説明

シート検知装置及び画像形成装置

【課題】シート搬送速度を速くしても紙間距離が長くなることを抑止し、スループットを向上可能なシート検知装置及びこれを備える画像形成装置を提供すること。
【解決手段】搬送ローラ対によって搬送されるシートを検知するシート検知部において、シートの先端に当接し得る当接面23dを有する回動レバー23と、回動レバー23を上流側に付勢する付勢バネ27と、当接面23dがシートの先端に当接し得る第1位置、シートに押圧されて下流側に当接面23dを移動してシート搬送路から退避する第2位置、搬送中のシートに当接し、シートの後端が通過した際に第1位置に移動するように待機する第3位置、の順に当接面23dが上流側を向いた状態で移動するように回動レバー23を支持する支持機構と、当接面23dの移動に連動する遮光フラグ29及び遮光フラグ29の移動位置を検知するセンサと、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送されるシートを検知するシート検知装置及びこれを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、画像形成装置のシート搬送部には、シートを転写位置に送るタイミングと画像形成部が形成した画像を転写位置に送るタイミングとを一致させるために、シートの先端位置等を検知可能なシート検知装置が設けられている(特許文献1参照)。
【0003】
ここで、図26から図27(c)に、従来のシート検知装置を示す。図26に示すように、従来のシート検知装置は、画像形成部で形成された画像を転写する転写位置に最も近い搬送ローラ対618,619のシート搬送方向下流側に設けられている。シート検知装置は、シートと当接するレバー部材623と、光学センサ624と、光学センサ624の発光部から受光部への光路を遮光する遮光フラグ625と、レバー部材623をホーム位置に位置決めするストッパ部626と、を備える。レバー部材623は、回転軸627により回転自在に形成されると共に、回転しても戻りバネ628の押圧力によりホーム位置に戻るように構成されている。遮光フラグ625は、レバー部材623と一体的に形成されており、レバー部材623と共に回転する。
【0004】
図27(a)に示すように、シートSの先端がレバー部材623に接触すると、レバー部材623はホーム位置から回転軸627を中心に図27(a)に示す矢印方向に回転し、遮光フラグ625が光学センサ624の光路を遮光する。光路が遮光されたことを光学センサ624が検知すると、シート検知装置は、シートSの先端がレバー部材623まで到達したことを認識する。その後、シートSは、レバー部材623の先端と接触しながら移動する。シートSの後端がレバー部材623から離間すると、レバー部材623は、戻りバネ628により図27(c)に示す矢印方向に回転し、ホーム位置へ戻る。このとき、遮光フラグ625は光路から退避し、光学センサ624の受光部が発光部から発光される光を再び受光することで、シート検知装置は、シートSの後端がレバー部材623を通過したことを認識する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平09−183539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、画像形成装置は、ユーザから更なるスループットの向上が求められている。画像形成装置においてスループットを向上させるためには、シートの搬送速度を向上させることや先行シートの後端から後続のシートの先端までの間隔(以下、「紙間」という)を短縮することが必要となる。そのため、シート検知装置は、先行のシートSが通過した後、短い紙間の中で、レバー部材623をホーム位置に戻さなければならない。
【0007】
一方、従来のレバー部材623は、搬送ローラ対618,619を通過したシートSの先端が当接部に当接するとシートSに押されて回転し、シートSの後端が当接部から離間すると、逆回転してホーム位置に戻るように構成されている。そのため、紙間距離として必要な距離は、先行シートの後端がレバー部材623の当接部を通過した位置から後続シートの先端が当接部と当接するホーム位置までの距離D1と、その間に後続シートが搬送される距離D2とを足した距離となる(図27(b)参照)。
【0008】
ここで、距離D2は、レバー部材623が距離D1を移動する時間Δtに、シート搬送速度Vをかけた距離(Δt×V)となる。レバー部材623が往復運動を行う場合には、レバー部材623がホーム位置に戻るための距離D1は発生し、その戻り動作中に後続のシートSが搬送される距離D2は、シート搬送速度が速いほど長くなる。そのため、従来のシート検知装置は、シートSの搬送速度を速くすると、紙間距離が長くなるという問題があり、これが更なるスループットの向上を抑制していた。
【0009】
そこで本発明は、シート搬送速度を速くした場合においても紙間距離が長くなることを抑止し、スループット向上させることが可能なシート検知装置及びこれを備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、シート搬送路のシートを搬送する搬送部によって搬送されるシートを検知するシート検知装置において、前記搬送部により搬送されるシートの先端に当接し得る当接面が形成されたレバー部材と、前記当接面を前記シート搬送路に突出させて前記当接面がシートの先端に当接し得る第1位置に位置するように前記レバー部材を付勢する付勢手段と、前記第1位置、シートに押圧されて前記付勢手段の付勢力に抗して前記シート搬送路の下流側に前記当接面を移動して前記シート搬送路から前記当接面を退避する第2位置、搬送中のシートに当接し、シートの後端が通過した際に前記第1位置に移動するように待機する第3位置、の順に前記当接面がシート搬送方向の上流側を向いた状態で移動するように前記レバー部材を支持する支持機構と、前記レバー部材の当接面の移動に連動するフラグ部材及び前記フラグ部材の移動位置を検知するセンサを有する検知手段と、を備えた、ことを特徴とするシート検知装置に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、シートが通過してからレバー部材を待機位置である第1位置に位置するまでの時間が短くできるので紙間距離として必要な距離を大きく確保する必要が少なくなり、スループットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の全体構造を模式的に示す断面図である。
【図2】(a)は、第1実施形態に係る画像形成装置のシート搬送部の斜視図であり、(b)は、(a)に示すシート搬送部を反対側からみた斜視図である。
【図3】第1実施形態に係るシート検知部の一部を示す分解斜視図である。
【図4】(a)は、第1実施形態に係るシート搬送部にシートが搬送される状態を示す図であり、(b)は、シート搬送部にシートが搬送される状態の回動レバーを示す図である。(c)は、シート搬送部にシートが搬送される状態の遮光フラグを示す図である。
【図5】(a)は、回動レバーの当接面にシートの先端が当接した状態のシート搬送部を示す図であり、(b)は、当接面にシートの先端が当接した状態の回動レバーを示す図である。(c)は、回動レバーの当接面にシートの先端が当接した状態の遮光フラグを示す図である。
【図6】(a)は、シートの先端に押圧されて回動レバーが回動した状態のシート搬送部を示す図であり、(b)は、シートの先端に押圧されて回動した回動レバーを示す図である。(c)は、シートの先端に押圧されて回動レバーが回動した状態の遮光フラグを示す図である。
【図7】(a)は、シートの先端に押圧されて回動レバーが第2位置に位置する状態のシート搬送部を示す図であり、(b)は、シートの先端に押圧されて第2位置に位置する状態の回動レバーを示す図である。(c)は、シートの先端に押圧されて回動レバーが第2位置に位置する状態の遮光フラグを示す図である。
【図8】(a)は、回動レバーが第2位置から第3位置に移動する状態のシート搬送部を示す図であり、(b)は、第2位置から第3位置に移動する回動レバーを示す図である。(c)は、回動レバーが第2位置から第3位置に移動する状態の遮光フラグを示す図である。
【図9】(a)は、回動レバーが第3位置から第1位置に移動した状態のシート搬送部を示す図であり、(b)は、第3位置から第1位置に移動した状態の回動レバーを示す図である。(c)は、回動レバーが第3位置から第1位置に移動した状態の遮光フラグを示す図である。
【図10】上流側を向いた状態で第1位置から第3位置に循環移動する回動レバーの当接面の回動軌跡を示す図である。
【図11】(a)は、第2実施形態に係る画像形成装置のシート搬送部の斜視図であり、(b)は、(a)に示すシート搬送部を反対側からみた斜視図である。
【図12】(a)は、第2実施形態に係る画像形成装置のシート搬送部を示す図であり、(b)は、(a)に示すシート搬送部の回動レバーが第3位置で待機する状態を示す図である。
【図13】(a)は、第3実施形態に係る画像形成装置のシート搬送部の斜視図であり、(b)は、(a)に示すシート搬送部を反対側からみた斜視図である。
【図14】第3実施形態に係るシート検知部の一部を示す分解斜視図である。
