シート後処理装置及びこれを用いた画像形成装置
【課題】画像形成装置から引き出され拡開した隙間を有効に活用して滞留シートの除去や、その他穿孔屑の排除、ステープルの補充等の作業を容易に行うことが出来るシート後処理装置を提供する。
【解決手段】この装置は、シートをガイドするガイド手段を備えた第1ユニットと、シートに後処理を施す第1後処理手段を備えた第2ユニットと、シート束に後処理を施す第2後処理手段を備えた第3ユニットとを並設し、第1ユニットと、第2と第3ユニットの少なくとも一つとを連結し、その連結解除で第1ユニットに対し第2と第3ユニットをシート搬出方向に引き出し可能に連結支持する第1連結手段と、第2と第3ユニットとの隣接する奥側を回動可能に支持し、手前側を離接可能に連結し、その連結解除で第3ユニットに対し第2ユニットの手前側を第1ユニット側に開放可能に連結支持する第2連結手段とを備えている。
【解決手段】この装置は、シートをガイドするガイド手段を備えた第1ユニットと、シートに後処理を施す第1後処理手段を備えた第2ユニットと、シート束に後処理を施す第2後処理手段を備えた第3ユニットとを並設し、第1ユニットと、第2と第3ユニットの少なくとも一つとを連結し、その連結解除で第1ユニットに対し第2と第3ユニットをシート搬出方向に引き出し可能に連結支持する第1連結手段と、第2と第3ユニットとの隣接する奥側を回動可能に支持し、手前側を離接可能に連結し、その連結解除で第3ユニットに対し第2ユニットの手前側を第1ユニット側に開放可能に連結支持する第2連結手段とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンタなどの画像形成装置から搬出されたシートに穴開け、押印、束寄せ、紙綴じ、紙折り等の後処理を施すシート後処理装置及びこれを用いた画像形成装置に係わる。詳細には、画像形成装置本体に配設されたスペース空間に装着し使用することが最適なシート後処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、画像形成装置の多機能化に伴い、印字されたシートを後処理するシート後処理装置の開発が進んでいる。このようなシート後処理装置は、例えば、シート単体に穿孔装置や押印装置を使って穴開け、押印等の第1の後処理を施した後に、そのシートを束状にして交互に位置をずらせ排出する束寄せ(JOG)機構や、束状にしたものをステープラ装置、糊付け装置を使って紙綴じし、更に、その処理済みシート束を二つ折り、三つ折りと言った紙折り等の第2の後処理を施し、各種後処理を選択的に施した処理済みのシート束を集積トレイに収容できる様になっている。そして、この様な多種多様な後処理装置の各ユニットを搭載し大型化したシート後処理装置は画像形成装置の脇に連接され使用されている。
【0003】
近年、例えば、特許文献1(特開2006−248686号公報)で開示される様に、シート後処理装置自体をコンパクトに構成し、シート後処理装置を画像形成装置の脇に連接させるのではなく、画像形成装置に配設されたスペース空間に装着することが可能なシート後処理装置が普及されつつある。
【0004】
その画像形成装置は、中央部位に空間スペースを設けたコの字状の装置本体と、その中央部位に設けられた空間スペース内にコンパクト化したシート後処理装置を搭載したものである。尚、画像形成装置の脇に連接されシート後処理装置に対し、この様なコの字状の装置本体から成る画像形成装置に搭載するシート後処理装置を、所謂、胴内フィニッシャと呼ばれている。
【0005】
また、この特許文献1で開示されるシート後処理装置は、上述の多種多様な後処理装置を搭載し大型化するシート後処理装置とは違い、設置される使用環境に応じ頻度の高い後処理ユニットを選択し、選択した後処理ユニットを連接することでコンパクト化を達成している。具体的にこの場合では、本体装置から搬出されるシートの所定箇所に必要に応じてパンチ孔を開けるパンチユニットと、そのパンチユニットを通過したシートを中間集積部で束状に積載し、積載したシート束をステープルで綴じるステープルユニットと、そのステープルユニットで綴じ処理された排出されるシート束を収容集積する集積トレイから構成されている。また、パンチユニットを後処理装置フレーム側に取り付けられ、その固定支持されたパンチユニットに対しステープルユニットがシート搬出方向に摺動可能にその後処理装置フレームに取付けられている。また、そのステープルユニットには昇降可能な集積トレイが取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−248686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載の画像形成装置では、シートがシート後処理装置若しくは手前の搬送パス内に滞留することがある。そして、その滞留したシートの滞留位置によって滞留シートの除去作業がことなる。例えば、シートがシート後処理装置の手前の搬送パス内に滞留した場合には、ステープルユニットを装置本体から引き出しただけでは除去することが出来ず、予めシート搬出方向に対し直交する方向手前側に引き出し可能に設置したパンチユニットを引き出し、パンチユニットと搬送パスとの間を開放した状態で、その搬送パスを構成する上下一対のガイドの下ガイド板を下方に拡開し、そのパス内に滞留しているシートを取り除くようになっている。また、シートがシート後処理装置の搬送パス内に滞留した場合には、ステープルユニットと装置本体とのジョイントを解除して、ステープルユニットを摺動させ引き出すことで、パンチユニットとの間に隙間を空け、その隙間から滞留したシートを取り除くことが出来るようになっている。
【0008】
この様なシート後処理装置を備える画像形成装置においては、次のような二つの技術的な課題がある。
【0009】
まず、第1の課題として、パンチユニットを装置本体側に残した状態で、ステープルユニットのみを装置本体に対し摺動可能に支持し引き出す構造のものは、上述のシート後処理装置の手前に滞留したシートを除去する際に、パンチユニットを装置本体に対し手前側に引き出し得る構造としなければ成らず、パンチユニット独自の摺動機構が必要となり、コンパクト性を損なうだけでなく、シート搬出方向に対し直交する方向への引き出しにより上下に傾斜し易く、その傾斜によってシート搬出ガイド平面に対しパンチユニットのシートガイド面が傾き、その傾きで手前側か奥側のいずれか一方のシート通路間隔が狭くなり、結果、その狭くなった箇所で搬出シートが引っかかり滞留要因ともなっていた。
【0010】
また、第2の課題として、パンチユニットをシート搬出方向に対し直交する方向手前側に引き出し上述の滞留シートの除去をする場合には、滞留しているシートが存在する搬送パスが手前側に引き出されたパンチユニットの奥側に隠れ、ステープルユニットの引き出しで開口した開口部を通し覗き見て、その開口部奥側に隠れた搬送パスから滞留したシートを引き出し除去せざるを得ず作業性がし難いだけでなく、滞留したシートを除去する際に手をくの字に挿し入れることで、手が他部品に接触することで安全性にも欠けている。
【0011】
本発明は、上述した従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、特に画像形成装置の限られたスペースにシート後処理装置を設置でき、限られた移動空間で選択した各後処理ユニット間の連結ガタを抑え連結性に優れたシート後処理装置及びこのシート後処理装置を備えた画像形成装置を提供するものである。また同時に、その限られたスペース内に与えられた移動空間を使って、上述の滞留したシートの除去、パンチ屑の取り出し、ステープルの補充等の処理の内容により上手にその移動空間を使い分けることで、その処理が極めて容易に行うことが出来るシート後処理装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に記載のシート後処理装置は、順次搬入されるシートをガイドするガイド手段を備えた第1のユニットと、この第1のユニットから順次搬出されるシートに後処理を施す第1の後処理手段を備えた第2のユニットと、この第2のユニットを通って順次搬出されるシートを積載する処理トレイと、この処理トレイに載置された束状のシートに後処理を施す第2の後処理手段と、処理トレイの下流側に配置され後処理後のシートを収納する集積トレイとを備えた第3のユニットから成り、前記第1、第2、第3のユニットを順次シート搬出方向に並設するシート後処理装置であって、前記第1のユニットと、前記第2のユニット及び前記第3のユニットの少なくとも一つとを連結し、その連結解除で前記第1のユニットに対し前記第2のユニット及び前記第3のユニットをシート搬出方向に引き出し可能に連結支持する第1の連結手段と、前記第2のユニットと前記第3のユニットとの隣接する奥側を回動可能に支持し、手前側を離接可能に連結し、その連結解除で前記第3のユニットに対し前記第2のユニットの手前側を前記第1のユニット側に開動可能に連結支持する第2の連結手段とを備えた構成としている。
【0013】
また、本発明の請求項2に記載のシート後処理装置は、上記請求項1に記載するシート後処理装置において、前記第1のユニットと引き出し位置に有る前記第2のユニットとの間に拡開した隙間を確保し、前記第2の連結手段の連結解除で前記第1のユニット側への前記第2のユニットの手前側の拡開を阻止する移動阻止手段を有し、前記第1の連結手段の連結解除で前記第2のユニット及び前記第3のユニットをシート搬出方向に引き出し、前記移動阻止手段でその引き出し位置に前記第2のユニット及び前記第3のユニットを保持し、前記移動阻止手段の阻止を解除した後に前記第2の連結手段で連結解除された前記第2のユニットの手前側を拡開可能に構成している。
【0014】
また、本発明の請求項3に記載のシート後処理装置は、上記請求項1に記載するシート後処理装置において、前記第1の後処理手段は、穿孔装置であって、前記第2のユニットの手前側を前記第1のユニット側に開放することにより、傾斜した前記穿孔装置の略中央部位に対して、シート搬出方向下流側で且つ手前側から穿孔屑箱を装着可能な収納空間を備えている。
【0015】
また、本発明の請求項4に記載のシート後処理装置は、上記請求項1に記載するシート後処理装置において、前記第1のユニットと引き出し位置に有る前記第2のユニットとの間に拡開した隙間を確保し、前記第2の連結手段の連結解除で前記第1のユニット側への前記第2のユニットの手前側の拡開を阻止する移動阻止手段を有し、その移動阻止手段による保持の解除で前記第2の連結手段で連結解除された前記第2のユニットの手前側を拡開させ、前記収納空間から前記穿孔屑箱を取り出して可能な構成としている。
【0016】
また、本発明の請求項5に記載のシート後処理装置は、上記請求項1に記載するシート後処理装置において、前記第2の後処理手段は、ステープラ本体とその本体に着脱可能な針収容部とから成るステープラ装置で、そのステープラ装置は前記針収容部の針の補充信号(エンド、ニアエンド、手動)で装置手前側に移動する移動機構を有し、前記移動阻止手段による保持の解除で前記第2の連結手段で連結解除された前記第2のユニットの手前側を拡開した状態で、その拡開した手前側から前記ステープラ装置の針収容部を取り外し可能に構成している。
【0017】
また、本発明の請求項6に記載のシート後処理装置は、上記請求項1に記載するシート後処理装置において、前記第2のユニットと前記第3のユニットは、後方側が互いに蝶番機構で揺動可能に支持され、前記第2のユニットは前記第3のユニットに対し手前側が係止機構で連結解除可能に支持され、前記第2のユニットと前記第3のユニットのいずれか一方に前記係止機構の連結を解除する解除手段とを備えた構成としている。
【0018】
更に、本発明の請求項7に記載の画像形成装置は、上記請求項1に記載のシート後処理装置である胴内フィニッシャを搭載した画像形成装置であって、スタッカー上のシートを順次給送する給紙部と、前記給紙部からのシート上に所定の印刷を施す印字部と、前記印字部から送られたシート上のインクを加熱定着する定着部と、前記定着部からのシートを排紙口から順次搬出する排紙部とを備えた画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体の上方に配置され、プラテン上にセットされたオリジナル画像を読み取る画像読取装置と、前記画像形成装置本体と前記画像読取装置の間に装着されるシート後処理装置とを備え、前記シート後処理装置は、順次搬入されるシートをガイドするガイド手段を備えた第1のユニットと、この第1のユニットから順次搬出されるシートに後処理を施す第1の後処理手段を備えた第2のユニットと、この第2のユニットを通って順次搬出されるシートを積載する処理トレイと、この処理トレイに載置された束状のシートに後処理を施す第2の後処理手段と、処理トレイの下流側に配置され後処理後のシートを収納する集積トレイとを備えた第3のユニットから成り、前記第1、第2、第3のユニットを順次シート搬出方向に並設するシート後処理装置であって、前記第1のユニットと、前記第2のユニット及び前記第3のユニットの少なくとも一つとを連結し、その連結解除で前記第1のユニットに対し前記第2のユニット及び前記第3のユニットをシート搬出方向に引き出し可能に連結支持する第1の連結手段と、前記第2のユニットと前記第3のユニットとの隣接する奥側を回動可能に支持し、手前側を離接可能に連結し、その連結解除で前記第3のユニットに対し前記第2のユニットの手前側を前記第1のユニット側に開動可能に連結支持する第2の連結手段とを備えた構成としている。
【0019】
また、本発明の請求項8に記載の画像形成装置は、上記請求項7に記載の画像形成装置において、前記第1のユニットと引き出し位置に有る前記第2のユニットとの間に拡開した隙間を確保し、前記第2の連結手段の連結解除で前記第1のユニット側への前記第2のユニットの手前側の拡開を阻止する移動阻止手段を有し、前記第1の連結手段の連結解除で前記第2のユニット及び前記第3のユニットをシート搬出方向に引き出し、前記移動阻止手段でその引き出し位置に前記第2のユニット及び前記第3のユニットを阻止可能で、前記移動阻止手段の阻止を解除した後に前記第2の連結手段で連結解除された前記第2のユニットの手前側を拡開させる構成としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明の請求項1に記載のシート後処理装置においては、前記第1のユニットと、前記第2のユニット及び前記第3のユニットの少なくとも一つとを連結し、その連結解除で前記第1のユニットに対し前記第2のユニット及び前記第3のユニットをシート搬出方向に引き出し可能に連結支持する第1の連結手段と、前記第2のユニットと前記第3のユニットとの隣接する奥側を回動可能に支持し、手前側を離接可能に連結し、その連結解除で前記第3のユニットに対し前記第2のユニットの手前側を前記第1のユニット側に開動可能に連結支持する第2の連結手段とを備えた構成とすることで、従来の第2のユニットを手前側と奥側を平行に移動する場合には、例えば屑箱やスタンプインクのカートリッジ等の脱着を第2のユニットと第3のユニットとの間の隙間に差し込むと同時に第2のユニット側に押し込むクランク挿入となるのに対し、揺動開口によって、手前側が斜めになる分拡開量が大きくなり、しかも屑箱やスタンプインクのカートリッジ等を装着する装着部が手前方向から直接目視することが出来、屑箱やスタンプインクのカートリッジ等を手前側から奥側に真直ぐ差し入れることで装着することが出来、操作性が向上する。
【0021】
また、前記第1のユニットとの間に拡開したスペース空間で第2のユニットを適宜に拡開移動させることで、一つの限られたスペース空間を上手に利用することが出来、以下の効果をも呈する。
【0022】
まず第1に、第2のユニットを第3のユニットと共にシート搬出方向へ引き出すことで、第2のユニットを従来の様に手前に引き出すことが無く第1のユニットとの間を拡開し、第2のユニットに視界を邪魔されずに第1のユニットを手前から目視した状態で滞留シートの除去が出来、安全で容易に作業を行うことが出来る。
第2に、第1のユニットと第2のユニットとの間でシートが滞留した状態にある場合、従来の様に第2のユニットをシート搬出方向と直交する方向に引き出すことで、滞留シートを損傷する恐れがあるのに対し、仮に穿孔途中で装置が停止したとしても、第2のユニットの引き出しと共に穿孔途中の滞留シートをシート搬出方向に引き抜くことが出来、滞留シートを損傷する恐れが無い。
第3に、第2のユニットが第1のユニットを固定支持する装置本体に対しシート搬出方向に引き出すことで、第2のユニットの手前側と奥側を装置本体に平行に支えることが出来、従来の様に第2のユニットをシート搬出方向と直交する方向に引き出し、奥側のみ支持する構造のものと比較して、第2のユニットが第1のユニットに対する傾きが抑えられ、搬出シートの滞留率を下げることが出来る。
【0023】
また、本発明の請求項2に記載のシート後処理装置においては、前記第1のユニットと引き出し位置に有る前記第2のユニットとの間に拡開した隙間を確保し、前記第2の連結手段の連結解除で前記第1のユニット側への前記第2のユニットの手前側の拡開を阻止する移動阻止手段を有し、前記第1の連結手段の連結解除で前記第2のユニット及び前記第3のユニットをシート搬出方向に引き出し、前記移動阻止手段でその引き出し位置に前記第2のユニット及び前記第3のユニットを保持し、前記移動阻止手段の阻止を解除した後に前記第2の連結手段で連結解除された前記第2のユニットの手前側を拡開可能に構成することで、前記第1のユニットから前記第2のユニット及び前記第3のユニットをシート搬出方向に引き出し、前記移動阻止手段でその引き出し位置に前記第2のユニット及び前記第3のユニットを保持することで、上述した第1のユニットに滞留したシートの除去処理最中に前記第2のユニット及び前記第3のユニットが動くことが無く、安全に滞留したシートの除去作業を行うことができる。
【0024】
