スイッチング電源回路
【課題】 絶縁コンバータトランスPITの銅板によるショートリングを不要とする。
【解決手段】 複合共振形コンバータ回路によるスイッチング電源回路おいて、コンバータ動作を陰極線管表示装置で用いられている水平同期信号に同期するようにすることで、コンバータトランスの漏洩磁束と水平同期信号が干渉して電源ビートを発生させるということをなくし、これによってコンバータトランスに漏洩磁束をシールドするための銅板によるショートリングを設ける必要をなくす。
【解決手段】 複合共振形コンバータ回路によるスイッチング電源回路おいて、コンバータ動作を陰極線管表示装置で用いられている水平同期信号に同期するようにすることで、コンバータトランスの漏洩磁束と水平同期信号が干渉して電源ビートを発生させるということをなくし、これによってコンバータトランスに漏洩磁束をシールドするための銅板によるショートリングを設ける必要をなくす。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばテレビジョン受像器や映像モニタ装置などの、陰極線管(CRT)を用いた表示装置に好適なスイッチング電源回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばテレビジョン受像器用のスイッチング電源として、一次側が一石構成の電圧共振形コンバータ、二次側が半波整流方式電圧共振回路を組み合わせた複合共振形コンバータを用いるものを本出願人は提案していた。この場合、交流入力電圧や負荷電力の変動に対して、直流出力電圧を定電圧制御するためには、一次側スイッチング素子のスイッチング周波数と導通角を同時に制御する複合制御方式を採用していた。
【0003】図8の回路図は、先に本出願人が提案した発明に基づいて構成することのできる、先行技術としてのテレビジョン受像器用のスイッチング電源回路の一例を示している。この図に示す電源回路においては、先ず、商用交流電源(交流入力電圧VAC)を入力して直流入力電圧を得るための整流平滑回路として、ブリッジ整流回路Di及び平滑コンデンサCiからなる全波整流回路が備えられ、交流入力電圧VACの1倍のレベルに対応する整流平滑電圧Eiを生成するようにされる。
【0004】上記整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を入力して断続するスイッチングコンバータとしては、1石のスイッチング素子Q1を備えて、いわゆるシングルエンド方式によるスイッチング動作を行う電圧共振形コンバータが備えられる。そしてこの図9の場合は、1石のスイッチング素子Q1によりシングルエンド動作を行う電圧共振形コンバータ回路として、自励式の構成が採られる。この場合、スイッチング素子Q1には、高耐圧のバイポーラトランジスタ(BJT;接合型トランジスタ)が採用されている。
【0005】スイッチング素子Q1のベースと一次側アース間には、駆動巻線NB、共振コンデンサCB、ベース電流制限抵抗RBの直列接続回路よりなる自励発振駆動用の直列共振回路が接続される。また、スイッチング素子Q1のベースと平滑コンデンサCiの負極(1次側アース)間に挿入されるクランプダイオードDDにより、スイッチング素子Q1のオフ時に流れるクランプ電流の経路を形成するようにされている。なお、起動抵抗RSは、起動時のベース電流を整流平滑ラインから得るために挿入されるものである。
【0006】また、上記スイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間に対しては、並列共振コンデンサCrが並列に接続されている。そして並列共振コンデンサCr自身のキャパシタンスと、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1側のリーケージインダクタンスL1とにより電圧共振形コンバータの一次側並列共振回路を形成する。
【0007】この図に示す直交形制御トランスPRTは、共振電流検出巻線ND、駆動巻線NB、及び制御巻線NCが巻装された可飽和リアクトルである。この直交形制御トランスPRTは、スイッチング素子Q1を駆動すると共に、定電圧制御のために設けられる。この直交形制御トランスPRTには、図示するようにして、共振電流検出巻線ND、駆動巻線NBが巻装され、また、これら2つの巻線とは直交する方向に対して制御巻線NCが巻装される。
【0008】直交形制御トランスPRTにおいては、共振電流検出巻線NDに得られたスイッチング出力がトランス結合を介して駆動巻線NBに誘起される。これにより、自励発振駆動回路を形成する直列共振回路(NB,CB)からベース電流制限抵抗RBを介してスイッチング素子Q1のベースにドライブ電流が出力される。これにより、スイッチング素子Q1は、直列共振回路の共振周波数により決定されるスイッチング周波数でスイッチング動作を行うことになる。そして、そのコレクタに得られるとされるスイッチング出力を絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1に伝達するようにされている。
【0009】絶縁コンバータトランスPITは、スイッチング素子Q1のスイッチング出力を二次側に伝送する。この絶縁コンバータトランスPITは、EE型コアに対して一次巻線N1と二次巻線N2を分割して巻装し、中央磁脚に対してはギャップGを形成することで、所要の結合係数による疎結合の状態が得られるようにして、飽和状態が得られにくいようにしている。
【0010】上記絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1の巻終わり端部は、スイッチング素子Q1のコレクタと接続され、巻始め端部は検出巻線NDを介して平滑コンデンサCiの正極(整流平滑電圧Ei)と接続されている。従って、一次巻線N1に対しては、スイッチング素子Q1のスイッチング出力が供給されることで、スイッチング周波数に対応する周期の交番電圧が発生する。
【0011】絶縁コンバータトランスPITの二次側では、一次巻線N1により誘起された交番電圧が二次巻線N2に発生する。この場合、二次巻線N2に対しては、二次側並列共振コンデンサC2が並列に接続されることで、二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2と二次側並列共振コンデンサC2のキャパシタンスとによって並列共振回路が形成される。この並列共振回路により、二次巻線N2に誘起される交番電圧は共振電圧となる。つまり二次側において電圧共振動作が得られる。
【0012】即ち、この電源回路では、一次側にはスイッチング動作を電圧共振形とするための並列共振回路が備えられ、二次側には電圧共振動作を得るための並列共振回路が備えられる。このように一次側及び二次側に対して共振回路が備えられて動作する構成のスイッチングコンバータが、本明細書でいう上述した「複合共振形スイッチングコンバータ」としての構成となる。
【0013】上記のようにして形成される電源回路の二次側においては、二次巻線N2及び二次側並列共振コンデンサC2から成る二次側並列共振回路に対して、図示する接続形態によって、整流ダイオードDO1及び平滑コンデンサCO1を接続することで半波整流回路が形成される。そして、この半波整流回路(DO1,CO1)によってメインとされる二次側直流出力電圧EO1を生成する。この二次側直流出力電圧EO1は、例えば135V程度とされる。また、この場合には、二次巻線N2の巻終わり端部側において、図示するようにタップ出力を設けることで、このタップ出力ラインと二次側アース間に三次巻線N3が形成される。そして、この三次巻線N3に対して、図示するようにして、整流ダイオードDO2及び平滑コンデンサCO2から成る半波整流回路が接続されることで、例えば15V程度の低圧二次側直流出力電圧EO2を生成して出力する。
【0014】二次側直流出力電圧EO1、E02は制御回路1に対しても分岐して入力され、制御回路1においては、直流出力電圧EO1、E02を用いて定電圧化のための制御信号を生成する。即ち制御回路1では、二次側の直流出力電圧レベルの変化に応じて、制御巻線NCに流す制御電流(直流電流)レベルを可変するようにされている。これによって、駆動巻線NBのインダクタンスLBが可変されて、自励発振駆動回路内の直列共振回路の共振周波数、つまり、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数が可変制御され、これによって二次側の直流出力電圧を安定化する。ここで、スイッチング周波数を可変するのにあたってはスイッチング素子Q1がオフとなる期間TOFFは一定とされたうえで、オンとなる期間TONを可変制御するように動作している。本明細書では、このような複合的な制御を「複合制御方式」ということとしている。
【0015】図9、図10は、上記図8に示した電源回路における要部の動作を示す波形図である。図9は交流入力電圧VAC=100V、最大負荷電力Po=200W時の動作であり、図10は交流入力電圧VAC=100V、最大負荷電力Po=0W時の動作である。各図において、期間TON、TOFFは、スイッチング素子Q1がオンとなる期間及びオフとなる期間であり、これらの図から、スイッチング素子Q1がオフとなる期間TOFFは一定とされたうえで、オンとなる期間TONが可変制御されることが理解される。
【0016】スイッチング素子Q1がスイッチング動作を行うと、スイッチング素子Q1がオフとなる期間TOFFにおいては、一次側並列共振回路の共振動作が得られる。これによって、並列共振コンデンサCrの両端に得られる並列共振電圧V1としては、各図に示すように、期間TOFFにおいて正弦波状の共振パルスが現れる波形となる。この並列共振電圧V1のレベルは負荷電力変動に対応して変化し、負荷電力が重くなるのに従って上昇する傾向を有する。
【0017】図11(a)は、交流入力電圧VAC=100Vの際に、負荷電力Poの変動に対するスイッチング周波数fsを示している。また図11(b)は、負荷電力Po=200W時に、交流入力電圧VACの変動に対するスイッチング周波数fsを示している。即ちスイッチング周波数fsは図11(a)(b)のように制御されると共に、図9,図10のように、オン期間TONが可変制御される、複合制御方式となる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記図8のような電源回路では、次のような問題を有している。絶縁コンバータトランスPITは、図12(a)に示すように、例えばフェライト材によるE型コアCR1、CR2を互いの磁脚が対向するように組み合わせたEE型コアが備えられ、このEE型コアの中央磁脚に対して、分割ボビンBを利用して一次巻線N1と、二次巻線N2をそれぞれ分割した状態で巻装している。そして、中央磁脚に対しては図のようにギャップGを形成するようにしている。これによって、所要の結合係数による疎結合が得られるようにしている。結合係数は、例えば0.8程度とされる。これにより絶縁コンバータトランスPITの近辺には約20%の漏洩磁束が発生する。この漏洩磁束の周波数は交流入力電圧VACや負荷電力Poの変動によって100KHz〜150KHzの間をランダムに変動する。
【0019】一方、テレビジョン受像器の水平同期信号の周波数fhは、NTSC方式ではfh=15.75KHz、ハイビジョン方式ではfh=33.75KHz、NTSC方式の倍速方式ではfh=31.5KHz、3倍速方式ではfh=47.25KHz等、種々のテレビジョン放送方式によって異なっている。この水平同期信号に同期して動作している水平偏向回路に関しては、陰極線管(CRT)のネック部に偏向ヨークが配され、またプリント基板上にはCRTのアノード電極に供給する30KVの高圧発生トランス(フライバックトランス)や水平直線性補正コイル、ダイナミックフォーカストランス等のリアクタ、インダクタが数多くマウントされている。そして上記した絶縁コンバータトランスPITの漏洩磁束が、これらの水平偏向回路の構成部品に結合するとブラウン管面上に水平同期周波数fhとスイッチング周波数fsの干渉による電源ビートが発生してしまう。
【0020】この対策のためには図12(a)に破線で示すように、絶縁コンバータトランスPITのギャップGの周辺に銅板を1ターン巻き付けて半田付けしたショートリングSRを配している。図12(b)はショートリングSRを巻き付けた状態の模式図である。ショートリングSRは所要箇所Hが半田付けされる。このショートリングSRにより漏洩磁束を磁気シールドすることで、電源ビートの発生を抑制する。
【0021】しかしながら、このために銅板の材料コスト、半田付け工程の必要性から、絶縁コンバータトランスPITの製造コストがアップしてしまうという問題があった。また、フェライト磁心と銅板が振動によって可聴周波数帯域の鳴きが生じないようにするために、トランス組立後にワニス含浸を行って銅板を固定することも必要であった。このことも、絶縁コンバータトランスPITの製造工程の煩雑化やコストアップを招く。
