説明

シート加工装置、シート加工方法及び加工シート

【課題】
シート部材にパンチ孔領域と縫い目領域を形成し、ミシン針がパンチ孔に入り込んで縫い目の形状を乱したり変形したりすることがないシート加工装置を提供する。
【解決手段】
シート加工装置11の穿孔装置21は、穿孔駆動装置41によって上下動するパンチ棒45を有し、パンチ棒45の先部にはパンチ46が固定されている。シート加工装置11の縫製装置61は、縫製駆動装置72によって上下動する針棒91を有し、針棒91の先部にはミシン針93が固定され、さらに、ミシン針93の針糸のループを引っ掛ける垂直釜71が設けられている。装置本体12は、穿孔装置21を移動させる穿孔移動手段31と、縫製装置61を移動させる縫製移動手段106と、穿孔移動手段31と縫製移動手段106を駆動制御すると共に、穿孔駆動装置41及び縫製駆動装置72を交互に駆動する制御手段120を有し、シート部材2にパンチ孔6と縫い目8を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに複数のパンチ孔及び縫い目を形成してシートを加工するシート加工装置及びシート加工方法、並びに、複数のパンチ孔及び縫い目を形成して加工された加工シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、軟質合成樹脂シート、皮革シート等のシート製品は、通気性を確保するため、あるいはデザイン上の理由で複数の孔が開けられているものがある。この複数の孔を開けることをパーフォレーション処理と言われている。このように処理されたシート製品は、主に自動車内装品、家具等の製品に使用されている。この孔は、約0.5〜1.0mmの大きさであり、シート製品に一定の間隔で複数設けられている。パーフォレーション処理は一般には、シート製品の全面に、ニードルパーフォレーター等を用いて行われている(例えば、特許文献1)。こうしたパーフォレーション処理を行い、形成されたシート製品は、自動車の座席、ハンドル、家具等に被せて使用され、所定箇所がミシン等により縫製されている。
【0003】
また、任意の場所にパーフォレーション処理を施す加工装置が考案された。これはミシンの針をパーフォレーション処理のためのパンチ棒に変えて、任意の場所にパーフォレーション処理を施そうとするものである(例えば、特許文献2)。またシート製品に孔を開けて加工するシート加工装置は、基台に固定したシート部材に孔を開けるパンチと、パンチを上下動させる駆動手段と、パンチをX方向(左右方向)及びY方向(前後)に移動させる移動手段とを有するものもある(例えば、特許文献3、4)。
また、上記したようにシート加工装置によって穿孔加工されたシート製品は、ミシンによって縫製されて使用される。
【特許文献1】特開2008−87167号公報
【特許文献2】実開平03−087600号公報
【特許文献3】特開昭60−172499号公報
【特許文献4】特開平10−8100号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したシート加工装置によって形成されたシート製品は、自動車の座席、ハンドル、家具等に被せて使用され、所定箇所がミシン等により縫製されているが、ミシン針がパンチ孔に入り込んで、縫い目の形状が乱れているという問題点があった。特に皮革シートは、その質感から高級自動車、高級ソファに使用されるが、縫い目が乱れていると、高級感が損なわれるという問題点があった。また、縫製時にミシン針がパンチ孔によって折れ曲がり、ミシン針が使えなくなったり、シート製品に損傷を与えてしまうという問題点があった。また特許文献2〜4に示されるような装置によっても、パーフォレーション処理と縫製または飾り縫いが別々の工程で行われるため、ミシン針がパンチ孔に入り込んで、縫い目の形状が乱れるという問題点が依然残されていた。
【0005】
本願発明は、上記問題点に鑑み案出したものであって、シート部材にパンチ孔領域と縫い目領域を形成し、ミシン針がパンチ孔に入り込んで縫い目の形状を乱したり変形したりすることがないシート加工装置を提供することを第1の目的とする。また、本願発明は、シート部材にパンチ孔領域と縫い目領域を形成し、ミシン針がパンチ孔に入り込んで縫い目の形状を乱したり変形したりすることがないシート加工方法を提供することを第2の目的とする。さらに本願発明は、パンチ孔と縫い目の領域が別々に形成され、パンチ孔と縫い目が互いに干渉し合わず、美観及び高級感のある加工シートを提供することを第3の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願請求項1記載のシート加工装置は、上記第1の目的を達成するため、シート部材に穿孔及び縫製を行うシート加工装置であって、装置本体には、穿孔装置と縫製装置が設けられ、前記穿孔装置は、穿孔駆動装置によって上下方向に往復動するパンチ棒を有し、パンチ棒の先部にはパンチが固定されており、前記縫製装置は、縫製駆動装置によって上下方向に往復動する針棒を有し、針棒の先部にはミシン針が固定され、さらに、前記ミシン針の針糸のループを引っ掛ける垂直釜が設けられており、装置本体は、前記穿孔装置をシート部材の送り方向と略直角の方向に移動させる穿孔移動手段と、前記縫製装置をシート部材の送り方向と略直角の方向に移動させる縫製移動手段と、前記穿孔移動手段と前記縫製移動手段を駆動制御すると共に、前記穿孔駆動装置及び前記縫製駆動装置を交互に駆動する制御手段を有し、シート部材にパンチ孔と縫い目を形成することを特徴とする。
【0007】
本願請求項2記載のシート加工装置は、上記第1の目的を達成するため、シート部材に穿孔及び縫製を行うシート加工装置であって、装置本体には、加工装置が設けられ、前記加工装置は、穿孔駆動装置によって上下方向に往復動するパンチ棒と、縫製駆動装置によって上下方向に往復動する針棒とを有し、前記パンチ棒の先部にはパンチが固定され、前記針棒の先部にはミシン針が固定されており、さらに、前記ミシン針の針糸のループを引っ掛ける垂直釜が設けられており、装置本体は、前記加工装置をシート部材の送り方向と略直角の方向に移動させる移動手段と、前記移動手段を駆動制御すると共に、前記穿孔駆動装置及び前記縫製駆動装置を交互に駆動する制御手段を有し、シート部材にパンチ孔と縫い目を形成することを特徴とする。
【0008】
本願請求項3記載のシート加工装置は、上記第1の目的を達成するため、前記針棒をシート部材の送り方向と略直角の方向に往復動させる動作手段を有し、シート部材にパンチ孔と千鳥縫い目を形成することを特徴とする。
【0009】
本願請求項4記載のシート加工装置は、上記第1の目的を達成するため、シート部材に穿孔及び縫製を行うシート加工装置であって、装置本体には、穿孔装置と縫製装置が設けられ、前記穿孔装置は、穿孔駆動装置によって上下方向に往復動するパンチ棒を有し、パンチ棒の先部にはパンチが固定されており、前記縫製装置は、縫製駆動装置によって上下方向に往復動する針棒を有し、針棒の先部にはミシン針が固定され、さらに、前記ミシン針の針糸のループを引っ掛ける垂直釜が設けられており、装置本体は、前記シート部材を所定方向と所定方向と略直角の方向に送る移送手段と、前記移送手段を駆動制御すると共に、前記穿孔駆動装置及び前記縫製駆動装置を交互に駆動する制御手段を有し、シート部材にパンチ孔と縫い目を形成することを特徴とする。
【0010】
