装置の制御画面の表示形態を制御するよう情報処理装置を機能させるためのプログラムとなる。なお、このような管理プログラムは、制御プログラムと共に周辺装置から情報処理装置に送信されて情報処理装置で実行されるようにしてもよいし、周辺装置に常駐させて情報処理装置で実行される制御プログラムを遠隔で管理するようにしてもよい。
【0022】
ここで、本発明では、上記の「制御プログラムの使用が終了する」とは、制御プログラムが完全に終了する場合(この状態を完全終了状態と呼べる。)、例えば、メモリから開放される場合と、制御プログラム自体は終了せずに起動状態(例えば、メモリに常駐した状態で実行状態)を維持しながらも制御プログラムの実行に基づく周辺装置の制御画面を非表示状態とする場合(この状態を非完全終了状態、一時的終了状態、停止状態または待機状態と呼べる。)を少なくとも含む。また、上記の「制御プログラムの使用状況」とは、少なくとも制御プログラムが完全に終了している状況と、制御プログラムが完全に終了せずに周辺装置の制御画面を非表示状態としている状況とを少なくとも含む。
【0023】
ここで、本実施例を具体的に説明すると、図1及び図2に示すように、スキャナ装置110の本体に設けられた操作ボタン115は、例えば、スキャナ装置110にスキャンの開始を指示するための指示部(スキャン実行ボタン)である。なお、例えば、本実施例では、詳細は後述するが、スキャナ装置110の読取操作を制御するアプリケーションプログラム(以下、キャプチャアプリケーション)の実行によりコンピュータ100においてスキャナ装置110の制御画面を表示するようになっている。
【0024】
そして、本実施例では、ユーザ等がスキャナ装置110の制御画面を終了操作(キャンセルボタンや閉じるボタンの押し下げ操作)すると、管理プログラムは、当該制御画面を非表示状態として待機させるようコンピュータ100を機能させる。次に、この状態からスキャナ装置110の操作ボタン115が操作されると、管理プログラムは、コンピュータ100においてスキャナ装置110の制御画面を再び表示状態に切り替えるようコンピュータ100を機能させる。これにより、例えば、上記のオートラン機能を再現する際の操作者の負担を軽減できる。このように、操作ボタン115は、キャプチャアプリケーションの実行により表示されるスキャナ装置110の制御画面を非表示状態から表示状態へ復帰させるための指示を発行するための指示部の一例である。
【0025】
さらに、本実施例では、ユーザ等がスキャナ装置110の給紙トレイ112に原稿をセットした際において、その原稿のセットを原稿検知センサ117で検知すると、キャプチャアプリケーションが起動するようになっている。ここで、キャプチャアプリケーションが起動するとは、キャプチャアプリケーションの終了状態によって異なるが、例えば、キャプチャアプリケーションがコンピュータ100のメモリから開放されている場合には、コンピュータ100がスキャナ装置110からキャプチャアプリケーションを再実行(ロード)する。即ち、コンピュータ100がスキャナ装置110の記憶部からキャプチャアプリケーションを実行(コンピュータ100内のメモリへ展開して実行)する。なお、キャプチャアプリケーションの起動とは、上記に限定されず、例えば、キャプチャアプリケーションのプログラム自体は終了せずに起動状態(例えば、メモリに常駐した状態で実行状態)を維持しながらもプログラムの実行に基づくスキャナ装置110の制御画面を非表示状態とした場合、スキャナ装置110の制御画面を非表示状態から表示状態への切り替え制御を含む。例えば、原稿検知センサ117が原稿のセットを検知した場合、キャプチャアプリケーションが自ら制御画面を表示状態へ切り替えるようにしてもよい。
【0026】
このように、本実施例によれば、操作ボタン115の操作だけでなく、スキャナ装置110への原稿セットによっても、キャプチャアプリケーションを自動起動するようにしたので、ユーザの利便性を格段に向上することができる。
【0027】
なお、操作ボタン115の操作検知によるキャプチャアプリケーションの起動と、原稿検知センサ117での原稿セット検知によるキャプチャアプリケーションの起動とはそれぞれ独立したシーケンスで制御してもよいが、例えば、操作ボタン115の押し下げ後に原稿検知センサ117が原稿のセットを検知できてない場合は、スキャンする原稿が存在しないため、スキャナ装置110の制御画面を非表示状態としてもよい。この場合、スキャンする原稿がないため、コンピュータ100の画面に「原稿がない」旨を意味する表示を行うようにしてもよい。ただし、操作ボタン115の操作が行われて原稿検知センサ117による原稿セット検知ができていない状態は、ユーザによる原稿のセット忘れの場合もあるため、これらを考慮し、操作ボタン115での操作に起因してキャプチャアプリケーションを起動制御してスキャナ装置110の制御画面(原稿がない旨の表示を含む)を表示状態とし、その後、原稿検知センサ117によって原稿のセットを検知した場合に、原稿がない旨の表示を消すように制御してもよい。
【0028】
図2は、本実施例においてパーソナルコンピュータとして例示するコンピュータとスキャナのハードウエアブロック図である。図2において、コンピュータ100は、CPU201、ROM203、RAM204、ハードディスクドライブ202、USBインターフェース205を備えている。USBインターフェース205は、情報処理装置と通信するための通信部の一例であり、USBケーブルである通信ケーブル101を介してスキャナ装置110と接続される。また、キーボード/マウス230とディスプレイ231は、CPU201に接続されている。
【0029】
コンピュータ100に電力が投入されると、制御部としてのCPU201は、ROM203からファームウエアを起動し、ハードディスクドライブ202から、例えば、マイクロソフト社などが提供しているオペレーティングシステム(OS)を起動する。OSなどの必要なソフトウエアは、RAM204にロードされる。ハードディスクドライブ202は、ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)などのメモリ型の記憶装置であってもよい。CPUは、中央演算処理装置の略称であるが、制御装置(制御部)、演算装置またはプロセッサを呼ばれることもある。
【0030】
一方、スキャナ装置110は、CPU211、ROM213、RAM214、画像読み取り部216、USBコントローラ212、USBインターフェース215及び操作ボタン115を備えている。スキャナ装置110に電力が投入されると、制御部としてのCPU211は、ファームウエアをROM213から起動する。本実施例で、ROM213は、不揮発性のメモリであり、コンピュータ100によって情報を書き込むことが可能なメモリである。ROM213には、少なくとも、後述するキャプチャアプリケーション319とイベント監視モジュール318が記憶される。ここで、スキャナ制御処理プログラムとしての上述した制御プログラム及び管理プログラムの機能は、例えば、本実施例では、これらキャプチャアプリケーション319及びイベント監視モジュール318、及びCPU211により機能分散して実現される。本実施例によれば、制御プログラムの使用状況を監視する機能(監視機能)と、制御プログラムの使用状況の監視結果に基づいて制御プログラムのユーザインターフェースの表示形態や表示状態を制御する機能(表示制御機能)、周辺装置を制御する機能(周辺装置制御機能)とが必要となる。これらの3つの機能は制御プログラム及び管理プログラムの間で適宜分散させることができる。管理プログラムが監視機能と表示制御機能とを備え、制御プログラムが周辺装置制御機能を備えている。ただし、本実施例では、監視機能をイベント監視モジュール318に組み込み、表示制御機能と周辺装置制御機能とをキャプチャアプリケーション319に組み込むものとする。つまり、管理プログラムの2つの機能が、イベント監視モジュール318側とキャプチャアプリケーション319側とに分散して配置されている。勿論、3つの機能を3つの独立したプログラムモジュールとして実現してもよい。また、イベント監視モジュール318が監視機能と表示制御機能とを備え、キャプチャアプリケーション319が周辺装置制御機能を備えてもよい。
【0031】
また、ROM213やRAM214の両方または一方は、画像読み取り装置を使用するために情報処理装置で実行されるソフトウエアを記憶したソフトウエア記憶手段や制御ファイル等を記憶するデータ記憶手段の一例である。なお、ROM213やRAM214は、フラッシュメモリやEEPROMなどの不揮発性メモリによって実現されてもよい。特にROM213にソフトウエアを記憶し、バージョンアップを可能とする場合は、ROM213を不揮発性メモリにすることが望ましい。また、1つの不揮発性メモリによってROM213とRAM214が実現されてもよい。なお、RAM214には、画像読み取り部216によって取得された画像データを一時的に格納するためのバッファ領域が確保されてもよい。
【0032】
図3は、本発明の第1の実施例に係るコンピュータとスキャナ装置とのソフトウエアブロック図である。
【0033】
コンピュータ100のハードディスクドライブ202には、オペレーティングシステム301、ファイルシステム302、USBマスストレージドライバ303及びUSBインターフェースドライバ304がインストールされている。オペレーティングシステム301は、コンピュータ100の基本ソフトウエアである。ファイルシステム302は、ハードディスクドライブなどの記憶装置にファイルを格納するためのソフトウエアである。USBマスストレージドライバ303は、ハードディスクドライブ、CD−ROM、DVD−ROM、CD−R、DVD−R、USBメモリなどのマスストレージを制御するためのソフトウエアである。USBインターフェースドライバ304は、USBインターフェースに接続されたUSBデバイスを制御するためのソフトウエアである。これらのソフトウエアはOSの一部として提供される。
