説明

ジヒドロテトラアザベンゾアズレンのアルキルシクロヘキシルエーテル

本発明は、ジヒドロテトラアザベンゾアズレン誘導体のアルキルシクロヘキシルエーテル、すなわち式(I)[式中、R、R及びRは、本明細書中に記載されているとおりである]で示される5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン誘導体のアルキルシクロヘキシルエーテル、それらの製造、それらを含有する医薬組成物及び医薬としてのそれらの使用に関する。本発明の化合物は、V1a受容体モジュレーターとして、そして特にV1a受容体アンタゴニストとして作用する。本発明の活性化合物は、月経困難症、男性又は女性の性的機能不全、高血圧、慢性心不全、バソプレッシンの分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、不安症、抑うつ障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症及び攻撃的行動の病状の末梢及び中枢に作用する治療法として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、V1a受容体モジュレーターとして、そして特にV1a受容体アンタゴニストとして作用する、ジヒドロテトラアザベンゾアズレン誘導体のアルキルシクロヘキシルエーテル、すなわち5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン誘導体のアルキルシクロヘキシルエーテル、それらの製造、それらを含有する医薬組成物及び医薬としてのそれらの使用に関する。
【0002】
技術分野
本発明の活性化合物は、月経困難症、男性又は女性の性的機能不全、高血圧、慢性心不全、バソプレッシンの分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、不安症、抑うつ障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症及び攻撃的行動の病状の末梢及び中枢に作用する治療法として有用である。
【0003】
特に、本発明は、式(I):
【0004】
【化1】


[式中、R、R及びRは、本明細書中に記載されているとおりである]で示されるジヒドロテトラアザベンゾアズレン誘導体のアルキルシクロヘキシルエーテルに関する。
【0005】
背景技術
バソプレッシンは、主に視床下部傍室核によって生産される9アミノ酸ペプチドである。末梢において、バソプレッシンは、神経ホルモンとして作用して、血管収縮、グリコーゲン分解及び抗利尿作用を刺激する。
【0006】
その全てがクラスIのG−タンパク質共役受容体に属する、3つのバソプレッシン受容体が公知である。V1a受容体は、脳、肝臓、血管平滑筋、肺、子宮及び睾丸において発現し、V1b又はV3受容体は、脳及び下垂体において発現し、V2受容体は、腎臓において発現して、そこでそれは水の再吸収を調節し且つバソプレッシンの利尿効果を媒介する(Robben, et al. (2006). Am J Physiol Renal Physiol. 291, F257-70, "Cell biological aspects of the vasopressin type-2 receptor and aquaporin 2 water channel in nephrogenic diabetes insipidus")。したがって、V2受容体での活性を有する化合物は、血液ホメオスタシス上の副作用を生じ得る。
【0007】
オキシトシン受容体は、バソプレッシン受容体ファミリーに関与し、脳及び末梢中の神経ホルモン、オキシトシンの作用を媒介する。オキシトシンは、中枢の抗不安作用を有すると考えられている(Neumann (2008). J Neuroendocrinol. 20, 858-65, "Brain oxytocin: a key regulator of emotional and social behaviours in both females and males")。したがって、中枢オキシトシン受容体拮抗作用は、望まれない副作用とみなされている不安惹起作用を導き得る。
【0008】
脳において、バソプレッシンは、神経修飾物質として作用して、ストレス時に、小脳扁桃において上昇する(Ebner, et al. (2002). Eur J Neurosci. 15, 384-8., "Forced swimming triggers vasopressin release within the amygdala to modulate stress-coping strategies in rats")。ストレスの多い人生の出来事が大うつ病及び不安症を引き起こしうること(Kendler, et al. (2003). Arch Gen Psychiatry. 60, 789-96, "Life Event Dimensions of Loss, Humiliation, Entrapment, and Danger in the Prediction of Onsets of Major Depression and Generalized Anxiety")及び、不安症が多くの場合、大うつ病に先行するので、両方とも高い共存症を有していることが知られている(Regier, et al. (1998). Br J Psychiatry Suppl. 24-8, "Prevalence of anxiety disorders and their comorbidity with mood and addictive disorders")。V1a受容体は、脳において、そして、特に不安の調節において重要な役割を果たしている小脳扁桃、外側中隔及び海馬のような辺縁領域において広範囲にわたり発現される。実際に、V1aノックアウトマウスは、十字迷路、オープンフィールド及び明暗箱中での不安行動の減少を示す(Bielsky, et al. (2004). Neuropsychopharmacology. 29, 483-93, "Profound impairment in social recognition and reduction in anxiety-like behavior in vasopressin V1a receptor knockout mice")。中隔中へのアンチセンスオリゴヌクレオチド注入を用いるV1a受容体のダウンレギュレーションもまた、不安行動の減少を引き起こす(Landgraf, et al. (1995). Regul Pept. 59, 229-39., "V1 vasopressin receptor antisense oligodeoxynucleotide into septum reduces vasopressin binding, social discrimination abilities, and anxiety-related behavior in rats")。バソプレッシン又はV1a受容体はまた、他の神経心理学の障害に関係している:最近の遺伝学的研究は、ヒトV1a受容体のプロモーターのシーケンス多型を自閉症スペクトラム障害と関連づけ(Yirmiya, et al. (2006). 11, 488-94, "Association between the arginine vasopressin 1a receptor (AVPR1a) gene and autism in a family-based study: mediation by socialization skills")、バソプレッシンの鼻腔内の投与はヒトの男性の攻撃性に影響することが示され(Thompson, et al. (2004). Psychoneuroendocrinology. 29, 35-48, "The effects of vasopressin on human facial responses related to social communication")、そしてバソプレッシンレベルが統合失調症患者(Raskind, et al. (1987). Biol Psychiatry. 22, 453-62, "Antipsychotic drugs and plasma vasopressin in normals and acute schizophrenic patients")及び強迫性障害患者(Altemus, et al. (1992). Arch Gen Psychiatry. 49, 9-20, "Abnormalities in the regulation of vasopressin and corticotropin releasing factor secretion in obsessive-compulsive disorder")において上昇することが示された。
【0009】
V1a受容体はまた、孤束核中の血圧及び心拍数を中枢的に調節することにより、脳中のバソプレッシンの心臓血管系作用を媒介している(Michelini and Morris (1999). Ann N Y Acad Sci. 897, 198-211, "Endogenous vasopressin modulates the cardiovascular responses to exercise")。末梢では、それは血管平滑筋の収縮を誘発し、そして、V1a受容体の慢性的な阻害は心筋梗塞ラットの血液動態パラメータを改善する(Van Kerckhoven, et al. (2002). Eur J Pharmacol. 449, 135-41, "Chronic vasopressin V(1A) but not V(2) receptor antagonism prevents heart failure in chronically infarcted rats")。したがって、血液脳関門を通る改良された透過性を有するV1aアンタゴニストは有利であると期待される。
【0010】
バソプレッシンV1a受容体アンタゴニストは、臨床で月経困難症の減少に効果があることが示された(Brouard, et al. (2000). Bjog. 107, 614-9, "Effect of SR49059, an orally active V1a vasopressin receptor antagonist, in the prevention of dysmenorrhoea")。V1a受容体拮抗作用はまた、女性の性的機能不全の処置にも関係していると見なされてきた(Aughton, et al. (2008). Br J Pharmacol. doi:10.1038/bjp.2008.253, "Pharmacological profiling of neuropeptides on rabbit vaginal wall and vaginal artery smooth muscle in vitro")。最近の研究では、V1a受容体アンタゴニストは、勃起障害及び精液早漏の両方に治療的な役割を有することが示唆された(Gupta, et al. (2008). Br J Pharmacol. 155, 118-26, "Oxytocin-induced contractions within rat and rabbit ejaculatory tissues are mediated by vasopressin V(1A) receptor and not oxytocin receptor")。
【0011】
発明の詳細な説明
本発明の目的は、V1a受容体モジュレーターとして、及び特にV1a受容体アンタゴニストとして作用する化合物を提供することである。その選択性によって、上で述べられたような有害なオフターゲットの関連副作用を起こす可能性を低くすることを期待されるため、本発明のさらなる目的は、V1a受容体の選択的阻害剤を提供することである。
【0012】
そのようなV1aアンタゴニストは、月経困難症、男性又は女性の性的機能不全、高血圧、慢性心不全、バソプレッシンの分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、不安症、抑うつ障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症及び攻撃的行動の症状における末梢及び中枢に作用する治療法として有用である。本発明に関する好適な適応症は、不安症、抑うつ障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症及び攻撃的行動の処置である。
【0013】
V1a活性は、製剤試験部にて説明したように、検出することができる。
【0014】
本明細書で使用される一般的用語の下記の定義は、当該の用語が単独で現れるか、又は組み合わされて現れるかにかかわらず、適用される。
【0015】
本明細書で使用する、用語「アルキル」は、単独で又は他の基と組み合わされて、直鎖又は分枝状炭素鎖を含む、飽和、すなわち脂肪族の、炭化水素基を示す。更に明記されなければ、「アルキル」基は、「C1−12−アルキル」のように、1〜12個の炭素原子を有する基を示す。「C1−4−アルキル」は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を示し、そして「C1−7−アルキル」は、1〜7個の炭素原子を有するアルキル基を示す。「アルキル」の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどである。好ましいものは、メチル及びi−プロピルである。
【0016】
用語「アルコキシ」は、単独で又は他の基と組み合わされて、−O−R’基を意味し、ここで、R’は上記と同義のアルキルである。「C1−12−アルコキシ」は、1〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基を示し、「C1−4−アルコキシ」は、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基を示し、そして「C1−7−アルコキシ」は、1〜7個の炭素原子を有するアルコキシ基を示す。「アルコキシ」の例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、tert−ブトキシなどである。好ましいものは、メトキシである。
【0017】
用語「芳香族」は、ヒュッケル則に従う、環中の電子六重項の存在を意味する。
【0018】
用語「シアノ」は、基−CNを示す。
【0019】
用語「ヒドロキシ」は、基−OHを示す。
【0020】
用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、クロロ、ヨード、フルオロ及びブロモを示す。好ましいものは、クロロ及びフルオロである。
【0021】
用語「ハロ−C1−n−アルキル」及び「C1−n−ハロアルキル」は、単独で又は他の基と組み合わされて、本明細書で定義された1〜n個の炭素原子を有する、上記と同義のC1−n−アルキル基を示し、ここで、アルキル基の少なくとも1つの水素原子は、ハロゲン原子、好ましくはフルオロ又はクロロ、最も好ましくはフルオロで置き換えられている。ハロ−C1−n−アルキルの例は、非限定的に、1つ以上のCl、F、Br又はI原子で、特に1、2又は3つのフルオロ又はクロロで置換されている、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル又はn−ヘキシル、ならびに以下の本明細書の実施例において具体的に例示されているそれらの基を含む。好ましいハロ−C1−n−アルキル基は、ジフルオロ−もしくはトリフルオロ−メチル又は−エチル、ならびに−CF、−CH(CH)CHCF、−CH(CH)CHFである。
【0022】
本明細書で定義されたとおりである、用語「ヘテロシクロアルキル」は、単独で又は他の基と組み合わされて、N、O又はSから選択される1つ又は2つのヘテロ原子を含有する、一価の3員〜7員、又は4員〜7員の飽和環を表す。本明細書で定義されたとおりである、用語「3員〜7員ヘテロシクロアルキル」は、単独で又は他の基と組み合わされて、N、O又はSから選択される1つ又は2つのヘテロ原子を含有する、一価の3員〜7員の環を表す。用語「4員〜7員ヘテロシクロアルキル」は、単独で又は他の基と組み合わされて、N、O又はSから選択される1つ又は2つのヘテロ原子を含有する、4員〜7員の飽和環を表す。ヘテロシクロアルキル部分の例は、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル又はピペラジニルである。好ましいヘテロシクロアルキルは、オキセタニル及びテトラヒドロフラニルである。ヘテロシクロアルキルは、本明細書中に記載されているように、場合により置換されている。
【0023】
用語「ヘテロアリール」及び「5員又は6員ヘテロアリール」は、単独で又は他の基と組み合わされて、N、O、又はSから選択される環ヘテロ原子を1つ又は2つ含み、残りの環原子がCである、一価の芳香族の5員又は6員単環式の環を表す。6員ヘテロアリールが好ましい。ヘテロアリール部分としての例は、非限定的にピリジニル、ピリミジニル又はピラジニルを含む。好ましいものは、ピリジニルである。
【0024】
用語「シクロアルキル」及び「C3−7−シクロアルキル」は、単独で又は他の基と組み合わされて、3員〜7員の炭素環、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを表す。
【0025】
ヘテロシクロアルキル上の置換基を言及する場合の用語「オキソ」は、酸素原子がヘテロシクロアルキル環に結合していることを意味する。したがって、「オキソ」は炭素原子上の2つの水素原子と置き換わるか、又は、硫黄が酸化形態、すなわち基−SOのような1つ又は2つの酸素を有する形態で存在するように、オキソは硫黄と単純に結合しているかのいずれかであることができる。
【0026】
置換基の数を示すとき、用語「1つ以上」は、1つの置換基から置換の最高の可能な数まで、すなわち置換基による1つの水素の置換から全ての水素の置換までを意味する。したがって、1、2又は3つの置換基が好ましい。よりさらに好ましいものは、1つ又は2つの置換基又は1つの置換基である。
【0027】
用語「薬学的に許容される塩」又は「薬学的に許容される酸付加塩」は、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのような無機及び有機酸類との塩を包含する。好ましいものは、塩酸塩である。
【0028】
詳細には、本発明は、式(I):
【0029】
【化2】