本願請求項5記載のシート加工装置は、上記第1の目的を達成するため、シート部材に穿孔及び縫製を行うシート加工装置であって、装置本体には、加工装置が設けられ、前記加工装置は、穿孔駆動装置によって上下方向に往復動するパンチ棒と、縫製駆動装置によって上下方向に往復動する針棒とを有し、前記パンチ棒の先部にはパンチが固定され、前記針棒の先部にはミシン針が固定されており、さらに、前記ミシン針の針糸のループを引っ掛ける垂直釜が設けられており、装置本体は、前記シート部材を所定方向と所定方向と略直角の方向に送る移送手段と、前記移送手段を駆動制御すると共に、前記穿孔駆動装置及び前記縫製駆動装置を交互に駆動する制御手段を有し、シート部材にパンチ孔と縫い目を形成することを特徴とする。
【0011】
本願請求項6記載のシート加工装置は、上記第1の目的を達成するため、前記針棒をシート部材の送り方向と略直角の方向に往復動させる動作手段を有し、シート部材にパンチ孔と千鳥縫い目を形成することを特徴とする。
【0012】
本願請求項7記載のシート加工方法は、上記第2の目的を達成するため、シート部材にパンチ孔領域と縫い目領域を設定する設定工程と、パンチ孔領域において、穿孔手段によって所定間隔あけて穿孔して複数のパンチ孔を形成する穿孔工程と、縫い目領域において、縫製手段によって縫製して縫い目を形成する縫製工程とからなり、前記複数のパンチ孔と前記縫い目が互いに干渉し合わないようにシートを加工することを特徴とする。
【0013】
本願請求項8記載のシート加工方法は、上記第2の目的を達成するため、シート部材に縫い目領域とパンチ孔領域を設定する設定工程と、縫い目領域において、縫製手段によって縫製して縫い目を形成する縫製工程と、パンチ孔領域において、穿孔手段によって所定間隔あけて穿孔して複数のパンチ孔を形成する穿孔工程とからなり、前記縫い目と前記複数のパンチ孔が互いに干渉し合わないようにシートを加工することを特徴とする。
【0014】
本願請求項9記載の加工シートは、上記第3の目的を達成するため、パンチ孔領域と縫い目領域が形成され、パンチ孔領域には、所定間隔あけて穿孔された複数のパンチ孔が設けられ、縫い目領域には、縫製された縫い目が設けられ、前記複数のパンチ孔と前記縫い目が互いに干渉し合わないように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本願発明に係るシート加工装置は、シート部材に穿孔及び縫製を行うシート加工装置であって、装置本体には、穿孔装置と縫製装置が設けられ、前記穿孔装置は、穿孔駆動装置によって上下方向に往復動するパンチ棒を有し、パンチ棒の先部にはパンチが固定されており、前記縫製装置は、縫製駆動装置によって上下方向に往復動する針棒を有し、針棒の先部にはミシン針が固定され、さらに、前記ミシン針の針糸のループを引っ掛ける垂直釜が設けられており、装置本体は、前記穿孔装置をシート部材の送り方向と略直角の方向に移動させる穿孔移動手段と、前記縫製装置をシート部材の送り方向と略直角の方向に移動させる縫製移動手段と、前記穿孔移動手段と前記縫製移動手段を駆動制御すると共に、前記穿孔駆動装置及び前記縫製駆動装置を交互に駆動する制御手段を有し、シート部材にパンチ孔と縫い目を形成する。
【0016】
従って、本願発明に係るシート加工装置は、穿孔装置と縫製装置を有し、それぞれを駆動することによって、皮革シート、軟質合成樹脂シート等のシート部材に穿孔及び縫製を行うことができるので、従来のように、パーフォレーション加工装置でシート部材にパンチ孔を形成し、パンチ孔を形成したシート部材に別のミシンで縫製を行うという手間を省くことができるという効果がある。また、本願発明に係るシート加工装置は、穿孔移動手段によって穿孔装置を移動させ、縫製移動手段によって縫製装置を移動させて、シート部材にパンチ孔領域と縫い目領域を形成し、パンチ孔領域に所定間隔あけて穿孔して複数のパンチ孔を形成することができ、さらに縫い目領域に縫製して縫い目を形成することができるので、複数のパンチ孔と縫い目が互いに干渉し合わない加工シートを形成することができるという効果がある。
【0017】
本願発明に係るシート加工装置は、シート部材に穿孔及び縫製を行うシート加工装置であって、装置本体には、加工装置が設けられ、前記加工装置は、穿孔駆動装置によって上下方向に往復動するパンチ棒と、縫製駆動装置によって上下方向に往復動する針棒とを有し、前記パンチ棒の先部にはパンチが固定され、前記針棒の先部にはミシン針が固定されており、さらに、前記ミシン針の針糸のループを引っ掛ける垂直釜が設けられており、装置本体は、前記加工装置をシート部材の送り方向と略直角の方向に移動させる移動手段と、前記移動手段を駆動制御すると共に、前記穿孔駆動装置及び前記縫製駆動装置を交互に駆動する制御手段を有し、シート部材にパンチ孔と縫い目を形成する。
【0018】
従って、本願発明に係るシート加工装置は、穿孔駆動装置と縫製駆動装置を備えた加工装置を有し、穿孔駆動装置と縫製駆動装置をそれぞれ駆動することによって、皮革シート、軟質合成樹脂シート等のシート部材に穿孔及び縫製を行うことができるので、従来のように、パーフォレーション加工装置でシート部材にパンチ孔を形成し、パンチ孔を形成したシート部材に別のミシンで縫製を行うという手間を省くことができるという効果がある。また、本願発明に係るシート加工装置は、移動手段によって加工装置を移動させて、シート部材にパンチ孔領域と縫い目領域を形成し、パンチ孔領域に所定間隔あけて穿孔して複数のパンチ孔を形成することができ、さらに縫い目領域に縫製して縫い目を形成することができるので、複数のパンチ孔と縫い目が互いに干渉し合わない加工シートを形成することができるという効果がある。
【0019】
本願発明に係るシート加工装置は、前記針棒をシート部材の送り方向と略直角の方向に往復動させる動作手段を有し、シート部材にパンチ孔と縫い目を形成する。
従って本願発明に係るシート加工装置は、上記効果に加え、装飾性の高い加工シートを形成することができるという効果がある。
【0020】
本願発明に係るシート加工装置は、シート部材に穿孔及び縫製を行うシート加工装置であって、装置本体には、穿孔装置と縫製装置が設けられ、前記穿孔装置は、穿孔駆動装置によって上下方向に往復動するパンチ棒を有し、パンチ棒の先部にはパンチが固定されており、前記縫製装置は、縫製駆動装置によって上下方向に往復動する針棒を有し、針棒の先部にはミシン針が固定され、さらに、前記ミシン針の針糸のループを引っ掛ける垂直釜が設けられており、装置本体は、前記シート部材を所定方向と所定方向と略直角の方向に送る移送手段と、前記移送手段を駆動制御すると共に、前記穿孔駆動装置及び前記縫製駆動装置を交互に駆動する制御手段を有し、シート部材にパンチ孔と縫い目を形成する。
【0021】
従って、本願発明に係るシート加工装置は、穿孔装置と縫製装置を有し、それぞれを駆動することによって、皮革シート、軟質合成樹脂シート等のシート部材に穿孔及び縫製を行うことができるので、従来のように、パーフォレーション加工装置でシート部材にパンチ孔を形成し、パンチ孔を形成したシート部材に別のミシンで縫製を行うという手間を省くことができるという効果がある。また、本願発明に係るシート加工装置は、移送手段によってシート部材を移動させて、シート部材にパンチ孔領域と縫い目領域を形成し、パンチ孔領域に所定間隔あけて穿孔して複数のパンチ孔を形成することができ、さらに縫い目領域に縫製して縫い目を形成することができるので、複数のパンチ孔と縫い目が互いに干渉し合わない加工シートを形成することができるという効果がある。
【0022】
