説明

シールド用ジョイントコネクタ

【課題】著しい構造の複雑化及びコストアップを伴うことなく、シールド用の複数のドレイン線を一括して所定のアース部位に接続することが可能なシールド用ジョイントコネクタを提供する。
【解決手段】シールド用ジョイントコネクタは、各ドレイン線W1に装着され、特定方向に延びる第1接触部11aを有する複数の第1端子11と、アース線W2の端末に装着され、特定方向に延びる第2接触部12aを有する第2端子12と、これらの端子11,12を短絡させる短絡用導体20と、短絡用導体02を収容可能な導体収容部32を含むハウジングと、導体収容部32の開口を塞ぐとともに、接触部11a,12aがそれぞれ挿通可能な複数のシール用挿通孔52を有するシール材50と、を備える。短絡用導体20は、導体収容部32内に挿入される接触部11a,12aとそれぞれ接触する複数の端子接触部22を有し、その接触により端子11,12を相互に短絡させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれがシールド部材につながる複数のシールド用ドレイン線を一括してアースに接続するためのシールド用ジョイントコネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両等に搭載されるワイヤハーネスは、互いに束ねられる複数の配線材(電線またはケーブル)と、これらの配線材に接続される電子部品やコネクタ等とを含み、これらによって所定の回路が構築される。前記配線材のうち、特にノイズの遮蔽が要求される車載電装品に接続されるものには、シールド電線またはシールドケーブルといったシールド機能を有する配線材が用いられる。例えばシールドケーブルは、信号を伝達するための電線である信号線と、金属テープ等からなって前記信号線を囲むように配設されるシールド層と、このシールド層に接続されるドレイン線とを有し、このドレイン線がアースに接続されることによって、前記シールド層にノイズ遮蔽機能が与えられる。
【0003】
このようなワイヤハーネスでは、当該ワイヤハーネスに含まれる複数のドレイン線が一括して共通のアース部位(例えば車両のボディ)に接続されることが、構造の簡素化及び作業効率化の上で好ましい。そのための構造を具備したワイヤハーネスとして、特許文献1には図10に示すようなものが開示されている。
【0004】
このワイヤハーネスは、互いに束ねられる複数のシールド電線80と、複数のコネクタ86と、電子機器88と、シールド用ジョイントコネクタ90と、を有する。各シールド電線80は、複数の信号線81と、これらの信号線81を覆う絶縁被覆82と、絶縁被覆82の内側に設けられる図略のシールド層と、当該シールド層につながるドレイン線83とを有し、当該シールド電線80の両端では前記信号線81が露出している。各シールド電線80における信号線81の一方の端末に前記各コネクタ86が設けられ、各信号線82の他方の端末が前記電子機器88に接続される。前記各ドレイン線83は、各シールド層に直接つながるドレイン本体線84と、このドレイン本体線84に連結されてドレイン線83を延長するリード線85とを有する。
【0005】
前記シールド用ジョイントコネクタ90は、前記各ドレイン線83を共通のアース部位に接続するためのもので、前記各リード線85の端末にそれぞれ設けられる複数の端子91と、これらの端子91とそれぞれ嵌合可能な形状を有するバスバー92と、このバスバー92を保持するハウジング94と、前記バスバー92につながるアース線96とを有する。このアース線96の端末にはアース端子98が設けられ、このアース端子98が車両のボディの特定部位に接続されることにより、前記各ドレイン線83が前記各端子91、前記バスバー92及び前記アース線96を通じてアースに接続され、これにより各シールド電線80におけるシールド構造が構築される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−310105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記のようなシールド用ジョイントコネクタでは、その設置場所によっては、接続信頼性を確保するために防水を行うことが求められる場合がある。しかし、当該防水のために従来の防水コネクタが具備するような防水構造を前記シールド用ジョイントコネクタに適用すると、当該ジョイントコネクタの構造の複雑化及びコストアップが顕著となり、好ましくない。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑み、著しい構造の複雑化及びコストアップを伴うことなく、シールド用の複数のドレイン線を一括して所定のアース部位に接続することが可能なシールド用ジョイントコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明らは、各ドレイン線において防水をすべき部位に着目した。すなわち、各ドレイン線は、複雑な信号を伝達するための信号線と異なり、単に各シールド部材をアースに接続する機能が担保されたものでよいので、ドレイン線そのものや、当該ドレイン線の端末と端子との接続部位等については防水が行われる必要がなく、これらのドレイン線とアース線すなわちアース部位に接続される電線との接続部分が防水されていればその高い信頼性を確保することが可能である。
