スイッチング電源回路の制御装置およびヒートポンプユニット
【課題】入力電流の変化を抑制しつつ効率を改善できるスイッチング電源回路を提供する。
【解決手段】モード制御部51はチョッパ回路3a,3bにおける電力が増大するにしたがって、チョッパ回路3a,3bの動作モードを第1モードから第2モードを経て第3モードへと遷移させる。動作制御部52は、第1モードにおいてチョッパ回路3aにチョッピング動作をさせつつチョッパ回路3bのチョッピング動作を停止し、第2モードにおいてチョッパ回路3a,3bに交互にチョッピング動作をさせ、第3モードにおいてチョッパ回路3a,3bの両方に前記チョッピング動作をさせる。
【解決手段】モード制御部51はチョッパ回路3a,3bにおける電力が増大するにしたがって、チョッパ回路3a,3bの動作モードを第1モードから第2モードを経て第3モードへと遷移させる。動作制御部52は、第1モードにおいてチョッパ回路3aにチョッピング動作をさせつつチョッパ回路3bのチョッピング動作を停止し、第2モードにおいてチョッパ回路3a,3bに交互にチョッピング動作をさせ、第3モードにおいてチョッパ回路3a,3bの両方に前記チョッピング動作をさせる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスイッチング電源回路の制御装置およびヒートポンプユニットに関し、特に複数のチョッパ回路を有するスイッチング電源回路の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、2つの昇圧スイッチングコンバータを有する力率改善装置が記載されている。特許文献1では、力率改善装置の出力電流に基づいて、2つの昇圧スイッチングコンバータの動作の周期が互いに異なるモードを切り換えて採用している。より詳細には、このようなモードとして6つのモードが採用されている。即ち、モード0は2つの昇圧スイッチングコンバータの両方を連続して動作させるモードである。モード1は、2つの昇圧スイッチングコンバータの動作期間の一部が時間的に重なるように2つの昇圧スイッチングコンバータの動作/停止を繰り返すモードである。モード2は、モード1よりも昇圧スイッチングコンバータの停止期間が長いモードである。モード3はさらに停止期間が長く、2つの昇圧スイッチングコンバータの動作が時間的に重ならないモードである。モード4は、1つの昇圧スイッチングコンバータを停止して他の昇圧スイッチングコンバータの動作/停止を繰り返すモードである。モード5は、モード4よりも他の一つのスイッチングコンバータの停止期間が長いモードである。
【0003】
特許文献1では、負荷電流が小さく、昇圧スイッチングコンバータのスイッチング素子に流れる電流が小さいときに、モード4,5を採用する。これによって電源効率を改善している。
【0004】
また本発明に関連する技術として特許文献2及び非特許文献1が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−157927号公報
【特許文献2】特開2008−193818号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】喜多村 守、「1.5kWの低ノイズ高調波対策電源を作れる臨界モード/インターリーブPFC IC R2A20112」、トランジスタ技術2008年5月号、CQ出版株式会社、2008年8月、第176頁乃至第184頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のモード4,5では、1つの昇圧スイッチングコンバータを停止して他の昇圧スイッチングコンバータの動作/停止を繰り返している。よって、この動作/停止に起因して入力電流に変動が生じる。
【0008】
そこで、本発明は、入力電流の変化を抑制しつつ効率を改善できるスイッチング電源回路の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第1の態様は、一対の入力端(P1,P2)と、一対の出力端(P3,P4)と、前記一対の入力端と前記一対の出力端との間で相互に並列に接続されてそれぞれチョッピング動作を行う第1及び第2のチョッパ回路(3,3a,3b)とを備えるスイッチング電源回路を制御する制御装置であって、前記第1及び第2のチョッパ回路における電力が増大するにしたがって、前記第1及び前記第2のチョッパ回路の動作モードを第1モードから第2モードを経て第3モードへと遷移させるモード制御部(51)と、前記第1モードにおいて前記第1のチョッパ回路に前記チョッピング動作をさせつつ前記第2のチョッパ回路の前記チョッピング動作を停止し、前記第2モードにおいて前記第1のチョッパ回路及び前記第2チョッパ回路に交互に前記チョッピング動作をさせ、前記第3モードにおいて前記第1のチョッパ回路及び前記第2チョッパ回路の両方に前記チョッピング動作をさせる動作制御部(52)とを備える。
【0010】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第2の態様は、第1の態様にかかるスイッチング電源回路の制御装置であって、前記一対の入力端の間には定電圧源が接続され、前記一対の入力端(P1,P2)の間を流れる入力電流(I)を検出する電流検出部(60,61,62)を更に備え、前記モード制御部(51)は、前記入力電流が増大するに従って前記動作モードを前記第1モードから前記第2モードを経て前記第3モードへと遷移させる。
【0011】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第3の態様は、第1又は第2の態様にかかるスイッチング電源回路の制御装置であって、経過時間を計時する期間検出部(70)を更に備え、前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記第1のチョッパ回路(3a,3b)の前記チョッピング動作の開始から所定期間が経過したことを条件として前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を停止させる。
【0012】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第4の態様は、第1又は第2の態様にかかるスイッチング電源回路の制御装置であって、前記第1のチョッパ回路(3a)を流れる電流を検出する第2電流検出部(61)を更に備え、前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記第1のチョッパ回路(3a,3b)の前記チョッピング動作の開始からの前記電流の積分値が所定値よりも大きいことを条件として、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を停止させる。
【0013】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第5の態様は、第4の態様にかかるスイッチング電源回路の制御装置であって、前記モード制御部(51)は、前記第2モードにおいて前記電流が所定値を下回ることを条件として、前記動作モードを前記第1モードへと遷移させる。
【0014】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第6の態様は、第1又は第2の態様にかかるスイッチング電源回路の制御装置であって、前記第1のチョッパ回路(3a)を流れる電流を検出する第2電流検出部(61)を更に備え、前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記電流が高いほど短い周期で前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作の実行/停止を切り替える。
【0015】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第7の態様は、第1又は第2の態様にかかるスイッチング電源回路の制御装置であって、前記第1のチョッパ回路(3a,3b)の温度を検出する温度検出部(81)を更に備え、前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記温度が所定値よりも大きいことを条件として、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を停止させる。
【0016】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第8の態様は、第1又は第2の態様にかかるスイッチング電源回路の制御装置であって、前記第1及び前記第2のチョッパ回路(3a,3b)の温度をそれぞれ検出する第1及び第2の温度検出部(81,82)を更に備え、前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記第1のチョッパ回路の温度が前記第2のチョッパ回路の温度よりも所定値を超えて大きいことを条件として、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を停止させる。
【0017】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第9の態様は、第7または第8の態様にかかるスイッチング電源回路の制御装置であって、前記モード制御部(51)は、前記第2モードにおいて前記所定値よりも小さい第2所定値に比べて前記温度が小さいときに、前記動作モードを前記第1モードに遷移させる。
【0018】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第10の態様は、第1又は第2の態様にかかるスイッチング電源回路の制御装置であって、前記第1のチョッパ回路(3a,3b)の前記チョッピング動作におけるチョッピングの回数を計数する計数部(90)を更に備え、前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作の開始からの前記回数が所定値よりも大きいことを条件として、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を停止させる。
【0019】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第11の態様は、第1から第10の何れか一つの態様にかかるスイッチング電源回路の制御装置であって、交流電圧を整流して前記一対の入力端に直流電圧を印可する整流回路(2)と、前記交流電圧または前記直流電圧を検出する電圧検出部(10)とを更に備え、前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記交流電圧の絶対値が所定値を下回る期間内で、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を開始又は停止させる。
【0020】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第12の態様は、第1から第11の何れか一つの態様にかかるスイッチング電源回路の制御装置であって、交流電圧を整流して前記一対の入力端に前記直流電圧を印可する整流回路(2)と、前記整流回路の入力側を流れる交流電流または前記入力電流を検出する第3電流検出部(13,60,61,62)とを更に備え、前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記交流電流の絶対値が所定値を下回る期間内で、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を開始又は停止させる。
【0021】
本発明にかかるヒートポンプユニットの第1の態様は、第1から第12の何れか一つの態様にかかるスイッチング電源回路の制御装置を備える。
【発明の効果】
【0022】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第1の態様によれば、電力が低く温度の上昇が比較的小さい場合には第1モードが採用される。よって第1のチョッパ回路のチョッピング動作と第2のチョッパ回路のチョッピング動作とを切り替える際に伴う入力電流の変化を抑制できる。しかも電力が高まれば動作モードが第1モードの場合から第2モードに切り替えられる。よって第1のチョッパ回路のみをチョッピング動作させる第1モードに比べて、第1のチョッパ回路の上昇温度を低減することができる。よって電力上昇に伴う温度の上昇に起因して効率が低下することを抑制できる。さらに電力が増大すれば、第1及び第2のチョッパ回路の両方がチョッピング動作を行う。さて、電力が小さいときにはチョッピング動作に用いられるスイッチング素子のスイッチング損失が全体の損失に対して高い割合を占め、電力が高いときにはスイッチング素子の導通損失が高い割合を占める。第3モードでは第1及び第2のチョッパ回路がチョッピング動作を行うので、スイッチング素子の各々に流れる電流を低減することができ、これによって効率を改善することができる。
【0023】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第2の態様によれば、入力電流が大きくなると、第1及び第2のチョッパ回路に入力される電力が増大し、ひいては第1及び第2のチョッパ回路における電力が増大する。よって第1の態様にかかる制御装置の実現に資する。
【0024】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第3の態様によれば、期間に応じて第1のチョッパ回路のチョッピング動作/停止を行う。よって、安価な回路で第1のチョッパ回路のチョッピング動作の実行/停止を行うことができ、製造コストの増大を抑制できる。
【0025】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第4の態様によれば、温度は電流の積分値に依存するので、請求項3に比して精度よく、第1のチョッパ回路の温度を抑制することができる。
【0026】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第5の態様によれば、不要な動作/停止の切り替えを回避できる。
【0027】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第6の態様によれば、温度上昇率が高いと推定される場合に、第1のチョッパ回路のチョッピング動作の実行/停止の周期が短い。よって、効率的に温度上昇を抑制することができる。
【0028】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第7の態様によれば、精度良く第1のチョッパ回路の温度を抑制できる。
【0029】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第8の態様によれば、効率よく熱を分散させることができる。
【0030】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第9の態様によれば、不要な動作/停止の切り替えを回避できる。
【0031】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第10の態様によれば、温度検出センサーを用いることなく、第1の態様にかかる制御装置の実現に資する。よって、製造コストの増大を抑制できる。
【0032】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第11の態様によれば、交流電圧の絶対値が小さいときに第1のチョッパ回路の動作/停止の切り替えが行われる。よって、交流電圧の変動ひいては交流電流の変動を抑制できる。
【0033】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第12の態様によれば、交流電流の絶対値が小さいときに第1のチョッパ回路の動作/停止の切り替えが行われる。よって、交流電流の変動を抑制できる。
【0034】
本発明にかかるヒートポンプユニットの第1の態様によれば、温度上昇による第1のチョッパ回路の効率を低下できるヒートポンプユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】スイッチング電源回路の概念的な構成の一例を示す図である。
【図2】スイッチング電源回路の概念的な構成の一例を示す図である。
【図3】チョッパ回路の概念的な構成の一例を示す図である。
【図4】チョッパ回路の概念的な構成の一例を示す図である。
【図5】動作モードを説明するための図である。
【図6】動作モードを説明するための図である。
【図7】動作モードを説明するための図である。
【図8】動作モードの切り替わりを説明するための図である。
【図9】スイッチング電源回路の概念的な構成の一例を示す図である。
【図10】スイッチング電源回路の概念的な構成の一例を示す図である。
【図11】スイッチング電源回路の概念的な構成の一例を示す図である。
【図12】スイッチング電源回路の概念的な構成の一例を示す図である。
【図13】スイッチング電源回路の概念的な構成の一例を示す図である。
【図14】チョッパ回路の温度の一例を示す図である。
【図15】スイッチング電源回路の概念的な構成の一例を示す図である。
【図16】チョッパ回路の温度の一例を示す図である。
【図17】スイッチング電源回路の概念的な構成の一例を示す図である。
【図18】スイッチング電源回路の概念的な構成の一例を示す図である。
【図19】スイッチング電源回路の概念的な構成の一例を示す図である。
【図20】短時間フリッカインジケータを示す図である。
【図21】ヒートポンプユニットの概念的な構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
第1の実施の形態.
