説明

ジュース用ボトル、ならびにそのボトル詰め果肉入りジュースおよびその使用方法

【課題】 この発明は、見た目で他の果実ジュースと歴然と区別できて識別され易く、消費者からは愛らしいとして受け入れられる魅力的なジュースとして識別されるよう、その容器自体が特定果実のジュースであることを物語る新規な構造のジュース用ボトルを提供する。
【解決手段】 ボトル本体丈の1/2ないし2/3の範囲全周を皮毎かじるか剥がすかして果肉を露にしたような外形としたかぶりつき痕外形部またはそれ相当部3、その上に連続する上部皮付き外形部2、その下に連続する下部皮付き外形部4とした外形で、所定容量のプラスチック製としたボトル本体1を形成し、かぶりつき痕外形部またはそれ相当部3は、内容物の色合いや性状を透視可能とする透明または半透明とし、上部皮付き外形部2および下部皮付き外形部4は、適宜手段に依る不透明着色状のものとした果肉入りジュース用ボトルである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、飲料、主に果汁飲料を充填して販売、提供するためのジュース用ボトルと、そのボトル詰め果肉入りジュースおよびその使用方法に関連するものであり、特に擂り下ろし状としたり、圧隕、粉砕状としたりした果肉類を含有させた果汁液または果汁液含有飲料の販促に効果が期待でき、果実類の消費拡大にも繋げることもできる容器に関するものであり、その試作、生産、販売、そして使用の何れかに係わる分野を中心とし、それら分野に直接的にも間接的にも係わりを有するか、有することが予測されるその他の分野までと制限は無く、あらゆる分野を包含するものであって関連しない技術分野はない程である。
【背景技術】
【0002】
(着目点)
店頭には様々な商品が並び、消費者はそれら多様な商品の中から、夫々の基準で希望の商品を容易く入手できるという、一昔前までには予想もつかなかった、豊富な選択肢を与えられての生活が極々日常的になっていて、商品に対する趣向の多様化傾向に歯止めが掛からず、生産者と消費者との間で、供給と消費との掛け合いにおいて、どちらが原因ともつかない原因エンドレスの関係が続いており、供給者がわでは、消費者がわの飽くことの無い要求に応えるべく品揃えに務め、消費者がわでは、供給された商品から更に目新しい商品へと目移りするという繰返しとなり、結果として、それまでの伝統的な商品、例えば果物でいうならば、我が国における伝統的な果物であるリンゴやミカン、ブドウ、イチゴなど、極一般的な果物の消費量は、全般的に鈍化どころか減少傾向にあると云え、これまでの生産量を維持し続けた上に、それを将来に亘って少しでも好転させるためにも、現代の消費者ニーズに合った新たな視点に立つ商品展開の手法が、早急に見出される必要がある。
【0003】
(従来の技術)
リンゴ生産では我が国の53%強、略アメリカ合衆国の生産量にまでも達しようかという程の生産量を誇る青森県ではあるものの、年々その栽培面積を落しており、辛うじて生産技術の伸展に依って単収の向上が図られていて、年毎の生産量は略横ばいを維持できている現状にはあるものの、上記したとおりの商品市場の様変わりが加速する現状では、生産者がわの努力で生産量の現状維持が仮に図り続けられたとしても、消費者ニーズの多様化に依ってりんご趣向の傾向に歴然とした陰りが生じ始めている事実が存在する以上、この先の生産量を維持していく意味合い、つまり生産農家の経済的裏付けを保証し続けられるかどうかは、極めて怪しくなってしまう。
【0004】
リンゴに対する消費者間の趣向を惹き付ける上では、他の食品の、例えば主食を例に取ってみても、一頃の米を主食にしていた食生活なども遠い過去のことであって、食パンが加わって久しく、即席麺からホットドッグやハンバーグ、サンドイッチ、それにスパゲッティが加わり、今ではパスタやグラタン、ラザニア、トウモロコシの粉で作ったポレンタなどといった地中海地方の主食や、メキシコのトルティーヤその他までと、世界各地の主食までもが、選択しようと思えば可能になる程であるのと同様に、生食用の果物としては、我が国で一般的なリンゴや桃、ブドウ、柿、梨などの脇に、バナナやクレープフルーツばかりか、ライチ、アボガド、キウイフルーツ、マンゴー、グァバ、ドリアン、パパイア、ドラゴンフルーツ等々、世界各地からの珍しくて美味しい果物のどれかが日常的に並べられて比較的リーズナブルな価格帯で売られていることからして、生食する果物の趣向にも分散傾向は否定できず、生食用に頼ってきた現状から、外国がそうであるように加工果実としてのリンゴその他の伝統的な果物の価値を新たに見出すようにしていかない限り、それまでの生産量の維持は極めて難しくなると考えなければならない。
