シールドマシン
【課題】センタパイプや支持ビームなどの回転部材への掘削土砂の付着を抑制することができるシールドマシンを提供する。
【解決手段】地山を掘削するカッタ３と、そのカッタ３の後方に配置された隔壁４との間にカッタチャンバ５が形成され、そのカッタチャンバ５内を通り上記カッタ３から上記隔壁４まで回転部材３１、３２が延び、上記隔壁４に、前方に突出し上記カッタチャンバ５内の掘削土砂を攪拌する固定攪拌棒７が設けられたシールドマシン１において、上記回転部材３１、３２の周りの掘削土砂を攪拌すべく、上記固定攪拌棒７に、上記回転部材３１、３２に向かって径方向に延びる攪拌翼１０を設けたものである。
【解決手段】地山を掘削するカッタ３と、そのカッタ３の後方に配置された隔壁４との間にカッタチャンバ５が形成され、そのカッタチャンバ５内を通り上記カッタ３から上記隔壁４まで回転部材３１、３２が延び、上記隔壁４に、前方に突出し上記カッタチャンバ５内の掘削土砂を攪拌する固定攪拌棒７が設けられたシールドマシン１において、上記回転部材３１、３２の周りの掘削土砂を攪拌すべく、上記固定攪拌棒７に、上記回転部材３１、３２に向かって径方向に延びる攪拌翼１０を設けたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、カッタチャンバ内の掘削土砂を攪拌するための固定攪拌棒を隔壁に設けたシールドマシンに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、泥土圧式のシールドマシンでは、掘削した掘削土砂をカッタチャンバに充満させて土圧を確保すると共にその土圧を調整すべくカッタチャンバから掘削土砂をスクリューコンベアで適宜排出しており、その掘削土砂の排出を容易にするために、掘削土砂に作泥材を注入し、それらをカッタチャンバ内で攪拌し、掘削土砂の塑性流動化を図っている。
【０００３】
そのようなシールドマシンとして、カッタチャンバ内、特に中心部において、掘削土砂の塑性流動化を目的として、その土砂にせん断力を与えるために、カッタ側に攪拌翼を設け、隔壁側に固定攪拌棒を設置したものがある（例えば、特許文献１参照）。
【０００４】
【特許文献１】特開２００２−１１５４８６号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、上述の固定攪拌棒を設置したシールドマシンには、カッタの回転時に固定攪拌棒が付近をよぎらない部材に、掘削土砂が付着しやすいという問題があった。
【０００６】
例えば、カッタチャンバ内には、カッタから隔壁まで延びる支持ビームやセンタパイプなどの回転部材が配置されているが、その回転部材に対し、配置スペースの都合などから固定攪拌棒が離れた位置に設けられる場合がある。その場合、回転部材の近傍では掘削土砂が十分に攪拌されず、掘削土砂が回転部材に付着してしまう。さらに、付着した掘削土砂は、塊となって成長してカッタチャンバ内の掘削土砂の流れを阻害する虞がある。
【０００７】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、カッタチャンバ内の回転部材への掘削土砂の付着を抑制することができるシールドマシンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記目的を達成するために本発明は、地山を掘削するカッタと、そのカッタの後方に配置された隔壁との間にカッタチャンバが形成され、そのカッタチャンバ内を通り上記カッタから上記隔壁まで回転部材が延び、上記隔壁に、前方に突出し上記カッタチャンバ内の掘削土砂を攪拌する固定攪拌棒が設けられたシールドマシンにおいて、上記回転部材の周りの掘削土砂を攪拌すべく、上記固定攪拌棒に、上記回転部材に向かって径方向に延びる攪拌翼を設けたものである。
【０００９】
好ましくは、上記固定攪拌棒に、上記カッタチャンバ内に作泥材を注入するための注入口が設けられたものである。
【００１０】
好ましくは、上記回転部材が、上記カッタの中心部に接合されたセンタパイプであり、上記固定攪拌棒が、上記センタパイプの外周に周方向に並べて複数配置され、上記攪拌翼が、上記固定攪拌棒から径方向内側に延びるものである。
【００１１】
好ましくは、上記カッタが複数のカッタスポークを有し、上記回転部材が、上記カッタスポークに接合された支持ビームであり、上記固定攪拌棒が、上記支持ビームの内周側に周方向に並べて複数配置され、上記攪拌翼が、上記固定攪拌棒から径方向外側に延びるものである。
【００１２】
好ましくは、上記カッタが複数のカッタスポークを有し、上記回転部材が、上記カッタスポークに接合された支持ビームであり、上記固定攪拌棒が、上記支持ビームの外周側に周方向に並べて複数配置され、上記攪拌翼が、上記固定攪拌棒から径方向内側に延びるものである。
【００１３】
好ましくは、上記攪拌翼は、上記周方向に並ぶ複数の固定攪拌棒に、前後位置が互いに異なるように各々設けられたものである。
【発明の効果】
【００１４】
本発明によれば、カッタチャンバ内の回転部材への掘削土砂の付着を抑制することができるという優れた効果を発揮するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１５】