[式中、
は、
非置換であるか、又は1つ以上のハロ、ヒドロキシ、シアノもしくはC1−12−アルコキシで置換されているC1−12−アルキル、
非置換であるか、又はBから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されているC3−7−シクロアルキル、
O、N又はSから選択される1つ又は2つのヘテロ原子を含む4員〜7員ヘテロシクロアルキル(該ヘテロシクロアルキルは、非置換であるか、又はBから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されている)であり、
は、
H、
非置換であるか、又は1つ以上のOH、ハロ、シアノもしくはC1−12−アルコキシで置換されているC1−12−アルキル、
−(CH−R(ここで、Rは、各々非置換であるか又はAから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されている、フェニル又は5員もしくは6員ヘテロアリールである)、
−(CHNRii
−C(O)−C1−12−アルキル(ここで、アルキルは、非置換であるか、又は1つ以上のOH、ハロ、シアノもしくはC1−12−アルコキシで置換されている)、
−C(O)(CHOC(O)−C1−12−アルキル、
−C(O)(CHNRii
−C(O)O−C1−12−アルキル(ここで、アルキルは、非置換であるか、又は1つ以上のOH、ハロ、シアノもしくはC1−12−アルコキシで置換されている)、
−S(O)−C1−12−アルキル、
−S(O)NRiiであり、
及びRiiは、各々独立して、H、C1−12−アルキルであるか、又はそれらが結合している窒素と一緒になって、N、O又はSから選択される1つ又は2つのヘテロ原子を含む3員〜7員ヘテロシクロアルキル(該ヘテロシクロアルキルは、非置換であるか、又はBから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されている)を形成し、
qは、1、2、3又は4であり、
rは、2、3又は4であり、
Aは、ハロ、シアノ、OH、C1−7−アルキル、ハロ−C1−7−アルキル又はC1−7−アルコキシであり、
Bは、オキソ、ハロ、OH、C1−7−アルキル又はC1−7−アルコキシであり、
は、Cl又はFである]で示されるジヒドロテトラアザベンゾアズレン誘導体のアルキルシクロヘキシルエーテル、又はその薬学的に許容される塩に関する。
【0030】
用語「薬学的に許容される担体」及び「薬学的に許容される補助物質」は、製剤の他の成分と適合性である希釈剤又は賦形剤のような、担体及び補助物質を表す。
【0031】
用語「医薬組成物」は、特定の成分を予め定められた量又は比率で含む生成物、及び直接又は間接的に、特定の成分を特定の量で組み合わせることから生じる任意の生成物を包含する。好ましくは、それは、一つ以上の活性成分、及び不活性成分を含む任意の担体を含む生成物、ならびに、直接又は間接的に、任意の2つ以上の成分の組合せ、錯体化又は凝集から、又は成分の一つ以上の分離から、又は一つ以上の成分の他の形での反応又は相互作用からの結果となる任意の生成物を包含する。
【0032】
以下の表は、本明細書で使用されている略語を一覧にする。
【0033】
【表1】

【0034】
本発明はまた、医薬組成物、使用する方法及び上述の化合物を調製する方法を提供する。
【0035】
式(I)の化合物は、不斉炭素原子を含んでもよい。したがって、本発明は個々の立体異性体の各々及びそれらの混合物、すなわちその個々の光学異性体及びそれらの混合物を含む、式(I)の化合物の全ての立体異性形を含む。追加の不斉中心は、分子上の様々な置換基の性質に依存して存在することができる。各々のそのような不斉中心は、独立に2つの光学異性体を生じ、混合物中の及び純粋な又は部分的に精製した化合物として全ての可能な光学異性体及びジアステレオマーが本発明に含まれることが意図される。本発明は、これらの化合物の全てのそのような異性体を含むことを意味する。これらのジアステレオマーの独立した合成又はそれらのクロマトグラフ分離は、本明細書において開示されている方法論の適切な修正によって、当技術分野において公知のように達成される。これらの絶対立体化学は、必要であれば、公知の絶対配置の不斉中心を含む試薬を用いて、結晶性生成物又は誘導される結晶中間体のX線結晶構造解析によって決定されうる。所望であれば、化合物のラセミ混合物は、個々の鏡像異性体が単離されるように分離することができる。分離は、当技術分野において周知の方法、例えば、化合物のラセミ混合物を鏡像異性体的に純粋な化合物とカップリングしてジアステレオ異性体混合物を形成し、次いで個々のジアステレオマーを分別結晶化又はクロマトグラフィーのような標準的方法によって分離することにより実施することができる。
【0036】
これは、式(I)の化合物のアルキルシクロヘキシルエーテル−頭部基(HG)、すなわち、下記:
【0037】
【化3】


[式中、少なくとも炭素原子1及び4は不斉炭素原子であり、そしてRはさらに不斉炭素原子を含むこともあり得る]に特にあてはまる。本発明は頭部基の全ての個々の立体異性体及びそれらの混合物を含むことが理解される。
【0038】
特に、これらの頭部基、HGは、下記:
【0039】
【化4】


である。
【0040】
更に、本明細書に記載されている発明の全ての実施態様は、互いに組み合わせてもよいことが理解される。
【0041】
特定の実施態様において、Rは、上記記載のとおりである。
【0042】
特定の実施態様において、Rは、非置換であるか、又は1つ以上のハロ、ヒドロキシ、シアノもしくはC1−12−アルコキシで置換されている、C1−12−アルキルである。特定の実施態様において、Rは、非置換であるか、又は1つ以上のハロ、ヒドロキシもしくはC1−12−アルコキシで置換されているC1−12−アルキルである。
【0043】
特定の実施態様において、Rは、非置換であるか、又は独立してBから選択される1つ以上の置換基によって置換されている、C3−7シクロアルキルであり、ここで、Bは、オキソ、ハロ、OH、C1−7−アルキル又はC1−7−アルコキシである。特定の実施態様において、RはC3−7シクロアルキルである。
【0044】
特定の実施態様において、Rは、O、N又はSから選択される1つ又は2つのヘテロ原子を含む4員〜7員ヘテロシクロアルキルであり、該ヘテロシクロアルキルは、非置換であるか又は1つ以上のBによって置換されており、そしてBは、オキソ、ハロ、OH、C1−7−アルキル又はC1−7−アルコキシである。特定の実施態様において、4員〜7員ヘテロシクロアルキルは、O又はSから選択される1つ又は2つのヘテロ原子、好ましくは1つのOを含み、該ヘテロシクロアルキルは、非置換であるか又は1つ以上のオキソ、ハロ、OH、C1−7−アルキル又はC1−7−アルコキシで置換されている。特定の実施態様において、該ヘテロシクロアルキルは、オキセタニル又はテトラヒドロピラニルである。
【0045】
特定の実施態様において、Rは、
非置換であるか又は1つ以上のハロ、ヒドロキシもしくはC1−12−アルコキシで置換されているC1−12−アルキル、
3−7シクロアルキル、
O又はSから選択される1つ又は2つのヘテロ原子、好ましくは1つのOを含む4員〜7員ヘテロシクロアルキルであり、該ヘテロシクロアルキルは、非置換であるか又は1つ以上のオキソ、ハロ、OH、C1−7−アルキルもしくはC1−7−アルコキシで置換されており、好ましくは非置換である。
【0046】
特定の実施態様において、Rは、−CF、−CH(CH)CHCF、−CH(CH)CHF、−CH(CH)CHOH、−CH(CH)CHOMe、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、エチル、i−プロピル、メチル、オキセタニル、sec−ブチル、t−ブチル又はテトラヒドロ−ピラニルである。
【0047】
特定の実施態様において、Rは、C1−12−アルキル又はC3−7シクロアルキルである。
【0048】
特定の実施態様において、Rは、i−プロピル、シクロブチル又はシクロペンチルである。
【0049】
特定の実施態様において、Rは、非置換C1−12−アルキルである。
【0050】
特定の実施態様において、Rは、メチルである。
【0051】
特定の実施態様において、Rは、エチルである。
【0052】
特定の実施態様において、Rは、イソプロピルである。
【0053】
特定の実施態様において、Rは、sec−ブタニルである。
【0054】
特定の実施態様において、Rは、t−ブタニルである。
【0055】
特定の実施態様において、Rは、1つ以上のハロで置換されているC1−12−アルキルである。
【0056】
特定の実施態様において、Rは、CFである。
【0057】
特定の実施態様において、Rは、CH(CH)CHCFである。
【0058】
特定の実施態様において、Rは、−CH(CH)CHCFである。
【0059】
特定の実施態様において、Rは、1つ以上のヒドロキシで置換されているC1−12−アルキルである。
【0060】
特定の実施態様において、Rは、−CH(CH)CHOHである。
【0061】
特定の実施態様において、Rは、1つ以上のC1−12−アルコキシで置換されているC1−12−アルキルである。
【0062】
特定の実施態様において、Rは、−CH(CH)CHOHである。
【0063】
特定の実施態様において、Rは、C3−7シクロアルキルである。
【0064】
特定の実施態様において、Rは、シクロブチルである。
【0065】
特定の実施態様において、Rは、シクロヘキシルである。
【0066】
特定の実施態様において、Rは、シクロペンチルである。
【0067】
特定の実施態様において、Rは、O又はSから選択される1つ又は2つのヘテロ原子、好ましくは1つのOを含む4員〜7員ヘテロシクロアルキルであり、該ヘテロシクロアルキルは、非置換である。
【0068】
特定の実施態様において、Rは、オキセタニルである。
【0069】
特定の実施態様において、Rは、テトラヒドロ−ピラニルである。
【0070】
特定の実施態様において、Rは、上記記載のとおりである。
【0071】
特定の実施態様において、Rは、H、非置換であるか又は1つ以上のOHで置換されているC1−12−アルキル、−(CH−R(ここで、Rは、フェニル又は5員もしくは6員ヘテロアリールであり、qは、1、2、3又は4である)、−C(O)−C1−12−アルキル(ここで、アルキルは、非置換であるか又は1つ以上のOHで置換されている)、−C(O)(CHOC(O)−C1−12−アルキル(ここで、qは、1、2、3又は4である)、−C(O)O−C1−12−アルキル、−S(O)−C1−12−アルキル又は−S(O)NRii(ここで、R及びRiiは、各々独立してH又はC1−12−アルキルである)である。
【0072】
特定の実施態様において、Rは、C1−12−アルキルである。
【0073】
特定の実施態様において、Rは、2−ヒドロキシ−エチル、−C(O)CHOC(O)メチル、−C(O)ヒドロキシメチル、−C(O)メチル、−C(O)O−t−ブチル、−CH−ピリジン−2−イル、H、i−プロピル、メチル、−S(O)メチル又は−S(O)N(メチル)である。
【0074】
特定の実施態様において、Rは、Hである。したがって、遊離塩基、あるいは無機又は有機酸、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタン−スルホン酸、p−トルエンスルホン酸などと、薬学的に許容される酸付加塩のいずれかを形成する。遊離塩基及び塩酸塩が好ましい。
【0075】
特定の実施態様において、Rは、非置換であるか、又は1つ以上のOH、ハロ、シアノもしくはC1−12−アルコキシで置換されているC1−12−アルキルである。特定の実施態様において、Rは、非置換であるか、又は1つ以上のOHで置換されているC1−12−アルキルである。
【0076】
特定の実施態様において、Rは、非置換C1−12−アルキルである。
【0077】
特定の実施態様において、Rは、メチルである。
【0078】
特定の実施態様において、Rは、イソプロピルである。
【0079】
特定の実施態様において、Rは、1つ以上のOHで置換されているC1−12−アルキルである。
【0080】
特定の実施態様において、Rは、2−ヒドロキシ−エチルである。
【0081】
特定の実施態様において、Rは、−(CH−Rであり、ここで、Rは、各々非置換であるか、又はAから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されている、フェニル又は5員もしくは6員ヘテロアリールであり、そしてAは、ハロ、シアノ、OH、C1−7−アルキル、ハロ−C1−7−アルキル、又はC1−7−アルコキシであり;qは、1、2、3又は4、好ましくは1である。特定の実施態様において、Rは、−(CH−Rであり、ここで、Rは、フェニル又は5員もしくは6員ヘテロアリールであり、qは、1、2、3又は4、好ましくは1である。特定の実施態様において、Rは、−CH−ピリジニル又はベンジルであり、好ましくは、Rは、−CH−ピリジン−2−イルである。
【0082】
特定の実施態様において、Rは、−C(O)−C1−12−アルキルであり、ここで、アルキルは、非置換であるか、又は1つ以上のOH、ハロ、シアノもしくはC1−12−アルコキシで置換されている。特定の実施態様において、Rは、−C(O)−C1−12−アルキルであり、ここで、アルキルは、非置換であるか、又は1つ以上のOHで置換されている。
【0083】
特定の実施態様において、Rは、−C(O)ヒドロキシメチルである。
【0084】
特定の実施態様において、Rは、−C(O)メチルである。
【0085】
特定の実施態様において、Rは、−C(O)(CHOC(O)−C1−12−アルキルであり、ここで、qは、1、2、3又は4、好ましくは1である。
【0086】
特定の実施態様において、Rは、−C(O)CHOC(O)メチルである。
【0087】
特定の実施態様において、Rは、−C(O)O−C1−12−アルキルであり、ここで、アルキルは、非置換であるか、又は1つ以上のOH、ハロ、シアノもしくはC1−12−アルコキシで置換されている。特定の実施態様において、Rは、−C(O)O−C1−12−アルキルである。
【0088】
特定の実施態様において、Rは、−C(O)O−t−ブチルである。
【0089】
特定の実施態様において、Rは、−S(O)−C1−12−アルキルである。
【0090】
特定の実施態様において、Rは、−S(O)NRiiであり、ここで、R及びRiiは、各々独立して、H、C1−12−アルキルであるか、あるいはそれらが結合している窒素と一緒になって、N、O又はSから選択される1つ又は2つのヘテロ原子を含む、3員〜7員ヘテロシクロアルキルを形成し、該ヘテロシクロアルキルは、非置換であるか、又はBから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されており、Bは、オキソ、ハロ、OH、C1−7−アルキル又はC1−7−アルコキシである。特定の実施態様において、Rは、−S(O)NRiiであり、ここで、R及びRiiは、各々独立して、H又はC1−12−アルキル、好ましくはC1−12−アルキルである。
【0091】
特定の実施態様において、Rは、−S(O)メチルである。
【0092】
特定の実施態様において、−S(O)N(メチル)である。
【0093】
は、
H、
非置換であるか、又は1つ以上のOHで置換されているC1−12−アルキル、
−(CH−R(ここで、Rは、フェニル又は5員もしくは6員ヘテロアリールであり、そしてqは、1、2、3又は4、好ましくは1である)、
−C(O)−C1−12−アルキル(ここで、アルキルは、非置換であるか、又は1つ以上のOHで置換されている)、
−C(O)(CHOC(O)−C1−12−アルキル(ここで、qは、1、2、3又は4、好ましくは1である)、
−C(O)O−C1−12−アルキル、
−S(O)−C1−12−アルキル、
−S(O)NRii(ここで、R及びRiiは、各々独立して、H又はC1−12−アルキル、好ましくはC1−12−アルキルである)である。
【0094】
特定の実施態様において、Rは、Cl又はFである。
【0095】
特定の実施態様において、Rは、Clである。
【0096】
特定の実施態様において、Rは、Fである。
【0097】
本発明の特定の実施態様において、式(I):
【0098】
【化5】


