説明

ジャーナル軸受装置

【課題】LBP構造であって且つ振動安定性にも優れているティルティング式ジャーナル軸受(ティルティングパッド軸受)装置などのジャーナル軸受装置を提供する。
【解決手段】ジャーナル軸受装置を、例えば、軸受ハウジング13と、軸受ハウジング13の内周面13aに配置された複数個の軸受パッド15A〜15Eとを有し、複数個の軸受パッド15A〜15Eの内側に水平に挿通された回転機械のロータ14の荷重を、複数個の軸受パッド15A〜15Eのうちの下側の2個の軸受パッド15C,15Cとで支持するLBP構造のティルティングパッド軸受11と、軸受ハウジング13の周囲を囲み、且つ、水平方向の両側部に油が充填された油溜まり部(油溜まり溝41c)が形成されている円環状の軸受環41と、軸受環41が取り付けられている軸受台12とを有する構成のティルティングパッド軸受装置10とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はターボ機械(圧縮機及び駆動用蒸気タービン)などの回転機械のジャーナル軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ターボ機械(圧縮機及び駆動用蒸気タービン)などの回転機械に用いられるティルティング式ジャーナル軸受(ティルティングパッド軸受)装置においては、従来、回転機械のロータの振動安定性の優位さから、LOP(Load on pad)の構造が採用されている。
【0003】
図5は従来のLOP構造のティルティングパッド軸受装置の横断面図、図6は図5のA−A線矢視断面図である。
【0004】
図5及び図6示すように、従来のティルティングパッド軸受装置8は、ティルティング式ジャーナル軸受であるティルティングパッド軸受1と、このティルティングパッド軸受1を取り付ける軸受台2とを有して成るものである。ティルティングパッド軸受1は円環状の軸受ハウジング3と、5個の軸受パッド5A,5B,5C,5D,5Eと、3個の給油片7A,7B,7Cとを有している。
【0005】
軸受パッド5A〜5Eは、何れも横断面形状が円弧状であり(図5参照)、軸受ハウジング3の内周面3aに前記内周面3aの周方向に沿って等間隔に配置されて円環状を成しており、その内側に水平に挿通されたターボ機械などの回転機械のロータ(回転軸)4を回転可能に支持している。また、各軸受パッド5A〜5Bは、背面(外側の面)にピボット5aが設けられており、このピボット5aの球面5bが軸受ハウジング3の内周面3aに当接している。このため、各軸受パッド5A〜5Bは、ピボット5a(前記球面5bと前記内周面3aの接点)を中心にして、ロータ4の周方向や軸方向に揺動可能であり、ロータ4の動きにつれて自動調心作用をする。
また、各軸受パッド5A〜5Eは、パッド固定用ボルト6によって、軸受ハウジング3へ前記揺動が可能な状態で取り付けられ、且つ、軸受ハウジング3の内周面3aの周方向への移動が規制されている。
【0006】
そして、ティルティングパッド軸受1は、ロータ4の真下に1個の軸受パッド5Aが位置し、この1個の軸受パッド5Aによってロータ4の荷重を支持するLOP構造となっている。
【0007】
また、給油片7A〜7Cは給油ノズル7aを備えており、特に下側の3枚の軸受パッド5A,5B,5Eの内面5dに給油するため、軸受パッド5A,5Eの間と軸受パッド5A,5Bの間と軸受パッド5B,5Cの間にそれぞれ設けられている。ロータ4が図5の矢印B方向に回転すると、給油片7A〜7Cの給油ノズル7aから吐出された潤滑油が、軸受パッド5A,5B,5Eの内面5dとロータ4の外周面4aとの間にそれぞれ供給されて、これらの間に油膜を形成する。
なお、従来のティルティングパッド軸受が記載されている先行技術文献としては、例えば次のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−168205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
近年、特に大型のティルティング式ジャーナル軸受(ティルティングパッド軸受)装置に対しては、ターボ機械などを購入する顧客から、LBP(Load between pad)構造のティルティングパッド軸受を要求されることがある。LBP構造のティルティングパッド軸受は、下側の2個の軸受パッドでロータの荷重を分担して支持するため、LOP構造に比べて軸受パッドの温度が下がり、軸受静特性(温度特性)に優れている。
【0010】
しかしながら、LBP構造のティルティングパッド軸受は、ロータの振動安定性に関してはLOP構造のティルティングパッド軸受に比べて劣るため、この振動安定性の向上が望まれている。
【0011】