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【００１６】
本実施形態のシールドマシンは、例えば、泥土圧シールドマシンであり、カッタ支持方式として所謂中間支持方式を採用した比較的大きな径を有するものである。
【００１７】
図１に基づきシールドマシンの概略構造を説明する。
【００１８】
図１に示すように、本実施形態のシールドマシン１は、外殻をなす筒状のシールドフレーム２と、そのシールドフレーム２の前方に配置され地山を掘削するカッタ３と、そのカッタ３の後方のシールドフレーム２内に設けられた隔壁４とを備え、隔壁４とカッタ３との間にカッタチャンバ５が区画形成され、そのカッタチャンバ５内を通りカッタ３から隔壁４の前後位置まで回転部材３１、３２が延びているものである。
【００１９】
シールドフレーム２は、掘進方向（機長方向）に沿って延びる円筒状に形成される。シールドフレーム２の前端部に、隔壁４が配置され、その隔壁４の後方のシールドフレーム２内に、カッタチャンバ５の掘削土砂を排出するためのスクリューコンベア１３、シールドマシン１に推進力を付与するシールドジャッキ（図示せず）などが設けられる。
【００２０】
隔壁４には、カッタチャンバ５に作泥材を注入するための薬液注入管（図示せず）、カッタチャンバ５内の土圧を検出する土圧計（図示せず）、スクリューコンベア１３の取込口などが設けられる。詳しくは後述するが、本実施形態の隔壁４には、カッタチャンバ５内の掘削土砂を攪拌して塑性流動化を促進するための固定攪拌棒７−９が設けられる。
【００２１】
図２に示すように、カッタ３は、その回転軸を中心に放射状に配置された複数本（図例では１２本）のカッタスポーク１６を有し、それらカッタスポーク１６は、シールドフレーム２と同心的なリング状のカッタフレーム１９により互いに連結される。カッタ３の中心部には、切羽に作泥材を注入するための図示しない作泥材注入口と、前方に突出するフィッシュテール部材１８とが設けられる（図１参照）。
【００２２】
図１に示すように、カッタスポーク１６の前面には、径方向に沿って複数のカッタビット２０が取り付けられる。カッタスポーク１６の外周部には、カッタスポーク１６から径方向に出没可能なコピーカッタ２１が設けられる。
【００２３】
カッタスポーク１６の後面には、後方に延びカッタチャンバ５内の掘削土砂を攪拌するための複数の攪拌翼２２、２３が設けられる。
【００２４】
図２に示すように、カッタスポーク１６の攪拌翼２２、２３は、カッタスポーク１６の外周端部、または径方向の中間位置（図例では、スクリューコンベア１３の取込口とほぼ同じ径方向位置）のいずれか一方に配置される。以下、外周端部の攪拌翼をカッタ側外攪拌翼２２、径方向中間位置の攪拌翼をカッタ側内攪拌翼２３という。
【００２５】
図例では、カッタ側外攪拌翼２２とカッタ側内攪拌翼２３とが、カッタスポーク１６ごとに交互に配置される。カッタ側外攪拌翼２２は、断面Ｔ字状に形成され、カッタ側内攪拌翼２３は、断面十字状に形成される。
【００２６】
図１に戻り、本実施形態のカッタ３には、上記回転部材をなす、センタパイプ３１と支持ビーム３２とが各々接合される。これらセンタパイプ３１と支持ビーム３２とはカッタ３に溶接などで接合され、カッタ３と一体的に回転する。
【００２７】
センタパイプ３１は、カッタ３の径方向の中心部（軸心部）に設けられる。そのセンタパイプ３１は、カッタ３からカッタチャンバ５を通り隔壁４を貫通して機内まで延びる。そのセンタパイプ３１内には、カッタ３の作泥材注入口に作泥材を供給するための作泥材配管（図示せず）やコピーカッタ２１を駆動するための油圧配管（図示せず）などが収容されると共に、それら配管を機内側の配管に接続するためのロータリジョイント（図示せず）がセンタパイプ３１に設けられる。
【００２８】
支持ビーム３２は、カッタ３のカッタスポーク１６に接合される。図例では、６つのカッタスポーク１６に、支持ビーム３２が各々設けられる。各支持ビーム３２は、箱形断面を有し、カッタスポーク１６からカッタチャンバ５を通り隔壁４に設けられた後述するリング体１５までほぼ直線状に延びる。
【００２９】
カッタ３は、これら支持ビーム３２に支持され、回転駆動力が伝達される。
【００３０】
具体的には、各支持ビーム３２の後端が、隔壁４に回転可能に設けられたリング体１５に接合され、そのリング体１５がシールドフレーム２内に設けられた旋回環１２（ベアリング）に接合され、その旋回環１２により、リング体１５、支持ビーム３２およびカッタ３が支持される。
【００３１】
旋回環１２は、リング体１５が接合された可動部材（図例では外輪）４１と、シールドフレーム２側に固定された固定部材（図例では内輪）４２と、それら部材４１、４２の間に設けられた転動体（コロ）４３とを有する。
【００３２】
旋回環１２の外周には、カッタ３を回転駆動するための駆動モータ（例えば、油圧モータや電動モータ）４４が設けられる。駆動モータ４４は、周方向に間隔を隔てて複数配置され、それら駆動モータ４４のピニオン４５が、旋回環の外輪に形成された歯部４６に歯合される。これにより、駆動モータ４４からの回転駆動力が、旋回環の外輪４１、リング体１５、支持ビーム３２、およびカッタ３に伝達される。