【0005】
リンゴの場合について見てみるに、割合では未だしの感はあるものの、既に生食以外の利用がなされていない訳でなく、地元では、例えば、焼きリンゴやシロップ付けしたリンゴの缶詰から、ドライアップル添加物を使わないでそのままボイルし、デザートやアップルパイ等のお菓子の材料とするコンポートタイプの加工リンゴ、リンゴ生果を半裁して芯を刳り貫き、料理用器とするアップルカップ、リンゴを丸毎お菓子に利用するために皮と芯とを除いたタイプのアップルホール、色々の食材用に利用するアップルスライスやペースト(ビューレ)、摺りおろし、それに砂糖漬けしたプレザーブ、そしてリンゴジャム、リンゴジュースなどといった具合に、生食以外のものとして利用するようにしたリンゴの加工食品が続々登場してきており、好評を博しているものも多数見受けられ、リンゴ生産者をはじめとして地域ぐるみが一体となった様々な試みがなされていることも事実である。
【0006】
こうしたリンゴの消費拡大策としての加工リンゴの中でも、特に比重の高いのがアップルジュースとなっていて、しかも、生食用では、ミカン43%、リンゴ37%と、人気度でミカンの後塵を拝しているリンゴも、ジュース部門ではミカンを凌いでリンゴ51%で、ミカン38%の追随を許していない(平成19年度、農林水産省・安全局消費・安全対策課発表「果実・果実飲料の消費同項について」より。)実績を残してきていることもあり、より一層の消費拡大を望むのであれば、加工リンゴの中での比重に、消費者ニーズを加味した対策が最も有効であると考え、そのためには、如何にしたら尚一層の消費者の関心が得られることになるのかの検討に掛かっており、他のジュース類との、より一層の差別化を図って関心を独り占めできるようにするための手段として、勿論素材に依って来るジュースそのものの品質向上を欠かすことができないものの、もう一つは、それを提供するための器自体に差別化する手段が残されている筈である。
【0007】
そこで、これまでに提案済となっている容器、特に飲料用の容器、即ちボトルの実情を見てみると、素材別では、かっての主流であったガラス瓶は、昭和62年に缶容器にトップを譲り、平成1年にはPET(ポリエチレンテレフタレート)ボトルをはじめとするプラスチック製ボトルにも抜かれ、その缶容器も平成11年にはPETボトルにトップの座を明け渡し、平成19年の統計では、プラスチック製ボトル、特にPETボトルが飲料用容器の主流を成してきている現状があることから、このプラスチック製ボトルについての、特に差別化に最も係わると思われる外観、外形についての開発状況を従来技術の中に求めてみると、例えば、特許文献1(1)の「二軸延伸ポリエチレンテレフタレート製ボトル」考案に代表されるような、原材料節約のために減圧変形対応に有効な外形に係わるものとか、同(2)の「液体用容器」考案に取り上げてある、陳列、並べ置きに有効な形状に係わるものや、あるいは同(3)「プラスチックボトル容器」発明のように、人の手で把持し易い形状に係わるもの、そして、同(4)の「容器」発明の中に見られるような、外形模様や特定記載表示するためのシュリンクフィルムとの一体性に関係する形状のものとか、将又、同(5)の「瓶」発明に開示する例のように、小型化に繋がる形状とするものなどに大別され、他の内容物との差別化に繋げることを指向するようにした外観、形状に係わるものは見出せなかった。
【特許文献1】(1)実開平06−69114号公報 (2)実用新案登録第3002152号公報 (3)特開2007−168811号公報 (4)特開平09−77037号公報 (5)特開2009−513450号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
(問題意識)
我が国の伝統的な果物、特にこうしたリンゴ生産の置かれた現状に鑑み、その栽培技術を取ってみても、また、加工技術をとってみても、何れも十分過ぎる程の技術的裏付けを既に確保していながら、消費者間の趣向の多様化現象から、思うような消費拡大策が見えて来ない中、我が国リンゴ生産の53%強を占めている青森県を故郷とする者の一人として、今後とも青森リンゴがその地位を維持し続け、将来に亘って何時でも美味しくて可愛い「青森リンゴ」として趣向、受け入れられるようにするための解決策を模索し続けてきた。