本願発明に係るシート加工装置は、シート部材に穿孔及び縫製を行うシート加工装置であって、装置本体には、加工装置が設けられ、前記加工装置は、穿孔駆動装置によって上下方向に往復動するパンチ棒と、縫製駆動装置によって上下方向に往復動する針棒とを有し、前記パンチ棒の先部にはパンチが固定され、前記針棒の先部にはミシン針が固定されており、さらに、前記ミシン針の針糸のループを引っ掛ける垂直釜が設けられており、装置本体は、前記シート部材を所定方向と所定方向と略直角の方向に送る移送手段と、前記移送手段を駆動制御すると共に、前記穿孔駆動装置及び前記縫製駆動装置を交互に駆動する制御手段を有し、シート部材にパンチ孔と縫い目を形成する。
【0023】
従って、本願発明に係るシート加工装置は、穿孔駆動装置と縫製駆動装置を備えた加工装置を有し、穿孔駆動装置と縫製駆動装置をそれぞれ駆動することによって、皮革シート、軟質合成樹脂シート等のシート部材に穿孔及び縫製を行うことができるので、従来のように、パーフォレーション加工装置でシート部材にパンチ孔を形成し、パンチ孔を形成したシート部材に別のミシンで縫製を行うという手間を省くことができるという効果がある。また、本願発明に係るシート加工装置は、移送手段によってシート部材を移送させて、シート部材にパンチ孔領域と縫い目領域を形成し、パンチ孔領域に所定間隔あけて穿孔して複数のパンチ孔を形成することができ、さらに縫い目領域に縫製して縫い目を形成することができるので、複数のパンチ孔と縫い目が互いに干渉し合わない加工シートを形成することができるという効果がある。
【0024】
本願発明に係るシート加工装置は、前記針棒をシート部材の送り方向と略直角の方向に往復動させる動作手段を有し、シート部材にパンチ孔と縫い目を形成する。
従って本願発明に係るシート加工装置は、上記効果に加え、縫い目を装飾性の高い加工シートを形成することができるという効果がある。
【0025】
本願発明に係るシート加工方法は、シート部材にパンチ孔領域と縫い目領域を設定する設定工程と、パンチ孔領域において、穿孔手段によって所定間隔あけて穿孔して複数のパンチ孔を形成する穿孔工程と、縫い目領域において、縫製手段によって縫製して縫い目を形成する縫製工程とからなり、前記複数のパンチ孔と前記縫い目が互いに干渉し合わないようにシートを加工する。
【0026】
従って、本願発明に係るシート加工方法は、シート部材にパンチ孔領域と縫い目領域を形成し、パンチ孔領域に所定間隔あけて穿孔して複数のパンチ孔を形成し、縫い目領域に縫製して縫い目を形成することにより、複数のパンチ孔と縫い目が互いに干渉し合わない加工シートを形成することができるという効果がある。
【0027】
本願発明に係るシート加工方法は、シート部材に縫い目領域とパンチ孔領域を設定する設定工程と、縫い目領域において、縫製手段によって縫製して縫い目を形成する縫製工程と、パンチ孔領域において、穿孔手段によって所定間隔あけて穿孔して複数のパンチ孔を形成する穿孔工程とからなり、前記縫い目と前記複数のパンチ孔が互いに干渉し合わないようにシートを加工する。
【0028】
従って、本願発明に係るシート加工方法は、シート部材に縫い目領域とパンチ孔領域を形成し、縫い目領域に縫製して縫い目を形成し、パンチ孔領域に所定間隔あけて穿孔して、複数のパンチ孔を形成することにより、縫い目と複数のパンチ孔が互いに干渉し合わない加工シートを形成することができるという効果がある。
【0029】
本願発明に係る加工シートは、パンチ孔領域と縫い目領域が形成され、パンチ孔領域には、所定間隔あけて穿孔された複数のパンチ孔が設けられ、縫い目領域には、縫製された縫い目が設けられ、前記複数のパンチ孔と前記縫い目が互いに干渉し合わないように構成されているので、複数のパンチ孔と縫い目が互いに干渉し合わず、美観及び高級感に優れ、装飾性の高いものにすることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本願発明の一つの実施の形態を図1乃至図6に基づいて説明する。図1は、加工シートの説明図である。図2は、シート加工装置の正面図である。図3は、図2のシート加工装置の穿孔装置の側面断面図である。図4は、図2のシート加工装置の縫製装置の側面断面図である。図5は、図2のシート加工装置の移送装置の斜視図である。図6は、図2のシート加工装置の電気的構成を説明する説明図である。図7は、他のシート加工装置の正面図である。
【0031】
以下、シート加工装置の概要について説明する。図2に示すように、シート加工装置11は、シート部材2に穿孔及び縫製を行うものである。装置本体12には、穿孔装置21と縫製装置61が設けられている。前記穿孔装置21は、穿孔駆動装置41によって上下方向に往復動するパンチ棒45を有し、パンチ棒45の先部にはパンチ46が固定されている。前記縫製装置は61、縫製駆動装置72によって上下方向に往復動する針棒91を有し、針棒91の先部にはミシン針93が固定され、さらに、前記ミシン針93の針糸のループを引っ掛ける垂直釜71が設けられている。
【0032】
装置本体12は、前記穿孔装置21をシート部材2の送り方向と略直角の方向に移動させる穿孔移動手段31と、前記縫製装置61をシート部材2の送り方向と略直角の方向に移動させる縫製移動手段106と、前記穿孔移動手段31と前記縫製移動手段106を駆動制御すると共に、前記穿孔駆動装置41及び前記縫製駆動装置72を交互に駆動する制御手段120を有し、シート部材2にパンチ孔6と縫い目8を形成する。
【0033】
従って、シート加工装置11は、穿孔装置21と縫製装置61を有し、それぞれを駆動することによって、皮革シート、軟質合成樹脂シート等のシート部材2に穿孔及び縫製を行うことができるので、従来のように、パーフォレーション加工装置でシート部材にパンチ孔を形成し、パンチ孔を形成したシート部材に別のミシンで縫製を行うという手間を省くことができる。また、シート加工装置11は、穿孔移動手段31によって穿孔装置21を移動させ、縫製移動手段106によって縫製装置61を移動させて、シート部材2にパンチ孔領域3,4と縫い目領域5を形成し、パンチ孔領域3,4に所定間隔あけて穿孔してパンチ孔6を直線状に配列したパンチ孔列7を形成し、縫い目領域5に前記パンチ孔列7と略平行に縫製して縫い目8を形成することができ、それにより、パンチ孔列7と縫い目8が互いに干渉し合わない加工シート1を形成することができる。
【0034】
図6示すように、シート加工装置121は、シート部材2に穿孔及び縫製を行うものである。装置本体12には、加工装置122が設けられている。前記加工装置122は、穿孔駆動装置41によって上下方向に往復動するパンチ棒45と、縫製駆動装置72によって上下方向に往復動する針棒91とを有する。前記パンチ棒45の先部にはパンチ46が固定され、前記針棒91の先部にはミシン針93が固定されており、さらに、前記ミシン針93の針糸のループを引っ掛ける垂直釜71が設けられている。装置本体12は、前記加工装置122をシート部材2の送り方向と略直角の方向に移動させる移動手段106と、前記移動手段106を駆動制御すると共に、前記穿孔駆動装置41及び前記縫製駆動装置72を交互に駆動する制御手段120を有し、シート部材2にパンチ孔6と縫い目8を形成する。
【0035】
従って、シート加工装置121は、穿孔駆動装置41と縫製駆動装置72を備えた加工装置122を有し、穿孔駆動装置41と縫製駆動装置72をそれぞれ駆動することによって、皮革シート、軟質合成樹脂シート等のシート部材2に穿孔及び縫製を行うことができるので、従来のように、パーフォレーション加工装置でシート部材にパンチ孔を形成し、パンチ孔を形成したシート部材に別のミシンで縫製を行うという手間を省くことができる。また、シート加工装置121は、移動手段106によって加工装置122を移動させて、シート部材2にパンチ孔領域3,4と縫い目領域5を形成し、パンチ孔領域3,4に所定間隔あけて穿孔してパンチ孔6を直線状に配列したパンチ孔列7を形成し、縫い目領域5に前記パンチ孔列7と略平行に縫製して縫い目8を形成することができ、それにより、パンチ孔列7と縫い目8が互いに干渉し合わない加工シート1を形成することができる。
