説明

スイッチ機構

【課題】ゴム状弾性材からなる押圧部材によってスイッチを構成するフレキシブル回路基板を押圧しても、押圧を解除する際に音が発生することのないスイッチ機構を提供する。
【解決手段】一対のフレキシブル回路基板10,30を、両フレキシブル回路基板10,30に設けた接点パターン11,31を対向させて重ね合わせる。一方のフレキシブル回路基板10の接点パターン11を設けた裏面側にゴム状弾性材からなる押圧部材70を設置する。押圧部材70を押圧することで押圧部材70に設けた押圧面79によって一方のフレキシブル回路基板10の被押圧面19を押圧してその接点パターン11を接点パターン31に当接する。一方のフレキシブル回路基板10の被押圧面19に、押圧面79の貼り付きを防止する貼付防止層17を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の回路基板を重ね合わせてスイッチを構成し、このスイッチ上にゴム状弾性材からなる押圧部材を設置してなる構造のスイッチ機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、押圧式のスイッチ機構の中には、2枚のフレキシブル回路基板に設けた接点パターンを薄い隙間を介して対向させて重ね合わせることでスイッチ(いわゆるメンブレンスイッチ)を構成し、一方のフレキシブル回路基板の接点パターンを設けた裏面側に、略すり鉢を伏せた形状のゴム状弾性材からなる押圧部材を設置し、前記押圧部材をその上に設置したキートップ等によって押圧することで押圧部材に設けた押圧部によって前記一方のフレキシブル回路基板を押圧して撓め、その接点パターンを他方のフレキシブル回路基板の接点パターンに当接させることでスイッチをオンする構造のものがある(例えば特許文献1の図8参照)。
【0003】
しかしながら上記押圧部材はゴム状弾性材によって構成されていて柔軟性があるので、これを押圧してその押圧部の押圧面を平滑なフレキシブル回路基板に押し付けた際にフレキシブル回路基板の表面に軽く張り付き、前記押圧部材への押圧を解除して前記押圧面がフレキシブル回路基板の表面から離れる際に音が生じるという問題があった。
【特許文献1】特開平10−27526号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、ゴム状弾性材からなる押圧部材によってスイッチを構成するフレキシブル回路基板を押圧しても、前記押圧を解除する際に音が発生することのないスイッチ機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願請求項1に記載の発明は、少なくとも一方の回路基板がフレキシブル回路基板で構成される一対の回路基板を、両回路基板に設けた接点パターンを対向させて重ね合わせ、前記フレキシブル回路基板の接点パターンを設けた裏面側にゴム状弾性材からなる押圧部材を設置し、前記押圧部材を押圧することで押圧部材に設けた押圧面によって前記フレキシブル回路基板の被押圧面を押圧してその接点パターンを他方の回路基板の接点パターンに当接する構造のスイッチ機構において、前記フレキシブル回路基板の被押圧面又は前記押圧部材の押圧面に、両面間の貼り付きを防止する貼付防止層を設けたことを特徴とするスイッチ機構にある。
【0006】
本願請求項2に記載の発明は、前記貼付防止層は、樹脂材に固形粉を混合したペーストを塗布することで形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ機構にある。
【0007】
本願請求項3に記載の発明は、前記固形粉は導電粉であることを特徴とする請求項2に記載のスイッチ機構にある。
【0008】
本願請求項4に記載の発明は、前記フレキシブル回路基板に設けられる貼付防止層は、このフレキシブル回路基板に印刷されるペーストと同一のペーストを用いて形成されていることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載のスイッチ機構にある。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、フレキシブル回路基板の被押圧面又は押圧部材の押圧面に貼付防止層を設けたので、ゴム状弾性材からなる押圧部材によってフレキシブル回路基板を押圧しても、その押圧を解除する際に音が発生することを防止できる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、樹脂材に固形粉を混合したペーストを塗布することで貼付防止層を形成したので、容易に貼付防止層を形成することができ、またスイッチ機構の厚みが厚くなることもない。