<スイッチング電源回路>
図1に例示するように、スイッチング電源回路は複数のチョッパ回路3と入力端P1,P2と出力端P3,P4とを備えている。
【0037】
入力端P1,P2の間には第一直流電圧が印加される。図1の例示では、入力端P1,P2には整流回路2が接続されている。整流回路2は交流電源1からの交流電圧を整流し、整流後の第一直流電圧を入力端P1,P2の間に印加する。ここでは入力端P2に印加される電位は入力端P1に印加される電位よりも低い。なお、入力端P1,P2に整流回路2が接続されることは必須要件ではない。入力端P1,P2の間に第一直流電圧を印加する任意の構成が入力端P1,P2に接続されていればよい。
【0038】
複数のチョッパ回路3は、一対の入力端P1,P2と、一対の出力端P3,P4との間で互いに並列に接続され、それぞれチョッピング動作を行う。このチョッピング動作によって各チョッパ回路3は入力端P1,P2の間の第一直流電圧を変化させ、これを第二直流電圧として出力端P3,P4の間に印可する。チョッパ回路3の詳細な構成については後に詳述する。
【0039】
出力端P3,P4の間には平滑コンデンサC1が設けられている。平滑コンデンサC1は各チョッパ回路3からの第二直流電圧を平滑する。
【0040】
また図1に例示するように、入力端P1,P2の間にはコンデンサC2が設けられてもよい。コンデンサC2は各チョッパ回路3に入力する電流のノイズを低減することができる。
【0041】
チョッパ回路3は例えば昇圧チョッパ回路である。図2には複数のチョッパ回路3として、2つのチョッパ回路3a,3bが示されている。なお、図2の例示では、出力端P3,P4にインバータ4が接続されている。ただし、これに限らず、直流電圧が供給される任意の負荷を出力端P3,P4に接続することができる。
【0042】
図2の例示では、チョッパ回路3aはスイッチング素子S1とリアクトルL1とダイオードD1とを備えている。リアクトルL1とダイオードD1とは入力端P1と出力端P3とを繋ぐ直流線LH1上で互いに直列接続されている。リアクトルL1はダイオードD1に対して入力端P1側に設けられている。ダイオードD1はそのアノードを入力端P1側に向けて設けられている。スイッチング素子S1は例えばMOS電界効果トランジスタまたは絶縁ゲートバイポーラトランジスタ等であって、リアクトルL1とダイオードD1とを接続する接続点と、入力端P2と出力端P4とを繋ぐ直流線LLとの間に設けられている。
【0043】
次に本チョッパ回路3aのチョッピング動作について説明する。このチョッピング動作ではスイッチング素子S1の導通/非導通が繰り返し切り替えられる。さて、スイッチング素子S1が導通すれば、入力端P1から入力端P2へと、リアクトルL1およびスイッチング素子S1を経由して電流が流れる。このとき、リアクトルL1には電磁エネルギーが蓄積される。スイッチング素子S1が非導通すれば、入力端P1から入力端P2へと、リアクトルL1とダイオードD1と平滑コンデンサC1とを経由して電流が流れる。このとき、平滑コンデンサC1には、入力端P1,P2の間の第一直流電圧とリアクトルL1に生じる誘起電圧とを加算した第二直流電圧が印加される。これにより、平滑コンデンサC1には第一直流電圧よりも高い第二直流電圧が印加される。
【0044】
チョッパ回路3bはスイッチング素子S2とリアクトルL2とダイオードD2とを備えている。リアクトルL2とダイオードD2とは入力端P1と出力端P3とを繋ぐ直流線LH2上で互いに直列接続されている。リアクトルL2はダイオードD2に対して入力端P1側に設けられている。ダイオードD2はそのアノードを入力端P1側に向けて設けられている。スイッチング素子S2は例えばMOS電界効果トランジスタまたは絶縁ゲートバイポーラトランジスタ等であって、リアクトルL2とダイオードD2とを接続する接続点と、直流線LLとの間に設けられている。
【0045】
チョッパ回路3bの動作はチョッパ回路3aと同様であるので、詳細な説明を避ける。
【0046】
これらのチョッパ回路3a,3bによれば、スイッチング素子S1,S2が導通しているときにも入力端P1,P2には電流が流れるので、整流回路2に入力される交流電流の導通角度を広げることができる。したがって、入力側の力率を改善することができる。言い換えれば、本スイッチング電源回路は力率改善回路(Power Factor Correct Circuit)として機能する。
【0047】
なおチョッパ回路3は昇圧チョッパ回路に限らない。例えば図3に例示するように、降圧チョッパ回路であってもよい。この降圧チョッパ回路においては、スイッチング素子S1とリアクトルL1とは入力端P1と出力端P3とを繋ぐ直流線上で互いに直列に接続される。スイッチング素子S1はリアクトルL1に対して入力端P1側に設けられている。ダイオードD1は、スイッチング素子S1とリアクトルL1とを接続する接続点と、入力端P2と出力端P3とを繋ぐ直流線LLとの間に設けられる。ダイオードD1はそのアノードを直流線LL側に向けて設けられる。
【0048】
このチョッパ回路3のチョッピング動作においてもスイッチング素子S1の導通/非導通が繰り返し切り替えられる。スイッチング素子S1が導通しているときには、入力端P1から入力端P2へと、スイッチング素子S1とリアクトルL1と平滑コンデンサC1とを経由して電流が流れる。このとき、リアクトルL1に生じる誘起電圧は入力端側を高電位とするので、平滑コンデンサC1には、入力端P1,P2の間の第一直流電圧から誘起電圧を減算した電圧が印加される。スイッチング素子S1が非導通となるとリアクトルL1と平滑コンデンサC1とダイオードD1とを電流が流れる。
【0049】
以上の動作により、チョッパ回路3は第一直流電圧を降圧し、これを第二直流電圧として出力することができる。しかも、スイッチング素子S1が導通する期間では入力端P1,P2を電流が流れるので、電流の導通角度を広げることができる。ただし、図2のチョッパ回路3を採用した方が、入力端P1,P2を流れる電流の高調波成分を低減することができる。これは、図2のチョッパ回路3においては、スイッチング素子S1の導通/非導通に関わらず、入力端P1,P2を電流が流れることによる。したがって、電流の高調波成分を低減するという観点では、図2のチョッパ回路3を採用することが望ましい。
【0050】
またチョッパ回路3は、図4に例示するように、昇降圧チョッパ回路であってもよい。この昇降圧チョッパ回路においては、スイッチング素子S1とダイオードD1とは、入力端P1と出力端P3とを繋ぐ直流線上で互いに直列に接続されている。スイッチング素子S1はダイオードD1に対して入力端P1側に設けられる。ダイオードD1はそのアノードを出力端P3側に向けて設けられる。リアクトルL1は、スイッチング素子S1とリアクトルL1とを接続する接続点と、入力端P2と出力端P4とを繋ぐ直流線LLとの間に設けられる。
【0051】
このチョッパ回路3のチョッピング動作においてもスイッチング素子S1の導通/非導通が繰り返し切り替えられる。スイッチング素子S1が導通しているときには、入力端P1から入力端P2へと、スイッチング素子S1とリアクトルL1を経由して電流が流れる。これにより、リアクトルL1には電磁エネルギーが蓄積される。スイッチング素子S1が非導通となると、リアクトルL1に生じる誘起電圧が電源として機能し、平滑コンデンサC1とダイオードD1とを電流が流れる。スイッチング素子S1の導通期間を長くするほど、平滑コンデンサC1には大きな電圧が印加される。
【0052】
このスイッチング素子S1の導通期間を調整することで、チョッパ回路3は第一直流電圧を昇圧または降圧することができる。また、スイッチング素子S1が導通する期間において入力端P1,P2を電流が流れるので、電流の導通角度を広げることができる。ただし、図2のチョッパ回路3を採用した方が、入力端P1,P2を流れる電流の高調波成分を低減することができる。これは、図2のチョッパ回路3においては、スイッチング素子S1の導通/非導通に関わらず、入力端P1,P2を電流が流れることによる。したがって、電流の高調波成分を低減するという観点では、図2のチョッパ回路3を採用することが望ましい。
【0053】
以下では、チョッパ回路3として昇圧チョッパ回路を採用した場合について説明し、一例として2つのチョッパ回路3が設けられた場合について説明する。
【0054】
チョッパ回路3a,3bのスイッチング素子S1,S2は、制御部5によって制御される。制御部5はモード制御部51と動作制御部52とを備えている。モード制御部51はチョッパ回路3a,3bの動作モードとして次のモードM1〜M3を選択するように動作制御部52に指示する。
【0055】
モードM1においては図5に例示するように、動作制御部52はチョッパ回路3a,3bのうち何れか一方のみに常にチョッピング動作をさせる。例えば動作制御部52はスイッチング素子S1の導通/非導通を繰り返し切り替えてチョッパ回路3aに常にチョッピング動作をさせ、スイッチング素子S2を常に非導通にしてチョッパ回路3bのチョッピング動作を停止させる。
【0056】
モードM2においては図6に例示するように、動作制御部52はチョッパ回路3a,3bに交互にチョッピング動作をさせる。図6の例示では、チョッパ回路3a,3bのチョッピング動作の実行/停止の切り替えタイミングが互いに一致しているものの、これらのタイミングが互いにずれていても構わない。
【0057】
モードM3においては図7に例示するように、動作制御部52はチョッパ回路3a,3bの両方に常にチョッピング動作をさせる。このとき動作制御部52はスイッチング素子S1,S2の導通期間をずらしてスイッチング素子S1,S2を制御することが望ましい。より詳細には例えばスイッチング素子S2の導通期間の開始(ターンオン)及び終了(ターンオフ)のタイミングをスイッチング素子S1の導通期間の開始及び終了のタイミングよりもスイッチング周期の半周期遅らせる。かかる制御は非特許文献1に記載されたとおり公知であるので、詳細な説明は省略する。これによって、入力端P1,P2を流れる電流の高調波成分を低減することができる。かかる制御はいわゆるインターリーブとも呼ばれる。
【0058】
モード制御部51は上述したモードM1〜M3を次のように選択する。即ちモード制御部51は、チョッパ回路3a,3bにおける電力が増大するにしたがって、チョッパ回路3a,3bの動作モードをモードM1からモードM2を経てモードM3へと遷移させる。
【0059】
本実施の形態では、この電力として例えば入力端P1,P2を流れる入力電流Iを検出する。以下、この妥当性について述べる。図2の例示では、入力端P1,P2に印加される第一直流電圧は交流電源1の交流電圧を整流して得られる電圧である。交流電圧の振幅及び周期は一定と見なすことができるので、第一直流電圧の脈動の振幅及び周期も一定と見なすことができる。よって例えば交流電圧の一周期における第一直流電圧の平均値は一定となる。したがって、第一直流電圧はリプルを有する定電圧源と見なすことができる。
【0060】
一方、整流回路2の入力側を流れる交流電流は理想的には正弦波形状を採るので入力電流Iは理想的には半波形状(正弦波の絶対値の形状)を採る。第一直流電圧は定電圧源なので、この入力電流Iの振幅が増大するに従って、チョッパ回路3a,3bに入力される電力は増大する。よって、入力電流Iを検出することで、チョッパ回路3a,3bにおける電力を認識することができる。
【0061】
図2の例示では、リアクトルL1,L2を流れる電流IL1,IL2を検出する電流検出部61,62が設けられている。電流検出部61,62の検出値は制御部5に出力される。制御部5は電流検出部61,62の検出値を加算して入力電流Iを得る。
【0062】
そして、図6に例示するようにモード制御部51は、入力電流Iの振幅が所定値Iref1よりも小さいときにはモードM1を採用し、入力電流Iの振幅が所定値Iref1よりも大きく所定値Iref2よりも小さいときにはモードM2を採用し、入力電流Iの振幅が所定値Iref2よりも大きいときにはモードM3を採用する。なお、必ずしも入力電流Iの振幅を取得する必要はなく、例えば交流電圧の1周期程度における入力電流Iの平均値或いは最大値を取得し、これに応じてモードM1〜M3を採用しても良い。
【0063】
以上のモード切り替え動作によれば、チョッパ回路3a,3bにおける電力が低くチョッパ回路3a,3bの温度の上昇が比較的小さい場合にはモードM1が採用される。これによって、チョッパ回路3aのチョッピング動作とチョッパ回路3bのチョッピング動作との切り替えに伴う入力電流Iの変化を抑制することができる。
【0064】
しかも電力が小さい場合には本スイッチング電源回路に生じる損失のうちスイッチング損失が占める割合が大きい。よって、電力が小さいときにはチョッパ回路3aのみにチョッピング動作をさせることで、効率を向上することができる。
【0065】
またチョッパ回路3a,3bにおける電力が増大すればモードM2が採用される。このとき図6に例示するように、チョッパ回路3aの温度Taはチョッパ回路3aが動作する期間において上昇し、チョッパ回路3aが停止する期間において低減する。したがって、チョッパ回路3aのみを動作させる場合に比べて、チョッパ回路3aの温度Taを低減することができる。同様にチョッパ回路3bの温度Tbも低減できる。チョッパ回路3a,3bの温度上昇はスイッチング素子S1,S2の導通損失を増大させるので、スイッチング電源回路の効率を向上することができる。
【0066】
さらにチョッパ回路3a,3bにおける電力が増大すれば、モードM3が採用される。モードM3においてはチョッパ回路3a,3bの両方はチョッピング動作を行う。これによって、スイッチング素子S1,S2に流れる電流を低減できる。なぜなら、モードM2においてスイッチング素子S1,S2の何れか一方のみに流れていた電流を、モードM3においてスイッチング素子S1,S2に分担させることができるからである。そして、電力が大きい場合にはスイッチング電源回路に生じる損失のうち導通損失が占める割合が大きいので、スイッチング素子S1,S2に流れる電流の低減により効率を改善することができる。
【0067】
しかもモードM3においてチョッパ回路3a,3bにインターリーブ方式でチョッピング動作させることができる。これによって入力電流Iの高調波成分を低減することができる。
【0068】
なお、必ずしも2つの電流検出部61,62を設ける必要はなく、入力端P1又は入力端P2を流れる入力電流Iを検出する一つの電流検出部が設けられてもよい。
【0069】
これらの電流検出部は次で述べる用途にも用いることができる。例えば、チョッパ回路3a,3bを流れる過電流を検出することができる。そして、当該過電流が検出されたことを以て、交流電源との接続を遮断してもよい。かかる遮断は例えば交流電源と整流回路2との間にスイッチを設け、このスイッチを非導通とすることで実現できる。
【0070】
また電流検出部61,62が設けられていれば、この電流検出部61,62を次の用途で用いることができる。即ち、電流IL1,IL2がそれぞれ零である状態でスイッチング素子S1,S2の導通/非導通を切り替える電流臨界モードにおいて、電流IL1,IL2が零となる状態を検出するために電流検出部61,62を用いることができる。
【0071】
このように電流検出部を別の用途でも用いることができる場合は、電流検出部を新たに設ける必要がなく、製造コストの上昇を抑制できる。
【0072】
第2の実施の形態.
