スイッチ装置
【課題】故障スイッチ機能を他のスイッチに割り当てると、本来機能に故障スイッチ機能も加わり操作が複雑となり、また、故障スイッチと関連のない別位置の他スイッチに割り当てられ、直感的操作が困難。
【解決手段】スイッチ装置は、異なる複数機能の1つの機能が割り当てられ、その1つの機能が選択されて発光表示する操作部A〜Fを複数並べている。操作されても割り当てられた機能を選択できない故障操作部を検出する故障操作部検出手段によって故障操作部を検出したとき、操作モードを、割り当てられた機能を発光表示する第1操作モードから、故障操作部以外の操作部を操作するごとに隣の操作部の機能に順次切り替えながら、切り替えられた機能を割り当てられた操作部が順次発光表示することで、故障操作部に割り当てられた機能を選択可能とする第2操作モードに変更する操作部操作モード変更手段とを備えたコントロールユニット(150)を有している。
【解決手段】スイッチ装置は、異なる複数機能の1つの機能が割り当てられ、その1つの機能が選択されて発光表示する操作部A〜Fを複数並べている。操作されても割り当てられた機能を選択できない故障操作部を検出する故障操作部検出手段によって故障操作部を検出したとき、操作モードを、割り当てられた機能を発光表示する第1操作モードから、故障操作部以外の操作部を操作するごとに隣の操作部の機能に順次切り替えながら、切り替えられた機能を割り当てられた操作部が順次発光表示することで、故障操作部に割り当てられた機能を選択可能とする第2操作モードに変更する操作部操作モード変更手段とを備えたコントロールユニット(150)を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチが故障した場合に、他のスイッチを操作することによって、その故障したスイッチの機能を選択するスイッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スイッチ装置としては、特許文献1に記載の通り、スイッチが故障した場合に、その故障したスイッチの機能を別の位置にある他のスイッチに割り当て、故障したスイッチの機能をその他のスイッチで操作して選択するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-207060
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のスイッチ装置は、故障したスイッチの機能を別の位置にある他のスイッチに割り当てた場合、故障したスイッチの機能が故障したスイッチと関連のない別の位置にある他のスイッチに割り当てられてしまうため、直感的に操作をすることが難しかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題点を解決するために、本発明のスイッチ装置は、異なる複数の機能のうちの1つの機能が割り当てられ、操作されることによってその1つの機能が選択されて発光表示するスイッチを複数並べている。そして、それらのスイッチの中で、操作されても割り当てられた機能を選択できない少なくとも1つの故障スイッチを検出する故障スイッチ検出手段と、故障スイッチ検出手段によって故障スイッチを検出したときに、スイッチの選択モードを、操作されることによって割り当てられた機能が選択されて発光表示する通常選択モードから、故障スイッチ以外のスイッチを操作するごとに、隣のスイッチの機能に順次切り替えながら選択し、切り替えられた機能を割り当てられたスイッチが順次発光表示することで、故障スイッチに割り当てられた機能を選択可能とする故障選択モードに変更するスイッチ選択モード変更手段とを備えている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、上記スイッチ装置を備え、故障スイッチの機能を故障スイッチの近くの他のスイッチを操作することで選択できるため、直感的に操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態におけるスイッチ装置を示す車両後面図。
【図2】第1の実施形態におけるスイッチ装置における図1のI−Iの断面図。
【図3】第1の実施形態におけるスイッチ装置の構成を示す制御ブロック図。
【図4】第1の実施形態におけるスイッチ装置の操作部を示す詳細図。
【図5】第1の実施形態におけるスイッチ装置の照明部点消灯パターンを示すイメージ図。
【図6】第1の実施形態におけるスイッチ装置の処理を示すフローチャート。
【図7】図6のステップS20(操作部の故障判定および操作モードの切り替え)のサブルーチンを示すフローチャート。
【図8】図6のステップS30(機能出力)のサブルーチンを示すフローチャート。
【図9】図6のステップS40(故障操作部の回復検出)のサブルーチンを示すフローチャート。
【図10】図6のステップS50(照明部点消灯パターン)のサブルーチンを示すフローチャート。
【図11】図6のステップS60(フラグの強制変更)のサブルーチンを示すフローチャート。
【図12】第2の実施形態におけるスイッチ装置を示す車両後面図。
【図13】第2の実施形態におけるスイッチ装置の構成を示す制御ブロック図。
【図14】第2の実施形態におけるスイッチ装置の処理を示すフローチャート。
【図15】図14のステップS730(機能出力)のサブルーチンを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例を図面と共に説明する。
第1の実施例におけるスイッチ装置100の構成を説明する。
【0009】
第1の実施例におけるスイッチ装置100は、図1〜5に示す通り、スイッチとしての操作部A101aおよび操作部B101b、操作部C101c、操作部D101d、操作部E101e、操作部F101fと、故障スイッチ検出手段およびスイッチ選択モード変更手段としてのコントロールユニット150および基盤部110と、コントロールユニット150からの信号に基づいて出力する出力装置A160aと出力装置B160bと出力装置C160cと出力装置D160dと出力装置E160eと出力装置F160fとで構成されている。
【0010】
操作部A101aと操作部B101bと操作部C101cと操作部D101dと操作部E101eと操作部F101fは、図示しない車体前部に組みつけられたインストルメントパネル120に並べて設けられている。また、操作部A101aは人の手で押される押動部A102aと基盤部110に接触する押動部接点A103aと自発光する照明部A104aと押動部A102aを元の位置に戻すバネ部A105aとによって構成され、以下同様に操作部B101bについては押動部B102bと押動部接点B103bと照明部B104bとバネ部B105b、操作部C101cについては押動部C102cと押動部接点C103cと照明部C104cとバネ部C105c、操作部D101dについては押動部D102dと押動部接点D103dと照明部D104dとバネ部D105d、操作部E101eについては押動部E102eと押動部接点E103eと照明部E104eとバネ部E105e、操作部F101fについては押動部F102fと押動部接点F103fと照明部F104fとバネ部F105fの構成となっている。
【0011】
また、操作部A101aと操作部B101bと操作部C101cと操作部D101dと操作部E101eと操作部F101fとは、それぞれ、異なる複数の機能のうちの1つの機能が割り当てられてこの1つの機能を選択することができる。つまり、操作部A101aには機能A、操作部B101bには機能B、操作部C101cには機能C、操作部D101dには機能D、操作部E101eには機能E、操作部F101fには機能Fがそれぞれ割り当てられ、これを選択することができる。