【0034】
スキャナ装置110には、スキャナドライバ310、キャプチャアプリケーション319、イベント監視モジュール318、オートランファイル317、制御ファイル315、USBディスクドライブインターフェース314及びUSBマスストレージクラスインターフェース313が備えられている。すなわち、スキャナ装置110の記憶領域には、USBマスストレージクラスインターフェース313のサブクラスとして、USBディスクドライブインターフェース314だけでなく、スキャナドライバ310、オートランファイル317、イベント監視モジュール318、及びキャプチャアプリケーション319が記憶されている。
【0035】
スキャナドライバ310は、コンピュータ100とスキャナ装置110との通信を行うためのソフトウエアであるが、例えば、スキャナドライバDLL(ドライバモジュール)としてもよい。また、このようなスキャナドライバ310は、イベント発生毎に、制御ファイル等のイベントキューに各種イベント情報を登録する。そして、スキャナドライバ310は、イベント監視モジュール318からスキャナ装置110のイベント情報を聞かれた場合、イベントキューからイベント情報を取り出し、イベント監視モジュール318に渡すよう機能する。なお、本実施例では、キャプチャアプリケーション319とスキャナドライバ310とを別々としたが、勿論、スキャナドライバの機能を備えたキャプチャアプリケーションとしてもよい。
【0036】
オートランファイル317は、キャプチャアプリケーション319をコンピュータ100で自動的に実行することを指示するための情報を含んでいる。オートランファイル317は、例えば、autorun.infである。オペレーティングシステム301がマイクロソフト(登録商標)ウインドウズであれば、USBディスクドライブインターフェース314にUSBメモリが挿入されると「autorun.inf」を実行するようになっている。オートランファイル317は、USBディスクドライブインターフェース314を介してアクセスされるため、自動的に起動されることになる。
【0037】
なお、本実施例では、オートランファイル317をコンピュータ100が読み出して実行することで、キャプチャアプリケーション319とイベント監視モジュール318がコンピュータ100のRAM204にロードされ起動される。すなわち、キャプチャアプリケーション319は、通信部を介して情報処理装置に転送されるプログラムであって情報処理装置で実行されるアプリケーションプログラムの一例である。なお、本実施例では、このようなキャプチャアプリケーション319やイベント監視モジュール318は、スキャナ装置110のROM213からコンピュータ100のRAM204に送るようにしてもよいが、スキャナ装置110のROM213から一旦、同装置のRAM214に移し、このスキャナ装置110のRAM214からコンピュータ100のRAM204へ送られるようにしてもよい。
【0038】
ここで、キャプチャアプリケーション319は、コンピュータ100で実行されて画像を読み取るための制御を行うソフトウエアである。キャプチャアプリケーション319は、コンピュータ100で実行されて、スキャナ装置110において画像を読み取るための制御を行うソフトウエアである。
【0039】
キャプチャアプリケーション319は、デバイスドライバを備えていないPCや、デバイスドライバやアプリケーションのインストールを制限されているPCにおいて有効である。なぜなら、キャプチャアプリケーション319は、PCにデバイスドライバや任意のキャプチャアプリケーションをインストールすることなく、スキャナドライバ310を介して、直接スキャナ装置110を制御できるソフトウエアだからである。
【0040】
そして、上述したキャプチャアプリケーションは、本実施例では、コンピュータ100で実行されると、コンピュータ100の画面にスキャナ装置110の制御画面を表示する。この制御画面は、ユーザ等により操作可能な画面であり、画面表示終了のための画面表示終了ボタン(例えば、「キャンセルボタン」、「×ボタン」等任意に設定可能)が含まれている。本実施例においては、キャプチャアプリケーションは、このような制御画面上の画面終了ボタンがユーザにより押下されたこと、これに加えて原稿検知センサ117が原稿のセットを検出したことをそれぞれ検知する機能を備えている。また、キャプチャアプリケーションは、画面終了ボタンがユーザにより押下されたことを検知すると、起動状態を完全終了の状態に移行せず、上述した管理プログラムの一部の機能を発揮し、スキャナ装置110の制御画面を非表示化するようコンピュータ100を機能させるようになっている。
【0041】
一方、イベント監視モジュール318は、通信部を介して情報処理装置に転送されるプログラムであって情報処理装置で実行され周辺装置の動作を監視するための監視プログラムの一例である。
【0042】
ここで、イベント監視モジュール318は、スキャナ装置110の操作ボタン115が押下されたか否か、原稿検知センサ117が原稿のセットを検知したか否かをそれぞれ定期的に監視するプログラムである。スキャナ装置110のファームウエアは、操作ボタン115が押下されているか否かを示す情報、原稿検知センサ117が原稿のセットを検知したか否かを示す情報を制御ファイル315に書き込む。この情報は、通常、操作ボタン115が押下されたとき、原稿検知センサ117が原稿セット検知したときにそれぞれ更新される。そして、イベント監視モジュール318は、制御ファイル315に含まれているこの情報を監視することで、操作ボタン115が押下されたか否か、原稿検知センサ117が原稿検出したか否かを判定する。
【0043】
なお、スキャナ装置110を制御するための制御ファイル315は、キャプチャアプリケーション319を実行しているコンピュータ100からの制御コマンドなどが書き込まれるファイルである。制御コマンドは、通信部を介して転送されてきたアプリケーションプログラムを情報処理装置が実行することで情報処理装置から書き込まれる制御コマンドに相当する。制御ファイル315に、画像読み取り部216が生成した画像データが書き込まれる。よって、画像データは、制御コマンドに応じて周辺装置により生成されたデータの一例である。なお、制御ファイル315は、目的別に異なるファイルとして用意されてもよい。
【0044】
USBディスクドライブインターフェース314は、スキャナ装置110に備えられているメモリ(フラッシュメモリ、EEPROMなど)をディスクドライブとして使用するためのソフトウエアである。USBマスストレージクラスインターフェース313は、USBディスクドライブインターフェース314を介してメモリをUSBマスストレージとして使用するためのソフトウエアである。
【0045】
スキャナ装置110は、オプションとして、USBスキャナクラスインターフェース312とスイッチ311とを備えていてもよい。スイッチ311は、スキャナ装置110の筐体設けられた切り替えスイッチと連動する。すなわち、切り替えスイッチがスキャナモード側に切り替えられていると、USBスキャナクラスインターフェース312をコンピュータ100と接続させる。すなわち、スキャナ装置110は、従来どおりのスキャナとしてコンピュータ100に認識される。スキャナモードで動作しているスキャナ装置110を使用するには、コンピュータ100はスキャナドライバを必要とする。
【0046】
一方、切り替えスイッチがドライブモード側に切り替えられていると、スイッチ311は、コンピュータ100をUSBマスストレージクラスインターフェース313と接続する。すなわち、スキャナ装置110は、外部記憶装置としてコンピュータ100によって認識され、キャプチャアプリケーション319と制御ファイル315を通じて画像読み取り装置として機能する。すなわち、本実施例では、スキャナ装置110のUSBマスストレージクラスインターフェース313がスキャナ装置110からコンピュータ100への情報(画像データを含む)伝達手段の少なくとも一部の機能を果たす。
【0047】
ところで、コンピュータ100上のオペレーティングシステム301は、USBインターフェース205に通信ケーブル101を介して何らかの周辺装置が接続された場合、周辺装置のインターフェースにアクセスしてインターフェースクラスの情報取得し、周辺装置の種類を確定する。
【0048】
図4は、コンピュータ100からキャプチャアプリケーション319を利用してスキャナ装置110で画像読み取りを行う処理のフローチャートである。
【0049】
コンピュータ100のCPU201は、USBインターフェース205に何からの周辺装置が接続されたか否かを判定する(S401)。周辺装置が接続されると、S402に進む。コンピュータ100のCPU201は、USBインターフェースドライバ304を通じて、接続された周辺装置のインターフェース(USBマスストレージクラスインターフェース313)に接続する(S402)。コンピュータ100のCPU201は、インターフェースクラスの情報をスキャナ装置110のUSBマスストレージクラスインターフェース313から取得する(S403)。CPU201は、この情報に基づいて、接続された周辺装置の種類を認識できる(S404)。ここでは、周辺装置がディスクドライブ(USBマスストレージデバイス)であることが判明する。CPU201は、オペレーティングシステム301及びCPU201は、接続されたスキャナ装置110をディスクドライブとしてファイルシステムに追加する(S405)。すなわち、オペレーティングシステム301は、スキャナ装置110内に保存してある制御ファイル315とオートランファイル317とキャプチャアプリケーション319に対応するテーブルを、ファイルシステム302に関連付けたファイルフォルダ内に形成する。これより、CPU201は、スキャナ装置110内に格納してある制御ファイル315を、ドライブレター(例:D)を割り当てたディスクドライブ上のファイルとして認識する。このように、周辺装置は、情報処理装置に外部記憶装置として認識されて使用される。