第2の実施の形態ではモードM2におけるチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替える条件の一例について説明する。第2の実施の形態では、所定の期間毎にチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り換える。図9の例示では、スイッチング電源回路は期間検出部70を更に備えている。期間検出部70は例えばチョッパ回路3a,3bの動作開始から所定の基準期間が経過したことを検出する。例えば期間検出部70はタイマー回路と判断部とを有する。タイマー回路はチョッパ回路3a,3bが動作を開始したときに動作制御部52によって初期化される。判断部はタイマー回路が計時した経過時間が基準期間よりも長いどうかを判断し、肯定的な判断がなされたときにその旨を動作制御部52に通知する。
【0073】
動作制御部52は、チョッパ回路3aの動作開始からの経過時間が基準期間よりも長いことを条件として、チョッパ回路3aのチョッピング動作を停止し、チョッパ回路3bにチョッピング動作をさせる。なお、チョッパ回路3aの動作停止とチョッパ回路3bの動作の開始とを同時に行っても良く、いずれかを先に行っても良い。ただし、チョッパ回路3a,3bの一方の動作停止を、他方の動作開始と同時或いはその後に行うことが望ましい。これによりチョッパ回路3a,3bの両方がチョッピング動作しない期間を回避できる。チョッパ回路3a,3bの両方がチョッピング動作しない期間では入力力率が低下するので、このような入力力率の低下を抑制できる。なお、チョッパ回路3a,3bのチョッピング動作の切り替えについては、後述する他の実施の形態であっても同様であるので、繰り返しの説明を避ける。
【0074】
また上述の例ではタイマー回路を用いて経過期間を計時しているが、これに限らない。図10に例示するように、期間検出部70は電圧検出部71と判断部72とを有してもよい。電圧検出部71は整流回路2の例えば入力側の交流電圧を検出する。判断部72は当該交流電圧が所定の電圧基準値(例えば零)になったかどうかを判断し、肯定的な判断がなされればその旨を動作制御部52へと通知する。動作制御部52は当該交流電圧が電圧基準値を採るときに、チョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替えても良い。例えば電圧基準値として零を採用すれば、交流電圧の半周期毎にチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り換えることができる。言い換えれば、基準期間として交流電圧の半周期を採用することができる。
【0075】
また電圧検出部71は、整流回路2の入力側の交流電圧に替えて、整流回路2の出力側の第一直流電圧を検出しても良い。第一直流電圧は、N(Nは自然数)相交流電圧の周期のN分の1の周期で脈動するので、第一直流電圧から交流電圧の周期を得ることができる。なおN=2の場合は、N相交流電圧は単相交流電圧を意味する。そして判断部72は、当該第一直流電圧が所定の第二電圧基準値になったかどうかを判断し、肯定的な判断がなされればその旨を動作制御部52に通知する。動作制御部52は第一直流電圧が第二電圧基準値を採るときに、チョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替える。そして、例えば第二電圧基準値として、第一直流電圧のピークまたはボトムを採用すれば、N相交流電圧のN分の1の周期毎にチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り換えることができる。言い換えれば、基準期間として交流電圧の周期のN分の1周期を採用することができる。
【0076】
第3の実施の形態.
第3の実施の形態ではモードM2におけるチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替える条件の一例について説明する。図11の例示では、スイッチング電源回路は2つの電流検出部61,62を備えている。電流検出部61,62はチョッパ回路3a,3bを流れる電流を検出する。図11の例示では、電流検出部61,62はリアクトルL1,L2を流れる電流IL1,IL2を検出する。
【0077】
制御部5は電流積分部63と判断部64とを更に備えている。電流積分部63はチョッパ回路3a,3bの動作開始からの電流IL1,IL2を積分する。判断部64は電流の積分値が所定の積分基準値よりも大きいかどうかを判断し、肯定的な判断がなされたときにその旨を動作制御部52に通知する。
【0078】
動作制御部52はチョッパ回路3aのチョッピング動作の開始からの電流IL1の積分値が積分基準値よりも大きいことを条件として、チョッパ回路3aのチョッピング動作を停止させ、チョッパ回路3bにチョッピング動作をさせる。また電流積分部63はチョッパ回路3aのチョッピング動作の停止に伴って電流IL1の積分値を零に初期化する。同様に、動作制御部52はチョッパ回路3bの動作開始からの電流IL2の積分値が積分基準値よりも大きいことを条件としてチョッパ回路3bのチョッピング動作を停止させ、チョッパ回路3aにチョッピング動作をさせる。また電流積分部63はチョッパ回路3bのチョッピング動作の停止に伴って電流IL2の積分値を零に初期化する。
【0079】
さて、チョッパ回路3a,3bの温度上昇はジュール熱などに起因して生じる。したがってチョッパ回路3a,3bの温度上昇はジュール熱の時間に対する積分値に依存する。一方、チョッパ回路3aに生じるジュール熱はチョッパ回路3aを流れる電流に依存する。よって、チョッパ回路3aの温度上昇はチョッパ回路3aを流れる電流の時間に対する積分値に依存する。
【0080】
本制御方法によれば、電流の積分値に応じてチョッパ回路3a,3bの動作の切り替えを行っているので、比較的精度良くチョッパ回路3a,3bの温度を抑制することができる。
【0081】
なお、電流検出部は必ずしもチョッパ回路3a,3bの個数に応じて設けられる必要はない。図12の例示では、一つの電流検出部60が設けられており、この電流検出部60は入力端P2を流れる電流を検出する。なお電流検出部60は入力端P1を流れる電流を検出しても良い。
【0082】
電流積分部63は電流検出部60によって検出された電流を積分する。そして、積分値が積分基準値を超えるたびに動作制御部52はチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替え、その都度、積分値を零に初期化すればよい。
【0083】
なお、これらの電流検出部60,61,62は第1の実施の形態で述べたように、チョッパ回路3a,3bを流れる過電流を検出するために用いられても良く、電流検出部61,62はチョッパ回路3a,3bに電流臨界モードでチョッピング動作をさせるために用いられても良い。このように電流検出部60,61,62を別の用途でも用いることができる場合は、電流検出部を新たに設ける必要がなく、製造コストの上昇を抑制できる。
【0084】
モード制御部51は、モードM2において電流検出部60,61,62の何れかによって検出された電流の振幅(或いは例えば交流電圧の1周期程度における平均値又は最大値、以下同様)が所定値よりも小さいことを条件として、動作モードをモードM1へと遷移させてもよい。これにより、電流が小さく温度上昇が小さい場合の不要なチョッパ回路3a,3bの切り替えを回避することができる。
【0085】
動作制御部52は、例えば電流検出部60,61,62によって検出される電流の振幅が大きいほど短い周期でチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替えることが望ましい。言い換えれば、電流が大きいほど短い周期でチョッパ回路3aのチョッピング動作の実行/停止を切り替えることが望ましい。これは、電流が大きいほどチョッパ回路3a,3bの温度の上昇速度が高いので、電流が大きいほど切り替え周期を短くすることでチョッパ回路3a,3bの温度をより適切に抑制することができるからである。
【0086】
さて、第3の実施の形態では電流の積分値が積分基準値よりも大きいときにチョッピング動作の切り替えが行われる。電流が大きいほど積分値は短い期間で積分基準値を超えるので、電流が大きいほど短い周期でチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作が切り替わる。したがって、この制御方法によっても適切にチョッパ回路3a,3bの温度を抑制できる。
【0087】
また例えば第2の実施の形態のように、チョッピング動作の開始からの経過時間に応じてチョッピング動作を切り替える場合、検出される電流の振幅が大きいほど基準時間を短縮することが望ましい。これによってチョッパ回路3a,3bの温度をより適切に抑制することができる。
【0088】
第4の実施の形態.
第4の実施の形態ではモードM2におけるチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替える条件の一例について説明する。図13の例示では、スイッチング電源回路は2つの温度検出部81,82を更に備えている。温度検出部81はチョッパ回路3aの温度を検出し、温度検出部82はチョッパ回路3bの温度を検出する。
【0089】
制御部5は判断部83,84を更に備えている。判断部83は温度検出部81によって検出された温度が所定の温度基準値よりも大きいかどうかを判断し、肯定的な判断がなされたときにその旨を動作制御部52に通知する。判断部84は温度検出部82によって検出された温度が温度基準値よりも大きいかどうかを判断し、肯定的な判断がなされたときにその旨を動作制御部52に通知する。
【0090】
動作制御部52は、チョッパ回路3aの温度が温度基準値よりも大きいことを条件としてチョッパ回路3aのチョッピング動作を停止し、チョッパ回路3bにチョッピング動作をさせる。また動作制御部52は、チョッパ回路3bの温度が温度基準値よりも大きいことを条件としてチョッパ回路3bのチョッピング動作を停止し、チョッパ回路3aにチョッピング動作をさせる。
【0091】
これによって、チョッパ回路3a,3bの温度をより精度良く温度基準値以下に維持することができる。
【0092】
また温度検出部はチョッパ回路3a,3bの個数に応じて設けられる必要はない。例えば2つのチョッパ回路3a,3bに対して一つの温度検出部が設けられても良い。この温度検出部はチョッパ回路3a,3bの平均的な温度を検出する。そして、動作制御部52はこの温度検出部によって検出された温度が第二温度基準値よりも大きいことを条件として、チョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替えてもよい。
【0093】
例えば図14に示すように、チョッパ回路3aの温度Taが上昇することに伴って温度検出部が検出する温度Tも上昇する。そして、温度検出部によって検出される温度Tが第二温度基準値Trefを超えると動作制御部52はチョッパ回路3aのチョッピング動作を停止し、チョッパ回路3bにチョッピング動作をさせる。これに伴って、チョッパ回路3aの温度Taは低下し、チョッパ回路3bの温度Tbは上昇する。
【0094】
このとき、チョッパ回路3aの温度Taの低下速度がチョッパ回路3bの温度Tbの上昇速度よりも高ければ、温度検出部によって検出される温度Tは低下する。そして、チョッパ回路3aの温度Taの低下速度がチョッパ回路3bの温度Tbの上昇速度を下回れば、温度検出部によって検出される温度Tは増大に転じる。その後、温度検出部によって検出された温度Tが再び第二温度基準値Trefよりも大きくなれば、動作制御部52はチョッパ回路3bのチョッピング動作を停止し、チョッパ回路3aにチョッピング動作をさせる。
【0095】
このとき、チョッパ回路3bの温度Tbの低下速度がチョッパ回路3aの温度Taの上昇速度よりも高ければ、温度検出部によって検出される温度Tは低下する。そして、チョッパ回路3bの温度Tbの低下速度がチョッパ回路3aの温度Taの上昇速度を下回れば、温度検出部によって検出される温度Tは増大に転じる。その後、温度検出部によって検出された温度Tが再び第二温度基準値Trefよりも大きくなれば、動作制御部52は再びチョッパ回路3aのチョッピング動作を停止し、チョッパ回路3bにチョッピング動作をさせる。以降は、上述した動作を繰り返す。
【0096】
このようなチョッピング動作の切り替えによっても、チョッパ回路3a,3bの温度上昇を抑制することができる。
【0097】
また図15に例示するように、制御部5は減算部85と判断部86とを備えていても良い。減算部85には温度検出部81,82によって検出された温度差の絶対値を算出する。判断部86は温度差の絶対値が所定の温度差基準値よりも大きいかどうかを判断し、肯定的な判断がなされればその旨を動作制御部52に通知する。
【0098】
動作制御部52は温度検出部81,82が検出した温度差の絶対値が温度差基準値よりも大きいことを条件として、チョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替える。例えば図16に示すように、チョッパ回路3aの温度Taが上昇することに伴って温度Ta,Tbの差の絶対値たる温度差Tabは増大する。そして、温度差Tabが温度差基準値Tref1よりも大きくなると、チョッパ回路3aのチョッピング動作を停止し、チョッパ回路3bにチョッピング動作をさせる。これに伴って、温度Taが低下し温度Tbが増大する。よって温度差Tabが低減する。そして温度Ta,Tbが互いに等しくなって温度差Tabが零を採った以降は、再び温度差Tabが増大に転じる。そして温度差Tabが再び温度差基準値Tref1よりも大きくなると、チョッパ回路3bのチョッピング動作を停止し、チョッパ回路3aにチョッピング動作をさせる。
【0099】
これによって、チョッパ回路3a,3bに生じる熱量を、バランス良くチョッパ回路3a,3bに分担させることができる。したがって、チョッパ回路3a,3bの温度をより適切かつ効率的に抑制することができる。
【0100】
またモード制御部51にも温度検出部81,82によって検出された温度が入力されても良い。そして、モードM2において検出された温度が第3温度基準値(<温度基準値、第二温度基準値)よりも小さいときにモード制御部51は動作モードをモードM1に遷移させてもよい。これによって、不要なチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作の切り替えを回避することができる。
【0101】
第5の実施の形態.
