説明

シールド導体層の切断方法及びレーザ加工装置

【課題】シールド導体層側面に切断されないシールド線が残ることがなく、且つ内部導体とシールド導体層との絶縁性を十分に確保できるシールド導体層の切断方法及びレーザ加工装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るシールド導体層の切断方法は、中心導体と、該中心導体を被覆するように配置された内部絶縁体と、該内部絶縁体を被覆するように配置されたシールド導体層とを備えたシールドケーブル1を準備し、前記シールドケーブル1の長手方向に対して略垂直方向である少なくとも3方向から前記シールド導体層にレーザ光を照射することによって前記シールド導体層を切断するものであり、前記シールド導体層に照射されるレーザ光の隣り合う2本の光軸が作る角度が180°未満であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド導体層側面に切断されないシールド線が残ることがなく、且つ内部導体とシールド導体層との絶縁性を十分に確保できるシールド導体層の切断方法及びレーザ加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノートパソコン、携帯電話、小型ビデオカメラ等の普及で、これら情報通信機器の小型・軽量化の他に高速・高画質化が求められている。これに対応するために、内部導体の外周に内部絶縁体、外部導体、外被を同軸状に順次形成した極めて細い電線(ケーブルという場合もある)が使用されている。また、その他の制御機器、例えば、医療用超音波探触子等で不要なノイズが混入するのを防止するのに、同様な電線がシールド電線として使用されている。以下、上記の同軸状の電線を或いはシールド電線を含めて、シールドケーブルとする。
【0003】
通常、シールドケーブルは複数本を束ねて使用され、その端部はフラット状にされて電気コネクタに接続される。電気コネクタとの接続に際しては、シールドケーブルに内部導体及び外部導体を電気接続するための端末形成が必要となる。しかし、ケーブル外径が1mm以下のような極細で、内部絶縁体の厚さが数十μm程度となると、ケーブルの配列ピッチ、電気的性能を損なうことなく接続端末を形成するのは容易ではない。このため、この種のシールドケーブルの端末形成について、今までに種々の提案がされている。
【0004】
図10は、従来のシールドケーブルの構造例を示す断面図である。
内部導体(中心導体)2は、例えば、外径約0.025mmの錫めっきされた銅合金線が7本撚って形成され、その外面をフッ素樹脂からなる絶縁材で厚さ0.04mm〜0.055mm程度に被覆して内部絶縁体(内部誘電体)3としている。内部絶縁体3の外周面に配する外部導体(シールド導体層)4は、例えば、外径約0.03mmの複数本の銅合金線のようなシールド線4aを横巻で巻きつけて形成し、その外面に厚さ約0.004mm程度のポリエステルテープを2枚重ね巻きして互いに融着して外被(ジャケット)5とし、外径が約0.3mm以下のシールドケーブル1が得られるように形成される。なお、シールド導体層4の外面に銅蒸着テープ(図示せず)を銅蒸着面を内側にして巻きつけてもよく、また、シールド導体層4は、シールド線の巻方向を反対にして2層に巻付けた構造であってもよく、この他、編組構造であってもよい(例えば特許文献1参照)。
【0005】
次に、従来のシールドケーブルにおけるシールド導体層の切断方法について説明する。
図11は、図10に示すシールドケーブルのシールド層4をレーザ光によって切断する方法及びその方法による問題点を説明する図である。図11では、シールド導体層4及び内部導体2を模式的に示しているが、図11においても実際は図10に示すシールド導体層4及び内部導体2と同じ構造になっている。
【0006】
まず、図10に示すジャケット5を剥離した状態のシールドケーブル1を図示せぬ保持機構により固定して保持し、シールドケーブルの上方からシールド導体層4にレーザ光を矢印のようにスキャンしながら照射する。次いで、前記シールドケーブル1の下方からシールド導体層4にレーザ光を矢印のようにスキャンしながら照射する。このようにシールド導体層4の全体にレーザ光を照射することによりシールド導体層4を切断する。
【0007】
【特許文献1】特開2005−251522号公報(0002,0016段落、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したシールド導体層をレーザ光によって切断する方法では、レーザ光を上方と下方の2方向からシールド導体層4に照射するため、シールド導体層側面6においては上方からのレーザ光も下方からのレーザ光も隣り合うシールド線4aによって遮られ、レーザ光の照射が不十分になる。その結果、シールド導体層側面6において切断されないシールド線4aが残ることがある。
【0009】
一方、シールド導体層側面6においてもシールド線4aが完全に切断されるような高出力条件でレーザ光を照射すると、レーザ光の照射方向の正面に位置するシールド導体層4をレーザ光が貫通し、そのレーザ光が内部絶縁体3まで達してしまい、その結果、図11に示すように内部絶縁体に傷が入る部分7が生じてしまう。この部分7では、内部絶縁体3の電気的絶縁性が低下するため、内部導体2とシールド導体層4との絶縁を十分に確保することができないことがある。
【0010】
また、上記従来の切断方法において、スキャン回数を多くするとスキャン速度によらずシールド導体層を溶融切断しやすく、スキャン回数が少ない場合にはシールド線の切り残しが多くなる傾向がある。また、スキャン回数を多くした場合の内部誘電体のダメージは、スキャン速度が速いほど軽減される傾向がある。
【0011】
上述したように、シールド導体層側面6において切断されないシールド線4aが残ったり、内部絶縁体に傷が入る部分7が生じるのは、レーザ光を上方と下方の2方向から照射することに原因があると考えられる。
【0012】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、シールド導体層側面に切断されないシールド線が残ることがなく、且つ内部導体とシールド導体層との絶縁性を十分に確保できるシールド導体層の切断方法及びレーザ加工装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、本発明に係るシールド導体層の切断方法は、中心導体と、該中心導体を被覆するように配置された内部絶縁体と、該内部絶縁体を被覆するように配置されたシールド導体層とを備えたシールドケーブルを準備し、
前記シールドケーブルの長手方向に対して略垂直方向である少なくとも3方向から前記シールド導体層にレーザ光を照射することによって前記シールド導体層を切断するものであり、
前記シールド導体層に照射されるレーザ光の隣り合う2本の光軸が作る角度が180°未満であることを特徴とする。
【0014】
上記シールド導体層の切断方法によれば、シールド導体層に少なくとも3方向からレーザ光を照射しているため、従来技術のようにレーザ光を上方と下方の2方向からシールド導体層に照射するのに比べ、シールド導体層側面においても切断されないシールド導体層が残ることを防止でき、シールド導体層全体を完全に且つ安定して切断することができる。これと共に、少なくとも3方向からレーザ光を照射することにより、全てのシールド導体層が完全に切断されるような条件でレーザ光を照射しても、内部絶縁体に傷が入る部分が生じることを抑制できる。従って、内部絶縁体の電気的絶縁性が低下することを防止でき、内部導体とシールド導体層との絶縁性を十分に確保することができる。
【0015】
また、本発明に係るシールド導体層の切断方法において、前記2本の光軸が作る角度が150°以下であることが好ましい。
【0016】
