説明

ジヒドロピリジン誘導体

本発明は、一般式(I)


[式中、Rは(1−6C)アルキル、(2−6C)アルケニル、(2−6C)アルキニル、フェニル、(1−5C)ヘテロアリールであり、R、Rは独立して(1−4C)アルキル、(2−4C)アルケニル、(2−4C)アルキニル、(1−4C)アルコキシ、(24C)アルケニルオキシ、(2−4C)アルキニルオキシ、ハロゲンであり、Xは、SO、CH、C(O)であるかまたはXは存在せず、Rは(1−6C)アルキル、(2−6C)アルケニル、(2−6C)アルキニル、(3−6C)シクロアルキル、(3−6C)シクロアルケニル、(3−6C)シクロアルキル(1−4C)アルキル、(2−6C)ヘテロシクロアルキル、(2−6C)ヘテロシクロアルキル(14C)アルキル、(6−10C)アリール、(6−10C)アリール(1−4C)アルキル、(1−9C)ヘテロアリールまたは(1−9C)ヘテロアリール(14C)アルキルである。]を有するジヒドロピリジン誘導体またはその薬学的に許容できる塩に関する。
本化合物は、受胎障害の治療のために有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、FSH受容体に対するアゴニスト活性を選択的に有する低分子量ホルモン擬似物の調製を記載する。
【背景技術】
【0002】
性腺刺激ホルモンは、代謝、体温調節および生殖過程を含む種々の身体機能において重要な機能を果たす。性腺刺激ホルモンは、特定の性腺細胞型に作用して卵巣および睾丸の分化ならびにステロイド産生を開始する。下垂体性性腺刺激ホルモンFSH(卵胞刺激ホルモン)は、例えば卵胞の発育および成熟の促進において中心的役割を果たし、一方ではLH(黄体形成ホルモン)は、排卵を誘発する(Sharp,R.M.Clin Endocrinol.33:787−807,1990;Dorrington and Armstrong,Recent Prog.Horm.Res.35:301−342,1979)。現在FSHは、無排卵の不妊の女性における体外受精(IVF)および排卵誘発のための卵巣刺激、すなわち卵巣過剰刺激のために、ならびに男性性腺機能低下症および男性不妊症のために、LHと組み合わせて臨床的に適用される(Insler,V.,Int.J.Fertility 33:85−97,1988,Navot and Rosenwaks,J.Vitro Fert.Embryo Transfer 5:3−13,1988)。
【0003】
性腺刺激ホルモンFSHは、性腺刺激ホルモン放出ホルモンおよびエストロゲンの影響を受けて脳下垂体前葉から、ならびに妊娠中の胎盤から放出される。女性において、FSHは、卵胞の発育を促進する卵巣に作用し、これは、エストロゲンの分泌を制御する主要なホルモンである。男性において、FSHは、細精管の完全性に関与し、セルトリ細胞に作用して配偶子形成を助ける。精製されたFSHは、女性における不妊症および幾つかの型の男性における精子形成の障害を治療するために臨床的に使用される。治療目的の性腺刺激ホルモンは、ヒト尿源から単離することが可能であるが、これは低純度のものである(Morse et al,Amer.J.Reproduct.Immunol.and Microbiology 17:143,1988)。あるいは、これらは、組換え性腺刺激ホルモンとして調製され得る。組換えヒトFSHは市販されており、補助生殖において使用されている(Olijve et al.Mol.Hum.Reprod.2:371,1996;Devroey et al.Lancet 339:1170,1992)。
【0004】
FSHホルモンの作用は、Gタンパク質共役型受容体の大きなファミリーの一員である特定の原形質膜受容体により媒介される。これらの受容体は、7つの膜貫通領域を有する単一のポリペプチドから成り、それらはGsタンパク質と相互作用し、これによりアデニル酸シクラーゼの活性化を引き起こすことが可能である。
【0005】
FSH受容体は、卵胞成長過程における非常に特異的な標的であり、卵巣においてのみ発現される。この受容体の阻止またはFSH介在の受容体活性化後に通常誘発されるシグナル伝達の抑制は、卵胞の発育を妨害し、従って排卵および受胎能を妨害する。低分子量FSHアンタゴニストは、新しい避妊薬に対する基礎を形成することが可能である一方、低分子量FSHアゴニストは、天然FSHと同じ臨床治療目的のために、すなわち不妊症の治療のために、および体外受精のための卵巣過剰刺激のために使用され得る。
【0006】
アゴニストの特性を有する低分子量FSH擬似物が、国際出願WO2000/08015(Applied Research Systems ARS Holding N.V.)およびWO2002/09706(Affymax Research Institute)に開示された。
【0007】
特定のテトラヒドロキノリン誘導体が、アゴニストのまたはアンタゴニストの特性を有するFSH調節物質として、国際出願WO2003/004028(AKZO NOBEL N.V.)に最近開示された。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、FSH受容体を選択的に活性化する低分子量ホルモン擬似物の調製を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このようにして、この度、式I
【0010】
【化2】

[式中、
は、(1−6C)アルキル、(2−6C)アルケニル、(2−6C)アルキニル、フェニルまたは(1−5C)ヘテロアリールであり、
、Rは、独立して(1−4C)アルキル、(2−4C)アルケニル、(2−4C)アルキニル、(1−4C)アルコキシ、(2−4C)アルケニルオキシ、(3−4C)アルキニルオキシ、ハロゲンであり、
Xは、SO、CH、C(O)であるかまたはXは、1つの結合であり、
は、(1−6C)アルキル、(2−6C)アルケニル、(2−6C)アルキニル、(3−6C)シクロアルキル、(3−6C)シクロアルケニル、(3−6C)シクロアルキル(1−4C)アルキル、(2−6C)ヘテロシクロアルキル、(2−6C)ヘテロシクロアルキル(1−4C)アルキル、(6−10C)アリール、(6−10C)アリール(1−4C)アルキル、(1−9C)ヘテロアリールまたは(1−9C)ヘテロアリール(1−4C)アルキルである。]
のジヒドロピリジン化合物またはその薬学的に許容できる塩の以下の種類がFSH受容体アゴニスト活性を有することが、見出された。
【0011】
Xが、CHの場合、Rは、さらにR−オキシカルボニルまたはR−カルボニルであり得る。
【0012】
がフェニルの場合、フェニルは、定義において言及されたとおりに、(6−10C)アリール基に対する置換基に加えて以下の群:(1−4C)アルキルチオ、(1−4C)アルキルスルホニル、R−オキシカルボニル、R−カルボニルまたはR,R−アミノカルボニルからの1つ以上の置換基で、場合により置換されていてよい。
【0013】
、Rは、独立して、H、(1−4C)アルキル、(2−4C)アルケニル、(2−4C)アルキニル、(3−6C)シクロアルキル、(3−6C)シクロアルキル(1−4C)アルキル、(2−6C)ヘテロシクロアルキル、(2−6C)ヘテロシクロアルキル(1−4C)アルキル、(1−4C)アルコキシカルボニル(1−4C)アルキル、(1−4C)(ジ)アルキルアミノカルボニル(1−4C)アルキル、(6−10C)アリール、(1−9C)ヘテロアリール、(6−10C)アリール(1−4C)アルキル、(1−9C)ヘテロアリール(1−4C)アルキル、(6−10C)アリールアミノカルボニル(1−4C)アルキル、(1−9C)ヘテロアリールアミノカルボニル(1−4C)アルキルであり、またはR、Rは、(2−6C)ヘテロシクロアルキル環に連結されていてよい。
【0014】
本発明による化合物は、FSH受容体機能を調節し、それらは変化した安定性を示すことができ、さまざまに投与できるという利点を有してアゴニストのように作用するので、天然FSHと同じ臨床用途に使用することが可能である。
【0015】
従って、本発明のFSH−受容体アゴニストは、不妊症の治療のために使用され得る。好ましくは、本発明の化合物は、FSH−受容体を活性化するために使用される。
【0016】
定義において使用される用語(1−4C)アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルである、1から4個の炭素原子を有する分枝鎖または非分枝鎖アルキル基を意味する。
【0017】
用語(1−6C)アルキルは、1から6個の炭素原子を有する分枝鎖または非分枝鎖アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシル)を意味する。(1−5C)アルキル基が好ましく、(1−4C)アルキルが、最も好ましい。
【0018】
用語(2−6C)アルケニルは、エテニル、2−ブテニル、およびn−ペンテニルなどの2から6個の炭素原子を有する分枝鎖または非分枝鎖アルケニル基を意味する。
【0019】
用語(2−4C)アルケニルは、エテニル、n−プロペニルおよび2−ブテニルなどの、2から4個の炭素原子を有する分枝鎖または非分枝鎖アルケニル基を意味する。
【0020】
用語(2−6C)アルキニルは、エチニル、プロピニルおよびn−ペンチニルなどの、2から6個の炭素原子を有する分枝鎖または非分枝鎖アルキニル基を意味する。
【0021】
用語(2−4C)アルキニルは、エチニルおよびプロピニルなどの、2から4個の炭素原子を有するアルキニル基を意味する。
【0022】
用語(3−6C)シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルである、3から6個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味する。
【0023】
用語(3−6C)シクロアルケニルは、シクロプロペニル、シクロペンテニルおよびシクロヘキセニルなどの、3から6個の炭素原子を有するシクロアルケニル基を意味する。
【0024】
用語(3−6C)シクロアルキル(1−4C)アルキルは、シクロアルキルアルキル基を意味し、このシクロアルキル基は、3から6個の炭素原子を上記定義と同じ意味で有し、およびこのアルキル基は、1から4個の炭素原子を上記定義と同じ意味で有する。
【0025】