【0010】
本発明は、このような観点から、接続信頼性の確保と著しい構造の複雑化及びコストアップの回避との両立を可能にしたものである。具体的に、本発明が提供するシールド用ジョイントコネクタは、それぞれがシールド部材に接続される複数のドレイン線を一括して所定のアース部位に接続するためのものであって、前記各ドレイン線の端末にそれぞれ装着され、特定方向に延びる第1接触部を有する複数の第1端子と、前記アース部位に接続されるアース線の端末に装着され、特定方向に延びる第2接触部を有する第2端子と、前記各第1端子と前記第2端子とを短絡させるための短絡用導体と、特定方向に開口しかつ前記短絡用導体を収容可能な導体収容部を含むハウジングと、弾性材料からなり、前記導体収容部の開口を塞ぐように前記ハウジングに装着されるシール材と、を備える。このシール材は、前記各第1接触部及び第2接触部がそれぞれ前記導体収容部の外部から内部に向けて挿通可能な複数のシール用挿通孔を有し、かつ、当該シール用挿通孔に挿通される第1接触部または第2接触部に対して密着することにより前記導体収容部内を密閉状態に保持する形状を有し、前記短絡用導体は、前記各シール用挿通孔を通じて前記導体収容部内に挿入される前記第1及び第2接触部とそれぞれ接触する複数の端子接触部を有し、これらの端子接触部と前記第1及び第2接触部との接触により前記第1端子及び前記第2端子を相互に短絡させる形状を有する。
【0011】
このシールド用ジョイントコネクタによれば、前記各第1端子の第1接触部及び前記第2端子の第2接触部がそれぞれシール材のシール用挿通孔を通じてハウジングの導体収容部内に挿入され、かつ、当該導体収容部内の短絡用導体の各端子接触部と接触して相互に短絡されることにより、各ドレイン線は、当該ドレイン線に装着された第1端子、これらの第1端子と接触する前記短絡用導体、この短絡用導体と接触する前記第2端子、及びこの第2端子が装着される前記アース線を経由して共通のアース部位に一括接続される。
【0012】
さらに、前記各第1接触部及び第2接触部と前記端子接触部との接触部位が共通のハウジングの導体収容部内に密閉されることにより、全ての接触部位が一括して効率よく防水され、その高い接続信頼性が保たれる。しかも、この防水は、前記ハウジングにおける導体収容部の開口を前記シール材で塞ぐだけの簡素な構造で実現されるから、従来の防水コネクタに含まれるような重厚な防水構造を適用する場合と異なり、著しい構造の複雑化及びコストアップを伴わない。すなわち、本発明に係るシールド用ジョイントコネクタでは、ハウジングとこれに装着されるシール材との組み合わせによって導体収容部内を密閉するだけの簡素な構造で、各第1端子と第2端子との短絡に寄与する接続部分の防水が効率よく達成される。
【0013】
前記短絡用導体の具体的な形状としては、前記導体収容部内に挿入される第1接触部及び第2接触部がそれぞれ挿通可能な複数の保持用挿通孔を有してその挿通状態で前記第1接触部及び前記第2接触部を保持する端子保持壁を有し、前記各端子接触部が、この端子保持壁の保持用挿通孔に挿通される第1接触部または第2接触部に弾性変形しながら接触する形状を有するものが、好適である。この短絡用導体では、各弾性接触部の弾性復帰力により当該弾性接触部と前記第1及び第2接触部との接触圧が確保されるとともに、当該第1および第2接触部が挿通される保持用挿通孔を有する前記端子保持壁が当該第1及び第2接触部を保持することで、前記第1及び第2接触部と前記端子接触部との接触の安定性が高められる。
【0014】
この場合、当該短絡用導体は、前記端子保持壁として、前記弾性接触部が前記第1接触部または前記第2接触部と接触する接触部位よりも前記シール材に近い側に位置する手前側保持壁と、前記接触部位を挟んで前記シール材と反対の側に位置する奥側保持壁と、を併有することが、より好ましい。この短絡用導体は、それぞれの接触部位を挟んでその前後両側の位置にある手前側保持壁及び奥側保持壁でそれぞれ前記第1及び第2接触部を保持することにより、当該第1及び第2接触部と前記弾性接触部との接触状態をさらに安定させることができる。
【0015】
この場合、前記奥側保持壁は前記端子接触部の一部を構成することも可能であり、これにより短絡用導体の構造はさらに簡素化される。
【0016】
また、前記ハウジングの導体収容部は、前記シール材よりも奥側に位置して当該シール材と対向する奥壁を有し、この奥壁に、前記導体収容部内に挿入された第1及び第2接触部の先端部をそれぞれ受け入れる複数の凹部が設けられていることが、さらに好ましい。これらの凹部による第1及び第2接触部の先端部の受入れは、当該第1及び第2接触部を前記ハウジングによっても保持することを可能にし、これにより、当該第1及び第2接触部と前記短絡用導体との接触をさらに安定させることができる。
【0017】
一方、前記各第1端子及び前記第2端子としては、前記各ドレイン線の端末及び前記アース線の端末にそれぞれ圧着される部分を含む第1本体部及び第2本体部をそれぞれ有し、これら第1本体部及び第2本体部から前記ドレイン線及び前記アース線の軸方向に沿ってそれぞれ前記第1接触部及び前記第2接触部が延びるものが、好適である。この場合、前記ハウジングが、前記シール材を挟んで前記導体収容部と反対の側に位置して前記各第1端子及び第2端子の第1及び第2本体部を収容する端子収容部を有し、この端子収容部が前記第1本体部及び第2本体部をそれぞれ係止して当該本体部の離脱方向への移動を阻止する複数の端子係止部を有することにより、各第1接触部及び第2接触部と前記短絡用導体の端子接触部との接触がより確実に保持される。