また、本発明に係るシールド導体層の切断方法において、前記シールド導体層に4方向からレーザ光を照射するものであって、隣り合わないレーザ光の光軸どうしは略一直線を成すように配置されることが好ましい。
【0017】
また、本発明に係るシールド導体層の切断方法において、前記シールドケーブルを準備する際、複数本並べたシールドケーブルを準備し、前記シールド導体層にレーザ光を照射する際、前記レーザ光又は前記シールドケーブルをスライドさせることにより前記レーザ光をスキャン照射することが好ましい。
【0018】
本発明に係るレーザ加工装置は、中心導体と、該中心導体を被覆するように配置された内部絶縁体と、該内部絶縁体を被覆するように配置されたシールド導体層とを備えたシールドケーブルを保持し、前記シールドケーブルの長手方向に対して略垂直方向から前記シールド導体層にレーザ光を照射することによって前記シールド導体層を切断するレーザ加工装置であって、
レーザ光を照射するレーザ照射機構と、
前記レーザ照射機構によって照射されたレーザ光を第1の方向又は第2の方向に反射させる第1の反射ミラーと、
前記第1の反射ミラーによって前記第1の方向に反射された前記レーザ光を、第3の方向に反射させる第2の反射ミラーと、
前記第2の反射ミラーによって前記第3の方向に反射された前記レーザ光を、第4の方向に反射させて前記シールド導体層に照射する第3の反射ミラーと、
前記第3の方向に反射された前記レーザ光の光軸から前記第3の反射ミラーを外すようにスライドさせるミラースライド機構と、
前記第3の方向に反射された前記レーザ光の光軸から前記第3の反射ミラーを外した状態で、前記第2の反射ミラーによって前記第3の方向に反射された前記レーザ光を、第5の方向に反射させて前記シールド導体層に照射する第4の反射ミラーと、
前記第1の反射ミラーによって前記第2の方向に反射された前記レーザ光を、第6の方向に反射させる第5の反射ミラーと、
前記第5の反射ミラーによって前記第6の方向に反射された前記レーザ光を、第7の方向に反射させて前記シールド導体層に照射する第6の反射ミラーと、
を具備し、
前記シールド導体層に照射されるレーザ光の隣り合う2本の光軸が作る角度が180°未満であることを特徴とする。
【0019】
本発明に係るレーザ加工装置は、中心導体と、該中心導体を被覆するように配置された内部絶縁体と、該内部絶縁体を被覆するように配置されたシールド導体層とを備えたシールドケーブルを保持し、前記シールドケーブルの長手方向に対して略垂直方向から前記シールド導体層にレーザ光を照射することによって前記シールド導体層を切断するレーザ加工装置であって、
レーザ光を照射するレーザ照射機構と、
前記レーザ照射機構によって照射されたレーザ光を第1の方向又は第2の方向に反射させる第1の反射ミラーと、
前記第1の反射ミラーによって前記第1の方向に反射された前記レーザ光を、第3の方向に反射させる第2の反射ミラーと、
前記第2の反射ミラーによって前記第3の方向に反射された前記レーザ光を、第4の方向又は第5の方向に反射させて前記シールド導体層に照射する第3の反射ミラーを備えた第1のミラースライドユニットと、
前記第1のミラースライドユニットに設けられた前記第3の反射ミラーをスライドさせる第1のスライド機構と、
前記第1のミラースライドユニットに設けられた前記第3の反射ミラーを回転させる第1の回転機構と、
前記第1の反射ミラーによって前記第2の方向に反射された前記レーザ光を、第6の方向に反射させる第4の反射ミラーと、
前記第4の反射ミラーによって前記第6の方向に反射された前記レーザ光を、第7の方向に反射させて前記シールド導体層に照射する第5の反射ミラーと、
を具備し、
前記シールド導体層に照射されるレーザ光の隣り合う2本の光軸が作る角度が180°未満であることを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係るレーザ加工装置において、前記第4の方向、前記第5の方向及び前記第7の方向それぞれから照射される前記レーザ光の光軸上に、それぞれ回転機構によって回転させて配置される回転レンズをさらに具備することも可能である。
【0021】
また、本発明に係るレーザ加工装置において、前記第5の反射ミラーに代えて第2のミラースライドユニットが配置されており、
前記第2のミラースライドユニットは、前記第4の反射ミラーによって前記第6の方向に反射された前記レーザ光を、第7の方向又は第8の方向に反射させて前記シールド導体層に照射する第5の反射ミラーを備えており、
前記第2のミラースライドユニットは、前記第5の反射ミラーをスライドさせる第2のスライド機構と、前記第5の反射ミラーを回転させる第2の回転機構とを有していることも可能である。
【0022】
本発明に係るレーザ加工装置は、中心導体と、該中心導体を被覆するように配置された内部絶縁体と、該内部絶縁体を被覆するように配置されたシールド導体層とを備えたシールドケーブルを保持し、前記シールドケーブルの長手方向に対して略垂直方向から前記シールド導体層にレーザ光を照射することによって前記シールド導体層を切断するレーザ加工装置であって、
レーザ光を照射するレーザ照射機構と、
前記レーザ照射機構によって照射されたレーザ光の一部を第1の方向に反射させると共に前記レーザ光の一部を透過させる第1のハーフミラーと、
前記第1のハーフミラーによって前記第1の方向に反射された前記レーザ光を、第2の方向に反射させる第1の反射ミラーと、
前記第1の反射ミラーによって前記第2の方向に反射された前記レーザ光の一部を第3の方向に反射させて前記シールド導体層に照射すると共に前記レーザ光の一部を透過させる第2のハーフミラーと、
前記第2のハーフミラーによって透過された前記レーザ光を、第4の方向に反射させて前記シールド導体層に照射する第2の反射ミラーと、
前記第1のハーフミラーによって透過された前記レーザ光を、第5の方向に反射させて前記シールド導体層に照射する第3の反射ミラーと、
を具備し、
前記シールド導体層に照射されるレーザ光の隣り合う2本の光軸が作る角度が180°未満であることを特徴とする。
【0023】
また、本発明に係るレーザ加工装置において、前記第1のハーフミラーと前記第3の反射ミラーの間に配置され、前記第1のハーフミラーによって透過された前記レーザ光の一部を第6の方向に反射させて前記シールド導体層に照射すると共に前記レーザ光の一部を透過させる第3のハーフミラーをさらに具備することも可能である。
【0024】
本発明に係るレーザ加工装置は、中心導体と、該中心導体を被覆するように配置された内部絶縁体と、該内部絶縁体を被覆するように配置されたシールド導体層とを備えたシールドケーブルを保持し、前記シールドケーブルの長手方向に対して略垂直方向から前記シールド導体層にレーザ光を照射することによって前記シールド導体層を切断するレーザ加工装置であって、
レーザ光を照射するレーザ照射機構と、
前記レーザ照射機構によって照射されたレーザ光を第1乃至第3の方向に反射させる回転反射ミラーと、
前記回転反射ミラーによって前記第1の方向に反射された前記レーザ光を、第4の方向に反射させて前記シールド導体層に照射する第1の反射ミラーと、
前記回転反射ミラーによって前記第2の方向に反射された前記レーザ光を、第5の方向に反射させて前記シールド導体層に照射する第2の反射ミラーと、
前記回転反射ミラーによって前記第3の方向に反射された前記レーザ光を、第6の方向に反射させて前記シールド導体層に照射する第3の反射ミラーと、
を具備し、
前記回転反射ミラーは、該回転反射ミラーを回転させる回転機構を有し、該回転機構によって前記回転反射ミラーの向きを調整するものであり、
前記シールド導体層に照射されるレーザ光の隣り合う2本の光軸が作る角度が180°未満であることを特徴とする。
【0025】