【図15】(a)は、第3実施形態に係るシート搬送部にシートが搬送される状態を示す図であり、(b)は、シート搬送部にシートが搬送される状態の回動レバーを示す図である。(c)は、シート搬送部にシートが搬送される状態の遮光フラグを示す図である。
【図16】(a)は、回動レバーの当接面にシートの先端が当接した状態のシート搬送部を示す図であり、(b)は、当接面にシートの先端が当接した状態の回動レバーを示す図である。(c)は、当接面にシートの先端が当接した状態の遮光フラグを示す図である。
【図17】上流側を向いた状態で第1位置から第3位置に循環移動する回動レバーの当接面の回動軌跡を示す図である。
【図18】(a)は、第4実施形態に係る画像形成装置のシート搬送部の斜視図であり、(b)は、(a)に示すシート搬送部を反対側からみた斜視図である。
【図19】第4実施形態に係るシート検知部の一部を示す分解斜視図である。
【図20】(a)は、シート搬送部にシートが搬送される状態の第2回動レバーを示す図であり、(b)は、シート搬送部にシートが搬送される状態の第1回動レバーを示す図である。(c)は、シート搬送部にシートが搬送される状態の遮光フラグを示す図であり、(d)は、シート搬送部にシートが搬送される状態の付勢手段を示す図である。
【図21】(a)は、第1回動レバーの当接面にシートの先端が当接した状態の第2回動レバーを示す図であり、(b)は、当接面にシートの先端が当接した状態の第1回動レバーを示す図である。(c)は、第1回動レバーの当接面にシートの先端が当接した状態の遮光フラグを示す図であり、(d)は、第1回動レバーの当接面にシートの先端が当接した状態の付勢手段を示す図である。
【図22】(a)は、第1回動レバーの当接面がシートの先端に押圧されて第1回動レバーと共に第2回動レバーが回動する状態を示す図であり、(b)は、シートの先端に押圧されて第1回動レバーが回動した状態を示す図である。(c)は、シートの先端に押圧されて第1回動レバーが回動した状態の遮光フラグを示す図であり、(d)は、シートの先端が当接して第1回動レバーが回動した状態の付勢手段を示す図である。
【図23】(a)は、第1回動レバーが第2位置に回動した状態の第2回動レバーを示す図であり、(b)は、第2位置に回動した第1回動レバーを示す図である。(c)は、第1回動レバーが第2位置に回動した状態の遮光フラグを示す図であり、(d)は、第1回動レバーが第2位置に回動した状態の付勢手段を示す図である。
【図24】(a)は、第1回動レバーと共に回動した第2回動レバーの先端が搬送されるシートの先端に当接して第3位置で待機している状態を示す図であり、(b)は、第2回動レバーが待機している状態における第1回動レバーを示す図である。(c)は、第2回動レバーが第3位置で待機している状態における遮光フラグを示す図であり、(d)は、第2回動レバーが第3位置で待機している状態の付勢手段を示す図である。
【図25】(a)は、第2回動レバーが第1位置に回動した状態を示す図であり、(b)は、第2回動レバーが第1位置に回動した状態の第1回動レバーを示す図である。(c)は、第2回動レバーが第1位置に移動した状態の遮光フラグを示す図であり、(d)は、第2回動レバーが第1位置に移動した状態の付勢手段を示す図である。
【図26】従来例に係る画像形成装置のシート搬送部を示す斜視図である。
【図27】(a)は、従来例に係るシート搬送部のシート検知部の遮光フラグにシートの先端が当接した状態を示す図であり、(b)は、シートが通過するまで待機している状態の遮光フラグを示す図である。(c)は、シートが通過して遮光フラグがホーム位置に戻った状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態に係るシート搬送部を備える画像形成装置について、図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態に係る画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれら複合機器等、搬送されるシートの位置を検知可能なシート検知機能を有するシート搬送部を備えた画像形成装置である。以下の実施形態においては、4色のトナー像を形成する電子写真式の画像形成装置を用いて説明する。
【0014】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置100について、図1から図10を参照しながら説明する。まず、第1実施形態に係る画像形成装置100の全体構造について、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置100の全体構造を模式的に示す断面図である。
【0015】
図1に示すように、第1実施形態に係る画像形成装置100は、シートSを給送するシート給送部8と、シート給送部8から給送されたシートSを搬送すると共にシートSの位置を検知するシート搬送部9と、を備える。画像形成装置100は、シート搬送部9から搬送されたシートSにトナー像を形成する画像形成部14と、画像形成部14で形成された未定着のトナー像をシートに定着させる定着部10と、トナー像が定着されたシートを排出するシート排出部13と、を備える。
【0016】
シート給送部8は、シートSが収納される給紙カセット80と、給紙カセット80に収納されるシートSをシート搬送部9に給送する給送ローラ81と、シートSを1枚ずつ分離する分離部(図示せず)と、を備える。シート給送部8は、給紙カセット80に収納されたシートSを、分離部で1枚ずつ分離しながら給送ローラ81でシート搬送部9に給送する。
【0017】
シート搬送部9は、シート給送部8の下流側に設けられており、シート給送部8から給送されるシートS又は後述の両面搬送路15bから搬送されるシートSを搬送する。また、シート搬送部9は、所定の位置を通過したことを検知するシート検知装置としてのシート検知部200を備える。なお、シート検知部200については、後に詳述するシート搬送部9で具体的に説明する。
【0018】
画像形成部14は、シートSが所定の位置に到達したことをシート検知部200が検知すると、所定のタイミングで画像形成動作を開始する。つまり、画像形成部14は、所定のタイミングで所定の画像情報に基づいてトナー像を形成し、シート搬送部9により搬送されるシートSにトナー像を転写する。画像形成部14は、感光体ドラム1a,1b,1c,1dと、帯電部2a,2b,2c,2dと、露光部3a,3b,3c,3dと、現像部4a,4b,4c,4dと、転写ローラ5a,5b,5c,5dと、クリーニング部6a,6b,6c,6dと、を備える。また、画像形成部14は、転写ベルト14aを備える。
【0019】
像担持体である感光体ドラム1a〜1dは、アルミニウム製シリンダの外周面に有機光導電体層(OPC)を塗布して構成したものである。感光体ドラム1a〜1dは、その両端部をフランジによって回転自在に支持されており、一方の端部に不図示の駆動モータからの駆動力を伝達することにより、図1における反時計回りに回転駆動される。帯電部2a〜2dは、ローラ状に形成された導電性ローラを感光体ドラム1a〜1dの表面に当接させると共に、不図示の電源によって帯電バイアス電圧を印加して感光体ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電させる。露光部3a〜3dは、画像情報に基づいてレーザービームを照射し感光体ドラム1a〜1d上に静電潜像を形成する。
【0020】
現像部4a〜4dは、トナー収納部4a1,4b1,4c1,4d1と、現像ローラ部4a2,4b2,4c2,4d2と、を備える。トナー収納部4a1〜4d1は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のトナーを収納する。現像ローラ部4a2〜4d2は、感光体表面に隣接配置されており、現像バイアス電圧を印加して、感光体ドラム1a〜1d上の静電潜像に各色のトナーを付着させてトナー像として顕像化する。
【0021】
転写ローラ5a〜5dは、感光体ドラム1a〜1dに対向して転写ベルト14aに当接するように、転写ベルト14aの内側に配置されている。転写ローラ5a〜5dは、不図示の転写バイアス用電源に接続されており、転写ローラ5a〜5dから正極性の電荷が転写ベルト14aを介してシートSに印加される。この電界により、感光体ドラム1a〜1dに接触中のシートSに感光体ドラム1a〜1d上の負極性の各色トナー像が順次転写され、カラー画像が形成される。クリーニング部6a〜6dは、転写後の感光体ドラム1a〜1dの表面に残ったトナーを除去する。
【0022】
なお、本実施形態においては、感光体ドラム1a〜1d、帯電部2a〜2d、現像部4a〜4d及びクリーニング部6a〜6dは、一体的にプロセスカートリッジ部7a〜7dを構成している。
【0023】
定着部10は、未定着のトナー像が転写されたシートSを加熱して、未定着のトナー像を定着させる。シート排出部13は、画像が形成されたシートSを正回転して搬送し、又は逆回転して反転させる排紙ローラ対11,12と、画像が形成されたシートSが排出される排出部13aと、を備える。
【0024】