[式中、
は、
非置換であるか、又は1つ以上のハロ、ヒドロキシもしくはC1−12−アルコキシで置換されているC1−12−アルキル、
3−7−シクロアルキル、
O又はSから選択される1つ又は2つのヘテロ原子、好ましくは1つのOを含む4員〜7員ヘテロシクロアルキル(該ヘテロシクロアルキルは、非置換であるか、又は1つ以上のオキソ、ハロ、OH、C1−7−アルキルもしくはC1−7−アルコキシで置換されており、好ましくは非置換である)であり、
は、
H、
非置換であるか、又は1つ以上のOHで置換されているC1−12−アルキル、
−(CH−R(ここで、Rは、フェニル又は5員もしくは6員ヘテロアリールであり、qは、1、2、3又は4、好ましくは1である)、
−C(O)−C1−12−アルキル(ここで、アルキルは、非置換であるか、又は1つ以上のOHで置換されている)、
−C(O)(CHOC(O)−C1−12−アルキル(ここで、qは、1、2、3又は4、好ましくは1である)、
−C(O)O−C1−12−アルキル、
−S(O)−C1−12−アルキル、
−S(O)NRii(ここで、R及びRiiは、各々独立して、H又はC1−12−アルキル、好ましくはC1−12−アルキルである)であり、
は、Cl又はFである]で示される化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供される。
【0099】
本発明の特定の実施態様において、式(I)の化合物は、式(I’):
【0100】
【化6】


[式中、HGは、下記:
【0101】
【化7】


から選択され、そしてR、R及びRは、上記記載のとおりであり、その全ての組み合わせを含む]のサブセットとして提供される。
【0102】
本発明による化合物の例を、実験の部及び以下の表に示す。
【0103】
【表2】







【0104】
好ましい本発明の化合物は、実施例に示されている。特に好ましいものは:
trans−8−クロロ−1−(4−エトキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
trans−8−クロロ−1−(4−エトキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン;
trans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
trans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン;
trans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5−メタンスルホニル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン;
trans−2−[8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−イル]−エタノール;
trans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5−イソプロピル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン;
trans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−スルホン酸ジメチルアミド;
trans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5−ピリジン−2−イルメチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン;
trans−酢酸2−[8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−イル]−2−オキソ−エチルエステル;
trans−1−[8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−イル]−2−ヒドロキシ−エタノン;
trans−1−[8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−イル]−エタノン;
trans−8−フルオロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
cis−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
(RS)−trans−1−(4−sec−ブトキシ−シクロヘキシル)−8−クロロ−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
(RS)−trans−1−(4−sec−ブトキシ−シクロヘキシル)−8−クロロ−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩;
(RS)−trans−1−(4−sec−ブトキシ−シクロヘキシル)−8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン;
(+)−trans−1−(4−sec−ブトキシ−シクロヘキシル)−8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン;
(−)−trans−1−(4−sec−ブトキシ−シクロヘキシル)−8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン;
trans−8−クロロ−1−(4−シクロブトキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
trans−8−クロロ−1−(4−シクロブトキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩;
trans−8−クロロ−1−(4−シクロブトキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン;
cis−8−クロロ−1−(4−シクロブトキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
cis−8−クロロ−1−(4−シクロブトキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン;
trans−8−クロロ−1−(4−シクロペンチルオキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
trans−8−クロロ−1−(4−シクロペンチルオキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩;
trans−8−クロロ−1−(4−シクロペンチルオキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン;
trans−8−クロロ−1−(4−シクロへキシルオキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
trans−8−クロロ−1−(4−シクロへキシルオキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン;
(RS)−trans−8−クロロ−1−[4−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
(RS)−trans−8−クロロ−1−[4−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキシル]−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン;
(−)−trans−8−クロロ−1−[4−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキシル]−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン;
(RS)−trans−8−クロロ−1−[4−(2−ヒドロキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
(RS)−trans−8−クロロ−1−[4−(2−フルオロ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキシル]−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン;
(RS)−trans−8−クロロ−1−[4−(3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロポキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
(RS)−trans−8−クロロ−5−メチル−1−[4−(3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロポキシ)−シクロヘキシル]−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン;
trans−8−クロロ−1−[4−(オキセタン−3−イルオキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
trans−8−クロロ−1−[4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
cis−8−クロロ−1−[4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル、又は
trans−1−(4−tert−ブトキシ−シクロヘキシル)−8−クロロ−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステルである。
【0105】
特に好ましいものは、trans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン、trans−8−クロロ−1−(4−シクロブトキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン、又はtrans−8−クロロ−1−(4−シクロペンチルオキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレンである。
【0106】
最も好ましいものは、trans−8−クロロ−1−(4−シクロペンチルオキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレンである。
【0107】
本発明の特定の実施態様は、本明細書中に記載されている方法によって得ることができる、任意の実施態様に記載されている化合物である。
【0108】
本発明の特定の実施態様は、本明細書中に記載されている方法によって得る場合の、任意の実施態様に記載されている化合物である。
【0109】
本発明の特定の実施態様は、治療活性物質として使用するための、任意の実施態様に記載されている化合物である。
【0110】
本発明の特定の実施態様は、月経困難症、男性又は女性の性的機能不全、高血圧、慢性心不全、バソプレッシンの分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、不安症、抑うつ障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症及び攻撃的行動の予防又は治療に使用するための、任意の実施態様に記載されている化合物である。
【0111】
本発明の特定の実施態様は、任意の実施態様に記載されている化合物を含む、医薬組成物である。
【0112】
本発明の特定の実施態様は、月経困難症、男性又は女性の性的機能不全、高血圧、慢性心不全、バソプレッシンの分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、不安症、抑うつ障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症及び攻撃的行動の予防又は治療に有用である、任意の実施態様に記載されている化合物を含む医薬組成物である。
【0113】
本発明の特定の実施態様は、医薬の製造のための、任意の実施態様に記載されている化合物の使用である。
【0114】
本発明の特定の実施態様は、医薬の製造のための、任意の実施態様に記載されている化合物の使用であり、ここで、医薬は、月経困難症、男性又は女性の性的機能不全、高血圧、慢性心不全、バソプレッシンの分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、不安症、抑うつ障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症及び攻撃的行動の予防又は治療に有用である。
【0115】
本発明の特定の実施態様は、月経困難症、男性又は女性の性的機能不全、高血圧、慢性心不全、バソプレッシンの分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、不安症、抑うつ障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症及び攻撃的行動の予防又は治療のための、任意の実施態様に記載されている化合物の使用である。
【0116】
本発明の特定の実施態様は、月経困難症、男性又は女性の性的機能不全、高血圧、慢性心不全、バソプレッシンの分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、不安症、抑うつ障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症及び攻撃的行動の治療的及び/又は予防的処置のための方法あって、任意の実施態様に記載されている化合物をヒト又は動物に投与することを含む方法である。
【0117】
特定の実施態様において、本発明の式(I)の化合物は、式(II):
【0118】
【化8】


で示される化合物を、式(III):
【0119】
【化9】


で示される化合物と反応させ、式(I)の化合物を得る工程[式中、R、R及びRは、式(I)について本明細書中、上記で定義されたとおりである]を含む方法にしたがって、製造することができる。
【0120】
この方法は、以下の一般スキーム及び手順A〜Iに、より詳細に記載されている。
【0121】
【化10】

【0122】
式(I)の化合物は、式(II)のヒドラジド誘導体及び式(III)のチオラクタム誘導体の熱的縮合によって調製することができる。式(II)の化合物の合成は、後述の一般スキームD〜Iに概説されている。式(III)の化合物は、後述の一般スキームCに記載されているように調製することができる。一般スキームAは、本明細書に後述の一般工程IVでさらに説明される。
【0123】
【化11】

【0124】
Hと異なるRを有する式(I)の化合物は、式(I-b)の化合物(RがHである式(I)の化合物)から、当技術分野において公知の方法にしたがって、例えば、式(I-b)の化合物を、炭酸塩のような無機塩基又は第三級アミンのような有機塩基、及び求電子反応剤R−LG(ここで、LGは脱離基、例えばハロゲン又はスルホニルである)(前記反応剤は、市販されているか、又は当技術分野において公知の方法及び出発物質にしたがって簡単に調製したかのいずれかである)で処理することによって、調製することができる。あるいは、式(I)の化合物は、式(I-b)の化合物を、ケトン又はアルデヒド及び適切な還元剤、例えば水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム又はトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムのようなボロヒドリド誘導体で連続的に処理することによって、還元的アルキル化を経由して得ることができる。式(I-b)の化合物は、当技術分野において公知の方法を用いて、式(I)の化合物の置換基Rの開裂によって得ることができる。式(I-b)の化合物は、式(I-a)(Rがtert−ブトキシカルボニルである、式(I)の化合物)の化合物の、適切な溶媒中の酸、例えば、ジクロロメタンもしくはテトラヒドロフラン中のメタンスルホン酸又はメタノール中の塩酸を用いた処理によって、塩基性水溶液の後処理後に、塩又は遊離塩基として簡便に得られる。一般スキームBは、本明細書に後述の一般工程V及びVIでさらに説明される。
【0125】
【化12】

【0126】
式(III-1)のチオラクタム誘導体(Rがtert-ブトキシカルボニルである、式(III)の化合物)は、以下のようにして得ることができる:式(a)の2−ニトロベンジルアルコールの式(b)のベンジルクロリドへの変換は、有機第三級アミン塩基の存在下で塩化チオニルのような塩素化試薬によって達成することができる。有機第三級アミン塩基存在下でのグリシンエチルエステル塩酸塩での、式(b)の化合物のアルキル化、及び、得られた式(c)の化合物の、ジ−tert−ブチルジカルボナート及び触媒量の4−N,N−ジメチルアミノピリジンを用いたN−保護化は、式(d)の化合物を与える。ニトロ基は、臭化亜鉛のような亜鉛ハライドで前処理して、パラジウム担持炭上での水素化によって選択的に還元して、式(e)のアニリン中間体を与えることができる。式(f)のラクタムへの環化は、式(e)の化合物を、テトラヒドロフラン中、適切な塩基、例えばカリウムtert−ブトキシドで処理することによって達成される。式(III-1)のチオラクタム誘導体は、式(f)の化合物をローソン試薬(2,4−ビス−(4−メトキシフェニル)−1,3,2,4−ジチアジホスフェタン−2,4−ジスルフィド)又は五硫化二リンで、高温で処理することによって得られる。
【0127】
【化13】

【0128】
式(VII)の4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル誘導体は、以下のような還元的エーテル化によって得ることができる:4−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(IV)は、当技術分野において公知のO−シリル化方法、例えば、イミダゾール又は2,6−ルチジンのような塩基の存在下で、N,N−ジメチルホルムアミド又はジクロロメタンのような適切な溶媒中、トリメチルシリルクロリド又はトリメチルシリルトリフラートのようなシリル化試薬を用いた処理によって、4−トリメチルシラニルオキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(V)に変換される。4−トリメチルシラニルオキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(V)及び式(VI)のケトン又はアルデヒドの、ジクロロメタン中のトリメチルシリルトリフラート及びトリメチルシランのような還元剤を用いての連続的な処理は、式(VII)の4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル誘導体を導く。式(VII)の化合物は、通常、cis−及びtrans−異性体の混合物として得られ、これは場合によってはクロマトグラフ的に分離することができ、純粋な式(VII-a)のtrans−4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル及び式(VII-b)のcis−4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステルを与える。一般スキームDは、本明細書に後述の一般工程Iでさらに説明される。
【0129】
【化14】

【0130】
あるいは、式(VII)の4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル誘導体は、以下のような還元的エーテル化によって得ることができる:式(IX)のアルコキシ−トリメチル−シラン及び式(X)の4−シクロヘキサノンカルボン酸エチルエステルの、ジクロロメタン中のトリメチルシリルトリフラート、及びトリエチルシランのような還元剤での連続的な処理は、式(VII)の4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル誘導体を与える。式(VII)の化合物は、通常、cis−及びtrans−異性体の混合物として得られ、これは場合によってはクロマトグラフ的に分離することができ、純粋な式(VII-a)のtrans−4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル及び式(VII-b)のcis−4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステルを与える。式(IX)のアルコキシ−トリメチル−シラン誘導体は、市販されているか、又は当技術分野において公知のO−シリル化方法、例えば、一般式(VIII)のアルコールを、イミダゾール又は2,6−ルチジンのような塩基の存在下で、N,N−ジメチルホルムアミド又はジクロロメタンのような適切な溶媒中、トリメチルシリルクロリド又はトリメチルシリルトリフラートのようなシリル化試薬で処理すること、を用いて調製されるかのいずれかである。あるいは、式(IX)のアルコキシ−トリメチル−シラン誘導体は、4−シクロヘキサノンカルボン酸エチルエステル(X)との還元的エーテル化工程の前に、一般式(VIII)のアルコールをジクロロメタン中、トリメチルシリルトリフラート及び2,6−ルチジンで処理することによって、単離することなしにインサイチューで調製することができる。一般スキームEは、本明細書に後述の一般工程IIA及びIIBでさらに説明される。
【0131】
【化15】

【0132】
式(VII-4)のオキセタン−3−イルオキシ誘導体は、式(VII-3)の化合物の、トルエン中、カリウムtert−ブトキシドを用いた還流下での処理によって得ることができる。式(VII-3)の化合物は、式(VII-1)の化合物の水素化分解的(hydrogenolytic)二重−O−脱ベンジル化によって調製される、式(VII-2)のジヒドロキシ誘導体のモノトシル化によって形成される。式(VII-1)の化合物は、1,3−ジベンジルオキシ−2−プロパノールから、一般スキームEに記載されている還元的エーテル化手順にしたがって、得ることができる。
【0133】
【化16】

【0134】
4−トリフルオロメトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(VII-5)は、中間体(XI)のジクロロメタン中、N−ブロモスクシンイミド及びHF−ピリジンでの処理によって調製することができる。化合物(XI)は、4−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルの水素化ナトリウムでのO−脱水素化に続く二硫化炭素及びヨウ化メチルの逐次添加によって得られる。
【0135】
【化17】

【0136】
cis/trans−4−tert−ブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(VII-6)は、cis/trans−4−ヒドロキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(IV)の、塩化マグネシウムの存在下でのジ−tert−ブチルジカルボナートでの処理によって調製することができる。純粋なtrans異性体(VII-6-a)及び純粋なcis異性体(VII-6-b)は、クロマトグラフ分離によって得ることができる。
【0137】
【化18】