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、固形粉を導電粉としたので、このフレキシブル回路基板に形成する回路パターンに用いる導電ペーストを用いて貼付防止層を形成することができ、別途貼付防止層形成用の部材を用意する必要がなく、容易且つ低コストに貼付防止層を形成することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、フレキシブル回路基板に印刷されるペーストによって貼付防止層を形成したので、別途貼付防止層形成用の部材を用意する必要がなく、容易且つ低コストに貼付防止層を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は本発明の第1実施形態にかかるスイッチ機構1−1の分解斜視図、図2はスイッチ機構1−1の斜視図である。両図に示すようにスイッチ機構1−1は、2枚のフレキシブル回路基板10,30を、両フレキシブル回路基板10,30に設けた接点パターン11,31(接点パターン11は図3参照)を対向して重ね合わせ、一方(上側)のフレキシブル回路基板10の接点パターン11を設けた裏面側(即ち図1の上面側)にゴム状弾性材からなる押圧部材70を設置して構成されている。以下各構成部材について説明する。
【0014】
図3はフレキシブル回路基板10を下面側から見た斜視図である。同図及び図1に示すようにフレキシブル回路基板10は、可撓性を有する合成樹脂フイルム13の下面に長円形状の接点パターン11を設け、接点パターン11の外周にこれに接続して外部の回路に接続される回路パターン12を設け、さらに接点パターン11の周囲を囲む部分に接点パターン11の厚みよりも厚い厚みの絶縁材からなるスペーサ層15を設けて構成されている。即ち接点パターン11はスペーサ層15に設けた円形の開口部17内に露出している。また図1に示すように、フレキシブル回路基板10の接点パターン11を設けた面の裏面の接点パターン11に対向する面(この面は下記する押圧部材70の押圧面79によって押圧される被押圧面19である)には、円形の貼付防止層17が設けられている。
【0015】
合成樹脂フイルム13は、この実施形態ではポリエチレンテレフタレート(PET)フイルムを用いているが、熱可塑性又は熱硬化性の他の各種合成樹脂フイルム〔例えばポリフェニレンスルフイド(PPS)フイルム、ポリイミド(PI)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フイルム、ポリエーテルイミド(PEI)フイルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)フイルム、ポリエーテルケトン(PEK)フイルム、ポリカーボネート(PC)フイルム、ポリブチレンナフタレート(PBN)フイルム、ポリブチレンテレフタレート(PBT)フイルム等〕を用いてもよい。接点パターン11及び回路パターン12は、導電粉(例えば銀粉等の金属粉やカーボン粉等)と溶剤とを混合した樹脂材からなる導電ペーストをスクリーン印刷等によって印刷することで形成されている。なお接点パターン11及び回路パターン12は、銅箔をエッチングすること等、他の方法によって形成してもよい。スペーサ層15は溶剤を混合した樹脂材からなる絶縁性のペーストを印刷等によって塗布することで形成されている。スペーサ層15は露出する接点パターン11以外の各種回路パターン12等を絶縁保護する。
【0016】
貼付防止層17はこの実施形態では前記接点パターン11及び回路パターン12に用いる導電ペーストと同一の導電ペーストをスクリーン印刷等によって塗布することで形成されている。即ちこの貼付防止層17は、樹脂材に導電粉と溶剤とを混合したペーストを塗布することによって形成されている。貼付防止層17の外径寸法は、この実施形態では下記する押圧部材70の押圧部77の外径寸法よりも大きく形成している。
【0017】
フレキシブル回路基板30も、前記フレキシブル回路基板10と同様に、可撓性を有する合成樹脂フイルム33の上面に長円形状の接点パターン31を設け、接点パターン31の外周にこれに接続して外部の回路に接続される回路パターン32を設け、さらに接点パターン31の周囲を囲む部分に接点パターン31の厚みよりも厚い厚みの絶縁材からなるスペーサ層35を設けて構成されている。即ち接点パターン31はスペーサ層35に設けた円形の開口部37内に露出している。ここで合成樹脂フイルム33は前記合成樹脂フイルム13と同一のものを用い、また接点パターン31及び回路パターン32は前記接点パターン11及び回路パターン12と同一の導電ペーストをスクリーン印刷等によって塗布することで形成されており、スペーサ層35も前記スペーサ層15と同一の絶縁性のペーストを印刷等によって塗布することで形成されている。