本発明に係るレーザ加工装置は、中心導体と、該中心導体を被覆するように配置された内部絶縁体と、該内部絶縁体を被覆するように配置されたシールド導体層とを備えたシールドケーブルを保持し、前記シールドケーブルの長手方向に対して略垂直方向から前記シールド導体層にレーザ光を照射することによって前記シールド導体層を切断するレーザ加工装置であって、
第1のレーザ光を前記シールド導体層に照射する第1のレーザ照射機構と、
第2のレーザ光を前記シールド導体層に照射する第2のレーザ照射機構と、
第3のレーザ光を前記シールド導体層に照射する第3のレーザ照射機構と、
を具備し、
前記シールド導体層に照射されるレーザ光の隣り合う2本の光軸が作る角度が180°未満であることを特徴とする。
【0026】
本発明に係るレーザ加工装置は、中心導体と、該中心導体を被覆するように配置された内部絶縁体と、該内部絶縁体を被覆するように配置されたシールド導体層とを備えたシールドケーブルを保持し、前記シールドケーブルの長手方向に対して略垂直方向から前記シールド導体層にレーザ光を照射することによって前記シールド導体層を切断するレーザ加工装置であって、
第1のレーザ光を第1の方向に照射する第1のレーザ照射機構と、
前記第1のレーザ照射機構によって照射された第1のレーザ光を第2の方向に反射させる第1の反射ミラーと、
前記第1の反射ミラーを、前記第1の方向に沿ってスライドさせるスライド機構と、
前記第1の反射ミラーによって前記第2の方向に反射された前記第1のレーザ光を、第3の方向又は第4の方向に反射させて前記シールド導体層に照射する第1の放物面鏡と、
第2のレーザ光を、前記第1の方向と平行で且つ略180°回転させた第5の方向に照射する第2のレーザ照射機構と、
前記第2のレーザ照射機構によって照射された第2のレーザ光を第6の方向に反射させる第2の反射ミラーと、
前記第2の反射ミラーによって前記第6の方向に反射された前記第2のレーザ光を、第7の方向に反射させて前記シールド導体層に照射する第3の反射ミラーと、
を具備し、
前記第1の放物面鏡は、前記スライド機構によって前記第1の反射ミラーをスライドさせることにより、前記第1のレーザ光を前記第3の方向又は前記第4の方向に反射させるものであり、
前記シールド導体層に照射されるレーザ光の隣り合う2本の光軸が作る角度が180°未満であることを特徴とする。
また、本発明に係るレーザ加工装置において、前記第3の反射ミラーに代えて第2の放物面鏡を具備し、前記第2の反射ミラーを、前記第5の方向に沿ってスライドさせるスライド機構を有し、前記第2の放物面鏡は、前記スライド機構によって前記第2の反射ミラーをスライドさせることにより、前記第2のレーザ光を前記第7の方向又は第8の方向に反射させるものであることも可能である。
【0027】
本発明に係るレーザ加工装置は、中心導体と、該中心導体を被覆するように配置された内部絶縁体と、該内部絶縁体を被覆するように配置されたシールド導体層とを備えたシールドケーブルを保持し、前記シールドケーブルの長手方向に対して略垂直方向から前記シールド導体層にレーザ光を照射することによって前記シールド導体層を切断するレーザ加工装置であって、
レーザ光を前記シールド導体層に照射するレーザ照射機構と、
前記シールドケーブルを回転させる回転機構と、
を具備し、
前記シールド導体層に照射されるレーザ光の隣り合う2本の光軸が作る角度が180°未満であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように本発明によれば、シールド導体層側面に切断されないシールド線が残ることがなく、且つ内部導体とシールド導体層との絶縁性を十分に確保できるシールド導体層の切断方法及びレーザ加工装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1によるレーザ加工装置の構成を示す模式図である。
このレーザ加工装置は、例えば図10及び図11に示すシールドケーブル1におけるシールド導体層4に4方向からレーザ光を照射することによりシールド導体層4を切断する装置である。前記シールドケーブル1は例えばAWG(American Wire Gauge)30以上のような極細同軸線であり、前記シールド導体層4は図10に示すように複数のシールド線4aによって構成され、シールド線4aの材質はAWG42番線の場合で例えば外径約0.03mmの錫メッキ銅合金線である。尚、本実施の形態によるレーザ加工装置で加工可能なシールド線は、錫メッキ銅合金線の他に、銀メッキ銅合金線、アルミ箔などである。
【0030】
図1のレーザ加工装置は、レーザ光12を照射するレーザ照射機構11と、第1〜第7の反射ミラー13〜19と、第1〜第4のレンズ20〜23と、ミラースライド機構(図示せず)とを有している。レーザ照射機構11から照射されるレーザ光は例えばYAG基本波パルスレーザ(波長λ=1064nm)である。また、シールドケーブル1は、レーザ処理装置において図示せぬ保持機構によって保持されている。また、シールドケーブル1はレーザ光照射時にスライドさせるケーブルスライド機構(図示せず)が設けられている。
【0031】
レーザ照射機構11から照射されたレーザ光12は、第1の反射ミラー13によって第1の方向31に反射され、第2の反射ミラー14によって第1の方向31に対して90°程度曲げられた第2の方向32に反射され、第3の反射ミラー15によって第3の方向33に反射され、この反射されたレーザ光12が第1のレンズ20を通ってシールドケーブル1のシールド導体層4に照射される。この際、シールド導体層をスキャン照射するために、前記第2の方向32と平行な方向にシールドケーブル1を前記ケーブルスライド機構によってスライドさせる。
【0032】
第3の反射ミラー15は、第2の反射ミラー14によって反射されたレーザ光の光軸から外れた位置にミラースライド機構(図示せず)によってスライドできるようになっている。このミラースライド機構によって第3の反射ミラー15をスライドさせて前記光軸から外した状態で、レーザ照射機構11から照射されたレーザ光12は、第1の反射ミラー13によって第1の方向31に反射され、第2の反射ミラー14によって第1の方向31に対して90°程度曲げられた第2の方向32に反射され、第4の反射ミラー16によって第4の方向34に反射され、この反射されたレーザ光12が第2のレンズ21を通ってシールドケーブル1のシールド導体層4に照射される。この際、シールド導体層をスキャン照射するために、前記第2の方向32と平行な方向にシールドケーブル1を前記ケーブルスライド機構によってスライドさせる。
【0033】
第1の反射ミラー13には、レーザ照射機構11によって照射されたレーザ光12を第1の方向31に対して180°回転させた第5の方向35に反射させるように、前記第1の反射ミラー13の向きを変えることができる駆動機構(図示せず)が取り付けられている。また、第6の反射ミラー18は、第7の反射ミラー19によって反射されたレーザ光の光軸から外れた位置にミラースライド機構(図示せず)によってスライドできるようになっている。前記駆動機構によって第1の反射ミラー13の向きを変え且つ前記ミラースライド機構によって第6の反射ミラー18をスライドさせて前記光軸から外した状態で、レーザ照射機構11から照射されたレーザ光12は、第1の反射ミラー13によって第5の方向35に反射され、第7の反射ミラー19によって第5の方向35に対して90°程度曲げられた第6の方向36に反射され、第5の反射ミラー17によって第8の方向38に反射され、この反射されたレーザ光12が第3のレンズ22を通ってシールドケーブル1のシールド導体層4に照射される。この際、シールド導体層をスキャン照射するために、前記第6の方向36と平行な方向にシールドケーブル1を前記ケーブルスライド機構によってスライドさせる。
【0034】