【0138】
式(VII)の4−アリールオキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステルは、ヒドラジン水和物と加熱することによって、式(II)のヒドラジド誘導体に変換することができる。あるいは、式(VII)のエステル誘導体は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム水溶液及びジオキサンのようなエーテル溶媒の二相混合物を用いて、式(XII)のカルボン酸誘導体へと加水分解することができる。式(II)のヒドラジド誘導体は、式(XII)の酸中間体の、例えば、クロロギ酸エチル、塩化チオニル、オキサリルクロリド又はペプチドカップリング試薬での活性化、及び続いてのヒドラジンとのカップリングによって得ることができる。一般スキームIは、本明細書に後述の一般工程IIIA及びIIIBでさらに説明される。
【0139】
対応する、酸との薬学的に許容される塩は、当業者に公知の標準的方法によって、例えば、式(I)の化合物を、例えばジオキサン又はTHFのような適切な溶媒に溶解し、適切な量の対応する酸を加えることによって得ることができる。生成物は、通常、濾過又はクロマトグラフィーにより単離することができる。式(I)の化合物の、塩基との薬学的に許容される塩への変換は、そのような化合物をそのような塩基で処理することによって実施することができる。そのような塩を形成する、可能な方法の1つは、例えば、1/n当量の、例えばM(OH)(ここで、M=金属又はアンモニウムカチオンであり、n=ヒドロキシドアニオンの数である)のような塩基性塩を、適切な溶媒(例えばエタノール、エタノール−水混合物、テトラヒドロフラン−水混合物)中の化合物の溶液に加え、溶媒を蒸発又は凍結乾燥することによって除去することである。
【0140】
それらの調製が実施例に記載されない限り、式(I)の化合物は全ての中間生成物と同様に、類似した方法に従って、又は本明細書中に記載された方法に従って調製することができる。出発物質は、市販であるか、当技術分野において周知であるか、あるいは当技術分野において公知又はそれと類似の方法によって調製することができる。
【0141】
本発明の一般式(I)の化合物が官能基において誘導体化され、インビボで再び親化合物に変換されうる誘導体を提供することが理解される。
【0142】
薬理学試験
本発明の化合物は、V1a活性を示す。これらはV1a受容体の選択的阻害剤であり、したがって、有害なオフターゲットの関連副作用を起こす可能性が低いと思われる。V1a活性は、以下に記載された方法で検出することができる。
【0143】
ヒトV1a受容体は、ヒト肝臓の全RNAからRT−PCRによってクローン化した。コード配列は、増幅された配列の同一性を確認するために、配列決定の後で発現ベクターにおいてサブクローン化された。ヒトV1a受容体に対する本発明による化合物の親和性を示すために、結合試験を実施した。発現ベクターで一過性にトランスフェクトして、20リットルの発酵槽において培養したHEK293細胞から、細胞膜を下記のプロトコルを用いて調製した。
【0144】
細胞50gを、新たに調製した氷冷溶解緩衝液(pH=7.4に調整した、50mM HEPES、1mM EDTA、10mM二塩化マグネシウム+プロテアーゼ阻害剤の完全カクテル(Roche Diagnostics))30mlに再懸濁する。ポリトロンで1分間ホモジナイズして、氷上で80%の強度にて2×2分間超音波処理する(Vibracell sonicator)。調製物を、4℃にて500gで20分間遠心分離し、ペレットを廃棄し、上澄みを4℃にて43,000gで1時間、遠心分離する(19,000rpm)。ペレットを溶解緩衝液12.5ml+20%ショ糖12.5mlに再懸濁し、ポリトロンを用いて1〜2分間ホモジナイズする。タンパク質濃度を、ブラッドフォード法により測定して、使用時までアリコートを−80℃で貯蔵する。結合試験には、ケイ酸イットリウムSPAビーズ(Amersham)60mgを、混合しながら、結合緩衝液(50mMトリス、120mM塩化ナトリウム、5mM塩化カリウム、2mM塩化カルシウム、10mM二塩化マグネシウム)中の膜アリコートと15分間混合する。次に、ビーズ/膜混合物50μlを、96ウェルプレートの各ウェルに加え、続いて4nM 3H−バソプレッシン(American Radiolabeled Chemicals)50μlを加える。全結合測定には、結合緩衝液100μlをそれぞれのウェルに加え、非特異結合には、8.4mM冷バソプレッシン100μlを、そして化合物の試験には、2%ジメチルスルホキシド中の各化合物の連続希釈液100μlを加える。プレートを室温で1時間インキュベートし、1000gで1分間遠心分離し、Packard Top-Countで計数を行う。非特異的結合のカウントを各ウェルから差し引き、データを100%に設定した最大特異結合に対して正規化する。IC50を算出するために、非線形回帰モデル(XLfit)を用いて曲線を当てはめ、Cheng-Prussoff式を用いてKiを算出する。
【0145】
以下の代表的なデータは、本発明による化合物のヒトV1a受容体に対しての、アンタゴニスト活性を示す。
【0146】
【表3】

【0147】
医薬組成物
式(I)の化合物及びそれらの薬学的に使用可能な酸付加塩は、医薬として、例えば医薬調製物の形態で使用することができる。医薬調製物は、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の剤形で、経口投与することができる。しかし投与はまた、例えば坐剤の剤形で直腸内に、又は例えば注射液の剤形で非経口的に行うこともできる。
【0148】
式(I)の化合物及び薬学的に使用可能なその酸付加塩は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセル剤の製造のために、薬学的に不活性な、無機又は有機賦形剤と共に加工することができる。乳糖、トウモロコシデンプン又はそれらの誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩等を、そのような賦形剤として、例えば、錠剤、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセル剤向けに用いることができる。軟ゼラチンカプセル剤に適切な賦形剤は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体及び液体ポリオール等である。
【0149】
液剤及びシロップ剤の製造に適切な賦形剤は、例えば、水、ポリオール、ショ糖、転化糖、ブドウ糖等である。注射液に適切な賦形剤は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油等である。坐剤に適切な賦形剤は、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪、半液体又は液体ポリオール等である。
【0150】
更に、医薬製剤は、防腐剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、香味料、浸透圧を変えるための塩類、緩衝液、マスキング剤又は抗酸化剤を含有することができる。それらは、その他の治療上価値のある物質も更に含有することができる。
【0151】
投与量は、広い限度内で変動することができ、当然、それぞれの特定の症例ごとに個々の要件に適合されるであろう。一般的に、経口投与の場合、一般式(I)の化合物の、1人当たり約10〜1000mgの1日投与量が適切であるが、必要であれば上記の上限を超えることもできる。
【0152】
下記の実施例は、本発明を限定することなく説明する。全ての温度は摂氏で示される。
【0153】
本発明による組成物の実施例は、非限定的に、下記のものである:
【0154】
実施例A
通常の方法で、以下の組成の錠剤を製造する:
【0155】
【表4】

【0156】
製造手順
1.成分1、2、3及び4を混合し、精製水と共に造粒する。
2.顆粒を50℃で乾燥させる。
3.顆粒を適切な微粉砕装置に通す。
4.成分5を加え、3分間混合し、適切な成形機で圧縮する。
【0157】
実施例B−1
以下の組成のカプセルを製造する:
【0158】
【表5】

【0159】
製造手順
1.成分1、2及び3を適切なミキサーで30分間混合する。
2.成分4及び5を加え、3分間混合する。
3.適切なカプセルに充填する。
【0160】
式(I)の化合物、乳糖及びトウモロコシデンプンを、最初にミキサーで、次に微粉砕機で混合する。混合物をミキサーに戻し、それにタルク(及びステアリン酸マグネシウム)を加え、十分に混合する。混合物は、機械によって適切なカプセル、例えば硬ゼラチンカプセルに充填する。
【0161】
実施例B−2
以下の組成の軟ゼラチンカプセル剤を製造する:
【0162】
【表6】

【0163】
【表7】

【0164】
製造手順
式(I)の化合物を他の成分の温めた溶融物に溶解し、混合物を適切なサイズの軟ゼラチンカプセルに満たす。充填された軟ゼラチンカプセル剤を、通常の手順に従って処理する。
【0165】
実施例C
以下の組成の坐剤を製造する:
【0166】
【表8】

【0167】
製造手順
坐薬用錬剤を、ガラス又はスチール容器中で溶解し、十分に混合し、45℃に冷却する。その後、微粉状の式(I)の化合物をそれに加え、完全に分散するまで撹拌する。混合物を、適切なサイズの坐剤の型に注ぎ、放置して冷却し、次に坐剤を型から除去し、パラフィン紙又は金属箔に個別に包む。
【0168】
実施例D
以下の組成の注射液剤を製造する:
【0169】
【表9】

【0170】
製造手順
式(I)の化合物を、ポリエチレングリコール400及び注射液剤用水(一部)の混合物に溶解する。pHを酢酸で5.0に調整する。残りの量の水を加えて、体積を1.0mlに調整する。溶液を濾過し、適切な過剰量(overage)を使用してバイアルに充填し、滅菌する。
【0171】
実施例E
以下の組成のサシェ剤を製造する:
【0172】
【表10】