【0018】
また、本発明では、全ての第1端子及び第2端子が互いに同一の形状を有することが、より好ましい。これらの端子の形状の統一は、当該端子の配列の拘束をなくすから、ハウジングへの端子の挿入作業を容易にする。すなわち、前記各端子は前記シール材におけるどのシール用挿通孔に挿通されても最終的に相互に短絡されることができるから、作業者は前記各端子の配列に留意することなくハウジングへの各端子の挿入作業を行うことができる。
【0019】
本発明に係るシールド用ジョイントコネクタは、前記第1端子及び前記第2端子だけでなくその他の端子、例えば前記ドレイン線及び前記アース線とは異なるアース用電線に装着される第3端子を含んでもよい。この第3端子も、前記第1端子及び前記第2端子と同様の形状を有することで、前記短絡用導体を媒介として一括してアースに接続されることが可能である。具体的には、特定方向に延びる第3接触部を有し、前記ドレイン線及び前記アース線とは異なるアース用電線に装着される第3端子をさらに備え、前記シール材は、前記各第1接触部及び第2接触部に対応するシール用挿通孔に加えて前記第3接触部が前記導体収容部の外部から内部に向けて挿通可能なシール用挿通孔を有し、かつ、それぞれシール用挿通孔に挿通される第1、第2及び第3接触部に対して密着することにより前記導体収容部内を密閉状態に保持する形状を有し、前記短絡用導体は、前記各第1接触部及び前記第2接触部とそれぞれ接触する端子接触部に加えて前記第3接触部に接触する端子接触部を有し、それぞれの端子接触部と前記第1接触部、第2接触部及び第3接触部との接触により前記第1端子、前記第2端子及び第3接触部を相互に短絡させる形状を有すれば、よい。
【0020】
前記アース用電線が、防水が求められる機器に接続されるものである場合、本発明に係るシールド用ジョイントコネクタの簡素な構造は維持しながら、前記アース用電線についてのみ防水を補強することが可能である。具体的には、前記ハウジングが前記端子収容部を有するものにおいて、アース用電線の端末に圧着される部分を含む第3本体部及びこの第3本体部から前記アース用電線の軸方向に沿って延びる第3接触部を有する第3端子と、弾性部材からなり、前記第3端子の後方で前記アース用電線の周囲に装着される防水栓とをさらに備え、前記シール材は、前記各第1接触部及び第2接触部に対応するシール用挿通孔に加えて前記第3接触部が前記導体収容部の外部から内部に向けて挿通可能なシール用挿通孔を有し、かつ、それぞれシール用挿通孔に挿通される第1、第2及び第3接触部に対して密着することにより前記導体収容部内を密閉状態に保持する形状を有し、前記短絡用導体は、前記各第1接触部及び前記第2接触部とそれぞれ接触する端子接触部に加えて前記第3接触部に接触する端子接触部を有し、それぞれの端子接触部と前記第1接触部、第2接触部及び第3接触部との接触により前記第1端子、前記第2端子及び第3接触部を相互に短絡させる形状を有し、前記ハウジングの端子収容部は、前記第1本体部及び前記第2本体部に加えて前記第3本体部を収容するとともに、この第3本体部の後方で前記防水栓と全周にわたり密着することによりハウジング内への水分の浸入を阻むシール用内周面を有するものが、好適である。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明は、著しい構造の複雑化及びコストアップを伴うことなく、シールド用の複数のドレイン線を一括して所定のアース部位に接続することが可能なシールド用ジョイントコネクタを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態に係るシールド用ジョイントコネクタの分解斜視図である。
【図2】前記シールド用ジョイントコネクタの組立斜視図である。
【図3】前記シールド用ジョイントコネクタの平面図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】図3のV−V線断面図である。
【図6】前記シールド用ジョイントコネクタの第1または第2端子がドレイン線またはアース線の端末に装着された状態を示す斜視図である。
【図7】前記シールド用ジョイントコネクタの第3端子がアース用電線の端末に装着された状態を示す斜視図である。
【図8】前記シールド用ジョイントコネクタのハウジングに第1及び第2端子が挿入される前の状態を示す断面側面図であって図3のIV−IV線に相当する線に沿った断面図である。
【図9】前記シールド用ジョイントコネクタのハウジングに第3端子が挿入される前の状態を示す断面側面図であって図3のV−V線に相当する線に沿った断面図である。
【図10】従来のシールド電線を含むワイヤハーネスの位置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態を図1〜図9を参照しながら説明する。
【0024】