【００３３】
図２に示すように、固定攪拌棒７−９は、隔壁４における３つの異なる径方向位置に配置される。以下、最も内周側のものを内周部攪拌棒７、最も外周側のものを外周部攪拌棒９、それらの中間のものを中間部攪拌棒８という。
【００３４】
本実施形態では、固定攪拌棒７、８を回転部材３１、３２になるべく近づける形状とするために、それら内周部攪拌棒７と中間部攪拌棒８とに、回転部材３１、３２の周りの掘削土砂を攪拌するための攪拌翼（以下、棒攪拌翼という）１０が設けられる。また、内周部攪拌棒７に、カッタチャンバ５内に作泥材を注入するための注入口をなす噴射ノズル１１が設けられる。
【００３５】
図２に示すように、内周部攪拌棒７は、センタパイプ３１と支持ビーム３２との間の径方向位置に、周方向に間隔を隔てて複数配置される。これら内周部攪拌棒７は、棒攪拌翼１０の延出方向と噴射ノズル１１の指向方向（図２において黒太矢印で示す）とが各々異なる。
【００３６】
より具体的には、図例では、センタパイプ３１の上下左右に内周部攪拌棒７が各々配置される。上下の内周部攪拌棒７は、棒攪拌翼１０がセンタパイプ３１に向かって径方向内側に延び、噴射ノズル１１が径方向外側に向けられる。左右の内周部攪拌棒７は、棒攪拌翼１０が支持ビーム３２に向かって径方向外側に延び、噴射ノズル１１がカッタ３の回転方向と逆方向に向けられる。
【００３７】
図３および図４に示すように、内周部攪拌棒７は、前後方向に延び前端と後端とが閉塞された円筒状に形成される。内周部攪拌棒７の後端部は、隔壁４を貫通して隔壁４の後面に固定され、前端部はカッタチャンバ５内に突出する。
【００３８】
内周部攪拌棒７の側面には、噴射ノズル１１が設けられる。噴射ノズル１１は、
カッタチャンバ５の前後方向のほぼ中央に配置される。その噴射ノズル１１は、内周部攪拌棒７内を通る作泥材配管３６に接続され、その作泥材配管３６を介して、シールドフレーム２内の図示しない作泥材供給源に連通する。作泥材配管３６には、作泥材の注入量を調整するためのボール弁３７が設けられる。
【００３９】
棒攪拌翼１０は、内周部攪拌棒７の側面に、センタパイプ３１（または支持ビーム３２）の前後方向の中央部分に臨ませて取り付けられる。図例の棒攪拌翼１０は、内周部攪拌棒７の側面から断面十字状で延び、例えば、掘進方向に延びる長方形の板材３８の両側面に、先端側にテーパが設けられた板材３９、３９を各々接合して形成される。また、上下の内周部攪拌棒７の棒攪拌翼１０は、センタパイプ３１の周りの掘削土砂をそぎ落とすべく、先端がセンタパイプ３１の近傍まで延びる。
【００４０】
図２に戻り、中間部攪拌棒８は、支持ビーム３２の外周（図例では、支持ビーム３２とカッタ側内攪拌翼２３との間）に周方向に間隔を隔てて複数配置され、その棒攪拌翼１０が、支持ビーム３２に向かって径方向内側に延びる。本実施形態では、中間部攪拌棒８が周方向に並べて３つ設けられ、それら３つの中間部攪拌棒８に、前後位置が互いに異なるように棒攪拌翼１０が各々設けられる。
【００４１】
図５（ａ）−図５（ｃ）に示すように、中間部攪拌棒８は、前後に延びる円柱状に形成される。中間部攪拌棒８の後端は、隔壁４に固定され、前端はカッタスポーク１６の近傍まで突出する。
【００４２】
中間部攪拌棒８の棒攪拌翼１０は、内部攪拌棒７の棒攪拌翼１０と同様の形状を有する。その棒攪拌翼１０は、支持ビーム３２の全長に亘る領域で掘削土砂を攪拌すべく、中間部攪拌棒８の側面に前後にずらして取り付けられる。最も前方の棒攪拌翼１０は支持ビーム３２の前端部に臨み（図５（ａ））、最も後方の棒攪拌翼１０は支持ビーム３２の後端部に臨む（図５（ｃ））。また、棒攪拌翼１０は、支持ビーム３２の周りの掘削土砂をそぎ落とすべく、先端が支持ビーム３２の近傍まで延びる。
【００４３】
なお、中間部攪拌棒８では、噴射ノズル１１（および作泥材配管３６）が省略される。
【００４４】
図２に戻り、外周部攪拌棒９は、カッタ側外攪拌翼２２とカッタ側内攪拌翼２３の間の径方向位置に配置される。外周部攪拌棒９は、棒攪拌翼１０と噴射ノズル１１（および作泥材配管３６）とが省略された円柱状に形成される。
【００４５】
次に、図１に基づき本実施形態のシールドマシン１の作用を説明する。
【００４６】
シールドマシン１が掘進する際、カッタ３が回転駆動されて地山が掘削され、その掘削された掘削土砂がカッタチャンバ５に入る。また、その掘削土砂には、カッタ３および隔壁４から作泥材が供給される。その掘削土砂は、カッタチャンバ５内にてカッタ３の回転によりカッタ３の回転方向に流され、隔壁４に対して相対回転する。このとき、カッタチャンバ５内の掘削土砂が、カッタ側外攪拌翼２２およびカッタ側内攪拌翼２３と隔壁４の固定攪拌棒７−９とにより攪拌される。
【００４７】
ここで、本実施形態では、固定攪拌棒（内周部攪拌棒７および中間部攪拌棒８）に棒攪拌翼１０が設けられていることから、その棒攪拌翼１０により固定攪拌棒周りに多くの掘削土砂流れが発生する（掘削土砂が滞留しない）。
【００４８】