用語(2−6C)ヘテロシクロアルキルは、2から6個の炭素原子、好ましくは3から5個の炭素原子を有し、およびN、Oおよび/またはSから選択される1個のヘテロ原子を少なくとも含むヘテロシクロアルキル基を意味し、これは、可能であればヘテロ原子、または炭素原子を介して結合してよい。好ましいヘテロ原子は、NまたはOである。最も好ましいものは、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニルおよびピぺラジニルである。
【0026】
用語(2−6C)ヘテロシクロアルキル(1−4C)アルキルは、ヘテロシクロアルキルアルキル基を意味し、このヘテロシクロアルキル基は、2から6個の炭素原子を上記定義と同じ意味で有し、このアルキル基は、1から4個の炭素原子を上記定義と同じ意味で有する。
【0027】
用語(1−4C)アルコキシは、1から4個の炭素原子を有するアルコキシ基を意味し、このアルキル部分は、上記定義と同じ意味を有する。(1−2C)アルコキシ基が、好ましい。
【0028】
用語(1−4C)アルキルチオは、1から4個の炭素原子を有するアルキルチオ基を意味し、このアルキル部分は、上記定義と同じ意味を有する。
【0029】
用語(2−4C)アルケニルオキシは、2から4個の炭素原子を有するアルケニルオキシ基を意味し、このアルケニル部分は、上記定義と同じ意味を有する。
【0030】
用語(3−4C)アルキニルオキシは、3から4個の炭素原子を有するアルキニルオキシ基を意味し、このアルキニル部分は、上記定義と同じ意味を有する。
【0031】
用語(6−10C)アリールは、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチルまたはインデニルなどの、6から10個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基を意味し、これは、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、(1−4C)アルキル、(2−4C)アルケニル、(2−4C)アルキニル、(1−4C)アルコキシまたは(1−4C)(ジ)アルキルアミノから選択される1つ以上の置換基で、場合により置換されていてよく、このアルキル部分は、上記定義と同じ意味を有する。好ましい芳香族炭化水素基は、フェニルである。
【0032】
用語(1−9C)ヘテロアリールは、テトラゾリル、イミダゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、(ベンゾ)チエニル、(ベンゾ)フリル、(イソ)キノリニル、テトラヒドロ(イソ)キノリニル、クマリニル、キノキサリニルまたはインドリルのような、1から9個の炭素原子を有し、N、Oおよび/またはSから選択される1個のヘテロ原子を少なくとも含む、置換されているまたは置換されていない芳香族基を意味する。該(1−9C)ヘテロアリール基における置換基は、(6−10C)アリール基に対して挙げられた置換基の群から選択され得る。(1−5C)ヘテロアリール(hetroaryl)が、好ましい。該(1−9C)ヘテロアリール基は、可能であれば炭素原子またはヘテロ原子を介して結合されてよい。
【0033】
用語(1−5C)ヘテロアリールは、テトラゾリル、イミダゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、チエニルまたはフリルのような、1から5個の炭素原子を有し、N、Oおよび/またはSから選択される1個のヘテロ原子を少なくとも含む、置換されているまたは置換されていない芳香族基を意味し、フリルであることが、最も好ましい。好ましいヘテロアリール基は、チエニル、フリルおよびピリジニルである。(1−5C)ヘテロアリール基における置換基は、(6−10C)アリール基に対して挙げられた置換基の群から選択され得る。
【0034】
用語(6−10C)アリール(1−4C)アルキルは、アリールアルキル基を意味し、このアリール基は、上記定義と同じ意味で6から10個の炭素原子を含み、このアルキル基は、上記定義と同じ意味で1から4個の炭素原子を含む。最も好ましいものは、ベンジルである。
【0035】
用語(1−9C)ヘテロアリール(1−4C)アルキルは、ヘテロアリールアルキル基を意味し、このヘテロアリール基は、上記定義と同じ意味で1から9個の炭素原子を含み、このアルキル基は、上記定義と同じ意味で1から4個の炭素原子を含む。
【0036】
用語(1−4C)アルキルスルホニルは、アルキルスルホニル基を意味し、このアルキル基は、上記定義と同じ意味で1から4個の炭素原子を含む。
【0037】
用語(1−4C)アルコキシカルボニルは、(1−4C)アルコキシカルボニル基を意味し、このアルコキシ基は、上記定義と同じ意味で1から4個の炭素原子を含む。(1−2C)アルコキシカルボニル基が、好ましい。
【0038】
用語(1−4C)アルコキシカルボニル(1−4C)アルキルは、アルコキシカルボニルアルキル基を意味し、このアルキル基は、上記定義と同じ意味で1から4個の炭素原子を含む。
【0039】
用語(1−4C)(ジ)アルキルアミノカルボニル(1−4C)アルキルは、(ジ)アルキルアミノカルボニルアルキル基を意味し、このアルキル基は、上記定義と同じ意味で1から4個の炭素原子を含む。
【0040】
用語ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
【0041】
薬学的に許容できる塩という用語は、医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わずにヒトおよびより下等な動物の組織との接触における使用に適し、ならびに妥当な利益/リスク比の釣り合いの取れたこれらの塩を表す。薬学的に許容できる塩は、当分野で公知である。これらは、本発明の化合物の最終的な単離および精製中に、または別途、その遊離塩基官能基を塩酸、リン酸、もしくは硫酸などの適した無機酸と、または例えばアスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、グリコール酸、コハク酸、プロピオン酸、酢酸、メタンスルホン酸などの有機酸と反応させることにより得ることができる。この酸官能基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化リチウムのような有機塩基または無機塩基と反応させられ得る。
【0042】
本発明はまた、Rが(1−6C)アルキル、フェニルまたは(1−5C)ヘテロアリールであり、これら全てが定義において言及されたとおりに置換基で場合により置換されていてよいような式Iの化合物に関する。さらに特に、本発明は、Rが(1−4C)アルキル、フェニルまたは4C−ヘテロアリールである化合物に関する。本発明はまた、Rがn−プロピルまたはフリルである化合物に関する。
【0043】
本発明のもう1つの態様は、R、Rがハロゲンおよび/または(1−4C)アルコキシである式Iで表される化合物である。
【0044】
さらにもう1つの態様において、本発明は、XがCHである式Iの化合物に関する。
【0045】
本発明のもう1つの態様は、Rが定義において言及されたとおりに置換基で場合により置換されているフェニルである化合物である。もう1つの態様において、本発明は、Rが、オルト位および/またはメタ位で置換されているフェニルである化合物に関する。さらにもう1つの態様において、本発明は、Rが、R,R−アミノカルボニル、(1−4C)アルコキシおよび/またはハロゲンで置換されているフェニルである式Iの化合物に関する。さらにもう1つの態様において、本発明は、R,R−アミノカルボニルにおけるR、Rが、(1−4C)(ジ)アルキルアミノ、(1−4C)アルコキシカルボニル(1−4C)アルキルまたは(1−9C)ヘテロアリール(1−4C)アルキルである化合物に関する。さらにもう1つの態様において、R,R−アミノカルボニルにおけるR、Rの少なくとも1つが、Hである。
【0046】
もう1つの態様において、本発明は、Rにおける(6−10C)アリール、(6−10C)アリール(1−4C)アルキル、(1−9C)ヘテロアリールまたは(1−9C)ヘテロアリール(1−4C)アルキルが置換されていない化合物に関する。
【0047】
本発明のさらにもう1つの態様は、X=CHであり、およびRが定義において言及されたとおりに置換基で場合により置換されているフェニルである化合物に関する。
【0048】
本発明のさらにもう1つの態様は、上記で定義したとおりのRからR基およびXの全ての特定の定義が、式Iのジヒドロピリジン化合物において組み合わされる化合物に関する。
【0049】
本発明から排除されるのは、化合物2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリルである。
【0050】
この排除したものは、CAS330674−72−1に関するものであり、Chembridge Corp,MicroChemistry Ltd,Ambinter,Asinex,Scientific Exchange Inc,およびChemDiv Incなどの販売元から入手可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
本発明の化合物の適した調製方法を、以下に概略を説明する。
【0052】
本発明の1,4−ジヒドロピリジン誘導体Iは、文書で十分に立証された3成分のHantzsch型縮合環化反応により、一般式IIのシクロヘキサン−1,3−ジオン、一般式IIIのベンズアルデヒド(一般式II、III中、R、R、R、RおよびXは、上記定義のとおりである。)および3−アミノクロトニトリルIVから出発して調製され得る。
【0053】
【化3】

【0054】
関連するHantzsch型縮合環化反応は、以下の文献:Bioorg.Med.Chem.Lett.12(2002)1481−1484,J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1(2002)1141−1156,Synlett(2002)89−92,Drug Dev.Res.51(2000)233−243,J.Med.Chem.42(1999)1422−1427,前掲5266−5271,前掲41(1998)2643−2650,WO9408966,Arzneim.−Forsch./Drug Res.45(1995)1054−1056,J.Med.Chem.34(1991)2248−2260,前掲17(1974)956−65,Chem.Rev.72(1972),1−42中に見出すことができる。上記反応は、代表的に、例えば酢酸、(イソ)プロパノール、エタノール、メタノールまたはこれらの混合物のようなプロトン性溶媒中、高温で行われる。