図1〜図5は、本発明の実施の形態に係るシールド用ジョイントコネクタを示す。このジョイントコネクタは、それぞれがシールド部材(例えばシールド電線に設けられるシールド層)に接続される複数本の(図例では6本の)ドレイン線W1を一括して所定のアース部位に接続するためのものであって、複数の第1端子11と、第2端子12と、第3端子13と、短絡用導体20と、ハウジングを構成する第1ハウジング部材30及び第2ハウジング部材40と、シール材50と、を有する。
【0025】
前記第1端子11は、前記各ドレイン線W1の端末に装着されるものであり、前記第2端子12は、前記アース部位に接続されるアース線W2に接続されるものであるが、この実施の形態に係る各ドレイン線W1及びアース線W2には互いに同一の絶縁電線、すなわち導体とこれを被覆する絶縁被覆とを有する電線が用いられ、また、第1端子11及び第2端子12は互いに同一の形状を有する。このため、各図では前記ドレイン線W1及び前記アース線W2のうちの1本と、前記第1端子11及び前記第2端子のうちの一つの端子が代表的に示されている。
【0026】
図6にも示すように、前記第1端子11は、第1本体部11bと、第1接触部11aと、を一体に有する。第1本体部11bは、前記ドレイン線W1の端末において露出する導体の周囲に圧着される導体バレル14と、その後方で前記絶縁被覆の周囲に圧着されるインシュレーションバレル16と、前記導体バレル14の前側に位置して大きな断面を有する被係止部15と、を有する。前記第1接触部11aは、前記被係止部15から前記ドレイン線W1の軸方向に沿って棒状に延びる。すなわち、この第1接触部11aは雄型の電気接触部である。
【0027】
前記第1端子11と同様、前記第2端子12は、第2本体部12bと、第2接触部12aと、を一体に有する。第2本体部12bも、前記アース線W2の端末において露出する導体の周囲に圧着される導体バレル14と、その後方で前記絶縁被覆の周囲に圧着されるインシュレーションバレル16と、前記導体バレル14の前側に位置して大きな断面を有する被係止部15と、を有する。前記第2接触部12aは、前記被係止部15から前記アース線W2の軸方向に沿って棒状に延びる。すなわち、この第2接触部12aも雄型の電気接触部である。
【0028】
前記第3端子13は、シールド部材ではなく通常の機器(例えばECU)に接続されたアース用電線W3の端末に装着されるものである。この第3端子13は、本発明において必須のものではなく、適宜省略が可能である。この第3端子13も、図7に示すように、前記第1及び第2端子11,12と同様、第3本体部13bと、第3接触部13aと、を一体に有し、第3本体部13bは、前記アース用電線W3の端末において露出する導体の周囲に圧着される導体バレル14と、その後方で前記絶縁被覆の周囲に圧着されるインシュレーションバレル16と、前記導体バレル14の前側に位置して大きな断面を有する被係止部15と、を有し、前記第3接触部13aは、前記被係止部15から前記アース用電線W3の軸方向に沿って棒状に延びる。すなわち、この第3接触部13aも雄型の電気接触部である。
【0029】
前記ドレイン線W1や前記アース線W2に圧着される第1及び第2端子11,12と異なり、電子機器用のアース用電線W3に圧着される第3端子13については、その圧着箇所も防水するために防水栓18が用いられる。この防水栓18は、ゴム等の弾性部材により筒状に形成され、前記第3端子13のすぐ後方の位置で前記アース用電線W3の外側に嵌着されており、周方向に連続する複数の突条18aを有する。
【0030】
前記短絡用導体20は、前記第1ハウジング部材30の内部に収容されながら前記第1〜第3端子11,12,13の第1〜第3接触部11a,12a,13aと接触することによりこれらの端子11〜13を相互に短絡する。
【0031】
前記ハウジングは、前記短絡用導体20及び前記シール材50を収容しながら前記各端子11〜13をその軸方向と直交する方向(この実施の形態では左右方向;以下「コネクタ幅方向」と称する。)に保持するもので、前記のようにこの実施の形態では第1ハウジング部材30と第2ハウジング部材40とで構成される。
【0032】
前記第1ハウジング部材30は、合成樹脂などの絶縁材料により、特定方向(図1〜図5,図8及び図9では右方)に開口する容器状に成形されたもので、導体収容部32とシール材保持部34とを一体に有する。
【0033】
前記導体収容部32は、コネクタ幅方向に長い略矩形状の断面を有する導体収容空間を囲む周壁35と、この周壁35の奥側(図1〜図5,図8及び図9では左側)を塞ぐ奥壁36とを一体に有し、前記導体収容空間内に前記短絡用導体20を収容する大きさを有する。前記奥壁36の内側面には、コネクタ幅方向に並ぶ複数の凹部38が形成され、これらの凹部38は前記導体収容空間側に開口し、後述のように導体収容部32内に挿入される各端子11〜13の接触部11a〜13aの先端部をそれぞれ受け入れる形状を有する。
【0034】
前記シール材保持部34は、前記導体収容部32の周壁35よりも一回り大きい周壁により構成され、当該導体収容部32の開口側端部にこれと一体につながる。また、このシール材保持部34の上面には、後述の第2ハウジング部材40との結合状態を維持するためのロック用突起33が上向きに突設されている。
【0035】
前記短絡用導体20は、この実施の形態では、単一の金属板を曲げ加工することにより形成されており、単一の手前側保持壁21と、この手前側保持壁21につながる複数の端子接触部22とを一体に有する。