【0050】
図5は、ドライブレターを割り当てられたディスクドライブ(スキャナ装置110)をファイル管理ソフトで開いた様子を示す図である。スキャナ装置110が提供するメモリは、フォルダ500に対応している。フォルダ500は、コンピュータ100に接続されたキーボード/マウス230を使用して開くことができる。フォルダ500は読み書き可能なフォルダであり、制御ファイル315(ファイル名:Control.dat)と、キャプチャアプリケーション319(ファイル名:CaptureApplication.exe)と、オートランファイル317(ファイル名:Autorun.inf)とが格納されている。また、イベント監視モジュール318(ファイル名:EventMonitorModule.exe)も格納されている。
【0051】
なお、上述したイベント監視モジュール318は、exe形式の実行ファイルとして例示したが、勿論、本発明はこれに限定されず、例えば、dll形式のライブラリファイルとして、キャプチャアプリケーション319にロードされる構成であってもよい。
【0052】
次に、オペレーティングシステム301(CPU201)は、USBディスクドライブ内にデータUSBメモリが挿入されたと判定し、スキャナ装置110内にあるオートランファイル317をRAM204にロードして実行する(S406)。オートランファイル317には、キャプチャアプリケーション319とイベント監視モジュール318を起動するよう記載されている。よって、オペレーティングシステム301(CPU201)は、オートランファイル317にしたがってキャプチャアプリケーション319とイベント監視モジュール318を起動する(S407)。この際に、スキャナ装置110からコンピュータ100へキャプチャアプリケーション319とイベント監視モジュール318などの制御プログラムが送信されることになる。この送信処理は、コンピュータ100から見れば読み出し処理に相当する。すなわち、オペレーティングシステム301及びCPU201は、スキャナ装置110内にあるキャプチャアプリケーション319とイベント監視モジュール318をRAM204にロードして起動する。CPU201は、スキャナ装置110を外部記憶装置として認識されているため、キャプチャアプリケーション319およびイベント監視モジュール318を直接起動することができる。
【0053】
コンピュータ100には、ディスプレイ231が接続されており、各種ユーザインターフェースの表示ができる。
【0054】
図6は、キャプチャアプリケーション319が起動したときに表示されるスキャナ装置110の制御画面であるユーザインターフェース600の一例を示した図である。ユーザインターフェース600には、スキャン設定を行うためのプルダウンメニュー、ファイル名を入力するためのテキストボックス、スキャンボタン601、キャンセルボタン602、終了ボタン603などが配置されている。スキャンボタン601は、画像の読み取りを開始させるための指示を発行するためのボタンである。キャンセルボタン602は、キャプチャアプリケーション319をRAMに常駐させたままユーザインターフェース600を非表示状態に切り替えるための指示を発行するボタンである。終了ボタン603は、キャプチャアプリケーション319をRAMから開放して完全に終了させるための指示を発行するボタンである。
【0055】
図6に示すようなキャプチャアプリケーション319のユーザインターフェースが表示されると、ユーザは、キーボード/マウス230を操作して、スキャン設定を実行する。例えば、読み取りモード(本実施例では、白黒)、用紙サイズ(本実施例では、A4)、解像度(本実施例では、300dpi)、読み取り面(本実施例では、両面)がキーボード/マウス230を使用して選択される。さらに、読み取った画像を保存するための画像ファイルのファイル名(本実施例では、test1)もキーボード/マウス230を操作して入力される。最後に、スキャンボタン601がキーボード/マウス230を使用してクリックされる。
【0056】
スキャンボタン601がキーボード/マウス230によりクリックされると、キャプチャアプリケーション319(CPU201)は、スキャン設定を受け付け、スキャナ装置110内の制御ファイル315にスキャン設定を書き込む。さらに、CPU201は、スキャン開始コマンドデータも制御ファイル315に書き込むよう制御する(S408)。
【0057】
スキャナ装置110のCPU211は、制御ファイル315を監視している。そうして、CPU211は、スキャン設定およびスキャン開始コマンドデータが制御ファイル315に書かれたことを検出すると、制御ファイル315を読み込んで、そこに書かれているスキャン設定にしたがって画像読み取り部216を制御し、スキャンを開始する。スキャナ装置110はスキャンを開始すると、画像読み取り部216で読み取った画像を制御ファイル315に書き込む。制御コマンドに対応するステータスデータなども制御ファイル315に書き込まれる。この制御ファイルは、スキャン設定を可能としている制御ファイルと同一であってもよいし、異なってもよい。したがって、このような制御ファイル315は、スキャナ装置110からコンピュータ100への情報(画像データを含む)伝達手段の少なくとも一部の機能を果たす。
【0058】
なお、スキャナ装置110においては、原稿の給紙口113に原稿検知センサ117を設け、原稿検知センサ117により原稿がないと判断された場合には、上述したS408の動作を実行しないように設定してもよい。具体的には、スキャナ装置110とコンピュータ100とが接続している状態で、操作ボタン115を押下すると、キャプチャアプリケーション319が起動制御される。この際、原稿検知センサ117により原稿がない旨の判断がされている状態においては、スキャンを開始しないようにする。再び、操作ボタン115が押下されると、スキャン動作を開始し、その際、原稿がない状態であれば、キャプチャアプリケーション319を介して原稿なしのエラー表示を行わせるようにしてもよい。なお、スキャナ装置110において、原稿検知センサ117により原稿がないと判断された場合は、上述したS407の動作を実行しないようにしてもよい。具体的には、スキャナ装置110とコンピュータ100とが接続している状態で、キャプチャアプリケーション319が終了状態の場合に、操作ボタン115を押下しても、給紙トレイ112に原稿がセットされていなければキャプチャアプリケーション319を起動制御しないようにすることも可能である。給紙トレイ112に原稿がない状態でのスキャン装置110の動作(給紙動作)となり、実質的に余分な動作となり得るからである。
【0059】
コンピュータ100のCPU201(キャプチャアプリケーション319)は、画像データが制御ファイル315に書き込まれたか否かを監視する(S409)。画像データが制御ファイル315に書き込まれたことを検出すると、CPU201(キャプチャアプリケーション319)は、制御ファイル315から画像データを読み出す(S410)。
【0060】
キャプチャアプリケーション319は、読み出した画像データから、指定されたファイル名(本実施例では、test1)を付与した画像ファイルを生成してハードディスクドライブ202などに保存する(S411)。
【0061】
このように、本実施例によれば、デバイスドライバやソフトウエアをコンピュータにインストールすることなく、画像読み取り装置が利用可能となる。これは、画像読み取り装置を外部記憶装置として情報処理装置に認識させ、この外部記憶装置に画像ファイルを書き込み、情報処理装置がこの画像ファイルを読み出すことで実現される。情報処理装置を制御するオペレーティングシステム(OS)は、画像読み取り装置のデバイスドライバを有していないが、外部記憶装置のデバイスドライバであれば有しているからである。この点に着目し、本発明では、画像読み取り装置を外部記憶装置として情報処理装置に認識させた、画像の読み取り処理を実現できる。したがって、デバイスドライバやアプリケーションプログラムを情報処理装置にインストールする手間を省ける。また、管理者権限を有していないユーザであっても、画像の読み取りを実行できる。なお、デバイスドライバやアプリケーションプログラムを準備する必要はなく、これらを記憶したCD−ROMを持ち運ぶ必要はないし、紛失してしまってもよい。メーカーは、CD−ROMを製品パッケージに同梱する必要がなくなるため、製造コスト面で有利である。
【0062】
画像ファイルの保存が完了すると、コンピュータ100のCPU201(キャプチャアプリケーション319)は、表示状態にあるキャプチャアプリケーション319の非表示状態への移行が指示されたか否かを判定する(S412)。たとえば、キャンセルボタン602の押し下げを検出したときは、非表示状態への移行が指示されたと判定する。非表示状態への移行が指示されると、S413に進む。キャプチャアプリケーション319は、ユーザインターフェース600を非表示に切り替えるようCPU201を機能させる(S413)。すなわち、ここでのキャプチャアプリケーション319は、上述した管理プログラムの一部の機能を発揮するようになっている。このように、アプリケーションプログラムは周辺装置の使用が終了した後で非表示状態に切り換わる。キャプチャアプリケーション319はバックグラウンドで動作を継続し、再開または表示状態への移行の指示を待つことになる(図7、図8)。後述するように、非表示状態から表示状態に復帰すると、S414に進み、CPU201は、終了ボタン603が押し下げられたか否かを判定する。
