説明

スイッチング電源回路

【課題】ソフトスタート時に発生するノイズを低減させることができるソフトスタート回路を備えたスイッチング電源回路を得る。
【解決手段】基準電圧VREF1を生成して出力する基準電圧発生回路11は、電源投入直後から第1の所定時間内の領域における基準電圧VREF1の傾きK1と、基準電圧VREF1が設定値になる前の第2の所定時間内の領域における基準電圧VREF1の傾きK3が、その他の中間領域における基準電圧VREF1の傾きK2よりも小さくなるように、例えばサイン(SIN)波形をなすように基準電圧VREF1を生成するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源投入時にスイッチング電源回路への突入電流を防ぐと共に、設定電圧まで立ち上がる際に発生するオーバーシュートを低減させる機能を備えた基準電圧発生回路を有するスイッチング電源回路に関する。
【背景技術】
【0002】
スイッチング電源回路において、電源投入後、出力電圧を所定の電圧まで立ち上げる際、スイッチング電源回路への突入電流を防ぐために、ソフトスタート回路を使用して、該出力電圧を定めるための基準電圧を立ち上げる方法が知られている。
図27は、スイッチング電源回路の従来例を示した図である。
図27において、誤差増幅回路242は、出力電圧Vout24を分圧抵抗回路246で分圧して生成した分圧電圧VFB24と、ソフトスタート回路241から出力される基準電圧VREF24との差電圧を増幅して誤差電圧EAo24として出力する。比較回路244は、三角波発生回路243から出力された三角波信号TW24と誤差電圧EAo24の各電圧の電圧比較を行い、PWM制御を行うためのスイッチングパルス信号Spa24を生成して、スイッチ回路245に出力する。
【0003】
なお、ソフトスタート回路241は、容量と抵抗による構成が一般的であったが、該容量のサイズが大きく、チップに内蔵する場合はチップ面積が大きくなり、該容量を外付けにした場合は端子数が増加して部品点数が増える等の問題があった。このため、このような容量を使用しないソフトスタート回路として、デジタル信号とDAコンバータを使用したものもあった(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
しかし、図28に示すように、基準電圧VREF24を緩やかな直線で立ち上げた場合、出力電圧Vout24にオーバーシュートが発生して設定電圧を超える場合があり、出力電圧Vout24が安定するまでに時間を要したり、出力電圧Vout24が供給される負荷に不具合が発生する場合があった。
そこで、このようなオーバーシュートを低減させる方法として、例えば図29に示すように、基準電圧VREF24を滑らかに変化させて、出力電圧Vout24を滑らかに変化させる方法があった。このようにすることにより、立ち上がり時に発生するオーバーシュートを低減させることができる。
【特許文献1】特開2004−23948号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、図29で示したように基準電圧VREF24を立ち上げると、コンデンサC241に図30で示すような大きな突入電流が流れる。このため、図31のスペクトラム波形でも分かるように、高調波ノイズが多くなるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、ソフトスタート時に発生するノイズを低減させることができるソフトスタート機能を備えたスイッチング電源回路を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るスイッチング電源回路は、スイッチ回路のスイッチングによって、入力端子に入力された入力電圧による充電が行われるコイルを備え、
出力端子から出力された出力電圧に比例した比例電圧と、設定された基準電圧との差電圧を増幅して得られた誤差電圧に応じて前記スイッチ回路のスイッチング制御を行うことにより、前記入力電圧を、設定した電圧に変換して前記出力端子から出力するスイッチング電源回路において、
起動時に電圧上昇速度を自動的に制御するソフトスタート機能を備え、設定された電圧値の前記基準電圧を生成して出力する基準電圧発生回路を備え、
該基準電圧発生回路は、起動時に、該起動してから第1所定時間内における前記基準電圧の電圧上昇速度と、前記基準電圧が設定値になる前の第2所定時間内における前記基準電圧の電圧上昇速度が、他の中間時間内における前記基準電圧の電圧上昇速度よりも小さくなるように前記基準電圧を生成して出力するものである。
【0008】
具体的には、前記基準電圧発生回路は、起動時に、電圧上昇波形がSIN波形をなすように前記基準電圧を上昇させるようにした。
【0009】
また、前記基準電圧発生回路は、
所定の制御信号SMODE1が入力されると、所定のクロック信号CLK1から前記基準電圧のような波形をなすように時間と共に変化するデジタルデータからなる波形データを生成して出力する波形生成回路部と、
該波形生成回路部から出力された前記波形データをDA変換して前記基準電圧を生成し出力するDA変換回路部と、
外部から所定の信号RESET1が入力されると、前記所定の制御信号SMODE1を前記波形生成回路部に出力する制御回路部と、
を備え、
前記制御回路部は、前記波形生成回路部から出力された波形データが所定のデータになると、前記所定の制御信号SMODE1の出力を停止するようにした。
【0010】
また、前記基準電圧発生回路は、
所定の制御信号SMODE1が入力されると、所定のクロック信号CLK1から前記基準電圧のような波形をなすように時間と共に変化するデジタルデータからなる波形データを生成して出力する波形生成回路部と、
複数の異なる最大出力コードが格納され、入力された信号SELMAX1に応じて選択した該最大出力コードを出力する最大出力コード格納部と、
前記波形生成回路部から出力された前記波形データに、該最大出力コード格納部から出力された最大出力コードを乗算して出力する乗算回路部と、
該乗算回路部から出力されたデータをDA変換して前記基準電圧を生成し出力するDA変換回路部と、
外部から所定の信号RESET1が入力されると、前記所定の制御信号SMODE1を前記波形生成回路部に出力し、前記最大出力コード格納部に対して、外部から入力された信号VSEL1に応じた最大出力コードを出力させる制御回路部と、
を備え、
前記制御回路部は、前記波形生成回路部から出力された波形データが所定のデータになると、前記所定の制御信号SMODE1の出力を停止するようにした。
【0011】
また、前記基準電圧発生回路は、
所定の制御信号SMODE1が入力されると、所定のクロック信号CLK1から前記基準電圧のような波形をなすように時間と共に変化するデジタルデータからなる波形データを生成して出力する波形生成回路部と、
複数の異なる最大出力コードが格納され、入力された信号SELMAX1に応じて選択した該最大出力コードを出力する最大出力コード格納部と、
複数の異なる最小出力コードが格納され、入力された信号SELMIN1に応じて選択した該最小出力コードを出力する最小出力コード格納部と、
前記最大出力コード格納部から出力された最大出力コードから、前記最小出力コード格納部から出力された最小出力コードを減算して出力する減算回路部と、
前記波形生成回路部から出力された前記波形データに、該減算回路部から出力されたデータを乗算して出力する乗算回路部と、
該乗算回路部から出力されたデータに、前記最小出力コード格納部から出力された最小出力コードを加算して出力する加算回路部と、
該加算回路部から出力されたデータをDA変換して前記基準電圧を生成し出力するDA変換回路部と、
外部から所定の信号RESET1が入力されると、前記所定の制御信号SMODE1を前記波形生成回路部に出力し、前記最大出力コード格納部及び最小出力コード回路部に対して、外部から入力された信号VSEL1に応じた最大出力コード及び最小出力コードをそれぞれ出力させる制御回路部と、
を備え、
前記制御回路部は、前記波形生成回路部から出力された波形データが所定のデータになると、前記所定の制御信号SMODE1の出力を停止するようにした。
【0012】
また、前記波形生成回路部は、
前記クロック信号CLK1を所定の複数の分周比で分周して複数の分周クロック信号を生成し出力する分周回路部と、
一定の周期で前記クロック信号CLK1のクロックパルス数をカウントし、該カウント値を示すデータを出力するカウンタ回路部と、