【0036】
シート加工装置11,121は、前記針棒91をシート部材2の送り方向Xと略直角の方向Yに往復動させる動作手段55を有し、シート部材2にパンチ孔6と縫い目8cを形成することができる。従ってシート加工装置11,121は、装飾性の高い加工シート1を形成することができる。
【0037】
シート加工装置11は、シート部材2に穿孔及び縫製を行うものである。装置本体12には、穿孔装置21と縫製装置61が設けられている。前記穿孔装置21は、穿孔駆動装置41によって上下方向に往復動するパンチ棒45を有し、パンチ棒45の先部にはパンチ46が固定されている。前記縫製装置61は、縫製駆動装置72によって上下方向に往復動する針棒91を有し、針棒91の先部にはミシン針93が固定され、さらに、前記ミシン針93の針糸のループを引っ掛ける垂直釜71が設けられている。図5に示すように、装置本体12は、前記シート部材2を所定方向Xと所定方向Xと略直角の方向Yに送る移送手段110と、前記移送手段110を駆動制御すると共に、前記穿孔駆動装置41及び前記縫製駆動装置72を交互に駆動する制御手段120を有し、シート部材2にパンチ孔6と縫い目8を形成する。
【0038】
従って、シート加工装置11は、穿孔装置21と縫製装置61を有し、それぞれを駆動することによって、皮革シート、軟質合成樹脂シート等のシート部材2に穿孔及び縫製を行うことができるので、従来のように、パーフォレーション加工装置でシート部材にパンチ孔を形成し、パンチ孔を形成したシート部材に別のミシンで縫製を行うという手間を省くことができる。また、シート加工装置11は、移送手段110によってシート部材2を移動させて、シート部材2にパンチ孔領域3,4と縫い目領域5を形成し、パンチ孔領域3,4に所定間隔あけて穿孔してパンチ孔6を直線状に配列したパンチ孔列7を形成し、縫い目領域5に前記パンチ孔列7と略平行に縫製して縫い目8を形成することができ、それにより、パンチ孔列7と縫い目8が互いに干渉し合わない加工シート1を形成することができる。
【0039】
シート加工装置121は、シート部材2に穿孔及び縫製を行うものである。装置本体12には、加工装置122が設けられている。前記加工装置122は、穿孔駆動装置41によって上下方向に往復動するパンチ棒45と、縫製駆動装置72によって上下方向に往復動する針棒91とを有する。前記パンチ棒45の先部にはパンチ46が固定され、前記針棒91の先部にはミシン針93が固定されており、さらに、前記ミシン針93の針糸のループを引っ掛ける垂直釜71が設けられている。図5に示すように、装置本体12は、前記シート部材2を所定方向Xと所定方向Xと略直角の方向Yに送る移送手段110と、前記移送手段110を駆動制御すると共に、前記穿孔駆動装置41及び前記縫製駆動装置72を交互に駆動する制御手段120を有し、シート部材2にパンチ孔6と縫い目8を形成する。
【0040】
従って、シート加工装置121は、穿孔駆動装置41と縫製駆動装置72を備えた加工装置122を有し、穿孔駆動装置41と縫製駆動装置72をそれぞれ駆動することによって、皮革シート、軟質合成樹脂シート等のシート部材2に穿孔及び縫製を行うことができるので、従来のように、パーフォレーション加工装置でシート部材にパンチ孔を形成し、パンチ孔を形成したシート部材に別のミシンで縫製を行うという手間を省くことができる。また、シート加工装置121は、移送手段110によってシート部材2を移送させて、シート部材2にパンチ孔領域3,4と縫い目領域5を形成し、パンチ孔領域3,4に所定間隔あけて穿孔してパンチ孔6を直線状に配列したパンチ孔列7を形成し、縫い目領域5に前記パンチ孔列7と略平行に縫製して縫い目8を形成することができ、それにより、パンチ孔列7と縫い目8が互いに干渉し合わない加工シート1を形成することができる。
【0041】
シート加工方法は、シート部材2にパンチ孔領域3,4と縫い目領域5を設定する設定工程と、パンチ孔領域3,4において、穿孔手段46によって所定間隔あけて穿孔して直線状に配列したパンチ孔列7を形成する穿孔工程と、縫い目領域5において、縫製手段93によって前記パンチ孔列7と略平行に縫製して縫い目8を形成する縫製工程とからなり、前記パンチ孔列7と前記縫い目8が互いに干渉し合わないようにシートを加工する。
【0042】
従って、シート加工方法は、シート部材2にパンチ孔領域3,4と縫い目領域5を形成し、パンチ孔領域3,4に所定間隔あけて穿孔してパンチ孔6を直線状に配列したパンチ孔列7を形成し、縫い目領域5に前記パンチ孔列7と略平行に縫製して縫い目8を形成することにより、パンチ孔列7と縫い目8が互いに干渉し合わない加工シート1を形成することができる。
【0043】
シート加工方法は、シート部材2に縫い目領域5とパンチ孔領域3,4を設定する設定工程と、縫い目領域5において、縫製手段93によって縫製して縫い目8を形成する縫製工程と、パンチ孔領域3,4において、穿孔手段46によって前記縫い目8と略平行に所定間隔あけて穿孔して直線状に配列したパンチ孔列7を形成する穿孔工程とからなり、前記縫い目8と前記パンチ孔列7が互いに干渉し合わないようにシートを加工する。
【0044】
従って、シート加工方法は、シート部材2に縫い目領域5とパンチ孔領域3,4を形成し、縫い目領域5に縫製して縫い目8を形成し、パンチ孔領域3,4に所定間隔あけて穿孔して、前記縫い目8と略平行にパンチ孔6を直線状に配列したパンチ孔列7を形成することにより、縫い目8とパンチ孔列7が互いに干渉し合わない加工シート1を形成することができる。
【0045】
加工シート1は、パンチ孔領域3,4と縫い目領域5が形成されている。パンチ孔領域3,4には、所定間隔あけて穿孔され直線状に配列されたパンチ孔列7が設けられている。縫い目領域5には、前記パンチ孔列7と略平行に縫製された直線縫い目8が設けられている。加工シート1は、前記パンチ孔列7と前記直線縫い目8が互いに干渉し合わないように構成されているので、パンチ孔6と縫い目8が互いに干渉し合わず、美観及び高級感のあるものにすることができる。
【0046】
加工シート1は、パンチ孔領域3,4と縫い目領域5が形成されている。パンチ孔領域3,4には、所定間隔あけて穿孔され直線状に配列されたパンチ孔列7が設けられている。縫い目領域5には、前記パンチ孔列7と略平行に縫製された縫い目8cが設けられている。加工シート1は、前記パンチ孔列7と前記縫い目8cが互いに干渉し合わないように構成されているので、パンチ孔6と縫い目8cが互いに干渉し合わず、美観及び高級感に優れ、装飾性の高いものにすることができる。
【0047】
さらに、シート加工装置について詳細に説明する。まず、当該シート加工装置11によって加工される加工シート1A〜1Dについて説明する。図1(a)に示すように、加工シート1Aには、皮革シート(合成皮革シートを含む)、軟質合成樹脂シート等の穿孔加工及び縫製加工に適したシート部材2が使用される。当該シート部材2には、直線状のパンチ孔領域3a,4aと縫い目領域5aが形成されている。パンチ孔領域3a,4aには、所定間隔あけて穿孔されたパンチ孔6aが直線状に配列されてパンチ孔列7aが形成されている。また、縫い目領域5aには、前記パンチ孔列7aと略平行に縫製された直線縫い目8aが形成されている。前記パンチ孔列7aと前記直線縫い目8aは、互いに干渉し合わないように構成されている。