従って本発明は上記の事情に鑑み、LBP構造であって且つ振動安定性にも優れているティルティング式ジャーナル軸受(ティルティングパッド軸受)装置などのジャーナル軸受装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する第1発明のジャーナル軸受装置は、軸受ハウジングと、前記軸受ハウジングの内周面に配置された複数個の軸受パッドとを有し、前記複数個の軸受パッドの内側に水平に挿通された回転機械の回転軸の荷重を、前記複数個の軸受パッドのうちの2個の軸受パッドで支持するLBP構造のジャーナル軸受と、
前記軸受ハウジングの周囲を囲み、且つ、水平方向の両側部に油が充填された油溜まり部が形成されている円環状の軸受環と、
前記軸受環が取り付けられている軸受台と、
を有することを特徴とする。
【0013】
また、第2発明のジャーナル軸受装置は、第1発明のジャーナル軸受装置において、
前記軸受環の外周面に円環状の溝が形成され、且つ、この円環状の溝が前記軸受台の内周面で覆われており、
前記油溜まり部は、前記円環状の溝の水平方向の両側部を深く加工した油溜まり溝であり、
前記軸受台に形成されている油路を流通した油が、前記円環状の溝を介して前記油溜まり溝に充填される構成であること、
を特徴とする。
【0014】
また、第3発明のジャーナル軸受装置は、軸受ハウジングと、前記軸受ハウジングの内周面に配置された複数個の軸受パッドとを有し、前記複数個の軸受パッドの内側に水平に挿通された回転機械の回転軸の荷重を、前記複数個の軸受パッドのうちの2個の軸受パッドで支持するLBP構造のジャーナル軸受と、
前記軸受ハウジングの周囲を囲む軸受環と、
前記軸受環が取り付けられ、且つ、水平方向の両側部に油が充填された油溜まり部が形成されている軸受台と、
を有することを特徴とする。
【0015】
また、第4発明のジャーナル軸受装置は、第3発明のジャーナル軸受装置において、
前記軸受環の外周面に円環状の溝が形成され、且つ、この円環状の溝が前記軸受台の内周面で覆われており、
前記油溜まり部は、前記軸受台の内周面の水平方向の両側部に形成された油溜まり溝であって、前記円環状の溝に繋がっており、
前記軸受台に形成されている油路を流通した油が、前記円環状の溝を介して前記油溜まり溝に充填される構成であること、
を特徴とする。
【0016】
また、第5発明のジャーナル軸受装置は、第1〜第4発明の何れか1つのジャーナル軸受装置において、
前記ジャーナル軸受は、前記軸受パッドが、前記軸受パッドの背面に設けられたピボットを中心にして揺動可能なティルティングパッド軸受であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
第1発明のジャーナル軸受装置によれば、軸受ハウジングと、前記軸受ハウジングの内周面に配置された複数個の軸受パッドとを有し、前記複数個の軸受パッドの内側に水平に挿通された回転機械の回転軸の荷重を、前記複数個の軸受パッドのうちの2個の軸受パッドで支持するLBP構造のジャーナル軸受と、前記軸受ハウジングの周囲を囲み、且つ、水平方向の両側部に油が充填された油溜まり部が形成されている円環状の軸受環と、前記軸受環が取り付けられている軸受台とを有することを特徴としており、軸受環の水平方向の両側部に油溜まり部を形成したことによって、ジャーナル軸受装置の水平方向と垂直方向の油膜剛性(ジャーナル軸受装置全体の支持剛性)に非対称性を持たせることができるため、回転軸の振動安定性が向上する。従って、軸受静特性(温度特性)に優れ、しかも振動安定性にも優れているLBP構造のジャーナル軸受装置を実現することができる。
【0018】
第2発明のジャーナル軸受装置によれば、第1発明のジャーナル軸受装置において、前記軸受環の外周面に円環状の溝が形成され、且つ、この円環状の溝が前記軸受台の内周面で覆われており、前記油溜まり部は、前記円環状の溝の水平方向の両側部を深く加工した油溜まり溝であり、前記軸受台に形成されている油路を流通した油が、前記円環状の溝を介して前記油溜まり溝に充填される構成であることを特徴としているため、油溜まり溝への油の充填を、簡易な構成で容易且つ確実に行うことができる。
【0019】
第3発明のジャーナル軸受装置によれば、軸受ハウジングと、前記軸受ハウジングの内周面に配置された複数個の軸受パッドとを有し、前記複数個の軸受パッドの内側に水平に挿通された回転機械の回転軸の荷重を、前記複数個の軸受パッドのうちの2個の軸受パッドで支持するLBP構造のジャーナル軸受と、前記軸受ハウジングの周囲を囲む軸受環と、前記軸受環が取り付けられ、且つ、水平方向の両側部に油が充填された油溜まり部が形成されている軸受台とを有することを特徴としており、軸受台の水平方向の両側部に油溜まり部を形成したことによって、ジャーナル軸受の水平方向と垂直方向の油膜剛性(ジャーナル軸受装置全体の支持剛性)に非対称性を持たせることができるため、回転軸の振動安定性が向上する。従って、軸受静特性(温度特性)に優れ、しかも振動安定性にも優れているLBP構造のジャーナル軸受装置を実現することができる。