また、本発明の請求項3に記載のシート後処理装置においては、前記第1の後処理手段は、穿孔装置であって、前記第2のユニットの手前側を前記第1のユニット側に開放することにより、傾斜した前記穿孔装置の略中央部位に対して、シート搬出方向下流側で且つ手前側から穿孔屑箱を装着可能な収納空間を備え、前記第2のユニットの手前側を前記第1のユニット側への開放により、前記穿孔屑箱収納部が斜めに傾けられた状態となり、前記穿孔屑箱収納部の収納空間で広く目視可能となり、前記収納空間に穿孔屑箱を手前側から直接挿入可能で、穿孔屑箱の取り外し操作が容易になる。
【0025】
また、本発明の請求項4に記載のシート後処理装置においては、前記第1のユニットと引き出し位置に有る前記第2のユニットとの間に拡開した隙間を確保し、前記第2の連結手段の連結解除で前記第1のユニット側への前記第2のユニットの手前側の拡開を阻止する移動阻止手段を有し、その移動阻止手段による保持の解除で前記第2の連結手段で連結解除された前記第2のユニットの手前側を拡開させ、前記収納空間から前記穿孔屑箱を取り出して可能な構成とすることで、上述の前記第1のユニットに滞留したシートの除去中に不用意に前記第2のユニットの手前側を拡開する恐れが無く、高い安全性を確保することが出来る。
【0026】
また、本発明の請求項5に記載のシート後処理装置においては、前記第2の後処理手段を、ステープラ本体とその本体に着脱可能な針収容部とから成るステープラ装置で、そのステープラ装置は前記針収容部の針の補充信号(エンド、ニアエンド、手動)で装置手前側に移動する移動機構を有し、前記移動阻止手段による保持の解除で前記第2の連結手段で連結解除された前記第2のユニットの手前側を拡開した状態で、その拡開した手前側から前記ステープラ装置の針収容部を取り外し可能に構成したことで、前記第2のユニットの手前側を拡開した状態で、第2のユニット側の操作と共に併せて処理することが出来、操作性に優れている。
【0027】
また、本発明の請求項6に記載のシート後処理装置においては、前記第2のユニットと前記第3のユニットは、後方側が互いに蝶番機構で揺動可能に支持され、前記第2のユニットは前記第3のユニットに対し手前側が係止機構で連結解除可能に支持され、前記第2のユニットと前記第3のユニットのいずれか一方に前記係止機構の連結を解除する解除手段とを備えた構成としたことで以下の効果を呈する。
【0028】
まず第1に、前記第2のユニットの一端部を少なくとも常時前記第3のユニットに固定支持可能で、前記第2のユニットと前記第3のユニットの連結位置が常時保たれ、互いに位置ズレを起こすことが無く、第2の連結手段の連結、解除が確実に行うことが出来る。
第2に、仮に第2のユニットを手前側と奥側を平行に移動する場合には、例えば屑箱やスタンプインクのカートリッジ等の脱着を第2のユニットと第3のユニットとの間の隙間に差し込むと同時に第2のユニット側に押し込むクランク挿入となるのに対し、手前側の揺動開口によって、手前側が斜めになる分拡開量が大きくなり、しかも屑箱やスタンプインクのカートリッジ等を装着する装着部が手前方向から直接目視することが出来、屑箱やスタンプインクのカートリッジ等を手前側から奥側に真直ぐ差し入れることで装着することが出来、操作性が向上する。
【0029】
また、本発明の請求項7及び請求項8に記載の画像形成装置においては、上述した請求項1及び2に記載のシート後処理装置を搭載することで、上述した請求項1及び2のシート後処理装置の効果を有し、コンパクト性に優れ、しかも安全性に富んだ画像形成装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係わるシート後処理装置が画像形成装置に収納された状態を示す外観斜視図。
【図2】図1の平面断面図。
【図3】本発明に係わるシート後処理装置を画像形成装置から引き出した状態を示す外観斜視図。
【図4】図3の平面断面図。
【図5】本発明に係わるシート後処理装置の第1状態を示す外観斜視図。
【図6】本発明に係わるシート後処理装置の第2状態を示す外観斜視図。
【図7】図6の状態を別の方向から見た外観斜視図。
【図8】図2のシート後処理装置の拡大図。
【図9】図8のシート後処理装置の各ユニットの構成を説明する簡易分解図。
【図10】図9のシート後処理装置における第2のユニット内部構成を説明する平面断面図。
【図11】図10の側面断面図
【図12】図9のシート後処理装置における第3のユニットのシート積載機構部を説明する平面断面図。
【図13】図13のシート積載機構部の斜視図。
【図14】図14の部分拡大図。
【図15】図15の上昇位置における状態図。
【図16】図15の下降位置における状態図。
【図17】図9のシート後処理装置における第3のユニットの第2の後処理を説明する平面断面図。
【図18】図17の第2の後処理部を説明する平面図。
【図19】図17の第2の後処理部を説明する斜視図。
【図20】本発明に係わるシート後処理装置の制御を示すブロック図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図示の好適な実施の形態に基づいて本発明を詳述する。図1は、本発明に係わるシート後処理装置が画像形成装置に収納された状態を示す外観斜視図。図2は、図1の平面断面図。図3は、本発明に係わるシート後処理装置を画像形成装置から引き出した状態を示す外観斜視図。図4は、図3の平面断面図である。そして、図1乃至図4で示す様に、この画像形成装置は、画像形成装置本体を形成する画像形成ユニットAと、画像読取装置を形成する画像読取ユニットBと、本願のシート後処理装置を形成する後処理ユニットCとから構成されている。
【0032】
[画像形成ユニット構成]
まず画像形成ユニットAは、外装ケーシング10内に給紙部20、印字部30、定着部40、排紙部50、両面反転部60がそれぞれ組込まれ、その構成は複写機、プリンタなどで種々のものが知られている。図示の給紙部20は給紙カセットと、この給紙カセット内のシートを順次1枚ずつ分離して給送する給紙ローラで構成され、図示のものは複数の給紙カセットにサイズの異なるシートを収納し、印字サイズに応じたシートを選択的に繰り出す。
【0033】
上記各給紙カセットにはシート繰り出し端に給紙経路21が設けられ、レジストローラ22にシートを給送し、このレジストローラ22でシート先端をスキュー修正した後、この位置に待機させる。レジストローラ22の下流には印字部30が設けられている。この印字部30は静電印刷、インクジェット印刷、シルクスクリーン印刷など種々の印刷機構で構成され、図示のものは静電印刷機構を採用している。静電ドラム31の周囲には印字ヘッド、現像器、転写チャージャ、クリーニングヘッドが設けられ、静電ドラムに印字ヘッドで潜像を形成し、現像器でトナーインクを付着し、転写チャージャでシート上にインクを転写して画像形成する。図示のものはモノクロ印刷を示すが、カラー印刷の場合は例えば第1、第2の2つの静電ドラム(若しくはベルト)を設け、第1の静電ドラムに形成したトナーインクを第2の静電ドラムに転写し、この転写をY(イエロー)、M(マジック)、C(シアン)の各色成分に応じて複数回繰り返し、第2の静電ドラム上にカラー画像を形成する。次いでこの第2の静電ドラム上のカラー画像をシート上に転写する。
【0034】
このようにトナーインクを転写したシートは定着部40に送られ定着される。定着部40には一対の定着ローラが設けられ、この一対の定着ローラ対で加熱定着される。一般に、この定着ローラはトナーインクの成分によるが150℃乃至200℃の熱をシート上の画像に付加してトナーインクを凝固する。定着部40で画像形成されたシートは排紙部50に送られる。この排紙部50は排紙口51にシートを案内する排紙経路と、この経路に設けられた排紙ローラで構成されている。
【0035】
従って、コンピュータなどの外部装置で形成した原画像或いは後述の画像読取ユニットBから転送されたハードディスクその他のデータ記憶装置を介して、順次印字部30の印字ヘッドに送られる。その印字ヘッドでは画像データに応じてレーザ光などの光を静電ドラム31に照射し、現像器でトナーインクをドラム上に付着し、転写チャージャでシート上に画像形成する。このように画像形成されたシートは順次排紙部50の排紙経路から排紙口51に搬出される。
【0036】
[画像読取ユニット構成]
次に画像読取ユニットBについて説明する。この画像読取ユニットBは、画像形成ユニットAの上部に配置され、原稿シートの原画像を読取る所謂スキャナとして広く知られている。この構成は図示しないが概略次のようになっている。
【0037】
図示55はユニットケーシングであり、56は原稿載置台である。ケーシング55内にはガラスなどで形成したプラテンが設けられ、このプラテンの下部に光源ランプ、結像レンズなどの光学機構と、光電変換素子が設けられている。そして光源ランプの光をプラテン上の原稿に照射し、その反射光をミラー、レンズなどの結像光学機構でラインセンサその他の光電変換素子に結像する。一方プラテン上方には原稿載置台上の原稿をプラテンに順次所定速度で搬送するフィーダ(自動原稿送り装置)が設けられ、このフィーダで給送した原稿上の画像を光電変換素子で電気的に読み取るようになっている。
【0038】
[後処理ユニット構成]
次に後処理ユニットCについて説明する。図1乃至図4に示すように後処理ユニットCは、上述の画像形成ユニットAと画像読取ユニットBで形成されるコの字状の収納空間に配置される。
【0039】
この後処理ユニットCは、順次搬入されるシートをガイドするガイド手段を備えた第1のユニットDと、この第1のユニットから順次搬出されるシートに、穿孔装置による穿孔処理、押印装置による押印処理等の第1の後処理を施す第1の後処理手段を備えた第2のユニットEと、この第2のユニットを通って順次搬出されるシートを束状に積載する処理トレイと、この処理トレイに載置された束状のシートに、整合手段を使って束毎に交互に位置をずらす幅寄せ処理(JOG)、ステープル装置によるステープル綴じ処理、製本装置による糊綴じ処理等の第2の後処理を施す第2の後処理手段と、処理トレイの下流側に配置され後処理後のシートを収納する集積トレイとを備えた第3のユニットFとによって構成されている。そして、これら第1、第2、第3の各ユニットは、後処理ユニットCの装置本体を形成する基板フレームC1に対し順次シート搬出方向に沿って並設されている。尚、第1、第2、第3の各ユニットを、画像形成ユニットA又は画像読取ユニットBの基板フレームに対し順次シート搬出方向に沿って並設しても良い。
【0040】
そして第1のユニットDは、基板フレームC1に固定支持されている。また第2のユニットEと第3のユニットFは、第1の連結手段Hにより第1のユニットDに連結され、第1の連結手段Hの解除により第1のユニットDから離間するシート搬出方向に引き出し可能に、基板フレームC1の手前側と奥側に配設された前後一対のガイドレールLに移動自在に支持されている。更に第2のユニットEは、第2の連結手段Gによって第3のユニットFと連結され、第2の連結手段Gの解除によって第3のユニットFに対し離脱可能に構成されている。
【0041】
[ガイドレール]
尚、その一対のガイドレールLの構造は、一般に家具、特にスチール机、書類収納キャビネット等の引き出し機構として使われているもので、一方が基板フレームC1に固定されたガイドレールと、他方がそのガイドレールに対しスライド移動可能で、この実施例では第3のユニットFに固定されたガイドレールからなっている。
【0042】
[第1の連結手段]
また第1の連結手段Hは、図11で示す様に、ガイド板開閉レバーH1と係止爪H2aと係止受けH2bとから構成されている。また、ガイド板開閉レバーH1は後述する第1のユニットDに設けられた移動阻止手段D5としての機能を備えた第1の操作レバーD4(図5参照)の操作に連動して上下に動き、係止爪H2aの爪を係止受けH2と係止する係止位置とその係止を解除する解除位置に揺動させると共に、図8で示す第1のユニットDを構成するガイド手段D1の下ガイド板D1bを上下に揺動する様に機構連結されている。尚、図11では、ガイド板開閉レバーH1と係止爪H2aと第1の操作レバーD4は第1のユニットD側に、係止受けH2bは第2のユニットE側にそれぞれ配設されているが、ガイド板開閉レバーH1と係止爪H2aと第1の操作レバーD4を第2のユニットE側に、係止受けH2bは第1のユニットD側に配設しても良い。また、第2の連結手段Gによって第2のユニットEが第3のユニットFと連結する構造であることから、係止爪H2aと係止受けH2bを、第1のユニットDと第2のユニットEとの間で無く、第1のユニットDと第3のユニットFとの間に配設しても良い。
【0043】
[第2の連結手段]
第2の連結手段Gは、第3のユニットFに対し第2のユニットEの手前を拡開する場合には、図6及び図10で示す様に、第2のユニットEと第3のユニットFの後方側が互いに蝶番G1又は蝶番と同等の機能部材等から成る蝶番手段で揺動可能に支持され、第2のユニットEと第3のユニットFの手前側が、図11で示す様に、係止爪G2aと係止受けG2bから成る係止機構で連結解除可能に支持され、第2のユニットEと第3のユニットFのいずれか一方に前記係止機構の連結を解除する解除手段としての機能を備えた第2の操作レバーG3とを備えている。そして、手動操作で手前側の第2の操作レバーG3を操作し、係止爪G2aによる第2のユニットEと第3のユニットFとの連結を解除することで、第3のユニットFに対し第2のユニットEの手前側(図6参照)を前記第1のユニット側に移動可能にしている。尚、係止爪G2aは第2のユニットE側に、係止受けG2bは第3のユニットF側にそれぞれ配設されているが、係止爪G2aを第3のユニットF側に、係止受けG2bは第2のユニットEにそれぞれ配設しても良い。
【0044】
[移動阻止手段]
第1の操作レバーD4は、先に説明した第1の連結手段Hの解除を行うガイド板開閉レバーH1(図11参照)を連動し操作するだけで無く、図5で示す様に、第1の連結手段Hの解除により第1のユニットDに対し互いに第2の連結手段Gにより連結された第2のユニットEと第3のユニットFがシート搬出方向に引き出され、引き出し位置に引き出された状態で、第1のユニットDと引き出し位置に有る第2のユニットEとの間に拡開した隙間を確保すると共に、第1のユニットDにシートが滞留し、その滞留シートを除去かするために、ガイド板開閉レバーH1によりガイド手段D1の下ガイド板D1bが開放状態にある場合、不用意に第2の連結手段Gを解除してしまっても、第2のユニットEが第1のユニットD側へ移動しないように、第2のユニットEを図示の様に突っ支い棒となり阻止し、移動阻止手段としての機能を果たしている。尚、この実施例においては第1の操作レバーD4を突っ支い棒として移動阻止手段D5に兼用しているが、第1の操作レバーD3と駆動連結する異なる部材で移動阻止手段D5を構成しても良く、また突っ支い棒でなくとも引き出された第2のユニットEが少なくとも前記第1のユニットD側に移動しえない様に阻止することが出来るもので有れば良い。
【0045】
実際に、第1の連結手段Hの解除で第2のユニットE及び第3のユニットFをシート搬出方向に引き出し、第1の操作レバーD4(移動阻止手段D5)でその引き出し位置に第2のユニットE及び第3のユニットFを保持し、第1の操作レバーD4による阻止を解除した後に第2の連結手段Gで解除された第2のユニットEの手前側を第1のユニットD側に移動可能にしている。
【0046】
以下、図5乃至図9に基づき後処理ユニットCについて詳述する。図5は、上述の図3及び図4で示すシート後処理装置の第1状態に在る外観斜視図。図6は、本発明に係わるシート後処理装置の第2状態を示す外観斜視図。図6Bは、本発明に係わるシート後処理装置の第2状態を示す他の実施例の外観斜視図。図7は、図6の状態を別の方向から見た外観斜視図をそれぞれ示している。また、図8は上述した図2のシート後処理装置の拡大図。図9は図8のシート後処理装置の各ユニットの構成を説明する簡易分解図を示している。
【0047】
[第1のユニット構成]
まず、画像形成ユニットAから順次搬入されるシートを第2のユニットEを介し第3のユニットFへ搬出すべく、そのシートをガイドするガイド手段を備えた第1のユニットDに関し、図9に基づき説明する。そのガイド手段は以下の構成を備えている。
【0048】
まず一定の間隔を隔て上下に配設された一対のガイド板D1(D1a、D1b)。
また、その一対のガイド板D1の間を搬出される最小シート幅間隔でシート搬出方向に配設(図示は一箇所)され、一方が上ガイド板D1aに、他方が下ガイド板D1bに回転可能に軸支された一対の搬送ローラD2。
また、受け入れたシートを第2のユニットE及び第3のユニットFの後処理を施すために第2のユニットEを介し第3のユニットFの後述する集積トレイ112へ排出する第1の搬送路F1と、受け入れたシートを第2のユニットE及び第3のユニットFの後処理を施すことなく直接後述する収納トレイ113へ排出する第2の搬送路F2とのいずれかにシートを導く搬送方向切替片D3aと、受け入れたシートの一面に印刷が施された両面印刷シートの後端を受け入れ、画像形成ユニットAの両面反転部60(デュープレックス)へそのシートをフィードバックする為に用いられる第3の搬送路F3と上述の第2の搬送路F2とのいずれかにシートを導く搬送方向切替片D3bとから成る搬送方向切替片D3。
また、ガイド位置に有るときは各搬送ローラ対D2が互いに押圧する位置に下側のガイド板D1bを上方に押し上げ、開放位置では下側のガイド板D1bが上ガイド板D1aから遠ざかり、各搬送ローラ対D2が互いに離間され、搬送路内に滞留したシートのニップを解除し取り出し可能にするガイド板開閉レバーH1(図11参照)。
また、下側のガイド板D1bの近傍には、手動操作で直立状態にある解除位置と、ほぼ直交する横向き状態に倒された阻止位置との間で回動可能で、その阻止位置で前述の第1のユニットDから引き出され引き出し位置に在る第2のユニットE及び第3のユニットFをその引き出し位置からの移動を阻止する移動阻止手段として機能し、しかもその阻止とほぼ同時に駆動連結するガイド板開閉レバーH1を操作して下側のガイド板D1bを解放可能にすることが出来る第1の操作レバーD4(移動阻止手段D5)。