【0036】
前記手前側保持壁21は、コネクタ幅方向に延びる平板状をなし、立直状態で前記導体収容部32内に収容される。この手前側保持壁21には、前記各端子11〜13に対応する複数の保持用挿通孔21aが設けられている。これらの保持用挿通孔21aはコネクタ幅方向に並ぶ複数の位置でそれぞれ前記手前側保持壁21をその厚み方向に貫通している。各保持用挿通孔21aの孔径は、当該保持用挿通孔21aに前記各端子11〜13の接触部11a〜13aのうち対応する接触部が挿通されるのを許容し、かつその挿通状態で手前側保持壁21が前記接触部11a〜13aを保持する(当該挿通方向と直交する方向への動きを制約する)ことが可能な寸法、すなわち、当該接触部11a〜13aの外径よりもわずかに大きい寸法に、設定されている。
【0037】
前記各端子接触部22は、前記各端子11〜13に対応して設けられ、当該端子11〜13の接触部11a〜13aと接触してこれらの相互短絡を実現するためのものであり、各端子接触部22は、前記手前側保持壁21の下縁から後方(導体収容部32の奥側)に延びる底壁24と、この底壁24の後端から立ち上がる奥側保持壁25と、この奥側保持壁25の上端から前方(手前側保持壁21に近づく向き)に延びる弾性接触片26と、を一体に有する。
【0038】
前記弾性接触片26の先端部(前端部)は端子接触部22の弾性変形を伴って上下方向に撓み変位可能な自由端部になっている。前記底壁24及び前記弾性接触片26の前後方向の中間部位は互いに近づく向き(底壁24では上向き、弾性接触片26では下向き)に膨出する挟持部24a,26aをそれぞれ構成する。そして、前記手前側保持壁21の保持用挿通孔21aに挿通された接触部11a〜13aに対して前記弾性接触片26の上向きの撓み変位を伴いながら前記両挟持部24a,26aが上下両側から挟持するように、各端子接触部22の形状が設定されている。
【0039】
前記奥側保持壁25には、前記手前側保持壁21と同様に、前記各端子11〜13に対応する複数の保持用挿通孔25aが設けられている。これらの保持用挿通孔25aはコネクタ幅方向に並ぶ複数の位置でそれぞれ前記奥側保持壁25をその厚み方向に貫通している。各保持用挿通孔25aの孔径も、前記保持用挿通孔21aと同様、当該保持用挿通孔25aに前記各端子11〜13の接触部11a〜13aのうち対応する接触部が挿通されるのを許容し、かつその挿通状態で奥側保持壁25が前記接触部11a〜13aを保持する(当該挿通方向と直交する方向への動きを制約する)ことが可能な寸法、すなわち、当該接触部11a〜13aの外径よりもわずかに大きい寸法に、設定されている。
【0040】
前記シール材50は、ゴム等の弾性材料によりブロック状に形成されたものであり、前記シール材保持部34の内側面に対して密着可能な形状の外側面を有する。すなわち、このシール材50は、前記シール材保持部34の内側に隙間なく嵌着可能であって当該嵌着により前記導体収容部32の開口すなわち各端子11〜13の接触部11a〜13aの挿入口を塞ぐ形状を有する。
【0041】
このシール材50は、前記各接触部11a〜13aに対応する複数のシール用挿通孔52を有する。これらのシール用挿通孔52は、コネクタ幅方向に並ぶ複数の位置でシール材50をその厚み方向(コネクタ前後方向)に貫通する。各シール用挿通孔52の孔径は、当該シール用挿通孔52をこれに対応する接触部(接触部11a〜13aのうちのいずれか)が前記導体収容部32の外部から内部に向けて挿通されるのを許容し、かつ、その挿通状態で当該シール用挿通孔52を囲むシール材50の内周面が当該接触部に対して密着することにより前記導体収容部32内を密閉状態に保持するような寸法、すなわち、接触部11a〜13aの外径よりもわずかに小さい寸法に、設定されている。
【0042】
前記各接触部11a〜13aについて、前記シール材50のシール用挿通孔52、前記短絡用導体22の保持用挿通孔21a,25a、及び奥壁36の凹部38の位置は、これらが前後方向で一直線状に並ぶように、設定されている。すなわち、これらの孔の位置は、前記シール用挿通孔52に挿入される接触部(接触部11a〜13aのいずれか)がそのまま短絡用導体20の保持用挿通孔21a,25aを通って奥壁36の凹部38に至ることが可能となるように、設定されている。換言すれば、短絡用導体20は、その各保持用挿通孔21a,25aがこれに対応するシール用挿通孔52と凹部38とを結ぶ直線上に並ぶような姿勢で、前記導体収容部32内に配置され、前記各シール用挿通孔52を通じて前記導体収容部32内に挿入される前記第1〜3接触部11a〜13aとそれぞれ接触する複数の端子接触部22を有し、これらの端子接触部22と前記接触部11a〜13aとの接触により前記各端子11〜13を相互に短絡させる形状を有する。
【0043】
前記第2ハウジング部材40は、前記第1ハウジング部材30と同様、合成樹脂などの絶縁材料により成形され、前記第1ハウジング部材30と結合されることにより全体としてハウジングを構成する。具体的に、この第2ハウジング部材40は、ハウジング結合部41と端子収容部42とを一体に有する。
【0044】