【0012】
操作部A101aと操作部B101bと操作部C101cと操作部D101dと操作部E101eと操作部F101fとの構成は同じであるため、操作部A101Aの構成について代表して説明し、操作部B101bと操作部C101cと操作部D101dと操作部E101eと操作部F101fの説明については操作部A101aと異なる部分のみ説明する。
【0013】
操作部A101aの押動部A102aは、その周縁に車室外側に突出させた外周突起部108aを設け、断面形状を略コ字形としている。また、押動部A102aには押動部穴A106aがあけられ、その押動部穴A106aを透明なアクリル板で覆って車室内側に光を透過できるようにしている。さらに、押動部A102aには、押動部A102aを押動することで機能Aを選択することが認識できるように、機能Aを表す表記A107aが設けられている。表記A107aは、図4に示す通り、Aと表されている。同様に、押動部B102bの表記B107bはB、押動部C102cの表記C107cはC、押動部D102dの表記D107dはD、押動部E102eの表記E107eはE、押動部F102fの表記F107fはFと表されている。
【0014】
押動部接点A103aは、押動部A102aの外周突起部108aの先端に設けられ、押動部A102aが押動されることで、基盤部110に接触する。
【0015】
基盤部110は、押動部接点A103aが接触することで、押動部A102aが押動されたことを検出する。
【0016】
照明部A104aは、押動部A102aの裏面側にある基盤部110の、押動部穴A106aに対応する位置に設けられ、押動部A102aが押動されて押動部接点A103aが基盤部110に接触したときに、発光する。その発光した光は、押動部穴A106aを覆っているアクリル板より車室内側に透過する。
【0017】
バネ部A105aは、押動部A102aの裏面側で、外周突起部108aと照明部A104aとの間で、押動部A102aの裏面と基盤部110の双方に当接して設けられている。このバネ部A105aによって、押動部A102aの押動がやめられたときに、そのバネ部A105aの反力により、押動部A102aは初期位置にもどる。
【0018】
コントロールユニット150は、操作部A101aとそれに対応する出力装置A160aと、操作部B101bとそれに対応する出力装置B160bと、操作部C101cとそれに対応する出力装置C160cと、操作部D101dとそれに対応する出力装置D160dと、操作部E101eとそれに対応する出力装置E160eと、操作部F101fとそれに対応する出力装置F160fとが接続されている。具体的には、操作部A101aの入力信号に基づき、操作部A101aに割り当てられた機能Aを出力装置A160aが出力される。同様に、操作部B101bに割り当てられた機能Bを出力装置B160bが出力され、操作部C101cに割り当てられた機能Cを出力装置C160cが出力され、操作部D101dに割り当てられた機能Dを出力装置D160dが出力され、操作部E101eに割り当てられた機能Eを出力装置E160eが出力され、操作部F101fに割り当てられた機能Fを出力装置F160fが出力される。例えば、出力装置A160aはテレビ、出力装置B160bはラジオ、出力装置C160cはナビゲーション、出力装置D160dは空調装置、出力装置E160eはパワーウィンドウ、出力装置F160fはヘッドアップディスプレイを出力し、機能A〜Fはそれぞれの出力装置の起動とする。尚、これら出力装置や機能はこれに限らない。
【0019】
次に、図6に示すフローチャートについて説明する。このフローチャートは、本実施例1の全体フローであり、本フローは、図示しないイグニッションスイッチのオンまたはオフを判定し、イグニッションスイッチがオンである場合に開始となる。
【0020】
ステップS20は、基盤部110およびコントロールユニット150により、押動部接点A103aと押動部接点B103bと押動部接点C103cと押動部接点D103dと押動部接点E103eと押動部接点F103fのいずれかがOFFからON、つまり基盤部110に接触することを検出し、ステップS30に進む。また、このステップS20は、操作部の故障判定および操作モードのフラグの切り替えを行っている。このステップS20の詳細については、図7を用いて追って説明する。
【0021】
ステップS30は、S20で選択されたフラグに対応したモードで、機能出力を行い、ステップS40に進む。このステップS30の詳細については、図8を用いて追って説明する。
【0022】
ステップS40は、基盤部110およびコントロールユニット150により、押動部接点A103aと押動部接点B103bと押動部接点C103cと押動部接点D103dと押動部接点E103eと押動部接点F103fのいずれかが故障スイッチとしての故障操作部であるときに、この故障操作部としての機能が回復したか否かを検出する。機能の回復とは、操作されたらその操作部に割り当てられた機能を選択できることを意味する。このステップS40の詳細については、図9を用いて追って説明する
ステップS50は、基盤部110およびコントロールユニット150により、操作部A101aと操作部B101bと操作部C101cと操作部D101dと操作部E101eと操作部F101fを操作するフラグBであるときに、照明部A104aと照明部B104bと照明部C104cと照明部D104dと照明部E104eと照明部F104fを用いて、故障選択モードサインとして発光制御し、ステップS60に進む。このステップS50の詳細については、図10を用いて追って説明する。
【0023】
ステップS60は、基盤部110およびコントロールユニット150により、フラグBからフラグAに変更し、ステップS70に進む。このステップS60の詳細については、図11を用いて追って説明する。
【0024】
ステップS70は、コントロールユニット150により、イグニッションスイッチがオフしたか否かを判定し、イグニッションスイッチがオフであるときには、このフローを完了させる。イグニッションスイッチがオフでないときには、ステップS20に戻る。
【0025】
ステップS20の詳細について、図7を用いて説明する。ステップS200は、押動部接点A103aと押動部接点B103bと押動部接点C103cと押動部接点D103dと押動部接点E103eと押動部接点F103fのすべてが、ONまたはOFFの状態にあるかを検出する。
【0026】
ステップS210は、押動部接点A103aと押動部接点B103bと押動部接点C103cと押動部接点D103dと押動部接点E103eと押動部接点F103fのいずれかがOFFからON、つまりいずれかの押動部が操作されて押動することによって、押動部接点が基盤部110に接触するか否かを判定し、接触するときにはステップS220に進み、接触していないときにはこの処理を終える。
【0027】
ステップS220は、押動部接点ON時間、つまりいずれかの押動部接点が基盤部110に接触している時間を検出し、ステップS230に進む。
【0028】
ステップS230は、押動部接点ON時間が所定値Aより大きいか否かを判定し、大きいときにはステップS240に進み、大きくないときにはステップS260に進む。このステップ230では、押動部接点が固着しているか否かを確認している。尚、本実施例の所定値Aは10秒と設定するが、これに限らず、適宜設定することができる。
【0029】
ステップS240は、押動部接点ON時間が所定値Aより大きいときには、その押動部接点を構成している操作部を固着した故障操作部として検出し、ステップ250に進む。故障操作部は、押動部が操作されても、その押動部を構成する操作部に割り当てられた機能を選択できない操作部である。
【0030】