第5の実施の形態ではモードM2におけるチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替える条件の一例について説明する。図17の例示では、スイッチング電源回路は計数部90と判断部91とを備えている。計数部90はチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作におけるチョッピングの回数を計数する。より詳細には、計数部90にはスイッチング素子S1,S2へのスイッチング信号が入力される。そして、計数部90はスイッチング信号の入力回数を計数する。
【0102】
判断部91は計数部90によって計数されたチョッピングの回数が所定の回数基準値よりも大きいか判断し、肯定的な判断がなされればその旨を動作制御部52に通知する。
【0103】
動作制御部52は、チョッパ回路3aの動作開始からのチョッピングの回数が回数基準値よりも大きいときに、チョッパ回路3aのチョッピング動作を停止し、チョッパ回路3bにチョッピング動作をさせる。また計数部90はチョッパ回路3bの動作開始に伴ってチョッピングの回数を初期化する。そして、動作制御部52は、チョッパ回路3bの動作開始からのチョッピングの回数が所定値よりも大きいときに、チョッパ回路3bのチョッピング動作を停止し、チョッパ回路3aにチョッピング動作をさせる。また計数部90はチョッパ回路3aの動作開始に伴ってチョッピングの回数を初期化する。
【0104】
これによっても、チョッパ回路3a,3bの温度上昇を抑制することができる。しかも例えば温度センサーなどの高価なセンサーを必要としないので製造コストを抑制できる。
【0105】
なお、回数基準値はチョッパ回路3a,3bを流れる電流の振幅(或いは例えば交流電圧の1周期程度における平均値又は最大値、以下同様)が大きいほど小さい値であることが望ましい。これは第3の実施の形態で述べたとおりである。
【0106】
第6の実施の形態.
モードM2においてチョッパ回路3a,3bを切り替えるための条件は例えば第2から第5の実施の形態のいずれかで述べた条件を採用する。ただし動作制御部52は第6の実施の形態で述べる期間内にチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替える。以下、例えば第3の実施の形態を例に挙げて詳細に説明する。
【0107】
図18に例示するように本スイッチング電源回路は、図11のスイッチング電源回路と比較して、電圧検出部10を更に備え、また制御部5は判断部11を更に備えている。電圧検出部10は例えば整流回路2の入力側の交流電圧を検出する。判断部11は交流電圧の絶対値が所定の電圧基準値よりも小さいかどうかを判断し、肯定的な判断がなされればその旨を通知する。
【0108】
動作制御部52は、チョッパ回路3aの動作開始からの電流IL1の積分値が積分基準値よりも大きく、かつ交流電圧の絶対値が電圧基準値よりも小さい期間内で、チョッパ回路3aのチョッピング動作を停止し、チョッパ回路3bのチョッピング動作を開始する。同様に動作制御部52は、チョッパ回路3bの動作開始からの電流IL2の積分値が積分基準値よりも大きく、かつ交流電圧の絶対値が電圧基準値よりも小さい期間内で、チョッパ回路3bのチョッピング動作を停止し、チョッパ回路3aのチョッピング動作を開始する。
【0109】
この電圧基準値としては例えば零に近い値を採用する。これによって、交流電圧(換言すれば、入力端P1,P2の間の第一直流電圧)が小さい期間にチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作が切り替えられる。よって、チョッパ回路3a,3bのチョッピング動作の切り替えに伴う、第一直流電圧、交流電圧の変動及び入力電流Iの変動を抑制することができる。
【0110】
なお、電圧検出部10は整流回路2の出力側の第一直流電圧を検出しても良い。第一直流電圧はN相交流電圧の周期のN分の1の周期で脈動する。そして、動作制御部52は、電流の積分値が積分基準値よりも大きく、かつ第一直流電圧が所定の第二電圧基準値よりも小さいときに、チョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替えても良い。これによっても、チョッパ回路3a,3bの切り替えに伴う、第一直流電圧、交流電圧の変動及び入力電流Iの変動を抑制することができる。
【0111】
また図19に例示するように本スイッチング電源回路は、図11のスイッチング電源回路と比較して、電流検出部13を備えていても良い。電流検出部13は例えば整流回路2の入力側の交流電流を検出する。制御部5は判断部14を備えている。判断部14は、電流検出部13によって検出された交流電流の絶対値が所定値よりも小さいかどうかを判断し、肯定的な判断がなされればその旨を動作制御部52に通知する。
【0112】
動作制御部52は、電流の積分値が積分基準値よりも大きく、かつ交流電流の絶対値が電流基準値よりも小さい期間内で、チョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替える。電流基準値としては例えば零に近い値を採用する。これによって、交流電流が小さい期間にチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作が切り替えられる。よって、チョッパ回路3a,3bの切り替えに伴う、入力電流Iの変動を抑制することができる。
【0113】
なお、電流検出部は整流回路2の出力側を流れる入力電流Iを検出しても良い。例えば電流検出部61,62によって検出された電流IL1,IL2の和として入力電流Iが検出されても良い。そして、判断部14は入力電流Iが第二電流基準値よりも小さいかどうかを判断し、肯定的な判断がなされればその旨を動作制御部52に通知する。
【0114】
動作制御部52は、電流の積分値が積分基準値よりも大きく、かつ入力電流Iが第二電流基準値よりも小さいときに、チョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替える。これによって、入力電流Iが小さい期間でチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作が切り替えられる。よって、チョッパ回路3a,3bの切り替えに伴う入力電流Iの変動を抑制することができる。
【0115】
第7の実施の形態.
本スイッチング電源回路と接続される交流電源1が、他の機器、例えばテレビや電灯にも接続されている場合、スイッチング電源回路に起因する電源電圧の変動によって、当該機器にフリッカが生じることは好ましくない。
【0116】
図20は短時間フリッカインジケータを示す図であり、このグラフはIEC(International Electrotechnical Commission)61000-3-3において規定される。横軸は、ステップ状の電圧変化を1回と数えたときの1分当たりの電圧変化の回数を示し、縦軸はフリッカを防止するのに許容される電圧変化の大きさを示す。この電圧変化の大きさは定格電圧を100%としたときの大きさである。即ち、例えば1分当たり、1000回の電圧変化が生じれば、その電圧変化の大きさを定格電圧のおおよそ0.27%よりも小さくする必要がある。
【0117】
さて、チョッパ回路3a,3bのチョッパリング動作の切り替えによって、電源電圧には変動が生じえるので、チョッパ回路3a,3bの切替周波数は図20において1分当たりの電圧変化の回数と把握することができる。そこで、許容される電圧変化の大きさが比較的小さい領域を避けて、切替周波数を決定することが望ましい。例えば、切替周波数として5Hzから50Hzの間を避けるとよい。これによって、許容される電圧変化の大きさを定格電圧の0.5%よりも大きくすることができる。
【0118】
第8の実施の形態.
第1から第7の実施の形態で述べたスイッチング電源回路は、例えばヒートポンプユニットに設けられる。図21に例示するように、ヒートポンプユニット100では、2つの熱交換器101,102を繋ぐ配管上に、適宜に圧縮機103および膨張弁104が設けられて、冷媒回路が構成される。この冷媒回路には冷媒が循環される。圧縮機103は冷媒を圧縮し、膨張弁104は冷媒を絞り膨張させる。これにより熱交換器101,102での熱交換を容易にすることができる。この冷媒回路において圧縮機103および膨張弁104は電力が供給されて駆動される。
【0119】
また熱交換器101,102として空冷熱交換器が採用されていれば、これらの近傍には熱交換を促進すべく、ファン105,106が設けられることもある。かかるファン105,106にも電力が供給されて駆動される。
【0120】
図21の例示では、本スイッチング電源回路110は例えば圧縮機103を駆動する駆動装置(例えばインバータ)107へと直流電圧を出力する。これによれば、効率的なスイッチング電源回路を採用したヒートポンプユニットを提供できる。特にヒートポンプユニット100が空気調和機である場合、圧縮機を低速で回転する期間が長い。これは、室内の温度を設定温度の近傍に近づけた以降は、さほど冷房能力または暖房能力を発揮する必要がないからである。このように圧縮機103を低速で回転する場合には、圧縮機103に供給する電流も比較的小さいので、電力の小さい領域において効率を向上できる本スイッチング電源回路110は特に有用である。
【0121】
なお、本スイッチング電源回路110は膨張弁104及びファン105,106を駆動する駆動装置に直流電圧を出力しても良い。
【符号の説明】
【0122】
2 整流回路
3 チョッパ回路
11,60,61,62 電流検出部
51 モード制御部
52 動作制御部
70 期間検出部
81,82 温度検出部
90 計数部
D1,D2 ダイオード
L1,L2 リアクトル
LH1,LH2,LL 直流線
P1,P2 入力端
P3,P4 出力端
S1,S2 スイッチ素子
【技術分野】
【0001】
本発明はスイッチング電源回路の制御装置およびヒートポンプユニットに関し、特に複数のチョッパ回路を有するスイッチング電源回路の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、2つの昇圧スイッチングコンバータを有する力率改善装置が記載されている。特許文献1では、力率改善装置の出力電流に基づいて、2つの昇圧スイッチングコンバータの動作の周期が互いに異なるモードを切り換えて採用している。より詳細には、このようなモードとして6つのモードが採用されている。即ち、モード0は2つの昇圧スイッチングコンバータの両方を連続して動作させるモードである。モード1は、2つの昇圧スイッチングコンバータの動作期間の一部が時間的に重なるように2つの昇圧スイッチングコンバータの動作/停止を繰り返すモードである。モード2は、モード1よりも昇圧スイッチングコンバータの停止期間が長いモードである。モード3はさらに停止期間が長く、2つの昇圧スイッチングコンバータの動作が時間的に重ならないモードである。モード4は、1つの昇圧スイッチングコンバータを停止して他の昇圧スイッチングコンバータの動作/停止を繰り返すモードである。モード5は、モード4よりも他の一つのスイッチングコンバータの停止期間が長いモードである。
【0003】
特許文献1では、負荷電流が小さく、昇圧スイッチングコンバータのスイッチング素子に流れる電流が小さいときに、モード4,5を採用する。これによって電源効率を改善している。
【0004】
また本発明に関連する技術として特許文献2及び非特許文献1が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−157927号公報
【特許文献2】特開2008−193818号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】喜多村 守、「1.5kWの低ノイズ高調波対策電源を作れる臨界モード/インターリーブPFC IC R2A20112」、トランジスタ技術2008年5月号、CQ出版株式会社、2008年8月、第176頁乃至第184頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のモード4,5では、1つの昇圧スイッチングコンバータを停止して他の昇圧スイッチングコンバータの動作/停止を繰り返している。よって、この動作/停止に起因して入力電流に変動が生じる。
【0008】
そこで、本発明は、入力電流の変化を抑制しつつ効率を改善できるスイッチング電源回路の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第1の態様は、一対の入力端(P1,P2)と、一対の出力端(P3,P4)と、前記一対の入力端と前記一対の出力端との間で相互に並列に接続されてそれぞれチョッピング動作を行う第1及び第2のチョッパ回路(3,3a,3b)とを備えるスイッチング電源回路を制御する制御装置であって、前記第1及び第2のチョッパ回路における電力が増大するにしたがって、前記第1及び前記第2のチョッパ回路の動作モードを第1モードから第2モードを経て第3モードへと遷移させるモード制御部(51)と、前記第1モードにおいて前記第1のチョッパ回路に前記チョッピング動作をさせつつ前記第2のチョッパ回路の前記チョッピング動作を停止し、前記第2モードにおいて前記第1のチョッパ回路及び前記第2チョッパ回路に交互に前記チョッピング動作をさせ、前記第3モードにおいて前記第1のチョッパ回路及び前記第2チョッパ回路の両方に前記チョッピング動作をさせる動作制御部(52)とを備える。
【0010】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第2の態様は、第1の態様にかかるスイッチング電源回路の制御装置であって、前記一対の入力端の間には定電圧源が接続され、前記一対の入力端(P1,P2)の間を流れる入力電流(I)を検出する電流検出部(60,61,62)を更に備え、前記モード制御部(51)は、前記入力電流が増大するに従って前記動作モードを前記第1モードから前記第2モードを経て前記第3モードへと遷移させる。
【0011】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第3の態様は、第1又は第2の態様にかかるスイッチング電源回路の制御装置であって、経過時間を計時する期間検出部(70)を更に備え、前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記第1のチョッパ回路(3a,3b)の前記チョッピング動作の開始から所定期間が経過したことを条件として前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を停止させる。
【0012】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第4の態様は、第1又は第2の態様にかかるスイッチング電源回路の制御装置であって、前記第1のチョッパ回路(3a)を流れる電流を検出する第2電流検出部(61)を更に備え、前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記第1のチョッパ回路(3a,3b)の前記チョッピング動作の開始からの前記電流の積分値が所定値よりも大きいことを条件として、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を停止させる。