該カウンタ回路部から出力されたデータに応じて、前記各分周クロック信号のいずれか1つを選択するための選択信号を生成して出力する選択回路部と、
該選択回路部から出力された選択信号に応じて、前記分周回路部から出力された各分周クロック信号のいずれか1つを選択し、前記制御回路部からの所定の制御信号SMODE1が入力されると、該選択した分周クロック信号を出力する組み合わせ回路部と、
該組み合わせ回路部から出力された分周クロック信号のクロックパルス数のカウントを行い、該カウント値を示すデータを前記波形データとして出力するコードカウンタ回路部と、
を備え、
前記制御回路部は、前記コードカウンタ回路部から出力された波形データが所定のデータになると、前記所定の制御信号SMODE1の出力を停止するようにした。
【0013】
また、前記波形生成回路部は、
前記クロック信号CLK1を所定の分周比で分周して分周クロック信号として出力する分周回路部と、
前記制御回路部から前記所定の制御信号SMODE1が入力されると、該分周回路部から出力された分周クロック信号のクロックパルス数をカウントし、該カウント値を示すデータを出力するカウンタ回路部と、
該カウンタ回路部から出力されたデータを、所定の方法でデータ変換して前記波形データとして出力するデータ変換回路部と、
を備え、
前記制御回路部は、前記カウンタ回路部から出力された前記データが所定のデータになると、前記所定の制御信号SMODE1の出力を停止するようにした。
【0014】
また、前記波形生成回路部は、
前記制御回路部からの選択信号CKSEL1に応じて、第1の組み合わせの所定の複数の分周比又は第2の組み合わせの所定の複数の分周比で前記クロック信号CLK1をそれぞれ分周して複数の分周クロック信号を生成し出力する分周回路部と、
一定の周期で前記クロック信号CLK1のクロックパルス数をカウントし、該カウント値を示すデータを出力するカウンタ回路部と、
該カウンタ回路部から出力されたデータに応じて、前記各分周クロック信号のいずれか1つを選択するための選択信号を生成して出力する選択回路部と、
該選択回路部から出力された選択信号に応じて、前記分周回路部から出力された各分周クロック信号のいずれか1つを選択し、前記制御回路部から所定の制御信号SMODE1が入力されると、該選択した分周クロック信号を出力する組み合わせ回路部と、
該組み合わせ回路部から出力された前記分周クロック信号のクロックパルス数のカウントを行い、該カウント値を示すデータを前記波形データとして出力するコードカウンタ回路部と、
を備え、
前記制御回路部は、前記コードカウンタ回路部から出力された波形データが所定のデータになると、前記所定の制御信号SMODE1の出力を停止するようにした。
【0015】
前記波形生成回路部は、
前記クロック信号CLK1を、前記制御回路部から入力された信号CKSEL1に応じた分周比で分周して出力する分周回路部と、
前記制御回路部から前記所定の制御信号SMODE1が入力されると、該分周回路部から出力された分周クロック信号のクロックパルス数をカウントし、該カウント値を示すデータを出力するカウンタ回路部と、
該カウンタ回路部から出力された前記データを、所定の方法でデータ変換して前記波形データとして出力するデータ変換回路部と、
を備え、
前記制御回路部は、前記カウンタ回路部から出力された前記データが所定のデータになると、前記所定の制御信号SMODE1の出力を停止するようにした。
【0016】
具体的には、前記データ変換回路部は、所定の変換テーブルを使用して前記データ変換を行うようにした。
【発明の効果】
【0017】
本発明のスイッチング電源回路によれば、起動時に、該起動してから第1所定時間内における前記基準電圧の電圧上昇速度と、前記基準電圧が設定値になる前の第2所定時間内における前記基準電圧の電圧上昇速度が、他の中間時間内における前記基準電圧の電圧上昇速度よりも小さくなるように基準電圧を生成して出力する基準電圧発生回路を備えたことから、ソフトスタート時に発生するノイズを低減させることができると共に、滑らかな出力電圧の立ち上がりを実現することができ該出力電圧のオーバーシュートを低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、図面に示す実施の形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
第1の実施の形態.
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるスイッチング電源回路の回路例を示した図である。
図1におけるスイッチング電源回路1は、入力端子IN1に入力された入力電圧Vin1を所定の電圧に昇圧して出力電圧Vout1として出力端子OUT1から出力すると共に出力端子OUT1に接続された負荷17に出力する非同期整流方式の昇圧型スイッチングレギュレータをなしている。
【0019】
図1において、スイッチング電源回路1は、低電源電圧誤動作防止回路(以下、UVLOと呼ぶ)10と、設定された基準電圧VREF1を生成して出力する基準電圧発生回路11と、誤差増幅回路12と、所定のクロック信号CLK1と所定の三角波信号TW1をそれぞれ生成して出力する三角波発生回路13と、比較回路14とを備えている。また、スイッチング電源回路1は、入力電圧Vin1の出力制御を行うためのスイッチング動作を行うスイッチ回路15と、出力電圧Vout1を分圧して分圧電圧VFB1を生成し出力する分圧抵抗回路16と、整流ダイオードD11と、コイルL11と、平滑用のコンデンサC11とを備えている。
【0020】
入力電圧Vin1と整流ダイオードD11のアノードとの間にはコイルL11が接続され、整流ダイオードD11のアノードと接地電圧との間にスイッチ回路15が接続されている。整流ダイオードD11のカソードは出力端子OUT1に接続され、出力端子OUT1と接地電圧との間にコンデンサC11が接続されると共に負荷17が接続されている。基準電圧発生回路11は、UVLO10から出力されるリセット信号RESET1で動作制御され、三角波発生回路13から基本パルス信号をなすクロック信号CLK1が入力されている。誤差増幅回路12は、分圧電圧VFB1と基準電圧VREF1との電圧差を増幅して誤差電圧EAo1を生成して出力し、比較回路14は、誤差電圧EAo1と三角波信号TW1の電圧比較を行い、該比較結果を示すPWM制御を行うためのパルス信号Spa1を生成してスイッチ回路15に出力する。スイッチ回路15は、比較回路14から出力されたパルス信号Spa1に応じてオン/オフし、オンすると導通状態になりオフすると遮断状態になる。
【0021】
このような構成において、UVLO10によってリセットが解除されると基準電圧発生回路11は動作を開始し、基準電圧VREF1の電圧が上昇する。基準電圧VREF1が上昇すると、誤差増幅回路12からの誤差電圧EAo1が上昇し、比較回路14からのパルス信号Spa1のパルス幅が変化する。この結果、スイッチ回路15がオンする時間が長くなって、出力電圧Vout1が上昇する。このような動作をして、分圧電圧VFB1と基準電圧VREF1が等しくなるように制御され、基準電圧VREF1が設定値まで上昇して出力電圧Vout1が所定の電圧になるように制御される。
【0022】
すなわち、出力電圧Vout1が大きくなると、誤差増幅回路12からの誤差電圧EAo1が低下し、比較回路14からのパルス信号Spa1のパルス幅が変化する。この結果、スイッチ回路15がオンする時間が短くなって、出力電圧Vout1が低下するように制御される。また、出力電圧Vout1が小さくなると、誤差増幅回路12からの誤差電圧EAo1が上昇し、比較回路14からのパルス信号Spa1のパルス幅が変化する。この結果、スイッチ回路15がオンする時間が長くなって、出力電圧Vout1が上昇するように制御される。スイッチング電源回路1は、このような動作を繰り返して、出力電圧Vout1を所定の電圧で一定になるように制御する。
【0023】
図2は、図1の基準電圧発生回路11の回路構成例を示したブロック図である。
図2において、基準電圧発生回路11は、出力波形データを決める波形生成回路20と、リセット解除後の波形生成回路20の動作を制御する制御回路21と、波形生成回路20から出力された波形データを保持するラッチ回路22と、ラッチ回路22から出力されたデジタルデータをアナログ信号に変換して出力するDAコンバータ23とを備えている。なお、波形生成回路20は波形生成回路部を、ラッチ回路22及びDAコンバータ23はDA変換回路部を、制御回路21は制御回路部をそれぞれなす。