【0009】
(発明の目的)
そこで、この発明は、リンゴ消費拡大策として、加工リンゴの中でも最も加工量として多くを費やすこととなっているジュースの需要が、今後とも衰退することのないようにするためには、先ずは見た目で他の果実ジュースと歴然と区別できて識別され易い上、消費者からは愛らしいとして受け入れられる魅力的なジュースでなければならず、そのためには、何と云っても、その容器自体がリンゴジュースなど、特定果実のジュースであることを物語るような個性的なものとなっていなければならないと考え、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造のジュース用ボトルを実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の構成)
図面に示してあるこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明のジュース用ボトルは、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、皮付きのままの果物丸毎の外形から、その上端がわと下端がわとをそのまま皮付き外形とし、その間で、ボトル本体丈の1/2ないし2/3の範囲に亘る箇所全周を、皮毎かじるか剥がすかして果肉を露にしたような外形とすることにより、上部皮付き外形部、その下に連続するかぶりつき痕外形部またはそれ相当部、その下に連続する下部皮付き外形部とした外形であって、所定容量のプラスチック製としたボトル本体を形成し、かぶりつき痕外形部またはそれ相当部は、内容物の色合いや性状を透視可能とする透明または半透明とし、上部皮付き外形部および下部皮付き外形部は、電着塗装や塗膜塗装、フィルム外装、不透明プラスチック製などの何れか、またはそれらの組合せによるなど適宜手段に依る不透明着色状のものとしてなる構成を要旨とするジュース用ボトルである。
【0011】
この基本的な構成からこの発明のジュース用ボトルを、換言すれば、皮付きのままの果物丸毎の外形から、その上端がわと下端がわとをそのまま皮付き外形とし、その間で、ボトル本体丈の1/2ないし2/3の範囲に亘る箇所全周を、皮毎かじるか剥がすかして果肉を露にしたような外形とすることにより、上部皮付き外形部、その下に連続するかぶりつき痕外形部またはそれ相当部、その下に連続する下部皮付き外形部とした外形であって、所定容量のプラスチック製としたボトル本体を形成し、かぶりつき痕外形部またはそれ相当部は、内容物の色合いや性状を透視可能とする透明または半透明とし、上部皮付き外形部および下部皮付き外形部は、電着塗装や塗膜塗装、フィルム外装、不透明プラスチック製などの何れか、またはそれらの組合せによるなど適宜手段に依る不透明着色状のものとなして、当該かぶりつき痕外形部またはそれ相当部の凹み外形に依ってボトル把持用および内容物撹拌用部分となし、且つその透明または半透明性に依って内容物確認窓用部分としてなるものとした構成に依る果肉入りジュース用ボトルと云うことができる。
【0012】
(関連する発明1)
上述したこの発明の基本を成す「果肉入りジュース用ボトル」に関連し、この発明には、それらを用いた次のとおりの構成からなる「ボトル詰め果肉入りジュース」を包含している。
即ち、砕片、粒片、粉砕片など果肉や果肉繊維分を混入した果肉入りジュースを、この発明の基本を成す果肉入りジュース用ボトルに充填、密封し、殺菌消毒してなるものとした構成からなるボトル詰め果肉入りジュースがそれである。
【0013】
(関連する発明2)
さらには、この発明には、上記関連する発明1で示したボトル詰め果肉入りジュースを使って、ボトル詰め果肉入りジュースを賞味する際、ボトルの栓を外す前の段階に、少なくとも1回だけは、この発明の基本を成す果肉入りジュース用ボトルを手にして同容器を反転操作し、ジュース内で沈降するか沈降気味となっている果肉の砕片や粒片、粉砕片など果肉や果肉繊維分を効率よく均等分散化した後で賞味するようにした、この発明のボトル詰め果肉入りジュースの使用方法も、包含している。
【発明の効果】
【0014】