ステップS250は、フラグAからフラグBに変更し、処理を終える。
ステップS260は、押動部接点A103aと押動部接点B103bと押動部接点C103cと押動部接点D103dと押動部接点E103eと押動部接点F103fのいずれかが任意に、所定時間内で所定回数以上、OFFからONになったか否かを判定する。OFFからONになったときはステップS270に進み、OFFからONになっていないときは処理を終える。尚、本実施例での所定時間は5秒、所定回数を4回とするが、これに限らず、適宜設定することができる。このステップS260では、いずれかの押動部を押動したとしても、機能が出力されず、押動部を押動し続ける状況を検出することを想定している。
【0031】
ステップS270は、イグニッションスイッチがオンしてから、一度も押動されていない操作部をONしない故障操作部として、ステップ280に進む。
ステップS280は、フラグAからフラグBに変更し、処理を終える。
【0032】
尚、ステップS210とステップS220とステップS230とステップS240とステップS260とステップ270は、操作されても割り当てられた機能を選択できない故障操作部を検出する故障スイッチ検出手段としている。
【0033】
ステップS30の詳細について、図8を用いて説明する。ステップS310は、押動部接点A103aと押動部接点B103bと押動部接点C103cと押動部接点D103dと押動部接点E103eと押動部接点F103fのいずれかがOFFからON、つまりいずれかの押動部が操作されて押動することによって、押動部接点が基盤部110に接触するか否かを判定し、接触するときにはステップS320に進み、接触していない場合にはこの処理を終える。
【0034】
ステップS320は、操作モードがフラグAであるか否かを判定し、フラグAであるときにはステップS330に進む。フラグAでないとき、つまりフラグBであるときには、ステップ350に進む。
【0035】
ステップS330は、第1操作モードであるとき、機能通常出力として、基盤部110に接触した押動部接点を構成する操作部に割り当てられた機能が選択されて出力装置より出力される。例えば、基盤部110に接触した押動部接点が押動部接点A103aであるとき、押動部接点A103aを構成する操作部A101aに割り当てられた機能Aが選択されて、この機能Aを出力装置A160aより出力する。
【0036】
ステップS340は、フラグAであるとき、基盤部110に接触した押動部接点を構成する操作部の照明部を点灯させる。例えば、基盤部110に接触した押動部接点が押動部接点A103aであるとき、押動接点A103aを構成する操作部A101aの照明部A104aを点灯させ、この処理を終える。
【0037】
ステップS350は、フラグAでないとき、つまりフラグBであるとき、機能順次切替出力として、故障操作部以外の1つの操作部の押動部が押動され、その押動部接点が基盤部110に接触するごとに、コントロールユニット150により、その押動部の隣の押動部に割り当てられた機能に順次切り替えながら選択され、その機能を出力装置によって出力する。例えば、故障操作部が操作部B101bで、操作部B101b以外の操作部A101aの押動部A102aが押動され、その押動部接点A103aが基盤部110に接触した場合に、押動部A102aの隣の押動部B102bを構成する操作部B101bに割り当てられた機能Bが選択され、その機能Bを出力装置B160bによって出力する。また、押動部A102aがもう一回押動し、押動部接点A103aが基盤部110に接触した場合には、押動部B102bの隣の押動部C102cに割り当てられた機能Cが選択され、その機能Cを出力装置C160cによって出力する。このようにして、順次、機能を切り替えて選択していくことができる。
【0038】
ステップS360は、ステップS350で選択された機能を割り当てた操作部の照明部を点消灯させ、この処理を終える。
【0039】
尚、ステップS330とステップS340は通常選択モードであり、ステップ350とステップ360は故障選択モードである。
【0040】
ステップS40の詳細について、図9を用いて説明する。ステップS400は、故障操作部が固着した故障操作部であるか否か、つまり故障操作部が固着した故障操作部であるかONしない故障操作部であるかを判定している。
【0041】
ステップS410は、図7のステップS240で固着したと判定された故障操作部の押動部接点が、ONからOFF、つまり押動部接点が基盤部110に接触し続ける固着状態が回復したか否かを判定し、回復したときにはステップS420に進み、回復していないときにはこの処理を終える。例えば、固着されたと判定された故障操作部が操作部B101bである場合、押動部接点B103bがONからOFF、つまり基盤部110に固着した状態から回復したか否かをこのステップ410で判定している。
【0042】
ステップS420は、フラグBからフラグAに変更し、この処理を終える。
【0043】
ステップS430は、図7のステップS270でONしないと判定された故障操作部の押動部接点がOFFからONしたか否か、つまりONしないと判定された故障操作部がONするようになりその機能を回復したか否かを判定し、OFFからONのときにはステップ440に進み、OFFからONしないときにはこの処理を終える。
【0044】
ステップS440は、フラグBからフラグAに変更し、この処理を終える。
【0045】
ステップS50の詳細について、図10を用いて説明する。ステップS450は、フラグAであるか否かを判定し、フラグAであるときにはこの処理を終える。フラグAでないとき、つまりフラグBであるときには、ステップS460に進む。
【0046】
ステップS460は、図5に示す通り、機能順次切替出力であることが認識できるように、照明部A104aと照明部B104bと照明部C104cと照明部D104dと照明部E104eと照明部F104fを故障選択モードサインとしての照明部点消灯パターンで点消灯させて表示する。照明部点消灯パターンは、図5に示す通り、点消灯1→点消灯2→点消灯3→点消灯4→点消灯5→点消灯6の順に照明部A104aと照明部B104bと照明部C104cと照明部D104dと照明部E104eと照明部F104fを点消灯させ、点消灯6の次は点消灯1とし、この一連の点消灯を繰り返し行う。つまり、点消灯1では照明部A104aを点灯させ、点消灯2では照明部A104aを消灯して照明部B104bを点灯させ、点消灯3では照明部B104bを消灯させて照明部C104cを点灯させ、点消灯4では照明部C104cを消灯させて照明部D104dを点灯させ、点消灯5では照明部D104dを消灯させて照明部E104eを点灯させ、点消灯6では照明部E104eを消灯させて照明部F104fを点灯させる。この照明部点消灯パターンは、本実施例では、60秒で終えるように設定されている。尚、この時間はこれに限らず適宜設定できる。
【0047】
ステップS60の詳細について、図11を用いて説明する。ステップS510は、押動部接点A103aと押動部接点B103bと押動部接点C103cと押動部接点D103dと押動部接点E103eと押動部接点F103fのいずれかがOFFからON、つまりいずれかの押動部が操作されて押動することによって、押動部接点が基盤部110に接触するか否かを判定し、接触するときにはステップS520に進み、接触していないときにはこの処理を終える。
【0048】
ステップS520は、故障操作部以外の操作部の複数の押動部接点が、同時にOFFからONになったか否かを判定し、OFFからONになったときはステップS530に進み、OFFからONになっていないときはこの処理を終える。また、同時にOFFからONとは、複数の押動部接点が同時にONしている押動部接点ON時間が5秒以上ラップしているか否かを判定している。本実施例では5秒としているが、これは適宜設定することができる。