【0048】
図1(b)に示すように、加工シート1Bに使用される前記シート部材2には、曲線状のパンチ孔領域3b,4bと縫い目領域5bが形成されている。パンチ孔領域3b,4bには、所定間隔あけて穿孔されたパンチ孔6bが曲線状に配列されてパンチ孔列7bが形成されている。また、縫い目領域5bには、前記パンチ孔列7bと略平行に縫製された曲線縫い目8bが形成されている。前記パンチ孔列7bと前記曲線縫い目8bは、互いに干渉し合わないように構成されている。
【0049】
図1(c)に示すように、加工シート1Cに使用される前記シート部材2には、直線状のパンチ孔領域3c,4cと縫い目領域5cが形成されている。パンチ孔領域3c,4cには、所定間隔あけて穿孔されたパンチ孔6cが千鳥状に配列されてパンチ孔列7cが形成されている。また、縫い目領域5cには、前記パンチ孔列7cと略平行に縫製された縫い目8cが形成されている。前記パンチ孔列7cと前記縫い目8cは、互いに干渉し合わないように構成されている。
【0050】
図1(d)に示すように、加工シート1Dに使用される前記シート部材2には、曲線状のパンチ孔領域3d,4dと縫い目領域5dが形成されている。パンチ孔領域3d,4dには、所定間隔あけて穿孔されたパンチ孔6dが曲線状に配列されてパンチ孔列7dが形成されている。また、縫い目領域5dには、前記パンチ孔列7dと略平行に縫製された曲線縫い目8dが形成されている。前記パンチ孔列7dと前記曲線縫い目8dは、互いに干渉し合わないように構成されている。
【0051】
図2乃至図4に示すように、シート加工装置11は、前記したシート部材2に穿孔及び縫製を行うことができるものである。装置本体12には、穿孔装置21と縫製装置61が設けられている。穿孔装置21及び縫製装置61は、装置本体12の基台13上をそれぞれ別個に摺動するように設けられている。この摺動方向は、シート部材2の送り方向Xと略直角の方向Yである。
【0052】
穿孔装置21の穿孔装置本体22は、下部フレーム23と、下部フレーム23の後部に立設された垂直フレーム25と、垂直フレーム25の上部に略水平に設けられた上部フレーム26と、上部フレーム26の前端に設けられた前部フレーム27とからなっている。
【0053】
下部フレーム23の上壁33には、後記パンチ46を挿通する複数のパンチ受け孔35が形成されている。パンチ受け孔35は、パンチ46がシート部材2の送り方向Xと略直角の方向Yに向かって往復動可能なので、当該方向Yに向かって複数形成されているが、細長く形成されても良い。
【0054】
前部フレーム27には、サーボモータ41とサーボモータ55が設けられている。サーボモータ41の駆動軸には、回転体42が固定されている。当該回転体42には、回転中心から偏倚して偏心ピン43が設けられている。また、前部フレーム27内には、パンチ棒45が略垂直方向に往復動可能に取り付けられている。偏心ピン43には、クランクアーム47の一方が回動可能に取り付けられ、他方がパンチ棒45の上端に回動可能に取り付けられている。即ち、クランクアーム47は、両端に軸受けボス48,49が形成されている。一方の軸受けボス48は、前記回転体42の偏心ピン43に回動可能に取り付けられている。他方の軸受けボス49は、前記パンチ棒45の上部に形成されたピン44に回動可能に取り付けられている。
【0055】
前記パンチ棒45の下端には、パンチ46が着脱可能に取り付けられている。パンチ棒45は、支持管51に挿通されて略垂直状態に支持されている。支持管51は、連結杆52の一端に固定されている。連結杆52の他端には、楕円環53が固定されている。楕円環53には、回転円板56の偏心ピン57が挿通している。回転円板56は、前記サーボモータ55の駆動軸に取り付けられている。
【0056】
穿孔装置本体22は、垂直フレーム25に略T字状の連結摺動体36が取り付けられている。穿孔装置本体22は、当該連結摺動体36が装置本体12の基台13上に固定された案内路15に案内され、Y方向に移動可能になっている。案内路15の上端には、ラック16が形成されている。穿孔装置本体22には、当該ラック16と噛み合う歯車32と、歯車32を強制的に回転させるサーボモータ31が設けられている。
【0057】
縫製装置61の縫製装置本体62は、下部フレーム63と、下部フレーム63の後部に立設された垂直フレーム65と、垂直フレーム65の上部に略水平に設けられた上部フレーム66と、上部フレーム66の前端に設けられた前部フレーム67とからなっている。
【0058】
下部フレーム63には、垂直釜71が取り付けられている。垂直釜71は、これの回転方向がシート部材2の送り方向(反縫製方向)Xと略直角となっている。この垂直釜71は、回転軸74の一端に固定され、回転軸74の他端に最終傘歯車74aが固定されている。垂直釜71は、縫製装置本体62内に設けられたサーボモ−タ72、サーボモータ72の駆動軸に設けられた駆動歯車72a、駆動歯車72aと噛み合う被駆動歯車72b、被駆動歯車72bを固定する垂直軸69、垂直軸69の下端に設けられた下端傘歯車70a、下端傘歯車70aと噛み合う最終傘歯車74a、回転軸74を介して回転するようになっており、後記針棒91と連動している。また、下部フレーム63の上壁73には、後記ミシン針93を挿通する針挿通孔75が形成されている。針挿通孔75は、ミシン針93がシート部材2の送り方向Xと略直角の方向Y(垂直釜71の回転方向と略平行)に向かって往復動するので、当該方向Yに向かって細長く形成されている。
【0059】
上部フレーム66には、駆動軸81が設けられている。駆動軸81は、前端に駆動歯車82が取り付けられ、後端に中間傘歯車84が取り付けられている。駆動軸81は、縫製装置本体62内に設けられた前記サーボモータ72、サーボモータ72の駆動軸に設けられた駆動歯車72a、駆動歯車72aと噛み合う被駆動歯車72b、被駆動歯車72bを固定する垂直軸69、垂直軸69の上端に設けられた上端傘歯車70b、上端傘歯車70bと噛み合う中間傘歯車84を介して回転するようになっており、これの前部に取り付けられた駆動歯車82が前部フレーム67内に突出する。前部フレーム67には、従動軸83が回動可能に設けられている。従動軸83は、後部に従動歯車85を備え、先端に回転体86が固定されている。従動歯車85は、前記駆動歯車82と噛み合うようになっている。前記回転体86には、回転中心から偏倚して偏心ピン87が設けられている。
【0060】
前部フレーム67内には、針棒91が略垂直方向に往復動可能に取り付けられている。偏心ピン87には、クランクアーム76の一方が回動可能に取り付けられ、他方が針棒91の上端に回動可能に取り付けられている。即ち、クランクアーム76は、両端に軸受けボス77,78が形成されている。一方の軸受けボス78は、前記回転体86の偏心ピン87に回動可能に取り付けられている。他方の軸受けボス78は、前記針棒91の上部に形成されたピン92に回動可能に取り付けられている。
【0061】
前記針棒91の下端には、ミシン針93が着脱可能に取り付けられている。針棒91は、支持管95に挿通されて略垂直状態に支持されている。支持管95は、連結杆96の一端に固定されている。連結杆96の他端には、楕円環97が固定されている。楕円環97には、回転円板102の偏心ピン103が挿通している。回転円板102は、サーボモータ101の駆動軸に取り付けられている。サーボモータ101は、前部フレーム67内に設けられている。
【0062】