また、画像形成装置100は、画像形成部14でトナー像が形成されたシートS等を搬送するシート搬送路15aと、両面搬送路15bと、斜送ローラ対16と、Uターンローラ対17と、を備える。シート搬送路15aは、シート給送部8から給送されたシートSや両面搬送路15bから搬送されたシートS等を搬送するための搬送路であり、シート搬送部9及び画像形成部14が配置されている。両面搬送路15bは、両面印刷を行うために排紙ローラ対11,12で反転されたシートSをシート搬送路15aに搬送するための搬送路である。斜送ローラ対16は、両面搬送路15bに配置されており、反転されたシートSを搬送する。Uターンローラ対17は、両面搬送路15bに配置されており、両面搬送路15bを搬送するシートSをシート搬送路15aに再搬送する。
【0025】
シート給送部8からシート搬送路15aに給送されたシートSは、シート搬送部9のシート検知部200を介して画像形成部14に搬送される。シート検知部200では、シートSの先端位置が検知される。そして、シート検知部200でシートSの先端位置が検知されると、シートSが転写ローラ5a〜5dに到達するタイミングで画像形成部14によるトナー像の形成(画像形成動作)が開始される。トナー像の形成が開始された後、シートSが転写ローラ5a〜5dに到達すると、感光体ドラム1a〜1d上の各色のトナー像が、順次シートSに転写される。そして、シートSは、定着部10で未定着のトナー像が定着されて排紙ローラ対11,12によって排出部13aへ排出される。
【0026】
また、両面印刷の際は、定着部10でシートSに未定着トナー像を定着した後、排紙ローラ対11,12によって排出部13aに排出される前に、排紙ローラ対11,12を逆回転させる。これにより、シートSが両面搬送路15bに搬送される。両面搬送路15bに搬送されたシートSは、斜送ローラ対16及びUターンローラ対17によりシート検知部200を介して再び画像形成部14に搬送され、両面印刷が行われる。
【0027】
次に、シート搬送部9について、図2(a)から図10を参照しながら具体的に説明する。まず、シート搬送部9の全体構成について、図2(a)から図3を参照しながら説明する。図2(a)は、第1実施形態に係る画像形成装置100のシート搬送部9の斜視図である。図2(b)は、図2(a)に示すシート搬送部9を反対側からみた斜視図である。図3は、第1実施形態に係るシート検知部200の一部を示す分解斜視図である。なお、図2(a)及び図2(b)に示す矢印は、シートSの搬送方向を示している。
【0028】
図2(a)及び図2(b)に示すように、シート搬送部9は、給紙フレーム20及びガイドフレーム28と、シート搬送路15aを搬送するシートSを画像形成部14に搬送する、搬送部としての搬送ローラ対18,19と、シート検知部200と、を備える。給紙フレーム20及びガイドフレーム28は、シート搬送路15aにおける画像形成部14の上流側近傍に配置されており、搬送ローラ対18,19及びシート検知部200を支持する。搬送ローラ対18、19は、複数の搬送ローラ19と、複数の搬送ローラ19にそれぞれに対向配置された複数の搬送コロ18と、を備える。搬送ローラ19は、感光体ドラム1a〜1dの回転軸方向と平行に軸支された回転軸19aに固着されており、回転軸19aと一体的に回転する。搬送コロ18は、給紙フレーム20に回転自在に軸支されている。また、搬送コロ18は、給紙フレーム20に取り付けられた搬送コロバネ21により搬送ローラ19に対して付勢されており、この付勢力によりシートSを搬送するための搬送ローラ19の従動回転体を構成する。
【0029】
シート検知部200は、シート搬送路における搬送ローラ対18、19よりもシート搬送方向の下流側で給紙フレーム20及びガイドフレーム28に支持されており、搬送ローラ対18、19によって画像形成部14に搬送されるシートSの先端位置を検知する。シート検知部200は、レバー部材としての回動レバー23と、支持機構を構成する支軸31と、支持機構を構成する回転体としての回転体対24,25と、回転体対24,25を回転させる回転軸24a,25aと、を備える。また、シート検知部200は、連結用回転体としてのレバー駆動部材26と、付勢部材としての付勢バネ27と、フラグ部材としての遮光フラグ29と、センサとしての光学センサ30と、を備える。
【0030】
回動レバー23は、長板状(直線状)に形成された本体部23eと、本体部23eの長手方向における一端部に本体部23eと一体形成される当接部23aと、他端部側に形成される長穴部23bと、を備える。また、回動レバー23は、当接部23aと長穴部23bとの間に形成される被連結部23cと、を備える。
【0031】
当接部23aは、搬送ローラ対18,19によりシート搬送路15aを搬送するシートSの先端に当接し得る当接面23dを備える。当接面23dは、搬送ローラ対18,19により搬送されるシートSの先端に当接するように、シート搬送路15aに突出した状態で配置されている。以下、搬送ローラ対18,19のシート搬送方向の下流側でのシートSの先端が当接面23dに当接する位置を「第1位置」という。
【0032】
長穴部23bは、本体部23eの他端部において、本体部23eの長手方向に沿って形成されており、給紙フレーム20に位置決め固定された支軸31がスライド自在に係合する(図2(b)参照)。被連結部23cは、回転体対24,25と共に回動レバー23が回動し得るように回転体対24,25に回転自在に連結される。支軸31は、回動レバー23の本体部23eをスライド自在に支持するスライド支持部を構成している。
【0033】
回転体対24,25は、円板状に形成されており、それぞれの回転中心に回転軸24a,25aが接続されている。また、回転体24には、回転体24の回転中心から半径方向にオフセットした位置(偏心した位置)に回動レバー23の被連結部23cを貫通可能な連結部としての連結軸24bが突出形成されている。回転体25には、被連結部23cを貫通した連結軸24bを接続可能な接続穴25bが形成されている。接続穴25bは、回転体25の回転中心から半径方向にオフセットした位置(偏心した位置)に形成されている。回転体対24,25は、回転中心から偏心した位置に形成された連結軸24bを被連結部23cに貫通させて、回転中心から偏心した位置に形成された接続穴25bに嵌挿することにより回動レバー23と連結される。
【0034】
レバー駆動部材26は、円板状に形成されており、回転軸25aとレバー駆動部材26の回転中心とが一致するように回転軸25aの端部に固着されている。本実施形態においては、レバー駆動部材26の回転中心に形成されたDカット穴に、回転軸25aの先端に形成されたD形状部を圧入することによりレバー駆動部材26が回転軸25aに固着される。レバー駆動部材26は、回転中心から半径方向にオフセットした位置(偏心した位置)に突出形成された連結支持部26aを備える。連結支持部26aは、付勢バネ27の一端に連結されており、付勢バネ27が最少付勢状態(伸びていない状態)において、当接面23dが第1位置に位置するように設けられている。
【0035】
付勢バネ27は、一端がレバー駆動部材26の連結支持部26aに連結され、他端が給紙フレーム20に位置決め固定されている。付勢バネ27は、当接面23dが第1位置に位置するように、レバー駆動部材26、回転軸24a,25a及び回転体対24,25を介して回動レバー23をシート搬送方向の上流側に付勢する。例えば、付勢バネ27は、シートSの先端に衝突されて回動した回動レバー23をレバー駆動部材26を介してZ3方向(後述の図7(b)参照)に付勢することで当接部23aを第1位置に位置させる。
【0036】
遮光フラグ29は、光学センサ30の光路Lを遮光する。遮光フラグ29は、回転軸24aに固着されており、回転軸24a,25aを中心に回転体対24,25と一体的に回転する。つまり、遮光フラグ29は、回動レバー23の回動に連動して回転する。また、遮光フラグ29は、光学センサ30の光を透過させるスリット部29aを備える。スリット部29aは、回動レバー23に設けられる当接部23aの当接面23dが第1位置に位置している場合に、光学センサ30の光を透過するように形成されている(後述の図4(c)参照)。遮光フラグ29は、回動レバー23がシートSの先端に押されて回転することにより回動レバー23と共に回転して光学センサ30の光路Lを遮光するように構成されている。
【0037】
光学センサ30は、遮光フラグ29の回転経路に設けられており、光を発光する発光部(図示せず)と、発光部が発光した光を受光する受光部(図示せず)と、を有する。発光部が発光した光は、受光部で受光されることにより光路Lを形成する。また、発光部が発光した光を遮光フラグ29が遮光すると、発光部が出力する信号(光信号)が遮断され、受光する信号が変化するように構成されている。光学センサ30は、受光する信号の変化により遮光フラグ29の移動位置を検知する。
【0038】
次に、シート搬送部9の動作について、図1に加え、図4(a)から図10を参照しながら説明する。図4(a)は、第1実施形態に係るシート搬送部9にシートSが搬送される状態を示す図である。図4(b)は、シート搬送部9にシートSが搬送される状態の回動レバー23を示す図である。図4(c)は、シート搬送部9にシートSが搬送される状態の遮光フラグ29を示す図である。図5(a)は、回動レバー23の当接面23dにシートSの先端が当接した状態のシート搬送部9を示す図である。図5(b)は、当接面23dにシートSの先端が当接した状態の回動レバー23を示す図である。図5(c)は、回動レバー23の当接面23dにシートSの先端が当接した状態の遮光フラグ29を示す図である。図6(a)は、シートSの先端に押圧されて回動レバー23が回動した状態のシート搬送部9を示す図である。図6(b)は、シートSの先端に押圧されて回動した回動レバー23を示す図である。図6(c)は、シートSの先端に押圧されて回動レバー23が回動した状態の遮光フラグ29を示す図である。