【0018】
図4は押圧部材70を示す図であり、図4(a)は押圧部材70を下側から見た斜視図、図4(b)は押圧部材70の側断面図である。同図及び図1に示すように押圧部材70は、ゴム状弾性材を略すり鉢を伏せた形状に形成して構成されている。具体的には、リング状の基部71の上側内周辺から円錐筒状に上方向に向かって側壁部73を突出し、その先端に円柱状の押圧用基部75を設け、押圧用基部75の下面中央から柱状の押圧部77を下方向に向けて突出して構成されている。押圧部77の先端面は押圧面79となっている。なお基部71の底面には一対の空気抜き用の溝81が設けられている。押圧部材70の材質としてこの実施形態ではシリコンゴムを用いているが、ゴム状弾性を有する材料であれば、他の各種ゴム材、合成樹脂材であっても良い。
【0019】
このスイッチ機構1−1の組み立ては、フレキシブル回路基板30上にフレキシブル回路基板10を重ね合わせ、その際両フレキシブル回路基板10,30に設けた接点パターン11,31を対向させて重ね合わせてスイッチ(いわゆるメンブレンスイッチ)を構成し、次に上側のフレキシブル回路基板10の接点パターン11を設けた裏面側(即ち貼付防止層17の真上)に押圧部材70を設置することで行われる。
【0020】
そして押圧部材70の押圧用基部75をその上から押圧すれば、押圧部材70に設けた押圧面79によって一方のフレキシブル回路基板10の被押圧面19(即ち貼付防止層17)が押圧されてフレキシブル回路基板10が撓み、その接点パターン11が他方のフレキシブル回路基板30の接点パターン31に当接し、スイッチがオンする。このとき押圧部材70の側壁部73が変形することで、クリック感覚が生じる。前記押圧用基部75への押圧を解除すれば、押圧部材70の元の形状に戻ろうとする弾性復帰力により、押圧用基部75が上昇して元の位置に自動復帰し、同時にフレキシブル回路基板10の接点パターン11も元の位置に戻って接点パターン31から離れ、スイッチはオフする。
【0021】
ところで前記押圧部材70の押圧面79によってフレキシブル回路基板10の被押圧面19を押圧した際、押圧面79は被押圧面19上に形成されている貼付防止層17を押圧することになる。貼付防止層17は導電ペーストを塗布することによって形成されており、樹脂中に固形粉として金属粉が混合されているので、多数の金属粉による微細な凹凸が貼付防止層17の表面に表れており、その表面は粗く、従ってこの貼付防止層17にゴム状弾性を有する軟らかい押圧部材70の押圧面79を強く押し付けても押圧面79が貼付防止層17の表面に貼り付くことはない。従って貼付防止層17に強く押し付けられた押圧部材70の押圧面79が貼付防止層17から離れる際に、音が発生することはない。
【0022】
以上説明したようにスイッチ機構1−1は、一対のフレキシブル回路基板10,30を、両フレキシブル回路基板10,30に設けた接点パターン11,31が対向するように重ね合わせ、一方のフレキシブル回路基板10の接点パターン11を設けた裏面側にゴム状弾性材からなる押圧部材70を設置し、前記押圧部材70を押圧することで押圧部材70に設けた押圧面79によって一方のフレキシブル回路基板10の被押圧面19を押圧してその接点パターン11を他方のフレキシブル回路基板30の接点パターン31に当接する構造であって、さらに一方のフレキシブル回路基板10の被押圧面19に、被押圧面19と押圧面79間の貼り付きを防止する貼付防止層17を設けたので、ゴム状弾性材からなる軟らかい押圧部材70によってフレキシブル回路基板10を押圧しても、その押圧を解除する際に音が発生することを防止できる。特にこの実施形態では貼付防止層17として、樹脂材に導電粉を混合した導電ペーストを塗布することで形成したので、このフレキシブル回路基板10に形成する回路パターンに用いる導電ペーストと同一の導電ペーストを用いて貼付防止層17を形成することができ、別途貼付防止層17形成用の部材を用意する必要がなく、また回路パターンを形成する際に同時に貼付防止層17を形成することができ、容易且つ低コストに貼付防止層17を形成することができる。またスイッチ機構1−1の厚みが厚くなることもない。
【0023】