【0063】
なお、キャプチャアプリケーション319の非表示状態への移行は一種のイベントである。よって、イベント監視モジュール318は、キャプチャアプリケーション319の非表示状態への移行したことを検出する。
【0064】
非表示状態には、いくつかの手法がある。例えば、タスクバーに表示される最小表示状態、タスクトレイにアイコンとして表示される状態、デスクトップ上には一切表示されない状態などがある。
【0065】
ここで、イベント監視モジュール318にキャプチャアプリケーション319の実行状態に関するイベントを知らせる方法としては、例えば、ユーザインターフェースからキャンセルボタンや終了ボタン等を押下された場合、または、コンピュータ100から「Alt+F4」や「Esc」等が押下されてキャプチャアプリケーション319の終了指示がなされた場合において、メモリから開放される前に、イベント監視モジュール318に対して、何らかのメッセージ(WM_APPLICATION_END等の独自メッセージ)を送信する等の方法が挙げられる。なお、上記以外の方法としては、コンピュータ100のオペレーションシステムを利用し、実行中のアプリケーションについて、イベント監視モジュールからキャプチャアプリケーション319の終了状態を確認するようにしてもよい。
【0066】
一方、非表示状態への移行が指示されていなければ、S414に進む。CPU201(キャプチャアプリケーション319)は、終了ボタン603が押し下げられたか否かを判定する(S414)。終了ボタン603が押し下げられていなければ、S408に戻り、CPU201は、キャプチャアプリケーション319の表示状態を継続する。一方、終了ボタン603が押し下げられたことを検出すると、S415に進む。CPU201は、RAM204からキャプチャアプリケーション319を消去し、RAM204を開放する(S415)。
【0067】
図7は、イベント監視モジュール318の動作を説明するための図である。CPU201は、イベント監視モジュール318にしたがって、所定周期(例:500ミリ秒)ごと(S701)、スキャナ装置110の操作ボタン115の状態を確認する(S702)。スキャナ装置110のCPU211は、操作ボタン115の押し下げを監視している。CPU211は、押し下げを検出すると、制御ファイル315に操作ボタン115の押し下げられたことを意味する指示情報を書き込む。ここでは、操作ボタン115の押し下げは、キャプチャアプリケーション319の再開または表示状態への移行を意味する操作である。このように、スキャナ装置110のCPU211は、指示部により指示が発行されると指示情報をデータ記憶部に書き込む書込部の一例である。
【0068】
コンピュータ100のCPU201は、イベント監視モジュール318にしたがって、制御ファイル315から指示情報を読み出し、指示情報に基づいて操作ボタンが押し下げられたか否かを判定する(S703)。このように、CPU201は、データ記憶部に指示情報が書き込まれたか否かを判定する判定手段の一例である。操作ボタン115が押下されたことを検出すると、CPU211は、キャプチャアプリケーション319に対して、操作ボタン115が押下されたことを意味するWM_BUTTON_PUSHメッセージを送信する(S704)。WM_BUTTON_PUSHメッセージは、実質的に、キャプチャアプリケーション319の再開または表示状態への移行を指示するために発行される情報である。このように、CPU201は、指示情報が書き込まれるとアプリケーションプログラムを非表示状態から表示状態へ切り替える表示切替手段の一例である。
【0069】
図8は、イベント監視モジュール318の動作を説明するための図である。CPU201は、イベント監視モジュール318にしたがって、所定周期(例:500ミリ秒)ごと(S801)、スキャナ装置110の原稿検知センサ117での検知状態を確認する(S802)。スキャナ装置110のCPU211は、原稿検知センサ117の原稿セット検知を監視している。CPU211は、原稿セットを検出すると、制御ファイル315に原稿がセットされた旨を意味する情報を書き込む。ここでは、給紙トレイ112への原稿のセットは、コンピュータ100におけるキャプチャアプリケーション319の再開または表示状態へ、あるいはキャプチャアプリケーション319の再起動への移行を意味する操作である。このように、スキャナ装置110のCPU211は、原稿がスキャナ装置110でセットされたことをデータ記憶部(記憶部)に書き込む書込部の一例である。
【0070】
コンピュータ100のCPU201は、イベント監視モジュール318にしたがって、制御ファイル315から指示情報を読み出し、指示情報に基づいて原稿がセットされたか否かを判定する(S803)。このように、CPU201は、データ記憶部に指示情報が書き込まれたか否かを判定する判定手段の一例である。原稿がセットされたことを検出すると、CPU211は、キャプチャアプリケーション319に対して、原稿がセットされたことを示すメッセージを送信する(S804)。この原稿セットのメッセージは、実質的に、キャプチャアプリケーション319の再開(起動等)または表示状態への移行を指示するために発行される情報である。このように、CPU201は、指示情報が書き込まれるとアプリケーションプログラムを非表示状態から表示状態へ切り替える表示切替手段の一例である。なお、本実施例では、スキャナ装置110のCPU211によって原稿がセットされたことを制御ファイル315に書き込み、イベント監視モジュール318が制御ファイル315の情報を監視し、原稿がセットされた場合には、その情報をコンピュータ100に伝達する例について説明した。すなわち、本実施例では、制御ファイル315をコンピュータ100への情報伝達手段に用いた。本発明は勿論これに限定されず、スキャナ装置110が原稿セットを検知したら、その情報を制御情報(スキャナ装置110側からコンピュータ100に対する制御情報)としてコンピュータ100に送信して直接伝達してもよいし、コンピュータ100側からスキャナ装置110に定期的に原稿がセットされたかどうかの問い合わせコマンドを送り、当該コマンドに対してスキャナ装置110が回答コマンドを制御情報としてコンピュータ100に伝達する対話方式を採用してもよい。
【0071】
図9は、非表示状態で待機しているキャプチャアプリケーションの動作を示したフローチャートである。このフローチャートは、S413をサブルーチンとして示したものである。
【0072】
CPU201は、キャプチャアプリケーション319にしたがって、WM_BUTTON_PUSHメッセージ、又は原稿セットのメッセージを受信したか否かを判定する(S901)。イベント監視モジュール318がWM_BUTTON_PUSHメッセージ又は原稿セットのメッセージを送信してくると、S902に進む。CPU201は、キャプチャアプリケーション319にしたがってユーザインターフェース600を非表示状態から表示状態に切り替える(S902)。これにより、操作者(ユーザ)の利便性を格段に向上することができる。例えば、操作者は、キャプチャアプリケーション319を再度利用して画像の読み取りを実行できるようになる。
【0073】
図10は、原稿検知センサ1117の原稿検知に伴うイベント監視モジュール318の動作を示したフローチャートである。すでに説明した箇所には同一の参照符号を付与することで、説明を簡潔にする。上述した図8のS801ないしS803を実行した後、S901に進む。なお、図7のS701ないしS703を実行した後で、S901に進めた場合も同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0074】
CPU201は、イベント監視モジュール318にしたがって、キャプチャアプリケーション319が起動中か否かを確認する(S901)。起動中か否かの確認は、アプリケーションプログラムが終了した状態かどうかを判別する処理に相当する。よって、CPU201は、アプリケーションプログラムが終了した状態かどうかを判別する判別手段として機能している。キャプチャアプリケーション319がRAM204にロードされていれば、S701に戻る。なお、キャプチャアプリケーション319が非表示状態にあれば、CPU201は、S804を実行してからS801に戻る。
【0075】
キャプチャアプリケーション319がRAM204にロードされていなければ、S902に進む。CPU201は、イベント監視モジュール318にしたがって、スキャナ装置110との接続を解除する(S902)。例えば、CPU201は、USBインターフェース205を制御して、USBバスのD+信号とD−信号を共に0にする。これにより、コンピュータ100からスキャナ装置110を切り離す。なお、USBケーブルの挿抜は不要である。さらに、CPU201は、USBインターフェース205をUSBバスリセットステートに移行させることで、スキャナ装置110が接続状態に移行する(S903)。これにより、図4に示したS401ないしS407が実行され、キャプチャアプリケーション319が起動する。このように、CPU201は、アプリケーションプログラムが終了した状態にあれば、通信部と情報処理装置との接続を一旦切断してから再接続する再接続制御手段として機能する。