【0039】
図7(a)は、シートSの先端に押圧されて回動レバー23が第2位置に位置する状態のシート搬送部9を示す図である。図7(b)は、シートSの先端に押圧されて第2位置に位置する状態の回動レバー23を示す図である。図7(c)は、シートSの先端に押圧されて回動レバー23が第2位置に位置する状態の遮光フラグ29を示す図である。図8(a)は、回動レバー23が第2位置から第3位置に移動する状態のシート搬送部9を示す図である。図8(b)は、第2位置から第3位置に移動する回動レバー23を示す図である。図8(c)は、回動レバー23が第2位置から第3位置に移動する状態の遮光フラグ29を示す図である。図9(a)は、回動レバー23が第3位置から第1位置に移動した状態のシート搬送部9を示す図である。図9(b)は、第3位置から第1位置に移動した状態の回動レバー23を示す図である。図9(c)は、回動レバー23が第3位置から第1位置に移動した状態の遮光フラグ29を示す図である。図10は、上流側を向いた状態で第1位置から第3位置に循環移動する回動レバー23の当接面23dの回動軌跡Tを示す図である。
【0040】
図4(a)及び図4(b)に示すように、シートSの先端が回動レバー23の当接面23dに当接していない状態においては、付勢バネ27の付勢力によって、回動レバー23の当接部23aは、第1位置で待機した状態で保持される。なお、第1位置においては、図4(c)に示すように、光学センサ30の光路Lは、遮光フラグ29のスリット部429bによって遮光されていない状態となっている。
【0041】
次に、図5(a)に示すように、搬送ローラ対18、19によって搬送されるシートSの先端が回動レバー23の当接面23dに当接すると、シートSは、付勢バネ27で付勢されたレバー駆動部材26の保持力に抗した状態で当接面23dを押圧する。シートSに当接面23dが押圧されると、付勢バネ27の付勢力に抗してレバー駆動部材26が図5(a)に示す矢印r方向に回転する。このとき、遮光フラグ29も図5(c)に示すように、図5(c)に示す矢印r方向に回転する。レバー駆動部材26及び遮光フラグ29が矢印r方向に回転すると、長穴部23bが支軸31bにガイドされながらスライドし、回動レバー23が回動する。回動レバー23が回動すると、当接面23dが図5(b)に示す矢印z1方向に移動する。
【0042】
このとき、シートSの先端は、図5(c)に示すように、給紙フレーム20とガイドフレーム28によって構成され、搬送ローラ対18,19のシート搬送方向下流に配置された通紙ガイドによってガイドされている。そのため、シートSの先端が当接面23dから逃げてしまうことが防止され、シートSの先端によって確実に回動レバー23の当接面23dを押圧して回転させることができるようになっている。
【0043】
図6(a)及び図6(b)に示すように、シートSの先端によって当接面23dが押圧されると、長穴部23bが支軸31bにガイドされながらスライドし、付勢バネ27の付勢力に抗して回動レバー23が回動する。回動レバー23が回動すると、当接面23dが図6(b)に示す矢印z2方向に移動する。同様に、レバー駆動部材26が図6(a)に示す矢印r方向に回転して、遮光フラグ29も図6(c)に示す矢印r方向に回転する。
【0044】
回動レバー23がさらに回動すると、図7(a)及び図7(b)に示すように、回動レバー23の被連結部23cが付勢バネ27の最大付勢位置となるレバー駆動部材26の上死点(以下、「第2位置」という)に到達する。回動レバー23が第2位置に到達すると、レバー駆動部材26を回転させる力は、シートSが回動レバー23を押す力から付勢バネ27が当接部23aを第1位置に戻そうとする付勢力へと切り替わる。そして、回動レバー23の当接面23dは、付勢バネ27の付勢力によって図7(b)に示す矢印z3方向へ移動し、当接部23aがシート搬送路15aから退避すると共に、当接面23dがシートSの先端から退避する。同様に、図7(c)に示すように、光学センサ30の光路Lが遮光フラグ29によって遮光される。光学センサ30の光路Lが遮光されると、シート検知部200は、回動レバー23が所定の回動位置まで回動して、シートSの先端が所望の位置まで搬送されたことを検知する。そして、所定の信号を画像形成部14に送信し、画像形成部14は、この信号を受信すると、トナー像の形成を開始する。
【0045】
ここで、回動レバー23は、付勢バネ27の付勢力によって図7(b)に示す矢印z3方向へ移動するが、シートSが搬送ローラ対18,19により搬送されている(シート搬送路15aにおける第1位置を通過中)。そのため、図8(a)及び図8(b)に示すように、回動レバー23は、付勢バネ27に付勢されたまま、当接部23aの先端がシートSの表面に当接した状態(以下、この位置を「第3位置」という)で待機させられる。なお、図8(c)に示すように、この状態においても光学センサ30の光路Lは、遮光フラグ29によって遮光されている。
【0046】
そして、シートSの後端が当接部23aの先端を通過すると、回動レバー23は、付勢バネ27の付勢力によって当接部23aが第1位置に位置するように回動を開始する。更に、シートSの後端が当接部23aから離れると、図9(a)及び図9(b)に示すように、回動レバー23は、当接部23aがシート搬送路15aに突出し、当接面23dが次のシートS先端を揃えるための第1位置で待機した状態となる。このとき、光学センサ30の光路Lは、図9(c)に示すように、遮光フラグ29による遮光が解かれ、光学センサ30は透過信号を発生する。これにより、シートSの後端を検知可能となる。
【0047】
このように、図4(a)から図9(c)で示した状態を繰り返すことで、回動レバー23は、図10に示す回動軌跡Tを描きながら、当接面23dがシート搬送方向の上流側を向いた状態で第1位置と、第2位置と、第3位置とを循環移動する。言い換えると、当接面23dが回転体対24,25及びレバー駆動部材26の一方向回転により、近似楕円運動する。
【0048】
以上のような構成を有する第1実施形態に係る画像形成装置100によれば、以下のような効果を奏する。第1実施形態に係る画像形成装置100のシート検知部200は、回動レバー23の当接面23dを上流側に向けた状態で第1位置、第2位置、第3位置と循環移動させ、シートSが通過するまで上流側の第3位置で待機させる。そして、シートSが回動レバー23の先端を通過するのに伴って当接部23aを第1位置に位置させる。そのため、シートSが当接部23aを通過するまで待機する位置から第1位置に回動レバー23が戻る時間を従来の往復移動させるよりも短縮することができる。これにより、シートSの搬送速度が速くなった場合においても紙間距離が長くなることを抑制することが可能になり、従来困難であったシート搬送速度の速い条件のもと、短い紙間の中で、当接部23aを第1位置に戻すことが可能となる。その結果、スループットを向上させることができる。
【0049】
例えば、第1実施形態においては、従来の往復動作を行う回動レバーに比べ、紙間を約半分に短縮可能となる。よって、ユーザからの更なる画像形成装置のスループット向上の要求に応えることができる。また、図10に示すように、回動レバー23の当接面23dの回動軌跡Tを楕円形状とすることで小さくすることができるため、例えば、スペースや配置等に制約のある場所においても、配置することが可能となる。
【0050】
また、第1実施形態においては、支軸31と回転体対24,25を備える支持機構により回動レバー23を回動支持している。そのため、簡単な構成で回動レバー23に回転駆動力を伝達させることができる。これにより、例えば、安価に製造できる等、製造コスト等を抑制することができる。なお、上述の実施形態では、回動レバー23に長穴部23bを形成し、給紙フレーム20の支軸31を上記長穴部23bに嵌合させて、回動レバー23の本体部23eをスライド支持するものを例示している。しかし、例えば、回動レバー23から突出したピンが嵌合する長穴を給紙フレーム20に形成して、回動レバー23の本体部23eをスライド自在に支持する構成であってもよい。
【0051】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置100Aについて、図1を援用すると共に、図11(a)から図12(b)を参照しながら説明する。第2実施形態に係る画像形成装置100Aは、回動レバー223の先端に従動ローラとしての従動コロ22が設けられる点が第1実施形態と相違する。そのため、第2実施形態においては、第1実施形態と相違する点、すなわち、回動レバー223の先端に設けられる従動コロ22を中心に説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態に係る画像形成装置100と同様の構成のものについては、同じ符号を付してその説明を省略する。また、第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成のものについては、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0052】