【0020】
第4発明のジャーナル軸受装置によれば、第3発明のジャーナル軸受装置において、前記軸受環の外周面に円環状の溝が形成され、且つ、この円環状の溝が前記軸受台の内周面で覆われており、前記油溜まり部は、前記軸受台の内周面の水平方向の両側部に形成された油溜まり溝であって、前記円環状の溝に繋がっており、前記軸受台に形成されている油路を流通した油が、前記円環状の溝を介して前記油溜まり溝に充填される構成であることを特徴としているため、油溜まり溝への油の充填を、簡易な構成で容易且つ確実に行うことができる。
【0021】
第5発明のジャーナル軸受装置は、第1〜第4発明の何れか1つのジャーナル軸受装置において、前記ジャーナル軸受は、前記軸受パッドが、前記軸受パッドの背面に設けられたピボットを中心にして揺動可能なティルティングパッド軸受であることを特徴としているため、上記第1〜第4発明の何れかの効果を有するティルティングパッド軸受装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態例1に係るティルティング式ジャーナル軸受(ティルティングパッド軸受)装置の構成を示す横断面図である。
【図2】図1のC−C線矢視断面図(縦断面図)である。
【図3】本発明の実施の形態例2に係るティルティング式ジャーナル軸受(ティルティングパッド軸受)装置の構成を示す横断面図である。
【図4】図3のD−D線矢視断面図(縦断面図)である。
【図5】従来のLOP構造のティルティング式ジャーナル軸受(ティルティングパッド軸受)装置の構成を示す横断面図である。
【図6】図5のA−A線矢視断面図(横断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】
<実施の形態例1>
図1及び図2に示すように、本発明の実施の形態例1に係るティルティングパッド軸受装置10は、ティルティング式ジャーナル軸受であるティルティングパッド軸受11と、円環状の軸受環41と、軸受台12とを有して成るものであり、ターボ機械(圧縮機及び駆動用蒸気タービン)等の回転機械のロータ(回転軸)14を回転可能に支持する。
【0025】
ティルティングパッド軸受11はLBP構造のものであり、円環状の軸受ハウジング13と、奇数個(図示例では5個)の軸受パッド15A,15B,15C,15D,15Eと、軸受パッド15A〜15Eと同数の奇数個(図示例では5個)の給油片16A,16B,16C,16D,16Eと、複数個(図示例では6個)の偏心調整機構20A,20B,20C,20D,20E,20Fとを有している。なお、偏心調整機構20Aは、ティルティングパッド軸受11をLOP構造用として用いる場合に取り付けられるものであり、図1及び図2では図示を省略している。
【0026】
軸受ハウジング13は、2分割された半円状の第1の軸受ハウジング片13Aと第2の軸受ハウジング片13Bとから成るものである。第1の軸受ハウジング片13Aと第2の軸受ハウジング片13Bとを、位置合わせピン17で位置合わせし、且つ、ボルト18で締結することによって、円環状の軸受ハウジング13を構成している。
【0027】
また、軸受ハウジング13は、円環状のハウジング本体13cと、このハウジング本体13cの両側面(ロータ14の軸方向の両側の面)13dにボルト30で固定された円環状のハウジング側板13eとを有して成るものである。ハウジング本体13cの両側面13dには、軸受ハウジング13の周方向に沿った円環状の凹部(溝)13fが形成されており、この凹部13fをハウジング側板13eで覆うことによって、軸受ハウジング13の周方向に沿った円環状の油路(以下、環状油路と称する)13gが形成されている。
【0028】
また、軸受ハウジング13(ハウジング本体13c)には、軸受パッド15C,15Dの間(給油片16C)に対応する位置において、ロータ14の軸方向へ延びた油路13kが形成され、この油路13kの両端が両側の環状油路13gに繋がっており、且つ、油路13kから外側へ軸受ハウジング13(ハウジング本体13c)の外周面13hまで延びた第1の給油口13m(LBP構造の場合の給油口)が形成されている。更に、軸受ハウジング13(ハウジング本体13c)には、軸受パッド15Aに対応する位置、
即ち、第1の給油口13mに対して軸受ハウジング13の周方向に180度回転対称の位置において、ロータ14の軸方向へ延びた油路13iが形成され、この油路13iの両端が両側の環状油路13gに繋がっており、且つ、油路13iから外側へ軸受ハウジング13(ハウジング本体13c)の外周面13hまで延びた第2の給油口13j(LOP構造の場合の給油口)が形成されている。従って、第1の給油口13jと第2の給油口13mは、軸受ハウジング13の周方向(環状油路13gの周方向)において、互いに180度回転対称の位置関係になっている。