【0049】
ステップS530は、フラグBであるか否かを判定し、フラグBであるときにはステップS540に進む。フラグBでないとき、つまりフラグAであるときにはこの処理を終える。
【0050】
ステップS540は、操作モードをフラグBからフラグAに強制的に変更し、この処理を終える。
【0051】
尚、図7のステップS250およびステップS280と、図8のステップS320と、図9のステップ420およびステップ440は、スイッチ選択モード変更手段としている。又、図11のステップ530およびステップ540は、強制的にスイッチ選択モードを変更するスイッチ選択モード強制変更手段としている。
【0052】
(実施例2)
以下、本発明の第2の実施例を図12〜図15と共に説明する。
第2の実施例におけるスイッチ装置600の構成を説明する。
【0053】
スイッチ装置600は、第1の実施例と同様な部分については説明を省略し、第1の実施例と異なる部分のみの説明を行う。
【0054】
スイッチ装置600は、図12に示す通り、スイッチとしての操作部A601aと操作部B601bと操作部C601cと操作部D601dと操作部E601eと操作部F601fとによって円を描くように配置したスイッチ群としての操作部群609と、故障スイッチ検出手段およびスイッチ選択モード変更手段としてのコントロールユニット650と、出力装置660とを構成している。
【0055】
操作部A601aと操作部B601bと操作部C601cと操作部D601dと操作部E601eと操作部F601fについては、共通の装置としての出力装置660に関連する複数の異なる機能のうちの1つの機能がそれぞれ割り当てられている。例えば、出力装置660をスピーカとし、スピーカに関連するFM1とFM2とAMとCDとMDとHDDという複数の異なる機能のうちの1つの機能をそれぞれ操作部A601aと操作部B601bと操作部C601cと操作部D601dと操作部E601eと操作部F601fとに割り当てている。つまり、操作部A601aには出力部A660aであるFM1、操作部B602bには出力部B660bであるFM2、操作部C602cには出力部C660cであるAM、操作部D602dには出力部D660dであるCD、操作部E602eには出力部E660eであるMD、操作部F602fには出力部F660fであるHDDが割り当てられており、これらを出力装置660より出力する。尚、これら複数の機能は、共通の出力装置を用いるので、各々が排他的に選択される機能である。
【0056】
次に、図14にフローチャートについて説明する。図14は実施例1の図6に対応した全体フローであり、図6に対してはステップ730のみ異なる。
【0057】
ステップS730は、S20で選択されたフラグに対応したモードで、機能出力を行い、ステップS740に進む。このステップS730の詳細については、図15を用いて追って説明する。
【0058】
ステップS730の詳細について、図15を用いて説明する。尚、第1の実施例の図8に対してステップS850とステップS860が異なり、その部分のみの説明を行う。
【0059】
ステップS850は、フラグAでないとき、つまりフラグBであるとき、機能逐次切替出力として、故障操作部以外の1つの操作部の押動部が押動され、その押動部接点がOFFからONになるごとに、コントロールユニット150により、操作部群609の中で任意に定めた順番によって、押動部に割り当てられた機能に逐次切り替えながら選択され、その機能を出力装置660によって出力する。例えば、操作部A601aから操作部F601fへ、以降操作部B601b、操作部E601eと操作部C601cと操作部D601dと対角に向かうように切り替えてもよい。
【0060】
ステップS860は、ステップS850で選択された機能を割り当てた操作部の照明部を点消灯させ、この処理を終える
次に、本発明の効果を説明する。スイッチを複数並べて設け、操作されても割り当てられた機能を選択できない故障スイッチを検出する故障スイッチ検出手段とスイッチの選択モードを通常選択モードから故障選択モードに変更するスイッチ選択モード変更手段とを設けているため、故障スイッチの機能を故障スイッチの近くの他のスイッチを操作することによって、直感的に操作することができる。
【0061】
故障選択モードのときに照明部点消灯パターンによって、スイッチの照明部を点消灯させる故障選択モードサインを表示するため、故障選択モードに変更されたことを認識することが容易である。
【0062】
故障選択モードの場合に、故障スイッチ以外の複数のスイッチを同時に押動し、強制的に故障選択モードから通常選択モードに変更することができるため、使用頻度の低いスイッチが故障スイッチであるときなど通常選択モードで使用したいときには、通常選択モードに強制的に変更することができる。
【0063】
共通の装置に関連する複数の異なる機能のうちの1つの機能が割り当てられ、操作されることによってその1つの機能が選択されて発光表示するスイッチを複数備えたスイッチ群と、故障スイッチ検出手段と操作モードを通常選択モードから故障選択モードに変更するスイッチ選択モード変更手段を設けているため、第2操作モードの場合に共通の装置と関連する機能の中で切り替えることができ、スイッチの位置を認識しやすく、機能を切り替えることによって関連のない機能が出力されることがなく、スイッチ群内で任意に機能の切り替えを設定することができる。
【符号の説明】
【0064】
スイッチ装置 100
操作部A 101a
操作部B 101b
操作部C 101c
操作部D 101d
操作部E 101e
操作部F 101f
基盤部 110
コントロールユニット 150
インストルメントパネル 120
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチが故障した場合に、他のスイッチを操作することによって、その故障したスイッチの機能を選択するスイッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スイッチ装置としては、特許文献1に記載の通り、スイッチが故障した場合に、その故障したスイッチの機能を別の位置にある他のスイッチに割り当て、故障したスイッチの機能をその他のスイッチで操作して選択するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-207060
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のスイッチ装置は、故障したスイッチの機能を別の位置にある他のスイッチに割り当てた場合、故障したスイッチの機能が故障したスイッチと関連のない別の位置にある他のスイッチに割り当てられてしまうため、直感的に操作をすることが難しかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題点を解決するために、本発明のスイッチ装置は、異なる複数の機能のうちの1つの機能が割り当てられ、操作されることによってその1つの機能が選択されて発光表示するスイッチを複数並べている。そして、それらのスイッチの中で、操作されても割り当てられた機能を選択できない少なくとも1つの故障スイッチを検出する故障スイッチ検出手段と、故障スイッチ検出手段によって故障スイッチを検出したときに、スイッチの選択モードを、操作されることによって割り当てられた機能が選択されて発光表示する通常選択モードから、故障スイッチ以外のスイッチを操作するごとに、隣のスイッチの機能に順次切り替えながら選択し、切り替えられた機能を割り当てられたスイッチが順次発光表示することで、故障スイッチに割り当てられた機能を選択可能とする故障選択モードに変更するスイッチ選択モード変更手段とを備えている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、上記スイッチ装置を備え、故障スイッチの機能を故障スイッチの近くの他のスイッチを操作することで選択できるため、直感的に操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態におけるスイッチ装置を示す車両後面図。