具体的には、センタパイプ３１の上下に位置する内周部攪拌棒７の棒攪拌翼１０により、センタパイプ３１の周囲の掘削土砂が攪拌されてセンタパイプ３１周りに掘削土砂の流れが発生する。
【００４９】
また、支持ビーム３２の内周側の掘削土砂が、左右の内周部攪拌棒７の棒攪拌翼１０により攪拌され、外周側の掘削土砂が中間部攪拌棒８の棒攪拌翼１０により攪拌されて、支持ビーム３２周りに掘削土砂の流れが発生する。特に、支持ビーム３２の外周側では、３つの中間部攪拌棒８の棒攪拌翼１０により、支持ビーム３２のほぼ全長に亘り掘削土砂が攪拌される。
【００５０】
以上により、センタパイプ３１の周りと支持ビーム３２の周りとで掘削土砂の塑性流動化が促進され、センタパイプ３１と支持ビーム３２とへの掘削土砂の付着が抑制される。
【００５１】
さらに、本実施形態では、内周部攪拌棒７の噴射ノズル１１から、カッタチャンバ５内に作泥材が供給され、これによっても、内周部攪拌棒７の周りでの掘削土砂の塑性流動化が促進される。
【００５２】
また、センタパイプ３１が回転する際に、その表面近傍を上下の内周部攪拌棒７が通過し、その内周部攪拌棒７の棒攪拌翼１０により、センタパイプ３１に付着した掘削土砂が刮がれる。これにより、付着した掘削土砂が大きな塊に成長することが防止される。同様に、支持ビーム３２の外周側に付着した掘削土砂は、支持ビーム３２の回転に伴い中間部攪拌棒８の棒攪拌翼１０により刮がれる。
【００５３】
このように、本実施形態のシールドマシン１によれば、固定攪拌棒７、８に攪拌翼１０を設けることで、回転部材３１、３２の近傍で掘削土砂が十分に攪拌され、回転部材３１、３２への掘削土砂の付着を抑制することができる。
【００５４】
また、内周部攪拌棒７に作泥材の注入口１１を設置したので、その内周部攪拌棒７から作泥材を注入することで内周部攪拌棒７周りの塑性流動化が期待できる。
【００５５】
また、中間部攪拌棒８の棒攪拌翼１０を支持ビーム３２に沿って前後にずらして配置したので、支持ビーム３２のほぼ全長に亘り掘削土砂が攪拌され、支持ビーム３２への掘削土砂の付着を抑制することができる。
【００５６】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、様々な変形例や応用例が考えられるものである。
【００５７】
例えば、上述の実施形態では、棒攪拌翼１０を断面十字状に形成したが、これに限定されず、棒攪拌翼は、板や角材などでもよい。
【００５８】
また、上述の実施形態では、注入口（噴射ノズル１１）を棒攪拌翼１０に対して周方向に約９０ーまたは約１８０ーずらして配置したが、注入口の設置位置はこれに限定されない。例えば、注入口を、棒攪拌翼１０とほぼ同じ周方向位置に棒攪拌翼１０に並べて配置し、かつ棒攪拌翼１０の延出方向に向けてもよい。この場合、注入口からの作泥材が棒攪拌翼１０に吹き付けられるので、棒攪拌翼１０が洗浄され掘削土砂の付着が防止される。
【図面の簡単な説明】
【００５９】
【図１】図１は、本発明の一実施形態に係るシールドマシンの模式的な側断面図である。
【図２】図２は、本実施形態のシールドマシンの正面図であり、隔壁を示す。
【図３】図３は、本実施形態の内周部攪拌棒の正面図である。
【図４】図４は、図３のＩＶ−ＩＶ線断面図である。
【図５】図５（ａ）−（ｃ）は、本実施形態の中間部攪拌棒の側断面図である。
【符号の説明】
【００６０】
１ シールドマシン
３ カッタ
４ 隔壁
５ カッタチャンバ
７ 固定攪拌棒
１０ 攪拌翼（棒攪拌翼）
３１ センタパイプ（回転部材）
３２ 支持ビーム（回転部材）
【技術分野】
【０００１】
本発明は、カッタチャンバ内の掘削土砂を攪拌するための固定攪拌棒を隔壁に設けたシールドマシンに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、泥土圧式のシールドマシンでは、掘削した掘削土砂をカッタチャンバに充満させて土圧を確保すると共にその土圧を調整すべくカッタチャンバから掘削土砂をスクリューコンベアで適宜排出しており、その掘削土砂の排出を容易にするために、掘削土砂に作泥材を注入し、それらをカッタチャンバ内で攪拌し、掘削土砂の塑性流動化を図っている。
【０００３】
そのようなシールドマシンとして、カッタチャンバ内、特に中心部において、掘削土砂の塑性流動化を目的として、その土砂にせん断力を与えるために、カッタ側に攪拌翼を設け、隔壁側に固定攪拌棒を設置したものがある（例えば、特許文献１参照）。
【０００４】
【特許文献１】特開２００２−１１５４８６号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、上述の固定攪拌棒を設置したシールドマシンには、カッタの回転時に固定攪拌棒が付近をよぎらない部材に、掘削土砂が付着しやすいという問題があった。
【０００６】
例えば、カッタチャンバ内には、カッタから隔壁まで延びる支持ビームやセンタパイプなどの回転部材が配置されているが、その回転部材に対し、配置スペースの都合などから固定攪拌棒が離れた位置に設けられる場合がある。その場合、回転部材の近傍では掘削土砂が十分に攪拌されず、掘削土砂が回転部材に付着してしまう。さらに、付着した掘削土砂は、塊となって成長してカッタチャンバ内の掘削土砂の流れを阻害する虞がある。