図5は上記スイッチ機構1−1を適用した押圧型スイッチ付回転式電子部品100を示す概略側断面図である。同図において前記スイッチ機構1−1で用いたと同一又は相当する部材には同一符号を付す。即ち押圧型スイッチ付回転式電子部品100は、金属板又は樹脂板からなる硬質板110上に、一対のフレキシブル回路基板10,30を設置し、その上に前記押圧部材70とリング状の合成樹脂板からなる回転型物120を設置し、その上部を合成樹脂製のケース130で覆い、さらにケース130の上に押釦つまみ150と回転つまみ170とを設置して構成されている。上側のフレキシブル回路基板10の中央には前記貼付防止層17が形成され、また貼付防止層17の周囲の前記回転型物120の下面に取り付けた摺動子121に対向する位置には摺接パターン(例えばスイッチパターン)21が形成されている。なおこの図では前記一対の接点パターン11,31やスペーサ層15、35の記載は省略している。ケース130の中央には筒状で前記押圧部材70や押釦つまみ150の押圧部151を収納する収納部131が設けられている。回転型物120は収納部131の外周に回動自在に軸支されている。そして押釦つまみ150の押圧部151の下面は押圧部材70の押圧用基部75の上面に当接し、また回転つまみ170の下面から突出する支持部171はケース130に設けた開口133を介して回転型物120に取り付けられている。
【0024】
押釦つまみ150を押圧すると、押圧部材70の押圧用基部75が押圧されて前述のようにスイッチがオンする。そして押釦つまみ150への押圧を解除してスイッチがオフする際、前述のように音が発生することはない。一方回転つまみ170を回転すれば、これと一体に回転型物120及び摺動子121が回転し、摺動子121が摺接パターン21上を摺動することでその電気的出力が変化する。
【0025】
〔第2実施形態〕
図6は本発明の第2実施形態にかかるスイッチ機構1−2の分解斜視図(図1に相当する斜視図)である。同図に示すスイッチ機構1−2において、前記第1実施形態にかかるスイッチ機構1−1と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図1〜図5に示す実施形態と同じである。
【0026】
同図に示すスイッチ機構1−2において前記スイッチ機構1−1と相違する点は、フレキシブル回路基板10に設ける貼付防止層17の形状のみである。即ちこの実施形態における貼付防止層17は、複数の小さなドット状の貼付防止層17を集積して設置している。このように貼付防止層17を形成すれば、この貼付防止層17に押圧部材70の押圧面79を当接した際に各貼付防止層17の間の隙間によって空気の層が生じ、これによってより効果的に押圧面79の貼り付きが防止できる。従って貼付防止層17に強く押し付けられた押圧部材70の押圧面79が貼付防止層17から離れる際に、音が発生することはない。
【0027】
〔第3実施形態〕
図7は本発明の第3実施形態にかかるスイッチ機構に用いる押圧部材70−3を示す図であり、図7(a)は押圧部材70−3を下側から見た斜視図(図4(a)に相当する斜視図)、図7(b)は押圧部材70−3の側断面図(図4(b)に相当する側断面図)である。この押圧部材70−3において、前記第1実施形態にかかる押圧部材70と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図1〜図5に示す実施形態と同じである。この押圧部材70−3において前記図4に示す押圧部材70と相違する点は、押圧部材70−3の押圧面79に貼付防止層17−3を設けた点である。この貼付防止層17−3も、前記貼付防止層17と同様に、接点パターン11及び回路パターン12に用いる導電ペーストと同一の導電ペーストを塗布することで形成されている(前記各実施形態と同様に導電ペースト以外の各種材料を用いて形成してもよい)。この実施形態では貼付防止層17−3を押圧面79の全面に形成している。
【0028】
この実施形態の場合も、図1や図6に示す一対の重ね合わせたフレキシブル回路基板10,30上にこの押圧部材70−3を設置することでスイッチ機構が構成されるが、この実施形態の場合、図1や図6に示す上側のフレキシブル回路基板10の上面に設けた貼付防止層17は不要である(設けておいてもよい)。
【0029】
このように押圧部材70−3側に貼付防止層17−3を形成してスイッチ機構を構成しても、第1,第2実施形態と同様に、ゴム状弾性材からなる軟らかい押圧部材70−3の押圧面79によってフレキシブル回路基板10を押圧して、その押圧を解除する際に音が発生することを防止できる。なお第2実施形態と同様にドット状の複数の貼付防止層17を押圧面79に形成しても良い。