【0022】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記した課題を考慮して、陰極線管表示装置用のスイッチング電源回路において、絶縁コンバータトランスPITにショートリングを形成することを不要とすることを目的とする。
【0023】このため本発明は、 直流入力電圧をスイッチングして出力するメインスイッチング素子を備えて形成されるスイッチング手段と、上記スイッチング手段の動作を電圧共振形とする一次側並列共振回路が形成されるようにして備えられる一次側並列共振コンデンサと、一次側と二次側とについて疎結合とされて所要の結合係数が得られるようにされ、一次側に得られる上記メインスイッチング手段の出力を二次側に伝送する絶縁コンバータトランスと、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側巻線に対して二次側並列共振コンデンサを並列に接続することで形成される二次側並列共振回路と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側巻線に得られる交番電圧を入力して半波整流動作を行うことで二次側直流出力電圧を得るように構成される直流出力電圧生成手段と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側巻線に対して並列に、クランプコンデンサと二次側補助スイッチング素子とによる直列接続回路を備えることで、二次側巻線に発生する電圧をクランプする二次側アクティブクランプ手段と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した一次側ドライブ巻線を含む回路として形成され、陰極線管表示装置で用いる水平同期信号の周波数に近い固定のスイッチング周波数を発生させて上記メインスイッチング素子にスイッチング動作をさせる一次側スイッチング駆動手段と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側ドライブ巻線を含む回路として形成され、上記二次側補助スイッチング素子に対してスイッチング駆動信号を印加して上記二次側補助スイッチング素子にスイッチング動作をさせる二次側スイッチング駆動手段と、上記二次側補助スイッチング素子に、上記水平同期信号に同期した信号を印加することで、上記一次側並列共振回路及び上記二次側並列共振回路の動作を水平同期周波数に同期させる同期手段と、上記二次側直流出力電圧に基づく直流制御信号を上記二次側補助スイッチング素子に印加して上記二次側補助スイッチング素子の導通角制御を実行することで上記二次側直流出力電圧を定電圧化する定電圧化手段とを備えたスイッチング電源回路とする。
【0024】また本発明は、上記構成と同様に、スイッチング手段、一次側並列共振コンデンサ、絶縁コンバータトランス、二次側並列共振回路、直流出力電圧生成手段、二次側アクティブクランプ手段とを有し、さらに、陰極線管表示装置で用いる水平同期信号に同期した信号に基づいて、水平同期信号の周波数に同期したスイッチング周波数を発生させて上記メインスイッチング素子にスイッチング動作をさせる一次側スイッチング駆動手段と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側ドライブ巻線を含む回路として形成され、上記二次側補助スイッチング素子に対してスイッチング駆動信号を印加して上記二次側補助スイッチング素子にスイッチング動作をさせる二次側スイッチング駆動手段と、上記二次側直流出力電圧に基づく直流制御信号を上記二次側補助スイッチング素子に印加して上記二次側補助スイッチング素子の導通角制御を実行することで上記二次側直流出力電圧を定電圧化する定電圧化手段と、を備えてスイッチング電源回路を構成する。
【0025】また上記構成と同様に、スイッチング手段、一次側並列共振コンデンサ、絶縁コンバータトランス、二次側並列共振回路、直流出力電圧生成手段、二次側アクティブクランプ手段とを有し、さらに、陰極線管表示装置で用いる水平同期信号の周波数に近い固定のスイッチング周波数を発生させて上記メインスイッチング素子にスイッチング動作をさせる一次側スイッチング駆動手段と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側ドライブ巻線を含む回路として形成され、上記二次側補助スイッチング素子に対してスイッチング駆動信号を印加して上記二次側補助スイッチング素子にスイッチング動作をさせる二次側スイッチング駆動手段と、上記二次側補助スイッチング素子に、上記水平同期信号に同期した信号を印加することで、上記一次側並列共振回路及び上記二次側並列共振回路の動作を水平同期周波数に同期させる同期手段と、上記二次側直流出力電圧に基づく直流制御信号を上記二次側補助スイッチング素子に印加して上記二次側補助スイッチング素子の導通角制御を実行することで上記二次側直流出力電圧を定電圧化する定電圧化手段と、上記メインスイッチング素子のオン/オフタイミングに同期した所定のオン/オフタイミングを有するようにしてスイッチングを行う一次側補助スイッチング素子を備えることで、上記一次側並列共振コンデンサの両端に発生する一次側並列共振電圧をクランプするように設けられる一次側アクティブクランプ手段とを備えてスイッチング電源回路を構成する。
【0026】上記各構成によれば、一次側においては電圧共振形コンバータを形成するための一次側並列共振回路を備え、二次側には、二次巻線及び二次側並列共振コンデンサとにより形成される二次側並列共振回路とが備えられた、いわゆる複合共振形スイッチングコンバータの動作を、水平同期周波数に同期させることができ、これによって絶縁コンバータトランスの漏洩磁束と水平同期周波数の干渉による電源ビートが発生しないようになる。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成を示している。この図に示す電源回路においては、先ず、商用交流電源(交流入力電圧VAC)を入力して直流入力電圧を得るための整流平滑回路として、ブリッジ整流回路Di及び平滑コンデンサCiからなる全波整流回路が備えられ、交流入力電圧VACの1倍のレベルに対応する整流平滑電圧Eiを生成するようにされる。
【0028】この電源回路の一次側には、1石のスイッチング素子Q1によりシングルエンド動作を行う電圧共振形コンバータ回路として、自励式の構成が示される。この場合、スイッチング素子Q1には、高耐圧のバイポーラトランジスタ(BJT;接合型トランジスタ)が採用されている。
【0029】スイッチング素子Q1のベースは、起動抵抗RSを介して平滑コンデンサCi(整流平滑電圧Ei)の正極側に接続されて、起動時のベース電流を整流平滑ラインから得るようにしている。
【0030】また、スイッチング素子Q1のベースと一次側アース間には、絶縁コンバータトランスPITの一次側に巻数1T(ターン)で施されたドライブ巻線NBと、インダクタLB−共振コンデンサCB−ベース電流制限抵抗RBの直列回路よりなる自励発振駆動用の直列共振回路が接続される。この自励発振回路によってスイッチング素子Q1をオン/オフするスイッチング周波数fsが生成される。例えば当該スイッチング電源回路が搭載されるテレビジョン受像器等において水平同期周波数fh=33.75KHzであるとすると、上記直列共振回路によるスイッチング周波数fs=33.5KHz程度に設定する。
【0031】また、スイッチング素子Q1のベースと平滑コンデンサCiの負極(1次側アース)間に挿入されるクランプダイオードDD1により、スイッチング素子Q1のオフ時に流れるクランプ電流の経路を形成するようにされており、また、スイッチング素子Q1のコレクタは、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1の一端と接続され、エミッタは接地される。
【0032】また、上記スイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間に対しては、並列共振コンデンサCrが並列に接続されている。そしてこの場合にも、並列共振コンデンサCr自身のキャパシタンスと、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1側のリーケージインダクタンスL1とにより電圧共振形コンバータの一次側並列共振回路を形成する。
【0033】絶縁コンバータトランスPITは、スイッチング素子Q1のスイッチング出力を二次側に伝送する絶縁コンバータトランスPITは、図12で説明したように、例えばフェライト材によるE型コアCR1、CR2を互いの磁脚が対向するように組み合わせたEE型コアが備えられ、このEE型コアの中央磁脚に対して、分割ボビンBを利用して一次巻線N1と、二次巻線N2をそれぞれ分割した状態で巻装している。そして、中央磁脚に対しては図のようにギャップGを形成するようにしている。これによって、所要の結合係数による疎結合が得られるようにしている。ギャップGは、E型コアCR1,CR2の中央磁脚を、2本の外磁脚よりも短くすることで形成することが出来る。また、結合係数kとしては、例えばk≒0.8という疎結合の状態を得るようにしており、その分、飽和状態が得られにくいようにしている。但し本例の場合は、図12で説明したような銅板によるショートリングSRは設けられない。
【0034】上記絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1の一端はスイッチング素子Q1のコレクタと接続され、他端は平滑コンデンサCiの正極(整流平滑電圧Ei)と接続されている。従って、一次巻線N1に対しては、スイッチング素子Q1のスイッチング出力が供給されることで、スイッチング周波数に対応する周期の交番電圧が発生する。
【0035】絶縁コンバータトランスPITの二次側では、一次巻線N1により誘起された交番電圧が二次巻線N2に発生する。この場合、二次巻線N2に対しては、二次側並列共振コンデンサC2が並列に接続されることで、二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2と二次側並列共振コンデンサC2のキャパシタンスとによって並列共振回路が形成される。この並列共振回路により、二次巻線N2に誘起される交番電圧は共振電圧となり、従って、二次側においては電圧共振動作が得られることとなる。即ち、この電源回路としても、一次側にはスイッチング動作を電圧共振形とするための並列共振回路を備え、二次側には電圧共振動作を得るための並列共振回路を備えた「複合共振形スイッチングコンバータ」の構成を採る。
【0036】上記のようにして形成される電源回路の二次側に対しては、二次巻線N2に接続される二次側整流ダイオードDO1と平滑コンデンサCO1とからなる半波整流回路が備えられ、これにより、二次巻線N2に誘起される交番電圧のほぼ等倍レベルに対応する二次側直流出力電圧EO1を得るようにしている。また、この場合には、二次巻線N2の巻始め端側において、図示するようにタップ出力を設けることで、このタップ出力ラインと二次側アース間に三次巻線N3が形成される。そして、この三次巻線N3に対して、図示するようにして、整流ダイオードDO2及び平滑コンデンサCO2から成る半波整流回路が接続されることで、二次側直流出力電圧EO2を生成して出力する。
【0037】また、この電源回路においては、二次側にアクティブクランプ回路が備えられる。即ち二次側アクティブクランプ回路として、MOS−FETの補助スイッチング素子Q2,クランプコンデンサC3,ボディダイオードのクランプダイオードDD2を備える。また、補助スイッチング素子Q2を駆動するための駆動回路系として、ドライブ巻線Ng1,コンデンサCg1,抵抗Rg1を備えて成る。
【0038】補助スイッチング素子Q2のドレイン−ソース間に対してはクランプダイオードDD2が並列に接続される。その接続形態としては、クランプダイオードDD2のアノードがソースに対して接続され、カソードがドレインに対して接続されるようになっている。また、補助スイッチング素子Q2のドレインはクランプコンデンサC3を介して、二次巻線N2の巻終わり端部と整流ダイオードDO1のアノードとの接続点に対して接続される。また、補助スイッチング素子Q2のソースは二次側アースに対して接続される。従って、二次側アクティブクランプ回路としては、上記補助スイッチング素子Q2、クランプダイオードDD2の並列接続回路に対して、クランプコンデンサC3を直列に接続して成るものとされる。そして、このようにして形成される回路を二次側並列共振回路に対して更に並列に接続して構成されるものである。