【0076】
本実施例においては、操作ボタン115が押下されたときに、周辺装置と情報処理装置との接続(切断及び再接続)をシミュレーションすることによって、スキャナ装置110からキャプチャアプリケーション319等をコンピュータ100に再度ロードし、コンピュータ100によりキャプチャアプリケーション319を再起動することができる。これにより、ユーザの利便性を格段に向上することができる。
【0077】
なお、セキュリティの観点からスキャン機能を実行させたくない場合であれば、コンピュータ100のオートラン機能をオフに設定することによって、スキャン機能の実行を制限することもできる。一般に、マイクロソフトウインドウズ(登録商標)よれば、レジストリの設定を書き替えることによって、容易にオートラン機能の設定を変更することが可能である。
【0078】
以上の第1の実施例では、イベント監視モジュール318が制御ファイル315を通じて操作ボタン115や原稿検知センサ117のイベント監視を行うものとして説明した。しかし、イベント監視モジュール318はキャプチャアプリケーション319に内蔵されていてもよい。この場合、キャプチャアプリケーション319が制御ファイル315を通じて操作ボタン115や原稿検知センサ117の監視を行う。いずれにしても、本発明においては、各アプリケーション等のソフトウエア、周辺装置側のCPU、情報処理装置側のCPU等を適宜連携させて、上述した制御プログラム及び管理プログラムの機能を発揮するようにすればよく、上述した本実施例に限定されるものではない。
【0079】
また、第1の実施例においては、キャプチャアプリケーション319からスキャンを開始する例を説明した。しかし、スキャナ装置110に設けられた操作ボタン115が押下されたことをCPU211が検知すると、スキャナ装置110がスキャンを開始してもよい。キャプチャアプリケーション319は、操作ボタン115が押下されたことを、制御ファイル315を介して監視する。この場合は、CPU211が操作ボタン115を押下されたことを制御ファイル315に書き込むことになる。
【0080】
なお、キャプチャアプリケーション319(CPU201)が、制御ファイル315に画像データが格納されたことを検知してスキャンが開始されたと判断してもよい。
【0081】
<第2の実施例>
上述した第1の実施例では、原稿(シート)を給紙口113から排出口116に向けて搬送しながら原稿の画像を読み取ることが可能なスキャナ装置110を例示して説明したが、本実施例では、さらに、原稿の排出口からカード等の媒体を挿入して画像を読み取ることが可能な画像読取装置に本発明を適用した場合について、以下に図示して説明する。
【0082】
図11(A)は本発明の第2の実施例に係る画像読取装置Aの外観図、図11(B)は図1(A)の線I−Iに沿う画像読取装置Aの概略断面図、図12は画像読取装置Aの平面図、図13(A)は図11(A)の線II−IIに沿う画像読取装置Aの概略断面図である。
【0083】
画像読取装置Aは、第1媒体M1及び第2媒体M2を搬送しながらその画像を読み取る機構を備えた搬送・読取部10と、その両側に配置された収容部20、21と、を備える。収容部20には媒体M1及び媒体M2を搬送する搬送機構15の駆動源155が配置される。駆動部155は例えばモータと、モータの出力を後述するローラの駆動軸等に伝達する伝達機構と、を備える。収容部21には例えば制御回路等が収容される。
【0084】
媒体M1は本実施例の場合、シート状の媒体であり、例えば紙類である。媒体M2は本実施例の場合、媒体M1よりも幅狭で厚さが厚い媒体であり、例えばプラスチック製のカード類である。
【0085】
搬送・読取部10の一方端部には、給紙トレイ11が開閉可能に設けられている。この給紙トレイ11を開状態とした状態においては、画像読取装置Aの上部端側に媒体M1を導入するための導入部(導入口又は給紙口)11aが開放される。一方、搬送・読取部10の他方端部には媒体M1が排出される排出口12が形成されている。この排出口12の一部は、例えば、本実施例では、媒体M2が手差し等で導入される導入口(挿入口)と、読取部によって画像を読み取った後の媒体M2の排出口とを兼ねている。また、この排出口12は、媒体M1を排出するための排出口12aと、排出口12aよりも上下の高さが拡大され、媒体M2を導入、排出するための排出口12bと、を備える。
【0086】
排出口12bが排出口12aよりも上下の高さが拡大されていることで、ユーザが視覚的に媒体M2の導入位置が分かり易いという利点がある。また、排出口12bには、その上下、左右の縁部に開口面積が徐々に縮小するテーパ12b'を形成しており、媒体M2を排出口12bから挿入し易くしている。
【0087】
導入部11には、媒体M1を搬送・読取部10内に導入するための導入部11aが設けられていると共に、本実施例の場合、自動給紙装置(ADF)が配設されている。ADFは、複数枚の媒体M1が積載される給紙トレイ11と、フィードローラ122と、分離パッド13と、を備える。
【0088】
給紙トレイ11は、回転ヒンジ部111aを有し、搬送・読取部10の上面に折り畳み可能に構成されており、使用時は各図に示す開状態で使用される。フィードローラ14は駆動部155により回転駆動され、給紙トレイ11に積載された媒体M1のうち最下層に位置する媒体M1を給送するものである。
【0089】
分離パッド13は、フィードローラ14の外周面と接するように設けられており、フィードローラ14の回転に伴って給送される媒体M1を、この分離パッド13とフィードローラ14の外周面との間に取り込むことで、1枚ずつ自動で分離して給送することができる。
【0090】
分離パッド13とフィードローラ14とは、搬送・読取部10の左右の幅方向の中央部にのみ設けられており、図3(A)に示すように排出口12bの背後の領域においては設けられていない。これは媒体M2の読取時に媒体M2と、分離パッド13及びフィードローラ14とが干渉することを回避するためである。
【0091】
媒体M1、M2が搬送される搬送経路(搬送空間)RTは、その天壁を形成する壁部156と、その底壁を形成する157と、から形成される。壁部156、157は搬送・読取部10の略全域に渡って配設されている。
【0092】
主に図11(B)を参照して、搬送部15は、媒体M1の搬送機構として、搬送・読取部10の左右の幅方向に延在する駆動軸152a、154a、従動軸151a、153aを備える。媒体M1の搬送機構は、駆動軸152aに設けられた駆動ローラ152及び従動軸151aに設けられた従動ローラ151を備える搬送ローラ対と、駆動軸154aに設けられた駆動ローラ154及び従動軸153aに設けられた従動ローラ153を備える搬送ローラ対と、を備える。
【0093】
これら各ローラは、搬送・読取部10の左右の幅方向に1又は複数設けられ、壁部156又は157に形成された開口部を通って搬送経路RT内に進入している。ADFにより導入部11から導入された媒体M1は、これらの搬送ローラ対によって、図11(B)において矢印で示す方向に搬送されて搬送経路RT内を排出口12(12a)へ搬送されて排出される。
【0094】
導入部11から排出口12に至る搬送経路RTの途中には画像読取ユニット130、140が配設されている。画像読取ユニット130、140は、搬送経路RT内を搬送される媒体M1、M2からその画像を読み取るユニットであり、搬送・読取部10の左右の幅方向略全域に渡って延在している。画像読取ユニット130、140は、例えば、光学的に走査し、電気信号に変換して画像データとして読み取るものであり、内部にLED等の光源、イメージセンサ、レンズアレー等を備えている。
【0095】
画像読取ユニット130は搬送される媒体M1、M2の上面を、画像読取ユニット140は搬送される媒体M1、M2の下面を、それぞれ読み取るように画像読取ユニット13は搬送経路RTの天部側に、画像読取ユニット140は搬送経路RTの底部側にそれぞれ配置されている。本実施例では、このように媒体M1、M2の両面を読み取る構成としているが、画像読取ユニット130、140のいずれか一方を配して片面を読み取る構成としてもよい。なお、画像読取ユニット130、140での媒体M1の画像読取のタイミングは、画像読取ユニット130、140の上流側に配置されたセンサ30aで検出される。センサ30aは例えば光センサである。
【0096】
ここで、上述した媒体M1の導入部11から排出口12への搬送にあっては、フィードローラ14と搬送ローラ対(駆動ローラ152及び従動ローラ151)の間の屈曲部RTwで媒体M1を湾曲させて搬送させていることから、カード状の媒体(特に厚手の媒体、高剛性の媒体等)は搬送が困難となる。そこで、媒体M2については排出口12bから導入して画像読取ユニット130、140へ搬送して画像を読み取りび排出口12bから排出するようにしている。このように媒体M1の搬送経路RTを屈曲させることにより、画像読取装置Aにおける装置の高さ寸法、奥行き寸法等を小さくでき、装置全体の小型化を図ることができる。主に図13(A)を参照して、搬送部15の媒体M2の搬送機構について説明する。
【0097】
搬送部15は、媒体M2の搬送機構として、駆動軸152aに設けられた駆動ローラ152'及び従動軸151aに設けられた従動ローラ151'を備える搬送ローラ対と、駆動軸154aに設けられた駆動ローラ154'及び従動軸153aに設けられた従動ローラ153'を備える搬送ローラ対と、を備える。
【0098】
詳細には、搬送手段である駆動部155は、導入部11から排出口12に向けて媒体搬送を行う第1搬送モード(通常搬送モード)と、排出口12bから画像読取ユニット130、140に向けて媒体搬送を行う第2搬送モード(逆搬送モード)とを有し、両モードを切り替え制御可能となっている。