【0029】
また、軸受ハウジング13(ハウジング本体13c)には、給油片16A,16B,16D,16Eに対応する位置においても、油路13kと同様にロータ14の軸方向へ延びた油路13n,13o,13p,13qがそれぞれ形成され、この油路13n,13o,13p,13qの両端が両側の環状油路13gにそれぞれ繋がっている。
【0030】
軸受パッド15A〜15Eは、何れも横断面形状が円弧状であり(図1,図3参照)、軸受ハウジング13(第1及び第2軸受ハウジング片13A,13B)の内周面13aに前記内周面13aの周方向に沿って等間隔に配置されて円環状を成しており、その内側に水平に挿通されたロータ14を回転可能に支持している。また、各軸受パッド15A〜15Bは、背面(外側の面)にピボット15aが設けられており、このピボット15aの球面15bが軸受ハウジング13の内周面13aに当接している。このため、各軸受パッド15A〜15Bは、ピボット15a(前記球面15bと前記内周面13aの接点)を中心にして、ロータ14の周方向や軸方向に揺動可能であり、ロータ14の動きにつれて自動調心作用をする。
【0031】
給油片16A〜16Eは、軸受パッド15A,15Bの間と、軸受パッド15B,15Cの間と、軸受パッド15C,15Dの間と、軸受パッド15D,15Eの間と、軸受パッド15A,15Eの間のそれぞれに配設され、軸受パッド15A〜15Eのそれぞれ対して、軸受ハウジング13の内周面13aの周方向への移動を規制している。即ち、軸受パッド15A〜15Eは、給油片16A〜16Bによって前記周方向の位置決めがなされた状態でロータ14を回転可能に支持している。
【0032】
給油片16A〜16Eは固定手段により軸受ハウジング13に固定されている。図示例では、給油片16A〜16Eは、背面側に凸部16aが形成されており、この凸部16aが軸受ハウジング13の内周面13aに形成されている凹部13bに嵌合されることによって軸受ハウジング13に固定されている。
【0033】
また、給油片16A〜16Eは何れも、潤滑油を軸受パッド15A〜15Eの内面(支持面)15cに供給するための給油ノズル16bを有している。給油ノズル16bは、給油片16A〜16Eに形成された吐出孔16dと油路16c,16eとを有して成るものである。油路16cはロータ14の軸方向に延びている。吐出孔16dは給油片16A〜16Eの先端部に開けられた孔であり、油路16cに通じている。また、吐出孔16dは複数個設けられており、ロータ14の軸方向に沿って配列されている。給油片16Cの油路16eは、油路16cからロータ14の径方向に外側へと延びて、第2の給油口13mに繋がり、且つ、ロータ14の軸方向へも延びて、軸受ハウジング13(ハウジング本体13c)に形成されている油路13kにも繋がっている。給油片16A,16B,16D,16Eの油路16eは、油路16cからロータ14の径方向に外側へと延び、且つ、ロータ14の軸方向へも延びて、軸受ハウジング13(ハウジング本体13c)に形成されている油路13n,13o,13p,13qにそれぞれ繋がっている。
【0034】
そして、本実施の形態例1では、LBP構造のティルティングパッド軸受11において、ロータ14の振動安定性を向上させるために軸受環41を備えている。軸受環41は軸受ハウジング13の周囲を囲んでいる。なお、図2中の26は軸受環41と軸受ハウジング13の位置合わせを行う位置合わせピンである。
【0035】
図1及び図2に示すように、軸受環41の外周面41aには、円環状の溝(以下、環状溝と称する)41bが形成されている。しかも、軸受環41の水平方向の両側部(ロータ14を中心にして左右対称の位置)には、環状溝41bの水平方向の両側部(ロータ14を中心にして左右対称の位置)を深く(即ち環状溝41bにおける前記水平方向の両側部以外の部分よりも深く)加工することにより(即ち深溝にすることにより)、油が充填された油溜まり部としての油溜まり溝41cが形成されている。この油溜まり溝41cには、環状溝41bを介して供給された潤滑油が充填されている。
【0036】