縫製装置本体62は、垂直フレーム65に略T字状の連結摺動体68が取り付けられている。縫製装置本体62は、当該連結摺動体68が装置本体12の基台13上に固定された案内路15に案内され、Y方向に移動可能になっている。縫製装置本体62には、前記ラック16と噛み合う歯車105と、歯車105を強制的に回転させるサーボモータ106が設けられている。
【0063】
図5に示すように、装置本体12の基台13上には、シート部材2をX方向に送る移送装置110が設けられている。移送装置110は、シート部材2を緊張した状態で装着する枠部材111と、枠部材111を取り付ける取付部材112とからなる。取付部材112は、基台13上に載置され、装置本体12に設けられた送り手段115によってX方向に送られる。枠部材111は、取付部材112上に載置され、取付部材112に設けられた送り手段118によってY方向に送られる。実施の形態では、送り手段115,118は送りローラ116、119で構成されているが、特に限定されるものではなく、種々変更可能であり、当業者においては容易に設計変更をすることができる技術事項である。
【0064】
装置本体12内には、制御基板(制御手段)120が組み込まれている。図6に示すように、制御基板120に設けられた制御回路には、前記したサーボモータ31、41、55、72、101、106、送り手段115,118が接続されている。
【0065】
シート加工装置11は、上記構成を有し、最初に図1(a)に示す加工シート1Aを形成する。制御基板120の制御回路がサーボモータ31を駆動して歯車32を回転させ、案内路15に沿って穿孔装置21をパンチ孔領域3aまで移動させる。制御基板120の制御回路が送り手段115を作動してシート部材2をX方向に送る。制御基板120の制御回路がサーボモータ41を駆動して回転体42を回転させる。回転体42の回転は、偏心ピン43,クランクアーム47,ピン44を介してパンチ棒45に伝達され、パンチ46が上下方向に略垂直状態で往復動する。なお、制御基板120の制御回路は、穿孔装置21側のサーボモータ41,55を駆動している時には、縫製装置61側のサーボモータ72,101を駆動することはない。このようにして、パンチ46は、上下方向に往復動し、シート部材2がX方向に送られるので、シート部材2のパンチ孔領域3aに直線状のパンチ孔列7aが形成される。
【0066】
次に、制御基板120の制御回路がサーボモータ41の駆動を停止させてパンチ46の動作を停止させ、サーボモータ31を駆動して歯車32を回転させ、案内路15に沿って穿孔装置21をパンチ孔領域3a外まで移動させる。制御基板120の制御回路が送り手段115を作動してシート部材2を反X方向に送り、シート部材2を初期位置に復帰させる。制御基板120の制御回路がサーボモータ106を駆動して歯車105を回転させ、案内路15に沿って縫製装置61を縫い目領域5aまで移動させる。制御基板120の制御回路が送り手段115を作動してシート部材2をX方向に送る。制御基板120の制御回路がサーボモータ72を駆動する。サーボモータ72の回転が、駆動歯車72a、被駆動歯車72b、垂直軸69、上端傘歯車70b、中間傘歯車84を介して駆動軸81を回転させる。
【0067】
駆動軸81の回転が駆動歯車82、従動歯車85、従動軸83を介して回転体86に伝達され、回転体86が回転する。回転体86の回転は、偏心ピン87,クランクアーム76,ピン92を介して針棒91に伝達され、ミシン針93が上下方向に略垂直状態で往復動する。また、垂直軸69の回転が下端傘歯車70a、最終傘歯車74a、回転軸74を介して垂直釜71を回転させる。このようにミシン針93が上下方向に往復動し、これと同期して垂直釜71も回転するので、シート部材2の縫い目領域5aに直線状の本縫い目8aが形成される。なお、制御基板120の制御回路は、縫製装置61側のサーボモータ72,101を駆動している時には、穿孔装置21側のサーボモータ41,55を駆動することはない。
【0068】
シート加工装置11は、制御基板120の制御回路がサーボモータ55を作動させるとパンチ棒45がシート部材2の送り方向Xと略直角のY方向に向かって往復動するので、図1(c)に示すように、パンチ孔列7cを千鳥状にすることができる。同様に、制御基板120の制御回路がサーボモータ101を作動させると針棒91がシート部材2の送り方向Xと略直角のY方向に向かって往復動するので、図1(c)に示すように、千鳥縫い目8cを縫製することができる。
【0069】
また、シート加工装置11は、制御基板120の制御回路によってサーボモータ55及びサーボモータ101を作動させ、図1(b)に示すように、パンチ孔列7b及び縫い目8bを曲線状にしたり、図1(d)に示すように、曲線状の千鳥縫い目8dを縫製することもできる。
【0070】
さらに、シート加工装置11は、図5に示すように、シート部材2を送り手段118によってY方向に往復動させることができるので、サーボモータ31,106を駆動して穿孔装置21及び縫製装置61をY方向に移動させることなく、さらにサーボモータ55,101を駆動してパンチ棒45及び針棒91をY方向に移動させることなく、図1に示すシート加工を行うことが可能である。
【0071】
上記実施の形態では、装置本体12に穿孔装置21と縫製装置61をそれぞれ別々に取り付けた。図7に示すように、穿孔装置21と縫製装置61を一体化して加工装置122とし、この加工装置122を装置本体12にスライド可能に取り付けても構わない。このシート加工装置121は、前記したシート部材2に穿孔及び縫製を行うことができるものである。装置本体12には、加工装置122が設けられている。加工装置122は、装置本体12の基台13上を摺動するように設けられている。この摺動方向は、シート部材2の送り方向Xと略直角の方向Yである。
【0072】
加工装置122の加工装置本体123は、前記した穿孔装置21及び縫製装置61と同様に、下部フレーム125と、下部フレーム125の後部に立設された垂直フレームと、垂直フレームの上部に略水平に設けられた上部フレームと、上部フレームの前端に設けられた前部フレーム126とからなっている。下部フレーム125の上壁127には、後記パンチ46を挿通する複数のパンチ受け孔128が形成されている。パンチ受け孔128は、パンチ46が送り方向Xと略直角の方向Yに向かって往復動可能なので、当該方向Yに向かって複数形成されているが、細長く形成されても良い。
【0073】
前部フレーム126には、サーボモータ41とサーボモータ55が設けられている。サーボモータ41の駆動軸には、回転体42が固定されている。当該回転体42には、回転中心から偏倚して偏心ピン43が設けられている。また、前部フレーム126内には、パンチ棒45が略垂直方向に往復動可能に取り付けられている。偏心ピン43には、クランクアーム47の一方が回動可能に取り付けられ、他方がパンチ棒45の上端に回動可能に取り付けられている。即ち、クランクアーム47は、両端に軸受けボス48,49が形成されている。一方の軸受けボス48は、前記回転体42の偏心ピン43に回動可能に取り付けられている。他方の軸受けボス49は、前記パンチ棒45の上部に形成されたピン44に回動可能に取り付けられている。
【0074】
前記パンチ棒45の下端には、パンチ46が着脱可能に取り付けられている。パンチ棒45は、支持管51に挿通されて略垂直状態に支持されている。支持管51は、連結杆52の一端に固定されている。連結杆52の他端には、楕円環53が固定されている。楕円環53には、回転円板56の偏心ピン57が挿通している。回転円板56は、前記サーボモータ55の駆動軸に取り付けられている。
【0075】