【0173】
製造手順
式(I)の化合物を、乳糖、微晶質セルロース及びナトリウムカルボキシメチルセルロースと混合し、ポリビニルピロリドンの水中混合物で粒状にする。顆粒をステアリン酸マグネシウム及び調味添加剤と混合し、サシェに充填する。
【0174】
実施例
以下の実施例1〜69は、本発明の説明のために提供される。それらは、本発明の範囲を制限するものと見なされるべきではなく、単に本発明の代表的なものとして見なされるべきである。
【0175】
式(V)の中間体
cis/trans−4−トリメチルシラニルオキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(2:1)
N,N−ジメチルホルムアミド(90ml)中のcis/trans−4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(2:1)(5.0g、29mmol)及びイミダゾール(4.4g、64mmol)の溶液に、トリメチルシリルクロリド(4.0ml、32mmol)を0〜5℃で加えた。室温で1時間撹拌し、次いでtert−ブチルメチルエーテル(300ml)及び水(150ml)に分配した。層を分離した。有機層を水150mlずつで2回、ブライン50mlで1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、標記化合物(6.7g、94%)を無色の油状物として得た。MS m/e:245(M+H)。
【0176】
式(VII)の4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル中間体
還元的エーテル化
一般工程I:
ジクロロメタン中のcis/trans−4−トリメチルシラニルオキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(2:1)の溶液(0.1M)に、式(VI)のケトン又はアルデヒド(0.85当量)及びトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(0.10当量)を、−78℃で連続的に加えた。反応混合物を1時間撹拌した。トリエチルシラン(1当量)の添加後、冷却浴を除去し、反応混合物を室温に温まるにまかせた。撹拌を一晩続けた。混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液でクエンチした。層を分離した。有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製により、式(VII)の4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル中間体を得た。
【0177】
一般工程IIA:
トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(1当量)を、ジクロロメタン中の式(VIII)のアルコール誘導体(1当量)及び2,6−ルチジン(1当量)の溶液(0.1M)に−78℃で加えることで、式(IX)のアルコキシ−トリメチル−シラン中間体を、インサイチューで形成した。1時間後、4−シクロヘキサノンカルボン酸エチルエステル(X)(0.85当量)及びトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(0.1当量)を連続的に加えた。反応混合物を1時間撹拌した。トリエチルシラン(2当量)の添加後、冷却浴を除去し、反応混合物を室温に温まるにまかせた。撹拌を一晩続けた。混合物を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液でクエンチした。層を分離した。有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製により、式(VII)の4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル中間体を得た。
【0178】
一般工程IIB:
式(IX)のトリメチルシリルオキシ中間体(市販されているか、又は当技術分野において公知の方法に従って調製することができる)をジクロロメタン中に溶解した(0.1M)。4−シクロヘキサノンカルボン酸エチルエステル(X)(0.85当量)及びトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(0.1当量)を、−78℃で連続的に加えた。反応混合物を1時間撹拌した。トリエチルシラン(2当量)の添加後、冷却浴を除去し、反応混合物を室温に温まるにまかせた。撹拌を一晩続けた。混合物を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液でクエンチした。層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュ−クロマトグラフィーによる精製により、式(VII)の4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル中間体を得た。
【0179】
4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル1
trans−4−エトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル
及び
4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル2
cis−4−エトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル
trans−4−エトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル及びcis−4−エトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、アセトアルデヒドから、一般工程Iにしたがって、フラッシュカラムクロマトグラフィーによる分離の後に得た。
trans−4−エトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、明黄色の油状物として、収率18%で得た。MS m/e:200(M
cis−4−エトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、明黄色の油状物として、収率24%で得た。MS m/e:201(M+H
【0180】
4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル3
trans−4−イソプロポキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル
及び
4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル4
cis−4−イソプロポキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル
trans−4−イソプロポキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル及びcis−4−イソプロポキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、アセトンから、一般工程Iにしたがって、フラッシュカラムクロマトグラフィーによる分離の後に得た。
trans−4−イソプロポキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、無色の油状物として、収率23%で得た。MS m/e:214(M
cis−4−イソプロポキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、明黄色の油状物として、収率57%で得た。MS m/e:215(M+H
【0181】
4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル5
trans−4−sec−ブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル
及び
4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル6
cis−4−sec−ブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル
trans−4−sec−ブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル及びcis−4−sec−ブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、2−ブタノンから、一般工程Iにしたがって、フラッシュカラムクロマトグラフィーによる分離の後に得た。
trans−4−sec−ブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、無色の油状物として、収率22%で得た。MS(EI) m/e:228(M、1%)、199([M−C、6%)、155([M−CO]、100%)
cis−4−sec−ブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、明黄色の油状物として、収率37%で得た。MS m/e:229(M+H
【0182】
4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル7
trans−4−シクロブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル
及び
4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル8
cis−4−シクロブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル
trans−4−シクロブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル及びcis−4−シクロブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、シクロブタノンから、一般工程Iにしたがって、フラッシュカラムクロマトグラフィーによる分離の後に得た。
trans−4−シクロブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、無色の油状物として、収率19%で得た。MS(EI) m/e:155([M−CO]、49%)
cis−4−シクロブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、明黄色の油状物として、収率58%で得た。MS m/e:227(M+H
【0183】
4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル9
trans−4−シクロペンチルオキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル
及び
4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル10
cis−4−シクロペンチルオキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル
trans−4−シクロペントオキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル及びcis−4−シクロペントオキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、シクロペンタノンから、一般工程Iにしたがって、フラッシュカラムクロマトグラフィーによる分離の後に得た。
trans−4−シクロペントキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、無色の油状物として、収率8%で得た。MS(EI) m/e:240(M,1%)、155[M−CO]、30%)
cis−4−シクロペントキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、無色の油状物として、収率29%で得た。MS m/e:241(M+H
【0184】
4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル11
trans−4−シクロヘキシルオキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル
及び
4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル12
cis−4−シクロヘキシルオキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル
trans−4−シクロペントキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル及びcis−4−シクロペントキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、シクロヘキサノンから、一般工程Iにしたがって、フラッシュカラムクロマトグラフィーによる分離の後に得た。
trans−4−シクロヘキシルオキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、無色の油状物として、収率15%で得た。MS(EI) m/e:254(M
cis−4−シクロヘキシルオキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、無色の油状物として、収率51%で得た。MS m/e:255(M+H
【0185】
4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル13
(RS)−trans−4−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル
及び
4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル14
(RS)−cis−4−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル
(RS)−trans−4−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル及び(RS)−cis−4−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、メトキシアセトンから、一般工程Iにしたがって、フラッシュカラムクロマトグラフィーによる分離の後に得た。
(RS)−trans−4−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、無色の油状物として、収率21%で得た。MS m/e:245(M+H
(RS)−cis−4−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、無色の油状物として、収率43%で得た。MS m/e:245(M+H
【0186】
4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル15
(RS)−trans−4−(2−アセトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル
及び
4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル16
(RS)−cis−4−(2−アセトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル
(RS)−trans−4−(2−アセトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル及び(RS)−cis−4−(2−アセトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、アセトキシアセトンから、一般工程Iにしたがって、フラッシュカラムクロマトグラフィーによる分離の後に得た。
(RS)−trans−4−(2−アセトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、明黄色の油状物として、収率13%で得た。MS m/e:273(M+H
(RS)−cis−4−(2−アセトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、明黄色の油状物として、収率41%で得た。MS m/e:273(M+H
【0187】
4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル17
(RS)−trans−4−(3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロポキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル
及び
4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル18
(RS)−cis−4−(3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロポキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル
(RS)−trans−4−(3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロポキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル及び(RS)−cis−4−(3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロポキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、アセトキシアセトンから、一般工程Iにしたがって、フラッシュカラムクロマトグラフィーによる分離の後に得た。
(RS)−trans−4−(3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロポキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、無色の油状物として、収率9%で得た。MS(EI) m/e:282(M
(RS)−cis−4−(3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロポキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、無色の油状物として、収率4%で得た。MS m/e:283(M+H
【0188】
4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル19
cis/trans−4−(2−ベンジルオキシ−1−ベンジルオキシメチル−エトキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル
標記化合物を、1,3−ジベンジルオキシ−2−プロパノールから、一般工程IIAにしたがって、無色の油状物として収率49%で得た。MS m/e:427(M+H
【0189】
4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル20
cis/trans−4−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エトキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(3:7)
酢酸(54ml)中のcis/trans−4−(2−ベンジルオキシ−1−ベンジルオキシメチル−エトキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(2.30g、5.39mmol)のアルゴンをパージした溶液に、10%パラジウム担持炭(0.57g)を加えた。反応混合物を、水素ガスでパージし、水素ガス雰囲気下、室温で3時間撹拌した。触媒をデカライト(Decalite)上の濾過により除去した。濾液を減圧下で濃縮した。n−ヘプタン/酢酸エチルを溶離剤として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより、標記化合物(0.74g、56%)を、無色の油状物として得た。MS m/e:247(M+H
【0190】
4−アルコキシ-シクロヘキサンカルボン酸エステル21
(RS)−cis/trans−4−[1−ヒドロキシメチル−2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)−エトキシ]−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(3:7)
ジクロロメタン(30ml)中のcis/trans−4−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エトキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(3:7)(0.74g、3.0mmol)及びトリエチルアミン(0.42ml、3.0mmol)の溶液に、触媒量の4−N,N−ジメチルアミノピリジンを加えた。ジクロロメタン中のp−トルエンスルホニルクロリド(0.57g、3.0mmol)の溶液(10ml)を室温で滴下した。16時間撹拌した後、酢酸エチル(100ml)及び0.5M 塩酸水溶液(50ml)に分配した。層を分離した。水層を、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を、ブラインで1回洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮した。n−ヘプタン/酢酸エチルを溶離剤として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより、標記化合物(0.46g、38%)を無色の油状物として得た。MS m/e:401(M+H
【0191】
4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル22
cis/trans−4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(7:1)
標記化合物を、テトラヒドロ−ピラン−4−オンから出発して、一般工程Iにしたがって、無色の油状物として収率49%で得た。MS m/e:257(M+H
【0192】
4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル23
cis/trans−4−メチルスルファニルチオカルボキシオキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド(35ml)中の4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(2:1)(3.0g、17mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(1.0g、21mmol、50%鉱油中)を0〜5℃で加えた。反応混合物を、0℃で10分間、室温で45分間撹拌した。二硫化炭素(2.1ml、35mmol)を、0〜5℃で10分間かけて滴下した。反応混合物を、室温で7時間撹拌した。ヨウ化メチル(1.3ml、21mmol)を、0〜5℃で滴下した。16時間室温で撹拌し、次いで飽和塩化アンモニウム水溶液(6ml)でクエンチした。反応混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液(150ml)及びtert−ブチルメチルエーテル(150ml)に分配した。層を分離した。水層を、tert−ブチルメチルエーテル150mlずつで2回抽出した。合わせた有機層を、水50mlずつで2回及びブライン50mlで1回洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮した。n−ヘプタン/酢酸エチルを溶離剤として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより、標記化合物(0.46g、38%)を、無色の油状物として得た。MS m/e:263(M+H
【0193】
4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル24
trans−4−tert−ブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル
及び
4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル25
cis−4−tert−ブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル
ジクロロメタン(6ml)中のcis/trans−4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(2:1)(1.0g、5.8mmol)及びジ−tert−ブチルジカルボナート(2.9g、13.4mmol)の溶液に、予め高真空(約1mbar)下で150℃にて、1時間活性化した無水過塩素酸マグネシウム(0.13g、0.58mmol)を加えた。40℃で16時間撹拌し、次いでジクロロメタン(50ml)及び水(30ml)に分配した。層を分離した。水層を、50mlのジクロロメタンで1回抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。n−ヘプタン/tert−ブチルメチルエーテルを溶離剤として用いるフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、純粋なtrans−4−tert-ブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル及びcis−4−tert−ブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを得た。
trans−4−tert-ブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、無色の油状物として8%の収率で得た。MS(EI)m/e:228(M、1%)、155[M−CO]、61%)
cis−4−tert−ブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを、無色の油状物として、収率8%で得た。MS m/e:229(M+H
【0194】
式(XII)の4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸中間体
4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸1
cis/trans−4−(オキセタン−3−イルオキシ)−シクロヘキサンカルボン酸(1:3)
トルエン(11.5ml)中のcis/trans−4−[1−ヒドロキシメチル−2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)−エトキシ]−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(3:7)(0.46g、1.2mmol)の溶液に、カリウムtert−ブトキシド(0.14g、1.3mmol)を加えた。反応混合物を、20時間加熱還流した。室温に冷却した後、混合物を酢酸エチル(50ml)及び1M 塩酸水溶液(30ml)に分配した。層を分離した。水層を、酢酸エチル50mlずつで2回抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を、1,4−ジオキサン(12ml)及び2M 水酸化ナトリウム水溶液(5.7ml、12mmol)に溶解した。室温で16時間撹拌した後、混合物をtert−ブチルメチルエーテル(30ml)及び1M 水酸化ナトリウム水溶液(50ml)に分配した。層を分離した。有機層を1M 水酸化ナトリウム水溶液50mlで1回抽出した。合わせた水層を濃塩酸及び砕氷(50g)の添加により酸性化し、酢酸エチル50mlずつで3回抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。n−ヘプタン/酢酸エチルを溶離剤として用いたフラッシュクロマトグラフィーで、標記化合物(0.12g、50%)をオフホワイトの固体として得た。MS m/e:199(M+H
【0195】
4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸2
cis/trans−4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−シクロヘキサンカルボン酸(1:2)
乾燥トルエン(1.5ml)中の、cis/trans−4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(7:1)(0.385g、1.50mmol)及びナトリウムエトキシド(0.204g、3.00mmol)の混合物を、20時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、1,4−ジオキサン(7.5ml)及び2M 水酸化ナトリウム水溶液(7.5ml)で希釈した。16時間撹拌し、次いで2M 水酸化ナトリウム水溶液(50ml)及びジクロロメタンに分配した。層を分離した。水層をジクロロメタンで1回抽出した。合わせた有機層を50ml量の2M 水酸化ナトリウム水溶液で2回洗浄した。合わせた水層を、濃塩酸(100ml)の添加によってpH1に酸性化した。水層をジクロロメタン150mlずつで2回抽出した。酸性抽出から合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で乾燥させ、標記化合物(0.358g、93%)を、黄色の固体として得た。MS m/e:229(M+H
【0196】
4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸3
cis/trans−4−トリフルオロメトキシ−シクロヘキサンカルボン酸
ジクロロメタン(13ml)中のN−ブロモスクシンイミド(4.95g、27.8mmol)の懸濁液に、連続的に乾燥ピリジン(2.5ml)及びフッ化水素酸ピリジン錯体70%(5.80ml、223mmol)を−45℃で加えた。混合物を0℃に温まるにまかせ、10分間撹拌した。ジクロロメタン(10ml)中のcis/trans−4−メチルスルファニルチオカルボキシオキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(1.46g、5.6mmol)の溶液を滴下した。0℃で1時間撹拌し、次いでtert−ブチルメチルエーテル(150ml)ならびに飽和重炭酸ナトリウム水溶液(20ml)、40%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(20ml)及び1M 水酸化ナトリウム水溶液(20ml)の混合物に分配した。さらに1M 水酸化ナトリウム水溶液(210ml)を加えることで、pHを9〜10に調整した。層を分離した。水層をtert−ブチルメチルエーテル100mlずつで2回抽出した。合わせた有機層を、1M 塩酸水溶液50mlずつで2回、及びブライン50mlで1回洗浄した。無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗cis/trans−4−トリフルオロメトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(0.57g)を、1,4−ジオキサン(18ml)及び2M 水酸化ナトリウム水溶液(11.8ml、23.7mmol)に溶解した。室温で18時間撹拌し、次いで1M 塩酸水溶液(20ml)を加えた。反応混合物を、酢酸エチル100mlずつで3回抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、標記化合物(0.37g、73%)を無定形の明褐色の固体として得て、次の工程で更に精製しないで用いた。MS m/e:211(M−H
【0197】
式(II)のヒドラジド中間体
一般工程IIIA:4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステルからのヒドラジド形成
n−ブタノール中の4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸エステル(1当量)及びヒドラジン水和物(2〜6当量)の混合物(0.2〜1M)を、16〜72時間加熱還流した。室温に冷却した後、反応混合物を酢酸エチル又はジクロロメタンのような有機溶媒及び水に分配した。層を分離し、水層を、有機溶媒で2回抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗製の標記化合物を得て、これを次の工程において更に精製しないで用いた。
【0198】
一般工程IIIB:4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸からのヒドラジド形成