【0055】
別法として、一般式Iの化合物は、第1に式IIのシクロヘキサン−1,3−ジオンを式IIIのベンズアルデヒドと、これらに限定することなく酢酸アンモニウムなどの塩基の存在下において反応させ、次いで一般式Vの中間体2−ベンジリデン−シクロヘキサン−1,3−ジオン(ここで、R、R、R、RおよびXは、上記定義と同じ意味を有する。)を3−アミノクロトニトリルIVと反応させることにより合成することができる。
【0056】
【化4】

【0057】
X=結合およびR=Hである一般式I−aの化合物は、当業者に公知の標準的な条件を用いるO−アルキル化、O−(ヘテロ)アリール化、O−アシル化またはO−スルホニル化により化合物I−b〜eを調製するために使用され得る。
【0058】
【化5】

【0059】
代表的な実験において、化合物I−aを、ハロゲン化アルキルまたはハロゲン化アシルまたは酸無水物またはハロゲン化スルホニルまたはハロゲン化(ヘテロ)アリールと、溶媒(ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、1−メチル−ピロリジン−2−オンまたはピリジンなど)中で、限定しないが、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DiPEA)、炭酸カリウム、炭酸セシウムもしくは水素化ナトリウムなどの塩基の存在下において、場合により触媒量のヨウ化カリウムまたはヨウ化テトラブチルアンモニウム、および/またはCu−触媒またはPd−触媒の存在下で反応させて、各々、式I−b、I−c、I−d、およびI−eの、O−アルキル化、O−(ヘテロ)アリール化、O−アシル化またはO−スルホニル化誘導体を得る。
【0060】
対応するアルキルエステルの塩基介在(例えばNaOH)の鹸化により得られる、X=CHおよびR=アルキル酸誘導体または(ヘテロ)アリール酸誘導体である式I−fの化合物を、一般構造R,R−NHのアミンまたは一般構造ROHのアルコールと、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、(3−ジメチルアミノプロピル)−エチル−カルボジイミド(EDCI)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(TBTU)またはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)などのカップリング試薬および第三アミン塩基(例えばDiPEA)を用いて、N,N−ジメチルホルムアミドまたはジクロロメタンなどの溶媒中、周囲温度または高温で、縮合させて式I−gおよびI−hの化合物を得ることができる。
【0061】
【化6】

【0062】
一般式IIの置換されているシクロヘキサン−1,3−ジオンは、市販品を入手できるかまたは当業者に公知の文献記載の手順により調製され得る。関連する例は、以下の文献:J.Med.Chem.43(2000)4678−4693、Tetrahedron 56(2000)4753−4758、J.Med.Chem.35(1992)3429−3447、前掲24(1981)1026−1034、Org.Synt.Coll.Vol.V(1973)400、Chem.Ber.88(1955)316−327、Justus Liebig Ann.Chem.570(1950)15−31中に見出される。
【0063】
一般式IIIのベンズアルデヒドはまた、市販品を入手できるかまたは下記文献:J.Chem.Soc.,Perkin Trans.2(2000)1119−1124、J.Chem.Soc.,Chem.Commun.4(1993)419−420、Synth.Commun.20(1990)2659−2666、Chem.Pharm.Bull.34(1986)121−129、Indian J.Chem.Sect.B20(1981)1010−1013、Monatsh.Chem.106(1975)1191−1201、DE1070162、J.Org.Chem.23(1958)120に記載の手順により調製され得る。
【0064】
【化7】

【0065】
あるいはまた、X=結合およびR=Hである化合物III−aは、化合物I−aについて上述されたものと同じ標準条件を用いて、O−アルキル化、O−アリール化、O−アシル化またはO−スルホニル化により、化合物III−b〜eを合成するために用いられ得る。
【0066】
本発明の化合物は、少なくとも2個のキラル炭素原子を有し、従って、純粋な鏡像異性体としてまたは鏡像異性体の混合物としてまたはジアステレオマーの混合物として得ることができる。純粋な鏡像異性体を得る方法は、当分野で公知であり、例えば光学活性な酸およびラセミ混合物から得られる塩の結晶化、またはキラルカラムを使用するクロマトグラフィーが挙げられる。ジアステレオマーの分離のために、順相または逆相カラムが、使用され得る。
【0067】
本発明の化合物は、水和物または溶媒和物を形成することができる。荷電化合物が、水で凍結乾燥される場合には水和化学種を形成し、または適切な有機溶媒で溶液中に濃縮される場合に、溶媒和化学種を形成することは、当業者に公知である。本発明の化合物は、記載された化合物の水和物または溶媒和物を含む。
【0068】
活性化合物の選択のために、10−5Mでの試験での活性が、FSHを基準として用いる場合の最大活性の20%を超えなければならない。もう1つの基準は、EC50値であり、EC50値は<10−5M、好ましくは<10−7M、さらにより好ましくは<10−9Mでなければならない。
【0069】
望ましいEC50値が試験した化合物によって決まることを、当業者は、理解する。例えば、10−5M未満のEC50を有する化合物は、薬剤選択の候補と一般にみなされる。好ましくは、この値は、10−7Mより低い。しかしながら、より高いEC50を有しても特定の受容体に選択的である化合物は、より良好な候補でさえあり得る。
【0070】
性腺刺激ホルモンの、受容体結合を測定するための方法、ならびに生物活性を測定するためのインビトロおよびインビボアッセイは、公知である。一般に、発現受容体を被験化合物と接触させ、結合または機能的応答の刺激もしくは阻害を、測定する。
【0071】
機能的応答を測定するために、FSH受容体遺伝子、好ましくはヒト受容体をコード化する単離されたDNAを、適した宿主細胞において発現させる。このような細胞は、チャイニーズ・ハムスター卵巣細胞である可能性があるが、他の細胞も、適している。好ましくは、その細胞は、哺乳動物に由来するものである(Jia et al, Mol.Endocrin.,5:759−776,1991)。
【0072】
組換えFSH発現細胞株を構築する方法は、当分野で公知である(Sambrook et al.,Molecular Cloning:a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,最新版)。受容体の発現は、所望のタンパク質をコード化するDNAの発現により得られる。部位特異的突然変異誘発、さらなる配列の連結反応、PCRおよび適した発現系の構築のための方法は全て、現在は当分野で公知である。所望のタンパク質をコード化するDNAの一部または全体を、標準固相法を用いて、合成的に構築することが可能であり、好ましくは連結反応を容易にするために制限部位を含む。含まれたコード配列の転写および翻訳のための適した制御要素は、DNAコード配列に供給され得る。公知のように、細菌などの原核宿主、および酵母、植物細胞、昆虫細胞、哺乳動物細胞、鳥類細胞などの真核宿主などを含む多種多様の宿主に適合する発現系が現在入手可能である。
【0073】
次いで、受容体を発現する細胞を試験化合物と接触させて、結合または機能的応答の刺激もしくは阻害を観察する。
【0074】
あるいは、発現された受容体を含む単離細胞膜を用いて、化合物の結合を測定することが出来る。
【0075】
結合の測定のために、放射性化合物または蛍光化合物が、使用され得る。対照化合物として、ヒト組換えFSHが、使用され得る。
【0076】
別の方法において、競合結合アッセイがまた、実施され得る。
【0077】
もう1つのアッセイは、受容体を介したcAMP蓄積の刺激を測定することによるFSH受容体アゴニスト化合物のスクリーニングを含む。従って、このような方法は、宿主細胞の細胞表面上の受容体の発現および試験化合物への細胞の暴露を含む。次いで、cAMPの量を、測定する。cAMP濃度は、受容体との結合への試験化合物の刺激効果によって増加する。
【0078】
暴露された細胞における、例えばcAMP濃度の直接測定に加えて、受容体をコード化するDNAを用いる形質移入に加えて、cAMP濃度に応答して発現するレポーター遺伝子をコード化する第2のDNAによっても形質移入される細胞株が、使用され得る。このようなレポーター遺伝子は、cAMP誘発性である可能性があり、またはこれらが新規なcAMP応答性要素に結合されるようにして構築され得る。一般に、レポーター遺伝子発現は、cAMPの濃度変化に反応するいずれかの応答要素によって制御され得る。適したレポーター遺伝子は、例えばLacZ、アルカリホスファターゼ、ホタルルシフェラーゼおよび緑色蛍光タンパク質である。このようなトランス活性化アッセイの原理は、当分野で公知であり、例えばStratowa,Ch.,Himmler,A.and Czernilofsky,A.P.,(1995)Curr.Opin.Biotechnol.6:574に記載されている。
【0079】
本発明はまた、薬学的に許容できる助剤および場合により他の治療薬と混合した、一般式Iを有するジヒドロピリジン誘導体またはその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物に関する。助剤は、組成物の他の成分に適することおよびそのレシピエントに有害ではないという意味で、「許容可能」でなければならない。本医薬組成物はまた、2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリルを含むことができる。
【0080】
組成物は、例えば経口、舌下、皮下、静脈内、筋肉内、経鼻、局所または直腸投与などに適したものを含み、これらはすべて投与用の単位剤形である。
【0081】
経口投与のために、有効成分は、錠剤、カプセル剤、粉剤、顆粒剤、溶液、懸濁液などの別々の単位として提供され得る。
【0082】