加工装置本体123は、穿孔装置本体22及び縫製装置本体62と同様に、垂直フレームに略T字状の連結摺動体が取り付けられている。加工装置本体123は、当該連結摺動体が装置本体12の基台13上に固定された案内路15に案内され、Y方向に移動可能になっている。案内路15の上端には、ラック16が形成されている。加工装置本体123には、当該ラック16と噛み合う歯車と、歯車を強制的に回転させるサーボモータが設けられている。
【0076】
下部フレーム125には、垂直釜71が取り付けられている。垂直釜71は、これの回転方向がシート部材2の送り方向Xと略直角となっている。この垂直釜71は、加工装置本体123内に設けられたサーボモ−タによって回転するようになっており、後記針棒91と連動している。また、下部フレーム125の上壁127には、後記ミシン針93を挿通する針挿通孔129が形成されている。針挿通孔129は、ミシン針93がシート部材2の送り方向Xと略直角の方向Y(垂直釜71の回転方向と略平行)に向かって往復動するので、当該方向Yに向かって細長く形成されている。
【0077】
上部フレームには、加工装置本体123内に設けられたサーボモ−タによって回転する駆動軸81が設けられている。駆動軸81は、これの前部が前部フレーム126内に突出し、この突出部に駆動歯車82が取り付けられている。前部フレーム126には、従動軸83が回動可能に設けられている。従動軸83は、後部に従動歯車85を備え、先端に回転体86が固定されている。従動歯車85は、前記駆動歯車82と噛み合うようになっている。前記回転体86には、回転中心から偏倚して偏心ピン87が設けられている。
【0078】
前部フレーム126内には、針棒91が略垂直方向に往復動可能に取り付けられている。偏心ピン87には、クランクアーム76の一方が回動可能に取り付けられ、他方が針棒91の上端に回動可能に取り付けられている。即ち、クランクアーム76は、両端に軸受けボス77,78が形成されている。一方の軸受けボス78は、前記回転体86の偏心ピン87に回動可能に取り付けられている。他方の軸受けボス78は、前記針棒91の上部に形成されたピン92に回動可能に取り付けられている。
【0079】
前記針棒91の下端には、ミシン針93が着脱可能に取り付けられている。針棒91は、支持管95に挿通されて略垂直状態に支持されている。支持管95は、連結杆96の一端に固定されている。連結杆96の他端には、楕円環97が固定されている。楕円環97には、回転円板102の偏心ピン103が挿通している。回転円板102は、サーボモータ101の駆動軸に取り付けられている。サーボモータ101は、前部フレーム126内に設けられている。
【0080】
シート加工装置121は、上記構成を有し、最初に図1(a)に示す加工シート1Aを形成する。制御基板120の制御回路がサーボモータを駆動して歯車を回転させ、案内路15に沿って加工装置122のパンチ46をパンチ孔領域3aまで移動させる。制御基板120の制御回路が送り手段115を作動してシート部材2をX方向に送る。制御基板120の制御回路がサーボモータ41を駆動して回転体42を回転させる。回転体42の回転は、偏心ピン43,クランクアーム47,ピン44を介してパンチ棒45に伝達され、パンチ46が上下方向に略垂直状態で往復動する。なお、制御基板120の制御回路は、穿孔装置側のサーボモータ41,55を駆動している時には、縫製装置側のサーボモータ101を駆動することはない。このようにして、パンチ46は、上下方向に往復動し、シート部材2がX方向に送られるので、シート部材2のパンチ孔領域3aに直線状のパンチ孔列7aが形成される。
【0081】
次に、制御基板120の制御回路がサーボモータ41の駆動を停止させてパンチ46の動作を停止させ、さらに、制御基板120の制御回路がサーボモータを駆動して歯車を回転させ、案内路15に沿って加工装置122のミシン針93を縫い目領域5aまで移動させると、加工装置122のパンチ46がパンチ孔領域3aから外れる。制御基板120の制御回路が送り手段115を作動してシート部材2を反X方向に送り、シート部材2を初期位置に復帰させる。制御基板120の制御回路が送り手段115を作動してシート部材2をX方向に送る。制御基板120の制御回路がサーボモータを駆動する。サーボモータの回転が駆動軸81に伝達され、回転体86が回転する。
【0082】
回転体86の回転は、偏心ピン87,クランクアーム76,ピン92を介して針棒91に伝達され、ミシン針93が上下方向に略垂直状態で往復動する。また、サーボモータの駆動により垂直釜71が回転する。このようにミシン針93が上下方向に往復動し、これと同期して垂直釜71も回転するので、シート部材2の縫い目領域5aに直線状の本縫い目8aが形成される。なお、制御基板120の制御回路は、縫製装置側のサーボモータ101を駆動している時には、穿孔装置側のサーボモータ41,55を駆動することはない。
【0083】
シート加工装置121は、制御基板120の制御回路がサーボモータ55を作動させるとパンチ棒45がシート部材2の送り方向Xと略直角のY方向に向かって往復動するので、図1(c)に示すように、パンチ孔列7cを千鳥状にすることができる。同様に。制御基板120の制御回路がサーボモータ101を作動させると針棒91がシート部材2の送り方向Xと略直角のY方向に向かって往復動するので、図1(c)に示すように、縫い目8cを縫製することができる。
【0084】
なお、制御基板の制御回路に、パーフォレーション処理と縫い目のパターンをあらかじめプログラムしておき、当該プログラムに従って穿孔駆動装置、縫製駆動装置、および移送装置を動かすようにしてもよい。これによって、両者が互いに干渉し合わない加工シートをより簡便に形成することができる。
【0085】
また、シート加工装置121は、制御基板120の制御回路によってサーボモータ55及びサーボモータ101を作動させ、図1(b)に示すように、パンチ孔列7b及び縫い目8bを曲線状にしたり、図1(d)に示すように、曲線状の縫い目8dを縫製することもできる。
【0086】
さらに、シート加工装置121は、図5に示すように、シート部材2を送り手段118によってY方向に往復動させることができるので、サーボモータを駆動して加工装置本体123をY方向に移動させることなく、さらにサーボモータ55,101を駆動してパンチ棒45及び針棒91をY方向に移動させることなく、図1に示すシート加工を行うことが可能である。
【0087】
本願発明に係るシート加工装置は、パーフォレーション処理と縫い目を任意に組み合わせることができるので、多彩なデザインを行うことができる。さらに制御基板の制御回路に、パーフォレーション処理と縫い目のパターンをあらかじめプログラムしておけば、当該プログラムを変更するだけで様々な両者の組み合わせに対応することができるので、多品種少量の生産に適する。
【0088】
なお本願発明に係るシート加工装置により形成される縫い目の形状は、実施例に示した形態に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本願発明は、皮革シート、軟質合成樹脂シートに穿孔及び本縫いを行って加工シートを製造するシート加工装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本願発明に係る加工シートの説明図である。
【図2】本願発明に係るシート加工装置の正面図である。
【図3】図2のシート加工装置の穿孔装置の側面断面図である。
【図4】図2のシート加工装置の縫製装置の側面断面図である。
【図5】図2のシート加工装置の移送装置の斜視図である。
【図6】図2のシート加工装置の電気的構成を説明する説明図である。
【図7】本願発明の他のシート加工装置の正面図である。