テトラヒドロフラン中の4−アルコキシ−シクロヘキサンカルボン酸(1当量)及びトリエチルアミン(1当量)の溶液(0.2M)に、クロロギ酸エチルを0℃で加えた。反応混合物を1時間撹拌した。アンモニウム塩を濾過により除去した。濾液をメタノール中のヒドラジン水和物(2当量)の冷却した溶液(0.2M)に加えた。反応混合物を、室温で2〜16時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を酢酸エチル又はジクロロメタンのような有機溶媒及び水に分配した。有機層を分離した。水層を有機溶媒で2又は3回抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、粗製の標記化合物を得て、これを次の工程において更に精製しないで用いた。
【0199】
ヒドラジド1
cis/trans−4−メトキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド(1:1)
標記化合物を、無色の無定形固体として、cis/trans−4−メトキシ−シクロヘキサンカルボン酸から、一般工程IIIBにしたがって、収率55%で得た。MS m/e:173(M+H
【0200】
ヒドラジド2
trans−4−エトキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
標記化合物を、白色固体として、trans−4−エトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルから、一般工程IIIAにしたがって、収率70%で得た。MS m/e:187(M+H
【0201】
ヒドラジド3
cis−4−エトキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
標記化合物を、白色固体として、cis−4−エトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルから、一般工程IIIAにしたがって、収率76%で得た。MS m/e:187(M+H
【0202】
ヒドラジド4
trans−4−イソプロポキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
標記化合物を、オフホワイトの固体として、trans−4−イソプロポキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルから、一般工程IIIAにしたがって、収率70%で得た。MS m/e:201(M+H
【0203】
ヒドラジド5
cis−4−イソプロポキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
標記化合物を、白色固体として、cis−4−イソプロポキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルから、一般工程IIIAにしたがって、収率86%で得た。MS m/e:201(M+H
【0204】
ヒドラジド6
(RS)−trans−4−sec−ブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
標記化合物を、白色固体として、(RS)−trans−4−sec−ブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルから、一般工程IIIAにしたがって、収率93%で得た。MS(EI) m/e:214(M+H
【0205】
ヒドラジド7
trans−4−シクロブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
標記化合物を、白色固体として、trans−4−シクロブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルから、一般工程IIIAにしたがって、収率93%で得た。MS m/e:213(M+H
【0206】
ヒドラジド8
cis−4−シクロブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
標記化合物を、白色固体として、cis−4−シクロブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルから、一般工程IIIAにしたがって、収率91%で得た。MS m/e:213(M+H
【0207】
ヒドラジド9
trans−4−シクロペンチルオキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
標記化合物を、白色固体として、trans−4−シクロペンチルオキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルから、一般工程IIIAにしたがって、収率80%で得た。MS(EI) m/e:226(M+H
【0208】
ヒドラジド10
trans−4−シクロヘキシルオキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
標記化合物を、白色固体として、trans−4−シクロヘキシルオキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルから、一般工程IIIAにしたがって、収率88%で得た。MS m/e:241(M+H
【0209】
ヒドラジド11
cis−4−シクロヘキシルオキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
標記化合物を、白色固体として、cis−4−シクロヘキシルオキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルから、一般工程IIIAにしたがって、収率88%で得た。MS m/e:241(M+H
【0210】
ヒドラジド12
(RS)−trans−4−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド(1:1)
標記化合物を、白色固体として、(RS)−trans−4−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルから、一般工程IIIAにしたがって、収率75%で得た。MS m/e:231(M+H
【0211】
ヒドラジド13
(RS)−trans−4−(2−ヒドロキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
標記化合物を、無色の無定形固体として、(RS)−4−(2−アセトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルから、一般工程IIIAにしたがって、収率97%で得た。MS m/e:217(M+H
【0212】
ヒドラジド14
(RS)−trans−4−(3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロポキシ)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
標記化合物を、白色固体として、(RS)−trans−4−(3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロポキシ)−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルから、一般工程IIIAにしたがって、収率84%で得た。MS m/e:269(M+H
【0213】
ヒドラジド15
cis/trans−4−(オキセタン−3−イルオキシ)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド(1:3)
標記化合物を、白色固体として、cis/trans−4−(オキセタン−3−イルオキシ)−シクロヘキサンカルボン酸(1:3)から、一般工程IIIBにしたがって、収率53%で得た。MS m/e:215(M+H
【0214】
ヒドラジド16
cis/trans−4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド(1:2)
標記化合物を、黄色の固体として、cis/trans−4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−シクロヘキサンカルボン酸(1:2)から、一般工程IIIBにしたがって、収率88%で得た。MS m/e:243(M+H
【0215】
ヒドラジド17
cis/trans−4−トリフルオロメトキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
標記化合物を、黄色の固体として、cis/trans−4−トリフルオロメトキシ−シクロヘキサンカルボン酸から、一般工程IIIBにしたがって、収率86%で得た。MS m/e:227(M+H
【0216】
ヒドラジド18
trans−4−tert−ブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
標記化合物を、白色固体として、trans−4−tert−ブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルから、一般工程IIIAにしたがって、収率81%で得た。MS m/e:215(M+H
【0217】
ヒドラジド19
cis−4−tert−ブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
標記化合物を、明黄色の固体として、cis−4−tert−ブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸エチルエステルから、一般工程IIIAにしたがって、定量的収率で得た。MS m/e:215(M+H
【0218】
式(III)のチオラクタム中間体
7−クロロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0219】
a)4−クロロ−2−クロロメチル−1−ニトロ−ベンゼン
ジクロロメタン(840ml)中の5−クロロ−2−ニトロベンジルアルコール(80g、0.42mol)及びトリエチルアミン(64ml、0.46mol)の溶液に、水浴による冷却で内部温度を32℃以下に保ちながら、塩化チオニル(34ml、0.46mol)を30分の間滴下した。反応混合物を3時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を温tert−ブチルメチルエーテル(970ml)でトリチュレートした。アンモニウム塩を濾過により除去し、濾液を減圧下で濃縮して、標記化合物(85g、99%)を褐色の油状物として得て、これを次の工程においてさらに精製することなく使用した。MS m/e:205(M)。
【0220】
b)(5−クロロ−2−ニトロ−ベンジルアミノ)−酢酸エチルエステル
エタノール(1000ml)中の4−クロロ−2−クロロメチル−1−ニトロ−ベンゼン(85g、0.41mol)、グリシンエチルエステル塩酸塩(70g、0.50mol)及びトリエチルアミン(121.4ml、0.8665mol)の混合物を、8時間加熱還流した。溶媒を蒸発させ、残留物を温tert−ブチルメチルエーテルでトリチュレートした。アンモニウム塩を濾過により除去し、濾液を減圧下で濃縮して、標記化合物(111g、99%)を無定形の褐色固体として得て、これを次の工程において精製することなく使用した。MS m/e:273(M+H)。
【0221】
c)[tert−ブトキシカルボニル−(5−クロロ−2−ニトロ−ベンジル)−アミノ]−酢酸エチルエステル
ジクロロメタン(1200ml)中の(5−クロロ−2−ニトロ−ベンジルアミノ)−酢酸エチルエステル(110g、0.403mol)、ジ−tert−ブチルジカルボナート(180g、0.807mol)及び4−N,N−ジメチルアミノピリジン(2.51g、0.0202mol)の溶液を、0℃で2時間、さらに室温で16時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗生成物を、シクロヘキサン/酢酸エチル混合物を溶離剤として用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、標記化合物(76.4g、51%)を明黄色の粘性油状物として得た。MS m/e:373(M+H)。
【0222】
d)[(2−アミノ−5−クロロ−ベンジル)−tert−ブトキシカルボニル−アミノ]−酢酸エチルエステル
酢酸エチル(1200ml)中の[tert−ブトキシカルボニル−(5−クロロ−2−ニトロ−ベンジル)−アミノ]−酢酸エチルエステル(69.0g、0.186mol)の溶液に、臭化亜鉛(8.5g、0.037mol)を加えた。反応混合物をアルゴンで15分間パージした。パラジウム触媒(活性炭上10%、7.9g、0.0074mol)の添加後、混合物を周囲圧力で約48時間かけて、13 lの水素ガスが消費されるまで水素化した。触媒を濾過により除去し、濾液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液及びブラインで各々2回ずつ洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、標記化合物(60.6g、95.5%)を黄色のロウ状の固体として得た。MS m/e:343(M+H)。
【0223】
e)7−クロロ−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
テトラヒドロフラン(600ml)中の[(2−アミノ−5−クロロ−ベンジル)−tert−ブトキシカルボニル−アミノ]−酢酸エチルエステル(60g、0.18mol)の溶液に、氷−水バッチ(bacth)での冷却下、5℃でカリウムtert−ブトキシド(22g、0.19mol)を少量ずつ加えた。完全に加えた後、冷却浴を除去し、反応混合物を室温で3時間撹拌し、次いで水(400ml)、飽和塩化アンモニウム水溶液(280ml)及び酢酸エチル(800ml)を加えた。10分後沈殿物を濾過により回収した。濾液から層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を、先に濾過により回収した沈殿物と合わせ、熱酢酸エチルから再結晶して、標記化合物(46g、88%)を白色固体として得た。MS m/e:295(M−H)。
【0224】
f)7−クロロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
テトラヒドロフラン(1100ml)中の7−クロロ−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(41.1g、0.139mol)及び2,4−ビス−(4−メトキシフェニル)−1,3,2,4−ジチアジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(31.5g、0.0763mol)の混合物を、3時間加熱還流した。溶媒を蒸発させ、残留物をtert−ブチルメチルエーテルでトリチュレートした。沈殿物を濾過により除去し、濾液を濃縮乾燥した。残留物を熱エタノールから再結晶し、標記化合物(37.5g、86.4%)を明黄色の固体として得た。MS m/e:311(M−H)。
【0225】
7−フルオロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
標記化合物を、7−クロロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステルの合成のための上記工程にしたがって、工程a)において5−クロロ−2−ニトロベンジルアルコールに代えて、5−フルオロ−2−ニトロベンジルアルコールを用いて明黄色の固体として同程度の収率で得た。MS m/e:297(M−H)。
【0226】
一般工程IV:ヒドラジド及びチオラクタムのトリアゾールへの縮合
n−ブタノール中の式(II)のヒドラジド誘導体(1〜1.5当量)及び式(III)のチオラクタム(1当量)の混合物(0.1〜0.2M)を、16〜72時間加熱還流した。室温に冷却した後、溶媒を蒸発させ、残留物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、式(I)の化合物を得た。式(III-1)のチオラクタム(式(III)においてRがtert−ブトキシカルボニルである化合物)を用いる場合、その結果得られた式(I-a)のトリアゾール生成物のN−tert−ブトキシカルボニル基は部分的に又は完全に熱的に開裂されていてもよく、式(I-b)の第二級アミン誘導体が追加の又は単一の生成物として得られる。
【0227】
一般工程V:N−tert−ブトキシカルボニル(N−BOC)基の開裂
1.25Mのメタノール又は1.5M エタノールの塩化水素溶液中の、一般式(I-a)のN−BOC誘導体(1当量)の溶液(HCl 10〜20当量)を、50℃で15〜60分間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、一般式(I-b)の第二級アミン誘導体を塩酸塩として得た。場合により、塩酸塩を1M 水酸化ナトリウム水溶液及び有機溶媒、例えば酢酸エチル又はジクロロメタンの間に分配することによって、遊離塩基を得ることができる。層を分離し、水層を有機溶媒で2回抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、式(I-b)の化合物の遊離塩基を得た。
【0228】
一般工程VI:還元的N−アルキル化
メタノール中の、遊離塩基又は塩酸塩としての式(I-b)の化合物(1当量、0.1〜0.2M)、トリエチルアミン(式(I-b)の化合物の塩酸塩を用いるとき、1当量)及びアルデヒド又はケトン(8当量)の混合物を、2〜6時間加熱還流した。0℃に冷却した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(2〜3当量)を加えた。反応混合物を室温で3〜16時間撹拌し、1M 水酸化ナトリウム水溶液でクエンチした。水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーは、式(I)のN−アルキル誘導体を与えた。
【0229】
実施例1
cis−8−クロロ−1−(4−メトキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン
a)cis/trans−8−クロロ−1−(4−メトキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル(1:1)
ヒドラジド:cis/trans−4−メトキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド(1:1)
チオラクタム:7−クロロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
標記化合物を、一般工程IVを用いて、褐色の固体として収率53%で得た。
MS m/e:433(M+H
【0230】
b)cis/trans−8−クロロ−1−(4−メトキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン(1:1)
標記化合物を、cis/trans−8−クロロ−1−(4−メトキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル(1:1)から、一般工程Vを用いて、明褐色の固体として定量的収率で得た。MS m/e:333(M+H
【0231】
c)cis−8−クロロ−1−(4−メトキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン
標記化合物を、cis/trans−8−クロロ−1−(4−メトキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン(1:1)及びパラホルムアルデヒドから、一般工程VIにしたがって、n−ヘプタン/2−プロパノール(7:3)を溶離剤とする、Chiralpak ADカラム上の分取HPLCによって精製した後、白色固体として収率4%で得た。MS m/e:347(M+H)。
【0232】
実施例2
trans−8−クロロ−1−(4−エトキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル
標記化合物を、一般工程IVを用いて白色固体として収率77%で得た。
ヒドラジド:trans−4−エトキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
チオラクタム:7−クロロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
MS m/e:447(M+H
【0233】
実施例3
trans−8−クロロ−1−(4−エトキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩
標記化合物を、trans−8−クロロ−1−(4−エトキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステルから、一般工程Vを用いて、白色固体として定量的収率で得た。MS m/e:347(M+H
【0234】
実施例4
trans−8−クロロ−1−(4−エトキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン
標記化合物を、trans−8−クロロ−1−(4−エトキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩及びパラホルムアルデヒドから、一般工程VIを用いて白色固体として、収率79%で得た。MS m/e:361(M+H)。
【0235】
実施例5
cis−8−クロロ−1−(4−エトキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル
標記化合物を、一般工程IVを用いて白色固体として収率37%で得た。
ヒドラジド:cis−4−エトキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
チオラクタム:7−クロロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
MS m/e:447(M+H
【0236】
実施例6
cis−8−クロロ−1−(4−エトキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩
標記化合物を、cis−8−クロロ−1−(4−エトキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステルから、一般工程Vを用いて白色固体として収率91%で得た。MS m/e:347(M+H
【0237】
実施例7
cis−8−クロロ−1−(4−エトキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン
標記化合物を、trans−8−クロロ−1−(4−エトキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩及びパラホルムアルデヒドから、一般工程VIを用いて白色固体として収率50%で得た。MS m/e:361(M+H)。
【0238】
実施例8
trans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル
標記化合物を、一般工程IVを用いて白色固体として収率38%で得た。
ヒドラジド:trans−4−イソプロポキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
チオラクタム:7−クロロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル MS m/e:461(M+H
【0239】
実施例9
trans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩
標記化合物を、trans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステルから、一般工程Vを用いて白色固体として定量的収率で得た。MS m/e:361(M+H
【0240】
実施例10
trans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン
標記化合物を、trans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩及びパラホルムアルデヒドから、一般工程VIを用いて白色固体として収率78%で得た。MS m/e:375(M+H)。
【0241】
実施例11
trans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5−メタンスルホニル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン
ジクロロメタン(5ml)中のtrans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩(0.070g、0.18mmol)及びトリエチルアミン(0.052ml、0.37mmol)の溶液に、メタンスルホニルクロリド(0.015ml、0.19mmol)を室温で加えた。19時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。n−ヘプタン/2−プロパノールを溶離剤として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより、標記化合物(0.004g、5%)を黄色の固体として得た。MS m/e:439(M+H)。
【0242】
実施例12
trans−2−[8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−イル]−エタノール
標記化合物を、trans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩及びグリコールアルデヒドから、一般工程VIを用いて白色固体として収率50%で得た。MS m/e:405(M+H
【0243】
実施例13
trans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5−イソプロピル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン
標記化合物を、trans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩及びアセトンから、一般工程VIを用いて白色固体として収率25%で得た。MS m/e:403(M+H
【0244】
実施例14
trans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−スルホン酸ジメチルアミド
ジクロロメタン(3ml)中のtrans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩(0.070g、0.18mmol)及びトリエチルアミン(0.037ml、0.26mmol)の溶液に、N,N−ジメチルスルファモイルクロリド(0.028ml、0.26mmol)を室温で加えた。65時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。n−ヘプタン/2−プロパノールを溶離剤として用いるフラッシュクロマトグラフィーは、標記化合物(0.063g、77%)を白色の固体として与えた。MS m/e:468(M+H)。
【0245】
実施例15
trans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5−ピリジン−2−イルメチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン
アセトニトリル(1ml)中のtrans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩(0.070g、0.18mmol)及び炭酸カリウム(0.073ml、0.53mmol)の混合物に、2−(ブロモメチル)ピリジン臭化水素酸塩(0.048g、0.18mmol)を室温で加えた。50℃で20時間撹拌し、次いで1M 水酸化ナトリウム水溶液(30ml)及びジクロロメタン(30ml)に分配した。層を分離した。水層を、ジクロロメタン30mlずつで2回抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。n−ヘプタン/2−プロパノールを溶離剤として用いるフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、標記化合物(0.046g、58%)を黄色の油状物として与えた。MS m/e:452(M+H)。
【0246】
実施例16
trans−酢酸2−[8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−イル]−2−オキソ−エチルエステル
ジクロロメタン(5ml)中のtrans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩(0.090g、0.23mmol)及びトリエチルアミン(0.066ml、0.48mmol)の溶液に、アセトキシアセチルクロリド(0.031g、0.25mmol)を室温で加えた。19時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。n−ヘプタン/2−プロパノールを溶離剤として用いるフラッシュクロマトグラフィーは、標記化合物(0.073g、70%)を白色固体として与えた。MS m/e:461(M+H)。
【0247】
実施例17
trans−1−[8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−イル]−2−ヒドロキシ−エタノン
メタノール(5ml)中のtrans−酢酸2−[8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−イル]−2−オキソ−エチルエステルの溶液に、メタノール中30%ナトリウムメトキシド溶液を室温で1滴加えた。40分間の撹拌に次いで、水でクエンチした。混合物をtert−ブチルメチルエーテルで3回抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。n−ヘプタン/2−プロパノールを溶離剤として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより、標記化合物(0.033g、49%)を白色固体として得た。MS m/e:419(M+H)。
【0248】
実施例18
trans−1−[8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−イル]−エタノン
ジクロロメタン(5ml)中のtrans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩(0.080g、0.20mmol)及びトリエチルアミン(0.059ml、0.42mmol)の溶液に、アセチルクロリド(0.016ml、0.22mmol)を室温で加えた。19時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。n−ヘプタン/2−プロパノールを溶離剤として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより、標記化合物(0.062g、77%)を白色固体として得た。MS m/e:403(M+H)。
【0249】
実施例19
trans−8−フルオロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル
標記化合物を、一般工程IVを用いて白色固体として収率60%で得た。
ヒドラジド:trans−4−イソプロポキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
チオラクタム:7−フルオロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
MS m/e:445(M+H
【0250】
実施例20
trans−8−フルオロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩
標記化合物を、trans−8−フルオロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステルから、一般工程Vを用いて白色固体として定量的収率で得た。MS m/e:345(M+H
【0251】
実施例21
trans−8−フルオロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン
標記化合物を、trans−8−フルオロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩及びパラホルムアルデヒドから、一般工程VIを用いて白色固体として収率77%で得た。MS m/e:359(M+H)。
【0252】
実施例22
cis−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル
標記化合物を、一般工程IVを用いて白色固体として収率64%で得た。
ヒドラジド:cis−4−イソプロポキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
チオラクタム:7−クロロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
MS m/e:461(M+H
【0253】
実施例23
cis−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩
標記化合物を、cis−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステルから、一般工程Vを用いて白色固体として定量的収率で得た。MS m/e:361(M+H