【0039】また、補助スイッチング素子Q2の駆動回路系としては、図示するように、補助スイッチング素子Q2のゲートに対して、コンデンサCg1−抵抗Rg1−ドライブ巻線Ng1の直列接続回路が接続される。この場合も直列接続回路は補助スイッチング素子Q2のための自励式駆動回路を形成する。即ちこの自励式駆動回路からの信号電圧(ドライブ電圧VGS)が抵抗R10によってスイッチング素子Q2のゲートに印加されスイッチング動作が行われる。この場合のドライブ巻線Ng1は、二次巻線N2の巻始め端部側に形成されており、この場合の巻数としては例えば1T(ターン)としている。これにより、ドライブ巻線Ng1には、一次巻線N1に得られる交番電圧により励起された電圧が発生する。また、この場合には、その巻方向の関係から、二次巻線N2とドライブ巻線Ng1とは逆極性の電圧が得られる。なお、ドライブ巻線Ng1としても、そのターン数は1Tであればその動作は保証されるが、これに限定されるものではない。
【0040】また本例においては、二次側に備えられる制御回路1によって、補助スイッチング素子Q2のスイッチング動作がPWM制御されるようになっている。即ち二次側直流出力電圧EO1、E02は、誤差増幅器の制御回路1に供給され、制御回路1がそれに応じた直流制御電圧を補助スイッチング素子Q2のゲートに印加することで、補助スイッチング素子Q2の導通角が制御される。これによって交流入力電圧VACや負荷電力Poの変動に対する直流出力電圧の定電圧化が行われる。
【0041】さらに本例の場合は、水平同期周波数fhと同期をとるために、陰極線管表示装置の水平同期回路系で用いられている水平発振パルス電圧、又は水平ドライブパルス電圧、又は水平出力パルス電圧としての電圧Vfhが、抵抗Rh、コンデンサChを介して補助スイッチング素子Q2のゲートに印加される。これによって外部同期がとられることになる。
【0042】このような電源回路によれば、複合共振形スイッチングコンバータの動作を、水平同期周波数に同期させることができ、これによって絶縁コンバータトランスPITの漏洩磁束と水平同期周波数の干渉による電源ビートが発生しないようにできるものとなる。上記したように一次側のスイッチング素子Q1は、ドライブ巻線NB、インダクタLB、共振コンデンサCB、ベース電流制限抵抗RBよりなる直列共振回路によってスイッチング周波数fsが設定される。ここでスイッチング周波数fs<水平同期周波数fhに設定すれば、二次側の補助スイッチング素子Q2に対する電圧Vfhの外部同期トリガ信号によって、ドライブ巻線Ng1、NBを介してfs=fhに引き込まれてスイッチング周波数fsが固定されることになる。このため複合共振形スイッチングコンバータの動作は水平同期信号の周波数と同期することになり、従って絶縁コンバータトランスPITの漏洩磁束と水平同期周波数の干渉による電源ビートは発生しない。
【0043】図2は交流入力電圧VAC=100V、負荷電力Po=200W時の各部の動作波形であり、図3は交流入力電圧VAC=100V、負荷電力Po=0W時の動作波形を示している。この場合、一次巻線N1=二次巻線N2=120T、ドライブ巻線NB=Ng1=1T、共振コンデンサCr=0.01μF、共振コンデンサC2=0.033μF、クランプコンデンサC3=0.22μFとし、スイッチング素子Q2は5A/400VのMOS−FETとしている。なお、従来例で説明した電源回路の場合は、一次巻線N1=二次巻線N2=45T、共振コンデンサCr=6800pF、共振コンデンサC2=0.01μFとしていたことを付記しておく。
【0044】この図2,図3に示す場合、水平同期周波数fh=33.75KHzであり、図示する期間Th=29.85μsecである。そしてMOS−FET(スイッチング素子Q2)とボディダイオードDD2のオン時間TON=15μsec〜23μsecの導通角制御となる。負荷電力Po=200Wの重負荷時には、スイッチング素子Q1、Q2のスイッチング損失の低下により、図8の従来例と比較してAC/DCの電力変換効率が0.3%程度向上する。一方、負荷電力Po=0W時には、無効電力が約10W増加する。そしてこれらの動作波形から、複合共振形コンバータとしてのスイッチング動作が期間Thをサイクルとしており、つまり水平同期周波数に同期していることがわかる。
【0045】図4は、交流入力電圧VAC=100Vの際に、負荷電力Poの変動に対する共振電圧V1,V2の変化を示している。また図5は、交流入力電圧VAC=100Vの際に、負荷電力Poの変動に対するオン期間TONの変化、即ちスイッチング素子Q2の導通角制御の様子を示している。この図5は図2,図3のオン期間TONに対応する。
【0046】図6に本発明の第2の実施の形態のスイッチング電源回路を示す。図6は、一次側のスイッチング素子Q1をMOS−FETとし、これに対してICによる他例発振回路を設けた例である。なお、図1と同一部分は同一符号を付し、説明を省略する。
【0047】この場合も、整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を入力して断続するスイッチングコンバータとしては、1石のスイッチング素子Q1を備えて、いわゆるシングルエンド方式によるスイッチング動作を行う電圧共振形コンバータが備えられる。ここでの電圧共振形コンバータは他励式の構成を採っており、MOS−FETによるスイッチング素子Q1のドレインは、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1を介して平滑コンデンサCiの正極と接続され、ソースは一次側アースに接続される。
【0048】また、スイッチング素子Q1のドレイン−ソース間に対しては、並列共振コンデンサCrが並列に接続される。この並列共振コンデンサCrのキャパシタンスと、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1に得られるリーケージインダクタンスとによって一次側並列共振回路を形成する。そして、スイッチング素子Q1のスイッチング動作に応じて、この並列共振回路による共振動作が得られるようにされることで、スイッチング素子Q1のスイッチング動作としては電圧共振形となる。
【0049】また、スイッチング素子Q1のドレイン−ソース間に対しては、MOS−FETに備えられる、いわゆるボディダイオードによるクランプダイオードDD1が並列に接続されていることで、スイッチング素子がオフとなる期間に流れるクランプ電流の経路を形成する。
【0050】スイッチング素子Q1は、発振回路2及びドライブ回路3を統合的に備える、例えば1つの集積回路(IC)によるスイッチング駆動部10によって、スイッチング駆動される。また、このスイッチング駆動部10は、起動抵抗Rsを介して整流平滑電圧Eiのラインと接続されており、例えば電源起動時において、上記起動抵抗Rsを介して電源電圧が印加されることで起動するようにされている。
【0051】スイッチング駆動部10内の発振回路2では、発振動作を行って発振信号を生成して出力する。そして、ドライブ回路3においてはこの発振信号をドライブ電圧に変換してスイッチング素子Q1のゲートに対して出力する。これにより、スイッチング素子Q1は、発振回路2にて生成される発振信号に基づいたスイッチング動作を行うようにされる。従って、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数、及び1スイッチング周期内のオン/オフ期間のデューティは、発振回路2にて生成される発振信号に依存して決定される。そして特に本例の場合は、陰極線管表示装置の水平同期回路系で用いられている水平発振パルス電圧、又は水平ドライブパルス電圧、或いは水平出力パルス電圧としての電圧Vfhが、抵抗Rh、小容量のコンデンサChを介して発振回路2に供給されて外部同期がとられる。即ち発振回路2は、水平同期周波数に同期した発振信号を発生するものとなり、これによってスイッチング素子Q1のスイッチング動作は、水平同期周波数に同期したものとなる。
【0052】なお、二次側の構成は図1と概略同様であるため詳細な説明は省略するが、外部同期のための電圧Vfhは、補助スイッチング素子Q2には印加されない構成となる。また制御回路1によって、補助スイッチング素子Q2のスイッチング動作がPWM制御されるようになっている。即ち制御回路1は二次側直流出力電圧EO1に応じた直流制御電圧を補助スイッチング素子Q2のゲートに印加することで、補助スイッチング素子Q2の導通角が制御されるようにしている。これによって交流入力電圧VACや負荷電力Poの変動に対する直流出力電圧の定電圧化が行われる。
【0053】このようなスイッチング電源回路の場合も、複合共振形スイッチングコンバータの動作は水平同期信号の周波数と同期することになり、従って絶縁コンバータトランスPITの漏洩磁束と水平同期周波数の干渉による電源ビートは発生しない。このため絶縁コンバータトランスPITにショートリングを設ける必要はなくなる。
【0054】図7に本発明の第3の実施の形態のスイッチング電源回路を示す。これはスイッチング素子としてIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を用いると共に、一次側にもアクティブクランプ回路を設けた例である。なお、図1と同一部分は同一符号を付し説明を省略する。
【0055】この場合、一次側にはIGBTによるスイッチング素子Q1、Q3が配される。スイッチング素子Q1は、整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を入力して断続するスイッチングコンバータを構成する。スイッチング素子Q1のコレクタは、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1を介して平滑コンデンサCiの正極と接続され、エミッタは一次側アースに接続される。
【0056】また、スイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間に対しては、並列共振コンデンサCrが並列に接続される。この並列共振コンデンサCrのキャパシタンスと、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1に得られるリーケージインダクタンスとによって一次側並列共振回路を形成する。そして、スイッチング素子Q1のスイッチング動作に応じて、この並列共振回路による共振動作が得られるようにされることで、スイッチング素子Q1のスイッチング動作としては電圧共振形となる。また、スイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間に対しては、クランプダイオードDD1が並列に接続されていることで、スイッチング素子がオフとなる期間に流れるクランプ電流の経路を形成する。
【0057】スイッチング素子Q1は、発振回路2及びドライブ回路3を備える、例えば1つの集積回路(IC)によるスイッチング駆動部10によってスイッチング駆動される。また、このスイッチング駆動部10は、起動抵抗Rsを介して整流平滑電圧Eiのラインと接続されており、例えば電源起動時において、上記起動抵抗Rsを介して電源電圧が印加されることで起動するようにされている。
【0058】スイッチング駆動部10内の発振回路2では、発振動作を行って発振信号を生成して出力する。そして、ドライブ回路3においてはこの発振信号をドライブ電圧に変換してスイッチング素子Q1のベースに対して出力する。これにより、スイッチング素子Q1は、発振回路2にて生成される発振信号に基づいたスイッチング動作を行うようにされる。従って、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数、及び1スイッチング周期内のオン/オフ期間のデューティは、発振回路2にて生成される発振信号に依存して決定される。この例の場合は、例えば当該スイッチング電源回路が搭載されるテレビジョン受像器等において水平同期周波数fh=33.75KHzであるとすると、スイッチング周波数fs=33.5KHz程度となるように発振信号が生成される。
【0059】また一次側においては、並列共振コンデンサCrの両端に得られる並列共振電圧をクランプするための一次側アクティブクランプ回路が備えられる。この場合、一次側アクティブクランプ回路は、IGBTによる補助スイッチング素子Q3,クランプコンデンサC4,クランプダイオードDD3により構成される。また、補助スイッチング素子Q3を駆動するための駆動回路系として、ドライブ巻線Ng2,コンデンサCg2,抵抗R1,R2を備えて成る。
【0060】補助スイッチング素子Q3のコレクタ−エミッタ間に対してはクランプダイオードDD3が並列に接続される。ここでは、クランプダイオードDD3のアノードがエミッタに対して接続され、カソードがコレクタに対して接続される。また、補助スイッチング素子Q3のコレクタはクランプコンデンサC4を介して、整流平滑電圧Eiのラインと一次巻線N1の巻終り端部との接続点に対して接続される。また、補助スイッチング素子Q3のエミッタは一次巻線N1の巻始め端部に対して接続される。つまり、この一次側アクティブクランプ回路としては、上記補助スイッチング素子Q3とクランプダイオードDD3の並列接続回路に対して、クランプコンデンサC4を直列に接続して成るものとされる。そして、このようにして形成される回路を絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1に対して並列に接続して構成されるものである。