前記ハウジング結合部41は、前記第1ハウジング部材30におけるシール材保持部34に結合される部分であって、当該シール材保持部34の外周面に対して嵌合可能な内周面を有する。このハウジング結合部41は、前記第1ハウジング部材30の上面の上側に位置する天壁を有し、この天壁には前記各ロック用突起33と係合可能なロック穴43が設けられている。これらのロック穴43は、前記天壁を上下方向に貫通するとともに、当該ロック穴43に前記ロック用突起33が嵌り込むのを許容する形状を有し、この嵌り込みにより前記シール材保持部34と前記ハウジング結合部41との結合状態が維持される。
【0045】
前記端子収容部42は、前記シール材保持部34に保持されるシール材50を挟んで前記導体収容部32と反対の側(前側)に位置し、前記第1〜第3端子11〜13の第1〜第3本体部11b〜13bをこれらがコネクタ幅方向に並ぶように収容し且つ保持する。具体的に、この端子収容部42は、前記第1及び第2端子11,12の挿通をそれぞれ許容する複数の端子収容室44と、前記第3端子13の挿通を許容する端子収容室46とを囲む形状を有する。
【0046】
前記端子収容室44は、コネクタ幅方向に配列され、コネクタ幅方向に延び、当該端子収容室44に挿入される第1端子11(または第2端子12)を前後方向に案内してその第1接触部11a(または第2接触部12a)を前記シール材50のシール用挿通孔52まで導く形状を有する。前記端子収容室46は、前記端子収容室44の配列方向の一方の外側(図1では右側)に位置し、前記端子収容室44と同じく、当該端子収容室46に挿入される第3端子13を前後方向に案内してその第3接触部13aを前記シール用挿通孔52まで導く形状を有するが、この端子収容室46を囲む内周面は、前記アース用電線W3に装着された防水栓18の突条18aと全周に亘って密着する円筒状をなし、当該密着によりハウジング内への水分の浸入を防ぐシール用内周面を構成する。
【0047】
なお、各端子収容室44,46の前方には、当該端子収容室44,46に挿入される第1〜第3端子11,13の第1〜第3接触部11a〜13aが前記シール材50のシール用挿通孔52に挿入されるのを許容するための貫通孔47が設けられている。
【0048】
この端子収容部42は、前記各端子収容室44,46内にそれぞれ位置する複数のランス45を有する。これらのランス45は、当該端子収容室44〜46に挿入される端子11〜13の本体部11b〜13bを係止することによりその離脱方向への移動を阻止する端子係止部として機能する。具体的に、各ランス45は、前記端子収容部42の天壁につながる後端と、上下方向に撓み変位可能な前端とを有する片持ち梁状をなし、当該前端の上向きの撓み変位により前記被係止部15の挿入を許容するとともに、その挿入完了段階で元の位置に復帰して前記被係止部15を後方から拘束する形状を有する。
【0049】
この実施の形態では第1ハウジング部材30及び第2ハウジング部材40の合体によりハウジングが形成されるが、本発明に係るハウジングは全体が単一の部材として成形されたものでもよい。しかし、導体収容部32及びシール材保持部34を有する第1ハウジング部材30と、端子収容部42を有する第2ハウジング部材40との合体によりハウジングを形成することは、当該ハウジング内への短絡用導体20やシール材50の組付けを容易にする。
【0050】
この実施の形態に係るシールド用ジョイントコネクタによれば、例えば次の要領で、全てのドレイン線W1(及びこの実施の形態ではアース用電線W3)を一括して共通のアース部位に接続することが可能である。
【0051】
1)各電線への端子11〜13の圧着
複数のドレイン線W1、アース線W2及びアース用電線W3の端末に、第1端子11、第2端子12及び第3端子13の導体バレル14及びインシュレーションバレル16が圧着される。また、アース用電線W3については、前記第3端子13に加えて防水栓18の装着も行われる。
【0052】
2)ハウジングの組立て
短絡用導体20及びシール材50の格納も含めたハウジングの組立が行われる。具体的には、第1ハウジング部材30の導体収容部32内に短絡用導体20が配置され、かつ、当該第1ハウジング部材30のシール材保持部34の内側にシール材50が嵌入された状態で、当該シール材保持部34の外側に第2ハウジング部材40のハウジング結合部41が嵌合される。これにより、両ハウジング部材30,40が合体して前記短絡用導体20及び前記シール材50を内蔵するハウジングが形成されるとともに、前記シール材保持部34のロック用突起33と前記ハウジング結合部41のロック穴43との係合により両ハウジング部材30,40の結合が維持される。
【0053】
3)各端子11〜13の挿入
第2ハウジング部材40の端子収容部42に形成された複数の端子収容室44に、前記各ドレイン線W1に装着された第1端子11及び前記アース線W2に装着された第2端子12がその接触部11a,12aを先頭にして挿入される。この実施の形態では全ての第1端子11及び第2端子12が互いに同一の形状を有するので、これらの端子11,12をどの端子収容室44に挿入してもよい。このことは端子挿入作業を容易にする。一方、アース用電線W3に装着された第3端子13はその第3接触部13aを先頭にして専用の端子収容室46に挿入される。
【0054】
前記端子収容室44または46に挿入された第1〜第3端子11〜13はそのまま挿入方向に案内され、当該第1〜第3端子11〜13の接触部11a〜13aは対応するシール用挿通孔52に誘導される。そして、当該シール用挿通孔52に挿通されて導体収容部32内に進入し、さらには短絡用導体20の保持用挿通孔21a,25aに挿通されて第1ハウジング部材30の奥壁36の凹部38に受け入れられる。