更に、図示しないユニット手前側又は奥側の側壁ガイド板に一対の搬送ローラD2を正転・逆転制御し、且つ搬送方向切替片D3にそれぞれ備えたクラッチを介し正転・逆転で方向を切り替える制御を兼用し司る正逆転可能なステッピングモータ。以上の構成を少なくとも備えている。
【0049】
[第2のユニット構成]
次に、第1のユニットDから順次搬出されるシートに穿孔、押印等の後処理を施す第1の後処理手段を備えた第2のユニットEに関し説明する。この実施例では、図10及び図11でその詳細を示す様に穿孔装置で構成されている。この穿孔装置は、穿孔機構部E1と、この穿孔機構部E1を穿孔するシートのサイズ、搬送位置ズレに応じた穿孔位置に適宜移動させ各パンチを位置付ける移動機構部E2と、この移動機構部E2の移動タイミングを制御するシートの先端を検出するセンサE3とから成る。尚、穿孔機構部E1は移動機構部E2の駆動モータを支持する第2のユニットEの装置本体に掛け渡された2本のガイドシャフトE8に移動自在に支持され、移動機構部E2の駆動モータの回転方向に切換えることでシート搬出方向に対し直交する方向に往復動できる。
【0050】
その穿孔機構部E1は、正逆転可能なパンチ駆動モータE4と、このパンチ駆動モータE4によって回転する回転シャフトE5と、この回転シャフトE5にそれぞれ回転位相が異なるカムにより順次押圧され上下動する複数個のパンチE6と、このパンチE6によって穿孔されたシートの屑を回収する屑箱E7と、その屑箱E7内の屑が所定量になったことを検出する満杯検知センサー(発光素子E9と受光素子E10)とから構成されている。
【0051】
また、この穿孔装置を組み込んだ第2のユニットEは、第3のユニットFに対し、後方側が互いに蝶番G1で連結され、蝶番G1の揺動支点を中心に回動自在に支持されている。そして、手前側が手動操作で離脱解除可能な係止爪G2と第2の操作レバーG3から成る第2の連結手段Gによって連結されている。そして、手動操作で手前側の第2の操作レバーG3を操作し、係止爪G2による第2のユニットEと第3のユニットFとの連結を解除することで、第2のユニットEを第3のユニットFの手前側を切り離し拡開することが出来る様になっている。
【0052】
更に、屑箱E7は、図10の状態で紙面手前側に取り出され、図11の状態で紙面左側に取り出し可能に穿孔機構部E1に装着される。特に、この穿孔装置を組み込んだ第2のユニットEが第3のユニットFに対し手前側を拡開することで、第2のユニットEに組み込まれた穿孔装置が横斜め姿勢と成り、穿孔装置の屑箱収納部が操作手前前方から目視可能で、直接屑箱の先端部を屑箱収納部に差し入れることが可能で、屑箱をほぼ手前から奥側に差し入れることで装着することで、装着性に優れている。また、満杯になった屑箱の屑を除去する際にも、従来の様に一端横に引き出した後、手前側に引き出すクランク動作が無く、屑が不用意に装置内にこぼれることも無い。
【0053】
尚、図10において複数個のパンチE6に付記した数字2、3、4は、シートへの穿孔処理の種類に応じ作動するパンチを示すもので、例えば、パンチ駆動モータE4の正転で二孔処理を逆転で三孔処理か四孔処理を行う様に予め設定可能で、二孔処理の場合にはパンチに付記した2の数字のパンチのみがカムにより昇降され、三孔処理の場合にはパンチに付記した3の数字のパンチのみがカムにより昇降され、四孔処理の場合にはパンチに付記した4の数字のパンチのみがカムにより昇降される様にカムの形状、位相等を設定することで可能である。また、パンチの数を増やすことで他の孔処理も可能である。
【0054】
また、穿孔装置に替えて押印装置を用いることも可能で、その場合には穿孔装置の穿孔機構部E1に代えて押印装置の押印機構部を配置し、穿孔装置の屑箱スペースを利用してインクホルダーを配置することで、同様に利用することが出来る。
【0055】
[第3のユニット構成]
次に、図9で示す第3のユニットFに関し説明する。この第3のユニットFは、第2のユニットEを通って順次搬出されるシートをシート束集積機構によって積載する処理トレイ64と、その処理トレイ64に載置された束状のシートに幅寄せ、ステープル綴じ、糊綴じ等の後処理を施す第2の後処理手段F1と、処理トレイ64の下流側に配置され後処理後のシートを収納する集積トレイ112と、第2のユニットEを通らずに直接第1のユニットDから搬出されるシートを収納する収納トレイ113とによって構成されている。尚、この実施例では、第2の後処理手段F1としてステープル綴じ装置を搭載している。以下、図12乃至図19に基づき詳述する。
【0056】
[シート束集積機構]
まず、処理トレイ64にシートを束状に集積するシート束集積機構に関し図10乃至図16に基づき説明する。図12に示すようにシート束集積機構は、第1のユニットDの排紙口と連なる排紙経路62(以下ユニット排紙経路という)と、このユニット排紙経路62からのシートを一時的に載置する処理トレイ64と、この処理トレイ64上のシートに後処理を施す第2の後処理手段F1(図17参照)と、処理トレイ64から送られた処理済シートを収納する集積トレイ112(図9参照)とから構成される。
【0057】
そして、ユニット排紙経路62はシートを案内するガイド板62aとシートを搬送する搬送ローラ62b(駆動側ローラ)および搬送ローラ62g(従動側ローラ)とが設けられている。尚、62fは搬送ローラ62g(従動側ローラ)をガイド板62aに支持する軸である。また、このユニット排紙経路62の排紙口63には排紙ローラ69が駆動側ローラ69aと従動側ローラ69bとで設けられ、順次排紙口63からシートを搬出する。この排紙口63の下流に処理トレイ64が高低段差を形成して下側に配置されている。そこで排紙口63の駆動側ローラ69aには後述の位置決め手段65にシートを搬出する移送手段66が設けられている。このように排紙口63に設けられる移送手段66としてはキャタピラベルト、パドル搬出機構などが知られているが図示のものはエンドレスベルトの表面に複数の突起を形成してこの突起でシート後端を押出すキャタピラベルト67で構成されている。
【0058】
このキャタピラベルト67は一端を前述の駆動側ローラ69aの駆動軸69cに設けたプーリに嵌合してある。そしてキャタピラベルト67の他端は駆動軸69cに揺動自在に軸承した支持アーム68に取付けたプーリに嵌合してある。従って排紙ローラ69の駆動軸69cを中心にキャタピラベルト67は揺動自在に支持され、その先端は処理トレイ64に載置されたシート上に当接し、基端部を駆動軸69cによって回転駆動されることとなる。
【0059】
そこで、ユニット排紙経路62からのシートは排紙ローラ69で排紙口63から順次搬出され、キャタピラベルト67の上面側で処理トレイ64に送られ、次いでベルト下面側で処理トレイ64の最上紙に沿って反転搬送される。尚、図示61は排紙口63に設けられたガイド片であり、シート先端が進入するときは上方に退避し、シート後端をキャタピラベルト67に沿って処理トレイ方向に案内する。処理トレイ64にはシートを突当て規制する位置決め手段65が設けられ、シートはこの位置決め手段65に沿って整列される。図示の位置決め手段65はシートの搬送方向後端を突当て規制する位置に処理トレイ64から突出した突起部材で構成している。
【0060】
更に、図13及び図14はそのシート束集積機構の要部を斜視図で示したもので、駆動機構はユニットフレームを構成する左右の側枠フレーム60a(図18参照)に支えられている。そして、その左右の側枠フレーム60aには、排紙ローラ69を駆動回転する駆動軸69cと搬送ローラ62b(駆動側ローラ)を駆動回転する軸62eと、駆動ローラ73の駆動回転軸77と、加圧レバー82の回転支軸83がそれぞれ軸承され、また軸62eと駆動軸69cは第1搬送モータM1に連結され、駆動ローラ73には回転駆動軸77に第2搬送モータM2が連結されている。
【0061】
そして、その回転支軸83には単一(独立)の加圧モータM4が扇形ギア85を介して連結され、図15及び図16に示す様に、その加圧モータM4のパルス制御によって加圧レバー82はシートと圧接する方向に降下(逆転で離反する方向に上昇)する。この加圧レバー82のシートに圧接する方向への降下に伴って、ユニット排紙経路62中の搬送ローラ62b(駆動側ローラ)と駆動側排紙ローラ69a及びキャタピラベルト67をそれぞれシート搬出方向に駆動回転し、また、回転駆動軸77と駆動ローラ73との間は伝動ベルト73cで駆動連結されている。この第2搬送モータM2は正逆転可能なモータで構成され、ユニット排紙経路62から搬出されたシートを排紙方向に搬送した後、このシート後端が処理トレイ64上に搬出された後は逆方向に回転してシート後端が位置決め手段65に到達するまで反転搬送し、その動作を順次搬出されるシートに対し行うことで、処理トレイ64上にシートを束状に積載する。
【0062】
[第2の後処理手段の構成]
次に、図17で示す様に、位置決め手段65で規制され処理トレイ64上に積載されたシート束は、第2の後処理手段Fによって幅寄せ、ステープル綴じ、糊綴じ等の第2の後処理手段により後処理が施こされる。この実施例においては第2の後処理手段としてステープラ装置が配設けられているが、製本機等で使われている糊を使った綴じ装置でも良い。
【0063】
そこで、その第2の後処理手段として用いたステープラ装置について図18及び図19に基づき詳述する。このステップル装置F1で構成される後処理装置100はハウジング106に図示しないステップルヘッドとアンビルブロックが組込まれ、針状のステップルをコ字状に折り曲げてシート束に圧入し、その先端をアンビルブロックで折り曲げて綴じるように構成される。ハウジング106は断面チャンネル形状のフレーム部材で構成され、その左右一対の側枠フレーム60aにヘッドブロックとアンビルブロックを互いに圧接、離間自在に配置する。通常は基端を互いに軸承した上下レバー部材の一方にヘッドブロックを他方にアンビルブロックを取付ける。そしてこの上下レバー部材は側枠フレーム60aに取付けたカム部材と、このカム部材を駆動するカム駆動モータM5(図示せず)で離間位置から圧接位置に往復動される。
【0064】
この動作の過程でヘッドブロックは直線状のステップル針をフォーマ部材でコ字状に折り曲げ、次いでドライバ部材でこのコ字状ステップル針をシート束に圧入する。一方アンビルブロックには圧入された針の先端を内側に折り曲げるアンビル(台座)が設けられている。従って後処理装置100はステップルヘッドとアンビルブロックと、この両者を離間位置から圧接位置に綴じ動作させるカム部材と、そのカム駆動モータM5(図示せず)とでユニット化されている。尚この後処理装置100にはステップル針を収容したカートリッジが着脱交換自在に取付けられる。
【0065】
以上のように構成された後処理装置100は後処理ユニットCに設けたガイドレール107に摺動自在に支持される。図2に示すようにガイドレール107は後処理ユニットCの側枠フレーム60aに取付けたガイド軸107aとスライダー107bで構成され、ガイド軸107aは後処理装置100のハウジング106に形成した嵌合孔107cに嵌合し支持し、スライダー107bはハウジング106に設けたコロを係合して支持する。そしてこのガイド軸107aに沿って駆動ベルト108が一対のプーリ間に架渡してあり、ハウジング106はこの駆動ベルト108の一部に固定され、一方のプーリ108a(図5参照)にユニット移動モータM3が連結してあり、このユニット移動モータM3は、ステッピングモータで構成され、供給するパルス電流に応じて所定量後処理装置100を移動し、このステップル機構101によってシート後端の所定位置に後処理が施される。
【0066】
[整合機構]
また、処理トレイ64には以下の整合手段91が装備される。この整合手段91は搬送方向と直交するシートの側縁を規制してシートを処理トレイ上に所定の姿勢で収納する。図示の装置はユニット排紙経路62に画像形成ユニットAからシートがセンター基準で搬出される。この為、排紙口63から幅サイズの異なるシートは搬送方向中央(センター)を基準に処理トレイ64上に積み重ねられ、その後端縁を前述の位置決め手段65に突き当てられる。
【0067】
そこで整合手段91は、右側整合板93aと左側整合板93bで左右一対の整合板93で構成される。トレイ状の処理トレイ64には幅方向にスリット溝93c、93dが設けられ、このスリット溝93c、93dに断面L字状の整合板93が移動自在に嵌合され、処理トレイ64の背面側にはスリット溝93c、93dの方向に歯面を有するラックが整合板93と一体に設けられている。左右の整合板93a、93bは同一の構成でそれぞれスリット溝93c、93dに摺動自在に保持され、一体に形成したラックにピニオンが噛合してある。そして左右それぞれのピニオンには減速歯車を介して整合モータが連結してある。
【0068】
整合モータはステッピングモータで所定の電源パルスを供給すると左右の整合板93a、93bが同一量互いに接近及び離間する。整合板93a、93bのそれぞれにポジションセンサS2が設けてあり、シートのセンターを基準に左右の整合板93a、93bが対称となる位置にホームポジションが設定されている。この位置から左右の整合モータM6a、M6bを同一量回転すると左右の整合板93a、93bはセンター側に移動し、シート側縁を幅寄せする。そこで画像形成ユニットAで搬出したシートの幅サイズ信号を後処理ユニットCの制御部(制御CPU90)が受信して、シート幅に応じた電源パルスを整合モータM6a、M6bに供給すると左右の整合板93a、93bはシートサイズに応じた待機位置に移動し、シートが処理トレイ64上に搬送された後はこのシートを幅寄せしてセンター基準で整然と位置決めすることが可能となる。
【0069】
[後処理済シート束排出機構]
次に処理後のシートを処理トレイ64から搬出する搬送機構について図12を使って説明する。処理トレイ64には隣接する集積トレイ112(図9参考)にシートを搬出する搬送手段72が設けられている。この搬送手段72はシートを搬送する駆動ローラ73とこの駆動ローラ73をシートと当接する作動位置とシートから離間した退避位置との間で移動自在に支持するローラ支持手段75で構成されている。
【0070】
図示のものはユニットフレーム(図示せず)に固定した駆動回転軸77に基端部を軸承したアーム部材76を設け、このアーム部材76の先端にシート幅方向に2つの駆動ローラ73a、73bを軸承し、この駆動ローラ73に伝動ベルト73cで駆動回転軸77の駆動を伝達して搬送手段72を構成している。従って駆動ローラ73は駆動回転軸77の駆動でシート搬送方向に回転するのと同時に、この駆動回転軸77を中心に揺動し処理トレイ64上のシートと当接する作動位置と退避位置との間で昇降自在に支持されることとなる。
【0071】
そこで、このアーム部材76には次の押圧力付与手段80が設けられている。アーム部材76と同様にユニットフレーム(図示せず)に固定された回転支軸83に基端部を軸承した加圧レバー82が設けられ、その先端部がアーム部材76に係合してある。回転支軸83にはステッピングモータから成る加圧モータM4が駆動ギア86を介して扇形ギア85に回転支軸83が一体に連結してあり加圧モータM4の正逆回転で回転支軸83は図9反時計方向に回転すると加圧レバー82は上昇し時計方向で下降する。
【0072】
また扇形ギア85には所定以上の上昇を阻止する上限ストッパ85aが設けられ図示しないユニットフレームと当接してそれ以上の上昇を禁止する。同様に扇形ギア85にはアクチュエータ85bが一体に設けられ、ユニットフレームに取付けられたポジションセンサS2でこれを検出する。従ってこのポジションセンサS2で扇形ギア85の原位置を検出し、これを起点に加圧モータM4を所定方向に所定量回転することによって加圧レバー82の上下動作を制御することが可能となる。
【0073】
そこで加圧レバー82の先端にはウィング状の係合片82aが設けてあり、この係合片82aはアーム部材76に形成した係合溝76aに嵌合してある。そしてアーム部材76と加圧レバー82との間には蓄勢スプリング81が設けてあり、加圧レバー82の下降運動は蓄勢スプリング81を介してアーム部材76に伝達され、このアーム部材76に駆動ローラ73が軸受支持されている。一方加圧レバー82の上昇運動は係合片82aが係合溝76aの上壁に当接してアーム部材76を上昇させるようになっている。
【0074】
従って加圧モータM4の正逆転によって加圧レバー82はアーム部材76を上昇及び下降させることとなり、下降時には蓄勢スプリング81を介して駆動ローラ73を処理トレイ64上のシートに押圧する。この押圧力は加圧モータM4に供給するパルス電流の制御によって大小加減することが可能となる。尚、図示81bは緩衝レバーで、ユニットフレームに軸81cで軸承され、先端部は蓄勢スプリング81と加圧レバー82との間に配置されスプリングを保持するようにアーム部材76の係合孔76bに嵌合してある。
【0075】
一方処理トレイ64には駆動ローラ73に対向する位置にピンチローラ74が配置してあり、処理トレイ64上のシートはこの駆動ローラ73とピンチローラ74でニップされる。かかる構成の処理トレイ64の下流には集積トレイ112が設けられ、搬送手段72で送られた処理済みシートを収納する。
【0076】
図示の集積トレイ112はユニットフレーム(図示せず)に片持ち支持され、フレーム側のガイドレールに沿って昇降自在に支持されている。そして図示しないがこの集積トレイ112はトレイ昇降モータM7によってシートの積載量に応じて降下し、常に最上のシートの位置を所定位置に保っている。図示112aは紙面高さを検出するセンサであり、112bはそのアクチュエータである。このセンサ112aはトレイ上のシートの高さ位置を検出するのと同時に満杯を検出するようになっている。
【0077】
[後処理ユニット引き出し機構]
以上説明した後処理ユニットCは画像形成ユニットAから分離したユニットで構成され、左右の側枠フレーム60aに前述の処理トレイ64、後処理装置100を支持(担持)するガイド軸107a及びスライダー107bをそれぞれ固定し、更に集積トレイ112を昇降自在に支持するガイドレール107を固定し、ユニットとして画像形成ユニットAの排紙口51に組込むようになっている。