上記した構成を特徴とするこの発明の果肉入りジュース用ボトルは、その新規な構成により、先ずは何と云っても、これまでのどのジュース用ボトルにも見られなかった果実丸かじり状態を、そのままボトル形状に反映するものとしているという、その個性的な外観の所為で、取り敢えず消費者の目に止まることは必定であって、他のジュースを差し置いて手にしてくれる確率は非常に高くなり、その後の購入に直結するか、しないかに係わらず、そうしたジュースの存在を主張して記憶に止め得る効果は確実に得られことになるから、その生産、販売者についての宣伝効果は計り知れないものになるという大きな特徴を有している。
【0015】
しかも、その手にした段階には、かぶりつき痕外形部が、通常のこれまでの大部分のボトルのように、寸胴か、合っても滑らかに変化させた凹凸外観のものとは違い、上部皮付き外形部および下部皮付き外形部とかぶりつき痕外形部との境目の形状を、実際の果実にかじりついたときに外形として現れる外観に近似するように規制して角張らせた形状のものに形成するようにしてなるものとすることにより、先ずは、かぶりつき外形に起因して巾広の凹部となることによって手で把持し易くなるという利点に加え、冷やしてあったがために結露したり、飲み零した内容物が垂れてきたりすることに依って滑り易くなっていて、仮にうっかり滑らしたとしても、角ばらせた境界形状部分がストッパーとして機能する結果、不用意な手からの脱落を高い確率で阻止でき、内容物を無駄にしたり、賞味者や、場合によっては辺りの人や物を汚してしまうことを無くすことができるという秀れた効果が得られるものとなる。
【0016】
さらに、消費者の目に止まった後、購入に進むかどうかの判断をする際には、手に把持したままで、そのかぶりつき痕外形部をかざせば、上部皮付き外形部および下部皮付き外形部が対象果実そのものの外観となるよう不透明着色とした個性的な外形にも拘らず、同所かぶりつき痕外形部だけが、透明または半透明の透視可能な内容物確認窓として機能するようにしてあり、消費者は、天然果実入りであることをその目で確認(この確認には、次に述べる効果の、ボトルを反転操作することに依って、この固有の形状に起因する内容物撹拌効果が有効に作用して、均等分散傾向が顕著に励起されることとなり、確実に確認)でき、内容物の有用性を確認すると同時に購買意欲を掻き立てる誘因としても作用し、多くが消費に繋がっていく可能性を秘めたものとなって、念願の消費拡大に大いに寄与できるものになるという、願ってもない効果を発揮する。
【0017】
そして、消費者が、上記した動機などを契機にして購入に及び、いよいよ飲食、賞味の段階に入るときには、注意書きなどにより、開栓する前に、少なくとも1回は上下を反転操作するよう周知することに依り、展示して放置したままとなったり、自動販売機の中に静置されたままでは、質量の関係でどうしても果肉部分が沈降状となってしまうジュースの性状を、その特徴あるボトルの形状に起因して、簡単に略均質分散性状のものとすることが可能である。
即ち、従前までの、単なる構造強度を高める目的でのリブその他の凹凸付きボトルや、把持効果を狙っての指掛かりのための変形凹凸付きボトルなどの凹凸形状とは異なり、ボトル丈の略半分かそれ以上にも及ぶ範囲に亘ってかぶりつき痕を付与したかぶりつき痕外形部がボトル胴部の中央辺りに設けられていて、その上下両端に配されている上部皮付き外形部および下部皮付き外形部とその内径を縮径するだけではなく、両境界部分で角張るものとしてあることにより、内容物であるジュースは、この角部の存在に依って積極的な撹拌効果を惹起して複雑に掻き混ぜられ、只の1回だけでも十分な均等分散性状のものになり、あるべき果肉入りジュースに復したものとして消費者に満足のいく賞味を保証できることになるという、これまでのものに到底期待することなどできなかった秀れた利点を得ることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
上記したとおりの構成と特徴を備えてなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
ボトル本体は、PET系樹脂の外、エチレンテレフタレート単位を主体として、他のポリエステル単位を含む共重合ポリエステル、例えばガスバリア性や耐熱性向上させるためにナイロン系樹脂、ポリエチレンテレナフタレート樹脂等の樹脂をブレンドしたものの使用も可能である。そして、共重合ポリエステル形成用の成分としては、例えばイソフタル酸、ナフタレン2、6ジカルボン酸、アジピン酸等のジカルボン酸成分、プロピレングリコール、1、4ブタンジオール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール等のグリコール成分を挙げることができる。