【0055】
このとき、前記第1〜第3接触部11a〜13aの途中部分は、これに対応する端子接触部22と接触し、これにより、短絡用導体20を媒介として端子11〜13が相互に短絡される。従って、各第1端子11が装着された複数のドレイン線W1及び第3端子13が装着されたアース用電線W3は、前記短絡用導体20、これと接触する第2端子12、及びこの第2端子12が装着されたアース線W2を経由して図略の共通のアース部位に一括して接続される。
【0056】
ここで、前記短絡用導体20を収容する導体収容部32の内部は、その開口を塞ぎかつ各接触部11a〜13aと密着するシール材50によって密閉されているため、当該短絡用導体20における各端子接触部22と前記第1〜第3接触部11a〜13aとの接触部位は効率よく一括して防水される。これにより、当該接触部位の腐食などが防がれ、高い接続信頼性が与えられる。しかも、この防水構造は、特定方向に開口する導体収容部32をシール材50で塞ぐだけの簡素なものであるから、通常の防水コネクタが具備するような重厚な防水構造を適用する場合に比べ、構造の複雑化及びコストアップは効果的に抑制される。
【0057】
その一方、前記ドレイン線W1に装着される第1端子11や前記アース線W2に装着される第2端子12と異なり、電子機器につながるアース用電線W3に装着される第3端子13については、前記の防水構造に加え、前記アース用電線W3に装着された防水栓18が端子収容室46を囲む内周面と密着することで、当該第3端子13全体がハウジング内に確実に密閉される。これにより、第3接触部13aと端子接触部22との接触部位だけでなく、当該第3端子13と当該アース用電線W3との圧着部位も有効に保護される。
【0058】
本発明において、前記短絡用導体20の保持用挿通孔21a,25aや奥壁36の凹部38は必須のものではない。しかし、当該保持用挿通孔21a,25aへの接触部11a〜13a(第3端子13が省略される場合には第1接触部11a及び第2接触部12a、以下同様。)への挿通や凹部38への接触部11a〜13aの挿入は、当該接触部11a〜13aの位置及び姿勢を安定させて当該接触部11a〜13aとこれに対応する端子接触部22との接触をより安定させる効果がある。特に、端子保持壁として、前記弾性接触部22と第1〜第3接触部11a〜13aとの接触部位を挟んでこれよりも前記シール材50に近い側に位置する手前側保持壁21と、前記接触部位を挟んで前記シール材50と反対の側に位置する奥側保持壁25とを併有し、両保持壁21,25によって当該接触部11a〜13aを拘束することは、安定した接触に有効である。また、前記凹部38が前記接触部11a〜13aを受け入れることは、当該接触部11a〜13aを導体収容部32側でも保持することを可能にする。
【符号の説明】
【0059】
W1 ドレイン線
W2 アース線
W3 アース用電線
11 第1端子
11a 第1接触部
11b 第1本体部
12 第2端子
12a 第2接触部
12b 第2本体部
13 第3端子
13a 第3接触部
13b 第3本体部
14 導体バレル
15 被係止部
16 インシュレーションバレル
20 短絡用導体
21 手前側保持壁
21a 保持用挿通孔
22 端子接触部
24 底壁
24a 挟持部
25 奥側保持壁
25a 保持用挿通孔
26 弾性接触片
30 第1ハウジング部材
32 導体収容部
34 シール材保持部
36 奥壁
38 凹部
40 第2ハウジング部材
41 ハウジング結合部
42 端子収容部
44,46 端子収容室
45 ランス(端子係止部)
50 シール材
52 シール用挿通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれがシールド部材に接続される複数のドレイン線を一括して所定のアース部位に接続するためのシールド用ジョイントコネクタであって、
前記各ドレイン線の端末にそれぞれ装着され、特定方向に延びる第1接触部を有する複数の第1端子と、
前記アース部位に接続されるアース線の端末に装着され、特定方向に延びる第2接触部を有する第2端子と、
前記各第1端子と前記第2端子とを短絡させるための短絡用導体と、
特定方向に開口しかつ前記短絡用導体を収容可能な導体収容部を含むハウジングと、
弾性材料からなり、前記導体収容部の開口を塞ぐように前記ハウジングに装着されるシール材と、を備え、
前記シール材は、前記各第1接触部及び第2接触部がそれぞれ前記導体収容部の外部から内部に向けて挿通可能な複数のシール用挿通孔を有し、かつ、当該シール用挿通孔に挿通される第1接触部または第2接触部に対して密着することにより前記導体収容部内を密閉状態に保持する形状を有し、
前記短絡用導体は、前記各シール用挿通孔を通じて前記導体収容部内に挿入される前記第1及び第2接触部とそれぞれ接触する複数の端子接触部を有し、これらの端子接触部と前記第1及び第2接触部との接触により前記第1端子及び前記第2端子を相互に短絡させる形状を有する、シールド用ジョイントコネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のシールド用ジョイントコネクタであって、前記短絡用導体は、前記導体収容部内に挿入される第1接触部及び第2接触部がそれぞれ挿通可能な複数の保持用挿通孔を有してその挿通状態で前記第1接触部及び前記第2接触部を保持する端子保持壁を有し、前記各端子接触部が、この端子保持壁の保持用挿通孔に挿通される第1接触部または第2接触部に弾性変形しながら接触する形状を有する、シールド用ジョイントコネクタ。