【符号の説明】
【0091】
X シート部材の送り方向(所定方向、反縫製方向)
Y X方向と略直角の方向
1A 加工シート
1B 加工シート
1C 加工シート
1D 加工シート
2 シート部材
3 パンチ孔領域
3a〜3d パンチ孔領域
4 パンチ孔領域
4a〜4d パンチ孔領域
5 縫い目領域
5a〜5d 縫い目領域
6 パンチ孔
6a〜6d パンチ孔
7 パンチ孔列
7a〜7d パンチ孔列
8 縫い目
8a 直線縫い目
8b 曲線縫い目
8c 縫い目
8d 曲線縫い目
11 シート加工装置
12 装置本体
13 基台
15 案内路
21 穿孔装置
22 穿孔装置本体
23 下部フレーム
25 垂直フレーム
26 上部フレーム
27 前部フレーム
31 サーボモータ(穿孔移動手段)
32 歯車
33 上壁
35 パンチ受け孔
36 連結体
41 サーボモータ(穿孔駆動装置)
42 回転体
43 偏心ピン
44 ピン
45 パンチ棒
46 パンチ
47 クランクアーム
48 軸受けボス
49 軸受けボス
51 支持管
52 連結杆
53 楕円環
55 サーボモータ
56 回転円板
57 偏心ピン
61 縫製装置
62 縫製装置本体
63 下部フレーム
65 垂直フレーム
66 上部フレーム
67 前部フレーム
68 連結摺動体
69 垂直軸
70a 下端傘歯車
70b 上端傘歯車
71 垂直釜
72 サーボモータ(縫製駆動装置)
72a 駆動歯車
72b 被駆動歯車
73 上壁
74 回転軸
74a 最終歯車
75 針挿通孔
76 クランクアーム
77 軸受けボス
78 軸受けボス
81 駆動軸
82 駆動歯車
83 従動軸
84 中間傘歯車
85 従動歯車
86 回転体
87 偏心ピン
91 針棒
92 ピン
93 ミシン針
95 支持管
96 連結杆
97 楕円環
101 サーボモータ
102 回転円板
103 偏心ピン
105 歯車
106 サーボモータ(縫製移動手段)
110 移送装置
111 枠部材
112 取付部材
115 送り手段
120 制御基板(制御手段)
121 シート加工装置
122 加工装置
123 加工装置本体
125 下部フレーム
126 前部フレーム
127 上壁
128 パンチ受け孔
129 針挿通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート部材に穿孔及び縫製を行うシート加工装置であって、
装置本体には、穿孔装置と縫製装置が設けられ、
前記穿孔装置は、穿孔駆動装置によって上下方向に往復動するパンチ棒を有し、パンチ棒の先部にはパンチが固定されており、
前記縫製装置は、縫製駆動装置によって上下方向に往復動する針棒を有し、針棒の先部にはミシン針が固定され、さらに、前記ミシン針の針糸のループを引っ掛ける垂直釜が設けられており、
装置本体は、前記穿孔装置をシート部材の送り方向と略直角の方向に移動させる穿孔移動手段と、前記縫製装置をシート部材の送り方向と略直角の方向に移動させる縫製移動手段と、前記穿孔移動手段と前記縫製移動手段を駆動制御すると共に、前記穿孔駆動装置及び前記縫製駆動装置を交互に駆動する制御手段を有し、
シート部材にパンチ孔と縫い目を形成することを特徴とするシート加工装置。
【請求項2】
シート部材に穿孔及び縫製を行うシート加工装置であって、
装置本体には、加工装置が設けられ、
前記加工装置は、穿孔駆動装置によって上下方向に往復動するパンチ棒と、縫製駆動装置によって上下方向に往復動する針棒とを有し、前記パンチ棒の先部にはパンチが固定され、前記針棒の先部にはミシン針が固定されており、さらに、前記ミシン針の針糸のループを引っ掛ける垂直釜が設けられており、
装置本体は、前記加工装置をシート部材の送り方向と略直角の方向に移動させる移動手段と、前記移動手段を駆動制御すると共に、前記穿孔駆動装置及び前記縫製駆動装置を交互に駆動する制御手段を有し、
シート部材にパンチ孔と縫い目を形成することを特徴とするシート加工装置。
【請求項3】
前記針棒をシート部材の送り方向と略直角の方向に往復動させる動作手段を有し、
シート部材にパンチ孔と縫い目を形成することを特徴とする請求項1又は2記載のシート加工装置。
【請求項4】
シート部材に穿孔及び縫製を行うシート加工装置であって、
装置本体には、穿孔装置と縫製装置が設けられ、
前記穿孔装置は、穿孔駆動装置によって上下方向に往復動するパンチ棒を有し、パンチ棒の先部にはパンチが固定されており、
前記縫製装置は、縫製駆動装置によって上下方向に往復動する針棒を有し、針棒の先部にはミシン針が固定され、さらに、前記ミシン針の針糸のループを引っ掛ける垂直釜が設けられており、
装置本体は、前記シート部材を所定方向と所定方向と略直角の方向に送る移送手段と、前記移送手段を駆動制御すると共に、前記穿孔駆動装置及び前記縫製駆動装置を交互に駆動する制御手段を有し、
シート部材にパンチ孔と縫い目を形成することを特徴とするシート加工装置。
【請求項5】
シート部材に穿孔及び縫製を行うシート加工装置であって、
装置本体には、加工装置が設けられ、
前記加工装置は、穿孔駆動装置によって上下方向に往復動するパンチ棒と、縫製駆動装置によって上下方向に往復動する針棒とを有し、前記パンチ棒の先部にはパンチが固定され、前記針棒の先部にはミシン針が固定されており、さらに、前記ミシン針の針糸のループを引っ掛ける垂直釜が設けられており、
装置本体は、前記シート部材を所定方向と所定方向と略直角の方向に送る移送手段と、前記移送手段を駆動制御すると共に、前記穿孔駆動装置及び前記縫製駆動装置を交互に駆動する制御手段を有し、
シート部材にパンチ孔と縫い目を形成することを特徴とするシート加工装置。
【請求項6】
前記針棒をシート部材の送り方向と略直角の方向に往復動させる動作手段を有し、
シート部材にパンチ孔と縫い目を形成することを特徴とする請求項4又は5記載のシート加工装置。
【請求項7】
シート部材にパンチ孔領域と縫い目領域を設定する設定工程と、
パンチ孔領域において、穿孔手段によって所定間隔あけて穿孔して複数のパンチ孔を形成する穿孔工程と、
縫い目領域において、縫製手段によって縫製して縫い目を形成する縫製工程とからなり、
前記複数のパンチ孔と前記縫い目が互いに干渉し合わないようにシートを加工することを特徴とするシート加工方法。
【請求項8】
シート部材に縫い目領域とパンチ孔領域を設定する設定工程と、
縫い目領域において、縫製手段によって縫製して縫い目を形成する縫製工程と、
パンチ孔領域において、穿孔手段によって所定間隔あけて穿孔して複数のパンチ孔を形成する穿孔工程とからなり、
前記縫い目と前記複数のパンチ孔が互いに干渉し合わないようにシートを加工することを特徴とするシート加工方法。
【請求項9】
パンチ孔領域と縫い目領域が形成され、
パンチ孔領域には、所定間隔あけて穿孔された複数のパンチ孔が設けられ、
縫い目領域には、縫製された縫い目が設けられ、
前記複数のパンチ孔と前記縫い目が互いに干渉し合わないように構成されていることを特徴とする加工シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−99118(P2010−99118A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−270860(P2008−270860)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【出願人】(505290829)株式会社縫技研究所 (15)
【出願人】(591189535)ミドリホクヨー株式会社 (37)
【Fターム(参考)】