【0024】
UVLO10から出力されたリセット信号RESET1が、波形生成回路20及び制御回路21にそれぞれ入力され、三角波発生回路13からのクロック信号CLK1が波形生成回路20及び制御回路21にそれぞれ入力されており、波形生成回路20及び制御回路21はクロック信号CLK1を使用して同期制御している。制御回路21から出力された制御信号SMODE1は、波形生成回路20及びラッチ回路22にそれぞれ入力され、波形生成回路20から出力された8ビットのデジタルデータである波形データSO1[7:0]は、制御回路21及びラッチ回路22にそれぞれ入力される。ラッチ回路22から出力された8ビットのデジタルデータLO1[7:0]は、DAコンバータ23でアナログ信号の基準電圧VREF1に変換されて出力される。なお、DAコンバータ23には、DA変換するために使用される参照電圧VRT1が入力されている。
【0025】
制御回路21は、リセット信号RESET1がローレベルになると、ソフトスタート動作を開始させるために制御信号SMODE1をハイレベルにし、波形生成回路20は、波形データSO1[7:0]のデータ変化を開始する。波形生成回路20は、滑らかな波形を生成するために時間を追うごとにカウントクロックを変更することで波形データSO1[7:0]のデータを変化させる。波形生成回路20から出力された波形データSO1[7:0]が所定のデータになると、制御回路21は、制御信号SMODE1をローレベルにして波形生成回路20の動作を停止させ、ソフトスタート動作が終了する。
【0026】
また、ラッチ回路22は、制御信号SMODE1がハイレベルである間は、入力された波形データSO1[7:0]をそのままデジタルデータLO1[7:0]として出力する。また、ラッチ回路22は、制御信号SMODE1がローレベルになると、そのとき入力された波形データSO1[7:0]を保持して、デジタルデータLO1[7:0]として出力する。ラッチ回路22からのデジタルデータLO1[7:0]は、DAコンバータ23でDA変換され、基準電圧VREF1として出力される。なお、図2において、ラッチ回路22をなくして、波形生成回路20から出力された波形データSO1[7:0]を、直接DAコンバータ23に入力するようにしてもよい。この場合、波形生成回路20は、制御信号SMODE1がローレベルになると、そのとき出力した波形データSO1[7:0]を保持して出力するようにすればよい。
【0027】
図3は、図2の波形生成回路20の回路例を示した図である。
図3において、波形生成回路20は、クロック信号CLK1を1024クロックごとにカウントするカウンタ回路31と、クロック信号CLK1を1/16、1/32、1/64、1/128及び1/256に分周した各分周クロック信号S(1/16)、S(1/32)、S(1/64)、S(1/128)及びS(1/256)をそれぞれ生成して出力する分周回路32と、カウンタ回路31から出力された信号により分周回路32から出力された各分周クロック信号を選択するための選択信号S0〜S11を生成して出力するデコーダ回路33とを備えている。
【0028】
更に、波形生成回路20は、デコーダ回路33から出力された選択信号S0〜S11と、分周回路32から出力された各分周クロック信号S(1/16)、S(1/32)、S(1/64)、S(1/128)及びS(1/256)とをAND回路とOR回路によって組み合わせる組み合わせ回路34と、組み合わせ回路34から出力された信号を制御信号SMODE1がハイレベルである場合のみ出力するAND回路35と、AND回路35の出力信号のパルス数をカウントし、8ビットの波形データSO1[7:0]に変換して出力するコードカウンタ回路36とを備えている。なお、カウンタ回路31はカウンタ回路部を、分周回路32は分周回路部を、デコーダ回路33は選択回路部を、組み合わせ回路34及びAND回路35は組み合わせ回路部を、コードカウンタ回路36はコードカウンタ回路部をそれぞれなす。
【0029】
このような構成において、カウンタ回路31は1区間の時間を定めており、4ビットのデジタルデータをデコーダ回路33に出力している。また、デコーダ回路33は、カウンタ回路31からのデジタルデータを受けて、選択信号S0〜S11の12区間を示す信号を出力し、各区間のデータ変化する周期を、分周回路32から出力された各分周クロック信号S(1/16)、S(1/32)、S(1/64)、S(1/128)及びS(1/256)を、組み合わせ回路34で選択して決めている。また、組み合わせ回路34からの出力信号が、制御信号SMODE1がハイレベルである場合のみ、コードカウンタ回路36に出力されるようにAND回路35が設けられている。AND回路35の出力信号は、コードカウンタ回路36でカウントされて8ビットの波形データSO1[7:0]が生成され出力される。
【0030】
図4は、図3の各信号の波形例を示したタイミングチャートであり、図4を参照しながら図3の回路の動作をもう少し詳細に説明する。
図4の縦の点線は、1区間を示しており、該1区間はクロック信号CLK1の1024クロックに相当する。リセット信号RESET1がローレベルになるとカウンタ回路31はカウントを開始し、デコーダ回路33は、選択信号S0がハイレベルになり、カウンタ回路31が1024のクロックをカウントし終えると、選択信号S0をローレベルにして、選択信号S1をハイレベルにする。デコーダ回路33は、このような動作を選択信号S11まで繰り返して行う。また、組み合わせ回路34によって、各区間のコードカウントを行う周期が決められており、コードカウンタ回路36は、該周期でカウントアップしていく。選択信号S0がハイレベルである区間では、コードカウンタ回路36は、256クロックごとに1カウントアップし、選択信号S0がローレベルになるまでに4カウントする。
【0031】
図4には、各区間時の選択された分周クロック信号を示しており、該分周クロック信号によるコードカウンタ回路36のカウント値も示している。このように各区間の分周クロック信号を選択することで、各区間におけるコードカウンタ回路36のカウント周期を変化させ、コードカウンタ回路36から出力されるデータ波形の傾きを変えている。コードカウンタ回路36から出力された8ビットの波形データSO1[7:0]は図2のDAコンバータ23でDA変換されて図5で示すような波形をなす基準電圧VREF1を生成する。
【0032】
図4及び図5から分かるように、電源投入直後から第1所定時間内における基準電圧VREF1の傾きK1と、基準電圧VREF1が設定値になる前の第2所定時間内における基準電圧VREF1の傾きK3が、その他の中間時間における基準電圧VREF1の傾きK2よりも小さくなるように、例えばサイン(SIN)波形をなすように滑らかに上昇する基準電圧VREF1が生成される。このようにすることにより、コンデンサC11に流れる電流は図6のようになって突入電流がなくなり、図31のスペクトラム波形が図7のようになって、高調波ノイズを大幅に低減させることができる。
【0033】
また、リセット信号RESET1がハイレベルになると、カウンタ回路31とコードカウンタ回路35の各カウントデータはリセットされる。また、制御信号SMODE1がハイレベルの場合のみ、AND回路35によって、組み合わせ回路34の出力信号がコードカウンタ回路36に出力される。
なお、前記説明は一例であり、カウンタ回路31、分周回路32による分周、デコーダ回路33による区間数、組み合わせ回路34の組み合わせ、コードカウンタ回路36の出力ビット等を任意に変更して調整するようにすればよい。
【0034】
このように、本第1の実施の形態におけるスイッチング電源回路は、電源投入後の基準電圧VREF1が、図5のような波形になるようにしたことから、ソフトスタート時に発生するノイズを大幅に低減させることができる。また、容量を使用せずに電源投入後の滑らかな出力電圧の立ち上げを実現することができ、出力電圧の立ち上げ時に発生するオーバーシュートを低減させることができる。また、図2のDAコンバータ23の参照電圧VRT1を変更することにより、基準電圧VREF1の値、すなわち出力電圧Vout1の設定電圧を変更することができ、基準電圧VREF1の立ち上がり時間の調整も図3のカウンタ回路31のカウント周期を変更することによって行うことができ、他の回路へ適用する際にかかる設計時間を短縮することができる。更に、出力電圧を早く立ち上げつつ、該立ち上げ時に発生するノイズを最小限に抑えることができる。
【0035】
第2の実施の形態.