非経口投与のために、本発明の医薬組成物は、単位用量または多用量の容器中に存在し得(例えば密封バイアルおよびアンプル中の例えば所定量の注射液)、および滅菌液体坦体(例えば水)を使用の前に加えることのみを必要とする冷凍乾燥(凍結乾燥)された状態において保存され得る。
【0083】
本有効薬剤を、例えば標準的な参考資料であるGennaro,A.R.et al.,Remington:The Science and Practice of Pharmacy(20th Edition.,Lippincott Williams & Wilkins,2000,特にPart 5:Pharmaceutical Manufacturingを参照されたい)に記載されているように、薬学的に許容できる助剤と混合させて、丸剤、錠剤などの固体製剤単位に圧縮することが可能であり、またはカプセル剤もしくは坐剤に加工することができる。薬学的に許容できる液体によって、本有効薬剤は、液体組成物として、例えば溶液、懸濁液、乳濁液の形態における注射製剤として、またはスプレー、例えば点鼻スプレーとして投与され得る。
【0084】
固体製剤単位を製造するために、充填剤、着色剤、ポリマー結合剤などの従来の添加剤の使用が考案される。一般に、有効化合物の機能を妨害しない、いずれかの薬学的に許容できる添加剤が、使用され得る。本発明の有効薬剤と共に用いて固体組成物として投与することができる、適した坦体は、適した量において用いられる、ラクトース、デンプン、セルロース誘導体など、またはこの混合物を含む。非経口投与用には、薬学的に許容できる分散剤および/または湿潤剤(プロピレングリコールまたはブチレングリコールなど)を含有する、水性懸濁液、等張食塩溶液および滅菌注射溶液が、使用され得る。
【0085】
本発明は、上記に記載したように医薬組成物に対して適した包装材料と組み合わせた前記医薬組成物をさらに含み、前記包装材料は、上記のとおりに使用するために組成物を使用するための説明書を含む。
【0086】
有効成分、またはその医薬組成物の正確な用量および投与計画は、特定の化合物、投与の経路、ならびに薬剤が投与される個々の患者の年齢および状態により変わり得る。
【0087】
一般に、非経口投与は、より吸収に依存する他の投与方法よりも必要用量が少ない。しかしながら、ヒトに適する用量は、体重1kg当たり0.05から25mgであり得る。望ましい用量は、1回用量として、もしくは1日を通じて適切な間隔で投与される複数の部分用量として提供され得、または女性患者の場合、月経周期を通じて適切な日数間隔で投与される用量として提供され得る。投与用量ならびに投与計画は、女性と男性患者の間で異なり得る。
【0088】
このようにして、本発明による化合物は、治療において使用され得る。
【0089】
本発明のさらなる態様は、FSH受容体媒介経路に応答する障害の治療のために、好ましくは不妊症の治療のために用いる薬剤の製造のための、一般式Iを有するジヒドロピリジン誘導体化合物の使用にある。
【0090】
以下の実施例により、本発明を説明する。
【0091】
(実施例)
【実施例1】
【0092】
4−(3−ブロモ−4−エトキシ−5−メトキシフェニル)−2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
a)4−(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)−2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
無水エタノール(20mL)中の5−フェニルシクロヘキサン−1,3−ジオン(0.51g)、3−ブロモ−5−メトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(0.62g)および3−アミノクロトニトリル(0.22g)の混合物を75℃で3時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、表題化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン/酢酸エチル(3/7、v/v)、R=0.36)の後にオフホワイトの固体として得た。
収量:0.95g.MS−ESI:[M−H]=463/465。
【0093】
b)4−(3−ブロモ−4−エトキシ−5−メトキシフェニル)−2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
NMP(0.5mL)中の段階aの生成物(15mg)、ヨウ化エチル(6.4μL)、水素化ナトリウム(2.6mg、油中60%)およびヨウ化テトラブチルアンモニウム(1.2mg)の混合物を80℃で2時間攪拌した。水を加え、この反応混合物を酢酸エチルで抽出した。この有機相を濃縮し、表題化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン/酢酸エチル(1/4、v/v)、R=0.52)の後に得た。
収量:2.2mg.MS−ESI:[M−H]=491/493.
【実施例2】
【0094】
4−(3−ブロモ−4−シクロヘキシルメトキシ−5−メトキシフェニル)−2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
表題化合物を、実施例1aの生成物(15mg)およびブロモメチルシクロヘキサン(12μL)から出発して、実施例1bと類似の方法で得た。
収量:12mg.R(ヘプタン/酢酸エチル(1/4,v/v))=0.59.MS−ESI:[M−H]=559/561.
【実施例3】
【0095】
4−[3−ブロモ−5−メトキシ−4−(3−メチルブトキシ)−フェニル]−2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
表題化合物を、実施例1aの生成物(15mg)および1−ヨード−3−メチルブタン(4.7μL)から出発して、実施例1bと類似の方法で得た。
収量:14mg.R(ヘプタン/酢酸エチル(1/4,v/v))=0.56.MS−ESI:[M−H]=533/535.
【実施例4】
【0096】
4−[(3−ブロモ−5−クロロチオフェン−2−イルメトキシ)−5−メトキシフェニル]−2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
ジオキサン(1mL)中の実施例1aの生成物(15mg)、2−クロロ−5−クロロメチルチオフェン(4.3μL)および炭酸セシウム(21mg)の混合物を80℃で4時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、表題化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン/酢酸エチル(3/7、v/v)、R=0.38)の後に得た。
収量:4.7mg.MS−ESI:[M−H]=593/595/597.
【実施例5】
【0097】
[2−ブロモ−4−(3−シアノ−2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−4−イル)−6−メトキシフェノキシ]−酢酸メチルエステル
表題化合物を、実施例1aの生成物(0.47g)およびブロモ酢酸メチルエステル(1.0mL)から出発して、実施例4と類似の方法で得た。
収量:0.32g.R(ヘプタン/酢酸エチル(1/4,v/v))=0.46.MS−ESI:[M−H]=535/537.
【実施例6】
【0098】
3−メトキシ安息香酸2−ブロモ−4−(3−シアノ−2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−4−イル)−6−メトキシフェニルエステル
表題化合物を、実施例1aの生成物(15mg)および3−メトキシベンゾイルクロリド(5.4μL)から出発して、実施例4と類似の方法で得た。
収量:7.4mg.R(ヘプタン/酢酸エチル(1/4,v/v))=0.48.MS−ESI:[M−H]=597/599.
【実施例7】
【0099】
4−[3−ブロモ−4−(3−シアノベンジルオキシ)−5−メトキシフェニル]−2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
表題化合物を、実施例1aの生成物(15mg)および3−ブロモメチルベンゾニトリル(7.6mg)から出発して、実施例4と類似の方法で得た。
収量:15mg.R(ヘプタン/酢酸エチル(1/4,v/v))=0.51.MS−ESI:[M−H]=578/580.
【実施例8】
【0100】
4−[3−ブロモ−5−メトキシ−4−(ナフタレン−2−イルメトキシ)−フェニル]−2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
表題化合物を、実施例1aの生成物(15mg)および2−ブロモメチルナフタレン(8.6mg)から出発して、実施例4と類似の方法で得た。
収量:11mg.R(ヘプタン/酢酸エチル(1/4,v/v))=0.60.MS−ESI:[M−H]=603/605.
【実施例9】
【0101】
フェニルメタンスルホン酸 2−ブロモ−4−(3−シアノ−2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−4−イル)−6−メトキシフェニルエステル
ジクロロメタン(1mL)中の実施例1aの生成物(15mg)、フェニルメタンスルホニルクロリド(9.2mg)およびトリエチルアミン(9.4μL)の混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、表題化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン/酢酸エチル(1/4,v/v)、R=0.41)の後に得た。
収量:15mg.MS−ESI:[M+H]=619/621.
【実施例10】
【0102】
チオフェン−2−スルホン酸 2−ブロモ−4−(3−シアノ−2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−4−イル)−6−メトキシフェニルエステル
表題化合物を、実施例1aの生成物(15mg)およびチオフェン−2−スルホニルクロリド(8.8mg)から出発して、実施例9と類似の方法で得た。
収量:20mg.R(ヘプタン/酢酸エチル(1/4,v/v))=0.30.MS−ESI:[M−H]=611/613.