【0078】
そして、この後処理ユニットCは図3及び図4に示すように、画像形成ユニットAに第1のユニットDを取付け、その第1のユニットDに対し引出し状に装着及び離脱自在に組込まれている。その為、側枠フレーム60a、60bと画像形成装置のフレームにはガイドレールG4が左右に設けてあり、両者が摺動自在に嵌合してあり、図1及び図2に示す装着状態では画像形成ユニットAとの間で電源の供給と各種信号の伝達用のコネクタが連結される。
【0079】
また、第1のユニットDには、第2のユニットEと第3のユニットFを引き出した位置に保持する保持レバー(保持手段)が備えられ、第1のユニットDに滞留したシートを除去している最中に、不用意に第2のユニットEと第3のユニットFが動くことが無い様に安全性が確保されている。
【0080】
[後処理ユニット制御]
次に、図20に基づき後処理ユニットCに搭載した制御CPU90の制御について説明すると、制御CPU90には画像形成ユニットAから後処理のモード指示信号と、一連(後処理を施す)のシートの排紙終了を伝達する信号(後処理開始信号)とシートサイズを伝達する信号(サイズ信号)が伝達される。またこの制御CPU90にはユニット排紙経路62に設けたシートの先端と後端を検出する入口センサS1(図9参照)の信号と集積トレイ112のレベルセンサS3(図9参照)の信号及び整合手段91(図19参照)のポジションセンサの信号、加圧レバー82の回動支軸83を取付けた扇形ギア85のポジションセンサS2(図13参照)の信号、並びに後処理装置100のポジションセンサS4(図19参照)の信号がそれぞれ伝達される。
【0081】
一方、制御CPU90からは第1搬送モータM1及び第2搬送モータM2の駆動回路と、整合板91の整合モータM6a,M6bの駆動回路と、後処理装置100のユニット移動モータM3と、カム駆動モータM5の駆動回路と、加圧レバー82に連結した加圧モータM4の駆動回路にそれぞれ制御信号を発するように結線されている。
【0082】
次に各動作について説明する。上述の後処理ユニットCにはその制御信号を構成する制御CPU90が次の各動作を実行する。尚、上述の実施例に即して第2のユニットEとして穿孔装置を、第3のユニットFとしてステープラ装置を搭載した際の制御について説明する。他の後処理装置を選択し連結した場合には、その選択した後処理装置を駆動制御する各種制御装置に置換え連結し行うことが出来る。
【0083】
[第1のユニット制御]
まず、画像形成ユニットAからシート排出の指示信号を受けて制御CPU90は第1のユニットを制御する。その動作としては、まず、第1のユニットDに設けられた正逆転可能な図示せぬ駆動モータを駆動し搬送ローラ対D2をシート搬出方向に回転させると共に、受け入れたシートに後処理を施すか否かの信号を受け、後処理を施すことなく直接排紙スタッカーへ排出する場合と先に説明した両面複写の際には第1の搬送路F1を、後処理を施すために第2のユニットEを介し第3のユニットFの後処理を実行した後に処理トレイへ排出する第2の搬送路F2とのいずれかにシートを導くために搬送方向切替片D3を適宜切替える。尚、両面複写の際には画像形成ユニットAから搬出シートの後端が所定位置に排出されたことを示す信号を受け、第1のユニットDに設けられた駆動モータが逆転され、第1の搬送路F1に先端を送り込んだシートをスイッチバックさせ画像形成ユニットAの反転ユニット60へ送り込む制御を行う。
【0084】
[第2のユニット制御]
次に、画像形成ユニットAから第1後処理(この実施例では、穿孔処理)の指示信号を受けて制御CPU90は第2のユニットEに搭載された穿孔装置E1を制御する。その動作としては、まず搬出シートが第2の搬送路F2内に送り込まれる様に搬送方向切替片D3の方向を切替え、第2のユニットEに搭載された穿孔装置E1の穿孔位置に搬出シートを搬送させる。そして、その搬出シートの先端が図10及び図11で示すセンサE3によって検出され、その検出信号を受け、予め画像形成ユニットAから受け取った搬出シートのサイズ、図示せぬスキュー検出信号によるスキュー量等の情報を制御CPU90が処理し、ホームポジションに位置する穿孔装置E1を移動機構部E2の駆動モータによって搬出シートの後方穿孔箇所が穿孔位置に到達する間に移動待機させ、その搬出シートの搬送速度から穿孔箇所が穿孔位置に到達し得るタイミングを計り穿孔処理を行う。
【0085】
また、制御CPU90は画像形成ユニットAから予め受信したシートへの穿孔処理の種類(二孔、三孔、四孔、他孔等)に応じ正逆転可能なパンチ駆動モータE4(図10参照/この実施例では正転で二孔、逆転で四孔を可能に予め設定されている場合)を、二孔処理の場合は正転し、四孔処理の場合は逆転させ、搬出シートに穿孔処理を行う。
【0086】
更に、制御CPU90は屑箱E7内の屑が満杯に成った際に、満杯検知センサー(発光素子E9と受光素子E10)の受光素子E10の信号を受け、画像形成ユニットAに屑箱E7が満杯に成ったことを使用者に表示、次シートの複写動作の中断等をフィードバック制御する。
【0087】
[第3のユニット制御]
次に、画像形成ユニットAから第2後処理(この実施例では、ステープラ綴じ処理)の指示信号を受けて制御CPU90は、図13で説明した第1搬送モータM1を起動し、搬送ローラ62b(駆動側ローラ)と排紙ローラ69a及びこれに連結したキャタピラベルト67(移送手段)をシート排紙方向に回転する。これと同時に制御CPU90は図19で示す冷却ファン110の駆動モータを回転し送風を開始すると共に後処理装置100(F1)のユニット移動モータM3を回転制御して、この後処理装置100を所定位置に位置付ける。この後処理装置100は冷却ファン110からの送風をユニット排紙経路62のガイド板62aに偏向するように所定位置が予め設定される。
【0088】
[シート束集積制御]
次に、制御CPU90は、画像形成ユニットAのサイズ信号を得て、整合手段91の整合モータM6a及びM6bを駆動する。この整合モータM6a及びM6bで左右の整合板93a、93bを送られてくるシートの幅サイズより若干大きい待機位置に移動する。この整合モータM6a,M6bの制御は、左右整合板93a,93bをそれぞれのホームポジションから予めシートサイズに応じて設定された待機位置に移動するように設定された電源パルスをモータに供給する。この電源のパルス数は制御CPU90から発する。
【0089】
更に、制御CPU90は、ユニット排紙経路62の入口センサS1からのシート後端検知信号を得てこのシートが処理トレイ64上に到達する見込み時間の後、駆動ローラ73を退避位置から作動位置に移動する。この制御は加圧レバー82の回転支軸83に連結されている加圧モータM4を図12反時計方向に回転する。この回転量は予め定められ処理トレイ64上のシート束を搬出するに十分な搬送力を付与するように設定されている。この加圧モータM4の回転で加圧レバー82は図12反時計方向に揺動し、レバー先端は蓄勢スプリング81を押下して駆動ローラ73を押圧する。この駆動ローラ73を退避位置から作動位置に押下した後、制御CPU90は第2搬送モータM2を回転駆動する。すると処理トレイ64上に搬出されたシートは反転してその後端側を処理トレイ64上の位置決め手段65に向けて駆動ローラ73で送られる。
【0090】
そして、制御CPU90はシート後端が位置決め手段65に到達する見込み時間の後この第2搬送モータM2を停止する。これと共に制御CPU90は加圧レバー82の作動モータM4を逆回転させて駆動ローラ73を退避位置に移動し、その後停止する。
【0091】
このようにシートが処理トレイ64上の所定位置に送られた後、制御CPU90はシートを整列するため次の動作を実行する。つまり制御CPU90は入口センサS1からのシート後端検知信号からシートが位置決め手段65に到達する見込み時間の後、前記整合モータM6a,M6bを所定量駆動して左右の整合板93a,93bをシートのセンターを中心に所定量移動する。すると処理トレイ64上に運ばれたシートは左右側縁を整合板93によって幅寄せされ整列される。
【0092】
この整合モータM6a,M6bの制御も待機位置と整合位置(ストロークはシート幅サイズに応じて予め設定されている)との間で往復動するように供給電源のパルス数を制御CPU90から駆動回路に伝達する。このように順次一連のシートを搬出すると画像形成ユニットAからの像形成の終了信号を受けて、制御CPU90は後処理装置100のユニット移動モータM3を起動制御する。これと同時に制御CPU90は第1搬送モータM1と第2搬送モータM2を停止する。図示の後処理装置100はステップラーで構成され、予め画像形成ユニットAから送られた処理モード信号に応じて設定された位置に後処理装置100を移動する。
【0093】
[ステープラ綴じ制御]
上述のようにシートの搬出から整合までの動作を繰り返し、画像形成ユニットAから一連のシートが処理トレイ64上に積載された状態で制御CPU90は画像形成ユニットAから画像形成終了信号を受けて後処理動作を実行する。図示のステップラーの処理モードは中央2個所綴じとコーナ綴じ或いはその他の綴じ位置が予め設定されている。中央2個所綴じのときは、制御CPU90はシートサイズに応じて算出した最初の位置に後処理装置100を移動するようモータM3を制御し、後処理装置100に処理実行の指示信号を送り、処理を実行させる。この処理動作の完了後、制御CPU90は再び後処理装置100を次の位置に移動し、処理実行の信号を送る。後処理装置100のユニット移動モータM3は制御CPU90から送られたコマンド信号に基づいてその回転方向と、パルス数指示信号に基づいてその回転量で後処理装置100を所定位置に移動する。
【0094】
[シート束排出制御]
そして、後処理動作の終了後、制御CPU90は、処理トレイ64上の処理済みシートを集積トレイ112に搬出する。まず制御CPU90はこのときのモータの回転数を駆動ローラ73に所定の周速度を付与するように設定され、駆動ローラ73の回転でピンチローラ74との間にニップされたシートは集積トレイ112に向かって搬出される。
【0095】
次に、制御CPU90は、駆動ローラ73の位置とシート後端の位置決め手段65との距離間隔から算出してシート後端がローラ位置に到達する直前に第2搬送モータM2の回転速度を第2の速度に減速するのと同時に加圧レバー82の押圧力を軽減する。これはシート後端が駆動ローラ73から離脱する際にその速度と押圧力(従動ローラとの間のニップ力)を軽減してシート後端が崩れるのを防止する為である。
【0096】
制御CPU90はシート搬出の指示信号(例えば後処理装置の動作終了信号)を受けて加圧モータM4を駆動し、加圧レバー82で駆動ローラ73をシートと当接する作動位置に移動し例えば10ニュートンの力がシートに加わるように設定する。この動作の後、加圧モータM4を停止し、加圧レバー82から一定の押圧力(10N)が駆動ローラ73に作用する。次いで制御CPU90は第2搬送モータM2を起動して駆動ローラ73を第1の周速度450mm/sで駆動する。すると処理トレイ64上のシートは駆動ローラ73とピンチローラ74にニップされ集積トレイ112に向かって搬出される。
【符号の説明】
【0097】
A 画像形成ユニット(画像形成装置本体)、
20 給紙部、
30 印字部、
40 定着部、
50 排紙部、
60 両面反転部、
B 画像読取ユニット(画像読取装置)、
C 後処理ユニット(シート後処理装置)、
D 第1のユニット(ガイドユニット)、
D1 ガイド手段
D1a 上ガイド板
D1b 下ガイド板
D2 一対の搬送ローラ
D3 搬送方向切替片
D3а 第1の搬送方向切替片
D3b 第2の搬送方向切替片
D4 第1の操作レバー
D5 移動阻止手段
E 第2のユニット(穿孔ユニット)、
E1 穿孔機構部
E2 シート搬送ガイド
E3 穿孔屑箱収納部
E4 穿孔屑箱
F 第3のユニット(ステープラユニット)、
64 処理トレイ、
F1 第2の後処理手段、
112 集積トレイ、
113 収納トレイ
G 第2の連結手段
G1 蝶番
G2a 係止爪
G2b 係止受け
G3 第2の操作レバー(解除レバー)
H 第1の連結手段
H1 ガイド板開閉レバー
H2a 係止爪
H2b 係止受け
L 一対のガイドレール
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンタなどの画像形成装置から搬出されたシートに穴開け、押印、束寄せ、紙綴じ、紙折り等の後処理を施すシート後処理装置及びこれを用いた画像形成装置に係わる。詳細には、画像形成装置本体に配設されたスペース空間に装着し使用することが最適なシート後処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、画像形成装置の多機能化に伴い、印字されたシートを後処理するシート後処理装置の開発が進んでいる。このようなシート後処理装置は、例えば、シート単体に穿孔装置や押印装置を使って穴開け、押印等の第1の後処理を施した後に、そのシートを束状にして交互に位置をずらせ排出する束寄せ(JOG)機構や、束状にしたものをステープラ装置、糊付け装置を使って紙綴じし、更に、その処理済みシート束を二つ折り、三つ折りと言った紙折り等の第2の後処理を施し、各種後処理を選択的に施した処理済みのシート束を集積トレイに収容できる様になっている。そして、この様な多種多様な後処理装置の各ユニットを搭載し大型化したシート後処理装置は画像形成装置の脇に連接され使用されている。
【0003】
近年、例えば、特許文献1(特開2006−248686号公報)で開示される様に、シート後処理装置自体をコンパクトに構成し、シート後処理装置を画像形成装置の脇に連接させるのではなく、画像形成装置に配設されたスペース空間に装着することが可能なシート後処理装置が普及されつつある。
【0004】
その画像形成装置は、中央部位に空間スペースを設けたコの字状の装置本体と、その中央部位に設けられた空間スペース内にコンパクト化したシート後処理装置を搭載したものである。尚、画像形成装置の脇に連接されシート後処理装置に対し、この様なコの字状の装置本体から成る画像形成装置に搭載するシート後処理装置を、所謂、胴内フィニッシャと呼ばれている。
【0005】
また、この特許文献1で開示されるシート後処理装置は、上述の多種多様な後処理装置を搭載し大型化するシート後処理装置とは違い、設置される使用環境に応じ頻度の高い後処理ユニットを選択し、選択した後処理ユニットを連接することでコンパクト化を達成している。具体的にこの場合では、本体装置から搬出されるシートの所定箇所に必要に応じてパンチ孔を開けるパンチユニットと、そのパンチユニットを通過したシートを中間集積部で束状に積載し、積載したシート束をステープルで綴じるステープルユニットと、そのステープルユニットで綴じ処理された排出されるシート束を収容集積する集積トレイから構成されている。また、パンチユニットを後処理装置フレーム側に取り付けられ、その固定支持されたパンチユニットに対しステープルユニットがシート搬出方向に摺動可能にその後処理装置フレームに取付けられている。また、そのステープルユニットには昇降可能な集積トレイが取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−248686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載の画像形成装置では、シートがシート後処理装置若しくは手前の搬送パス内に滞留することがある。そして、その滞留したシートの滞留位置によって滞留シートの除去作業がことなる。例えば、シートがシート後処理装置の手前の搬送パス内に滞留した場合には、ステープルユニットを装置本体から引き出しただけでは除去することが出来ず、予めシート搬出方向に対し直交する方向手前側に引き出し可能に設置したパンチユニットを引き出し、パンチユニットと搬送パスとの間を開放した状態で、その搬送パスを構成する上下一対のガイドの下ガイド板を下方に拡開し、そのパス内に滞留しているシートを取り除くようになっている。また、シートがシート後処理装置の搬送パス内に滞留した場合には、ステープルユニットと装置本体とのジョイントを解除して、ステープルユニットを摺動させ引き出すことで、パンチユニットとの間に隙間を空け、その隙間から滞留したシートを取り除くことが出来るようになっている。
【0008】
この様なシート後処理装置を備える画像形成装置においては、次のような二つの技術的な課題がある。
【0009】
まず、第1の課題として、パンチユニットを装置本体側に残した状態で、ステープルユニットのみを装置本体に対し摺動可能に支持し引き出す構造のものは、上述のシート後処理装置の手前に滞留したシートを除去する際に、パンチユニットを装置本体に対し手前側に引き出し得る構造としなければ成らず、パンチユニット独自の摺動機構が必要となり、コンパクト性を損なうだけでなく、シート搬出方向に対し直交する方向への引き出しにより上下に傾斜し易く、その傾斜によってシート搬出ガイド平面に対しパンチユニットのシートガイド面が傾き、その傾きで手前側か奥側のいずれか一方のシート通路間隔が狭くなり、結果、その狭くなった箇所で搬出シートが引っかかり滞留要因ともなっていた。
【0010】
また、第2の課題として、パンチユニットをシート搬出方向に対し直交する方向手前側に引き出し上述の滞留シートの除去をする場合には、滞留しているシートが存在する搬送パスが手前側に引き出されたパンチユニットの奥側に隠れ、ステープルユニットの引き出しで開口した開口部を通し覗き見て、その開口部奥側に隠れた搬送パスから滞留したシートを引き出し除去せざるを得ず作業性がし難いだけでなく、滞留したシートを除去する際に手をくの字に挿し入れることで、手が他部品に接触することで安全性にも欠けている。
【0011】