図8は、本発明の第2の実施の形態におけるスイッチング電源回路の波形生成回路の回路構成例を示したブロック図である。なお、本発明の第2の実施の形態におけるスイッチング電源回路の回路例を示した図は、図1の基準電圧発生回路11の符号を11aにする以外は図1と同じであるので省略する。また、図8では、図2と同じもの又は同様のものは同じ符号で示し、ここではその説明を省略すると共に図2との相違点のみ説明する。
図8における図2との相違点は、図2の波形生成回路20を、分周回路50、カウンタ回路51及びデータ変換回路52で構成したことにあり、これに伴って、図2の基準電圧発生回路11を基準電圧発生回路11aにし、図2の波形生成回路20を波形生成回路20aにした。
【0036】
図8において、基準電圧発生回路11aは、出力波形データを決める波形生成回路20aと、リセット解除後の波形生成回路20aの動作を制御する制御回路21と、波形生成回路20aから出力された波形データを保持するラッチ回路22と、ラッチ回路22から出力されたデジタルデータをアナログ信号に変換して出力するDAコンバータ23とを備えている。また、波形生成回路20aは、三角波発生回路13からのクロック信号CLK1を分周する分周回路50と、分周回路50から出力された分周クロック信号MCLK1のパルス数をカウントし該カウント値を示すカウントデータCT1[7:0]を出力するカウンタ回路51と、カウンタ回路51から出力されたカウントデータCT1[7:0]を所定の方法で波形データSO1[7:0]に変換して出力するデータ変換回路52とを備えている。なお、分周回路50は分周回路部を、カウンタ回路51はカウンタ回路部を、データ変換回路52はデータ変換回路部をそれぞれなす。
【0037】
UVLO10から出力されたリセット信号RESET1が、制御回路21に入力され、三角波発生回路13からのクロック信号CLK1が分周回路50及び制御回路21にそれぞれ入力されている。制御回路21から出力された制御信号SMODE1は、カウンタ回路51及びラッチ回路22にそれぞれ入力され、分周回路50から出力された分周クロック信号MCLK1はカウンタ回路51に入力される。カウンタ回路51から出力された8ビットのカウントデータCT1[7:0]はデータ変換回路52に入力され、データ変換回路52から出力された8ビットの波形データSO1[7:0]は、ラッチ回路22に入力される。
【0038】
このような構成において、カウントデータCT1[7:0]によって、出力する波形データSO1[7:0]を定めるデータ変換回路52について説明する。
データ変換回路52は、図9に示すように三角関数式によって波形データSO1[7:0]を生成する。なお、図9では、一例としてSIN波形1周期分を示している。図9(a)のSIN波形の値を随時加算していくと図9(b)に示すような波形になり、該波形を立ち上がり波形として使用する。図9(b)の横軸をアドレス、縦軸をコードとし、該アドレスは0〜100、該コードは最大8ビットになるようにしている。図10は、前記アドレスと前記コードによる波形テーブル例を示した図であるが、これは一例であり、波形テーブルのアドレス数、コードのビット数はこれに限らずそれぞれ任意に設定することができる。
【0039】
図11は、図8の各信号の例を示したタイミングチャートであり、図11を参照しながら図8の基準電圧発生回路11aの動作について説明する。
分周回路50は、三角波発生回路13から出力されたクロック信号CLK1を1/128に分周して分周クロック信号MCLK1を生成し出力する。また、UVLO10から出力されたリセット信号RESET1がローレベルになると、制御回路21から出力される制御信号SMODE1がハイレベルになり、ソフトスタート動作が開始される。ソフトスタート動作が開始されると、カウンタ回路51により、入力された分周クロック信号MCLK1のパルス数のカウントを開始し、該カウント値を示す8ビットのカウントデータCT1[7:0]を出力する。
【0040】
データ変換回路52は、図10で示した波形テーブルを使用して波形データSO1[7:0]を生成し出力する。具体的には、データ変換回路52は、カウントデータCT1[7:0]を図10のアドレスとし、該アドレスに対応するコードを8ビットの波形データSO1[7:0]として出力する。また、カウントデータCT1[7:0]のアドレスが所定のデータ、例えば100になると、制御回路21は、制御信号SMODE1をローレベルにしてソフトスタート動作が終了する。
【0041】
ソフトスタート動作が終了すると、カウンタ回路51の動作が停止し、ラッチ回路22は、制御信号SMODE1がハイレベルである間は、入力された波形データSO1[7:0]をそのままデジタルデータLO1[7:0]として出力する。また、ラッチ回路22は、制御信号SMODE1がローレベルになると、そのときに入力された波形データSO1[7:0]を保持し、デジタルデータLO1[7:0]として出力する。デジタルデータLO1[7:0]はDAコンバータ23に入力され、DAコンバータ23は、入力されたデジタルデータLO1[7:0]をDA変換して基準電圧VREF1として出力する。
なお、図8の基準電圧発生回路は一例であり、ラッチ回路22をなくして、データ変換回路52から出力された波形データSO1[7:0]を直接DAコンバータ23に入力するようにしてもよい。この場合、カウンタ回路51は、制御信号SMODE1がローレベルになると、そのとき出力したカウントデータを保持して出力するようにすればよい。
【0042】
このように、本第2の実施の形態におけるスイッチング電源回路は、前記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができると共に、分周回路50の分周比を調整することにより、基準電圧VREF1の立ち上がり時間の調整を行うことができる。
【0043】
第3の実施の形態.
図12は、本発明の第3の実施の形態におけるスイッチング電源回路の波形生成回路の回路構成例を示したブロック図である。なお、本発明の第3の実施の形態におけるスイッチング電源回路の回路例を示した図は、図1の基準電圧発生回路11の符号を11bにする以外は図1と同じであるので省略する。また、図12では、図2と同じもの又は同様のものは同じ符号で示し、ここではその説明を省略すると共に図2との相違点のみ説明する。
図12における図2との相違点は、図2の制御回路21を制御回路21bにし、乗算回路91及び最大出力コードレジスタ92を追加したことにあり、これに伴って、図2の基準電圧発生回路11を基準電圧発生回路11bにした。
【0044】
図12において、基準電圧発生回路11bは、波形生成回路20と、リセット解除後の波形生成回路20の動作を制御する制御回路21bと、乗算回路91と、最大出力コードレジスタ92と、乗算回路91から出力されたデータを保持するラッチ回路22と、DAコンバータ23とを備えている。なお、制御回路21bは制御回路部を、乗算回路91は乗算回路部を、最大出力コードレジスタ92は最大出力コード格納部をそれぞれなす。
制御回路21bは、三角波発生回路13から出力されたクロック信号CLK1とUVLO10から出力されたリセット信号RESET1に応じた制御信号SMODE1を出力し、外部から入力された信号VSEL1に応じて最大出力コードを設定するための信号SELMAX1を最大出力コードレジスタ92に出力する。
【0045】
乗算回路91は、波形生成回路20から出力された波形データSO1[7:0]と、最大出力コードレジスタ92から入力された最大出力コードMAX1[7:0]との乗算を行い、該乗算結果を示すデータの上位8ビットからなるデジタルデータMO1[15:8]を出力する。ラッチ回路22は、制御信号SMODE1がハイレベルである間は、入力されたデジタルデータMO1[15:8]をそのままデジタルデータLO1[7:0]として出力する。また、ラッチ回路22は、制御信号SMODE1がローレベルになると、そのとき入力されたデジタルデータMO1[15:8]を保持して、デジタルデータLO1[7:0]として出力する。
【0046】
このような構成において、リセット信号RESET1がローレベルになると、制御回路21bは制御信号SMODE1をハイレベルにしてソフトスタート動作を開始させ、波形生成回路20は動作を開始する。また、波形生成回路20から出力された波形データSO1[7:0]が所定のデータを示すと、制御回路21bは、制御信号SMODE1をローレベルにしてソフトスタート動作を停止させる。制御回路21bは、入力された信号VSEL1に応じた最大出力コードを設定するための信号SELMAX1を最大出力コードレジスタ92に出力する。
【0047】
例えば、制御回路21bは、信号VSEL1がローレベルのときに最大出力コードMAX1[7:0]が100を示すように、信号VSEL1がハイレベルのときに最大出力コードMAX1[7:0]が200を示すように最大出力コードレジスタ92に信号SELMAX1を出力する。図13は、信号VSEL1がローレベルのときの、波形データSO1[7:0]に対するデジタルデータMO1[15:8]及びLO1[7:0]を示しており、図14は、信号VSEL1がハイレベルのときの、波形データSO1[7:0]に対するデジタルデータMO1[15:8]及びLO1[7:0]を示している。
【0048】
ここで、図12では、図2の回路構成に乗算回路91と最大出力コードレジスタ92を設けた場合を例にして示したが、図8の回路構成に乗算回路91と最大出力コードレジスタ92を設けるようにしてもよく、このようにした場合、図12は図15のようになる。なお、図15では、図12と同じもの又は同様のものは同じ符号で示し、ここではその説明を省略すると共に図12との相違点のみ説明する。
【0049】
図15において、基準電圧発生回路11bは、波形生成回路20aと、リセット解除後の波形生成回路20aの動作を制御する制御回路21bと、乗算回路91と、最大出力コードレジスタ92と、乗算回路91から出力されたデータを保持するラッチ回路22と、ラッチ回路22から出力されたデータをアナログ信号に変換して出力するDAコンバータ23とを備えている。
制御回路21bは、三角波発生回路13から出力されたクロック信号CLK1とUVLO10から出力されたリセット信号RESET1に応じた制御信号SMODE1を出力し、外部から入力された信号VSEL1に応じて最大出力コードを設定するための信号SELMAX1を最大出力コードレジスタ92に出力する。
【0050】
乗算回路91は、波形生成回路20aから出力された波形データSO1[7:0]と、最大出力コードレジスタ92から入力された最大出力コードMAX1[7:0]との乗算を行い、該乗算結果を示すデータの上位8ビットのデータを示したデジタルデータMO1[15:8]を出力する。ラッチ回路22は、制御信号SMODE1がハイレベルである間は、入力されたデジタルデータMO1[15:8]をそのままデジタルデータLO1[7:0]として出力する。また、ラッチ回路22は、制御信号SMODE1がローレベルになると、そのとき入力されたデジタルデータMO1[15:8]を保持して、デジタルデータLO1[7:0]として出力する。
【0051】
図16は、信号VSEL1がローレベルのときの図15の各信号を示したタイミングチャートであり、図17は、信号VSEL1をハイレベルにしたときの図15の各信号を示したタイミングチャートである。
図16に示すように、乗算回路91によって、波形データSO1[7:0]に100が乗算され、その結果16ビットのデジタルデータMO1[15:0]が算出されており、デジタルデータMO1[15:0]の上位8ビットのデータを示したデジタルデータMO1[15:8]がラッチ回路22に出力される。
【0052】
ラッチ回路22は、制御信号SMODE1がハイレベルである間は、デジタルデータMO1[15:8]をそのままデジタルデータLO1[7:0]として出力する。また、ラッチ回路22は、制御信号SMODE1がローレベルになると、そのときのデジタルデータMO1[15:8]を保持し、該データをデジタルデータLO1[7:0]として出力する。デジタルデータLO1[7:0]は、DAコンバータ23でDA変換されて基準電圧VREF1として出力される。基準電圧発生回路11bは、信号VSEL1がハイレベルの場合も同様に図17で示すような動作を行う。
【0053】
なお、図12及び図15で示した回路構成は一例であり、最大出力コードレジスタ92に100と200の2通りのデータを格納するようにしたが、外部から任意に最大出力コードレジスタ92に格納されるデータの設定を行うことができるようにしてもよい。
【0054】
このように、本第3の実施の形態におけるスイッチング電源回路は、前記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができると共に、最大出力コードを設定できるようにしたことにより、基準電圧VREF1の値、すなわち出力電圧Vout1の設定値を変えることができる。
【0055】
第4の実施の形態.