前記ミラースライド機構によって第6の反射ミラー18をスライドさせて前記光軸上に戻した状態で、レーザ照射機構11から照射されたレーザ光12は、第1の反射ミラー13によって第5の方向35に反射され、第7の反射ミラー19によって第5の方向35に対して90°程度曲げられた第6の方向36に反射され、第6の反射ミラー18によって第7の方向37に反射され、この反射されたレーザ光12が第4のレンズ23を通ってシールドケーブル1のシールド導体層4に照射される。この際、シールド導体層をスキャン照射するために、前記第6の方向36と平行な方向にシールドケーブル1を前記ケーブルスライド機構によってスライドさせる。
【0035】
また、レーザ加工装置は図示せぬ制御部を備えており、この制御部は、第1の反射ミラー13の向きを変える駆動機構、第3の反射ミラー15及び第6の反射ミラー18それぞれをスライドさせるミラースライド機構、レーザ照射機構11それぞれの動作などを制御するようになっている。
【0036】
次に、図1のレーザ加工装置を用いてシールドケーブル1におけるシールド導体層を切断する方法について説明する。
まず、図10に示すシールドケーブル1のジャケット5を所定長剥ぎ取ってシールド導体層を露出させる。この状態のシールドケーブル1を図1に示すレーザ加工装置の保持機構により固定して保持する。
【0037】
次いで、レーザ照射機構11からレーザ光12を照射し、このレーザ光12が第1〜第3の反射ミラー13〜15それぞれによって反射され、この反射されたレーザ光12が第1のレンズ20を通って第3の方向33からシールドケーブル1のシールド導体層4に照射される。この際、シールドケーブル1をケーブルスライド機構によってスライドさせることによりシールド導体層がスキャン照射される。
【0038】
次いで、第3の反射ミラー15を、第2の反射ミラー14によって反射されたレーザ光の光軸から外れた位置にミラースライド機構によってスライドさせる。次いで、レーザ照射機構11からレーザ光12を照射し、このレーザ光12が第1、第2及び第4の反射ミラー13,14,16それぞれによって反射され、この反射されたレーザ光12が第2のレンズ21を通って第4の方向34からシールド導体層に照射される。この際、シールドケーブル1をケーブルスライド機構によってスライドさせることによりシールド導体層がスキャン照射される。
【0039】
次いで、駆動機構によって第1の反射ミラー13の向きを変え、レーザ照射機構11からレーザ光12を照射し、このレーザ光12が第1、第7及び第5の反射ミラー13,19,17それぞれによって反射され、この反射されたレーザ光12が第3のレンズ22を通って第7の方向37からシールド導体層4に照射される。この際、シールドケーブル1をケーブルスライド機構によってスライドさせることによりシールド導体層がスキャン照射される。
【0040】
次いで、第6の反射ミラー18を、第7の反射ミラー19によって反射されたレーザ光の光軸上にミラースライド機構によってスライドさせる。次いで、レーザ照射機構11からレーザ光12を照射し、このレーザ光12が第1、第7及び第6の反射ミラー13それぞれによって反射され、この反射されたレーザ光12が第4のレンズ23を通って第8の方向38からシールド導体層に照射される。この際、シールドケーブル1をケーブルスライド機構によってスライドさせることによりシールド導体層がスキャン照射される。
【0041】
このようにしてシールド導体層全体が完全に溶融切断され、シールド導体層が剥ぎ取られた後のシールドケーブル1は図2に示すように内部絶縁体が露出されたものとなる。図2に示すように、切断後のシールドケーブル1の先端側は、中心導体2が露出され、その中心導体2を被覆する内部絶縁体3も露出され、内部絶縁体3を被覆するシールド導体層がレーザ照射位置で切断された状態となっている。ジャケット5と内部絶縁体3との間にはシールド導体層が存在している。
【0042】
上記実施の形態1によれば、シールド導体層に4方向からレーザ光を照射しているため、従来技術のようにレーザ光を上方と下方の2方向からシールド導体層4に照射するのに比べ、レーザ光が隣り合うシールド線によって遮られてレーザ光の照射が不十分になることを抑制することができる。その結果、シールド導体層側面においても切断されないシールド線が残ることを防止でき、シールド導体層全体を完全に且つ安定して溶融切断することができる。これと共に、4方向からレーザ光を照射することにより、全てのシールド線が完全に切断されるような条件でレーザ光を照射しても、従来技術のように高出力なレーザ光の照射条件にする必要がない。このため、シールド導体層をレーザ光が貫通して内部絶縁体3まで達することがなく、内部絶縁体に傷が入る部分が生じることを抑制できる。従って、内部絶縁体3の電気的絶縁性が低下することを防止でき、内部導体2とシールド導体層4との絶縁を十分に確保することができる。
【0043】
また、本実施の形態では、シールド導体層にレーザ光を照射する照射方向は、図1に示すように隣り合わないレーザ光の光軸どうしは一直線を成すような方向となっている。このような方向とすることにより、シールド導体層全体をより低出力のレーザ光によって確実に溶融切断することができる。
【0044】
尚、本実施の形態では、シールド導体層に4方向からレーザ光を照射しているが、これに限定されるものではなく、シールド導体層に3方向からレーザ光を照射しても良いし、シールド導体層に5方向以上からレーザ光を照射しても良い。この場合、シールド導体層に照射されるレーザ光の隣り合う2本の光軸が作る角度は180°未満であれば良いが、150°未満であることがより好ましく、より顕著な効果が得られる。
【0045】
また、本実施の形態では、レーザ光をシールド導体層に対してスキャンする照射方法(スキャン照射)を用いているが、これに限定されるものではなく、次のように変更して実施することも可能である。例えば、レーザ光の径がシールド導体層の幅より大きくスキャン照射しなくてもシールド導体層を切断できる場合はスキャンせずにレーザ光をシールド導体層に照射することも可能である。また、スキャン照射しない場合であって、シールド導体層を構成する金属細線からなるシールド線を複数回のレーザ照射で切断できるレーザ出力とし、一方向からのレーザ照射を複数回行うことも可能である。また、スキャン照射する場合であって、シールド導体層を構成する金属細線からなるシールド線を1回のスキャン照射では切断できないが、複数回のスキャン照射で切断できるレーザ出力とし、一方向からのレーザ照射を複数回のスキャン照射で行うことも可能である。
上記のようにシールド線を複数回のレーザ照射又は複数回のスキャン照射で切断できるレーザ出力とした場合は、1回のレーザ照射又は1回のスキャン照射で切断できるレーザ出力とした場合に比べて内部絶縁体に与えるダメージをより少なくできるレーザ出力を選択しやすくなる。換言すれば、複数回のレーザ照射又は複数回のスキャン照射で切断できるレーザ出力を調整する方が、1回のレーザ照射又は1回のスキャン照射で切断できるレーザ出力を調整するより調整が容易である。従って、結果的に内部絶縁体に与えるダメージを少なくすることができる。
【0046】
また、本実施の形態では、ケーブルスライド機構によってシールドケーブルをスライドさせることによりシールド導体層にレーザ光をスキャン照射しているが、シールドケーブルを固定した状態でレーザ光をスライドさせることによりシールド導体層にレーザ光をスキャン照射することも可能である。
【0047】