軸受環41は、2分割された半円状の第1の軸受環片41Aと第2の軸受環片42Bとから成るものであり、軸受台12に取り付けられている。第1の軸受環41Aと第2の軸受環片41Bとを、位置合わせピン(図示省略)で位置合わせし、且つ、ボルト(図示省略)で締結することによって、円環状の軸受環41を構成している。下側の第1の軸受環片41Aは、軸受台12の軸受台本体12cに形成されている半円状の凹部12dに嵌め込まれて位置合わせピン(図示省略)で位置合わせされ、上側の第2の軸受環41Bは、軸受台12の半円状のベアリングキャップ12eにより覆われて位置合わせピン(図示省略)で位置合わせされている。即ち、軸受台本体12c(凹部12d)とベアリングキャップ12eとから成る内周面12aによって、軸受環41の周囲を囲んでいる。このため、軸受環41の溝41b及び油溜まり溝41cは、軸受台12(軸受台本体12c及びベアリングキャップ12e)の内周面12aによって覆われており、円環状の油路となっている。
なお、ベアリングキャップ12eは、軸受台本体12cに位置合わせピン(図示省略)によって位置合わせされ且つボルト(図示省略)によって固定されている。
【0037】
また、軸受環41の下端部には油路41eが形成されている。この油路41eはロータ14の径方向に延びて環状溝41bと繋がっている。
【0038】
偏心調整機構20B〜20Fは、4個の軸受パッド15B〜15Eのそれぞれに対応する複数箇所(即ち4箇所)と、軸受パッド15C,15Dの間(給油片16C)に対応する一箇所とにそれぞれ設けられる。図示は省略するが、LOP構造用として用いる場合には、軸受パッド15Aに対応する位置にを偏心調整機構20Aが設けられる。
【0039】
偏心調整機構20B〜20Fは、軸受ハウジング13の外周面13hと、軸受ハウジング13の周囲を囲む軸受環41の内周面41dとの間に介設され、軸受環41による軸受ハウジング13の上下方向の支持位置を調整することにより、円環状を成す軸受パッド15A〜15Eの内面15cの中心を、軸受台12の内周面12aの中心に対して上下方向へ偏心調整可能なものである。
具体的には、偏心調整機構20B〜20Fは、シム21と、軸受台12の内周面12aに当接し且つシム21を押さえるアウターライナ22とを有し、シム21とアウターライナ22をボルト23で軸受ハウジング13(ハウジング本体13c)の外周面13hに固定する構成のものである。アウターライナ22は、軸受台12の内周面12aに当接する外面22aが前記内周面12aに沿った曲面となっており、シム21側の内面22bが平坦面となっている。図示は省略するが、偏心調整機構20Aも、偏心調整機構20B〜20Fと同様の構成である。偏心調整機構20A〜20Fは、軸受ハウジング13の外周面13hの一部を切り欠いた平坦な取付面13rに取り付けられる。
【0040】
また、軸受パッド15C,15Dの間に対応する位置に設けられる偏心調整機構20Dのシム21とアウターライナ22には、給油孔21a,22cがそれぞれ開けられている。図示は省略するが、軸受パッド15Aに対応する位置に設けられる偏心調整機構20Aのシムとアウターライナにも、給油孔がそれぞれ開けられている。
【0041】
図1及び図2に示すように、ティルティングパッド軸受11をLBP構造用として用いる場合、ロータ14の真下に軸受パッド15C,15Dの間の部分(給油片16C)が位置するようにティルティングパッド軸受11を軸受台12に取り付けて、2個の軸受パッド15C,15Dによってロータ14の荷重を分担して支持する。
【0042】
LBP構造の場合、軸受パッド15C,15Dの間(給油片16C)に対応する位置に設けられる偏心調整機構20Dにおいて、シム21の枚数や厚さを調整(選定)することにより、軸受環41による軸受ハウジング13の上下方向の支持位置を調整し、円環状(仮想円)を成す軸受パッド15A〜15Eの内面15cの中心を、軸受台12の内周面12aの中心に対して上下方向へ偏心させることによって、ロータ14の回転時に下側の軸受パッド15C,15Dの内面15cとロータ14の外周面14aの間に形成される潤滑油の膜(油膜)によってロータ14が浮上したとき、ロータ14の中心が軸受台12の内周面12aの中心に一致するようにする。一般的には停止時の自重によるロータ14の落ち込み量に比べて、前記油膜の厚さの方が小さいため、軸受台12の内周面12aの中心に対して、円環状(仮想円)を成す軸受パッド15A〜15Eの内面15cの中心を上側へ偏心させる。
なお、LBP構造の場合、ロータ14の真上に位置する第1の給油口13jの部分には偏心調整機構20Aを設けず、第1の給油口13jを蓋(プレート)25で塞ぐことにより、第1の給油口13jからの油漏れを防ぐ。また、偏心調整機構20D以外の偏心調整機構20B,20C,20E,20Fにおいても、シム21の枚数や厚さを調整(選定)することにより、アウターライナ22が軸受環41の内周面41dに当接するように調整する。
【0043】
また、LBP構造の場合、軸受環41の環状溝41b及び油路41eが、軸受ハウジング13の第1の給油口13mと、軸受台12に形成されている油路12bとに繋がった状態となる。
【0044】