【実施例11】
【0103】
4−[3,5−ジブロモ−4−(3−メトキシベンジルオキシ)−フェニル]−7−エチル−2−メチル−5−オキソ−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
a)3,5−ジブロモ−4−(3−メトキシベンジルオキシ)−ベンズアルデヒド
無水エタノール(10mL)中の3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(0.28g)、1−ブロモメチル−3−メトキシベンゼン(0.15mL)、炭酸カリウム(0.29g)およびヨウ化カリウム(42mg)の混合物を80℃で2日間攪拌した。反応混合物を濃縮し、表題化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン/酢酸エチル(3/7、v/v)、R=0.51)の後にオフホワイトの固体として得た。
収量:0.24g.MS−ESI:[M−H]=463/465.H NMR(CDCl):σ=9.88(s,1H),8.06(s,1H),7.34(t,1H),7.18(bs,1H),7.15(d,1H),6.93(dd,1H),5.10(s,2H),3.85(s,3H)。
【0104】
b)4−[3,5−ジブロモ−4−(3−メトキシベンジルオキシ)−フェニル]−7−エチル−2−メチル−5−オキソ−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
表題化合物を、5−エチルシクロヘキサン−1,3−ジオン(8.5mg)および段階aの生成物(24mg)から出発して、実施例1aと類似の方法で得た。
収量:26mg.R(ヘプタン/酢酸エチル(3/7,v/v))=0.40.MS−ESI:[M+H]=585/587/589.
【実施例12】
【0105】
4−{3−ブロモ−5−エトキシ−4−[2−(3−ニトロフェニル)−2−オキソエトキシ]−フェニル}−2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
a)4−(3−ブロモ−5−エトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
表題化合物を、3−ブロモ−5−エトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(0.15g)から出発して、実施例1aと類似の方法で得た。
収量:0.15g.R(ヘプタン/酢酸エチル(4/6,v/v))=0.18.MS−ESI:[M+H]=479/481。
【0106】
b)4−{3−ブロモ−5−エトキシ−4−[2−(3−ニトロフェニル)−2−オキソエトキシ]−フェニル}−2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
表題化合物を、段階aの生成物(15mg)および2−ブロモ−1−(3−ニトロフェニル)−エタノン(8.4mg)から出発して、実施例4と類似の方法で得た。
収量:14mg.R(ヘプタン/酢酸エチル(1/4,v/v))=0.58.MS−ESI:[M+H]=642/644.
【実施例13】
【0107】
3−[2−ブロモ−4−(3−シアノ−2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−4−イル)−6−メトキシフェノキシメチル]−N−チオフェン−2−イルメチルベンズアミド
a)3−[2−ブロモ−4−(3−シアノ−2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−4−イル)−6−メトキシフェノキシメチル]−安息香酸メチルエステル
表題化合物を、実施例1aの生成物(0.35g)および3−ブロモメチル安息香酸メチルエステル(0.18g)から出発して、実施例4と類似の方法で得た。
収量:0.35g.R(ヘプタン/酢酸エチル(3/7,v/v))=0.34.MS−ESI:[M+H]=613/615。
【0108】
b)3−[2−ブロモ−4−(3−シアノ−2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−4−イル)−6−メトキシフェノキシメチル]−安息香酸
段階aの生成物の溶液(0.35g)をジオキサン/水(7/3,v/v)20mLに溶解し、2MNaOH水溶液2mLを加えた。その反応混合物を室温で5日間攪拌した。反応混合物を水中に注ぎ、2M HCl水溶液でpH2まで酸性にし、酢酸エチルで数回抽出した。その有機相を水および飽和食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥して蒸発し、表題化合物を得た。
収量:0.35g.MS−ESI:[M+H]=599/601。
【0109】
c)3−[2−ブロモ−4−(3−シアノ−2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−4−イル)−6−メトキシフェノキシメチル]−N−チオフェン−2−イルメチルベンズアミド
工程bの生成物(20mg)のジクロロメタン(2mL)中の溶液に、EDCI(7.0mg)、DiPEA(7μL)および2−チオフェンメチルアミン(4.1μL)を加え、この反応混合物を室温で3時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、表題化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,ヘプタン/酢酸エチル(1/4,v/v),R=0.78)後に得た。
収量:11mg.MS−ESI:[M+H]=694/696.
【実施例14】
【0110】
3−[2−ブロモ−4−(3−シアノ−2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−4−イル)−6−メトキシフェノキシメチル]安息香酸2−モルホリン−4−イルエチルエステル
実施例13bの生成物(20mg)のジクロロメタン(2mL)中の溶液に、TBTU(12mg)、DiPEA(7μL)および2−モルホリン−4−イルエタノール(4.8μL)を加え、この反応混合物を室温で3時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、表題化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,ヘプタン/酢酸エチル(1/4,v/v),R=0.48)後に得た。
収量:11mg.MS−ESI:[M+H]=694/696.
【実施例15】
【0111】
4−{3−ブロモ−5−エトキシ−4−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジルオキシ]−フェニル}−2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
a)3−(2−ブロモ−6−エトキシ−4−ホルミルフェノキシメチル)−安息香酸メチルエステル
3−ブロモメチル安息香酸メチルエステル(0.77g)、KCO(1.0g)およびn−BuNIの触媒量を、5−ブロモ−3−エトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(0.75g)のDMF(10mL)中の溶液に加え、この反応混合物を70℃で1時間攪拌した。3%クエン酸水溶液を加え、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。この有機相を水および食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥して濃縮した。表題化合物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,ヘプタン/酢酸エチル(1/4,v/v), R=0.25)後に得た。
収量:1.08g.H NMR(CDCl):σ=9.84(s,1H),8.20(bs,1H),8.02(bd,1H),7.77(d,1H),7.65(d,1H),7.47(t,1H),7.39(d,1H),5.21(s,2H),4.17(q,2H),3.94(s,3H),1.51(t,3H)。
【0112】
b)3−[2−ブロモ−4−(3−シアノ−2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−4−イル)−6−エトキシフェノキシメチル]−安息香酸メチルエステル
表題化合物を、段階aの生成物(0.26g)から出発して、実施例1aと類似の方法で得た。
収量:0.27g.R(ヘプタン/酢酸エチル(3/7,v/v))=0.34.MS−ESI:[M+H]=613/615。
【0113】
c)3−[2−ブロモ−4−(3−シアノ−2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−4−イル)−6−エトキシフェノキシメチル]−安息香酸
表題化合物を、段階bの生成物(0.27g)から出発して、実施例13bと類似の方法で得た。
収量:0.27g.MS−ESI:[M+H]=599/601。
【0114】
d)4−{3−ブロモ−5−エトキシ−4−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジルオキシ]−フェニル}−2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
表題化合物を、段階cの生成物(20mg)およびピペリジン(piperdine)(3.9μL)から出発して、実施例13cと類似の方法で得た。
収量:15mg.R(ヘプタン/酢酸エチル(1/4,v/v))=0.25.MS−ESI:[M+H]=680/682.
【実施例16】
【0115】
グリシン,N−3−[2−ブロモ−4−(3−シアノ−2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−4−イル)−6−エトキシフェノキシメチル]ベンゾイル,メチルエステル
表題化合物を、実施例15cの生成物(20mg)およびグリシンメチルエステル塩酸塩(4.9mg)から出発して、実施例13cと類似の方法で得た。
収量:9.9mg.R(ヘプタン/酢酸エチル(3/7,v/v))=0.16.MS−ESI:[M+H]=684/686.
【実施例17】
【0116】
3−[2−ブロモ−4−(3−シアノ−7−エチル−2−メチル−5−オキソ−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−4−イル)−6−エトキシフェノキシメチル]安息香酸メチルエステル
表題化合物を、5−エチルシクロヘキサン−1,3−ジオン(0.25g)および15aの生成物(0.64g)から出発して、実施例1aと類似の方法で得た。
収量:0.45g.R(ヘプタン/酢酸エチル(1/4,v/v))=0.25.MS−ESI:[M+H]=579/581.
【実施例18】
【0117】
3−[2−ブロモ−4−(3−シアノ−7−エチル−2−メチル−5−オキソ−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−キノリン−4−イル)−6−エトキシフェノキシメチル]安息香酸
表題化合物を、実施例17の生成物(0.43g)から出発して、実施例13bと類似の方法で得た。
収量:0.38g.R(ヘプタン/酢酸エチル(1/4,v/v))=0.17.MS−ESI:[M+H]=563/565.
【実施例19】
【0118】
3−[2−ブロモ−4−(3−シアノ−7−エチル−2−メチル−5−オキソ−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−4−イル)−6−エトキシフェノキシメチル]−N−tert−ブチルベンズアミド
実施例18の生成物(0.35g)のジクロロメタン(10mL)中の溶液に、tert−ブチルアミン(0.12mL)、DiPEA(0.39mL)およびHATU(0.30g)を加え、反応混合物を35℃で3時間攪拌した。3%クエン酸水溶液を加え、得られた混合物を酢酸エチルで数回抽出した。この有機相を水および食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥して濃縮した。表題化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,ヘプタン/酢酸エチル(1/4,v/v),R=0.34)の後に得た。
収量:0.28g.MS−ESI:[M+H]=620/622.