本発明は、上述した従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、特に画像形成装置の限られたスペースにシート後処理装置を設置でき、限られた移動空間で選択した各後処理ユニット間の連結ガタを抑え連結性に優れたシート後処理装置及びこのシート後処理装置を備えた画像形成装置を提供するものである。また同時に、その限られたスペース内に与えられた移動空間を使って、上述の滞留したシートの除去、パンチ屑の取り出し、ステープルの補充等の処理の内容により上手にその移動空間を使い分けることで、その処理が極めて容易に行うことが出来るシート後処理装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に記載のシート後処理装置は、順次搬入されるシートをガイドするガイド手段を備えた第1のユニットと、この第1のユニットから順次搬出されるシートに後処理を施す第1の後処理手段を備えた第2のユニットと、この第2のユニットを通って順次搬出されるシートを積載する処理トレイと、この処理トレイに載置された束状のシートに後処理を施す第2の後処理手段と、処理トレイの下流側に配置され後処理後のシートを収納する集積トレイとを備えた第3のユニットから成り、前記第1、第2、第3のユニットを順次シート搬出方向に並設するシート後処理装置であって、前記第1のユニットと、前記第2のユニット及び前記第3のユニットの少なくとも一つとを連結し、その連結解除で前記第1のユニットに対し前記第2のユニット及び前記第3のユニットをシート搬出方向に引き出し可能に連結支持する第1の連結手段と、前記第2のユニットと前記第3のユニットとの隣接する奥側を回動可能に支持し、手前側を離接可能に連結し、その連結解除で前記第3のユニットに対し前記第2のユニットの手前側を前記第1のユニット側に開動可能に連結支持する第2の連結手段とを備えた構成としている。
【0013】
また、本発明の請求項2に記載のシート後処理装置は、上記請求項1に記載するシート後処理装置において、前記第1のユニットと引き出し位置に有る前記第2のユニットとの間に拡開した隙間を確保し、前記第2の連結手段の連結解除で前記第1のユニット側への前記第2のユニットの手前側の拡開を阻止する移動阻止手段を有し、前記第1の連結手段の連結解除で前記第2のユニット及び前記第3のユニットをシート搬出方向に引き出し、前記移動阻止手段でその引き出し位置に前記第2のユニット及び前記第3のユニットを保持し、前記移動阻止手段の阻止を解除した後に前記第2の連結手段で連結解除された前記第2のユニットの手前側を拡開可能に構成している。
【0014】
また、本発明の請求項3に記載のシート後処理装置は、上記請求項1に記載するシート後処理装置において、前記第1の後処理手段は、穿孔装置であって、前記第2のユニットの手前側を前記第1のユニット側に開放することにより、傾斜した前記穿孔装置の略中央部位に対して、シート搬出方向下流側で且つ手前側から穿孔屑箱を装着可能な収納空間を備えている。
【0015】
また、本発明の請求項4に記載のシート後処理装置は、上記請求項1に記載するシート後処理装置において、前記第1のユニットと引き出し位置に有る前記第2のユニットとの間に拡開した隙間を確保し、前記第2の連結手段の連結解除で前記第1のユニット側への前記第2のユニットの手前側の拡開を阻止する移動阻止手段を有し、その移動阻止手段による保持の解除で前記第2の連結手段で連結解除された前記第2のユニットの手前側を拡開させ、前記収納空間から前記穿孔屑箱を取り出して可能な構成としている。
【0016】
また、本発明の請求項5に記載のシート後処理装置は、上記請求項1に記載するシート後処理装置において、前記第2の後処理手段は、ステープラ本体とその本体に着脱可能な針収容部とから成るステープラ装置で、そのステープラ装置は前記針収容部の針の補充信号(エンド、ニアエンド、手動)で装置手前側に移動する移動機構を有し、前記移動阻止手段による保持の解除で前記第2の連結手段で連結解除された前記第2のユニットの手前側を拡開した状態で、その拡開した手前側から前記ステープラ装置の針収容部を取り外し可能に構成している。
【0017】
また、本発明の請求項6に記載のシート後処理装置は、上記請求項1に記載するシート後処理装置において、前記第2のユニットと前記第3のユニットは、後方側が互いに蝶番機構で揺動可能に支持され、前記第2のユニットは前記第3のユニットに対し手前側が係止機構で連結解除可能に支持され、前記第2のユニットと前記第3のユニットのいずれか一方に前記係止機構の連結を解除する解除手段とを備えた構成としている。
【0018】
更に、本発明の請求項7に記載の画像形成装置は、上記請求項1に記載のシート後処理装置である胴内フィニッシャを搭載した画像形成装置であって、スタッカー上のシートを順次給送する給紙部と、前記給紙部からのシート上に所定の印刷を施す印字部と、前記印字部から送られたシート上のインクを加熱定着する定着部と、前記定着部からのシートを排紙口から順次搬出する排紙部とを備えた画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体の上方に配置され、プラテン上にセットされたオリジナル画像を読み取る画像読取装置と、前記画像形成装置本体と前記画像読取装置の間に装着されるシート後処理装置とを備え、前記シート後処理装置は、順次搬入されるシートをガイドするガイド手段を備えた第1のユニットと、この第1のユニットから順次搬出されるシートに後処理を施す第1の後処理手段を備えた第2のユニットと、この第2のユニットを通って順次搬出されるシートを積載する処理トレイと、この処理トレイに載置された束状のシートに後処理を施す第2の後処理手段と、処理トレイの下流側に配置され後処理後のシートを収納する集積トレイとを備えた第3のユニットから成り、前記第1、第2、第3のユニットを順次シート搬出方向に並設するシート後処理装置であって、前記第1のユニットと、前記第2のユニット及び前記第3のユニットの少なくとも一つとを連結し、その連結解除で前記第1のユニットに対し前記第2のユニット及び前記第3のユニットをシート搬出方向に引き出し可能に連結支持する第1の連結手段と、前記第2のユニットと前記第3のユニットとの隣接する奥側を回動可能に支持し、手前側を離接可能に連結し、その連結解除で前記第3のユニットに対し前記第2のユニットの手前側を前記第1のユニット側に開動可能に連結支持する第2の連結手段とを備えた構成としている。
【0019】
また、本発明の請求項8に記載の画像形成装置は、上記請求項7に記載の画像形成装置において、前記第1のユニットと引き出し位置に有る前記第2のユニットとの間に拡開した隙間を確保し、前記第2の連結手段の連結解除で前記第1のユニット側への前記第2のユニットの手前側の拡開を阻止する移動阻止手段を有し、前記第1の連結手段の連結解除で前記第2のユニット及び前記第3のユニットをシート搬出方向に引き出し、前記移動阻止手段でその引き出し位置に前記第2のユニット及び前記第3のユニットを阻止可能で、前記移動阻止手段の阻止を解除した後に前記第2の連結手段で連結解除された前記第2のユニットの手前側を拡開させる構成としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明の請求項1に記載のシート後処理装置においては、前記第1のユニットと、前記第2のユニット及び前記第3のユニットの少なくとも一つとを連結し、その連結解除で前記第1のユニットに対し前記第2のユニット及び前記第3のユニットをシート搬出方向に引き出し可能に連結支持する第1の連結手段と、前記第2のユニットと前記第3のユニットとの隣接する奥側を回動可能に支持し、手前側を離接可能に連結し、その連結解除で前記第3のユニットに対し前記第2のユニットの手前側を前記第1のユニット側に開動可能に連結支持する第2の連結手段とを備えた構成とすることで、従来の第2のユニットを手前側と奥側を平行に移動する場合には、例えば屑箱やスタンプインクのカートリッジ等の脱着を第2のユニットと第3のユニットとの間の隙間に差し込むと同時に第2のユニット側に押し込むクランク挿入となるのに対し、揺動開口によって、手前側が斜めになる分拡開量が大きくなり、しかも屑箱やスタンプインクのカートリッジ等を装着する装着部が手前方向から直接目視することが出来、屑箱やスタンプインクのカートリッジ等を手前側から奥側に真直ぐ差し入れることで装着することが出来、操作性が向上する。
【0021】
また、前記第1のユニットとの間に拡開したスペース空間で第2のユニットを適宜に拡開移動させることで、一つの限られたスペース空間を上手に利用することが出来、以下の効果をも呈する。
【0022】
まず第1に、第2のユニットを第3のユニットと共にシート搬出方向へ引き出すことで、第2のユニットを従来の様に手前に引き出すことが無く第1のユニットとの間を拡開し、第2のユニットに視界を邪魔されずに第1のユニットを手前から目視した状態で滞留シートの除去が出来、安全で容易に作業を行うことが出来る。
第2に、第1のユニットと第2のユニットとの間でシートが滞留した状態にある場合、従来の様に第2のユニットをシート搬出方向と直交する方向に引き出すことで、滞留シートを損傷する恐れがあるのに対し、仮に穿孔途中で装置が停止したとしても、第2のユニットの引き出しと共に穿孔途中の滞留シートをシート搬出方向に引き抜くことが出来、滞留シートを損傷する恐れが無い。
第3に、第2のユニットが第1のユニットを固定支持する装置本体に対しシート搬出方向に引き出すことで、第2のユニットの手前側と奥側を装置本体に平行に支えることが出来、従来の様に第2のユニットをシート搬出方向と直交する方向に引き出し、奥側のみ支持する構造のものと比較して、第2のユニットが第1のユニットに対する傾きが抑えられ、搬出シートの滞留率を下げることが出来る。
【0023】
また、本発明の請求項2に記載のシート後処理装置においては、前記第1のユニットと引き出し位置に有る前記第2のユニットとの間に拡開した隙間を確保し、前記第2の連結手段の連結解除で前記第1のユニット側への前記第2のユニットの手前側の拡開を阻止する移動阻止手段を有し、前記第1の連結手段の連結解除で前記第2のユニット及び前記第3のユニットをシート搬出方向に引き出し、前記移動阻止手段でその引き出し位置に前記第2のユニット及び前記第3のユニットを保持し、前記移動阻止手段の阻止を解除した後に前記第2の連結手段で連結解除された前記第2のユニットの手前側を拡開可能に構成することで、前記第1のユニットから前記第2のユニット及び前記第3のユニットをシート搬出方向に引き出し、前記移動阻止手段でその引き出し位置に前記第2のユニット及び前記第3のユニットを保持することで、上述した第1のユニットに滞留したシートの除去処理最中に前記第2のユニット及び前記第3のユニットが動くことが無く、安全に滞留したシートの除去作業を行うことができる。
【0024】
また、本発明の請求項3に記載のシート後処理装置においては、前記第1の後処理手段は、穿孔装置であって、前記第2のユニットの手前側を前記第1のユニット側に開放することにより、傾斜した前記穿孔装置の略中央部位に対して、シート搬出方向下流側で且つ手前側から穿孔屑箱を装着可能な収納空間を備え、前記第2のユニットの手前側を前記第1のユニット側への開放により、前記穿孔屑箱収納部が斜めに傾けられた状態となり、前記穿孔屑箱収納部の収納空間で広く目視可能となり、前記収納空間に穿孔屑箱を手前側から直接挿入可能で、穿孔屑箱の取り外し操作が容易になる。
【0025】
また、本発明の請求項4に記載のシート後処理装置においては、前記第1のユニットと引き出し位置に有る前記第2のユニットとの間に拡開した隙間を確保し、前記第2の連結手段の連結解除で前記第1のユニット側への前記第2のユニットの手前側の拡開を阻止する移動阻止手段を有し、その移動阻止手段による保持の解除で前記第2の連結手段で連結解除された前記第2のユニットの手前側を拡開させ、前記収納空間から前記穿孔屑箱を取り出して可能な構成とすることで、上述の前記第1のユニットに滞留したシートの除去中に不用意に前記第2のユニットの手前側を拡開する恐れが無く、高い安全性を確保することが出来る。
【0026】
また、本発明の請求項5に記載のシート後処理装置においては、前記第2の後処理手段を、ステープラ本体とその本体に着脱可能な針収容部とから成るステープラ装置で、そのステープラ装置は前記針収容部の針の補充信号(エンド、ニアエンド、手動)で装置手前側に移動する移動機構を有し、前記移動阻止手段による保持の解除で前記第2の連結手段で連結解除された前記第2のユニットの手前側を拡開した状態で、その拡開した手前側から前記ステープラ装置の針収容部を取り外し可能に構成したことで、前記第2のユニットの手前側を拡開した状態で、第2のユニット側の操作と共に併せて処理することが出来、操作性に優れている。
【0027】
また、本発明の請求項6に記載のシート後処理装置においては、前記第2のユニットと前記第3のユニットは、後方側が互いに蝶番機構で揺動可能に支持され、前記第2のユニットは前記第3のユニットに対し手前側が係止機構で連結解除可能に支持され、前記第2のユニットと前記第3のユニットのいずれか一方に前記係止機構の連結を解除する解除手段とを備えた構成としたことで以下の効果を呈する。
【0028】
まず第1に、前記第2のユニットの一端部を少なくとも常時前記第3のユニットに固定支持可能で、前記第2のユニットと前記第3のユニットの連結位置が常時保たれ、互いに位置ズレを起こすことが無く、第2の連結手段の連結、解除が確実に行うことが出来る。
第2に、仮に第2のユニットを手前側と奥側を平行に移動する場合には、例えば屑箱やスタンプインクのカートリッジ等の脱着を第2のユニットと第3のユニットとの間の隙間に差し込むと同時に第2のユニット側に押し込むクランク挿入となるのに対し、手前側の揺動開口によって、手前側が斜めになる分拡開量が大きくなり、しかも屑箱やスタンプインクのカートリッジ等を装着する装着部が手前方向から直接目視することが出来、屑箱やスタンプインクのカートリッジ等を手前側から奥側に真直ぐ差し入れることで装着することが出来、操作性が向上する。
【0029】
また、本発明の請求項7及び請求項8に記載の画像形成装置においては、上述した請求項1及び2に記載のシート後処理装置を搭載することで、上述した請求項1及び2のシート後処理装置の効果を有し、コンパクト性に優れ、しかも安全性に富んだ画像形成装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係わるシート後処理装置が画像形成装置に収納された状態を示す外観斜視図。
【図2】図1の平面断面図。
【図3】本発明に係わるシート後処理装置を画像形成装置から引き出した状態を示す外観斜視図。
【図4】図3の平面断面図。
【図5】本発明に係わるシート後処理装置の第1状態を示す外観斜視図。
【図6】本発明に係わるシート後処理装置の第2状態を示す外観斜視図。
【図7】図6の状態を別の方向から見た外観斜視図。
【図8】図2のシート後処理装置の拡大図。
【図9】図8のシート後処理装置の各ユニットの構成を説明する簡易分解図。
【図10】図9のシート後処理装置における第2のユニット内部構成を説明する平面断面図。
【図11】図10の側面断面図
【図12】図9のシート後処理装置における第3のユニットのシート積載機構部を説明する平面断面図。
【図13】図13のシート積載機構部の斜視図。
【図14】図14の部分拡大図。
【図15】図15の上昇位置における状態図。
【図16】図15の下降位置における状態図。
【図17】図9のシート後処理装置における第3のユニットの第2の後処理を説明する平面断面図。
【図18】図17の第2の後処理部を説明する平面図。
【図19】図17の第2の後処理部を説明する斜視図。
【図20】本発明に係わるシート後処理装置の制御を示すブロック図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図示の好適な実施の形態に基づいて本発明を詳述する。図1は、本発明に係わるシート後処理装置が画像形成装置に収納された状態を示す外観斜視図。図2は、図1の平面断面図。図3は、本発明に係わるシート後処理装置を画像形成装置から引き出した状態を示す外観斜視図。図4は、図3の平面断面図である。そして、図1乃至図4で示す様に、この画像形成装置は、画像形成装置本体を形成する画像形成ユニットAと、画像読取装置を形成する画像読取ユニットBと、本願のシート後処理装置を形成する後処理ユニットCとから構成されている。
【0032】
[画像形成ユニット構成]
まず画像形成ユニットAは、外装ケーシング10内に給紙部20、印字部30、定着部40、排紙部50、両面反転部60がそれぞれ組込まれ、その構成は複写機、プリンタなどで種々のものが知られている。図示の給紙部20は給紙カセットと、この給紙カセット内のシートを順次1枚ずつ分離して給送する給紙ローラで構成され、図示のものは複数の給紙カセットにサイズの異なるシートを収納し、印字サイズに応じたシートを選択的に繰り出す。
【0033】
上記各給紙カセットにはシート繰り出し端に給紙経路21が設けられ、レジストローラ22にシートを給送し、このレジストローラ22でシート先端をスキュー修正した後、この位置に待機させる。レジストローラ22の下流には印字部30が設けられている。この印字部30は静電印刷、インクジェット印刷、シルクスクリーン印刷など種々の印刷機構で構成され、図示のものは静電印刷機構を採用している。静電ドラム31の周囲には印字ヘッド、現像器、転写チャージャ、クリーニングヘッドが設けられ、静電ドラムに印字ヘッドで潜像を形成し、現像器でトナーインクを付着し、転写チャージャでシート上にインクを転写して画像形成する。図示のものはモノクロ印刷を示すが、カラー印刷の場合は例えば第1、第2の2つの静電ドラム(若しくはベルト)を設け、第1の静電ドラムに形成したトナーインクを第2の静電ドラムに転写し、この転写をY(イエロー)、M(マジック)、C(シアン)の各色成分に応じて複数回繰り返し、第2の静電ドラム上にカラー画像を形成する。次いでこの第2の静電ドラム上のカラー画像をシート上に転写する。
【0034】