【0254】
実施例24
cis−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン
標記化合物を、cis−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩及びパラホルムアルデヒドから、一般工程VIを用いて白色固体として収率90%で得た。MS m/e:359(M+H)。
【0255】
実施例25
(RS)−trans−1−(4−sec−ブトキシ−シクロヘキシル)−8−クロロ−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル
標記化合物を、一般工程IVを用いて白色固体として収率71%で得た。
ヒドラジド:(RS)−trans−4−sec−ブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
チオラクタム:7−クロロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
MS m/e:475(M+H
【0256】
実施例26
(RS)−trans−1−(4−sec−ブトキシ−シクロヘキシル)−8−クロロ−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩
標記化合物を、(RS)−trans−1−(4−sec−ブトキシ−シクロヘキシル)−8−クロロ−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステルから、一般工程Vを用いてオフホワイトの固体として定量的収率で得た。MS m/e:375(M+H
【0257】
実施例27
(RS)−trans−1−(4−sec−ブトキシ−シクロヘキシル)−8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン
標記化合物を、(RS)−trans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩及びパラホルムアルデヒドから、一般工程VIを用いて白色固体として収率66%で得た。MS m/e:389(M+H)。
【0258】
実施例28
(+)−trans−1−(4−sec−ブトキシ−シクロヘキシル)−8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン
及び
実施例29
(−)−trans−1−(4−sec−ブトキシ−シクロヘキシル)−8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン
(+)−trans−1−(4−sec−ブトキシ−シクロヘキシル)−8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン、及び(−)−trans−1−(4−sec−ブトキシ−シクロヘキシル)−8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレンを、n−ヘプタン/エタノール(4:1)を溶離剤として用いる、Chiralpak ADカラム上でのキラルHPLC分離により、(RS)−trans−1−(4−sec−ブトキシ−シクロヘキシル)−8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレンから得た。
(+)−trans−1−(4−sec−ブトキシ−シクロヘキシル)−8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン(0.068g、36%)を白色固体として得た。
(MS m/e:389(M+H)、[α]=+17.2(c=0.414、CHCl、20℃)
(−)−trans−1−(4−sec−ブトキシ−シクロヘキシル)−8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン(0.035g、18%)を、白色固体として得た。
(MS m/e:389(M+H)、[α]=−15.5(c=0.414、CHCl、20℃)。
【0259】
実施例30
trans−8−クロロ−1−(4−シクロブトキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル
標記化合物を、一般工程IVを用いて白色固体として収率86%で得た。
ヒドラジド:trans−4−シクロブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
チオラクタム:7−クロロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
MS m/e:473(M+H
【0260】
実施例31
trans−8−クロロ−1−(4−シクロブトキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩
標記化合物を、trans−8−クロロ−1−(4−シクロブトキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステルから、一般工程Vを用いてオフホワイトの固体として収率87%で得た。MS m/e:373(M+H
【0261】
実施例32
trans−8−クロロ−1−(4−シクロブトキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン
標記化合物を、trans−8−クロロ−1−(4−シクロブトキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩及びパラホルムアルデヒドから、一般工程VIを用いて白色固体として、収率51%で得た。MS m/e:387(M+H)。
【0262】
実施例33
cis−8−クロロ−1−(4−シクロブトキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル
標記化合物を、一般工程IVを用いて白色固体として収率95%で得た。
ヒドラジド:cis−4−シクロブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
チオラクタム:7−クロロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
MS m/e:473(M+H
【0263】
実施例34
cis−8−クロロ−1−(4−シクロブトキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩
標記化合物を、cis−8−クロロ−1−(4−シクロブトキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステルから、一般工程Vを用いてオフホワイトの固体として定量的収率で得た。MS m/e:373(M+H
【0264】
実施例35
cis−8−クロロ−1−(4−シクロブトキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン
標記化合物を、cis−8−クロロ−1−(4−シクロブトキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩及びパラホルムアルデヒドから、一般工程VIを用いて白色固体として定量的収率で得た。MS m/e:387(M+H)。
【0265】
実施例36
trans−8−クロロ−1−(4−シクロペンチルオキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル
標記化合物を、一般工程IVを用いて明褐色の固体として収率65%で得た。
ヒドラジド:trans−4−シクロペンチルオキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
チオラクタム:7−クロロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
MS m/e:487(M+H
【0266】
実施例37
trans−8−クロロ−1−(4−シクロペンチルオキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩
標記化合物を、trans−8−クロロ−1−(4−シクロペンチルオキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステルから、一般工程Vを用いて明褐色の固体として収率75%で得た。MS m/e:387(M+H
【0267】
実施例38
trans−8−クロロ−1−(4−シクロペンチルオキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン
標記化合物を、trans−8−クロロ−1−(4−シクロペンチルオキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩及びパラホルムアルデヒドから、一般工程VIを用いて白色固体として収率56%で得た。MS m/e:401(M+H
【0268】
実施例39
trans−8−クロロ−1−(4−シクロへキシルオキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル
標記化合物を、一般工程IVを用いて白色固体として収率74%で得た。
ヒドラジド:trans−4−シクロへキシルオキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
チオラクタム:7−クロロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
MS m/e:501(M+H
【0269】
実施例40
trans−8−クロロ−1−(4−シクロへキシルオキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン塩酸塩
標記化合物を、trans−8−クロロ−1−(4−シクロへキシルオキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステルから、一般工程Vを用いて白色固体として収率97%で得た。MS m/e:401(M+H)。
【0270】
実施例41
trans−8−クロロ−1−(4−シクロへキシルオキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン
標記化合物を、trans−8−クロロ−1−(4−シクロへキシルオキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン塩酸塩及びパラホルムアルデヒドから、一般工程VIを用いてオフホワイトの固体として収率69%で得た。MS m/e:415(M+H)。
【0271】
実施例42
cis−8−クロロ−1−(4−シクロへキシルオキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル
標記化合物を、一般工程IVを用いて白色固体として収率74%で得た。
ヒドラジド:cis−4−シクロへキシルオキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
チオラクタム:7−クロロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
MS m/e:501(M+H
【0272】
実施例43
cis−8−クロロ−1−(4−シクロへキシルオキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン塩酸塩
標記化合物を、cis−8−クロロ−1−(4−シクロへキシルオキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステルから、一般工程Vを用いて白色固体として定量的収率で得た。MS m/e:401(M+H)。
【0273】
実施例44
cis−8−クロロ−1−(4−シクロへキシルオキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン
標記化合物を、cis−8−クロロ−1−(4−シクロへキシルオキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン塩酸塩及びパラホルムアルデヒドから、一般工程VIを用いてオフホワイトの固体として収率75%で得た。MS m/e:415(M+H)。
【0274】
実施例45
(RS)−trans−8−クロロ−1−[4−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル
標記化合物を、一般工程IVを用いて白色固体として54%で得た。
ヒドラジド:(RS)−trans−4−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
チオラクタム:7−クロロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
MS m/e:491(M+H
【0275】
実施例46
(RS)−trans−8−クロロ−1−[4−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキシル]−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩
標記化合物を、(RS)−trans−8−クロロ−1−[4−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]−アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステルから、一般工程Vを用いてオフホワイトの固体として定量的収率で得た。MS m/e:391(M+H)。
【0276】
実施例47
(RS)−trans−8−クロロ−1−[4−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキシル]−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン
標記化合物を、(RS)−trans−8−クロロ−1−[4−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキシル]−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]−アズレン塩酸塩及びパラホルムアルデヒドから、一般工程VIを用いて白色固体として収率79%で得た。MS m/e:405(M+H)。
【0277】
実施例48
(+)−trans−8−クロロ−1−[4−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキシル]−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン
及び
実施例49
(−)−trans−8−クロロ−1−[4−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキシル]−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン
(+)−trans−8−クロロ−1−[4−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキシル]−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン、及び(−)−trans−8−クロロ−1−[4−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキシル]−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレンを、(RS)−trans−8−クロロ−1−[4−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキシル]−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレンから、n−ヘプタン/エタノール(3:1)を溶離剤として用いるChiralpak ADカラム上でのキラルHPLC分離によって得た。
(+)−trans−8−クロロ−1−[4−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキシル]−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン(0.081g、39%)を、白色固体として得た。
(MS m/e:405(M+H)、[α]=+5.75(c=0.574、CHCl、20℃)
(−)−trans−8−クロロ−1−[4−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキシル]−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン(0.078g、37%)を、白色固体として得た。
(MS m/e:405(M+H)、[α]=−5.76(c=0.538、CHCl、20℃)。
【0278】
実施例50
(RS)−trans−8−クロロ−1−[4−(2−ヒドロキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル
標記化合物を、一般工程IVを用いて明黄色の固体として収率39%で得た。
ヒドラジド:(RS)−trans−4−(2−ヒドロキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
チオラクタム:7−クロロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
MS m/e:477(M+H)。
【0279】
実施例51
(RS)−trans−2−[4−(8−クロロ−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−1−イル)−シクロへキシルオキシ]−プロパン−1−オール塩酸塩
標記化合物を、(RS)−trans−8−クロロ−1−[4−(2−ヒドロキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステルから、一般工程Vを用いて明褐色の固体として定量的収率で得た。
MS m/e:377(M+H).
【0280】
実施例52
(RS)−trans−2−[4−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−1−イル)−シクロへキシルオキシ]−プロパン−1−オール
標記化合物を、(RS)−trans−2−[4−(8−クロロ−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−1−イル)−シクロへキシルオキシ]−プロパン−1−オール塩酸塩及びパラホルムアルデヒドから、一般工程VIを用いてオフホワイトの固体として収率59%で得た。MS m/e:391(M+H)。
【0281】
実施例53
(RS)−trans−8−クロロ−1−[4−(2−フルオロ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキシル]−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン
ジクロロメタン(2ml)中の(RS)−trans−2−[4−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−1−イル)−シクロへキシルオキシ]−プロパン−1−オール(0.055g、0.14mmol)の溶液に、[ビス(2−メトキシエチル)−アミノ]硫黄トリフルオリド(0.031ml、0.17mmol)を0〜5℃で加えた。室温で18時間撹拌し、次いでさらに[ビス(2−メトキシエチル)−アミノ]硫黄トリフルオリド(0.016ml、0.08mmol)を加え、4時間撹拌した。反応混合物を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(30ml)及び酢酸エチル(30ml)に分配した。層を分離し、水層を酢酸エチル30mlずつで2回抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。n−ヘプタン/2−プロパノールを溶離剤として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより、標記化合物(0.020g、36%)を白色固体として得た。MS m/e:393(M+H)。
【0282】
実施例54
(RS)−trans−8−クロロ−1−[4−(3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロポキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル
標記化合物を、一般工程IVを用いて白色固体として収率28%で得た。
ヒドラジド:trans−4−(3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロポキシ)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
チオラクタム:7−クロロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
MS m/e:529(M+H
【0283】
実施例55
(RS)−trans−8−クロロ−1−[4−(3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロポキシ)−シクロヘキシル]−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩
標記化合物を、(RS)−trans−8−クロロ−1−[4−(3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロポキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]−アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステルから、一般工程Vを用いてオフホワイトの固体として定量的収率で得た。MS m/e:429(M+H)。
【0284】
実施例56
(RS)−trans−8−クロロ−5−メチル−1−[4−(3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロポキシ)−シクロヘキシル]−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン
標記化合物を、(RS)−trans−8−クロロ−1−[4−(3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロポキシ)−シクロヘキシル]−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]−アズレン塩酸塩及びパラホルムアルデヒドから、一般工程VIを用いて白色固体として収率55%で得た。MS m/e:443(M+H)。
【0285】
実施例57
trans−8−クロロ−1−[4−(オキセタン−3−イルオキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル
標記化合物を、一般工程IVを用いて白色固体として収率51%で得た。
ヒドラジド:cis/trans−4−(オキセタン−3−イルオキシ)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
チオラクタム:7−クロロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
MS m/e:475(M+H
【0286】
実施例58
trans−8−クロロ−5−メチル−1−[4−(オキセタン−3−イルオキシ)−シクロヘキシル]−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン
a)(RS)−trans−3−クロロ−2−[4−(8−クロロ−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−1−イル)−シクロへキシルオキシ]−プロパン−1−オール塩酸塩
標記化合物を、trans−8−クロロ−1−[4−(オキセタン−3−イルオキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステルから、一般工程Vを用いてオフホワイトの固体として定量的収率で得た。MS m/e:411(M+H)。
【0287】
b)(RS)−trans−3−クロロ−2−[4−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−1−イル)−シクロへキシルオキシ]−プロパン−1−オール
標記化合物を、(RS)−trans−3−クロロ−2−[4−(8−クロロ−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−1−イル)−シクロへキシルオキシ]−プロパン−1−オ−ル塩酸塩及びパラホルムアルデヒドから、一般工程VIを用いてオフホワイトの固体として収率87%で得た。MS m/e:425(M+H)。
【0288】
c)trans−8−クロロ−5−メチル−1−[4−(オキセタン−3−イルオキシ)−シクロヘキシル]−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン
トルエン(2ml)中の(RS)−trans−3−クロロ−2−[4−(8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−1−イル)−シクロへキシルオキシ]−プロパン−1−オール(0.045g、0.11mmol)の溶液に、カリウムtert−ブトキシド(0.013g、0.12mmol)を加えた。反応混合物を、2時間加熱還流した。室温に冷却した後、混合物を酢酸エチル及び水に分配した。層を分離した。水層を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。n−ヘプタン/2−プロパノールを溶離剤として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより、標記化合物(0.10g、24%)を白色固体として得た。MS m/e:389(M+H)。
【0289】
実施例59
trans−8−クロロ−1−[4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル
及び
実施例60
cis−8−クロロ−1−[4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル
trans−8−クロロ−1−[4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル、及びcis−8−クロロ−1−[4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステルを、一般工程IVにしたがって、フラッシュカラムクロマトグラフィーによる分離の後に得た。
ヒドラジド:cis/trans−4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド(1:2)
チオラクタム:7−クロロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
trans−8−クロロ−1−[4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステルを、白色の泡状物として収率26%で得た。
MS m/e:503(M+H
cis−8−クロロ−1−[4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステルを、白色の泡状物として収率14%で得た。
MS m/e:503(M+H
【0290】
実施例61
trans−8−クロロ−1−[4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−シクロヘキシル]−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン塩酸塩
標記化合物を、trans−8−クロロ−1−[4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステルから、一般工程Vを用いて白色固体として定量的収率で得た。MS m/e:403(M+H)。
【0291】
実施例62
trans−8−クロロ−5−メチル−1−[4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−シクロヘキシル]−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン
標記化合物を、trans−8−クロロ−1−[4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−シクロヘキシル]−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン塩酸塩及びパラホルムアルデヒドから、一般工程VIを用いて白色の泡状物として収率72%で得た。MS m/e:417(M+H)。
【0292】
実施例63
cis−8−クロロ−1−[4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−シクロヘキシル]−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン塩酸塩
標記化合物を、cis−8−クロロ−1−[4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステルから、一般工程Vを用いて白色固体として定量的収率で得た。MS m/e:403(M+H)。
【0293】
実施例64
cis−8−クロロ−5−メチル−1−[4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−シクロヘキシル]−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン
標記化合物を、cis−8−クロロ−1−[4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−シクロヘキシル]−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン塩酸塩及びパラホルムアルデヒドから、一般工程VIを用いてオフホワイトの固体として収率72%で得た。MS m/e:417(M+H)。
【0294】
実施例65
trans−8−クロロ−1−(4−トリフルオロメトキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル
標記化合物を、一般工程IVを用いて明黄色の固体として収率33%で得た。
ヒドラジド:cis/trans−4−トリフルオロメトキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
チオラクタム:7−クロロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
MS m/e:487(M+H
【0295】
実施例66
trans−8−クロロ−1−(4−トリフルオロメトキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩
標記化合物を、trans−8−クロロ−1−(4−トリフルオロメトキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステルから、一般工程Vを用いて明黄色の固体として定量的収率で得た。
MS m/e:387(M+H)。
【0296】
実施例67
trans−8−クロロ−5−メチル−1−(4−トリフルオロメトキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン
標記化合物を、trans−8−クロロ−1−(4−トリフルオロメトキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩及びパラホルムアルデヒドから、一般工程VIを用いて白色固体として収率76%で得た。
MS m/e:401(M+H)。
【0297】
実施例68
trans−1−(4−tert−ブトキシ−シクロヘキシル)−8−クロロ−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル
標記化合物を、一般工程IVを用いて明黄色の固体として収率55%で得た。
ヒドラジド:trans−4−tert−ブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
チオラクタム:7−クロロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル
MS m/e:475(M+H
【0298】
実施例69
cis−1−(4−tert−ブトキシ−シクロヘキシル)−8−クロロ−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル
標記化合物を、一般工程IVを用いて明褐色の固体として収率63%で得た。
ヒドラジド:cis−4−tert−ブトキシ−シクロヘキサンカルボン酸ヒドラジド
チオラクタム:7−クロロ−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル。MS m/e:475(M+H