図18は、本発明の第4の実施の形態におけるスイッチング電源回路の波形生成回路の回路構成例を示したブロック図である。なお、本発明の第4の実施の形態におけるスイッチング電源回路の回路例を示した図は、図1の基準電圧発生回路11の符号を11cにする以外は図1と同じであるので省略する。また、図18では、図12と同じもの又は同様のものは同じ符号で示し、ここではその説明を省略すると共に図12との相違点のみ説明する。
図18における図12との相違点は、図12の波形生成回路20を波形生成回路20cに、図12の制御回路21bを制御回路21cにそれぞれし、最小出力コードレジスタ93、減算回路94及び加算回路95を追加したことにあり、これに伴って、図12の基準電圧発生回路11bを基準電圧発生回路11cにした。
【0056】
図18において、基準電圧発生回路11cは、波形生成回路20cと、制御回路21cと、乗算回路91と、最大出力コードレジスタ92と、最小出力コードレジスタ93と、減算回路94と、加算回路95と、ラッチ回路22と、DAコンバータ23とを備えている。なお、波形生成回路20cは波形生成回路部を、制御回路21cは制御回路部を、最小出力コードレジスタ93は最小出力コード格納部を、減算回路94は減算回路部、加算回路95は加算回路部をそれぞれなす。
【0057】
制御回路21cは、三角波発生回路13から出力されたクロック信号CLK1とUVLO10から出力されたリセット信号RESET1に応じた制御信号SMODE1を波形生成回路20c及びラッチ回路22にそれぞれ出力する。また、制御回路21cは、外部から入力された信号VSEL1に応じて、最大出力コードを設定するための信号SELMAX1を最大出力コードレジスタ92に出力すると共に、最小出力コードを設定するための信号SELMIN1を最小出力コードレジスタ93に出力する。更に、制御回路21cは、外部から信号H/L1が入力されており、波形生成回路20cの動作開始、セット、リセット、カウントアップ及びカウントダウンの制御を行う。
【0058】
波形生成回路20cは、クロック信号CLK1と制御回路21cによって制御され、波形データSO1[7:0]を生成して出力する。減算回路94は、最大出力コードレジスタ92から出力された最大出力コードMAX1[7:0]から最小出力コードレジスタ93から出力された最小出力コードMIN1[7:0]を減算してデジタルデータDO1[7:0]を生成し出力する。乗算回路91は、波形生成回路20cから出力された波形データSO1[7:0]と、減算回路94から入力されたデジタルデータDO1[7:0]との乗算を行い、該乗算結果を示すデータの上位8ビットからなるデジタルデータMO1[15:8]を出力する。
【0059】
加算回路95は、乗算回路91から出力されたデジタルデータMO1[15:8]と最小出力コードレジスタ94から出力された最小出力コードMIN1[7:0]との加算を行って8ビットのデジタルデータAO1[7:0]を生成して出力する。ラッチ回路22は、制御信号SMODE1がハイレベルである間は、入力されたデジタルデータAO1[7:0]をそのままデジタルデータLO1[7:0]として出力し、制御信号SMODE1がローレベルになると、そのとき入力されたデジタルデータAO1[7:0]を保持して、デジタルデータLO1[7:0]として出力する。ラッチ回路22からのデジタルデータLO1[7:0]は、DAコンバータ23でDA変換され、基準電圧VREF1として出力される。なお、図18において、ラッチ回路22をなくして、加算回路95から出力されたデジタルデータAO1[7:0]を、直接DAコンバータ23に入力するようにしてもよい。この場合、波形生成回路20cは、制御信号SMODE1がローレベルになると、そのとき出力した波形データSO1[7:0]を保持して出力するようにすればよい。
【0060】
図19は、図18の波形生成回路20cの回路例を示した図である。
図19において、波形生成回路20cは、クロック信号CLK1を1/8、1/16、1/32、1/64、1/128、1/256、1/512及び1/1024に分周した各分周クロック信号S(1/8)、S(1/16)、S(1/32)、S(1/64)、S(1/128)、S(1/256)、S(1/512)及びS(1/1024)をそれぞれ生成して出力する分周回路101と、制御回路21cから入力された信号CKSEL1に応じて各分周クロック信号S(1/8)、S(1/16)、S(1/32)、S(1/64)、S(1/128)、S(1/256)、S(1/512)及びS(1/1024)の組み合わせの切り換えを行うセレクタ102とを備えている。
【0061】
更に、波形生成回路20cは、信号CKSEL1で選択された分周クロック信号S(1/512)又はS(1/1024)のクロックパルス数をカウントするカウンタ回路103と、カウンタ回路103から出力された信号によりセレクタ102から出力された各分周クロック信号を選択するための選択信号S0〜S11を生成して出力するデコーダ回路104と、デコーダ回路104からの各選択信号S0〜S11と、セレクタ102から出力された各分周クロック信号とをAND回路とOR回路によって組み合わせる組み合わせ回路105と、組み合わせ回路105から出力された信号を、制御信号SMODE1がハイレベルのときのみ出力するAND回路106と、AND回路106の出力信号のパルス数をカウントし8ビットの波形データSO1[7:0]に変換して出力するコードカウンタ回路107とを備えている。
【0062】
なお、分周回路101及びセレクタ102は分周回路部を、カウンタ回路103はカウンタ回路部を、デコーダ回路104は選択回路部を、組み合わせ回路105及びAND回路106は組み合わせ回路部を、コードカウンタ回路107はカードカウンタ回路部をそれぞれなす。
【0063】
このような構成において、リセット信号RESET1がハイレベルに立ち上がる立ち上がりエッジをトリガーにして、信号CKSEL1、信号RES1及びアップダウン信号UP/DNはそれぞれハイレベルになる。また、セレクタ102は、信号CKSEL1がハイレベルのとき分周クロック信号S(1/1024)を選択して出力し、信号CKSEL1がローレベルのとき分周クロック信号S(1/512)を選択して出力する。また、信号RES1がハイレベルのときコードカウンタ回路107はリセットされ、コードカウンタ回路107は、アップダウン信号UP/DN1がハイレベルのときカウントアップを行い、アップダウン信号UP/DN1がローレベルのときカウントダウンを行う。
【0064】
リセット信号RESET1がローレベルになると、制御回路21cによって制御信号SMODE1がハイレベルになりソフトスタート動作が開始され、波形生成回路21cの動作が開始される。信号CKSEL1がハイレベルになると、カウンタ回路103はクロック信号CLK1を1024クロックごとにカウントし該カウント値を示す4ビットのデジタルデータをデコーダ回路104に出力する。デコーダ回路104は、カウンタ回路103から入力されたデジタルデータに応じて、選択信号S0〜S11の12区間を示す信号を出力し、セレクタ102から出力された分周クロック信号と組み合わせ回路105によって、該各区間におけるカウント周期が決められる。
【0065】
具体的には、コードカウンタ回路107は、選択信号S0がハイレベルになると1/256の周期で、選択信号S1がハイレベルになると1/256の周期で、選択信号S2がハイレベルになると1/128の周期で、選択信号S3がハイレベルになると1/64の周期で、選択信号S4がハイレベルになると1/32の周期で、選択信号S5がハイレベルになると1/16の周期で、選択信号S6がハイレベルになると1/16の周期で、選択信号S7がハイレベルになると1/32の周期で、選択信号S8がハイレベルになると1/64の周期で、選択信号S9がハイレベルになると1/128の周期で、選択信号S10がハイレベルになると1/256の周期で、選択信号S11がハイレベルになると1/256の周期でそれぞれカウントする。
【0066】
図20は、信号VSEL1がハイレベルであるときの基準電圧発生回路11cの動作例を示した図である。
コードカウンタ回路107は、アップダウン信号UP/DN1がハイレベルになると、カウントアップ動作を行い、図20(a)に示すようなカウント値を示す8ビットの波形データSO1[7:0]を出力する。また、制御回路21cからの信号VSEL1がハイレベルになると、最大出力コードレジスタ92の最大出力コードは200に設定されると共に最小出力コードレジスタ93の最小出力コードが100に設定される。また、制御回路21cからの信号VSEL1がローレベルになると、最大出力コードレジスタ92の最大出力コードは100に設定されると共に最小出力コードレジスタ93の最小出力コードが0に設定される。ただし、ソフトスタート動作中は信号VSEL1の信号レベルに関係なく最小出力コードレジスタ93の最小出力コードは0に設定される。
【0067】