【図2】第1の実施形態におけるスイッチ装置における図1のI−Iの断面図。
【図3】第1の実施形態におけるスイッチ装置の構成を示す制御ブロック図。
【図4】第1の実施形態におけるスイッチ装置の操作部を示す詳細図。
【図5】第1の実施形態におけるスイッチ装置の照明部点消灯パターンを示すイメージ図。
【図6】第1の実施形態におけるスイッチ装置の処理を示すフローチャート。
【図7】図6のステップS20(操作部の故障判定および操作モードの切り替え)のサブルーチンを示すフローチャート。
【図8】図6のステップS30(機能出力)のサブルーチンを示すフローチャート。
【図9】図6のステップS40(故障操作部の回復検出)のサブルーチンを示すフローチャート。
【図10】図6のステップS50(照明部点消灯パターン)のサブルーチンを示すフローチャート。
【図11】図6のステップS60(フラグの強制変更)のサブルーチンを示すフローチャート。
【図12】第2の実施形態におけるスイッチ装置を示す車両後面図。
【図13】第2の実施形態におけるスイッチ装置の構成を示す制御ブロック図。
【図14】第2の実施形態におけるスイッチ装置の処理を示すフローチャート。
【図15】図14のステップS730(機能出力)のサブルーチンを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例を図面と共に説明する。
第1の実施例におけるスイッチ装置100の構成を説明する。
【0009】
第1の実施例におけるスイッチ装置100は、図1〜5に示す通り、スイッチとしての操作部A101aおよび操作部B101b、操作部C101c、操作部D101d、操作部E101e、操作部F101fと、故障スイッチ検出手段およびスイッチ選択モード変更手段としてのコントロールユニット150および基盤部110と、コントロールユニット150からの信号に基づいて出力する出力装置A160aと出力装置B160bと出力装置C160cと出力装置D160dと出力装置E160eと出力装置F160fとで構成されている。
【0010】
操作部A101aと操作部B101bと操作部C101cと操作部D101dと操作部E101eと操作部F101fは、図示しない車体前部に組みつけられたインストルメントパネル120に並べて設けられている。また、操作部A101aは人の手で押される押動部A102aと基盤部110に接触する押動部接点A103aと自発光する照明部A104aと押動部A102aを元の位置に戻すバネ部A105aとによって構成され、以下同様に操作部B101bについては押動部B102bと押動部接点B103bと照明部B104bとバネ部B105b、操作部C101cについては押動部C102cと押動部接点C103cと照明部C104cとバネ部C105c、操作部D101dについては押動部D102dと押動部接点D103dと照明部D104dとバネ部D105d、操作部E101eについては押動部E102eと押動部接点E103eと照明部E104eとバネ部E105e、操作部F101fについては押動部F102fと押動部接点F103fと照明部F104fとバネ部F105fの構成となっている。
【0011】
また、操作部A101aと操作部B101bと操作部C101cと操作部D101dと操作部E101eと操作部F101fとは、それぞれ、異なる複数の機能のうちの1つの機能が割り当てられてこの1つの機能を選択することができる。つまり、操作部A101aには機能A、操作部B101bには機能B、操作部C101cには機能C、操作部D101dには機能D、操作部E101eには機能E、操作部F101fには機能Fがそれぞれ割り当てられ、これを選択することができる。
【0012】
操作部A101aと操作部B101bと操作部C101cと操作部D101dと操作部E101eと操作部F101fとの構成は同じであるため、操作部A101Aの構成について代表して説明し、操作部B101bと操作部C101cと操作部D101dと操作部E101eと操作部F101fの説明については操作部A101aと異なる部分のみ説明する。
【0013】
操作部A101aの押動部A102aは、その周縁に車室外側に突出させた外周突起部108aを設け、断面形状を略コ字形としている。また、押動部A102aには押動部穴A106aがあけられ、その押動部穴A106aを透明なアクリル板で覆って車室内側に光を透過できるようにしている。さらに、押動部A102aには、押動部A102aを押動することで機能Aを選択することが認識できるように、機能Aを表す表記A107aが設けられている。表記A107aは、図4に示す通り、Aと表されている。同様に、押動部B102bの表記B107bはB、押動部C102cの表記C107cはC、押動部D102dの表記D107dはD、押動部E102eの表記E107eはE、押動部F102fの表記F107fはFと表されている。
【0014】
押動部接点A103aは、押動部A102aの外周突起部108aの先端に設けられ、押動部A102aが押動されることで、基盤部110に接触する。
【0015】
基盤部110は、押動部接点A103aが接触することで、押動部A102aが押動されたことを検出する。
【0016】
照明部A104aは、押動部A102aの裏面側にある基盤部110の、押動部穴A106aに対応する位置に設けられ、押動部A102aが押動されて押動部接点A103aが基盤部110に接触したときに、発光する。その発光した光は、押動部穴A106aを覆っているアクリル板より車室内側に透過する。
【0017】
バネ部A105aは、押動部A102aの裏面側で、外周突起部108aと照明部A104aとの間で、押動部A102aの裏面と基盤部110の双方に当接して設けられている。このバネ部A105aによって、押動部A102aの押動がやめられたときに、そのバネ部A105aの反力により、押動部A102aは初期位置にもどる。
【0018】
コントロールユニット150は、操作部A101aとそれに対応する出力装置A160aと、操作部B101bとそれに対応する出力装置B160bと、操作部C101cとそれに対応する出力装置C160cと、操作部D101dとそれに対応する出力装置D160dと、操作部E101eとそれに対応する出力装置E160eと、操作部F101fとそれに対応する出力装置F160fとが接続されている。具体的には、操作部A101aの入力信号に基づき、操作部A101aに割り当てられた機能Aを出力装置A160aが出力される。同様に、操作部B101bに割り当てられた機能Bを出力装置B160bが出力され、操作部C101cに割り当てられた機能Cを出力装置C160cが出力され、操作部D101dに割り当てられた機能Dを出力装置D160dが出力され、操作部E101eに割り当てられた機能Eを出力装置E160eが出力され、操作部F101fに割り当てられた機能Fを出力装置F160fが出力される。例えば、出力装置A160aはテレビ、出力装置B160bはラジオ、出力装置C160cはナビゲーション、出力装置D160dは空調装置、出力装置E160eはパワーウィンドウ、出力装置F160fはヘッドアップディスプレイを出力し、機能A〜Fはそれぞれの出力装置の起動とする。尚、これら出力装置や機能はこれに限らない。