まず、第2実施形態に係る画像形成装置100Aの全体構成について、図11(a)から図12(b)を参照しながら説明する。図11(a)は、第2実施形態に係る画像形成装置100Aのシート搬送部9Aの斜視図である。図11(b)は、図11(a)に示すシート搬送部9Aを反対側からみた斜視図である。図12(a)は、第2実施形態に係る画像形成装置100Aのシート搬送部9Aを示す図である。図12(b)は、図12(a)に示すシート搬送部9Aの回動レバー223が第3位置で待機する状態を示す図である。なお、図11(a)及び図11(b)に示す矢印は、シートSの搬送方向を示している。
【0053】
図1に示すように、画像形成装置100Aは、シート給送部8と、シート給送部8から給送されたシートSの先端位置又は後端位置を検知しながらシートSを搬送するシート搬送部9Aと、画像形成部14と、定着部10と、シート排出部13と、を備える。図11(a)及び図11(b)に示すように、シート搬送部9Aは、給紙フレーム20及びガイドフレーム28と、搬送ローラ対18,19と、シート検知部200Aと、を備える。シート検知部200Aは、回動レバー223と、支軸31と、回転体対24,25と、回転軸25a,24aと、レバー駆動部材26と、付勢バネ27と、遮光フラグ29と、光学センサ30と、を備える。
【0054】
図12(a)に示すように、回動レバー223は、本体部23eと、当接部23aと、当接部23aの先端に設けられた従動コロ22と、長穴部23bと、被連結部23cと、を備える。従動コロ22は、図12(b)に示すように、回動レバー23が第3位置で待機する際、従動コロ22のローラ面がシート搬送路15aを搬送するシートSの表面(裏面)に転がり接触可能となるように形成されている。
【0055】
次に、第2実施形態に係る画像形成装置100Aのシート搬送部9Aの動作について説明する。なお、シート搬送部9Aの基本的な動作については、第1実施形態と同様であるため、ここではその説明は省略し、第3位置におけるシート検知部200Aの回動レバー223の動作のみ説明する。図12(b)に示すように、第3位置においては、回動レバー223には、付勢バネ27とレバー駆動部材26によって回転力が発生しているが、その回転力とシートSのコシがつり合った状態で、回動レバー223は、保持されている(待機している)。この状態において、回動レバーの先端に設けられた従動コロ22は、搬送中のシートSと転がり接触し、回動レバー223は、先端部が転がり接触した状態で第3位置で待機することとなる。その後、シートSの後端が通過すると、回動レバー223は、第3位置から第1位置に回動する。
【0056】
以上のような構成を有する第2実施形態に係る画像形成装置100Aによれば、以下のような効果を奏する。第2実施形態に係る画像形成装置100Aのシート検知部200Aは、回動レバー3の先端に従動コロ22が設けられている。そのため、回動レバー223の先端が第3位置でシートSと接触した状態で待機する際、シート搬送路15aを搬送するシートSの表面(裏面)に回動レバー23の先端を転がり接触させた状態で待機させることができる。これにより、シートSの表面(裏面)と回動レバー23の先端とが擦れてシートSの表面(裏面)に回動レバー23との接触跡等が形成されることを抑制することができる。
【0057】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置100Bについて、図1に加え、図13(a)から図17を参照しながら説明する。第3実施形態に係る画像形成装置100Bは、回動レバー323及び回動レバー323の支持機構が第1実施形態と相違する。そのため、第3実施形態においては、第1実施形態と相違する点、すなわち、回動レバー323及び回動レバー323の支持機構を中心に説明する。なお、第3実施形態において、第1実施形態に係る画像形成装置100と同様の構成のものについては、同じ符号を付してその説明を省略する。第3実施形態において、第1実施形態と同様の構成のものについては、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0058】
まず、第3実施形態に係る画像形成装置100Bの全体構造について、図1を援用すると共に、図13(a)から図15(c)を参照しながら説明する。図13(a)は、第3実施形態に係る画像形成装置100Bのシート搬送部9Bの斜視図である。図13(b)は、図13(a)に示すシート搬送部9Bを反対側からみた斜視図である。図14は、第3実施形態に係るシート検知部200Bの一部を示す分解斜視図である。図15(a)は、第3実施形態に係るシート搬送部9BにシートSが搬送される状態を示す図である。図15(b)は、シート搬送部9BにシートSが搬送される状態の回動レバー323を示す図である。図15(c)は、シート搬送部9BにシートSが搬送される状態の遮光フラグ29を示す図である。なお、図13(a)及び図13(b)に示す矢印は、シートSの搬送方向を示している。
【0059】
図1に示すように、画像形成装置100Bは、シート給送部8と、シート給送部8から給送されたシートSの先端位置又は後端位置を検知しながらシートSを搬送するシート搬送部9Bと、画像形成部14と、定着部10と、シート排出部13と、を備える。図13(a)及び図13(b)に示すように、シート搬送部9Bは、給紙フレーム20及びガイドフレーム28と、搬送ローラ対18,19と、シート検知部200Bと、を備える。
【0060】
シート検知部200Bは、回動レバー323と、回転体25と、回転軸25a,324aと、レバー駆動部材26と、付勢バネ27と、遮光フラグ29と、光学センサ30と、を備える。また、シート検知部200Bは、支持機構を構成する第1回転体としての第1ギア324及び第2回転体としての第2ギア332と、第1ギア324と第2ギア332を同位相で同方向に回転するように連動させる連動部材としての連動ギア333と、を備える。
【0061】
図14に示すように、回動レバー323は、長板状に形成された本体部323eと、本体部323eの長手方向における一端部に形成される当接部323aと、本体部323eの他端部側に形成される第1被連結部323bと、を備える。また、回動レバー323は、第1被連結部323bと平行な位置に形成される第2被連結部323cと、を備える。図15(a)及び図15(b)に示すように、当接部323aは、第1位置において、シート搬送路15aに突出するように設けられており、第1位置でシート搬送路15aを移動するシートSの先端が当接し得る当接面323dを備える。第2被連結部323cは、回動レバー323における当接部323aの基端部の近傍に形成されている。第1被連結部323bは、第2被連結部323cの反対側の端部に形成されている。
【0062】
第1ギア324は、回転軸324aと連結されており、回転中心から半径方向にオフセットした位置(偏心した位置)に、回転軸324aと平行に延びる第1連結部としての第1連結軸324bを備える。第1連結軸324bは、第2被連結部323cに貫通可能に形成されており、第2被連結部323cを貫通した後、回転体25の接続穴25bに嵌挿される。これにより、回動レバー323が第1ギア324と共に回転し得る構成となる。
【0063】
第2ギア332は、第1ギア324と平行な軸を中心に配置されている。また、第2ギア332は、回転中心から半径方向にオフセットした位置(偏心した位置)に、回転軸324aと平行に延びる第2連結部としての第2連結軸332bを備える。第2連結軸332bは、第1被連結部323bに接続可能に形成されており、回動レバー323を第2ギア332と共に回転させる。なお、第1ギア324と第2ギア332とは、ギア比が1対1になるように形成されている。
【0064】
連動ギア333は、第1ギア324及び第2ギア332と平行な軸を中心に配置されており、第1ギア324及び第2ギア332に噛合して第1ギア324及び第2ギア332を同位相で同方向に回転させる。第1ギア324及び第2ギア332は、連動ギア333により同一周期で同方向に回転する。
【0065】
次に、シート検知部200Bの動作について、図15(a)から図15(c)に加え、図16(a)から図17を参照しながら説明する。図16(a)は、回動レバー323の当接面323dにシートSの先端が当接した状態のシート搬送部9Bを示す図である。図16(b)は、当接面323dにシートSの先端が当接した状態の回動レバー323を示す図である。図16(c)は、当接面323dにシートSの先端が当接した状態の遮光フラグ29を示す図である。図17は、上流側を向いた状態で第1位置から第3位置に循環移動する回動レバー323の当接面323dの回動軌跡T2を示す図である。
【0066】
図15(a)及び図15(b)に示すように、シートSの先端が回動レバー323の当接面323dに当接していない状態においては、付勢バネ27の付勢力によって、回動レバー323の当接部323aは、第1位置で待機した状態で保持されている。また、第1位置においては、図15(c)に示すように、光学センサ30の光路Lは、遮光フラグ29のスリット部29aによって遮光されていない状態となっている。