【請求項3】
請求項2記載のシールド用ジョイントコネクタであって、前記短絡用導体は、前記端子保持壁として、前記弾性接触部が前記第1接触部または前記第2接触部と接触する接触部位よりも前記シール材に近い側に位置する手前側保持壁と、前記接触部位を挟んで前記シール材と反対の側に位置する奥側保持壁と、を併有する、シールド用ジョイントコネクタ。
【請求項4】
請求項3記載のシールド用ジョイントコネクタであって、前記奥側保持壁は前記端子接触部の一部を構成する、シールド用ジョイントコネクタ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のシールド用ジョイントコネクタであって、前記ハウジングの導体収容部は、前記シール材よりも奥側に位置して当該シール材と対向する奥壁を有し、この奥壁に、前記導体収容部内に挿入された第1及び第2接触部の先端部をそれぞれ受け入れる複数の凹部が設けられている、シールド用ジョイントコネクタ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のシールド用ジョイントコネクタであって、前記各第1端子は、前記各ドレイン線の端末にそれぞれ圧着される部分を含む第1本体部をそれぞれ有し、これら第1本体部から前記ドレイン線の軸方向に沿ってそれぞれ前記第1接触部が延び、前記第2端子は、前記アース線の端末に圧着される部分を含む第2本体部を有し、この第2本体部から前記アース線の軸方向に沿って前記第2接触部が延びる、シールド用ジョイントコネクタ。
【請求項7】
請求項6記載のシールド用ジョイントコネクタであって、前記ハウジングは、前記シール材を挟んで前記導体収容部と反対の側に位置して前記各第1端子及び第2端子の第1及び第2本体部を収容する端子収容部を有し、この端子収容部が前記第1本体部及び第2本体部をそれぞれ係止して当該本体部の離脱方向への移動を阻止する複数の端子係止部を有する、シールド用ジョイントコネクタ。
【請求項8】
請求項6または7記載のシールド用ジョイントコネクタであって、全ての第1端子及び第2端子が互いに同一の形状を有する、シールド用ジョイントコネクタ。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載のシールド用ジョイントコネクタであって、特定方向に延びる第3接触部を有し、前記ドレイン線及び前記アース線とは異なるアース用電線に装着される第3端子をさらに備え、前記シール材は、前記各第1接触部及び第2接触部に対応するシール用挿通孔に加えて前記第3接触部が前記導体収容部の外部から内部に向けて挿通可能なシール用挿通孔を有し、かつ、それぞれシール用挿通孔に挿通される第1、第2及び第3接触部に対して密着することにより前記導体収容部内を密閉状態に保持する形状を有し、前記短絡用導体は、前記各第1接触部及び前記第2接触部とそれぞれ接触する端子接触部に加えて前記第3接触部に接触する端子接触部を有し、それぞれの端子接触部と前記第1接触部、第2接触部及び第3接触部との接触により前記第1端子、前記第2端子及び第3接触部を相互に短絡させる形状を有する、シールド用ジョイントコネクタ。
【請求項10】
請求項7記載のシールド用ジョイントコネクタであって、防水が求められる機器に接続されるアース用電線の端末に圧着される部分を含む第3本体部及びこの第3本体部から前記アース用電線の軸方向に沿って延びる第3接触部を有する第3端子と、弾性部材からなり、前記第3端子の後方で前記アース用電線の周囲に装着される防水栓とをさらに備え、前記シール材は、前記各第1接触部及び第2接触部に対応するシール用挿通孔に加えて前記第3接触部が前記導体収容部の外部から内部に向けて挿通可能なシール用挿通孔を有し、かつ、それぞれシール用挿通孔に挿通される第1、第2及び第3接触部に対して密着することにより前記導体収容部内を密閉状態に保持する形状を有し、前記短絡用導体は、前記各第1接触部及び前記第2接触部とそれぞれ接触する端子接触部に加えて前記第3接触部に接触する端子接触部を有し、それぞれの端子接触部と前記第1接触部、第2接触部及び第3接触部との接触により前記第1端子、前記第2端子及び第3接触部を相互に短絡させる形状を有し、前記ハウジングの端子収容部は、前記第1本体部及び前記第2本体部に加えて前記第3本体部を収容するとともに、この第3本体部の後方で前記防水栓と全周にわたり密着することによりハウジング内への水分の浸入を阻むシール用内周面を有する、シールド用ジョイントコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−54930(P2013−54930A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192599(P2011−192599)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】