【0099】
例えば、本実施例では、排出口12bへの媒体M2の導入に伴って逆搬送モードで媒体M2を搬送し、画像読取ユニット130、140に対向する領域を媒体M2が通過した後に通常搬送モードに切り替え可能となっている(以下、媒体M2の「スイッチバック搬送」ともいう)。なお、媒体M2のスイッチバック搬送においては、搬送方向を転換する際に連続的に搬送してもよいし、媒体M2を一時的に停止するようにしてもよい。
【0100】
ところで、本実施例では、画像読取ユニット130、140よりも導入部11側、具体的には、画像読取ユニット130、140と搬送ローラ対(駆動ローラ152及び従動ローラ151)との間には、媒体M2の到達及び通過を検知するためのセンサ31が設けられている。
【0101】
センサ31は、媒体M2の搬送時において、画像読取ユニット130又は140で読み取った媒体M2を排出口12bから排出するために逆搬送するタイミング(スイッチバック搬送のタイミング)を取るために用いる。なお、媒体M2の画像読取においては、往路又は復路の何れかで両面を読み取ってもよいし、往路と復路とで片面ずつ分けて読み取ってもよい。
【0102】
また、本実施例の場合、各ローラ151'乃至154'は、各ローラ151乃至154よりも小径のものを使用している。これは、媒体M1よりも媒体M2の方が厚さが厚いことを考慮したものである。もっとも、いずれのローラについて同径のものを使用することも可能である。
【0103】
なお、各ローラ151'乃至154'の少なくとも表面層が、各ローラ151乃至154よりも柔らかい素材(低硬度のゴム、エラストマーやスポンジ等のクッション性素材)によって形成されていることが好ましい。これは、媒体M2の種類等に起因した厚み変動を適度に吸収しながら、適切な搬送力を確保するためである。
【0104】
また、媒体M2としてクレジットカードを例に挙げると、文字領域におけるエンボス部分がある場合、そのエンボス部分を各ローラ151'乃至154'の弾性変形によって吸収し、搬送時にエンボス部分が局所的に抵抗領域となって媒体M2が斜行することを有効に防ぐことができる。このような場合、各ローラ151'乃至154'は、各ローラ151乃至154と同径のものを使用してもよい。
【0105】
本実施例では、媒体M1の搬送機構と、媒体M2の搬送機構とで駆動軸152a、154a、従動軸151a、153aを共用し、これにより駆動部155も共用している。しかし、媒体M1の搬送部と媒体M2の搬送部とをそれぞれ独立して構成してもよい。
【0106】
ユーザが手差しで媒体M2を導入する際、その向きが適切でないと媒体M2の搬送に際して斜行を生じるおそれがある。斜行を防止するために以下の構成を備える。
【0107】
本実施例では、排出口12bの背後の領域において、図13(A)に示すように壁部156、157がそれぞれ凹部156a、157aを備える。凹部156a、157aは、媒体M2の左右幅に対応した左右幅(例えば媒体M2の左右幅よりも僅かに幅広)を有して、奥行き方向(媒体M2の搬送方向)に延設されている。
【0108】
凹部156aは上方にへこみ、凹部157aは下方にへこんでいる。へこみの深さは媒体M2の厚さにしたがって設定される。図13(B)は媒体M2の厚さtと、搬送経路RTのうち、凹部156a、157aが形成された部分の上下方向の高さK1と、搬送経路RTのうち、凹部156a、157aを除く部分の上下方向の高さK2との関係を示す。なお、排出口12aの高さもK2である。
【0109】
そして、これらの関係は、K2<t<K1という関係を有している。このような関係を有していることで、媒体M2をユーザが排出口12に差し込む際、排出口12b以外の部分に差し込むことが困難となり、適切な位置に差し込むことを促すことができる。
【0110】
そして、凹部156a、157aの内側側面は、図13(C)に示すように媒体M2の幅方向の側面部に対向するように媒体M2の搬送方向に沿って配置され、排出口12bから搬送経路RTへ導入される媒体M2を案内する規制壁部SWを形成することになる。この規制壁部SWの存在により媒体M2の斜行を防止することができる。この規制壁部SWは、媒体M1との関係においては、媒体M1が通過する位置よりも上又は下に存するので、媒体M1の搬送時にその支障になることもない。本実施例の場合、凹部156a、157aの端部は排出口12まで延設されており、排出口12bを構成している。
【0111】
なお、本実施例では、壁部156、157のそれぞれに凹部156a、157aを形成したが、いずれか一方に凹部を形成し、規制壁部SWも上側又は下側の一方のみとしてもよい。
【0112】
次に、図14を参照して媒体M2の画像読取時の画像読取装置Aの動作について説明する。本実施例では搬送・読取部10の背部に、開口部16が形成されており、媒体M2の画像読取時に媒体M2を直線的に搬送し、開口部16から媒体M2を一時的に突出させる。これは画像読取装置Aのコンパクト化に寄与する。
【0113】
具体的には、図12に示すように、例えば、本実施例では、画像読取装置Aの奥行き方向の長さ寸法Dは、媒体M2の長手方向の長さ寸法D'と略同等としている。また、媒体M2の搬送経路RTは、排出口12bから媒体M2の搬送経路の一部を通って屈曲部RTwに開口するスリット(媒体M2専用の搬送経路であって、本実施例ではスイッチバックのための退避エリア)に連通して形成された直進経路からなる。このスリットは、例えば、本実施例では、画像読取装置Aの背部(背面)に開口部16として開放されている。
【0114】
このため、排出口12bから媒体M2を導入後に、媒体M2の先端が画像読取装置Aの後端部に到達する状態では、画像読取装置A内部に媒体M2の全体が一時的に収容される。その後、媒体M2の後端部がセンサ31を通過した時点で、媒体M2がスリット内に突入すると共に駆動部155がスイッチバック搬送に切り替えられる。
【0115】
このとき、媒体M2の先端部側は、一時的に開口部16から突出することになる。このときも、媒体M2は、その後部側が規制壁部SWに案内されるので、幅方向の移動が実質的に規制される。これにより、媒体M2のスイッチバック搬送時においても媒体M2の斜行を有効に防止することができる。
【0116】
このように、本実施例においては、媒体M2の斜行防止のための規制壁部として、媒体M2の搬送経路RTにおける少なくとも画像読取ユニット130、140の排出口12b側及びその反対側(開口部16側)に対応する部分にそれぞれ各壁部(媒体M2の搬送ガイド)が設けられている。これにより、本実施例の画像読取装置Aは、媒体M1の搬送を可能としながらも一部の搬送経路を兼用して媒体M2のスイッチバック搬送を実現しつつ、媒体M2の斜行を有効に防止することができて、画像読取の品質を向上することができる。
【0117】
図14において、ST1はユーザにより媒体M2が排出口12bに導入された状態を示す。規制壁部SWの案内を利用してユーザは媒体M2を簡易に正しい姿勢で排出口12bに導入することができる。媒体M2の導入は、センサ30で検出される。センサ30は例えば反射型の光センサである。センサ30で媒体M2の導入(実際には媒体M2の先端部側の到達)が検出されると、駆動ローラ154'、152'を回転駆動して媒体M2が矢印方向に搬送され、排出口12bに導入された媒体M2が画像読取ユニット130、140へ搬送される。搬送の際、規制壁部SWの存在により媒体M2の面方向の移動が規制されて媒体M2の斜行が有効に防止される。
【0118】
媒体M2が画像読取ユニット130、140を通過する際、画像読取ユニット130、140によりその表裏面の画像が読み取られる。ST2は読み取りが完了した状態を示す。媒体M2はその一部が開口部16から突出している。
【0119】
読み取りが完了すると、駆動ローラ154'、152'を逆方向に回転駆動して媒体M2が逆方向に搬送される。読み取りの完了の判断には例えば画像読取ユニット130、140の読み取り結果を利用することができる。ST3は媒体M2を逆方向に搬送している状態を示す。なお、画像の読み取りはこの逆方向の搬送途中で行ってもよい。
【0120】
ST4は媒体M2を排出口12bから排出途中の状態を示す。媒体M2が排出口12bから排出されると一単位の処理が終了する。
【0121】
こうして本実施例では、規制壁部SWにより媒体M2の斜行を防止することができ、しかも、規制壁部SWが媒体M1の搬送時において媒体M1と干渉しないようにすることができる。
【0122】
ここで、本実施例においては、媒体M2の導入は、上述したようにセンサ30で検出される。センサ30で媒体M2の導入(実際には媒体M2の先端部側の到達)が検出されると、上述した第1の実施例での原稿検知センサによる原稿セット検知の場合と同様に、キャプチャアプリケーションを起動等してコンピュータのディスプレイに画像読取装置Aの制御画面を表示制御する。これにより、上述した第1の実施例と同様に、ユーザの利便性を格段に向上することができる。なお、キャプチャアプリケーションの起動制御等は、上述した第1の実施例と同様であるので、ここでの説明は省略する。そして、ユーザは、画像読取装置に接続状態の不図示のコンピュータから画像読取装置Aの制御画面を操作し、スキャン実行指示を出すと、画像読取装置Aの駆動ローラ154'、153'が回転駆動して媒体M2が画像読取ユニット130、140へ搬送され、所定の画像読取が行われる。
【0123】