【0013】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第5の態様は、第4の態様にかかるスイッチング電源回路の制御装置であって、前記モード制御部(51)は、前記第2モードにおいて前記電流が所定値を下回ることを条件として、前記動作モードを前記第1モードへと遷移させる。
【0014】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第6の態様は、第1又は第2の態様にかかるスイッチング電源回路の制御装置であって、前記第1のチョッパ回路(3a)を流れる電流を検出する第2電流検出部(61)を更に備え、前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記電流が高いほど短い周期で前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作の実行/停止を切り替える。
【0015】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第7の態様は、第1又は第2の態様にかかるスイッチング電源回路の制御装置であって、前記第1のチョッパ回路(3a,3b)の温度を検出する温度検出部(81)を更に備え、前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記温度が所定値よりも大きいことを条件として、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を停止させる。
【0016】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第8の態様は、第1又は第2の態様にかかるスイッチング電源回路の制御装置であって、前記第1及び前記第2のチョッパ回路(3a,3b)の温度をそれぞれ検出する第1及び第2の温度検出部(81,82)を更に備え、前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記第1のチョッパ回路の温度が前記第2のチョッパ回路の温度よりも所定値を超えて大きいことを条件として、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を停止させる。
【0017】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第9の態様は、第7または第8の態様にかかるスイッチング電源回路の制御装置であって、前記モード制御部(51)は、前記第2モードにおいて前記所定値よりも小さい第2所定値に比べて前記温度が小さいときに、前記動作モードを前記第1モードに遷移させる。
【0018】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第10の態様は、第1又は第2の態様にかかるスイッチング電源回路の制御装置であって、前記第1のチョッパ回路(3a,3b)の前記チョッピング動作におけるチョッピングの回数を計数する計数部(90)を更に備え、前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作の開始からの前記回数が所定値よりも大きいことを条件として、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を停止させる。
【0019】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第11の態様は、第1から第10の何れか一つの態様にかかるスイッチング電源回路の制御装置であって、交流電圧を整流して前記一対の入力端に直流電圧を印可する整流回路(2)と、前記交流電圧または前記直流電圧を検出する電圧検出部(10)とを更に備え、前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記交流電圧の絶対値が所定値を下回る期間内で、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を開始又は停止させる。
【0020】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第12の態様は、第1から第11の何れか一つの態様にかかるスイッチング電源回路の制御装置であって、交流電圧を整流して前記一対の入力端に前記直流電圧を印可する整流回路(2)と、前記整流回路の入力側を流れる交流電流または前記入力電流を検出する第3電流検出部(13,60,61,62)とを更に備え、前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記交流電流の絶対値が所定値を下回る期間内で、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を開始又は停止させる。
【0021】
本発明にかかるヒートポンプユニットの第1の態様は、第1から第12の何れか一つの態様にかかるスイッチング電源回路の制御装置を備える。
【発明の効果】
【0022】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第1の態様によれば、電力が低く温度の上昇が比較的小さい場合には第1モードが採用される。よって第1のチョッパ回路のチョッピング動作と第2のチョッパ回路のチョッピング動作とを切り替える際に伴う入力電流の変化を抑制できる。しかも電力が高まれば動作モードが第1モードの場合から第2モードに切り替えられる。よって第1のチョッパ回路のみをチョッピング動作させる第1モードに比べて、第1のチョッパ回路の上昇温度を低減することができる。よって電力上昇に伴う温度の上昇に起因して効率が低下することを抑制できる。さらに電力が増大すれば、第1及び第2のチョッパ回路の両方がチョッピング動作を行う。さて、電力が小さいときにはチョッピング動作に用いられるスイッチング素子のスイッチング損失が全体の損失に対して高い割合を占め、電力が高いときにはスイッチング素子の導通損失が高い割合を占める。第3モードでは第1及び第2のチョッパ回路がチョッピング動作を行うので、スイッチング素子の各々に流れる電流を低減することができ、これによって効率を改善することができる。
【0023】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第2の態様によれば、入力電流が大きくなると、第1及び第2のチョッパ回路に入力される電力が増大し、ひいては第1及び第2のチョッパ回路における電力が増大する。よって第1の態様にかかる制御装置の実現に資する。
【0024】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第3の態様によれば、期間に応じて第1のチョッパ回路のチョッピング動作/停止を行う。よって、安価な回路で第1のチョッパ回路のチョッピング動作の実行/停止を行うことができ、製造コストの増大を抑制できる。
【0025】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第4の態様によれば、温度は電流の積分値に依存するので、請求項3に比して精度よく、第1のチョッパ回路の温度を抑制することができる。
【0026】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第5の態様によれば、不要な動作/停止の切り替えを回避できる。
【0027】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第6の態様によれば、温度上昇率が高いと推定される場合に、第1のチョッパ回路のチョッピング動作の実行/停止の周期が短い。よって、効率的に温度上昇を抑制することができる。
【0028】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第7の態様によれば、精度良く第1のチョッパ回路の温度を抑制できる。
【0029】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第8の態様によれば、効率よく熱を分散させることができる。
【0030】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第9の態様によれば、不要な動作/停止の切り替えを回避できる。
【0031】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第10の態様によれば、温度検出センサーを用いることなく、第1の態様にかかる制御装置の実現に資する。よって、製造コストの増大を抑制できる。
【0032】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第11の態様によれば、交流電圧の絶対値が小さいときに第1のチョッパ回路の動作/停止の切り替えが行われる。よって、交流電圧の変動ひいては交流電流の変動を抑制できる。
【0033】
本発明にかかるスイッチング電源回路の制御装置の第12の態様によれば、交流電流の絶対値が小さいときに第1のチョッパ回路の動作/停止の切り替えが行われる。よって、交流電流の変動を抑制できる。
【0034】
本発明にかかるヒートポンプユニットの第1の態様によれば、温度上昇による第1のチョッパ回路の効率を低下できるヒートポンプユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】スイッチング電源回路の概念的な構成の一例を示す図である。
【図2】スイッチング電源回路の概念的な構成の一例を示す図である。
【図3】チョッパ回路の概念的な構成の一例を示す図である。
【図4】チョッパ回路の概念的な構成の一例を示す図である。
【図5】動作モードを説明するための図である。
【図6】動作モードを説明するための図である。
【図7】動作モードを説明するための図である。
【図8】動作モードの切り替わりを説明するための図である。
【図9】スイッチング電源回路の概念的な構成の一例を示す図である。
【図10】スイッチング電源回路の概念的な構成の一例を示す図である。
【図11】スイッチング電源回路の概念的な構成の一例を示す図である。
【図12】スイッチング電源回路の概念的な構成の一例を示す図である。
【図13】スイッチング電源回路の概念的な構成の一例を示す図である。
【図14】チョッパ回路の温度の一例を示す図である。
【図15】スイッチング電源回路の概念的な構成の一例を示す図である。
【図16】チョッパ回路の温度の一例を示す図である。
【図17】スイッチング電源回路の概念的な構成の一例を示す図である。
【図18】スイッチング電源回路の概念的な構成の一例を示す図である。
【図19】スイッチング電源回路の概念的な構成の一例を示す図である。
【図20】短時間フリッカインジケータを示す図である。
【図21】ヒートポンプユニットの概念的な構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
第1の実施の形態.
<スイッチング電源回路>
図1に例示するように、スイッチング電源回路は複数のチョッパ回路3と入力端P1,P2と出力端P3,P4とを備えている。
【0037】
入力端P1,P2の間には第一直流電圧が印加される。図1の例示では、入力端P1,P2には整流回路2が接続されている。整流回路2は交流電源1からの交流電圧を整流し、整流後の第一直流電圧を入力端P1,P2の間に印加する。ここでは入力端P2に印加される電位は入力端P1に印加される電位よりも低い。なお、入力端P1,P2に整流回路2が接続されることは必須要件ではない。入力端P1,P2の間に第一直流電圧を印加する任意の構成が入力端P1,P2に接続されていればよい。
【0038】
複数のチョッパ回路3は、一対の入力端P1,P2と、一対の出力端P3,P4との間で互いに並列に接続され、それぞれチョッピング動作を行う。このチョッピング動作によって各チョッパ回路3は入力端P1,P2の間の第一直流電圧を変化させ、これを第二直流電圧として出力端P3,P4の間に印可する。チョッパ回路3の詳細な構成については後に詳述する。
【0039】
出力端P3,P4の間には平滑コンデンサC1が設けられている。平滑コンデンサC1は各チョッパ回路3からの第二直流電圧を平滑する。
【0040】
また図1に例示するように、入力端P1,P2の間にはコンデンサC2が設けられてもよい。コンデンサC2は各チョッパ回路3に入力する電流のノイズを低減することができる。
【0041】
チョッパ回路3は例えば昇圧チョッパ回路である。図2には複数のチョッパ回路3として、2つのチョッパ回路3a,3bが示されている。なお、図2の例示では、出力端P3,P4にインバータ4が接続されている。ただし、これに限らず、直流電圧が供給される任意の負荷を出力端P3,P4に接続することができる。
【0042】
図2の例示では、チョッパ回路3aはスイッチング素子S1とリアクトルL1とダイオードD1とを備えている。リアクトルL1とダイオードD1とは入力端P1と出力端P3とを繋ぐ直流線LH1上で互いに直列接続されている。リアクトルL1はダイオードD1に対して入力端P1側に設けられている。ダイオードD1はそのアノードを入力端P1側に向けて設けられている。スイッチング素子S1は例えばMOS電界効果トランジスタまたは絶縁ゲートバイポーラトランジスタ等であって、リアクトルL1とダイオードD1とを接続する接続点と、入力端P2と出力端P4とを繋ぐ直流線LLとの間に設けられている。
【0043】
次に本チョッパ回路3aのチョッピング動作について説明する。このチョッピング動作ではスイッチング素子S1の導通/非導通が繰り返し切り替えられる。さて、スイッチング素子S1が導通すれば、入力端P1から入力端P2へと、リアクトルL1およびスイッチング素子S1を経由して電流が流れる。このとき、リアクトルL1には電磁エネルギーが蓄積される。スイッチング素子S1が非導通すれば、入力端P1から入力端P2へと、リアクトルL1とダイオードD1と平滑コンデンサC1とを経由して電流が流れる。このとき、平滑コンデンサC1には、入力端P1,P2の間の第一直流電圧とリアクトルL1に生じる誘起電圧とを加算した第二直流電圧が印加される。これにより、平滑コンデンサC1には第一直流電圧よりも高い第二直流電圧が印加される。
【0044】
チョッパ回路3bはスイッチング素子S2とリアクトルL2とダイオードD2とを備えている。リアクトルL2とダイオードD2とは入力端P1と出力端P3とを繋ぐ直流線LH2上で互いに直列接続されている。リアクトルL2はダイオードD2に対して入力端P1側に設けられている。ダイオードD2はそのアノードを入力端P1側に向けて設けられている。スイッチング素子S2は例えばMOS電界効果トランジスタまたは絶縁ゲートバイポーラトランジスタ等であって、リアクトルL2とダイオードD2とを接続する接続点と、直流線LLとの間に設けられている。
【0045】