なお、このボトル本体の素材に特に限定要因は無く、上記した現状考えられる素材によるものの外、今後開発されるであろう新素材であっても何等差し支えはない。
【0019】
このボトル全体は、所望する特定果実、特にこの発明発想の元となったリンゴを対象とするのが最も望ましく、その他、皮からかぶりつく食べ方に違和感を覚えさせない、例えば、桃とか柿、梨、トマトを対象とすることも可能であり、場合によっては、かぶりつき痕外形に代わって、外皮を剥がしたような外観、例えばミカンの皮を上下両端がわ所定範囲だけ残し、その間を手でむしり取ったような外観としても違和感の無い柑橘類その他果実も対象とすることができ、その場合の外皮を剥がしてその下の実の部分を露にした外観なども、この発明におけるかぶりつき痕外形部に相当するものであり、それらについても、記載表現に拘らず、この発明のかぶりつき痕外形部に相当する技術的思想として包含されており、それらかぶりつき痕外形部、あるいはそれ相当部の上下巾寸法は、その内部透視性や手での把持性、そして、内容物撹拌性などの機能上からして、ボトル本体丈の1/2ないし2/3とするのが望ましいと云える。
【0020】
ボトル上端がわおよび下端がわの所定範囲で皮付き外形とする部分は、ボトル成形段階で、透明性を有するプラスチック素材を採用する中で、それら箇所に相当する部分を適宜充填材や着色材などを混入し、不透明感や着色するようにする外、これまでに採用されてきているプラスチックへの着色付与手段、例えば電着塗装や塗膜塗装、フィルム外装等任意手段の採用が可能であり、特に不透明、着色に制限を課すものではなく、今後提案されるであろうあらゆる不透明、着色手段の採用が可能であることは云うまでもない。
【0021】
上部皮付き外形部および下部皮付き外形部と、かぶりつき痕外形部またはそれ相当部との境目の構造は、従前までのなだらかに繋がった境界構造ではなく、実際の果実かじりつき外形またはそれに相当する外形における外観に近似するように、角張らせた形状のものに形成するようにするのが、均等撹拌効果を確実にする上で好ましく、内圧耐久強度の確保に支障のない最適な境界構造となるようにしなければならないことは、云うまでもないことである。
以下では、図面に取り上げてある具体的な事例に基づいて、この発明のジュース用ボトル、ならびにそのボトル詰め果肉入りジュースおよびその使用方法の構成が、より一層明確に把握できるようにする。
【実施例1】
【0022】
図面は、この発明を代表するジュース用ボトルの具体例の幾つかを示しているものであって、図1は、その中の最も代表的なものの立面図、図2は、同平面図、図3は。同底面図、図4は、同中央中断面図、図5は、他の実施例による、前記図1に相当する立面図、図6は、同平面図、図7は、同底面図、図8は、同中央中断面図、図9は、更に他の実施例によるものの前記図1に相当する立面図、図10は、更にまた、他の実施例によるものの前記図1に相当する立面図であり、何れも、リンゴジュース用を想定したボトルの代表例の幾つかを示してある。
【0023】
先ず、図1ないし4に示す第1の事例は、端的にかぶりつき痕が現出された外観となるよう、ボトル本体1の胴部に相当する、上部皮付き外形部2と下部皮付き外形部4との間に位置する箇所であって、ボトル本体1丈寸法Hの約1/2ないし2/3の範囲h全周に亘って複数箇所、縦にかぶりつき痕跡31、31、……を付与するようにした透明のかぶりつき痕外形部3を形成すると共に、図中斜線表示を施してある上部皮付き外形部2および下部皮付き外形部4には、電着塗装に依って赤か淡い緑など、リンゴそのものの外観を呈して内部を透視できないようになしたものとし、これら上部皮付き外形部2および下部皮付き外形部4の色と形とによってこのボトル自体がリンゴを模したものであり、全体的に丸かじりリンゴであることを看取できるようにしたものである。
【0024】
その結果、このボトルの内部空間は、図4に明確に示されているとおり、かぶりつき痕外形部3の上下で、上部皮付き外形部2および下部皮付き外形部4夫々との境界構造が滑らかに暫減するような従来構造のものとは違い、角張った構造となるようにしてあり、内容物を詰めたこのジュース用ボトルは、上下反転操作すると、この角部の形状に起因して内容物が強制的に複雑な流れを惹起して、仮令ボトル内部で果肉入りジュースの果肉が底に溜まった状態を呈していたとしても、この操作で簡単に均等分散傾向に移行し得るように作用することとなる。