【実施例20】
【0119】
3−[2−ブロモ−4−(3−シアノ−7−エチル−2−メチル−5−オキソ−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−4−イル)−6−エトキシフェノキシメチル]−N−シクロヘキシルベンズアミド
表題化合物を、実施例18の生成物(20mg)およびシクロヘキシルアミン(4.9μL)から出発して、実施例13cと類似の方法で得た。
収量:7.9mg.R(シリカゲル,ヘプタン/酢酸エチル(1/4,v/v))=0.43.MS−ESI:[M+H]=646/648.
【実施例21】
【0120】
3−[2−ブロモ−4−(3−シアノ−7−エチル−2−メチル−5−オキソ−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−4−イル)−6−エトキシフェノキシメチル]−N−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−ベンズアミド
表題化合物を、実施例18の生成物(20mg)および4−(2−アミノエチル)−モルホリン(5.5μL)から出発して、実施例13cと類似の方法で得た。
収量:15mg.R(ジクロロメタン/メタノール(95/5,v/v))=0.22.MS−ESI:[M+H]=677/679.
【実施例22】
【0121】
4−[3−ヨード−5−メトキシ−4−(3−メトキシベンジルオキシ)−フェニル]−2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
a)3−ヨード−5−メトキシ−4−(3−メトキシベンジルオキシ)−ベンズアルデヒド
表題化合物を、4−ヒドロキシ−3−ヨード−5−メトキシベンズアルデヒド(0.70g)および1−ブロモメチル−3−メトキシベンゼン(0.39mL)から出発して、実施例15aと類似の方法で得た。
収量:0.56g.R(ヘプタン/酢酸エチル(4/6,v/v))=0.42.H NMR(CDCl):σ=9.83(s,1H),7.86(d,1H),7.43(d,1H),7.29(t,1H),7.16(bs,1H),7.09(d,1H),6.88(dd,1H),5.14(s,2H),3.95(s,3H),3.84(s,3H)。
【0122】
b)4−[3−ヨード−5−メトキシ−4−(3−メトキシベンジルオキシ)−フェニル]−2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
表題化合物を、段階aの生成物(24mg)から出発して、実施例1aと類似の方法で調製した。
収量:17mg.R(ヘプタン/酢酸エチル(1/4,v/v))=0.59.MS−ESI:[M−H]=631.
【実施例23】
【0123】
4−[3−ブロモ−4−(2−クロロ−3−メトキシベンジルオキシ)−5−エトキシフェニル]−2−メチル−5−オキソ−7−プロピル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
出発物質を、McCarthyらにより記載された方法(J.Org.Chem.1986(29)1586)に従って得た:
a)2−クロロ−3−メトキシベンズアルデヒド
−40℃で、n−ブチルリチウム(6.25mL,1.6Mヘキサン溶液)を、N,N,N’−トリメチルエチレンジアミン(1.27mL)のテトラヒドロフラン(10mL)中の溶液に加えた。15分後、この反応混合物を−70℃に冷却し、3−メトキシベンズアルデヒド(1.22mL)のテトラヒドロフラン(5mL)中の溶液を加えた。この反応混合物を放置して0℃に温め、再び−70℃に冷却し、n−ブチルリチウム(6.25mL,1.6Mヘキサン溶液)を加えた。反応混合物を放置して10℃に温め、再び−30℃に冷却し、次にヘキサクロロエタン(7.10g)のテトラヒドロフラン(10mL)中の溶液に加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌し、10%HCl水溶液20mL中に注ぎ、酢酸エチルで数回抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥して濃縮した。表題生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,ヘプタン/酢酸エチル(75/25,v/v),R=0.38)後に得て、ついでヘプタンから結晶化した。
収量:1.06g.H NMR(CDCl):σ=10.46(s,1H),7.54(dd,1H),7.35(t,1H),7.17(d,1H),3.96(s,3H)。
【0124】
b)2−クロロ−1−クロロメチル−3−メトキシベンゼン
0℃で、段階aの生成物(1.00g)のテトラヒドロフラン(5mL)中の溶液を、水素化アルミニウムリチウム(0.34g)のテトラヒドロフラン(5mL)中の懸濁液に加えた。この反応混合物を1時間室温で攪拌し、テトラヒドロフラン(5mL)中の水(0.35mL)を0℃で加え、次いで2M水酸化ナトリウム水溶液(0.70mL)および水(0.70mL)を加えた。得られた白色懸濁液を0.5時間攪拌し、濾過した。濾液の濃縮後に得られた無色油を1,2−ジクロロプロパン10mLに溶解し、塩化チオニル(1.5mL)を加えた。反応混合物を一晩還流し、濃縮した。表題化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,ヘプタン/酢酸エチル(75/25,v/v),R=0.43)後に黄色油として得た。これは放置すると結晶化した。
収量:0.80g.H NMR(CDCl):σ=7.24(t,1H),7.09(dd,1H),6.93(dd,1H),4.72(s,2H),3.92(s,3H)。
【0125】
c)3−ブロモ−4−(2−クロロ−3−メトキシベンジルオキシ)−5−エトキシベンズアルデヒド
表題化合物を、段階bの生成物(0.42g)および5−ブロモ−3−エトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(0.49g)から出発して、実施例15aと類似の方法で得た。
収量:0.56g.H NMR(CDCl):σ=9.85(s,1H),7.66(dd,1H),7.40(dd,1H),7.39(d,1H),7.29(t,1H),6.94(dd,1H),5.32(s,2H),4.15(quar.,2H),3.93(s,3H),1.44(t,3H)。
【0126】
d)4−[3−ブロモ−4−(2−クロロ−3−メトキシベンジルオキシ)−5−エトキシフェニル]−2−メチル−5−オキソ−7−プロピル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
表題化合物を、5−プロピルシクロヘキサン−1,3−ジオン(21mg)および工程cの生成物(53mg)から出発して、実施例1aと類似の方法で得た。
収量:60mg.R(ヘプタン/酢酸エチル(4/6,v/v))=0.19.MS−ESI:[M−H]=597/599/601.
【実施例24】
【0127】
グリシン,N−3−[2−ブロモ−4−(3−シアノ−2−メチル−5−オキソ−7−プロピル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−4−イル)−6−エトキシフェノキシメチル]ベンゾイル,メチルエステル
a)3−[2−ブロモ−4−(3−シアノ−2−メチル−5−オキソ−7−プロピル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−4−イル)−6−エトキシフェノキシメチル]−安息香酸メチルエステル
表題化合物を、5−プロピルシクロヘキサン−1,3−ジオン(0.95g)および実施例15aの生成物(2.4g)から出発して、実施例1aと類似の方法で得た。
収量:3.0g.R(ヘプタン/酢酸エチル(1/1,v/v))=0.20.MS−ESI:[M−H]=591/593。
【0128】
b)3−[2−ブロモ−4−(3−シアノ−2−メチル−5−オキソ−7−プロピル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−4−イル)−6−エトキシフェノキシメチル]−安息香酸
表題化合物を、段階aの生成物(3.0g)から出発して、実施例13bと類似の方法で得た。
収量:3.0g.MS−ESI:[M−H]=577/579。
【0129】
c)グリシン,N−3−[2−ブロモ−4−(3−シアノ−2−メチル−5−オキソ−7−プロピル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−4−イル)−6−エトキシフェノキシメチル]ベンゾイル,メチルエステル
表題化合物を、段階bの生成物(90mg)およびグリシンメチルエステル塩酸塩(64mg)から出発して、実施例14と類似の方法で得た。精製を、分取HPLCにより行った(Luna C18[5μm],流量:20ml min−1,0→90%CHCN,1%TFA)。
収量:59mg.R(CHCl/MeOH(95/5,v/v))=0.54.MS−ESI:[M+H]=650/652.
【実施例25】
【0130】
4−[3−ブロモ−5−エトキシ−4−(3−メトキシベンジルオキシ)−フェニル]−7−(4−クロロフェニル)−2−メチル−5−オキソ−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
a)3−ブロモ−5−エトキシ−4−(3−メトキシベンジルオキシ)−ベンズアルデヒド
表題化合物を、3−ブロモ−5−エトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(0.75g)および1−ブロモメチル−3−メトキシベンゼン(0.48mL)から出発して、実施例15aと類似の方法で得た。
収量:0.91g.R(ヘプタン/酢酸エチル(2/1,v/v))=0.43.H NMR(CDCl):σ=9.83(s,1H),7.65(dd,1H),7.38(dd,1H),7.29(t,1H),7.13(bs,1H),7.07(d,1H),6.88(dd,1H),5.16(s,2H),4.16(quar.,2H),3.83(s,3H),1.56(t,3H)。
【0131】
b)4−[3−ブロモ−5−エトキシ−4−(3−メトキシベンジルオキシ)−フェニル]−7−(4−クロロフェニル)−2−メチル−5−オキソ−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
表題化合物を、5−(4−クロロフェニル)−シクロヘキサン−1,3−ジオン(22mg)および段階aの生成物(37mg)から出発して、実施例1aと類似の方法で得た。
収量:32mg.R(ヘプタン/酢酸エチル(3/7,v/v))=0.19.MS−ESI:[M+H]=633/635/637.