チョッパ回路3bの動作はチョッパ回路3aと同様であるので、詳細な説明を避ける。
【0046】
これらのチョッパ回路3a,3bによれば、スイッチング素子S1,S2が導通しているときにも入力端P1,P2には電流が流れるので、整流回路2に入力される交流電流の導通角度を広げることができる。したがって、入力側の力率を改善することができる。言い換えれば、本スイッチング電源回路は力率改善回路(Power Factor Correct Circuit)として機能する。
【0047】
なおチョッパ回路3は昇圧チョッパ回路に限らない。例えば図3に例示するように、降圧チョッパ回路であってもよい。この降圧チョッパ回路においては、スイッチング素子S1とリアクトルL1とは入力端P1と出力端P3とを繋ぐ直流線上で互いに直列に接続される。スイッチング素子S1はリアクトルL1に対して入力端P1側に設けられている。ダイオードD1は、スイッチング素子S1とリアクトルL1とを接続する接続点と、入力端P2と出力端P3とを繋ぐ直流線LLとの間に設けられる。ダイオードD1はそのアノードを直流線LL側に向けて設けられる。
【0048】
このチョッパ回路3のチョッピング動作においてもスイッチング素子S1の導通/非導通が繰り返し切り替えられる。スイッチング素子S1が導通しているときには、入力端P1から入力端P2へと、スイッチング素子S1とリアクトルL1と平滑コンデンサC1とを経由して電流が流れる。このとき、リアクトルL1に生じる誘起電圧は入力端側を高電位とするので、平滑コンデンサC1には、入力端P1,P2の間の第一直流電圧から誘起電圧を減算した電圧が印加される。スイッチング素子S1が非導通となるとリアクトルL1と平滑コンデンサC1とダイオードD1とを電流が流れる。
【0049】
以上の動作により、チョッパ回路3は第一直流電圧を降圧し、これを第二直流電圧として出力することができる。しかも、スイッチング素子S1が導通する期間では入力端P1,P2を電流が流れるので、電流の導通角度を広げることができる。ただし、図2のチョッパ回路3を採用した方が、入力端P1,P2を流れる電流の高調波成分を低減することができる。これは、図2のチョッパ回路3においては、スイッチング素子S1の導通/非導通に関わらず、入力端P1,P2を電流が流れることによる。したがって、電流の高調波成分を低減するという観点では、図2のチョッパ回路3を採用することが望ましい。
【0050】
またチョッパ回路3は、図4に例示するように、昇降圧チョッパ回路であってもよい。この昇降圧チョッパ回路においては、スイッチング素子S1とダイオードD1とは、入力端P1と出力端P3とを繋ぐ直流線上で互いに直列に接続されている。スイッチング素子S1はダイオードD1に対して入力端P1側に設けられる。ダイオードD1はそのアノードを出力端P3側に向けて設けられる。リアクトルL1は、スイッチング素子S1とリアクトルL1とを接続する接続点と、入力端P2と出力端P4とを繋ぐ直流線LLとの間に設けられる。
【0051】
このチョッパ回路3のチョッピング動作においてもスイッチング素子S1の導通/非導通が繰り返し切り替えられる。スイッチング素子S1が導通しているときには、入力端P1から入力端P2へと、スイッチング素子S1とリアクトルL1を経由して電流が流れる。これにより、リアクトルL1には電磁エネルギーが蓄積される。スイッチング素子S1が非導通となると、リアクトルL1に生じる誘起電圧が電源として機能し、平滑コンデンサC1とダイオードD1とを電流が流れる。スイッチング素子S1の導通期間を長くするほど、平滑コンデンサC1には大きな電圧が印加される。
【0052】
このスイッチング素子S1の導通期間を調整することで、チョッパ回路3は第一直流電圧を昇圧または降圧することができる。また、スイッチング素子S1が導通する期間において入力端P1,P2を電流が流れるので、電流の導通角度を広げることができる。ただし、図2のチョッパ回路3を採用した方が、入力端P1,P2を流れる電流の高調波成分を低減することができる。これは、図2のチョッパ回路3においては、スイッチング素子S1の導通/非導通に関わらず、入力端P1,P2を電流が流れることによる。したがって、電流の高調波成分を低減するという観点では、図2のチョッパ回路3を採用することが望ましい。
【0053】
以下では、チョッパ回路3として昇圧チョッパ回路を採用した場合について説明し、一例として2つのチョッパ回路3が設けられた場合について説明する。
【0054】
チョッパ回路3a,3bのスイッチング素子S1,S2は、制御部5によって制御される。制御部5はモード制御部51と動作制御部52とを備えている。モード制御部51はチョッパ回路3a,3bの動作モードとして次のモードM1〜M3を選択するように動作制御部52に指示する。
【0055】
モードM1においては図5に例示するように、動作制御部52はチョッパ回路3a,3bのうち何れか一方のみに常にチョッピング動作をさせる。例えば動作制御部52はスイッチング素子S1の導通/非導通を繰り返し切り替えてチョッパ回路3aに常にチョッピング動作をさせ、スイッチング素子S2を常に非導通にしてチョッパ回路3bのチョッピング動作を停止させる。
【0056】
モードM2においては図6に例示するように、動作制御部52はチョッパ回路3a,3bに交互にチョッピング動作をさせる。図6の例示では、チョッパ回路3a,3bのチョッピング動作の実行/停止の切り替えタイミングが互いに一致しているものの、これらのタイミングが互いにずれていても構わない。
【0057】
モードM3においては図7に例示するように、動作制御部52はチョッパ回路3a,3bの両方に常にチョッピング動作をさせる。このとき動作制御部52はスイッチング素子S1,S2の導通期間をずらしてスイッチング素子S1,S2を制御することが望ましい。より詳細には例えばスイッチング素子S2の導通期間の開始(ターンオン)及び終了(ターンオフ)のタイミングをスイッチング素子S1の導通期間の開始及び終了のタイミングよりもスイッチング周期の半周期遅らせる。かかる制御は非特許文献1に記載されたとおり公知であるので、詳細な説明は省略する。これによって、入力端P1,P2を流れる電流の高調波成分を低減することができる。かかる制御はいわゆるインターリーブとも呼ばれる。
【0058】
モード制御部51は上述したモードM1〜M3を次のように選択する。即ちモード制御部51は、チョッパ回路3a,3bにおける電力が増大するにしたがって、チョッパ回路3a,3bの動作モードをモードM1からモードM2を経てモードM3へと遷移させる。
【0059】
本実施の形態では、この電力として例えば入力端P1,P2を流れる入力電流Iを検出する。以下、この妥当性について述べる。図2の例示では、入力端P1,P2に印加される第一直流電圧は交流電源1の交流電圧を整流して得られる電圧である。交流電圧の振幅及び周期は一定と見なすことができるので、第一直流電圧の脈動の振幅及び周期も一定と見なすことができる。よって例えば交流電圧の一周期における第一直流電圧の平均値は一定となる。したがって、第一直流電圧はリプルを有する定電圧源と見なすことができる。
【0060】
一方、整流回路2の入力側を流れる交流電流は理想的には正弦波形状を採るので入力電流Iは理想的には半波形状(正弦波の絶対値の形状)を採る。第一直流電圧は定電圧源なので、この入力電流Iの振幅が増大するに従って、チョッパ回路3a,3bに入力される電力は増大する。よって、入力電流Iを検出することで、チョッパ回路3a,3bにおける電力を認識することができる。
【0061】
図2の例示では、リアクトルL1,L2を流れる電流IL1,IL2を検出する電流検出部61,62が設けられている。電流検出部61,62の検出値は制御部5に出力される。制御部5は電流検出部61,62の検出値を加算して入力電流Iを得る。
【0062】
そして、図6に例示するようにモード制御部51は、入力電流Iの振幅が所定値Iref1よりも小さいときにはモードM1を採用し、入力電流Iの振幅が所定値Iref1よりも大きく所定値Iref2よりも小さいときにはモードM2を採用し、入力電流Iの振幅が所定値Iref2よりも大きいときにはモードM3を採用する。なお、必ずしも入力電流Iの振幅を取得する必要はなく、例えば交流電圧の1周期程度における入力電流Iの平均値或いは最大値を取得し、これに応じてモードM1〜M3を採用しても良い。
【0063】
以上のモード切り替え動作によれば、チョッパ回路3a,3bにおける電力が低くチョッパ回路3a,3bの温度の上昇が比較的小さい場合にはモードM1が採用される。これによって、チョッパ回路3aのチョッピング動作とチョッパ回路3bのチョッピング動作との切り替えに伴う入力電流Iの変化を抑制することができる。
【0064】
しかも電力が小さい場合には本スイッチング電源回路に生じる損失のうちスイッチング損失が占める割合が大きい。よって、電力が小さいときにはチョッパ回路3aのみにチョッピング動作をさせることで、効率を向上することができる。
【0065】
またチョッパ回路3a,3bにおける電力が増大すればモードM2が採用される。このとき図6に例示するように、チョッパ回路3aの温度Taはチョッパ回路3aが動作する期間において上昇し、チョッパ回路3aが停止する期間において低減する。したがって、チョッパ回路3aのみを動作させる場合に比べて、チョッパ回路3aの温度Taを低減することができる。同様にチョッパ回路3bの温度Tbも低減できる。チョッパ回路3a,3bの温度上昇はスイッチング素子S1,S2の導通損失を増大させるので、スイッチング電源回路の効率を向上することができる。
【0066】
さらにチョッパ回路3a,3bにおける電力が増大すれば、モードM3が採用される。モードM3においてはチョッパ回路3a,3bの両方はチョッピング動作を行う。これによって、スイッチング素子S1,S2に流れる電流を低減できる。なぜなら、モードM2においてスイッチング素子S1,S2の何れか一方のみに流れていた電流を、モードM3においてスイッチング素子S1,S2に分担させることができるからである。そして、電力が大きい場合にはスイッチング電源回路に生じる損失のうち導通損失が占める割合が大きいので、スイッチング素子S1,S2に流れる電流の低減により効率を改善することができる。
【0067】
しかもモードM3においてチョッパ回路3a,3bにインターリーブ方式でチョッピング動作させることができる。これによって入力電流Iの高調波成分を低減することができる。
【0068】
なお、必ずしも2つの電流検出部61,62を設ける必要はなく、入力端P1又は入力端P2を流れる入力電流Iを検出する一つの電流検出部が設けられてもよい。
【0069】
これらの電流検出部は次で述べる用途にも用いることができる。例えば、チョッパ回路3a,3bを流れる過電流を検出することができる。そして、当該過電流が検出されたことを以て、交流電源との接続を遮断してもよい。かかる遮断は例えば交流電源と整流回路2との間にスイッチを設け、このスイッチを非導通とすることで実現できる。
【0070】
また電流検出部61,62が設けられていれば、この電流検出部61,62を次の用途で用いることができる。即ち、電流IL1,IL2がそれぞれ零である状態でスイッチング素子S1,S2の導通/非導通を切り替える電流臨界モードにおいて、電流IL1,IL2が零となる状態を検出するために電流検出部61,62を用いることができる。
【0071】
このように電流検出部を別の用途でも用いることができる場合は、電流検出部を新たに設ける必要がなく、製造コストの上昇を抑制できる。
【0072】
第2の実施の形態.
第2の実施の形態ではモードM2におけるチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替える条件の一例について説明する。第2の実施の形態では、所定の期間毎にチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り換える。図9の例示では、スイッチング電源回路は期間検出部70を更に備えている。期間検出部70は例えばチョッパ回路3a,3bの動作開始から所定の基準期間が経過したことを検出する。例えば期間検出部70はタイマー回路と判断部とを有する。タイマー回路はチョッパ回路3a,3bが動作を開始したときに動作制御部52によって初期化される。判断部はタイマー回路が計時した経過時間が基準期間よりも長いどうかを判断し、肯定的な判断がなされたときにその旨を動作制御部52に通知する。
【0073】
動作制御部52は、チョッパ回路3aの動作開始からの経過時間が基準期間よりも長いことを条件として、チョッパ回路3aのチョッピング動作を停止し、チョッパ回路3bにチョッピング動作をさせる。なお、チョッパ回路3aの動作停止とチョッパ回路3bの動作の開始とを同時に行っても良く、いずれかを先に行っても良い。ただし、チョッパ回路3a,3bの一方の動作停止を、他方の動作開始と同時或いはその後に行うことが望ましい。これによりチョッパ回路3a,3bの両方がチョッピング動作しない期間を回避できる。チョッパ回路3a,3bの両方がチョッピング動作しない期間では入力力率が低下するので、このような入力力率の低下を抑制できる。なお、チョッパ回路3a,3bのチョッピング動作の切り替えについては、後述する他の実施の形態であっても同様であるので、繰り返しの説明を避ける。
【0074】
また上述の例ではタイマー回路を用いて経過期間を計時しているが、これに限らない。図10に例示するように、期間検出部70は電圧検出部71と判断部72とを有してもよい。電圧検出部71は整流回路2の例えば入力側の交流電圧を検出する。判断部72は当該交流電圧が所定の電圧基準値(例えば零)になったかどうかを判断し、肯定的な判断がなされればその旨を動作制御部52へと通知する。動作制御部52は当該交流電圧が電圧基準値を採るときに、チョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替えても良い。例えば電圧基準値として零を採用すれば、交流電圧の半周期毎にチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り換えることができる。言い換えれば、基準期間として交流電圧の半周期を採用することができる。
【0075】
また電圧検出部71は、整流回路2の入力側の交流電圧に替えて、整流回路2の出力側の第一直流電圧を検出しても良い。第一直流電圧は、N(Nは自然数)相交流電圧の周期のN分の1の周期で脈動するので、第一直流電圧から交流電圧の周期を得ることができる。なおN=2の場合は、N相交流電圧は単相交流電圧を意味する。そして判断部72は、当該第一直流電圧が所定の第二電圧基準値になったかどうかを判断し、肯定的な判断がなされればその旨を動作制御部52に通知する。動作制御部52は第一直流電圧が第二電圧基準値を採るときに、チョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替える。そして、例えば第二電圧基準値として、第一直流電圧のピークまたはボトムを採用すれば、N相交流電圧のN分の1の周期毎にチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り換えることができる。言い換えれば、基準期間として交流電圧の周期のN分の1周期を採用することができる。
【0076】
第3の実施の形態.