図中、5は、ボトル口を、6は、該ボトル口5に螺合、被冠するためのキャップを示し、Lは、販促や商品識別表示などの用に供するラベルである。
【実施例2】
【0025】
続く図5ないし8に示す事例は、基本的な構造について上記実施例1のものと変わりはないものの、かぶりつき痕外形部3の形状を、実施例1のものが、リンゴの縦方向(芯に並行する方向。換言すれば、歯並び方向を芯に直交する状態でかぶりつく状態となる方向)にかぶりついて芯周り全体に複数個のかぶりつき痕を明瞭に現出したものとしてあるのに対し、この事例では、それとは90度違わせて歯並び方向を芯に並行する方向となるようにしてリンゴ胴部全周に亘り、かぶりついた状態で現出されるようにしたかぶりつき痕外形部3とする事例である。
【0026】
この事例に依るものでも、図8の中央中断面図に示すとおり、上記実施例1の図4の場合同様に、かぶりつき痕外形部3の上下で、上部皮付き外形部2および下部皮付き外形部4夫々との境界構造は、角張った構造となって、上記実施例同様の機能を発揮するものとなり、果肉入りジュース用として有効なボトルを実現することができ、同様に図9の事例も、かぶりつき痕外形部3の外観を、上記実施例1のものや、この実施例の中の図5ないし8に示すものとは違い、一見児童でもかぶりついたかのような乱雑なかぶりつき痕を呈した外観となるようにしたものであり、また、図10に取り上げている事例のものは、容器本体1の形状が、リンゴと云うよりは瓜とか冬瓜など、長くてかぶりついてもそれ程違和感を生じさせない果実に採用可能とするものの例として示したもので、しかも、この例では、上部皮付き外形部2に、擬人化するようにして目21、21が印刷されてなるものとしてあり、このように、この発明の基本的な技術的思想崩すことのない付加的な外観表示などは、自由に採用することが可能であり、何等の制約を受けることはない。
【0027】
(実施例の作用効果)
上記した幾つかのこの発明を代表する実施例には、云うまでもなく何れも極めて巾広いかぶりつき痕外形部3を、一見して誰の目にも見て取れるようにしてあって、これまでに提案、実用されてきているあらゆるボトルの外形と異なるものになるから、消費者には極めて強烈な商品識別機能を有するものとして印象付け、目に止まった以上、少なくとも黙って見過ごす訳にはいかず、手にする確率を大いに高め、一旦手にしてしまえば、かぶりつき痕外形部3に自然に手が嵌って、仮令結露などで表面が滑り易い状態となっているボトルであったとしても、簡単には落下させてしまうことのない、把持性に富んだものとして機能するものとなっている。
【0028】
その上、その手で把持しているところをかざしてみると、同所は、不透明な上部皮付き外形部2および下部皮付き外形部4とは違わせ、透明素材で形成してあることから容易にボトル内部を透視でき、ジュースの性状、即ち色合いや粘性、含有物、つまり果肉の有無や果肉の形などの確認が極めて容易になるようにしてあり、果肉入りの表示がありながらそれを目視できないときなどには、只の1回だけ上下を反転操作するだけでも、この発明の特徴ある形状に起因して内容物を強制的に撹拌して均等分散状のものにし、分散状況の確認ができるものとしてしまうことから、その確認をした消費者は、購買意欲を刺激されてそのジュースを購入する気にさせてしまい、結果として販売促進効果に繋がり、売れ行きの心配されるリンゴなど、国内生産される果物の消費量を伸ばすことに繋がるという大きな効果を期待できるものとなる。
【0029】
(結 び)
叙述の如く、この発明のジュース用ボトル、ならびにそのボトル詰め果肉入りジュースおよびその使用方法は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からのジュース用ボトルに比較し、特異な外観で人目を引くことによる宣伝効果は抜群であり、しかも、一旦手にされてしまうと滑落し難くい上、極めて簡単な操作で内容物をあるべき姿に移行させてその性状確認が確実になるようにしてあることから、査定の厳しくなった消費者に対して十分な信頼を得て購買に繋いでいくこととなり、果実の消費拡大に大いに貢献する可能性を秘めていることから、果実生産者は固よりのこと、それを素材とする加工業界からも高く評価されると共に、消費者からも特徴ある高品質のジュースとして受け入れられ、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明を代表するボトルの立面図である。