また、本実施の形態では、図1に示すように4方向からシールド導体層にレーザ光を照射しているが、5方向以上の方向からシールド導体層にレーザ光を照射することも可能である。この場合は、図1のレーザ加工装置において、第3の反射ミラー15と第4の反射ミラー16の間に第3の反射ミラー15と同様のミラースライド機構付きの反射ミラーを配置し、この反射ミラーとシールドケーブル1との間にレンズを配置することにより前記反射ミラーによって反射させたレーザ光を、前記レンズを通してシールドケーブルのシールド導体層に照射できるようにしたり、またこのような反射ミラー及びレンズをさらに複数配置することにより実現できる。また、図1のレーザ加工装置において、第6の反射ミラー18と第5の反射ミラー17の間に第6の反射ミラー18と同様のミラースライド機構付きの反射ミラーを配置し、この反射ミラーとシールドケーブル1との間にレンズを配置することにより前記反射ミラーによって反射させたレーザ光を、前記レンズを通してシールドケーブルのシールド導体層に照射できるようにしたり、またこのような反射ミラー及びレンズをさらに複数配置することにより実現できる。
【0048】
また、本実施の形態では、図1に示すように一本のシールドケーブルのシールド導体層を切断する場合について説明しているが、これに限定されるものではなく、複数本のシールドケーブルそれぞれのシールド導体層を同時に切断することも可能である。この場合の方法を以下に説明する。
【0049】
図3は、実施の形態1の変形例であって複数並べたシールドケーブルそれぞれのシールド導体層を同時に切断する方法を説明する図である。
レーザ加工装置において複数本のシールドケーブル1を横一列に並べて保持機構によって保持する点以外は、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0050】
また、シールドケーブル1にレーザ光をスキャン照射するために、ケーブルスライド機構によってシールドケーブルを矢印24の方向にスライドさせても良いし、またシールドケーブルを固定した状態で光学系を矢印25の方向にスライドさせても良いし、また光学系又はシールドケーブルを複数回往復スライドさせても良い。
【0051】
上記変形例においても実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0052】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2によるレーザ加工装置の構成を示す模式図であり、図1と同一部分には同一符号を付す。
レーザ照射機構11、第1の反射ミラー13、第2の反射ミラー14、第7の反射ミラー19、シールドケーブルの保持機構、及びケーブルスライド機構は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0053】
第2の反射ミラー14によって第2の方向32に反射されたレーザ光12は、ミラースライドユニット26内の反射ミラー26aによって第3の方向33に反射され、この反射されたレーザ光12が第1の回転レンズ27aを通ってシールドケーブル1のシールド導体層4に照射される。この際、シールド導体層をスキャン照射するために、前記第2の方向32と平行な方向にシールドケーブル1を前記ケーブルスライド機構によってスライドさせる。
【0054】
ミラースライドユニット26は、反射ミラー26aと、この反射ミラー26aをスライドさせるスライド機構(図示せず)と、反射ミラー26aの向きを調整する回転機構(図示せず)とを有している。また、第1の回転レンズ27aには、シールドケーブル1の周囲を矢印のように回転させる回転機構(図示せず)が取り付けられている。
【0055】
第7の反射ミラー19によって第6の方向36に反射されたレーザ光12は、ミラースライドユニット28内の反射ミラー28aによって第7の方向37に反射され、この反射されたレーザ光12が第2の回転レンズ27bを通ってシールドケーブル1のシールド導体層4に照射される。この際、シールド導体層をスキャン照射するために、前記第6の方向36と平行な方向にシールドケーブル1を前記ケーブルスライド機構によってスライドさせる。
ミラースライドユニット28は、反射ミラー28aと、この反射ミラー28aをスライドさせるスライド機構(図示せず)と、反射ミラー28aの向きを調整する回転機構(図示せず)とを有している。また、第2の回転レンズ27bには、シールドケーブル1の周囲を矢印のように回転させる回転機構(図示せず)が取り付けられている。
【0056】
次に、図4のレーザ加工装置を用いてシールドケーブル1におけるシールド導体層を切断する方法について説明する。
まず、ジャケット5を所定長剥ぎ取ってシールド導体層を露出させた状態のシールドケーブル1を図4に示すレーザ加工装置の保持機構により固定して保持する。
【0057】
次いで、レーザ照射機構11からレーザ光12を照射し、このレーザ光12が第1、第2の反射ミラー13,14及びミラースライドユニット内の反射ミラー26aそれぞれによって反射され、この反射されたレーザ光12が第1の回転レンズ27aを通って第3の方向33からシールドケーブル1のシールド導体層4に照射される。この際、反射ミラー26a及び第1の回転レンズ27aは、第3の方向33にレーザ光が反射されシールド導体層に照射されるように位置合わせされている。
【0058】
次いで、ミラースライドユニット26において反射ミラー26aをスライドさせ、第1の回転レンズ27aを回転移動させる。これにより、反射ミラー26a及び第1の回転レンズ27aが第4の方向34にレーザ光が反射されシールド導体層に照射されるように位置合わせされる。そして、レーザ照射機構11からレーザ光12を照射し、このレーザ光12が第1、第2の反射ミラー13,14及び反射ミラー26aそれぞれによって反射され、この反射されたレーザ光12が第1の回転レンズ27aを通って第4の方向34からシールド導体層に照射される。
【0059】
次いで、駆動機構によって第1の反射ミラー13の向きを変え、レーザ照射機構11からレーザ光12を照射し、このレーザ光12が第1、第7の反射ミラー13,19及びミラースライドユニット28内の反射ミラー28aそれぞれによって反射され、この反射されたレーザ光12が第2の回転レンズ27bを通って第7の方向37からシールドケーブル1のシールド導体層4に照射される。この際、反射ミラー28a及び第2の回転レンズ27bは、第7の方向37にレーザ光が反射されシールド導体層に照射されるように位置合わせされている。
【0060】
次いで、ミラースライドユニット28において反射ミラー28aをスライドさせ、第2の回転レンズ27bを回転移動させる。これにより、反射ミラー28a及び第2の回転レンズ27bが第8の方向38にレーザ光が反射されシールド導体層に照射されるように位置合わせされる。そして、レーザ照射機構11からレーザ光12を照射し、このレーザ光12が第1、第7の反射ミラー13,19及び反射ミラー28aそれぞれによって反射され、この反射されたレーザ光12が第2の回転レンズ27bを通って第8の方向38からシールド導体層に照射される。
【0061】
上記実施の形態2においても実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態においても実施の形態1と同様の変形例を実施することが可能である。
【0062】
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3によるレーザ加工装置の構成を示す模式図であり、図1と同一部分には同一符号を付す。
レーザ照射機構11、第2の反射ミラー14、第4の反射ミラー16、第5の反射ミラー17、第1〜第4のレンズ20〜23、シールドケーブルの保持機構、及びケーブルスライド機構は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0063】
レーザ照射機構11から照射されたレーザ光12は、第1のハーフミラー43によって第1の方向31に反射され、第2の反射ミラー14によって第2の方向32に反射され、第2のハーフミラー45によって第3の方向33に反射され、この反射されたレーザ光12が第1のレンズ20を通ってシールドケーブル1のシールド導体層4に照射される。