このようにトナーインクを転写したシートは定着部40に送られ定着される。定着部40には一対の定着ローラが設けられ、この一対の定着ローラ対で加熱定着される。一般に、この定着ローラはトナーインクの成分によるが150℃乃至200℃の熱をシート上の画像に付加してトナーインクを凝固する。定着部40で画像形成されたシートは排紙部50に送られる。この排紙部50は排紙口51にシートを案内する排紙経路と、この経路に設けられた排紙ローラで構成されている。
【0035】
従って、コンピュータなどの外部装置で形成した原画像或いは後述の画像読取ユニットBから転送されたハードディスクその他のデータ記憶装置を介して、順次印字部30の印字ヘッドに送られる。その印字ヘッドでは画像データに応じてレーザ光などの光を静電ドラム31に照射し、現像器でトナーインクをドラム上に付着し、転写チャージャでシート上に画像形成する。このように画像形成されたシートは順次排紙部50の排紙経路から排紙口51に搬出される。
【0036】
[画像読取ユニット構成]
次に画像読取ユニットBについて説明する。この画像読取ユニットBは、画像形成ユニットAの上部に配置され、原稿シートの原画像を読取る所謂スキャナとして広く知られている。この構成は図示しないが概略次のようになっている。
【0037】
図示55はユニットケーシングであり、56は原稿載置台である。ケーシング55内にはガラスなどで形成したプラテンが設けられ、このプラテンの下部に光源ランプ、結像レンズなどの光学機構と、光電変換素子が設けられている。そして光源ランプの光をプラテン上の原稿に照射し、その反射光をミラー、レンズなどの結像光学機構でラインセンサその他の光電変換素子に結像する。一方プラテン上方には原稿載置台上の原稿をプラテンに順次所定速度で搬送するフィーダ(自動原稿送り装置)が設けられ、このフィーダで給送した原稿上の画像を光電変換素子で電気的に読み取るようになっている。
【0038】
[後処理ユニット構成]
次に後処理ユニットCについて説明する。図1乃至図4に示すように後処理ユニットCは、上述の画像形成ユニットAと画像読取ユニットBで形成されるコの字状の収納空間に配置される。
【0039】
この後処理ユニットCは、順次搬入されるシートをガイドするガイド手段を備えた第1のユニットDと、この第1のユニットから順次搬出されるシートに、穿孔装置による穿孔処理、押印装置による押印処理等の第1の後処理を施す第1の後処理手段を備えた第2のユニットEと、この第2のユニットを通って順次搬出されるシートを束状に積載する処理トレイと、この処理トレイに載置された束状のシートに、整合手段を使って束毎に交互に位置をずらす幅寄せ処理(JOG)、ステープル装置によるステープル綴じ処理、製本装置による糊綴じ処理等の第2の後処理を施す第2の後処理手段と、処理トレイの下流側に配置され後処理後のシートを収納する集積トレイとを備えた第3のユニットFとによって構成されている。そして、これら第1、第2、第3の各ユニットは、後処理ユニットCの装置本体を形成する基板フレームC1に対し順次シート搬出方向に沿って並設されている。尚、第1、第2、第3の各ユニットを、画像形成ユニットA又は画像読取ユニットBの基板フレームに対し順次シート搬出方向に沿って並設しても良い。
【0040】
そして第1のユニットDは、基板フレームC1に固定支持されている。また第2のユニットEと第3のユニットFは、第1の連結手段Hにより第1のユニットDに連結され、第1の連結手段Hの解除により第1のユニットDから離間するシート搬出方向に引き出し可能に、基板フレームC1の手前側と奥側に配設された前後一対のガイドレールLに移動自在に支持されている。更に第2のユニットEは、第2の連結手段Gによって第3のユニットFと連結され、第2の連結手段Gの解除によって第3のユニットFに対し離脱可能に構成されている。
【0041】
[ガイドレール]
尚、その一対のガイドレールLの構造は、一般に家具、特にスチール机、書類収納キャビネット等の引き出し機構として使われているもので、一方が基板フレームC1に固定されたガイドレールと、他方がそのガイドレールに対しスライド移動可能で、この実施例では第3のユニットFに固定されたガイドレールからなっている。
【0042】
[第1の連結手段]
また第1の連結手段Hは、図11で示す様に、ガイド板開閉レバーH1と係止爪H2aと係止受けH2bとから構成されている。また、ガイド板開閉レバーH1は後述する第1のユニットDに設けられた移動阻止手段D5としての機能を備えた第1の操作レバーD4(図5参照)の操作に連動して上下に動き、係止爪H2aの爪を係止受けH2と係止する係止位置とその係止を解除する解除位置に揺動させると共に、図8で示す第1のユニットDを構成するガイド手段D1の下ガイド板D1bを上下に揺動する様に機構連結されている。尚、図11では、ガイド板開閉レバーH1と係止爪H2aと第1の操作レバーD4は第1のユニットD側に、係止受けH2bは第2のユニットE側にそれぞれ配設されているが、ガイド板開閉レバーH1と係止爪H2aと第1の操作レバーD4を第2のユニットE側に、係止受けH2bは第1のユニットD側に配設しても良い。また、第2の連結手段Gによって第2のユニットEが第3のユニットFと連結する構造であることから、係止爪H2aと係止受けH2bを、第1のユニットDと第2のユニットEとの間で無く、第1のユニットDと第3のユニットFとの間に配設しても良い。
【0043】
[第2の連結手段]
第2の連結手段Gは、第3のユニットFに対し第2のユニットEの手前を拡開する場合には、図6及び図10で示す様に、第2のユニットEと第3のユニットFの後方側が互いに蝶番G1又は蝶番と同等の機能部材等から成る蝶番手段で揺動可能に支持され、第2のユニットEと第3のユニットFの手前側が、図11で示す様に、係止爪G2aと係止受けG2bから成る係止機構で連結解除可能に支持され、第2のユニットEと第3のユニットFのいずれか一方に前記係止機構の連結を解除する解除手段としての機能を備えた第2の操作レバーG3とを備えている。そして、手動操作で手前側の第2の操作レバーG3を操作し、係止爪G2aによる第2のユニットEと第3のユニットFとの連結を解除することで、第3のユニットFに対し第2のユニットEの手前側(図6参照)を前記第1のユニット側に移動可能にしている。尚、係止爪G2aは第2のユニットE側に、係止受けG2bは第3のユニットF側にそれぞれ配設されているが、係止爪G2aを第3のユニットF側に、係止受けG2bは第2のユニットEにそれぞれ配設しても良い。
【0044】
[移動阻止手段]
第1の操作レバーD4は、先に説明した第1の連結手段Hの解除を行うガイド板開閉レバーH1(図11参照)を連動し操作するだけで無く、図5で示す様に、第1の連結手段Hの解除により第1のユニットDに対し互いに第2の連結手段Gにより連結された第2のユニットEと第3のユニットFがシート搬出方向に引き出され、引き出し位置に引き出された状態で、第1のユニットDと引き出し位置に有る第2のユニットEとの間に拡開した隙間を確保すると共に、第1のユニットDにシートが滞留し、その滞留シートを除去かするために、ガイド板開閉レバーH1によりガイド手段D1の下ガイド板D1bが開放状態にある場合、不用意に第2の連結手段Gを解除してしまっても、第2のユニットEが第1のユニットD側へ移動しないように、第2のユニットEを図示の様に突っ支い棒となり阻止し、移動阻止手段としての機能を果たしている。尚、この実施例においては第1の操作レバーD4を突っ支い棒として移動阻止手段D5に兼用しているが、第1の操作レバーD3と駆動連結する異なる部材で移動阻止手段D5を構成しても良く、また突っ支い棒でなくとも引き出された第2のユニットEが少なくとも前記第1のユニットD側に移動しえない様に阻止することが出来るもので有れば良い。
【0045】
実際に、第1の連結手段Hの解除で第2のユニットE及び第3のユニットFをシート搬出方向に引き出し、第1の操作レバーD4(移動阻止手段D5)でその引き出し位置に第2のユニットE及び第3のユニットFを保持し、第1の操作レバーD4による阻止を解除した後に第2の連結手段Gで解除された第2のユニットEの手前側を第1のユニットD側に移動可能にしている。
【0046】
以下、図5乃至図9に基づき後処理ユニットCについて詳述する。図5は、上述の図3及び図4で示すシート後処理装置の第1状態に在る外観斜視図。図6は、本発明に係わるシート後処理装置の第2状態を示す外観斜視図。図6Bは、本発明に係わるシート後処理装置の第2状態を示す他の実施例の外観斜視図。図7は、図6の状態を別の方向から見た外観斜視図をそれぞれ示している。また、図8は上述した図2のシート後処理装置の拡大図。図9は図8のシート後処理装置の各ユニットの構成を説明する簡易分解図を示している。
【0047】
[第1のユニット構成]
まず、画像形成ユニットAから順次搬入されるシートを第2のユニットEを介し第3のユニットFへ搬出すべく、そのシートをガイドするガイド手段を備えた第1のユニットDに関し、図9に基づき説明する。そのガイド手段は以下の構成を備えている。
【0048】
まず一定の間隔を隔て上下に配設された一対のガイド板D1(D1a、D1b)。
また、その一対のガイド板D1の間を搬出される最小シート幅間隔でシート搬出方向に配設(図示は一箇所)され、一方が上ガイド板D1aに、他方が下ガイド板D1bに回転可能に軸支された一対の搬送ローラD2。
また、受け入れたシートを第2のユニットE及び第3のユニットFの後処理を施すために第2のユニットEを介し第3のユニットFの後述する集積トレイ112へ排出する第1の搬送路F1と、受け入れたシートを第2のユニットE及び第3のユニットFの後処理を施すことなく直接後述する収納トレイ113へ排出する第2の搬送路F2とのいずれかにシートを導く搬送方向切替片D3aと、受け入れたシートの一面に印刷が施された両面印刷シートの後端を受け入れ、画像形成ユニットAの両面反転部60(デュープレックス)へそのシートをフィードバックする為に用いられる第3の搬送路F3と上述の第2の搬送路F2とのいずれかにシートを導く搬送方向切替片D3bとから成る搬送方向切替片D3。
また、ガイド位置に有るときは各搬送ローラ対D2が互いに押圧する位置に下側のガイド板D1bを上方に押し上げ、開放位置では下側のガイド板D1bが上ガイド板D1aから遠ざかり、各搬送ローラ対D2が互いに離間され、搬送路内に滞留したシートのニップを解除し取り出し可能にするガイド板開閉レバーH1(図11参照)。
また、下側のガイド板D1bの近傍には、手動操作で直立状態にある解除位置と、ほぼ直交する横向き状態に倒された阻止位置との間で回動可能で、その阻止位置で前述の第1のユニットDから引き出され引き出し位置に在る第2のユニットE及び第3のユニットFをその引き出し位置からの移動を阻止する移動阻止手段として機能し、しかもその阻止とほぼ同時に駆動連結するガイド板開閉レバーH1を操作して下側のガイド板D1bを解放可能にすることが出来る第1の操作レバーD4(移動阻止手段D5)。
更に、図示しないユニット手前側又は奥側の側壁ガイド板に一対の搬送ローラD2を正転・逆転制御し、且つ搬送方向切替片D3にそれぞれ備えたクラッチを介し正転・逆転で方向を切り替える制御を兼用し司る正逆転可能なステッピングモータ。以上の構成を少なくとも備えている。
【0049】
[第2のユニット構成]
次に、第1のユニットDから順次搬出されるシートに穿孔、押印等の後処理を施す第1の後処理手段を備えた第2のユニットEに関し説明する。この実施例では、図10及び図11でその詳細を示す様に穿孔装置で構成されている。この穿孔装置は、穿孔機構部E1と、この穿孔機構部E1を穿孔するシートのサイズ、搬送位置ズレに応じた穿孔位置に適宜移動させ各パンチを位置付ける移動機構部E2と、この移動機構部E2の移動タイミングを制御するシートの先端を検出するセンサE3とから成る。尚、穿孔機構部E1は移動機構部E2の駆動モータを支持する第2のユニットEの装置本体に掛け渡された2本のガイドシャフトE8に移動自在に支持され、移動機構部E2の駆動モータの回転方向に切換えることでシート搬出方向に対し直交する方向に往復動できる。
【0050】
その穿孔機構部E1は、正逆転可能なパンチ駆動モータE4と、このパンチ駆動モータE4によって回転する回転シャフトE5と、この回転シャフトE5にそれぞれ回転位相が異なるカムにより順次押圧され上下動する複数個のパンチE6と、このパンチE6によって穿孔されたシートの屑を回収する屑箱E7と、その屑箱E7内の屑が所定量になったことを検出する満杯検知センサー(発光素子E9と受光素子E10)とから構成されている。
【0051】
また、この穿孔装置を組み込んだ第2のユニットEは、第3のユニットFに対し、後方側が互いに蝶番G1で連結され、蝶番G1の揺動支点を中心に回動自在に支持されている。そして、手前側が手動操作で離脱解除可能な係止爪G2と第2の操作レバーG3から成る第2の連結手段Gによって連結されている。そして、手動操作で手前側の第2の操作レバーG3を操作し、係止爪G2による第2のユニットEと第3のユニットFとの連結を解除することで、第2のユニットEを第3のユニットFの手前側を切り離し拡開することが出来る様になっている。
【0052】
更に、屑箱E7は、図10の状態で紙面手前側に取り出され、図11の状態で紙面左側に取り出し可能に穿孔機構部E1に装着される。特に、この穿孔装置を組み込んだ第2のユニットEが第3のユニットFに対し手前側を拡開することで、第2のユニットEに組み込まれた穿孔装置が横斜め姿勢と成り、穿孔装置の屑箱収納部が操作手前前方から目視可能で、直接屑箱の先端部を屑箱収納部に差し入れることが可能で、屑箱をほぼ手前から奥側に差し入れることで装着することで、装着性に優れている。また、満杯になった屑箱の屑を除去する際にも、従来の様に一端横に引き出した後、手前側に引き出すクランク動作が無く、屑が不用意に装置内にこぼれることも無い。
【0053】
尚、図10において複数個のパンチE6に付記した数字2、3、4は、シートへの穿孔処理の種類に応じ作動するパンチを示すもので、例えば、パンチ駆動モータE4の正転で二孔処理を逆転で三孔処理か四孔処理を行う様に予め設定可能で、二孔処理の場合にはパンチに付記した2の数字のパンチのみがカムにより昇降され、三孔処理の場合にはパンチに付記した3の数字のパンチのみがカムにより昇降され、四孔処理の場合にはパンチに付記した4の数字のパンチのみがカムにより昇降される様にカムの形状、位相等を設定することで可能である。また、パンチの数を増やすことで他の孔処理も可能である。
【0054】
また、穿孔装置に替えて押印装置を用いることも可能で、その場合には穿孔装置の穿孔機構部E1に代えて押印装置の押印機構部を配置し、穿孔装置の屑箱スペースを利用してインクホルダーを配置することで、同様に利用することが出来る。
【0055】
[第3のユニット構成]
次に、図9で示す第3のユニットFに関し説明する。この第3のユニットFは、第2のユニットEを通って順次搬出されるシートをシート束集積機構によって積載する処理トレイ64と、その処理トレイ64に載置された束状のシートに幅寄せ、ステープル綴じ、糊綴じ等の後処理を施す第2の後処理手段F1と、処理トレイ64の下流側に配置され後処理後のシートを収納する集積トレイ112と、第2のユニットEを通らずに直接第1のユニットDから搬出されるシートを収納する収納トレイ113とによって構成されている。尚、この実施例では、第2の後処理手段F1としてステープル綴じ装置を搭載している。以下、図12乃至図19に基づき詳述する。
【0056】
[シート束集積機構]
まず、処理トレイ64にシートを束状に集積するシート束集積機構に関し図10乃至図16に基づき説明する。図12に示すようにシート束集積機構は、第1のユニットDの排紙口と連なる排紙経路62(以下ユニット排紙経路という)と、このユニット排紙経路62からのシートを一時的に載置する処理トレイ64と、この処理トレイ64上のシートに後処理を施す第2の後処理手段F1(図17参照)と、処理トレイ64から送られた処理済シートを収納する集積トレイ112(図9参照)とから構成される。
【0057】
そして、ユニット排紙経路62はシートを案内するガイド板62aとシートを搬送する搬送ローラ62b(駆動側ローラ)および搬送ローラ62g(従動側ローラ)とが設けられている。尚、62fは搬送ローラ62g(従動側ローラ)をガイド板62aに支持する軸である。また、このユニット排紙経路62の排紙口63には排紙ローラ69が駆動側ローラ69aと従動側ローラ69bとで設けられ、順次排紙口63からシートを搬出する。この排紙口63の下流に処理トレイ64が高低段差を形成して下側に配置されている。そこで排紙口63の駆動側ローラ69aには後述の位置決め手段65にシートを搬出する移送手段66が設けられている。このように排紙口63に設けられる移送手段66としてはキャタピラベルト、パドル搬出機構などが知られているが図示のものはエンドレスベルトの表面に複数の突起を形成してこの突起でシート後端を押出すキャタピラベルト67で構成されている。
【0058】
このキャタピラベルト67は一端を前述の駆動側ローラ69aの駆動軸69cに設けたプーリに嵌合してある。そしてキャタピラベルト67の他端は駆動軸69cに揺動自在に軸承した支持アーム68に取付けたプーリに嵌合してある。従って排紙ローラ69の駆動軸69cを中心にキャタピラベルト67は揺動自在に支持され、その先端は処理トレイ64に載置されたシート上に当接し、基端部を駆動軸69cによって回転駆動されることとなる。
【0059】
そこで、ユニット排紙経路62からのシートは排紙ローラ69で排紙口63から順次搬出され、キャタピラベルト67の上面側で処理トレイ64に送られ、次いでベルト下面側で処理トレイ64の最上紙に沿って反転搬送される。尚、図示61は排紙口63に設けられたガイド片であり、シート先端が進入するときは上方に退避し、シート後端をキャタピラベルト67に沿って処理トレイ方向に案内する。処理トレイ64にはシートを突当て規制する位置決め手段65が設けられ、シートはこの位置決め手段65に沿って整列される。図示の位置決め手段65はシートの搬送方向後端を突当て規制する位置に処理トレイ64から突出した突起部材で構成している。
【0060】