【0067】
次に、図16(a)に示すように、搬送ローラ対18,19によって搬送されるシートSの先端が回動レバー323の当接面323dに当接すると、シートSは、付勢バネ27で付勢されたレバー駆動部材26の保持力に抗した状態で当接面323dを押圧する。シートSに当接面323dが押圧されると、付勢バネ27の付勢力に抗してレバー駆動部材26が図16(a)に示す矢印r方向に回転する。このとき、遮光フラグ29も図16(c)に示すように、図16(c)に示す矢印r方向に回転する。レバー駆動部材26及び遮光フラグ29が矢印r方向に回転すると、第1ギア324が回転し、第1ギア324が回転すると連動ギア333を介して第2ギア332が回転する。第1ギア324及び第2ギア332が回転すると、回動レバー323が回動する。回動レバー323が回動すると、当接面323dが図16(b)に示す矢印z1方向に移動する。
【0068】
このとき、シートSの先端は、図16(c)に示すように、給紙フレーム20とガイドフレーム28によって構成され、搬送ローラ対18,19のシート搬送方向下流に配置された通紙ガイドによってガイドされている。そのため、シートSの先端が当接面323dから逃げてしまうことが防止され、シートSの先端によって確実に回動レバー323の当接面323dを押圧して回転させることができるようになっている。
【0069】
回動レバー323がさらに回動すると、回動レバー323の被連結部323cが付勢バネ27の最大付勢位置となるレバー駆動部材26の上死点(第2位置)に到達する。回動レバー323が第2位置に到達すると、レバー駆動部材26を回転させる力は、シートSが回動レバー323を押す力から付勢バネ27が当接部323aを第1位置に戻そうとする付勢力へと切り替わる。そして、回動レバー323の当接面323dは、付勢バネ27の付勢力によって移動し、当接部323aがシート搬送路15aから退避すると共に、当接面323dがシートSの先端から退避する。同様に、光学センサ30の光路Lが遮光フラグ29によって遮光される。光学センサ30の光路Lが遮光されると、シート検知部200Bは、回動レバー323が所定の回動位置まで回動して、シートSの先端が所望の位置まで搬送されたことを検知する。そして、所定の信号を画像形成部14に送信し、画像形成部14は、この信号を受信すると、トナー像の形成を開始する。なお、本実施形態においては、光学センサ30の光路Lは、第2位置を過ぎると遮光フラグ29によって遮光されるように構成されている。
【0070】
ここで、回動レバー323は、付勢バネ27の付勢力によって回転軸25a,324aを中心に回動するが、シートSが搬送ローラ対18,19により搬送されている(シート搬送路15aにおける第1位置を通過中)。そのため、回動レバー323は、付勢バネ27に付勢されたまま、当接部323aの先端がシートSの表面(又は裏面)に当接した状態で第3位置で待機させられる。なお、この状態においても光学センサ30の光路Lは、遮光フラグ29によって遮光されている。
【0071】
そして、シートSの後端が当接部323aの先端を通過すると、回動レバー323は、付勢バネ27の付勢力によって当接部323aが第1位置に位置するように回動を開始する。更に、シートSの後端が当接部323aから離れると、回動レバー323は、当接部323aがシート搬送路15aに突出し、当接面323dが次のシートSの先端と当接し得る第1位置で待機する状態となる。このとき、光学センサ30の光路Lは、遮光フラグ29による遮光が解かれ、光学センサ30は透過信号を発生する。これにより、シートSが通過したことを検知可能となる。
【0072】
このように、上述を繰り返すことで、回動レバー323は、図17に示す回動軌跡T2を描きながら、当接面323dがシート搬送方向の上流側を向いた状態で第1位置、第2位置、第3位置を循環移動する。言い換えると、当接面323dが第1ギア324、第2ギア332、連動ギア333、回転体25及びレバー駆動部材26の一方向回転により、円運動する。
【0073】
以上のような構成を有する第3実施形態に係る画像形成装置100Bによれば、以下のような効果を奏する。第3実施形態に係る画像形成装置100Bのシート検知部200Bは、回動レバー323を回動させる第1ギア324、第2ギア332及び連動ギア333を備える。そのため、回動レバー323をスムーズに回動させることができる。また、図17に示すように、回動レバー323の先端の回動軌跡T2が、第1実施形態に比してシート搬送方向(図17に示す上下方向)に小さくなり、画像形成装置100Bにおけるスペースや配置の制約をさらに受けにくくすることができる。
【0074】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る画像形成装置100Cについて、図1を援用すると共に、図18(a)から図25(d)を参照しながら説明する。第4実施形態に係る画像形成装置100Cは、回転体及び回動レバー等を付勢する付勢手段が第1実施形態と相違する。そのため、第4実施形態においては、第1実施形態と相違する点、すなわち、回転体及び回動レバーを付勢する付勢手段を中心に説明する。なお、第4実施形態において、第1実施形態に係る画像形成装置100と同様の構成のものについては、同じ符号を付してその説明を省略する。第4実施形態において、第1実施形態と同様の構成のものについては、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0075】
まず、第4実施形態に係る画像形成装置100Cの全体構造について、図1を援用すると共に、図18(a)から図20(d)を参照しながら説明する。図18(a)は、第4実施形態に係る画像形成装置100Cのシート搬送部9Cの斜視図である。図18(b)は、図18(a)に示すシート搬送部9Cを反対側からみた斜視図である。図19は、第4実施形態に係るシート検知部200Cの一部を示す分解斜視図である。図20(a)は、シート搬送部9CにシートSが搬送される状態の第2回動レバー523を示す図である。図20(b)は、シート搬送部9CにシートSが搬送される状態の第1回動レバー423を示す図である。図20(c)は、シート搬送部9CにシートSが搬送される状態の遮光フラグ429を示す図である。図20(d)は、シート搬送部9CにシートSが搬送される状態の付勢手段を示す図である。
【0076】
図1に示すように、画像形成装置100Cは、シート給送部8と、シート給送部8から給送されたシートSの先端位置又は後端位置を検知しながらシートSを搬送するシート搬送部9Cと、画像形成部14と、定着部10と、シート排出部13と、を備える。図18(a)及び図18(b)に示すように、シート搬送部9Cは、給紙フレーム20及びガイドフレーム28と、搬送ローラ対18,19と、シート検知部200Cと、を備える。
【0077】
シート検知部200Cは、第1レバー部材としての第1回動レバー423と、第2レバー部材としての第2回動レバー523と、支軸31と、回転軸424a,426cと、レバー駆動部材426と、回転体対425,424と、を備える。また、シート検知部200Cは、遮光フラグ429と、光学センサ30と、回転体としての板カム430と、カムフォロア436と、押圧部材435と、付勢バネ427と、を備える。なお、付勢バネ427、押圧部材435及びカムフォロア436は、付勢手段を構成する。
【0078】
第1回動レバー423及び第2回動レバー523は、第1実施形態に係る回動レバー23と同様の構成であるため、ここでは説明を省略する。第1回動レバー423及び第2回動レバー523は、交互に第1位置に循環移動するように、板カム430の回転中心に対して対称な位置に配置される。レバー駆動部材426は、円板状に形成されており、回転軸426cとレバー駆動部材426の回転中心とが一致するように回転軸426cの端部に固着されている。レバー駆動部材426は、回転中心から半径方向にオフセットした位置(偏心した位置)に突出形成された一対の連結部を構成する第1連結軸426bを備える。
【0079】
回転体424は、円板状に形成されており、回転軸424aと回転体424の回転中心とが一致するように回転軸424aの端部に固着されている。回転体424は、回転中心から半径方向にオフセットした位置(偏心した位置)に突出形成された一対の連結部を構成する第2連結軸424bを備える。第2連結軸424bは、第1回動レバー423の被連結部323cを貫通可能に形成されている。
【0080】
回転体425は、第1回転体425aと、第2回転体425bと、第1回転体425aと第2回転体425bとを連結する連結部425cとを備える。第1回転体425aは、円板状に形成されており、回転中心から半径方向にオフセットした位置(偏心した位置)に、第2連結軸424bを嵌合する嵌合穴を備える。第2回転体425bは、円板状に形成されており、回転中心から半径方向にオフセットした位置(偏心した位置)に、第1連結軸426bを嵌合する嵌合穴を備える。
【0081】