【0030】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状・構造・材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば上記第1実施形態では貼付防止層17の外径寸法を押圧部材70の押圧部77の外径寸法よりも大きく形成したが、逆に小さく形成してもよい。また上記実施形態では貼付防止層17を1つ又は複数のドット状に形成した例を示したが、例えば中央に大き目の貼付防止層17を、その周囲にドット状の小さい径の貼付防止層17を複合して形成してもよい等、種々の変形が可能である。また上記実施形態では、押圧面79を平面状に形成したが、球面状等、曲面形状に形成しても本発明を適用できる。
【0031】
また上記実施形態では両回路基板10,30をフレキシブル回路基板で構成したが、一方の回路基板10のみ、即ち押圧部材70を載置する側の回路基板のみをフレキシブル回路基板10で構成し、もう一方の回路基板30を硬質基板で構成してもよい。また上記各実施形態では樹脂材に導電粉を混合したペーストを塗布することで貼付防止層17,17−3を形成したが、樹脂材に導電粉以外の絶縁材からなる固形粉を混合したペーストを塗布することで貼付防止層17,17−3を形成してもよい。さらに貼り付きが防止できるのであれば、固形粉を混合しない樹脂材のみのペースト(例えば同じフレキシブル回路基板10に用いる前記スペーサ層15等を形成するのに用いるペースト(レジストペースト等))を塗布することで貼付防止層17,17−3を形成してもよい。また貼付防止層17,17−3は、表面がざらついた(粗い)薄い合成樹脂フイルム部材を取り付けること等で形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】スイッチ機構1−1の分解斜視図である。
【図2】スイッチ機構1−1の斜視図である。
【図3】フレキシブル回路基板10を下面側から見た斜視図である。
【図4】押圧部材70を示す図であり、図4(a)は押圧部材70を下側から見た斜視図、図4(b)は押圧部材70の側断面図である。
【図5】押圧型スイッチ付回転式電子部品100を示す概略側断面図である。
【図6】スイッチ機構1−2の分解斜視図である。
【図7】押圧部材70−3を示す図であり、図7(a)は押圧部材70−3を下側から見た斜視図、図7(b)は押圧部材70−3の側断面図である。
【符号の説明】
【0033】
1−1 スイッチ機構
10 フレキシブル回路基板(回路基板)
11 接点パターン
15 スペーサ層
17 貼付防止層
19 被押圧面
30 フレキシブル回路基板(回路基板)
31 接点パターン
70 押圧部材
77 押圧部
79 押圧面
1−2 スイッチ機構
70−3 押圧部材
17−3 貼付防止層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方の回路基板がフレキシブル回路基板で構成される一対の回路基板を、両回路基板に設けた接点パターンを対向させて重ね合わせ、前記フレキシブル回路基板の接点パターンを設けた裏面側にゴム状弾性材からなる押圧部材を設置し、前記押圧部材を押圧することで押圧部材に設けた押圧面によって前記フレキシブル回路基板の被押圧面を押圧してその接点パターンを他方の回路基板の接点パターンに当接する構造のスイッチ機構において、
前記フレキシブル回路基板の被押圧面又は前記押圧部材の押圧面に、両面間の貼り付きを防止する貼付防止層を設けたことを特徴とするスイッチ機構。
【請求項2】
前記貼付防止層は、樹脂材に固形粉を混合したペーストを塗布することで形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ機構。
【請求項3】
前記固形粉は導電粉であることを特徴とする請求項2に記載のスイッチ機構。
【請求項4】
前記フレキシブル回路基板に設けられる貼付防止層は、このフレキシブル回路基板に印刷されるペーストと同一のペーストを用いて形成されていることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載のスイッチ機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−159442(P2008−159442A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−347963(P2006−347963)
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(000215833)帝国通信工業株式会社 (262)
【Fターム(参考)】