【図2】同上ボトルの平面図である。
【図3】同上ボトルの底面図である。
【図4】同上ボトルの中央中断面図である。
【図5】この発明の他の実施例としてのボトルの立面図である。
【図6】同上ボトルの平面図である。
【図7】同上ボトルの底面図である。
【図8】同上ボトルの中央中断面図である。
【図9】この発明の更に他の実施例としてのボトルの立面図である。
【図10】この発明の更に他の実施例としてのボトルの立面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 ボトル本体
2 上部皮付き外形部
21 擬人化した目
3 かぶりつき痕外形部
4 下部皮付き外形部
5 ボトル口
6 キャップ
H ボトル本体丈寸法
h かぶりつき痕外形部の上下巾
L ラベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮付きのままの果物丸毎の外形から、その上端がわと下端がわとをそのまま皮付き外形とし、その間で、ボトル本体丈の1/2ないし2/3の範囲に亘る箇所全周を、皮毎かじるか剥がすかして果肉を露にしたような外形とすることにより、上部皮付き外形部、その下に連続するかぶりつき痕外形部またはそれ相当部、その下に連続する下部皮付き外形部とした外形であって、所定容量のプラスチック製としたボトル本体を形成し、かぶりつき痕外形部またはそれ相当部は、内容物の色合いや性状を透視可能とする透明または半透明とし、上部皮付き外形部および下部皮付き外形部は、電着塗装や塗膜塗装、フィルム外装、不透明プラスチック製などの何れか、またはそれらの組合せによるなど適宜手段に依る不透明着色状のものとしたことを特徴とする果肉入りジュース用ボトル。
【請求項2】
皮付きのままの果物丸毎の外形から、その上端がわと下端がわとをそのまま皮付き外形とし、その間で、ボトル本体丈の1/2ないし2/3の範囲に亘る箇所全周を、皮毎かじるか剥がすかして果肉を露にしたような外形とすることにより、上部皮付き外形部、その下に連続するかぶりつき痕外形部またはそれ相当部、その下に連続する下部皮付き外形部とした外形であって、所定容量のプラスチック製としたボトル本体を形成し、かぶりつき痕外形部またはそれ相当部は、内容物の色合いや性状を透視可能とする透明または半透明とし、上部皮付き外形部および下部皮付き外形部は、電着塗装や塗膜塗装、フィルム外装、不透明プラスチック製などの何れか、またはそれらの組合せによるなど適宜手段に依る不透明着色状のものとして、当該かぶりつき痕外形部またはそれ相当部の凹み外形に依ってボトル把持用および内容物撹拌用部分となし、且つその透明または半透明性に依って内容物確認窓用部分としてなるものとしたことを特徴とする果肉入りジュース用ボトル。
【請求項3】
上部皮付き外形部および下部皮付き外形部と、かぶりつき痕外形部またはそれ相当部との境目は、実際の果実かじりつき外形またはそれに相当する外形における外観に近似するよう角ばらせた形状のものに形成してなるものとした、請求項1または2何れか一記載の果肉入りジュース用ボトル。
【請求項4】
砕片、粒片、粉砕片など果肉や果肉繊維分を混入した果肉入りジュースを、請求項1ないし3何れか一記載の果肉入りジュース用ボトルに充填、密封し、殺菌消毒してなるものとしたことを特徴とするボトル詰め果肉入りジュース。
【請求項5】
請求項4記載のボトル詰め果肉入りジュースを賞味する際、ボトルの栓を外す前の段階に、少なくとも1回だけは、請求項1ないし3何れか一記載の果肉入りジュース用ボトルを手にして同容器を反転操作し、ジュース内で沈降するか沈降気味となっている果肉の砕片や粒片、粉砕片など果肉や果肉繊維分を効率よく均等分散化した後で賞味するようにした、請求項3記載のボトル詰め果肉入りジュースの使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−17139(P2012−17139A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157358(P2010−157358)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(510191344)
【Fターム(参考)】