遮光フラグ429は、光学センサ30の光路Lを遮光する。遮光フラグ429は、回転軸424aに固着されており、回転軸424aを中心に回転体424,425と一体的に回転する。つまり、遮光フラグ429は、第1回動レバー423及び第2回動レバー523の回動に連動して回転する。また、遮光フラグ429は、光学センサ30の光を透過させる第1スリット部429a及び第2スリット部429bを備える。第1スリット部429aは、第1回動レバー423に設けられる当接部423aの当接面423dが第1位置に位置している場合に、光学センサ30の光を透過するように形成されている(図20(a)及び図20(c)参照)。第2スリット部429bは、第2回動レバー523に設けられる当接部523aの当接面523dが第1位置に位置している場合に、光学センサ30の光を透過するように形成されている(後述の図25(a)及び図25(c)参照)。遮光フラグ429は、第1回動レバー423及び第2回動レバー523がシートSの先端に押されてそれぞれ回転することにより第1回動レバー423及び第2回動レバー523と共に回転して光学センサ30の光路Lを交互に遮光するように構成されている。
【0082】
板カム430は、2つの上死点と2つの下死点を有する楕円形状に形成されており、板カム430の回転中心には、回転軸424aが固着されている。つまり、板カム430は回転軸424aを中心に、上死点及び下死点が交互に位置するように回転する。カムフォロア436は、押圧部材435に取り付けられており、板カム430の外周面に係合している。押圧部材435は、基端部において給紙フレーム20に回動自在に取り付けられており、先端部が付勢バネ427と係合している。押圧部材435は、カムフォロア436を揺動自在に支持する。言い換えると、押圧部材435は、カムフォロア436により揺動される。付勢バネ427は、一端が給紙フレーム20に固定支持され、他端が押圧部材435に連結されており、第1回動レバー423及び第2回動レバー523第1位置に位置させる。
【0083】
次に、シート検知部200Cの動作について、図20(a)から図20(d)に加え、図21(a)から図25(d)を参照しながら説明する。図21(a)は、第1回動レバー423の当接面423dにシートSの先端が当接した状態の第2回動レバー523を示す図である。図21(b)は、当接面423dにシートSの先端が当接した状態の第1回動レバー423を示す図である。図21(c)は、第1回動レバー423の当接面423dにシートSの先端が当接した状態の遮光フラグ429を示す図である。図21(d)は、第1回動レバー423の当接面423dにシートSの先端が当接した状態の付勢手段を示す図である。図22(a)は、第1回動レバー423の当接面423dがシートSの先端に押圧されて第1回動レバー423と共に第2回動レバー523が回動する状態を示す図である。図22(b)は、シートSの先端に押圧されて第1回動レバー423が回動した状態を示す図である。図22(c)は、シートSの先端に押圧されて第1回動レバー423が回動した状態の遮光フラグ429を示す図である。図22(d)は、シートSの先端が当接して第1回動レバー423が回動した状態の付勢手段を示す図である。
【0084】
図23(a)は、第1回動レバー423が第2位置に回動した状態の第2回動レバー523を示す図である。図23(b)は、第2位置に回動した第1回動レバー423を示す図である。図22(c)は、第1回動レバー423が第2位置に回動した状態の遮光フラグ429を示す図である。図22(d)は、第1回動レバー423が第2位置に回動した状態の付勢手段を示す図である。図24(a)は、第1回動レバー423と共に回動した第2回動レバー523の先端が搬送されるシートSの先端に当接して第3位置で待機している状態を示す図である。図24(b)は、第2回動レバー523が待機している状態における第1回動レバー423を示す図である。図24(c)は、第2回動レバー523が第3位置で待機している状態における遮光フラグ429を示す図である。図24(d)は、第2回動レバー523が第3位置で待機している状態の付勢手段を示す図である。
【0085】
図25(a)は、第2回動レバー523が第1位置に回動した状態を示す図である。図25(b)は、第2回動レバー523が第1位置に回動した状態の第1回動レバー423を示す図である。図25(c)は、第2回動レバー523が第1位置に移動した状態の遮光フラグ429を示す図である。図25(d)は、第2回動レバー523が第1位置に移動した状態の付勢手段を示す図である。
【0086】
図20(a)及び図20(b)に示すように、シートSの先端が第1回動レバー423の当接面423dに当接していない状態においては、付勢バネ427の保持力によって、第1回動レバー423の当接部423aは、第1位置で待機した状態で保持されている。また、第1回動レバー423が第1位置で待機しているときは、第2回動レバー523は、当接面523dがシート搬送路15aから退避した位置で待機している。このとき、図20(c)に示すように、光学センサ30の光路Lは、遮光フラグ429の第1スリット部429aによって遮光されていない状態となっている。また、図20(d)に示すように、板カム430は、一方の下死点がカムフォロア436と係合する状態となっており、カムフォロア436及び押圧部材435を介して付勢バネ427が板カム430を第1位置で保持している。
【0087】
次に、図21(a)及び図21(b)に示すように、搬送ローラ対18,19によって搬送されるシートSの先端が第1回動レバー423の当接面423dに当接する。すると、シートSは、押圧部材435及びカムフォロア436を介して板カム430を保持する付勢バネ427の保持力に抗した状態で当接面423dを押圧する。シートSに当接面423dが押圧されると、板カム430が図21(d)に示すz3方向に回転して板カム430の外周面がカムフォロア436及び押圧部材435を介して付勢バネ427を押圧する。このとき、遮光フラグ429も図21(c)に示すように、図21(c)に示す矢印z3方向に回転する。また、当接面423dがシートSに押圧されると、第1回動レバー423が回動する。第1回動レバー423が回動すると、当接面423dが図21(b)に示す矢印z2方向に移動すると共に、第2回動レバー523が回動して、当接面523dが図21(a)に示す矢印z1方向に移動する。
【0088】
ここで、シートSの先端は、図21(c)に示すように、給紙フレーム20とガイドフレーム28によって構成され、搬送ローラ対18,19のシート搬送方向下流に配置された通紙ガイドによってガイドされている。そのため、シートSの先端が当接面423dから逃げてしまうことが防止され、シートSの先端によって確実に第1回動レバー423の当接面423dを押圧して回転させることができるようになっている。
【0089】
次に、図22(a)及び図22(b)に示すように、第1回動レバー423がさらにz2方向に回動する。すると、図22(d)に示す板カム430が第2位置に到達することと連動するように、図22(c)に示す遮光フラグ429が光学センサ30の光路Lを遮光するようにz3方向に回転する。第1回動レバー423がさらに回転して、図23(d)に示すように、付勢バネ427の最大付勢位置となる板カム430の上死点(第2位置)に到達すると、図23(b)に示すように、第1回動レバー423が第2位置に到達する。同時に、図23(a)に示すように、第2回動レバー523の当接面523dがシート搬送路15aに位置するように矢印z1方向に移動を開始する。これにより、図23(c)に示すように、光学センサ30の光路Lが遮光フラグ429によって遮光される。光学センサ30の光路Lが遮光されると、シート検知部200Cは、第1回動レバー423が所定の回動位置まで回動して、シートSの先端が所望の位置まで搬送されたことを検知する。そして、所定の信号を画像形成部14に送信し、画像形成部14は、この信号を受信すると、トナー像の形成を開始する。
【0090】
図24(a)、図24(c)及び図24(d)に示すように、第1回動レバー423が第2位置に到達すると、板カム430を回転させる力は、第1回動レバー423の当接面423dをシート搬送路15aから退避させる付勢力へと切り替わる。同様に、第2回動レバー523の当接面523dを第1位置に位置させる付勢力へと切り替わる。
【0091】
ここで、第2回動レバー523は、付勢バネ427の付勢力によって第1位置に位置するように付勢されて回動するが、この時点ではシートSが搬送ローラ対18,19により搬送されている(シート搬送路15aにおける第1位置を通過中)。そのため、第2回動レバー523は、図24(a)に示すように、付勢バネ427に付勢されたまま、当接部523aの先端がシートSの表面(又は裏面)に当接した第3位置で待機させられる。なお、図24(c)に示すように、この状態においても光学センサ30の光路Lは、遮光フラグ429によって遮光されている。
【0092】
そして、シートSの後端が当接部523aの先端を通過すると、図25(a)に示すように、第2回動レバー523は、付勢バネ427の付勢力によって当接部523aが第1位置に位置するように回動を開始する。更に、シートSの後端が当接部523aから離れると、第2回動レバー523は、当接部523aがシート搬送路15aに突出し、当接面523dが次のシートSの先端に当接し得る第1位置で待機した状態となる。このとき、光学センサ30の光路Lは、図25(c)に示すように、遮光フラグ429による遮光が解かれ、光学センサ30は透過信号を発生する。これにより、シートSが通過したことを検知可能となる。また、図25(d)に示すように、板カム430の他方の下死点がカムフォロア436と係合する状態となるため、カムフォロア436及び押圧部材435を介して付勢バネ427が板カム430を第1位置で保持している。そのため、第2回動レバー523は第1位置で保持された状態となる。同様に、図25(b)に示すように、第1回動レバー423は、シート搬送路15aから退避した状態で保持される。