【0061】また、補助スイッチング素子Q3の駆動回路系としては、図示するように、補助スイッチング素子Q3のベースに対して、抵抗Rg2−コンデンサCg2−ドライブ駆動巻線Ng2の直列接続回路が接続される。この直列接続回路は補助スイッチング素子Q2のための自励発振駆動回路を形成する。ここでドライブ巻線Ng2は、巻数としては例えば1T(ターン)としている。これにより、駆動巻線Ng1には、一次巻線N1に得られる交番電圧により励起された電圧が発生する。また、この場合には、その巻方向の関係から、一次巻線N1と駆動巻線Ng1とは逆極性の電圧が得られる。なお、実際としては駆動巻線Ng1のターン数は1Tであればその動作は保証されるが、これに限定されるものではない。また、抵抗R1は、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1と駆動巻線Ng1の接続点との間に対して挿入される。この補助スイッチング素子Q3は、メインスイッチング素子Q1に同期した状態でオン/オフされる。即ちメインスイッチング素子Q1のオン期間に補助スイッチング素子Q3はオフとなり、メインスイッチング素子Q1のオフ期間内に補助スイッチング素子Q3はオンとなる。これによる一次側アクティブクランプ回路の動作として、共振コンデンサCrの両端にあらわれる電圧がクランプされる。
【0062】この電源回路の二次側は、図1と概略同様である。ただし二次側アクティブクランプ回路を構成するスイッチング素子Q2が、MOS−FETに代えてIGBTが用いられている点が異なる。この場合、図1と同様に、水平同期周波数に同期する電圧Vfhは、補助スイッチング素子Q2に印加され、外部同期がとられることになる。上記したように一次側のスイッチング素子Q1のスイッチング周波数fsが、スイッチング周波数fs<水平同期周波数fhと設定されていることで、二次側の補助スイッチング素子Q2に対する電圧Vfhの外部同期トリガ信号によって、ドライブ巻線Ng1、Ng2及び一次側アクティブクランプ回路の動作を介して、fs=fhに引き込まれてスイッチング周波数fsが固定されることになる。このため複合共振形スイッチングコンバータの動作は水平同期信号の周波数と同期することになり、従って絶縁コンバータトランスPITの漏洩磁束と水平同期周波数の干渉による電源ビートは発生しない。このため絶縁コンバータトランスPITにショートリングを設ける必要はなくなる。
【0063】なお、この場合の直流出力電圧の定電圧化は、制御回路1は二次側直流出力電圧EO1に応じた直流制御電圧を補助スイッチング素子Q2のゲートに印加することで、補助スイッチング素子Q2の導通角が制御されることで行われる。
【0064】以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明のスイッチング電源回路は上記各回路構成に限られるものではなく、各種の変形例が考えられることはいうまでもない。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、複合共振形コンバータ回路によるスイッチング電源回路おいて、スイッチング動作によるコンバータ動作が陰極線管表示装置で用いられている水平同期信号に同期するようにしているため、コンバータトランスの漏洩磁束と水平同期信号が干渉して電源ビートを発生させるということがなくなり、従って、コンバータトランスに漏洩磁束をシールドするための銅板によるショートリングを設ける必要がなくなる。これによってコンバータトランスの製造コストの低下、製造の簡略化、効率化を実現できるという効果がある。また、複合共振形コンバータ回路のスイッチング周波数は、通常100KHz〜150KHz程度であったところ、水平同期周波数に同期するために本発明では31.5KHz〜47.25KHz程度とすることになるため、スイッチング周波数の低周波数化に伴うコンバータトランスの大型化は発生するが、スイッチング素子のスイッチング損失は低減し、電力変換効率が向上するという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成を示す回路図である。
【図2】実施の形態の電源回路における要部の動作を示す波形図である。
【図3】実施の形態の電源回路における要部の動作を示す波形図である。
【図4】実施の形態の負荷電力と共振電圧の関係を示す説明図である。
【図5】実施の形態の負荷電力と導通角制御の関係を示す説明図である。
【図6】第2の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成を示す回路図である。
【図7】第3の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成を示す回路図である。
【図8】先行技術としてのスイッチング電源回路の構成例を示す回路図である。
【図9】先行技術に示す電源回路の要部の動作を示す波形図である。
【図10】先行技術に示す電源回路の要部の動作を示す波形図である。
【図11】先行技術に示す電源回路の負荷電力、交流入力電圧とスイッチング周波数の関係を示す波形図である。
【図12】絶縁コンバータトランスの構成を示す断面図、斜視図である。
【符号の説明】
1 制御回路、2 発振回路、3 ドライブ回路、10 スイッチング駆動部、Q1 (メイン)スイッチング素子、Q2,Q3 補助スイッチング素子、PIT 絶縁コンバータトランス、N1 一次巻線、N2 二次巻線、N3 三次巻線、Cr 一次側並列共振コンデンサ、C2 二次側並列共振コンデンサ、DO1,DO2 二次側整流ダイオード
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばテレビジョン受像器や映像モニタ装置などの、陰極線管(CRT)を用いた表示装置に好適なスイッチング電源回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばテレビジョン受像器用のスイッチング電源として、一次側が一石構成の電圧共振形コンバータ、二次側が半波整流方式電圧共振回路を組み合わせた複合共振形コンバータを用いるものを本出願人は提案していた。この場合、交流入力電圧や負荷電力の変動に対して、直流出力電圧を定電圧制御するためには、一次側スイッチング素子のスイッチング周波数と導通角を同時に制御する複合制御方式を採用していた。
【0003】図8の回路図は、先に本出願人が提案した発明に基づいて構成することのできる、先行技術としてのテレビジョン受像器用のスイッチング電源回路の一例を示している。この図に示す電源回路においては、先ず、商用交流電源(交流入力電圧VAC)を入力して直流入力電圧を得るための整流平滑回路として、ブリッジ整流回路Di及び平滑コンデンサCiからなる全波整流回路が備えられ、交流入力電圧VACの1倍のレベルに対応する整流平滑電圧Eiを生成するようにされる。
【0004】上記整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を入力して断続するスイッチングコンバータとしては、1石のスイッチング素子Q1を備えて、いわゆるシングルエンド方式によるスイッチング動作を行う電圧共振形コンバータが備えられる。そしてこの図9の場合は、1石のスイッチング素子Q1によりシングルエンド動作を行う電圧共振形コンバータ回路として、自励式の構成が採られる。この場合、スイッチング素子Q1には、高耐圧のバイポーラトランジスタ(BJT;接合型トランジスタ)が採用されている。
【0005】スイッチング素子Q1のベースと一次側アース間には、駆動巻線NB、共振コンデンサCB、ベース電流制限抵抗RBの直列接続回路よりなる自励発振駆動用の直列共振回路が接続される。また、スイッチング素子Q1のベースと平滑コンデンサCiの負極(1次側アース)間に挿入されるクランプダイオードDDにより、スイッチング素子Q1のオフ時に流れるクランプ電流の経路を形成するようにされている。なお、起動抵抗RSは、起動時のベース電流を整流平滑ラインから得るために挿入されるものである。
【0006】また、上記スイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間に対しては、並列共振コンデンサCrが並列に接続されている。そして並列共振コンデンサCr自身のキャパシタンスと、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1側のリーケージインダクタンスL1とにより電圧共振形コンバータの一次側並列共振回路を形成する。
【0007】この図に示す直交形制御トランスPRTは、共振電流検出巻線ND、駆動巻線NB、及び制御巻線NCが巻装された可飽和リアクトルである。この直交形制御トランスPRTは、スイッチング素子Q1を駆動すると共に、定電圧制御のために設けられる。この直交形制御トランスPRTには、図示するようにして、共振電流検出巻線ND、駆動巻線NBが巻装され、また、これら2つの巻線とは直交する方向に対して制御巻線NCが巻装される。
【0008】直交形制御トランスPRTにおいては、共振電流検出巻線NDに得られたスイッチング出力がトランス結合を介して駆動巻線NBに誘起される。これにより、自励発振駆動回路を形成する直列共振回路(NB,CB)からベース電流制限抵抗RBを介してスイッチング素子Q1のベースにドライブ電流が出力される。これにより、スイッチング素子Q1は、直列共振回路の共振周波数により決定されるスイッチング周波数でスイッチング動作を行うことになる。そして、そのコレクタに得られるとされるスイッチング出力を絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1に伝達するようにされている。
【0009】絶縁コンバータトランスPITは、スイッチング素子Q1のスイッチング出力を二次側に伝送する。この絶縁コンバータトランスPITは、EE型コアに対して一次巻線N1と二次巻線N2を分割して巻装し、中央磁脚に対してはギャップGを形成することで、所要の結合係数による疎結合の状態が得られるようにして、飽和状態が得られにくいようにしている。
【0010】上記絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1の巻終わり端部は、スイッチング素子Q1のコレクタと接続され、巻始め端部は検出巻線NDを介して平滑コンデンサCiの正極(整流平滑電圧Ei)と接続されている。従って、一次巻線N1に対しては、スイッチング素子Q1のスイッチング出力が供給されることで、スイッチング周波数に対応する周期の交番電圧が発生する。
【0011】絶縁コンバータトランスPITの二次側では、一次巻線N1により誘起された交番電圧が二次巻線N2に発生する。この場合、二次巻線N2に対しては、二次側並列共振コンデンサC2が並列に接続されることで、二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2と二次側並列共振コンデンサC2のキャパシタンスとによって並列共振回路が形成される。この並列共振回路により、二次巻線N2に誘起される交番電圧は共振電圧となる。つまり二次側において電圧共振動作が得られる。
【0012】即ち、この電源回路では、一次側にはスイッチング動作を電圧共振形とするための並列共振回路が備えられ、二次側には電圧共振動作を得るための並列共振回路が備えられる。このように一次側及び二次側に対して共振回路が備えられて動作する構成のスイッチングコンバータが、本明細書でいう上述した「複合共振形スイッチングコンバータ」としての構成となる。
【0013】上記のようにして形成される電源回路の二次側においては、二次巻線N2及び二次側並列共振コンデンサC2から成る二次側並列共振回路に対して、図示する接続形態によって、整流ダイオードDO1及び平滑コンデンサCO1を接続することで半波整流回路が形成される。そして、この半波整流回路(DO1,CO1)によってメインとされる二次側直流出力電圧EO1を生成する。この二次側直流出力電圧EO1は、例えば135V程度とされる。また、この場合には、二次巻線N2の巻終わり端部側において、図示するようにタップ出力を設けることで、このタップ出力ラインと二次側アース間に三次巻線N3が形成される。そして、この三次巻線N3に対して、図示するようにして、整流ダイオードDO2及び平滑コンデンサCO2から成る半波整流回路が接続されることで、例えば15V程度の低圧二次側直流出力電圧EO2を生成して出力する。