LBP構造の場合の潤滑油の流れについて説明すると、軸受台12に軸受環41及びティルティングパッド軸受11を取り付けた後、給油装置(図示省略)から潤滑油が送られてくると、この潤滑油が、軸受台12の油路12bを流通した後、環状溝41bに流入し、環状溝41bを流通して、油溜まり溝41cに充填される。
【0045】
また、前記潤滑油は、軸受台12の油路12bを流通した後、油路41e及び偏心調整機構20Dの給油孔21a,22cを介して、第1の給油口13mへも流入する(油溜まり溝14dへ充填後は第1の給油口13mにのみ流入することになる)。第1の給油口13mへ流入した潤滑油は、給油片16Cの油路16eへ流入する。そして、この油路16eに流入した潤滑油が、油路16eを流通して油路16cへ流入し、吐出孔16dからロータ14の外周面14aへと吐出される。また、第1の給油口13mへ流入した潤滑油は、油路13kを経て環状油路13gにも流入し、環状油路13gを流通する。この環状油路13gを流通する潤滑油は、油路13n,13o,13p,13qを介して、給油片16A,16B,16D,16Eの油路16eへ流入する。そして、この油路16eに流入した潤滑油が、油路16eを流通して油路16cへ流入し、吐出孔16dからロータ14の外周面14aへと吐出される。その結果、軸受パッド15A〜15Eの内面15cとロータ14の外周面14aとの間に潤滑油が供給される。このとき、下側の軸受パッド15C,15Dの内面15cとロータ14の外周面14aとの間に油膜が形成され、この油膜によって浮き上がったロータ14の中心が、軸受台12の内周面12aの中心に一致する。軸受パッド15A〜15Eの内面15cとロータ14の外周面14aとの間に供給された潤滑油は、その後、軸受パッド15A〜15Eと給油片16A〜16Eの隙間から排出される。
【0046】
なお、図示及び詳細な説明は省略するが、ティルティングパッド軸受11をLOP構造用として用いる場合には、図1及び図2に示すLBP構造のティルティングパッド軸受11を、その周方向に180度回転させた状態で用いる。このLOP構造の場合、ロータ14の真上に位置する第2の給油口13mの部分には偏心調整機構20Dを設けず、第2の給油口13mを蓋(プレート)で塞ぐ。軸受パッド15Aに対応する位置に偏心調整機構20Aを設け、この偏心調整機構20Aにおいて、シムの枚数や厚さを調整(選定)することにより、軸受環41による軸受ハウジング13の上下方向の支持位置を調整し、円環状(仮想円)を成す軸受パッド15A〜15Eの内面15cの中心を、軸受台12の内周面12aの中心に対して上下方向へ偏心させる。また、偏心調整機構20A以外の偏心調整機構20B,20C,20E,20Fにおいても、シム21の枚数や厚さを調整(選定)することにより、アウターライナ22が軸受台12の内周面12aに当接するように調整する。
【0047】
以上のように、本実施の形態例1のティルティングパッド軸受装置10によれば、軸受ハウジング13と、軸受ハウジング13の内周面13aに配置された複数個の軸受パッド15A〜15Eとを有し、複数個の軸受パッド15A〜15Eの内側に水平に挿通された回転機械のロータ14の荷重を、複数個の軸受パッド15A〜15Eのうちの下側の2個の軸受パッド15C,15Cとで支持するLBP構造のティルティングパッド軸受11と、軸受ハウジング13の周囲を囲み、且つ、水平方向の両側部に油が充填された油溜まり部(油溜まり溝41c)が形成されている円環状の軸受環41と、軸受環41が取り付けられている軸受台12とを有することを特徴としており、軸受環41の水平方向の両側部に油溜まり部(油溜まり溝41c)を形成したことによって、ティルティングパッド軸受装置10の水平方向と垂直方向の油膜剛性(ティルティングパッド軸受装置10全体の支持剛性)に非対称性を持たせることができるため、ロータ14の振動安定性が向上する。従って、軸受静特性(温度特性)に優れ、しかも振動安定性にも優れているLBP構造のティルティングパッド軸受装置10を実現することができる。
【0048】
また、本実施の形態例1のティルティングパッド軸受装置10によれば、軸受環41の外周面41aに円環状の溝41bが形成され、且つ、この円環状の溝41bが軸受台12の内周面12aで覆われており、前記油溜まり部は、円環状の溝41bの水平方向の両側部を深く加工した油溜まり溝41cであり、軸受台12に形成されている油路12bを流通した潤滑油が、円環状の溝41cを介して油溜まり溝41cに充填される構成であることを特徴としているため、油溜まり溝41cへの油の充填を、簡易な構成で容易且つ確実に行うことができる。
【0049】
<実施の形態例2>
図3及び図4に示すように、本発明の実施の形態例2に係るティルティングパッド軸受装置50では、上記実施の形態例1の油溜まり溝41cに代えて、油が充填された油溜まり部としての油溜まり溝12fが、軸受台12(軸受台本体12c及びベアリングキャップ12e)の水平方向の両側部(ロータ14を中心にして左右対称の位置)に形成されている。