【０００７】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、カッタチャンバ内の回転部材への掘削土砂の付着を抑制することができるシールドマシンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記目的を達成するために本発明は、地山を掘削するカッタと、そのカッタの後方に配置された隔壁との間にカッタチャンバが形成され、そのカッタチャンバ内を通り上記カッタから上記隔壁まで回転部材が延び、上記隔壁に、前方に突出し上記カッタチャンバ内の掘削土砂を攪拌する固定攪拌棒が設けられたシールドマシンにおいて、上記回転部材の周りの掘削土砂を攪拌すべく、上記固定攪拌棒に、上記回転部材に向かって径方向に延びる攪拌翼を設けたものである。
【０００９】
好ましくは、上記固定攪拌棒に、上記カッタチャンバ内に作泥材を注入するための注入口が設けられたものである。
【００１０】
好ましくは、上記回転部材が、上記カッタの中心部に接合されたセンタパイプであり、上記固定攪拌棒が、上記センタパイプの外周に周方向に並べて複数配置され、上記攪拌翼が、上記固定攪拌棒から径方向内側に延びるものである。
【００１１】
好ましくは、上記カッタが複数のカッタスポークを有し、上記回転部材が、上記カッタスポークに接合された支持ビームであり、上記固定攪拌棒が、上記支持ビームの内周側に周方向に並べて複数配置され、上記攪拌翼が、上記固定攪拌棒から径方向外側に延びるものである。
【００１２】
好ましくは、上記カッタが複数のカッタスポークを有し、上記回転部材が、上記カッタスポークに接合された支持ビームであり、上記固定攪拌棒が、上記支持ビームの外周側に周方向に並べて複数配置され、上記攪拌翼が、上記固定攪拌棒から径方向内側に延びるものである。
【００１３】
好ましくは、上記攪拌翼は、上記周方向に並ぶ複数の固定攪拌棒に、前後位置が互いに異なるように各々設けられたものである。
【発明の効果】
【００１４】
本発明によれば、カッタチャンバ内の回転部材への掘削土砂の付着を抑制することができるという優れた効果を発揮するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１５】
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【００１６】
本実施形態のシールドマシンは、例えば、泥土圧シールドマシンであり、カッタ支持方式として所謂中間支持方式を採用した比較的大きな径を有するものである。
【００１７】
図１に基づきシールドマシンの概略構造を説明する。
【００１８】
図１に示すように、本実施形態のシールドマシン１は、外殻をなす筒状のシールドフレーム２と、そのシールドフレーム２の前方に配置され地山を掘削するカッタ３と、そのカッタ３の後方のシールドフレーム２内に設けられた隔壁４とを備え、隔壁４とカッタ３との間にカッタチャンバ５が区画形成され、そのカッタチャンバ５内を通りカッタ３から隔壁４の前後位置まで回転部材３１、３２が延びているものである。
【００１９】
シールドフレーム２は、掘進方向（機長方向）に沿って延びる円筒状に形成される。シールドフレーム２の前端部に、隔壁４が配置され、その隔壁４の後方のシールドフレーム２内に、カッタチャンバ５の掘削土砂を排出するためのスクリューコンベア１３、シールドマシン１に推進力を付与するシールドジャッキ（図示せず）などが設けられる。
【００２０】
隔壁４には、カッタチャンバ５に作泥材を注入するための薬液注入管（図示せず）、カッタチャンバ５内の土圧を検出する土圧計（図示せず）、スクリューコンベア１３の取込口などが設けられる。詳しくは後述するが、本実施形態の隔壁４には、カッタチャンバ５内の掘削土砂を攪拌して塑性流動化を促進するための固定攪拌棒７−９が設けられる。
【００２１】
図２に示すように、カッタ３は、その回転軸を中心に放射状に配置された複数本（図例では１２本）のカッタスポーク１６を有し、それらカッタスポーク１６は、シールドフレーム２と同心的なリング状のカッタフレーム１９により互いに連結される。カッタ３の中心部には、切羽に作泥材を注入するための図示しない作泥材注入口と、前方に突出するフィッシュテール部材１８とが設けられる（図１参照）。
【００２２】
図１に示すように、カッタスポーク１６の前面には、径方向に沿って複数のカッタビット２０が取り付けられる。カッタスポーク１６の外周部には、カッタスポーク１６から径方向に出没可能なコピーカッタ２１が設けられる。
【００２３】
カッタスポーク１６の後面には、後方に延びカッタチャンバ５内の掘削土砂を攪拌するための複数の攪拌翼２２、２３が設けられる。
【００２４】
図２に示すように、カッタスポーク１６の攪拌翼２２、２３は、カッタスポーク１６の外周端部、または径方向の中間位置（図例では、スクリューコンベア１３の取込口とほぼ同じ径方向位置）のいずれか一方に配置される。以下、外周端部の攪拌翼をカッタ側外攪拌翼２２、径方向中間位置の攪拌翼をカッタ側内攪拌翼２３という。
【００２５】