【0014】二次側直流出力電圧EO1、E02は制御回路1に対しても分岐して入力され、制御回路1においては、直流出力電圧EO1、E02を用いて定電圧化のための制御信号を生成する。即ち制御回路1では、二次側の直流出力電圧レベルの変化に応じて、制御巻線NCに流す制御電流(直流電流)レベルを可変するようにされている。これによって、駆動巻線NBのインダクタンスLBが可変されて、自励発振駆動回路内の直列共振回路の共振周波数、つまり、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数が可変制御され、これによって二次側の直流出力電圧を安定化する。ここで、スイッチング周波数を可変するのにあたってはスイッチング素子Q1がオフとなる期間TOFFは一定とされたうえで、オンとなる期間TONを可変制御するように動作している。本明細書では、このような複合的な制御を「複合制御方式」ということとしている。
【0015】図9、図10は、上記図8に示した電源回路における要部の動作を示す波形図である。図9は交流入力電圧VAC=100V、最大負荷電力Po=200W時の動作であり、図10は交流入力電圧VAC=100V、最大負荷電力Po=0W時の動作である。各図において、期間TON、TOFFは、スイッチング素子Q1がオンとなる期間及びオフとなる期間であり、これらの図から、スイッチング素子Q1がオフとなる期間TOFFは一定とされたうえで、オンとなる期間TONが可変制御されることが理解される。
【0016】スイッチング素子Q1がスイッチング動作を行うと、スイッチング素子Q1がオフとなる期間TOFFにおいては、一次側並列共振回路の共振動作が得られる。これによって、並列共振コンデンサCrの両端に得られる並列共振電圧V1としては、各図に示すように、期間TOFFにおいて正弦波状の共振パルスが現れる波形となる。この並列共振電圧V1のレベルは負荷電力変動に対応して変化し、負荷電力が重くなるのに従って上昇する傾向を有する。
【0017】図11(a)は、交流入力電圧VAC=100Vの際に、負荷電力Poの変動に対するスイッチング周波数fsを示している。また図11(b)は、負荷電力Po=200W時に、交流入力電圧VACの変動に対するスイッチング周波数fsを示している。即ちスイッチング周波数fsは図11(a)(b)のように制御されると共に、図9,図10のように、オン期間TONが可変制御される、複合制御方式となる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記図8のような電源回路では、次のような問題を有している。絶縁コンバータトランスPITは、図12(a)に示すように、例えばフェライト材によるE型コアCR1、CR2を互いの磁脚が対向するように組み合わせたEE型コアが備えられ、このEE型コアの中央磁脚に対して、分割ボビンBを利用して一次巻線N1と、二次巻線N2をそれぞれ分割した状態で巻装している。そして、中央磁脚に対しては図のようにギャップGを形成するようにしている。これによって、所要の結合係数による疎結合が得られるようにしている。結合係数は、例えば0.8程度とされる。これにより絶縁コンバータトランスPITの近辺には約20%の漏洩磁束が発生する。この漏洩磁束の周波数は交流入力電圧VACや負荷電力Poの変動によって100KHz〜150KHzの間をランダムに変動する。
【0019】一方、テレビジョン受像器の水平同期信号の周波数fhは、NTSC方式ではfh=15.75KHz、ハイビジョン方式ではfh=33.75KHz、NTSC方式の倍速方式ではfh=31.5KHz、3倍速方式ではfh=47.25KHz等、種々のテレビジョン放送方式によって異なっている。この水平同期信号に同期して動作している水平偏向回路に関しては、陰極線管(CRT)のネック部に偏向ヨークが配され、またプリント基板上にはCRTのアノード電極に供給する30KVの高圧発生トランス(フライバックトランス)や水平直線性補正コイル、ダイナミックフォーカストランス等のリアクタ、インダクタが数多くマウントされている。そして上記した絶縁コンバータトランスPITの漏洩磁束が、これらの水平偏向回路の構成部品に結合するとブラウン管面上に水平同期周波数fhとスイッチング周波数fsの干渉による電源ビートが発生してしまう。
【0020】この対策のためには図12(a)に破線で示すように、絶縁コンバータトランスPITのギャップGの周辺に銅板を1ターン巻き付けて半田付けしたショートリングSRを配している。図12(b)はショートリングSRを巻き付けた状態の模式図である。ショートリングSRは所要箇所Hが半田付けされる。このショートリングSRにより漏洩磁束を磁気シールドすることで、電源ビートの発生を抑制する。
【0021】しかしながら、このために銅板の材料コスト、半田付け工程の必要性から、絶縁コンバータトランスPITの製造コストがアップしてしまうという問題があった。また、フェライト磁心と銅板が振動によって可聴周波数帯域の鳴きが生じないようにするために、トランス組立後にワニス含浸を行って銅板を固定することも必要であった。このことも、絶縁コンバータトランスPITの製造工程の煩雑化やコストアップを招く。
【0022】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記した課題を考慮して、陰極線管表示装置用のスイッチング電源回路において、絶縁コンバータトランスPITにショートリングを形成することを不要とすることを目的とする。
【0023】このため本発明は、 直流入力電圧をスイッチングして出力するメインスイッチング素子を備えて形成されるスイッチング手段と、上記スイッチング手段の動作を電圧共振形とする一次側並列共振回路が形成されるようにして備えられる一次側並列共振コンデンサと、一次側と二次側とについて疎結合とされて所要の結合係数が得られるようにされ、一次側に得られる上記メインスイッチング手段の出力を二次側に伝送する絶縁コンバータトランスと、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側巻線に対して二次側並列共振コンデンサを並列に接続することで形成される二次側並列共振回路と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側巻線に得られる交番電圧を入力して半波整流動作を行うことで二次側直流出力電圧を得るように構成される直流出力電圧生成手段と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側巻線に対して並列に、クランプコンデンサと二次側補助スイッチング素子とによる直列接続回路を備えることで、二次側巻線に発生する電圧をクランプする二次側アクティブクランプ手段と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した一次側ドライブ巻線を含む回路として形成され、陰極線管表示装置で用いる水平同期信号の周波数に近い固定のスイッチング周波数を発生させて上記メインスイッチング素子にスイッチング動作をさせる一次側スイッチング駆動手段と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側ドライブ巻線を含む回路として形成され、上記二次側補助スイッチング素子に対してスイッチング駆動信号を印加して上記二次側補助スイッチング素子にスイッチング動作をさせる二次側スイッチング駆動手段と、上記二次側補助スイッチング素子に、上記水平同期信号に同期した信号を印加することで、上記一次側並列共振回路及び上記二次側並列共振回路の動作を水平同期周波数に同期させる同期手段と、上記二次側直流出力電圧に基づく直流制御信号を上記二次側補助スイッチング素子に印加して上記二次側補助スイッチング素子の導通角制御を実行することで上記二次側直流出力電圧を定電圧化する定電圧化手段とを備えたスイッチング電源回路とする。
【0024】また本発明は、上記構成と同様に、スイッチング手段、一次側並列共振コンデンサ、絶縁コンバータトランス、二次側並列共振回路、直流出力電圧生成手段、二次側アクティブクランプ手段とを有し、さらに、陰極線管表示装置で用いる水平同期信号に同期した信号に基づいて、水平同期信号の周波数に同期したスイッチング周波数を発生させて上記メインスイッチング素子にスイッチング動作をさせる一次側スイッチング駆動手段と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側ドライブ巻線を含む回路として形成され、上記二次側補助スイッチング素子に対してスイッチング駆動信号を印加して上記二次側補助スイッチング素子にスイッチング動作をさせる二次側スイッチング駆動手段と、上記二次側直流出力電圧に基づく直流制御信号を上記二次側補助スイッチング素子に印加して上記二次側補助スイッチング素子の導通角制御を実行することで上記二次側直流出力電圧を定電圧化する定電圧化手段と、を備えてスイッチング電源回路を構成する。
【0025】また上記構成と同様に、スイッチング手段、一次側並列共振コンデンサ、絶縁コンバータトランス、二次側並列共振回路、直流出力電圧生成手段、二次側アクティブクランプ手段とを有し、さらに、陰極線管表示装置で用いる水平同期信号の周波数に近い固定のスイッチング周波数を発生させて上記メインスイッチング素子にスイッチング動作をさせる一次側スイッチング駆動手段と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側ドライブ巻線を含む回路として形成され、上記二次側補助スイッチング素子に対してスイッチング駆動信号を印加して上記二次側補助スイッチング素子にスイッチング動作をさせる二次側スイッチング駆動手段と、上記二次側補助スイッチング素子に、上記水平同期信号に同期した信号を印加することで、上記一次側並列共振回路及び上記二次側並列共振回路の動作を水平同期周波数に同期させる同期手段と、上記二次側直流出力電圧に基づく直流制御信号を上記二次側補助スイッチング素子に印加して上記二次側補助スイッチング素子の導通角制御を実行することで上記二次側直流出力電圧を定電圧化する定電圧化手段と、上記メインスイッチング素子のオン/オフタイミングに同期した所定のオン/オフタイミングを有するようにしてスイッチングを行う一次側補助スイッチング素子を備えることで、上記一次側並列共振コンデンサの両端に発生する一次側並列共振電圧をクランプするように設けられる一次側アクティブクランプ手段とを備えてスイッチング電源回路を構成する。
【0026】上記各構成によれば、一次側においては電圧共振形コンバータを形成するための一次側並列共振回路を備え、二次側には、二次巻線及び二次側並列共振コンデンサとにより形成される二次側並列共振回路とが備えられた、いわゆる複合共振形スイッチングコンバータの動作を、水平同期周波数に同期させることができ、これによって絶縁コンバータトランスの漏洩磁束と水平同期周波数の干渉による電源ビートが発生しないようになる。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成を示している。この図に示す電源回路においては、先ず、商用交流電源(交流入力電圧VAC)を入力して直流入力電圧を得るための整流平滑回路として、ブリッジ整流回路Di及び平滑コンデンサCiからなる全波整流回路が備えられ、交流入力電圧VACの1倍のレベルに対応する整流平滑電圧Eiを生成するようにされる。
【0028】この電源回路の一次側には、1石のスイッチング素子Q1によりシングルエンド動作を行う電圧共振形コンバータ回路として、自励式の構成が示される。この場合、スイッチング素子Q1には、高耐圧のバイポーラトランジスタ(BJT;接合型トランジスタ)が採用されている。
【0029】スイッチング素子Q1のベースは、起動抵抗RSを介して平滑コンデンサCi(整流平滑電圧Ei)の正極側に接続されて、起動時のベース電流を整流平滑ラインから得るようにしている。
【0030】また、スイッチング素子Q1のベースと一次側アース間には、絶縁コンバータトランスPITの一次側に巻数1T(ターン)で施されたドライブ巻線NBと、インダクタLB−共振コンデンサCB−ベース電流制限抵抗RBの直列回路よりなる自励発振駆動用の直列共振回路が接続される。この自励発振回路によってスイッチング素子Q1をオン/オフするスイッチング周波数fsが生成される。例えば当該スイッチング電源回路が搭載されるテレビジョン受像器等において水平同期周波数fh=33.75KHzであるとすると、上記直列共振回路によるスイッチング周波数fs=33.5KHz程度に設定する。
【0031】また、スイッチング素子Q1のベースと平滑コンデンサCiの負極(1次側アース)間に挿入されるクランプダイオードDD1により、スイッチング素子Q1のオフ時に流れるクランプ電流の経路を形成するようにされており、また、スイッチング素子Q1のコレクタは、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1の一端と接続され、エミッタは接地される。
【0032】また、上記スイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間に対しては、並列共振コンデンサCrが並列に接続されている。そしてこの場合にも、並列共振コンデンサCr自身のキャパシタンスと、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1側のリーケージインダクタンスL1とにより電圧共振形コンバータの一次側並列共振回路を形成する。