信号VSEL1がハイレベルのときは、最大出力コードMAX1[7:0]が200を示し、ソフトスタート動作中は最小出力コードMIN1[7:0]は0を示している。また、減算回路94で最大出力コードMAX1[7:0]から最小出力コードMIN1[7:0]が減算され、減算回路94から出力されたデジタルデータDO1[7:0]は200を示している。また、波形生成回路20cから出力された波形データSO1[7:0]と、減算回路94から出力された200を示すデジタルデータDO1[7:0]は乗算回路91で乗算され、図20(b)に示すような16ビットのデジタルデータMO1[15:0]が算出される。
【0068】
算出されたデジタルデータMO1[15:0]の上位8ビットのデータである図20(c)に示すようなデジタルデータMO1[15:8]が出力される。乗算回路91から出力されたデジタルデータMO1[15:8]と最小出力コードレジスタ93から出力された最小出力コードMIN1[7:0]は、加算回路95で加算され、図20(d)に示すようなデジタルデータAO1[7:0]が出力される。ラッチ回路22は、制御信号SMODE1がハイレベルである間、デジタルデータAO1[7:0]をそのままデジタルデータLO1[7:0]として出力する。制御信号SMODE1がローレベルになると、ラッチ回路22は、そのときのデジタルデータAO1[7:0]を保持し、デジタルデータLO1[7:0]として出力する。デジタルデータLO1[7:0]は、DAコンバータ23でDA変換されて基準電圧VREF1として出力される。
【0069】
また、波形生成回路20cから出力された波形データSO1[7:0]が255になると、制御回路21cは制御信号SMODE1をローレベルにして、ソフトスタート動作が終了する。ソフトスタート動作が終了すると、信号CKSEL1がローレベルになり、カウンタ回路103に入力される分周クロック信号は、セレクタ102によって分周クロック信号S(1/1024)から分周クロック信号S(1/512)に切り換えられる。また、組み合わせ回路105に入力される分周クロック信号は、セレクタ102によって切り換えられる。
【0070】
このため、コードカウンタ回路107は、選択信号S0がハイレベルになると1/128の周期で、選択信号S1がハイレベルになると1/128の周期で、選択信号S2がハイレベルになると1/64の周期で、選択信号S3がハイレベルになると1/32の周期で、選択信号S4がハイレベルになると1/16の周期で、選択信号S5がハイレベルになると1/8の周期で、選択信号S6がハイレベルになると1/8の周期で、選択信号S7がハイレベルになると1/16の周期で、選択信号S8がハイレベルになると1/32の周期で、選択信号S9がハイレベルになると1/64の周期で、選択信号S10がハイレベルになると1/128の周期で、選択信号S11がハイレベルになると1/128の周期でそれぞれカウントする。
【0071】
また、最小出力コードMIN1[7:0]は100に切り換わり、これに伴って減算回路94から出力されるデジタルデータDO1[7:0]は100になり、乗算回路91で算出されるデジタルデータMO1[15:0]は51000から25500に切り換わり、デジタルデータMO1[15:8]は200から100に切り換わる。また、加算回路95から出力されたデジタルデータAO1[7:0]は、デジタルデータMO1[15:8]の100に最小出力コードMIN1[7:0]の100が加算されて200になり、ソフトスタート動作開始後の値と同等になる。また、ラッチ回路22は、制御信号SMODE1がローレベルのとき、デジタルデータAO1[7:0]をそのまま保持して出力するため、デジタルデータLO1[7:0]の変化はない。このような動作を行って、図20(d)に示すように、ソフトスタート動作開始後、DAコンバータ23に入力されるデジタルデータLO1[7:0]は0から200まで滑らかに立ち上がる。
【0072】
次に、図21は、信号VSEL1がハイレベルで、ソフトスタート動作が終了した後に出力電圧Vout1を変更した場合の動作例を示している。
外部からの信号H/L1がハイレベルからローレベルになると、制御回路21cは、信号SET1をハイレベルに、アップダウン信号UP/DN1をローレベルに、制御信号SMODE1をハイレベルにそれぞれする。コードカウンタ回路107は、信号SET1がハイレベルになると、図21(a)に示すように、波形データSO1[7:0]を255にし、アップダウン信号UP/DN1がローレベルになると、AND回路106から入力された信号に応じてカウントダウンを開始する。コードカウンタ回路107は、波形データSO1[7:0]が0になるまでカウントダウンし、波形データSO1[7:0]が0になると、制御回路21cは制御信号SMODE1をローレベルにして動作が終了する。
【0073】
また、乗算回路91、最大出力コードレジスタ92、最小出力コードレジスタ93、減算回路94、加算回路95、ラッチ回路22及びDAコンバータ23の動作はソフトスタート動作時と同様である。このようにすることにより、図21(d)に示したデジタルデータAO1[7:0]と同じように、DAコンバータ23に入力されるデジタルデータLO1[7:0]は200から100まで滑らかに変化する。
【0074】
次に、図22は、信号VSEL1がハイレベルのときに、信号H/L1がローレベルからハイレベルに変化した場合の動作例を示している。
信号H/L1がローレベルからハイレベルになると、制御回路21cは、信号RES1、アップダウン信号UP/DN1及び制御信号SMODE1をそれぞれハイレベルにする。コードカウンタ回路107は、信号RES1がハイレベルになると、図22(a)に示すように、波形データSO1[7:0]を0にし、アップダウン信号UP/DN1がハイレベルになると、AND回路106から入力された信号に応じてカウントアップを開始する。コードカウンタ回路107は、波形データSO1[7:0]が255になるまでカウントアップし、波形データSO1[7:0]が255になると、制御回路21cは、制御信号SMODE1をローレベルにして動作が終了する。
【0075】
また、乗算回路91、最大出力コードレジスタ92、最小出力コードレジスタ93、減算回路94、加算回路95、ラッチ回路22及びDAコンバータ23の各動作はソフトスタート時と同様である。このようにすることにより、図22(d)に示したデジタルデータAO1[7:0]と同じように、DAコンバータ23に入力されるデジタルデータLO1[7:0]は100から200まで滑らかに変化する。
なお、図18及び図19で示した回路構成は一例であり、最大出力コードレジスタ92の最大出力コード、最小出力コードレジスタ93の最小出力コード及び分周回路101における分周比は任意に設定することができる。
【0076】
ここで、図18では、図12の回路構成に、最小出力コードレジスタ93、減算回路94及び加算回路95を設けた場合を例にして示したが、図15の回路構成に最小出力コードレジスタ93、減算回路94及び加算回路95を設けるようにしてもよく、このようにした場合、図18は図23のようになる。なお、図23では、図18と同じもの又は同様のものは同じ符号で示し、ここではその説明を省略すると共に図18との相違点のみ説明する。
【0077】
図23において、基準電圧発生回路11cは、波形生成回路20cと、制御回路21cと、乗算回路91と、最大出力コードレジスタ92と、最小出力コードレジスタ93と、減算回路94と、加算回路95と、ラッチ回路22と、DAコンバータ23とを備えている。また、波形生成回路20cは、クロック信号CLK1を分周する分周回路50cと、分周回路50cから出力された分周クロック信号MCLK1のパルス数をカウントし該カウント値を示すカウントデータCT1[7:0]を出力するカウンタ回路51cと、カウンタ回路51cから出力されたカウントデータCT1[7:0]を所定の方法でデータ変換して波形データSO1[7:0]を生成し出力するデータ変換回路52とを備えている。なお、分周回路50cは分周回路部を、カウンタ回路51cはカウンタ回路部をそれぞれなす。
【0078】
制御回路21cは、三角波発生回路13から出力されたクロック信号CLK1とUVLO10から出力されたリセット信号RESET1に応じた制御信号SMODE1をカウンタ回路51c及びラッチ回路22にそれぞれ出力する。また、制御回路21cは、外部から信号H/L1が入力されており、分周回路50cの分周比の制御を行うと共に、カウンタ回路51cの動作開始、セット、リセット、カウントアップ及びカウントダウンの制御を行う。分周回路50cは、制御回路21cから入力される信号CKSEL1に応じて、入力されたクロック信号CLK1を1/64又は1/128のいずれかの分周比で分周して分周クロック信号MCLK1として出力する。カウンタ回路51cは、分周回路50cから出力された分周クロック信号MCLK1のパルス数をカウントし該カウント値を示すカウントデータCT1[7:0]を出力する。データ変換回路52は、カウンタ回路51cから出力されたカウントデータCT1[7:0]をデータ変換して波形データSO1[7:0]を生成し乗算回路91に出力する。
【0079】
このような構成において、図24は、図23の基準電圧発生回路11cの動作例を示したタイミングチャートであり、図24では信号VSEL1がハイレベルのときのソフトスタート動作例を示している。