更に、図13及び図14はそのシート束集積機構の要部を斜視図で示したもので、駆動機構はユニットフレームを構成する左右の側枠フレーム60a(図18参照)に支えられている。そして、その左右の側枠フレーム60aには、排紙ローラ69を駆動回転する駆動軸69cと搬送ローラ62b(駆動側ローラ)を駆動回転する軸62eと、駆動ローラ73の駆動回転軸77と、加圧レバー82の回転支軸83がそれぞれ軸承され、また軸62eと駆動軸69cは第1搬送モータM1に連結され、駆動ローラ73には回転駆動軸77に第2搬送モータM2が連結されている。
【0061】
そして、その回転支軸83には単一(独立)の加圧モータM4が扇形ギア85を介して連結され、図15及び図16に示す様に、その加圧モータM4のパルス制御によって加圧レバー82はシートと圧接する方向に降下(逆転で離反する方向に上昇)する。この加圧レバー82のシートに圧接する方向への降下に伴って、ユニット排紙経路62中の搬送ローラ62b(駆動側ローラ)と駆動側排紙ローラ69a及びキャタピラベルト67をそれぞれシート搬出方向に駆動回転し、また、回転駆動軸77と駆動ローラ73との間は伝動ベルト73cで駆動連結されている。この第2搬送モータM2は正逆転可能なモータで構成され、ユニット排紙経路62から搬出されたシートを排紙方向に搬送した後、このシート後端が処理トレイ64上に搬出された後は逆方向に回転してシート後端が位置決め手段65に到達するまで反転搬送し、その動作を順次搬出されるシートに対し行うことで、処理トレイ64上にシートを束状に積載する。
【0062】
[第2の後処理手段の構成]
次に、図17で示す様に、位置決め手段65で規制され処理トレイ64上に積載されたシート束は、第2の後処理手段Fによって幅寄せ、ステープル綴じ、糊綴じ等の第2の後処理手段により後処理が施こされる。この実施例においては第2の後処理手段としてステープラ装置が配設けられているが、製本機等で使われている糊を使った綴じ装置でも良い。
【0063】
そこで、その第2の後処理手段として用いたステープラ装置について図18及び図19に基づき詳述する。このステップル装置F1で構成される後処理装置100はハウジング106に図示しないステップルヘッドとアンビルブロックが組込まれ、針状のステップルをコ字状に折り曲げてシート束に圧入し、その先端をアンビルブロックで折り曲げて綴じるように構成される。ハウジング106は断面チャンネル形状のフレーム部材で構成され、その左右一対の側枠フレーム60aにヘッドブロックとアンビルブロックを互いに圧接、離間自在に配置する。通常は基端を互いに軸承した上下レバー部材の一方にヘッドブロックを他方にアンビルブロックを取付ける。そしてこの上下レバー部材は側枠フレーム60aに取付けたカム部材と、このカム部材を駆動するカム駆動モータM5(図示せず)で離間位置から圧接位置に往復動される。
【0064】
この動作の過程でヘッドブロックは直線状のステップル針をフォーマ部材でコ字状に折り曲げ、次いでドライバ部材でこのコ字状ステップル針をシート束に圧入する。一方アンビルブロックには圧入された針の先端を内側に折り曲げるアンビル(台座)が設けられている。従って後処理装置100はステップルヘッドとアンビルブロックと、この両者を離間位置から圧接位置に綴じ動作させるカム部材と、そのカム駆動モータM5(図示せず)とでユニット化されている。尚この後処理装置100にはステップル針を収容したカートリッジが着脱交換自在に取付けられる。
【0065】
以上のように構成された後処理装置100は後処理ユニットCに設けたガイドレール107に摺動自在に支持される。図2に示すようにガイドレール107は後処理ユニットCの側枠フレーム60aに取付けたガイド軸107aとスライダー107bで構成され、ガイド軸107aは後処理装置100のハウジング106に形成した嵌合孔107cに嵌合し支持し、スライダー107bはハウジング106に設けたコロを係合して支持する。そしてこのガイド軸107aに沿って駆動ベルト108が一対のプーリ間に架渡してあり、ハウジング106はこの駆動ベルト108の一部に固定され、一方のプーリ108a(図5参照)にユニット移動モータM3が連結してあり、このユニット移動モータM3は、ステッピングモータで構成され、供給するパルス電流に応じて所定量後処理装置100を移動し、このステップル機構101によってシート後端の所定位置に後処理が施される。
【0066】
[整合機構]
また、処理トレイ64には以下の整合手段91が装備される。この整合手段91は搬送方向と直交するシートの側縁を規制してシートを処理トレイ上に所定の姿勢で収納する。図示の装置はユニット排紙経路62に画像形成ユニットAからシートがセンター基準で搬出される。この為、排紙口63から幅サイズの異なるシートは搬送方向中央(センター)を基準に処理トレイ64上に積み重ねられ、その後端縁を前述の位置決め手段65に突き当てられる。
【0067】
そこで整合手段91は、右側整合板93aと左側整合板93bで左右一対の整合板93で構成される。トレイ状の処理トレイ64には幅方向にスリット溝93c、93dが設けられ、このスリット溝93c、93dに断面L字状の整合板93が移動自在に嵌合され、処理トレイ64の背面側にはスリット溝93c、93dの方向に歯面を有するラックが整合板93と一体に設けられている。左右の整合板93a、93bは同一の構成でそれぞれスリット溝93c、93dに摺動自在に保持され、一体に形成したラックにピニオンが噛合してある。そして左右それぞれのピニオンには減速歯車を介して整合モータが連結してある。
【0068】
整合モータはステッピングモータで所定の電源パルスを供給すると左右の整合板93a、93bが同一量互いに接近及び離間する。整合板93a、93bのそれぞれにポジションセンサS2が設けてあり、シートのセンターを基準に左右の整合板93a、93bが対称となる位置にホームポジションが設定されている。この位置から左右の整合モータM6a、M6bを同一量回転すると左右の整合板93a、93bはセンター側に移動し、シート側縁を幅寄せする。そこで画像形成ユニットAで搬出したシートの幅サイズ信号を後処理ユニットCの制御部(制御CPU90)が受信して、シート幅に応じた電源パルスを整合モータM6a、M6bに供給すると左右の整合板93a、93bはシートサイズに応じた待機位置に移動し、シートが処理トレイ64上に搬送された後はこのシートを幅寄せしてセンター基準で整然と位置決めすることが可能となる。
【0069】
[後処理済シート束排出機構]
次に処理後のシートを処理トレイ64から搬出する搬送機構について図12を使って説明する。処理トレイ64には隣接する集積トレイ112(図9参考)にシートを搬出する搬送手段72が設けられている。この搬送手段72はシートを搬送する駆動ローラ73とこの駆動ローラ73をシートと当接する作動位置とシートから離間した退避位置との間で移動自在に支持するローラ支持手段75で構成されている。
【0070】
図示のものはユニットフレーム(図示せず)に固定した駆動回転軸77に基端部を軸承したアーム部材76を設け、このアーム部材76の先端にシート幅方向に2つの駆動ローラ73a、73bを軸承し、この駆動ローラ73に伝動ベルト73cで駆動回転軸77の駆動を伝達して搬送手段72を構成している。従って駆動ローラ73は駆動回転軸77の駆動でシート搬送方向に回転するのと同時に、この駆動回転軸77を中心に揺動し処理トレイ64上のシートと当接する作動位置と退避位置との間で昇降自在に支持されることとなる。
【0071】
そこで、このアーム部材76には次の押圧力付与手段80が設けられている。アーム部材76と同様にユニットフレーム(図示せず)に固定された回転支軸83に基端部を軸承した加圧レバー82が設けられ、その先端部がアーム部材76に係合してある。回転支軸83にはステッピングモータから成る加圧モータM4が駆動ギア86を介して扇形ギア85に回転支軸83が一体に連結してあり加圧モータM4の正逆回転で回転支軸83は図9反時計方向に回転すると加圧レバー82は上昇し時計方向で下降する。
【0072】
また扇形ギア85には所定以上の上昇を阻止する上限ストッパ85aが設けられ図示しないユニットフレームと当接してそれ以上の上昇を禁止する。同様に扇形ギア85にはアクチュエータ85bが一体に設けられ、ユニットフレームに取付けられたポジションセンサS2でこれを検出する。従ってこのポジションセンサS2で扇形ギア85の原位置を検出し、これを起点に加圧モータM4を所定方向に所定量回転することによって加圧レバー82の上下動作を制御することが可能となる。
【0073】
そこで加圧レバー82の先端にはウィング状の係合片82aが設けてあり、この係合片82aはアーム部材76に形成した係合溝76aに嵌合してある。そしてアーム部材76と加圧レバー82との間には蓄勢スプリング81が設けてあり、加圧レバー82の下降運動は蓄勢スプリング81を介してアーム部材76に伝達され、このアーム部材76に駆動ローラ73が軸受支持されている。一方加圧レバー82の上昇運動は係合片82aが係合溝76aの上壁に当接してアーム部材76を上昇させるようになっている。
【0074】
従って加圧モータM4の正逆転によって加圧レバー82はアーム部材76を上昇及び下降させることとなり、下降時には蓄勢スプリング81を介して駆動ローラ73を処理トレイ64上のシートに押圧する。この押圧力は加圧モータM4に供給するパルス電流の制御によって大小加減することが可能となる。尚、図示81bは緩衝レバーで、ユニットフレームに軸81cで軸承され、先端部は蓄勢スプリング81と加圧レバー82との間に配置されスプリングを保持するようにアーム部材76の係合孔76bに嵌合してある。
【0075】
一方処理トレイ64には駆動ローラ73に対向する位置にピンチローラ74が配置してあり、処理トレイ64上のシートはこの駆動ローラ73とピンチローラ74でニップされる。かかる構成の処理トレイ64の下流には集積トレイ112が設けられ、搬送手段72で送られた処理済みシートを収納する。
【0076】
図示の集積トレイ112はユニットフレーム(図示せず)に片持ち支持され、フレーム側のガイドレールに沿って昇降自在に支持されている。そして図示しないがこの集積トレイ112はトレイ昇降モータM7によってシートの積載量に応じて降下し、常に最上のシートの位置を所定位置に保っている。図示112aは紙面高さを検出するセンサであり、112bはそのアクチュエータである。このセンサ112aはトレイ上のシートの高さ位置を検出するのと同時に満杯を検出するようになっている。
【0077】
[後処理ユニット引き出し機構]
以上説明した後処理ユニットCは画像形成ユニットAから分離したユニットで構成され、左右の側枠フレーム60aに前述の処理トレイ64、後処理装置100を支持(担持)するガイド軸107a及びスライダー107bをそれぞれ固定し、更に集積トレイ112を昇降自在に支持するガイドレール107を固定し、ユニットとして画像形成ユニットAの排紙口51に組込むようになっている。
【0078】
そして、この後処理ユニットCは図3及び図4に示すように、画像形成ユニットAに第1のユニットDを取付け、その第1のユニットDに対し引出し状に装着及び離脱自在に組込まれている。その為、側枠フレーム60a、60bと画像形成装置のフレームにはガイドレールG4が左右に設けてあり、両者が摺動自在に嵌合してあり、図1及び図2に示す装着状態では画像形成ユニットAとの間で電源の供給と各種信号の伝達用のコネクタが連結される。
【0079】
また、第1のユニットDには、第2のユニットEと第3のユニットFを引き出した位置に保持する保持レバー(保持手段)が備えられ、第1のユニットDに滞留したシートを除去している最中に、不用意に第2のユニットEと第3のユニットFが動くことが無い様に安全性が確保されている。
【0080】
[後処理ユニット制御]
次に、図20に基づき後処理ユニットCに搭載した制御CPU90の制御について説明すると、制御CPU90には画像形成ユニットAから後処理のモード指示信号と、一連(後処理を施す)のシートの排紙終了を伝達する信号(後処理開始信号)とシートサイズを伝達する信号(サイズ信号)が伝達される。またこの制御CPU90にはユニット排紙経路62に設けたシートの先端と後端を検出する入口センサS1(図9参照)の信号と集積トレイ112のレベルセンサS3(図9参照)の信号及び整合手段91(図19参照)のポジションセンサの信号、加圧レバー82の回動支軸83を取付けた扇形ギア85のポジションセンサS2(図13参照)の信号、並びに後処理装置100のポジションセンサS4(図19参照)の信号がそれぞれ伝達される。
【0081】
一方、制御CPU90からは第1搬送モータM1及び第2搬送モータM2の駆動回路と、整合板91の整合モータM6a,M6bの駆動回路と、後処理装置100のユニット移動モータM3と、カム駆動モータM5の駆動回路と、加圧レバー82に連結した加圧モータM4の駆動回路にそれぞれ制御信号を発するように結線されている。
【0082】
次に各動作について説明する。上述の後処理ユニットCにはその制御信号を構成する制御CPU90が次の各動作を実行する。尚、上述の実施例に即して第2のユニットEとして穿孔装置を、第3のユニットFとしてステープラ装置を搭載した際の制御について説明する。他の後処理装置を選択し連結した場合には、その選択した後処理装置を駆動制御する各種制御装置に置換え連結し行うことが出来る。
【0083】
[第1のユニット制御]
まず、画像形成ユニットAからシート排出の指示信号を受けて制御CPU90は第1のユニットを制御する。その動作としては、まず、第1のユニットDに設けられた正逆転可能な図示せぬ駆動モータを駆動し搬送ローラ対D2をシート搬出方向に回転させると共に、受け入れたシートに後処理を施すか否かの信号を受け、後処理を施すことなく直接排紙スタッカーへ排出する場合と先に説明した両面複写の際には第1の搬送路F1を、後処理を施すために第2のユニットEを介し第3のユニットFの後処理を実行した後に処理トレイへ排出する第2の搬送路F2とのいずれかにシートを導くために搬送方向切替片D3を適宜切替える。尚、両面複写の際には画像形成ユニットAから搬出シートの後端が所定位置に排出されたことを示す信号を受け、第1のユニットDに設けられた駆動モータが逆転され、第1の搬送路F1に先端を送り込んだシートをスイッチバックさせ画像形成ユニットAの反転ユニット60へ送り込む制御を行う。
【0084】
[第2のユニット制御]
次に、画像形成ユニットAから第1後処理(この実施例では、穿孔処理)の指示信号を受けて制御CPU90は第2のユニットEに搭載された穿孔装置E1を制御する。その動作としては、まず搬出シートが第2の搬送路F2内に送り込まれる様に搬送方向切替片D3の方向を切替え、第2のユニットEに搭載された穿孔装置E1の穿孔位置に搬出シートを搬送させる。そして、その搬出シートの先端が図10及び図11で示すセンサE3によって検出され、その検出信号を受け、予め画像形成ユニットAから受け取った搬出シートのサイズ、図示せぬスキュー検出信号によるスキュー量等の情報を制御CPU90が処理し、ホームポジションに位置する穿孔装置E1を移動機構部E2の駆動モータによって搬出シートの後方穿孔箇所が穿孔位置に到達する間に移動待機させ、その搬出シートの搬送速度から穿孔箇所が穿孔位置に到達し得るタイミングを計り穿孔処理を行う。
【0085】
また、制御CPU90は画像形成ユニットAから予め受信したシートへの穿孔処理の種類(二孔、三孔、四孔、他孔等)に応じ正逆転可能なパンチ駆動モータE4(図10参照/この実施例では正転で二孔、逆転で四孔を可能に予め設定されている場合)を、二孔処理の場合は正転し、四孔処理の場合は逆転させ、搬出シートに穿孔処理を行う。
【0086】
更に、制御CPU90は屑箱E7内の屑が満杯に成った際に、満杯検知センサー(発光素子E9と受光素子E10)の受光素子E10の信号を受け、画像形成ユニットAに屑箱E7が満杯に成ったことを使用者に表示、次シートの複写動作の中断等をフィードバック制御する。
【0087】
[第3のユニット制御]
次に、画像形成ユニットAから第2後処理(この実施例では、ステープラ綴じ処理)の指示信号を受けて制御CPU90は、図13で説明した第1搬送モータM1を起動し、搬送ローラ62b(駆動側ローラ)と排紙ローラ69a及びこれに連結したキャタピラベルト67(移送手段)をシート排紙方向に回転する。これと同時に制御CPU90は図19で示す冷却ファン110の駆動モータを回転し送風を開始すると共に後処理装置100(F1)のユニット移動モータM3を回転制御して、この後処理装置100を所定位置に位置付ける。この後処理装置100は冷却ファン110からの送風をユニット排紙経路62のガイド板62aに偏向するように所定位置が予め設定される。
【0088】
[シート束集積制御]
次に、制御CPU90は、画像形成ユニットAのサイズ信号を得て、整合手段91の整合モータM6a及びM6bを駆動する。この整合モータM6a及びM6bで左右の整合板93a、93bを送られてくるシートの幅サイズより若干大きい待機位置に移動する。この整合モータM6a,M6bの制御は、左右整合板93a,93bをそれぞれのホームポジションから予めシートサイズに応じて設定された待機位置に移動するように設定された電源パルスをモータに供給する。この電源のパルス数は制御CPU90から発する。
【0089】
更に、制御CPU90は、ユニット排紙経路62の入口センサS1からのシート後端検知信号を得てこのシートが処理トレイ64上に到達する見込み時間の後、駆動ローラ73を退避位置から作動位置に移動する。この制御は加圧レバー82の回転支軸83に連結されている加圧モータM4を図12反時計方向に回転する。この回転量は予め定められ処理トレイ64上のシート束を搬出するに十分な搬送力を付与するように設定されている。この加圧モータM4の回転で加圧レバー82は図12反時計方向に揺動し、レバー先端は蓄勢スプリング81を押下して駆動ローラ73を押圧する。この駆動ローラ73を退避位置から作動位置に押下した後、制御CPU90は第2搬送モータM2を回転駆動する。すると処理トレイ64上に搬出されたシートは反転してその後端側を処理トレイ64上の位置決め手段65に向けて駆動ローラ73で送られる。
【0090】