第3の実施の形態ではモードM2におけるチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替える条件の一例について説明する。図11の例示では、スイッチング電源回路は2つの電流検出部61,62を備えている。電流検出部61,62はチョッパ回路3a,3bを流れる電流を検出する。図11の例示では、電流検出部61,62はリアクトルL1,L2を流れる電流IL1,IL2を検出する。
【0077】
制御部5は電流積分部63と判断部64とを更に備えている。電流積分部63はチョッパ回路3a,3bの動作開始からの電流IL1,IL2を積分する。判断部64は電流の積分値が所定の積分基準値よりも大きいかどうかを判断し、肯定的な判断がなされたときにその旨を動作制御部52に通知する。
【0078】
動作制御部52はチョッパ回路3aのチョッピング動作の開始からの電流IL1の積分値が積分基準値よりも大きいことを条件として、チョッパ回路3aのチョッピング動作を停止させ、チョッパ回路3bにチョッピング動作をさせる。また電流積分部63はチョッパ回路3aのチョッピング動作の停止に伴って電流IL1の積分値を零に初期化する。同様に、動作制御部52はチョッパ回路3bの動作開始からの電流IL2の積分値が積分基準値よりも大きいことを条件としてチョッパ回路3bのチョッピング動作を停止させ、チョッパ回路3aにチョッピング動作をさせる。また電流積分部63はチョッパ回路3bのチョッピング動作の停止に伴って電流IL2の積分値を零に初期化する。
【0079】
さて、チョッパ回路3a,3bの温度上昇はジュール熱などに起因して生じる。したがってチョッパ回路3a,3bの温度上昇はジュール熱の時間に対する積分値に依存する。一方、チョッパ回路3aに生じるジュール熱はチョッパ回路3aを流れる電流に依存する。よって、チョッパ回路3aの温度上昇はチョッパ回路3aを流れる電流の時間に対する積分値に依存する。
【0080】
本制御方法によれば、電流の積分値に応じてチョッパ回路3a,3bの動作の切り替えを行っているので、比較的精度良くチョッパ回路3a,3bの温度を抑制することができる。
【0081】
なお、電流検出部は必ずしもチョッパ回路3a,3bの個数に応じて設けられる必要はない。図12の例示では、一つの電流検出部60が設けられており、この電流検出部60は入力端P2を流れる電流を検出する。なお電流検出部60は入力端P1を流れる電流を検出しても良い。
【0082】
電流積分部63は電流検出部60によって検出された電流を積分する。そして、積分値が積分基準値を超えるたびに動作制御部52はチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替え、その都度、積分値を零に初期化すればよい。
【0083】
なお、これらの電流検出部60,61,62は第1の実施の形態で述べたように、チョッパ回路3a,3bを流れる過電流を検出するために用いられても良く、電流検出部61,62はチョッパ回路3a,3bに電流臨界モードでチョッピング動作をさせるために用いられても良い。このように電流検出部60,61,62を別の用途でも用いることができる場合は、電流検出部を新たに設ける必要がなく、製造コストの上昇を抑制できる。
【0084】
モード制御部51は、モードM2において電流検出部60,61,62の何れかによって検出された電流の振幅(或いは例えば交流電圧の1周期程度における平均値又は最大値、以下同様)が所定値よりも小さいことを条件として、動作モードをモードM1へと遷移させてもよい。これにより、電流が小さく温度上昇が小さい場合の不要なチョッパ回路3a,3bの切り替えを回避することができる。
【0085】
動作制御部52は、例えば電流検出部60,61,62によって検出される電流の振幅が大きいほど短い周期でチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替えることが望ましい。言い換えれば、電流が大きいほど短い周期でチョッパ回路3aのチョッピング動作の実行/停止を切り替えることが望ましい。これは、電流が大きいほどチョッパ回路3a,3bの温度の上昇速度が高いので、電流が大きいほど切り替え周期を短くすることでチョッパ回路3a,3bの温度をより適切に抑制することができるからである。
【0086】
さて、第3の実施の形態では電流の積分値が積分基準値よりも大きいときにチョッピング動作の切り替えが行われる。電流が大きいほど積分値は短い期間で積分基準値を超えるので、電流が大きいほど短い周期でチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作が切り替わる。したがって、この制御方法によっても適切にチョッパ回路3a,3bの温度を抑制できる。
【0087】
また例えば第2の実施の形態のように、チョッピング動作の開始からの経過時間に応じてチョッピング動作を切り替える場合、検出される電流の振幅が大きいほど基準時間を短縮することが望ましい。これによってチョッパ回路3a,3bの温度をより適切に抑制することができる。
【0088】
第4の実施の形態.
第4の実施の形態ではモードM2におけるチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替える条件の一例について説明する。図13の例示では、スイッチング電源回路は2つの温度検出部81,82を更に備えている。温度検出部81はチョッパ回路3aの温度を検出し、温度検出部82はチョッパ回路3bの温度を検出する。
【0089】
制御部5は判断部83,84を更に備えている。判断部83は温度検出部81によって検出された温度が所定の温度基準値よりも大きいかどうかを判断し、肯定的な判断がなされたときにその旨を動作制御部52に通知する。判断部84は温度検出部82によって検出された温度が温度基準値よりも大きいかどうかを判断し、肯定的な判断がなされたときにその旨を動作制御部52に通知する。
【0090】
動作制御部52は、チョッパ回路3aの温度が温度基準値よりも大きいことを条件としてチョッパ回路3aのチョッピング動作を停止し、チョッパ回路3bにチョッピング動作をさせる。また動作制御部52は、チョッパ回路3bの温度が温度基準値よりも大きいことを条件としてチョッパ回路3bのチョッピング動作を停止し、チョッパ回路3aにチョッピング動作をさせる。
【0091】
これによって、チョッパ回路3a,3bの温度をより精度良く温度基準値以下に維持することができる。
【0092】
また温度検出部はチョッパ回路3a,3bの個数に応じて設けられる必要はない。例えば2つのチョッパ回路3a,3bに対して一つの温度検出部が設けられても良い。この温度検出部はチョッパ回路3a,3bの平均的な温度を検出する。そして、動作制御部52はこの温度検出部によって検出された温度が第二温度基準値よりも大きいことを条件として、チョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替えてもよい。
【0093】
例えば図14に示すように、チョッパ回路3aの温度Taが上昇することに伴って温度検出部が検出する温度Tも上昇する。そして、温度検出部によって検出される温度Tが第二温度基準値Trefを超えると動作制御部52はチョッパ回路3aのチョッピング動作を停止し、チョッパ回路3bにチョッピング動作をさせる。これに伴って、チョッパ回路3aの温度Taは低下し、チョッパ回路3bの温度Tbは上昇する。
【0094】
このとき、チョッパ回路3aの温度Taの低下速度がチョッパ回路3bの温度Tbの上昇速度よりも高ければ、温度検出部によって検出される温度Tは低下する。そして、チョッパ回路3aの温度Taの低下速度がチョッパ回路3bの温度Tbの上昇速度を下回れば、温度検出部によって検出される温度Tは増大に転じる。その後、温度検出部によって検出された温度Tが再び第二温度基準値Trefよりも大きくなれば、動作制御部52はチョッパ回路3bのチョッピング動作を停止し、チョッパ回路3aにチョッピング動作をさせる。
【0095】
このとき、チョッパ回路3bの温度Tbの低下速度がチョッパ回路3aの温度Taの上昇速度よりも高ければ、温度検出部によって検出される温度Tは低下する。そして、チョッパ回路3bの温度Tbの低下速度がチョッパ回路3aの温度Taの上昇速度を下回れば、温度検出部によって検出される温度Tは増大に転じる。その後、温度検出部によって検出された温度Tが再び第二温度基準値Trefよりも大きくなれば、動作制御部52は再びチョッパ回路3aのチョッピング動作を停止し、チョッパ回路3bにチョッピング動作をさせる。以降は、上述した動作を繰り返す。
【0096】
このようなチョッピング動作の切り替えによっても、チョッパ回路3a,3bの温度上昇を抑制することができる。
【0097】
また図15に例示するように、制御部5は減算部85と判断部86とを備えていても良い。減算部85には温度検出部81,82によって検出された温度差の絶対値を算出する。判断部86は温度差の絶対値が所定の温度差基準値よりも大きいかどうかを判断し、肯定的な判断がなされればその旨を動作制御部52に通知する。
【0098】
動作制御部52は温度検出部81,82が検出した温度差の絶対値が温度差基準値よりも大きいことを条件として、チョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替える。例えば図16に示すように、チョッパ回路3aの温度Taが上昇することに伴って温度Ta,Tbの差の絶対値たる温度差Tabは増大する。そして、温度差Tabが温度差基準値Tref1よりも大きくなると、チョッパ回路3aのチョッピング動作を停止し、チョッパ回路3bにチョッピング動作をさせる。これに伴って、温度Taが低下し温度Tbが増大する。よって温度差Tabが低減する。そして温度Ta,Tbが互いに等しくなって温度差Tabが零を採った以降は、再び温度差Tabが増大に転じる。そして温度差Tabが再び温度差基準値Tref1よりも大きくなると、チョッパ回路3bのチョッピング動作を停止し、チョッパ回路3aにチョッピング動作をさせる。
【0099】
これによって、チョッパ回路3a,3bに生じる熱量を、バランス良くチョッパ回路3a,3bに分担させることができる。したがって、チョッパ回路3a,3bの温度をより適切かつ効率的に抑制することができる。
【0100】
またモード制御部51にも温度検出部81,82によって検出された温度が入力されても良い。そして、モードM2において検出された温度が第3温度基準値(<温度基準値、第二温度基準値)よりも小さいときにモード制御部51は動作モードをモードM1に遷移させてもよい。これによって、不要なチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作の切り替えを回避することができる。
【0101】
第5の実施の形態.
第5の実施の形態ではモードM2におけるチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替える条件の一例について説明する。図17の例示では、スイッチング電源回路は計数部90と判断部91とを備えている。計数部90はチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作におけるチョッピングの回数を計数する。より詳細には、計数部90にはスイッチング素子S1,S2へのスイッチング信号が入力される。そして、計数部90はスイッチング信号の入力回数を計数する。
【0102】
判断部91は計数部90によって計数されたチョッピングの回数が所定の回数基準値よりも大きいか判断し、肯定的な判断がなされればその旨を動作制御部52に通知する。
【0103】
動作制御部52は、チョッパ回路3aの動作開始からのチョッピングの回数が回数基準値よりも大きいときに、チョッパ回路3aのチョッピング動作を停止し、チョッパ回路3bにチョッピング動作をさせる。また計数部90はチョッパ回路3bの動作開始に伴ってチョッピングの回数を初期化する。そして、動作制御部52は、チョッパ回路3bの動作開始からのチョッピングの回数が所定値よりも大きいときに、チョッパ回路3bのチョッピング動作を停止し、チョッパ回路3aにチョッピング動作をさせる。また計数部90はチョッパ回路3aの動作開始に伴ってチョッピングの回数を初期化する。
【0104】
これによっても、チョッパ回路3a,3bの温度上昇を抑制することができる。しかも例えば温度センサーなどの高価なセンサーを必要としないので製造コストを抑制できる。
【0105】
なお、回数基準値はチョッパ回路3a,3bを流れる電流の振幅(或いは例えば交流電圧の1周期程度における平均値又は最大値、以下同様)が大きいほど小さい値であることが望ましい。これは第3の実施の形態で述べたとおりである。
【0106】
第6の実施の形態.
モードM2においてチョッパ回路3a,3bを切り替えるための条件は例えば第2から第5の実施の形態のいずれかで述べた条件を採用する。ただし動作制御部52は第6の実施の形態で述べる期間内にチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替える。以下、例えば第3の実施の形態を例に挙げて詳細に説明する。
【0107】
図18に例示するように本スイッチング電源回路は、図11のスイッチング電源回路と比較して、電圧検出部10を更に備え、また制御部5は判断部11を更に備えている。電圧検出部10は例えば整流回路2の入力側の交流電圧を検出する。判断部11は交流電圧の絶対値が所定の電圧基準値よりも小さいかどうかを判断し、肯定的な判断がなされればその旨を通知する。
【0108】
動作制御部52は、チョッパ回路3aの動作開始からの電流IL1の積分値が積分基準値よりも大きく、かつ交流電圧の絶対値が電圧基準値よりも小さい期間内で、チョッパ回路3aのチョッピング動作を停止し、チョッパ回路3bのチョッピング動作を開始する。同様に動作制御部52は、チョッパ回路3bの動作開始からの電流IL2の積分値が積分基準値よりも大きく、かつ交流電圧の絶対値が電圧基準値よりも小さい期間内で、チョッパ回路3bのチョッピング動作を停止し、チョッパ回路3aのチョッピング動作を開始する。
【0109】
この電圧基準値としては例えば零に近い値を採用する。これによって、交流電圧(換言すれば、入力端P1,P2の間の第一直流電圧)が小さい期間にチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作が切り替えられる。よって、チョッパ回路3a,3bのチョッピング動作の切り替えに伴う、第一直流電圧、交流電圧の変動及び入力電流Iの変動を抑制することができる。
【0110】
なお、電圧検出部10は整流回路2の出力側の第一直流電圧を検出しても良い。第一直流電圧はN相交流電圧の周期のN分の1の周期で脈動する。そして、動作制御部52は、電流の積分値が積分基準値よりも大きく、かつ第一直流電圧が所定の第二電圧基準値よりも小さいときに、チョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替えても良い。これによっても、チョッパ回路3a,3bの切り替えに伴う、第一直流電圧、交流電圧の変動及び入力電流Iの変動を抑制することができる。
【0111】
また図19に例示するように本スイッチング電源回路は、図11のスイッチング電源回路と比較して、電流検出部13を備えていても良い。電流検出部13は例えば整流回路2の入力側の交流電流を検出する。制御部5は判断部14を備えている。判断部14は、電流検出部13によって検出された交流電流の絶対値が所定値よりも小さいかどうかを判断し、肯定的な判断がなされればその旨を動作制御部52に通知する。
【0112】
動作制御部52は、電流の積分値が積分基準値よりも大きく、かつ交流電流の絶対値が電流基準値よりも小さい期間内で、チョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替える。電流基準値としては例えば零に近い値を採用する。これによって、交流電流が小さい期間にチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作が切り替えられる。よって、チョッパ回路3a,3bの切り替えに伴う、入力電流Iの変動を抑制することができる。
【0113】
なお、電流検出部は整流回路2の出力側を流れる入力電流Iを検出しても良い。例えば電流検出部61,62によって検出された電流IL1,IL2の和として入力電流Iが検出されても良い。そして、判断部14は入力電流Iが第二電流基準値よりも小さいかどうかを判断し、肯定的な判断がなされればその旨を動作制御部52に通知する。
【0114】
動作制御部52は、電流の積分値が積分基準値よりも大きく、かつ入力電流Iが第二電流基準値よりも小さいときに、チョッパ回路3a,3bのチョッピング動作を切り替える。これによって、入力電流Iが小さい期間でチョッパ回路3a,3bのチョッピング動作が切り替えられる。よって、チョッパ回路3a,3bの切り替えに伴う入力電流Iの変動を抑制することができる。
【0115】
第7の実施の形態.