図24において、リセット信号RESET1がハイレベルに立ち上がる立ち上がりエッジをトリガーにして、信号CKSEL1、信号RES1及びアップダウン信号UP/DN1はそれぞれハイレベルになる。分周回路50cは、信号CKSEL1がハイレベルのときは1/128の分周比で分周を行い、信号CKSEL1がローレベルのときは1/64の分周比で分周を行う。また、カウンタ回路51cは、信号RES1がハイレベルになるとリセットされ、アップダウン信号UP/DN1がハイレベルになるとカウントアップを行い、アップダウン信号UP/DN1がローレベルになるとカウントダウンを行う。
【0080】
リセット信号RESET1がローレベルになると、制御回路21cは、制御信号SMODE1をハイレベルにしてソフトスタート動作を開始させ、カウンタ回路51cに対して、分周回路50cでクロック信号CLK1を1/128に分周された分周クロック信号MCLK1に応じたカウントアップ動作を開始させる。カウンタ回路51cから出力されるカウントデータCT1[7:0]は、データ変換回路52に入力され、データ変換回路52は、図8の場合と同様にして波形データSO1[7:0]を生成して乗算回路91に出力する。
カウンタ回路51cから出力されたカウントデータCT1[7:0]が100になると、制御回路21cは制御信号SMODE1及び信号CKSEL1をそれぞれローレベルにしてソフトスタート動作が終了する。信号CKSEL1がローレベルになると、分周回路50cは、クロック信号CLK1を1/64の分周比で分周して分周クロック信号MCLK1として出力する。その他の動作は図18の場合と同様であるのでその説明を省略する。
【0081】
図25は、信号VSEL1がハイレベルのときに、ソフトスタート動作が終了した後に、出力電圧Vout1の設定値を変更した際の動作例を示している。
信号H/L1がハイレベルからローレベルになると、制御回路21cは、信号SET1をハイレベルに、アップダウン信号UP/DN1をローレベルに、制御信号SMODE1をハイレベルにそれぞれする。カウンタ回路51cは、信号SET1がハイレベルになると、カウントデータCT1[7:0]を100に設定し、制御信号SMODE1がハイレベルになると、分周回路50cによってクロック信号CLK1を1/64に分周されて生成された分周クロック信号MCLK1に対するカウント動作を始め、アップダウン信号UP/DN1がローレベルになることによりカウントダウン動作を行う。
【0082】
カウンタ回路51cは、カウントデータCT1[7:0]が0になるまでカウントダウンを行い、カウントデータCT1[7:0]が0になると、制御回路21cは、制御信号SMODE1をローレベルにして出力電圧変更動作が終了する。その他の動作は、ソフトスタート動作時と同様であり、図25で示すように、DAコンバータ23に入力されるデジタルデータLO1[7:0]は200から100まで滑らかに変化する。
【0083】
次に、図26は、信号VSEL1がハイレベルのときに、信号H/L1がローレベルからハイレベルになった際の動作例を示している。
信号H/L1がローレベルからハイレベルになると、制御回路21cは、信号RES1、アップダウン信号UP/DN1及び制御信号SMODE1をそれぞれハイレベルにする。カウンタ回路51cは、信号RES1がハイレベルになると、カウントデータCT1[7:0]を0にリセットし、制御信号SMODE1がハイレベルになると、分周回路50cでクロック信号CLK1を1/64に分周して生成された分周クロック信号MCLK1に対するカウント動作を始め、アップダウン信号UP/DN1がハイレベルであることからカウントアップ動作を行う。
【0084】
カウンタ回路51cは、カウントデータCT1[7:0]が100になるまでカウントアップし、カウントデータCT1[7:0]が100になると、制御回路21cは、制御信号SMODE1をローレベルにして出力電圧変更動作が終了する。その他の動作は、ソフトスタート動作時と同様であり、図26で示すように、DAコンバータ23に入力されるデジタルデータLO1[7:0]は100から200まで滑らかに変化する。
なお、図23で示した回路構成は一例であり、最大出力コードレジスタ92の最大出力コード、最小出力コードレジスタ93の最小出力コード及び分周回路50cにおける分周比は任意に設定することができる。
【0085】
このように、本第4の実施の形態におけるスイッチング電源回路は、前記第3の実施の形態と同様の効果を得ることができると共に、出力電圧Vout1が設定値まで立ち上がった後、出力電圧Vout1の設定値を変える場合に、出力電圧立ち上げ時と同じ波形生成回路を使用することができるため、出力電圧変更時に発生するオーバーシュート及びアンダーシュートを低減させることができ、回路の削減を図ることができる。更に、最大出力コード、最小出力コード及び分周回路による分周比を自由に変更することができ、他の回路への流用を容易に行うことができる。また、出力電圧を早く変動させつつ、出力電圧変動時に発生するノイズを最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるスイッチング電源回路の回路例を示した図である。
【図2】図1の基準電圧発生回路11の回路構成例を示したブロック図である。
【図3】図2の波形生成回路20の回路例を示した図である。
【図4】図3の波形生成回路20の動作例を示したタイミングチャートである。
【図5】基準電圧VERF1の波形例を示した図である。
【図6】コンデンサC11に流れる電流の波形例を示した図である。
【図7】高調波ノイズの例を示したスペクトラム波形図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるスイッチング電源回路の波形生成回路の回路構成例を示したブロック図である。
【図9】三角関数式による基準電圧VREF1の波形生成例を示した図である。
【図10】波形テーブルの例を示した図である。
【図11】図8の基準電圧発生回路11aの動作例を示したタイミングチャートである。
【図12】本発明の第3の実施の形態におけるスイッチング電源回路の波形生成回路の回路構成例を示したブロック図である。
【図13】図12の基準電圧発生回路11bの動作例を示した図である。
【図14】図12の基準電圧発生回路11bの他の動作例を示した図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態におけるスイッチング電源回路の波形生成回路の他の回路構成例を示したブロック図である。
【図16】図15の基準電圧発生回路11bの動作例を示したタイミングチャートである。
【図17】図15の基準電圧発生回路11bの他の動作例を示したタイミングチャートである。
【図18】本発明の第4の実施の形態におけるスイッチング電源回路の波形生成回路の回路構成例を示したブロック図である。
【図19】図18の波形生成回路20cの回路例を示した図である。
【図20】図18の基準電圧発生回路11cの動作を示した図である。
【図21】図18の基準電圧発生回路11cの他の動作を示した図である。
【図22】図18の基準電圧発生回路11cの他の動作を示した図である。
【図23】本発明の第4の実施の形態におけるスイッチング電源回路の波形生成回路の他の回路構成例を示したブロック図である。
【図24】図23の基準電圧発生回路11cの動作例を示したタイミングチャートである。
【図25】図23の基準電圧発生回路11cの他の動作例を示したタイミングチャートである。
【図26】図23の基準電圧発生回路11cの他の動作例を示したタイミングチャートである。
【図27】スイッチング電源回路の従来例を示した図である。
【図28】図27の基準電圧VREF24と出力電圧Vout24の例を示した図である。
【図29】図27の基準電圧VREF24と出力電圧Vout24の他の例を示した図である。
【図30】図27のコンデンサC241に流れる突入電流の例を示した図である。
【図31】従来の高調波ノイズの例を示したスペクトラム波形図である。
【符号の説明】
【0087】
1 スイッチング電源回路
10 UVLO
11,11a,11b,11c 基準電圧発生回路
12 誤差増幅回路
13 三角波発生回路
14 比較回路
15 スイッチ回路
16 分圧抵抗回路
17 負荷
20,20a,20c 波形生成回路
21,21b,21c 制御回路
22 ラッチ回路
23 DAコンバータ
31,51,51c,103 カウンタ回路
32,50,50c,101 分周回路
33,104 デコーダ回路
34,105 組み合わせ回路
35,106 AND回路
36,107 コードカウンタ回路
52 データ変換回路
91 乗算回路
92 最大出力コードレジスタ
93 最小出力コードレジスタ
94 減算回路
95 加算回路
102 セレクタ
D11 整流ダイオード
L11 コイル
C11 コンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチ回路のスイッチングによって、入力端子に入力された入力電圧による充電が行われるコイルを備え、