【0064】
また、第2のハーフミラー45をレーザ光12の一部が透過する。これにより、透過したレーザ光12は、第4の反射ミラー16によって第4の方向34に反射され、この反射されたレーザ光12が第2のレンズ21を通ってシールドケーブル1のシールド導体層4に照射される。
【0065】
また、第1のハーフミラー43をレーザ光12の一部が透過する。これにより、透過したレーザ光12は、第3のハーフミラー48によって第7の方向37に反射され、この反射されたレーザ光12が第4のレンズ23を通ってシールドケーブル1のシールド導体層4に照射される。
【0066】
また、第3のハーフミラー48をレーザ光12の一部が透過する。これにより、透過したレーザ光12は、第5の反射ミラー17によって第8の方向38に反射され、この反射されたレーザ光12が第3のレンズ22を通ってシールドケーブル1のシールド導体層4に照射される。
【0067】
上記実施の形態3においても実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態においても実施の形態1と同様の変形例を実施することが可能である。
【0068】
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4によるレーザ加工装置の構成を示す模式図であり、図1と同一部分には同一符号を付す。
レーザ照射機構11、第1〜第4のレンズ20〜23、シールドケーブルの保持機構、及びケーブルスライド機構は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0069】
図6のレーザ加工装置は、回転駆動機構(図示せず)を備えた回転反射ミラー51を有している。この回転反射ミラー51は、回転駆動機構によって反射ミラーを第1〜第4の向きに変えることができるようになっており、第1〜第4の向きに回転反射ミラー51を調整することによって第1〜第4の方向61〜64にレーザ光を反射させることができるようになっている。
【0070】
レーザ照射機構11から照射されたレーザ光12は、第1の向きに調整した回転反射ミラー51によって第1の方向61に反射され、第1の反射ミラー52によって第5の方向65に反射され、この反射されたレーザ光12が第1のレンズ20を通ってシールドケーブル1のシールド導体層4に照射される。
【0071】
レーザ照射機構11から照射されたレーザ光12は、第2の向きに調整した回転反射ミラー51によって第2の方向62に反射され、第2の反射ミラー53によって第6の方向66に反射され、この反射されたレーザ光12が第2のレンズ21を通ってシールドケーブル1のシールド導体層4に照射される。
【0072】
レーザ照射機構11から照射されたレーザ光12は、第3の向きに調整した回転反射ミラー51によって第3の方向63に反射され、第3の反射ミラー54によって第7の方向67に反射され、この反射されたレーザ光12が第3のレンズ22を通ってシールドケーブル1のシールド導体層4に照射される。
【0073】
レーザ照射機構11から照射されたレーザ光12は、第4の向きに調整した回転反射ミラー51によって第4の方向64に反射され、第4の反射ミラー55によって第8の方向68に反射され、この反射されたレーザ光12が第4のレンズ23を通ってシールドケーブル1のシールド導体層4に照射される。
【0074】
上記実施の形態4においても実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態においても実施の形態1と同様の変形例を実施することが可能である。
【0075】
(実施の形態5)
図7は、本発明の実施の形態5によるレーザ加工装置の構成を示す模式図であり、図1と同一部分には同一符号を付す。
第1〜第4のレンズ20〜23、シールドケーブルの保持機構、及びケーブルスライド機構は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
このレーザ加工装置は、第1〜第4のレーザ照射機構71〜74を有している。
【0076】
第1〜第4のレーザ照射機構71それぞれから照射されたレーザ光は、第1〜第4のレンズ20〜23それぞれを通ってシールドケーブル1のシールド導体層4に照射される。
【0077】
上記実施の形態5においても実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態においても実施の形態1と同様の変形例を実施することが可能である。
【0078】
(実施の形態6)
図8は、本発明の実施の形態6によるレーザ加工装置の構成を示す模式図であり、図1と同一部分には同一符号を付す。
シールドケーブルの保持機構、及びケーブルスライド機構は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0079】
このレーザ加工装置は、第1及び第2のレーザ照射機構81,82と、第1の反射ミラー83と、第2の反射ミラー84と、第1の放物面鏡85と、第2の放物面鏡86とを有している。第1の反射ミラー83及び第2の反射ミラー84それぞれは、スライド機構によってレーザ光の光軸上を自在にスライドできるようになっている。第1の放物面鏡85及び第2の放物面鏡86それぞれは、第1の反射ミラー83及び第2の反射ミラー84それぞれをスライド機構によってスライドさせて位置を変えてもシールドケーブル1のシールド導体層4にレーザ光が照射されるように構成されている。
【0080】
次に、図8のレーザ加工装置を用いてシールドケーブル1におけるシールド導体層を切断する方法について説明する。
【0081】
第1のレーザ照射機構81からレーザ光を照射し、このレーザ光が第1の反射ミラー83及び第1の放物面鏡85によって反射され、この反射されたレーザ光がシールドケーブル1のシールド導体層4に照射される。
【0082】
次いで、第1の反射ミラー83をスライド機構によってスライドさせた後、第1のレーザ照射機構81からレーザ光を照射し、このレーザ光が第1の反射ミラー83及び第1の放物面鏡85によって反射され、この反射されたレーザ光がシールドケーブル1のシールド導体層4に照射される。
【0083】
次いで、第2のレーザ照射機構82からレーザ光を照射し、このレーザ光が第2の反射ミラー84及び第2の放物面鏡86によって反射され、この反射されたレーザ光がシールドケーブル1のシールド導体層4に照射される。
【0084】
次いで、第2の反射ミラー84をスライド機構によってスライドさせた後、第2のレーザ照射機構82からレーザ光を照射し、このレーザ光が第2の反射ミラー84及び第2の放物面鏡86によって反射され、この反射されたレーザ光がシールドケーブル1のシールド導体層4に照射される。
【0085】
上記実施の形態6においても実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態においても実施の形態1と同様の変形例を実施することが可能である。
【0086】
尚、上記実施の形態6では、第2の放物面鏡86を用いているが、第2の放物面鏡86に代えて第3の反射ミラーを用いることも可能である。この場合、シールドケーブルの長手方向に対して略垂直方向である3方向からシールド導体層にレーザ光を照射することが可能となる。
【0087】
(実施の形態7)
図9は、本発明の実施の形態7によるレーザ加工装置の構成を示す模式図であり、図1と同一部分には同一符号を付す。
レーザ照射機構11は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
このレーザ加工装置は、レンズ91と、シールドケーブル1を回転させるモータ93と、このモータ93の回転駆動力をシールドケーブル1に伝達するベルト92とを有している。