図例では、カッタ側外攪拌翼２２とカッタ側内攪拌翼２３とが、カッタスポーク１６ごとに交互に配置される。カッタ側外攪拌翼２２は、断面Ｔ字状に形成され、カッタ側内攪拌翼２３は、断面十字状に形成される。
【００２６】
図１に戻り、本実施形態のカッタ３には、上記回転部材をなす、センタパイプ３１と支持ビーム３２とが各々接合される。これらセンタパイプ３１と支持ビーム３２とはカッタ３に溶接などで接合され、カッタ３と一体的に回転する。
【００２７】
センタパイプ３１は、カッタ３の径方向の中心部（軸心部）に設けられる。そのセンタパイプ３１は、カッタ３からカッタチャンバ５を通り隔壁４を貫通して機内まで延びる。そのセンタパイプ３１内には、カッタ３の作泥材注入口に作泥材を供給するための作泥材配管（図示せず）やコピーカッタ２１を駆動するための油圧配管（図示せず）などが収容されると共に、それら配管を機内側の配管に接続するためのロータリジョイント（図示せず）がセンタパイプ３１に設けられる。
【００２８】
支持ビーム３２は、カッタ３のカッタスポーク１６に接合される。図例では、６つのカッタスポーク１６に、支持ビーム３２が各々設けられる。各支持ビーム３２は、箱形断面を有し、カッタスポーク１６からカッタチャンバ５を通り隔壁４に設けられた後述するリング体１５までほぼ直線状に延びる。
【００２９】
カッタ３は、これら支持ビーム３２に支持され、回転駆動力が伝達される。
【００３０】
具体的には、各支持ビーム３２の後端が、隔壁４に回転可能に設けられたリング体１５に接合され、そのリング体１５がシールドフレーム２内に設けられた旋回環１２（ベアリング）に接合され、その旋回環１２により、リング体１５、支持ビーム３２およびカッタ３が支持される。
【００３１】
旋回環１２は、リング体１５が接合された可動部材（図例では外輪）４１と、シールドフレーム２側に固定された固定部材（図例では内輪）４２と、それら部材４１、４２の間に設けられた転動体（コロ）４３とを有する。
【００３２】
旋回環１２の外周には、カッタ３を回転駆動するための駆動モータ（例えば、油圧モータや電動モータ）４４が設けられる。駆動モータ４４は、周方向に間隔を隔てて複数配置され、それら駆動モータ４４のピニオン４５が、旋回環の外輪に形成された歯部４６に歯合される。これにより、駆動モータ４４からの回転駆動力が、旋回環の外輪４１、リング体１５、支持ビーム３２、およびカッタ３に伝達される。
【００３３】
図２に示すように、固定攪拌棒７−９は、隔壁４における３つの異なる径方向位置に配置される。以下、最も内周側のものを内周部攪拌棒７、最も外周側のものを外周部攪拌棒９、それらの中間のものを中間部攪拌棒８という。
【００３４】
本実施形態では、固定攪拌棒７、８を回転部材３１、３２になるべく近づける形状とするために、それら内周部攪拌棒７と中間部攪拌棒８とに、回転部材３１、３２の周りの掘削土砂を攪拌するための攪拌翼（以下、棒攪拌翼という）１０が設けられる。また、内周部攪拌棒７に、カッタチャンバ５内に作泥材を注入するための注入口をなす噴射ノズル１１が設けられる。
【００３５】
図２に示すように、内周部攪拌棒７は、センタパイプ３１と支持ビーム３２との間の径方向位置に、周方向に間隔を隔てて複数配置される。これら内周部攪拌棒７は、棒攪拌翼１０の延出方向と噴射ノズル１１の指向方向（図２において黒太矢印で示す）とが各々異なる。
【００３６】
より具体的には、図例では、センタパイプ３１の上下左右に内周部攪拌棒７が各々配置される。上下の内周部攪拌棒７は、棒攪拌翼１０がセンタパイプ３１に向かって径方向内側に延び、噴射ノズル１１が径方向外側に向けられる。左右の内周部攪拌棒７は、棒攪拌翼１０が支持ビーム３２に向かって径方向外側に延び、噴射ノズル１１がカッタ３の回転方向と逆方向に向けられる。
【００３７】
図３および図４に示すように、内周部攪拌棒７は、前後方向に延び前端と後端とが閉塞された円筒状に形成される。内周部攪拌棒７の後端部は、隔壁４を貫通して隔壁４の後面に固定され、前端部はカッタチャンバ５内に突出する。
【００３８】
内周部攪拌棒７の側面には、噴射ノズル１１が設けられる。噴射ノズル１１は、
カッタチャンバ５の前後方向のほぼ中央に配置される。その噴射ノズル１１は、内周部攪拌棒７内を通る作泥材配管３６に接続され、その作泥材配管３６を介して、シールドフレーム２内の図示しない作泥材供給源に連通する。作泥材配管３６には、作泥材の注入量を調整するためのボール弁３７が設けられる。
【００３９】
棒攪拌翼１０は、内周部攪拌棒７の側面に、センタパイプ３１（または支持ビーム３２）の前後方向の中央部分に臨ませて取り付けられる。図例の棒攪拌翼１０は、内周部攪拌棒７の側面から断面十字状で延び、例えば、掘進方向に延びる長方形の板材３８の両側面に、先端側にテーパが設けられた板材３９、３９を各々接合して形成される。また、上下の内周部攪拌棒７の棒攪拌翼１０は、センタパイプ３１の周りの掘削土砂をそぎ落とすべく、先端がセンタパイプ３１の近傍まで延びる。
【００４０】