【0093】
以上のような構成を有する第4実施形態に係る画像形成装置100Cによれば、第1実施形態と同様の構成により生じる効果に加え、以下のような効果を奏する。第4実施形態に係るシート検知部200Cは、回転体として板カムを用い、付勢手段として付勢バネ427、押圧部材435及びカムフォロア436を備える。そのため、例えば、第1位置で停止した状態における位置精度を向上させることができる。
【0094】
また、第4実施形態に係るシート検知部200Cは、第1回動レバー423及び第2回動レバー523を備える。このように、複数の回動レバーを使用することにより、例えば、回動レバーの通紙による削れを抑制することができる。
【0095】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されない。
【0096】
例えば、第1実施形態においては、シート検知部200でシートSの先端が所望の位置まで搬送されたことを検知すると、画像形成部14でトナー像の形成(画像形成処理)を開始する構成としたが、本発明においてはこれに限定されない。画像形成装置100は、画像形成部14でトナー像の形成(画像形成処理)を予め行い、シート検知部200によるシートSの検知が行われると、シートSが転写ローラ5a〜5dに到達するタイミングで画像を転写ローラ5a〜5dに搬送する構成であってもよい。
【0097】
また、例えば、本実施形態においては、付勢バネ27を用いて回動レバーを第1位置に待機させる構成としたが、本発明においてはこれに限定されない。例えば、回動レバーの重量バランスを調整することにより、重力によって回動レバーの当接面を第1位置に待機させる構成であってもよい。また、板バネやゴム等の弾性力を利用する構成であってもよい。
【0098】
また、第3実施形態においては、連動部材として連動ギア333を用いて説明したが、本発明においてはこれに限定されない。連動部材は、例えば、タイミングベルトやタイミングチェーン等であってもよい。連動部材は、第1回転体と第2回転体とを同位相に同方向に回転可能であればよい。
【0099】
また、例えば、本実施形態においては、画像形成部14の上流側にシート搬送部9(シート検知部200)を設ける構成としたが、本発明においてはこれに限定されない。例えば、シート搬送部9(シート検知部200)は、定着部10の下流側に設ける構成であってもよい。例えば、第2実施形態に係るシート検知部200Aを定着部10の下流側に配置した場合、定着後のトナー像の形成されたシートSの表面に転がり接触しながら待機するため、定着したトナー像を傷つけることを抑制することができる。
【符号の説明】
【0100】
9,9A,9B,9C シート搬送部
14 画像形成部
15a シート搬送路
18 搬送コロ(搬送ローラ対)
19 搬送ローラ(搬送ローラ対)
23 回動レバー
23a 当接部
23b 長穴部
23c 被連結部
23d 当接面
23e 本体部
24 回転体(支持機構)
24b 連結軸
25 回転体(支持機構)
27,427 付勢バネ(付勢部材)
29 遮光フラグ(フラグ部材)
29a スリット部
31 支軸(支持機構)
100,100A,100B,100C 画像形成装置
200,200A,200B,200C シート検知部
324 第1ギア
332 第2ギア
333 連動ギア
S シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート搬送路のシートを搬送する搬送部によって搬送されるシートを検知するシート検知装置において、
前記搬送部により搬送されるシートの先端に当接し得る当接面が形成されたレバー部材と、
前記当接面を前記シート搬送路に突出させて前記当接面がシートの先端に当接し得る第1位置に位置するように前記レバー部材を付勢する付勢手段と、
前記第1位置、シートに押圧されて前記付勢手段の付勢力に抗して前記シート搬送路の下流側に前記当接面を移動して前記シート搬送路から前記当接面を退避する第2位置、搬送中のシートに当接し、シートの後端が通過した際に前記第1位置に移動するように待機する第3位置、の順に前記当接面がシート搬送方向の上流側を向いた状態で移動するように前記レバー部材を支持する支持機構と、
前記レバー部材の当接面の移動に連動するフラグ部材及び前記フラグ部材の移動位置を検知するセンサを有する検知手段と、を備えた、
ことを特徴とするシート検知装置。
【請求項2】
前記レバー部材は、前記支持機構のスライド支持部によってスライド自在に支持され、且つ、回転中心を中心にして回転自在な回転体の、前記回転中心から偏心して配置された連結部にて、回動自在に支持される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート検知装置。
【請求項3】
前記レバー部材は、前記当接面が形成された当接部と、前記当接部と一体形成されると共に直線状に形成され、かつ長穴部が形成された本体部と、を有し、
前記支持機構は、位置決め固定されると共に前記長穴部にスライド自在に係合する支軸と、回転中心から偏心して形成された連結部にて前記本体部に回転自在に連結された回転体と、を有し、前記回転体の一方向回転により前記当接部が近似楕円運動する、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート検知装置。
【請求項4】
前記付勢手段は、一端が位置決め固定されると共に、前記回転体の回転軸の端部に固着された連結用回転体の回転中心から偏心して形成された連結支持部に、他端が連結された付勢部材からなる、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のシート検知装置。
【請求項5】
前記回転体は、前記第2位置を上死点とし前記第1位置を下死点とするカムであり、
前記付勢手段は、前記カムと接触して揺動自在に形成されたカムフォロアと、一端が位置決め固定されると共に他端が前記カムフォロアに連結された付勢部材と、からなる、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のシート検知装置。
【請求項6】
前記カムは、2つの上死点及び2つの下死点を有する楕円形状に形成されており、
前記レバー部材は、第1レバー部材及び第2レバー部材からなり、
前記第1レバー部材と前記第2レバー部材は、交互に前記第1位置に循環移動するように、前記カムの回転中心に対して対称な位置に設けられる一対の連結部にて前記カムに回転自在に連結された、
ことを特徴とする請求項5に記載のシート検知装置。
【請求項7】
前記フラグ部材は、前記回転体の回転軸に固着され、前記レバー部材の当接面の移動に連動して回転する、
ことを特徴とする請求項2から6のいずれか1項に記載のシート検知装置。
【請求項8】
前記レバー部材は、前記当接面が形成された当接部と、前記当接部と一体形成され、かつ第1被連結部及び第2被連結部が形成された本体部と、を有し、
前記支持機構は、回転中心から偏心して形成された第1連結部にて前記本体部の前記第1被連結部に回転自在に連結された第1回転体と、回転中心から偏心して形成された第2連結部にて前記本体部の前記第2被連結部に回転自在に連結された第2回転体と、前記第1回転体と前記第2回転体を同位相で同方向に回転するように連動させる連動部材と、を有し、前記第1回転体の一方向回転により前記当接部が円運動する、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート検知装置。
【請求項9】
前記付勢手段は、一端が位置決め固定されると共に、前記第1回転体の回転軸の端部に固着された連結用回転体の回転中心から偏心して形成された連結支持部に、他端が連結された付勢部材からなる、
ことを特徴とする請求項8に記載のシート検知装置。
【請求項10】
前記レバー部材の先端に、搬送されるシートに接触して従動回転し得る従動ローラを設けた、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のシート検知装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載のシート検知装置と、
搬送されたシートに画像を形成する画像形成部と、を備え、
前記画像形成部は、前記検知手段によるシートの検知に基づき、搬送されるシートに画像を形成するための画像形成動作を開始する、
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2012−144350(P2012−144350A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4918(P2011−4918)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】