本スイッチング電源回路と接続される交流電源1が、他の機器、例えばテレビや電灯にも接続されている場合、スイッチング電源回路に起因する電源電圧の変動によって、当該機器にフリッカが生じることは好ましくない。
【0116】
図20は短時間フリッカインジケータを示す図であり、このグラフはIEC(International Electrotechnical Commission)61000-3-3において規定される。横軸は、ステップ状の電圧変化を1回と数えたときの1分当たりの電圧変化の回数を示し、縦軸はフリッカを防止するのに許容される電圧変化の大きさを示す。この電圧変化の大きさは定格電圧を100%としたときの大きさである。即ち、例えば1分当たり、1000回の電圧変化が生じれば、その電圧変化の大きさを定格電圧のおおよそ0.27%よりも小さくする必要がある。
【0117】
さて、チョッパ回路3a,3bのチョッパリング動作の切り替えによって、電源電圧には変動が生じえるので、チョッパ回路3a,3bの切替周波数は図20において1分当たりの電圧変化の回数と把握することができる。そこで、許容される電圧変化の大きさが比較的小さい領域を避けて、切替周波数を決定することが望ましい。例えば、切替周波数として5Hzから50Hzの間を避けるとよい。これによって、許容される電圧変化の大きさを定格電圧の0.5%よりも大きくすることができる。
【0118】
第8の実施の形態.
第1から第7の実施の形態で述べたスイッチング電源回路は、例えばヒートポンプユニットに設けられる。図21に例示するように、ヒートポンプユニット100では、2つの熱交換器101,102を繋ぐ配管上に、適宜に圧縮機103および膨張弁104が設けられて、冷媒回路が構成される。この冷媒回路には冷媒が循環される。圧縮機103は冷媒を圧縮し、膨張弁104は冷媒を絞り膨張させる。これにより熱交換器101,102での熱交換を容易にすることができる。この冷媒回路において圧縮機103および膨張弁104は電力が供給されて駆動される。
【0119】
また熱交換器101,102として空冷熱交換器が採用されていれば、これらの近傍には熱交換を促進すべく、ファン105,106が設けられることもある。かかるファン105,106にも電力が供給されて駆動される。
【0120】
図21の例示では、本スイッチング電源回路110は例えば圧縮機103を駆動する駆動装置(例えばインバータ)107へと直流電圧を出力する。これによれば、効率的なスイッチング電源回路を採用したヒートポンプユニットを提供できる。特にヒートポンプユニット100が空気調和機である場合、圧縮機を低速で回転する期間が長い。これは、室内の温度を設定温度の近傍に近づけた以降は、さほど冷房能力または暖房能力を発揮する必要がないからである。このように圧縮機103を低速で回転する場合には、圧縮機103に供給する電流も比較的小さいので、電力の小さい領域において効率を向上できる本スイッチング電源回路110は特に有用である。
【0121】
なお、本スイッチング電源回路110は膨張弁104及びファン105,106を駆動する駆動装置に直流電圧を出力しても良い。
【符号の説明】
【0122】
2 整流回路
3 チョッパ回路
11,60,61,62 電流検出部
51 モード制御部
52 動作制御部
70 期間検出部
81,82 温度検出部
90 計数部
D1,D2 ダイオード
L1,L2 リアクトル
LH1,LH2,LL 直流線
P1,P2 入力端
P3,P4 出力端
S1,S2 スイッチ素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の入力端(P1,P2)と、一対の出力端(P3,P4)と、前記一対の入力端と前記一対の出力端との間で相互に並列に接続されてそれぞれチョッピング動作を行う第1及び第2のチョッパ回路(3,3a,3b)とを備えるスイッチング電源回路を制御する制御装置であって、
前記第1及び第2のチョッパ回路における電力が増大するにしたがって、前記第1及び前記第2のチョッパ回路の動作モードを第1モードから第2モードを経て第3モードへと遷移させるモード制御部(51)と、
前記第1モードにおいて前記第1のチョッパ回路に前記チョッピング動作をさせつつ前記第2のチョッパ回路の前記チョッピング動作を停止し、前記第2モードにおいて前記第1のチョッパ回路及び前記第2チョッパ回路に交互に前記チョッピング動作をさせ、前記第3モードにおいて前記第1のチョッパ回路及び前記第2チョッパ回路の両方に前記チョッピング動作をさせる動作制御部(52)と
を備える、スイッチング電源回路の制御装置。
【請求項2】
前記一対の入力端の間には定電圧源が接続され、
前記一対の入力端(P1,P2)の間を流れる入力電流(I)を検出する電流検出部(60,61,62)を更に備え、
前記モード制御部(51)は、前記入力電流が増大するに従って前記動作モードを前記第1モードから前記第2モードを経て前記第3モードへと遷移させる、請求項1に記載のスイッチング電源回路の制御装置。
【請求項3】
経過時間を計時する期間検出部(70)を更に備え、
前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記第1のチョッパ回路(3a,3b)の前記チョッピング動作の開始から所定期間が経過したことを条件として前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を停止させる、請求項1又は2に記載のスイッチング電源回路の制御装置。
【請求項4】
前記第1のチョッパ回路(3a)を流れる電流を検出する第2電流検出部(61)を更に備え、
前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記第1のチョッパ回路(3a,3b)の前記チョッピング動作の開始からの前記電流の積分値が所定値よりも大きいことを条件として、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を停止させる、請求項1又は2に記載のスイッチング電源回路の制御装置。
【請求項5】
前記モード制御部(51)は、前記第2モードにおいて前記電流が所定値を下回ることを条件として、前記動作モードを前記第1モードへと遷移させる、請求項4に記載のスイッチング電源回路の制御装置。
【請求項6】
前記第1のチョッパ回路(3a)を流れる電流を検出する第2電流検出部(61)を更に備え、
前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記電流が高いほど短い周期で前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作の実行/停止を切り替える、請求項1又は2に記載のスイッチング電源回路の制御装置。
【請求項7】
前記第1のチョッパ回路(3a,3b)の温度を検出する温度検出部(81)を更に備え、
前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記温度が所定値よりも大きいことを条件として、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を停止させる、請求項1又は2に記載のスイッチング電源回路の制御装置。
【請求項8】
前記第1及び前記第2のチョッパ回路(3a,3b)の温度をそれぞれ検出する第1及び第2の温度検出部(81,82)を更に備え、
前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記第1のチョッパ回路の温度が前記第2のチョッパ回路の温度よりも所定値を超えて大きいことを条件として、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を停止させる、請求項1又は2に記載のスイッチング電源回路の制御装置。
【請求項9】
前記モード制御部(51)は、前記第2モードにおいて前記所定値よりも小さい第2所定値に比べて前記温度が小さいときに、前記動作モードを前記第1モードに遷移させる、請求項7または8に記載のスイッチング電源回路の制御装置。
【請求項10】
前記第1のチョッパ回路(3a,3b)の前記チョッピング動作におけるチョッピングの回数を計数する計数部(90)を更に備え、
前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作の開始からの前記回数が所定値よりも大きいことを条件として、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を停止させる、請求項1又は2に記載のスイッチング電源回路の制御装置。
【請求項11】
交流電圧を整流して前記一対の入力端に直流電圧を印可する整流回路(2)と、
前記交流電圧または前記直流電圧を検出する電圧検出部(10)と
を更に備え、
前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記交流電圧の絶対値が所定値を下回る期間内で、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を開始又は停止させる、請求項1から10の何れか一つに記載のスイッチング電源回路の制御装置。
【請求項12】
交流電圧を整流して前記一対の入力端に前記直流電圧を印可する整流回路(2)と、
前記整流回路の入力側を流れる交流電流または前記入力電流を検出する第3電流検出部(13,60,61,62)と
を更に備え、
前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記交流電流の絶対値が所定値を下回る期間内で、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を開始又は停止させる、請求項1から11の何れか一つに記載のスイッチング電源回路の制御装置。
【請求項13】
請求項1から12の何れか一つに記載のスイッチング電源回路の制御装置を備える、ヒートポンプユニット。
【請求項1】
一対の入力端(P1,P2)と、一対の出力端(P3,P4)と、前記一対の入力端と前記一対の出力端との間で相互に並列に接続されてそれぞれチョッピング動作を行う第1及び第2のチョッパ回路(3,3a,3b)とを備えるスイッチング電源回路を制御する制御装置であって、
前記第1及び第2のチョッパ回路における電力が増大するにしたがって、前記第1及び前記第2のチョッパ回路の動作モードを第1モードから第2モードを経て第3モードへと遷移させるモード制御部(51)と、
前記第1モードにおいて前記第1のチョッパ回路に前記チョッピング動作をさせつつ前記第2のチョッパ回路の前記チョッピング動作を停止し、前記第2モードにおいて前記第1のチョッパ回路及び前記第2チョッパ回路に交互に前記チョッピング動作をさせ、前記第3モードにおいて前記第1のチョッパ回路及び前記第2チョッパ回路の両方に前記チョッピング動作をさせる動作制御部(52)と
を備える、スイッチング電源回路の制御装置。
【請求項2】
前記一対の入力端の間には定電圧源が接続され、
前記一対の入力端(P1,P2)の間を流れる入力電流(I)を検出する電流検出部(60,61,62)を更に備え、
前記モード制御部(51)は、前記入力電流が増大するに従って前記動作モードを前記第1モードから前記第2モードを経て前記第3モードへと遷移させる、請求項1に記載のスイッチング電源回路の制御装置。
【請求項3】
経過時間を計時する期間検出部(70)を更に備え、
前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記第1のチョッパ回路(3a,3b)の前記チョッピング動作の開始から所定期間が経過したことを条件として前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を停止させる、請求項1又は2に記載のスイッチング電源回路の制御装置。
【請求項4】
前記第1のチョッパ回路(3a)を流れる電流を検出する第2電流検出部(61)を更に備え、
前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記第1のチョッパ回路(3a,3b)の前記チョッピング動作の開始からの前記電流の積分値が所定値よりも大きいことを条件として、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を停止させる、請求項1又は2に記載のスイッチング電源回路の制御装置。
【請求項5】
前記モード制御部(51)は、前記第2モードにおいて前記電流が所定値を下回ることを条件として、前記動作モードを前記第1モードへと遷移させる、請求項4に記載のスイッチング電源回路の制御装置。
【請求項6】
前記第1のチョッパ回路(3a)を流れる電流を検出する第2電流検出部(61)を更に備え、
前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記電流が高いほど短い周期で前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作の実行/停止を切り替える、請求項1又は2に記載のスイッチング電源回路の制御装置。
【請求項7】
前記第1のチョッパ回路(3a,3b)の温度を検出する温度検出部(81)を更に備え、
前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記温度が所定値よりも大きいことを条件として、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を停止させる、請求項1又は2に記載のスイッチング電源回路の制御装置。
【請求項8】
前記第1及び前記第2のチョッパ回路(3a,3b)の温度をそれぞれ検出する第1及び第2の温度検出部(81,82)を更に備え、
前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記第1のチョッパ回路の温度が前記第2のチョッパ回路の温度よりも所定値を超えて大きいことを条件として、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を停止させる、請求項1又は2に記載のスイッチング電源回路の制御装置。
【請求項9】
前記モード制御部(51)は、前記第2モードにおいて前記所定値よりも小さい第2所定値に比べて前記温度が小さいときに、前記動作モードを前記第1モードに遷移させる、請求項7または8に記載のスイッチング電源回路の制御装置。
【請求項10】
前記第1のチョッパ回路(3a,3b)の前記チョッピング動作におけるチョッピングの回数を計数する計数部(90)を更に備え、
前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作の開始からの前記回数が所定値よりも大きいことを条件として、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を停止させる、請求項1又は2に記載のスイッチング電源回路の制御装置。
【請求項11】
交流電圧を整流して前記一対の入力端に直流電圧を印可する整流回路(2)と、
前記交流電圧または前記直流電圧を検出する電圧検出部(10)と
を更に備え、
前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記交流電圧の絶対値が所定値を下回る期間内で、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を開始又は停止させる、請求項1から10の何れか一つに記載のスイッチング電源回路の制御装置。
【請求項12】
交流電圧を整流して前記一対の入力端に前記直流電圧を印可する整流回路(2)と、
前記整流回路の入力側を流れる交流電流または前記入力電流を検出する第3電流検出部(13,60,61,62)と
を更に備え、
前記動作制御部(52)は、前記第2モードにおいて、前記交流電流の絶対値が所定値を下回る期間内で、前記第1のチョッパ回路の前記チョッピング動作を開始又は停止させる、請求項1から11の何れか一つに記載のスイッチング電源回路の制御装置。
【請求項13】
請求項1から12の何れか一つに記載のスイッチング電源回路の制御装置を備える、ヒートポンプユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2013−59228(P2013−59228A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196874(P2011−196874)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】
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