図２に戻り、中間部攪拌棒８は、支持ビーム３２の外周（図例では、支持ビーム３２とカッタ側内攪拌翼２３との間）に周方向に間隔を隔てて複数配置され、その棒攪拌翼１０が、支持ビーム３２に向かって径方向内側に延びる。本実施形態では、中間部攪拌棒８が周方向に並べて３つ設けられ、それら３つの中間部攪拌棒８に、前後位置が互いに異なるように棒攪拌翼１０が各々設けられる。
【００４１】
図５（ａ）−図５（ｃ）に示すように、中間部攪拌棒８は、前後に延びる円柱状に形成される。中間部攪拌棒８の後端は、隔壁４に固定され、前端はカッタスポーク１６の近傍まで突出する。
【００４２】
中間部攪拌棒８の棒攪拌翼１０は、内部攪拌棒７の棒攪拌翼１０と同様の形状を有する。その棒攪拌翼１０は、支持ビーム３２の全長に亘る領域で掘削土砂を攪拌すべく、中間部攪拌棒８の側面に前後にずらして取り付けられる。最も前方の棒攪拌翼１０は支持ビーム３２の前端部に臨み（図５（ａ））、最も後方の棒攪拌翼１０は支持ビーム３２の後端部に臨む（図５（ｃ））。また、棒攪拌翼１０は、支持ビーム３２の周りの掘削土砂をそぎ落とすべく、先端が支持ビーム３２の近傍まで延びる。
【００４３】
なお、中間部攪拌棒８では、噴射ノズル１１（および作泥材配管３６）が省略される。
【００４４】
図２に戻り、外周部攪拌棒９は、カッタ側外攪拌翼２２とカッタ側内攪拌翼２３の間の径方向位置に配置される。外周部攪拌棒９は、棒攪拌翼１０と噴射ノズル１１（および作泥材配管３６）とが省略された円柱状に形成される。
【００４５】
次に、図１に基づき本実施形態のシールドマシン１の作用を説明する。
【００４６】
シールドマシン１が掘進する際、カッタ３が回転駆動されて地山が掘削され、その掘削された掘削土砂がカッタチャンバ５に入る。また、その掘削土砂には、カッタ３および隔壁４から作泥材が供給される。その掘削土砂は、カッタチャンバ５内にてカッタ３の回転によりカッタ３の回転方向に流され、隔壁４に対して相対回転する。このとき、カッタチャンバ５内の掘削土砂が、カッタ側外攪拌翼２２およびカッタ側内攪拌翼２３と隔壁４の固定攪拌棒７−９とにより攪拌される。
【００４７】
ここで、本実施形態では、固定攪拌棒（内周部攪拌棒７および中間部攪拌棒８）に棒攪拌翼１０が設けられていることから、その棒攪拌翼１０により固定攪拌棒周りに多くの掘削土砂流れが発生する（掘削土砂が滞留しない）。
【００４８】
具体的には、センタパイプ３１の上下に位置する内周部攪拌棒７の棒攪拌翼１０により、センタパイプ３１の周囲の掘削土砂が攪拌されてセンタパイプ３１周りに掘削土砂の流れが発生する。
【００４９】
また、支持ビーム３２の内周側の掘削土砂が、左右の内周部攪拌棒７の棒攪拌翼１０により攪拌され、外周側の掘削土砂が中間部攪拌棒８の棒攪拌翼１０により攪拌されて、支持ビーム３２周りに掘削土砂の流れが発生する。特に、支持ビーム３２の外周側では、３つの中間部攪拌棒８の棒攪拌翼１０により、支持ビーム３２のほぼ全長に亘り掘削土砂が攪拌される。
【００５０】
以上により、センタパイプ３１の周りと支持ビーム３２の周りとで掘削土砂の塑性流動化が促進され、センタパイプ３１と支持ビーム３２とへの掘削土砂の付着が抑制される。
【００５１】
さらに、本実施形態では、内周部攪拌棒７の噴射ノズル１１から、カッタチャンバ５内に作泥材が供給され、これによっても、内周部攪拌棒７の周りでの掘削土砂の塑性流動化が促進される。
【００５２】
また、センタパイプ３１が回転する際に、その表面近傍を上下の内周部攪拌棒７が通過し、その内周部攪拌棒７の棒攪拌翼１０により、センタパイプ３１に付着した掘削土砂が刮がれる。これにより、付着した掘削土砂が大きな塊に成長することが防止される。同様に、支持ビーム３２の外周側に付着した掘削土砂は、支持ビーム３２の回転に伴い中間部攪拌棒８の棒攪拌翼１０により刮がれる。
【００５３】
このように、本実施形態のシールドマシン１によれば、固定攪拌棒７、８に攪拌翼１０を設けることで、回転部材３１、３２の近傍で掘削土砂が十分に攪拌され、回転部材３１、３２への掘削土砂の付着を抑制することができる。
【００５４】
また、内周部攪拌棒７に作泥材の注入口１１を設置したので、その内周部攪拌棒７から作泥材を注入することで内周部攪拌棒７周りの塑性流動化が期待できる。
【００５５】
また、中間部攪拌棒８の棒攪拌翼１０を支持ビーム３２に沿って前後にずらして配置したので、支持ビーム３２のほぼ全長に亘り掘削土砂が攪拌され、支持ビーム３２への掘削土砂の付着を抑制することができる。
【００５６】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、様々な変形例や応用例が考えられるものである。
【００５７】
例えば、上述の実施形態では、棒攪拌翼１０を断面十字状に形成したが、これに限定されず、棒攪拌翼は、板や角材などでもよい。
【００５８】
また、上述の実施形態では、注入口（噴射ノズル１１）を棒攪拌翼１０に対して周方向に約９０ーまたは約１８０ーずらして配置したが、注入口の設置位置はこれに限定されない。例えば、注入口を、棒攪拌翼１０とほぼ同じ周方向位置に棒攪拌翼１０に並べて配置し、かつ棒攪拌翼１０の延出方向に向けてもよい。この場合、注入口からの作泥材が棒攪拌翼１０に吹き付けられるので、棒攪拌翼１０が洗浄され掘削土砂の付着が防止される。
【図面の簡単な説明】