【実施例26】
【0132】
4−[3−ブロモ−5−エトキシ−4−(3−メトキシベンジルオキシ)−フェニル]−7−フラン−2−イル−2−メチル−5−オキソ−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
表題化合物を、5−フラン−2−イルシクロヘキサン−1,3−ジオン(18mg)および実施例25aの生成物(37mg)から出発して、実施例1aと類似の方法で得た。
収量:37mg.R(ヘプタン/酢酸エチル(3/7,v/v))=0.24.MS−ESI:[M+H]=589/591.
【実施例27】
【0133】
4−[3,5−ジメトキシ−4−(3−メトキシベンジルオキシ)−フェニル]−2−メチル−5−オキソ−7−プロピル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
a)3,5−ジメトキシ−4−(3−メトキシベンジルオキシ)−ベンズアルデヒド
表題化合物を、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンズアルデヒド(0.91g)および1−ブロモメチル−3−メトキシベンゼン(0.75mL)から出発して、実施例15aと類似の方法で得た。
収量:1.42g淡黄色油。R(ヘプタン/酢酸エチル(1/1,v/v))=0.40.H NMR(CDCl):σ=9.86(s,1H),7.26(d,1H),7.23(d,1H),7.09(bs,1H),7.04(d,1H),6.85(dd,1H),5.12(s,2H),3.91(s,6H),3.82(s,3H)。
【0134】
b)4−[3,5−ジメトキシ−4−(3−メトキシベンジルオキシ)−フェニル]−2−メチル−5−オキソ−7−プロピル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
表題生成物を、5−プロピルシクロヘキサン−1,3−ジオン(11mg)および段階aの生成物(21mg)から出発して、実施例1aと類似の方法で得た。
収量:22mg.R(ヘプタン/酢酸エチル(3/7,v/v))=0.21.MS−ESI:[M+H]=503;[M+Na]=525.
【実施例28】
【0135】
4−[3−ブロモ−5−エトキシ−4−(3−ピリジニルメトキシ)フェニル]−2−メチル−5−オキソ−7−プロピル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリルトリフルオロ酢酸
a)3−ブロモ−5−エトキシ−4−(3−ピリジニルメトキシ)−ベンズアルデヒド
表題化合物を、3−ブロモ−5−エトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(0.25g)および3−ピコリルクロリド塩酸塩(0.16g)から出発して、実施例15aと類似の方法で得た。
【0136】
b)4−[3−ブロモ−5−エトキシ−4−(3−ピリジニルメトキシ)フェニル]−2−メチル−5−オキソ−7−プロピル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリルトリフルオロ酢酸
表題化合物を、5−プロピルシクロヘキサン−1,3−ジオン(0.15g)および段階aの粗生成物から出発して、実施例1aと類似の方法で得た。その化合物を半分取HPLC(Luna C18[5μm],流量:20ml min−1,10→90%CHCN,0.1%TFA)により精製し、水とジオキサンとの混合物から冷凍乾燥した。
収量:0.25g.MS−ESI:[M+H]=536/538.
【実施例29】
【0137】
4−[2−ブロモ−4−(3−シアノ−2−メチル−5−オキソ−7−プロピル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−4−イル)−6−エトキシフェノキシメチル]−N−チオフェン−2−イルメチルベンズアミド
a)4−(2−ブロモ−6−エトキシ−4−ホルミルフェノキシメチル)−安息香酸メチルエステル
表題化合物を、4−ブロモメチル安息香酸メチルエステル(3.7g)から出発して、実施例15aと類似の方法で得た。
収量:6.4g.H NMR(CDCl):σ=9.84(s,1H),8.06(d,2H),7.65(d,1H),7.61(d,2H),7.39(d,1H),5.03(s,2H),4.16(q,2H),3.93(s,3H),1.48(t,3H)。
【0138】
b)4−[2−ブロモ−4−(3−シアノ−2−メチル−5−オキソ−7−プロピル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−4−イル)−6−エトキシフェノキシメチル]−安息香酸メチルエステル
表題化合物を、5−プロピルシクロヘキサン−1,3−ジオン(2.5g)および段階aの生成物(6.4g)から出発して、実施例1aと類似の方法で得た。
収量:6.7g.R(ヘプタン/酢酸エチル(3/2,v/v))=0.20.MS−ESI:[M−H]=591/593。
【0139】
c)4−[2−ブロモ−4−(3−シアノ−2−メチル−5−オキソ−7−プロピル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−4−イル)−6−エトキシフェノキシメチル]−安息香酸
表題化合物を、段階bの生成物(6.7g)から出発して、実施例13bと類似の方法で得た。この反応混合物を50℃で一晩攪拌した。
収量:6.4g.MS−ESI:[M−H]=577/579。
【0140】
d)4−[2−ブロモ−4−(3−シアノ−2−メチル−5−オキソ−7−プロピル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−4−イル)−6−エトキシフェノキシメチル]−N−チオフェン−2−イルメチルベンズアミド
表題化合物を、段階cの生成物(0.10g)および2−チオフェンメチルアミン(52μL)から出発して、実施例14と類似の方法で得た。精製を分取HPLCにより行った(Luna C18[5μm],流量:20ml min−1,10→90%CHCN,1%TFA)。
収量:54mg.MS−ESI:[M+H]=674/676.
【実施例30】
【0141】
4−[3−ブロモ−5−エトキシ−4−(4−ニトロフェノキシ)−フェニル]−2−メチル−5−オキソ−7−プロピル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
a)4−(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−エトキシフェニル)−2−メチル−5−オキソ−7−プロピル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
表題化合物を、3−ブロモ−5−エトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(2.0g)および5−プロピルシクロヘキサン−1,3−ジオン(1.3g)から出発して、実施例1aと類似の方法で得た。
収量:3.6g.MS−ESI:[M−H]=443/445。
【0142】
b)4−(3−ブロモ−4−メシルオキシ−5−エトキシフェニル)−2−メチル−5−オキソ−7−プロピル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
THF/水(1/1,v/v)4mL中の段階aの粗生成物(0.99g)、塩化メシル(0.46mL)および水酸化ナトリウム(0.32g)の混合物を、室温で3日間攪拌した。水を加え、この反応混合物をジクロロメタンで抽出した。有機相を濃縮した後、粗製表題化合物を得た。
収量:1.0g.MS−ESI:[M−H]=521/523。
【0143】
c)4−[3−ブロモ−5−エトキシ−4−(4−ニトロフェノキシ)−フェニル]−2−メチル−5−オキソ−7−プロピル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリル
段階bの生成物(0,20g)、1−フルオロ−4−ニトロベンゼン(53μL)および炭酸セシウム(0.22g)の混合物をジメチルスルホキシド(1mL)に溶解し、80℃で16時間攪拌した。ジクロロメタンを加え、この反応混合物を1%塩酸水溶液、および飽和食塩水で洗浄した。この有機相を濃縮し、表題化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,ヘプタン/酢酸エチル)後に得た。
収量:0.19g.MS−ESI:[M−H]=564/566.H NMR(CDCl):σ=8.17(d,2H),7.00(d,1H),6.91(m,3H),5.95(bs,1H),4.63(s,1H),4.04(dq,2H),2.52(dd,1H),2.42(d,2H),2.25(m,1H),2.20(s,3H),2.15(dd,1H),1.38(m,4H),1.20(t,3H),0.92(t,3H).