【0033】絶縁コンバータトランスPITは、スイッチング素子Q1のスイッチング出力を二次側に伝送する絶縁コンバータトランスPITは、図12で説明したように、例えばフェライト材によるE型コアCR1、CR2を互いの磁脚が対向するように組み合わせたEE型コアが備えられ、このEE型コアの中央磁脚に対して、分割ボビンBを利用して一次巻線N1と、二次巻線N2をそれぞれ分割した状態で巻装している。そして、中央磁脚に対しては図のようにギャップGを形成するようにしている。これによって、所要の結合係数による疎結合が得られるようにしている。ギャップGは、E型コアCR1,CR2の中央磁脚を、2本の外磁脚よりも短くすることで形成することが出来る。また、結合係数kとしては、例えばk≒0.8という疎結合の状態を得るようにしており、その分、飽和状態が得られにくいようにしている。但し本例の場合は、図12で説明したような銅板によるショートリングSRは設けられない。
【0034】上記絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1の一端はスイッチング素子Q1のコレクタと接続され、他端は平滑コンデンサCiの正極(整流平滑電圧Ei)と接続されている。従って、一次巻線N1に対しては、スイッチング素子Q1のスイッチング出力が供給されることで、スイッチング周波数に対応する周期の交番電圧が発生する。
【0035】絶縁コンバータトランスPITの二次側では、一次巻線N1により誘起された交番電圧が二次巻線N2に発生する。この場合、二次巻線N2に対しては、二次側並列共振コンデンサC2が並列に接続されることで、二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2と二次側並列共振コンデンサC2のキャパシタンスとによって並列共振回路が形成される。この並列共振回路により、二次巻線N2に誘起される交番電圧は共振電圧となり、従って、二次側においては電圧共振動作が得られることとなる。即ち、この電源回路としても、一次側にはスイッチング動作を電圧共振形とするための並列共振回路を備え、二次側には電圧共振動作を得るための並列共振回路を備えた「複合共振形スイッチングコンバータ」の構成を採る。
【0036】上記のようにして形成される電源回路の二次側に対しては、二次巻線N2に接続される二次側整流ダイオードDO1と平滑コンデンサCO1とからなる半波整流回路が備えられ、これにより、二次巻線N2に誘起される交番電圧のほぼ等倍レベルに対応する二次側直流出力電圧EO1を得るようにしている。また、この場合には、二次巻線N2の巻始め端側において、図示するようにタップ出力を設けることで、このタップ出力ラインと二次側アース間に三次巻線N3が形成される。そして、この三次巻線N3に対して、図示するようにして、整流ダイオードDO2及び平滑コンデンサCO2から成る半波整流回路が接続されることで、二次側直流出力電圧EO2を生成して出力する。
【0037】また、この電源回路においては、二次側にアクティブクランプ回路が備えられる。即ち二次側アクティブクランプ回路として、MOS−FETの補助スイッチング素子Q2,クランプコンデンサC3,ボディダイオードのクランプダイオードDD2を備える。また、補助スイッチング素子Q2を駆動するための駆動回路系として、ドライブ巻線Ng1,コンデンサCg1,抵抗Rg1を備えて成る。
【0038】補助スイッチング素子Q2のドレイン−ソース間に対してはクランプダイオードDD2が並列に接続される。その接続形態としては、クランプダイオードDD2のアノードがソースに対して接続され、カソードがドレインに対して接続されるようになっている。また、補助スイッチング素子Q2のドレインはクランプコンデンサC3を介して、二次巻線N2の巻終わり端部と整流ダイオードDO1のアノードとの接続点に対して接続される。また、補助スイッチング素子Q2のソースは二次側アースに対して接続される。従って、二次側アクティブクランプ回路としては、上記補助スイッチング素子Q2、クランプダイオードDD2の並列接続回路に対して、クランプコンデンサC3を直列に接続して成るものとされる。そして、このようにして形成される回路を二次側並列共振回路に対して更に並列に接続して構成されるものである。
【0039】また、補助スイッチング素子Q2の駆動回路系としては、図示するように、補助スイッチング素子Q2のゲートに対して、コンデンサCg1−抵抗Rg1−ドライブ巻線Ng1の直列接続回路が接続される。この場合も直列接続回路は補助スイッチング素子Q2のための自励式駆動回路を形成する。即ちこの自励式駆動回路からの信号電圧(ドライブ電圧VGS)が抵抗R10によってスイッチング素子Q2のゲートに印加されスイッチング動作が行われる。この場合のドライブ巻線Ng1は、二次巻線N2の巻始め端部側に形成されており、この場合の巻数としては例えば1T(ターン)としている。これにより、ドライブ巻線Ng1には、一次巻線N1に得られる交番電圧により励起された電圧が発生する。また、この場合には、その巻方向の関係から、二次巻線N2とドライブ巻線Ng1とは逆極性の電圧が得られる。なお、ドライブ巻線Ng1としても、そのターン数は1Tであればその動作は保証されるが、これに限定されるものではない。
【0040】また本例においては、二次側に備えられる制御回路1によって、補助スイッチング素子Q2のスイッチング動作がPWM制御されるようになっている。即ち二次側直流出力電圧EO1、E02は、誤差増幅器の制御回路1に供給され、制御回路1がそれに応じた直流制御電圧を補助スイッチング素子Q2のゲートに印加することで、補助スイッチング素子Q2の導通角が制御される。これによって交流入力電圧VACや負荷電力Poの変動に対する直流出力電圧の定電圧化が行われる。
【0041】さらに本例の場合は、水平同期周波数fhと同期をとるために、陰極線管表示装置の水平同期回路系で用いられている水平発振パルス電圧、又は水平ドライブパルス電圧、又は水平出力パルス電圧としての電圧Vfhが、抵抗Rh、コンデンサChを介して補助スイッチング素子Q2のゲートに印加される。これによって外部同期がとられることになる。
【0042】このような電源回路によれば、複合共振形スイッチングコンバータの動作を、水平同期周波数に同期させることができ、これによって絶縁コンバータトランスPITの漏洩磁束と水平同期周波数の干渉による電源ビートが発生しないようにできるものとなる。上記したように一次側のスイッチング素子Q1は、ドライブ巻線NB、インダクタLB、共振コンデンサCB、ベース電流制限抵抗RBよりなる直列共振回路によってスイッチング周波数fsが設定される。ここでスイッチング周波数fs<水平同期周波数fhに設定すれば、二次側の補助スイッチング素子Q2に対する電圧Vfhの外部同期トリガ信号によって、ドライブ巻線Ng1、NBを介してfs=fhに引き込まれてスイッチング周波数fsが固定されることになる。このため複合共振形スイッチングコンバータの動作は水平同期信号の周波数と同期することになり、従って絶縁コンバータトランスPITの漏洩磁束と水平同期周波数の干渉による電源ビートは発生しない。
【0043】図2は交流入力電圧VAC=100V、負荷電力Po=200W時の各部の動作波形であり、図3は交流入力電圧VAC=100V、負荷電力Po=0W時の動作波形を示している。この場合、一次巻線N1=二次巻線N2=120T、ドライブ巻線NB=Ng1=1T、共振コンデンサCr=0.01μF、共振コンデンサC2=0.033μF、クランプコンデンサC3=0.22μFとし、スイッチング素子Q2は5A/400VのMOS−FETとしている。なお、従来例で説明した電源回路の場合は、一次巻線N1=二次巻線N2=45T、共振コンデンサCr=6800pF、共振コンデンサC2=0.01μFとしていたことを付記しておく。
【0044】この図2,図3に示す場合、水平同期周波数fh=33.75KHzであり、図示する期間Th=29.85μsecである。そしてMOS−FET(スイッチング素子Q2)とボディダイオードDD2のオン時間TON=15μsec〜23μsecの導通角制御となる。負荷電力Po=200Wの重負荷時には、スイッチング素子Q1、Q2のスイッチング損失の低下により、図8の従来例と比較してAC/DCの電力変換効率が0.3%程度向上する。一方、負荷電力Po=0W時には、無効電力が約10W増加する。そしてこれらの動作波形から、複合共振形コンバータとしてのスイッチング動作が期間Thをサイクルとしており、つまり水平同期周波数に同期していることがわかる。
【0045】図4は、交流入力電圧VAC=100Vの際に、負荷電力Poの変動に対する共振電圧V1,V2の変化を示している。また図5は、交流入力電圧VAC=100Vの際に、負荷電力Poの変動に対するオン期間TONの変化、即ちスイッチング素子Q2の導通角制御の様子を示している。この図5は図2,図3のオン期間TONに対応する。
【0046】図6に本発明の第2の実施の形態のスイッチング電源回路を示す。図6は、一次側のスイッチング素子Q1をMOS−FETとし、これに対してICによる他例発振回路を設けた例である。なお、図1と同一部分は同一符号を付し、説明を省略する。
【0047】この場合も、整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を入力して断続するスイッチングコンバータとしては、1石のスイッチング素子Q1を備えて、いわゆるシングルエンド方式によるスイッチング動作を行う電圧共振形コンバータが備えられる。ここでの電圧共振形コンバータは他励式の構成を採っており、MOS−FETによるスイッチング素子Q1のドレインは、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1を介して平滑コンデンサCiの正極と接続され、ソースは一次側アースに接続される。
【0048】また、スイッチング素子Q1のドレイン−ソース間に対しては、並列共振コンデンサCrが並列に接続される。この並列共振コンデンサCrのキャパシタンスと、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1に得られるリーケージインダクタンスとによって一次側並列共振回路を形成する。そして、スイッチング素子Q1のスイッチング動作に応じて、この並列共振回路による共振動作が得られるようにされることで、スイッチング素子Q1のスイッチング動作としては電圧共振形となる。
【0049】また、スイッチング素子Q1のドレイン−ソース間に対しては、MOS−FETに備えられる、いわゆるボディダイオードによるクランプダイオードDD1が並列に接続されていることで、スイッチング素子がオフとなる期間に流れるクランプ電流の経路を形成する。
【0050】スイッチング素子Q1は、発振回路2及びドライブ回路3を統合的に備える、例えば1つの集積回路(IC)によるスイッチング駆動部10によって、スイッチング駆動される。また、このスイッチング駆動部10は、起動抵抗Rsを介して整流平滑電圧Eiのラインと接続されており、例えば電源起動時において、上記起動抵抗Rsを介して電源電圧が印加されることで起動するようにされている。
【0051】スイッチング駆動部10内の発振回路2では、発振動作を行って発振信号を生成して出力する。そして、ドライブ回路3においてはこの発振信号をドライブ電圧に変換してスイッチング素子Q1のゲートに対して出力する。これにより、スイッチング素子Q1は、発振回路2にて生成される発振信号に基づいたスイッチング動作を行うようにされる。従って、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数、及び1スイッチング周期内のオン/オフ期間のデューティは、発振回路2にて生成される発振信号に依存して決定される。そして特に本例の場合は、陰極線管表示装置の水平同期回路系で用いられている水平発振パルス電圧、又は水平ドライブパルス電圧、或いは水平出力パルス電圧としての電圧Vfhが、抵抗Rh、小容量のコンデンサChを介して発振回路2に供給されて外部同期がとられる。即ち発振回路2は、水平同期周波数に同期した発振信号を発生するものとなり、これによってスイッチング素子Q1のスイッチング動作は、水平同期周波数に同期したものとなる。
【0052】なお、二次側の構成は図1と概略同様であるため詳細な説明は省略するが、外部同期のための電圧Vfhは、補助スイッチング素子Q2には印加されない構成となる。また制御回路1によって、補助スイッチング素子Q2のスイッチング動作がPWM制御されるようになっている。即ち制御回路1は二次側直流出力電圧EO1に応じた直流制御電圧を補助スイッチング素子Q2のゲートに印加することで、補助スイッチング素子Q2の導通角が制御されるようにしている。これによって交流入力電圧VACや負荷電力Poの変動に対する直流出力電圧の定電圧化が行われる。