油溜まり溝12fは、軸受台12の内周面12aの水平方向の両側部(ロータ14を中心にして左右対称の位置)に形成されて、軸受環41の環状溝41bに繋がっており、この環状溝41bを介して供給された潤滑油が充填されている。
【0050】
図3及び図4のLBP構造の場合の潤滑油の流れについて説明すると、軸受台12に軸受環41及びティルティングパッド軸受11を取り付けた後、給油装置(図示省略)から潤滑油が送られてくると、この潤滑油が、軸受台12の油路12bを流通した後、環状溝41bに流入し、環状溝41bを流通して、油溜まり溝12fに充填される。
【0051】
また、前記潤滑油は、軸受台12の油路12bを流通した後、油路41e及び偏心調整機構20Dの給油孔21a,22cを介して、第1の給油口13mへも流入する(油溜まり溝12fへ充填後は第1の給油口13mにのみ流入することになる)。これ以降の潤滑油の流れについては、上記実施の形態例1の場合と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0052】
また、本実施の形態例2のティルティングパッド軸受装置50の他の構成についても、上記実施の形態例1のティルティングパッド軸受装置10と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0053】
以上のように、本実施の形態例2のティルティングパッド軸受装置50によれば、軸受ハウジング13と、軸受ハウジング13の内周面13aに配置された複数個の軸受パッド15A〜15Eとを有し、複数個の軸受パッド15A〜15Eの内側に水平に挿通された回転機械のロータ14の荷重を、複数個の軸受パッド15A〜15Eのうちの下側の2個の軸受パッド15C,15Dで支持するLBP構造のティルティングパッド軸受11と、軸受ハウジング13の周囲を囲む軸受環41と、軸受環41が取り付けられ、且つ、水平方向の両側部に油が充填された油溜まり部(油溜まり溝12f)が形成されている軸受台12とを有することを特徴としており、軸受台12の水平方向の両側部に油溜まり部(油溜まり溝12f)を形成したことによって、ティルティングパッド軸受装置50の水平方向と垂直方向の油膜剛性(ティルティングパッド軸受装置50全体の支持剛性)に非対称性を持たせることができるため、ロータ14の振動安定性が向上する。従って、軸受静特性(温度特性)に優れ、しかも振動安定性にも優れているLBP構造のティルティングパッド軸受装置50を実現することができる。
【0054】
また、本実施の形態例2のティルティングパッド軸受装置50によれば、軸受環41の外周面41aに円環状の溝41bが形成され、且つ、この円環状の溝41bが軸受台の内周面12aで覆われており、前記油溜まり部は、軸受台12の内周面12aの水平方向の両側部に形成された油溜まり溝12fであって、円環状の溝41bに繋がっており、軸受台12に形成されている油路12bを流通した潤滑油が、円環状の溝41bを介して油溜まり溝12fに充填される構成であることを特徴としているため、油溜まり溝12fへの油の充填を、簡易な構成で容易且つ確実に行うことができる。
【0055】
なお、上記ではLBP構造とLOP構造の共用が可能なティルティングパッド軸受11に本発明を適用した場合について説明したが、これに限定するものではなく、本発明はLBP構造専用のティルティングパッド軸受(例えば下側の軸受パッドにだけ給油され、軸受ハウジングの外周面の中心に対して軸受ハウジングの内周面の中心を上下方向に偏心させた構造とすることにより、下側の軸受パッドの内面とロータの外周面との間に形成される油膜によって浮き上がったロータの中心が、軸受台の内周面の中心に一致する構成のティルティングパッド軸受)にも適用することができる。
【0056】
また、上記では軸受環41の給油路(環状溝41b、油溜まり溝41c、油路41e)と、ティルティングパッド軸受11の給油路(給油孔21a,22c、供給口13f,13m、油路13i,13k,13n,13o,13p,13q,16c,16e、吐出孔16d)とが連通する構成となっているが、これに限定するものではなく、軸受環41とティルティングパッド軸受11に別々に給油する構成であってもよい。
また、上記では5個の軸受パッド15A〜15Eを配置する場合について例示したが、これに限定するものではなく、本発明を適用するティルティングパッド軸受は、5個以外の複数個(例えば3個、4個、6個、7個など)の軸受パッドが軸受ハウジングの内周面に配置されたLBP構造のものであってもよい。