【実施例31】
【0144】
4−[3−ブロモ−5−エトキシ−4−(5−フルオロ−2−プロピルアミノ−ベンジルオキシ)−フェニル]−2−メチル−5−オキソ−7−プロピル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−キノリン−3−カルボニトリル
a)(5−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−メタノール
氷浴で冷却しながら、5−フルオロ−2−ニトロ安息香酸(4.58g)のTHF(50ml)中の溶液に、BH・THFのTHF(62ml)中の1M溶液を加えた。氷浴を取り除き、攪拌を周囲温度で1時間継続し、次いで4時間還流した。この反応混合物を冷却し、MeOHを加えてボランの過剰分を分解した。この混合物を濃縮し、水および酢酸エチルを残渣に加えた。有機層を食塩水で洗浄し、乾燥して濃縮した。
収量:4.3g。
【0145】
b)4−[3−ブロモ−5−エトキシ−4−(5−フルオロ−2−ニトロ−ベンジルオキシ)−フェニル]−2−メチル−5−オキソ−7−プロピル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−キノリン−3−カルボニトリル
ジクロロメタン(30ml)中の段階aの粗生成物(1.5g)、塩化チオニル(1.94ml)およびDMF数滴の混合物を72時間攪拌した。この混合物を真空中で濃縮し、残渣をDMF(20ml)中に溶解した。残った溶液に実施例30aに記載の化合物(3.9g)、KCO(6.1g)および臭化テトラ−n−ブチルアンモニウムの少量(約50mg)を加えた。この混合物を60℃で5時間攪拌した。水と酢酸エチルを加え、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機画分を食塩水で洗浄し、乾燥して濃縮した。残渣をトルエンから再結晶した。
収量:3.8g。
【0146】
c)4−[4−(2−アミノ−5−フルオロ−ベンジルオキシ)−3−ブロモ−5−エトキシ−フェニル]−2−メチル−5−オキソ−7−プロピル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−キノリン−3−カルボニトリル
段階bの生成物(3.8g)のTHF(110ml)中の溶液に、酢酸(3.6ml)および亜鉛粉(8.2g)を加えた。この懸濁液を50℃で1時間加熱した。この反応混合物を濾過して濃縮した。残渣を酢酸エチル中に溶解し、飽和NaHCOおよび食塩水で洗浄した。有機層を分離し、乾燥(NaSO)して濃縮した。残った固体を酢酸エチルの少量で攪拌し、濾過した後表題化合物を淡黄色固体として得た。
収量:2.8g。
【0147】
d)4−[3−ブロモ−5−エトキシ−4−(5−フルオロ−2−プロピルアミノ−ベンジルオキシ)−フェニル]−2−メチル−5−オキソ−7−プロピル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−キノリン−3−カルボニトリル
段階cに記載の化合物(200mg)およびプロピオンアルデヒド(25μl)のジクロロメタン(5ml)中の溶液を2時間攪拌した。次いで、酢酸(81μl)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(300mg)を加え、この混合物をさらに20時間攪拌した。2M NaOH水溶液を加え、15分間攪拌した。有機層を水および食塩水で洗浄し、乾燥し、真空中で濃縮した。表題化合物を、分取HPLC(Luna C18[5μm],流量:20ml min−1,10→90%CHCN,0.1%TFA)により残渣を精製し、水とジオキサンとの混合物から凍結乾燥することにより得た。加えて、少量のジ−アルキル化された生成物を単離することができた(実施例32を参照されたい)。
収量:109mg.MS−ESI:[M+H]=610/612.
【実施例32】
【0148】
4−[3−ブロモ−4−(2−ジプロピルアミノ−5−フルオロ−ベンジルオキシ)−5−エトキシ−フェニル]−2−メチル−5−オキソ−7−プロピル−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−キノリン−3−カルボニトリル
実施例31dの反応混合物から、分取HPLC(Luna C18[5μm],流量:20ml min−1,10→90%CHCN,0.1%TFA)、および水とジオキサンとの混合物からの凍結乾燥により得た。
収量:12mg.MS−ESI:[M+H]=652/654.
【実施例33】
【0149】
CHO−FSH インビトロ生理活性
安定にヒトFSH受容体を形質移入し、cAMP応答性要素(CRE)/ホタルルシフェラーゼレポーター遺伝子の発現を導くプロモーターを共形質移入したチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞において、化合物のFSH活性を試験した。Gs結合FSH受容体へのリガンドの結合がcAMPの増加を引き起こし、それがさらにルシフェラーゼレポーター構築物のトランス活性化の増加を誘発する。ルミネセンスカウンターを用いてルシフェラーゼシグナルを定量した。試験化合物のために、EC50値(刺激の最大の半分(50%)を引き起こす試験化合物の濃度)を計算した。そのためにソフトウェアプログラムGraphPad PRISM,version3.0(GraphPad software Inc.,San Diego)を使用した。
【0150】
全ての実施例の化合物は10−5M未満の活性(EC50)を示した。実施例13、16、17、19〜21、23、26、28、31および32の化合物は10−7と10−9Mとの間のEC50を示した。実施例24および29の化合物は10−9未満のEC50を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1で表されるジヒドロピリジン誘導体化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【化1】

式中、
は、(1−6C)アルキル、(2−6C)アルケニル、(2−6C)アルキニルまたはフェニル、(1−5C)ヘテロアリールであり、いずれも、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、(1−4C)アルキル、(2−4C)アルケニル、(2−4C)アルキニル、(1−4C)アルコキシ、(1−4C)(ジ)アルキルアミノから選択される1つ以上の置換基で場合により置換されており;
、Rは、独立して(1−4C)アルキル、(2−4C)アルケニル、(2−4C)アルキニル、(1−4C)アルコキシ、(2−4C)アルケニルオキシ、(3−4C)アルキニルオキシ、ハロゲンであり;
は、(1−6C)アルキル、(2−6C)アルケニル、(2−6C)アルキニル、(3−6C)シクロアルキル、(3−6C)シクロアルケニル、(3−6C)シクロアルキル(1−4C)アルキル、(2−6C)ヘテロシクロアルキル、(2−6C)ヘテロシクロアルキル(1−4C)アルキルまたは(6−10C)アリール、(6−10C)アリール(1−4C)アルキル、(1−9C)ヘテロアリール、(1−9C)ヘテロアリール(1−4C)アルキルであり、前記(ヘテロ)アリール基は、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、(1−4C)アルキル、(2−4C)アルケニル、(2−4C)アルキニル、(1−4C)アルコキシ、(1−4C)(ジ)アルキルアミノから選択される1つ以上の置換基で場合により置換されており、およびRがフェニルの場合、(1−4C)アルキルチオ、(1−4C)アルキルスルホニル、R−オキシカルボニル、R−カルボニルまたはR,R−アミノカルボニルをさらに加えてよく;
Xは、SO、CH、C(O)であるかまたはXは存在せず、ここでXがCHである場合、RはさらにR−オキシカルボニルまたはR−カルボニルであり得;
、Rは、独立して、H、(1−4C)アルキル、(2−4C)アルケニル、(2−4C)アルキニル、(3−6C)シクロアルキル、(3−6C)シクロアルキル(1−4C)アルキル、(2−6C)ヘテロシクロアルキル、(2−6C)ヘテロシクロアルキル(1−4C)アルキル、(1−4C)アルコキシカルボニル(1−4C)アルキル、(1−4C)(ジ)アルキルアミノカルボニル(1−4C)アルキルまたは(6−10C)アリールアミノカルボニル(1−4C)アルキル、(1−9C)ヘテロアリールアミノカルボニル(1−4C)アルキル、(6−10C)アリール、(1−9C)ヘテロアリール、(6−10C)アリール(1−4C)アルキル、(1−9C)ヘテロアリール(1−4C)アルキルであり、前記(ヘテロ)アリール基は、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、(1−4C)アルキル、(2−4C)アルケニル、(2−4C)アルキニル、(1−4C)アルコキシ、(1−4C)(ジ)アルキルアミノから選択される1つ以上の置換基で場合により置換されており、またはR,R−アミノカルボニルにおけるR、Rは、(2−6C)ヘテロシクロアルキル環に連結されていてよく;
但し、前記化合物は、2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリルではない。
【請求項2】
が、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、(1−4C)アルキル、(2−4C)アルケニル、(2−4C)アルキニル、(1−4C)アルコキシ、(1−4C)(ジ)アルキルアミノ、(1−4C)アルキルチオ、(1−4C)アルキルスルホニル、R−オキシカルボニル、R−カルボニルまたはR,R−アミノカルボニルから選択される1つ以上の置換基で場合により置換されているフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
でのフェニルの置換基が、R,R−アミノカルボニル、(1−4C)アルコキシおよび/またはハロゲンである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
,R−アミノカルボニルにおけるR、Rが、(1−4C)(ジ)アルキルアミノである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
,R−アミノカルボニルにおけるRが、(1−4C)アルコキシカルボニル(1−4C)アルキルであり、およびRがHである、請求項3に記載の化合物。
【請求項6】
,R−アミノカルボニルにおけるRが、(1−9)ヘテロアリール(1−4C)アルキルであり、前記(ヘテロ)アリール基が、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、(1−4C)アルキル、(2−4C)アルケニル、(2−4C)アルキニル、(1−4C)アルコキシ、(1−4C)(ジ)アルキルアミノまたは(1−4C)アルコキシカルボニル(1−4C)アルキルから選択される1つ以上の置換基で場合により置換されており、およびRがHである、請求項3に記載の化合物。
【請求項7】
Xが、CHである、請求項1から6に記載の化合物。
【請求項8】
が、(1−6C)アルキル、フェニルまたは(1−5C)ヘテロアリールである、請求項1から7に記載の化合物。
【請求項9】
、Rが、ハロゲンおよび/または(1−4C)アルコキシである、請求項1から8に記載の化合物。
【請求項10】
治療における使用のための、請求項1から9に記載の化合物。
【請求項11】
2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリルを含む請求項1から9のいずれか1項に記載の化合物、および薬学的に適した助剤を含む、医薬組成物。
【請求項12】
受胎障害の治療用医薬の製造のための、2−メチル−5−オキソ−7−フェニル−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボニトリルを含む請求項1から9のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物の使用。

【公表番号】特表2008−540349(P2008−540349A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509309(P2008−509309)
【出願日】平成17年5月4日(2005.5.4)
【国際出願番号】PCT/EP2005/052042
【国際公開番号】WO2006/117023
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(398057282)ナームローゼ・フエンノートチヤツプ・オルガノン (93)
【Fターム(参考)】