【0053】このようなスイッチング電源回路の場合も、複合共振形スイッチングコンバータの動作は水平同期信号の周波数と同期することになり、従って絶縁コンバータトランスPITの漏洩磁束と水平同期周波数の干渉による電源ビートは発生しない。このため絶縁コンバータトランスPITにショートリングを設ける必要はなくなる。
【0054】図7に本発明の第3の実施の形態のスイッチング電源回路を示す。これはスイッチング素子としてIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を用いると共に、一次側にもアクティブクランプ回路を設けた例である。なお、図1と同一部分は同一符号を付し説明を省略する。
【0055】この場合、一次側にはIGBTによるスイッチング素子Q1、Q3が配される。スイッチング素子Q1は、整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を入力して断続するスイッチングコンバータを構成する。スイッチング素子Q1のコレクタは、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1を介して平滑コンデンサCiの正極と接続され、エミッタは一次側アースに接続される。
【0056】また、スイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間に対しては、並列共振コンデンサCrが並列に接続される。この並列共振コンデンサCrのキャパシタンスと、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1に得られるリーケージインダクタンスとによって一次側並列共振回路を形成する。そして、スイッチング素子Q1のスイッチング動作に応じて、この並列共振回路による共振動作が得られるようにされることで、スイッチング素子Q1のスイッチング動作としては電圧共振形となる。また、スイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間に対しては、クランプダイオードDD1が並列に接続されていることで、スイッチング素子がオフとなる期間に流れるクランプ電流の経路を形成する。
【0057】スイッチング素子Q1は、発振回路2及びドライブ回路3を備える、例えば1つの集積回路(IC)によるスイッチング駆動部10によってスイッチング駆動される。また、このスイッチング駆動部10は、起動抵抗Rsを介して整流平滑電圧Eiのラインと接続されており、例えば電源起動時において、上記起動抵抗Rsを介して電源電圧が印加されることで起動するようにされている。
【0058】スイッチング駆動部10内の発振回路2では、発振動作を行って発振信号を生成して出力する。そして、ドライブ回路3においてはこの発振信号をドライブ電圧に変換してスイッチング素子Q1のベースに対して出力する。これにより、スイッチング素子Q1は、発振回路2にて生成される発振信号に基づいたスイッチング動作を行うようにされる。従って、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数、及び1スイッチング周期内のオン/オフ期間のデューティは、発振回路2にて生成される発振信号に依存して決定される。この例の場合は、例えば当該スイッチング電源回路が搭載されるテレビジョン受像器等において水平同期周波数fh=33.75KHzであるとすると、スイッチング周波数fs=33.5KHz程度となるように発振信号が生成される。
【0059】また一次側においては、並列共振コンデンサCrの両端に得られる並列共振電圧をクランプするための一次側アクティブクランプ回路が備えられる。この場合、一次側アクティブクランプ回路は、IGBTによる補助スイッチング素子Q3,クランプコンデンサC4,クランプダイオードDD3により構成される。また、補助スイッチング素子Q3を駆動するための駆動回路系として、ドライブ巻線Ng2,コンデンサCg2,抵抗R1,R2を備えて成る。
【0060】補助スイッチング素子Q3のコレクタ−エミッタ間に対してはクランプダイオードDD3が並列に接続される。ここでは、クランプダイオードDD3のアノードがエミッタに対して接続され、カソードがコレクタに対して接続される。また、補助スイッチング素子Q3のコレクタはクランプコンデンサC4を介して、整流平滑電圧Eiのラインと一次巻線N1の巻終り端部との接続点に対して接続される。また、補助スイッチング素子Q3のエミッタは一次巻線N1の巻始め端部に対して接続される。つまり、この一次側アクティブクランプ回路としては、上記補助スイッチング素子Q3とクランプダイオードDD3の並列接続回路に対して、クランプコンデンサC4を直列に接続して成るものとされる。そして、このようにして形成される回路を絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1に対して並列に接続して構成されるものである。
【0061】また、補助スイッチング素子Q3の駆動回路系としては、図示するように、補助スイッチング素子Q3のベースに対して、抵抗Rg2−コンデンサCg2−ドライブ駆動巻線Ng2の直列接続回路が接続される。この直列接続回路は補助スイッチング素子Q2のための自励発振駆動回路を形成する。ここでドライブ巻線Ng2は、巻数としては例えば1T(ターン)としている。これにより、駆動巻線Ng1には、一次巻線N1に得られる交番電圧により励起された電圧が発生する。また、この場合には、その巻方向の関係から、一次巻線N1と駆動巻線Ng1とは逆極性の電圧が得られる。なお、実際としては駆動巻線Ng1のターン数は1Tであればその動作は保証されるが、これに限定されるものではない。また、抵抗R1は、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1と駆動巻線Ng1の接続点との間に対して挿入される。この補助スイッチング素子Q3は、メインスイッチング素子Q1に同期した状態でオン/オフされる。即ちメインスイッチング素子Q1のオン期間に補助スイッチング素子Q3はオフとなり、メインスイッチング素子Q1のオフ期間内に補助スイッチング素子Q3はオンとなる。これによる一次側アクティブクランプ回路の動作として、共振コンデンサCrの両端にあらわれる電圧がクランプされる。
【0062】この電源回路の二次側は、図1と概略同様である。ただし二次側アクティブクランプ回路を構成するスイッチング素子Q2が、MOS−FETに代えてIGBTが用いられている点が異なる。この場合、図1と同様に、水平同期周波数に同期する電圧Vfhは、補助スイッチング素子Q2に印加され、外部同期がとられることになる。上記したように一次側のスイッチング素子Q1のスイッチング周波数fsが、スイッチング周波数fs<水平同期周波数fhと設定されていることで、二次側の補助スイッチング素子Q2に対する電圧Vfhの外部同期トリガ信号によって、ドライブ巻線Ng1、Ng2及び一次側アクティブクランプ回路の動作を介して、fs=fhに引き込まれてスイッチング周波数fsが固定されることになる。このため複合共振形スイッチングコンバータの動作は水平同期信号の周波数と同期することになり、従って絶縁コンバータトランスPITの漏洩磁束と水平同期周波数の干渉による電源ビートは発生しない。このため絶縁コンバータトランスPITにショートリングを設ける必要はなくなる。
【0063】なお、この場合の直流出力電圧の定電圧化は、制御回路1は二次側直流出力電圧EO1に応じた直流制御電圧を補助スイッチング素子Q2のゲートに印加することで、補助スイッチング素子Q2の導通角が制御されることで行われる。
【0064】以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明のスイッチング電源回路は上記各回路構成に限られるものではなく、各種の変形例が考えられることはいうまでもない。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、複合共振形コンバータ回路によるスイッチング電源回路おいて、スイッチング動作によるコンバータ動作が陰極線管表示装置で用いられている水平同期信号に同期するようにしているため、コンバータトランスの漏洩磁束と水平同期信号が干渉して電源ビートを発生させるということがなくなり、従って、コンバータトランスに漏洩磁束をシールドするための銅板によるショートリングを設ける必要がなくなる。これによってコンバータトランスの製造コストの低下、製造の簡略化、効率化を実現できるという効果がある。また、複合共振形コンバータ回路のスイッチング周波数は、通常100KHz〜150KHz程度であったところ、水平同期周波数に同期するために本発明では31.5KHz〜47.25KHz程度とすることになるため、スイッチング周波数の低周波数化に伴うコンバータトランスの大型化は発生するが、スイッチング素子のスイッチング損失は低減し、電力変換効率が向上するという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成を示す回路図である。
【図2】実施の形態の電源回路における要部の動作を示す波形図である。
【図3】実施の形態の電源回路における要部の動作を示す波形図である。
【図4】実施の形態の負荷電力と共振電圧の関係を示す説明図である。
【図5】実施の形態の負荷電力と導通角制御の関係を示す説明図である。
【図6】第2の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成を示す回路図である。
【図7】第3の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成を示す回路図である。
【図8】先行技術としてのスイッチング電源回路の構成例を示す回路図である。
【図9】先行技術に示す電源回路の要部の動作を示す波形図である。
【図10】先行技術に示す電源回路の要部の動作を示す波形図である。
【図11】先行技術に示す電源回路の負荷電力、交流入力電圧とスイッチング周波数の関係を示す波形図である。
【図12】絶縁コンバータトランスの構成を示す断面図、斜視図である。
【符号の説明】
1 制御回路、2 発振回路、3 ドライブ回路、10 スイッチング駆動部、Q1 (メイン)スイッチング素子、Q2,Q3 補助スイッチング素子、PIT 絶縁コンバータトランス、N1 一次巻線、N2 二次巻線、N3 三次巻線、Cr 一次側並列共振コンデンサ、C2 二次側並列共振コンデンサ、DO1,DO2 二次側整流ダイオード
【特許請求の範囲】
【請求項1】 陰極線管表示装置用のスイッチング電源回路において、直流入力電圧をスイッチングして出力するメインスイッチング素子を備えて形成されるスイッチング手段と、上記スイッチング手段の動作を電圧共振形とする一次側並列共振回路が形成されるようにして備えられる一次側並列共振コンデンサと、一次側と二次側とについて疎結合とされて所要の結合係数が得られるようにされ、一次側に得られる上記メインスイッチング手段の出力を二次側に伝送する絶縁コンバータトランスと、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側巻線に対して二次側並列共振コンデンサを並列に接続することで形成される二次側並列共振回路と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側巻線に得られる交番電圧を入力して半波整流動作を行うことで二次側直流出力電圧を得るように構成される直流出力電圧生成手段と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側巻線に対して並列に、クランプコンデンサと二次側補助スイッチング素子とによる直列接続回路を備えることで、二次側巻線に発生する電圧をクランプする二次側アクティブクランプ手段と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した一次側ドライブ巻線を含む回路として形成され、上記陰極線管表示装置で用いる水平同期信号の周波数に近い固定のスイッチング周波数を発生させて上記メインスイッチング素子にスイッチング動作をさせる一次側スイッチング駆動手段と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側ドライブ巻線を含む回路として形成され、上記二次側補助スイッチング素子に対してスイッチング駆動信号を印加して上記二次側補助スイッチング素子にスイッチング動作をさせる二次側スイッチング駆動手段と、上記二次側補助スイッチング素子に、上記水平同期信号に同期した信号を印加することで、上記一次側並列共振回路及び上記二次側並列共振回路の動作を水平同期周波数に同期させる同期手段と、上記二次側直流出力電圧に基づく直流制御信号を上記二次側補助スイッチング素子に印加して上記二次側補助スイッチング素子の導通角制御を実行することで上記二次側直流出力電圧を定電圧化する定電圧化手段と、を備えていることを特徴とするスイッチング電源回路。