【0019】
次に、図6に示すフローチャートについて説明する。このフローチャートは、本実施例1の全体フローであり、本フローは、図示しないイグニッションスイッチのオンまたはオフを判定し、イグニッションスイッチがオンである場合に開始となる。
【0020】
ステップS20は、基盤部110およびコントロールユニット150により、押動部接点A103aと押動部接点B103bと押動部接点C103cと押動部接点D103dと押動部接点E103eと押動部接点F103fのいずれかがOFFからON、つまり基盤部110に接触することを検出し、ステップS30に進む。また、このステップS20は、操作部の故障判定および操作モードのフラグの切り替えを行っている。このステップS20の詳細については、図7を用いて追って説明する。
【0021】
ステップS30は、S20で選択されたフラグに対応したモードで、機能出力を行い、ステップS40に進む。このステップS30の詳細については、図8を用いて追って説明する。
【0022】
ステップS40は、基盤部110およびコントロールユニット150により、押動部接点A103aと押動部接点B103bと押動部接点C103cと押動部接点D103dと押動部接点E103eと押動部接点F103fのいずれかが故障スイッチとしての故障操作部であるときに、この故障操作部としての機能が回復したか否かを検出する。機能の回復とは、操作されたらその操作部に割り当てられた機能を選択できることを意味する。このステップS40の詳細については、図9を用いて追って説明する
ステップS50は、基盤部110およびコントロールユニット150により、操作部A101aと操作部B101bと操作部C101cと操作部D101dと操作部E101eと操作部F101fを操作するフラグBであるときに、照明部A104aと照明部B104bと照明部C104cと照明部D104dと照明部E104eと照明部F104fを用いて、故障選択モードサインとして発光制御し、ステップS60に進む。このステップS50の詳細については、図10を用いて追って説明する。
【0023】
ステップS60は、基盤部110およびコントロールユニット150により、フラグBからフラグAに変更し、ステップS70に進む。このステップS60の詳細については、図11を用いて追って説明する。
【0024】
ステップS70は、コントロールユニット150により、イグニッションスイッチがオフしたか否かを判定し、イグニッションスイッチがオフであるときには、このフローを完了させる。イグニッションスイッチがオフでないときには、ステップS20に戻る。
【0025】
ステップS20の詳細について、図7を用いて説明する。ステップS200は、押動部接点A103aと押動部接点B103bと押動部接点C103cと押動部接点D103dと押動部接点E103eと押動部接点F103fのすべてが、ONまたはOFFの状態にあるかを検出する。
【0026】
ステップS210は、押動部接点A103aと押動部接点B103bと押動部接点C103cと押動部接点D103dと押動部接点E103eと押動部接点F103fのいずれかがOFFからON、つまりいずれかの押動部が操作されて押動することによって、押動部接点が基盤部110に接触するか否かを判定し、接触するときにはステップS220に進み、接触していないときにはこの処理を終える。
【0027】
ステップS220は、押動部接点ON時間、つまりいずれかの押動部接点が基盤部110に接触している時間を検出し、ステップS230に進む。
【0028】
ステップS230は、押動部接点ON時間が所定値Aより大きいか否かを判定し、大きいときにはステップS240に進み、大きくないときにはステップS260に進む。このステップ230では、押動部接点が固着しているか否かを確認している。尚、本実施例の所定値Aは10秒と設定するが、これに限らず、適宜設定することができる。
【0029】
ステップS240は、押動部接点ON時間が所定値Aより大きいときには、その押動部接点を構成している操作部を固着した故障操作部として検出し、ステップ250に進む。故障操作部は、押動部が操作されても、その押動部を構成する操作部に割り当てられた機能を選択できない操作部である。
【0030】
ステップS250は、フラグAからフラグBに変更し、処理を終える。
ステップS260は、押動部接点A103aと押動部接点B103bと押動部接点C103cと押動部接点D103dと押動部接点E103eと押動部接点F103fのいずれかが任意に、所定時間内で所定回数以上、OFFからONになったか否かを判定する。OFFからONになったときはステップS270に進み、OFFからONになっていないときは処理を終える。尚、本実施例での所定時間は5秒、所定回数を4回とするが、これに限らず、適宜設定することができる。このステップS260では、いずれかの押動部を押動したとしても、機能が出力されず、押動部を押動し続ける状況を検出することを想定している。
【0031】
ステップS270は、イグニッションスイッチがオンしてから、一度も押動されていない操作部をONしない故障操作部として、ステップ280に進む。
ステップS280は、フラグAからフラグBに変更し、処理を終える。
【0032】
尚、ステップS210とステップS220とステップS230とステップS240とステップS260とステップ270は、操作されても割り当てられた機能を選択できない故障操作部を検出する故障スイッチ検出手段としている。
【0033】
ステップS30の詳細について、図8を用いて説明する。ステップS310は、押動部接点A103aと押動部接点B103bと押動部接点C103cと押動部接点D103dと押動部接点E103eと押動部接点F103fのいずれかがOFFからON、つまりいずれかの押動部が操作されて押動することによって、押動部接点が基盤部110に接触するか否かを判定し、接触するときにはステップS320に進み、接触していない場合にはこの処理を終える。
【0034】
ステップS320は、操作モードがフラグAであるか否かを判定し、フラグAであるときにはステップS330に進む。フラグAでないとき、つまりフラグBであるときには、ステップ350に進む。
【0035】
ステップS330は、第1操作モードであるとき、機能通常出力として、基盤部110に接触した押動部接点を構成する操作部に割り当てられた機能が選択されて出力装置より出力される。例えば、基盤部110に接触した押動部接点が押動部接点A103aであるとき、押動部接点A103aを構成する操作部A101aに割り当てられた機能Aが選択されて、この機能Aを出力装置A160aより出力する。
【0036】
ステップS340は、フラグAであるとき、基盤部110に接触した押動部接点を構成する操作部の照明部を点灯させる。例えば、基盤部110に接触した押動部接点が押動部接点A103aであるとき、押動接点A103aを構成する操作部A101aの照明部A104aを点灯させ、この処理を終える。
【0037】
ステップS350は、フラグAでないとき、つまりフラグBであるとき、機能順次切替出力として、故障操作部以外の1つの操作部の押動部が押動され、その押動部接点が基盤部110に接触するごとに、コントロールユニット150により、その押動部の隣の押動部に割り当てられた機能に順次切り替えながら選択され、その機能を出力装置によって出力する。例えば、故障操作部が操作部B101bで、操作部B101b以外の操作部A101aの押動部A102aが押動され、その押動部接点A103aが基盤部110に接触した場合に、押動部A102aの隣の押動部B102bを構成する操作部B101bに割り当てられた機能Bが選択され、その機能Bを出力装置B160bによって出力する。また、押動部A102aがもう一回押動し、押動部接点A103aが基盤部110に接触した場合には、押動部B102bの隣の押動部C102cに割り当てられた機能Cが選択され、その機能Cを出力装置C160cによって出力する。このようにして、順次、機能を切り替えて選択していくことができる。