【0088】
レーザ照射機構11から照射されたレーザ光は、レンズ91を通ってシールドケーブル1のシールド導体層4に照射される。この際、モータ93及びベルト92によってシールドケーブル1を回転させることにより、レーザ光がシールド導体層に少なくとも3方向から照射される。
【0089】
上記実施の形態7においても実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0090】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の実施の形態1によるレーザ加工装置の構成を示す模式図である。
【図2】シールド導体層全体が完全に溶融切断され、シールド導体層が剥ぎ取られた後のシールドケーブルを示す図である。
【図3】実施の形態1の変形例であって複数並べたシールドケーブルそれぞれのシールド導体層を同時に切断する方法を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態2によるレーザ加工装置の構成を示す模式図である。
【図5】本発明の実施の形態3によるレーザ加工装置の構成を示す模式図である。
【図6】本発明の実施の形態4によるレーザ加工装置の構成を示す模式図である。
【図7】本発明の実施の形態5によるレーザ加工装置の構成を示す模式図である。
【図8】本発明の実施の形態6によるレーザ加工装置の構成を示す模式図である。
【図9】本発明の実施の形態7によるレーザ加工装置の構成を示す模式図である。
【図10】従来のシールドケーブルの構造例を示す断面図である。
【図11】図10に示すシールドケーブルのシールド層4をレーザ光によって切断する方法及びその方法による問題点を説明する図である。
【符号の説明】
【0092】
1 シールドケーブル
2 内部導体(中心導体)
3 内部絶縁体(内部誘電体)
4 外部導体(シールド導体層)
4a シールド線
5 外被(ジャケット)
6 シールド導体層側面
7 内部絶縁体に傷が入る部分
11 レーザ照射機構
12 レーザ光
13〜19 第1〜第7の反射ミラー
20〜23 第1〜第4のレンズ
24,25 矢印
26,28 ミラースライドユニット
26a,28a 反射ミラー
27a 第1の回転レンズ
27b 第2の回転レンズ
31〜38 第1〜第8の方向
43,45,48 第1〜第3のハーフミラー
51 回転反射ミラー
52〜55 第1〜第4の反射ミラー
61〜68 第1〜第8の方向
71〜74 第1〜第4のレーザ照射機構
81 第1のレーザ照射機構
82 第2のレーザ照射機構
83 第1の反射ミラー
84 第2の反射ミラー
85 第1の放物面鏡
86 第2の放物面鏡
91 レンズ
92 ベルト
93 モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心導体と、該中心導体を被覆するように配置された内部絶縁体と、該内部絶縁体を被覆するように配置されたシールド導体層とを備えたシールドケーブルを準備し、
前記シールドケーブルの長手方向に対して略垂直方向である少なくとも3方向から前記シールド導体層にレーザ光を照射することによって前記シールド導体層を切断するものであり、
前記シールド導体層に照射されるレーザ光の隣り合う2本の光軸が作る角度が180°未満であることを特徴とするシールド導体層の切断方法。
【請求項2】
請求項1において、前記2本の光軸が作る角度が150°以下であることを特徴とするシールド導体層の切断方法。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記シールド導体層に4方向からレーザ光を照射するものであって、隣り合わないレーザ光の光軸どうしは略一直線を成すように配置されることを特徴とするシールド導体層の切断方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項において、前記シールドケーブルを準備する際、複数本並べたシールドケーブルを準備し、前記シールド導体層にレーザ光を照射する際、前記レーザ光又は前記シールドケーブルをスライドさせることにより前記レーザ光をスキャン照射することを特徴とするシールド導体層の切断方法。
【請求項5】
中心導体と、該中心導体を被覆するように配置された内部絶縁体と、該内部絶縁体を被覆するように配置されたシールド導体層とを備えたシールドケーブルを保持し、前記シールドケーブルの長手方向に対して略垂直方向から前記シールド導体層にレーザ光を照射することによって前記シールド導体層を切断するレーザ加工装置であって、
レーザ光を照射するレーザ照射機構と、
前記レーザ照射機構によって照射されたレーザ光を第1の方向又は第2の方向に反射させる第1の反射ミラーと、
前記第1の反射ミラーによって前記第1の方向に反射された前記レーザ光を、第3の方向に反射させる第2の反射ミラーと、
前記第2の反射ミラーによって前記第3の方向に反射された前記レーザ光を、第4の方向に反射させて前記シールド導体層に照射する第3の反射ミラーと、
前記第3の方向に反射された前記レーザ光の光軸から前記第3の反射ミラーを外すようにスライドさせるミラースライド機構と、
前記第3の方向に反射された前記レーザ光の光軸から前記第3の反射ミラーを外した状態で、前記第2の反射ミラーによって前記第3の方向に反射された前記レーザ光を、第5の方向に反射させて前記シールド導体層に照射する第4の反射ミラーと、
前記第1の反射ミラーによって前記第2の方向に反射された前記レーザ光を、第6の方向に反射させる第5の反射ミラーと、
前記第5の反射ミラーによって前記第6の方向に反射された前記レーザ光を、第7の方向に反射させて前記シールド導体層に照射する第6の反射ミラーと、
を具備し、
前記シールド導体層に照射されるレーザ光の隣り合う2本の光軸が作る角度が180°未満であることを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項6】
中心導体と、該中心導体を被覆するように配置された内部絶縁体と、該内部絶縁体を被覆するように配置されたシールド導体層とを備えたシールドケーブルを保持し、前記シールドケーブルの長手方向に対して略垂直方向から前記シールド導体層にレーザ光を照射することによって前記シールド導体層を切断するレーザ加工装置であって、
レーザ光を照射するレーザ照射機構と、
前記レーザ照射機構によって照射されたレーザ光を第1の方向又は第2の方向に反射させる第1の反射ミラーと、
前記第1の反射ミラーによって前記第1の方向に反射された前記レーザ光を、第3の方向に反射させる第2の反射ミラーと、
前記第2の反射ミラーによって前記第3の方向に反射された前記レーザ光を、第4の方向又は第5の方向に反射させて前記シールド導体層に照射する第3の反射ミラーを備えた第1のミラースライドユニットと、
前記第1のミラースライドユニットに設けられた前記第3の反射ミラーをスライドさせる第1のスライド機構と、
前記第1のミラースライドユニットに設けられた前記第3の反射ミラーを回転させる第1の回転機構と、
前記第1の反射ミラーによって前記第2の方向に反射された前記レーザ光を、第6の方向に反射させる第4の反射ミラーと、
前記第4の反射ミラーによって前記第6の方向に反射された前記レーザ光を、第7の方向に反射させて前記シールド導体層に照射する第5の反射ミラーと、
を具備し、
前記シールド導体層に照射されるレーザ光の隣り合う2本の光軸が作る角度が180°未満であることを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項7】