【００５９】
【図１】図１は、本発明の一実施形態に係るシールドマシンの模式的な側断面図である。
【図２】図２は、本実施形態のシールドマシンの正面図であり、隔壁を示す。
【図３】図３は、本実施形態の内周部攪拌棒の正面図である。
【図４】図４は、図３のＩＶ−ＩＶ線断面図である。
【図５】図５（ａ）−（ｃ）は、本実施形態の中間部攪拌棒の側断面図である。
【符号の説明】
【００６０】
１ シールドマシン
３ カッタ
４ 隔壁
５ カッタチャンバ
７ 固定攪拌棒
１０ 攪拌翼（棒攪拌翼）
３１ センタパイプ（回転部材）
３２ 支持ビーム（回転部材）
【特許請求の範囲】
【請求項１】
地山を掘削するカッタと、そのカッタの後方に配置された隔壁との間にカッタチャンバが形成され、そのカッタチャンバ内を通り上記カッタから上記隔壁まで回転部材が延び、上記隔壁に、前方に突出し上記カッタチャンバ内の掘削土砂を攪拌する固定攪拌棒が設けられたシールドマシンにおいて、
上記回転部材の周りの掘削土砂を攪拌すべく、上記固定攪拌棒に、上記回転部材に向かって径方向に延びる攪拌翼を設けたことを特徴とするシールドマシン。
【請求項２】
上記固定攪拌棒に、上記カッタチャンバ内に作泥材を注入するための注入口が設けられた請求項１記載のシールドマシン。
【請求項３】
上記回転部材が、上記カッタの中心部に接合されたセンタパイプであり、上記固定攪拌棒が、上記センタパイプの外周に周方向に並べて複数配置され、上記攪拌翼が、上記固定攪拌棒から径方向内側に延びる請求項１または２記載のシールドマシン。
【請求項４】
上記カッタが複数のカッタスポークを有し、上記回転部材が、上記カッタスポークに接合された支持ビームであり、上記固定攪拌棒が、上記支持ビームの内周側に周方向に並べて複数配置され、上記攪拌翼が、上記固定攪拌棒から径方向外側に延びる請求項１から３いずれかに記載のシールドマシン。
【請求項５】
上記カッタが複数のカッタスポークを有し、上記回転部材が、上記カッタスポークに接合された支持ビームであり、上記固定攪拌棒が、上記支持ビームの外周側に周方向に並べて複数配置され、上記攪拌翼が、上記固定攪拌棒から径方向内側に延びる請求項１から３いずれかに記載のシールドマシン。
【請求項６】
上記攪拌翼は、上記周方向に並ぶ複数の固定攪拌棒に、前後位置が互いに異なるように各々設けられた請求項３から５いずれかに記載のシールドマシン。
【請求項１】
地山を掘削するカッタと、そのカッタの後方に配置された隔壁との間にカッタチャンバが形成され、そのカッタチャンバ内を通り上記カッタから上記隔壁まで回転部材が延び、上記隔壁に、前方に突出し上記カッタチャンバ内の掘削土砂を攪拌する固定攪拌棒が設けられたシールドマシンにおいて、
上記回転部材の周りの掘削土砂を攪拌すべく、上記固定攪拌棒に、上記回転部材に向かって径方向に延びる攪拌翼を設けたことを特徴とするシールドマシン。
【請求項２】
上記固定攪拌棒に、上記カッタチャンバ内に作泥材を注入するための注入口が設けられた請求項１記載のシールドマシン。
【請求項３】
上記回転部材が、上記カッタの中心部に接合されたセンタパイプであり、上記固定攪拌棒が、上記センタパイプの外周に周方向に並べて複数配置され、上記攪拌翼が、上記固定攪拌棒から径方向内側に延びる請求項１または２記載のシールドマシン。
【請求項４】
上記カッタが複数のカッタスポークを有し、上記回転部材が、上記カッタスポークに接合された支持ビームであり、上記固定攪拌棒が、上記支持ビームの内周側に周方向に並べて複数配置され、上記攪拌翼が、上記固定攪拌棒から径方向外側に延びる請求項１から３いずれかに記載のシールドマシン。
【請求項５】
上記カッタが複数のカッタスポークを有し、上記回転部材が、上記カッタスポークに接合された支持ビームであり、上記固定攪拌棒が、上記支持ビームの外周側に周方向に並べて複数配置され、上記攪拌翼が、上記固定攪拌棒から径方向内側に延びる請求項１から３いずれかに記載のシールドマシン。
【請求項６】
上記攪拌翼は、上記周方向に並ぶ複数の固定攪拌棒に、前後位置が互いに異なるように各々設けられた請求項３から５いずれかに記載のシールドマシン。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２０１０−７７７１５（Ｐ２０１０−７７７１５Ａ）
【公開日】平成２２年４月８日（２０１０．４．８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−２４８４８７（Ｐ２００８−２４８４８７）
【出願日】平成２０年９月２６日（２００８．９．２６）
【出願人】（０００００００９９）株式会社ＩＨＩ (5,014)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年４月８日（２０１０．４．８）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年９月２６日（２００８．９．２６）
【出願人】（０００００００９９）株式会社ＩＨＩ (5,014)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]