【0038】
ステップS360は、ステップS350で選択された機能を割り当てた操作部の照明部を点消灯させ、この処理を終える。
【0039】
尚、ステップS330とステップS340は通常選択モードであり、ステップ350とステップ360は故障選択モードである。
【0040】
ステップS40の詳細について、図9を用いて説明する。ステップS400は、故障操作部が固着した故障操作部であるか否か、つまり故障操作部が固着した故障操作部であるかONしない故障操作部であるかを判定している。
【0041】
ステップS410は、図7のステップS240で固着したと判定された故障操作部の押動部接点が、ONからOFF、つまり押動部接点が基盤部110に接触し続ける固着状態が回復したか否かを判定し、回復したときにはステップS420に進み、回復していないときにはこの処理を終える。例えば、固着されたと判定された故障操作部が操作部B101bである場合、押動部接点B103bがONからOFF、つまり基盤部110に固着した状態から回復したか否かをこのステップ410で判定している。
【0042】
ステップS420は、フラグBからフラグAに変更し、この処理を終える。
【0043】
ステップS430は、図7のステップS270でONしないと判定された故障操作部の押動部接点がOFFからONしたか否か、つまりONしないと判定された故障操作部がONするようになりその機能を回復したか否かを判定し、OFFからONのときにはステップ440に進み、OFFからONしないときにはこの処理を終える。
【0044】
ステップS440は、フラグBからフラグAに変更し、この処理を終える。
【0045】
ステップS50の詳細について、図10を用いて説明する。ステップS450は、フラグAであるか否かを判定し、フラグAであるときにはこの処理を終える。フラグAでないとき、つまりフラグBであるときには、ステップS460に進む。
【0046】
ステップS460は、図5に示す通り、機能順次切替出力であることが認識できるように、照明部A104aと照明部B104bと照明部C104cと照明部D104dと照明部E104eと照明部F104fを故障選択モードサインとしての照明部点消灯パターンで点消灯させて表示する。照明部点消灯パターンは、図5に示す通り、点消灯1→点消灯2→点消灯3→点消灯4→点消灯5→点消灯6の順に照明部A104aと照明部B104bと照明部C104cと照明部D104dと照明部E104eと照明部F104fを点消灯させ、点消灯6の次は点消灯1とし、この一連の点消灯を繰り返し行う。つまり、点消灯1では照明部A104aを点灯させ、点消灯2では照明部A104aを消灯して照明部B104bを点灯させ、点消灯3では照明部B104bを消灯させて照明部C104cを点灯させ、点消灯4では照明部C104cを消灯させて照明部D104dを点灯させ、点消灯5では照明部D104dを消灯させて照明部E104eを点灯させ、点消灯6では照明部E104eを消灯させて照明部F104fを点灯させる。この照明部点消灯パターンは、本実施例では、60秒で終えるように設定されている。尚、この時間はこれに限らず適宜設定できる。
【0047】
ステップS60の詳細について、図11を用いて説明する。ステップS510は、押動部接点A103aと押動部接点B103bと押動部接点C103cと押動部接点D103dと押動部接点E103eと押動部接点F103fのいずれかがOFFからON、つまりいずれかの押動部が操作されて押動することによって、押動部接点が基盤部110に接触するか否かを判定し、接触するときにはステップS520に進み、接触していないときにはこの処理を終える。
【0048】
ステップS520は、故障操作部以外の操作部の複数の押動部接点が、同時にOFFからONになったか否かを判定し、OFFからONになったときはステップS530に進み、OFFからONになっていないときはこの処理を終える。また、同時にOFFからONとは、複数の押動部接点が同時にONしている押動部接点ON時間が5秒以上ラップしているか否かを判定している。本実施例では5秒としているが、これは適宜設定することができる。
【0049】
ステップS530は、フラグBであるか否かを判定し、フラグBであるときにはステップS540に進む。フラグBでないとき、つまりフラグAであるときにはこの処理を終える。
【0050】
ステップS540は、操作モードをフラグBからフラグAに強制的に変更し、この処理を終える。
【0051】
尚、図7のステップS250およびステップS280と、図8のステップS320と、図9のステップ420およびステップ440は、スイッチ選択モード変更手段としている。又、図11のステップ530およびステップ540は、強制的にスイッチ選択モードを変更するスイッチ選択モード強制変更手段としている。
【0052】
(実施例2)
以下、本発明の第2の実施例を図12〜図15と共に説明する。
第2の実施例におけるスイッチ装置600の構成を説明する。
【0053】
スイッチ装置600は、第1の実施例と同様な部分については説明を省略し、第1の実施例と異なる部分のみの説明を行う。
【0054】
スイッチ装置600は、図12に示す通り、スイッチとしての操作部A601aと操作部B601bと操作部C601cと操作部D601dと操作部E601eと操作部F601fとによって円を描くように配置したスイッチ群としての操作部群609と、故障スイッチ検出手段およびスイッチ選択モード変更手段としてのコントロールユニット650と、出力装置660とを構成している。
【0055】
操作部A601aと操作部B601bと操作部C601cと操作部D601dと操作部E601eと操作部F601fについては、共通の装置としての出力装置660に関連する複数の異なる機能のうちの1つの機能がそれぞれ割り当てられている。例えば、出力装置660をスピーカとし、スピーカに関連するFM1とFM2とAMとCDとMDとHDDという複数の異なる機能のうちの1つの機能をそれぞれ操作部A601aと操作部B601bと操作部C601cと操作部D601dと操作部E601eと操作部F601fとに割り当てている。つまり、操作部A601aには出力部A660aであるFM1、操作部B602bには出力部B660bであるFM2、操作部C602cには出力部C660cであるAM、操作部D602dには出力部D660dであるCD、操作部E602eには出力部E660eであるMD、操作部F602fには出力部F660fであるHDDが割り当てられており、これらを出力装置660より出力する。尚、これら複数の機能は、共通の出力装置を用いるので、各々が排他的に選択される機能である。
【0056】
次に、図14にフローチャートについて説明する。図14は実施例1の図6に対応した全体フローであり、図6に対してはステップ730のみ異なる。
【0057】
ステップS730は、S20で選択されたフラグに対応したモードで、機能出力を行い、ステップS740に進む。このステップS730の詳細については、図15を用いて追って説明する。
【0058】
ステップS730の詳細について、図15を用いて説明する。尚、第1の実施例の図8に対してステップS850とステップS860が異なり、その部分のみの説明を行う。
【0059】
ステップS850は、フラグAでないとき、つまりフラグBであるとき、機能逐次切替出力として、故障操作部以外の1つの操作部の押動部が押動され、その押動部接点がOFFからONになるごとに、コントロールユニット150により、操作部群609の中で任意に定めた順番によって、押動部に割り当てられた機能に逐次切り替えながら選択され、その機能を出力装置660によって出力する。例えば、操作部A601aから操作部F601fへ、以降操作部B601b、操作部E601eと操作部C601cと操作部D601dと対角に向かうように切り替えてもよい。