なお、媒体M2の導入検知は、本実施例では、センサ30によって行うようにしたが、このようなセンサ30を設けず、例えば、媒体M2の挿入に伴う駆動ローラ154'、153'の回転によって媒体M2の挿入検知を行うようにしてもよい。駆動ローラ154'、153'の回転は、例えば、駆動ローラ軸又は従動側のローラ軸や、駆動部155内の図示しない駆動モータ等の回転軸にスリット板を装着してそのスリット板の回転をフォトインタラプタで検出できる。これにより、スキャン指示を受けていない状態で、スリット板の回転を検知した場合には、媒体M2が挿入されたことを確実に検出できる。
【0124】
ここで、上述した本実施例では、主として媒体M2の挿入検知に本発明を適用した場合について説明したが、勿論これに限定されず、媒体M1のセット検知に適用してもよい。例えば、媒体M1のセット検知は、図示しないが、画像読取装置Aの上部端側に媒体M1を導入するための導入部11aの中央部に設けられる原稿検知センサによって実行することができる。即ち、本実施例に上述した第1の実施例を適用することで、媒体M1及びM2の両方の挿入検知が可能となり、いずれの場合でも、キャプチャアプリケーションの起動制御が可能となるため、ユーザの利便性を格段に向上することができる。なお、媒体M1のセット検知については、上述した第1の実施例と同様であるため、本実施例での詳細な説明は省略する。
【0125】
<第3の実施例>
上述した第1及び第2の実施例では、原稿を搬送しながら原稿の画像を読み取る画像読取装置に本発明を適用した例について説明したが、本実施例では、原稿を載置して静止した状態で原稿の画像を読み取る画像読取装置に本発明を適用した例について説明する。
【0126】
図15には、本実施例の画像読取装置の斜視図を示す。具体的には、図15に示すように、本実施例の画像読取装置Bは、原稿を載置する透明の原稿載置部301と、原稿の画像を読取る際に、原稿を原稿載置部301へ押圧する押圧板302とを有する。また、押圧板302は、原稿の画像を読取る際に、外光を遮蔽する蓋部材としても使用される。
【0127】
ここで、図16は、画像読取装置Bがインターフェースを介して、コンピュータ400と通信ケーブル401で接続されていることを示した図である。インターフェースとしては、第1の実施例でも説明したように、USB、IEEE1394等のシリアルインターフェースや、パラレルインターフェースを用いることができる。
【0128】
また、図17には、画像読取装置Bの内部構成を示す。図17に示すように、画像読取装置Bは、原稿載置部301の下部に画像読取部303が配置されており、画像読取部303は、原稿載置部301の下部を矢印で示した方向に走査する構成となっている。図18には、画像読取部303の内部構成を示す。図18に示すように、発光部である光源3031は、原稿載置部301に向けて光を照射する。原稿載置部301に向けて照射された光は、原稿載置部301上に載置された原稿もしくは、押圧板302で乱反射する。乱反射した光の中でミラー3032に照射された光は、ミラー3032により、受光部3033へ導かれる。
【0129】
ここで、図19は、イベント管理モジュールのシーケンスを示した図である。
【0130】
まず、コンピュータ400のメモリ(RAM)へロードされて起動しているイベント管理モジュールは、所定時間待機する(ステップS1901)。上述した第1及び第2の実施例でも説明したが、高頻度で監視を行うと他の処理の処理速度に影響があるため、例えば、本実施例では500msec程度の待機とした。
【0131】
次に、イベント管理モジュールは、所定時間待機した後、ステップS1902において、ユーザ(操作者)によって原稿が原稿載置部302に載置されたか否かの状態の問い合わせを行う。ステップS1903において、イベント管理モジュールは、原稿が載置されたことを検出していないのであれば、ステップS1901に戻り、監視を継続する。一方、イベント管理モジュールは、画像読取装置Bの原稿載置部302に原稿が載置されたことを検出したのであれば、ステップS1904において、予め登録されているキャプチャアプリケーションが起動中か否かを確認する。
【0132】
上記ステップS1904において、キャプチャアプリケーションが起動中でないことを検出したイベント監視モジュールは、ステップS1905において、一旦、コンピュータ400と画像読取装置Bとの接続を解除する。そして、ステップS1906において、イベント監視モジュールは、キャプチャアプリケーションを起動させる。そして、ユーザ(操作者)が、コンピュータ400で起動したキャプチャアプリケーションのユーザインターフェースを操作することにより、画像読取の指示を受けたキャプチャアプリケーションは、通信ケーブル401を介して画像読取装置Bに対して所定の画像読取指示を行い、画像読取装置Bは所定の画像読取指示に基づいて原稿の画像を読み取る。このように、本実施例においても、画像読取装置に原稿がセットされたか否かを検知して、キャプチャアプリケーションを起動するようにしたので、ユーザの利便性を格段に向上することができる。
【0133】
ここで、画像読取装置Bが、原稿が載置された事を検出する検出方法の例を説明する。図20は、画像読取装置Bが、原稿が載置された事を検出する検出方法のシーケンスを示した図である。監視を開始した画像読取装置Bは、ステップ2001で、画像読取部303が所定位置に配置されているか否かを確認する。画像読取部303が所定位置に位置していることを検出した画像読取装置Bは、ステップS2002において、画像読取を行う。一方、ステップS2001において、画像読取部303が所定位置に位置していない事を、画像読取装置B(CPU等)が検出した場合は、ステップS2003で画像読取部303を所定位置まで移動させる。
【0134】
ここで、図21は、画像読取装置Bが、画像読取部303を所定位置に移動させたときを示した図である。本実施例のようなフラットベッド式の画像読取装置Bの場合、図22に示すように、原稿を載置する基準304が明示されているので、画像読取部303は、基準304の近傍に存在していることが望ましい。
【0135】
次に、ステップS2002において、画像読取部303が所定位置まで位置していることを検出した画像読取装置Bが、所定位置で読み取った画像情報から原稿を検出する検出方法について述べる。
【0136】
図23は、画像読取部303が所定位置に位置して画像読取を行っているところの画像読取装置Bの断面を示した図である。画像読取装置Bは、矢印で示しているように発光部である光源3031から光を透明な原稿載置部301に向けて照射しながら画像の読取を行う。このとき、原稿載置部301に原稿が載置されていないときは、光源3031から照射された光は、反射することがない。このため、受光部3033によって受光されることがない。このとき読み取られた画像情報は、図24のように受光レベルに変化がない。
【0137】
図25は、透明な原稿載置部301に原稿Sが載置された状態で画像読取を行っているところの画像読取装置Bの断面を示した図である。画像読取装置Bは、図23と同じように光源3031から光を透明な原稿載置部301に向けて照射しながら画像の読取を行う。このとき、原稿載置部301に原稿Sが載置されているため、光源3031から照射された光は、原稿Sで反射する。反射された光は、受光部3033に到達するので、読取られた画像情報は、図26のように原稿Sがある領域のみ受光レベルが上昇する。
【0138】
ステップS2004において、画像読取装置Bは、図24、及び図26の差分により、原稿載置部301に原稿Sが載置されたことを検出することが可能となる。
【0139】
ここで、画像読取装置Bが、原稿載置部301に原稿Sが載置されたことを検出する別の方法も説明する。
【0140】
画像読取装置Bの外部から光(以下、外光と呼ぶ)が照射されている場合、画像読取装置Bは、光源3031を消灯した状態で画像の読取を行う。このとき、原稿載置部3031に原稿が載置されていないときは、外光を受光部3033が受光した状態で画像読取装置Bは、画像読取を行うので、得られる画像情報は、図27のようになる。一方、原稿載置部3031に原稿Sが載置されているときは、外光を原稿Sが遮蔽する為、受光部3033は、外光を受光しない状態で画像読取を行うので、図28のように、原稿Sが載置されている領域のみ受光レベルが低くなった画像情報が得られる。以上により、画像読取装置Bは、図27及び図28の差分により、原稿載置部301に原稿Sが載置されたことを検出することが可能となる。
【0141】
上記の方法により、画像読取装置Bは、原稿載置部3031に原稿Sが載置されたことを検出した場合、ステップS2004において、イベント監視モジュールが、画像読取装置Bに対して問い合わせをしたときに、イベント監視モジュールに対して原稿検出を通知する。
【0142】
一方、原稿Sが原稿載置部3031に載置されていない場合は、ステップS2006において、イベント監視モジュールからの問合せに対して、画像読取装置Bは、原稿Sを検出していない旨をイベント監視モジュールに対して通知する。
【0143】
<他の実施例>
上述した第1及び第2の実施例では、分離パッドによるシート分離機構を挙げて説明したが、図29(a)に示すような、分離ローラ501と送りローラ502とでシート分離する機構を採用してもよい。この場合においては、原稿検知センサとして光学センサを用いてもよいが、図29(b)に示すように、カード挿入時に分離ローラ501の軸がフォトインタラプタ503を遮るようにして原稿検知センサとしてもよいし、図29(c)に示すように、分離ローラ501の回転軸にスリット板504を装着し、このスリット板504の回転を検知する透過型フォトカプラ505を設けて、シート挿入によって分離ローラ501が回転したことで、シート挿入の有無を検知するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0144】