請求項6において、前記第4の方向、前記第5の方向及び前記第7の方向それぞれから照射される前記レーザ光の光軸上に、それぞれ回転機構によって回転させて配置される回転レンズをさらに具備することを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項8】
請求項6において、前記第5の反射ミラーに代えて第2のミラースライドユニットが配置されており、
前記第2のミラースライドユニットは、前記第4の反射ミラーによって前記第6の方向に反射された前記レーザ光を、第7の方向又は第8の方向に反射させて前記シールド導体層に照射する第5の反射ミラーを備えており、
前記第2のミラースライドユニットは、前記第5の反射ミラーをスライドさせる第2のスライド機構と、前記第5の反射ミラーを回転させる第2の回転機構とを有していることを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項9】
中心導体と、該中心導体を被覆するように配置された内部絶縁体と、該内部絶縁体を被覆するように配置されたシールド導体層とを備えたシールドケーブルを保持し、前記シールドケーブルの長手方向に対して略垂直方向から前記シールド導体層にレーザ光を照射することによって前記シールド導体層を切断するレーザ加工装置であって、
レーザ光を照射するレーザ照射機構と、
前記レーザ照射機構によって照射されたレーザ光の一部を第1の方向に反射させると共に前記レーザ光の一部を透過させる第1のハーフミラーと、
前記第1のハーフミラーによって前記第1の方向に反射された前記レーザ光を、第2の方向に反射させる第1の反射ミラーと、
前記第1の反射ミラーによって前記第2の方向に反射された前記レーザ光の一部を第3の方向に反射させて前記シールド導体層に照射すると共に前記レーザ光の一部を透過させる第2のハーフミラーと、
前記第2のハーフミラーによって透過された前記レーザ光を、第4の方向に反射させて前記シールド導体層に照射する第2の反射ミラーと、
前記第1のハーフミラーによって透過された前記レーザ光を、第5の方向に反射させて前記シールド導体層に照射する第3の反射ミラーと、
を具備し、
前記シールド導体層に照射されるレーザ光の隣り合う2本の光軸が作る角度が180°未満であることを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項10】
中心導体と、該中心導体を被覆するように配置された内部絶縁体と、該内部絶縁体を被覆するように配置されたシールド導体層とを備えたシールドケーブルを保持し、前記シールドケーブルの長手方向に対して略垂直方向から前記シールド導体層にレーザ光を照射することによって前記シールド導体層を切断するレーザ加工装置であって、
レーザ光を照射するレーザ照射機構と、
前記レーザ照射機構によって照射されたレーザ光を第1乃至第3の方向に反射させる回転反射ミラーと、
前記回転反射ミラーによって前記第1の方向に反射された前記レーザ光を、第4の方向に反射させて前記シールド導体層に照射する第1の反射ミラーと、
前記回転反射ミラーによって前記第2の方向に反射された前記レーザ光を、第5の方向に反射させて前記シールド導体層に照射する第2の反射ミラーと、
前記回転反射ミラーによって前記第3の方向に反射された前記レーザ光を、第6の方向に反射させて前記シールド導体層に照射する第3の反射ミラーと、
を具備し、
前記回転反射ミラーは、該回転反射ミラーを回転させる回転機構を有し、該回転機構によって前記回転反射ミラーの向きを調整するものであり、
前記シールド導体層に照射されるレーザ光の隣り合う2本の光軸が作る角度が180°未満であることを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項11】
中心導体と、該中心導体を被覆するように配置された内部絶縁体と、該内部絶縁体を被覆するように配置されたシールド導体層とを備えたシールドケーブルを保持し、前記シールドケーブルの長手方向に対して略垂直方向から前記シールド導体層にレーザ光を照射することによって前記シールド導体層を切断するレーザ加工装置であって、
第1のレーザ光を前記シールド導体層に照射する第1のレーザ照射機構と、
第2のレーザ光を前記シールド導体層に照射する第2のレーザ照射機構と、
第3のレーザ光を前記シールド導体層に照射する第3のレーザ照射機構と、
を具備し、
前記シールド導体層に照射されるレーザ光の隣り合う2本の光軸が作る角度が180°未満であることを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項12】
中心導体と、該中心導体を被覆するように配置された内部絶縁体と、該内部絶縁体を被覆するように配置されたシールド導体層とを備えたシールドケーブルを保持し、前記シールドケーブルの長手方向に対して略垂直方向から前記シールド導体層にレーザ光を照射することによって前記シールド導体層を切断するレーザ加工装置であって、
第1のレーザ光を第1の方向に照射する第1のレーザ照射機構と、
前記第1のレーザ照射機構によって照射された第1のレーザ光を第2の方向に反射させる第1の反射ミラーと、
前記第1の反射ミラーを、前記第1の方向に沿ってスライドさせるスライド機構と、
前記第1の反射ミラーによって前記第2の方向に反射された前記第1のレーザ光を、第3の方向又は第4の方向に反射させて前記シールド導体層に照射する第1の放物面鏡と、
第2のレーザ光を、前記第1の方向と平行で且つ略180°回転させた第5の方向に照射する第2のレーザ照射機構と、
前記第2のレーザ照射機構によって照射された第2のレーザ光を第6の方向に反射させる第2の反射ミラーと、
前記第2の反射ミラーによって前記第6の方向に反射された前記第2のレーザ光を、第7の方向に反射させて前記シールド導体層に照射する第3の反射ミラーと、
を具備し、
前記第1の放物面鏡は、前記スライド機構によって前記第1の反射ミラーをスライドさせることにより、前記第1のレーザ光を前記第3の方向又は前記第4の方向に反射させるものであり、
前記シールド導体層に照射されるレーザ光の隣り合う2本の光軸が作る角度が180°未満であることを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項13】
請求項12において、前記第3の反射ミラーに代えて第2の放物面鏡を具備し、前記第2の反射ミラーを、前記第5の方向に沿ってスライドさせるスライド機構を有し、前記第2の放物面鏡は、前記スライド機構によって前記第2の反射ミラーをスライドさせることにより、前記第2のレーザ光を前記第7の方向又は第8の方向に反射させるものであることを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項14】
中心導体と、該中心導体を被覆するように配置された内部絶縁体と、該内部絶縁体を被覆するように配置されたシールド導体層とを備えたシールドケーブルを保持し、前記シールドケーブルの長手方向に対して略垂直方向から前記シールド導体層にレーザ光を照射することによって前記シールド導体層を切断するレーザ加工装置であって、
レーザ光を前記シールド導体層に照射するレーザ照射機構と、
前記シールドケーブルを回転させる回転機構と、
を具備し、
前記シールド導体層に照射されるレーザ光の隣り合う2本の光軸が作る角度が180°未満であることを特徴とするレーザ加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−290013(P2007−290013A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−122031(P2006−122031)
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【出願人】(303006916)フェトン株式会社 (13)
【Fターム(参考)】