【請求項2】 陰極線管表示装置用のスイッチング電源回路において、直流入力電圧をスイッチングして出力するメインスイッチング素子を備えて形成されるスイッチング手段と、上記スイッチング手段の動作を電圧共振形とする一次側並列共振回路が形成されるようにして備えられる一次側並列共振コンデンサと、一次側と二次側とについて疎結合とされて所要の結合係数が得られるようにされ、一次側に得られる上記メインスイッチング手段の出力を二次側に伝送する絶縁コンバータトランスと、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側巻線に対して二次側並列共振コンデンサを並列に接続することで形成される二次側並列共振回路と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側巻線に得られる交番電圧を入力して半波整流動作を行うことで二次側直流出力電圧を得るように構成される直流出力電圧生成手段と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側巻線に対して並列に、クランプコンデンサと二次側補助スイッチング素子とによる直列接続回路を備えることで、二次側巻線に発生する電圧をクランプする二次側アクティブクランプ手段と、上記陰極線管表示装置で用いる水平同期信号に同期した信号に基づいて、水平同期信号の周波数に同期したスイッチング周波数を発生させて上記メインスイッチング素子にスイッチング動作をさせる一次側スイッチング駆動手段と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側ドライブ巻線を含む回路として形成され、上記二次側補助スイッチング素子に対してスイッチング駆動信号を印加して上記二次側補助スイッチング素子にスイッチング動作をさせる二次側スイッチング駆動手段と、上記二次側直流出力電圧に基づく直流制御信号を上記二次側補助スイッチング素子に印加して上記二次側補助スイッチング素子の導通角制御を実行することで上記二次側直流出力電圧を定電圧化する定電圧化手段と、を備えていることを特徴とするスイッチング電源回路。
【請求項3】 陰極線管表示装置用のスイッチング電源回路において、直流入力電圧をスイッチングして出力するメインスイッチング素子を備えて形成されるスイッチング手段と、上記スイッチング手段の動作を電圧共振形とする一次側並列共振回路が形成されるようにして備えられる一次側並列共振コンデンサと、一次側と二次側とについて疎結合とされて所要の結合係数が得られるようにされ、一次側に得られる上記メインスイッチング手段の出力を二次側に伝送する絶縁コンバータトランスと、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側巻線に対して二次側並列共振コンデンサを並列に接続することで形成される二次側並列共振回路と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側巻線に得られる交番電圧を入力して半波整流動作を行うことで二次側直流出力電圧を得るように構成される直流出力電圧生成手段と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側巻線に対して並列に、クランプコンデンサと二次側補助スイッチング素子とによる直列接続回路を備えることで、二次側巻線に発生する電圧をクランプする二次側アクティブクランプ手段と、上記陰極線管表示装置で用いる水平同期信号の周波数に近い固定のスイッチング周波数を発生させて上記メインスイッチング素子にスイッチング動作をさせる一次側スイッチング駆動手段と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側ドライブ巻線を含む回路として形成され、上記二次側補助スイッチング素子に対してスイッチング駆動信号を印加して上記二次側補助スイッチング素子にスイッチング動作をさせる二次側スイッチング駆動手段と、上記二次側補助スイッチング素子に、上記水平同期信号に同期した信号を印加することで、上記一次側並列共振回路及び上記二次側並列共振回路の動作を水平同期周波数に同期させる同期手段と、上記二次側直流出力電圧に基づく直流制御信号を上記二次側補助スイッチング素子に印加して上記二次側補助スイッチング素子の導通角制御を実行することで上記二次側直流出力電圧を定電圧化する定電圧化手段と、上記メインスイッチング素子のオン/オフタイミングに同期した所定のオン/オフタイミングを有するようにしてスイッチングを行う一次側補助スイッチング素子を備えることで、上記一次側並列共振コンデンサの両端に発生する一次側並列共振電圧をクランプするように設けられる一次側アクティブクランプ手段と、を備えていることを特徴とするスイッチング電源回路。
【請求項1】 陰極線管表示装置用のスイッチング電源回路において、直流入力電圧をスイッチングして出力するメインスイッチング素子を備えて形成されるスイッチング手段と、上記スイッチング手段の動作を電圧共振形とする一次側並列共振回路が形成されるようにして備えられる一次側並列共振コンデンサと、一次側と二次側とについて疎結合とされて所要の結合係数が得られるようにされ、一次側に得られる上記メインスイッチング手段の出力を二次側に伝送する絶縁コンバータトランスと、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側巻線に対して二次側並列共振コンデンサを並列に接続することで形成される二次側並列共振回路と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側巻線に得られる交番電圧を入力して半波整流動作を行うことで二次側直流出力電圧を得るように構成される直流出力電圧生成手段と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側巻線に対して並列に、クランプコンデンサと二次側補助スイッチング素子とによる直列接続回路を備えることで、二次側巻線に発生する電圧をクランプする二次側アクティブクランプ手段と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した一次側ドライブ巻線を含む回路として形成され、上記陰極線管表示装置で用いる水平同期信号の周波数に近い固定のスイッチング周波数を発生させて上記メインスイッチング素子にスイッチング動作をさせる一次側スイッチング駆動手段と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側ドライブ巻線を含む回路として形成され、上記二次側補助スイッチング素子に対してスイッチング駆動信号を印加して上記二次側補助スイッチング素子にスイッチング動作をさせる二次側スイッチング駆動手段と、上記二次側補助スイッチング素子に、上記水平同期信号に同期した信号を印加することで、上記一次側並列共振回路及び上記二次側並列共振回路の動作を水平同期周波数に同期させる同期手段と、上記二次側直流出力電圧に基づく直流制御信号を上記二次側補助スイッチング素子に印加して上記二次側補助スイッチング素子の導通角制御を実行することで上記二次側直流出力電圧を定電圧化する定電圧化手段と、を備えていることを特徴とするスイッチング電源回路。
【請求項2】 陰極線管表示装置用のスイッチング電源回路において、直流入力電圧をスイッチングして出力するメインスイッチング素子を備えて形成されるスイッチング手段と、上記スイッチング手段の動作を電圧共振形とする一次側並列共振回路が形成されるようにして備えられる一次側並列共振コンデンサと、一次側と二次側とについて疎結合とされて所要の結合係数が得られるようにされ、一次側に得られる上記メインスイッチング手段の出力を二次側に伝送する絶縁コンバータトランスと、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側巻線に対して二次側並列共振コンデンサを並列に接続することで形成される二次側並列共振回路と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側巻線に得られる交番電圧を入力して半波整流動作を行うことで二次側直流出力電圧を得るように構成される直流出力電圧生成手段と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側巻線に対して並列に、クランプコンデンサと二次側補助スイッチング素子とによる直列接続回路を備えることで、二次側巻線に発生する電圧をクランプする二次側アクティブクランプ手段と、上記陰極線管表示装置で用いる水平同期信号に同期した信号に基づいて、水平同期信号の周波数に同期したスイッチング周波数を発生させて上記メインスイッチング素子にスイッチング動作をさせる一次側スイッチング駆動手段と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側ドライブ巻線を含む回路として形成され、上記二次側補助スイッチング素子に対してスイッチング駆動信号を印加して上記二次側補助スイッチング素子にスイッチング動作をさせる二次側スイッチング駆動手段と、上記二次側直流出力電圧に基づく直流制御信号を上記二次側補助スイッチング素子に印加して上記二次側補助スイッチング素子の導通角制御を実行することで上記二次側直流出力電圧を定電圧化する定電圧化手段と、を備えていることを特徴とするスイッチング電源回路。
【請求項3】 陰極線管表示装置用のスイッチング電源回路において、直流入力電圧をスイッチングして出力するメインスイッチング素子を備えて形成されるスイッチング手段と、上記スイッチング手段の動作を電圧共振形とする一次側並列共振回路が形成されるようにして備えられる一次側並列共振コンデンサと、一次側と二次側とについて疎結合とされて所要の結合係数が得られるようにされ、一次側に得られる上記メインスイッチング手段の出力を二次側に伝送する絶縁コンバータトランスと、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側巻線に対して二次側並列共振コンデンサを並列に接続することで形成される二次側並列共振回路と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側巻線に得られる交番電圧を入力して半波整流動作を行うことで二次側直流出力電圧を得るように構成される直流出力電圧生成手段と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側巻線に対して並列に、クランプコンデンサと二次側補助スイッチング素子とによる直列接続回路を備えることで、二次側巻線に発生する電圧をクランプする二次側アクティブクランプ手段と、上記陰極線管表示装置で用いる水平同期信号の周波数に近い固定のスイッチング周波数を発生させて上記メインスイッチング素子にスイッチング動作をさせる一次側スイッチング駆動手段と、上記絶縁コンバータトランスに巻装した二次側ドライブ巻線を含む回路として形成され、上記二次側補助スイッチング素子に対してスイッチング駆動信号を印加して上記二次側補助スイッチング素子にスイッチング動作をさせる二次側スイッチング駆動手段と、上記二次側補助スイッチング素子に、上記水平同期信号に同期した信号を印加することで、上記一次側並列共振回路及び上記二次側並列共振回路の動作を水平同期周波数に同期させる同期手段と、上記二次側直流出力電圧に基づく直流制御信号を上記二次側補助スイッチング素子に印加して上記二次側補助スイッチング素子の導通角制御を実行することで上記二次側直流出力電圧を定電圧化する定電圧化手段と、上記メインスイッチング素子のオン/オフタイミングに同期した所定のオン/オフタイミングを有するようにしてスイッチングを行う一次側補助スイッチング素子を備えることで、上記一次側並列共振コンデンサの両端に発生する一次側並列共振電圧をクランプするように設けられる一次側アクティブクランプ手段と、を備えていることを特徴とするスイッチング電源回路。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2002−136131(P2002−136131A)
【公開日】平成14年5月10日(2002.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−323325(P2000−323325)
【出願日】平成12年10月18日(2000.10.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成14年5月10日(2002.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成12年10月18日(2000.10.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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