100 パーソナルコンピュータ
101 USB通信ケーブル
110 スキャナ装置
201 コンピュータ100内のCPU
202 コンピュータ100内のハードディスクドライブ
203 コンピュータ100内のROM
204 コンピュータ100内のRAM
205 コンピュータ100内のUSBインターフェース
211 スキャナ装置110内のCPU
212 スキャナ装置110内のUSBコントローラ
213 スキャナ装置110内のROM
214 スキャナ装置110内のRAM
215 スキャナ装置110内のUSBインターフェース
216 スキャナ装置110内の画像読み取り部
222 コンピュータ100にインストールされたキャプチャアプリケーション
230 キーボード/マウス
231 ディスプレイ
301 オペレーティングシステム
302 ファイルシステム
303 USBマスストレージドライバ
304 USBインターフェースドライバ
311 切り替えスイッチ
312 USBスキャナクラスインターフェース
313 USBマスストレージインターフェース
314 USBディスクドライブインターフェース
315 制御ファイル
317 オートランファイル
318 イベント監視モジュール
319 キャプチャアプリケーション
500 ドライブレターを割り当てられたディスクドライブ
600 キャプチャアプリケーションのユーザインターフェース
601 キャプチャアプリケーション上のスキャンボタン
602 キャプチャアプリケーション上のキャンセルボタン
603 キャプチャアプリケーション上の閉じるボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを処理するシート処理装置と、前記シート処理装置が接続された状態で前記シート処理装置の動作を制御する情報処理装置とを備え、
前記シート処理装置は、シートの有無を検知するシート検知手段と、前記シート検知手段での検知結果又は当該検知結果に基づく制御情報を前記情報処理装置に伝達するための伝達手段とを有する一方、
前記情報処理装置は、前記シート検知手段での検知結果又は前記制御情報に基づいて前記情報処理装置内の記憶部から前記シート処理装置を制御するための制御プログラムを起動制御する制御部とを有することを特徴とするシート処理制御システム。
【請求項2】
前記シート処理装置は、前記情報処理装置からアクセス可能な記憶領域に前記制御プログラムを記憶する記憶部を有し、
前記情報処理装置は、前記シート処理装置内の記憶部から前記情報処理装置内の記憶部に前記制御プログラムを展開して当該制御プログラムを起動することを特徴とする請求項1記載のシート処理制御システム。
【請求項3】
前記情報処理装置側で前記制御プログラムに基づく操作画面の表示が終了した後の状態において、前記シート処理装置側で前記シート検知手段によりシートが検知されると、前記伝達手段から前記シート検知手段での検知結果又は前記制御情報が前記情報処理装置に伝達され、前記情報処理装置側で前記制御プログラムに基づく操作画面の再表示制御を行うことを特徴とする請求項1又は2記載のシート処理制御システム。
【請求項4】
前記情報処理装置側で前記制御プログラムの起動終了後の状態において、前記シート処理装置側で前記シート検知手段によりシートが検知されると、前記伝達手段から前記シート検知手段での検知結果又は前記制御情報が前記情報処理装置に伝達され、前記情報処理装置側で前記記憶部から前記制御プログラムの再起動制御を行うことを特徴とする請求項1又は2記載のシート処理制御システム。
【請求項5】
前記シート処理装置は、前記伝達手段の少なくとも一部として、前記情報処理装置からアクセス可能な記憶領域に前記シート検知手段での検知結果又は当該検知結果に基づく制御情報を記憶する記憶部を有する一方、
前記情報処理装置は、前記シート処理装置内の記憶部から前記シート検知手段での検知結果又は前記制御情報を取得する情報取得手段を有し、前記シート処理装置にシート有りと判断した場合に、前記制御プログラムを起動制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシート処理制御システム。
【請求項6】
前記情報取得手段は、前記情報処理装置の制御部によって実行されるプログラムであって前記シート処理装置の記憶部内の前記シート検知手段での検知結果又は前記制御情報を監視する監視プログラムを有することを特徴とする請求項5記載のシート処理制御システム。
【請求項7】
前記シート検知手段は、前記シート処理装置内にシートを取り込むためのシート取込口にシートが存在するか否かに基づいてシートの有無を検知することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシート処理制御システム。
【請求項8】
前記シート処理装置は、第1シートが導入される導入口と、前記第1シートが排出される排出口と、前記導入口から前記排出口に至る前記第1シートの搬送路に設けられて前記第1シートを処理するシート処理手段と、前記第1シートを前記導入口から前記排出口へ搬送する一方、前記第1シートよりも幅狭の第2シートを前記シート処理手段で処理するために、前記排出口から導入される前記第2シートを前記シート処理手段へ搬送する搬送手段とを有し、
前記シート検知手段は、前記排出口から導入される前記第2シートの有無を検知するものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のシート処理制御システム。
【請求項9】
前記シート検知手段は、前記情報処理装置による前記制御プログラムの実行に基づく前記シート処理装置の動作制御によらず、前記シート処理装置側での独立動作の検出に基づいてシートの有無を検知するものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のシート処理制御システム。
【請求項10】
前記シート処理装置は、前記シートを搬送路に沿って搬送するシート搬送部と、前記シート搬送部の動作を制御する制御部とを有し、
前記シート検知手段は、前記シート搬送部の搬送動作の検出に基づいてシートの有無を検知するものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のシート処理制御システム。
【請求項11】
前記シート処理装置は、シートを搬送路に給送するシート給送部と、前記シート給送部からのシートを前記搬送路に沿って搬送するシート搬送部と、前記シート給送部の動作を制御する制御部とを有し、
前記シート検知手段は、前記シート給送部での給送動作の検出に基づいてシートの有無を検知するものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のシート処理制御システム。
【請求項12】
前記シート処理装置は、シートとして原稿が載置される原稿載置台と、前記原稿載置台上の原稿の少なくとも一部の画像を読み取る画像読取部とを有し、
前記シート検知手段は、前記画像読取部によって前記原稿載置台上の所定領域を複数回読み取ったときの各画像同士が異なるか否かに基づいてシートの有無を検知するものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のシート処理制御システム。
【請求項13】
前記シート処理装置は、シート検出対象領域に光照射してその反射光を受ける光学検出部を有し、
前記シート検知手段は、前記光学検出部においてシートからの反射光を受光したか否かに基づいてシートの有無を検知するものであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のシート処理制御システム。
【請求項14】
前記シート処理装置は、シート検出対象領域を挟むように発光部及び受光部を配置してなる光学検出部を有し、
前記シート検知手段は、前記光検出部において前記発光部からの光を前記受光部で検出したか否かに基づいてシートの有無を検知するものであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のシート処理制御システム。
【請求項15】
シート処理装置に接続される情報処理装置の制御部で実行されることにより前記情報処理装置から前記シート処理装置を制御可能とするシート処理制御プログラムであって、
前記シート処理装置において生成されるシートの有無を検知した検知結果又は当該検知結果に基づく制御情報の検出により前記情報処理装置内の記憶部から起動されて前記情報処理装置を前記シート処理装置の制御手段として機能させることを特徴とするシート処理制御プログラム。
【請求項16】
シート処理装置に接続される情報処理装置の制御部において前記シート処理装置を制御するための制御プログラムを実行することにより前記情報処理装置から前記シート処理装置を制御可能な状態とするに際し、
前記シート処理装置において生成されるシートの有無を検知した検知結果又は当該検知結果に基づく制御情報の検出により前記情報処理装置内の記憶部から前記制御プログラムを起動することを特徴とするシート処理装置の制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2013−30077(P2013−30077A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166998(P2011−166998)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000104652)キヤノン電子株式会社 (876)
【Fターム(参考)】