【0060】
ステップS860は、ステップS850で選択された機能を割り当てた操作部の照明部を点消灯させ、この処理を終える
次に、本発明の効果を説明する。スイッチを複数並べて設け、操作されても割り当てられた機能を選択できない故障スイッチを検出する故障スイッチ検出手段とスイッチの選択モードを通常選択モードから故障選択モードに変更するスイッチ選択モード変更手段とを設けているため、故障スイッチの機能を故障スイッチの近くの他のスイッチを操作することによって、直感的に操作することができる。
【0061】
故障選択モードのときに照明部点消灯パターンによって、スイッチの照明部を点消灯させる故障選択モードサインを表示するため、故障選択モードに変更されたことを認識することが容易である。
【0062】
故障選択モードの場合に、故障スイッチ以外の複数のスイッチを同時に押動し、強制的に故障選択モードから通常選択モードに変更することができるため、使用頻度の低いスイッチが故障スイッチであるときなど通常選択モードで使用したいときには、通常選択モードに強制的に変更することができる。
【0063】
共通の装置に関連する複数の異なる機能のうちの1つの機能が割り当てられ、操作されることによってその1つの機能が選択されて発光表示するスイッチを複数備えたスイッチ群と、故障スイッチ検出手段と操作モードを通常選択モードから故障選択モードに変更するスイッチ選択モード変更手段を設けているため、第2操作モードの場合に共通の装置と関連する機能の中で切り替えることができ、スイッチの位置を認識しやすく、機能を切り替えることによって関連のない機能が出力されることがなく、スイッチ群内で任意に機能の切り替えを設定することができる。
【符号の説明】
【0064】
スイッチ装置 100
操作部A 101a
操作部B 101b
操作部C 101c
操作部D 101d
操作部E 101e
操作部F 101f
基盤部 110
コントロールユニット 150
インストルメントパネル 120
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる複数の機能のうちの1つの機能が割り当てられ、操作されることによってその1つの機能が選択されて発光表示するスイッチを複数並べて設け、
前記スイッチの中で、操作されても割り当てられた機能を選択できない故障スイッチを検出する故障スイッチ検出手段と、
前記故障スイッチ検出手段によって前記故障スイッチを検出したときに、
前記スイッチの選択モードを、操作されることによって割り当てられた機能が選択されて発光表示する通常選択モードから、前記故障スイッチ以外のスイッチを操作するごとに、隣のスイッチの機能に順次切り替えながら選択し、切り替えられた機能を割り当てたスイッチが順次発光表示することで、前記故障スイッチに割り当てられた機能を選択可能とする故障選択モードに変更するスイッチ選択モード変更手段とを有することを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
前記スイッチを点消灯させて、前記故障選択モード時に故障選択モードサインを表示することを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記故障選択モードの場合に、故障スイッチ以外の前記複数のスイッチを同時に操作することによって、前記故障選択モードから前記通常選択モードに変更することを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
共通の装置に関連する複数の異なる機能のうちの1つの機能が割り当てられ、操作されることによってその1つの機能が選択されて発光表示するスイッチを複数備えたスイッチ群と、
前記スイッチの中で、操作されても割り当てられた機能を選択できない少なくとも1つの故障スイッチを検出する故障スイッチ検出手段と、
前記故障スイッチ検出手段によって前記故障スイッチを検出したときに、
前記スイッチの選択モードを、操作されることによって割り当てられた機能が選択されて発光表示する通常選択モードから、前記故障スイッチ以外のスイッチを操作するごとに、前記スイッチ群に割り当てられた前記複数の異なる機能のうちの1つの機能に逐次切り替えながら選択し、切り替えられた機能を割り当てたスイッチが順次発光表示することで、前記故障スイッチに割り当てられた機能を選択可能とする故障選択モードに変更するスイッチ選択モード変更手段とを有することを特徴とするスイッチ装置。
【請求項1】
異なる複数の機能のうちの1つの機能が割り当てられ、操作されることによってその1つの機能が選択されて発光表示するスイッチを複数並べて設け、
前記スイッチの中で、操作されても割り当てられた機能を選択できない故障スイッチを検出する故障スイッチ検出手段と、
前記故障スイッチ検出手段によって前記故障スイッチを検出したときに、
前記スイッチの選択モードを、操作されることによって割り当てられた機能が選択されて発光表示する通常選択モードから、前記故障スイッチ以外のスイッチを操作するごとに、隣のスイッチの機能に順次切り替えながら選択し、切り替えられた機能を割り当てたスイッチが順次発光表示することで、前記故障スイッチに割り当てられた機能を選択可能とする故障選択モードに変更するスイッチ選択モード変更手段とを有することを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
前記スイッチを点消灯させて、前記故障選択モード時に故障選択モードサインを表示することを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記故障選択モードの場合に、故障スイッチ以外の前記複数のスイッチを同時に操作することによって、前記故障選択モードから前記通常選択モードに変更することを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
共通の装置に関連する複数の異なる機能のうちの1つの機能が割り当てられ、操作されることによってその1つの機能が選択されて発光表示するスイッチを複数備えたスイッチ群と、
前記スイッチの中で、操作されても割り当てられた機能を選択できない少なくとも1つの故障スイッチを検出する故障スイッチ検出手段と、
前記故障スイッチ検出手段によって前記故障スイッチを検出したときに、
前記スイッチの選択モードを、操作されることによって割り当てられた機能が選択されて発光表示する通常選択モードから、前記故障スイッチ以外のスイッチを操作するごとに、前記スイッチ群に割り当てられた前記複数の異なる機能のうちの1つの機能に逐次切り替えながら選択し、切り替えられた機能を割り当てたスイッチが順次発光表示することで、前記故障スイッチに割り当てられた機能を選択可能とする故障選択モードに変更するスイッチ選択モード変更手段とを有することを特徴とするスイッチ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−257583(P2010−257583A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−102660(P2009−102660)
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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