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化19】


[式中、
は、
非置換であるか、又は1つ以上のハロ、ヒドロキシ、シアノもしくはC1−12−アルコキシで置換されているC1−12−アルキル、
非置換であるか、又はBから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されているC3−7−シクロアルキル、
O、N又はSから選択される1つ又は2つのヘテロ原子を含む4員〜7員ヘテロシクロアルキル(該ヘテロシクロアルキルは、非置換であるか、又はBから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されている)であり、
は、
H、
非置換であるか、又は1つ以上のOH、ハロ、シアノもしくはC1−12−アルコキシで置換されているC1−12−アルキル、
−(CH−R(ここで、Rは、各々非置換であるか又はAから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されている、フェニル又は5員もしくは6員ヘテロアリールである)、
−(CHNRii
−C(O)−C1−12−アルキル(ここで、アルキルは、非置換であるか、又は1つ以上のOH、ハロ、シアノもしくはC1−12−アルコキシで置換されている)、
−C(O)(CHOC(O)−C1−12−アルキル、
−C(O)(CHNRii
−C(O)O−C1−12−アルキル(ここで、アルキルは、非置換であるか、又は1つ以上のOH、ハロ、シアノもしくはC1−12−アルコキシで置換されている)、
−S(O)−C1−12−アルキル、
−S(O)NRiiであり、
及びRiiは、各々独立して、H、C1−12−アルキルであるか、又はそれらが結合している窒素と一緒になって、N、O又はSから選択される1つ又は2つのヘテロ原子を含む3員〜7員ヘテロシクロアルキル(該ヘテロシクロアルキルは、非置換であるか、又はBから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されている)を形成し、
qは、1、2、3又は4であり、
rは、2、3又は4であり、
Aは、ハロ、シアノ、OH、C1−7−アルキル、ハロ−C1−7−アルキル又はC1−7−アルコキシであり、
Bは、オキソ、ハロ、OH、C1−7−アルキル又はC1−7−アルコキシであり、
は、Cl又はFである]で示される化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
が、
非置換であるか、又は1つ以上のハロ、ヒドロキシもしくはC1−12−アルコキシで置換されているC1−12−アルキル、
3−7シクロアルキル、あるいは
O又はSから選択される1つ又は2つのヘテロ原子を含む4員〜7員ヘテロシクロアルキル(該ヘテロシクロアルキルは、非置換であるか、又は1つ以上のオキソ、ハロ、OH、C1−7−アルキルもしくはC1−7−アルコキシで置換されている)である、
請求項1記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
が、C1−12−アルキル又はC3−7シクロアルキルである、請求項1又は2のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
が、−CF、−CH(CH)CHCF、−CH(CH)CHF、−CH(CH)CHOH、−CH(CH)CHOMe、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、エチル、i−プロピル、メチル、オキセタニル、sec−ブチル、t−ブチル又はテトラヒドロピラニルである、請求項1又は2のいずれか一項記載の化合物。
【請求項5】
が、i−プロピル、シクロブチル又はシクロペンチルである、請求項1〜4のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
が、
H、
非置換であるか又は1つ以上のOHで置換されているC1−12−アルキル、
−(CH−R(ここで、Rは、フェニル又は5員もしくは6員ヘテロアリールであり、qは、1、2、3又は4である)、
−C(O)−C1−12−アルキル(ここで、アルキルは、非置換であるか又は1つ以上のOHで置換されている)、
−C(O)(CHOC(O)−C1−12−アルキル(ここで、qは、1、2、3又は4である)、
−C(O)O−C1−12−アルキル、
−S(O)−C1−12−アルキル、又は
−S(O)NRii(ここで、R及びRiiは、各々独立して、H又はC1−12−アルキルである)である、
請求項1〜5のいずれか一項記載の化合物。
【請求項7】
が、C1−12−アルキルである、請求項1〜6のいずれか一項記載の化合物。
【請求項8】
が、2−ヒドロキシ−エチル、−C(O)CHOC(O)メチル、−C(O)ヒドロキシメチル、−C(O)メチル、−C(O)O−t−ブチル、−CH−ピリジン−2−イル、H、i−プロピル、メチル、−S(O)メチル又は−S(O)N(メチル)である、請求項1〜6のいずれか一項記載の化合物。
【請求項9】
が、メチルである、請求項1〜8のいずれか一項記載の化合物。
【請求項10】
が、Clである、請求項1〜9のいずれか一項記載の化合物。
【請求項11】
化合物が、下記:
trans−8−クロロ−1−(4−エトキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
trans−8−クロロ−1−(4−エトキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン;
trans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
trans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン;
trans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5−メタンスルホニル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン;
trans−2−[8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−イル]−エタノール;
trans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5−イソプロピル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン;
trans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−スルホン酸ジメチルアミド;
trans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5−ピリジン−2−イルメチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン;
trans−酢酸2−[8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−イル]−2−オキソ−エチルエステル;
trans−1−[8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−イル]−2−ヒドロキシ−エタノン;
trans−1−[8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−イル]−エタノン;
trans−8−フルオロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
cis−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
(RS)−trans−1−(4−sec−ブトキシ−シクロヘキシル)−8−クロロ−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
(RS)−trans−1−(4−sec−ブトキシ−シクロヘキシル)−8−クロロ−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩;
(RS)−trans−1−(4−sec−ブトキシ−シクロヘキシル)−8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン;
(+)−trans−1−(4−sec−ブトキシ−シクロヘキシル)−8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン;
(−)−trans−1−(4−sec−ブトキシ−シクロヘキシル)−8−クロロ−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン;
trans−8−クロロ−1−(4−シクロブトキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
trans−8−クロロ−1−(4−シクロブトキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩;
trans−8−クロロ−1−(4−シクロブトキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン;
cis−8−クロロ−1−(4−シクロブトキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
cis−8−クロロ−1−(4−シクロブトキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン;
trans−8−クロロ−1−(4−シクロペンチルオキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
trans−8−クロロ−1−(4−シクロペンチルオキシ−シクロヘキシル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン塩酸塩;
trans−8−クロロ−1−(4−シクロペンチルオキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン;
trans−8−クロロ−1−(4−シクロへキシルオキシ−シクロヘキシル)−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
trans−8−クロロ−1−(4−シクロへキシルオキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン;
(RS)−trans−8−クロロ−1−[4−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
(RS)−trans−8−クロロ−1−[4−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキシル]−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン;
(−)−trans−8−クロロ−1−[4−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキシル]−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン;
(RS)−trans−8−クロロ−1−[4−(2−ヒドロキシ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
(RS)−trans−8−クロロ−1−[4−(2−フルオロ−1−メチル−エトキシ)−シクロヘキシル]−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン;
(RS)−trans−8−クロロ−1−[4−(3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロポキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
(RS)−trans−8−クロロ−5−メチル−1−[4−(3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−プロポキシ)−シクロヘキシル]−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン;
trans−8−クロロ−1−[4−(オキセタン−3−イルオキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
trans−8−クロロ−1−[4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル;
cis−8−クロロ−1−[4−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルオキシ)−シクロヘキシル]−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾアズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル、又は
trans−1−(4−tert−ブトキシ−シクロヘキシル)−8−クロロ−4H,6H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−5−カルボン酸tert−ブチルエステルより選択される、
請求項1〜10のいずれか一項記載の化合物。
【請求項12】
化合物が、trans−8−クロロ−1−(4−イソプロポキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン、trans−8−クロロ−1−(4−シクロブトキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン、又はtrans−8−クロロ−1−(4−シクロペンチルオキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレンより選択される、請求項1〜11のいずれか一項記載の化合物。
【請求項13】
化合物が、trans−8−クロロ−1−(4−シクロペンチルオキシ−シクロヘキシル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−2,3,5,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレンである、請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項記載の式(I)の化合物を調製するための方法であって、式(II):
【化20】


で示される化合物を、式(III):
【化21】


で示される化合物と反応させて、式(I)の化合物を得る工程(ここで、R、R及びRは、請求項1に定義されたとおりである)を含む方法。
【請求項15】
請求項14記載の方法によって得る場合の、式(I)の化合物。
【請求項16】
治療活性物質として用いるための、請求項1〜13のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項17】
月経困難症、男性又は女性の性的機能不全、高血圧、慢性心不全、バソプレッシンの分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、不安症、抑うつ障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症及び攻撃的行動の予防又は治療に用いるための、請求項1〜13のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項18】
請求項1〜13のいずれか一項記載の式(I)の化合物を含む、医薬組成物。
【請求項19】
月経困難症、男性又は女性の性的機能不全、高血圧、慢性心不全、バソプレッシンの分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、不安症、抑うつ障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症及び攻撃的行動の予防又は治療に有用である、請求項18記載の医薬組成物。
【請求項20】
月経困難症、男性又は女性の性的機能不全、高血圧、慢性心不全、バソプレッシンの分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、不安症、抑うつ障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症及び攻撃的行動の予防又は治療のための医薬の製造のための、請求項1〜13のいずれか一項記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項21】
月経困難症、男性又は女性の性的機能不全、高血圧、慢性心不全、バソプレッシンの分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、不安症、抑うつ障害、強迫性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症及び攻撃的行動の治療的及び/又は予防的処置のための方法であって、請求項1〜13のいずれか一項記載の化合物をヒト又は動物に投与することを含む、方法。
【請求項22】
本明細書の先に記載された発明。

【公表番号】特表2012−508269(P2012−508269A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535980(P2011−535980)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【国際出願番号】PCT/EP2009/064804
【国際公開番号】WO2010/057795
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】