そして、制御CPU90はシート後端が位置決め手段65に到達する見込み時間の後この第2搬送モータM2を停止する。これと共に制御CPU90は加圧レバー82の作動モータM4を逆回転させて駆動ローラ73を退避位置に移動し、その後停止する。
【0091】
このようにシートが処理トレイ64上の所定位置に送られた後、制御CPU90はシートを整列するため次の動作を実行する。つまり制御CPU90は入口センサS1からのシート後端検知信号からシートが位置決め手段65に到達する見込み時間の後、前記整合モータM6a,M6bを所定量駆動して左右の整合板93a,93bをシートのセンターを中心に所定量移動する。すると処理トレイ64上に運ばれたシートは左右側縁を整合板93によって幅寄せされ整列される。
【0092】
この整合モータM6a,M6bの制御も待機位置と整合位置(ストロークはシート幅サイズに応じて予め設定されている)との間で往復動するように供給電源のパルス数を制御CPU90から駆動回路に伝達する。このように順次一連のシートを搬出すると画像形成ユニットAからの像形成の終了信号を受けて、制御CPU90は後処理装置100のユニット移動モータM3を起動制御する。これと同時に制御CPU90は第1搬送モータM1と第2搬送モータM2を停止する。図示の後処理装置100はステップラーで構成され、予め画像形成ユニットAから送られた処理モード信号に応じて設定された位置に後処理装置100を移動する。
【0093】
[ステープラ綴じ制御]
上述のようにシートの搬出から整合までの動作を繰り返し、画像形成ユニットAから一連のシートが処理トレイ64上に積載された状態で制御CPU90は画像形成ユニットAから画像形成終了信号を受けて後処理動作を実行する。図示のステップラーの処理モードは中央2個所綴じとコーナ綴じ或いはその他の綴じ位置が予め設定されている。中央2個所綴じのときは、制御CPU90はシートサイズに応じて算出した最初の位置に後処理装置100を移動するようモータM3を制御し、後処理装置100に処理実行の指示信号を送り、処理を実行させる。この処理動作の完了後、制御CPU90は再び後処理装置100を次の位置に移動し、処理実行の信号を送る。後処理装置100のユニット移動モータM3は制御CPU90から送られたコマンド信号に基づいてその回転方向と、パルス数指示信号に基づいてその回転量で後処理装置100を所定位置に移動する。
【0094】
[シート束排出制御]
そして、後処理動作の終了後、制御CPU90は、処理トレイ64上の処理済みシートを集積トレイ112に搬出する。まず制御CPU90はこのときのモータの回転数を駆動ローラ73に所定の周速度を付与するように設定され、駆動ローラ73の回転でピンチローラ74との間にニップされたシートは集積トレイ112に向かって搬出される。
【0095】
次に、制御CPU90は、駆動ローラ73の位置とシート後端の位置決め手段65との距離間隔から算出してシート後端がローラ位置に到達する直前に第2搬送モータM2の回転速度を第2の速度に減速するのと同時に加圧レバー82の押圧力を軽減する。これはシート後端が駆動ローラ73から離脱する際にその速度と押圧力(従動ローラとの間のニップ力)を軽減してシート後端が崩れるのを防止する為である。
【0096】
制御CPU90はシート搬出の指示信号(例えば後処理装置の動作終了信号)を受けて加圧モータM4を駆動し、加圧レバー82で駆動ローラ73をシートと当接する作動位置に移動し例えば10ニュートンの力がシートに加わるように設定する。この動作の後、加圧モータM4を停止し、加圧レバー82から一定の押圧力(10N)が駆動ローラ73に作用する。次いで制御CPU90は第2搬送モータM2を起動して駆動ローラ73を第1の周速度450mm/sで駆動する。すると処理トレイ64上のシートは駆動ローラ73とピンチローラ74にニップされ集積トレイ112に向かって搬出される。
【符号の説明】
【0097】
A 画像形成ユニット(画像形成装置本体)、
20 給紙部、
30 印字部、
40 定着部、
50 排紙部、
60 両面反転部、
B 画像読取ユニット(画像読取装置)、
C 後処理ユニット(シート後処理装置)、
D 第1のユニット(ガイドユニット)、
D1 ガイド手段
D1a 上ガイド板
D1b 下ガイド板
D2 一対の搬送ローラ
D3 搬送方向切替片
D3а 第1の搬送方向切替片
D3b 第2の搬送方向切替片
D4 第1の操作レバー
D5 移動阻止手段
E 第2のユニット(穿孔ユニット)、
E1 穿孔機構部
E2 シート搬送ガイド
E3 穿孔屑箱収納部
E4 穿孔屑箱
F 第3のユニット(ステープラユニット)、
64 処理トレイ、
F1 第2の後処理手段、
112 集積トレイ、
113 収納トレイ
G 第2の連結手段
G1 蝶番
G2a 係止爪
G2b 係止受け
G3 第2の操作レバー(解除レバー)
H 第1の連結手段
H1 ガイド板開閉レバー
H2a 係止爪
H2b 係止受け
L 一対のガイドレール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
順次搬入されるシートをガイドするガイド手段を備えた第1のユニットと、
この第1のユニットから順次搬出されるシートに後処理を施す第1の後処理手段を備えた第2のユニットと、
この第2のユニットを通って順次搬出されるシートを積載する処理トレイと、この処理トレイに載置された束状のシートに後処理を施す第2の後処理手段と、処理トレイの下流側に配置され後処理後のシートを収納する集積トレイとを備えた第3のユニットから成り、
前記第1、第2、第3のユニットを順次シート搬出方向に並設するシート後処理装置であって、
前記第1のユニットと、前記第2のユニット及び前記第3のユニットの少なくとも一つとを連結し、その連結解除で前記第1のユニットに対し前記第2のユニット及び前記第3のユニットをシート搬出方向に引き出し可能に連結支持する第1の連結手段と、
前記第2のユニットと前記第3のユニットとの隣接する奥側を回動可能に支持し、手前側を離接可能に連結し、この連結解除で前記第3のユニットに対し前記第2のユニットの手前側を前記第1のユニット側に開動可能に連結支持する第2の連結手段とを備えたことを特徴とするシート後処理装置。
【請求項2】
前記第1のユニットと引き出し位置に有る前記第2のユニットとの間に拡開した隙間を確保し、前記第2の連結手段の連結解除で前記第1のユニット側への前記第2のユニットの手前側の拡開を阻止する移動阻止手段を有し、
前記第1の連結手段の連結解除で前記第2のユニット及び前記第3のユニットをシート搬出方向に引き出し、
前記移動阻止手段でその引き出し位置に前記第2のユニット及び前記第3のユニットを保持し、
前記移動阻止手段による保持の解除で前記第2の連結手段で連結解除された前記第2のユニットの手前側を拡開可能にしたことを特徴とする請求項1に記載のシート後処理装置。
【請求項3】
前記第1の後処理手段は、穿孔装置であって、前記第2のユニットの手前側を前記第1のユニット側に開放することにより、傾斜した前記穿孔装置の略中央部位に対して、シート搬出方向下流側で且つ手前側から穿孔屑箱を装着可能な収納空間を備えたことを特徴とする請求項1及び2に記載のシート後処理装置。
【請求項4】
前記第1のユニットと引き出し位置に有る前記第2のユニットとの間に拡開した隙間を確保し、前記第2の連結手段の連結解除で前記第1のユニット側への前記第2のユニットの手前側の拡開を阻止する移動阻止手段を有し、その移動阻止手段の阻止を解除した後に前記第2の連結手段で連結解除された前記第2のユニットの手前側を拡開させ、前記収納空間から前記穿孔屑箱を取り出して成ることを特徴とする請求項3に記載のシート後処理装置。
【請求項5】
前記第2の後処理手段は、ステープラ本体とその本体に着脱可能な針収容部とから成るステープラ装置で、そのステープラ装置は前記針収容部の針の補充信号(エンド、ニアエンド、手動)で装置手前側に移動する移動機構を有し、
前記移動阻止手段による保持の解除で前記第2の連結手段で連結解除された前記第2のユニットの手前側を拡開した状態で、その拡開した手前側から前記ステープラ装置の針収容部を取り外し可能にしたことを特徴とする請求項4に記載のシート後処理装置。
【請求項6】
前記第2のユニットと前記第3のユニットは、後方側が互いに蝶番機構で揺動可能に支持され、
前記第2のユニットは前記第3のユニットに対し手前側が係止機構で連結解除可能に支持され、
前記第2のユニットと前記第3のユニットのいずれか一方に前記係止機構の連結を解除する解除手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至5に記載のシート後処理装置。
【請求項7】
スタッカー上のシートを順次給送する給紙部と、
前記給紙部からのシート上に所定の印刷を施す印字部と、
前記印字部から送られたシート上のインクを加熱定着する定着部と、
前記定着部からのシートを排紙口から順次搬出する排紙部とを備えた画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体の上方に配置され、プラテン上にセットされたオリジナル画像を読み取る画像読取装置と、
前記画像形成装置本体と前記画像読取装置の間に装着されるシート後処理装置と、
を備えた画像形成装置であって、
前記シート後処理装置は、順次搬入されるシートをガイドするガイド手段を備えた第1のユニットと、
この第1のユニットから順次搬出されるシートに後処理を施す第1の後処理手段を備えた第2のユニットと、
この第2のユニットを通って順次搬出されるシートを積載する処理トレイと、この処理トレイに載置された束状のシートに後処理を施す第2の後処理手段と、処理トレイの下流側に配置され後処理後のシートを収納する集積トレイとを備えた第3のユニットから成り、
前記第1、第2、第3のユニットを順次シート搬出方向に並設するシート後処理装置であって、
前記第1のユニットと、前記第2のユニット及び前記第3のユニットの少なくとも一つとを連結し、その連結解除で前記第1のユニットに対し前記第2のユニット及び前記第3のユニットをシート搬出方向に引き出し可能に連結支持する第1の連結手段と、
前記第2のユニットと前記第3のユニットとの隣接する奥側を回動可能に支持し、手前側を離接可能に連結し、その連結解除で前記第3のユニットに対し前記第2のユニットの手前側を前記第1のユニット側に開動可能に連結支持する第2の連結手段と、
を備えから成ることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記第1のユニットと引き出し位置に有る前記第2のユニットとの間に拡開した隙間を確保し、前記第2の連結手段の連結解除で前記第1のユニット側への前記第2のユニットの手前側の拡開を阻止する移動阻止手段を有し、
前記第1の連結手段の連結解除で前記第2のユニット及び前記第3のユニットをシート搬出方向に引き出し、
前記移動阻止手段でその引き出し位置に前記第2のユニット及び前記第3のユニットを阻止可能で、
前記移動阻止手段の阻止を解除した後に前記第2の連結手段で連結解除された前記第2のユニットの手前側を拡開させて成る請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項1】
順次搬入されるシートをガイドするガイド手段を備えた第1のユニットと、
この第1のユニットから順次搬出されるシートに後処理を施す第1の後処理手段を備えた第2のユニットと、
この第2のユニットを通って順次搬出されるシートを積載する処理トレイと、この処理トレイに載置された束状のシートに後処理を施す第2の後処理手段と、処理トレイの下流側に配置され後処理後のシートを収納する集積トレイとを備えた第3のユニットから成り、
前記第1、第2、第3のユニットを順次シート搬出方向に並設するシート後処理装置であって、
前記第1のユニットと、前記第2のユニット及び前記第3のユニットの少なくとも一つとを連結し、その連結解除で前記第1のユニットに対し前記第2のユニット及び前記第3のユニットをシート搬出方向に引き出し可能に連結支持する第1の連結手段と、
前記第2のユニットと前記第3のユニットとの隣接する奥側を回動可能に支持し、手前側を離接可能に連結し、この連結解除で前記第3のユニットに対し前記第2のユニットの手前側を前記第1のユニット側に開動可能に連結支持する第2の連結手段とを備えたことを特徴とするシート後処理装置。
【請求項2】
前記第1のユニットと引き出し位置に有る前記第2のユニットとの間に拡開した隙間を確保し、前記第2の連結手段の連結解除で前記第1のユニット側への前記第2のユニットの手前側の拡開を阻止する移動阻止手段を有し、
前記第1の連結手段の連結解除で前記第2のユニット及び前記第3のユニットをシート搬出方向に引き出し、
前記移動阻止手段でその引き出し位置に前記第2のユニット及び前記第3のユニットを保持し、
前記移動阻止手段による保持の解除で前記第2の連結手段で連結解除された前記第2のユニットの手前側を拡開可能にしたことを特徴とする請求項1に記載のシート後処理装置。
【請求項3】
前記第1の後処理手段は、穿孔装置であって、前記第2のユニットの手前側を前記第1のユニット側に開放することにより、傾斜した前記穿孔装置の略中央部位に対して、シート搬出方向下流側で且つ手前側から穿孔屑箱を装着可能な収納空間を備えたことを特徴とする請求項1及び2に記載のシート後処理装置。
【請求項4】
前記第1のユニットと引き出し位置に有る前記第2のユニットとの間に拡開した隙間を確保し、前記第2の連結手段の連結解除で前記第1のユニット側への前記第2のユニットの手前側の拡開を阻止する移動阻止手段を有し、その移動阻止手段の阻止を解除した後に前記第2の連結手段で連結解除された前記第2のユニットの手前側を拡開させ、前記収納空間から前記穿孔屑箱を取り出して成ることを特徴とする請求項3に記載のシート後処理装置。
【請求項5】
前記第2の後処理手段は、ステープラ本体とその本体に着脱可能な針収容部とから成るステープラ装置で、そのステープラ装置は前記針収容部の針の補充信号(エンド、ニアエンド、手動)で装置手前側に移動する移動機構を有し、
前記移動阻止手段による保持の解除で前記第2の連結手段で連結解除された前記第2のユニットの手前側を拡開した状態で、その拡開した手前側から前記ステープラ装置の針収容部を取り外し可能にしたことを特徴とする請求項4に記載のシート後処理装置。
【請求項6】
前記第2のユニットと前記第3のユニットは、後方側が互いに蝶番機構で揺動可能に支持され、
前記第2のユニットは前記第3のユニットに対し手前側が係止機構で連結解除可能に支持され、
前記第2のユニットと前記第3のユニットのいずれか一方に前記係止機構の連結を解除する解除手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至5に記載のシート後処理装置。
【請求項7】
スタッカー上のシートを順次給送する給紙部と、
前記給紙部からのシート上に所定の印刷を施す印字部と、
前記印字部から送られたシート上のインクを加熱定着する定着部と、
前記定着部からのシートを排紙口から順次搬出する排紙部とを備えた画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体の上方に配置され、プラテン上にセットされたオリジナル画像を読み取る画像読取装置と、
前記画像形成装置本体と前記画像読取装置の間に装着されるシート後処理装置と、
を備えた画像形成装置であって、
前記シート後処理装置は、順次搬入されるシートをガイドするガイド手段を備えた第1のユニットと、
この第1のユニットから順次搬出されるシートに後処理を施す第1の後処理手段を備えた第2のユニットと、
この第2のユニットを通って順次搬出されるシートを積載する処理トレイと、この処理トレイに載置された束状のシートに後処理を施す第2の後処理手段と、処理トレイの下流側に配置され後処理後のシートを収納する集積トレイとを備えた第3のユニットから成り、
前記第1、第2、第3のユニットを順次シート搬出方向に並設するシート後処理装置であって、
前記第1のユニットと、前記第2のユニット及び前記第3のユニットの少なくとも一つとを連結し、その連結解除で前記第1のユニットに対し前記第2のユニット及び前記第3のユニットをシート搬出方向に引き出し可能に連結支持する第1の連結手段と、
前記第2のユニットと前記第3のユニットとの隣接する奥側を回動可能に支持し、手前側を離接可能に連結し、その連結解除で前記第3のユニットに対し前記第2のユニットの手前側を前記第1のユニット側に開動可能に連結支持する第2の連結手段と、
を備えから成ることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記第1のユニットと引き出し位置に有る前記第2のユニットとの間に拡開した隙間を確保し、前記第2の連結手段の連結解除で前記第1のユニット側への前記第2のユニットの手前側の拡開を阻止する移動阻止手段を有し、
前記第1の連結手段の連結解除で前記第2のユニット及び前記第3のユニットをシート搬出方向に引き出し、
前記移動阻止手段でその引き出し位置に前記第2のユニット及び前記第3のユニットを阻止可能で、
前記移動阻止手段の阻止を解除した後に前記第2の連結手段で連結解除された前記第2のユニットの手前側を拡開させて成る請求項7に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−35955(P2012−35955A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−176391(P2010−176391)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(000231589)ニスカ株式会社 (568)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(000231589)ニスカ株式会社 (568)
【Fターム(参考)】
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