また、本発明は、必ずしもティルティング式のものに限らず、ティルティング式以外のジャーナル軸受にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明はターボ機械(圧縮機及び駆動用蒸気タービン)などの回転機械のジャーナル軸受装置に関するものであり、軸受パッドがその背面のピボットを中心にして揺動可能なティルティング式ジャーナル軸受(ティルティングパッド軸受)などに適用して有用なものである。
【符号の説明】
【0058】
10 ティルティングパッド軸受装置
11 ティルティングパッド軸受
12 軸受台
12a 内周面
12b 油路
12c 軸受台本体
12d 凹部
12e ベアリングキャップ
12f 油溜まり溝
13 軸受ハウジング
13a 内周面
13b 凹部
13c ハウジング本体
13d 側面
13e ハウジング側板
13f 凹部
13g 円環状の油路(環状油路)
13h 外周面
13i 油路
13j 第2の給油口
13k 油路
13m 第1の給油口
13n,13o,13p,13q 油路
13r 取付面
14 ロータ(回転軸)
14a 外周面
15A,15B,15C,15D,15E 軸受パッド
15a ピボット
15b 球面
15c 内面(支持面)
16A,16B,16C,16D,16E 給油片
16a 凸部
16b 給油ノズル
16c 油路
16d 吐出孔
16e 油路
17 位置合わせピン
18 ボルト
20A,20B,20C,20D,20E,20F 偏心調整機構
21 シム
21a 給油孔
22 アウターライナ
22a 外面
22b 内面
22c 給油孔
23 ボルト
25 蓋(プレート)
26 位置合わせピン
30 ボルト
41 軸受環
41A 第1の軸受環片
41B 第2の軸受環片
41a 外周面
41b 円環状の溝(環状溝)
41c 油溜まり溝
41d 内周面
41e 油路
50 ティルティングパッド軸受装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸受ハウジングと、前記軸受ハウジングの内周面に配置された複数個の軸受パッドとを有し、前記複数個の軸受パッドの内側に水平に挿通された回転機械の回転軸の荷重を、前記複数個の軸受パッドのうちの2個の軸受パッドで支持するLBP構造のジャーナル軸受と、
前記軸受ハウジングの周囲を囲み、且つ、水平方向の両側部に油が充填された油溜まり部が形成されている円環状の軸受環と、
前記軸受環が取り付けられている軸受台と、
を有することを特徴とするジャーナル軸受装置。
【請求項2】
請求項1に記載のジャーナル軸受装置において、
前記軸受環の外周面に円環状の溝が形成され、且つ、この円環状の溝が前記軸受台の内周面で覆われており、
前記油溜まり部は、前記円環状の溝の水平方向の両側部を深く加工した油溜まり溝であり、
前記軸受台に形成されている油路を流通した油が、前記円環状の溝を介して前記油溜まり溝に充填される構成であること、
を特徴とするジャーナル軸受装置。
【請求項3】
軸受ハウジングと、前記軸受ハウジングの内周面に配置された複数個の軸受パッドとを有し、前記複数個の軸受パッドの内側に水平に挿通された回転機械の回転軸の荷重を、前記複数個の軸受パッドのうちの2個の軸受パッドで支持するLBP構造のジャーナル軸受と、
前記軸受ハウジングの周囲を囲む軸受環と、
前記軸受環が取り付けられ、且つ、水平方向の両側部に油が充填された油溜まり部が形成されている軸受台と、
を有することを特徴とするジャーナル軸受装置。
【請求項4】
請求項3に記載のジャーナル軸受装置において、
前記軸受環の外周面に円環状の溝が形成され、且つ、この円環状の溝が前記軸受台の内周面で覆われており、
前記油溜まり部は、前記軸受台の内周面の水平方向の両側部に形成された油溜まり溝であって、前記円環状の溝に繋がっており、
前記軸受台に形成されている油路を流通した油が、前記円環状の溝を介して前記油溜まり溝に充填される構成であること、
を特徴とするジャーナル軸受装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載のジャーナル軸受装置において、
前記ジャーナル軸受は、前記軸受パッドが、前記軸受パッドの背面に設けられたピボットを中心にして揺動可能なティルティングパッド軸受であることを特徴とするジャーナル軸受。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−76435(P2013−76435A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215813(P2011−215813)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(310010564)三菱重工コンプレッサ株式会社 (45)
【Fターム(参考)】