出力端子から出力された出力電圧に比例した比例電圧と、設定された基準電圧との差電圧を増幅して得られた誤差電圧に応じて前記スイッチ回路のスイッチング制御を行うことにより、前記入力電圧を、設定した電圧に変換して前記出力端子から出力するスイッチング電源回路において、
起動時に電圧上昇速度を自動的に制御するソフトスタート機能を備え、設定された電圧値の前記基準電圧を生成して出力する基準電圧発生回路を備え、
該基準電圧発生回路は、起動時に、該起動してから第1所定時間内における前記基準電圧の電圧上昇速度と、前記基準電圧が設定値になる前の第2所定時間内における前記基準電圧の電圧上昇速度が、他の中間時間内における前記基準電圧の電圧上昇速度よりも小さくなるように前記基準電圧を生成して出力することを特徴とするスイッチング電源回路。
【請求項2】
前記基準電圧発生回路は、起動時に、電圧上昇波形がSIN波形をなすように前記基準電圧を上昇させることを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源回路。
【請求項3】
前記基準電圧発生回路は、
所定の制御信号SMODE1が入力されると、所定のクロック信号CLK1から前記基準電圧のような波形をなすように時間と共に変化するデジタルデータからなる波形データを生成して出力する波形生成回路部と、
該波形生成回路部から出力された前記波形データをDA変換して前記基準電圧を生成し出力するDA変換回路部と、
外部から所定の信号RESET1が入力されると、前記所定の制御信号SMODE1を前記波形生成回路部に出力する制御回路部と、
を備え、
前記制御回路部は、前記波形生成回路部から出力された波形データが所定のデータになると、前記所定の制御信号SMODE1の出力を停止することを特徴とする請求項1又は2記載のスイッチング電源回路。
【請求項4】
前記基準電圧発生回路は、
所定の制御信号SMODE1が入力されると、所定のクロック信号CLK1から前記基準電圧のような波形をなすように時間と共に変化するデジタルデータからなる波形データを生成して出力する波形生成回路部と、
複数の異なる最大出力コードが格納され、入力された信号SELMAX1に応じて選択した該最大出力コードを出力する最大出力コード格納部と、
前記波形生成回路部から出力された前記波形データに、該最大出力コード格納部から出力された最大出力コードを乗算して出力する乗算回路部と、
該乗算回路部から出力されたデータをDA変換して前記基準電圧を生成し出力するDA変換回路部と、
外部から所定の信号RESET1が入力されると、前記所定の制御信号SMODE1を前記波形生成回路部に出力し、前記最大出力コード格納部に対して、外部から入力された信号VSEL1に応じた最大出力コードを出力させる制御回路部と、
を備え、
前記制御回路部は、前記波形生成回路部から出力された波形データが所定のデータになると、前記所定の制御信号SMODE1の出力を停止することを特徴とする請求項1又は2記載のスイッチング電源回路。
【請求項5】
前記基準電圧発生回路は、
所定の制御信号SMODE1が入力されると、所定のクロック信号CLK1から前記基準電圧のような波形をなすように時間と共に変化するデジタルデータからなる波形データを生成して出力する波形生成回路部と、
複数の異なる最大出力コードが格納され、入力された信号SELMAX1に応じて選択した該最大出力コードを出力する最大出力コード格納部と、
複数の異なる最小出力コードが格納され、入力された信号SELMIN1に応じて選択した該最小出力コードを出力する最小出力コード格納部と、
前記最大出力コード格納部から出力された最大出力コードから、前記最小出力コード格納部から出力された最小出力コードを減算して出力する減算回路部と、
前記波形生成回路部から出力された前記波形データに、該減算回路部から出力されたデータを乗算して出力する乗算回路部と、
該乗算回路部から出力されたデータに、前記最小出力コード格納部から出力された最小出力コードを加算して出力する加算回路部と、
該加算回路部から出力されたデータをDA変換して前記基準電圧を生成し出力するDA変換回路部と、
外部から所定の信号RESET1が入力されると、前記所定の制御信号SMODE1を前記波形生成回路部に出力し、前記最大出力コード格納部及び最小出力コード回路部に対して、外部から入力された信号VSEL1に応じた最大出力コード及び最小出力コードをそれぞれ出力させる制御回路部と、
を備え、
前記制御回路部は、前記波形生成回路部から出力された波形データが所定のデータになると、前記所定の制御信号SMODE1の出力を停止することを特徴とする請求項1又は2記載のスイッチング電源回路。
【請求項6】
前記波形生成回路部は、
前記クロック信号CLK1を所定の複数の分周比で分周して複数の分周クロック信号を生成し出力する分周回路部と、
一定の周期で前記クロック信号CLK1のクロックパルス数をカウントし、該カウント値を示すデータを出力するカウンタ回路部と、
該カウンタ回路部から出力されたデータに応じて、前記各分周クロック信号のいずれか1つを選択するための選択信号を生成して出力する選択回路部と、
該選択回路部から出力された選択信号に応じて、前記分周回路部から出力された各分周クロック信号のいずれか1つを選択し、前記制御回路部からの所定の制御信号SMODE1が入力されると、該選択した分周クロック信号を出力する組み合わせ回路部と、
該組み合わせ回路部から出力された分周クロック信号のクロックパルス数のカウントを行い、該カウント値を示すデータを前記波形データとして出力するコードカウンタ回路部と、
を備え、
前記制御回路部は、前記コードカウンタ回路部から出力された波形データが所定のデータになると、前記所定の制御信号SMODE1の出力を停止することを特徴とする請求項3又は4記載のスイッチング電源回路。
【請求項7】
前記波形生成回路部は、
前記クロック信号CLK1を所定の分周比で分周して分周クロック信号として出力する分周回路部と、
前記制御回路部から前記所定の制御信号SMODE1が入力されると、該分周回路部から出力された分周クロック信号のクロックパルス数をカウントし、該カウント値を示すデータを出力するカウンタ回路部と、
該カウンタ回路部から出力されたデータを、所定の方法でデータ変換して前記波形データとして出力するデータ変換回路部と、
を備え、
前記制御回路部は、前記カウンタ回路部から出力された前記データが所定のデータになると、前記所定の制御信号SMODE1の出力を停止することを特徴とする請求項3又は4記載のスイッチング電源回路。
【請求項8】
前記波形生成回路部は、
前記制御回路部からの選択信号CKSEL1に応じて、第1の組み合わせの所定の複数の分周比又は第2の組み合わせの所定の複数の分周比で前記クロック信号CLK1をそれぞれ分周して複数の分周クロック信号を生成し出力する分周回路部と、
一定の周期で前記クロック信号CLK1のクロックパルス数をカウントし、該カウント値を示すデータを出力するカウンタ回路部と、
該カウンタ回路部から出力されたデータに応じて、前記各分周クロック信号のいずれか1つを選択するための選択信号を生成して出力する選択回路部と、
該選択回路部から出力された選択信号に応じて、前記分周回路部から出力された各分周クロック信号のいずれか1つを選択し、前記制御回路部から所定の制御信号SMODE1が入力されると、該選択した分周クロック信号を出力する組み合わせ回路部と、
該組み合わせ回路部から出力された前記分周クロック信号のクロックパルス数のカウントを行い、該カウント値を示すデータを前記波形データとして出力するコードカウンタ回路部と、
を備え、
前記制御回路部は、前記コードカウンタ回路部から出力された波形データが所定のデータになると、前記所定の制御信号SMODE1の出力を停止することを特徴とする請求項5記載のスイッチング電源回路。
【請求項9】
前記波形生成回路部は、
前記クロック信号CLK1を、前記制御回路部から入力された信号CKSEL1に応じた分周比で分周して出力する分周回路部と、
前記制御回路部から前記所定の制御信号SMODE1が入力されると、該分周回路部から出力された分周クロック信号のクロックパルス数をカウントし、該カウント値を示すデータを出力するカウンタ回路部と、
該カウンタ回路部から出力された前記データを、所定の方法でデータ変換して前記波形データとして出力するデータ変換回路部と、
を備え、
前記制御回路部は、前記カウンタ回路部から出力された前記データが所定のデータになると、前記所定の制御信号SMODE1の出力を停止することを特徴とする請求項5記載のスイッチング電源回路。
【請求項10】
前記データ変換回路部は、所定の変換テーブルを使用して前記データ変換を行うことを特徴とする請求項7又は9記載のスイッチング電源回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2010−28951(P2010−28951A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−185954(P2008−185954)
【出願日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】